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JP2003315693A - 画像表示素子及びこれを用いたプロジェクタ装置 - Google Patents

画像表示素子及びこれを用いたプロジェクタ装置

Info

Publication number
JP2003315693A
JP2003315693A JP2002124272A JP2002124272A JP2003315693A JP 2003315693 A JP2003315693 A JP 2003315693A JP 2002124272 A JP2002124272 A JP 2002124272A JP 2002124272 A JP2002124272 A JP 2002124272A JP 2003315693 A JP2003315693 A JP 2003315693A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
image display
transparent substrate
fresnel lens
transparent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002124272A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Murayama
任 村山
Koichi Kimura
宏一 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2002124272A priority Critical patent/JP2003315693A/ja
Publication of JP2003315693A publication Critical patent/JP2003315693A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で且つ簡素な構造によって薄厚化が可能
な画像表示素子及びこれを用いたプロジェクタ装置を提
供し、もって、プロジェクタ装置全体のコスト低減、小
型化を図る。 【解決手段】 透明基板21と、透明基板21の一方の
面に設けられ導入した光を電気機械動作によって光変調
する光変調部15と、透明基板21の他方の面に設けら
れ透明基板21を透過する光を屈折させるフレネルレン
ズ19とを具備した。そして、プロジェクタ装置は、こ
の画像表示素子100と、画像表示素子100に光を導
入する光源と、画像データを光変調部15の駆動用信号
に変換する信号処理部とを備え、画像データに応じて光
変調部15をオン・オフ制御することで形成した画像
を、フレネルレンズ19によって拡大結像させて投影す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導入した光を電気
機械動作によって光変調して画像を形成する画像表示素
子及びこれを用いたプロジェクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】静止画又は動画をスクリーンに投影して
拡大画像を表示するものにプロジェクタ装置がある。こ
の種のプロジェクタ装置には、投影画像の元となる画像
を液晶表示素子(LCD)を用いて表示し、このLCD
に光源からの光を透過させて、LCDに形成した画像を
スクリーンに拡大結像させて投影するものがある。
【0003】LCDは、導電性透明膜を形成した一対の
透明基板間に、配向した液晶を入れて封止し、これを偏
光方向を直交させた偏光板で挟み、導電性透明膜に電圧
を印加することで、液晶分子を基板に対して垂直に配向
し、光源からの光の透過率を変化させることにより画像
を表示する。ところが、LCDは、光源からの光を偏光
板や配向した液晶分子同士の間に透過させるため、光利
用効率が低下すると共に、液晶の注入・配向等の煩雑な
製造工程が必要であり、しかも、印加電圧が高く、且つ
高速駆動が困難な欠点があった。
【0004】そこで、LCDと比較して高速変調が可能
で、デジタル画像を高画質で表示することに優れ、光源
からの導入光を電気機械動作によって光変調する光変調
部を備えたプロジェクタ装置が提案されている。このプ
ロジェクタ装置は、図13に示すように、ガラス基板等
からなる透明基板1の一方の面に光変調部3を設け、透
明基板1の他方の面に、透明基板1から離間させてレン
ズ5を対向配置し、図中右方の図示しない光源から出射
した光をレンズ5によって屈折させ、その屈折光を光変
調部3に透過させることにより、光変調部3に形成した
画像7aを、図示しないスクリーンに投影画像7bとし
て拡大結像する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電気機
械動作によって光変調する光変調部を備えた上記のプロ
ジェクタ装置は、透明基板の他方の面に、レンズを離間
させて対向配置しているため、レンズを透明基板に対し
て確実に固定する保持構造及びそのためのスペースが必
要になると同時に、レンズを高精度に位置決めしなけれ
ばならず、レンズの組付け作業性が悪く、製造コストが
高くなる問題があった。また、透明基板に対して、別体
のレンズを離間させて配置しているため、透明基板とレ
ンズとの距離が光学的に長くなり、プロジェクタ装置の
要部が薄型化困難となって、プロジェクタ装置全体の小
型化が行えない問題があった。
【0006】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、安価で且つ簡素な構造によって薄厚化が可能な画像
表示素子及びこれを用いたプロジェクタ装置を提供し、
もって、プロジェクタ装置全体のコスト低減、小型化を
図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る請求項1記載の画像表示素子は、透明基
板と、該透明基板の一方の面に設けられ導入した光を電
気機械動作によって光変調する光変調部と、前記透明基
板の他方の面に設けられ該透明基板を透過する光を屈折
させるフレネルレンズとを具備したことを特徴とする。
【0008】この画像表示素子では、透明基板の他方の
面にフレネルレンズを設けることで、光変調動作に影響
を与えない側の透明基板の一面を利用して光学系が組み
付けられ、別体のレンズを対面させて設けていた従来構
造に比べ、レンズの組付け作業性が良好になり且つレン
ズとの距離が短くなる。これにより、画像表示素子が簡
素化され、安価且つ薄厚(小型)にできる。
【0009】請求項2記載の画像表示素子は、前記フレ
ネルレンズが、前記透明基板と一体に形成されているこ
とを特徴とする。
【0010】この画像表示素子では、透明基板とフレネ
ルレンズとが一部材で構成可能となる。フレネルレンズ
を透明基板と一体に形成するには、透明基板へ食刻して
もよく、一体成形加工してもよい。これにより、透明基
板とフレネルレンズとが、同一の媒質となって且つ両者
の間に境界面も存在しなくなり、境界面での反射が皆無
となって高い透過率が得られるようになる。
【0011】請求項3記載の画像表示素子は、前記透明
基板とは別体で形成したフレネルレンズを、前記透明基
板の他方の面に貼着したことを特徴とする。
【0012】この画像表示素子では、フレネルレンズを
透明基板とは別体で形成することにより、それぞれの部
材に適した材質の選択が可能となる。また、それぞれの
部材に最適な製造方法が採用可能となり、生産性を高め
て製造コストの低減が可能になる。さらに、予め製造し
た異仕様のフレネルレンズの中から所望のものを選択し
て貼着できるようになり、多種多様の画像表示素子の製
造に柔軟に対応可能となる。
【0013】請求項4記載の画像表示素子は、透明基板
と、該透明基板の一方の面に設けられ導入した光を電気
機械動作によって光変調する光変調部と、前記透明基板
の他方の面に固着した第1の透明平板と、該第1の透明
平板の面に対して平行に前記透明基板を挟んで配置した
第2の透明平板と、前記第1及び第2の透明平板の側面
を囲む周壁部材とを具備し、前記光変調部を収容する収
容空間を形成すると共に、前記第1又は第2の透明平板
のいずれかの外面にフレネルレンズを設けたことを特徴
とする。
【0014】この画像表示素子では、光変調部が封止さ
れる収容空間内に収容され、外部雰囲気から遮断でき、
光変調部の可動薄膜等に埃等等の付着や変質等が防止で
き、光変調動作の信頼性が高められる。また、封止体の
透明平板を利用して光学系が組み付けられ、別体のレン
ズを対面させて設けていた従来構造に比べ、レンズの組
付け作業性が良好になり、且つレンズとの距離が短くな
る。これにより、画像表示素子が簡素化され、安価且つ
薄厚(小型)にできる。
【0015】請求項5記載の画像表示素子は、前記フレ
ネルレンズが、前記第1又は第2の透明平板のいずれか
と一体に形成されていることを特徴とする。
【0016】この画像表示素子では、透明平板とフレネ
ルレンズとが一部材で構成可能となる。フレネルレンズ
を透明基板と一体に形成するには、透明基板へ食刻して
もよく、一体成形加工してもよい。これにより、透明基
板とフレネルレンズとが、同一の媒質となって且つ両者
の間に境界面も存在しなくなり、境界面での反射が皆無
となって高い透過率が得られるようになる。
【0017】請求項6記載の画像表示素子は、前記透明
平板とは別体で形成したフレネルレンズを、前記第1又
は第2の透明平板に貼着したことを特徴とする。
【0018】この画像表示素子では、フレネルレンズと
透明平板とを別体で形成することにより、それぞれの部
材に適した材質の選択が可能となる。また、それぞれの
部材に最適な製造方法が採用可能となり、生産性を高め
て製造コストの低減が可能になる。さらに、予め製造し
た異仕様のフレネルレンズの中から所望のものを選択し
て貼着できるようになり、多種多様の画像表示素子の製
造に柔軟に対応可能となる。
【0019】請求項7記載の画像表示素子は、前記フレ
ネルレンズと前記光変調部との距離が、前記フレネルレ
ンズの焦点距離よりも短いことを特徴とする。
【0020】この画像表示素子では、フレネルレンズに
より拡大された像を、正立虚像として観察することがで
きる。
【0021】請求項8記載の画像表示素子は、前記光変
調部が、基板に対して接近・離間方向に移動自在に支持
された可動部と、前記可動部及び基板の双方にそれぞれ
対峙して設けた一対の電極とを具備し、前記電極間に駆
動電圧を印加することで発生する静電気力によって、前
記可動部を前記基板に対して吸引動作させ、導入光に対
する透過率を光学的干渉効果により変化させることを特
徴とする。
【0022】この画像表示素子では、静電気力によって
可動部が基板に対して吸引動作され、導入光に対する透
過率が変化する。このような光学的干渉効果による光変
調を行うことで、画像表示素子の小サイズ化、低電圧
化、表示動作の高速化が可能になる。
【0023】請求項9記載のプロジェクタ装置は、請求
項1〜請求項8のいずれか1項記載の画像表示素子を用
いたプロジェクタ装置であって、前記画像表示素子に光
を導入する光源と、表示用の画像データを前記光変調部
の駆動用信号に変換する信号処理部とを備え、前記画像
データに応じて前記光変調部をオン・オフ制御して形成
した画像を、前記フレネルレンズによって拡大結像させ
て投影することを特徴とする。
【0024】このプロジェクタ装置では、光変調部に形
成した画像が透明基板又は透明平板に設けたフレネルレ
ンズによって拡大されて投影される。そして、光変調部
が簡素な構造となるため、画像表示素子はレンズとの距
離が短くなる。これにより、プロジェクタ装置の要部が
薄型となり、プロジェクタ装置全体の小型化が可能とな
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像表示素子
及びこれを用いたプロジェクタ装置の好適な実施の形態
について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明
に係る画像表示素子の断面図、図2は図1の画像表示素
子を搭載したプロジェクタ装置の概略構成を示す図、図
3は画像表示素子とその光変調部の一部拡大図、図4は
光変調部の個々の素子構成の一例とその動作を説明する
断面図である。
【0026】本実施形態の画像表示素子100は、図1
に示すように、透明基板21と、この透明基板21の一
方の面に設けられ導入した光を電気機械動作によって光
変調する光変調部15と、透明基板21の他方の面に設
けられ透過する光を屈折させるフレネルレンズ19とを
備えて成る。透明基板21は、導入される光に対して透
明であればよく、例えば、ガラス基板やプラスチック基
板等を用いることができる。
【0027】図2は、上記画像表示素子100をプロジ
ェクタ装置に適用した一構成例である。このプロジェク
タ装置150は、画像表示素子100と、画像表示素子
100に光を導入する光源11と、画像表示素子100
の光変調部15に画像データを駆動用信号に変換して送
出する信号処理部17と、入力される種々の形態の画像
信号をRGBの画像データ形態に変換する入力画像信号
処理部18とを備え、画像データに応じて光変調部15
をオン・オフ制御することで形成した画像7aを、フレ
ネルレンズ19によって拡大し、投影画像7bとして図
示しないスクリーンに拡大投影する。なお、フレネルレ
ンズ19は、光変調部15の光入射側又は光出射側のい
ずれに配設するものであってもよく、本実施形態では、
フレネルレンズ19を透明基板21の光入射側に配設し
ている。
【0028】光変調部15は、図3に示すように、光変
調素子16が縦横に2次元配列されてなり、個々の光変
調素子16がそれぞれ個別に信号処理部17によってオ
ン・オフ制御される、所謂、単純マトリクス駆動で制御
される。個々の光変調素子16は、例えば図4に示すよ
うに、透明基板21上に可撓性を有する可動薄膜(可動
部)23が支柱24を介して支持され、透明基板21に
対して接近・離反方向に移動自在になっている。この可
動薄膜23と透明基板21との双方には、それぞれ対峙
する面から、透明電極25,26と誘電体多層膜27,
28とがそれぞれこの順で設けられている。即ち、可動
薄膜23と透明基板21の間には、一対の透明電極2
5,26とその内側に一対の誘電体多層膜27,28と
が設けられている。
【0029】透明電極26は、変調する光に対して透明
であればよく、例えばITO等からなる。誘電体多層膜
27,28は、例えばSiO2/TiO2の多層積層体か
らなる。そして、透明電極25,26間に駆動電圧を印
加すると、各透明電極25,26間に静電気力が発生
し、可動薄膜23が図4(a)に示す状態から、図4
(b)に示すように透明基板21側へ吸引されて移動す
る。このような電気機械動作により、可動薄膜23と透
明基板21との間の空隙29の厚みをtOffからto n
変更することで、導入光に対する光変調素子の光学的特
性を変化させて光のオン・オフ制御を行う。つまり、可
動薄膜23を撓ませることにより、多層膜干渉(ファブ
リペロー干渉)を発生させて光変調を行う。なお、この
光変調素子16の詳細については、例えば特開平11−
258558号公報に説明されているので、適宜これを
参照されたい。
【0030】上記の光変調素子16を一画素とし、各光
変調素子16を信号処理部17から出力される駆動電圧
によって電気機械動作させることで、画像データに基づ
いた画像7aが表示される。
【0031】ところで、画像表示素子100は、前述し
たようにフレネルレンズ19を透明基板21の他方の面
に設けているが、フレネルレンズ19と透明基板21と
を一体に構成してもよい。その場合、フレネルレンズ1
9は、透明基板21の他方の面を食刻又は一体成形する
ことによって形成できる。これにより、素子構成を簡略
化できると共に、透明基板21とフレネルレンズ19と
の間に境界面が存在しなくなり、境界面での反射が皆無
となって高い光透過率を得ることができる。また、フレ
ネルレンズ19を、透明基板21とは別体に形成し、透
明基板21の他方の面に貼着するものであってもよい。
この場合には、それぞれの部材に適した材質が選択で
き、設計自由度を高められる。また、予め用意した焦点
距離等の異なる複数のフレネルレンズ19の中から所望
のものを選択して貼着できるようになり、画像表示素子
100の適用対象を広範にでき、汎用性を持たせること
ができる。そして、このフレネルレンズ19は、フレネ
ルレンズ19と光変調部15との距離が、フレネルレン
ズ19の焦点距離よりも短いものを用いる。これによ
り、フレネルレンズ19により拡大された像を、正立虚
像として観察することができる。
【0032】次に、画像表示素子100を駆動するため
の信号処理について説明する。図5に信号処理部17の
構成を表すブロック図を示した。入力画像信号処理部1
8に入力される画像信号としては、通常、ビットマップ
形式のRGB信号、輝度信号Yと色信号Cを合成したコ
ンポジット・ビデオ信号(Y/C信号)、或いはJPE
G等の圧縮データ信号等がある。RGB信号はそのまま
画像データ30として利用できるが、圧縮データ信号
は、伸長処理部32で伸長してY/C信号に変換し、Y
/C信号は、YC/RGB変換部34でRGB信号に変
換する。これらの変換処理はソフトウェアによってもハ
ードウェアによっても行える。
【0033】信号処理部17は、主に、データフォーマ
ット変換部31と、単純マトリクス駆動タイミング発生
部33と、信号レベル変換部35とを有している。デー
タフォーマット変換部31では、入力される画像データ
30を、その濃淡パターンに応じて各光変調素子へのオ
ン・オフ信号に変換する。このとき、良好な階調表現の
ために、予め用意されたルックアップテーブルLUTを
参照して、適宜階調変換することで最適化を図ることが
ある。単純マトリクス駆動タイミング発生部33では、
マトリクス配列された各光変調素子へのオン・オフ信号
を単純マトリクス駆動用信号として生成し、信号レベル
変換部35では、生成された単純マトリクス駆動用信号
を所定の駆動信号に電圧レベルを変換して光変調部15
に送出する。これにより、画像データ30に基づく画像
7aが画像表示素子100に表示される。
【0034】ここで、図6〜図9を参照して画像表示素
子100を単純マトリクス駆動するための具体的な制御
方法を説明する。図6は印加電圧に対する光透過率のヒ
ステリシス特性を示す説明図、図7は光変調素子を2次
元配列した光変調部の一部分を示す図、図8は光変調素
子への入力信号をまとめて示す説明図、図9は光変調素
子への画像データ書込み用信号を示す説明図である。可
動薄膜を静電気力によって変形及び弾性復帰させる際、
電極25,26への印加電圧と可動薄膜23の変位との
関係はヒステリシス特性を示す。従って、印加電圧Vgs
と光透過率Tとの関係も、図6に示すようなヒステリシ
ス特性を示す。
【0035】このヒステリシス特性によれば、光変調素
子16は、印加電圧VgsがVth(L)以下であると、OF
F(光遮蔽)状態を維持する。一方、印加電圧VgsがV
s (H) 以上になると、光変調素子16はON(光透過)
状態に飽和する。その後、光変調素子16は、印加電圧
VgsがVth(H) 以上ではON状態を維持したままとな
る。そして、印加電圧VgsがVs (L) 以下になると、光
変調素子16はOFF状態に飽和する。即ち、光変調素
子16は、印加電圧VgsがVth(H) とVth(L) との間の
範囲であれば、印加電圧Vgsの履歴によって、T(O
N)、T(OFF)の二つの状態を得ることができる。
なお、印加電圧Vgsの極性が負の場合には、上述と縦軸
対象の特性になる。
【0036】上記特性の光変調素子16を、図7に示す
ように、説明の簡略化のため2行2列のマトリクスの各
交点Tr(1,1)、Tr(1,2)、Tr(2,1)、Tr(2,2)にそれぞ
れ配置した構成とする。なお、各光変調素子16は一画
素の領域に対応させてある。
【0037】同じ行に配列された光変調素子16の可動
薄膜23側の電極26は、それぞれ共通に接続して走査
電極としてある。この走査電極には電位Vg が印加され
る。また、同じ列に配列された光変調素子16の透明基
板21側の電極25は、それぞれ共通に接続して信号電
極としてある。この信号電極には電位Vb が印加され
る。従って、各光変調素子16に印加される電極25,
26間の電圧Vgsは(Vb −Vg )となる。このマトリ
クス状の光変調素子16を駆動するには、走査信号に従
って、行順次に走査電極を走査し、これと同期させ、走
査された走査電極に対応するデータ信号を信号電極に印
加する。
【0038】ここで、図8に示すように、走査電極に
は、リセット信号、選択信号、非選択信号の三種類の信
号(電圧)が与えられる。リセット信号は、光変調素子
16の以前の状態に拘わらず、その行の光変調素子16
をOFF(光遮蔽)にする。この時の走査電極の電圧を
Vg(r)とする。
【0039】選択信号は、その行にデータを書き込むた
めの信号である。この信号と同時に、信号電極に印加さ
れた電圧に従い、光変調素子16の状態がON(光透
過)又はOFF(光遮蔽)に決定される。この時の走査
電極の電圧をVg(s)とする。非選択信号は、選択がなさ
れないときの信号である。この時、信号電極の電圧に拘
わることなく光変調素子16の状態は変わらず、前の状
態が維持される。この時の走査電極の電圧をVg(ns) と
する。
【0040】一方、信号電極には、ON信号、OFF信
号の二種類の信号(電圧)が与えられる。ON信号は、
選択された行の光変調素子16に対し、光変調素子16
の状態をON(光透過)にする。この時の信号電極の電
圧をVb(on) とする。OFF信号は、選択された行の光
変調素子16に対し、光変調素子16の状態をOFF
(光遮蔽)にする。但し、実際には、直前で光変調素子
16がリセットされることを想定しているので、光変調
素子16の状態をOFF(光遮蔽)にする場合は、前の
状態(OFF状態)を維持する信号でよい。この時の信
号電極の電圧をVb(off)とする。
【0041】以上の走査電極電圧、信号電極電圧の組み
合わせにより、光変調素子16の電極間電圧Vgsは、以
下の6種類の電圧に分けられる。また、電極間電圧Vgs
と透過率の特性により、特定の条件が与えられることに
なる。 Vgs(r-on) =Vb(on) −Vg(r) ≦ Vs(L) Vgs(r-off) =Vb(off)−Vg(r) ≦ Vs(L) Vgs(s-on) =Vb(on) −Vg(s) ≧ Vs(H) Vgs(s-off) =Vb(off)−Vg(s) ≦ Vth(L) Vgs(ns-on) =Vb(on) −Vg(ns) ≦ Vth(L) Vgs(ns-off)=Vb(off)−Vg(ns) ≧ Vth(H)
【0042】以上の各条件を、図8にまとめて示した。
例えば、走査電極電圧Vg がリセットVg(r)で、信号電
極電圧Vb がON即ちVb(on) の場合には、Vs(H)より
大きい値の信号電極電圧Vb (図中太実線41)から、
Vs(H)とVth(L) との間の値の走査電極電圧Vg (図中
太実線43)が減算され、その値(図中太実線45)が
Vs(L)より小さくなる。即ち、 Vgs(r-on)≦Vs(L) となる。その他同様にして、6種類の電圧が定まること
になる。
【0043】次に、このような電極間電圧Vgsと透過率
との関係を利用して、光変調素子16を2次元に配置し
たマトリクスにデータを書き込む方法を説明する。マト
リクスとしては、図7に示した2行2列のマトリクスを
用いてデータの書き込みを行うことを考える。マトリク
スの各光変調素子16には、以下のON、OFFデータ
を書き込むものとする。 Tr(1,1) → ON Tr(1,2) → OFF Tr(2,1) → OFF Tr(2,2) → ON
【0044】マトリクスには、図9に示すような波形の
電圧を印加する。例えば、1行目Vg(1)には、 t1:リセット電圧 t2:選択電圧 t3:非選択電圧 t4:非選択電圧 を印加する。1列目Vb(1)には、 t1:don't care t2:ON電圧 t3:OFF電圧 t4:don't care を印加する。これにより、各光変調素子16に所望のデ
ータが行順次で書き込まれる。
【0045】即ち、例えば上述の1行1列目のマトリク
スTr(1,1)の場合では、Vgs:Vb(1)−Vg(1)であるか
ら、 t1:リセット電圧(OFF) t2:ON t3=状態維持 t4=状態維持となる。
【0046】従って、t2におけるONの状態が維持
(メモリー)され、その結果、マトリクスTr(1,1)は光
変調素子16が「ON」の状態となる。その他、同様に
して、他のマトリクスTr(1,2)は「OFF」、Tr(2,1)
は「OFF」、Tr(2,2)は「ON」の状態となる。以上
のように、走査電極を行順次でONにし、それと同期さ
せて信号電極から任意の電位を印加することで、所望の
画像表示が行える。
【0047】なお、本実施形態のプロジェクタ装置15
0は、図10に示すように、ビデオカメラ37から出力
されるビデオ信号(アナログ信号)を、A/D変換部3
9でデジタル画像化して画像データ30に変換し、この
画像データ30を上述したように信号処理部17で処理
して、画像表示素子100に表示させる構成としてもよ
い。また、前述の例は単純マトリクス駆動による表示制
御の説明であるが、画素毎にトランジスタ等の能動素子
を設けたアクティブ駆動方式による表示制御の構成であ
っても良い。その場合には、光変調素子にヒステリシス
特性を持たせずに変位のアナログ制御による画像表示が
可能になる。
【0048】このように、本実施形態の画像表示素子1
00によれば、透明基板21の一方の面に光変調部15
を設け、他方の面にフレネルレンズ19を設けたので、
光変調動作に関与しない側の透明基板21の一面を有効
利用できる。このため、透明基板21とは別体にレンズ
を対面させて設けていた従来構造に比べ、レンズを透明
基板に固定する保持構造及びそのためのスペースが不要
となり、また、レンズを高精度に位置決めする必要もな
いので、レンズの組付け作業が簡単となり、製造コスト
を抑えた簡単な構成にできる。そして、この画像表示素
子100を用いてプロジェクタ装置150を構成するこ
とにより、投影動作を行うプロジェクタ装置の要部を薄
型化でき、その結果、プロジェクタ装置全体を小型、薄
型化することができる。
【0049】次に、本発明に係る画像表示素子の第2実
施形態を説明する。図11は本発明に係る画像表示素子
の第2実施形態を示す断面図、図12は図11に示した
画像表示素子の変形例を示す断面図である。本実施形態
による画像表示素子200は、透明基板21と、この透
明基板21の一方の面に設けた光変調部15と、透明基
板21の他方の面に固着したガラス等の透明平板(第1
の透明平板)45と、透明平板45の面に対して平行に
透明基板21を挟んで配置されたガラス等の透明平板
(第2の透明平板)47と、透明平板45,47の側面
を囲む周壁部材48とを備え、透明平板45,47と周
壁部材48によって光変調部15を収容する収容空間4
3を形成している。そして、透明基板21の固着された
透明平板47の外面にはフレネルレンズ19を設けてい
る。
【0050】このフレネルレンズ19も、前述の画像表
示素子100の場合と同様に、透明平板47の外面をフ
レネルレンズ形状に食刻又は一体成形することによっ
て、透明平板47と一体に形成することもでき、その場
合には、素子構成が簡略化されると共に高い光透過率を
得ることができる。また、フレネルレンズ19は、透明
平板47と別体で形成して透明平板47の外面に貼着す
るものであってもよく、所望の仕様のレンズを選択的に
使用して、設計自由度を向上することができる。
【0051】なお、画像表示素子200は、図12に示
すように、フレネルレンズ19が光変調部15側の光出
射側となる透明平板47に配設された構成の画像表示素
子300としてもよい。
【0052】本実施形態による画像表示素子200,3
00によれば、前述した第1実施形態の構成の効果に加
えて、光変調部15が封止体49の収容空間43内に密
閉されて収容されるため、外部雰囲気から遮断でき、光
変調部15の可動薄膜23等の部位に塵埃等の異物が付
着することが防止できる。また、収容空間43内に希ガ
ス等を封入することで、素子部材の化学変化等による劣
化を防止できる。これにより、光変調動作の信頼性が高
められ、長期にわたって安定した動作が得られるように
なる。
【0053】なお、以上説明した各実施形態における光
変調部は、干渉膜の電気機械動作により光変調を行う光
変調素子を用いているが、本発明はこれに限らず、例え
ば、特開平11−258558号公報に記載のように、
可撓性を有する遮光膜が電界の印加により撓んで遮光状
態と光透過状態を作り出す素子構成や、同じく遮光膜自
体が電界の印加によりスライドして光変調する遮光型の
光変調素子であってもよい。また、全反射導光板に可動
薄膜を近接可能に設け、可動薄膜の近接/離間動作によ
る光カップリング作用によって全反射条件を変化させて
光変調を行う構成であってもよい。
【0054】さらに、本発明に係る画像表示素子は、プ
ロジェクタ装置に適用する以外にも、他の表示用途に対
しても本画像表示素子を適宜適用することができる。
【0055】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る画像表示素子によれば、透明基板の一方の面に、導入
した光を電気機械動作によって光変調する光変調部を設
け、透明基板の他方の面に、透明基板を透過する光を屈
折させるフレネルレンズを設けたので、光変調動作に影
響を与えない側の透明基板の一面を利用して光学系を組
み付けることができ、別体のレンズを対面させて設けて
いた従来構造に比べ、レンズの組付け作業性を良好にし
且つレンズとの距離を短くすることができる。この結
果、画像表示素子を簡素化して、安価且つ薄厚にするこ
とができる。
【0056】本発明に係るプロジェクタ装置によれば、
上記画像表示素子と、この画像表示素子に光を導入する
光源と、画像データを光変調部の駆動用信号に変換する
信号処理部とを備え、画像データに応じて光変調部をオ
ン・オフ制御することで形成した画像を、フレネルレン
ズによって拡大して投影するので、光変調部が安価且つ
簡素な構造になるのに加え、画像表示素子が薄厚となる
ので、投影動作を行うプロジェクタ装置の要部を薄型化
でき、その結果、プロジェクタ装置全体を小型化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像表示素子の断面図である。
【図2】図1の画像表示素子を搭載したプロジェクタ装
置の概略構成を示す図である。
【図3】画像表示素子とその光変調部の一部拡大図であ
る。
【図4】光変調部の個々の素子構成の一例とその動作を
説明する断面図である。
【図5】信号処理部の構成を表すブロック図である。
【図6】光変調素子の印加電圧に対する光透過率のヒス
テリシス特性を示す説明図である。
【図7】光変調素子を2次元配列した光変調部の一部分
を示す図である。
【図8】光変調素子への入力信号をまとめて示す説明図
である。
【図9】光変調素子への画像データ書込み用信号を示す
説明図である。
【図10】画像データをビデオカメラから得ることを示
すブロック図である。
【図11】本発明に係る画像表示素子の第2実施形態を
示す断面図である。
【図12】図11に示した画像表示素子の変形例を示す
断面図である。
【図13】従来のプロジェクタ装置を示す要部構成図で
ある。
【符号の説明】
11 光源 13 画像表示素子 15 光変調部 16 光変調素子 17 信号処理部 19 フレネルレンズ 21 透明基板 23 可動薄膜(可動部) 24 支柱 25,26 透明電極 27,28 誘電体多層膜 29 空隙 30 画像データ 31 データフォーマット変換部 33 単純マトリクス駆動タイミング発生部 35 信号レベル変換部 43 収容空間 45,47 透明平板 48 周壁部材 49 封止体 100,200,300 画像表示素子 150 プロジェクタ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H041 AA05 AB00 AB38 AC06 AZ05 AZ08 2K103 AA05 AA16 AB07 BB03 BC24 BC47 CA18 CA29 5C058 AB06 AB07 BA01 EA02 EA12 EA27 EA51

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、 該透明基板の一方の面に設けられ導入した光を電気機械
    動作によって光変調する光変調部と、 前記透明基板の他方の面に設けられ該透明基板を透過す
    る光を屈折させるフレネルレンズとを具備したことを特
    徴とする画像表示素子。
  2. 【請求項2】 前記フレネルレンズが、前記透明基板と
    一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    画像表示素子。
  3. 【請求項3】 前記透明基板とは別体で形成したフレネ
    ルレンズを、前記透明基板の他方の面に貼着したことを
    特徴とする請求項1記載の画像表示素子。
  4. 【請求項4】 透明基板と、 該透明基板の一方の面に設けられ導入した光を電気機械
    動作によって光変調する光変調部と、 前記透明基板の他方の面に固着した第1の透明平板と、 該第1の透明平板の面に対して平行に前記透明基板を挟
    んで配置した第2の透明平板と、 前記第1及び第2の透明平板の側面を囲む周壁部材とを
    具備し、 前記光変調部を収容する収容空間を形成すると共に、前
    記第1又は第2の透明平板のいずれかの外面にフレネル
    レンズを設けたことを特徴とする画像表示素子。
  5. 【請求項5】 前記フレネルレンズが、前記第1又は第
    2の透明平板のいずれかと一体に形成されていることを
    特徴とする請求項4記載の画像表示素子。
  6. 【請求項6】 前記透明平板とは別体で形成したフレネ
    ルレンズを、前記第1又は第2の透明平板に貼着したこ
    とを特徴とする請求項4記載の画像表示素子。
  7. 【請求項7】 前記フレネルレンズと前記光変調部との
    距離が、前記フレネルレンズの焦点距離よりも短いこと
    を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の
    画像表示素子。
  8. 【請求項8】 前記光変調部が、基板に対して接近・離
    間方向に移動自在に支持された可動部と、前記可動部及
    び基板の双方にそれぞれ対峙して設けた一対の電極とを
    具備し、 前記電極間に駆動電圧を印加することで発生する静電気
    力によって、前記可動部を前記基板に対して吸引動作さ
    せ、導入光に対する透過率を光学的干渉効果により変化
    させることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか
    1項記載の画像表示素子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8のいずれか1項記載
    の画像表示素子を用いたプロジェクタ装置であって、 前記画像表示素子に光を導入する光源と、表示用の画像
    データを前記光変調部の駆動用信号に変換する信号処理
    部とを備え、 前記画像データに応じて前記光変調部をオン・オフ制御
    して形成した画像を、前記フレネルレンズによって拡大
    結像させて投影することを特徴とするプロジェクタ装
    置。
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