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JP2003309423A - アンテナ一体型高周波回路モジュール - Google Patents

アンテナ一体型高周波回路モジュール

Info

Publication number
JP2003309423A
JP2003309423A JP2002112133A JP2002112133A JP2003309423A JP 2003309423 A JP2003309423 A JP 2003309423A JP 2002112133 A JP2002112133 A JP 2002112133A JP 2002112133 A JP2002112133 A JP 2002112133A JP 2003309423 A JP2003309423 A JP 2003309423A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
antenna
circuit
dielectric substrate
antennas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002112133A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Iegi
勉 家木
Yoshihiro Yamaguchi
喜弘 山口
Takeshi Okada
岡田  健
Atsushi Yuasa
敦之 湯浅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2002112133A priority Critical patent/JP2003309423A/ja
Publication of JP2003309423A publication Critical patent/JP2003309423A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のアンテナを備えた小型化が容易なアン
テナ一体型高周波回路モジュールを提供する。 【解決手段】 誘電体基体6の表面にアンテナ2,3の
放射電極7,8を離間配置し、また、放射電極7,8間
に高周波回路4,5の回路パターン11を形成する。高
周波回路4,5の回路パターン11に対向する誘電体基
体裏面部分には回路用接地電極16を形成する。また、
アンテナ2,3の放射電極7,8に対向する誘電体基体
裏面部分には別の肉厚化用の誘電体基体14,15を形
成し、当該誘電体基体14,15の底面にはアンテナ用
接地電極12a,12bを形成する。放射電極7,8を
小さくできることと、アンテナ2,3のアイソレーショ
ンを確保しつつ放射電極7,8を近接配置できること
と、放射電極7,8間の必須のスペースに高周波回路
4,5を設けることとにより、モジュールが小型化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のアンテナ
と、アンテナに接続する高周波回路とが共通の誘電体基
体に形成されて成るモジュールに関するものである。
【0002】
【背景技術】図7にはアンテナ一体型高周波回路モジュ
ールの一例が断面図により示されている(特開2001-284
13号公報参照)。このアンテナ一体型高周波回路モジュ
ール30は、アンテナ31と、当該アンテナ31に接続
する高周波回路部32とが積層一体化されている。
【0003】アンテナ31は、誘電体基体33と、放射
電極34とを有して構成されている。また、高周波回路
部32は、誘電体基体35と、高周波デバイス36とを
有して構成されている。なお、図7中の符号37a,3
7bはそれぞれグランド層を示し、符号38はそれらグ
ランド層37a,37bを接続するビアホールを示す。
符号40は伝送線路を示し、符号41は高周波線路を示
す。符号42は誘電体基体35に形成された凹部を示
し、符号43は凹部42の開口を塞いで凹部42の内部
を気密封止する蓋体を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図7に示す構成では、
アンテナ31と、高周波回路部32とが積層して一体化
されているので、嵩高である。また、アンテナ31の放
射電極34と、高周波回路部32の線路40,41と
は、別々に形成され、ビアホール等を用いて接続される
ので、製造時(加工上)の位置ずれによって、アンテナ
31と、高周波回路部32との電気的な接続状態が製品
毎にばらつき易い。
【0005】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、アンテナと高周波回路との
電気的な接続状態のばらつきを抑えることができ、か
つ、薄型・小型化が容易な複数のアンテナ内蔵のアンテ
ナ一体型高周波回路モジュールを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決す
るための手段としている。すなわち、第1の発明は、ア
ンテナと、このアンテナに接続される高周波回路とが共
通の誘電体基体に形成されて成るアンテナ一体型高周波
回路モジュールであって、誘電体基体の表面にはアンテ
ナを構成する複数の放射電極が互いに間隔を介して形成
され、また、当該誘電体基体の表面には複数の放射電極
間の領域に高周波回路を構成する回路パターンが形成さ
れている構成を有し、回路パターンに対向する誘電体基
体裏面部分には回路用接地電極が形成され、また、放射
電極に対向する誘電体基体裏面部分には別の肉厚化用の
誘電体基体が設けられ、当該肉厚化用の誘電体基体の底
面には放射電極に対向するアンテナ用接地電極が形成さ
れており、放射電極とアンテナ用接地電極間の誘電体の
厚みは、回路パターンと回路用接地電極間の誘電体の厚
みよりも厚くなっていることを特徴としている。
【0007】第2の発明は、第1の発明の構成を備え、
放射電極と回路パターンが形成されている誘電体基体の
裏面側には、複数の肉厚化用の誘電体基体を介して基板
が接合されており、この基板には複数の肉厚化用の誘電
体基体間の領域に前記誘電体基体表面の高周波回路に接
続する回路が設けられていることを特徴としている。
【0008】第3の発明は、第1又は第2の発明の構成
を備え、肉厚化用の誘電体基体は、放射電極と回路パタ
ーンの形成用の誘電体基体よりも高い比誘電率を持つ誘
電材料により構成されていることを特徴としている。
【0009】第4の発明は、第3の発明の構成を備え、
放射電極と回路パターンの形成用の誘電体基体は、10
未満の比誘電率を持つ誘電材料により構成され、肉厚化
用の誘電体基体は、10以上の比誘電率を持つ誘電材料
により構成されていることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、この発明に係る実施形態
例を図面に基づいて説明する。
【0011】図1には第1実施形態例のアンテナ一体型
高周波回路モジュールが模式的な斜視図により示され、
図2には図1のアンテナ一体型高周波回路モジュールの
模式的な側面図が示されている。
【0012】この第1実施形態例のアンテナ一体型高周
波回路モジュール1では、受信用のアンテナ2と、送信
用のアンテナ3と、受信用のアンテナ2に接続する受信
側の高周波回路4と、送信用のアンテナ3に接続する送
信側の高周波回路5とが共通の誘電体基体6に形成され
ている。
【0013】すなわち、誘電体基体6の表面には、受信
用のアンテナ2を構成する放射電極7と、送信用のアン
テナ3を構成する放射電極8とが離間形成されている。
また、誘電体基体6の裏面には、放射電極7に対向する
部分に肉厚化用の誘電体基体14が、また、放射電極8
に対向する部分に肉厚化用の誘電体基体15が、それぞ
れ設けられている。この第1実施形態例では、誘電体基
体6と、肉厚化用の誘電体基体14,15とは、例えば
比誘電率が10以上である同じ誘電材料により構成され
ており、比誘電率が等しくなっている。これら肉厚化用
の誘電体基体14,15の底面には、それぞれ、アンテ
ナ用接地電極12a,12bが形成されている。
【0014】この第1実施形態例では、アンテナ2はマ
イクロストリップアンテナであり、該アンテナ2は、放
射電極7と、この放射電極7に対向するアンテナ用接地
電極12aと、このアンテナ用接地電極12aと放射電
極7間の誘電体基体6,14とを有して構成されてい
る。また同様に、アンテナ3もマイクロストリップアン
テナであり、該アンテナ3は、放射電極8と、この放射
電極8に対向するアンテナ用接地電極12bと、このア
ンテナ用接地電極12bと放射電極8間の誘電体基体
6,15とを有して構成されている。
【0015】また、誘電体基体6の表面には、放射電極
7の形成領域と、放射電極8の形成領域とにより挟まれ
ている部分に、部品10や回路パターン11が設けられ
ている。さらに、誘電体基体6の裏面には、当該誘電体
基体6の表面の回路パターン11に対向する領域に、回
路用接地電極16が形成されている。この回路用接地電
極16と、回路パターン11と、これら回路パターン1
1と回路用接地電極16間の誘電体基体6とによって、
マイクロストリップラインが構成されている。このマイ
クロストリップラインと、部品10とを有して受信側と
送信側の高周波回路4,5が形成されている。なお、受
信側の高周波回路4と送信側の高周波回路5には、それ
ぞれ、様々な回路構成があり、ここでは、何れの構成を
も採用してよいものであり、回路構成の説明は省略す
る。
【0016】この第1実施形態例のアンテナ一体型高周
波回路モジュール1は、例えば、図2に示されるよう
に、誘電体基体6の裏面側を回路基板21側に向けて回
路基板21に実装される。このため、誘電体基体6と回
路基板21との間には肉厚化用の誘電体基体14,15
による間隙が生じる。このことを考慮し、この第1実施
形態例では、誘電体基体6の表面上の回路パターン11
を、回路基板21の回路に接続させるために、誘電体基
体6には、当該誘電体基体6の表面の回路パターン11
と誘電体基体6の裏面側とを導通させるためのビアホー
ル(VIAホール)17が設けられると共に、このビア
ホール17と回路基板21の回路とを電気的に接続する
ための導電ピン20が設けられている。なお、誘電体基
体6の裏面側の回路用接地電極16は、ビアホール17
および導電ピン20と絶縁するために、それらビアホー
ル17および導電ピン20の配置領域を避けて形成され
ている。
【0017】また、この第1実施形態例では、肉厚化用
の誘電体基体14,15の各々の側面には接地接続用電
極18が形成されている。この接地接続用電極18は、
誘電体基体6の裏面の回路用接地電極16を、肉厚化用
の誘電体基体14,15の底面のアンテナ用接地電極1
2a,12bに電気的に接続させるためのものである。
アンテナ一体型高周波回路モジュール1を例えば回路基
板21に実装した場合に、アンテナ用接地電極12a,
12bは回路基板21のグランド部に接地され、また、
接地接続用電極18によって、回路用接地電極16はア
ンテナ用接地電極12a,12bを介して同様に回路基
板21のグランド部に接地できることになる。
【0018】なお、この第1実施形態例のアンテナ一体
型高周波回路モジュール1を回路基板21に実装した場
合に、前述したように、誘電体基体6と回路基板21と
の間には、肉厚化用の誘電体基体14,15間の領域S
に、間隙が形成される。この間隙を有効利用する場合に
は、例えば、回路基板21には、肉厚化用の誘電体基体
14の接合部と、肉厚化用の誘電体基体15の接合部と
の間となる領域に、図2の点線に示すように、高周波回
路4,5に接続する回路23(例えばIF回路やベース
バンド回路)を構成してもよい。
【0019】この第1実施形態例では、前述したよう
に、放射電極7,8に対向する誘電体基体6の裏面部分
に別の肉厚化用の誘電体基体14,15を設け、当該誘
電体基体14,15の底面にアンテナ用接地電極12を
形成する構成であるので、アンテナ2,3を構成する放
射電極7,8とアンテナ用接地電極12間の誘電体の厚
みDは、高周波回路4,5のマイクロストリップライン
を構成する回路パターン11と回路用接地電極16間の
誘電体の厚みdよりも厚くなっている。
【0020】ところで、アンテナ(マイクロストリップ
アンテナ)2,3を構成する誘電体の厚みDには、アン
テナ効率や周波数帯域幅などのアンテナ特性が良好とな
るための適切な値がある。この誘電体の適切な厚みは、
誘電体の比誘電率や通信電波の周波数帯などによって異
なるものであるが、具体例を挙げると、例えば、誘電体
の比誘電率が20であり、周波数帯が5GHz帯である場
合には、アンテナ2,3の誘電体の厚みDは約3mm程度
が好ましい。
【0021】これに対して、高周波回路4,5のマイク
ロストリップラインを構成する誘電体の厚みがアンテナ
2,3に適切な厚みDであると仮定すると、高周波回路
4,5の回路パターン11からの電磁放射が増加した
り、受信側の高周波回路4の回路パターン11と送信側
の高周波回路5の回路パターン11とが不要に結合して
しまうことがある。これら電磁放射増加や不要結合を抑
制するためには、誘電体の厚みを薄くする必要がある。
例えば、誘電体の比誘電率が20である場合には高周波
回路4,5のマイクロストリップラインの誘電体の厚み
は約1mm程度であることが好ましい。
【0022】このことを考慮し、この第1実施形態例で
は、高周波回路4,5のマイクロストリップラインの誘
電体、つまり、誘電体基体6の厚みdは、高周波回路
4,5の電磁放射増加や不要結合を抑制することができ
る適切な値となっている。
【0023】また、この第1実施形態例では、放射電極
7,8に対向する誘電体基体6の裏面部分には肉厚化用
の誘電体基体14,15を設ける構成であり、当該肉厚
化用の誘電体基体14,15の厚みが適宜に設計され
て、誘電体基体14,15の厚みと誘電体基体6の厚み
dとの合計の厚みであるアンテナ2,3の誘電体の厚み
Dは、アンテナ2,3が良好なアンテナ特性を得ること
ができる適宜な値となっている。
【0024】この第1実施形態例によれば、アンテナ
2,3と高周波回路4,5が誘電体基体6に並設される
構成であるために、アンテナ一体型高周波回路モジュー
ル1の薄型化を図ることができる。
【0025】以上のようなアンテナ一体型高周波回路モ
ジュール1を製造する際には、例えば、誘電体基体6の
表面にアンテナ2,3の放射電極7,8を形成するのと
同時に、高周波回路4,5の回路パターン11を形成す
ることが好ましい。これにより、製造工程の簡略化を図
ることができる。また、回路とアンテナの位置精度を高
く維持することができるため、アンテナ2,3間の間隔
に起因したアンテナ2,3間の結合量や、アンテナ2,
3と高周波回路4,5の整合状態をほぼ設計通りに形成
することが容易となって、アンテナ2,3や高周波回路
4,5の電気的特性が安定化する。さらに、この第1実
施形態例では、誘電体基体6と肉厚化用の誘電体基体1
4,15は何れも直方体状で単純な形状であることか
ら、それら誘電体基体6と肉厚化用の誘電体基体14,
15をそれぞれ別々に直方体状に作製することも、ま
た、それら誘電体基体6と肉厚化用の誘電体基体14,
15を接合する作業も容易に行うことができる。
【0026】ところで、特許第3092629号公報には図6
(a)の斜視図および図6(b)の断面図に示すような
アンテナ付き電子回路装置が記載されている。この装置
では、プリント基板45の表面にアンテナパターン46
が形成されると共に、回路パターン47や部品48が設
けられて回路が形成されている。また、プリント基板4
5の裏面には導体箔49が形成されている。さらに、プ
リント基板45の裏面において、アンテナパターン46
に対向する領域の導体箔49が除去され、この導体箔4
9を除去した部分に誘電体から成るアンテナ基板50が
取り付けられている。このアンテナ基板50の裏面に導
体箔51が形成されている。
【0027】この装置の構成では、プリント基板45は
第1実施形態例の誘電体基体6に対応し、アンテナパタ
ーン46は第1実施形態例の放射電極に対応し、回路パ
ターン47と部品48は、それぞれ、第1実施形態例の
回路パターン11、部品10に対応し、さらに、アンテ
ナ基板50は第1実施形態例の肉厚化用の誘電体基体1
4(15)に対応している。この装置の構成に関し、ア
ンテナパターン46が形成されている部分の誘電体の厚
みが、アンテナ基板50によって、回路が形成されてい
る部分の誘電体よりも厚くなっている点が、第1実施形
態例と同様である。
【0028】しかしながら、この第1実施形態例では、
複数のアンテナを設けることを基本構成としているのに
対して、前記特許第3092629号公報には、アンテナが1
つ設けられている図示はあるが、アンテナの数に関する
記載は全く無い。
【0029】この第1実施形態例の如く、アンテナの数
を複数にすると、1つのアンテナを設ける場合には無か
った複数のアンテナに起因した問題が発生する。その問
題とは、アンテナの増加だけでなく次に示すような理由
によって小型化がより一層難しくなるというものであ
る。つまり、モジュール(装置)の小型化を図りつつ、
複数のアンテナを設けようとすると、必然的に、アンテ
ナ間の間隔が狭くなる。これにより、アンテナ間の相互
干渉が起こってアンテナ間のアイソレーションを確保す
ることが難しくなるので、モジュール(装置)の小型化
が困難となる。
【0030】この第1実施形態例では、アンテナ2,3
の放射電極7,8が形成されている部分の誘電体の厚み
Dは、肉厚化用の誘電体基体14,15によって、高周
波回路4,5が形成されている部分の誘電体の厚みdよ
りも厚くなっている。これにより、誘電体による波長短
縮効果が高まって放射電極7,8を小さくすることがで
きる。特に、この第1実施形態例では、比誘電率が10
以上の誘電材料によって誘電体基体6,14,15が構
成されているので、その誘電体基体6,14,15の高
い誘電率によって、波長短縮効果がより一層高まって、
より放射電極7,8を小さくすることができる。また、
その誘電体基体6の高い誘電率によって高周波回路4,
5のマイクロストリップラインを短縮することができ
る。
【0031】また、この第1実施形態例では、放射電極
7,8の形成領域の誘電体の厚みDよりも、それら放射
電極7の形成領域と放射電極8の形成領域との間の誘電
体の厚みdが、薄くなっているので、この放射電極7,
8間の誘電体の肉薄化によって、アンテナ2,3間の相
互干渉を抑制できる。これにより、アンテナ2,3のア
イソレーションを確保しながらアンテナ2,3(放射電
極7,8)の近接配置を可能にしている。
【0032】さらに、この第1実施形態例では、アンテ
ナ2,3のアイソレーションの確保に必要な放射電極
7,8間のスペースに高周波回路4,5を形成して放射
電極7,8間のスペースを有効に利用している。
【0033】上記ような第1実施形態例に特有な構成の
組み合わせによって、複数のアンテナを内蔵するアンテ
ナ一体型高周波回路モジュール1の飛躍的な小型化を達
成することができる。
【0034】前記特許第3092629号公報には、複数のア
ンテナを設ける場合に特有な問題に関する記載が全くな
いし、もちろん、その問題を解決するための具体的な構
成もその示唆も全く示されていない。
【0035】前述したように、複数のアンテナ2,3を
設ける場合に、モジュール1の小型化を図るべく、この
第1実施形態例では、(1)放射電極7,8の形成領域
の誘電体の厚みDを厚くする構成と、(2)誘電体の比
誘電率を10以上の高い誘電率にする構成と、(3)放
射電極7の形成領域と放射電極8の形成領域との間の誘
電体の厚みdを薄くする構成と、(4)放射電極7の形
成領域と放射電極8の形成領域との間のスペースに高周
波回路4,5を配置する構成との結合構成が設けられて
いる。この結合構成は第1実施形態例独自の構成であ
る。
【0036】以下に、第2実施形態例を説明する。な
お、この第2実施形態例の説明において、第1実施形態
例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の
重複説明は省略する。
【0037】この第2実施形態例では、誘電体基体6
は、比誘電率が10未満である誘電材料により構成さ
れ、肉厚化用の誘電体基体14,15は、誘電体基体6
よりも高い比誘電率を持つ誘電材料(例えば比誘電率が
10以上の誘電材料)により構成されている。これら誘
電体基体6,14,15の比誘電率の違い以外の構成は
第1実施形態例と同様である。
【0038】高周波回路4,5のマイクロストリップラ
インを構成する誘電体は、マイクロストリップラインの
寄生成分減少を図る上では、その比誘電率は低い方が好
ましい。このことを考慮して、この第2実施形態例で
は、上記のように、誘電体基体6は比誘電率が10未満
の誘電材料により構成されている。これにより、高周波
回路4,5を構成するマイクロストリップラインの寄生
成分を減少させることができて、回路効率を向上させる
ことができる。より好ましくは、誘電体基体6を、比誘
電率が4以下の誘電材料により構成することがよい。
【0039】一方、アンテナ2,3を構成する誘電体
は、波長短縮効果を高めて小型化を図ることを考慮する
と、その比誘電率は高い方が好ましい。この第2実施形
態例では、アンテナ2,3を構成する誘電体は、誘電体
基体6と肉厚化用の誘電体基体14,15により構成さ
れており、肉厚化用の誘電体基体14,15の比誘電率
を誘電体基体6の比誘電率よりも高いものとすることに
よって、アンテナ2,3を構成する誘電体全体の比誘電
率を誘電体基体6よりも高めることができる。このこと
から、この第1実施形態例では、肉厚化用の誘電体基体
14,15は、誘電体基体6よりも比誘電率が高い誘電
材料により構成されており、アンテナ2,3の誘電体全
体の誘電率が高められており、アンテナ2,3の小型化
を図ることができる。なお、より一層のアンテナ2,3
の小型化を図るためには、肉厚化用の誘電体基体14,
15を20以上の比誘電率を持つ誘電材料により構成す
ることが好ましい。
【0040】この第2実施形態例の構成では、例えば、
比誘電率が低く安価な樹脂材料を誘電体基体6の構成材
料として利用することでアンテナ一体型高周波回路モジ
ュール1の低コスト化を図ることができる。その上、肉
厚化用の誘電体基体14,15を、比誘電率が高いセラ
ミックス材料により構成することにより、当該セラミッ
クス材料の高い誘電率によりアンテナ2,3の小型化を
図ることが可能となる。
【0041】また、例えば、アンテナ2,3間に位置す
る誘電体の誘電率がアンテナの小型化を促進できる程に
高い場合には、アンテナ2,3が結合して互いに悪影響
を及ぼし合い易くなることがある。これに対して、この
第2実施形態例では、誘電体基体6は誘電率が低い誘電
材料により構成されている。つまり、アンテナ2,3間
の誘電体の誘電率が低くなっていることから、アンテナ
2,3間の結合を弱めることができて、アンテナ2,3
のアイソレーションをより良い状態とすることが容易と
なる。
【0042】上記したようなアンテナ2,3間の結合の
悪影響が心配される場合や、低コスト化を望む場合に
は、この第2実施形態例の構成を採用し、また、アンテ
ナ2,3間の結合の悪影響が小さいと想定される場合に
は、第1実施形態例の構成を採用して、アンテナ2,3
だけでなく高周波回路4,5の小型化をも図ってアンテ
ナ一体型高周波回路モジュール1のより一層の小型化を
促進させるという如く、状況に応じて、第1実施形態例
の構成を採用するか、第2実施形態例の構成を採用する
かを決定することが好ましい。
【0043】以下に、第3実施形態例を説明する。な
お、この第3実施形態例の説明では、第1や第2の各実
施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通
部分の重複説明は省略する。
【0044】この第3実施形態例では、第1や第2の各
実施形態例よりも多機能な高周波回路モジュールの一例
を示す。つまり、この第3実施形態例のアンテナ一体型
高周波回路モジュール1では、図3の側面図に示される
ように、誘電体基体6の裏面側には、肉厚化用の誘電体
基体14,15を介して基板25が接合されている。こ
の基板25には、肉厚用の誘電体基体14,15間の領
域Sに、回路23(例えば、IF回路やベースバンド回
路)が形成されている。この第3実施形態例では、回路
23は、高周波回路4,5に、誘電体基体6のビアホー
ル17および導電ピン20を介して接続する回路であ
る。
【0045】上記以外の構成は第1や第2の各実施形態
例と同様である。この第3実施形態例では、アンテナ
2,3および高周波回路4,5に加えて回路23を内蔵
することが可能な構成を有しているので、より多機能な
アンテナ一体型高周波回路モジュール1を提供すること
ができる。
【0046】なお、この発明は第1〜第3の各実施形態
例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り
得る。例えば、第1〜第3の各実施形態例では、誘電体
基体6の裏面の回路用接地電極16と、肉厚化用の誘電
体基体14,15の底面のアンテナ用接地電極12とを
電気的に接続するために、肉厚化用の誘電体基体14,
15の側面に接地接続用電極18を形成していたが、例
えば、接地接続用電極18を設けるのに代えて、図4に
示されるように、肉厚化用の誘電体基体14,15内に
ビアホール26を設け、当該ビアホール26によって、
回路用接地電極16をアンテナ用接地電極12に電気的
に接続する構成としてもよい。この場合には、肉厚化用
の誘電体基体14,15は、一部分が回路用接地電極1
6の形成領域に入り込んで設けられる。
【0047】また、第1〜第3の各実施形態例では、誘
電体基体6の表面の高周波回路4,5を、実装対象の回
路基板21の回路に導通させるために、ビアホール17
と導電ピン20を用いる例を示したが、例えば、それら
ビアホール17と導電ピン20を設けるのに代えて、図
5に示すように、誘電体基体6や肉厚化用の誘電体基体
14,15における側面や底面の一部分に信号導通用の
電極28を形成し、この信号導通用の電極28によっ
て、高周波回路4,5を回路基板21の回路に接続可能
な構成としてもよい。なお、もちろん、信号導通用の電
極28は、グランドに接地されるアンテナ用接地電極1
2や回路用接地電極16や接地接続用電極18と絶縁可
能な間隔を介して形成される。
【0048】さらに、第1〜第3の各実施形態例では、
アンテナが2個設けられる構成であったが、3個以上を
形成してもよい。また、第1〜第3の各実施形態例で
は、アンテナは、受信専用又は送信専用として使用され
る例を示したが、送受信兼用のアンテナを形成してもよ
い。さらに、アンテナ2,3の放射電極7,8は四角形
状である例を示したが、放射電極7,8の形状は特に限
定されるものではなく、四角形状以外の例えば多角形状
や円形状などの形状としてもよい。
【0049】さらに、第1〜第3の各実施形態例では、
受信側の高周波回路4と送信側の高周波回路5が両方共
に設けられていたが、誘電体基体6に形成されるアンテ
ナなどに応じて、受信側の高周波回路4のみを形成して
もよいし、送信側の高周波回路5のみを形成してもよ
い。
【0050】さらに、第1実施形態例では、誘電体基体
6および肉厚化用の誘電体基体14,15を構成する誘
電材料は比誘電率が10以上である例を示したが、例え
ば、モジュール1の大きさの規制が緩い場合等の場合に
は、誘電体基体6および肉厚化用の誘電体基体14,1
5は、比誘電率が10未満の同じ誘電材料により構成さ
れていてもよい。さらに、第1〜第3の各実施形態例の
構成に加えて、誘電体基体6に誘電体フィルタあるいは
共振器を形成してもよい。
【0051】
【発明の効果】この発明によれば、誘電体基体の表面に
複数の放射電極を互いに間隔を介して形成し、また、当
該誘電体基体の表面には複数の放射電極間の領域に高周
波回路の回路パターンを形成する構成とした。つまり、
アンテナと高周波回路が並設される構成であるので、ア
ンテナと高周波回路が積層配置される場合に比べて、ア
ンテナ一体型高周波回路モジュールの薄型化を図ること
ができる。
【0052】ところで、小型化を図るために、複数の放
射電極間を近接配置すると、その放射電極間の狭い間隔
によって、それら放射電極を持つアンテナ間で相互干渉
が起こって各アンテナはアイソレーションを確保するこ
とができず、アンテナ特性を悪化させてしまう虞があ
る。
【0053】これに対して、この発明では、放射電極間
の誘電体が薄く形成されているので、その誘電体の肉薄
化による裏面の接地電極の持ち上げによってアンテナ間
の相互干渉を抑制することができる。このため、各アン
テナのアイソレーションを確保しつつ、複数の放射電極
を近接配置することが可能となる。
【0054】また、放射電極が形成されている誘電体基
体裏面部分に別の肉厚化用の誘電体基体が設けられて放
射電極が形成されている誘電体の厚みが厚くなっている
ので、アンテナ効率を高くすることができる。また、放
射電極が形成されている部分の誘電体の比誘電率を10
以上の高い誘電率とすることによって、その高い誘電率
によって波長短縮効果がさらに高まって、より一層放射
電極を小さくすることができる。
【0055】さらに、複数の放射電極間のアイソレーシ
ョン確保に必要なスペースに回路を設ける構成としたの
で、複数の放射電極間のスペースが無駄にならず、有効
に利用できる。
【0056】上記のような放射電極間の誘電体の肉薄化
と、放射電極が形成されている部分の誘電体の肉厚化
と、複数の放射電極間のスペースの有効利用構成との組
み合わせの構成によって、複数のアンテナを内蔵してい
るアンテナ一体型高周波回路モジュールの飛躍的な小型
化を図ることができる。
【0057】また、アンテナの放射電極とアンテナ用接
地電極間の誘電体の適切な厚みは、高周波回路の回路パ
ターンと該回路パターンに対応する回路用接地電極との
間の誘電体の適切な厚みよりも厚い。このため、アンテ
ナと高周波回路を共通の誘電体基体に並設する場合に
は、例えば、誘電体基体の厚みを、高周波回路の回路パ
ターンと回路用接地電極間の誘電体の適切な厚みに合わ
せると、放射電極とアンテナ用接地電極間の誘電体の厚
みが不適切になることが懸念される。
【0058】これに対して、この発明では、放射電極に
対向する誘電体基体裏面部分には肉厚化用の誘電体基体
が設けられる構成であるので、アンテナの放射電極とア
ンテナ用接地電極間の誘電体の厚みを、高周波回路の回
路パターンと回路用接地電極間の誘電体の厚みよりも厚
くすることができる。換言すれば、放射電極とアンテナ
用接地電極間の誘電体の厚みを、放射電極と回路パター
ンの形成用の誘電体基体の厚みに規制されずに、適宜な
厚みとすることができる。
【0059】したがって、放射電極と回路パターンが形
成される誘電体基体の厚みの設計により、高周波回路の
回路パターンと回路用接地電極間の誘電体の厚みを適切
にすることができ、また、肉厚化用の誘電体基体の厚み
の設計により、アンテナの放射電極とアンテナ用接地電
極間の誘電体の厚みをも適切にすることができる。
【0060】これにより、誘電体の厚みが関与するアン
テナ効率や周波数帯域幅などのアンテナ特性を良好にす
ることができるし、かつ、誘電体の厚みが関与する高周
波回路の回路パターン間の不要な結合や、電磁放射を抑
制することもできる。
【0061】さらに、この発明では、アンテナの放射電
極と、高周波回路の回路パターンとを誘電体基体の表面
に形成するので、それら放射電極と回路パターンとを同
時に形成することができることとなり、製造工程の簡略
化を図ることができる。これにより、アンテナ一体型高
周波回路モジュールの生産性を高めることができる。ま
た、放射電極と高周波回路の形成位置を設計通りにする
ことが容易となって、放射電極と高周波回路の接続状態
のばらつきを抑制できて、アンテナや高周波回路の電気
的特性が安定化する。
【0062】さらに、放射電極と回路パターンの形成用
の誘電体基体の裏面側に、複数の肉厚化用の誘電体基体
を介して基板が接合され、この基板には、複数の肉厚化
用の誘電体基体間の領域に、高周波回路に接続する回路
が形成されているものにあっては、より多機能で、か
つ、小型なアンテナ一体型高周波回路モジュールを提供
することができる。
【0063】さらにまた、放射電極と回路パターンの形
成用の誘電体基体は、例えば10未満の比誘電率を持つ
誘電材料により構成され、また、肉厚化用の誘電体基体
は、放射電極と回路パターンの形成用の誘電体基体より
も高い例えば10以上の比誘電率を持つ誘電材料により
構成されるものにあっては、放射電極と回路パターンの
形成用の誘電体基体の低い誘電率によって回路パターン
の寄生成分を減少させることができて、回路効率を高め
ることができる。かつ、放射電極と回路パターンの形成
用の誘電体基体が低い誘電率であるのにも拘わらず、肉
厚化用の誘電体基体の高い誘電率によって、放射電極と
アンテナ用接地電極間の誘電体全体の誘電率を高めるこ
とができて、放射電極の小型化や、アンテナ効率の高効
率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例のアンテナ一体型高周波回路モ
ジュールを模式的に示した斜視図である。
【図2】図1のアンテナ一体型高周波回路モジュールの
模式的な側面図である。
【図3】第3実施形態例のアンテナ一体型高周波回路モ
ジュールを説明するための図である。
【図4】その他の実施形態例を説明するための図であ
る。
【図5】さらに、その他の実施形態例を説明するための
図である。
【図6】特許第3092629号公報に記載されているアンテ
ナ付き電子回路装置の一つを示すモデル図である。
【図7】従来例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 アンテナ一体型高周波回路モジュール 2,3 アンテナ 4,5 高周波回路 6 誘電体基体 7,8 放射電極 11 回路パターン 12 アンテナ用接地電極 14,15 肉厚化用の誘電体基体 16 回路用接地電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 健 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 湯浅 敦之 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J021 AA02 AA09 AA11 AB06 CA03 CA06 JA07 JA08 5J045 AB05 DA10 EA08 MA07 5J047 AB13 FD00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナと、このアンテナに接続される
    高周波回路とが共通の誘電体基体に形成されて成るアン
    テナ一体型高周波回路モジュールであって、誘電体基体
    の表面にはアンテナを構成する複数の放射電極が互いに
    間隔を介して形成され、また、当該誘電体基体の表面に
    は複数の放射電極間の領域に高周波回路を構成する回路
    パターンが形成されている構成を有し、回路パターンに
    対向する誘電体基体裏面部分には回路用接地電極が形成
    され、また、放射電極に対向する誘電体基体裏面部分に
    は別の肉厚化用の誘電体基体が設けられ、当該肉厚化用
    の誘電体基体の底面には放射電極に対向するアンテナ用
    接地電極が形成されており、放射電極とアンテナ用接地
    電極間の誘電体の厚みは、回路パターンと回路用接地電
    極間の誘電体の厚みよりも厚くなっていることを特徴と
    するアンテナ一体型高周波回路モジュール。
  2. 【請求項2】 放射電極と回路パターンが形成されてい
    る誘電体基体の裏面側には、複数の肉厚化用の誘電体基
    体を介して基板が接合されており、この基板には複数の
    肉厚化用の誘電体基体間の領域に前記誘電体基体表面の
    高周波回路に接続する回路が設けられていることを特徴
    とする請求項1記載のアンテナ一体型高周波回路モジュ
    ール。
  3. 【請求項3】 肉厚化用の誘電体基体は、放射電極と回
    路パターンの形成用の誘電体基体よりも高い比誘電率を
    持つ誘電材料により構成されていることを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載のアンテナ一体型高周波回路モ
    ジュール。
  4. 【請求項4】 放射電極と回路パターンの形成用の誘電
    体基体は、10未満の比誘電率を持つ誘電材料により構
    成され、肉厚化用の誘電体基体は、10以上の比誘電率
    を持つ誘電材料により構成されていることを特徴とする
    請求項3記載のアンテナ一体型高周波回路モジュール。
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