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JP2003341246A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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Publication number
JP2003341246A
JP2003341246A JP2002150859A JP2002150859A JP2003341246A JP 2003341246 A JP2003341246 A JP 2003341246A JP 2002150859 A JP2002150859 A JP 2002150859A JP 2002150859 A JP2002150859 A JP 2002150859A JP 2003341246 A JP2003341246 A JP 2003341246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyvinyl alcohol
recording material
electron
heat
resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002150859A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Watanabe
努 渡▲邉▼
Masayuki Iwasaki
正幸 岩崎
Hirobumi Mitsuo
博文 満尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2002150859A priority Critical patent/JP2003341246A/ja
Priority to CN03107909A priority patent/CN1459382A/zh
Priority to KR10-2003-0031100A priority patent/KR20030091053A/ko
Priority to EP03011140A priority patent/EP1364805B1/en
Priority to ES03011140T priority patent/ES2239284T3/es
Priority to DE60300347T priority patent/DE60300347T2/de
Priority to US10/443,876 priority patent/US6730632B2/en
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Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で、印画濃度が高く、画像部および非
画像部(地肌部)の保存安定性(耐熱性、耐湿性、耐可
塑剤性(耐溶剤性))並びに対ヘッド切れ性に優れると
ともに、耐水性、捺印性およびステッィキング性に特に
優れた感熱記録材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に、電子供与性無色染料と、電
子受容性化合物として2,4−ビス(フェニルスルホニ
ル)フェノールと、スルホン酸変性ポリビニルアルコー
ルと、少なくとも1種のスルホン酸変性ポリビニルアル
コール以外の変性ポリビニルアルコールと、を含有する
感熱発色層を少なくとも1層有し、かつ、最表面層に滑
剤を含有することを特徴とする感熱記録材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に関
し、詳しくは、発色濃度が高く、保存安定性に優れた感
熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッド等により、熱を供与して
画像を記録する感熱記録材料は、比較的安価であり、そ
の記録装置が簡便で信頼性が高く、メンテナンスが不要
であることから、近年広く普及している。そのような状
況の下、近年では特に高画質化、保存安定性の向上等の
高性能化に対する要望が高く、感熱記録材料の発色濃
度、画像品質、保存性等に関する研究が鋭意おこなわれ
ている。
【0003】感度の高い感熱記録材料としては、例え
ば、特開平11−342676号公報に、呈色剤(電子
受容性化合物)として2,4−ビス(フェニルスルホニ
ル)フェノールを用いた例が示されている。しかしなが
ら、上記公報に記載の感熱記録材料であっても、近年高
まっている高感度化などの市場要求を十分に満足するこ
とはできず、特に、耐水性やサーマルヘッドとの摩擦に
関するステッィキング性等を改善する観点からも改善の
余地がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、感熱発色層に、電子受容性化合物の種類の特定、電
子供与性無色染料および電子受容性化合物とともに含有
する感熱発色層のバインダーの組合せ、並びに、最表面
層に加える添加剤の適宜選定することで、感熱記録材料
の性能が向上することを見出し、本発明に至った。従っ
て、本発明は、高感度で、印画濃度が高く、画像部およ
び非画像部(地肌部)の保存安定性(耐熱性、耐湿性、
耐可塑剤性(耐溶剤性))並びに対ヘッド切れ性に優れ
るとともに、耐水性、捺印性およびステッィキング性に
特に優れた感熱記録材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。 <1> 支持体上に、電子供与性無色染料と、電子受容
性化合物として2,4−ビス(フェニルスルホニル)フ
ェノールと、スルホン酸変性ポリビニルアルコールと、
少なくとも1種のスルホン酸変性ポリビニルアルコール
以外の変性ポリビニルアルコールと、を含有する感熱発
色層を少なくとも1層有し、かつ、最表面層に滑剤を含
有することを特徴とする感熱記録材料である。
【0006】<2> 前記感熱発色層は、前記スルホン
酸変性ポリビニルアルコール以外の変性ポリビニルアル
コールとしてアセトアセチル変性ポリビニルアルコール
を含有することを特徴とする上記<1>の感熱記録材料
である。
【0007】<3> 前記滑剤は、脂肪酸金属塩、また
は、融点105℃以上の脂肪酸アミド化合物であること
を特徴とする上記<1>または<2>の感熱記録材料で
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録材料は、支持体
上に、電子供与性無色染料と、電子受容性化合物として
2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールと、バ
インダーとしてスルホン酸変性ポリビニルアルコールお
よび少なくとも1種のスルホン酸変性ポリビニルアルコ
ール以外の変性ポリビニルアルコールと、を含有する感
熱発色層を少なくとも1層有し、かつ、最表面層に滑剤
を含有することを特徴とする。
【0009】本発明の感熱記録材料は、感熱発色層に電
子供与性無色染料と、電子受容性化合物として2,4−
ビス(フェニルスルホニル)フェノールと、スルホン酸
変性ポリビニルアルコール(以下、「スルホン酸変性P
VA」という場合がある。)と、少なくとも1種のスル
ホン酸変性PVA以外の変性ポリビニルアルコール(以
下、「他の変性PVA」という場合がある。)とを併用
し、さらに、感熱記録材料の最表面層に滑剤を含有する
ことで、感度、印画濃度、画像部および非画像部(地肌
部)の保存安定性(耐熱性、耐湿性、耐可塑剤性(耐溶
剤性))並びに対ヘッド切れ性等の感熱記録層の諸性能
を向上させるとともに、感熱記録材料の耐水性、捺印性
およびサーマルヘッドとの摩擦に関するスティッキング
性を向上させることができる。
【0010】ここで、本発明において滑剤を含有する感
熱記録材料の「最表面層」とは、サーマルヘッドによる
印画時に直接サーマルヘッドと接触する、感熱記録材料
の記録側の最表面に設けられた層を意味する。例えば、
支持体上に感熱発色層のみが設けられている場合には感
熱発色層が最表面層となり、感熱発色層に保護層が設け
られている場合には保護層が最表面層となる。また、
「スティッキング性」とは、サーマルヘッドと感熱記録
材料表面との摩擦を原因とする、印画時のノイズ(接着
音)や、印画画像が欠けてしまう白飛び等に対する性能
を意味する。
【0011】以下、本発明の感熱記録材料について詳細
に説明する。本発明の感熱記録材料は、支持体上に感熱
発色層を少なくとも一層有してなり、複数の層が積層さ
れていてもよく、必要に応じて下塗り層、保護層等の他
の層が設けられていてもよい。
【0012】<感熱発色層>上記感熱発色層は、電子供
与性無色染料と、電子受容性化合物として2,4−ビス
(フェニルスルホニル)フェノールと、バインダーとし
てスルホン酸変性PVAおよび少なくとも1種の他の変
性PVAと、を含有してなり、必要に応じて熱可融性物
質、画像安定剤等の他の成分を含有する。
【0013】−電子受容性化合物− 本発明の感熱記録材料においては、後述する電子供与性
無色染料に作用して発色させる電子受容性化合物とし
て、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールを
用いる。電子受容性化合物として2,4−ビス(フェニ
ルスルホニル)フェノールを用いることにより、感熱記
録材料は、優れた保存安定性を有する。
【0014】また、感度の向上および高い発色濃度を得
る観点から、上記2,4−ビス(フェニルスルホニル)
フェノールはスルホン酸変性PVAおよび他の変性PV
Aを含む感熱発色層のバインダー中に体積平均粒径0.
4〜1.0μmに分散されていることが好ましく、0.
4〜0.8μmに分散して含有されていることがさらに
好ましい。上記体積平均粒径が0.4未満であると保存
時に地肌部のカブリ濃度が上昇することがあり、1.0
を超えると熱感度が低下することがある。また、該体積
平均粒径が0.3未満のものは製造が困難である。な
お、上記体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定器
(例えば、LA500(ホリバ(株)製))等により容
易に測定することができる。
【0015】上記2,4−ビス(フェニルスルホニル)
フェノールを分散する方法としては、ボールミルを用い
る方法、ロッドミルを用いる方法、アトライターを用い
る方法またはサンドグラインダーを用いる方法等が挙げ
られるが、近年高まる感熱記録材料の需要の増大に鑑
み、実際上の生産効率の観点からサンドグラインダーを
用いることが好ましい。サンドグラインダーによる分散
においては、分散用ビーズとして0.2〜10mmφの
ガラスビーズ、セラミックビーズまたはスチールビーズ
を用いるのが好ましい。
【0016】本発明においては、上記2,4−ビス(フ
ェニルスルホニル)フェノールと共に、本発明の効果を
損なわない範囲で、他の公知の電子受容性化合物を併用
してもよい。
【0017】上記公知の電子受容性化合物としては、目
的等に応じて適宜選択できるが、地肌カブリを抑制する
観点から、フェノール性化合物、またはサルチル酸誘導
体およびその多価金属塩が好ましい。
【0018】上記フェノール性化合物としては、例え
ば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェノール)プロ
パン(ビスフェノールA)、2,4−ビス(2,5−ジ
メチルフェニルスルホニル)フェノール、4−t−ブチ
ルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキ
シジフェノキシド、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ
−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’
−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−
エチルブタン、4,4’−sec−イソオクチリデンジ
フェノール、4,4’−sec−ブチリレンジフェノー
ル、4−tert−オクチルフェノール、4−p−メチ
ルフェニルフェノール、4,4’−メチルシクロヘキシ
リデンフェノール、4,4’−イソペンチリデンフェノ
ール、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキ
シ−4’−イソプロピルオキシジフェニルスルホン等が
挙げられる。
【0019】上記サルチル酸誘導体としては、例えば、
4−ぺンタデシルサルチル酸、3−5−ジ(α−メチル
ベンジル)サルチル酸、3,5−ジ(tert−オクチ
ル)サルチル酸、5−オクタデシルサルチル酸、5−α
−(p−α−メチルベンジルフェニル)エチルサルチル
酸、3−α−メチルベンジル−5−tert−オクチル
サルチル酸、5−テトラデシルサルチル酸、4−ヘキシ
ルオキシサルチル酸、4−シクロヘキシルオキシサルチ
ル酸、4−デシルオキシサルチル酸、4−ドデシルオキ
シサルチル酸、4−ペンタデシルオキシサルチル酸、4
−オクタデシルオキシサルチル酸等、およびこれらの亜
鉛、アルミニウム、カルシウム、銅、鉛塩等が挙げられ
る。
【0020】上記電子受容性化合物は、一種単独で用い
てもよいし、二種以上を併用することもできる。上記の
中でも、特に高い発色濃度が得られる観点から、2,4
−ビス(2,5−ジメチルフェニルスルホニル)フェノ
ール等が好ましい。
【0021】本発明において電子受容性化合物(2,4
−ビス(フェニルスルホニル)フェノール)の含有量と
しては、後述する電子供与性無色染料の含有量(質量)
の50〜500質量%が好ましく、100〜300質量
%がさらに好ましい。尚、電子受容性化合物である2,
4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールの体積平均
粒径が上記範囲にあると、上記含有量の低減を図ること
ができる。
【0022】−電子供与性無色染料− 上記電子供与性無色染料としては、特に制限はなく、公
知のものの中から適宜選択でき、例えば、以下に示す化
合物が挙げられる。但し、本発明においては、これらに
限定されるものではない。黒色に発色する電子供与性無
色染料としては、例えば、3−ジ(n−ブチルアミノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−N−エチル−N−sec−ブチルア
ミノフルオラン、3−ジ(n−ペンチルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミ
ル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N
−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ)−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチ
ルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フル
オラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチル
アミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙
げられる。
【0023】中でも、非画像部の地肌カブリが良好な点
で、3−ジ(n−ブチルアミノ)−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N
−エチル−N−sec−ブチルアミノフルオランが好ま
しい。
【0024】また、赤色若しくは赤紫色、オレンジ色、
青色、緑色、黄色に発色する電子供与性無色染料につい
ても、公知の化合物の中から適宜選択して用いることが
できる。これらの電子供与性無色染料は、それぞれ単独
で使用してもよいし、色調補正等のために二種以上を併
用してもよい。上記電子供与性無色染料は、感熱発色層
形成用の塗布液(以下、「感熱発色層塗布液」というこ
とがある。)に含有されるが、該塗布液の調製に当り、
溶媒に分散した固体分散物として用いてもよいし、熱応
答性および/または圧応答性のマクロカプセルに内包さ
せて用いてもよい。
【0025】上記電子供与性無色染料の複数種を適宜選
択し、多色発色型の感熱記録材料とすることもできる。
具体的には、相互に異なる色相に発色する電子供与性無
色染料をそれぞれ異なる層に含有させて感熱発色層を2
層以上の積層構造とする、2種以上の電子供与性無色染
料をそれぞれ異種のマイクロカプセルに内包して感熱発
色層を形成する、等により作製することができる。
【0026】上記電子供与性無色染料を含有する感熱発
色層は、例えば支持体上に感熱発色層形成用の塗布液を
塗布等して塗設されるが、該感熱発色層中における上記
電子供与性無色染料の含有量としては、0.1〜1.0
g/m2が好ましく、発色濃度および地肌部のカブリ濃
度の点で、0.2〜0.5g/m2がさらに好ましい。
【0027】発色成分をマイクロカプセル化する方法と
しては、従来公知の方法の中から適宜選択して用いるこ
とができる。例えば、一方の発色成分(例えば電子供与
性染料前駆体)をカプセルの芯となる疎水性の有機溶媒
に溶解または分散させ調製した油相を、水溶性高分子を
溶解した水相と混合し、ホモジナイザー等の手段により
乳化分散した後、加温することによりその油滴界面で高
分子形成反応を起こし、高分子物質のマイクロカプセル
壁を形成させる界面重合法等が好適に挙げられる。該界
面重合法は、短時間内に均一な粒径のカプセルを形成す
ることができ、生保存性に優れた感熱記録材料を得るこ
とができる点で有用である。
【0028】−バインダー− 本発明の感熱記録材料においては、バインダーとして、
スルホン酸変性PVAおよび少なくとも1種の他の変性
PVAを用いる。本発明は、バインダーとしてスルホン
酸変性PVAと少なくとも1種の他の変性PVAとを用
いるので、感熱記録材料の耐水性を向上させることがで
き、さらに、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェ
ノールの分散安定性を向上させることもできる。
【0029】本発明における感熱発色層は、上記他の変
性PVAを1種以上含んでいればよい。上記他の変性P
VAとしては、アセトアセチル変性ポリビニルアルコー
ル、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポ
リビニルアルコール、アミノ変性ポリビニルアルコー
ル、イタコン酸変性ポリビニルアルコール等が挙げら
れ、その中でもアセトアセチル変性ポリビニルアルコー
ルが好ましい。
【0030】上記感熱発色層において、スルホン酸変性
PVAは、1種若しくは2種以上の他の変性PVA10
0質量部に対して、10〜90質量部含まれているのが
好ましく、30〜90質量部含まれているのがさらに好
ましい。上記他の変性PVAに対するスルホン酸変性P
VAの含有量が上記範囲内にあると2,4−ビス(フェ
ニルスルホニル)フェノールの分散物の安定性を向上さ
せることができる。また、感熱発色層におけるバインダ
ー(スルホン酸変性PVAおよび他の変性PVAを含
む)の塗布量は、0.01〜5g/m2が好ましく、
0.1〜3g/m2が更に好ましい。
【0031】また、本発明においては、上記スルホン酸
変性PVAおよび他の変性PVAに、本発明の効果を損
なわない範囲で他の公知の水溶性バインダーを併用して
もよい。上記他の公知の水溶性バインダーとしては、2
5℃の水に対して5質量%以上溶解する化合物が好まし
く、例えば、変性ポリビニルアルコール以外のポリビニ
ルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、デンプン類(変性デンプンを含む)、ゼラチ
ン、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−無水マレイン
酸共重合体のケン化物等が挙げられる。
【0032】上記バインダーは分散のみならず、形成さ
れた感熱発色層の膜強度を向上させる目的でも使用され
る。該膜強度をより向上させるために、スチレン−ブタ
ジエン共重合物、酢酸ビニル共重合物、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合物、アクリル酸メチル−ブタジエ
ン共重合物、ポリ塩化ビニリデン等の合成高分子ラテッ
クス系のバインダーを併用することもできる。
【0033】−他の成分− 感熱発色層には、更に熱可融性物質、増感剤、画像安定
剤等の他の成分が含有されていてもよい。
【0034】(熱可融性物質)熱可融性物質としては、
2−ナフチルベンジルエーテル、アミド系化合物が好ま
しい。感熱発色層が熱可融性化合物を含有することによ
り、画像部(発色部)および非画像部(地肌部)の保存
安定性が向上する。上記アミド系化合物としては、公知
の化合物の中から適宜選択することができ、例えば、パ
ルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミ
ド、ヒドロキシステアリン酸アミド、メチロールステア
リン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチレンビ
スステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスベ
ヘン酸アミド等が挙げられる。中でも特に、ステアリン
酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチロー
ルステアリン酸アミド等が好ましい。
【0035】上記2−ナフチルベンジルエーテルとアミ
ド系化合物とを使用する場合、その使用割合としては、
2−ナフチルベンジルエーテル100質量部に対して、
アミド系化合物の含有量が2〜100質量部が好まし
く、10〜50質量部がさらに好ましい。上記アミド系
化合物の含有量が、2質量部未満であると、高濃度が得
られないことがあり、100質量部を超えると、高温、
高湿環境下で保持された場合、地肌部のカブリ濃度が上
昇(地肌部の保存安定性が低下)することがある。
【0036】また、他の公知の熱可融性物質を併用して
もよい。上記公知の熱可融性物質としては、例えば、ス
テアリル尿素、p−ベンジルビフェニール、ジ(2−メ
チルフェノキシ)エタン、ジ(2−メトキシフェノキ
シ)エタン、β−ナフトール−(p−メチルベンジル)
エーテル、α−ナフチルベンジルエーテル、1,4−ブ
タンジオール−p−メチルフェニルエーテル、1,4−
ブタンジオール−p−イソプロピルフェニルエーテル、
1,4−ブタンジオール−p−tert−オクチルフェ
ニルエーテル、1−フェノキシ−2−(4−エチルフェ
ノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(クロロフェノ
キシ)エタン、1,4−ブタンジオールフェニルエーテ
ル、ジエチレングリコールビス(4−メトキシフェニ
ル)エーテル、m−ターフェニルシュウ酸メチルベンジ
ルエーテル、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、
1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,4
−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン等が挙げられる。
【0037】感熱発色層中における、上記熱可融性物質
の総含有量としては、電子受容性化合物100質量部に
対して、75〜200質量部が好ましく、100〜15
0質量%がさらに好ましい。また、2−ナフチルベンジ
ルエーテルおよびアミド系化合物と公知の熱可融性物質
を併用する場合には、2−ナフチルベンジルエーテルお
よびアミド系化合物の含有量の総和が、熱可融性物質の
総含有量の50質量%以上であることが好ましく、70
質量%以上であることが特に好ましい。
【0038】(画像安定剤)上記画像安定剤としては、
公知の化合物の中から適宜選択でき、フェノール化合
物、特にヒンダードフェノール化合物が有効である。例
えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−
トリス(2−エチル−4−ヒドロキシ−5−tert−
ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブ
タン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,
2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−メ
チルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6−t
ert−ブチル−4−エチルフェノール)、4,4’−
ブチリデン−ビス(6−tert−ブチル−3−メチル
フェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−
6−tert−ブチルフェノール)等が挙げられる。
【0039】上記画像安定剤の含有量としては、電子供
与性無色染料100質量部に対して、10〜100質量
部が好ましく、30〜60質量部がさらに好ましい。上
記含有量が、10質量部未満であると、地肌カブリ、画
像保存性の点で所望の効果が発揮されないことがあり、
100質量部を超えると、十分な効果が得られないこと
がある。
【0040】上記電子供与性無色染料、電子受容性化合
物および増感剤等の他の成分の分散は、ボールミル、ロ
ッドミル、アトライター、サンドグラインダー等の攪拌
・粉砕機により同時若しくは個々に分散し、最終的には
塗布液として調製される。個々に分散する場合におい
て、電子受容性化合物の分散の際には、スルホン酸変性
PVAおよび他の変性PVAのいずれかを用いて分散す
るのが好ましく、スルホン酸変性PVAおよび他の変性
PVAとを用いて分散するのがさらに好ましい(他のも
のを分散する際には必ずしもスルホン酸変性PVAおよ
び他の変性PVAとを用いる必要はない)。該塗液中に
は、更に必要に応じて各種の界面活性剤、帯電防止剤、
紫外線吸収剤、消泡剤および蛍光染料等を添加してもよ
い。上記界面活性剤としては、例えば、スルホコハク酸
系のアルカリ金属塩、フッ素含有界面活性剤等が挙げら
れる。
【0041】上記のようにして分散され塗布液として調
製されると、公知の塗布方法により支持体上に塗布され
る。塗布後、乾燥されると、キャレンダ−で平滑化処理
され使用に供される。また、感熱発色層の形成に際し、
感熱発色層形成用の塗布量としては、特に制限はなく、
通常乾燥質量で2〜7g/m2程度が好ましい。公知の
塗布方法としては、特に制限はなく、例えば、エアーナ
イフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、カ
ーテンコーター等を用いた塗布方法が挙げられ、中でも
特に、カーテンコーターを用いた方法が好ましい。
【0042】<滑剤>本発明の感熱記録材料の最表面に
含まれる滑剤としては、金属石鹸またはワックス等が挙
げられる。上記金属石鹸としては、例えば、脂肪酸金属
塩が挙げられ、特に高級脂肪酸金属塩が好ましく、具体
的には、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムお
よびステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。上記ワ
ックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス、カルナバワックス、メチロー
ルステアロアミド、ポリエチレンワックス、ポリスチレ
ンワックス、脂肪酸アミド化合物等が挙げられ、一種単
独で、あるいは二種以上を併用して用いられる。本発明
における滑剤としては、スティッキング性およびヘッド
切れを向上させる観点から、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミ
ド化合物が好ましく、脂肪酸金属塩、融点105℃以上
の脂肪酸アミド化合物がさらに好ましい。上記融点10
5℃以上の脂肪酸アミド化合物としては、例えば、エチ
レンビスステアリン酸アミド(融点145℃)、メチロ
ールステアロアミド(融点110℃)、エチレンビスオ
レイン酸アミド(融点116℃)、N−ステアリル−
N’−ステアリル尿素(融点109℃)等が挙げられ
る。
【0043】<支持体>上記支持体としては、従来公知
の支持体を用いることができる。具体的には、上質紙等
の紙支持体、紙に樹脂若しくは顔料を塗布したコート
紙、樹脂ラミネート紙、下塗り層を有する上質紙、下塗
り層を有する再生紙、合成紙、またはプラスチックフィ
ルム等の支持体が挙げられる。上記支持体としては、J
IS−8119で規定される平滑度が300秒以上であ
る平滑な支持体がドット再現性の観点から好ましい。
【0044】また、上記のように支持体に下塗り層を設
ける場合、顔料を主成分とする下塗り層を設けることが
好ましい。上記顔料としては、一般の無機、有機顔料が
全て使用できるが、特にJIS−K5101で規定する
吸油度が40ml/100g(cc/100g)以上で
あるものが好ましい。具体的には、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、水酸化アルミニウム、カオリン、焼成カオ
リン、非晶質シリカ、尿素ホルマリン樹脂粉末等が挙げ
られる。この中でも、上記吸油度が70ml/100g
以上であるものが特に好ましい。また、上記顔料の塗布
量としては、2g/m2以上が好ましく、4g/m2以上
がさらに好ましく、7〜12g/m2が最も好ましい。
【0045】上記下塗り層に使用するバインダーとして
は、例えば、水溶性高分子、水溶性バインダーが挙げら
れる。これらは一種若しくは二種以上を併用してもよ
い。上記水溶性高分子としては、例えば、デンプン、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシ
メチルアルコール、メチルセルロース、カゼイン等が挙
げられる。上記水溶性バインダーとしては、例えば、合
成ゴムラテックス、合成樹脂エマルションが一般的であ
り、具体的には、スチレン−ブタジエンゴムラテック
ス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、ア
クリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニ
ルエマルション等が挙げられる。また、上記下塗り層に
は、ワックス、消色防止剤、界面活性剤等を添加しても
よい。
【0046】上記バインダーの含有量としては、下塗り
層に添加される顔料に対して、3〜100質量%が好ま
しく、5〜50質量%がさらに好ましく、8〜15質量
%が最も好ましい。
【0047】上記下塗り層の形成には、公知の塗布方法
が使用可能である。例えば、エアナイフコーター、ロー
ルコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カ
ーテンコーター等を用いた塗布方法が使用でき、中で
も、ブレードコーターを用いた方法が好ましい。更に、
必要に応じてキャレンダー等の平滑処理を施してもよ
い。
【0048】<保護層>感熱発色層上には、必要に応じ
て保護層を設けることができる。該保護層は、有機また
は無機の微粉末、バインダー、界面活性剤、熱可融性物
質等を含有してなる。上記微粉末としては、例えば、炭
酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化
アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タ
ルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機系微
粉末、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸
共重合体、ポリスチレン等の有機系微粉末等が挙げられ
る。
【0049】保護層に用いるバインダーとしては、例え
ば、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニル
アルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、珪
素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
メチルセルロース、ゼラチン類、アラビヤゴム、カゼイ
ン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、ポリア
クリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、スチレン
−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエン
ゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテック
ス類等が挙げられる。
【0050】また、上記バインダーを架橋し、感熱記録
材料の保存安定性をより一層向上させる目的で、耐水化
剤を添加してもよい。上記耐水化剤としては、例えば、
N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−
ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グ
ルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼
砂、コロイダルシリカ等の無機系架橋剤、ポリアミドエ
ピクロルヒドリン等が挙げられる。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以
下、実施例中の「部」および「%」は、それぞれ「質量
部」および「質量%」を表す。尚、体積平均粒子径は、
レーザ回折式粒度分布測定器LA500(ホリバ(株)
製)を用いて測定した。
【0052】[実施例1] <感熱記録材料の形成> −感熱発色層用塗布液の調製− 《分散液Aの調製》下記の各成分をサンドグラインダー
を用いて分散し、体積平均粒径が0.8μmの分散液A
を得た。 〔分散液Aの組成〕 ・3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 10部 (電子供与性無色染料) ・ポリビニルアルコールの10%水溶液 15部 (PVA−105、(株)クラレ製) ・水 25部
【0053】《分散液Bの調製》下記の各成分をサンド
グラインダーを用いて分散し、体積平均粒径が0.8μ
mの分散液Bを得た。 〔分散液Bの組成〕 ・2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール 20部 (電子受容性化合物) ・2−ナフチルベンジルエーテル 20部 ・スルホン酸変性ポリビニルアルコールの10%水溶液 60部 (ゴーセランL3266;日本合成化学製) ・水 100部
【0054】《分散液Cの調製》下記の各成分をサンド
ミルを用いて分散し、体積平均粒子径が1.5μmの分
散液Cを得た。 〔分散液Cの組成〕 ・軽質炭酸カルシウム 25部 ・ポリアクリル酸ナトリウムの40%水溶液 0.25部 ・ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.25部 ・水 34部
【0055】《感熱発色層用塗布液の調製》下記組成の
化合物を混合し、感熱発色層用塗布液を得た。 〔感熱発色層用塗布液組成〕 ・上記分散液A 50部 ・上記分散液B 200部 ・上記分散液C 60部 ・ステアリン酸亜鉛の30%分散液 10部 ・パラフィンワックスの30%分散液 20部 ・ステアリン酸アミドの20%分散液 2部 ・蛍光増白剤の50%水溶液 1部 ・アセトアセチル変性ポリビニルアルコールの10%水溶液 40部 (ゴーセファイマーZ210、日本合成化学製) ・グリオキザールの10%水溶液 5部
【0056】−感熱記録材料の形成− 坪量70g/m2の原紙上に、ブレードコーターによっ
て、乾燥後の塗布量が10g/m2となるように顔料、
バインダーを主体とした下塗り層を塗布形成し、アンダ
ーコート原紙を作製した。次いで、該原紙の下塗り層上
に、乾燥後の塗布量が4g/m2となるように、上記よ
り得た感熱発色層用塗布液をカーテンコーターによって
塗布し、乾燥した。形成された感熱発色層の表面にキャ
レンダー処理を施し、本発明の感熱記録材料を得た。
【0057】[実施例2]実施例1の《分散液Bの調
整》において、分散液Bにおけるスルホン酸変性ポリビ
ニルアルコールの10%水溶液の添加量を60部から5
0部に代え、さらに、アセトアセチル変性ポリビニルア
ルコールの10%水溶液(ゴーセファイマーZ210、
日本合成化学製)50部を用い、かつ、実施例1の《感
熱発色層用塗布液の調製》において、アセトアセチル変
性ポリビニルアルコールの10%水溶液に代えて、ポリ
ビニルアルコールの10%水溶液(PVA−117、
(株)クラレ製)40部を用いた以外、実施例1と同様
にして、本発明の感熱記録材料を作製した。
【0058】[実施例3]実施例1の《感熱発色層用塗
布液の調製》において、アセトアセチル変性ポリビニル
アルコールの10%水溶液に代えて、ジアセトン変性ポ
リビニルアルコールの10%水溶液(Dポリマー、ユニ
チカ社製)40部を用いた以外、実施例1と同様にし
て、本発明の感熱記録材料を作製した。
【0059】[実施例4]実施例1の《感熱発色層用塗
布液の調製》において、ステアリン酸亜鉛の30%分散
液に代えて、ステアリン酸カルシウムの30%分散液を
用いた以外、実施例1と同様にして、本発明の感熱記録
材料を作製した。
【0060】[実施例5]実施例1の《感熱発色層用塗
布液の調製》において、ステアリン酸亜鉛の30%分散
液に代えて、エチレンビスステアリン酸アミド(融点1
45℃)の30%分散液を用いた以外、実施例1と同様
にして、本発明の感熱記録材料を作製した。
【0061】[実施例6]実施例1の《感熱発色層用塗
布液の調製》において、ステアリン酸亜鉛の30%分散
液に代えて、N−ステアリル−N’−ステアリル尿素
(融点109℃)の30%分散液を用いた以外、実施例
1と同様にして、本発明の感熱記録材料を作製した。
【0062】[実施例7]実施例1の《感熱発色層用塗
布液の調製》において、ステアリン酸亜鉛の30%分散
液に代えて、パラフィンワックス(融点135℃)の3
0%分散液を用いた以外、実施例1と同様にして、本発
明の感熱記録材料を作製した。
【0063】[実施例8]実施例1の《感熱発色層用塗
布液の調製》において、グリオキザールの10%水溶液
およびステアリン酸亜鉛の30%分散液を用いず、さら
に、感熱発色層上に下記の保護層塗布液をカーテンコー
ターによって乾燥後の質量が1.0g/m 2になるよう
に塗布・乾燥し、形成された保護層の表面にキャレンダ
ー処理を施した以外、実施例1と同様にして、本発明の
感熱記録材料を作製した。
【0064】《保護層用塗布液の調製》下記組成の化合
物を混合し、保護層用塗布液を得た。 〔保護層用塗布液組成〕 ・ポリビニルアルコールの10%水溶液 40部 (PVA−117、(株)クラレ製) ・グリオキザールの10%水溶液 5部 ・ステアリン酸亜鉛の30%分散液 10部 ・水 45部
【0065】[比較例1]実施例1の《分散液Bの調
製》において、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フ
ェノールに代えて、ビスフェノールAを用いたこと以
外、実施例1と同様にして、比較例の感熱記録材料を作
製した。
【0066】[比較例2]実施例1の《感熱発色層用塗
布液の調製》において、アセトアセチル変性ポリビニル
アルコールの10%水溶液に代えて、ポリビニルアルコ
ールの10%水溶液(PVA−117、(株)クラレ
製)40部を用いた以外、実施例1と同様にして、比較
例の感熱記録材料を作製した。
【0067】[比較例3]実施例1の《感熱発色層用塗
布液の調製》において、ステアリン酸亜鉛を用いなかっ
た以外、実施例1と同様にして、比較例の感熱記録材料
を作製した。
【0068】<評価>上記より得た実施例1〜8の感熱
記録材料および比較例1〜3の感熱記録材料について、
以下のようにして、発色濃度、保存安定性(耐熱性、耐
湿性、耐可塑剤性)、耐水性、捺印性、スティッキング
性の評価を行った。測定および評価の結果を下記表1に
示す。
【0069】(1)印字濃度 京セラ(株)製サーマルヘッド(KJT−216−8M
PD1)、およびヘッド直前に100kg/cm2の圧
力ロールを有する感熱印字装置を用いて、ヘッド電圧を
24V、パルス周期10msの条件で圧力ロールを使用
しながらパルス幅2.1msで印字した。印字部の印字
濃度をマクベス反射濃度計(RD−918、マクベス社
製)で測定し、下記の基準に従って評価した。 〔評価基準〕 ◎:印字濃度が1.35以上であり、非常に良好であっ
た。 ○:印字濃度が1.30以上1.35未満であり、良好
であった。 ×:印字濃度が1.30未満であり、不良であった。
【0070】さらに、非画像部の濃度(地肌カブリ)の
基準カブリ値として、各感熱記録材料の未印字(地肌
部)の濃度をマクベス反射濃度計(RD−918、マク
ベス社製)で測定し、下記の基準に従って評価した。 〔評価基準〕 ◎:地肌カブリが0.10未満であり、非常に良好であ
った。 ○:地肌カブリが0.10以上0.15未満であり、良
好であった。 ×:地肌カブリが0.15以上であり、不良であった。
【0071】(2)保存安定性 −耐熱性− 60℃、相対湿度30%の環境条件下に、印字した各感
熱記録材料を24時間放置した後、それぞれの印字部の
印字濃度および地肌部の濃度をマクベス反射濃度計RD
−918で測定し、耐熱性を示す指標とし、上記(1)
印字濃度で記載した評価基準に従って評価した。尚、印
字部の濃度は、数値が大きい程、耐熱テスト後の濃度が
大きく良好であり、地肌部の濃度は、数値が小さい程、
耐熱テスト後のカブリが小さく良好である。
【0072】−耐湿性− 40℃、相対湿度90%の環境条件下に、印字した各感
熱記録材料を24時間放置した後、それぞれの印字部の
印字濃度および地肌部の濃度をマクベス反射濃度計RD
−918で測定し、耐湿性を示す指標とし、上記(1)
印字濃度で記載した評価基準に従って評価した。尚、上
記評価と同様、印字部の濃度は数値の大きい程、地肌部
の濃度は数値の小さい程良好といえる。
【0073】−耐可塑剤性− 印字した各感熱記録材料を市販の塩化ビニール性シート
(ポリマラップ、信越ポリマー(株)製)にコンタクト
させた状態で25℃の環境条件下で24時間放置した
後、それぞれの印字部の印字濃度および地肌部の濃度を
マクベス反射濃度計RD−918で測定し、耐可塑剤性
を示す指標とし、下記の基準に従って評価した。尚、上
記評価と同様、印字部の濃度は数値の大きい程、地肌部
の濃度は数値の小さい程、濃度変動が小さく良好といえ
る。 〔評価基準〕 ◎:印字部残存率が95%以上であり、非常に良好であ
った。 ○:印字部残存率が90%以上95%未満であり、良好
であった。 ×:印字部残存率が90%未満であり、不良であった。
【0074】(3)耐水性 上記(1)と同様にして印字した感熱記録材料を20℃
の水に5分間浸漬させた。その後、印字部を指で10回
擦った後、印字部を目視によって観察し、下記の規準に
従って感熱記録材料の耐水性を評価した。 〔評価規準〕 ○:印字部の剥がれが全くなかった。 △:記録部の剥がれが少し認められた。 ×:記録部の大部分が剥がれていた。
【0075】(4)捺印性 シャチハタスタンプ(赤、シヤチハタ(株)製)を用い
て感熱記録材料に捺印し、1分後該捺印部に上質紙を重
ね合わせ、インキの転写状態を目視によって観察し、下
記の規準に従ってインキの乾きレベル(捺印性)を評価
した。 〔評価基準〕 ◎:上質紙にインキの付着は認められなかった。 ○:上質紙にインキの薄い付着が認められたが、実用的
には良好であった。 △:上質紙にインキの付着が認められ、汚れが目立っ
た。 ×:上質紙にインキの付着が多く認められ、五分後にも
同様の試験を行ったところ、上質紙にインキの付着が認
められた。
【0076】(5)スティッキング性 部分グレース構造を有するサーマルヘッド(KF200
3−GD31A、ローム(株)製)を有する感熱印字装
置を用いて、ヘッド電圧24V、印字周期0.98ms
/line(印字速度12.8cm/秒)で、パルス幅
0.375ms(印加エネルギー14.4mJ/m
2)の条件で印字した。その際、印字音および目視に
よって観察した印字部の白飛び状態を下記の規準に従っ
て評価した。 〔評価基準〕 ○:プリント音以外のノイズがなく、印字部の白飛びも
認められなかった。 △:若干のノイズがあり、印字部に白飛びが少し認めら
れた。 ×:明らかにノイズ(接着音)が発生し、印字部に白飛
びも多く認められた。
【0077】
【表1】
【0078】上記表1から明らかなように、実施例1〜
8の感熱記録材料においては、高い発色濃度が得られる
と共に、印字部および非印字部(地肌部)における保存
安定性(耐熱性、耐湿性、耐可塑剤性(耐溶剤性))、
耐水性に優れ、いずれの評価においても良好であった。
また、感熱発色層上に保護層を設けた実施例8において
はインクの付着が認められたものの、実施例1〜7の感
熱記録材料は捺印性にも優れていた。さらに、最表面層
に含まれる滑剤として、脂肪酸金属塩または融点が10
5℃以上の脂肪酸アミド化合物を用いた実施例1〜3,
5および8の感熱記録材料は特にスティッキング性に優
れていた。
【0079】これに対し、電子受容性化合物として2,
4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールの代わりに
ビスフェノールAを用いた比較例1では、印字部の耐熱
性、耐可塑剤性が明らかに低く、この点において実用レ
ベルになかった。また、感熱発色層に含まれるアセトア
セチレン変性ポリビニルアルコールに代えてポリビニル
アルコールを用いた比較例2では、耐水性が低く、実用
レベルになかった。さらに、最表面層に滑剤を含有して
いない比較例3の感熱記録材料は、ステッィキング性に
劣り、記録時にノイズが発生し、画像部に白飛びが多く
認められた。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、高感度で、印画濃度が
高く、画像部および非画像部(地肌部)の保存安定性
(耐熱性、耐湿性、耐可塑剤性(耐溶剤性))並びに対
ヘッド切れ性に優れるとともに、耐水性、捺印性および
ステッィキング性に特に優れた感熱記録材料を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 満尾 博文 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H026 AA07 AA28 BB12 BB30 CC05 DD08 DD43 DD49 DD55 FF01 FF11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、電子供与性無色染料と、電
    子受容性化合物として2,4−ビス(フェニルスルホニ
    ル)フェノールと、スルホン酸変性ポリビニルアルコー
    ルと、少なくとも1種のスルホン酸変性ポリビニルアル
    コール以外の変性ポリビニルアルコールと、を含有する
    感熱発色層を少なくとも1層有し、かつ、最表面層に滑
    剤を含有することを特徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 前記感熱発色層は、前記スルホン酸変性
    ポリビニルアルコール以外の変性ポリビニルアルコール
    としてアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有
    することを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 前記滑剤は、脂肪酸金属塩、または、融
    点105℃以上の脂肪酸アミド化合物であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の感熱記録材料。
JP2002150859A 2002-05-24 2002-05-24 感熱記録材料 Pending JP2003341246A (ja)

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