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JP2003231273A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

Info

Publication number
JP2003231273A
JP2003231273A JP2003063273A JP2003063273A JP2003231273A JP 2003231273 A JP2003231273 A JP 2003231273A JP 2003063273 A JP2003063273 A JP 2003063273A JP 2003063273 A JP2003063273 A JP 2003063273A JP 2003231273 A JP2003231273 A JP 2003231273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
amount
suction
printing
cartridge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003063273A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Mochizuki
聖二 望月
Atsushi Kobayashi
淳 小林
Shigenori Fukazawa
茂則 深澤
Kazuhisa Kawakami
和久 川上
Masahiro Isono
正博 磯野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2003063273A priority Critical patent/JP2003231273A/ja
Publication of JP2003231273A publication Critical patent/JP2003231273A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 以後の印刷に必要となるインク量を加算して
インク残量を判定してインク切れを可及的に防止できる
インクジェット式記録装置を提供すること。 【解決手段】 印刷データに対応してインク滴を吐出す
るインクジェット式記録ヘッド7,8と、インクジェッ
ト式記録ヘッドにインクを供給するインクカートリッジ
9、10と、印刷データに基づいて全ての印刷動作に対
応してインクジェット式記録ヘッド9,10から吐出さ
れるインク量を予め加算してインク消費量を算出する消
費量演算手段32とを備え、印刷で消費が予定されるイ
ンク量を算出し、これに基づいてインクカートリッジの
インク残量を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術の分野】本発明は、記録用紙の幅方
向に移動する記録ヘッドを有し、印刷デ−タに一致して
インク滴を記録用紙に噴射して画像を形成するインクジ
ェット式記録装置、より詳細にはインクカートリッジの
インク量の管理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式プリンタは、インク貯
蔵手段からのインクの供給を受けるインクジェット式記
録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移
動させる紙送り手段を備え、印字信号に対応して記録ヘ
ッドを移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させて
記録を行う装置である。
【0003】このようにインクという液体を扱う関係
上、記録ヘッドへのインクの充填や、またインク溶媒の
揮散による目詰まりを防止するために記録ヘッドからイ
ンクを強制的に吸引排出する処理、さらにはインク貯蔵
手段に残留しているインク量の管理等、他の記録ヘッド
にはみられない種々な副次的な操作を必要とする。
【0004】インク量の管理に関しては、インク貯蔵手
段を構成するインクカートリッジに電極などの液面レベ
ル検出手段を付属させて、ハード的に検出する方法も実
用化されているが、カートリッジの構造が複雑化してコ
スト上昇を招くという不都合がある。このため例えば特
許文献1乃至特許文献4等に見られるように、印刷時の
ドット数と一滴当たりのインク滴の積、及びノズル開口
の目詰まり防止のための強制的な吸引時の1回の吸引量
と吸引回数との積との和に基づいて消費量をカウンタに
より積算し、これを記憶手段に格納させてインク残量を
表示させたり、また外部操作によりリセットできるよう
に構成するなど、記録装置に搭載されているマイクロコ
ンピュータを使用してソフトウエアにより行うものも提
案されている。
【0005】このようにソフトウエアによりインク残量
を管理する場合のものにあっては、インクエンドの検出
の精度はともかくとして少なくとも消費量形態を正確に
把握することができるため、これを表示させることによ
り、インク消費量状態をユーザに知らせることができる
というメリットがある。
【0006】しかしながら、インクジェット式記録ヘッ
ドによるカラー印刷の容易性に着目して、インクジェッ
ト式カラープリンタが実用化され、高い印刷品質を求め
て濃淡インクを使用したり、また1ドットを構成するイ
ンク滴のインク量を印刷データに基づいて調整したり、
さらには印刷の解像度を画像やテキストに応じて変更す
る等、多彩な技術が盛り込まれている。
【0007】さらには、記録ヘッドの目詰まり防止等の
メンテナンスにおいても、記録ヘッドの動作状況に応じ
て強制吐出やフラッシングの際のインク量がきめ細かく
設定されていている。このため、インクの消費量が複雑
化し、従来の技術では大きな誤差が生じて、実用に耐え
ないという問題を抱えている。このようなインク残量を
正確に把握できないことに起因して、メンテナンスのた
めのインク吸引により記録ヘッド内のインクを排出仕切
ってしまって、記録ヘッドに致命的な損傷を与える等の
問題を抱えている。
【特許文献1】特公平5-19467号公報
【特許文献2】特公平8-2649号公報
【特許文献3】特開平5-88552号公報
【特許文献4】特開平7-205419号公報
【0008】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところは以後の印刷に必
要となるインク量を加算してインク残量を判定すること
によりインク切れでの吸引動作を可及的に防止できるイ
ンクジェット式記録装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、印刷データに対応してイン
ク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記イ
ンクジェット式記録ヘッドにインクを供給するインクカ
ートリッジと、前記印刷データに基づいて全ての印刷動
作に対応して前記インクジェット式記録ヘッドから吐出
されるインク量を予め加算してインク残量を判定する手
段と、を備えるようにした。
【0010】
【作用】本願発明によれば、印刷が予定されているデー
タに基づいて必要なインク量を予め加算するため、電源
オフなどにより実消費量を記憶手段への格納ができなか
った場合にでも、相当量を予め記憶手段に格納できて、
インクカートリッジのインク残量を可及的に正確に判定
することができ、インク切れでのメンテナンス動作によ
る記録ヘッドの致命的な損傷を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】そこで以下に本発明の詳細を図示
した実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実
施例を示すものであって、図中符号1は、キャリッジ
で、タイミングベルト2によりモータ3に接続されい
て、ガイド部材4に案内されてプラテン5に平行に移動
するように構成されている。キャリッジ1の記録用紙6
と対向する面には、印刷領域(図中、左側)に黒インク
を吐出する記録ヘッド7が、また非印刷領域側に着脱可
能に構成されたカラー印刷用の記録ヘッド8が搭載さ
れ、各記録ヘッド7、8は、それぞれ黒インクカートリ
ッジ9、カラーインクカートリッジ10からインクの供
給を受けて記録用紙6にインク滴を吐出して印刷するよ
うになっている。また、キャリッジ1にはインクカート
リッジ9、10の着脱によりオンオフするスイッチ1
1、12が配置されている。
【0012】13は、キャッピング装置で、黒インク用
記録ヘッド7を封止するキャップ部材14と、カラーイ
ンク用記録ヘッド8を封止するキャップ部材15を同一
のスライダに搭載し、それぞれが単独で駆動可能な2台
のポンプ16、17からなるポンプユニット18にチュ
ーブを介して接続されていて、記録ヘッド7、8のノズ
ル開口面を1つの空間で封止できるサイズを備え、非印
字時にはノズル開口を封止し、また吐出能力回復操作時
にはポンプユニット18から負圧の供給を受けて記録ヘ
ッド7、8からインクを強制的に排出させることができ
るように構成されている。また、キャッピング装置13
の近傍には、クリーナユニット19が配置されている。
【0013】図2は、同上記録装置の動作を制御する制
御装置の一実施例を示すものであって、図中符号20
は、印刷制御手段で、ホストからの印刷データに基づい
てビットマップデータを生成し、このデータに基づいて
ヘッド駆動手段21により駆動信号を発生させて、記録
ヘッド7、8からインク滴を吐出させるものである。
【0014】22は、インクカートリッジ着脱検出手段
で、キャリッジ1に配置されている各スイッチ11、1
2の信号変化によりインクカートリッジ9、10の着脱
を検出するものである。23は、装着タイマで、インク
カートリッジ着脱検出手段22からの信号によりインク
カートリッジ9、10が装着された時点で、リセットし
てから計時動作を開始し、またインクカートリッジ9、
10が取り外された時点で計時動作を停止するものであ
る。
【0015】24は、ポンプ駆動手段で、後述する吸引
制御手段により規定された吸引強度、吸引時間、吸引イ
ンターバルにより吸引動作を実行するものである。25
は、電源検知手段で、装置への電力の供給の有無を検出
し、電源のオンオフにより信号を出力するものである。
26は、休止タイマ26で電源がオフとなった時点で計
時を開始し、また電源がオンとなった時点で計時動作を
停止して、記録ヘッド7、8がキャップ装置13により
連続して封止されていた時間を検出するものである。
【0016】27は、フラッシング制御手段で、印刷タ
イマ28により印刷動作が一定時間継続した時点で、印
刷制御手段20によりキャリッジ1がフラッシング位
置、通常はキャッピング位置に待避された後、目詰まり
の防止や、目詰まり解消のために各記録ヘッド7、8の
全てのノズル開口から所定数のインク滴を吐出させるも
のである。
【0017】29は、吸引制御手段で、外部から操作可
能なクリーニングスイッチ30からの信号が入力した場
合や、インクカートリッジ9、10が新しく装着された
場合や、電源投入時に休止タイマ26が所定時間を計時
した場合に、後述する吸引モード設定手段31からの信
号に基づいて、記録ヘッド7、8をキャッピング手段に
より封止した状態で、ポンプ駆動手段24に信号を出力
して各ポンプ16、17を所定のモードで作動させるも
のである。31は、前述の吸引モード設定手段で、イン
クカートリッジ9、10のインク残量に応じて大吸引処
理、小吸引処理及び吸引抑制の何れかを設定するもので
ある。
【0018】32は、インク消費量演算手段で、電源投
入検知手段25により電源が投入されたことが検知され
た時点で、後述する消費量記憶手段33に格納されてい
るインク消費量を呼出し、印字動作やフラッシング動作
が行われた場合にはインク滴の数をカウントし、これに
後述する係数設定手段37に格納されている1滴当たり
のインク量を乗算してインク量を算出し、また吸引制御
手段29によりポンプ駆動手段24に吸引指令が出力さ
れた段階で、吸引量を予め加算して消費されたインク量
を算出する動作を行う。
【0019】係数設定手段37は、表1に示すように高
品位印刷、通常印刷、及びドラフト印刷等の印刷モード
に対応させて、カラーインク、及びブラックインクの1
滴当たりのインク量、この実施例ではインク重量のデー
タと、また表2に示すように印刷前のフラッシング処
理、印刷中に行う定期フラッシング、及び印刷終了後に
行うフラッシングなどのフラッシング、及び定期フラッ
シングに対してはさらにその印刷モードに対応させて、
カラーインク、及びブラックインクの1滴当たりのイン
ク量のデータを格納して構成されている。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】好ましくは、温度検出手段40からの温度
データに基づいて温度を加味して1滴当たりのインク量
を算出する。すなわち、室温を基準として温度30°C
では1.03倍に、また40°Cでは1.05程度に1
滴当たりのインク量を増加させることにより、温度上昇
による粘度低下に起因して排出量が増加するインク量を
確実に消費量として加算でき、特に印刷中のインク切れ
を防止することができる。
【0023】一方、電源検知手段25により電源のオフ
が検出された場合には、演算したインク消費量を消費量
記憶手段33に格納させ、またインクカートリッジ着脱
検出手段22によりインクカートリッジ9、10の交換
が検出されてリセット手段34から信号が出力された場
合には、演算結果をクリアする。
【0024】35はインク残量判定手段で、各カートリ
ッジ9、10に収容されているインク量とインク消費量
演算手段32により算出されたインク消費量との差分を
算出し、この差分が段階的に定められた複数の水準を下
回る毎に、吸引モード設定手段31、後述するデューテ
イ設定手段36、及び表示手段38に信号を出力するも
のである。
【0025】すなわち、表3に示したようにインクエン
ドレベルとしてカートリッジのインクが無くなった場合
と、インク吸引により少なくともカートリッジにインク
が残留する程度のインクが残留する程度の2種類を、ま
たニアエンドレベルとしてインク残量が2乃至20%が
残留する程度を、大吸引禁止レベルとしてはインク残量
が2乃至25%となった程度を、吸引禁止レベルとして
はインク残量が2乃至30%となった程度を設定して構
成されている。
【0026】
【表3】
【0027】そして、上述の構成の内、特に高い計算処
理能力を要求されるインク消費量演算手段32は、ホス
ト装置に組み込まれるプリンタドライバソフトにより、
ホスト装置のCPUの機能の一部として組み込まれるの
が望ましい。
【0028】次に、このように構成した装置の動作を図
3乃至図9に示したフローチャートに基づいて説明す
る。 (全体の動作)電源スイッチSWが投入されると(図3
ステップ イ)、後述する初期化処理(図4)を実行
し(図3 ステップ ロ)、電源の投入状態が継続して
いるか否かを検出する(図3 ステップ ハ)。この段
階で電源がオフとなっている場合に、消費量演算手段3
2のインク量を消費量記憶手段33に格納するという電
源オフ処理を実行(図3 ステップ ヌ)してから全体
の動作を終了する。
【0029】一方、電源投入状態が維持されている場合
には、インクカートリッジ装着検出手段22からの信号
に基づいてインクカートリッジ9、10の交換が行われ
たか、否かを検出し(図3 ステップ ニ)、交換され
た場合には後述するインクカートリッジ交換処理(図
6)を実行する(図3 ステップ ホ)。
【0030】インクカートリッジ9、10の交換が行わ
れなかったり、またインクカートリッジ9、10の交換
が完了した状態で、クリーニングスイッチ30が押圧さ
れた場合には(図3 ステップ へ)、後述するクリー
ニング処理(図7)(図3ステップ ト)を実行する。
【0031】クリーニング処理が必要でなくなった状態
で印刷データの入力を待ち(図3ステップ チ)、印刷
データが入力するまでは上記ステップ(ハ)乃至ステッ
プ(チ)の工程を繰り返し、また印刷データ入力した段
階で、後述する印刷処理(図8)に入る(図3 ステッ
プ リ)。
【0032】最後に業務が終了して電源スイッチsWが
オフにされると、インク消費量演算手段32が演算した
インク消費量を消費量記憶手段33に格納させ(図3
ステップ ヌ)、また必要に応じて休止タイマ26を作
動させて動作を停止する。
【0033】(初期化処理)電源検知手段25により電
源の投入が検出されると、消費量演算手段32は消費量
記憶手段33に格納されているインク消費量のデータを
読出し(図4 ステップ イ)、また印刷準備のための
キャリッジ1の位置や紙送りのための初期化を実行する
(図4 ステップ ロ)。
【0034】印刷準備が整った段階でインクカートリッ
ジ検出手段22からの信号に基づいてインクカートリッ
ジ9、10の有無を検出し(図4 ステップ ハ)、装
着されていない場合には表示手段38によりエラー表示
を行なって(図4 ステップニ)インクカートリッジ
9、10が装着されるのを待つ。
【0035】インクカートリッジ9、10が正常に装着
されていることが確認できた段階で、後述するインク消
費量のチェック処理を実行する(図4 ステップ
ホ)。
【0036】(インクカートリッジの初期装着)インク
ジェット式記録装置は、インクを圧力発生室で加圧して
ノズル開口から吐出させる関係上、流通過程においても
使用時と同様の条件に維持するため、送品液を充填して
乾燥や塵埃の侵入を防止する処置が採られている。この
ため、使用開始に先立って記録ヘッド7、8に充填され
ている送品液を完全に排除する操作、いわゆる初期充填
操作を必要とする。
【0037】このように送品液を確実に排除するため、
第1吸引で排出すべき第1吸引量を予め消費量演算手段
32に加算し(図5 ステップ イ)、加算が終了した
段階で第1吸引に定められている吸引速度で吸引を実行
する(図5 ステップ ロ)。
【0038】続いて、第2吸引で排出すべき第2吸引量
を予め消費量演算手段32に加算し(図5 ステップ
ハ)、加算が終了した段階で第2吸引に定められている
吸引速度で吸引を実行する(図5 ステップ ニ)。
【0039】最後に第3吸引で排出すべき第3吸引量を
予め消費量演算手段32に加算し(図5 ステップ
ホ)、加算が終了した段階で第3吸引に定められている
吸引速度で吸引を実行する(図5 ステップ ヘ)。
【0040】このようにインクカートリッジから大量の
インクを吸引する動作を実行する以前にそれぞれの吸引
量を予め加算しているため、吸引動作の途中でたとえ電
源がオフとされた場合にも、インクカートリッジのイン
ク残量を少なく目に見積もることができて、印字途中で
のインク切れ等といった不都合や、また記録ヘッド7、
8からのインク抜けといった重大な事態を回避すること
ができる。
【0041】(インクカートリッジの交換処理)インク
カートリッジ着脱検出手段22によりキャリッジ1に装
着されている古いインクカートリッジ9、10が取り外
されて、新しインクカートリッジが装着されたことが検
出され、しかもインク残量判定手段35によるインク残
量がインクニアエンドレベルまたはインクエンドレベル
である場合には、リセット手段34により黒インクカー
トリッジ9かカラーインクカートリッジ10かを判定し
(図6 ステップ イ)、黒インクカートリッジの場合
には黒インクカートリッジのインク消費量をリセットし
(図6 ステップ ロ)、またカラーインクカートリッ
ジ10の場合には同様にインク消費量をリセットする
(図6 ステップ ロ)。
【0042】これにより、インクカートリッジの交換作
業だけでインク消費量を自動的にリセットして、インク
カートリッジ交換後におけるユーザのインク消費量のリ
セット操作を不要とし、またユーザの誤操作によるリセ
ットを防止することができる。
【0043】一方、インク残量判定手段35によるイン
ク残量の判定がインクニアエンドより多い場合には、ユ
ーザが誤ってカートリッジを抜き差ししたものと判断し
て、インク消費量演算手段32のインク量のリセットは
行わない。この場合、新しいインクカートリッジに交換
されているにもかかわらず、元のインクカートリッジを
抜き差しされたと誤って判定しても、クリーニング処理
等のために大量のインクが吸引された場合にも記録ヘッ
ド7、8が空になるのを確実に防止することができる。
【0044】インク消費量がリセットされたことにより
インク残量判定手段35は、インク残量が多いと判定す
る。吸引モード設定手段31は、インクカートリッジ交
換に伴って必要となる大量の吸引量を吸引制御手段29
に出力する。これにより吸引制御手段29は後述する大
吸引モードでの吸引処理を実行し、吸引タイマ39を作
動させる(図6 ステップ ニ)。このようにして吸引
時間が大吸引量に相当する時間T1に到達すると(図6
ステップ ホ)、吸引を停止して吸引タイマ39をリ
セットする(図6 ステップ ヘ)。
【0045】インクの充填が終了した段階でのインク残
量を相対表示、つまりインク残量100%として表示す
るとともに、この値を基準にして次のインクカートリッ
ジ交換までインク残量の管理を実行する。このように、
インクカートリッジ交換に伴う吸引量を差し引いたイン
ク量をフル状態として表示することにより、ユーザは可
及的に正確なインク残量を知ることができる。
【0046】また、記録装置使用開始に先立ってインク
が充填されていない記録ヘッド7、8にインクを充填す
る操作、いわゆる初期充填でも初期充填量の吸引量を差
し引いたインク量をフル表示する。これにより、使用開
始後におけるインクカートリッジの交換と、使用開始時
の最初のインクカートリッジの装着とにおけるインク充
填操作のためのインク消費量に差が存在しても、充填操
作後の実インク残量を表示することができ、インク残量
が把握しやすくなり、またフル表示がインク充填操作終
了の目印となり、特別な表示器を使用することなく、イ
ンク充填操作の終了をユーザに認識させることができ
る。
【0047】(クリーニング処理)クリーニングスイッ
チ30が押圧されてクリーニング処理が指令されると、
後述するインク消費量チェック処理(図9)によりイン
ク残量を確認した段階で(図7 ステップ イ)、前回
のクリーニング処理後に印字が行われたか否かを判定し
(図7 ステップ ロ)、印字が行われていない場合に
は、微量吸引で吸引すべきインク量を予め消費量演算手
段32に加算し(図7 ステップ ル)、加算が終了し
た段階で微小吸引を実行する(図7 ステップ オ)。
【0048】一方、前回のクリーニング処理から以後に
印刷が実行されている場合にはその印字量を判定し(図
7 ステップ ハ)、印字量が多い場合には大吸引禁止
の解除を行なってから(図7 ステップ ニ)、小吸引
量を予め消費量演算手段32に加算し(図7 ステップ
ホ)、加算が終了した段階で小吸引を実行する(図7
ステップ ヘ)。
【0049】クリーニング以後の印字量が少ない場合に
は(図7 ステップ ハ)、大吸引禁止が設定されてい
るか否かを判定し(図7 ステップ ト)、大吸引禁止
が設定されている場合には大吸引禁止を解除して(図7
ステップ ニ)、前述の小吸引処理を実行する(図7
ステップ ホ、ヘ)。
【0050】一方、大吸引禁止が設定されておらずイン
クカートリッジ9、10に十分にインクが存在する場合
には、前回のクリーニングスイッチ30が操作された回
数をクリーニングカウンタ等で検知して、クリーニング
回数が所定回数、例えば3回になっている場合にはリセ
ットして1を設定し、3未満である場合にはそれぞれイ
ンクリメントしてから(図7 ステップ チ)、大吸引
により消費されるインク量を消費量演算手段32に予め
加算し(図7 ステップ リ)、このセットされた大吸
引量で吸引を実行する(図7 ステップ ヌ)。
【0051】このように、微小吸引処理、小吸引処理、
及び大吸引処理を実行する前に予め吸引するインク量を
消費量演算手段32に加算してから吸引処理を実行する
ので、吸引後にインク量を加算する場合に比較して、処
理の途中で電源等が遮断された場合でもインクカートリ
ッジのインク残量を安全側、つまり少なめに見積もるこ
とができ、吸引により記録ヘッド7、8に気泡等を引き
込む事故を防止することができる。
【0052】(印字処理)印刷に使用する記録ヘッド
7、8の種類、及びインクの種類を判定するとともに、
印字モードを確認し(図8 ステップ イ)、印刷に使
用する記録ヘッド7、8が印字の際、及びフラッシング
処理時に吐出する1滴当たりのインク量を係数設定手段
37に格納されているデータに基づいてセットする(図
8 ステップロ)。
【0053】印字に先立って実行する印刷前のフラッシ
ング処理により消費されるインク量を予めインク消費量
演算手段32に加算してから(図8 ステップ ハ)、
印刷前のフラッシング処理を実行する(図8 ステップ
ニ)。
【0054】このようにして印刷の準備が終了して印刷
が可能となった段階で、1パス分の印刷で消費される平
均量、例えば最大印刷量の1/2に相当するインク量を
予め加算する(図8 ステップ ホ)。そして印刷が開
始されると(図8 ステップヘ)、1パス分の総ドット
数をカウントし(図8 ステップ ト)、これに1滴当
たりのインク量を乗算して1パス分の印字により消費さ
れたインク量を算出して加算する(図8 ステップ
チ)。
【0055】なお、印字処理において、インク消費量チ
ェックによりニアエンドレベルと判定された場合には
(図9 ステップ ホ)、1行のデータを複数パスで印
刷するモードに切り替える等して印字速度を低下させる
ことにより、特にインクカートリッジがインク吸収体に
インクを含浸させるものとして構成されている場合に
は、インク吸収体がインクの消費により負圧側に傾くの
を防止して記録ヘッド7、8から離れた位置に存在する
インクを確実に記録ヘッド7、8に流動させ、もって残
り少ないインクを全て有効に使用することが可能とな
る。
【0056】また吸引抑制レベルと判定されて印字デュ
ーティが抑制されている場合には(図9 ステップ
リ、ヌ)、グラフィック印刷のように印刷デューティが
極めて高いデータに対しては、印刷速度を落としたり、
また1行のデータを複数パスで印刷するモードに切り替
えることにより、カートリッジ9、10の残り少ないイ
ンクを確実に記録ヘッド7、8に供給することができ
る。
【0057】印刷動作が所定時間継続して印刷タイマ2
8がタイムアップして定期フラッシングが必要となった
時点で(図8 ステップ リ)、印字動作を中断してキ
ャリッジ1をフラッシング位置に移動させ、定期フラッ
シングにより吐出すべきインク量をインク消費演算手段
32に予め加算し(図8 ステップ ル)、加算が終了
した段階でフラッシング処理を実行する(図8 ステッ
プ オ)。
【0058】フラッシング処理後、印刷データが存在す
る場合には(図8 ステップ ヌ)、前述のステップ
(ト)乃至(オ)を繰返して印刷を実行する。
【0059】全ての印刷データの印刷が終了すると(図
8 ステップ ヌ)、ステップ(ホ)において予め加算
したインク量を減算し(図8 ステップ ワ)、またフ
ラッシングにより吐出すべきインク量をインク消費演算
手段32に予め加算して(図8 ステップ カ)、印字
終了処理としてのフラッシング処理を行なって(図8ス
テップ ヨ)次の印刷まで待機する。
【0060】このように、印刷開始に先立って1パスの
印刷により消費される平均的なインク量を予め加算して
から印刷を実行し、1パスの印刷が終了した段階で予め
見込み量で加算したインク量を減算することにより、た
とえ積算印刷途中で電源がオフとなり、1パスの印刷が
終了した段階でしか加算できない実インク消費量の加算
が不可能となった場合にでも、相当量を消費量として減
算することができて、インクカートリッジのインク残量
を可及的に実量に見積って以後の印刷途中でのインク切
れを防止することができる。
【0061】(インク消費量チェック処理)装着タイマ
23に計時されているインクカートリッジ9、10がキ
ャリッジに装着されてからの経過時間と、カートリッジ
9、10やインクチューブ等からのインク溶媒の時間当
たりの蒸発率との積を加味して、装着されているインク
カートリッジ9、10のインク残量を算出する(図9
ステップ イ)。
【0062】判定前にクリーニング操作が指令されてい
ない場合には(図9 ステップ ロ)、インク残量と予
め定められているインクエンド判定基準レベルと比較し
(図9 ステップ ハ)、インクエンドである場合には
表示手段38にインクエンドを表示して(図9 ステッ
プ ニ)、インクカートリッジの交換を促す。
【0063】比較の結果、インクエンド以上、ニアエン
ドレベル以下の場合には(図9 ステップ ホ)、表示
手段38にニアエンドであることを表示する(図9 ス
テップ ヘ)。
【0064】インク残量がニアエンド以上で、大吸引禁
止レベルの場合には(図9 ステップ ト)、大吸引禁
止の設定を行い(図9 ステップ チ)、クリーニング
により大量のインクが不用意に消費されるのを未然に防
止する。
【0065】さらにクリーニングのためにインクの吸引
は可能であるものの、カートリッジのインク残量が幾分
少なめで通常のインク吸引速度ではインク含浸部材内で
インク流路に途切れが生じる虞のある量であると判定し
た場合には(図9 ステップリ)、吸引量と印刷時の単
位時間当たりの印字ドット数、いわゆるデューティを抑
制するための処理を行う(図9 ステップ ヌ)。
【0066】そして、上記以外はインクカートリッジ
9、10には通常動作に必要な十分なインクが残存して
いるものと判定する(図9 ステップ ル)。
【0067】インク消費量チェック処理の以前にクリー
ニングスイッチ30が既に押圧されれている場合には
(図9 ステップ ロ)、クリーニングによるインク消
費に備えてクリーニング前のインクエンド判定基準と比
較して、インクエンドであるか否かを判定する(図9
ステップ オ)。この判定基準でインクエンドと判定す
べき量以下である場合には、たとえ印字が可能であって
もインクエンドと判定して表示手段38にインクエンド
を表示し(図9 ステップ ニ)、クリーニング前にイ
ンクカートリッジ9、10の交換を促す。これにより、
クリーニングによりインクカートリッジ9、10が消費
され尽くして、記録ヘッド7、8が空になるのを未然に
防止することができる。そしてインク残量がインクエン
ドと判定すべき量よりも多い場合には、前述のステップ
(ホ)乃至(ル)の処理を実行する。
【0068】なお、上述の実施例においては、大吸引処
理、及び小吸引処理を1種類の吸引モードで行なってい
るが、インク残量に応じて吸引の形態を変更するように
することもできる。
【0069】すなわち、図10、図11に示したようそ
れぞれ吸引処理により吸引すべきインク量を予め消費演
算手段32にセットして(図10、図11 ステップ
イ)、吸引抑制モードが設定されているか、否かを判定
し(図10、図11 ステップ ロ)、抑制モードが設
定されていない場合には通常の吸引動作により、設定さ
れた量のインクを吸引する第1大吸引(図10 ステッ
プ ハ)、もしくは第1小吸引(図11 ステップ
ハ)を実行する。
【0070】一方、インクカートリッジ9、10のイン
クが減少してインク消費量チェック処理(図9)により
吸引抑制レベルと判定されて抑制モードが設定されてい
る場合には(図10、図11 ステップ ロ)、吸引抑
制モードを解除した後(図10、図11 ステップ
ニ)、ポンプ16、17の回転数を低下させたり、また
はポンプ16、17を間欠駆動するなど方法により流量
を抑えつつ、上記加算された量のインクを吸引する第2
大吸引(図10 ステップ ホ)、もしくは第2小吸引
(図11 ステップ ホ)を実行してもよい。
【0071】このように大吸引、小吸引に必要なインク
量は変えることなく、吸引のインク流量を抑えることに
より、特に多孔質弾性体からなるインク吸収体にインク
を含浸させたインクカートリッジでは、インク吸収体内
でのインクの途切れを防止しつつ、クリーニング処理に
必要な量のインクを排出できて、インク量の少ない場合
にもクリーニングが可能となる。またインク量が少なく
なった場合には、印刷速度を下げることにより、インク
吸収体内でのインクの途切れを招くこと無く印刷に必要
な量のインクを記録ヘッド7、8に供給することがで
き、インクが少なくなったカートリッジ9、10を無駄
なく使用することができる。
【0072】なお、上述の実施例においてはブラックイ
ンクとカラーインクの2種類のインクカートリッジを搭
載してモノクロ、及びカラー印刷が可能なた記録装置に
例を採って説明したが、モノクロ印刷用の記録装置に適
用しても同様の作用を奏することは明らかである。
【0073】また、上述の実施例においてはインクカー
トリッジをキャリッジに搭載する記録装置に例を採って
説明したが、インクカートリッジを函体に収容し、チュ
ーブ等の流路構成手段により記録ヘッドにインクを供給
する記録装置に適用しても同様の作用を奏することは明
らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるインクジェット式記録装
置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】 本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図3】 同上装置の全体の動作を示すフローチャート
である。
【図4】 同上装置の動作の内、初期化処理のための動
作を示すフローチャートである。
【図5】 同上装置の動作の内、初期充填処理のための
動作を示すフローチャートである。
【図6】 同上装置の動作の内、インクカートリッジ交
換処理のための動作を示すフローチャートである。
【図7】 同上装置の動作の内、クリーニング処理のた
めの動作を示すフローチャートである。
【図8】 同上装置の動作の内、印字処理のための動作
を示すフローチャートである。
【図9】 同上装置の動作の内、インク消費量チェック
処理のための動作を示すフローチャートである。
【図10】 大吸引処理の他の実施例を示すフローチャ
ートである。
【図11】 小吸引処理の他の実施例を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 キャリッジ 7、8 インクジェット式記録ヘッド
9、10 インクカートリッジ 11、12 カート
リッジ検出器 14、15 キャップ部材 16、17
吸引ポンプ 18 ポンプユニット 30 クリーニ
ング指令スイッチ SW 電源スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深澤 茂則 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 川上 和久 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 磯野 正博 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA29 EB20 EB44 EB56 JC20 JC23

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷データに対応してインク滴を吐出す
    るインクジェット式記録ヘッドと、前記インクジェット
    式記録ヘッドにインクを供給するインクカートリッジ
    と、前記印刷データに基づいて全ての印刷動作に対応し
    て前記インクジェット式記録ヘッドから吐出されるイン
    ク量を予め加算してインク残量を判定する手段と、を備
    えたインクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記予め加算するインク量が、1パスの
    印字で消費されるインク量の1/2である請求項1に記
    載のインクジェット式記録装置。
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