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JP2003227568A - 樹脂製フレキシブルブーツ及びその製造方法 - Google Patents

樹脂製フレキシブルブーツ及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003227568A
JP2003227568A JP2003037419A JP2003037419A JP2003227568A JP 2003227568 A JP2003227568 A JP 2003227568A JP 2003037419 A JP2003037419 A JP 2003037419A JP 2003037419 A JP2003037419 A JP 2003037419A JP 2003227568 A JP2003227568 A JP 2003227568A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
flexible boot
oil
flexible
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003037419A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsushi Saito
克志 齋藤
Masayuki Chokai
真幸 鳥海
Hiroshi Ono
宏 大野
Hitoshi Ueno
均 上乃
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd, Toyobo Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2003037419A priority Critical patent/JP2003227568A/ja
Publication of JP2003227568A publication Critical patent/JP2003227568A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2031/00Other particular articles
    • B29L2031/703Bellows

Landscapes

  • Sealing Devices (AREA)
  • Diaphragms And Bellows (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異音発生抑制の持続効果の向上、シール性、
耐久性の確保を図れる樹脂製フレキシブルブーツを提供
する。 【解決手段】 ベース樹脂材料に熱可塑性エラストマー
樹脂を用いて形成され、大径口部と小径口部とを蛇腹部
で連結してなる樹脂製フレキシブルブーツにおいて、熱
可塑性エラストマー樹脂に鉱物油又は植物油を添加して
ある樹脂製フレキシブルブーツとする。熱可塑性エラス
トマー樹脂は、熱可塑性ポリエステルエラストマーであ
ることが好ましく、鉱物油は、芳香族成分含有率が13
%以下のプロセスオイルであることが好ましい。自動車
の等速ジョイントを覆うフレキシブルブーツとして使用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の等速ジョ
イントなどに用いられる蛇腹状の樹脂製フレキシブルブ
ーツ、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の樹脂製フレキシブルブーツは、
自動車の等速ジョイントのハウジング部に嵌着される大
径口部と、車軸部に嵌着される小径口部とをテーパ状の
蛇腹部で連結してなり、等速ジョイントに封入されてい
るグリースの漏れを防止したり、塵挨の進入などを防い
でいる。
【0003】このようなフレキシブルブーツの成形材料
には、従来一般にクロロプレンゴムが主として使用され
てきた。しかし、クロロプレンゴムからなるフレキシブ
ルブーツは、とくに高速回転時に回転遠心力で異常に膨
張変形し、その状態が長時間にわたって継続されたり、
膨張と収縮とが繰り返されたりしたときに、機械的な劣
化によって短時間のうちに破損しやすく、製品寿命に欠
けるという問題があった。
【0004】そこで、最近では、耐熱性、耐屈曲性、強
度に優れる成形材料として高弾性の熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーなどの熱可塑性エラストマー樹脂が用い
られるようになってきている。しかし、このような高弾
性の熱可塑性エラストマー樹脂からなるフレキシブルブ
ーツにも難点がある。すなわち、高弾性の熱可塑性エラ
ストマー樹脂からなるフレキシブルブーツは、自動車の
等速ジョイントに装着し、広角度に屈曲変位した状態で
回転させると、蛇腹部の山部どうしが擦れ、この擦れ作
用によって異音が発生し、この異音に伴い材料が磨り減
ったりする。特に、フレキシブルブーツの外表面に水分
が付着している場合に、そのような異音が顕著に発生し
やすい。
【0005】このような異音発生の抑制対策として、熱
可塑性ポリエステルエラストマーにシリコーンオイルや
脂肪酸アミドを異音発生抑制剤として配合することが提
案されている。そのうち、脂肪酸アミドを配合する技術
については、例えば、特開平9−177971号公報に
開示されている。
【0006】しかるに、熱可塑性ポリエステルエラスト
マーに脂肪酸アミドを配合する上記特開平9−1779
71号公報に記載の樹脂製フレキシブルブーツは、自動
車の等速ジョイントに装着し、広角度に屈曲変位した状
態で連続回転させた時、初期の異音発生を抑制すること
はできるが、その異音抑制の持続時間が短く、実車走行
中にある時間経過後には異音が発生し始めることが判明
した。異音発生抑制の持続効果を向上させるためには、
脂肪酸アミドの配合量を増量することが考えられるが、
脂肪酸アミドの配合量を増量すると、フレキシブルブー
ツの表面に脂肪酸アミドが粉状に析出し、その析出量が
多くてこすれ落ち易くなり、異音抑制の持続効果が長く
ならない。さらに、その析出量が多くなることで、フレ
キシブルブーツの大径口部または小径口部が等速ジョイ
ントのハウジング部または車軸部との間で摩擦係数を低
下して滑り易くなり、その滑りに伴いグリース漏れの原
因となる位置ずれを起こしたり、実際にグリース漏れが
生じてシール性能の悪化を来すということを知見した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するためになされたものであり、初期の異
音発生抑制効果を維持したままその異音発生抑制の持続
効果が向上され、シール性、耐久性が確保された樹脂製
フレキシブルブーツを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の樹脂製フレキシブルブーツは、べ一ス樹脂材料に熱可
塑性エラストマー樹脂を用いて形成され、大径口部と小
径口部とを蛇腹部で連結してなる樹脂製フレキシブルブ
ーツにおいて、前記熱可塑性エラストマー樹脂に鉱物油
を添加してあることに特徴を有するものである。
【0009】上記構成の樹脂製フレキシブルブーツによ
れば、自動車の等速ジョイントに装着し、広角度に屈曲
変位した状態で連続回転させた時も、初期の異音発生が
無いことはもとより、その異音発生抑制の持続時間を長
くすることができる。またシール性、耐久性を確保でき
る。その理由は、鉱物油の場合、フレキシブルブーツの
表面に析出(ブリード)する液状析出物は油膜状に密着
しており、脂肪酸アミドのような固形粉状の析出物と違
ってフレキシブルブーツ表面から簡単にこすれ落ちるよ
うなことがないためであると考えられる。
【0010】熱可塑性エラストマー樹脂としては、芳香
族ジカルボン酸と低分子量グリコールからなるハードセ
グメントと分子量400〜4000のソフトセグメント
とを構成成分とする熱可塑性ポリエステルエラストマー
を用いることが好ましい。
【0011】耐熱性、耐屈曲性、強度に優れ、鉱物油、
植物油等のオイルとの組合せにより、シール性、耐久性
を確保しつつ、特に優れた初期の異音発生防止効果、そ
の異音発生抑制の長時間持続効果を有するフレキシブル
ブーツが得られる。
【0012】前記熱可塑性エラストマー樹脂は、芳香族
ジカルボン酸と低分子量グリコールからなるハードセグ
メントと分子量400〜4000のソフトセグメントと
を構成成分とする熱可塑性ポリエステルエラストマーで
あることが好ましい。
【0013】フレキシブルブーツを構成する前記熱可塑
性ポリエステルエラストマーにおいては、前記ハードセ
グメントを構成する芳香族ジカルボン酸が、テレフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸から選択される少なくとも
1種であり、前記低分子量グリコールがエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、ダイマーグリコールから選択される少
なくとも1種であることが好ましく、芳香族ジカルボン
酸がテレフタル酸であり、低分子量グリコールが1,4
−ブタンジオールであることが特に好ましい。
【0014】またフレキシブルブーツを構成する前記熱
可塑性ポリエステルエラストマーにおいては、前記ソフ
トセグメントが、ポリオキシテトラメチレングリコ−
ル、ポリオキシプロピレングリコール、又は脂肪族ポリ
エステルジオールであることが好ましく、前記ソフトセ
グメントがポリオキシテトラメチレングリコールである
ことが特に好ましい。
【0015】ポリオキシテトラメチレングリコールをソ
フトセグメントとする場合には、前記熱可塑性ポリエス
テルエラストマー中のポリオキシテトラメチレングリコ
ールの共重合量が35〜55重量%であることが好まし
く、ポリオキシテトラメチレングリコールの共重合量が
40〜50重量%であることがより好ましい。
【0016】本発明の樹脂製フレキシブルブーツにおい
ては、前記鉱物油は、芳香族成分の含有率が13%以下
のパラフィン系オイル、ナフテン系オイルから選択され
る少なくとも1種のプロセスオイルであることが好まし
い。
【0017】かかるプロセスオイルが、熱可塑性ポリエ
ステルエラストマー(以下TPEEと略す場合がある)
との相溶性が適度なため、膨潤によるTPEEの強度低
下等の物理特性の低下を起こすことなく、フレキシブル
ブーツの表面に適度にブリードして薄膜状に付着し、初
期の異音発生防止効果、その異音発生抑制の長時間持続
効果を発揮する。プロセスオイル中の芳香族成分の含有
率が13%を超えるとTPEEの膨潤度が大きくなり、
好ましくない。
【0018】前記鉱物油は、芳香族成分の含有率が1〜
10%以下のパラフィン系オイル、ナフテン系オイルか
ら選択される少なくとも1種のプロセスオイルであるこ
とがより好ましい。芳香族成分の含有率が1%未満の場
合には異音発生抑制の持続時間を長くする効果が、TP
EEの組成によっては十分ではない場合がある。
【0019】プロセスオイルは、熱可塑性エラストマー
樹脂100重量部に対して、5重量部以下に配合してあ
ることが好ましい。5重量部を越えて配合すると、異音
発生抑制の持続時間を長くすることができる反面、使用
するTPEEの組成によっては、早期に蛇腹部の谷部に
亀裂が貫通状に発生して必要かつ十分な耐久性が得られ
ない場合がある。
【0020】プロセスオイルは、TPEE100重量部
に対して3重量部以下に配合してなることがより好まし
い。鉱物油5重量部以下に配合する場合よりも亀裂発生
までの時間を延長できるため、耐久性能をより一層向上
させることができる。
【0021】本発明の別の樹脂製フレキシブルブーツ
は、ベース樹脂材料に熱可塑性エラストマー樹脂を用い
て成形され、大径口部と小径口部とを蛇腹部で連結して
なる樹脂製フレキシブルブーツにおいて、前記熱可塑性
エラストマー樹脂に植物油を添加してあることに特徴を
有するものである。
【0022】上記構成の樹脂製フレキシブルブーツにお
いても、自動車の等速ジョイントに装着し、広角度に屈
曲変位した状態で連続回転させた時も、初期の異音発生
が無いことはもとより、その異音発生抑制の持続時間を
長くすることができる。またシール性、耐久性を確保で
きる。これは、植物油も鉱物油と同じように液状油であ
って、鉱物油の場合と同じ作用によるものと考えられ
る。
【0023】上記の樹脂製フレキシブルブーツにおいて
は、熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に対して植
物油を5重量部以下に配合してなることが好ましい。
【0024】熱可塑性エラストマー樹脂100重量部に
対して植物油5重量部を越えて配合すると、異音発生抑
制の持続時間を長くすることができる反面、早期に蛇腹
部の谷部に亀裂が貫通状に発生して必要かつ十分な耐久
性能が得られない。
【0025】植物油は、熱可塑性エラストマー樹脂10
0重量部に対して3重量部以下に配合してなることがよ
り好ましい。植物油5重量部以下に配合する場合よりも
亀裂発生までの時間を増大できて耐久性能がより一層高
められる。
【0026】TPEEに鉱物油を配合して形成した樹脂
製フレキシブルブーツにおいては、前記鉱物油による前
記ポリエステルエラストマーの膨潤度が8vol%以下
であることが好ましい。
【0027】上記膨潤度が8vol%を超えると膨潤に
より蛇腹部の谷部に亀裂が貫通状に発生して必要かつ十
分な耐久性能が得られない場合がある。
【0028】TPEEに鉱物油を配合して形成した樹脂
製フレキシブルブーツにおいては、前記鉱物油による前
記ポリエステルエラストマーの膨潤度が6wt%以下で
あることが好ましい。
【0029】上記膨潤度が6wt%を超えると膨潤によ
り蛇腹部の谷部に亀裂が貫通状に発生して必要かつ十分
な耐久性能が得られない場合がある。
【0030】上述の膨潤度は、熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー(鉱物油、植物油等を配合してブーツ成形材
料としていない市販の樹脂単体)を鉱物油に100℃に
て48時間浸漬して測定する。
【0031】本発明の樹脂製フレキシブルブーツの製造
方法は、ベース樹脂材料に熱可塑性ポリエステルエラス
トマーを用いて大径口部と小径口部とが蛇腹部で連結さ
れてなる樹脂製フレキシブルブーツを製造するに際し、
熱可塑性ポリエステルエラストマーのペレットを加温し
た状態でこれに鉱物油又は植物油を含む液状添加剤を添
加して混合撹拌し、得られた混合物を押出機を用いて混
練し押出して成形材料を作り、この成形材料を用いて前
記樹脂製フレキシブルブーツを成形することを特徴とす
る。
【0032】この製造方法によれば、熱可塑性ポリエス
テルエラストマーのペレットを加温した状態で、これに
鉱物油又は植物油を含む液状添加剤を添加して混合撹拌
するので、ペレットの表面が軟化して鉱物油又は植物油
となじみやすくなり、ペレットの表面に液状添加剤が均
一に付着する。したがって、熱可塑性ポリエステルエラ
ストマーのペレットと、液状添加剤とを含有してなる混
合物を、押出機を用いて混練し押出すと、熱可塑性ポリ
エステルエラストマー中に鉱物油又は植物油が均一に分
散した成形材料が得られ、この成形材料で成形されるフ
レキシブルブーツは異音発生抑制の持続時間を長くする
ことができる。
【0033】上述の製造方法においては、前記ペレット
と前記鉱物油又は植物油を含む液状添加剤との混合物
に、固体状添加剤を添加して混合撹拌し、得られた混合
物を混練し押出して前記成形材料を作ってもよい。
【0034】また前記ペレットと固体状添加剤とを加温
したうえで混合撹拌した後、これに前記液状添加剤を混
合撹拌してもよく、前記液状添加剤を加温した状態で前
記ペレットと混合撹拌してもよい。さらに、前記ペレッ
トと、前記液状添加剤と、固体状添加剤とを加温したう
えで混合撹拌して前記混合物を得ることもできる。
【0035】以上の樹脂製フレキシブルブーツの製造方
法における、加温の温度は、60℃以上、より好ましく
は70〜100℃とする。60℃より低い温度では鉱物
油、植物油の粘度が高く、均一に分散しないことがあ
り、100℃より高い温度では、加温方法としてミキサ
ー等で熱可塑性ポリエステルエラストマーのペレットを
撹拌し、ペレットの摩擦熱を利用して加温する場合に、
加温時間が長くかかってしまい、効率でないからであ
る。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0037】図1は本発明の一実施形態に係る樹脂製フ
レキシブルブーツ1の断面図(縦断側面図)である。こ
の樹脂製フレキシブルブーツ1は、一端に大径口部2
を、他端に小径口部3をそれぞれ有し、これら大径口部
2と小径口部3との間をテーパ状の蛇腹部4で連結する
形に射出成形、プレスブロー成形、インジェクションブ
ロー成形、ダイレクトブロー成形等の公知の成形法で一
体成形してなるものである。
【0038】このように成形された樹脂製フレキシブル
ブーツ1は、例えば、図2に示すように自動車の後部車
軸5に駆動軸6を屈曲変位可能に連動連結するインボー
ドジョイント(自在継手)7のアウターケース8及びア
ウトボードジョイント9のアウターケース10に各大径
口部2をそれそれ外嵌させて締付クランプ12により締
付け固定するとともに、後部車軸5に各小径口部3をそ
れぞれ外嵌させて締付クランプ12により締付け固定す
ることにより、上記各ジョイント7,9の外側を被覆す
るとともに、各蛇腹部4の内部にグリース封入空間1
1,11を形成する。
【0039】上記構成の樹脂製フレキシブルブーツ1の
成形材料としては、熱可塑性エラストマー樹脂をベース
樹脂材料とし、これに鉱物油または植物油を配合したも
のを用いる。その配合比は、熱可塑性エラストマー樹脂
100重量部に対して、鉱物油または植物油を5重量部
以下、より好ましくは3重量部以下、特に好ましくは
0.5〜3重量部とする。鉱物油または植物油が5重量
部を越えて添加されると、蛇腹部4の谷部に亀裂が早期
に貫通状に発生し、耐久性に劣ることがある。
【0040】熱可塑性エラストマー樹脂(TPE)とし
ては、耐グリース、耐屈曲疲労性、及び、柔軟性を有す
るものであれば、ポリエステル系(TPEE)、ポリオ
レフィン系(TPO)、ポリアミド系(TPAE)、ウ
レタン系(TPU)等、いずれも使用可能であるが、好
ましくはポリエステル系(TPEE)である。
【0041】TPEEは、上述のように芳香族ジカルボ
ン酸と低分子量グリコールからなるハードセグメントと
分子量400〜4000のソフトセグメントとを構成成
分とする。ハードセグメントを構成するポリエステルセ
グメントは、そのハードセグメントのみで高重合体とし
た場合には融点が180℃以上であり、一方ソフトセグ
メントは、軟化点ないし融点は80℃以下である。
【0042】前記ハードセグメントを構成する芳香族ジ
カルボン酸としては、具体的には、テレフタル酸、ジフ
ェニルカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、並びに2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−
ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボ
ン酸等のナフタレンジカルボン酸が例示され、特にテレ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸から選択される少な
くとも1種の使用が好ましい。これらの芳香族ジカルボ
ン酸と共に脂肪族系ないし脂環族系ジカルボン酸を併用
することは、TPEEの特性の調整における自由度が高
くなり、好適な態様である。かかる脂肪族系ないし脂環
族系ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等が例示される。
【0043】芳香族ジカルボン酸と脂肪族系ないし脂環
族系ジカルボン酸を併用する場合、芳香族ジカルボン酸
が全酸性分中70モル%以上であることが好ましく、よ
り好ましくは75モル%以上である。
【0044】ハードセグメントを構成する前記低分子量
グリコールとしては、具体的にはエチレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジメチロールヘプタン、ジメチロールペンタン、ト
リシクロデカンジメタノール、ビスフェノールAエチレ
ンオキサイド付加物、ビスフェノールFエチレンオキサ
イド付加物、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加
物、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ダイマーグ
リコール等が例示される。これらのなかでも特に、エチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、ダイマーグリコールから選
択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0045】ハードセグメントは、芳香族ジカルボン酸
がテレフタル酸であり、低分子量グリコールが1,4−
ブタンジオールであることが特に好ましい。
【0046】本発明において使用する熱可塑性ポリエス
テルエラストマーにおけるソフトセグメントとしては、
具体的には、ポリオキシテトラメチレングリコール(P
TMG)、ポリオキシプロピレングリコール(PP
G)、脂肪族ポリエステルジオールが例示される。ポリ
オキシプロピレングリコールは、末端がエチレンオキサ
イド単位となっているものが好ましい。脂肪族ポリエス
テルジオールとしては、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等
の脂肪族ジカルボン酸と、エチレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジメチロールヘプタン、ジメチロールペンタン等の
グリコールの縮合重合体、ε−カプロラクトンの開環重
合体、PTMGをべ一スとしてε−カプロラクトンを開
環付加した共重合体等が例示される。ソフトセグメント
は、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシ
プロピレングリコール、又はポリε−カプロラクトンジ
オールであることが好ましく、前記ソフトセグメントが
ポリオキシテトラメチレングリコールであることが特に
好ましい。
【0047】上記構成成分を使用した熱可塑性ポリエス
テルエラストマーとしては、ペルプレン(商品名、東洋
紡績(株)製)、ハイトレル(商品名、東レ・デュボン
(株)製)、ARNITEL(DSM社製)などが市販
されており、使用が推奨される。特にハードセグメント
としてテレフタル酸と1,4−ブタンジオールの重合体
を、かつソフトセグメントとしてPTMGを使用し、P
TMGの共重合量が40〜50重量%である熱可塑性ポ
リエステルエラストマーとしては、ペルプレンP46D
が好適な市販品として例示される。
【0048】熱可塑性エラストマー樹脂に添加される鉱
物油には、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プ
ロセスオイル、アロマ系プロセスオイルがある。これら
は、ゴム用軟化剤、潤滑剤用等として市販されている。
プロセスオイルは通常パラフィン成分、ナフテン成分、
芳香族成分を含有し、その構成比率に応じてパラフィン
系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ
系プロセスオイルとして分類される。これらのプロセス
オイルのなかでも、本発明の樹脂製フレキシブルプーツ
において使用することが好ましいプロセスオイルは、上
述のように芳香族成分の含有率が13%以下のパラフィ
ン系或いはナフテン系プロセスオイルであり、より好ま
しくは芳香族成分含有率は1〜10%のパラフィン系或
いはナフテン系プロセスオイルであり、さらに好ましく
は芳香族成分含有率は1〜10%のパラフィン系プロセ
スオイルである。特にTPEEとの組合せにおいて好ま
しいパラフィン系プロセスオイルは、パラフィン成分含
有率が60〜78%、ナフテン成分含有率が20〜35
%、芳香族成分含有率が1〜10%のパラフィン系プロ
セスオイルであり、このようなパラフィン系プロセスオ
イルとしては、BJオイル(商品名、協同油脂(株)
製)が市販されており、その使用が推奨される。
【0049】プロセスオイルのパラフィン成分、ナフテ
ン成分、芳香族成分の含有率の測定は、環分析法(n−
d−M法)(「潤滑ハンドブック」日本潤滑学会 19
82年発行第6版記載)に準じた方法により行う。
【0050】植物油としては、なたね油、あまに油、大
豆油、ひまし油などが好適なものとして挙げられる。
【0051】かかる鉱物油ないしは植物油、好ましくは
芳香族成分が13%以下のプロセスオイルを、熱可塑性
ポリエステルエラストマーに添加することにより、両者
の相溶性のバランスが非常によく、油分が熱可塑性エラ
ストマー樹脂表面に少しずつ析出するので、長期間にわ
たり異音防止効果を発揮することができる。また、鉱物
油ないし植物油が熱可塑性エラストマー樹脂の物性に悪
影響を与えないので、耐久性についての規格を十分に満
足することができる。
【0052】鉱物油としてプロセスオイルを使用する場
合、その平均分子量、すなわち、数平均分子量、重量平
均分子量、Z平均分子量の測定は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィ(GPC)法により、カラムとして
GMHXL−GMHXL−G2000HXL(東ソー
製)を使用し、SYSTEM−21(昭和電工製)によ
りクロロホルムを溶剤(流量0.7ml/min)とし
て40℃にて行い、示差屈折率(RI)を用いて、単分
散ポリスチレンを標準物質としてポリスチレン換算で行
うものとする。
【0053】プロセスオイルの数平均分子量は200〜
2000、より好ましくは500〜1000であるもの
とする。数平均分子量が2000を越えるプロセスオイ
ルを添加した熱可塑性エラストマー樹脂製フレキシブル
ブーツ1では、直ぐに異音(初期異音)が発生する。数
平均分子量が200未満のプロセスオイルを添加した熱
可塑性エラストマー樹脂製フレキシブルブーツ1では、
初期異音は発生しないが、異音発生抑制の持続時間が短
い。したがって、プロセスオイルの数平均分子量は上記
範囲であることが好ましい。
【0054】プロセスオイルの重量平均分子量は200
〜2000、より好ましくは500〜1400であるも
のとする。重量平均分子量が2000を越えるプロセス
オイルを添加した熱可塑性エラストマー樹脂製フレキシ
ブルブーツ1では、初期異音が発生する。重量平均分子
量が200未満のプロセスオイルを添加した熱可塑性エ
ラストマー樹脂製フレキシブルブーツ1では、初期異音
は発生しないが、異音発生抑制の持続時間が短い。この
ため、プロセスオイルの重量平均分子量は上記範囲であ
ることが好ましい。
【0055】プロセスオイルのZ平均分子量は200〜
3000より好ましくは500〜2000であるものと
する。Z平均分子量が3000を越えるプロセスオイル
を添加した熱可塑性エラストマー樹脂製フレキシブルブ
ーツ1では、初期異音が発生する。Z平均分子量が20
0未満のプロセスオイルを添加した熱可塑性エラストマ
ー樹脂製フレキシブルブーツ1では、初期異音は発生し
ないが、異音発生抑制の持続時間が短い。このため、プ
ロセスオイルのZ平均分子量は上記範囲であることが好
ましい。
【0056】プロセスオイルの動粘度は100〜100
0mm/sec、より好ましくは100〜500mm
/secであるものとする。なお、この動粘度測定
は、温度25℃でB型粘度計を使用して、測定計算され
る(JIS K7117準拠)。
【0057】プロセスオイルの動粘度が1000mm
/secを越えるとフレキシブルブーツの表面にプロセ
スオイルが析出しにくくて異音発生抑制の効果が少な
く、1000mm/sec未満であるとフレキシブル
ブーツの表面にプロセスオイルが早期に析出してしまっ
て異音発生抑制の持続性が低下するため、プロセスオイ
ルの動粘度は上記範囲であることが好ましい。
【0058】鉱物油あるいは植物油、液状酸化防止剤等
の液状添加剤を熱可塑性エラストマー樹脂中に混練する
場合、この液状添加剤を均一に樹脂中に分散させる方法
が問題となる。熱可塑性エラストマーのベース樹脂に
は、酸化防止剤や顔料等の固体状添加剤が添加される
が、この場合、固体状添加剤の添加撹拌後、鉱物油ある
いは植物油のような液状添加剤を添加すると、固体状添
加剤と液状添加剤が塊を形成し、熱可塑性エラストマー
樹脂に均一に分散しない場合がある。
【0059】また、鉱物油あるいは植物油のような液状
添加剤の粘度が冬期等の低温雰囲気下では高くなり、固
体状添加剤と液状添加剤の塊が形成され易くなる。この
ような状態の混合物を二軸押出機を用いて混練して押出
しても、固体状添加剤及び液状添加剤が均一に分散した
樹脂は得られないことがある。
【0060】そこで、熱可塑性ポリエステルエラストマ
ーのペレットを加温した状態で、これに鉱物油または植
物油を添加して混合撹拌すると、樹脂のペレットの表面
に均一に鉱物油または植物油が付着することを見出し
た。さらに、この状態の混合物に、他の酸化防止剤や顔
料等の固体状添加剤を添加して撹拌すると、これら固体
状添加剤や鉱物油または植物油、液状酸化防止剤等の液
状添加剤は樹脂のペレットの表面に均一に付着すること
を見出した。
【0061】また、熱可塑性ポリエステルエラストマー
のペレットと鉱物油又は植物油、液状酸化防止剤等の液
状添加剤とを加温したうえで混合撹拌した後、これに他
の固体状添加剤を添加して混合撹拌するもよい。さら
に、熱可塑性ポリエステルエラストマーのペレッ卜と固
体状添加剤とを加温したうえで混合撹拌した後、これに
液状添加剤を混合撹拌するもよい。さらにまた、熱可塑
性ポリエステルエラストマーのペレットと、鉱物油又は
植物油を含む液状添加剤と、他の固体状添加剤とを加温
したうえで混合撹拌するもよい。
【0062】このように混合撹拌された熱可塑性ポリエ
ステルエラストマーのペレットと、液状添加剤及び固体
状添加剤との混合物を、二軸押出機を用いて混練して押
出すと、熱可塑性ポリエステルエラストマー中に液状添
加剤及び固体状添加剤が均一に分散したブーツ成形材料
を得ることができ、異音発生抑制の持続効果に優れるフ
レキシブルブーツを得ることに寄与できる。
【0063】上記の製造方法において、液状添加剤は鉱
物油又は植物油だけであってもよく、液状酸化防止剤等
の添加剤を含むものであってもよい。
【0064】上記した樹脂のペレットなどの加温の温度
は60℃以上、より好ましくは70〜100℃である。
60℃より低い温度では鉱物油、植物油の粘度が高く、
均一に分散しないことがある。100℃より高い温度で
は、加温方法として後述するようにミキサー等で熱可塑
性ポリエステルエラストマーのベース樹脂のペレットを
撹拌し、ペレットの摩擦熱を利用して加温する方法を採
用する場合には加温時間が長くかかってしまい、生産効
率が低下する。
【0065】熱可塑性ポリエステルエラストマーのペレ
ットを加温する方法としては、ミキサー等でペレットを
撹拌し、ペレットの摩擦熱を利用して加温する方法、あ
るいは一般的な温風式乾燥器を用いて加温する方法があ
る。
【0066】上記の撹拌方法には、一般的にミキサーや
タンブラーなどを使用すればよい。上記混合物を混練し
て押出す押出機としては、一般的な単軸式押出機を使用
できるが、これ以上に、樹脂中に液状添加剤及び固体状
添加剤を均一に分散したブーツ成形材料が得られる点
で、二軸押出機を使用することの方が好ましい。
【0067】本発明の樹脂製フレキシブルブーツにおい
ては、熱可塑性エラストマー樹脂、好ましくはTPEE
に各種の添加剤を加えて特性、加工性等の改善を行うこ
とは好適な態様であり、かかる添加剤としては酸化防止
剤、光安定剤、帯電防止剤、過酸化物等の分子調整剤、
金属不活性剤、有機系や無機系の核剤、充填剤、増量
剤、補強剤、着色剤等が例示される。
【0068】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系、イオウ系、リン系等の公知の液状ないし固体状の
酸化防止剤が使用可能であり、光安定剤としては、ヒン
ダードアミン系、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、
ベンゾエート系、ニッケル系、サリチル系等の公知の光
安定剤が使用できる。
【0069】充填剤、増量剤、補強剤、着色剤として
は、公知のものが限定なく使用可能であり、具体的に
は、カーボンブラック類、シリカ、ケイ酸カルシウム、
カオリン、タルク、クレー、ケイソウ土、ウォラストナ
イト等のケイ酸化合物、炭酸カルシウムや炭酸バリウム
等の金属炭酸塩、有機系ないし無機系の顔料等が例示さ
れる。
【0070】
【実施例】(実施例1〜5)ベース材料としてハードセ
グメントとしてテレフタル酸と1,4−ブタンジオール
の重合体を、かつソフトセグメントとしてPTMGを使
用し、PTMGの共重合量が40〜50重量%である熱
可塑性ポリエステルエラストマーであるペルプレンP4
6D(東洋紡績(株)製)を用い、これに添加する鉱物
油としてパラフィン系プロセスオイルであるBJオイル
(協同油脂(株)製)を用いてブーツ成形材料を作製
し、得られたブーツ成形材料を使用して射出成形機で樹
脂製フレキシブルブーツを成形した。鉱物油の配合量
は、熱可塑性ポリエステルエラストマー100重量部に
対して、表1に示すように0.5〜5.0重量部とし
た。
【0071】BJオイルの環分析(n−d−M法)によ
る分析結果は、パラフィン系成分含有率が68%、ナフ
テン系成分含有率が25%、芳香族成分含有率が8%で
あった。またGPC法により測定した分子量は、ロット
により変動するが、数平均分子量が660〜700、重
量平均分子量が810〜850、Z平均分子量が100
0〜1100であり、動粘度は260〜400であっ
た。
【0072】(比較例1〜6)ベース材料として実施例
1〜5で用いた熱可塑性ポリエステルエラストマーを用
い、比較例1では鉱物油を無添加として、射出成形機で
実施例1〜5と同様に樹脂製フレキシブルブーツを成形
した。比較例2では、該熱可塑性エラストマー樹脂10
0重量部に対して、実施例1〜5で用いた鉱物油を7重
量部添加して、同様に樹脂製フレキシブルブーツを成形
した。また、比較例3〜6では、該熱可型性エラストマ
ー樹脂100重量部に対して、低融点脂肪酸アミドA
(オレイルオレイン酸アミド)と高融点脂肪酸アミドB
(エチレンビスステアリン酸アミド)とを表1に示す配
合量だけ添加して、同様に樹脂製フレキシブルブーツを
成形した。
【0073】以上のようにして成形した実施例1〜5及
び比較例1〜6の樹脂製フレキシブルブーツ製品を等速
ジョイントに組み付けて、異音発生の抑制性能、シール
性及び耐久性能について評価した。結果を表1に示す。
なお各試験方法は下記の要領で実施した。
【0074】(1)異音発生の抑制 等速ジョイントに組み付けて低速回転させ、初期の異音
発生の有無を確認し、異音の発生が無い場合には「○」
と判定し、観察された場合に「×」と判定した。また、
連続回転時の異音発生までの時間を確認し、異音抑制持
続時間の目標値である25分より短い時間内に異音を発
生した場合に「×」と判定し、それより長く持続した場
合に「○」と判定した。測定条件は、常温雰囲気(R
T)にて等速ジョイントの最大角(図1の角度α)を4
9°、回転数を150rpmとした。また、フレキシブ
ルブーツの表面は常に水が付着した状態にした。
【0075】(2)シール性 等速ジョイントに組み付けて所定期間連続回転させ、フ
レキシブルブーツの大径口部2または小径口部3にあっ
て締付クランプ12により締め付けられたシール部にお
ける、アウターケース8,10や後部車軸5の外周面と
の滑りに起因する所定位置からのずれ、又はグリースの
漏れがないかどうかについて観察した。いずれかか観察
された場合に「×」と判定し、いずれも観察されない場
合に「○」と判定した。具体的には、フレキシブルブー
ツ製品を等速ジョイントに組み付け、雰囲気温度30
℃、等速ジョイントの最大角を47°、及び回転数を1
00rpmの条件下で、連続回転を6週間行い、その直
後の状態を観察した。
【0076】(3)耐久性能 高温雰囲気100℃で、等連ジョイントの最大角を43
°、回転数を500rpmとし、フレキシブルブーツの
蛇腹部の谷部に亀裂が貫通状に発生するまでの時間を測
定した。また、目標値である30時間より短い時間で発
生した場合に「×」と判定し、それより長い時間後に発
生した場合に「○」と判定した。
【0077】表1に示すように、パラフィン系オイルか
らなる鉱物油を0.5〜5重量部配合した実施例1〜5
の場合は、異音発生の抑制性能、シール性及び耐久性能
の全てにおいて極めて良好な結果が得られた。
【0078】鉱物油を無添加とする比較例1では、初期
から異音の発生が認められた。パラフィン系オイルから
なる鉱物油を添加する場合もその添加量を7重量部とす
る比較例2では、異音の抑制性能及びシール性は良好で
あるが、比較的早く蛇腹部の谷部に亀裂が発生し、耐久
性は満足できるものではなかった。
【0079】脂肪酸アミド(A/B)を滑剤とし、その
配合量が0.7/0.06重量部、または1.5/0.
15重量部である比較例3,4の場合は、シール性、耐
久性は良好であり、また初期の異音発生は見られなかっ
たが、異音発生抑制の持続時間が短くて異音の抑制効果
が十分でなかった。また、脂肪酸アミド(A/B)の配
合量が1.8/0.15重量部である比較例5の場合
は、初期の異音発生は見られないが、異音発生抑制の持
続時間が短く、シール性及び耐久性にも劣っていた。ま
た、脂肪酸アミド(A/B)の配合量が1.5/0.2
重量部である比較例6の場合は、初期の異音発生は見ら
れず、異音発生抑制の持続時間も長くて異音の抑制効果
は良好であったが、シール性及び耐久性に劣っていた。
【0080】
【表1】
【0081】(実施例6〜10)ベース材料として実施
例1〜5で用いた熱可塑性ポリエステルエラストマーを
用い、これに添加する鉱物油には、表2に示すように、
それぞれの数平均分子量が200(実施例6)、500
(実施例7)、750(実施例8)、1000(実施例
9)、2000(実施例10)であるパラフィン系プロ
セスオイルを用いて、実施例1と同様にして樹脂製フレ
キシブルブーツを成形した。各実施例6〜10におい
て、パラフィン系プロセスオイルの配合量は、熱可塑性
ポリエステルエラストマー100重量部に対して、1.
5重量部とした。
【0082】(比較例7〜9)表2に示すように、それ
ぞれの数平均分子量が100(比較例7)、2250
(比較例8)、2500(比較例9)であるパラフィン
系プロセスオイルを用いた以外は、上記実施例6〜10
と同様にして樹脂製フレキシブルブーツを成形した。
【0083】以上のようにして作成した実施例6〜10
及び比較例7〜9の樹脂製フレキシブルブーツ製品を等
速ジョイントに組み付けて、異音発生の抑制性能につい
て評価した。試験方法は、等速ジョイントに組み付けて
低速回転させ、初期の異音発生の有無と連続回転時の異
音発生までの時間(異音発生抑制の持続時間の目標値は
25分)を測定した。このとき、常温雰囲気(RT)、
等速ジョイントの最大角(図1のα角度)を49°、回
転数を150rpmとした。また、フレキシブルブーツ
の表面は常に水が付着した状態にした。結果を表2に示
す。
【0084】この結果、数平均分子量の小さい比較例7
では初期の異音発生は見られなかったが、異音発生抑制
の持続時間は10分という比較的短くて異音の抑制効果
が十分でなかった。数平均分子量の極めて大きい比較例
8,9ではフレキシブルブーツ製品の表面にパラフィン
系プロセスオイルが析出(ブリード)しにくく、初期か
ら異音の発生が認められた。これに対し、実施例6,1
0では異音発生抑制の持続時間は25分であって、目標
を達成した。実施例7,8,9では異音発生抑制の持続
時間は60分以上であるという好結果が得られた。
【0085】
【表2】
【0086】(実施例11〜15)べ一ス材料として実
施例1〜5で用いた熱可塑性ポリエステルエラストマー
を用い、これに添加する鉱物油には、表3に示すよう
に、それぞれの重量平均分子量が200(実施例1
1)、500(実施例12)、950(実施例13)、
1400(実施例14)、2000(実施例15)であ
るパラフィン系プロセスオイルを用いて、射出成形機で
樹脂製フレキシブルブーツを成形した。各実施例11〜
15において、パラフィン系プロセスオイルの配合量
は、熱可塑性ポリエステルエラストマー100重量部に
対して、1.5重量部とした。
【0087】(比較例10〜12)表3に示すように、
それそれの重量平均分子量が100(比較例10)、2
250(比較例11)、2500(比較例12)である
パラフィン系プロセスオイルを用いた以外は、上記実施
例11〜15と同様にして樹脂製フレキシブルブーツを
成形した。
【0088】以上のようにして作成した実施例11〜1
5及び比較例10〜12の樹脂製フレキシブルブーツ製
品を等速ジョイントに組み付けて、異音発生の抑制性能
について評価した。試験方法は、上記実施例6〜10、
比較例7〜9の場合と同様な方法で行った。結果を表3
に示す。
【0089】この結果、重量平均分子量の小さい比較例
10では初期の異音発生は見られなかったが、異音発生
抑制の持続時間は10分という比較的短くて異音の抑制
効果が十分でなかった。重量平均分子量の極めて大きい
比較例11,12では初期から異音の発生が認められ
た。これに対し、実施例11,15では異音発生抑制の
持続時間は25分であって、目標を達成した。実施例1
2,13,14では異音発生抑制の持続時間は60分以
上であるという好結果が得られた。
【0090】
【表3】
【0091】(実施例16〜20)ベース材料として実
施例1〜5で用いた熱可塑性ポリエステルエラストマー
を用い、これに添加される鉱物油には、表4に示すよう
に、それそれのZ平均分子量が200(実施例16)、
500(実施例17)、1300(実施例18)、20
00(実施例19)、3000(実施例20)であるパ
ラフィン系プロセスオイルを用いて、実施例1と同様に
して樹脂製フレキシブルブーツを成形した。各実施例1
6〜20において、パラフィン系プロセスオイルの配合
量は、熱可塑性ポリエステルエラストマー100重量部
に対して、1.5重量部とした。
【0092】(比較例13〜15)表4に示すように、
それぞれのZ平均分子量が100(比較例13)、35
00(比較例14)、4000(比較例15)であるパ
ラフィン系プロセスオイルを用いた以外は、上記実施例
16〜20と同様にして樹脂製フレキシブルブーツを成
形した。
【0093】以上のようにして作成した実施例16〜2
0及び比較例13〜15の樹脂製フレキシブルブーツ製
品を等速ジョイントに組み付けて、異音発生の抑制性能
について評価した。試験方法は、上記実施例6〜10、
比較例7〜9の場合と同様な方法で行った。結果を表4
に示す。
【0094】この結果、Z平均分子量の小さい比較例1
3では初期の異音発生は見られなかったが、異音発生抑
制の持続時間は10分という比較的短くて異音の抑制効
果が十分でなかった。Z平均分子量の極めて大きい比較
例14,15では初期から異音の発生が認められた。こ
れに対し、実施例16,20では異音発生抑制の持続時
間は25分であって、目標を達成した。実施例17,1
8,19では異音発生抑制の持続時間は60分以上であ
るという好結果が得られた。
【0095】
【表4】
【0096】(実施例21,22)樹脂製フレキシブル
ブーツの材料としては、実施例1と同様にペルプレンP
46Dを用いた。この熱可塑性ポリエステルエラストマ
ーのペレットの温度を60℃(実施例21)、80℃
(実施例22)に加温し、パラフィン系プロセスオイル
(商品名:BJオイル、協同油脂(株)製)を1.5重
量部添加し、ミキサーで撹拌後、他の固体状添加剤とし
て酸化防止剤(商品名:ノクラック810−NA、大内
新興(株)製)1.0重量部、顔料(カーボンブラッ
ク、シーストGSO、平均粒径43nm)1.0重量部
を添加撹拌し、この混合物を二軸押出機((株)東芝製
二軸押出機TEM100)を用いて混練し押出して成形
材料を作成した。このブーツ成形材料を用いてフレキシ
ブルブーツを成形した。ここで、ペレットの加温は、
(株)カワタ製スーパーミキサーSMC−300Nを用
いて100rpmでペレットを撹拌することにより行っ
た。また、押出は、スクリュー回転数100rpm、温
度設定240℃で実施した。
【0097】(比較例16)上記実施例21,22と同
じ熱可塑性ポリエステルエラストマーのペレット及び添
加剤を用いて、同様に成形材料を作成し、その材料を用
いてフレキシブルブーツを成形した。但し、比較例16
ではペレットを加温することなく、常温(23℃)でパ
ラフィン系オイルを添加した。
【0098】以上のようにして作成した実施例21,2
2及び比較例16のフレキシブルブーツについて、上記
の実施例6〜10、比較例7〜9と同様の試験方法で異
音発生の抑制佳能を評価した。結果を表5に示す。
【0099】表5に示すように、実施例21(ペレット
温度60℃)、実施例22(ペレット温度80℃)で
は、異音発生抑制の持続時間は25分以上であり、目標
を達成したが、比較例16では樹脂への液状添加剤、固
体状添加剤の分散性が比較的悪く、異音発生抑制効果が
15分と短かった。
【0100】
【表5】
【0101】(実施例23)ベース材料として実施例1
〜5で用いた熱可塑性ポリエステルエラストマーを用
い、これに添加する鉱物油として実施例1〜5で用いた
パラフィン系オイルを用いて、該オイルを樹脂100重
量部に対して1.5重量部添加して、射出成形機で樹脂
製フレキシブルブーツを成形した。
【0102】(比較例17)ベース材料として実施例2
3と同じ熱可塑性ポリエステルエラストマーを用い、パ
ラフィン系オイルを添加する代わりに、樹脂100重量
部に対して、オレイルオレイン酸アミド0.3重量部と
エチレンビスステアリン酸アミド0.08重量部とを添
加して、同様に樹脂製フレキシブルブーツを成形した。
【0103】以上のようにして成形した実施例23と比
較例17のフレキシブルブーツについて、異音発生抑制
材であるオイル又は脂肪酸アミドの析出特性を調べた。
具体的には、成形したフレキシブルブーツを常温下に放
置し、(a)単純放置、(b)14日毎拭き取り、
(c)7日毎拭き取りの各場合における、ブーツ表面へ
のオイル又は脂肪酸アミドの析出量を測定した。析出量
の測定は、ブーツの内外面を柔らかい布(ウエス)で拭
き取り、その重量変化を測定した。析出量は、ブーツ1
個(55g)当りの重量(mg)にて表示した。
【0104】上記(a)の単純放置では、成形から1,
3,4,7,14,28,42及び56日の各経過後
に、析出量を測定した。(b)の14日毎拭き取りでは、
成形から14日経過毎にブーツ表面に析出した析出物を
拭き取りながら、所定の放置日数経過後の析出量を測定
した。(c)の7日毎拭き取りでは、成形から7日経過
毎にブーツ表面に析出した析出物を拭き取りながら、所
定の放置日数経過後の析出量を測定した。
【0105】結果は図3に示す如く、実施例23では、
比較例16に対して、異音発生抑制材の析出量が多く、
また、拭き取り試験においても拭き取り後の析出量は減
少するものの比較例よりも析出量が多く、直ちに異音を
抑制できる最低レベル(13mg)以上に回復してい
た。これに対して、比較例16では、拭き取り後の析出
量が少なく、異音を抑制できる最低レベル(7mg/1
ブーツ)以上になかなか回復しなかった。
【0106】〔膨潤度の測定〕樹脂製フレキシブルブー
ツの成形材料として使用する、プロセスオイルを配合し
ていない素原料であるペルプレンP46Dについて、各
種プロセスオイルに浸漬し、その膨潤度を測定した。測
定はJIS K6258(加硫ゴムの浸漬試験)に準拠
して行った。測定条件は以下の通りである。表6におい
て、Cp,Cn,Caは、それぞれ環分析法(n−d−
M法)により測定したパラフィン成分含有率、ナフテン
成分含有率、芳香族(アロマ)成分含有率を示す。テス
トピース:20mm×50mm×2.0mm 試験温度:100℃ 浸漬時間:48時間 測定結果は、体積変化率(vol%)、及び重量変化率
(wt%)にて求めた。測定結果を表6に示した。この
結果より、パラフィン成分含有率が60〜78%、ナフ
テン成分含有率が20〜35%、芳香族成分含有率が1
〜10%のパラフィン系プロセスオイルをTPEEに添
加すると適度に保持されつつブリードし、樹脂製フレキ
シブルブーツの初期の異音発生を抑制できると共に、そ
の異音発生抑制の持続効果を向上することができ、シー
ル性、耐久性の向上をも図れることが分かる。
【0107】
【表6】
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、自動車の等速ジョイン
トなどに装着し、広角度に屈曲変位した状態で連続回転
させる場合も、樹脂製フレキシブルブーツの初期の異音
発生を抑制できるばかりか、その異音発生抑制の持続効
果を向上することができ、シール性、耐久性の向上をも
図れるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 樹脂製フレキシブルブーツの形状を例示した
縦断側面図である。
【図2】 樹脂製フレキシブルブーツの使用状況を示し
た断面図である。
【図3】 実施例23及び比較例17で製造した樹脂製
フレキシブルブーツにおける異音発生抑制剤の析出特性
を示すグラフであり、(a)は単純放置、(b)は14
日毎拭き取り、(c)は7日毎拭き取りの各試験結果を
示している。
【符合の説明】
1……樹脂製フレキシブルブーツ 2……大径口部 3……小径口部 4……蛇腹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願2000−138903(P2000−138903) (32)優先日 平成12年5月11日(2000.5.11) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 鳥海 真幸 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 大野 宏 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目17番18号 東洋ゴム工業株式会社内 (72)発明者 上乃 均 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3J043 AA03 CA09 CB13 CB24 FB04 3J045 AA04 AA06 BA03 DA10 EA03

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース樹脂材料に熱可塑性エラストマー
    樹脂を用いて成形され、大径口部と小径口部とが蛇腹部
    で連結されてなる樹脂製フレキシブルブーツにおいて、
    前記熱可塑性エラストマー樹脂に鉱物油を添加してある
    ことを特徴とする樹脂製フレキシブルブーツ。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性エラストマー樹脂が芳香族
    ジカルボン酸と低分子量グリコールからなるハードセグ
    メントと分子量400〜4000のソフトセグメントと
    を構成成分とする熱可塑性ポリエステルエラストマーで
    ある請求項1に記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
  3. 【請求項3】 前記ハードセグメントを構成する芳香族
    ジカルボン酸が、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン
    酸から選択される少なくとも1種であり、前記低分子量
    グリコールがエチレングリコール、1,4−ブタンジオ
    ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ダイマー
    グリコールから選択される少なくとも1種である請求項
    2に記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
  4. 【請求項4】 前記ハードセグメントを構成する芳香族
    ジカルボン酸がテレフタル酸であり、前記低分子量グリ
    コールが1,4−ブタンジオールである請求項2に記載
    の樹脂製フレキシブルブーツ。
  5. 【請求項5】 前記ソフトセグメントが、ポリオキシテ
    トラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコ
    ール、又は脂肪族ポリエステルジオールである請求項2
    に記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
  6. 【請求項6】 前記ソフトセグメントがポリオキシテト
    ラメチレングリコールである請求項2に記載の樹脂製フ
    レキシブルブーツ。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性ポリエステルエラストマー
    中のポリオキシテトラメチレングリコールの共重合量が
    35〜55重量%である請求項6に記載の樹脂製フレキ
    シブルブーツ。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性ポリエステルエラストマー
    中のポリオキシテトラメチレングリコールの共重合量が
    40〜50重量%である請求項6に記載の樹脂製フレキ
    シブルブーツ。
  9. 【請求項9】 前記鉱物油は、芳香族成分の含有率が1
    3%以下のパラフィン系オイル、ナフテン系オイルから
    選択される少なくとも1種のプロセスオイルである請求
    項1〜8のいずれかに記載の樹脂製フレキシブルブー
    ツ。
  10. 【請求項10】 前記鉱物油は、芳香族成分の含有率が
    1〜10%以下のパラフィン系オイル、ナフテン系オイ
    ルから選択される少なくとも1種のプロセスオイルであ
    る請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂製フレキシブル
    ブーツ。
  11. 【請求項11】 熱可塑性エラストマー樹脂100重量
    部に対して、プロセスオイルを5重量部以下に配合して
    あることを特徴とする請求項9又は10に記載の樹脂製
    フレキシブルブーツ。
  12. 【請求項12】 プロセスオイルの数平均分子量が20
    0〜2000であることを特徴とする請求項9又は10
    に記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
  13. 【請求項13】 プロセスオイルの重量平均分子量が1
    00〜2000であることを特徴とする請求項9又は1
    0に記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
  14. 【請求項14】 プロセスオイルのZ平均分子量が20
    0〜3000であることを特徴とする請求項9又は10
    に記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
  15. 【請求項15】 前記プロセスオイルは、B型粘度計を
    用いた動粘度が、100〜1000mm/sec(2
    5℃)であることを特徴とする請求項9又は10に記載
    の樹脂製フレキシブルブーツ。
  16. 【請求項16】 ベース樹脂材料に熱可塑性エラストマ
    ー樹脂を用いて成形され、大径口部と小径口部とが蛇腹
    部で連結されてなる樹脂製フレキシブルブーツにおい
    て、前記熱可塑性エラストマー樹脂に植物油を添加して
    あることを特徴とする樹脂製フレキシブルブーツ。
  17. 【請求項17】 熱可塑性エラストマー樹脂100重量
    部に対して、植物油を5重量部以下に配合してあること
    を特徴とする請求項16に記載の樹脂製フレキシブルブ
    ーツ。
  18. 【請求項18】 前記鉱物油による前記ポリエステルエ
    ラストマーの膨潤度が8vol%以下である請求項9又
    は10に記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
  19. 【請求項19】 前記鉱物油による前記ポリエステルエ
    ラストマーの膨潤度が6wt%以下である請求項9又は
    10に記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
  20. 【請求項20】 ベース樹脂材料に熱可塑性ポリエステ
    ルエラストマーを用いて大径口部と小径口部とが蛇腹部
    で連結されてなる樹脂製フレキシブルブーツを製造する
    に際し、熱可塑性ポリエステルエラストマーのペレット
    を加温した状態でこれに鉱物油又は植物油を含む液状添
    加剤を添加して混合撹拌し、得られた混合物を押出機を
    用いて混練し押出して成形材料を作り、この成形材料を
    用いて前記樹脂製フレキシブルブーツを成形することを
    特徴とする樹脂製フレキシブルブーツの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記ペレットと前記液状添加剤との混
    合物に、固体状添加剤を添加して混合撹拌し、得られた
    混合物を混練し押出して前記成形材料を作ることを特徴
    とする請求項20記載の樹脂製フレキシブルブーツの製
    造方法。
  22. 【請求項22】 前記ペレットと固体状添加剤とを加温
    したうえで混合撹拌した後、これに前記液状添加剤を混
    合撹拌することを特徴とする請求項20記載の樹脂製フ
    レキシブルブーツの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記液状添加剤を加温した状態で前記
    ペレットと混合撹拌することを特徴とする請求項20〜
    22のいずれかに記載の樹脂製フレキシブルブーツの製
    造方法。
  24. 【請求項24】 前記ペレットと、前記液状添加剤と、
    固体状添加剤とを加温したうえで混合撹拌して前記混合
    物を得ることを特徴とする請求項20記載の樹脂製フレ
    キシブルブーツの製造方法。
  25. 【請求項25】 加温の温度が60℃以上である請求項
    20〜24のいずれかに記載の樹脂製フレキシブルブー
    ツの製造方法。
  26. 【請求項26】 加温の温度が70〜100℃である請
    求項20〜24のいずれかに記載の樹脂製フレキシブル
    ブーツの製造方法。
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