JP2003226650A - 医薬用組成物 - Google Patents
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Abstract
特に胃腸病用組成物、二日酔の予防・治療用組成物、ア
ルコール消失促進用組成物、及びアルコール摂取による
血糖値の低下抑制用組成物を提供すること。 【解決手段】 オウゴン又はその抽出物、オウバク又は
その抽出物、オウレン又はその抽出物、ウコン又はその
抽出物、およびショウキョウ又はその抽出物を含有する
ことを特徴とする医薬用組成物。
Description
に胃腸病用組成物、二日酔の予防・治療用組成物、アル
コール消失促進用組成物及びアルコール摂取による血糖
値の低下抑制用組成物に関する。
きい二日酔の原因について、これまで数多くの研究がな
されてきた。その原因としてエタノール代謝物であるア
セトアルデヒドによる嘔吐、悪心、頭痛、心悸亢進やエ
タノール摂取による血糖値の低下等が原因であるとされ
ているが、未だに不明なところも多い。現在まで、二日
酔の予防・治療用の薬剤として、種々のもの(例えば、
動物の胆汁(特許文献1参照)、豚肉をプロテアーゼ処
理したもの(特許文献2参照)、エタノールアミン誘導
体(特許文献3参照))が知られているが、その効果に
満足できるものは存在しなかった。
防・治療に優れた医薬用組成物、特に胃腸病用組成物、
二日酔の予防・治療用組成物、アルコール消失促進用組
成物及びアルコール摂取による血糖値の低下抑制用組成
物を提供することを課題とする。
りなる。 1)オウゴン又はその抽出物、オウバク又はその抽出
物、オウレン又はその抽出物、ウコン又はその抽出物、
およびショウキョウ又はその抽出物を含有することを特
徴とする医薬用組成物。 2)更にニンジン又はその抽出物を含有することを特徴
とする上記1)記載の医薬用組成物。 3)更に胆汁酸を含有することを特徴とする上記1)ま
たは2)記載の医薬用組成物。 4)胆汁酸がウルソデオキシコール酸であることを特徴
とする上記3)記載の医薬用組成物。 5)オウバクおよびオウレンの一部または全部をコロン
ボに代えたことを特徴とする上記1)〜4)のいずれか
の医薬組成物。 6)胃腸病用組成物であることを特徴とする上記1)〜
5)のいずれかの医薬用組成物。 7)二日酔の予防・治療用組成物であることを特徴とす
る上記1)〜5)のいずれかの医薬用組成物。 8)アルコール消失促進用組成物であることを特徴とす
る上記1)〜5)のいずれかの医薬用組成物。 9)アルコール摂取による血糖値の低下抑制用組成物で
あることを特徴とする上記1)〜5)のいずれかの医薬
用組成物。 10)剤形が経口投与製剤であることを特徴とする上記
1)〜9)のいずれかの医薬組成物。 11)剤形が液剤または丸剤であることを特徴とする上
記1)〜9)のいずれかの医薬組成物。
物ともいう)はオウゴン、オウバク、オウレン、ウコン
及びショウキョウを必須に含有し、好ましくは、さらに
胆汁酸、ニンジンを含有する組成物であるが、この組成
物は特に二日酔に関連のあると考えられる生理的現象に
対して、以下の作用を有することを見出した結果、胃腸
病、二日酔の予防・治療、アルコール消失促進、及びア
ルコール摂取による血糖値の低下抑制に効果があること
が分った。 血糖低下抑制作用(アルコールを摂取すると血糖値が
低下し、脱力感が生じるが、この血糖値低下を抑制す
る) エタノールの代謝促進作用 肝臓におけるADHおよびALDH活性低下抑制作用 抗潰瘍作用 胃粘膜中の酵素活性、例えば、MPO活性亢進抑制作
用及びSOD活性低下抑制作用 尚、本発明組成物の上記作用は、アルコール摂取に依存
するものに限定されない。例えば、特に抗潰瘍作用等は
アルコール摂取を原因とするものに限らない。また、ウ
コン及び/又はショウキョウがアルコール消失促進作用
を示すことが分り、ウコン及び/又はショウキョウを含
有するアルコール消失促進剤をも提供することができ
る。さらには、ウコンが胃粘膜保護作用を示すことが分
り、ウコンを含有する胃粘膜保護剤をも提供することが
できる。
る。オウゴン(黄ごん)は、シソ科コガネバナの周皮を
除いた根で、抗菌、鎮静、利胆、抗炎症作用が知られて
いる。オウバク(黄柏)は、ミカン科キハダ又はその他同
属植物の周皮を除いた樹皮で、抗菌、収斂、消炎、健
胃、利尿作用が知られている。オウレン(黄連)は、キン
ポウゲ科オウレン又はその他同属植物の根を除いた根茎
で、抗菌、抗炎症、健胃、利胆作用が知られている。ウ
コン(鬱金)は、ショウガ科ウコンの根茎で、健胃、利
胆作用が知られている。ショウキョウ(生姜)は、ショウ
ガの根茎で、健胃、鎮痛、止嘔作用が知られている。ニ
ンジン(人参)は、ウコギ科オタネニンジンの細根を除
いた根またはこれを軽く湯通ししたもので、補精、強
壮、鎮静作用が知られている。
えば、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコー
ル酸、ウルソデオキシコール酸、タウロコール酸、タウ
ロデオキシコール酸、デヒドロコール酸などが挙げら
れ、単独または組み合わせて用いられる。中でも、ウル
ソデオキシコール酸が好ましい。Jateorhiza columba M
iers(Menispermaceae)の根を横切したコロンボは、オウ
バク、オウレンの代用として本発明組成物に含まれるオ
ウバク及び/又はオウレンの一部又は全部に代えて用い
ることができる(このものは、オウバク、オウレンの類
薬として知られている。)。
成物に関するもので、生薬は必要に応じて自由にその形
態を調節することができ、小片、小塊に切断または破砕
することができ、もしくは粉末に粉砕することもでき
る。生薬の粉末を通例「生薬末」といい、例えば「ショ
ウキョウ」の粉末は「ショウキョウ末」という。
に適当な浸出剤を加えて浸出した液、または浸出液を濃
縮した液をいい、具体的には「エキス」及び「チンキ」
等を挙げることができる。例えば「オウレン」の抽出物
としては「オウレンエキス」及び「オウレンチンキ」等
を挙げることができる。浸出剤としては、メタノール、
エタノール、n−ブタノール等の低級1価アルコール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−
ブチレングリコール、グリセリン等の低級多価アルコー
ル、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、エチ
ルメチルケトン等のケトン類、酢酸エチルエステル等の
エステル類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲ
ノアルカン類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素
類、水等を挙げることができる。これらの浸出剤はそれ
ぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いて
もよく、また加温して用いてもよい。なお、抽出物の製
し方は公知の方法(例えば、日本薬局方記載の方法)を
用いればよい。
の抽出物に含まれ、これを通例「乾燥エキス」といい、
例えば「オウゴン」の乾燥エキスを「オウゴン乾燥エキ
ス」という。乾燥エキスの製し方は公知の方法を用いれ
ばよい。一般に、生薬は基原が同一であれば、いずれの
形態であっても同様の効果を得ることができる。
与することができるが、経口的に投与することが好まし
い。経口的に投与するための製剤(経口投与製剤)の剤
形としては、エキス剤、エリキシル剤、シロップ剤、チ
ンキ剤、リモナーデ剤等の液剤とカプセル剤、顆粒剤、
丸剤、散剤、錠剤等の固形のものとを挙げることができ
る。本発明組成物を含む製剤は、公知の製剤技術により
種々の剤形に製剤化することができ、製剤中には適当な
製剤添加物を加えることができる。製剤添加物の具体例
としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、懸濁化剤、防腐
剤、抗酸化剤、矯味剤等を挙げることができる。製剤添
加物は、製剤の投与量において人体等の生体にとって無
害である必要があり、また有効成分の効果を妨げない必
要がある。
ターチ、結晶セルロース等が挙げられ、結合剤として
は、アラビアゴム末、デキストリン、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニ
ルアルコール等が挙げられ、崩壊剤としては、コーンス
ターチ、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースカルシウム、クロスポピドン等が挙げら
れ、懸濁化剤としては、アルギン酸ナトリウム、ポリビ
ニルピロリドン等が挙げられ、防腐剤としては、パラオ
キシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル等が挙
げられ、抗酸化剤としては、アスコルビン酸、トコフェ
ロール等が挙げられ、矯味剤としては、白糖、ハチミ
ツ、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸ニカ
リウム等が挙げられる。
生薬換算での投与量は次のとおりであり、病症の種類、
症状に応じて種々選定され得る。オウゴンは、通常、5
0mg〜15g、100mg〜2500mgが好まし
い。オウレンは、通常、25mg〜10g、50mg〜
2500mgが好ましい。オウバクは、通常、25mg
〜10g、50mg〜2500mgが好ましい。コロン
ボは、通常、25mg〜10g、50mg〜2500m
gが好ましい。ウコンは、通常、25mg〜100g、
50mg〜5000mgが好ましい。ショウキョウは、
通常、10mg〜10g、50mg〜2500mgが好
ましい。ニンジンは、通常、50mg〜15g、100
mg〜5000mgが好ましい。胆汁酸は、通常、0.
5mg〜300mg、1mg〜100mgが好ましい。
べきものではないが、原生薬換算でオウゴン1質量部に
対して、オウレン0.5〜2質量部、オウバク0.5〜
2質量部、ウコン2.5〜15質量部、ショウキョウ
0.5〜2質量部、ニンジン0.3〜2質量部、胆汁酸
0〜1質量部を配合したものが挙げられる。また、原生
薬換算でオウゴン1質量部に対して、オウレン0.7〜
1.5質量部、オウバク0.7〜1.5質量部、ウコン
3.0〜12質量部、ショウキョウ0.7〜1.5質量
部、ニンジン0.4〜1.5質量部、胆汁酸0〜0.2
質量部を配合したものが好ましく、更にはオウゴン、オ
ウレン、オウバク、ウコン、ショウキョウ、胆汁酸及び
ニンジンの配合比が、後記製剤例1及び2に記載した割
合で配合された組成物が特に好ましい。また、本発明組
成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、炭酸水素
ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成
ヒドロタルサイト、合成ケイ酸アルミニウム、アルジオ
キサ、スクラルファート、塩酸セトラキサート、キジツ
又はその抽出物、ケイヒ又はその抽出物、エンゴサク又
はその抽出物、センブリ又はその抽出物、ウイキョウ又
はその抽出物、ボレイ又はその抽出物、カンゾウ又はそ
の抽出物、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸アンモ
ニウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン
酸モノアンモニウム、塩化カルニチン等をさらに加えて
もよい。
〜4回に分割して服用すればよく、服用時期としては、
食前、食間、食後、就寝前等が挙げられる。投与(服
用)量は、年齢、性別、体重、症状により適宜増減する
ことができる。本発明組成物は、飲み過ぎ、はきけ(二
日酔・悪酔のむかつき)、嘔吐、食欲不振、もたれ、胃
弱、消化促進、食べ過ぎ、胸つかえ、胸やけ、消化不良
による胃部・腹部膨満感、消化不良、各種痛み、アルコ
ール摂取による血糖値の低下等に効果がある。
より本発明をより具体的に説明する。
ノール濃度に対する作用(アルコール消失促進作用) ・方法 一夜絶食したddy系雄性マウスを1群10〜12匹と
し、以下に示した構成生薬、配合比でなる試験薬物を
0.2ml/匹で経口投与した。なお、対照群には精製
水を0.2ml/匹投与した(以下同様)。投与30分
後に30%エタノールを0.4ml/匹経口投与した。エ
タノール投与後1、3及び6時間に500Uヘハ゜リン含有注射
筒を用い、動物より血液0.7mlを採血した。採血液0.4ml
に冷1mol/l-過塩素酸0.4mlを加えて混合し、15分間氷
冷下に放置後遠心分離し、上清部を分取してエタノール
濃度を測定した。すなわち、上清部0.1mlに0.2mol/l-ク゛
リシン緩衝液(pH10.6)3mlを加え、更にNAD(5mg/ml)0.05ml
を加えて25℃で5分間放置後340nmにおける吸光度(E0)
を測定した。その後、ADH(500U/ml)を0.05ml加え、10
分後に再度340nmの吸光度(E1)を測定し、(E1−E0)
の吸光度差を求め、それより検量線を用いて血中エタノ
ール濃度を求めた。エタノール投与後6時間のデータを
表1に示した。
1) なお、試験薬物のうち、黄連、黄柏は黄連エキス(市販
品)、黄柏エキス(市販品)を用い、黄ごんは黄ごん乾
燥エキス(市販品)を用いた。表1中の投与量300
(mg/kg)とは、例えば、処方A−2の場合、原生
薬換算で、黄ごん300(mg/kg)、黄柏300
(mg/kg)、黄連300(mg/kg)を含むよう
に調製したものを投与したことを意味するものであり、
本試験例以降も同様である。結果
配合した処方A−3は、生姜を含まない処方A−2より
血中からのアルコール消失作用が高いことが示された。
また、新たに生姜がアルコール消失(促進)作用を有
し、かつ処方A−2と併用することでその作用を増強す
ることが判明した。
対する作用 ・方法 前記方法と同様にして、以下に示した構成生薬、配合比
でなる試験薬物を経口投与し、エタノール投与6時間後
に採取した採血液0.3mlを遠心分離し、得られた上清部2
0μlに蒸留水0.2mlを加えて混合希釈した。この液0.025
mlにつきグルコースオキシダーゼを用いる測定キット
(グルコース測定テスト−B 和光)を用いて血糖値を測
定した。結果を表2に示す。 試験薬物 処方A:生姜 処方B:黄ごん、黄柏、黄連(1:1:1) 処方C:生姜、黄ごん、黄柏、黄連(1:1:1:1) 結果
取は血糖値を低下させる作用があり、かつ処方Bは、そ
の低下作用を助長するが、この処方Bに生姜を配合した
処方Cは、優れたアルコール摂取による血糖値の低下抑
制作用を示した。
謝酵素(アルコール代謝酵素)の活性低下抑制作用 ・方法 一夜絶食したddy系雄性マウスを1群10〜12匹と
し、(試験例1)に示した構成生薬、配合比でなる試験
薬物の投与後30分に30%エタノールを0.4ml/匹経口投与
した。エタノール投与後1時間に肝臓を摘出し、冷水を
加えてホモジネートした。ホモジネート液は0℃、10,0
00rpmで30分間遠心分離し、上清部を分取して酵素液と
した。この酵素液に25mg/mlのNADを含むリン酸緩衝液
(pH 8.3)を加えた後、10%エタノール或いは10%アセト
アルデヒドを10μl加え、340nmにおける吸光度の時間
的変化を分光光度計用いて測定した。酵素活性は1分間
当りの吸光度の変化が0.001を1Uとし、蛋白1mg当りの比
活性として表した。結果を表3に示した。 ・結果
びALDHの活性低下を抑制し、二日酔の予防・治療に
有効であることが分る。
用)及び酵素胃粘膜中のMPO活性亢進抑制作用及びS
OD活性低下抑制作用 生後6週令のddy系雄性マウスを金網製ケージにて18時間
絶食後、(試験例1)及び下記に示した構成生薬、配合
比でなる試験薬物を経口投与した(n=19)。試験薬
物投与後30分に150mM塩酸含有60%エタノールを0.2ml/
匹経口投与した。エタノール投与後90分に動物を頚椎脱
臼にて屠殺し、開腹して胃を摘出した。摘出した胃は2
群に分け、1群は10%ホルマリン1mlを注入して30分間固
定後、大湾部に切開し、胃底部に発生した潰瘍を測定し
た(n=9)。また、他の1群の胃については胃底部を細片
後冷水1mlを加えてホモジナイズし、0℃、10,000rpmで
30分間遠心分離し、上清部を分取してミエロペルオキシ
ダーゼ(Myeloperoxdase)(以下、MPO)及びスーパー
オキシドジスムターゼ(superoxide disumutase)(以
下、SOD)活性を測定した(n=10)。尚、酵素活性は蛋
白1mg当りの比活性として表した。MPO活性はSuzukiらの
方法(Anal. Biochem.132, 345-352, 1983)に準じ、1.6m
Mテトラメチルヘ゛ンチシ゛ン、15mM過酸化水素水、80mMリン酸緩衝液
(pH 5.4)、8%シ゛メチルホルムアミト゛40%PBSからなる液に酵素
液5μlを加え、37℃、20分間インキュベートした後、20
0mM酢酸(pH 3.0)を加えて反応を停止させた。この液
につき、650nmにおける吸光度をマイクロプレートリー
ダーを用いて測定した。酵素活性は1分間あたりの吸光
度の変化が0.001を1Uとし、蛋白1mg当りの比活性で表し
た。SOD活性はOyanagiの方法(Anal. Biochem. 142, 290
-296, 1984)に準じ、0.25mM塩酸ヒドロキシルアミン、
0.25mMキサンチン、0.025mM EDTAを含む20mMリン酸緩衝
液(pH 8.2)に酵素液10μlを加えた後、キサンチン
オキシダーゼ(25U/ml)を100μl加えて、37℃、45分間
反応後、エチレンジアミン及びスルファニル酸からなる
酢酸溶液100μlを加えて反応を停止させ、その後570nm
における吸光度をマイクロプレートリーダーを用いて測
定した。酵素活性は牛血清SOD標準品から検量線を作成
し、それより蛋白1mg当りの比活性を求めた。尚、蛋白
量はビューレット法により測定した。結果を表4〜6に
示す。 試験薬物 処方A−4:鬱金 処方A−5:生姜、黄ごん、黄柏、黄連、鬱金(1:
1:1:1:7.5) なお、鬱金は、鬱金エキス(市販品)を用いた。 ・結果
は腺胃部には出血を伴う潰瘍が発生した。しかし、処方
A−1、A−2、A−4、A−5を投与したものは、優
れた抗潰瘍作用を示した。また、同処方は対照に見られ
るMPO活性の亢進を抑制する作用を示した。さらに、
処方A−1、A−2については、対照に見られるSOD
活性を低下させる作用を有することがわかった。したが
って、処方A−1、A−2、A−4、A−5は胃粘膜保
護に有効であることが判明した。
ノール濃度に対する作用(アルコール消失促進作用) ・方法 18時間絶食した生後5週齢のddy系雄性マウス(体
重30g前後)に、以下に示した構成生薬、配合比でな
る試験薬物を経口投与した。試験薬物投与後30分後に
30%エタノールを0.4ml/匹で経口投与した。な
お、対照群には、精製水を0.4ml/匹で経口投与し
た。エタノール投与1、2、3、4及び5時間後にマウ
スより血液を採取した。採血液0.4mlに1N過塩素
酸0.4mlを加えてよく混合し、遠心分離して上澄部
を採取して、血中エタノール濃度測定試料とした。エタ
ノール濃度測定は、試料溶液0.05mlに0.1Mグ
リシン緩衝液(pH10.4)3ml及び0.5mg/
mlの濃度のβ-NAD(ジホスホピリジンヌクレオチ
ド酸化型)0.1mlを加えてよく混合し、340nm
における吸光度(A0)を分光光度計を用いて測定し
た。その後、250U/mlのアルコール脱水素酵素液
0.1mlを加えて混合し、20分間放置後、再度34
0nmにおける吸光度(A1)を測定して吸光度の差
(A1−A0)を算出した。なお、この操作は25℃の環
境下で行った。エタノール濃度は既知濃度のエタノール
溶液を用いて、同様の操作で検量線を作成し、それを用
いて血中濃度を算出した。エタノール投与後5時間のデ
ータを表7に示した。 試験薬物 処方D:生姜、黄ごん、黄柏、黄連、鬱金(1:1:
1:1:7.5) 処方E:生姜、黄ごん、黄柏、黄連、牛胆(1:1:
1:1:0.5) 結果
鬱金を配合した処方Dは、鬱金に替えて、牛胆を含む処
方Eよりも、血中からのアルコール消失作用が高いこと
が示された。このことから、鬱金がアルコール消失(促
進)作用を有することが判明した。
発明組成物を含む丸剤を製した。 (1日量(9丸)中) オウゴン乾燥エキス 50mg(原生薬として300mg) オウバク乾燥エキス 50mg(原生薬として300mg) オウレンエキス 50mg(原生薬として300mg) ニンジン末 150mg ショウキョウ末 300mg ウコンエキス 150mg(原生薬として2250mg) ウルソデオキシコール酸 45mg
発明組成物を含む液剤を製した。 (1日量(60ml)中) オウゴンエキス 75mg(原生薬として300mg) オウレン流エキス 0.3ml(原生薬として300mg) オウバクエキス 100mg(原生薬として300mg) キジツエキス 200mg(原生薬として1000mg) ニンジン流エキス 0.2ml(原生薬として200mg) ショウキョウ流エキス 0.6ml(原生薬として600mg) ケイヒチンキ 1.0ml(原生薬として200mg) ウコン流エキス 1.0ml(原生薬として1000mg) 塩化カルニチン 120mg
グループ(Aグループ及びBグループ)に分けた。Aグ
ループには午後6時に製剤例1の丸剤を3丸服用しても
らい、服用後30分後に、事前アンケートにて各被験者
の適量の1.5倍以上に相当する量のアルコール(ビー
ル、日本酒、ウイスキー、焼酎)とともに夕食をとらせ
た。飲食開始1時間後及び飲食終了直後に製剤例1の丸
剤を再度3丸服用し、午後11時に就寝させ、翌朝午前
7時における自覚症状を検査した。もう一方のBグルー
プには、丸剤を服用させずに、Aグループと同様に夕食
をとらせ、翌朝の自覚症状を検査した。一週間後に再度
試験を実施したが、Bグループには午後6時に製剤例1
の丸剤を3丸服用し、Aグループには服用させずに、前
回と同じ条件の試験を実施した。その結果、製剤例1の
丸剤を服用しない場合には、「むかむかして気分が悪
い、頭が痛い、胃が重い」等の二日酔い症状が残る者が
10名中8名に対し、製剤例1の丸剤を服用した場合に
は、二日酔い症状は10名とも認められなかった(表8
参照)。
用させると、二日酔い症状の回復が上記製剤を服用しな
い場合と比較して大きいことが、自覚症状の検査の結
果、判明した。
で、胃腸病の改善、二日酔の予防・治療、アルコール消
失促進、及びアルコール摂取による血糖値の低下抑制に
効果を発揮する。
Claims (11)
- 【請求項1】 オウゴン又はその抽出物、オウバク又は
その抽出物、オウレン又はその抽出物、ウコン又はその
抽出物、およびショウキョウ又はその抽出物を含有する
ことを特徴とする医薬用組成物。 - 【請求項2】 更にニンジン又はその抽出物を含有する
ことを特徴とする請求項1記載の医薬用組成物。 - 【請求項3】 更に胆汁酸を含有することを特徴とする
請求項1または2記載の医薬用組成物。 - 【請求項4】 胆汁酸がウルソデオキシコール酸である
ことを特徴とする請求項3記載の医薬用組成物。 - 【請求項5】 オウバクおよびオウレンの一部または全
部をコロンボに代えたことを特徴とする請求項1〜4の
いずれかの医薬組成物。 - 【請求項6】 胃腸病用組成物であることを特徴とする
請求項1〜5のいずれかの医薬用組成物。 - 【請求項7】 二日酔の予防・治療用組成物であること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかの医薬用組成物。 - 【請求項8】 アルコール消失促進用組成物であること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかの医薬用組成物。 - 【請求項9】 アルコール摂取による血糖値の低下抑制
用組成物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
かの医薬用組成物。 - 【請求項10】 剤形が経口投与製剤であることを特徴
とする請求項1〜9のいずれかの医薬組成物。 - 【請求項11】 剤形が液剤または丸剤であることを特
徴とする請求項1〜9のいずれかの医薬組成物。
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