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JP2003214135A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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Publication number
JP2003214135A
JP2003214135A JP2002015924A JP2002015924A JP2003214135A JP 2003214135 A JP2003214135 A JP 2003214135A JP 2002015924 A JP2002015924 A JP 2002015924A JP 2002015924 A JP2002015924 A JP 2002015924A JP 2003214135 A JP2003214135 A JP 2003214135A
Authority
JP
Japan
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exhaust gas
exhaust
filter
passage
purification means
Prior art date
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Application number
JP2002015924A
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Inventor
Toshisuke Toshioka
俊祐 利岡
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Priority to JP2002015924A priority Critical patent/JP3826276B2/ja
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to CNB028023676A priority patent/CN1285829C/zh
Priority to DE60216774T priority patent/DE60216774T2/de
Priority to US10/333,414 priority patent/US6898930B2/en
Priority to EP02755884A priority patent/EP1415072B1/en
Priority to KR10-2003-7004635A priority patent/KR100518112B1/ko
Priority to PCT/JP2002/008142 priority patent/WO2003014539A1/en
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    • Y02T10/121
    • Y02T10/144

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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の排気浄化装置の微粒子捕集率を大
幅に低下させることなく、排気浄化装置に起因する圧力
損失を低減する。 【解決手段】 機関排気通路内に排気ガス中の成分を浄
化するための第一排気浄化手段を配置すると共にこの第
一排気浄化手段上流の機関排気通路内に第二排気浄化手
段21を配置した排気浄化装置において、第二排気浄化
手段21が排気ガス流入通路50、排気ガス流出通路5
1を画成する隔壁54を有し、この隔壁54が予め定め
られた平均細孔径の細孔を内包する多孔質の材料から形
成されており、通路50、51の端部開口が隔壁54の
細孔径よりも大きいが通路50、51の流路断面積より
も狭い流路断面積を有する小孔55、56となるように
隔壁54の端部分が寄せ集められて該端部分同士が部分
的に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の排気浄化
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧縮着火式の内燃機関から排出される排
気ガス中の微粒子を捕集するための排気微粒子処理装置
が特開昭62−99610号公報に開示されている。当
該公報に開示されている排気微粒子処理装置は、その微
粒子捕集率を向上させるために、直列的に2つのパティ
キュレートフィルタ(以下、単にフィルタと称す)を機
関排気通路に具備する。
【0003】また、微粒子捕集率を向上させるために、
フィルタの排気流通路を画成する隔壁を多孔質の材料か
ら形成すると共に、幾つかの排気流通路の下流端開口を
栓によって閉鎖し、且つ、残りの排気流通路の上流端開
口を栓によって閉鎖し、フィルタに流入した排気ガスが
必ず隔壁を通るようにした所謂、目封じ型のパティキュ
レートフィルタも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フィルタに
起因する圧力損失はその容量が大きいほど小さくなる。
ところが、上記公報に記載のように、直列的に2つのフ
ィルタを機関排気通路に配置する場合、一般的には、上
流側のフィルタを配置するために確保できるスペースに
は限りがある。したがって、上流側のフィルタの容量は
小さくせざるをえず、このため、上流側のフィルタに起
因する圧力損失は大きくなってしまう。
【0005】特に、上記公報に記載の上流側のフィルタ
として目封じ型のフィルタが利用される場合、上流側の
フィルタに起因する圧力損失はさらに大きくなってしま
う。もちろん、排気流通路の開口が全く閉鎖されていな
いフィルタを上記公報に記載の上流側のフィルタとして
利用すれば、上流側のフィルタに起因する圧力損失は小
さくなる。しかしながら、これによれば、上流側のフィ
ルタの微粒子捕集率が大幅に低下してしまう。
【0006】そこで本発明の目的は、内燃機関の排気浄
化装置の微粒子捕集率を大幅に低下させることなく、排
気浄化装置に起因する圧力損失を低減することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1の発明では、機関排気通路内に排気ガス中の成
分を浄化するための第一排気浄化手段を配置すると共に
この第一排気浄化手段上流の機関排気通路内に第二排気
浄化手段を配置した排気浄化装置において、第二排気浄
化手段が通路を画成する隔壁を有し、この隔壁が予め定
められた平均細孔径の細孔を内包する多孔質の材料から
形成されており、通路の端部開口が隔壁の上記細孔径よ
りも大きいが通路の流路断面積よりも狭い流路断面積を
有する小孔となるように隔壁の端部分が寄せ集められて
該端部分同士が部分的に接続されている。第二排気浄化
手段をこのような構成にすることによって、第二排気浄
化手段に流入した排気ガスは隔壁だけでなく小孔をも通
過することができる。このため、排気ガスが隔壁を通過
するときの排気抵抗が小さくなる。さらに、隔壁の端部
分が寄せ集められて錘状とされているので、乱流が起こ
りにくい。
【0008】第2の発明では、第1の発明において、第
一排気浄化手段は流入する排気ガスの空燃比がリーンで
あるときにNOXを吸蔵し、流入する排気ガスの空燃比
がほぼ理論空燃比またはリッチであるときに吸蔵したN
Xを放出して還元させるNOX触媒を具備する。
【0009】第3の発明では、第1または第2の発明に
おいて、第一排気浄化手段は排気ガス中の微粒子(Part
iculate Matter)を酸化除去することができるパティキ
ュレートフィルタである。
【0010】第4の発明では、第1〜第3のいずれか一
つの発明において、第二排気浄化手段は排気マニホルド
内に配置されるかまたは排気マニホルドの排気下流側に
おいて排気マニホルドに連結されている。すなわち、第
二排気浄化手段は内燃機関の排気ポートのすぐ下流に配
置される。
【0011】第5の発明では、第1〜第4のいずれか一
つの発明において、第一排気浄化手段と第二排気浄化手
段との間の機関排気通路から第一排気浄化手段を迂回す
るバイパス通路を分岐させると共に第一排気浄化手段お
よびバイパス通路のいずれか一方に排気ガスを流入させ
るための切替弁を設け、第二排気浄化手段は第二排気浄
化手段に流入する排気ガスの空燃比がリーンであるとき
に排気ガス中のSOXを吸蔵し且つ第二排気浄化手段に
流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッ
チになると共に第二排気浄化手段の温度がSOX放出温
度よりも高くなると吸蔵したSOXを放出するSOX吸蔵
剤を具備し、第二排気浄化手段のSOX吸蔵剤からSOX
を放出しないときには第二排気浄化手段から流出した排
気ガスが第一排気浄化手段に流入する位置に切替弁を保
持すると共に第二排気浄化手段のSOX吸蔵剤からSOX
を放出するときには第二排気浄化手段から流出した排気
ガスが上記バイパス通路に流入する位置に切替弁を保持
するようにした。これにより第一排気浄化触媒にSOX
が流入することはほとんどなくなり、これに伴い第一排
気浄化触媒にSOXが吸蔵されることもほとんどなくな
る。
【0012】第6の発明では、第5の発明において、バ
イパス通路に排気ガス中の成分を酸化するための触媒を
配置するようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の排
気浄化装置を説明する。図1は本発明の排気浄化装置を
備えた圧縮着火式内燃機関を示す。なお、本発明は火花
点火式内燃機関にも適用可能である。
【0014】図1を参照すると、1は機関本体、2はシ
リンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、
5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、
8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートをそれ
ぞれ示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介し
てサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸
気ダクト13を介してエアクリーナ14に連結される。
吸気ダクト13内にはステップモータ15により駆動さ
れるスロットル弁16が配置される。
【0015】第1実施形態の排気浄化装置は第一排気浄
化手段としてメインパティキュレートフィルタ(以下、
単にメインフィルタと称す)18と、第二排気浄化手段
としてサブパティキュレートフィルタ(以下、単にサブ
フィルタと称す)21とを具備する。サブフィルタ21
は排気マニホルド17を介して排気ポート10に接続さ
れるケーシング22内に配置される。一方、メインフィ
ルタ18は排気管20を介してケーシング22の出口に
接続されるケーシング19内に配置される。サブフィル
タ21は排気マニホルド17の直下に配置される。
【0016】排気マニホルド17とサージタンク12と
は排気ガス再循環(以下、EGR)通路23を介して互
いに連結され、EGR通路23内には電気制御式EGR
制御弁24が配置される。またEGR通路23周りには
EGR通路23内を流れるEGRガスを冷却するための
冷却装置25が配置される。図1に示した内燃機関では
冷却装置25内に機関冷却水が導かれ、この機関冷却水
によりEGRガスが冷却される。
【0017】一方、各燃料噴射弁6は燃料供給管6aを
介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール26に連結
される。このコモンレール26内へは電気制御式の吐出
量可変な燃料ポンプ27から燃料が供給され、コモンレ
ール26内に供給された燃料は各燃料供給管6aを介し
て燃料噴射弁6に供給される。コモンレール26にはコ
モンレール26内の燃料圧を検出するための燃料圧セン
サ28が取り付けられ、燃料圧センサ28の出力信号に
基づいてコモンレール26内の燃料圧が目標燃料圧とな
るように燃料ポンプ27の吐出量が制御される。
【0018】電子制御ユニット30はデジタルコンピュ
ータからなり、双方向性バス31により互いに接続され
たROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダ
ムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッ
サ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備
する。燃料圧センサ28の出力信号は対応するAD変換
器37を介して入力ポート35に入力される。またメイ
ンフィルタ18の上流にはその温度を検出するための温
度センサ39が取り付けられ、サブフィルタ21の上流
にはその温度を検出するための温度センサ40が取り付
けられる。これら温度センサ39、40の出力信号はそ
れぞれ対応するAD変換器37を介して入力ポート35
に入力される。
【0019】アクセルペダル41にはその踏込量に比例
した出力電圧を発生する負荷センサ42が接続され、負
荷センサ42の出力電圧は対応するAD変換器37を介
して入力ポート35に入力される。さらに入力ポート3
5にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出
力パルスを発生するクランク角センサ43が接続され
る。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介
して燃料噴射弁6、スロットル弁駆動用ステップモータ
15、EGR制御弁24、および燃料ポンプ27に接続
される。
【0020】次に、図2を参照して、メインフィルタ1
8について説明する。図2(A)はメインフィルタ18
の端面図であり、図2(B)はメインフィルタ18の縦
断面図である。図2(A)および図2(B)に示したよ
うに、メインフィルタ18はハニカム構造をなしてお
り、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路18
a、18bを具備する。これら排気流通路はその下流端
において栓18cによって閉鎖された排気ガス流入通路
18aと、その上流端において栓18dによって閉鎖さ
れた排気ガス流出通路18bとにより構成される。
【0021】これら排気ガス流入通路18aおよび排気
ガス流出通路18bは薄肉の隔壁を介して交互に配置さ
れる。云い換えると、排気ガス流入通路18aおよび排
気ガス流出通路18bは、各排気ガス流出通路18bが
4つの排気ガス流入通路18aにより包囲されるように
配置される。すなわち、隣接する2つの排気流通路18
a、18bのうち一方の排気流通路はその下流端にて栓
18cによって閉鎖され、他方の排気流通路はその上流
端にて栓18dによって閉鎖されている。
【0022】メインフィルタ18は予め定められた平均
径の細孔を内包するコージェライトなどのセラミックス
のような多孔質材料から形成されている。したがって、
排気ガス流入通路18a内に流入した排気ガスは、図2
(B)において矢印で示したように、周囲の隔壁18e
の細孔を通って隣接する排気ガス流出通路18b内に流
入する。
【0023】排気ガス中の微粒子は、排気ガスが排気ガ
ス流入通路18aおよび排気ガス流出通路18b内を流
れている間に、これら通路を画成する隔壁面上に捕集さ
れる。さらに、排気ガス中の微粒子は、排気ガスが隔壁
18eの細孔内を流れている間に、これら細孔を画成す
る壁面上に捕集される。
【0024】次に、図3を参照して、サブフィルタ21
について説明する。図3(A)はサブフィルタ21の端
面図であり、図3(B)はサブフィルタ21の縦断面図
である。図3(A)および図3(B)に示したように、
サブフィルタ21も、メインフィルタ18と同様に、ハ
ニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複
数個の排気流通路50、51を具備する。
【0025】しかしながら、これら排気流通路はテーパ
壁52、53によって部分的に閉鎖されている。すなわ
ち、排気ガス流入通路50は、当該通路50を画成する
隔壁の下流端隔壁部分を寄せ集めてその一部分同志が接
続されることにより形成されるテーパ壁(以下、下流側
テーパ壁と称す)52によりその流路断面積がその他の
領域の排気流通路の流路断面積よりも小さくされてい
る。したがって、排気ガス流入通路50はその下流端に
て下流側テーパ壁52によりその流路断面積よりも小さ
い開口面積を有する小孔55を有する。
【0026】一方、排気ガス流出通路51は、当該通路
51を画成する隔壁の上流端隔壁部分を寄せ集めてその
一部同志が接続されることにより形成されるテーパ壁
(以下、上流側テーパ壁と称す)53によりその流路断
面積がその他の領域の排気流通路の流路断面積よりも小
さくされている。したがって、排気ガス流出通路51は
その上流端にて上流側テーパ壁53によりその流路断面
積よりも小さい開口面積を有する小孔56を有する。
【0027】なお、テーパ壁はサブフィルタ21の外側
に向かって徐々に狭くなる形状であれば第1実施形態以
外の形状、例えば、円錐状、四角錐状、または六角錘状
であってもよい。
【0028】小孔56、55の大きさは、サブフィルタ
21に単位時間当たりに流入する微粒子の量とサブフィ
ルタ21の微粒子捕集率とから算出されるサブフィルタ
21から流出する微粒子の量が許容量以下となるように
決定される。言い換えれば、目標とする微粒子捕集率に
応じて小孔55、56の大きさを変えることにより、サ
ブフィルタ21の微粒子捕集率と、サブフィルタ21に
起因する圧力損失(以下、単に圧損と称す)の値とを容
易に変更することができる。
【0029】すなわち、小孔の大きさを大きくすれば、
サブフィルタ21の圧損を低い値とすることができる
が、サブフィルタ21の微粒子捕集率が低下する。逆に
小孔の大きさを小さくすれば、サブフィルタ21の微粒
子捕集率を高めることができるが、サブフィルタ21の
圧損は高い値となる。したがって、小孔の大きさはサブ
フィルタ21の圧損と微粒子捕集率とのバランスのとれ
た大きさにされる。
【0030】サブフィルタ21では、テーパ壁52、5
3も隔壁54と同じ材料から形成されているので、排気
ガスは、図4(A)に示したように、上流側テーパ壁5
3の細孔を通って排気ガス流出通路51内に流入するこ
とができる。また、排気ガスは、図4(B)に示したよ
うに、下流側テーパ壁52の細孔を通って流出すること
ができる。また、排気ガスは上流側テーパ壁53の先端
に形成された小孔56を介しても排気ガス流出通路51
内に流入することができる。さらに、排気ガスは、下流
側テーパ壁52の先端の小孔55を介しても流出するこ
とができる。
【0031】なお、メインフィルタ18はサブフィルタ
21と同様にテーパ壁によって排気流通路の端部開口が
部分的に閉鎖されている(小孔を有する)タイプであっ
ても、テーパ壁によって排気流通路の端部開口が完全に
閉鎖されている(小孔のない)タイプであっても、ま
た、排気流通路の端部開口が全く閉鎖されていないタイ
プであってもよい。
【0032】本発明の排気浄化装置の利点について説明
する。サブフィルタ21として従来ではメインフィルタ
18と同じ構成の目封じ型のフィルタが用いられる。目
封じ型のフィルタの構成は、排気流通路が栓によって閉
鎖されていることを除けば、本実施形態のサブフィルタ
21の構成とほぼ同様である。しかしながら、目封じ型
のフィルタに起因する圧損は本実施形態のサブフィルタ
21に起因する圧損に比べて格段に大きい。
【0033】このように圧損が異なる理由としては以下
の理由が考えられる。サブフィルタ21では、上流側テ
ーパ壁53は、4つの上流側テーパ壁53により囲まれ
て形成される排気ガス流入通路50の上流端が上流へ向
かって円錐状に広がる形状となって排気ガス流入通路5
0の流路断面積が徐々に大きくなるようにように、排気
ガス流出通路51の流路断面積が徐々に小さくなるよう
に上流へ向かって狭まる形状をしている。
【0034】これに対し、図5(A)に示した目封じ型
のフィルタでは、排気ガス流出通路の上流端が栓72に
より閉塞される。この場合、73で示したように排気ガ
スの一部が栓72に衝突するので、フィルタの圧損が大
きくなる。また、栓72近傍から排気ガス流入通路に流
入する排気ガスは74で示したように入口近傍にて乱流
となるので、これによっても排気ガスは排気ガス流入通
路内に流入しづらくなる。このため、フィルタの圧損が
さらに大きくなる。
【0035】一方、サブフィルタ21では図4(A)に
示したように、排気ガスは乱流となることなく排気ガス
流入通路50に流入することができる。このため本発明
によれば、排気ガスはサブフィルタ21に流入しやす
い。したがってサブフィルタ21の圧損は低い。
【0036】さらに、目封じ型のフィルタでは、微粒子
が栓72の上流端面およびその近傍の隔壁の表面に多く
堆積しやすい。これは排気ガスが栓72に衝突し、しか
も栓72近傍にて排気ガスが乱流となることに起因す
る。
【0037】一方、サブフィルタ21では、上流側テー
パ壁53が錐状であるので排気ガスが強く衝突する上流
端面が存在せず、しかも、上流端面近傍にて排気ガスは
乱流とはならない。したがって、本発明によれば、微粒
子がサブフィルタ21の上流端の領域に多く堆積するこ
とはなく、サブフィルタ21の圧損が高くなることはな
い。
【0038】一方、下流側テーパ壁52は、4つの下流
側テーパ壁52により囲まれて形成される排気ガス流出
通路51の下流端が下流へ向かって円錐状に広がる形状
となって排気ガス流出通路51の流路断面積が徐々に大
きくなるようにように、排気ガス流入通路50の流路断
面積が徐々に小さくなるように下流へ向かって狭まる形
状をしている。
【0039】これに対し、目封じ型のフィルタでは、図
5(B)に示したように、排気ガス流入通路の下流端が
栓70により閉塞され、排気ガス流出通路はその出口開
口まで直線的に延びる。この場合、排気ガス流出通路の
出口開口から流出した排気ガスの一部が栓70の下流端
面に沿って流れ、したがって、排気ガス流出通路の出口
開口近傍に乱流71が形成される。このように乱流が形
成されると排気ガスは排気ガス流出通路から流出しづら
くなる。
【0040】一方、サブフィルタ21では、図4(B)
に示したように、排気ガスは乱流となることなく、排気
ガス流出通路51の端部の出口開口から流出することが
できる。このため本発明によれば、排気ガスはサブフィ
ルタ21から比較的流出しやすい。したがってこれによ
っても、サブフィルタ21の圧損は低くなる。
【0041】もちろん、サブフィルタ21では、排気ガ
スが上流側テーパ壁53の先端に形成された小孔56を
介して排気ガス流出通路51内に流入することができ、
さらに、排気ガスが下流側テーパ壁52の先端の小孔5
5を介して流出することができることからも、サブフィ
ルタ21の圧損が低くなる。
【0042】このため、サブフィルタ21として目封じ
型のフィルタを用いる場合に圧損を小さく維持するため
には、容量の大きなフィルタを用いなければならない。
しかしながら、サブフィルタ21を配置するために確保
できる容量は比較的小さいので、現実的には、容量の大
きな目封じ型のフィルタを用いることはできない。
【0043】したがって、メインフィルタ18上流に配
置されるサブフィルタとして、本発明のような構成のフ
ィルタを採用することによって、排気浄化装置全体の微
粒子捕集率を大幅に低下させることなく、排気浄化装置
全体の圧損を低減することができる。
【0044】ところで、メインフィルタ18は、各排気
ガス流入通路50および各排気ガス流出通路51を画成
する隔壁54の壁面上、並びに、隔壁54の細孔を画成
する壁面上に、全面に亘って、例えばアルミナからなる
担体層が形成される。そして、この担体層上に、貴金属
触媒と活性酸素生成剤とが担持されている。また、サブ
フィルタ21もメインフィルタ18と同様に、貴金属触
媒と、活性酸素生成剤とを担持している。以下では、メ
インフィルタ18に関してのみ説明するが、サブフィル
タ21に関しても同様である。
【0045】貴金属触媒としては、白金(Pt)が用い
られ、活性酸素生成剤としては、カリウム(K)、ナト
リウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(C
s)、ルビジウム(Rb)のようなアルカリ金属、バリ
ウム(Ba)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム
(Sr)のようなアルカリ土類金属、ランタン(L
a)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)のような
希土類、鉄(Fe)のような遷移金属、およびスズ(S
n)のような炭素族元素から選ばれた少なくとも一つが
用いられている。
【0046】メインフィルタ18では、活性酸素生成剤
によって生成される活性酸素によって微粒子を酸化除去
することができる。次に、図6を参照して、メインフィ
ルタ18の微粒子除去作用について貴金属触媒として白
金(Pt)を利用し、活性酸素生成剤としてカリウム
(K)を利用した場合を例にとって説明するが、他の貴
金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類、遷移
金属を用いても同様な微粒子酸化除去作用が行われる。
【0047】図6(A)〜(C)はメインフィルタ18
の隔壁の表面上および隔壁の細孔表面上に形成された担
体層の表面の拡大図を模式的に表わしている。図6
(A)〜(C)において60は白金(Pt)の粒子を示
しており、61はカリウム(K)等の活性酸素生成剤を
含む担体層を示している。
【0048】圧縮着火式の内燃機関では、通常、過剰空
気のもとで燃焼が行われるので、排気ガス中には過剰な
酸素が含まれている。すなわち、吸気通路および燃焼室
5内に供給された空気と燃料との比を排気ガスの空燃比
と称すると、メインフィルタ18に流入する排気ガスの
空燃比はリーンである。一方、燃焼室5では、NOX
特にNOおよびNO2が発生するので、排気ガス中には
NOおよびNO2が含まれている。また、燃料中には硫
黄成分Sが含まれており、SOX、特にSO2が発生する
ので、排気ガス中にはSOXが含まれている。このよう
に、メインフィルタ18には過剰酸素、NOXおよびS
Xを含んだ排気ガスが流入する。
【0049】排気ガスがメインフィルタ18に流入する
と、図6(A)に示したように、排気ガス中の酸素はO
2 -またはO2-の形で白金の表面に付着する。一方、排気
ガス中のNOは白金の表面上でO2 -またはO2-と反応
し、NO2となる(2NO+O2→2NO2)。次いで、
斯くして生成されたNO2および排気ガス中のNO2の一
部は白金上で酸化されつつ活性酸素生成剤61内に吸収
され、Kと結合しながら、図6(A)に示したように、
硝酸イオン(NO3 -)の形で活性酸素生成剤61内に拡
散し、硝酸塩(KNO3)を生成する。すなわち、排気
ガス中の酸素が硝酸イオンの形で活性酸素生成剤61に
吸収される。
【0050】一方、排気ガス中のSOXもNOXと同様な
メカニズムにより活性酸素生成剤61内に吸収される。
すなわち、排気ガス中のSO2は白金の表面でO2 -また
はO2 -と反応してSO3となる。次いで、斯くして生成
されたSO3の一部は白金Pt上でさらに酸化されつつ
活性酸素生成剤61内に吸収され、Kと結合しながら、
硫酸イオン(SO4 2-)の形で活性酸素生成剤61内に
拡散し、硫酸塩(K2SO 4)を生成する。すなわち、排
気ガス中の酸素が硫酸イオンの形で活性酸素生成剤61
に吸収される。
【0051】ところで、燃焼室5内では主にカーボン
(C)からなる微粒子が生成され、したがって、排気ガ
ス中にはこれら微粒子も含まれる。排気ガス中の微粒子
は排気ガスがメインフィルタ18の排気ガス流入通路1
8a内を流れているとき、或いは隔壁18eを通過する
とき、或いは、排気ガス流出通路18b内を流れている
ときに、図6(B)に示したように、担体層の表面、す
なわち、活性酸素生成剤61の表面上に接触し、付着す
る。
【0052】活性酸素生成剤上に微粒子が付着すると、
活性酸素生成剤の表面とその内部との間に酸素濃度差が
生じる。活性酸素生成剤内には硝酸イオンの形で酸素が
吸蔵されており、この吸蔵されている酸素が微粒子と活
性酸素生成剤との接触面に向かって移動しようとする。
その結果、図6(B)に示したように、活性酸素生成剤
61内に形成されている硝酸塩(KNO3)がKとOと
NOとに分解され、Oが活性酸素生成剤61の表面に向
かい、その一方でNOが活性酸素生成剤61から外部へ
放出される。このように外部へ放出されたNOは上述し
たメカニズムで下流側の白金上において酸化され、再び
活性酸素生成剤61内に硝酸イオンの形で吸収される。
【0053】なお、活性酸素生成剤に微粒子が付着する
と、硫酸イオンの形で活性酸素生成剤61に吸蔵されて
いる酸素も活性酸素生成剤61の表面に向けて移動しよ
うとする。このとき、硝酸塩(KNO3)の場合と同様
に、活性酸素生成剤61内の硫酸塩(K2SO4)がKと
OとSO2とに分解される。分解されたOは活性酸素生
成剤61の表面に向かい、その一方でSO2が活性酸素
生成剤61から外部へと放出される。このように外部へ
放出されたSOXは上述したメカニズムで下流側の白金
上において酸化され、再び活性酸素生成剤61内に硫酸
イオンの形で吸収される。
【0054】このように微粒子62と活性酸素生成剤6
1との接触面に向かうOは硝酸塩(KNO3)や硫酸塩
(K2SO4)のような化合物から分解された酸素である
ので、不対電子を有し、極めて高い反応性を有する活性
酸素となっている。したがって、これら活性酸素が微粒
子62に接触すると、微粒子62は短時間(数秒〜数十
分)のうちに輝炎を発することなく酸化せしめられ、微
粒子62は完全に消滅する。したがって、微粒子62が
メインフィルタ18上に堆積することはほとんどない。
【0055】メインフィルタ18に流入する排気ガスの
空燃比が理論空燃比またはリッチとなると、活性酸素生
成剤周囲の酸素濃度が一気に低下するので、このときに
も上述した理由で、活性酸素生成剤から活性酸素が放出
される。ここで、メインフィルタ18に流入する排気ガ
スの空燃比が理論空燃比またはリッチであるときに単位
時間当たりに活性酸素生成剤によって生成される活性酸
素の量は、メインフィルタ18に流入する排気ガスの空
燃比がリーンであるときに単位時間当たりに活性酸素生
成剤によって生成される活性酸素の量よりも多い。
【0056】したがって、メインフィルタ18に微粒子
が所定量を超えて堆積してしまったときに、メインフィ
ルタ18に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比また
はリッチとすれば、メインフィルタ18に堆積している
微粒子を一気に酸化除去することができる。
【0057】ところで、従来のように、メインフィルタ
18上に積層状に堆積した微粒子が燃焼せしめられると
きには、メインフィルタ18が赤熱し、火炎を伴って燃
焼する。このような火炎を伴う燃焼は高温でないと持続
せず、したがってこのような火炎を伴う燃焼を持続させ
るためには、メインフィルタ18の温度を高温に維持し
なければならない。
【0058】これに対して本発明では、微粒子62は上
述したように輝炎を発することなく酸化せしめられ、こ
のとき、メインフィルタ18の表面が赤熱することもな
い。すなわち本発明では、従来に比べて、かなり低い温
度でもって微粒子62が酸化除去せしめられている。し
たがって、本発明による輝炎を発しない微粒子62の酸
化による微粒子酸化除去作用は火炎を伴う従来の燃焼に
よる微粒子酸化除去作用と全く異なっている。
【0059】ところで、上述したように、活性酸素生成
剤は、周囲の雰囲気がリーン雰囲気であるときには酸素
を硝酸イオンの形で吸蔵し、周囲の雰囲気がほぼ理論空
燃比またはリッチ空燃比となると硝酸イオンの形で吸蔵
している酸素を放出する。見方を換えれば、活性酸素生
成剤は、周囲の雰囲気がリーン雰囲気であるときにはN
Xを硝酸イオンの形で吸蔵し、周囲の雰囲気がほぼ理
論空燃比またはリッチ空燃比になると硝酸イオンの形で
吸蔵しているNOXを放出するNOX吸蔵剤としても機能
する。
【0060】この活性酸素生成剤が吸蔵しうるNOX
量には限界があり、このNOX吸蔵量が限界値に達する
と、メインフィルタ18に流入したNOXがメインフィ
ルタ18に吸蔵されることなく、その下流へと流出して
しまう。そこで、NOX吸蔵量がその限界値に達する前
に、活性酸素生成剤に吸蔵されているNOXを還元浄化
する必要がある。
【0061】そこで、本実施形態では、NOX吸蔵量が
その限界値に達する前に、メインフィルタ18に理論空
燃比またはリッチ空燃比の排気ガスを供給することによ
って、メインフィルタ18内に吸蔵されているNOX
還元浄化する。すなわち、メインフィルタ18に流入す
る排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチとなる
と、図6(C)に示したように活性酸素生成剤からNO
Xが放出され、排気ガス中のHCおよびCOによって還
元浄化される。このように、メインフィルタ18はNO
X吸蔵剤と貴金属触媒とからなるNOX触媒を担持してい
ることにもなる。
【0062】なお、排気ガスの空燃比がリッチ空燃比で
ある場合には、排気ガス中の酸素濃度が低いので、メイ
ンフィルタ18において酸化除去されるCOおよびHC
の量は少ないが、排気ガスの空燃比がリーン空燃比また
は理論空燃比である場合には、メインフィルタ18にお
いて酸化除去されるCOおよびHCの量は多い。
【0063】以上、説明したように、メインフィルタ1
8およびサブフィルタ21は、流入する排気ガスの特性
に依存して、微粒子、NOX、CO、およびHCを浄化
することができる。ここで、白金および活性酸素生成剤
はその温度が高くなるほど活性化する。したがって、フ
ィルタにおける微粒子、NOX、CO、およびHCの浄
化率は、そこに流入する排気ガスの温度に依存し、排気
ガスの温度が高いほど高くなる。
【0064】ここで、サブフィルタ21は排気マニホル
ド17の直下に配置される。したがって、機関始動時に
おいても、サブフィルタ21には比較的高温の排気ガス
が流入するので、サブフィルタ21の温度は迅速に上昇
せしめられる。また、内燃機関において継続的に低負荷
運転が行われ、内燃機関から排出される排気ガスの温度
が低くなった場合においても、サブフィルタ21に流入
する排気ガスの温度は十分高いので、サブフィルタ21
の温度は比較的高温に維持される。
【0065】このように、本実施形態によれば、機関始
動時、および、低負荷運転時においても、サブフィルタ
21の温度は比較的高温に維持されるので、サブフィル
タ21による微粒子、NOX、CO、およびHCの浄化
率は高い。
【0066】ところで、サブフィルタ21にも微粒子酸
化除去能力があるので、メインフィルタ18に流入する
微粒子の量は全体として少なくなる。したがって、メイ
ンフィルタ18によって排気ガス中の全ての微粒子を確
実に酸化除去することができる。或いは、メインフィル
タ18で酸化除去すべき微粒子の量が少なくなっている
ので、メインフィルタ18を小型化してもよい。
【0067】また、上述した活性酸素生成剤はNOX
よびSOXを吸蔵によって保持するものであるが、例え
ば、その表面にNOXおよびSOXを吸着または付着によ
って保持するものでもよい。したがって、活性酸素生成
剤としては、活性酸素、NO2、またはSO3をその内部
から放出するものだけでなく、その表面から解放するも
のでもよい。
【0068】なお、第1実施形態では、サブフィルタ2
1は排気マニホルド17の直下に配置されているが、サ
ブフィルタ21は内燃機関の排気ポート10の近くに配
置されていればよいので、例えば、図7に示したよう
に、排気マニホルド17の枝管内に配置されてもよい。
【0069】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。初めに、図9を参照する。図9(A)は、活性酸
素生成剤周囲の雰囲気(以下、単に周囲雰囲気と称す)
がほぼ理論空燃比またはリッチであるときにおける活性
酸素生成剤の温度(以下、単に生成剤温度と称す)T
と、活性酸素生成剤からのNOX放出率f(T)および
SOX放出率g(T)との関係を示している。また、図
9(B)は、生成剤温度Tが図9(A)に示されている
温度(以下、SOX放出温度と称す)To以下であると
きに、周囲雰囲気がほぼ理論空燃比またはリッチとされ
ている時間と、活性酸素生成剤からの累積NOX放出量
および累積SOX放出量を示している。
【0070】上述したように、一般的には、活性酸素生
成剤に吸蔵されているSOXは、その周囲の雰囲気がほ
ぼ理論空燃比またはリッチとなれば、活性酸素生成剤か
ら放出される。ところが、図9(A)に示されているよ
うに、生成剤温度TがSOX放出温度To以下である場
合において、周囲雰囲気がほぼ理論空燃比またはリッチ
になると、NOXは活性酸素生成剤から放出されるが、
SOXは活性酸素生成剤からほとんど放出されない。し
たがって、図9(B)に示されているように、たとえ長
時間、周囲雰囲気がほぼ理論空燃比またはリッチとされ
ていたとしても、活性酸素生成剤から放出されるSOX
の量は極めて少ない。
【0071】ここで、内燃機関が通常運転を行っている
場合、メインフィルタ18の温度はSOX放出温度To
以下であることが多い。このため、一時的にメインフィ
ルタ18に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比
またはリッチとされたとしても、メインフィルタ18の
活性酸素生成剤からSOXは放出されず、したがって、
活性酸素生成剤に吸蔵されているSOXの量は徐々に増
大する。この場合、活性酸素生成剤が吸蔵しうるNOX
量が低下することになる。
【0072】そこで、本実施形態では、メインフィルタ
18にSOXが流入しないようにサブフィルタ21によ
ってSOXを捕捉するようにする。これによれば、メイ
ンフィルタ18に流入するSOXの量が極めて少なくな
る。
【0073】なお、第2実施形態では、図8に示したよ
うに、サブフィルタ21とメインフィルタ18との間の
排気管45からメインフィルタ18をバイパスするバイ
パス通路46が分岐せしめられる。すなわち、バイパス
通路46はメインフィルタ18と平行に配置されると共
にバイパス通路46の上流端においてメインフィルタ1
8よりも上流の排気管45に連結され且つ下流端におい
てメインフィルタ18よりも下流の排気管45と連結さ
れる。
【0074】さらに、メインフィルタ18およびバイパ
ス通路46のいずれか一方を排気ガスが流入することの
ないように閉鎖し、メインフィルタ18およびバイパス
通路46の他方に排気ガスを流入させるための切替弁4
7が、メインフィルタ18よりも上流の排気管45とバ
イパス通路46との連結地点に設けられる。
【0075】ところで、サブフィルタ21の活性酸素生
成剤が吸蔵しうるSOXの量にも限界があるので、SOX
吸蔵量が飽和する前に、サブフィルタ21の活性酸素生
成剤からSOXを放出させる必要がある。そこで、本実
施形態では、サブフィルタ21からSOXを放出させる
べきときには、サブフィルタ21の温度Tを上記SOX
放出温度To以上にまで上昇させると共にサブフィルタ
21に流入する排気ガスの空燃比をリッチにするか、ま
たはサブフィルタ21に流入する排気ガスの温度をSO
Xの放出を促す温度以上にまで上昇させると共に排気ガ
スの空燃比をリッチにする。
【0076】これによれば、サブフィルタ21からSO
Xが放出される。すなわち、サブフィルタ21の活性酸
素生成剤は、排気ガスの空燃比がリーンのときに排気ガ
ス中のSOXを吸蔵し、排気ガスの空燃比がリッチとさ
れ且つサブフィルタ21の温度TがSOX放出温度To
を越えると吸蔵したSOXを放出する。すなわちサブフ
ィルタ21は流入する排気ガスの空燃比がリーンである
ときに排気ガス中のSO xを吸蔵し且つ流入する排気ガ
スの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチになると吸蔵
したSOxを放出するSOx吸蔵剤として作用する。ま
た、サブフィルタ21は機関本体に比較的近い場所に配
置されているので、サブフィルタ21の温度は比較的容
易に上昇せしめられる。
【0077】また、サブフィルタ21から放出されたS
Xがメインフィルタ18に流入しないように、サブフ
ィルタ21からSOXを放出すべきときには、サブフィ
ルタ21から流出した排気ガスをバイパス通路46内に
導くようにする。すなわち、本実施形態では、排気ガス
の空燃比がリーンのときには、切換弁47は図8におい
て実線で示すバイパス閉位置とされているが、サブフィ
ルタ21からSOXを放出すべきときには、排気ガスの
空燃比がリーンからリッチに切換えられると共に、切換
弁47は図8において破線で示したバイパス開位置とさ
れる。
【0078】なお、上述したようにサブフィルタ21も
NOXを吸蔵しているので、サブフィルタ21からSOX
を放出するために排気ガスの空燃比が理論空燃比または
リッチとされたときには、NOXもサブフィルタ21か
ら放出され、斯くして放出されたNOXは排気ガス中の
HCやCOによって還元浄化される。したがって、排気
ガスがメインフィルタ18をバイパスしたとしても、多
量のNOX、HC、および、COが大気中に放出される
ことはない。
【0079】なお、サブフィルタ21からのSOXの放
出を停止すべきときには、排気ガスの空燃比がリッチか
らリーンに切換えられ、同時に切換弁47が図8におい
て実線で示すバイパス閉位置に切換えられる。
【0080】また、吸蔵したSOXが硫酸イオン(SO4
2-)の形のままで活性酸素生成剤内に存在するようにす
るか、或いは、硫酸塩(K2SO4)が生成されたとして
も硫酸塩(K2SO4)が安定しない状態で活性酸素生成
剤内に存在するようにすれば、サブフィルタ21の活性
酸素生成剤からSOXが放出されやすくなる。そこで、
本実施形態では、活性酸素生成剤として、アルミナから
なる担体層上に銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(M
n)、ニッケル(Ni)のような遷移金属、ナトリウム
(Na)、チタン(Ti)およびリチウム(Li)から
選ばれた少なくとも一つを担持した活性酸素生成剤が用
いられる。
【0081】また、メインフィルタ18からNOXを放
出すべきときにも、排気ガスの空燃比がリーンから理論
空燃比またはリッチに切換えられるが、このときに排気
ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチとされている期
間は短い。したがって、サブフィルタ21の温度Tは上
記SOX放出温度To以上には上昇しない。このため、
このとき、サブフィルタ21からはSOXは放出され
ず、SOXがメインフィルタ18に流入することはな
い。もちろん、メインフィルタ18では、その温度がS
X放出温度To以下であっても、排気ガスの空燃比が
リッチであれば、メインフィルタ18に吸蔵されていた
NOXが放出されて、還元浄化される。
【0082】次に、第3実施形態について説明する。上
述したように、サブフィルタ21からSOXを放出させ
るために、排気ガスの空燃比がリッチとされると、サブ
フィルタ21から流出する排気ガス中には未燃HCやC
Oが含まれている。サブフィルタ21からSOXを放出
させている間、サブフィルタ21から流出した排気ガス
はバイパス通路46に流入する。このように、バイパス
通路46に流入した未燃HCやCOも浄化すべきであ
る。そこで、第3実施形態では、第2実施形態の排気浄
化装置において、バイパス通路46内に三元触媒が配置
される。
【0083】なお、三元触媒は、排気ガスの空燃比がほ
ぼ理論空燃比またはリーンであるときに、未燃HCやC
Oを除去する。したがって、バイパス通路46に三元触
媒を配置した場合、サブフィルタ21におけるSOX
吸蔵は排気ガスの空燃比がリーンのときに行われ、サブ
フィルタ21に吸蔵されたSOXの放出は主に排気ガス
の空燃比がほぼ理論空燃比のときに行われる。
【0084】また、バイパス通路46内に配置する触媒
としては、排気ガス中の成分、例えば未燃HCやCOを
酸化する酸化能を有すればよいので、単なる酸化触媒で
もよい。
【0085】
【発明の効果】第1の発明によれば、排気抵抗が小さく
且つ乱流が起こりにくいことから、第一排気浄化手段の
上流に第二排気浄化手段を配置した場合であっても、排
気浄化装置全体の圧損が低く抑えられている。すなわ
ち、排気浄化装置の微粒子捕集率を大幅に低下させるこ
となく、排気浄化装置に起因する圧損が低減される。
【0086】また、第4の発明によれば、第二排気浄化
手段は内燃機関の排気ポートのすぐ下流に配置されてい
るので、第二排気浄化手段には比較的高温のままの排気
ガスが流入する。したがって、例えば、機関始動時であ
っても第二排気浄化手段は迅速に昇温せしめられ、ま
た、内燃機関が低負荷運転を行っているときであって
も、第二排気浄化手段の温度が低下してしまうことが防
止される。
【0087】第5の発明によれば、第一排気浄化手段に
SOXが吸蔵されることがほとんどなくなるので、第一
排気浄化手段のNOX吸蔵能力がほぼ一定のまま維持さ
れる。
【0088】第6の発明によれば、バイパス通路に流入
する排気ガス中のHCおよびCOが酸化除去される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の排気浄化装置を備えた内燃機関
全体の図である。
【図2】本発明のメインフィルタを示す図である。
【図3】本発明のサブフィルタを示す図である。
【図4】本発明のサブフィルタの一部を拡大して示す図
である。
【図5】従来の目封じ型のフィルタの一部を拡大して示
す図である。
【図6】NOX吸蔵・放出作用および微粒子酸化除去作
用を説明するための図である。
【図7】第1実施形態の変形例にかかる排気浄化装置を
備えた内燃機関全体の図である。
【図8】第2実施形態の排気浄化装置を備えた内燃機関
全体の図である。
【図9】(A)はNOX放出率およびSOX放出率を示す
線図であり、(B)はNOXおよびSOXの累積放出量を
示す線図である。
【符号の説明】
17…排気マニホルド 18…メインフィルタ 19…ケーシング 20…排気管 21…サブフィルタ 22…ケーシング 50…排気ガス流入通路 51…排気ガス流出通路 52…下流側テーパ壁 53…上流側テーパ壁 54…隔壁 55、56…小孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/24 F01N 3/24 E 3/28 301 3/28 301C Fターム(参考) 3G090 AA02 AA03 AA04 BA01 DA12 EA02 EA03 EA06 3G091 AB02 AB04 AB06 AB09 AB13 BA07 BA14 BA15 BA19 EA02 EA07 EA17 GA06 GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB17W GB17X HA03 HA08 HA14 HA16 HA36 HA37 HB03 HB05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関排気通路内に排気ガス中の成分を浄
    化するための第一排気浄化手段を配置すると共に該第一
    排気浄化手段上流の機関排気通路内に第二排気浄化手段
    を配置した排気浄化装置において、第二排気浄化手段が
    通路を画成する隔壁を有し、該隔壁が予め定められた平
    均細孔径の細孔を内包する多孔質の材料から形成されて
    おり、上記通路の端部開口が隔壁の上記細孔径よりも大
    きいが通路の流路断面積よりも狭い流路断面積を有する
    小孔となるように隔壁の端部分が寄せ集められて該端部
    分同士が部分的に接続されていることを特徴とする排気
    浄化装置。
  2. 【請求項2】 上記第一排気浄化手段は流入する排気ガ
    スの空燃比がリーンであるときにNOXを吸蔵し、流入
    する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチで
    あるときに吸蔵したNOXを放出して還元させるNOX
    媒を具備する請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 上記第一排気浄化手段は排気ガス中の微
    粒子を酸化除去することができるパティキュレートフィ
    ルタである請求項1または2に記載の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 上記第二排気浄化手段は排気マニホルド
    内に配置されるかまたは排気マニホルドの排気下流側に
    おいて排気マニホルドに連結されている請求項1〜3の
    いずれか一つに記載の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 上記第一排気浄化手段と第二排気浄化手
    段との間の機関排気通路から第一排気浄化手段を迂回す
    るバイパス通路を分岐させると共に第一排気浄化手段お
    よびバイパス通路のいずれか一方に排気ガスを流入させ
    るための切替弁を設け、上記第二排気浄化手段は該第二
    排気浄化手段に流入する排気ガスの空燃比がリーンであ
    るときに排気ガス中のSOXを吸蔵し且つ第二排気浄化
    手段に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比また
    はリッチになると共に第二排気浄化手段の温度がSOX
    放出温度よりも高くなると吸蔵したSOXを放出するS
    X吸蔵剤を具備し、上記第二排気浄化手段のSOX吸蔵
    剤からSOXを放出しないときには第二排気浄化手段か
    ら流出した排気ガスが第一排気浄化手段に流入する位置
    に切替弁を保持すると共に第二排気浄化手段のSOX
    蔵剤からSOXを放出するときには第二排気浄化手段か
    ら流出した排気ガスが上記バイパス通路に流入する位置
    に切替弁を保持するようにした請求項1〜4のいずれか
    一つに記載の排気浄化装置。
  6. 【請求項6】 上記バイパス通路に排気ガス中の成分を
    酸化するための触媒を配置するようにした請求項5に記
    載の排気浄化装置。
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