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JP2003212761A - 温冷両用外用剤 - Google Patents

温冷両用外用剤

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Publication number
JP2003212761A
JP2003212761A JP2002009639A JP2002009639A JP2003212761A JP 2003212761 A JP2003212761 A JP 2003212761A JP 2002009639 A JP2002009639 A JP 2002009639A JP 2002009639 A JP2002009639 A JP 2002009639A JP 2003212761 A JP2003212761 A JP 2003212761A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active ingredient
external preparation
flat
gel filling
cold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002009639A
Other languages
English (en)
Inventor
Keizo Oda
桂蔵 織田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OOSHIN SEIYAKU KK
Original Assignee
OOSHIN SEIYAKU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OOSHIN SEIYAKU KK filed Critical OOSHIN SEIYAKU KK
Priority to JP2002009639A priority Critical patent/JP2003212761A/ja
Publication of JP2003212761A publication Critical patent/JP2003212761A/ja
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  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、施用箇所に対して温湿布効果又は
冷湿布効果更に身体の美化等、化粧料による種々の効果
を効果的に発現させることができる上、疾患の早期治療
や身体の美化などを実現し、しかも取り扱い性、安全性
及び使用感を一層向上させた温冷両用外用剤を提供する
ことを目的とする。 【構成】 本発明は、水及び吸水性ポリマーを必須構成
成分とする含水ゲルを偏平状袋体内に封入してなる偏平
状ゲル充填物において、この偏平状ゲル充填物の片側面
には有効成分の担持層が設けられていることを特徴とす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体の適用部位に
施用されて、当該適用部位に対して温湿布効果又は冷湿
布効果或いは身体の美化等を付与する温冷両用外用剤に
関し、更に詳しくは、腰痛、肩こり、関節痛、神経痛、
リューマチ等の慢性疼痛や打ち身、打撲、捻挫等の急性
疼痛を除去、緩和したり、或いは発熱や頭痛等の緩和、
更に身体の美化等に用いられる温冷両用外用剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】整形外科領域における慢性化した疼痛性
疾患、例えば、慢性化した腰痛、肩こり、筋肉痛、筋肉
のこり、手足の冷え、神経痛、リューマチなどは、主に
血行不良に起因しているものであり、これらの疾患に対
しては、冷やすよりも温める方が治療効果を高める場合
が多く、昔から、この人体の適用部位を温める治療方法
は、血行促進等の温熱効果を付与するための治療手段
(温熱療法)として広く一般的に用いられている。
【0003】従来の温熱療法としては、熱湯で温めたタ
オルやこんにゃく、湯を封入したホットパック、加熱油
を利用したパラフィン浴、トウガラシエキス等の刺激成
分を配合した湿布剤、或いは使い捨てカイロ等を患部に
直接施用するなどの方法が採用されている。
【0004】しかしながら、温めたタオルやこんにゃ
く、更にホットパックやパラフィン浴等を用いる温熱療
法では、発熱温度の制御が困難であり、即ち、高温とな
りすぎて火傷をしたり、或いは低温すぎて充分な温熱効
果が得られないなどの問題があり、又、温熱効果が得ら
れる所定温度の持続性が極めて悪いため、短時間の温湿
布効果しか得られないばかりか、短時間で湿布剤から気
化熱が奪われて冷却され、その結果、患部が冷やされ、
症状が悪化するなどの逆効果がもたらされる等の問題が
あり、安全性、使用性及び簡便性に欠けるものであっ
た。
【0005】特に、温めたタオルやこんにゃく更にホッ
トパックは熱湯による加温や加温器による加温が煩雑で
あり、又、使用開始時はタオル等の緩衝材を何枚か介し
て使用しなければならないほどに熱く、しかも短時間で
温度が低下してしまうなどの問題がある。
【0006】又、ホットパックには、封入されている湯
(水)の流動性が高いため、保型性が悪く、ぶよぶよし
た感触や使用中の偏り或いは型くずれ等が生じ、これに
より使用感が著しく悪くなるといった問題もある。
【0007】更に、パラフィン浴は、使用場所が制約さ
れると共に、使用適用部位も、手や足などに限定され、
更に油を用いることによる汚れ等の問題もある。
【0008】加えて、トウガラシエキス等を配合した湿
布剤は末梢の温感知覚の刺激によって皮膚温度を1〜2
℃上昇させるといわれており、使用方法が簡便であるこ
とで汎用されているが、刺激成分による赤斑、発疹、カ
ブレ等の皮膚に対する副作用(皮膚障害)の頻度が高い
上、貼付後の入浴の際に皮膚に強い刺激を与える等の問
題が多く、その多様には危険が伴うのである。
【0009】ところで、温湿布の治療効果を充分に得る
ためには、ある一定の温かさの温熱を、持続的に与える
ことが要求される場合がある。
【0010】例えば、通常、温湿布剤を人体に密着させ
て使用する場合には、皮膚温度より2〜3℃以上の一定
の温度、例えば40℃前後の温度で長時間にわたって温
湿布しうることが要求されるのである。
【0011】しかしながら、前記の各種温湿布手段で
は、この程度の温熱を、持続的に与えることは困難なの
である。
【0012】この点、使い捨てカイロは、持続的な保温
力の点において簡便な有効性を持っており、上述の如
く、例えば45℃前後の温度で長時間にわたって患部に
温熱を与えることをなし得るものであるが、逆にこの程
度の温度の温熱を長時間にわたってなし得ることが、施
用箇所における低温火傷の原因になる場合となるのであ
る。
【0013】この場合、布・タオルなどの緩衝材を用い
て皮膚面に直接使い捨てカイロが接触しないようにする
手段が考えられるが、このようにすると、患部に対して
充分に温熱が伝達されにくく、温熱の有効利用面におい
て問題が生じるのである。
【0014】加えて、使い捨てカイロは、その名のとお
り、一回きりの使用を目的としているものであるため、
繰り返し使用することができず、経済的な面で問題もあ
る。
【0015】そこで、前述の温熱療法の欠点を解消する
ため、最近では主に水及び吸水性ポリマーを必須構成成
分とする含水ゲルを袋体に封入したゲル充填物が研究、
開発されており、市場にも登場している。
【0016】即ち、このゲル充填物は、比較的熱伝導性
が緩慢な含水ゲルを使用しているため、家庭用の電子レ
ンジに入れて2〜3分程度加温することにより、温熱を
3〜4時間程度持続して放出することができるものであ
り、又、繰り返し使用することができるため経済的であ
り、更に、電子レンジにおける加温時間を調節するだけ
で、簡便に温度制御をなし得る上、簡易性、取り扱い性
及び安全性に優れるといった利点がある。
【0017】又、このようなゲル充填物は、前述の如き
電子レンジ等の加温・加熱手段で温めて使用したり、或
いは冷蔵庫や冷凍庫等の冷却手段で冷却することによっ
て、いわゆる冷熱パットとして使用することができるの
であり、従って、打ち身や捻挫等の急性疼痛、或いは発
熱性疾患等の急な発熱や頭痛等の温めるよりも冷やす方
が効果的な疾患に対しても、有効に対応することができ
るといった利点も有するのである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在一
般に市販されているゲル充填物は、単に人体の適用部位
に圧着して使用し、このゲル充填物が接触している皮膚
表面(表層)に温熱或いは冷熱を与えるだけのものであ
るから、疾患の治療効果に乏しく、早期治療の点におい
て不利がある。
【0019】又、このようなゲル充填物を用いた場合に
も、ある程度の温度以上、例えば45℃前後の温度で人
体に密着させて長時間使用すると、やはり、使い捨てカ
イロと同様に低温火傷の原因になるおそれがあるのであ
る。
【0020】一方、このようなゲル充填物を0℃前後の
低温に冷却し、人体に密着させて長時間使用した場合に
あっては、過剰冷却によって皮膚表面に対する痛み等が
生ずる原因にもなるのである。
【0021】そのため、このようなゲル充填物を実際に
使用する場合には、ゲル充填物と皮膚表面との間に布や
タオルなどの緩衝材を用いて、低温火傷や皮膚障害が生
じることを予防するのであるが、取り扱い性に劣る上、
このような使用状態では、温熱或いは冷熱が伝達され難
く、温熱効果或いは冷熱効果を得難いといった問題があ
る。
【0022】加えて、このようなゲル充填物は、水と比
較して流動性の低い含水ゲルを使用してなるものである
が、やはり、保型性が悪く、ぶよぶよした感触や使用中
に偏ったり、或いは型くずれ等が生じ、使用感が悪いと
いった問題もある。
【0023】本発明者は、前記技術的課題を解決するた
め鋭意検討を重ねた結果、このような水及び吸水性ポリ
マーを必須構成成分とする含水ゲルを偏平状袋体に封入
した偏平状ゲル充填物において、更に、この偏平状ゲル
充填物の片側面には有効成分の担持層を設けることによ
り、疾患の早期治療や身体の美化等を実現することがで
きる上、取り扱い性、安全性及び使用感を向上すること
ができる温冷両用外用剤になり得るとの知見を得たので
ある。
【0024】即ち、本発明者は、偏平状ゲル充填物の片
側面に有効成分の担持層を設けることにより、偏平状ゲ
ル充填物の温熱効果或いは冷熱効果に加えて、人体の適
用部位の深層部(内部)に対して、温湿布効果或いは冷
湿布効果を付与することができる結果、疾患の早期治
療、或いは新陳代謝の向上や老廃物の排出促進などに起
因する身体の美化等を実現することができるとの知見を
得た。
【0025】又、本発明者は、このように構成すること
により、有効成分の担持層が偏平状ゲル充填物からの温
熱或いは冷熱のいわゆる緩衝材となり、低温やけどや過
剰冷却などによる皮膚障害が生じることを防止し、取り
扱い性や安全性を著しく向上することができるとの知見
も得た。
【0026】更に、本発明者は、偏平状ゲル充填物の片
側面に有効成分の担持層を設けることにより、有効成分
の担持層が偏平状ゲル充填物の保型性を向上させ、圧力
が加わっても偏平状ゲル充填物の形状を極力保持し、偏
平状ゲル充填物の偏りが防止される結果、使用感を向上
させることができるとの知見を得たのである。
【0027】加えて、本発明者は、有効成分の担持層が
偏平状ゲル充填物に対して着脱可能となるように構成し
た場合には、当該有効成分の担持層を適宜取り替えるこ
とができるようになり、極めて衛生的で、しかも偏平状
ゲル充填物の再利用が可能になる上、特に、複雑な治療
作業や身体の美化等が非常に簡単に行えるのであり、特
に、有効成分が電子レンジ等の加温・加熱手段で加温・
加熱する際に分解、変質するおそれがある場合には有効
成分の担持層を取り外してから加温・加熱することによ
って、この弊害を確実に解消できるとの知見も得たので
ある。
【0028】更に詳しくは、本発明者は、有効成分の担
持層が偏平状ゲル充填物に対して着脱可能となるように
構成することにより、例えば、まず温湿布により皮膚角
質層をルーズ化して、有効成分の担持層中の有効成分が
皮膚表面や皮膚内部に投与され易くなるのであり、一
方、偏平状ゲル充填物を冷却することにより、皮膚表面
を収斂したり、特定の疾患に対する薬理効果を一層高め
る等、複雑な治療作業が非常に簡単に行えるようにな
り、疾患の治療を一層向上させることができるとの知見
も得たのである。
【0029】本発明は、前記知見に基づき完成されたも
のであり、即ち、水及び吸水性ポリマーを必須構成成分
とする含水ゲルを偏平状袋体に封入してなる偏平状ゲル
充填物において、この偏平状ゲル充填物の片側面に有効
成分の担持層を設けることにより、施用箇所に対して温
湿布効果又は冷湿布効果更に身体の美化等、化粧料によ
る種々の効果を効果的に発現させることができる上、疾
患の早期治療や身体の美化などを実現し、しかも取り扱
い性、安全性及び使用感を一層向上させた温冷両用外用
剤を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の温冷両用外用剤は、施用箇所に温湿布効果
又は冷湿布効果或いは身体の美化などを付与するための
ものであって、水及び吸水性ポリマーを必須構成成分と
する含水ゲルを偏平状袋体に封入してなる偏平状ゲル充
填物において、この偏平状ゲル充填物の片側面には有効
成分の担持層が設けられていることを特徴とするもので
ある。以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0031】本発明で用いられる吸水性ポリマーとして
は、主として水を円滑、且つ大量に吸収、保持してゲル
化する高分子材料であれば特に制限されるものではな
く、既知の親水性高分子材料を好適に使用することがで
きるのであり、具体的には、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びその塩、無水
マシン酸共重合物などの親水性合成高分子材料、メチル
セルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸澱粉、
カルボキシメチルセルロースの如き親水性半合成系化合
物、デキストリン、澱粉、プルラン、ゼラチンなどの如
き親水性天然系高分子材料等が挙げられるのであり、本
発明においては、これらの親水性高分子材料から選ばれ
た1種ないしは2種以上の吸水性ポリマーが挙げられる
のであり、又、必要に応じて、これらを界面活性剤で処
理したり、これらと界面活性剤を組み合わせて親水性を
向上したものも挙げられる。
【0032】この界面活性剤としては、主として材料の
分散性を向上するために添加されるものであり、具体的
には、例えば高級脂肪酸せっけん、アルキル硫酸エステ
ル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ア
シルN−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エ
ステル塩及びN−アシルアミノ酸塩等のアニオン界面活
性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジア
ルキルジメチルアンモニウム及び塩化ベンザルコニウム
等のカチオン界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸
ベタイン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイン
及び2−アルキル−N−ヒドロキシイミダゾリミウムベ
タイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレン型、多
価アルコールエステル型又はエチレンオキシド・プロピ
レンオキシドブロック共重合体等の非イオン性界面活性
剤、或いはモノラウリン酸ソルビタン等の高分子界面活
性剤、天然界面活性剤等のその他の界面活性剤が挙げら
れる。
【0033】又、本発明においては、含水ゲルを増量し
たり、ゲルの粘度の調整等を目的として粘度調整剤を配
合することが特に好ましく、この粘度調整剤としては特
に制限されるものではないが、具体的には例えば、塩化
カルシウム等の無機混合物、エチレングリコール、グリ
セリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、或いはジエチレングリコー
ルモノアルキルエーテル(炭素数が1〜3のアルキル
基)[例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル又はジエチレングリコールモノエチルエーテルな
ど]、ジエチレングリコールジアルキルエーテル(炭素
数が1〜3のアルキル基)[ジエチレングリコールジメ
チルエーテル又はジエチレングリコールジエチルエーテ
ルなど]、トリエチレングリコールモノアルキルエーテ
ル(炭素数が1〜3のアルキル基)[トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコール
モノエチルエーテルなど]、トリエチレングリコールジ
アルキルエーテル(炭素数が1〜3のアルキル基)[ト
リエチレングリコールジメチルエーテル又はトリエチレ
ングリコールジエチルエーテルなど]、又は、一般式R
1−(O−R2)n−O−CO−R3(但し、R1又は
R3は炭素数が1〜3のアルキル基、R2は炭素数が1
又は2のアルキレン基、nは1〜5、特に1〜3の整
数)で示されるグリコールエーテル酢酸アルキルエステ
ル等の有機化合物が挙げられる。
【0034】なお、前記の粘度調整剤は、本発明の温冷
両用外用剤を冷蔵庫や冷凍庫等で冷やし、冷熱パット等
として用いた場合において、含水ゲルがかちかちに凍ら
ないようにする機能、即ち、含水ゲルの不凍剤としての
機能も果たすものである。
【0035】加えて、本発明においては、所望により、
染料や顔料を配合して含水ゲルを所望の色に着色しても
良いのである。
【0036】なお、水とこれら吸水性ポリマーとを混合
してなる含水ゲルにおいて、その含水量は、選択した吸
水性ポリマーや添加剤の種類、或いは含水ゲルに求めら
れる流動性(粘度)に応じて適宜決定されるものであ
り、特に制限されるものではないが、一般的には、水分
含有量が含水ゲル全体の40〜95重量%の範囲、特に
60〜75重量%の範囲とすることが好ましく、水分含
有量が含水ゲル全体の40重呂%未満になると、水分量
が少なすぎて蓄熱性や蓄熱量更に保温性などに欠けるお
それがあり、一方、水分含有量が95重量%を超えると
保型性や取り扱い性が悪くなるおそれがあるので好まし
くない。
【0037】ところで、本発明においては、この種、水
及び吸水性ポリマーを必須構成成分とする含水ゲルを偏
平状袋体に封入してなる偏平状ゲル充填物において、人
体に対して極めて効率的な遠赤外線を放射する「遠赤外
線放射機能」及び/又は含水ゲルの保型性を保持し、偏
平状ゲル充填物の型くずれ等を防止する「保型機能」を
有する機能性物質を前記含水ゲルに混合して用いるのが
好ましい。
【0038】この機能性物質としては、遠赤外線を放射
する「遠赤外線放射機能」及び/又は偏平状ゲル充填物
の型くずれ等を防止する「保型機能」を有する材料、素
材であれば特に限定されるものではないが、この機能性
物質としては、遠赤外線領域近辺の波長範囲を有する電
磁波を放射したり、吸水性ポリマーを化学的に架橋して
含水ゲルの保型性を調節したり、或いは物理的に含水ゲ
ルの流動性を制御したり、包材の変形を防止したりし
て、偏平状ゲル充填物の保型性の向上を図るものであれ
ば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば
カオリン、ベンナイト、パーミキュライト、シリカ粉、
クレー、パーライト、ゼオライト、亜鉛華、酸化チタ
ン、タルク、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝
酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミナ
・マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウム
・カリウム、アルミニウムアミノ酢酸、アルミニウムメ
タ珪酸アルミン酸マグネシウム、カリミョーバン、球状
セルロース、ポリブテン、ポリイソブチレン、アセトア
ルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキザール、ジア
ルデヒドデンプン又はジメチルケトン等の化学的に吸水
ポリマーを架橋する架橋剤や物理的な増粘剤の他、遠赤
外線を放射する機能性セラミックなどが挙げられるので
あり、これは1種ないし複数種を併用して用いることが
できる。
【0039】この遠赤外線を放射する機能性セラミック
としては、非金属の無機質固体が挙げられ、具体的に
は、金属の酸化物、炭化物、窒化物及び炭酸塩から選ば
れた少なくとも1種以上を適宜選択して用いることがで
きるのであり、又、前記金属としては、特に制限される
ものではないが、具体的には、例えばAl、Be、V、
Fe、Y、Co、Cu、Ni、Si、Sn、Ti、C
r、Ce、Zr、Ca、Ta又はNb等を挙げることが
できる。
【0040】なお、本発明において、偏平状袋体に封入
する機能性物質と含水ゲルの割合としては、選択された
機能性物質や含水ゲルの種類や求められる機能に応じて
適宜選択されるものであり、特に制限されるものではな
いが、一般的には、含水ゲル100重量部に対して、機
能性物質の全体が1〜70重量部の範囲とするのが好ま
しく、更に5〜50重量部の範囲とするのが一層好まし
く、特に7.5〜40重量部の範囲とするのが最も好ま
しい。
【0041】含水ゲル100重量部に対して、機能性物
質の全体が1重量部未満では、充分な遠赤外線機能や保
型機能を発現することができないため好ましくなく、一
方、70重量部を超えると、多すぎて無駄であるばかり
か、偏平状ゲル充填物の発熱機能を損ねたり、或いは硬
くなり過ぎて逆に使用感を損ねる恐れがあるため好まし
くない。
【0042】そして、本発明における偏平状ゲル充填物
は、前記含水ゲルを偏平状袋体に封入してなるものであ
るが、該偏平状袋体を形成するシート材料としては、柔
軟且つ丈夫で、更に気密性があり、しかも簡単に破損等
して封入した含水ゲルが漏れたりしないものであれば特
に制限されるものではなく、以前から気密性の包材に用
いられている公知の高分子材料を好適に用いることがで
きるのであり、具体的には、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、
ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、天然ゴム、再生ゴ
ム、合成ゴム等を好適に用いることができる。
【0043】又、前記偏平状袋体を形成するためのフィ
ルム材料ないしシート材料は、目的に応じて、2層以上
の積層フィルム・シートであってもよいが、その素材の
選択にあたり、ヒートシール性があり、簡単に熱融着で
きるものを選ぶのが特に好ましい。この場合、2層以上
の樹脂層が熱融着できないときには、その間にホットメ
ルト系の接着剤フィルムを介在させてこれらの樹脂層を
接合してもよいのである。
【0044】又、前記フィルム材料ないしシート材料の
厚さとしては、用途、更に当該材料や含水ゲルの種類に
よって大きく異なり、特に限定されるものではないが、
具体的には、一般に坪量が20〜350g/m2の範囲
程度とするのが好ましい。
【0045】このフィルム材料ないしシート材料の厚さ
が坪量で20g/m2未満の場合には、必要な機械的強
度が得られなくなる上、厚さを均一にすることが困難に
なる虞れがあり、品質が安定しない虞れがあるので好ま
しくない。
【0046】一方、フィルム材料ないしシート材料の坪
量350g/m2を超えると、柔軟性が低下して体表面
へのなじみ性が著しく低下すると共に、体表面の変形や
移動に対する追従性が低下する上、ごわごわして風合が
悪くなるので好ましくない。従って、特に、フィルム材
料ないしシート材料の坪量としては、好ましく25〜2
50g/m2の範囲、特に好ましくは30〜200g/
2の範囲とするのが望ましく、この範囲であれば、所
要の機械的強度や優れた柔軟性が得られるので望まし
い。
【0047】なお、前記偏平状袋体の形状としては特に
限定されるものではなく、最終的に温冷両用外用剤とし
て製品となった場合に、使用者に極端な違和感を与える
ものでなければ、特に制限されるものではないが、一般
的には長方形や略長方形のものが好ましく、その他正方
形、略正方形、楕円形、略楕円形、円形、略円形或いは
亜鈴形等、種々の形状のものも好適に用いることができ
る。
【0048】ところで、本発明においては、使用感や風
合いを向上させたり、前記偏平状袋体を形成するフィル
ムないしシート材料を補強する目的で、偏平状袋体の表
面に市販されている編み物、織布又は不織布を積層する
のが好ましい。
【0049】この編み物、織布又は不織布としては、例
えばポリアミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊
維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン
繊維又はポリ塩化ビニル繊維等の合成繊維、レーヨン又
はアセテート等の半合成繊維、綿、麻又は絹等の天然繊
維から選ばれた1種または2種以上の素材を用いて形成
される。
【0050】又、本発明においては、前記偏平状ゲル充
填物を形成するにあたり、偏平状ゲル充填物の厚さとし
ては使用対象物により適宜選択されるものであり、特
に、限定されるものではないが、一般に、この偏平状ゲ
ル充填物の厚さは25mm以下とするのが好ましく、更
に、0.5〜20mmの範囲になるように形成するのが
一層望ましい。
【0051】この理由としては、偏平状ゲル充填物の厚
さが25mmを超えると、含水ゲル等の必要量が多くな
りコスト高になるばかりか、重くなって取り扱い性が低
下し、しかも厚すぎて違和感が生じたり、使用感やフィ
ット感が悪化するため好ましくない。一方、0.5mm
未満では、含水ゲル等の量が少な過ぎて、温熱効果や冷
熱効果が乏しくなる結果、充分な美白等の化粧料による
効果や薬物による効果を得ることができなくなるため好
ましくない。従って、これらの観点から、本発明におけ
る偏平状ゲル充填物の厚さとしては、特に1.5〜15
mmの範囲とするのが望ましい。
【0052】なお、本発明において、偏平状ゲル充填物
の厚さとしては、含水ゲルを偏平状袋体に封入して、不
自然な偏りがないように均して静置した際の当該偏平状
ゲル充填物の厚みをいう。
【0053】本発明の温冷両用外用剤は、前記偏平状ゲ
ル充填物の片側面に有効成分の担持層を設けたことに最
も大きな特徴を有し、このように構成することにより、
美白等の化粧料による効果、疾患の早期治療効果、保型
性、取り扱い性及び安全性等が向上するのである。
【0054】本発明の温冷両用外用剤において、前記有
効成分の担持層としては、特に制限されるものではない
が、一般的には、例えば、不織布、織布、編み物、パル
プ製シート、ポリウレタンシート又は発泡スチロールシ
ート等の発泡合成樹脂製シートから選ばれた少なくとも
1種以上の基布を好適に用いることができる。
【0055】本発明の温冷両用外用剤において、前記基
布に予め有効成分が担持されている場合と、前記基布に
予め有効成分が担持されておらず、電子レンジ等の加熱
手段で偏平状ゲル充填物を加温、加熱した後、有効成分
を前記基布に担持させてから使用する場合の両方が挙げ
られるのであり、前者は予め有効成分が前記基布に担持
されているので取扱性が極めて容易であり、一方、後者
では電子レンジ等の加熱手段で加温、加熱する際に有効
成分が分解、変質するおそれがあるものでも使用が可能
となる結果、有効成分の使用範囲を拡張できるのであ
る。
【0056】又、本発明の温冷両用外用剤において、有
効成分の担持層が偏平状ゲル充填物に対して着脱可能と
なるように構成した場合には、当該有効成分の担持層を
適宜取り替えることができるようになり、極めて衛生的
で、しかも偏平状ゲル充填物の再利用が可能になる上、
特に、複雑な治療作業や身体の美化等の作業が非常に簡
単に行えるのであり、特に、有効成分が電子レンジ等の
加温・加熱手段で加温・加熱する際に分解、変質するお
それがある場合には有効成分の担持層を取り外してから
加温・加熱することによって、この弊害を確実に解消で
きるのである。
【0057】そして、本発明の温冷両用外用剤において
は、前記有効成分の担持層に、用途に応じた種々の有効
成分を担持させれば良いのであり、この有効成分として
は、例えば、湿布剤、化粧料、経皮吸収性薬剤、脂肪分
解成分、遠赤外線放射体、マイナスイオン発生体、竹酢
液又は木酢液等から選ばれた少なくとも一種を挙げるこ
とができる。
【0058】湿布剤としては、一般に湿布剤として使用
されているホウ酸水、生理的食塩水、硫苦水、アルコー
ル水、亜麻仁油、石灰水、肝油、オリーブ油、リバノー
ル水、過マンガン酸カリ液、メンタ水、クレオソート、
カラシ等を挙げることができるが、本発明においてはこ
れらが水分を含むことは必須ではなく、これらの有効成
分を微粉末ないし顆粒にした固形のものを用いることも
できる。
【0059】又、化粧料についても特に限定されるもの
ではなく、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、
容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つため
に身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用
されることが目的とされているもので、人に対する作用
が緩和な一般的な化粧料を適宜選択して用いることがで
きるが、具体的には、抗炎症剤、収れん剤、清涼化剤、
美白剤、保温剤、ビタミン剤、ホルモン剤、抗ヒスタミ
ン剤等の肌荒れ防止用薬剤、皮脂抑制剤、貼り剤、角質
剥離・溶解剤等のニキビ用薬剤、アロエエキス、人参エ
キス、カンゾウエキス等の動植物抽出物、アミノ酸類の
如き栄養剤等を挙げることができる。
【0060】次に、経皮吸収性の薬剤としては特に限定
されるものではなく、公知のものを適宜選択して用いる
ことができるが、具体的には、例えばコルチコステロイ
ド類、消炎鎮痛剤、高血圧剤、麻酔剤、催眠鎮静剤、精
神安定剤、降圧剤、抗生物質、抗菌性物質、ビタミン
類、抗てんかん剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、抗
真菌物質等を好適に用いることができる。
【0061】又、昇華性結晶やハッカ油、ユーカリ油、
ラベンダー油等が必要に応じて添加することも好ましい
態様の一つとなる。
【0062】更に、脂肪分解成分としては、新陳代謝を
高めたりして、脂肪の分解を促進する作用等を有する物
資であれば特に限定されるものではなく、具体的には例
えば、タイソウ抽出液、カフェイン、トナリン、トウガ
ラシエキス、オデオル、セイヨウキヅタ等を好適に用い
ることができる。
【0063】次に、遠赤外線放射体としては、遠赤外線
領域近辺の波長範囲を有する電磁波を好適に放射する機
能を有するものであれば特に限定されるものではない
が、具体的には、例えば前述のものが挙げられる。
【0064】又、マイナスイオン発生体の好ましい例と
してはトルマリンを挙げることができるのであり、この
トルマリンは電気石とも呼ばれ、細かく粉砕しても自発
的に結晶の両極に+極と−極が存在し、このトルマリン
の微弱電流が空気中の水分や人体の細胞に含まれる水分
に流れることによって水分がマイナスのヒドロキシルイ
オンと呼ばれる界面活性作用を持ったイオンに変化する
結果、神経系統への刺激となり視床下部の機能(体温調
節・ホルモン分泌・自律神経の調整)を高めて免疫力や
自然治癒の機能を活性化させる働きがある上、洗浄効
果、消臭効果及び除菌効果が得られるのである。
【0065】又、トルマリンは電子を半永久的に流し続
け、トルマリンの永久電極は、電気の導体である皮膚表
層やツボ(良導点)の部分に生体電流と同じレベルの数
十マイクロアンペアの電流を流し、この微弱電流は電流
刺激としての作用を生じ、その電気分解による発生させ
た活性水素が人体に悪影響を与える活性酸素を除去した
り、視床下部への働きを促進したり、人間の身体から放
出される熱を吸収し、遠赤外線を照射して人体の血液循
環が促進され新陳代謝が促進されたり、更に、トルマリ
ンから放出されるマイナスイオンは、心身をリラックス
させたり、疲労回復、血圧降下などの効果を発現するの
である。
【0066】このように、トルマリンの遠赤外線効果と
マイナスイオン効果によって、新陳代謝の活性化、血液
や細胞の活性・還元化、血行促進、肩こり、腰痛、冷え
性の改善、疲労回復、胃腸の強化、内臓疾患、水虫、ア
トピー、美肌効果、自律神経の安定(リラックス効
果)、免疫力の快復、身体の弱アルカリ化等、遠赤外線
効果とトルマリン特有のマイナスイオン効果などとの相
乗効果は極めて優れたものとなるのである。
【0067】又、木酢液や竹酢液は、木材や竹材を乾留
した際に得られる液体生成物のことをいい、防菌や防腐
作用を有するものである。
【0068】本発明においては、有効成分の担持層にお
いて、その有効成分の配合割合としては、特に限定され
るものではないが、一般に、化粧料や薬物等の有効成分
が含有されている化粧水、水薬、軟膏又は塗り薬等の製
剤の全体に対して、有効成分が50重量%以下、特に、
0.1〜35重量%の範囲、特に、0.5〜30重量%
の範囲とするのが望ましい。
【0069】この点について更に具体的に説明すると、
例えば製剤が化粧水の場合、化粧水の全体に対して、有
効成分が50重量%以下、特に、0.1〜35重量%の
範囲、特に、0.5〜30重量%の範囲とするのが望ま
しく、これは、軟膏等の他の製剤においても同様のこと
がいえるのである。
【0070】本発明においては、使用者が使用時に、前
記製剤を前記基布に任意の量を含浸ないし塗工等の手段
によって担持させても良いのである。又、本発明におい
て、前記製剤を予め前記基布に担持させるにあたり、そ
の割合は特に限定されるものではないが、化粧料として
の効果や薬効等を考慮すると、基布100重量部に対し
て、一般に、製剤が50〜3500重量部の範囲、好ま
しくは100〜3000重量部の範囲、特に、150〜
2500の範囲とするのが望ましい。
【0071】特に、本発明において、前記有効成分の担
持層は、前記偏平状ゲル充填物に対して接着剤層などを
用いて固定的に積層されていてもよいが、好ましくは、
前述のように、化粧水等の製剤を用いて着脱可能となる
ように構成することが望ましい。
【0072】即ち、有効成分の担持層が偏平状ゲル充填
物に対して着脱自在に構成することにより、有効成分の
担持層を取り替えるだけで常に本発明の温冷両用外用剤
を衛生的に維持することができる上、偏平状ゲル充填物
の再利用が可能となるばかりでなく、特に、一個の偏平
状ゲル充填物(温冷両用外用剤)を例えば家族全員で使
用できるので極めて経済的であり、更に、偏平状ゲル充
填物を使用前に洗浄して、一層清潔な状態で使用できる
ので望ましく、加えて、患部の治療や化粧が非常に簡単
に行えるようになるので望ましい。
【0073】この場合、製剤には前記有効成分が溶解な
いし分散されているが、当該製剤には化粧水などのよう
に本来接着力が無いものもあるが、濡れ等によって皮膚
との仮接着性を発現するのであり、この製剤としては、
前記基布に担持できるものであれば特に限定されるもの
ではないが、具体的には、例えば前述のように、化粧料
や薬物が含有された化粧水、飲み薬、軟膏、塗り薬等が
挙げられる。
【0074】更に詳しくは、有効成分の担持層が偏平状
ゲル充填物に対して着脱可能となるように構成すること
により、例えば、まず温湿布により皮膚角質層をルーズ
化して、有効成分の皮膚内部への投入を容易にしたり、
一方、偏平状ゲル充填物を冷却して、皮膚表面を収斂
し、薬理効果を一層高める等、複雑な治療作業が非常に
簡単に行えるようになり、疾患の治療効果を一層向上さ
せることができるのである。
【0075】加えて、有効成分の担持層が偏平状ゲル充
填物に対して着脱可能となるように構成することによ
り、有効成分の担持層と偏平状ゲル充填物を別個に取り
扱うことができるのであり、即ち、偏平状ゲル充填物の
みを加温したり冷却したりすることができることから、
加温や冷却に起因する有効成分の担持層中の有効成分の
劣化を防止することも可能となるのである。
【0076】ここで、有効成分の担持層が偏平状ゲル充
填物に対して着脱可能とする他の方法としては、特に限
定されるものではないが、一般的には、再粘着可能な粘
着剤層により有効成分の担持層と偏平状ゲル充填物を着
脱可能に粘着させる方法や、面状テープ、ホック、両面
テープ或いは磁石等を用いて有効成分の担持層と偏平状
ゲル充填物とが着脱自在となるように構成する方法など
が挙げられる。
【0077】そして、本発明の温冷両用外用剤を電子レ
ンジや湯等で加温して、人体の適用部位に施用された場
合にあっては、該適用部位に対して温湿布効果を付与
し、この温熱によって該適用部位の血行循環を好適に促
進して該適用部位の代謝の改善を実現することにより腰
痛、肩こり、関節痛、神経痛、リューマチ等の慢性疼痛
を除去或いは緩和させる温熱具となり得るのである。
【0078】一方、本発明の温冷両用外用剤を冷蔵庫や
冷凍庫等で冷却して、人体の適用部位に施用された場合
にあっては、該適用部位に対して冷湿布効果を付与し、
この冷熱によって打ち身や捻挫等の急性疼痛の腫れや痛
みを緩和し、又、頭痛や発熱等を好適に緩和、除去させ
る冷熱パットとなり得るのである。
【0079】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0080】実施例 (a)含水ゲル 含水ゲルとして、表1に示す成分のものを混練機で均一
に混練して得たものを用いた。
【0081】
【表1】
【0082】(b)偏平状袋体 縦22cm、横20cmの長方形であるポリエチレン製
無孔フィルム(厚さ20μm)とポリエステル製不織布
(厚さ25μm)のラミネート(積層)フィルムをその
ポリエチレン製無孔フィルムが重なるように2枚重ねに
し、その三周縁部をヒートシールによって熱融着するこ
とにより、非通気性かつ気密性の偏平状袋体(縦22c
m、横20cmの長方形)を得た。
【0083】(c)偏平状ゲル充填物 前記(a)において得られた含水ゲル150gを、前記
(b)の偏平状袋体に、空気を抜きながら投入すると共
に、当該投入口を熱融着して封入することにより、偏平
状ゲル充填物を得た。
【0084】(d)有効成分の担持層 有効成分の担持層として、ポリエステル20重量%、レ
ーヨン80重量%のスパンレース30g/m2(縦22
cm、横20cmの長方形)に、表2の成分の化粧水3
0gを含浸させたものを用いた。
【0085】
【表2】
【0086】前記(c)で得られた偏平状ゲル充填物の
片側面に、前記(d)の有効成分の担持層を面状テープ
を用いて積層することにより、本発明の温冷両用外用剤
を得た。
【0087】即ち、この温冷両用外用剤は、電子レンジ
や湯等の加温手段で加温した場合には施用箇所に温湿布
効果を付与するための温熱治療具として好適に使用する
ことができるのであり、この場合、この温冷両用外用剤
において、前記(d)の有効成分の担持層を取り外し、
偏平状ゲル充填物のみを電子レンジや湯等の加温手段で
加温した後、この有効成分の担持層を面状テープを用い
て積層し、使用しても良いのである。
【0088】一方、この温冷両用外用剤を冷蔵庫や冷凍
庫で冷却した場合には、施用箇所に冷湿布効果を付与す
ることができる冷熱パット等として好適に使用すること
ができるのである。
【0089】比較試験 肌荒れに悩む被験者(パネラー)15人を5人ずつ3グ
ループ(A〜C)に分け、前記実施例の温冷両用外用剤
を500Wの電子レンジで1分間加熱したものをグルー
プAに、又、前記(c)の偏平状ゲル充填物のみを同じ
電子レンジで1分間加熱し、これに前記(d)の有効成
分の担持層を面状テープを用いて積層したものをグルー
プBに、更に前記(d)の有効成分の担持層のみをグル
ープCのパネラーに実際に使用して頂いた。
【0090】なお、被験者は、ほぼ同じ体格(身長15
5〜160cm、体重50〜54.5kg程度)の25
〜33歳の成人女性であり、毎晩、風呂あがりに顔面に
20分間あてがって7日間使用して頂いた。
【0091】試験後、各グループの被験者にそれぞれの
使用感等に関するアンケート調査を行ったところ、実施
例の温冷両用外用剤を使用したグループA及びグループ
Bにおいては、5人全員が起床時において肌荒れの軽減
を認めており、特に、グループBにおいては特に5人全
員が起床時において肌荒れの軽減が著しいと認めている
のに対し、(d)の有効成分の担持層を使用したグルー
プCにおいては、5人中2人しか起床時において肌荒れ
の軽減を認めなかった。
【0092】
【効果】本発明は、前記構成を有し、水及び吸水性ポリ
マーを必須構成成分とする含水ゲルを偏平状袋体に封入
した偏平状ゲル充填物において、更に、当該偏平状ゲル
充填物の片側面に有効成分の担持層を設けることによ
り、疾患の早期治療を実現することができる上、取り扱
い性、安全性及び使用感を向上することができるなどの
効果を有するのである。
【0093】即ち、本発明においては、偏平状ゲル充填
物の片側面に有効成分の担持層を設けることにより、偏
平状ゲル充填物の温熱効果或いは冷熱効果に加えて、人
体の適用部位の深層部(内部)に対して、温湿布効果或
いは冷湿布効果を付与することができる結果、疾患の早
期治療を実現することができる効果を有するのである。
【0094】又、本発明は、このように構成することに
より、有効成分の担持層が偏平状ゲル充填物からの温熱
或いは冷熱の緩衝材となり、低温やけどや過剰冷却等に
よる皮膚障害が生じることを防止し、取り扱い性や安全
性が著しく向上するなどの効果も発現するのである。
【0095】更に、本発明においては、偏平状ゲル充填
物の片側面に有効成分の担持層を設けることにより、有
効成分の担持層が偏平状ゲル充填物の保型性を向上さ
せ、圧力等が加わっても偏平状ゲル充填物の形状を保持
し、偏平状ゲル充填物の型くずれが防止できるので、使
用感を一層向上させることができるなどの効果も奏する
のである。
【0096】加えて、本発明においては、有効成分の担
持層が偏平状ゲル充填物に対して着脱自在に構成するこ
とにより、当該有効成分の担持層を適宜取り替えること
ができるようになり、衛生的でしかも偏平状ゲル充填物
の再利用が可能になる上、特に、一個の偏平状ゲル充填
物(温冷両用外用剤)を例えば家族全員で使用できるの
で極めて経済的であり、又、偏平状ゲル充填物を使用前
に洗浄して、一層清潔な状態で使用できたり、更に、患
部の治療や化粧が非常に簡単に行えるようになるなどの
効果も発現するのである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水及び吸水性ポリマーを必須構成成分と
    する含水ゲルを偏平状袋体内に封入してなる偏平状ゲル
    充填物において、この偏平状ゲル充填物の片側面には有
    効成分の担持層が設けられていることを特徴とする温冷
    両用外用剤。
  2. 【請求項2】 有効成分の担持層が、不織布、織布、編
    み物、パルプ製シート、ポリウレタンシート又は発泡ス
    チロールシート等の発泡合成樹脂製シートから選ばれた
    少なくとも1種以上の基布である請求項1に記載の温冷
    両用外用剤。
  3. 【請求項3】 有効成分の担持層が、不織布、織布、編
    み物、パルプ製シート、ポリウレタンシート又は発泡ス
    チロールシート等の発泡合成樹脂製シートから選ばれた
    少なくとも1種以上の基布に有効成分を担持させたもの
    である請求項1に記載の温冷両用外用剤。
  4. 【請求項4】 有効成分が、湿布剤、化粧料、経皮吸収
    性薬剤、脂肪分解成分、遠赤外放射物質、マイナスイオ
    ン発生体、竹酢液又は木酢液から選ばれた少なくとも1
    種以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    温冷両用外用剤。
  5. 【請求項5】 有効成分の担持層が、偏平状ゲル充填物
    に対して着脱可能である請求項1ないし4のいずれか1
    項に記載の温冷両用外用剤。
  6. 【請求項6】 有効成分の担持層が、偏平状ゲル充填物
    に対して、粘着剤層、面状テープ、ホック、両面テープ
    或いは磁石などにより、着脱可能となるように構成され
    ている請求項5に記載の温冷両用外用剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017025020A (ja) * 2015-07-22 2017-02-02 花王株式会社 含水ゲルシート

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JP2017025020A (ja) * 2015-07-22 2017-02-02 花王株式会社 含水ゲルシート

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