JP2003200013A - エアフィルタ濾材、それを用いたエアフィルタパック及びエアフィルタユニット並びにエアフィルタ濾材の製造方法 - Google Patents
エアフィルタ濾材、それを用いたエアフィルタパック及びエアフィルタユニット並びにエアフィルタ濾材の製造方法Info
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- JP2003200013A JP2003200013A JP2002000896A JP2002000896A JP2003200013A JP 2003200013 A JP2003200013 A JP 2003200013A JP 2002000896 A JP2002000896 A JP 2002000896A JP 2002000896 A JP2002000896 A JP 2002000896A JP 2003200013 A JP2003200013 A JP 2003200013A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧力損失の上昇及び捕集効率の低下の程度が
抑えられたエアフィルター濾材提供することにある。 【解決手段】 このフィルタ濾材は、多孔膜と、第1不
織布とを備えている。多孔膜はPTFEからなる。第1
不織布は、多孔膜の少なくとも片面にラミネートされ
る。そして、第1不織布は、芯部43と複数の葉部45
とからなる芯/葉複合繊維で構成される。芯部43は、
第1熱可塑性樹脂かならる。複数の葉部45は、第1熱
可塑性樹脂との融点差が20℃以上である第2熱可塑性
樹脂からなり、芯部43より小径であるとともに、芯部
43の外周側に円周方向に間隔を空けて配置されてい
る。
抑えられたエアフィルター濾材提供することにある。 【解決手段】 このフィルタ濾材は、多孔膜と、第1不
織布とを備えている。多孔膜はPTFEからなる。第1
不織布は、多孔膜の少なくとも片面にラミネートされ
る。そして、第1不織布は、芯部43と複数の葉部45
とからなる芯/葉複合繊維で構成される。芯部43は、
第1熱可塑性樹脂かならる。複数の葉部45は、第1熱
可塑性樹脂との融点差が20℃以上である第2熱可塑性
樹脂からなり、芯部43より小径であるとともに、芯部
43の外周側に円周方向に間隔を空けて配置されてい
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアフィルタ濾
材、それを用いたエアフィルタパック及びエアフィルタ
ユニット並びにエアフィルタ濾材の製造方法に関する。
材、それを用いたエアフィルタパック及びエアフィルタ
ユニット並びにエアフィルタ濾材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】クリーンルーム内、液晶又は半導体製造
装置内等の空気清浄に使用される高性能エアフィルタ濾
材として、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTF
E)からなる多孔膜を利用した濾材がある。このPTF
E多孔膜は、膜強度を向上させ取り扱い性を良くするた
めに、通常、PTFE多孔膜を両側から狭持するよう配
置された通気性支持材と熱融着ラミネートされる。この
ような通気性支持材としては、一般に、芯がポリエステ
ルからなり鞘がポリエチレンからなる芯鞘複合繊維の不
織布が用いられている。芯/鞘構造の不織布が通気性支
持材として一般的に用いられるのは、熱融着ラミネート
時に、鞘部だけが溶融し、芯部は溶融しないため、収縮
がおこらず、皺なく熱融着ラミネートができるためであ
る。
装置内等の空気清浄に使用される高性能エアフィルタ濾
材として、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTF
E)からなる多孔膜を利用した濾材がある。このPTF
E多孔膜は、膜強度を向上させ取り扱い性を良くするた
めに、通常、PTFE多孔膜を両側から狭持するよう配
置された通気性支持材と熱融着ラミネートされる。この
ような通気性支持材としては、一般に、芯がポリエステ
ルからなり鞘がポリエチレンからなる芯鞘複合繊維の不
織布が用いられている。芯/鞘構造の不織布が通気性支
持材として一般的に用いられるのは、熱融着ラミネート
時に、鞘部だけが溶融し、芯部は溶融しないため、収縮
がおこらず、皺なく熱融着ラミネートができるためであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エアフィル
タ濾材の性能を示す特性として捕集効率と圧力損失とが
ある。PTFE多孔膜は、従来のガラスフィルター濾材
に比べ繊維が細いため高い捕集効率を有するとともに、
圧力損失は低く抑えられている。しかし、PTFE多孔
膜は、不織布と熱融着ラミネートされると、不織布から
の圧接力を受けることにより繊維構造が変化してしま
う。この結果、エアフィルタ濾材に欠陥が生じたり、エ
アフィルタ濾材の圧力損失が上昇したり、捕集効率が低
下する等の問題が生じる。熱融着ラミネート時に芯/鞘
構造の不織布がPTFE多孔膜に対して及ぼす圧接力に
は、不織布の芯の部分に用いられるポリエステルの剛性
が大きく寄与していることが本願出願人の研究により判
明した。すなわち、従来の不織布では、芯に堅いポリエ
ステルを用いているため、熱融着ラミネート時にPTF
E多孔膜に対しダメージを与え易いことが明らかとなっ
た。
タ濾材の性能を示す特性として捕集効率と圧力損失とが
ある。PTFE多孔膜は、従来のガラスフィルター濾材
に比べ繊維が細いため高い捕集効率を有するとともに、
圧力損失は低く抑えられている。しかし、PTFE多孔
膜は、不織布と熱融着ラミネートされると、不織布から
の圧接力を受けることにより繊維構造が変化してしま
う。この結果、エアフィルタ濾材に欠陥が生じたり、エ
アフィルタ濾材の圧力損失が上昇したり、捕集効率が低
下する等の問題が生じる。熱融着ラミネート時に芯/鞘
構造の不織布がPTFE多孔膜に対して及ぼす圧接力に
は、不織布の芯の部分に用いられるポリエステルの剛性
が大きく寄与していることが本願出願人の研究により判
明した。すなわち、従来の不織布では、芯に堅いポリエ
ステルを用いているため、熱融着ラミネート時にPTF
E多孔膜に対しダメージを与え易いことが明らかとなっ
た。
【0004】また、熱融着ラミネート時に不織布繊維の
鞘部がPTFE多孔膜に融着するため、その部分のPT
FE多孔膜が目詰まりし、圧力損失の上昇の原因とな
る。更に、濾材としてのPTFE多孔膜は、繊維径が小
さく、目も細かいので保塵特性は従来のガラス濾材と比
べ小さかった。本発明の目的は、熱融着ラミネート時に
皺が入ることがないことに加え、圧力損失の上昇及び捕
集効率の低下の程度が抑えられたエアフィルタ濾材、エ
アフィルタパック及びエアフィルタユニット、並びに圧
力損失の上昇及び捕集効率の低下の程度が抑えられるエ
アフィルタ濾材の製造方法を提供することにある。
鞘部がPTFE多孔膜に融着するため、その部分のPT
FE多孔膜が目詰まりし、圧力損失の上昇の原因とな
る。更に、濾材としてのPTFE多孔膜は、繊維径が小
さく、目も細かいので保塵特性は従来のガラス濾材と比
べ小さかった。本発明の目的は、熱融着ラミネート時に
皺が入ることがないことに加え、圧力損失の上昇及び捕
集効率の低下の程度が抑えられたエアフィルタ濾材、エ
アフィルタパック及びエアフィルタユニット、並びに圧
力損失の上昇及び捕集効率の低下の程度が抑えられるエ
アフィルタ濾材の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るエアフィ
ルタ濾材は、多孔膜と、第1不織布とを備えている。多
孔膜はPTFEからなる。第1不織布は、第1熱可塑性
樹脂からなる芯部と、第1熱可塑性樹脂との融点差が2
0℃以上である第2熱可塑性樹脂からなりかつ芯部より
小径であるとともに芯部の外周側に円周方向に間隔を空
けて配置された複数の葉部とからなる芯/葉複合繊維で
構成されている。芯部及び葉部は、一方の融点と他方の
融点の差が20℃以上であればどちらがより低い融点で
あってもよく、芯/鞘構造の不織布のように鞘部(葉
部)の融点が芯部の融点より低くなくてもよい。なお、
本発明において、芯部及び葉部に用いる樹脂が融点を持
たない場合は軟化点を代用する。
ルタ濾材は、多孔膜と、第1不織布とを備えている。多
孔膜はPTFEからなる。第1不織布は、第1熱可塑性
樹脂からなる芯部と、第1熱可塑性樹脂との融点差が2
0℃以上である第2熱可塑性樹脂からなりかつ芯部より
小径であるとともに芯部の外周側に円周方向に間隔を空
けて配置された複数の葉部とからなる芯/葉複合繊維で
構成されている。芯部及び葉部は、一方の融点と他方の
融点の差が20℃以上であればどちらがより低い融点で
あってもよく、芯/鞘構造の不織布のように鞘部(葉
部)の融点が芯部の融点より低くなくてもよい。なお、
本発明において、芯部及び葉部に用いる樹脂が融点を持
たない場合は軟化点を代用する。
【0006】芯/葉複合繊維は、2種の熱可塑性樹脂か
らなる芯部及び複数の葉部で構成され、繊維断面が芯部
の周囲を複数の葉部が取り囲んだ状態になっており、各
葉部の繊維は、従来の芯/鞘複合繊維の鞘部に比べ非常
に細く、剛性が小さくなっている。このため、PTFE
多孔膜に芯/葉構造の不織布を熱融着ラミネートする際
にPTFE多孔膜が不織布から受ける圧接力は、芯/鞘
構造の不織布を熱融着ラミネートする場合に比べ小さく
なり、これにより、PTFE多孔膜が受ける機械的ダメ
ージが軽減される。この結果、圧力損失の上昇及び捕集
効率の低下の程度が抑えられたエアフィルタ濾材を得る
ことができる。
らなる芯部及び複数の葉部で構成され、繊維断面が芯部
の周囲を複数の葉部が取り囲んだ状態になっており、各
葉部の繊維は、従来の芯/鞘複合繊維の鞘部に比べ非常
に細く、剛性が小さくなっている。このため、PTFE
多孔膜に芯/葉構造の不織布を熱融着ラミネートする際
にPTFE多孔膜が不織布から受ける圧接力は、芯/鞘
構造の不織布を熱融着ラミネートする場合に比べ小さく
なり、これにより、PTFE多孔膜が受ける機械的ダメ
ージが軽減される。この結果、圧力損失の上昇及び捕集
効率の低下の程度が抑えられたエアフィルタ濾材を得る
ことができる。
【0007】また、従来の芯/鞘構造の不織布では、外
気中の粒子は不織布を素通りしてPTFE多孔膜に直接
捕捉されていたが、このエアフィルタ濾材では、芯/鞘
構造の不織布の鞘部の繊維より小径の葉部の繊維が芯部
の周囲に複数配置された構成であるため、不織布にプレ
フィルタ的な役割を持たせることができる。したがっ
て、このエアフィルタ濾材では、PTFE多孔膜の負荷
を減らして、エアフィルタ濾材全体としての保塵量を向
上させることができる。
気中の粒子は不織布を素通りしてPTFE多孔膜に直接
捕捉されていたが、このエアフィルタ濾材では、芯/鞘
構造の不織布の鞘部の繊維より小径の葉部の繊維が芯部
の周囲に複数配置された構成であるため、不織布にプレ
フィルタ的な役割を持たせることができる。したがっ
て、このエアフィルタ濾材では、PTFE多孔膜の負荷
を減らして、エアフィルタ濾材全体としての保塵量を向
上させることができる。
【0008】上記効果は、芯/葉構造の不織布がPTF
E多孔膜の少なくとも片面に熱融着ラミネートされたエ
アフィルタ濾材で、フィルタとして上流側に芯/葉構造
の不織布が配置されておれば発揮されるので、エアフィ
ルタ濾材の構成としては、芯/葉構造の不織布−PTF
E多孔膜、芯/葉構造の不織布−PTFE多孔膜−芯/
葉構造の不織布、芯/葉構造の不織布−PTFE多孔膜
−芯/鞘構造の不織布等の組合せであっても良い。ま
た、PTFE多孔膜を複数層使用する場合、フィルタと
して最上流側に芯/葉構造の不織布が配置されておれば
良く、エアフィルタ濾材の構成としては、芯/葉構造の
不織布−PTFE多孔膜−PTFE多孔膜、芯/葉構造
の不織布−PTFE多孔膜−PTFE多孔膜−芯/葉構
造の不織布又は芯/鞘構造の不織布、芯/葉構造の不織
布−PTFE多孔膜−芯/葉構造の不織布又は芯/鞘構
造の不織布−PTFE多孔膜、芯/葉構造の不織布−P
TFE多孔膜−芯/葉構造の不織布又は芯/鞘構造の不
織布−PTFE多孔膜−芯/葉構造の不織布又は芯/鞘
構造の不織布等の組合せであっても良い。
E多孔膜の少なくとも片面に熱融着ラミネートされたエ
アフィルタ濾材で、フィルタとして上流側に芯/葉構造
の不織布が配置されておれば発揮されるので、エアフィ
ルタ濾材の構成としては、芯/葉構造の不織布−PTF
E多孔膜、芯/葉構造の不織布−PTFE多孔膜−芯/
葉構造の不織布、芯/葉構造の不織布−PTFE多孔膜
−芯/鞘構造の不織布等の組合せであっても良い。ま
た、PTFE多孔膜を複数層使用する場合、フィルタと
して最上流側に芯/葉構造の不織布が配置されておれば
良く、エアフィルタ濾材の構成としては、芯/葉構造の
不織布−PTFE多孔膜−PTFE多孔膜、芯/葉構造
の不織布−PTFE多孔膜−PTFE多孔膜−芯/葉構
造の不織布又は芯/鞘構造の不織布、芯/葉構造の不織
布−PTFE多孔膜−芯/葉構造の不織布又は芯/鞘構
造の不織布−PTFE多孔膜、芯/葉構造の不織布−P
TFE多孔膜−芯/葉構造の不織布又は芯/鞘構造の不
織布−PTFE多孔膜−芯/葉構造の不織布又は芯/鞘
構造の不織布等の組合せであっても良い。
【0009】請求項2に係るエアフィルタ濾材は、請求
項1のエアフィルタ濾材において、第1熱可塑性樹脂
は、第2熱可塑性樹脂より低融点である。このエアフィ
ルタ濾材では、不織布のPTFE多孔膜との熱融着ラミ
ネート時に、芯部の樹脂が溶け、葉部の隙間を通り、P
TFE多孔膜との融着が達成できる。この場合、芯/鞘
構造の不織布では、溶けた鞘部の太い繊維がPTFE多
孔膜に接触して融着されるのに対し、芯/葉構造の不織
布では、葉部の隙間から滲み出した芯部の樹脂がPTF
E多孔膜に接触して融着現象が起こる。
項1のエアフィルタ濾材において、第1熱可塑性樹脂
は、第2熱可塑性樹脂より低融点である。このエアフィ
ルタ濾材では、不織布のPTFE多孔膜との熱融着ラミ
ネート時に、芯部の樹脂が溶け、葉部の隙間を通り、P
TFE多孔膜との融着が達成できる。この場合、芯/鞘
構造の不織布では、溶けた鞘部の太い繊維がPTFE多
孔膜に接触して融着されるのに対し、芯/葉構造の不織
布では、葉部の隙間から滲み出した芯部の樹脂がPTF
E多孔膜に接触して融着現象が起こる。
【0010】したがって、このエアフィルタ濾材では、
芯/鞘構造の不織布を用いた場合に比べ、熱融着ラミネ
ート時のPTFE多孔膜への圧接力が小さくなり、PT
FE多孔膜へのダメージが緩和されるとともに、PTF
E多孔膜の目詰まり部分が少なくなる。請求項3に係る
エアフィルタ濾材は、請求項1のエアフィルタ濾材にお
いて、第2熱可塑性樹脂は、第1熱可塑性樹脂より低融
点である。
芯/鞘構造の不織布を用いた場合に比べ、熱融着ラミネ
ート時のPTFE多孔膜への圧接力が小さくなり、PT
FE多孔膜へのダメージが緩和されるとともに、PTF
E多孔膜の目詰まり部分が少なくなる。請求項3に係る
エアフィルタ濾材は、請求項1のエアフィルタ濾材にお
いて、第2熱可塑性樹脂は、第1熱可塑性樹脂より低融
点である。
【0011】このエアフィルタ濾材では、不織布のPT
FE多孔膜との熱融着ラミネート時に、微細な葉部の繊
維が溶け、PTFE多孔膜との融着が達成できる。この
場合、芯/鞘構造の不織布では、溶けた鞘部の太い繊維
がPTFE多孔膜に接触して融着されるのに対し、芯/
葉構造の不織布では、葉部の繊維は芯鞘繊維に比べ非常
に細い。
FE多孔膜との熱融着ラミネート時に、微細な葉部の繊
維が溶け、PTFE多孔膜との融着が達成できる。この
場合、芯/鞘構造の不織布では、溶けた鞘部の太い繊維
がPTFE多孔膜に接触して融着されるのに対し、芯/
葉構造の不織布では、葉部の繊維は芯鞘繊維に比べ非常
に細い。
【0012】したがって、このエアフィルタ濾材では、
芯/鞘構造の不織布を用いた場合に比べ、熱融着ラミネ
ート時のPTFE多孔膜への圧接力が小さくなり、PT
FE多孔膜へのダメージが緩和されるとともに、PTF
E多孔膜の目詰まり部分が少なくなる。請求項4に係る
エアフィルタ濾材は、多孔膜と、第1不織布とを備えて
いる。多孔膜は、PTFEからなる。第1不織布は、多
孔膜の少なくとも片側に熱融着ラミネートされる。そし
て、不織布の繊維はそれぞれ、融点差が20℃以上であ
る2種の熱可塑性樹脂よりなり、繊維断面において少な
くとも一つ以上の窪み部を有し、下式のA値が0.9以
下である異形複合長繊維で構成された長繊維不織布で、
長繊維不織布が部分熱圧接部を有し、部分熱圧接部にお
いて低融点重合体が溶融又は軟化することにより構成繊
維同士を接着させ、全体として一体化していることを特
徴とする。 [数1] A=r/R r:繊維断面における内接円の半径 R:繊維断面における外接円の半径 このエアフィルタ濾材では、第1不織布は、2種の熱可
塑性樹脂からなり繊維断面において1つ以上の窪みを有
しかつ特定の異形度を有する結果、芯/葉構造を有して
いる。このため、PTFE多孔膜に芯/葉構造の不織布
を熱融着ラミネートする際にPTFE多孔膜が不織布か
ら受ける圧接力は、芯/鞘構造の不織布を熱融着ラミネ
ートする場合に比べ小さくなり、これにより、PTFE
多孔膜が受ける機械的ダメージが軽減される。この結
果、圧力損失の上昇及び捕集効率の低下の程度が抑えら
れたエアフィルタ濾材を得ることができる。
芯/鞘構造の不織布を用いた場合に比べ、熱融着ラミネ
ート時のPTFE多孔膜への圧接力が小さくなり、PT
FE多孔膜へのダメージが緩和されるとともに、PTF
E多孔膜の目詰まり部分が少なくなる。請求項4に係る
エアフィルタ濾材は、多孔膜と、第1不織布とを備えて
いる。多孔膜は、PTFEからなる。第1不織布は、多
孔膜の少なくとも片側に熱融着ラミネートされる。そし
て、不織布の繊維はそれぞれ、融点差が20℃以上であ
る2種の熱可塑性樹脂よりなり、繊維断面において少な
くとも一つ以上の窪み部を有し、下式のA値が0.9以
下である異形複合長繊維で構成された長繊維不織布で、
長繊維不織布が部分熱圧接部を有し、部分熱圧接部にお
いて低融点重合体が溶融又は軟化することにより構成繊
維同士を接着させ、全体として一体化していることを特
徴とする。 [数1] A=r/R r:繊維断面における内接円の半径 R:繊維断面における外接円の半径 このエアフィルタ濾材では、第1不織布は、2種の熱可
塑性樹脂からなり繊維断面において1つ以上の窪みを有
しかつ特定の異形度を有する結果、芯/葉構造を有して
いる。このため、PTFE多孔膜に芯/葉構造の不織布
を熱融着ラミネートする際にPTFE多孔膜が不織布か
ら受ける圧接力は、芯/鞘構造の不織布を熱融着ラミネ
ートする場合に比べ小さくなり、これにより、PTFE
多孔膜が受ける機械的ダメージが軽減される。この結
果、圧力損失の上昇及び捕集効率の低下の程度が抑えら
れたエアフィルタ濾材を得ることができる。
【0013】また、このエアフィルタ濾材では、不織布
は、繊維断面において一つ以上の窪み部を有しかつ特定
の異形度を有することで表面積が大きくなっているた
め、粒子が接触しやすく、プレフィルタ的な機能を有し
ている。したがって、このエアフィルタ濾材では、濾材
全体としての保塵量が向上される。請求項5に係るエア
フィルタ濾材は、請求項1から4のいずれかのエアフィ
ルタ濾材において第1不織布は、多孔膜の両面に熱融着
ラミネートされている。
は、繊維断面において一つ以上の窪み部を有しかつ特定
の異形度を有することで表面積が大きくなっているた
め、粒子が接触しやすく、プレフィルタ的な機能を有し
ている。したがって、このエアフィルタ濾材では、濾材
全体としての保塵量が向上される。請求項5に係るエア
フィルタ濾材は、請求項1から4のいずれかのエアフィ
ルタ濾材において第1不織布は、多孔膜の両面に熱融着
ラミネートされている。
【0014】PTFE多孔膜の両側に不織布が熱融着ラ
ミネートされたエアフィルタ濾材では、熱融着ラミネー
ト時にPTFE多孔膜が不織布から受ける圧接力は、P
TFE多孔膜の片側に不織布が熱融着ラミネートされる
場合に比べ大きくなる。しかし、このエアフィルタ濾材
では、不織布として芯/葉構造のものが用いられている
ため、PTFE多孔膜が不織布から受けるダメージは、
芯/鞘構造の不織布が用いられた場合に比べ低減され
る。したがって、ここでは、PTFE多孔膜の両側が不
織布で支持されたエアフィルタ濾材においても、圧力損
失が上昇し捕集効率が低下する程度を抑えることができ
る。
ミネートされたエアフィルタ濾材では、熱融着ラミネー
ト時にPTFE多孔膜が不織布から受ける圧接力は、P
TFE多孔膜の片側に不織布が熱融着ラミネートされる
場合に比べ大きくなる。しかし、このエアフィルタ濾材
では、不織布として芯/葉構造のものが用いられている
ため、PTFE多孔膜が不織布から受けるダメージは、
芯/鞘構造の不織布が用いられた場合に比べ低減され
る。したがって、ここでは、PTFE多孔膜の両側が不
織布で支持されたエアフィルタ濾材においても、圧力損
失が上昇し捕集効率が低下する程度を抑えることができ
る。
【0015】請求項6に係るエアフィルタ濾材は、請求
項1から4のいずれかのエアフィルタ濾材において、第
1不織布が多孔膜の一方の面に熱融着ラミネートされて
おり、第2不織布をさらに備えている。第2不織布は、
多孔膜の他方の面に熱融着ラミネートされるとともに、
芯部と、芯部よりも融点が低い鞘部とからなる芯/鞘複
合繊維で構成されている。
項1から4のいずれかのエアフィルタ濾材において、第
1不織布が多孔膜の一方の面に熱融着ラミネートされて
おり、第2不織布をさらに備えている。第2不織布は、
多孔膜の他方の面に熱融着ラミネートされるとともに、
芯部と、芯部よりも融点が低い鞘部とからなる芯/鞘複
合繊維で構成されている。
【0016】本発明のエアフィルタ濾材は、上述のよう
に、上流側に第1不織布が配置されていれば、下流側に
配置される不織布の種類は特に限定されない。ここでは
特に、PTFE多孔膜の上流側に第1不織布が配置さ
れ、下流側に第2不織布が配置された場合を対象とし、
この場合において、熱融着ラミネート時の皺の発生を抑
制するとともに、圧力損失の上昇及び捕集効率の低下の
程度を抑えることとしている。
に、上流側に第1不織布が配置されていれば、下流側に
配置される不織布の種類は特に限定されない。ここでは
特に、PTFE多孔膜の上流側に第1不織布が配置さ
れ、下流側に第2不織布が配置された場合を対象とし、
この場合において、熱融着ラミネート時の皺の発生を抑
制するとともに、圧力損失の上昇及び捕集効率の低下の
程度を抑えることとしている。
【0017】請求項7に係るエアフィルタ濾材は、請求
項1から6のいずれかのエアフィルタ濾材において、
5.3cm/秒の流速で空気を透過させたときの圧力損
失と、粒子径0.10μm以上0.12μm以下のシリ
カ粒子を用いて測定した捕集効率とから下記式 [数2] PF1=[-log(透過率(%)/100)/圧力損失
(Pa)]×100 (ここで、透過率(%)=100−捕集効率(%)であ
る) に従って算出されるPF1値が22、好ましくは25、
更に好ましくは32を超える。
項1から6のいずれかのエアフィルタ濾材において、
5.3cm/秒の流速で空気を透過させたときの圧力損
失と、粒子径0.10μm以上0.12μm以下のシリ
カ粒子を用いて測定した捕集効率とから下記式 [数2] PF1=[-log(透過率(%)/100)/圧力損失
(Pa)]×100 (ここで、透過率(%)=100−捕集効率(%)であ
る) に従って算出されるPF1値が22、好ましくは25、
更に好ましくは32を超える。
【0018】PF1値の高いエアフィルタ濾材では、P
TFE多孔膜の繊維がより細く、充填率がより小さい微
細な繊維構造になっているため、高PF1値のエアフィ
ルタ濾材が熱融着ラミネート時に不織布から受けるダメ
ージは、低PF1値のエアフィルタ濾材に比べ大きくな
る。このため、不織布の熱融着ラミネートによるエアフ
ィルタ濾材の圧力損失の上昇及び捕集効率の低下の程度
も大きくなる。
TFE多孔膜の繊維がより細く、充填率がより小さい微
細な繊維構造になっているため、高PF1値のエアフィ
ルタ濾材が熱融着ラミネート時に不織布から受けるダメ
ージは、低PF1値のエアフィルタ濾材に比べ大きくな
る。このため、不織布の熱融着ラミネートによるエアフ
ィルタ濾材の圧力損失の上昇及び捕集効率の低下の程度
も大きくなる。
【0019】そこで、このエアフィルタ濾材では、特
に、PF1値の高いエアフィルタ濾材において、不織布
として芯/葉構造のものが用いられているため、熱融着
ラミネート時にPTFE多孔膜が受けるダメージが低減
されるようにしている。請求項8に係るエアフィルタ濾
材は、請求項1から7のいずれかのエアフィルタ濾材に
おいて、濾材透過風速が1.4cm/秒の場合における
粒子径が0.3μm以上の粒子の捕集効率が99.97
%以上でありかつ濾材透過風速が1.4cm/秒の場合
における圧力損失が15Pa以上250Pa以下である
エアフィルタユニットに用いられる。
に、PF1値の高いエアフィルタ濾材において、不織布
として芯/葉構造のものが用いられているため、熱融着
ラミネート時にPTFE多孔膜が受けるダメージが低減
されるようにしている。請求項8に係るエアフィルタ濾
材は、請求項1から7のいずれかのエアフィルタ濾材に
おいて、濾材透過風速が1.4cm/秒の場合における
粒子径が0.3μm以上の粒子の捕集効率が99.97
%以上でありかつ濾材透過風速が1.4cm/秒の場合
における圧力損失が15Pa以上250Pa以下である
エアフィルタユニットに用いられる。
【0020】このような性能を有するエアフィルタユニ
ットは、一般に、HEPA(High Efficiency Particul
ate Air)フィルタとしての規格を有し、高い清浄度が
要求される空間での使用に適しているが、微細な繊維構
造を有しているため、熱融着ラミネート時のダメージが
大きくなりやすい。そこで、ここでは、芯/葉構造の不
織布を用いることで、熱融着ラミネート時に繊維構造が
ダメージを受けるのを抑え、HEPAフィルタとしての
機能を確保できるようにしている。
ットは、一般に、HEPA(High Efficiency Particul
ate Air)フィルタとしての規格を有し、高い清浄度が
要求される空間での使用に適しているが、微細な繊維構
造を有しているため、熱融着ラミネート時のダメージが
大きくなりやすい。そこで、ここでは、芯/葉構造の不
織布を用いることで、熱融着ラミネート時に繊維構造が
ダメージを受けるのを抑え、HEPAフィルタとしての
機能を確保できるようにしている。
【0021】請求項9に係るエアフィルタ濾材、請求項
1から7のいずれかのエアフィルタ濾材において、濾材
透過風速が1.4cm/秒の場合における粒子径が0.
1μm以上の粒子の捕集効率が99.9999%以上で
ありかつ濾材透過風速が1.4cm/秒の場合における
圧力損失が30Pa以上250Pa以下であるエアフィ
ルタユニットに用いられる。
1から7のいずれかのエアフィルタ濾材において、濾材
透過風速が1.4cm/秒の場合における粒子径が0.
1μm以上の粒子の捕集効率が99.9999%以上で
ありかつ濾材透過風速が1.4cm/秒の場合における
圧力損失が30Pa以上250Pa以下であるエアフィ
ルタユニットに用いられる。
【0022】このような性質を有するエアフィルタユニ
ットは、一般に、ULPA(Ultralow Penetration Ai
r)フィルタとしての規格を有し、HEPAフィルタよ
りさらに高い清浄度が要求される空間での使用に適して
いるが、HEPAフィルタに比べさらに微細な繊維構造
を有しているため、熱融着ラミネート時のダメージがよ
り大きなものとなってしまう。
ットは、一般に、ULPA(Ultralow Penetration Ai
r)フィルタとしての規格を有し、HEPAフィルタよ
りさらに高い清浄度が要求される空間での使用に適して
いるが、HEPAフィルタに比べさらに微細な繊維構造
を有しているため、熱融着ラミネート時のダメージがよ
り大きなものとなってしまう。
【0023】そこで、ここでは、芯/葉構造の不織布を
用いることで、熱融着ラミネート時に繊維構造がダメー
ジを受けるのを抑え、ULPAフィルタとしての機能を
確保できるようにしている。請求項10に係るエアフィ
ルタパックは、請求項1から9のいずれかに記載のエア
フィルタ濾材が所定形状に形成されてなる。
用いることで、熱融着ラミネート時に繊維構造がダメー
ジを受けるのを抑え、ULPAフィルタとしての機能を
確保できるようにしている。請求項10に係るエアフィ
ルタパックは、請求項1から9のいずれかに記載のエア
フィルタ濾材が所定形状に形成されてなる。
【0024】エアフィルタ濾材は、一般に、エアフィル
タユニット等としてさらに加工されるために、所定の形
状に加工されることが多いが、このような加工の際に、
加工装置に装着された部材等からの圧接力を受けて、ダ
メージを受ける場合がある。しかし、このエアフィルタ
パックでは、不織布として芯/葉構造の不織布を採用し
たことにより、かかる加工の際にもエアフィルタ濾材が
受けるダメージが軽減されることとなる。
タユニット等としてさらに加工されるために、所定の形
状に加工されることが多いが、このような加工の際に、
加工装置に装着された部材等からの圧接力を受けて、ダ
メージを受ける場合がある。しかし、このエアフィルタ
パックでは、不織布として芯/葉構造の不織布を採用し
たことにより、かかる加工の際にもエアフィルタ濾材が
受けるダメージが軽減されることとなる。
【0025】請求項11に係るエアフィルタパックは、
請求項10のエアフィルタパックにおいて、所定形状は
プリーツ状である。エアフィルタ濾材は、エアフィルタ
ユニットに加工するために、プリーツ(襞折り)加工さ
れるが、このとき、例えば2つの折り刃によりレシプロ
式で折り畳まれる際に、エアフィルタ濾材と折り刃との
擦れが生じ、PTFE多孔膜と不織布との間で剪断力が
働く場合がある。しかし、このエアフィルタパックで
は、不織布として、芯/鞘構造の不織布の繊維に比べ剛
性が小さい芯/葉構造の不織布を用いているため、プリ
ーツ加工時にPTFE多孔膜が受けるダメージが緩和さ
れる。
請求項10のエアフィルタパックにおいて、所定形状は
プリーツ状である。エアフィルタ濾材は、エアフィルタ
ユニットに加工するために、プリーツ(襞折り)加工さ
れるが、このとき、例えば2つの折り刃によりレシプロ
式で折り畳まれる際に、エアフィルタ濾材と折り刃との
擦れが生じ、PTFE多孔膜と不織布との間で剪断力が
働く場合がある。しかし、このエアフィルタパックで
は、不織布として、芯/鞘構造の不織布の繊維に比べ剛
性が小さい芯/葉構造の不織布を用いているため、プリ
ーツ加工時にPTFE多孔膜が受けるダメージが緩和さ
れる。
【0026】請求項12に係るエアフィルタユニット
は、請求項10または11に記載のエアフィルタパック
と、エアフィルタパックが収納される外枠体とを備えて
いる。このエアフィルタユニットでは、エアフィルタ濾
材として芯/葉構造の不織布を採用したものが用いられ
ているため、エアフィルタユニットに加工する際にPT
FE多孔膜が受けるダメージが低減され、エアフィルタ
ユニットとしての欠陥が抑えられる。
は、請求項10または11に記載のエアフィルタパック
と、エアフィルタパックが収納される外枠体とを備えて
いる。このエアフィルタユニットでは、エアフィルタ濾
材として芯/葉構造の不織布を採用したものが用いられ
ているため、エアフィルタユニットに加工する際にPT
FE多孔膜が受けるダメージが低減され、エアフィルタ
ユニットとしての欠陥が抑えられる。
【0027】請求項13に係るエアフィルタユニット
は、請求項12のエアフィルタユニットにおいて、使用
時に、第1不織布が上流側に配置される。このエアフィ
ルタユニットは、芯/葉構造の第1不織布が上流側に配
置されるため、第1不織布の持つプレフィルタとしての
機能を十分に発揮させることができ、エアフィルタ濾材
全体としての保塵量を向上させることができる。なお、
使用時とは、主としてエアフィルタユニットが所定の設
置個所に設置された場合を意味し、上流側とは、使用時
における外気側、すなわち、外気が吸い込まれる側を意
味する。
は、請求項12のエアフィルタユニットにおいて、使用
時に、第1不織布が上流側に配置される。このエアフィ
ルタユニットは、芯/葉構造の第1不織布が上流側に配
置されるため、第1不織布の持つプレフィルタとしての
機能を十分に発揮させることができ、エアフィルタ濾材
全体としての保塵量を向上させることができる。なお、
使用時とは、主としてエアフィルタユニットが所定の設
置個所に設置された場合を意味し、上流側とは、使用時
における外気側、すなわち、外気が吸い込まれる側を意
味する。
【0028】請求項14に係るエアフィルタ濾材の製造
方法は、第1工程と、第2工程とを備えている。第1工
程では、PTFEからなる多孔膜を作製する。第2工程
では、第1熱可塑性樹脂からなる芯部と、第1熱可塑性
樹脂との融点差が20℃以上である第2熱可塑性樹脂か
らなり芯部より小径であるとともに芯部の外周側に円周
方向に間隔を空けて配置された複数の葉部とからなる芯
/葉複合繊維で構成される第1不織布を、多孔膜の少な
くとも片面側に熱融着ラミネートする。
方法は、第1工程と、第2工程とを備えている。第1工
程では、PTFEからなる多孔膜を作製する。第2工程
では、第1熱可塑性樹脂からなる芯部と、第1熱可塑性
樹脂との融点差が20℃以上である第2熱可塑性樹脂か
らなり芯部より小径であるとともに芯部の外周側に円周
方向に間隔を空けて配置された複数の葉部とからなる芯
/葉複合繊維で構成される第1不織布を、多孔膜の少な
くとも片面側に熱融着ラミネートする。
【0029】この製造方法によれば、PTFE多孔膜に
は、芯/葉構造の不織布が熱融着ラミネートされるた
め、芯/鞘構造の不織布が熱融着ラミネートされる場合
に比べ、圧接時に受けるダメージが軽減される。したが
って、ここでは、圧力損失の上昇及び捕集効率の低下の
程度が抑えられたエアフィルタ濾材を得ることができ
る。
は、芯/葉構造の不織布が熱融着ラミネートされるた
め、芯/鞘構造の不織布が熱融着ラミネートされる場合
に比べ、圧接時に受けるダメージが軽減される。したが
って、ここでは、圧力損失の上昇及び捕集効率の低下の
程度が抑えられたエアフィルタ濾材を得ることができ
る。
【0030】請求項15に係るエアフィルタ濾材の製造
方法は、第1工程と、第2工程とを備えている。第1工
程では、PTFEからなる多孔膜を作製する。第2工程
では、融点差が20℃以上である2種の熱可塑性樹脂よ
りなり、繊維断面において少なくとも一つの以上の窪み
部を有し、下式のA値が0.9以下である異形複合長繊
維で構成された長繊維不織布で、長繊維不織布が部分熱
圧接部を有し、部分熱圧接部において低融点重合体が溶
融又は軟化することにより構成繊維同士を接着させ、全
体として一体化していることを特徴とする第1不織布
を、多孔膜の少なくとも片面に熱融着ラミネートする。 [数1] A=r/R r:繊維断面における内接円の半径 R:繊維断面における外接円の半径 この製造方法でも、請求項14の製造方法と同様、PT
FE多孔膜には、芯/葉構造の不織布が熱融着ラミネー
トされるため、芯/鞘構造の不織布が熱融着ラミネート
される場合に比べ、圧接時に受けるダメージが軽減され
る。したがって、ここでも、圧力損失の上昇及び捕集効
率の低下の程度が抑えられたエアフィルタ濾材を得るこ
とができる。
方法は、第1工程と、第2工程とを備えている。第1工
程では、PTFEからなる多孔膜を作製する。第2工程
では、融点差が20℃以上である2種の熱可塑性樹脂よ
りなり、繊維断面において少なくとも一つの以上の窪み
部を有し、下式のA値が0.9以下である異形複合長繊
維で構成された長繊維不織布で、長繊維不織布が部分熱
圧接部を有し、部分熱圧接部において低融点重合体が溶
融又は軟化することにより構成繊維同士を接着させ、全
体として一体化していることを特徴とする第1不織布
を、多孔膜の少なくとも片面に熱融着ラミネートする。 [数1] A=r/R r:繊維断面における内接円の半径 R:繊維断面における外接円の半径 この製造方法でも、請求項14の製造方法と同様、PT
FE多孔膜には、芯/葉構造の不織布が熱融着ラミネー
トされるため、芯/鞘構造の不織布が熱融着ラミネート
される場合に比べ、圧接時に受けるダメージが軽減され
る。したがって、ここでも、圧力損失の上昇及び捕集効
率の低下の程度が抑えられたエアフィルタ濾材を得るこ
とができる。
【0031】
【発明の実施の形態】[エアフィルタユニット]本発明
の一実施形態に係るエアフィルタユニットは、エアフィ
ルタ濾材とエアフィルタ濾材が収納される枠体とを備え
ている。エアフィルタ濾材は、PTFE多孔膜と、PT
FE多孔膜を両側から狭持するよう配置された2枚の通
気性支持材とが熱融着ラミネートされてなるシート材で
ある。
の一実施形態に係るエアフィルタユニットは、エアフィ
ルタ濾材とエアフィルタ濾材が収納される枠体とを備え
ている。エアフィルタ濾材は、PTFE多孔膜と、PT
FE多孔膜を両側から狭持するよう配置された2枚の通
気性支持材とが熱融着ラミネートされてなるシート材で
ある。
【0032】PTFE多孔膜としては、厚さが0.05
〜60μm程度であり、繊維径が0.05〜0.2μm
(好ましくは0.05〜0.14μm、さらに好ましく
は0.05〜0.1μm)であり、PF1値が22(好
ましくは25、更に好ましくは32)を超えるものが用
いられる。不織布としては、目付が15〜500g/m
2(好ましくは20〜150g/m2より好ましくは20
〜70g/m2)であるものが用いられる。また、この
不織布は、図1に示すように、2種の熱可塑性樹脂から
なる芯部43及び複数の葉部45からなる芯/葉複合繊
維41で構成され、複数の葉部45は芯部43の外周側
に円周方向に間隔を空けて配置されている。すなわち、
この芯/葉複合繊維は、繊維断面が芯部43の周囲を複
数の葉部45が取り囲んだ状態になっている。また、各
葉部45は、芯部43より小径である。
〜60μm程度であり、繊維径が0.05〜0.2μm
(好ましくは0.05〜0.14μm、さらに好ましく
は0.05〜0.1μm)であり、PF1値が22(好
ましくは25、更に好ましくは32)を超えるものが用
いられる。不織布としては、目付が15〜500g/m
2(好ましくは20〜150g/m2より好ましくは20
〜70g/m2)であるものが用いられる。また、この
不織布は、図1に示すように、2種の熱可塑性樹脂から
なる芯部43及び複数の葉部45からなる芯/葉複合繊
維41で構成され、複数の葉部45は芯部43の外周側
に円周方向に間隔を空けて配置されている。すなわち、
この芯/葉複合繊維は、繊維断面が芯部43の周囲を複
数の葉部45が取り囲んだ状態になっている。また、各
葉部45は、芯部43より小径である。
【0033】芯部43及び葉部45を構成する熱可塑性
樹脂としては、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重
合体、ポリオレフィン系重合体(ポリエチレン、ポリプ
ロピレン)等が挙げられる。芯/葉複合繊維を構成する
2種の熱可塑性樹脂は、芯部43及び葉部45の融点差
(融点がないものについては軟化点差)が20℃以上と
なるよう適宜選択される。融点差が20℃未満である場
合は、熱融着ラミネート時に、融点が高い方の熱可塑性
樹脂までもが溶融又は軟化して熱ロール19(後述)付
着するなどして操業性が低下してしまったり、収縮しエ
アフィルタ濾材に皺が入ったりし、好ましくない。
樹脂としては、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重
合体、ポリオレフィン系重合体(ポリエチレン、ポリプ
ロピレン)等が挙げられる。芯/葉複合繊維を構成する
2種の熱可塑性樹脂は、芯部43及び葉部45の融点差
(融点がないものについては軟化点差)が20℃以上と
なるよう適宜選択される。融点差が20℃未満である場
合は、熱融着ラミネート時に、融点が高い方の熱可塑性
樹脂までもが溶融又は軟化して熱ロール19(後述)付
着するなどして操業性が低下してしまったり、収縮しエ
アフィルタ濾材に皺が入ったりし、好ましくない。
【0034】この芯/葉複合繊維41は、別の見方をす
れば、図2に示すように、繊維断面において少なくとも
1つの窪み部47を有し、下式のA値が0.9以下であ
る。 [数1] A=r/R (r:繊維断面における内接円の半径、R:繊維断面に
おける外接円の半径) 芯/葉複合繊維は、特定の異形度のものであり、かつ少
なくとも一つ以上の窪み部を有しているので、繊維の表
面積が広くなり、粉塵と接触する面積が高く、塵の捕集
性が向上する。また、捕集した粉塵を、窪み部に溜めこ
むことができるため、プレフィルタとしての粉塵捕集性
能がより向上している。
れば、図2に示すように、繊維断面において少なくとも
1つの窪み部47を有し、下式のA値が0.9以下であ
る。 [数1] A=r/R (r:繊維断面における内接円の半径、R:繊維断面に
おける外接円の半径) 芯/葉複合繊維は、特定の異形度のものであり、かつ少
なくとも一つ以上の窪み部を有しているので、繊維の表
面積が広くなり、粉塵と接触する面積が高く、塵の捕集
性が向上する。また、捕集した粉塵を、窪み部に溜めこ
むことができるため、プレフィルタとしての粉塵捕集性
能がより向上している。
【0035】本実施形態における芯/葉複合繊維は、芯
部及び葉部が共に繊維表面に露出している多葉型複合断
面である。低融点樹脂は、芯部または葉部のどちらに配
してもよい。芯部と葉部の複合比率は、より好ましくは
芯/葉=40/60〜80/20が良い。A値は繊維断
面形状の異形度を示すものであって、このA値が1に近
づく程、窪み部の窪みが浅いものとなり、一方、A値が
小さくなるほど、窪み部の窪み深さが大きいものとな
る。A値が、0.9を超えると、繊維の異形度が減じ、
窪み部の窪みが浅く、粉塵を溜めこむことができず、窪
み部を有する効果がなくなる。一方、A値の下限につい
ては特に限定されないが、0.3程度とすることが好ま
しい。A値が0.3未満になると、繊維の窪み部分に微
細粉塵を捕集する効果は向上するものの、繊維を製造す
る際の紡糸性が安定しない傾向となる。
部及び葉部が共に繊維表面に露出している多葉型複合断
面である。低融点樹脂は、芯部または葉部のどちらに配
してもよい。芯部と葉部の複合比率は、より好ましくは
芯/葉=40/60〜80/20が良い。A値は繊維断
面形状の異形度を示すものであって、このA値が1に近
づく程、窪み部の窪みが浅いものとなり、一方、A値が
小さくなるほど、窪み部の窪み深さが大きいものとな
る。A値が、0.9を超えると、繊維の異形度が減じ、
窪み部の窪みが浅く、粉塵を溜めこむことができず、窪
み部を有する効果がなくなる。一方、A値の下限につい
ては特に限定されないが、0.3程度とすることが好ま
しい。A値が0.3未満になると、繊維の窪み部分に微
細粉塵を捕集する効果は向上するものの、繊維を製造す
る際の紡糸性が安定しない傾向となる。
【0036】本発明のエアフィルタ濾材用通気性支持材
としての不織布は、部分熱圧接部を有し、部分熱圧接部
において低融点重合体が溶融または軟化することにより
構成繊維同士を一体化している。部分熱圧接する方法と
しては、エンボス装置等に通して部分的熱圧接する方
法、超音波融着機に通して部分的に熱融着する方法等を
効果的に用いることができる。
としての不織布は、部分熱圧接部を有し、部分熱圧接部
において低融点重合体が溶融または軟化することにより
構成繊維同士を一体化している。部分熱圧接する方法と
しては、エンボス装置等に通して部分的熱圧接する方
法、超音波融着機に通して部分的に熱融着する方法等を
効果的に用いることができる。
【0037】この熱圧接により、エンボスロールの凸部
に当接する部位に存在する低融点重合体が溶融または軟
化することによって樹脂化し、構成繊維同士を接着させ
て一体化する。したがって、得られる長繊維不織布は、
機械的特性、寸法安定性が向上し、かつ適度の剛性を有
しプリーツ加工性が良好なものとなる。この不織布は、
各葉部45の繊維は、従来の芯/鞘複合繊維の鞘部に比
べ非常に細く、剛性が小さくなっている。このため、P
TFE多孔膜に熱融着ラミネートされる場合でも、PT
FE多孔膜が不織布から受ける圧接力は、芯/鞘構造の
不織布を熱融着ラミネートする場合に比べ小さくなり、
PTFE多孔膜が受ける機械的ダメージは軽減されるこ
ととなる。
に当接する部位に存在する低融点重合体が溶融または軟
化することによって樹脂化し、構成繊維同士を接着させ
て一体化する。したがって、得られる長繊維不織布は、
機械的特性、寸法安定性が向上し、かつ適度の剛性を有
しプリーツ加工性が良好なものとなる。この不織布は、
各葉部45の繊維は、従来の芯/鞘複合繊維の鞘部に比
べ非常に細く、剛性が小さくなっている。このため、P
TFE多孔膜に熱融着ラミネートされる場合でも、PT
FE多孔膜が不織布から受ける圧接力は、芯/鞘構造の
不織布を熱融着ラミネートする場合に比べ小さくなり、
PTFE多孔膜が受ける機械的ダメージは軽減されるこ
ととなる。
【0038】このように構成されたエアフィルタ濾材
は、5.3cm/秒の流速で空気を透過させたときに生
じる圧力損失が50〜980pa、粒子径が0.10〜
0.12μmのシリカ粒子の捕集効率が99.0%以上
(好ましくは99.9%以上、より好ましくは99.9
9%以上)となっている。また、エアフィルタ濾材は、
15〜150mmの幅ごとに交互に折り返されて波型形
状にされエアフィルタパックとなる。エアフィルタは、
隣接する折り返し部分の間隔が、スペ−サもしくは波型
形状のセパレータにより2〜15mm程度に保たれてい
る。
は、5.3cm/秒の流速で空気を透過させたときに生
じる圧力損失が50〜980pa、粒子径が0.10〜
0.12μmのシリカ粒子の捕集効率が99.0%以上
(好ましくは99.9%以上、より好ましくは99.9
9%以上)となっている。また、エアフィルタ濾材は、
15〜150mmの幅ごとに交互に折り返されて波型形
状にされエアフィルタパックとなる。エアフィルタは、
隣接する折り返し部分の間隔が、スペ−サもしくは波型
形状のセパレータにより2〜15mm程度に保たれてい
る。
【0039】枠体は、4本のアルミニウム製枠材が組み
立てられてなり、内側のスペースに、エアフィルタパッ
クが収納される。枠体とエアフィルタ濾材とは、気密性
を保持すべく接着剤等によりシールされ、エアフィルタ
ユニットとなる。このように構成されたエアフィルタユ
ニットは、濾材透過風速が1.4cm/秒の時、粒子径
が0.3μm以上の粒子の捕集効率が99.97%以上
であることが好ましく、濾材透過風速が1.4cm/秒
の時、粒子径が0.1μm以上の粒子の捕集効率が9
9.9999%以上であることがさらに好ましい。
立てられてなり、内側のスペースに、エアフィルタパッ
クが収納される。枠体とエアフィルタ濾材とは、気密性
を保持すべく接着剤等によりシールされ、エアフィルタ
ユニットとなる。このように構成されたエアフィルタユ
ニットは、濾材透過風速が1.4cm/秒の時、粒子径
が0.3μm以上の粒子の捕集効率が99.97%以上
であることが好ましく、濾材透過風速が1.4cm/秒
の時、粒子径が0.1μm以上の粒子の捕集効率が9
9.9999%以上であることがさらに好ましい。
【0040】[エアフィルタ濾材の製造方法]このエア
フィルタ濾材の製造方法は、多孔膜作製工程と、熱融着
ラミネート工程とを備えている。多孔膜作製工程では、
下記実施例で詳述するようにして、PTFE多孔膜が作
製される。
フィルタ濾材の製造方法は、多孔膜作製工程と、熱融着
ラミネート工程とを備えている。多孔膜作製工程では、
下記実施例で詳述するようにして、PTFE多孔膜が作
製される。
【0041】熱融着ラミネート工程では、上述の芯/葉
複合繊維41からなる不織布が、PTFE多孔膜の少な
くとも片面側に熱融着ラミネートされる。熱融着ラミネ
ート工程では、不織布は、多孔膜の片側に配置された熱
ロール19(図4参照)上で、PTFE多孔膜との熱ロ
ール19との間に配置された状態で熱融着ラミネートさ
れる。
複合繊維41からなる不織布が、PTFE多孔膜の少な
くとも片面側に熱融着ラミネートされる。熱融着ラミネ
ート工程では、不織布は、多孔膜の片側に配置された熱
ロール19(図4参照)上で、PTFE多孔膜との熱ロ
ール19との間に配置された状態で熱融着ラミネートさ
れる。
【0042】
【実施例】[PTFE多孔膜の製造]まず、数平均分子量
620万のPTFEファインパウダー(ダイキン工業株
式会社製「ポリフロンファインパウダーF−104
U」)100重量部に、押出助剤としての炭化水素油
(エッソ石油株式会社製「アイソパー」)32重量部を
加えて混合した。
620万のPTFEファインパウダー(ダイキン工業株
式会社製「ポリフロンファインパウダーF−104
U」)100重量部に、押出助剤としての炭化水素油
(エッソ石油株式会社製「アイソパー」)32重量部を
加えて混合した。
【0043】次に、この混合物をペースト押出により丸
棒状に成形した。そして、この丸棒状成形体を70℃に
加熱したカレンダーロールによりフィルム状に成形し、
PTFEフィルムを得た。このフィルムを250℃の熱
風乾燥炉に通して押出助剤を蒸発除去し、平均厚み20
0μm、平均幅150mmの未焼成フィルムを得た。次
に、この未焼成PTFEフィルムを、図3に示す装置を
用いて長手方向に延伸倍率7.5倍で延伸した。未焼成
フィルムはロール1にセットし、延伸したフィルムは巻
き取りロール2に巻き取った。また、延伸温度は250
℃で行った。なお、図3において、3〜9はロール、1
0はヒートロール、11は冷却ロール、12はロールを
それぞれ示す。
棒状に成形した。そして、この丸棒状成形体を70℃に
加熱したカレンダーロールによりフィルム状に成形し、
PTFEフィルムを得た。このフィルムを250℃の熱
風乾燥炉に通して押出助剤を蒸発除去し、平均厚み20
0μm、平均幅150mmの未焼成フィルムを得た。次
に、この未焼成PTFEフィルムを、図3に示す装置を
用いて長手方向に延伸倍率7.5倍で延伸した。未焼成
フィルムはロール1にセットし、延伸したフィルムは巻
き取りロール2に巻き取った。また、延伸温度は250
℃で行った。なお、図3において、3〜9はロール、1
0はヒートロール、11は冷却ロール、12はロールを
それぞれ示す。
【0044】次に、得られた長手方向延伸フィルムを、
連続クリップで挟むことのできる図4の左半分に示す装
置(テンター)を用いて幅方向に延伸倍率30倍で延伸
し、熱固定を行った。この時の延伸温度は290℃、熱
固定温度は360℃、また延伸速度は330%/秒であ
った。この時のPTFE多孔膜の物性は、以下の通りで
あった。 圧力損失:150Pa 捕集効率:99.999981% PF1値:44.0 なお、図4において、14は巻き出しロール、15は予
熱ゾーン、16は延伸ゾーン、17は熱固定ゾーン、1
9は熱融着ラミネートロール、21は巻き取りロールを
それぞれ示す。 <実施例1>上記のPTFE多孔膜の両面に、不織布と
して、ポリエチレン/ポリエステル製 芯/葉構造の不
織布(ユニチカ株式会社製「アルシーマA0404WT
O」目付40g/m2 芯部:ポリエチレン 葉部:ポ
リエステル)を用いて、図4の右半分に示す装置によっ
て熱融着することにより、エアフィルタ濾材を得た。こ
の時の熱融着条件は、以下の通りであった。 加熱温度:160℃ ライン速度:15m/分 巻出しテンション:50g/cm <実施例2>不織布として、PTFE多孔膜の一方の面
に、実施例1の芯/葉構造の不織布を用い、他方の面
に、ポリエチレン/ポリエステルの芯/鞘構造を有する
芯/鞘構造の不織布(ユニチカ株式会社製「エルベスT
0403WDO」 目付40g/m2)を用い、図4の
右半分に示す装置にて、熱ロール19側に芯/鞘構造の
不織布を配置した以外は、実施例1と同様にしてエアフ
ィルタ濾材を得た。 <実施例3>不織布として、PTFE多孔膜の両面にポ
リエチレン/ポリエステルの芯/鞘構造を有する芯/葉
構造の不織布(ユニチカ株式会社製「スーパーアルシー
マA0405WJK」目付40g/m2 芯部:ポリエ
ステル 葉部:ポリエチレン)を用いた以外は、実施例
1と同様にしてエアフィルタ濾材を得た。 <実施例4>不織布として、PTFE多孔膜の一方の面
に実施例3の芯/葉構造の不織布を用い、他方の面にポ
リエチレン/ポリエステルの芯/鞘構造を有する芯/鞘
構造の不織布(ユニチカ株式会社製「エルベスT040
3WDO」 目付40g/m 2)を用い、図4の右半分
に示す装置にて、熱ロール側に芯/鞘構造の不織布を配
置した以外は、実施例1と同様にしてエアフィルタ濾材
を得た。 <比較例1>不織布として、ポリエチレン/ポリエステ
ルの芯/鞘構造を有する芯/鞘構造の不織布(ユニチカ
株式会社製「エルベスT0403WDO」 目付40g
/m 2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてエアフ
ィルタ濾材を得た。
連続クリップで挟むことのできる図4の左半分に示す装
置(テンター)を用いて幅方向に延伸倍率30倍で延伸
し、熱固定を行った。この時の延伸温度は290℃、熱
固定温度は360℃、また延伸速度は330%/秒であ
った。この時のPTFE多孔膜の物性は、以下の通りで
あった。 圧力損失:150Pa 捕集効率:99.999981% PF1値:44.0 なお、図4において、14は巻き出しロール、15は予
熱ゾーン、16は延伸ゾーン、17は熱固定ゾーン、1
9は熱融着ラミネートロール、21は巻き取りロールを
それぞれ示す。 <実施例1>上記のPTFE多孔膜の両面に、不織布と
して、ポリエチレン/ポリエステル製 芯/葉構造の不
織布(ユニチカ株式会社製「アルシーマA0404WT
O」目付40g/m2 芯部:ポリエチレン 葉部:ポ
リエステル)を用いて、図4の右半分に示す装置によっ
て熱融着することにより、エアフィルタ濾材を得た。こ
の時の熱融着条件は、以下の通りであった。 加熱温度:160℃ ライン速度:15m/分 巻出しテンション:50g/cm <実施例2>不織布として、PTFE多孔膜の一方の面
に、実施例1の芯/葉構造の不織布を用い、他方の面
に、ポリエチレン/ポリエステルの芯/鞘構造を有する
芯/鞘構造の不織布(ユニチカ株式会社製「エルベスT
0403WDO」 目付40g/m2)を用い、図4の
右半分に示す装置にて、熱ロール19側に芯/鞘構造の
不織布を配置した以外は、実施例1と同様にしてエアフ
ィルタ濾材を得た。 <実施例3>不織布として、PTFE多孔膜の両面にポ
リエチレン/ポリエステルの芯/鞘構造を有する芯/葉
構造の不織布(ユニチカ株式会社製「スーパーアルシー
マA0405WJK」目付40g/m2 芯部:ポリエ
ステル 葉部:ポリエチレン)を用いた以外は、実施例
1と同様にしてエアフィルタ濾材を得た。 <実施例4>不織布として、PTFE多孔膜の一方の面
に実施例3の芯/葉構造の不織布を用い、他方の面にポ
リエチレン/ポリエステルの芯/鞘構造を有する芯/鞘
構造の不織布(ユニチカ株式会社製「エルベスT040
3WDO」 目付40g/m 2)を用い、図4の右半分
に示す装置にて、熱ロール側に芯/鞘構造の不織布を配
置した以外は、実施例1と同様にしてエアフィルタ濾材
を得た。 <比較例1>不織布として、ポリエチレン/ポリエステ
ルの芯/鞘構造を有する芯/鞘構造の不織布(ユニチカ
株式会社製「エルベスT0403WDO」 目付40g
/m 2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてエアフ
ィルタ濾材を得た。
【0045】実施例1〜4と比較例1とのエアフィルタ
濾材の物性の比較を、表1に示す。
濾材の物性の比較を、表1に示す。
【0046】
【表1】
表1に示すように、不織布として、芯/葉構造の不織布
を用いた場合(実施例1〜4)では、ポリエチレン/ポ
リエステルの芯/鞘構造の不織布を用いた場合(比較例
1)に比べ、エアフィルタ濾材の圧力損失の上昇が少な
く、捕集効率の低下も少ないことが分かる。また保塵特
性も向上することが分かる。 <実施例5〜8>実施例1〜4で製造したエアフィルタ
濾材を、レシプロ折り機で高さ5.5cmにプリーツ加
工し、プリーツ後90℃の温度をかけて折りくせをつけ
た。この後、プリーツされたエアフィルタ濾材を一旦開
き、ポリアミドホットメルト樹脂製のスペーサーを塗布
し、再度プリーツ状にレシプロ立ち上げ機で立ち上げ、
大きさ58cm×58cmに切断して、エアフィルタパ
ックを得た。このときのプリーツ間隔は、3.125m
m/1プリーツであった。
を用いた場合(実施例1〜4)では、ポリエチレン/ポ
リエステルの芯/鞘構造の不織布を用いた場合(比較例
1)に比べ、エアフィルタ濾材の圧力損失の上昇が少な
く、捕集効率の低下も少ないことが分かる。また保塵特
性も向上することが分かる。 <実施例5〜8>実施例1〜4で製造したエアフィルタ
濾材を、レシプロ折り機で高さ5.5cmにプリーツ加
工し、プリーツ後90℃の温度をかけて折りくせをつけ
た。この後、プリーツされたエアフィルタ濾材を一旦開
き、ポリアミドホットメルト樹脂製のスペーサーを塗布
し、再度プリーツ状にレシプロ立ち上げ機で立ち上げ、
大きさ58cm×58cmに切断して、エアフィルタパ
ックを得た。このときのプリーツ間隔は、3.125m
m/1プリーツであった。
【0047】次に、外寸61cm×61cm、内寸58
cm×58cm、厚さ6.5cmのアルマイト加工アル
ミニウム製枠を用意し、この枠体内にプリーツ加工され
たエアフィルタパックを入れ、ウレタン接着剤でエアフ
ィルタパック周囲とアルミニウム枠とをシールしてエア
フィルタユニットを作製した。 <比較例2>比較例1で製造したエアフィルタ濾材を用
いた以外は実施例5と同様にして、エアフィルタユニッ
トを作製した。
cm×58cm、厚さ6.5cmのアルマイト加工アル
ミニウム製枠を用意し、この枠体内にプリーツ加工され
たエアフィルタパックを入れ、ウレタン接着剤でエアフ
ィルタパック周囲とアルミニウム枠とをシールしてエア
フィルタユニットを作製した。 <比較例2>比較例1で製造したエアフィルタ濾材を用
いた以外は実施例5と同様にして、エアフィルタユニッ
トを作製した。
【0048】実施例5〜8と比較例2とのエアフィルタ
ユニットの物性の比較を表2に示す。
ユニットの物性の比較を表2に示す。
【0049】
【表2】
表2に示すように、不織布として芯/葉構造の不織布を
用いた濾材からエアフィルタユニットを作製した場合
(実施例5〜8)では、ポリエチレン/ポリエステルの
芯/鞘構造の不織布を用いた濾材からエアフィルタユニ
ットを作製した場合(比較例2)に比べ、捕集効率の低
下が少ない高性能なエアフィルタユニットを作製できる
ことが分かる。
用いた濾材からエアフィルタユニットを作製した場合
(実施例5〜8)では、ポリエチレン/ポリエステルの
芯/鞘構造の不織布を用いた濾材からエアフィルタユニ
ットを作製した場合(比較例2)に比べ、捕集効率の低
下が少ない高性能なエアフィルタユニットを作製できる
ことが分かる。
【0050】なお、本実施例中、PTFE多孔膜及びエ
アフィルタ濾材の圧力損失、捕集効率、透過率、PF1
値及び保塵特性、並びにエアフィルタユニットの圧力損
失、捕集効率、透過率及びPF2値は以下のようにして
測定した。 [PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材の圧力損失(P
a)]PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材の測定サン
プルを、直径100mmのフィルターホルダーにセット
し、コンプレッサーで入口側を加圧し、流速計で空気の
透過する流量を5.3cm/秒に調整した。そして、こ
の時の圧力損失をマノメータで測定した。 [PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材の捕集効率
(%)]PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材の測定サ
ンプルを直径100mmのフィルターホルダーにセット
し、コンプレッサーで入口側を加圧し、流量計で空気の
透過する流量を5.3cm/秒に調整した。この状態で
上流側から0.10〜0.12μmの粒子濃度が108
個/300mlのシリカ粒子を流し、下流側に設置した
パーティクルカウンター(PMS LAS−X−CRT
PARTICLE MEASURING SYSTE
M INC.(PMS)社製、以下同じ)によって、粒
子径0.10〜0.12μmの透過粒子数を求め、上流
と下流との粒子数の比率を求めた。すなわち、上流の粒
子濃度をCi、下流の粒子濃度をCoとしたときに下式
により計算される測定サンプルの捕集効率を求めた。 [数3] 捕集効率(%)=(1−Co/Ci)×100 また、捕集効率が非常に高いエアフィルタ濾材について
は、吸引時間を長くすることでサンプリング空気量を多
くして、測定を行った。例えば、吸引時間を10倍にす
ると、下流側のカウント粒子数が10倍に上がり、測定
感度が10倍になる。 [PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材の透過率(%)]
PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材の透過率は、下式
により求めた。 [数4] 透過率(%)=100−捕集効率(%) [PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材のPF値]PTF
E多孔膜及びエアフィルタ濾材のPF1値は、PTFE
多孔膜及びエアフィルタ濾材の圧力損失及び透過率を下
式に代入することにより求めた。 [数5] PF1値=[−log(透過率(%)/100)/(圧力損
失(Pa)/9.8)]×100 [エアフィルタ濾材の保塵特性]エアフィルタ濾材の測定
サンプルを、直径100mmのフィルターホルダーにセ
ットし、コンプレッサーで入口側を加圧し、流速計で空
気の透過する流量を10.6cm/秒に調整した。この
状態で上流側から0.5μmの粒子濃度が1×108個/
ft3のポリスチレンラテックスを流し、この時の圧力
損失をマノメータで測定した。そして初期の圧力損失の
2倍になる時間を測定した。尚、エアフィルタ濾材は上
流側に芯/葉構造の不織布がくるように測定した。 [エアフィルタユニットの圧力損失(Pa)]図5に示す
装置を用い、エアフィルタユニットを装着後エアフィル
タ濾材を透過する風速が1.4cm/秒になるように調
整し、そのときのエアフィルタユニット前後の圧力損失
をマノメータで測定した。なお、図5において、31は
送風機、32,32’はHEPAフィルター、33は試
験用粒子導入管、34,34’は整流板、35は上流側
試験用粒子採取管、36は静圧測定孔、37は供試エア
フィルタユニット、38は下流側試験用粒子採取管、3
9は層流型流量計をそれぞれ示す。 [エアフィルタユニットの捕集効率(%)]図5に示した
装置を用い、エアフィルタユニットを装着後エアフィル
タ濾材を透過する風速が1.4cm/秒になるように調
整し、この状態で上流側に粒子径が0.10〜0.12
μmで濃度が1×109/ft3のシリカ粒子を流し、下
流側の粒子径0.1〜0.12μmの粒子数をパーティ
クルカウンターで測定し、上流側と下流側との粒子数の
比率を求めた。すなわち、上流の粒子濃度をCi、下流
粒子濃度をCoとしたときに下式により計算される測定
エアフィルタユニットの捕集効率を求めた。 [数3] 捕集効率(%)=(1−Co/Ci)×100 [エアフィルタユニットの透過率(%)]エアフィルタユ
ニットの透過率は、下式により求めた。 [数4] 透過率(%)=100−捕集効率(%) [エアフィルタユニットのPF値]エアフィルタユニット
のPF2値は、エアフィルタユニットの圧力損失と透過
率とを下式に代入することにより求めた。 [数5] PF2値=[−log(透過率(%)/100)/(圧力損
失(Pa)/9.8)]×100 尚、本発明の種々測定方法において、シリカ粒子を使用
しているが、その他、ポリスチレンラテックス、塩化ナ
トリウム等、有機物、無機物、セラミックスの粒子を用
いても良い。
アフィルタ濾材の圧力損失、捕集効率、透過率、PF1
値及び保塵特性、並びにエアフィルタユニットの圧力損
失、捕集効率、透過率及びPF2値は以下のようにして
測定した。 [PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材の圧力損失(P
a)]PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材の測定サン
プルを、直径100mmのフィルターホルダーにセット
し、コンプレッサーで入口側を加圧し、流速計で空気の
透過する流量を5.3cm/秒に調整した。そして、こ
の時の圧力損失をマノメータで測定した。 [PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材の捕集効率
(%)]PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材の測定サ
ンプルを直径100mmのフィルターホルダーにセット
し、コンプレッサーで入口側を加圧し、流量計で空気の
透過する流量を5.3cm/秒に調整した。この状態で
上流側から0.10〜0.12μmの粒子濃度が108
個/300mlのシリカ粒子を流し、下流側に設置した
パーティクルカウンター(PMS LAS−X−CRT
PARTICLE MEASURING SYSTE
M INC.(PMS)社製、以下同じ)によって、粒
子径0.10〜0.12μmの透過粒子数を求め、上流
と下流との粒子数の比率を求めた。すなわち、上流の粒
子濃度をCi、下流の粒子濃度をCoとしたときに下式
により計算される測定サンプルの捕集効率を求めた。 [数3] 捕集効率(%)=(1−Co/Ci)×100 また、捕集効率が非常に高いエアフィルタ濾材について
は、吸引時間を長くすることでサンプリング空気量を多
くして、測定を行った。例えば、吸引時間を10倍にす
ると、下流側のカウント粒子数が10倍に上がり、測定
感度が10倍になる。 [PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材の透過率(%)]
PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材の透過率は、下式
により求めた。 [数4] 透過率(%)=100−捕集効率(%) [PTFE多孔膜及びエアフィルタ濾材のPF値]PTF
E多孔膜及びエアフィルタ濾材のPF1値は、PTFE
多孔膜及びエアフィルタ濾材の圧力損失及び透過率を下
式に代入することにより求めた。 [数5] PF1値=[−log(透過率(%)/100)/(圧力損
失(Pa)/9.8)]×100 [エアフィルタ濾材の保塵特性]エアフィルタ濾材の測定
サンプルを、直径100mmのフィルターホルダーにセ
ットし、コンプレッサーで入口側を加圧し、流速計で空
気の透過する流量を10.6cm/秒に調整した。この
状態で上流側から0.5μmの粒子濃度が1×108個/
ft3のポリスチレンラテックスを流し、この時の圧力
損失をマノメータで測定した。そして初期の圧力損失の
2倍になる時間を測定した。尚、エアフィルタ濾材は上
流側に芯/葉構造の不織布がくるように測定した。 [エアフィルタユニットの圧力損失(Pa)]図5に示す
装置を用い、エアフィルタユニットを装着後エアフィル
タ濾材を透過する風速が1.4cm/秒になるように調
整し、そのときのエアフィルタユニット前後の圧力損失
をマノメータで測定した。なお、図5において、31は
送風機、32,32’はHEPAフィルター、33は試
験用粒子導入管、34,34’は整流板、35は上流側
試験用粒子採取管、36は静圧測定孔、37は供試エア
フィルタユニット、38は下流側試験用粒子採取管、3
9は層流型流量計をそれぞれ示す。 [エアフィルタユニットの捕集効率(%)]図5に示した
装置を用い、エアフィルタユニットを装着後エアフィル
タ濾材を透過する風速が1.4cm/秒になるように調
整し、この状態で上流側に粒子径が0.10〜0.12
μmで濃度が1×109/ft3のシリカ粒子を流し、下
流側の粒子径0.1〜0.12μmの粒子数をパーティ
クルカウンターで測定し、上流側と下流側との粒子数の
比率を求めた。すなわち、上流の粒子濃度をCi、下流
粒子濃度をCoとしたときに下式により計算される測定
エアフィルタユニットの捕集効率を求めた。 [数3] 捕集効率(%)=(1−Co/Ci)×100 [エアフィルタユニットの透過率(%)]エアフィルタユ
ニットの透過率は、下式により求めた。 [数4] 透過率(%)=100−捕集効率(%) [エアフィルタユニットのPF値]エアフィルタユニット
のPF2値は、エアフィルタユニットの圧力損失と透過
率とを下式に代入することにより求めた。 [数5] PF2値=[−log(透過率(%)/100)/(圧力損
失(Pa)/9.8)]×100 尚、本発明の種々測定方法において、シリカ粒子を使用
しているが、その他、ポリスチレンラテックス、塩化ナ
トリウム等、有機物、無機物、セラミックスの粒子を用
いても良い。
【0051】
【発明の効果】本発明で用いられる不織布は、従来の芯
/鞘複合繊維の鞘部に比べ繊維が細く、剛性が小さい芯
/葉複合繊維からなるため、PTFE多孔膜に熱融着ラ
ミネートされる場合でも、PTFE多孔膜が不織布から
受ける圧接力は、芯/鞘構造の不織布が熱融着ラミネー
トされる場合に比べ小さく、PTFE多孔膜が受ける機
械的ダメージが軽減されるようになる。
/鞘複合繊維の鞘部に比べ繊維が細く、剛性が小さい芯
/葉複合繊維からなるため、PTFE多孔膜に熱融着ラ
ミネートされる場合でも、PTFE多孔膜が不織布から
受ける圧接力は、芯/鞘構造の不織布が熱融着ラミネー
トされる場合に比べ小さく、PTFE多孔膜が受ける機
械的ダメージが軽減されるようになる。
【0052】したがって、本発明によれば、圧力損失の
上昇及び捕集効率の低下の程度が抑えられたエアフィル
タ濾材を得ることができる。
上昇及び捕集効率の低下の程度が抑えられたエアフィル
タ濾材を得ることができる。
【図1】本発明の一実施形態によるエアフィルタ濾材の
不織布として用いられる芯/葉複合繊維の断面を模式的
に示す図。
不織布として用いられる芯/葉複合繊維の断面を模式的
に示す図。
【図2】前記芯/葉複合繊維の断面を別の視点で模式的
に示す図。
に示す図。
【図3】PTFEフィルムの長手方向への延伸に用いる
装置を示す模式図。
装置を示す模式図。
【図4】PTFEフィルムの幅方向への延伸(左半分)
と、PTFEフィルムに不織布を熱融着ラミネートする
装置(右半分)とを示す模式図。
と、PTFEフィルムに不織布を熱融着ラミネートする
装置(右半分)とを示す模式図。
【図5】本発明の一実施形態によるエアフィルタユニッ
トの圧力損失の測定装置を示す模式図。
トの圧力損失の測定装置を示す模式図。
41 芯/葉複合繊維
43 芯部
45 葉部
47 窪み部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
B01D 46/54 B01D 46/54
69/10 69/10
71/36 71/36
D04H 3/14 D04H 3/14 A
(72)発明者 清谷 秀之
大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン
工業株式会社淀川製作所内
Fターム(参考) 4D006 GA44 HA71 MA09 MB01 MC30X
NA47 NA66 PA01 PB17
4D019 AA01 BA13 BB03 BB08 BB10
BD01 CA02 CB06 DA04 DA06
4D058 JA13 JB14 JB23 JB25 JB39
SA04
4L047 AA21 AA27 AB10 BA08 BA24
CA05 CA06 DA00
Claims (16)
- 【請求項1】ポリテトラフルオロエチレンからなる多孔
膜と、 前記多孔膜の少なくとも片側に熱融着ラミネートされる
第1不織布とを備え、 前記第1不織布は、第1熱可塑性樹脂からなる芯部と、
前記第1熱可塑性樹脂との融点差が20℃以上である第
2熱可塑性樹脂からなりかつ前記芯部より小径であると
ともに前記芯部の外周側に円周方向に間隔を空けて配置
された複数の葉部とからなる芯/葉複合繊維で構成され
ている、エアフィルタ濾材。 - 【請求項2】前記第1熱可塑性樹脂は、前記第2熱可塑
性樹脂より低融点である、請求項1に記載のエアフィル
タ濾材。 - 【請求項3】前記第2熱可塑性樹脂は、前記第1熱可塑
性樹脂より低融点である、請求項1に記載のエアフィル
タ濾材。 - 【請求項4】ポリテトラフルオロエチレンからなる多孔
膜と、 前記多孔膜の少なくとも片側に熱融着ラミネートされる
第1不織布とを備え、 前記第1不織布は、融点差が20℃以上である2種の熱
可塑性樹脂よりなり、繊維断面において少なくとも一つ
以上の窪み部を有し、下式のA値が0.9以下である異
形複合長繊維で構成された長繊維不織布で、長繊維不織
布が部分熱圧接部を有し、部分熱圧接部において低融点
重合体が溶融又は軟化することにより構成繊維同士を接
着させ、全体として一体化していることを特徴とする、
エアフィルタ濾材。 [数1] A=r/R r:繊維断面における内接円の半径 R:繊維断面における外接円の半径 - 【請求項5】前記第1不織布は、前記多孔膜の両面に熱
融着ラミネートされている、請求項1から4のいずれか
に記載のエアフィルタ濾材。 - 【請求項6】前記第1不織布が前記多孔膜の一方の面に
熱融着ラミネートされ、 前記多孔膜の他方の面に熱融着ラミネートされるととも
に、芯部と、前記芯部よりも融点が低い鞘部とからなる
芯/鞘複合繊維で構成された第2不織布をさらに備え
た、請求項1から4のいずれかに記載のエアフィルタ濾
材。 - 【請求項7】5.3cm/秒の流速で空気を透過させた
ときの圧力損失と、粒子径0.10μm以上0.12μ
m以下のシリカ粒子を用いて測定した捕集効率とから下
記式 [数2] PF1=[-log(透過率(%)/100)/圧力損失
(Pa)]×100 (ここで、透過率(%)=100−捕集効率(%)であ
る)に従って算出されるPF1値が22を超える、請求
項1から6のいずれかに記載のエアフィルタ濾材。 - 【請求項8】濾材透過風速が1.4cm/秒の場合にお
ける粒子径が0.3μm以上のシリカ粒子の捕集効率が
99.97%以上でありかつ濾材透過風速が1.4cm
/秒の場合における圧力損失が15Pa以上250Pa
以下であるエアフィルタユニットに用いられる、請求項
1から7のいずれかに記載のエアフィルタ濾材。 - 【請求項9】濾材透過風速が1.4cm/秒の場合にお
ける粒子径が0.1μm以上のシリカ粒子の捕集効率が
99.9999%以上でありかつ濾材透過風速が1.4
cm/秒の場合における圧力損失が30Pa以上250
Pa以下であるエアフィルタユニットに用いられる、請
求項1から7のいずれかに記載のエアフィルタ濾材。 - 【請求項10】請求項1から9のいずれかに記載のエア
フィルタ濾材が所定形状に形成されてなる、エアフィル
タパック。 - 【請求項11】前記所定形状はプリーツ状である、請求
項10に記載のエアフィルタパック。 - 【請求項12】請求項10または11に記載のエアフィ
ルタパックと、 前記エアフィルタパックが収納される外枠体と、を備え
たエアフィルタユニット。 - 【請求項13】使用時に、前記第1不織布が上流側に配
置される、請求項12に記載のエアフィルタユニット。 - 【請求項14】ポリテトラフルオロエチレンからなる多
孔膜を作製する第1工程と、 第1熱可塑性樹脂からなる芯部と、前記第1熱可塑性樹
脂との融点差が20℃以上である第2熱可塑性樹脂から
なりかつ前記芯部より小径であるとともに前記芯部の外
周側に円周方向に間隔を空けて配置された複数の葉部と
からなる芯/葉複合繊維で構成される第1不織布を、前
記多孔膜の少なくとも片面側に熱融着ラミネートする第
2工程と、を備えたエアフィルタ濾材の製造方法。 - 【請求項15】ポリテトラフルオロエチレンからなる多
孔膜を作製する第1工程と、 融点差が20℃以上である2種の熱可塑性樹脂よりな
り、繊維断面において少なくとも一つの以上の窪み部を
有し、下式のA値が0.9以下である異形複合長繊維で
構成された長繊維不織布で、長繊維不織布が部分熱圧接
部を有し、部分熱圧接部において低融点重合体が溶融又
は軟化することにより構成繊維同士を接着させ、全体と
して一体化していることを特徴とする第1不織布を、前
記多孔膜の少なくとも片面に熱融着ラミネートする第2
工程と、を備えたエアフィルタ濾材の製造方法。 [数1] A=r/R r:繊維断面における内接円の半径 R:繊維断面における外接円の半径 - 【請求項16】前記第2工程では、前記第1不織布は、
前記多孔膜の片面側に配置された熱ロール上で、前記多
孔膜と前記熱ロールとの間に配置された状態で前記多孔
膜に熱融着ラミネートされる、請求項14または15に
記載のエアフィルタ濾材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002000896A JP2003200013A (ja) | 2002-01-07 | 2002-01-07 | エアフィルタ濾材、それを用いたエアフィルタパック及びエアフィルタユニット並びにエアフィルタ濾材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002000896A JP2003200013A (ja) | 2002-01-07 | 2002-01-07 | エアフィルタ濾材、それを用いたエアフィルタパック及びエアフィルタユニット並びにエアフィルタ濾材の製造方法 |
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ID=27641154
Family Applications (1)
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JP2002000896A Pending JP2003200013A (ja) | 2002-01-07 | 2002-01-07 | エアフィルタ濾材、それを用いたエアフィルタパック及びエアフィルタユニット並びにエアフィルタ濾材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003200013A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2002
- 2002-01-07 JP JP2002000896A patent/JP2003200013A/ja active Pending
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