[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2003292896A - コーティング用組成物および積層体 - Google Patents

コーティング用組成物および積層体

Info

Publication number
JP2003292896A
JP2003292896A JP2002102952A JP2002102952A JP2003292896A JP 2003292896 A JP2003292896 A JP 2003292896A JP 2002102952 A JP2002102952 A JP 2002102952A JP 2002102952 A JP2002102952 A JP 2002102952A JP 2003292896 A JP2003292896 A JP 2003292896A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
coating
lens
coating composition
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002102952A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyoshi Takeshita
克義 竹下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2002102952A priority Critical patent/JP2003292896A/ja
Publication of JP2003292896A publication Critical patent/JP2003292896A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】コート被膜自体の充分な染色性および耐久性
と、コート被膜表面に無機物質からなる反射防止膜を設
けたときの耐久性の双方を満足するコーティング用組成
物に関する。 【解決手段】金属酸化物、シラン化合物およびエポキシ
(メタ)アクリレートを主成分とするコーティング用組
成物により、コート被膜自体の充分な染色性および耐久
性と、コート被膜表面に無機物質からなる反射防止膜を
設けたときの耐久性の双方を充分に満足することを可能
とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屈折率が1.52
以上の合成樹脂製レンズ表面に、基材と同程度の屈折率
を有し、耐摩耗性、耐薬品性、耐温水性、耐熱性、耐候
性等の耐久性および染色性に優れた透明被膜を提供しさ
らには、その被膜上に、無機物質からなる反射防止膜
(以後無機蒸着膜と呼ぶ)を設けることを可能としたこ
とを特徴としたコーティング用組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックレンズは多方面に利
用されるようになっている。特に、眼鏡レンズにおいて
は、従来のガラスレンズに比べ、軽量、安全かつカラー
バリエーションが豊富であることから、今やプラスチッ
クレンズがその主流になっている。また、近年プラスチ
ックレンズ素材は薄型化を図った高屈折率化が急速に進
んでいる。そのための技術提案として、特開昭59−1
33211号公報、特開昭63−46213号公報、な
どでは、1.60以上の屈折率を有する高屈折率樹脂材
料が提案されている。また、特開平9−110956号
公報では屈折率が1.67、特開平11−258402
号公報では屈折率1.74を有する高屈折率樹脂材料が
提案されている。特にアリルカーボネート系樹脂、アク
リレート系樹脂、メタクリレート系樹脂、及びチオウレ
タン系樹脂材料を材料とするプラスチックレンズは、加
工性、耐熱性、耐衝撃性に優れ、かつレンズ厚が薄く見
かけが良いので広く用いられるようになってきた。しか
しその一方で、プラスチックメガネレンズは表面に傷が
付き易いという欠点がある為、シリコン系のハードコー
ト被膜をプラスチックレンズ表面に設ける方法が一般的
に行われている。このシリコン系のハードコート被膜
は、金属酸化物のコロイド状分散体(ゾル)と有機ケイ
素化合物であるシランカップリング剤を主成分としてい
る。金属酸化物のゾルは、主に耐擦傷性、及びハードコ
ート被膜表面に形成する無機蒸着膜との密着性を付与
し、また、シランカップリング剤は主に耐擦傷性、金属
無機酸化物粒子のバインディング剤、及びレンズ基材と
の密着性を付与している。従来は、金属酸化物ゾルとし
て専ら二酸化ケイ素微粒子のゾルが使用されてきた。そ
のハードコート膜の屈折率は1.50程度であった。し
かし、前述したように、近年はプラスチックレンズの高
屈折率化が進んでおり、その主流は屈折率が1.67以
上のレンズ素材となっている。このような高屈折率レン
ズ素材に二酸化ケイ素微粒子のゾルを使用したハードコ
ート膜を適用した場合、樹脂レンズとハードコート膜の
屈折率差による干渉縞(色)が発生し、外観上好ましく
ない。この問題を解決するための技術提案として、特公
昭61−54331号公報、特公昭63−37142号
公報のようにシリコン系コーティング用組成物に使われ
ている二酸化ケイ素微粒子のコロイド状分散体を高屈折
率であるAl、Ti、Zr、Sn、Sbの無機酸化物微
粒子のコロイド状分散体に置き換えるといったコーティ
ング技術が開示されている。特開平1−301517号
公報では、二酸化チタンと二酸化セリウムの複合系ゾル
の製造方法が開示されており、特開平2−264902
号公報ではTiとCeの複合無機酸化物微粒子、特開平
3−68901号公報ではTi、CeおよびSiの複合
無機酸化物を有機ケイ素化合物で処理した微粒子をコー
ティング組成物に用いる技術が開示されている。また、
特開平10−324846号公報や特開平11−116
843号公報及び特開平11−310755号公報では
ではSn、Ti、Zrの複合無機酸化物微粒子をコーテ
ィング組成物に用いる技術が提案されている。前述した
ように、ハードコート膜の高屈折率化は、高屈折率を有
する無機酸化物微粒子を用いる方法が一般的である。具
体的には、Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,F
e,Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる酸化物の
単独微粒子および/またはこれらの複合微粒子から選ば
れる1種類又は2種類以上の混合物(高屈折率金属酸化
物と称す)が用いられることが多い。中でも、Tiの酸
化物、すなわち酸化チタンは、他の金属酸化物より屈折
率が高く、それ故多くの利点を備えている。まず、高い
屈折率を有するため、今後、より高い屈折率設定が要求
されると考えられるハードコート膜の設計に対応でき
る。また、ハードコート膜の狙いとする屈折率が同じで
ある場合には、他の金属酸化物微粒子に比べ、添加量が
少なくて済む。その結果、ハードコート膜中の金属酸化
物添加量が多すぎることに起因する靱性低下による硬化
反応中の膜クラック不良の発生が低く押さえられる。こ
のように、酸化チタンは高屈折率金属酸化物として極め
て有用であるといえる。しかしながら、酸化チタンをハ
ードコート膜用の金属酸化物として用いた場合、次のよ
うな問題があることが特開平11−310755号公報
で指摘されている。即ち、酸化チタンは、光(紫外線)
エネルギーを受けると活性を帯び、強い酸化分解力によ
り、有機物を分解するという特性を有する(以下、光活
性と称す)。その結果、ハードコート膜が染色可能なタ
イプであった場合、ハードコート膜中に含浸した染色剤
分子が酸化チタンの光活性で分解される。具体的には、
長期使用によりカラーレンズの色変化(退色)が極端に
大きくなるという問題がある。このような色変化は、染
色剤分子の構造により多少の差異はあるが、現在一般的
に使用されている染色剤のほとんどが使用できない。現
在、工業的に利用されている酸化チタンにはアナターゼ
・ルチルの2種類の結晶形体があり、光活性については
ルチル型の結晶構造の方がアナターゼ型のものよりも安
定であることが分かっている。同公報では、選択的にル
チル型の結晶構造を有する酸化チタンを使用すること
で、上記の問題を改善している。本発明では、アナター
ゼ型の結晶構造を有する酸化チタンをコーティング用組
成物として使用した場合においても、耐候(光)性に優
れ、染色レンズの色変化の少ないプラスチックレンズを
提供することを目的としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の高屈折
率コーティング用組成物は、コート被膜自体の充分な染
色性および各種耐久性と、無機蒸着膜をその被膜表面に
設けたときの各種耐久性の双方を充分に満足させるもの
は得られていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決するため鋭意検討を行ったところ、金属酸
化物微粒子、重合可能な反応基を有するシラン化合物、
グリシジル基と(メタ)アクリロイル基とを同時に有す
るエポキシ(メタ)アクリレート[(メタ)アクリレー
トとは、メタクリレートとアクリレートとを表す。]を
主成分とする組成物を熱硬化もしくは、光硬化と熱硬化
を併用して得られるコーティング被膜において、透明性
に優れ、且つ染色性および各種耐久性、無機蒸着膜をそ
の被膜表面に設けたときの各種耐久性すべてに優れる性
能が得られることを可能とした。
【0005】すなわち本発明は、少なくとも下記の成分
(A),(B)および(C)を主成分とすることを特徴
とするコーティング用組成物およびそのコーティング用
組成物からなる被膜表面に無機物質からなる反射防止膜
を設けたことを特徴とする積層体に関するものである。
【0006】(A)粒径1〜100ミリミクロンのS
i、Sb、Tiの金属酸化物から構成される複合微粒子 (B)少なくとも一個以上の重合可能な反応基を有する
シラン化合物 (C)一分子中にグリシジル基と(メタ)アクリロイル
基とを同時に有するエポキシ(メタ)アクリレート
【0007】本発明で使用する(A)成分の粒径1〜1
00ミリミクロンのSi、Sb、Tiの金属酸化物から
構成される複合微粒子の具体的例としては、 SiO2
Sb 25,TiO2の無機酸化物微粒子によって構成さ
れる複合微粒子が水、アルコール系もしくはその他の有
機溶媒にコロイド状に分散したものである。さらにコー
ティング液中での分散安定性を高めるためにこれらの微
粒子表面を有機ケイ素化合物またはアミン系化合物で処
理したものを使用することも可能である。この際用いら
れる有機ケイ素化合物としては、単官能性シラン、ある
いは二官能性シラン、三官能性シラン、四官能性シラン
等がある。処理に際しては加水分解性基を未処理で行っ
てもあるいは加水分解して行ってもよい。また処理後
は、加水分解性基が微粒子の−OH基と反応した状態が
好ましいが、一部残存した状態でも安定性には何ら問題
がない。またアミン系化合物としてはアンモニウムまた
はエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミ
ン、n−プロピルアミン等のアルキルアミン、ベンジル
アミン等のアラルキルアミン、ピペリジン等の脂環式ア
ミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等
のアルカノールアミンがある。これら有機ケイ素化合物
とアミン化合物の添加量は微粒子の重量に対して1から
15%程度の範囲内で加える必要がある。いずれも粒子
径は約1〜300mμが好適であり、本発明のコーティ
ング組成物への適用種及び使用量は目的とする被膜性能
により決定される。
【0008】また、使用量は全組成物の20〜60重量
%であることが望ましい。すなわち、20重量%未満で
は、無機蒸着膜との密着性が不充分となるか、もしく
は、塗膜の耐擦傷性が不充分となる。また60重量%を
越えると、塗膜にクラックが生じる。また、染色性も不
充分となる。
【0009】続いて、(B)成分は、ビニル基、アリル
基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカプ
ト基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基等の重合可能
な反応基を有するシラン化合物であり、その具体的なも
のとして、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリク
ロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シ
ラン、アリルトリアルコキシシラン、アクリルオキシプ
ロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピ
ルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルジ
アルコキシメチルシラン、γ−グリシドオキシプロピル
トリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、メルカプト
プロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルト
リアルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルメチルジアルコキシシラン等がある。
【0010】この(B)成分は、2種以上混合して用い
てもかまわない。また、加水分解を行なってから用いる
か、もしくは硬化した後の被膜に酸処理を行なうか、ど
ちらかの方法を取った方がより有効である。
【0011】(B)成分の使用量は、全組成物の30〜
70重量%であることが望ましい。すなわち、30重量
%未満であると、無機蒸着膜との密着性が不充分となり
やすい。また70重量%を越えると、硬化被膜にクラッ
クを生じさせる原因となり好ましくない。
【0012】続いて、(C)成分の一分子中にグリシジ
ル基と(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メ
タ)アクリ−トとは、一分子中に2個以上のグリシジル
基を有するエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とのグ
リシジル基開環反応により得られる。一分子中に2個以
上のグリシジル基を有するエポキシ化合物の具体例とし
ては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチ
レングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ノナエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエー
テル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、テトラプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ノナプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ネオペ
ンチルグリコールヒドロキシヒバリン酸エステルのジグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエ
ーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロ
ールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールジグリシ
ジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテ
ル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、ペンタ
エリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリ
トールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトール
テトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールテ
トラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジ
ルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレートのジグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレートのトリグリシジルエーテ
ル、等の脂肪族エポキシ化合物、イソホロンジオールジ
グリシジルエーテル、ビス−2,2−ヒドロキシシクロ
ヘキシルプロパンジグリシジルエーテル等の脂環族エポ
キシ化合物、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエ
ーテル、オルトフタル酸ジグリシジルエステル、フェノ
ールノボラックポリグリシジルエーテル、クレゾールノ
ボラックポリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化
合物等が挙げられる。
【0013】本発明では(C)成分であるエポキシ(メ
タ)アクリレートは、染色成分として用いるため、上記
した中でも、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、
トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメ
チロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロー
ルジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジル
エーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レートのトリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化
合物が特に好ましい。これらエポキシ化合物と反応させ
るモノカルボン酸含有化合物としては、アクリル酸、メ
タクリル酸の他に、グリシジル(メタ)アクリレートま
たはヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと0−無水
フタル酸のような酸無水物との反応によって得られるモ
ノカルボン酸含有(メタ)アクリレート化合物がある。
【0014】エポキシ化合物とモノカルボン酸含有(メ
タ)アクリレートとの反応は、上記を混合し、触媒とし
て例えばジメチルアミノエチルメタクリレートなどの3
級アミン化合物、又はベンジルトリメチルアンモニウム
クロリドなどの4級アミン塩を加え、60℃〜110℃
に加熱することにより得られる。
【0015】本発明ではコーティング被膜を強靭にする
ために、1分子中にグリシジル基と、(メタ)アクリロ
イル基を同時に有するエポキシ(メタ)アクリレートと
するのがより好ましい。
【0016】この化合物は、例えばグリセロールトリグ
リシジルエーテル1モルとアクリル酸1.5モルとを反
応させることにより得られる。
【0017】(C)成分の使用量は、全組成物の2〜3
0重量%であることが必要である。すなわち2重量%未
満であると染色性が不充分となる。また、30重量%を
越えると無機蒸着膜との密着性が不充分となりやすく、
好ましくない。
【0018】また、被膜の屈折率の調整または被膜の耐
久性を更に向上させるために(D)成分を含有すること
も可能である。
【0019】(D)成分のシリカ微粒子の具体的な例と
しては、シリカゾルおよびシリカ微粒子がある。シリカ
ゾルとは分散媒たとえば水、アルコール系もしくはその
他の有機溶媒に、高分子量無水ケイ酸をコロイド状に分
散させたものである。また粉末状シリカ微粒子は、コロ
イド状シリカの表面を疎水化処理された粉末であり、い
ずれも市販されているものである。この発明の目的のた
めには平均粒子径1〜100ミリミクロンのものが使用
されるが、好ましくは5〜30ミリミクロンの径のもの
が使用される。粒子径が1ミリミクロン以下であると微
粒子状シリカが安定に存在せず、一定した品質が得られ
ない。また100ミリミンクロン以上であるとコーティ
ング被膜が白濁するという問題が生じる。
【0020】また、一般式がSi(OR14で表される
四官能シラン化合物としては、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テト
ライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テト
ラフェノキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラ
アリロキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキ
シ)シラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラ
ン、テトラキス(2−エチルヘキシロキシ)シラン等が
あげられる。これらは単独で用いても、2種以上を混合
して用いてもよい。また、これらは無溶媒下またはアル
コール等の有機溶剤中で、酸の存在下で加水分解して使
用する方が好ましい。
【0021】このようにして得られるコーティング用組
成物は、必要に応じ、溶剤に希釈して用いることができ
る。溶剤としては、アルコール類、エステル類、ケトン
類、エーテル類、芳香族類等の溶剤が用いられる。
【0022】尚、本発明のコーティング組成物は上記成
分の他に必要に応じて、少量の界面活性剤、帯電防止
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料・油溶染料・
蛍光染料・顔料、フォトクロミック化合物、ヒンダード
アミン・ヒンダードフェノール系等の耐光耐熱安定剤等
を添加しコーティング液の塗布性および硬化後の被膜性
能を改良することもできる。また本発明は、上記ハード
コート膜をプラスチックレンズ基材表面に塗布する前
に、ポリウレタン樹脂および/またはポリエステル樹脂
からなるプライマー層を形成する場合にも大きな効果を
発揮する。
【0023】さらに、本発明のコーティング組成物の塗
布にあたっては、基材レンズと被膜の密着性を向上させ
る目的で、基材表面をあらかじめアルカリ処理、酸処
理、界面活性剤処理、無機あるいは有機物の微粒子によ
る研磨処理またはプラズマ処理を行なうことが効果的で
ある。
【0024】また、塗布・硬化方法としては、ディッピ
ング法、スピンナー法、スプレー法あるいはフロー法に
よりコーティング液を塗布した後、40〜200℃の温
度で数時間加熱乾燥することにより、被膜を形成するこ
とができる。特に熱変形温度が100℃未満の基材に対
しては治工具でレンズ基材を固定する必要のないスピン
ナー法が好適である。
【0025】また、シラノ−ルあるいは、エポキシ化合
物の硬化触媒を添加することも有用である。
【0026】好ましい硬化触媒としては、過塩素酸,過
塩素酸アンモニウム,過塩素酸マグネシウム等の過塩素
酸類、Li(I)Cu(II),Zn(II),Co(I
I),Ni(II),Be(II),Ce(III),Ta(II
I),Ti(III),Mn(III),La(III ),Cr
(III ),V(III),Co(III),Fe(III),A
l(III),Ce(IV),Zr(IV),V(IV)等を中
心金属原子とするアセチルアセトネ−ト、アミン,グリ
シン等のアミノ酸、ルイス酸、有機酸金属塩等が挙げら
れる。この中でも最も好ましい硬化触媒としては、過塩
素酸マグネシウム、Al(III ),Fe(III),Mn
(III)のアセチルアセトネ−トが挙げられる。添加量
は、固形分濃度の0.01〜5.0%の範囲内が望まし
い。
【0027】また、硬化被膜の膜厚としては、0.05
〜30μであることが好ましい。すなわち、0.05μ
未満では、基本となる性能が出ず、30μを越えると、
表面の平滑性が損なわれたり、光学的歪が発生する為好
ましくない。
【0028】その塗布方法としては、浸漬法、スプレ−
法、ロ−ルコ−ト法、スピンコ−ト法、フロ−コ−ト法
等が挙げられる。
【0029】本発明における無機物質からなる反射防止
膜を形成する被膜化方法としては、真空蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタリング法等が挙げられる。
真空蒸着法においては、蒸着中にイオンビームを同時に
照射するイオンビームアシスト法を用いてもよい。ま
た、膜構成としては、単層反射防止膜もしくは多層反射
防止膜のどちらを用いてもかまわない。
【0030】使用される無機物の具体例としては、Si
2,SiO,ZrO2,TiO2,TiO,Ti23
Ti25,Al23,Ta25,CeO2,MgO,Y2
3,SnO2,MgF2,WO3 などが挙げられる。こ
れらの無機物は単独で用いるかもしくは2種以上の混合
物を用いる。
【0031】また、反射防止膜を形成する際には、ハー
ドコート膜の表面処理を行なうことが望ましい。この表
面処理の具体的例としては、酸処理,アルカリ処理,紫
外線照射処理,アルゴンもしくは酸素雰囲気中での高周
波放電によるプラズマ処理,アルゴンや酸素もしくは窒
素などのイオンビーム照射処理などが挙げられる。
【0032】以下、実施例により更に詳細に説明する。
【0033】
【発明の実施の形態】実施例により本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0034】実施例−1 (1)エポキシアクリレートの合成 温度計、還流器を取り付けた1lのフラスコに、トリメ
チロールプロパントリグリシジルエーテル(ナガセケム
テックス(株)製;商品名「デナコールEX−32
1」)580g、アクリル酸112g、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート3g、ハイドロキノンメチルエー
テル0.4g、ブチルセロソルブ173gを入れ、撹拌
を行ないながら、70℃で2時間、80℃で2時間、続
いて90℃で6時間反応させてエポキシアクリレート
(EA−1)を得た。得られたエポキシアクリレート
は、APHA150、酸化0.05であった。
【0035】(2)ハードコート液の調整 メタノール1000g、1,4−ジオキサン592.7
g、メチルセロソルブ分散二酸化チタン一五酸化アンチ
モン−二酸化ケイ素複合微粒子ゾル(触媒化成工業
(株)製、固形分濃度20重量%)1988.7g、メ
タノール分散コロイド状シリカ(触媒化成工業(株)
製、商品名「オスカル1132」、固形分濃度30重量
%)221.6gを混合した後、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン523.1gを混合した。この
混合液に0.05N塩酸水溶液144gを撹拌しながら
滴下し、さらに4時間撹拌後一昼夜熟成させた。この液
にEA−1を518.6g添加した後過塩素酸マグネシ
ウム11.7g、シリコン系界面活性剤(日本ユニカー
(株)製、商品名「L−7001」)1.5gおよびヒ
ンダードアミン系光安定剤(三共(株)製、商品名「サ
ノールLS−770])5.3gを添加し4時間撹拌後
一昼夜熟成させてハードコート液とした。
【0036】(3)塗布および硬化 このようにして得られたハードコート液で、アルカリ処
理を施した屈折率1.60眼鏡レンズ(セイコーエプソ
ン(株)製、セイコースーパールーシャス用レンズ生
地)に浸漬法にて塗布を行なった。引き上げ速度は、2
3cm/minとした。塗布後80℃で20分間風乾し
た後110℃で180分間焼成を行なった。このように
して得られた硬化被膜の厚みは約2ミクロンであり、外
観、染色性共に優れたものであった。
【0037】実施例−2 実施例−1で得られたレンズに、それぞれ以下の方法で
無機物質からなる反射防止コート薄膜の形成を行なっ
た。 (1)反射防止薄膜の形成 上記の方法で得られたレンズをプラズマ処理(アルゴン
プラズマ400W×60秒)を行なった後、基板から大
気に向かって順に、SiO2、ZrO2、SiO 2、Zr
2、SiO2 の5層からなる反射防止多層膜を真空蒸
着法(真空器械工業(株)製;BMC−1000)にて
形成を行なった。各層の光学的膜厚は、最初のSiO2
層、次のZrO2とSiO2の等価膜層および次のZrO
2層、最上層のSiO2 層がそれぞれλ/4となる様に
形成した。なお、設計波長λは520nmとした。
【0038】得られた多層膜の反射干渉色は緑色を呈
し、全光線透過率は98%であった。
【0039】(2)試験および評価結果 実施例−1で得られたレンズ(以下ハードコートレンズ
と呼ぶ)および実施例−2で得られたレンズ(以下ハー
ドマルチコートレンズと呼ぶ)をそれぞれ次に述べる方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。 (a)耐摩耗性:ボンスター#0000スチールウール
(日本スチールウール(株)製)で1Kgの荷重をか
け、10往復、表面を摩擦し、傷ついた程度を目視で次
の段階に分けて評価した。 A:1cm*3cmの範囲に全く傷がつかない B:上記範囲内に1〜10本の傷がつく C:上記範囲内に10〜100本の傷がつく D:無数の傷がついているが、平滑な表面が残っている E:表面についた傷のため、平滑な表面が残っていない (b)耐水・耐薬品性:水、アルコール、灯油中に48
時間浸漬し、表面状態に変化のないものを良とした。 (c)耐酸・耐洗剤性:0.1N塩酸及び1%ママレモ
ン(ライオン油脂(株)製)水溶液に12時間浸漬し、
表面状態に変化のないものを良とした。 (d)密着性:基材とハードコート膜およびハードコー
ト膜とマルチコート膜との密着性は、JISD−020
2に準じてクロスカットテープ試験によって行なった。
即ち、ナイフを用い基材表面に1mm間隔に切れ目を入
れ、1平方mmのマス目を100個形成させる。次に、
その上へセロファン粘着テープ(ニチバン(株)製 商
品名「セロテープ(登録商標)」)を強く押し付けた
後、表面から90度方向へ急に引っ張り剥離した後コー
ト被膜の残っているマス目をもって密着性指標とした。 (e)耐候性:キセノンランプによるサンシャインウェ
ザーメーターに400時間暴露した後の表面状態に変化
のないものを良とした。 (f)耐熱性(冷却サイクル性):70℃の温風中に1
時間保存した後表面状態を調べた。更に−5℃で15
分、60℃で15分のサイクルを5回繰り返し、表面状
態に変化のないものを良とした。 (g)耐久性:耐久性は本質的に密着性の接続であると
考え、(a)から(f)の試験を行なったものについ
て、上記のクロスカットテープ試験を行ないコート膜に
剥離のないものを良とした。 (h)染色性(ハードコートレンズのみ):92℃の純
水1リットルに、セイコープラックスダイヤコート用染
色剤アンバーDを2g分散させ染色液を調整した。
【0040】この染色液に、5分間浸漬させ染色を行な
い、染色ムラがなく、かつ全光線透過率が染色前と染色
後の差が30%以上のものを良とした。
【0041】実施例−3 (1)エポキシアクリレートの合成 温度計、還流器を取り付けた1lのフラスコに、グリセ
ロールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス
(株)製;商品名「デナコールEX−313」)580
g、アクリル酸144g、ベンジルトリメチルアンモニ
ウムクロリド3g,ハイドロキノンメチルエーテル0.
4g、ブチルセロソルブ181gを入れ撹拌を行ないな
がら、70℃で2時間、80℃で6時間反応させてエポ
キシアクリレート(EA−2)を得た。得られたエポキ
シアクリレートは、APHA150、酸化0.05であ
った。
【0042】(2)ハードコート液の調整 ブチルセロソルブ395g,メタノール分散二酸化チタ
ン一五酸化アンチモン−二酸化ケイ素複合微粒子ゾル
(触媒化成工業(株)製、固形分濃度20wt%)40
9.6gを混合した後、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン124.5gを混合した。この混合液に
0.05N塩酸水溶液35gを撹拌しながら滴下を行な
い4時間撹拌後一昼夜熟成させた。この液にEA−2を
35g添加した後アルミニウム(III)アセチルアセト
ネート2.0g、シリコン系界面活性剤(日本ユニカー
(株)製;商品名「FZ−2110」)0.3gおよび
フェノール系酸化防止剤(川口化学工業(株)製、商
品名「アンテージクリスタル」)0.7gを添加し4時
間撹拌後一昼夜熟成させてハードコート液とした。
【0043】(3)塗布および硬化 このようにして得られたハードコート液で、屈折率1.
67眼鏡レンズ(セイコーエプソン(株)製、セイコー
スーパーソブリン用レンズ生地)にスピンナー法にて塗
布を行なった。
【0044】コーティング条件は以下の通りである。 回転数 500rpmで10秒(この間に塗液を塗
布) 回転数 2000rpmで 1秒 回転数 500rpmで 5秒 塗布後80℃で20分間風乾した後、130℃で120
分間焼成を行なった。このようにして得られた硬化被膜
の厚みは約2.3ミクロンであり、外観、染色性共に優
れたものであった。
【0045】(4)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−1と同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0046】実施例−4 (1)反射防止薄膜の形成 上記の方法で得られたレンズをプラズマ処理(アルゴン
プラズマ400W×60秒)を行なった後、基板から大
気に向かって順に、ZrO2、SiO2、ZrO 2、Si
2の4層からなる反射防止多層膜を真空蒸着法(真空
器械工業(株)製;BMC−1000)にて形成を行な
った。各層の光学的膜厚は、最初のZrO 2とSiO2
等価膜層および次のZrO2層、最上層のSiO2層がそ
れぞれλ/4となる様に形成した。なお、設計波長λは
520nmとした。
【0047】得られた多層膜の反射干渉色は緑色を呈
し、全光線透過率は98%であった。
【0048】(2)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−2と同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0049】実施例−5 (1)エポキシメタクリレートの合成 温度計、還流器を取り付けた1lのフラスコに、1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(ナガセケム
テックス(株)製;商品名「デナコールEX−21
2」)600g、メタクリル酸189g、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート3g、ハイドロキノンメチルエ
ーテル0.4g、ブチルセロソルブ338gを入れ撹拌
を行ないながら、70℃で2時間、80℃で2時間、続
いて90℃で6時間反応させてエポキシメタクリレート
(EA−3)を得た。得られたエポキシメタクリレート
は、APHA180、酸化0.05であった。
【0050】(2)ハードコート液の調整 イソプロピルセロソルブ268.3g、純水92.1g
およびメタノール分散二酸化チタン一五酸化アンチモン
−二酸化ケイ素複合微粒子ゾル(触媒化成工業(株)
製、固形分濃度25wt%)344.6gを混合した
後、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5
4.8gおよびγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン62.6gおよびテトラメトキシシラン16.8
gを混合した。この混合液に0.05N塩酸水溶液4
1.5gを撹拌しながら滴下した。さらに5時間撹拌後
一昼夜熟成させた。この液にEA−3を76.3g、ア
セチルアセトン鉄(III)塩1.5gおよびシリコン系
界面活性剤(日本ユニカー(株)製;商品名「L−76
04」)0.3gを添加し4時間撹拌後一昼夜熟成させ
てハードコート液とした。
【0051】(3)塗布および硬化 このようにして得られたハードコート液で、屈折率1.
58のポリカーボネート射出成形眼鏡レンズにスピンナ
ー法にて塗布を行なった。コーティング条件は、実施例
−3と同様な方法で行なった。
【0052】塗布後80℃で15分間風乾した後、13
0℃で2時間焼成を行なった。このようにして得られた
硬化被膜の厚みは約2.1ミクロンであり、外観、染色
性共に優れたものであった。
【0053】(4)反射防止薄膜の形成 上記の方法で得られたレンズを実施例−4のZrO2
ZrO2とTi酸化物の混合物(ZrO2/Ti酸化物=
65/35(重量比))に変更したこと以外は、同様の方
法で反射防止膜を形成した。
【0054】得られた多層膜の反射干渉色は緑色を呈
し、全光線透過率は98.5%であった。
【0055】(5)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−2と同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。なお、染
色性はハードコートレンズの状態で評価を行なった。
【0056】実施例−6 (1)エポキシメタクリレートの合成 温度計、還流器を取り付けた1lのフラスコに、トリプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケム
テックス(株)製;商品名「デナコールEX−92
1」)615g、メタクリル酸129g、ベンジルトリ
メチルアンモニウムクロリド3g、ハイドロキノンメチ
ルエーテル0.4g、ブチルセロソルブ319gを入れ
撹拌を行ないながら、70℃で2時間、80℃で2時
間、続いて90℃で6時間反応させてエポキシメタクリ
レート(EA−4)を得た。得られたエポキシメタクリ
レートは、APHA200、酸化0.05であった。
【0057】(2)ハードコート液の調整 メチルセロソルブ915.6g、水分散二酸化チタン一
五酸化アンチモン−二酸化ケイ素微粒子ゾル(触媒化成
工業(株)製、固形分濃度30wt%)1244.4g
を混合した後、γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン211.7gおよびγ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン211.7gを混合した。この
混合液に0.05N塩酸水溶液93gを撹拌しながら滴
下を行ない4時間撹拌後一昼夜熟成させた。この液にE
A−4を321g添加した後第一塩化スズ3.5g、シ
リコン系界面活性剤(ビッグケミー(株)製;商品名
「BYK−300」)0.1gを添加し4時間撹拌後一
昼夜熟成させてハードコート液とした。
【0058】(3)塗布および硬化 このようにして得られたハードコート液で、屈折率1.
56眼鏡レンズ(セイコーエプソン(株)製、セイコー
プラックスIIGX用レンズ生地)スプレー法にて塗布を
行なった。
【0059】スプレーは、イワタワイダー61(岩田塗
装機(株)製;ノズル口径1mm)を用い、スプレー圧
力3Kg/平方cm、塗料吐出量100ml/minで
おこなった。
【0060】塗布後80℃で10分間風乾した後130
℃で2時間焼成を行なった。このようにして得られた硬
化被膜の厚みは約4ミクロンであり、外観、染色性共に
優れたものであった。
【0061】(4)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−1と同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0062】実施例−7 (1)反射防止薄膜の形成 実施例−6で得られたレンズを酸素ガスによるイオンビ
ーム照射処理(加速電圧500V×60秒) を行なっ
た後、基板から大気に向かって順に、SiO2、Zr
2、SiO2、TiO2、SiO2の5層からなる反射
防止多層膜を真空蒸着法(真空器械工業(株)製;BM
C−1000)にて形成を行なった。その際4層目のT
iO2をイオンビームアシスト蒸着により成膜を行っ
た。蒸着各層の光学的膜厚は、最初のSiO2、次のZ
rO2とSiO2の等価膜層がλ/4、TiO2層がλ/
2、最上層のSiO2層がλ/4となる様に形成した。
なお、設計波長λは520nmとした。
【0063】得られた多層膜の反射干渉色は緑色を呈
し、全光線透過率は99%であった。
【0064】(2)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−2と同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0065】実施例−8 (1)プライマー液の調整 メタノール212.0g、市販の水性エマルジョンポリ
ウレタン(日華化学(株)製、商品名「ネオステッカー
700」、固形分濃度37%)103.0gを混合した
後、メタノール分散二酸化チタン一五酸化アンチモン−
二酸化ケイ素複合微粒子ゾル(触媒化成工業(株)製、
固形分濃度20wt%)185.0gを混合してよく攪
拌してプライマー液とした。
【0066】(2)ハードコート液の調整 実施例−3と同様な方法でハードコート液の調整を行な
った。
【0067】(3)塗布および硬化 得られたプライマー液で、屈折率1.67眼鏡レンズ
(セイコーエプソン(株)製、セイコースーパーソブリ
ン用レンズ生地)にスピンナー法にて塗布を行なった。
【0068】コーティング条件は以下の通りである。 回転数 500rpmで10秒(この間に塗液を塗
布) 回転数 1000rpmで 1秒 回転数 500rpmで 5秒 塗布後80℃で20分間風乾した。
【0069】このプライマーを塗布した表面に(2)で
調整したハードコート液を用いスピンナー法にてハード
コート液の塗布を行なった。
【0070】コーティング条件は以下の通りである。 回転数 500rpmで10秒(この間に塗液を塗
布) 回転数 2000rpmで 1秒 回転数 500rpmで 5秒 塗布後80℃で20分間風乾した後、130℃で120
分間焼成を行なった。
【0071】(4)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−1と同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0072】実施例−9 (1)反射防止薄膜の形成 上記の方法で得られたレンズを実施例−4と同様な方法
で反射防止膜の形成を行なった。
【0073】(2)試験および評価結果 このようにして得られたレンズは実施例−2と同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0074】比較例−1 実施例−1において、EA−1を添加しないこと以外は
すべて同様な方法でレンズに塗布を行なった。
【0075】このようにして得られたレンズを同様の方
法で試験を行ない、その結果を表1に示した。
【0076】比較例−2 実施例−3において、メタノール分散二酸化チタン一五
酸化アンチモン−二酸化ケイ素複合微粒子ゾル(触媒化
成工業(株)製、固形分濃度20wt%)の代わりにメ
タノール分散二酸化チタン−二酸化ジルコニウム−二酸
化ケイ素複合微粒子ゾル(触媒化成工業(株)製、商品
名「オプトレイク1120Z(S−7・A8)、固形分濃度
20重量%」)を添加すること以外はすべて同様な方法
でレンズに塗布を行なった。
【0077】このようにして得られたレンズを実施例−
1と同様の方法で試験を行ない、その結果を表1に示し
た。
【0078】比較例−3 比較例−2で得られたレンズを実施例−4と同様な方法
で、反射防止膜の形成を行なった。
【0079】このようにして得られたレンズを実施例−
2と同様の方法で試験を行ない、その結果を表1に示し
た。
【0080】
【表1】
【0081】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により表面
の高硬度化が可能となり、かつ良好な染色性と無機物か
らなる反射防止膜との密着性(耐久性)とを同時に得る
ことができた。即ちプラスチックレンズ材料として、
(メタ)アクリル樹脂をはじめとしてスチレン樹脂、カ
ーボネート樹脂、アリル樹脂、アリルカーボネート樹
脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹
脂、ウレタン樹脂更に新たなモノマーやコモノマーの重
合体等各種機能をもった樹脂に応用し得られる。
【0082】優れた耐擦傷性と良好な染色性および良好
な無機物からなる反射防止膜との密着性(耐久性)を兼
ね備えたプラスチック材料は、眼鏡レンズ、カメラレン
ズ、光ビーム集光レンズや光拡散用レンズとして民生用
或いは産業用に広く応用することができる。更に本発明
による効果は、ウォッチガラスやディスプレイ用カバー
ガラス等の透明ガラスやカバーガラス等の光学用途の透
明プラスチック全般に応用利用が可能であり、得られる
効果は多大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/11 G02B 1/10 A Fターム(参考) 2K009 CC03 CC09 CC24 CC33 CC42 DD03 DD04 DD07 4F100 AA17B AA20B AA21B AA21C AA29B AH06B AK25B AK52B AK53B AL01B AL05B AR00C AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C CC00B DE01B GB90 JL00 JN06C 4J038 DL031 DL032 DL101 DL102 FA171 FA172 GA07 HA216 HA446 PB03 PB08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記の成分(A),(B)お
    よび(C)を主成分とすることを特徴とするコーティン
    グ用組成物。 (A)粒径1〜100ミリミクロンのSi、Sb、Ti
    の金属酸化物から構成される複合微粒子 (B)少なくとも一個以上の重合可能な反応基を有する
    シラン化合物 (C)一分子中にグリシジル基と(メタ)アクリロイル
    基とを同時に有するエポキシ(メタ)アクリレ−ト
  2. 【請求項2】 下記(D)成分を含有することを特徴と
    する請求項1記載のコーティング用組成物。 (D)粒径1〜100ミリミクロンのシリカ微粒子およ
    び/または一般式が Si(OR14 で表される有機ケイ素化合物の加水分解物および/また
    は部分縮合物(ここでR 1は炭素数1から8の炭化水素
    基、アルキル基を表す)
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のコーティング用
    組成物からなるコート被膜表面に無機物質からなる反射
    防止膜を設けたことを特徴とする積層体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の無機物質からなる反射防
    止膜が、少なくとも一層がTiO2を含むことを特徴と
    する積層体。
JP2002102952A 2002-04-04 2002-04-04 コーティング用組成物および積層体 Withdrawn JP2003292896A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002102952A JP2003292896A (ja) 2002-04-04 2002-04-04 コーティング用組成物および積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002102952A JP2003292896A (ja) 2002-04-04 2002-04-04 コーティング用組成物および積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003292896A true JP2003292896A (ja) 2003-10-15

Family

ID=29242463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002102952A Withdrawn JP2003292896A (ja) 2002-04-04 2002-04-04 コーティング用組成物および積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003292896A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006111702A (ja) * 2004-10-14 2006-04-27 Seiko Epson Corp 塗布液の生成方法、レンズの製造方法および塗布液
WO2006122308A3 (en) * 2005-05-11 2007-06-21 Yazaki Corp Antireflective coating compositions and methods for depositing such coatings
JP2010163615A (ja) * 2008-12-31 2010-07-29 Posco 自己洗浄性部材及びこれに含まれる共加水分解縮合物とその製造方法
WO2016175245A1 (ja) * 2015-04-30 2016-11-03 日産化学工業株式会社 コーティング組成物及び光学部材
JP2016538379A (ja) * 2013-11-18 2016-12-08 ローム アンド ハース カンパニーRohm And Haas Company 接着剤組成物
WO2018118949A1 (en) * 2016-12-20 2018-06-28 Ppg Industries Ohio, Inc. Anti-reflective coated articles and method of making them

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006111702A (ja) * 2004-10-14 2006-04-27 Seiko Epson Corp 塗布液の生成方法、レンズの製造方法および塗布液
WO2006122308A3 (en) * 2005-05-11 2007-06-21 Yazaki Corp Antireflective coating compositions and methods for depositing such coatings
EP2258779A1 (en) * 2005-05-11 2010-12-08 Yazaki Corporation Antireflective coating compositions and methods for depositing such coatings
EP2757134A3 (en) * 2005-05-11 2014-08-20 Yazaki Corporation Antireflective coating compositions and methods for depositing such coatings
US8865786B2 (en) 2005-05-11 2014-10-21 Yazaki Corporation Antireflective coating compositions
US8927055B2 (en) 2005-05-11 2015-01-06 Yazaki Corporation Methods for depositing antireflective coating compositions
JP2010163615A (ja) * 2008-12-31 2010-07-29 Posco 自己洗浄性部材及びこれに含まれる共加水分解縮合物とその製造方法
JP2016538379A (ja) * 2013-11-18 2016-12-08 ローム アンド ハース カンパニーRohm And Haas Company 接着剤組成物
WO2016175245A1 (ja) * 2015-04-30 2016-11-03 日産化学工業株式会社 コーティング組成物及び光学部材
JPWO2016175245A1 (ja) * 2015-04-30 2018-03-01 日産化学工業株式会社 コーティング組成物及び光学部材
CN107960095A (zh) * 2015-04-30 2018-04-24 日产化学工业株式会社 涂布组合物和光学部件
EP3290488A4 (en) * 2015-04-30 2018-04-25 Nissan Chemical Industries, Ltd. Coating composition and optical member
US11634589B2 (en) 2015-04-30 2023-04-25 Nissan Chemical Industries, Ltd. Coating composition and optical member
WO2018118949A1 (en) * 2016-12-20 2018-06-28 Ppg Industries Ohio, Inc. Anti-reflective coated articles and method of making them
CN110088056A (zh) * 2016-12-20 2019-08-02 Ppg工业俄亥俄公司 抗反射涂覆制品及其制造方法
KR20190094204A (ko) * 2016-12-20 2019-08-12 피피지 인더스트리즈 오하이오 인코포레이티드 반사-방지 코팅된 물품 및 이의 제조 방법
KR20210068635A (ko) * 2016-12-20 2021-06-09 피피지 인더스트리즈 오하이오 인코포레이티드 반사-방지 코팅된 물품 및 이의 제조 방법
KR102350314B1 (ko) 2016-12-20 2022-01-12 피피지 인더스트리즈 오하이오 인코포레이티드 반사-방지 코팅된 물품 및 이의 제조 방법
KR102356981B1 (ko) 2016-12-20 2022-02-08 피피지 인더스트리즈 오하이오 인코포레이티드 반사-방지 코팅된 물품 및 이의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3840664B2 (ja) コーティング用組成物
JPH11310755A (ja) コーティング用組成物及び積層体
JP4745324B2 (ja) プラスチックレンズ
JPH08295846A (ja) コーティング用組成物および積層体
JP6480951B2 (ja) コーティング組成物、及び該コーティング組成物よりなるコート層を有する光学物品
JP3852100B2 (ja) コーティング用組成物およびその積層体
JPH08311408A (ja) コーティング用組成物およびその製造方法および積層体
JP3837865B2 (ja) コーティング用組成物及び光学物品
JP3812685B2 (ja) コーティング用組成物および積層体
JPH10292135A (ja) コーティング用組成物、その製造方法および積層体
JPS6289902A (ja) 透明成形体
JP2003292896A (ja) コーティング用組成物および積層体
JPH08311240A (ja) コーティング用組成物および積層体
JPH11119001A (ja) プラスチックレンズ
JP2000266905A (ja) プラスチックカラーレンズの製造方法およびプラスチックカラーレンズ
JP4765674B2 (ja) プライマー組成物、およびプラスチックレンズ
JPH10324846A (ja) コーティング用組成物、積層体及び眼鏡レンズ
JPH11199797A (ja) ディッピング用組成物及びディッピング塗装方法
JPH08311401A (ja) コーティング用組成物およびその製造方法および積層体
JPH11131021A (ja) コーティング用組成物およびその積層体
JPH06136318A (ja) コーティング用組成物
JP3220906B2 (ja) コーティング用組成物
JP2000284235A (ja) プラスチックレンズ
JP2001288406A (ja) プライマー組成物およびプライマー付きハードコートレンズおよびハードマルチコートレンズ
JP2003292882A (ja) コーティング用組成物および積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050607