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JP2003284067A - 映像中継システム並びに映像送信装置及びそのプログラム並びに映像受信装置及びそのプログラム - Google Patents

映像中継システム並びに映像送信装置及びそのプログラム並びに映像受信装置及びそのプログラム

Info

Publication number
JP2003284067A
JP2003284067A JP2002079878A JP2002079878A JP2003284067A JP 2003284067 A JP2003284067 A JP 2003284067A JP 2002079878 A JP2002079878 A JP 2002079878A JP 2002079878 A JP2002079878 A JP 2002079878A JP 2003284067 A JP2003284067 A JP 2003284067A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
video
image
designated
background
coded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002079878A
Other languages
English (en)
Inventor
Kikufumi Kanda
菊文 神田
Sadaharu Okada
定晴 岡田
Shunichi Okada
俊一 岡田
Kenji Takagi
健次 高木
Masashi Kubota
正志 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Hoso Kyokai NHK, Japan Broadcasting Corp filed Critical Nippon Hoso Kyokai NHK
Priority to JP2002079878A priority Critical patent/JP2003284067A/ja
Publication of JP2003284067A publication Critical patent/JP2003284067A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Television Systems (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 映像信号の符号化側の装置に負荷をかけず
に、画像劣化を低減させる映像中継システムを提供す
る。 【解決手段】 映像中継システム1は、背景映像符号化
手段21、符号化背景映像送信手段22、領域情報受信
手段23、指定映像抽出手段24、指定映像符号化手段
25及び符号化指定映像送信手段26を備える映像送信
装置2と、領域指定手段30、領域情報送信手段31、
符号化背景映像受信手段33、背景映像復号化手段3
4、背景映像蓄積手段35、符号化指定映像受信手段3
6、指定映像復号化手段37及び映像合成手段38を備
える映像受信装置3からなり、予め映像送信装置2から
映像全体を背景映像として映像受信装置3に送信してお
き、後から人物領域等の重要度の高い領域のみを時系列
に送信し、映像受信装置3で、先に受信した背景映像と
合成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像信号の符号化
伝送技術に関し、特に、ビットレートが低い場合でも画
像劣化を軽減する映像中継システム並びに映像送信装置
及びそのプログラム並びに映像受信装置及びそのプログ
ラムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、映像符号化方式としては、国際標
準化機関であるISO/IEC JTC1/SC29/
WG11で標準化されたISO/IEC 13818
(MPEG−2)や、ISO/IEC 14496(M
PEG−4)等がある。このMPEG−2は、入力画像
を16×16画素(マクロブロック)の単位で、動き補
償予測を行い、この動き補償予測された画像と入力画像
との差分を、8×8画素のブロックに分割し、離散コサ
イン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)を行
う。ここで生成される変換係数を量子化し、符号化を行
うことで動画像を圧縮した符号化データが生成される。
【0003】このように、DCT等の直交変換を使用し
た符号化では、ブロック単位で符号化処理を行うため、
量子化による歪みがブロック境界で不連続として検知さ
れる、いわゆるブロック歪みや、高周波成分を粗く量子
化することで発生するモスキート歪み等の符号化歪みが
発生することがある。このような画質劣化を改善する手
法は、画像の動き等の特徴に基づいて符号量のビットの
配分を変更する方法等、種々提案されている。また、M
PEG−4は、画像をオブジェクト毎に分けて符号化を
行うことができるため、通信回線等の伝送路のビットレ
ートが低い場合でも画像劣化を抑えた映像伝送を行うこ
とができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、遠隔地で撮影
した映像を映像送信装置で符号化して伝送し、その伝送
されたデータを、放送局の映像受信装置で復号して映像
を再生する映像中継放送のような形態において、例え
ば、衛星電話を用いて遠隔地から映像を映像受信装置に
伝送する場合、伝送に確保できるビットレートは64k
bps程度と低い。そのため、符号化された映像には著
しい画像劣化が生じ、前記従来の技術において、この画
像劣化を改善しようとすると、その改善手法の処理が高
度になればなるほど映像送信装置の演算量が増加し、映
像送信装置のハードウェア量、消費電力及び符号化を行
うための遅延時間が増大する。
【0005】これは、MPEG−4のように画像をオブ
ジェクト毎に分けて符号化を行う場合においても同様
で、画像を意味内容に応じてオブジェクトに分割するに
は多くの演算量が必要となり、映像送信装置のハードウ
ェア量、消費電力及び符号化を行うための遅延時間が増
大する。
【0006】このハードウェア量及び消費電力の増大
は、例えば、遠隔地から映像を伝送する場合、搬入する
機材が増えるとともに、現地で多くの電力を確保しなけ
ればならないという問題がある。また、符号化を行うた
めの遅延時間の増大は、例えば、映像を送信する側の人
間と、映像を受信する側の人間とが互いに話をする場
合、時間のずれが発生するため、うまくかみ合わないと
いう問題がある。
【0007】本発明は、以上のような問題点に鑑みてな
されたものであり、映像送信装置の負荷を軽減させ、且
つ、画像劣化を低減させる映像中継システム並びに映像
送信装置及びそのプログラム並びに映像受信装置及びそ
のプログラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために創案されたものであり、まず、請求項1に
記載の映像中継システムは、以下の構成にかかるものと
した。すなわち、撮影範囲を固定した固定カメラで撮影
した映像を中継する映像中継システムにおいて、映像を
符号化して送信する映像送信装置を、固定カメラで撮影
した撮影領域全体の映像を背景映像として符号化した符
号化背景映像を映像受信装置へ送信する背景映像符号化
送信手段と、映像受信装置から、固定カメラで撮影した
映像の特定の領域を指定するための少なくとも位置及び
大きさを含んだ領域情報を受信する領域情報受信手段
と、その領域情報に基づいて、固定カメラで撮影した撮
影領域の映像から指定された領域の指定映像を抽出する
指定映像抽出手段と、この指定映像抽出手段で抽出され
た指定映像を符号化した符号化指定映像を映像受信装置
へ送信する指定映像符号化送信手段と、を備える構成と
した。
【0009】さらに、映像受信装置を、領域情報を指定
するための領域指定手段と、この領域指定手段で指定さ
れた領域情報を映像送信装置へ送信する領域情報送信手
段と、映像送信装置から送信される符号化背景映像を受
信して復号化を行う符号化背景映像受信復号化手段と、
映像送信装置から送信される符号化指定映像を受信して
復号化を行う符号化背景映像受信復号化手段と、符号化
背景映像受信復号化手段で復号化された背景映像と、符
号化背景映像受信復号化手段で復号化された指定映像と
を合成する映像合成手段と、を備える構成とした。
【0010】かかる構成によれば、映像中継システム
は、映像送信装置の背景映像符号化送信手段によって、
固定カメラで撮影した撮影領域全体の映像を背景映像と
して、予め映像受信装置へ符号化して送信しておく。そ
して、映像受信装置の領域指定手段によって指定された
固定カメラで撮影した映像の位置及び大きさを含んだ領
域情報を映像送信装置に送信することで、映像送信装置
の指定映像抽出手段によって、固定カメラで撮影した撮
影領域の映像から、その指定された領域の指定映像を抽
出し、指定映像符号化送信手段によって、その指定映像
を時系列に映像受信装置へ符号化して送信する。そし
て、映像受信装置では、先に受信して復号化した背景映
像と、時系列に送信されてくる符号化指定映像を受信し
て復号化した指定映像とを、映像合成手段によって合成
することで映像を再生する。
【0011】なお、ここでいう背景映像とは、固定カメ
ラで撮影した撮影領域全体の映像であって、動きが少な
く静止画として扱うことができるものである。これによ
って、映像受信装置で再生された映像は、静止画である
背景映像上の指定された領域のみが逐次更新される。
【0012】また、請求項2に記載の映像送信装置は、
撮影範囲を固定した固定カメラで撮影した撮影領域全体
の映像である背景映像と、外部から指定される少なくと
も位置及び大きさを含んだ領域情報に基づいて、固定カ
メラで撮影した映像から前記指定された領域を抽出した
指定映像とを個別に符号化して送信する映像送信装置で
あって、背景映像を符号化する背景映像符号化手段と、
この背景映像符号化手段で符号化した符号化背景映像を
映像受信装置へ送信する符号化背景映像送信手段と、領
域情報に基づいて、固定カメラで撮影した映像から指定
映像を抽出する指定映像抽出手段と、この指定映像抽出
手段で抽出した指定映像を符号化する指定映像符号化手
段と、この指定映像符号化手段で符号化した符号化指定
映像を映像受信装置へ送信する符号化指定映像送信手段
と、を備える構成とした。
【0013】かかる構成によれば、映像送信装置は、背
景映像符号化手段によって、固定カメラで撮影した静止
画として扱うことができる映像を背景映像として符号化
し、符号化背景映像送信手段によって、予めその符号化
された符号化背景映像を映像受信装置へ送信しておく。
そして、外部から指定される位置及び大きさを含んだ領
域情報に基づいて、指定映像抽出手段が固定カメラで撮
影した映像から指定映像を抽出し、その指定映像を指定
映像符号化手段によって符号化し、その符号化された符
号化指定映像を符号化指定映像送信手段によって時系列
に映像受信装置へ送信する。
【0014】これによって、この映像送信装置から符号
化背景映像と符号化指定映像とを受信した映像受信装置
は、符号化背景映像を復号化した背景映像を固定的に使
用して、その背景映像上に時系列に送信されてくる符号
化指定映像を復号化し合成することで、映像を再生する
ことができる。
【0015】さらに、請求項3に記載の映像送信プログ
ラムは、撮影範囲を固定した固定カメラで撮影した撮影
領域全体の映像である背景映像と、外部から指定される
少なくとも位置及び大きさを含んだ領域情報に基づい
て、前記固定カメラで撮影した映像から前記指定された
領域を抽出した指定映像とを個別に符号化して送信する
ために、コンピュータを、以下の手段により機能させる
構成とした。
【0016】すなわち、背景映像を符号化する背景映像
符号化手段、この背景映像符号化手段で符号化した符号
化背景映像を映像受信装置へ送信する符号化背景映像送
信手段、領域情報に基づいて、固定カメラで撮影した映
像から指定映像を抽出する指定映像抽出手段、この指定
映像抽出手段で抽出した指定映像を符号化する指定映像
符号化手段、この指定映像符号化手段で符号化した符号
化指定映像を映像受信装置へ送信する符号化指定映像送
信手段とした。
【0017】かかる構成によれば、映像送信プログラム
は、背景映像符号化手段によって、固定カメラで撮影し
た静止画として扱うことができる映像を背景映像として
符号化し、符号化背景映像送信手段によって、予めその
符号化された符号化背景映像を映像受信装置へ送信して
おく。そして、外部から指定される位置及び大きさを含
んだ領域情報に基づいて、指定映像抽出手段が固定カメ
ラで撮影した映像から指定映像を抽出し、その指定映像
を指定映像符号化手段によって符号化し、その符号化さ
れた符号化指定映像を符号化指定映像送信手段によって
時系列に映像受信装置へ送信する。
【0018】これによって、この映像送信装置から符号
化背景映像と符号化指定映像とを受信した映像受信装置
は、符号化背景映像を復号化した背景映像を固定的に使
用して、その背景映像上に時系列に送信されてくる符号
化指定映像を復号化し合成することで、映像を再生する
ことができる。
【0019】また、請求項4に記載の映像受信装置は、
撮影範囲を固定した固定カメラで撮影した撮影領域全体
の映像である背景映像を符号化した符号化背景映像と、
固定カメラで撮影した映像から予め指定した領域を抽出
した指定映像を符号化した符号化指定映像とを、映像送
信装置から個別に受信して映像を再生する映像受信装置
であって、映像送信装置から送信される符号化背景映像
を受信する符号化背景映像受信手段と、この符号化背景
映像受信手段で受信した符号化背景映像を復号化する背
景映像復号化手段と、この背景映像復号化手段で復号化
された背景映像を蓄積する背景映像蓄積手段と、映像送
信装置から送信される符号化指定映像を受信する符号化
指定映像受信手段と、この符号化指定映像受信手段で受
信した符号化指定映像を復号化する指定映像復号化手段
と、この指定映像復号化手段で復号化された指定映像
と、背景映像蓄積手段に蓄積されている背景映像とを合
成する映像合成手段と、を備える構成とした。
【0020】かかる構成によれば、映像受信装置は、符
号化背景映像受信手段によって、静止画として扱うこと
ができる背景映像を符号化した符号化背景映像を受信し
て、背景映像復号化手段によって、その符号化背景映像
を復号して背景映像蓄積手段に蓄積しておく。また、符
号化指定映像受信手段によって、符号化指定映像を時系
列に受信して、指定映像復号化手段によって、その符号
化指定映像を復号する。そして、映像受信装置は、背景
映像蓄積手段に蓄積してある背景映像を固定的に使用し
て、映像合成手段によって、その背景映像上に時系列に
送信されてくる指定映像を合成することで映像を再生す
る。
【0021】さらに、請求項5に記載の映像受信装置
は、請求項4に記載の映像受信装置において、固定カメ
ラで撮影される映像から前記指定映像を抽出するため
の、少なくとも位置及び大きさを含んだ領域情報を指定
する領域指定手段と、この領域指定手段で指定された領
域情報を映像送信装置へ送信する領域情報送信手段と、
を備える構成とした。
【0022】かかる構成によれば、映像受信装置は、映
像送信装置に接続された固定カメラで撮影される映像の
中で、人物等の動きのある領域あるいは逐次映像を更新
する必要のある領域を領域指定手段によって指定し、領
域情報送信手段によって、その指定領域を示す領域情報
を映像送信装置に通知する。そして、映像送信装置が、
映像受信装置からの指示に基づいて、固定カメラで撮影
される映像から指定映像を抽出して映像受信装置に送信
する。
【0023】また、請求項6に記載の映像受信プログラ
ムは、撮影範囲を固定した固定カメラで撮影した撮影領
域全体の映像である背景映像を符号化した符号化背景映
像と、前記固定カメラで撮影した映像から予め指定した
領域を抽出した指定映像を符号化した符号化指定映像と
を、映像送信装置から個別に受信して映像を再生するた
めに、コンピュータを、以下の手段により機能させる構
成とした。
【0024】すなわち、映像送信装置から送信される符
号化背景映像を受信する符号化背景映像受信手段、この
符号化背景映像受信手段で受信した前記符号化背景映像
を、前記背景映像に復号化して背景映像蓄積手段に蓄積
する背景映像復号化手段、映像送信装置から送信される
前記符号化指定映像を受信する符号化指定映像受信手
段、この符号化指定映像受信手段で受信した前記符号化
指定映像を復号化する指定映像復号化手段、この指定映
像復号化手段で復号化された指定映像と、背景映像蓄積
手段に蓄積されている背景映像とを合成する映像合成手
段とした。
【0025】かかる構成によれば、映像受信プログラム
は、符号化背景映像受信手段によって、静止画として扱
うことができる背景映像を符号化した符号化背景映像を
受信して、背景映像復号化手段によって、その符号化背
景映像を復号化して背景映像蓄積手段に蓄積しておく。
また、符号化指定映像受信手段によって、符号化指定映
像を時系列に受信して、指定映像復号化手段によって、
その符号化指定映像を復号化する。そして、映像受信装
置は、背景映像蓄積手段に蓄積してある背景映像を固定
的に使用して、映像合成手段によって、その背景映像上
に時系列に送信されてくる指定映像を合成することで映
像を再生する。
【0026】さらに、請求項7に記載の映像受信プログ
ラムは、請求項6に記載の映像受信プログラムにおい
て、固定カメラで撮影される映像から前記指定映像を抽
出するための、少なくとも位置及び大きさを含んだ領域
情報を指定する領域指定手段、この領域指定手段で指定
された領域情報を映像送信装置へ送信する領域情報送信
手段、として機能させる構成とした。
【0027】かかる構成によれば、映像受信プログラム
は、映像送信装置に接続された固定カメラで撮影される
映像の中で、人物等の動きのある領域あるいは逐次映像
を更新する必要のある領域を領域指定手段によって指定
し、領域情報送信手段によって、その指定領域を示す領
域情報を映像送信装置に通知する。そして、映像送信装
置が、映像受信装置からの指示に基づいて、固定カメラ
で撮影される映像から指定映像を抽出して映像受信装置
に送信する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0029】(映像中継システムの構成)図1は、映像
中継システムの全体構成を示す概略のブロック図であ
る。図1に示すように、映像中継システム1は、映像送
信装置2と、映像受信装置3とを伝送路5を介して接続
する構成とした。
【0030】この映像中継システム1は、映像送信装置
2によって、撮影範囲を固定した固定カメラ7で撮影し
た撮影領域全体の動きのない静止した背景映像を、予め
映像受信装置3へ送信し、その後に、前記固定カメラの
撮影領域の中で人物領域等の動きのある領域として映像
受信装置3から指定された指定映像を順次時系列に映像
受信装置3へ送信し、映像受信装置3によって、予め受
信した前記背景映像に前記指定映像を順次合成すること
で、遠隔地からの映像を中継するシステムである。
【0031】また、この中継に使用する伝送路5は、例
えば、通信衛星を利用する衛星電話を用いた無線通話路
とすることができる。なお、遠隔地に配置された映像送
信置2が、固定的に利用される場合は、伝送路5とし
て、ISDN回線や、専用回線等を用いる形態であって
もよい。
【0032】ここで、図1及び図4を参照して、背景映
像と指定映像の関係について説明する。図4(a)は、
固定カメラ7で撮影した撮影領域全体の画像(中継映
像)を表わしている。また、図4(b)は図4(a)の
背景領域を表わす背景映像を表わし、図4(c)は図4
(a)の中で人物領域のみを指定して抽出した指定映像
を表わしている。
【0033】例えば、映像送信装置2を遠隔地に設置
し、映像受信装置3を放送局に設置した映像中継システ
ム1において、遠隔地から映像を送信する場合、カメラ
(固定カメラ7)を固定し、登場人物を例えば画面の中
央に配置して、大きな動きがない図4(a)のような構
図がしばしば用いられる。このような構図においては、
登場人物の背景は静止しているものとして扱うことがで
き、登場人物のみが動いているとみなすことができる。
【0034】そこで、この映像中継システム1は、図4
(b)の静止画である背景映像を予め映像送信装置2か
ら映像受信装置3へ送信しておき、図4(c)の動きの
ある領域(指定映像)のみを、順次時系列に映像送信装
置2から映像受信装置3へ送信し、映像受信装置3によ
って、予め受信した背景領域と時系列に送信されてくる
指定映像とを合成するものである。次に、図2及び図3
を参照して、映像中継システム1を構成する映像送信装
置2及び映像受信装置3について詳細に説明する。
【0035】(映像送信装置の構成)まず、図2を参照
して映像送信装置2の構成について説明する。図2は、
図1に示した映像中継システム1の映像送信装置2の構
成を示すブロック図である。図2に示すように映像送信
装置2は、切替え手段20、27と、背景映像符号化手
段21と、符号化背景映像送信手段22と、領域情報受
信手段23と、指定映像抽出手段24と、指定映像符号
化手段25と、符号化指定映像送信手段26とを備える
構成とした。この映像送信装置2は、固定カメラ7で撮
影した撮影領域全体の映像(背景映像)と、固定カメラ
7で撮影した撮影領域の中で映像受信装置3から指示さ
れる指定領域(領域情報)の映像(指定映像)とを、切
替えて送信する装置である。
【0036】切替え手段20、27は、固定カメラ7で
撮影した背景映像又は固定カメラ7で撮影した映像から
抽出される指定映像の入出力経路を切替えるものであ
る。この切替え手段20は、固定カメラ7から入力され
る映像を後記する背景映像符号化手段21又は指定映像
抽出手段24に切替えるものである。また、切替え手段
27は、後記する符号化背景映像送信手段22及び符号
化指定映像送信手段26の出力を切替えるものである。
【0037】この切替え手段20、27は、手動によっ
てスイッチ等で切替える形態であっても構わないし、映
像受信装置3から通知される指定映像の領域を指定する
ための領域情報に切替え情報を付加して、その切替え情
報に基づいて入出力の切替えを行う形態であっても構わ
ない。
【0038】背景映像符号化手段21は、固定カメラ7
から入力される映像(映像信号)を背景映像として符号
化し、符号化背景映像として出力するものであり、例え
ば、MPEG−2により符号化を行う。この背景映像符
号化手段21で符号化された符号化背景映像は、符号化
背景映像送信手段22へ出力される。
【0039】なお、この背景映像は、例えば映像を中継
放送する場合、予め中継放送前に送信されるもので、リ
アルタイム(実時間)で送信される必要はない。このた
め、背景映像符号化手段21における符号化では、背景
映像を高画質、高解像度で符号化することができる。
【0040】符号化背景映像送信手段22は、背景映像
符号化手段21で符号化された符号化背景映像を、伝送
路5を介して映像受信装置3へ送信するものである。な
お、この符号化背景映像送信手段22における符号化背
景映像の送信では、リアルタイム伝送を行う必要はな
い。なお、背景映像符号化手段21と符号化背景映像送
信手段22とで、背景映像符号化送信手段を構成してい
る。
【0041】領域情報受信手段23は、指定映像の領域
の位置及び大きさを表わす領域情報を、伝送路5を介し
て映像受信装置3から受信するものである。この領域情
報受信手段23で受信した領域情報は、指定映像抽出手
段24へ通知される。
【0042】指定映像抽出手段24は、固定カメラ7か
ら入力される映像(映像信号)から、領域情報受信手段
23から通知される領域情報に基づいて指定された領域
の映像(指定映像)を抽出するものである。なお、指定
映像抽出手段24は、領域情報受信手段23から通知さ
れる領域情報を、図示していないメモリ等の記憶手段に
記憶して、時系列に入力される映像から逐次その領域情
報を参照しながら指定映像を抽出する。ここで抽出され
た指定映像は、指定映像符号化手段25へ出力される。
【0043】指定映像符号化手段25は、指定映像抽出
手段24から入力される指定映像を符号化し、符号化指
定映像として出力するものであり、例えば、MPEG−
4により符号化を行う。この指定映像符号化手段25で
符号化された符号化指定映像は、符号化指定映像送信手
段26へ出力される。
【0044】なお、指定映像は、映像中継においてリア
ルタイム(実時間)で送信される必要がある。このた
め、伝送路5のビットレートが低い場合、指定映像符号
化手段25では符号量を減らして符号化を行う。ただ
し、この場合でも、固定カメラ7で撮影した映像をすべ
て符号化する場合に比べて、単位面積あたりの符号量を
多くとることができるので、画像の劣化を抑えることが
できる。
【0045】符号化指定映像送信手段26は、指定映像
符号化手段25で符号化された符号化指定映像を、伝送
路5を介して映像受信装置3へ送信するものである。な
お、指定映像符号化手段25と符号化指定映像送信手段
26とで、指定映像符号化送信手段を構成している。
【0046】以上、本発明に係る映像送信装置2の構成
について説明したが、映像送信装置2は、コンピュータ
において各手段を各機能プログラムとして実現すること
も可能であり、各機能プログラムを結合して映像送信プ
ログラムとして動作させることも可能である。
【0047】(映像受信装置の構成)次に、図3を参照
して映像受信装置3の構成について説明する。図3は、
図1に示した映像中継システム1の映像受信装置3の構
成を示すブロック図である。図3に示すように映像受信
装置3は、領域指定手段30と、領域情報送信手段31
と、切替え手段32と、符号化背景映像受信手段33
と、背景映像復号化手段34と、背景映像蓄積手段35
と、符号化指定映像受信手段36と、指定映像復号化手
段37と、映像合成手段38とを備える構成とした。こ
の映像受信装置3は、映像送信装置2から送信される背
景映像と指定映像とを合成して映像を生成するものであ
り、さらに、この指定映像の領域を映像送信装置2に対
して指示を行う装置である。
【0048】領域指定手段30は、外部の入力手段(図
示せず)から入力される位置及び大きさを示す領域情報
に基づいて、遠隔地の固定カメラ7で撮影された映像内
における、人物領域等の指定映像の位置及び大きさを指
定するものである。この領域指定手段30は、後記する
背景映像復号化手段34から背景映像を入力し、その背
景映像を外部の表示手段(図示せず)で領域を確認しな
がら、指定映像の位置及び大きさを指定する。例えば、
表示手段に背景映像と重畳して表示したマウス等の指示
位置を示すカーソルによって、映像受信装置3の操作者
が矩形領域を選択することで指定映像の位置及び大きさ
を指定することができる。
【0049】なお、この場合の背景映像は、人物等を配
置した静止画とすることで、指定領域の設定を視覚に基
づいて容易に行うことができる。ここで指定された領域
情報は、領域情報送信手段31及び映像合成手段38へ
通知される。
【0050】領域情報送信手段31は、領域指定手段3
0で指定された領域情報を、伝送路5を介して遠隔地に
配置された映像送信装置2に送信するものである。な
お、ここで使用する伝送路5は、映像の伝送に電話回線
等の双方向の通信回線を利用すれば、この領域情報を送
信するために新たな伝送路を確保する必要はない。
【0051】切替え手段32は、映像送信装置2から送
信されてくる背景映像を符号化した符号化背景映像又は
指定映像を符号化した符号化指定映像の入出力経路を切
替えるものである。この切替え手段32は、映像送信装
置2から送信される情報が、符号化背景映像の場合は、
符号化背景映像受信手段33へ出力を切替えておき、符
号化指定映像の場合は、符号化指定映像受信手段36へ
出力を切替えておくものである。
【0052】この切替え手段32は、手動によってスイ
ッチ等で切替える形態であっても構わないし、領域指定
手段30で指定される指定映像の領域を指定するための
領域情報に切替え情報を付加して、その切替え情報に基
づいて入出力の切替えを行う形態であっても構わない。
【0053】符号化背景映像受信手段33は、符号化背
景映像を、伝送路5を介して映像送信装置2から受信す
るものである。なお、この符号化背景映像受信手段33
における符号化背景映像の受信では、リアルタイム伝送
を行う必要はない。ここで受信した符号化背景映像は、
背景映像復号化手段34に出力される。
【0054】背景映像復号化手段34は、符号化背景映
像受信手段33から入力される符号化背景映像を復号し
て背景映像として出力するものである。この背景映像復
号化手段34は、映像送信装置2の背景映像符号化手段
21(図2参照)で用いた符号化方式、例えば、MPE
G−2に基づいた復号処理を行う。この復号された背景
映像は、背景映像蓄積手段35に蓄積される。
【0055】背景映像蓄積手段35は、背景映像復号化
手段34で復号化された背景映像を蓄積しておくための
蓄積手段であり、一般的なハードディスクやメモリ等で
構成されている。ここに蓄積された符号化背景映像は、
映像合成手段38によって読み出される。なお、符号化
背景映像受信手段33と背景映像復号化手段34と背景
映像蓄積手段35とで、符号化背景映像受信復号化手段
を構成している。
【0056】符号化指定映像受信手段36は、符号化指
定映像を、伝送路5を介して映像送信装置2から受信す
るものである。この符号化指定映像受信手段36で受信
した符号化指定映像は、映像中継においてリアルタイム
(実時間)で受信するものであり、受信後直ちに指定映
像復号化手段37に出力される。
【0057】指定映像復号化手段37は、符号化指定映
像受信手段36から入力される符号化指定映像を復号化
して指定映像として時系列に出力するものである。この
指定映像復号化手段37は、映像送信装置2の指定映像
符号化手段25(図2参照)で用いた符号化方式、例え
ば、MPEG−4に基づいた復号処理を行う。この復号
化された指定映像は、映像合成手段38に出力される。
なお、符号化指定映像受信手段36と指定映像復号化手
段37とで、符号化背景映像受信復号化手段を構成して
いる。
【0058】映像合成手段38は、背景映像蓄積手段3
5に蓄積されている背景映像と、指定映像復号化手段3
7から入力される指定映像を合成して映像(映像信号)
として出力するものである。なお、この映像合成手段3
8は、背景映像には常に同一の背景映像を用い、その背
景映像に時系列に入力される指定映像を、領域指定手段
30から通知される領域情報に基づいて指定された位置
に逐次合成することで、指定映像のみが逐次更新される
映像が出力される。
【0059】なお、映像合成手段38における映像の合
成は、一般的な映像合成技術によって実現することがで
きる。例えば、領域情報に基づいて、背景映像における
指定映像の領域を「1」、その指定領域以外の背景映像
の領域を「0」とするキー信号を生成する。そして、キ
ー信号が「1」の場合は指定映像の信号を出力し、キー
信号が「0」の場合は背景映像の信号を出力すること
で、背景映像上に指定映像を合成した映像を出力するこ
とができる。
【0060】以上、本発明に係る映像受信装置3の構成
について説明したが、映像受信装置3は、コンピュータ
において各手段を各機能プログラムとして実現すること
も可能であり、各機能プログラムを結合して映像受信プ
ログラムとして動作させることも可能である。
【0061】(映像中継システムの動作)次に、図1及
び図5を参照して映像中継システム1の動作について説
明する。図5は、映像中継システム1の動作を示すフロ
ーチャートである。以下、映像中継システム1の動作に
ついて、映像送信装置2と映像受信装置3の動作を情報
の送受信に基づいて交互に説明する。
【0062】[映像送信装置2の動作1]まず、映像送
信装置2に接続された固定カメラ7で背景映像を撮影
し、(ステップS1)、背景映像符号化手段21によっ
て、その背景映像を符号化し、符号化背景映像送信手段
22によって、その符号化された背景映像(符号化背景
映像)を映像受信装置3へ送信する(ステップS2)。
【0063】[映像受信装置3の動作1]映像受信装置
3は、符号化背景映像受信手段33によって、映像送信
装置2から符号化背景映像を受信し、背景映像復号化手
段34によって、その符号化背景映像を復号化する(ス
テップS3)。そして、符号化背景映像を復号化した背
景映像を背景映像蓄積手段35に蓄積(保存)する(ス
テップS4)。
【0064】[映像送信装置2の動作2]ステップS2
で符号化背景映像を映像受信装置3へ送信した後、映像
送信装置2は、固定カメラ7で背景に人物を配置した人
物付きの背景映像を撮影し、(ステップS5)、背景映
像符号化手段21によって、その人物付きの背景映像を
符号化し、符号化背景映像送信手段22によって、その
符号化された背景映像(人物付きの符号化背景映像)を
映像受信装置3へ送信する(ステップS6)。
【0065】[映像受信装置3の動作2]映像受信装置
3は、符号化背景映像受信手段33によって、映像送信
装置2から人物付きの符号化背景映像を受信し、背景映
像復号化手段34によって、その人物付きの符号化背景
映像を復号化する(ステップS7)。そして、領域指定
手段30によって、復号化された人物付きの背景映像を
表示手段(図示せず)で確認して、人物の領域である指
定映像の位置及び大きさ(領域情報)を指定する(ステ
ップS8)。そして、この領域情報を領域情報送信手段
31によって、映像送信装置2へ送信する(ステップS
9)。
【0066】[映像送信装置2の動作3]映像送信装置
2は、領域情報受信手段23によって、映像受信装置3
から領域情報を受信し、その領域情報に基づいて指定映
像を抽出するための指定領域を設定する(ステップS1
0)。
【0067】そして、映像送信装置2は、指定映像抽出
手段24によって、固定カメラ7で撮影した映像から、
指定映像を抽出し(ステップS11)、その指定映像を
指定映像符号化手段25によって符号化し、符号化指定
映像送信手段26によって、その符号化された指定映像
(符号化指定映像)を映像受信装置3へ送信する(ステ
ップS12)。
【0068】[映像受信装置3の動作3]映像受信装置
3は、符号化指定映像受信手段36によって、映像送信
装置2から符号化指定映像を受信し、指定映像復号化手
段37によって、その符号化指定映像を復号化する(ス
テップS13)。そして、映像受信装置3は、映像合成
手段38によって、この復号化された指定映像と、背景
映像蓄積手段35に蓄積されている背景映像とを合成し
て(ステップS14)、外部に映像(映像信号)として
出力する(ステップS15)。
【0069】そして、ステップ11からステップS15
までの各ステップを繰り返すことで、映像の中継を行
う。このステップS11以降の動作中は、伝送路5上に
は、符号化指定映像しか伝送されず、ビットレートが低
い場合でも指定映像に与える符号量を多くとることがで
きるため、画像劣化の少ない映像を得ることができる。
【0070】なお、映像中継中における指定映像の領域
(指定領域)の変更は、映像受信装置3の任意のタイミ
ングでステップS9で行ったように領域情報を映像送信
装置2へ送信し、映像送信装置2では、ステップS12
の指定映像を映像受信装置3へ送信した後に、領域情報
を受信したかどうかを判定するステップを付加し、領域
情報を受信した場合は、その領域情報に基づいて指定映
像を抽出するための指定領域を変更して、ステップS1
1以降を実行することで、実現することができる。
【0071】(映像中継システムの動作;映像信号の流
れ)次に、図1、図6及び図7を参照して、映像中継シ
ステム1の映像信号の流れを時系列に沿って説明する。
図6は指定映像の領域(指定領域)を予め指定する場合
の映像信号の流れを説明するための説明図であり、図7
は指定領域に変更がある場合の映像信号の流れを説明す
るための説明図である。
【0072】まず、指定映像の領域(指定領域)を予め
指定する場合における映像中継システム1の映像信号の
流れについて、図6を参照して説明する。図6に示すよ
うに、まず最初に、静止画である背景映像50が映像送
信装置2から映像受信装置3へ送信される。そして、背
景映像50に人物を配置した人物付き背景映像51が、
映像送信装置2から映像受信装置3へ送信される。そし
て、この人物付き背景映像51を参照することで、映像
受信装置3は領域情報指定Taの時刻に領域情報を指定
する。これによって、固定カメラ7から入力される映像
から前記領域情報で指示される指定領域53の映像を抽
出した指定映像54のみが映像送信装置2から映像受信
装置3へ送信される。
【0073】この指定映像54を受信した映像受信装置
3は、先に受信して記憶している背景映像50と、時系
列に沿って順次送信される指定映像54とを合成するこ
とで、合成映像52を生成して出力する。
【0074】次に、指定領域に変更がある場合の映像信
号の流れについて、図7を参照して説明する。図7に示
すように、すでに、静止画である背景映像50が映像送
信装置2から映像受信装置3へ送信されており、予め設
定されている領域情報に基づいて指定映像54が時系列
に映像送信装置2から映像受信装置3へ送信されている
ものとする。
【0075】ここで、映像受信装置3は領域情報変更T
bの時刻に領域情報を指定する。すると、指定領域53
の位置及び大きさが変更され、映像送信装置2から送信
される指定映像54の位置及び大きさの異なる指定映像
54が映像受信装置3へ送信される。そして、この指定
映像54を受信した映像受信装置3は、先に受信して記
憶している背景映像50と、時系列に沿って順次送信さ
れる指定映像54とを合成する。このとき、領域情報変
更Tbの時刻以降は指定映像54を背景映像50の更新
された位置に合成して、合成映像52を生成して出力す
る。
【0076】以上の動作によって、映像中継システム1
は、映像内における人物領域等の重要部分の解像度を向
上させることができ、画質の劣化を低減させることがで
きる。なお、映像送信装置2から映像受信装置3へ、背
景映像50を複数フレーム分伝送しておいて、映像受信
装置3でその背景映像50を繰り返して使用することで
擬似的に背景を動作させることも可能である。
【0077】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明に係る映像
中継システム並びに映像送信装置及びそのプログラム並
びに映像受信装置及びそのプログラムでは、以下に示す
優れた効果を奏する。
【0078】請求項1に記載の発明によれば、映像中継
システムは、予め固定カメラで撮影した静止画として扱
うことができる背景映像を映像送信装置から映像受信装
置に送信しておき、その後に映像受信装置で指定した領
域のみの映像である指定映像を送信するため、映像全体
を符号化伝送する場合に比べて画質の劣化を抑制するこ
とができる。また、DCTなどの直交変換を用いた符号
化において、伝送路のビットレートが低い場合に発生す
る符号化歪を抑えることができる。
【0079】さらに、映像受信装置から映像送信装置に
対して、重要性の高い領域を通知することができるの
で、映像送信装置において画像認識等による領域判定を
行う必要がない。このため、映像送信装置のハードウェ
ア量や消費電力の増大や、符号化遅延を抑えることがで
きる。
【0080】請求項2又は請求項3に記載の発明によれ
ば、映像送信装置又は映像送信プログラムは、予め固定
カメラで撮影した静止画として扱うことができる背景映
像を映像送信装置から映像受信装置に送信しておき、そ
の後に指定された領域のみの映像である指定映像を送信
するため、映像全体を符号化伝送する場合に比べて画質
の劣化を抑制することができる。
【0081】また、符号化を行う領域を指定することが
できるので、映像全体を符号化する場合に比べて、符号
化を行うための遅延時間を低減させることができる。こ
れによって、映像を送信する側の人間と、映像を受信す
る側の人間とが互いに話をする場合でも遅延による違和
感を覚えることなく話をすることができる。
【0082】請求項4又は請求項6に記載の発明によれ
ば、映像受信装置又は映像受信装置プログラムは、映像
送信装置から送信される固定カメラで撮影した静止画と
して扱うことができる背景映像を予め蓄積しておき、そ
の後に送信される指定映像を時系列に背景映像と合成す
るので、その指定映像には、映像全体を符号化伝送する
場合に比べて符号量を多く配分することが可能になるた
め、画質の劣化を抑制することができる。
【0083】請求項5又は請求項7に記載の発明によれ
ば、映像受信装置又は映像受信装置プログラムは、映像
を利用する映像受信装置で、映像内で重要とみなされる
人物等が配置された領域を指定することができるので、
画質劣化を起こしたくない領域を任意に設定することが
できる。これにより、映像送信装置の符号化の負荷を低
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る映像中継システムの全体構成を示
すブロック図である。
【図2】本発明に係る映像送信装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】本発明に係る映像受信装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】背景映像と指定映像との関係を説明するための
説明図である。
【図5】本発明に係る映像中継システムの動作を示すフ
ローチャートである。
【図6】指定映像の領域を予め指定する場合の映像信号
の流れを説明するための説明図である。
【図7】指定映像の領域を変更する場合の映像信号の流
れを説明するための説明図である。
【符号の説明】
1……映像中継システム 2……映像送信装置 5……伝送路 7……固定カメラ 20……切替え手段 21……背景映像符号化手段 22……符号化背景映像送信手段 23……領域情報受信手段 24……指定映像抽出手段 25……指定映像符号化手段 26……符号化指定映像送信手段 27……切替え手段 3……映像受信装置 30……領域指定手段 31……領域情報送信手段 32……切替え手段 33……符号化背景映像受信手段 34……背景映像復号化手段 35……背景映像蓄積手段 36……符号化指定映像受信手段 37……指定映像復号化手段 38……映像合成手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 俊一 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会 放送センター内 (72)発明者 高木 健次 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会 放送センター内 (72)発明者 久保田 正志 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会 放送センター内 Fターム(参考) 5C059 KK15 MB21 PP28 PP29 RB02 RC11 SS06 SS20 UA02 UA05 UA38 UA39 5C063 AB03 AB07 CA23 DA07 DA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影範囲を固定した固定カメラで撮影し
    た映像を中継する映像中継システムにおいて、 前記映像を符号化して送信する映像送信装置に、 前記固定カメラで撮影した撮影領域全体の映像を背景映
    像として符号化した符号化背景映像を映像受信装置へ送
    信する背景映像符号化送信手段と、 前記映像受信装置から、前記固定カメラで撮影した映像
    の特定の領域を指定するための少なくとも位置及び大き
    さを含んだ領域情報を受信する領域情報受信手段と、 前記領域情報に基づいて、前記固定カメラで撮影した撮
    影領域の映像から指定された領域の指定映像を抽出する
    指定映像抽出手段と、 この指定映像抽出手段で抽出された前記指定映像を符号
    化した符号化指定映像を映像受信装置へ送信する指定映
    像符号化送信手段と、を備え、 前記映像受信装置に、 前記領域情報を指定するための領域指定手段と、 この領域指定手段で指定された前記領域情報を前記映像
    送信装置へ送信する領域情報送信手段と、 前記映像送信装置から送信される前記符号化背景映像を
    受信して復号化を行う符号化背景映像受信復号化手段
    と、 前記映像送信装置から送信される前記符号化指定映像を
    受信して復号化を行う符号化指定映像受信復号化手段
    と、 前記符号化背景映像受信復号化手段で復号化された前記
    背景映像と、前記符号化指定映像受信復号化手段で復号
    化された前記指定映像とを合成する映像合成手段と、 を備えていることを特徴とする映像中継システム。
  2. 【請求項2】 撮影範囲を固定した固定カメラで撮影し
    た撮影領域全体の映像である背景映像と、外部から指定
    される少なくとも位置及び大きさを含んだ領域情報に基
    づいて、前記固定カメラで撮影した映像から前記指定さ
    れた領域を抽出した指定映像とを個別に符号化して送信
    する映像送信装置であって、 前記背景映像を符号化する背景映像符号化手段と、 この背景映像符号化手段で符号化した符号化背景映像を
    映像受信装置へ送信する符号化背景映像送信手段と、 前記領域情報に基づいて、前記固定カメラで撮影した映
    像から前記指定映像を抽出する指定映像抽出手段と、 この指定映像抽出手段で抽出した前記指定映像を符号化
    する指定映像符号化手段と、 この指定映像符号化手段で符号化した符号化指定映像を
    前記映像受信装置へ送信する符号化指定映像送信手段
    と、 を備えていることを特徴とする映像送信装置。
  3. 【請求項3】 撮影範囲を固定した固定カメラで撮影し
    た撮影領域全体の映像である背景映像と、外部から指定
    される少なくとも位置及び大きさを含んだ領域情報に基
    づいて、前記固定カメラで撮影した映像から前記指定さ
    れた領域を抽出した指定映像とを個別に符号化して送信
    するために、コンピュータを、 前記背景映像を符号化する背景映像符号化手段、 この背景映像符号化手段で符号化した符号化背景映像を
    映像受信装置へ送信する符号化背景映像送信手段、 前記領域情報に基づいて、前記固定カメラで撮影した映
    像から前記指定映像を抽出する指定映像抽出手段、 この指定映像抽出手段で抽出した前記指定映像を符号化
    する指定映像符号化手段、 この指定映像符号化手段で符号化した符号化指定映像を
    前記映像受信装置へ送信する符号化指定映像送信手段、 として機能させることを特徴とする映像送信プログラ
    ム。
  4. 【請求項4】 撮影範囲を固定した固定カメラで撮影し
    た撮影領域全体の映像である背景映像を符号化した符号
    化背景映像と、前記固定カメラで撮影した映像から予め
    指定した領域を抽出した指定映像を符号化した符号化指
    定映像とを、映像送信装置から個別に受信して映像を再
    生する映像受信装置であって、 前記映像送信装置から送信される前記符号化背景映像を
    受信する符号化背景映像受信手段と、 この符号化背景映像受信手段で受信した前記符号化背景
    映像を復号化する背景映像復号化手段と、 この背景映像復号化手段で復号化された前記背景映像を
    蓄積する背景映像蓄積手段と、 前記映像送信装置から送信される前記符号化指定映像を
    受信する符号化指定映像受信手段と、 この符号化指定映像受信手段で受信した前記符号化指定
    映像を復号化する指定映像復号化手段と、 この指定映像復号化手段で復号化された前記指定映像
    と、前記背景映像蓄積手段に蓄積されている前記背景映
    像とを合成する映像合成手段と、 を備えていることを特徴とする映像受信装置。
  5. 【請求項5】 前記固定カメラで撮影される映像から前
    記指定映像を抽出するための、少なくとも位置及び大き
    さを含んだ領域情報を指定する領域指定手段と、 この領域指定手段で指定された前記領域情報を前記映像
    送信装置へ送信する領域情報送信手段と、 を備えていることを特徴とする請求項4に記載の映像受
    信装置。
  6. 【請求項6】 撮影範囲を固定した固定カメラで撮影し
    た撮影領域全体の映像である背景映像を符号化した符号
    化背景映像と、前記固定カメラで撮影した映像から予め
    指定した領域を抽出した指定映像を符号化した符号化指
    定映像とを、映像送信装置から個別に受信して映像を再
    生するために、コンピュータを、 前記映像送信装置から送信される前記符号化背景映像を
    受信する符号化背景映像受信手段、 この符号化背景映像受信手段で受信した前記符号化背景
    映像を、前記背景映像に復号化して背景映像蓄積手段に
    蓄積する背景映像復号化手段、 前記映像送信装置から送信される前記符号化指定映像を
    受信する符号化指定映像受信手段、 この符号化指定映像受信手段で受信した前記符号化指定
    映像を復号化する指定映像復号化手段、 この指定映像復号化手段で復号化された前記指定映像
    と、前記背景映像蓄積手段に蓄積されている前記背景映
    像とを合成する映像合成手段、 として機能させることを特徴とする映像受信プログラ
    ム。
  7. 【請求項7】 前記固定カメラで撮影される映像から前
    記指定映像を抽出するための、少なくとも位置及び大き
    さを含んだ領域情報を指定する領域指定手段、 この領域指定手段で指定された前記領域情報を前記映像
    送信装置へ送信する領域情報送信手段、 として機能させることを特徴とする請求項6に記載の映
    像受信プログラム。
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