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JP2003277995A - 基板ホルダ及びめっき装置 - Google Patents

基板ホルダ及びめっき装置

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Publication number
JP2003277995A
JP2003277995A JP2002086469A JP2002086469A JP2003277995A JP 2003277995 A JP2003277995 A JP 2003277995A JP 2002086469 A JP2002086469 A JP 2002086469A JP 2002086469 A JP2002086469 A JP 2002086469A JP 2003277995 A JP2003277995 A JP 2003277995A
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substrate
holding member
substrate holder
plating
seal ring
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JP2002086469A
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Yoshio Minami
吉夫 南
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Ebara Corp
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Ebara Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の外周部をシールするシールリングと該
シールリングと接触する基板やサポート等の間からめっ
き液等の液体が内部に浸入しない(漏れない)ようにす
る。 【解決手段】 固定保持部材54と可動保持部材58に
取付けたシールリング60との間に基板Wを介在させ、
シールリング60を固定保持部材54に向けて押圧して
基板Wを着脱自在に保持するようにした基板ホルダにお
いて、基板Wを保持した時に、該基板Wと固定保持部材
54との間に挟まれ、シールリング60で包囲された空
間Rの内部を加圧するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えば基板の被め
っき処理面にめっきを施すめっき装置、特に半導体ウエ
ハ等の表面に設けられた微細な配線用溝やホール、レジ
スト開口部にめっき膜を形成したり、半導体ウエハの表
面にパッケージの電極等と電気的に接続するバンプ(突
起状電極)を形成したりするめっき装置等に使用される
基板ホルダ及び係る基板ホルダを有するめっき装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、TAB(Tape Automated Bondi
ng)やフリップチップにおいては、配線が形成された半
導体チップの表面の所定箇所(電極)に金、銅、はん
だ、或いはニッケル、更にはこれらを多層に積層した突
起状接続電極(バンプ)を形成し、このバンプを介して
パッケージの電極やTAB電極と電気的に接続すること
が広く行われている。このバンプの形成方法としては、
電解めっき法、蒸着法、印刷法、ボールバンプ法といっ
た種々の手法があるが、半導体チップのI/O数の増
加、細ピッチ化に伴い、微細化が可能で性能が比較的安
定している電解めっき法が多く用いられるようになって
きている。
【0003】ここで、電解めっき法は、半導体ウエハ等
の基板の被めっき処理面を下向き(フェースダウン)に
して水平に置き、めっき液を下から噴き上げてめっきを
施す噴流式またはカップ式と、めっき槽の中に基板を垂
直に立て、めっき液をめっき槽の下から注入しオーバー
フローさせつつめっきを施すディップ式に大別される。
ディップ方式を採用した電解めっき法は、めっきの品質
に悪影響を与える泡の抜けが良く、フットプリントが小
さいという利点を有しており、このため、めっき穴の寸
法が比較的大きく、めっきにかなりの時間を要するバン
プめっきに適していると考えられる。
【0004】従来のディップ方式を採用した電解めっき
装置にあっては、気泡が抜けやすくできる反面、半導体
ウエハ等の基板をその端面と裏面をシールし表面(被め
っき処理面)を露出させて着脱自在に保持する基板ホル
ダを備え、この基板ホルダを基板ごとめっき液中に浸漬
させて基板の表面にめっきを施すようにしている。
【0005】基板ホルダは、めっき液中に浸漬させて使
用するため、この基板ホルダで基板を保持した時に、基
板の裏面(反被めっき処理面)側へめっき液が周り込ま
ないよう、基板の外周部を確実にシールする必要があ
る。このため、例えば、一対のサポート(保持部材)で
基板を着脱自在に保持するようにした基板ホルダにあっ
ては、一方のサポートにシールリングを取付け、このシ
ールリングを他方のサポートに載置保持した基板の周縁
部に圧接させることで、基板の外周部をシールするよう
にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のこの種の基板ホ
ルダにあっては、シールリングの形状や固定方法等を最
適化したり、定期的(毎葉を含む)にシールリングを洗
浄したり、定期的にシールリングを交換したり、更に
は、基板の前処理(シード層やフォトレジスト膜の生
成)の精度を向上させたり、基板の基板ホルダへのセッ
ティング誤差の最小化を図るとともに、定期的な再調整
を行ったりして、めっき液等の漏れをなくすようにして
いる。
【0007】しかし、シールリングの劣化等により、シ
ールの完全性を図ることはかなり困難である。特に、め
っきを施して、微細な凹部の内部にめっき膜を埋め込む
ようにする時には、微細な凹部内にめっき液が容易かつ
確実に浸入するようにするため、一般に浸透性の良好な
めっき液が使用されており、このため、完全なシールを
施すことは更に困難となる。また、例えめっき液等の漏
れを検出できたとしても、その後の処理が困難であっ
た。
【0008】そして、一旦めっき液の漏れが発生する
と、基板ホルダの内部に漏れためっき液が基板の裏面に
付着し、基板搬送機器に乗り移って装置全体をめっき液
で汚してしまうばかりでなく、漏れためっき液が接点を
腐食させて通電を妨げてしまう。なお、例え耐食性のあ
る材料で接点を構成して接点のめっき液による腐食を防
止したとしても、接点部がめっきされたりめっき液が接
点部に付着して堆積すると、次回のめっき時に通電不良
を起こすことがある。
【0009】また、めっき液が漏れることを前提にめっ
きプロセスを構築した場合には、次の工程に進む前に基
板ホルダ内に漏れためっき液を取り除いて、基板ホルダ
に付着しためっき液が次に処理される基板に付着してし
まうことを防止するため、洗浄工程に力を割いて、基板
ホルダを定期的に洗浄する必要がある。
【0010】本発明は上記に鑑みて為されたもので、基
板の外周部をシールするシールリングと該シールリング
と接触する基板やサポート等の間からめっき液等の液体
が内部に浸入しない(漏れない)ようにした基板ホルダ
及び該基板ホルダを有するめっき装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、固定保持部材と可動保持部材に取付けたシールリン
グとの間に基板を介在させ、前記シールリングを前記固
定保持部材に向けて押圧して基板を着脱自在に保持する
ようにした基板ホルダにおいて、基板を保持した時に、
該基板と前記固定保持部材との間に挟まれ、前記シール
リングで包囲された空間の内部を加圧するようにしたこ
とを特徴とする基板ホルダである。これにより、基板の
外周部をシールするシールリングと該シールリングと接
触する基板やサポート等との間に隙間が生じても、シー
ルリングで包囲された空間内を加圧することで、この加
圧した空間(加圧空間)内の気体がこの隙間を流れ、こ
の気体がめっき液等の液体を押し戻して基板ホルダ内部
への浸入を阻止することで、めっき液等の漏れを防止す
ることができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、前記基板ホルダ
は前記空間に連通するチューブを備え、該チューブによ
り気体供給源から気体を供給し、前記空間の内部を加圧
するようにしたことを特徴とする請求項1記載の基板ホ
ルダである。
【0013】請求項3に記載の発明は、受け台に当接さ
せて基板ホルダを保持するハンドと、該ハンドと前記固
定保持部材とを繋ぎ前記空間に連通するチューブとを有
し、基板ホルダを受け台に保持した時、該受け台に設け
た接続口に接続した気体供給路と前記チューブとが互い
に連通するようにしたことを特徴とする請求項1または
2記載の基板ホルダである。これにより、基板ホルダを
受け台で保持した状態で、気体供給路及びチューブを通
して空間内に空気やNガス等の気体を導入すること
で、空間内を加圧することができる。
【0014】請求項4に記載の発明は、前記チューブの
前記受け台及び前記固定保持部材との接続部をそれぞれ
気密的に封止したことを特徴とする請求項3記載の基板
ホルダである。これにより、空間内に加圧のために導入
される空気やNガス等の気体が、チューブの受け台及
び固定保持部材との各接続部から外部に漏れることを防
止することができる。
【0015】請求項5に記載の発明は、前記気体供給路
から前記チューブに延びる気体供給系路の途中に弁を設
けたことを特徴とする請求項3または4記載の基板ホル
ダである。これにより、弁を介して、必要な時だけ空間
内に加圧のための気体を供給することで、無駄な気体と
動力を削減することができる。
【0016】請求項6に記載の発明は、前記固定保持部
材の内部に配置され、配線を介して外部接点と接続した
電気接点を有し、前記配線の前記固定保持部材との接続
部及び導体の露出部をそれぞれ気密的に封止したことを
特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の基板ホル
ダである。これにより、空間内に加圧のために導入され
る空気やNガス等の気体が、配線の固定保持部材との
接続部及び導体の露出部から外部に漏れることを防止す
ることができる。
【0017】請求項7に記載の発明は、固定保持部材と
可動保持部材に取付けたシールリングを有し、前記シー
ルリングを前記固定保持部材に向けて押圧して基板を保
持した時に、該基板と前記固定保持部材との間に挟ま
れ、前記シールリングで包囲された空間の内部を加圧す
るようにした基板ホルダを有することを特徴とするめっ
き装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態の基
板ホルダを備えためっき装置の全体配置図を示す。図1
に示すように、このめっき装置には、半導体ウエハ等の
基板Wを収納したカセット10を搭載する2台のカセッ
トテーブル12と、基板のオリフラやノッチなどの位置
を所定の方向に合わせるアライナ14と、めっき処理後
の基板を高速回転させて乾燥させるスピンドライヤ16
が同一円周方向に沿って備えられている。更に、この円
周の接線方向に沿った位置には、基板ホルダ18を載置
して基板の該基板ホルダ18との着脱を行う基板着脱部
20が設けられ、この中心位置には、これらの間で基板
を搬送する搬送用ロボットからなる基板搬送装置22が
配置されている。
【0019】なお、図2に示すように、基板搬送装置2
2の周囲に位置して、基板Wの表面に塗布したレジスト
502(図36参照)を剥離して除去するレジスト剥離
部600、めっき後に不要となったシード層500(図
36参照)を除去するシード層除去部602、めっき後
の基板Wに熱処理を施す熱処理部604を設けるように
してもよい。また、この熱処理部604の代わりに、図
3に示すように、めっき膜504(図36参照)をリフ
ローさせるリフロー部606と、リフロー後にアニール
を施すアニール部608を設けるようにしてもよい。
【0020】そして、基板着脱部20側から順に、基板
ホルダ18の保管及び一時仮置きを行うストッカ24、
基板を純水に浸漬させて濡らすことで表面の親水性を良
くするプリウェット槽26、基板の表面に形成したシー
ド層表面の電気抵抗の大きい酸化膜を硫酸や塩酸などの
薬液でエッチング除去するプリソーク槽28、基板の表
面を純水で水洗する第1の水洗槽30a、洗浄後の基板
の水切りを行うブロー槽32、第2の水洗槽30b及び
銅めっき槽34が順に配置されている。この銅めっき槽
34は、オーバーフロー槽36の内部に複数の銅めっき
ユニット38を収納して構成され、各銅めっきユニット
38は、内部に1個の基板を収納して銅めっきを施すよ
うになっている。なお、この例では、銅めっきについて
説明するが、ニッケルやはんだ、銀、更には金めっきに
おいても同様であることは勿論である。
【0021】更に、これらの各機器の側方に位置して、
これらの各機器の間で基板ホルダ18を基板Wとともに
搬送する基板ホルダ搬送装置(基板搬送装置)40が備
えられている。この基板ホルダ搬送装置40は、基板着
脱部20とストッカ24との間で基板を搬送する第1の
トランスポータ42と、ストッカ24、プリウェット槽
26、プリソーク槽28、水洗槽30a,30b、ブロ
ー槽32及び銅めっき槽34との間で基板を搬送する第
2のトランスポータ44を有している。なお、第2のト
ランスポータ44を備えることなく、第1のトランスポ
ータ42のみを備えるようにしてもよい。また、この基
板ホルダ搬送装置40のオーバーフロー槽36を挟んだ
反対側には、各銅めっきユニット38の内部に位置して
めっき液を攪拌する掻き混ぜ棒としてのパドル202
(図31及び図32等参照)を駆動するパドル駆動装置
46が配置されている。
【0022】前記基板着脱部20は、レール50に沿っ
て横方向にスライド自在な平板状の載置プレート52を
備えており、この載置プレート52に2個の基板ホルダ
18を水平状態で並列に載置して、この一方の基板ホル
ダ18と基板搬送装置22との間で基板の受渡しを行っ
た後、載置プレート52を横方向にスライドさせて、他
方の基板ホルダ18と基板搬送装置22との間で基板W
の受渡しを行うようになっている。
【0023】前記基板ホルダ18は、図6乃至図16に
示すように、例えば塩化ビニル製で矩形平板状の固定保
持部材54と、この固定保持部材54にヒンジ56を介
して開閉自在に取付けた可動保持部材58とを有してい
る。この可動保持部材58は、基部58aとリング状部
58bとを有し、例えば塩化ビニル製で、下記の押えリ
ング62との滑りを良くしており、そのリング状部58
bの固定保持部材54側表面に、リング状で一方の足を
長くした横断面略コ字状のシールリング60が固定保持
部材54側に開口して取付けられている。
【0024】すなわち、可動保持部材58のリング状部
58bの固定保持部材54側表面には、シールリング6
0の可動保持部材58側表面を一体に覆う嵌着部58c
が設けられ、この嵌着部58cの自由端部には、係止部
としての係止用凸部58dがリング状部58bの全周に
亘って設けられている。一方、シールリング60の該係
止用凸部58dに対向する位置には、この係止用凸部5
8dと係止する係止部として係止用凹部60aがシール
リング60の全周に亘って設けられている。そして、可
動保持部材58の嵌着部58c内にシールリング60の
固定保持部材54側端部を嵌着し、係止用凹部60a内
に係止用凸部58dを嵌入(係止)させることで、可動
保持部材58のリング状部58bにシールリング60が
取付けられている。
【0025】このように構成して、ボルトを使用するこ
となく可動保持部材58にシールリング60を取付ける
ことで、シールリング60にボルトを挿通させるための
取付け穴を設ける必要をなくし、このような取付け穴か
らめっき液がシールリング60の内部に漏れることを防
止することができる。
【0026】すなわち、このようなシールリング60の
取付けは、一般にはボルトによって行われるが、ボルト
によってシールリング60を可動保持部材58のリング
状部58bに取付けると、このボルト取付け部及びその
周辺においては、十分な締付け力を確保できるものの、
例えば基板の取外しの際に互いに隣接するボルト間に位
置するシールリング60に弛みが生じて、ここからめっ
き液が可動保持部材58とシールリング60との間に浸
入する。そして、ここにコンタミネーションが蓄積し
て、可動保持部材58とシールリング60との間に隙間
が生じ、この隙間に浸入しためっき液がボルト取付け用
の穴を通過してシールリング60の内部に漏れてしま
う。この例によれば、このようなめっき液の漏れの原因
となるボルト取付け用の穴(貫通孔)を設ける必要をな
くして、このような貫通孔からのめっき液の漏れを防止
することができる。
【0027】また、この例では、係止用凸部58dをリ
ング状部58bの全周に亘って設け、また係止用凹部6
0aもシールリング60の全周に亘って設けた例を示し
ているが、互いに対向する一部に設けるようにしてもよ
い。全周に亘って設けることで、係止用凸部58dと係
止用凹部60aとを全周に亘って係止させ、この係止部
を介してシールリング60と可動保持部材58との間に
めっき液が浸入することを防止することができる。
【0028】可動保持部材58の固定保持部材54と反
対側には、押えリング62が該押えリング62に固定し
た第1スライドプレート64を介して回転自在でかつ脱
出不能に保持されている。この押えリング62は、酸化
性環境に対して耐食性に優れ、十分な剛性を有する、例
えばチタンから構成されている。すなわち、この第1ス
ライドプレート64は、図10及び図13に詳細に示す
ように、天板部64aと該天板部64aの両側端部から
可動保持部材58のリング状部58bの側方まで延出す
る一対の脚部64bから横断面コ字状に形成されてい
る。そして、この各脚部64bの下端には、可動保持部
材58のリング状部58bの方向に突出する係合用の凸
部64cが設けられている。一方、押えリング62に
は、直径方向の外方に向けて突出するフランジ片62a
が設けられ、また可動保持部材58の外周端面の前記係
合用の凸部64cに対向する位置には、円周方向に延び
る係合用の凹部58eが形成されている。
【0029】これにより、第1スライドプレート64の
内部に押えリング62のフランジ片62aを挿入し、ボ
ルト66を螺着することで、押えリング62に第1スラ
イドプレート64に取付け、この第1スライドプレート
64の係合用の凸部64cを可動保持部材58に設けた
係合用の凹部58e内に嵌入し、この凸部64cを凹部
58eに沿ってスライドさせることで、第1スライドプ
レート64を介して押えリング62を可動保持部材58
に回転自在かつ脱出不能に保持するようになっている。
【0030】このように、押えリング62を該押えリン
グ62に取付けた第1スライドプレート64を介して可
動保持部材58に回転自在かつ脱出不能に保持すること
で、押えリング62の内部に長穴等を設ける必要をなく
して、押えリング62の加工の容易性を確保するととも
に、押えリング62がその長さ(円周)方向に沿って部
分的に強度(剛性)が低下するのを防止することができ
る。このように押えリング62がその長さ(円周)方向
に沿って部分的に強度(剛性)が低下するのを防止する
ことで、下記のように、この押えリング62を介して可
動保持部材58を押圧し、可動保持部材58に取付けシ
ールリング60の短い足を基板Wの表面に、長い足を固
定保持部材54の表面にそれぞれ圧接させる際、この反
力によって押えリング62が部分的に撓むことを防止し
て、シールリング60を均一に過不足なく押圧し、これ
によって、シールリング60と基板Wとの間、及びシー
ルリング60と固定保持部材54との間からめっき液が
漏れることを防止することができる。
【0031】つまり、このような押えリング62の保持
は、一般に、押えリング62の内部に長穴を設け、この
長穴の内部に可動保持部材58に固定したピン部材を挿
通し、このピン部材の露出端部に脱出防止用の頭部を設
けることによって行われているが、この例によれば、押
えリング62の内部に、このような加工性や剛性の低下
の原因となる長穴等を設ける必要をなくすことができ
る。
【0032】なお、この例では、押えリング62に、押
えリング62を可動保持部材58に保持させる役割を兼
ねた3個の第1スライドプレート64と、これらの第1
スライドプレート64間に位置して、このような役割を
持たない3個の第2スライドプレート68とを円周方向
に沿って等間隔に取付けた例を示している。すなわち、
図9に示すように、この第2スライドプレート68は、
この内部に押えリング62のフランジ片62aを挿入
し、ボルト66を螺着することで、押えリング62に取
付けられている。
【0033】第1スライドプレート64及び第2スライ
ドプレート68の外側方に位置して、固定保持部材54
には、内方に突出する突出部70aを有する逆L字状の
クランパ70が円周方向に沿って等間隔で立設されてい
る。そして、第1スライドプレート64及び第2スライ
ドプレート68の表面及び該表面を覆うように位置する
クランパ70の内方突出部70aの下面は、回転方向に
沿って互いに逆方向に傾斜するテーパ面となっている。
【0034】図11に示すように、固定保持部材54に
は、この固定保持部材54上に基板Wを載置する際、基
板Wの外周端面を案内して基板Wの位置決めを行う、先
端を円錐状にしたガイドピン71が複数個(例えば6
個)設けられている。また、可動保持部材58の直径方
向に相対する位置には、外方に膨出する膨出部58fが
設けられ、固定保持部材54には、この膨出部58fの
外周端面に当接して押えリング62の振止め(回転の際
のずれ防止)を行う、例えば塩化ビニル製の振止めブロ
ック72が立設されている。更に、押えリング62の表
面の円周方向に沿った複数箇所(例えば4カ所)には、
例えば押えリング62にねじ込んだ回転ピンからなる突
起73が設けられ、この突起73を回転機構で引っ掛け
て押えリング62を第1スライドプレート64及び第2
スライドプレート68と一体に回転させるようになって
いる。
【0035】このように、固定保持部材54に設けた振
止めブロック72を可動保持部材58の膨出部58fに
当接させて押えリング62の振止めを行い、また押えリ
ング62に設けた突起73を介して押えリング62を回
転させることで、押えリング62に穿孔等を設ける必要
をなくして、押えリング62の剛性が、その長さ(円
周)方向に沿った一部で局部的に低下することを防止す
ることができる。
【0036】これにより、可動保持部材58を開いた状
態で、固定保持部材54の中央部に基板Wを挿入する
と、基板Wはガイドピン71で所定の位置に位置決めさ
れる。この状態で、ヒンジ56を介して可動保持部材5
8を閉じた後、押えリング62を時計回りに回転させ
て、スライドプレート64,68をクランパ70の突出
部70aの内部に滑り込ませることで、固定保持部材5
4と可動保持部材58とをテーパ面を介して互いに締付
けてロックし、押えリング62を反時計回りに回転させ
て逆L字状のクランパ70の突出部70aからスライド
プレート64,68を引き抜くことで、このロックを解
くようになっている。
【0037】そして、このようにして可動保持部材58
をロックした時、図9に示すように、シールリング60
の内周面側の短い足が基板Wの表面に、外周面側の長い
足が固定保持部材54の表面にそれぞれ圧接し、しか
も、前述のように、押えリング62には、その長さ(円
周)方向に沿って部分的に強度(剛性)が低下する場所
ないので、シールリング60を均一に押圧して、ここを
確実にシールするようになっている。
【0038】図9及び図10に示すように、固定保持部
材54には、下記のハンド76に設けた外部接点400
(図6)から延びる複数の配線402にそれぞれ接続し
た複数(図示では8個)の導電体(電気接点)74が配
置されて、固定保持部材54に基板Wを載置した際、こ
の導電体74の端部が基板Wの側方で固定保持部材54
の表面に露出するようになっている。
【0039】一方、シールリング60の該導電体74の
露出部に対向する位置には、図14に示すように、矩形
状の収納用凹部60cが設けられ、この収納用凹部60
cの内部に、横断面略コ字状で固定保持部材54側に向
けて開口し、脚部75aを外方に拡げた形状の電気接点
75が、その脚部75aを外部に露出させた状態で収納
され、シリコン等の接着剤77で接着固定されている。
【0040】このように、シールリング60に設けた収
納用凹部60c内に電気接点75を収納保持すること
で、シールリング60に電気接点75を装着するための
装着穴(貫通孔)を設ける必要をなくし、このような貫
通孔からめっき液がシールリング60の内部に漏れるこ
とを防止することができる。なお、この例では、収納用
凹部60cの内部に接着剤77を埋込み、収納用凹部6
0cの側面において接着剤77とシールリング60との
間で接着力を得るようにしているが、電気接点75の背
面側で接着剤を介して電気接点75をシールリング60
に接着するようにしてもよい。
【0041】この電気接点75は、この例では、例えば
金線等の導電ばね材料からなる複数本の細線78を板状
に束ねて構成され、各脚部75aの先端にあっては、電
気接点75を構成する各細線78が個々に分離して各細
線78自体の剛性によるばね性を有するように構成され
ている。
【0042】図15は、この電気接点75の製造例を示
すもので、先ず同図(a)に示すように、複数本の細線
78を並列に並べ、同図(b)に示すように、その両外
周縁部を除く領域Fを、例えばプレスまたははんだ付け
等で接合する。そして、同図(c)に示すように、互い
に接合した領域を、例えばプレス成形によって、所定の
形状に成形することによって製造される。
【0043】このように、電気接点75をばね構造の接
点をなす複数本の細線78で接点の集合体の如く構成
し、各細線78が個別に接触するようにすることで、例
え電気接点75が動いても、片当たりを防止し、複数の
細線78との接点を確保して接点不良を減少させること
ができる。しかも、比較的安価な細線78を使用し、各
細線78の両端に該細線78自体の剛性によるばね性を
持たせることで、従来の金属接片とコイルばねを有する
電気接点に比較して、構造の簡素化と低廉化を図ること
ができる。特に、細線78として、電気抵抗が低く、し
かも耐食性に優れている金線を使用することで、接点と
しての電気抵抗を低く抑えるとともに、めっき液や洗浄
液の漏れによって電気接点75が腐食することを防止す
ることができる。
【0044】更に、この例によれば、シールリング60
に設けた収納用凹部60c内に電気接点75を収納する
ことで、シールリング60に接点寸法を吸収する効果を
持たせ、更に収納用凹部60c内に接着剤77を充填し
て電気接点75を固定することで、この収納用凹部60
cの内部が漏れためっき液や洗浄液で濡れてしまうこと
を防止することができる。
【0045】これにより、前述のようにして、可動保持
部材58をロックすると、シールリング60でシールさ
れた位置、すなわちシールリング60の一対の足で挟ま
れた領域で、導電体74の露出部が電気接点75の外周
側に位置する一方の脚部75aの先端に各細線78の弾
性力で接触し、基板Wが電気接点75の内周側に位置す
る他方の脚部75aの先端に各細線78の弾性力で接触
する。これによって、基板Wをシールリング60でシー
ルして基板ホルダ18で保持した状態で、電気接点75
を介して基板Wに給電が行えるようになっている。な
お、導電体74の表面の、少なくとも電気接点75との
当接面に、例えば金または白金めっきを施して被覆する
ことが好ましい。
【0046】可動保持部材58の開閉は、図示しないシ
リンダと可動保持部材58の自重によって行われる。つ
まり、固定保持部材54には通孔54aが設けられ、載
置プレート52のこの上に基板ホルダ18を載置した時
に該通孔54aに対向する位置にシリンダが設けられて
いる。これにより、シリンダロッドを伸展させ、通孔5
4aを通じて押圧棒79で可動保持部材58の基部58
aを上方に押上げることで可動保持部材58を開き、シ
リンダロッドを収縮させることで、可動保持部材58を
その自重で閉じるようになっている。
【0047】この可動保持部材58を開く時には、図8
に仮想線で示すように、可動保持部材58側の基板ホル
ダ18で保持した基板Wに対向する位置に配置されたエ
アー噴出ノズルNから基板Wに向けて、例えば0.4M
Pa程度の圧力のオイルフリーエアー(OFA)やN
ガスを噴出することで、めっき処理後の基板Wが可動保
持部材58側にくっついたまま可動保持部材58が開い
て、基板Wが脱落することを防止するようになってい
る。
【0048】この例にあっては、押えリング62を回転
させることにより、可動保持部材58のロック・アンロ
ックを行うようになっているが、このロック・アンロッ
ク機構は、天井側に設けられている。つまり、このロッ
ク・アンロック機構は、載置プレート52の上に基板ホ
ルダ18を載置した時、この中央側に位置する基板ホル
ダ18の押えリング62の各突起73に対応する位置に
位置させた把持部材を有し、載置プレート52を上昇さ
せ、突起73を把持部材で把持した状態で把持部材を押
えリング62の軸芯周りに回転させることで、押えリン
グ62を回転させるように構成されている。このロック
・アンロック機構は、1個備えられ、載置プレート52
の上に載置した2個の基板ホルダ18の一方をロック
(またはアンロック)した後、載置プレート52を横方
向にスライドさせて、他方の基板ホルダ18をロック
(またはアンロック)するようになっている。
【0049】また、基板ホルダ18には、基板Wを装着
した時の該基板Wと接点との接触状態を確認するセンサ
が備えられ、このセンサからの信号がコントローラ(図
示せず)に入力されるようになっている。
【0050】基板ホルダ18の固定保持部材54の端部
には、基板ホルダ18を搬送したり、吊下げ支持したり
する際の支持部となる一対の略T字状のハンド76が連
接されている。そして、ストッカ24内においては、こ
の周壁上面にハンド76の突出端部を引っ掛けること
で、これを垂直に吊下げ保持し、この吊下げ保持した基
板ホルダ18のハンド76を基板ホルダ搬送装置40の
トランスポータ42で把持して基板ホルダ18を搬送す
るようになっている。なお、プリウェット槽26、プリ
ソーク槽28、水洗槽30a,30b、ブロー槽32及
び銅めっき槽34内においても、基板ホルダ18は、ハ
ンド76を介してそれらの周壁に吊下げ保持される。
【0051】更に、図6に示すように、一方のハンド7
6の外方へ突出する突出部下面には、スプリングプロー
ブからなり、電源の陰極に接続される外部接点400が
設けられ、この外部接点400から延びる配線402
は、該ハンド76の内部に設けた配線溝76bから固定
保持部材54の内部に設けた一対の配線溝54b,54
cの内部をそれぞれ通って、導電体74に接続されてい
る。この配線402は、配線カバー404で覆われてい
る。また、他方のハンド76の外方に突出する突出部に
は、この下面から鈎状に屈曲して内方に貫通して延びる
気体流通穴76cが設けられ、この空気流通穴76cに
は、チューブ406の一端が接続され、このチューブ4
06の他端は、固定保持部材54の内部に設けた一方の
配線溝54cに接続されている。
【0052】そして、固定保持部材54の内部に設けた
配線溝54bの入口部には、この配線溝54bとこの内
部を挿通する配線402との間の隙間を埋めるコーキン
グ材408aが、配線溝54cの入口部には、この配線
溝54cとこの内部を挿通する配線402及びチューブ
406との間の隙間を埋めるコーキング材408bがそ
れぞれ充填されて、密閉されている。また、チューブ4
06のハンド76への接続部にも、コーキング材408
cが充填されて、密閉されている。
【0053】各配線402は、図12(a)に示すよう
に、例えばPt,AuまたはCu等からなり、直径が
0.5mmまたは0.7mm程度の導体410の端部を
被覆チューブ412から外部に露出させ、この露出した
導体410を目玉状に丸めボルトに巻付けて導電体74
に接続される。そして、この導体410の露出端部に
は、導体410と被覆チューブ412との間の隙間を埋
めるコーキング材408dが充填されて、密閉されてい
る。これによって、下記のように、空間Rの内部に空気
等の気体を導入して該空間Rの内部を加圧した時、この
加圧された空間(以下、加圧空間という)R内の気体が
チューブ406の接続部や配線溝54b,54cから外
部に漏れないようになっている。なお、図12(b)に
示すように、導体410を露出させた被覆チューブ41
2の端部の該露出した導体410に跨る位置に、加熱す
ると縮む熱収縮チューブ413を装着し、この熱収縮チ
ューブ413を加熱することで、導体410と被覆チュ
ーブ412との間の隙間をシールするようにしてもよ
い。
【0054】ここで、この基板ホルダ18は、ハンド7
6を介して銅めっき槽34の各銅めっきユニット38の
所定位置に吊下げ保持されるのであるが、この各銅めっ
きユニット38には、図6に示すように、受け台414
が設けられ、この受け台414のハンド76に設けた気
体流通穴76cと対応する位置には、上下に貫通する接
続口414aが設けられている。そして、この接続口4
14aに、例えば空気や純粋なNガス等の気体を供給
する気体供給源416から延びる気体供給路418が接
続され、更にこの気体供給路418には、この気体供給
路418を開閉する、例えば電磁弁からなる開閉弁42
0が介装されている。また、受け台414のハンド76
の上面の、ガイド接続口414aの周囲を囲繞する位置
には、受け台414のハンド76で基板ホルダ18を吊
り下げ支持した時に、接続口414aの外周部をシール
するOリング422が装着されている。
【0055】これにより、前述のようにして、基板ホル
ダ18の内部に基板Wを保持すると、基板Wと固定保持
部材54との間に挟まれ、シールリング60で周囲を包
囲された密閉された加圧空間Rが形成される。そして、
基板ホルダ18のハンド76を銅めっき槽34の受け台
414に引っ掛けて、基板ホルダ18を銅めっき槽34
に吊り下げ保持すると、気体供給路418とチューブ4
06とが互いに連通し、この状態で、開閉弁420を開
いて、加圧空間R内に空気やNガス等の気体を導入す
ることで、加圧空間Rの内部を加圧するようになってい
る。
【0056】このように、加圧空間R内を加圧すること
で、基板Wの外周部をシールするシールリング60と該
シールリング60と接触する基板Wや固定保持部材54
等との間に隙間が生じても、加圧空間R内を加圧した気
体がこの隙間を流れ、この気体がめっき液を押し戻し
て、めっき液の基板ホルダ18の内部への浸入を阻止す
ることで、めっき液等の漏れを防止することができる。
【0057】この気体の圧力は、めっき液の液位による
静水圧に打ち勝てばよいので、比較的低い圧力、例えば
約0.005Mpa程度で十分である。この圧力が高す
ぎると基板を破壊してしまうことがあり、また内部から
基板の外に漏れた気流が基板表面を上昇するとめっきの
妨げになるので望ましくない。また、加圧空間R内に導
入する気体としては、一般に空気が使用されるが、純粋
なNガス等の不活性ガスを導入することで、基板が空
気で汚染されることを防止することができる。
【0058】なお、この例では、気体供給路418に開
閉弁420を設け、この開閉弁420を介して、必要な
時だけ加圧空間R内に気体を供給し、これによって、無
駄な動力を削減するようにしているが、この開閉弁42
0を省略して、受け台414に設けた接続口414aか
ら、気体が上方に向けて常時噴出するようにしてもよ
い。また、図16に示すように、受け台414に設けた
上下に貫通する接続口414aの内部に上方に向け内径
が徐々に減少する弁座面414bを設けるとともに、こ
の弁座面414bに当接するチェッキ弁用のボール42
4を内蔵して継手426で塞ぎ、この継手426に気体
供給路418を接続する。一方、基板ホルダ18のハン
ド76に設けた気体流通穴76cの鉛直部の内部に、外
周部に円弧状の流路部を有するステム428の軸部42
8aを嵌着し、このステム428の脚部428bを下方
に突出させる。これによって、基板ホルダが設置されて
いない時は、ボール424を弁座面414bに着座させ
て気体が消費されることを防ぎ、基板ホルダ18のハン
ド76を受け台414に設置して、基板ホルダ18を吊
り下げ保持した時に、このハンド76に設けたステム4
28がボール424を下方に押し下げボール424の弁
座面414bへの着座を解いて、加圧空間R内に空気や
ガス等の気体を導入するようにしてもよい。
【0059】更に、図示しないが、トランスポータ44
にも、上記と同様な構成の受け台を設けるとともに、基
板ホルダ18の内部にチェッキ弁を内蔵させ、トランス
ポータ44で基板ホルダ18を保持した時に、加圧空間
R内に空気やNガス等の気体を導入して加圧すること
で、基板ホルダ18が銅めっきユニット38内に保持し
ためっき液内に没する間に、めっき液が漏れてしまうこ
とを防止するようにすることができる。このように、ト
ランスポータ44に上記と同様な構成の受け台を設けた
場合、一定時間気体を封止し、その間に気体の圧力が低
下しないか否かを検出することで、シールリング60と
基板Wや固定保持部材54との間から気体が漏れている
か否かを検出することができる。
【0060】図17及び図18は、基板ホルダ搬送装置
40の走行部であるリニアモータ部80を示すもので、
このリニアモータ部80は、長尺状に延びるベース82
と、このベース82に沿って走行する2台のスライダ8
4,86とから主に構成され、この各スライダ84,8
6の上面にトランスポータ42,44が搭載されてい
る。また、ベース82の側部には、ケーブルベア(登録
商標)ブラケット88とケーブルベア受け90が設けら
れ、このケーブルベアブラケット88とケーブルベア受
け90に沿ってケーブルベア92が延びるようになって
いる。
【0061】このように、トランスポータ42,44の
移動方式としてリニアモータ方式を採用することで、長
距離移動を可能にするとともに、トランスポータ42,
44の長さを短く抑えて装置の全長をより短くし、更に
長いボールネジなどの精度とメンテナンスを要する部品
を削減することができる。
【0062】図19乃至図22は、一方のトランスポー
タ42を示す。なお、他方のトランスポータ44も基本
的に同じ構成であるので、ここでは説明を省略する。こ
のトランスポータ42は、トランスポータ本体100
と、このトランスポータ本体100から横方向に突出す
るアーム部102と、アーム部102を昇降させるアー
ム部昇降機構104と、アーム部102を回転させるア
ーム部回転機構106と、アーム部102の内部に設け
られて基板ホルダ18のハンド76を着脱自在に把持す
る把持機構108とから主に構成されている。
【0063】アーム部昇降機構104は、図19及び図
20に示すように、鉛直方向に延びる回転自在なボール
ねじ110と、このボールねじ110に螺合するナット
112とを有し、このナット112にLMベース114
が連結されている。そして、トランスポータ本体100
に固定した昇降用モータ116の駆動軸に固着した駆動
プーリ118とボールねじ110の上端に固着した従動
プーリ120との間にタイミングベルト122が掛け渡
されている。これによって、昇降用モータ116の駆動
に伴ってボールねじ110が回転し、このボールねじ1
10に螺合するナット112に連結したLMベース11
4がLMガイドに沿って上下に昇降するようになってい
る。
【0064】アーム部回転機構106は、図20に仮想
線で示すように、内部に回転軸130を回転自在に収納
し取付け台132を介してLMベース114に固着した
スリーブ134と、このスリーブ134の端部にモータ
ベース136を介して取付けた回転用モータ138とを
有している。そして、この回転用モータ138の駆動軸
に固着した駆動プーリ140と回転軸130の端部に固
着した従動プーリ142との間にタイミングベルト14
4が掛け渡されている。これによって、回転用モータ1
38の駆動に伴って回転軸130が回転するようになっ
ている。そして、アーム部102は、この回転軸130
にカップリング146を介して連結されて回転軸130
と一体となって昇降し回転するようになっている。
【0065】アーム部102は、図20の仮想線、図2
1及び図22に示すように、回転軸130に連結されて
該回転軸130と一体に回転する一対の側板150,1
50を備え、この側板150,150間に把持機構10
8が配置されている。なお、この例では、2つの把持機
構108が備えられているが、これらは同じ構成である
ので、一方のみを説明する。
【0066】把持機構108は、端部を側板150,1
50間に幅方向自在に収納した固定ホルダ152と、こ
の固定ホルダ152の内部を挿通させたガイドシャフト
154と、このガイドシャフト154の一端(図22に
おける下端)に連結した可動ホルダ156とを有してい
る。そして、固定ホルダ152は、一方の側板150に
取付けた幅方向移動用シリンダ158にシリンダジョイ
ント160を介して連結されている。一方、ガイドシャ
フト154の他端(図22における上端)には、シャフ
トホルダ162が取付けられ、このシャフトホルダ16
2は、上下移動用シリンダ166にシリンダコネクタ1
64を介して連結されている。
【0067】これにより、幅方向移動用シリンダ158
の作動に伴って、固定ホルダ152が可動ホルダ156
と共に側板150,150間をその幅方向に移動し、上
下移動用シリンダ166の作動に伴って、可動ホルダ1
56がガイドシャフト154にガイドされつつ上下に移
動するようになっている。
【0068】この把持機構108でストッカ24等に吊
下げ保持した基板ホルダ18のハンド76を把持する時
には、ハンド76との干渉を防止しつつ可動ホルダ15
6をこの下方まで下げ、しかる後、幅方向移動用シリン
ダ158を作動させて、固定ホルダ152と可動ホルダ
156を、ハンド76を上下から挟む位置に位置させ
る。この状態で、上下移動用シリンダ166を作動させ
て、可動ホルダ156を固定ホルダ152と可動ホルダ
156で挟持して把持する。そして、この逆の動作を行
わせることで、この把持を解く。
【0069】なお、図6に示すように、基板ホルダ18
のハンド76の一方には、凹部76aが設けられ、可動
ホルダ156の該凹部76aに対応する位置には、この
凹部76aに嵌合する突起168が設けられて、この把
持を確実なものとすることができるように構成されてい
る。
【0070】図23乃至図26は、4個の銅めっきユニ
ット38を2列に収納した銅めっき槽34を示す。な
お、図1に示す8個のめっきユニット38を2列に収容
するようにした銅めっき槽34も基本的には同じ構成で
ある。銅めっきユニットをこれ以上増やしても同様であ
る。
【0071】この銅めっき槽34は、上方に開口した矩
形ボックス状に形成されたオーバーフロー槽36を備
え、このオーバーフロー槽36の周壁170の上端は、
この内部に収納する各銅めっきユニット38の周壁17
2の上端180よりも上方に突出するように構成されて
いる。そして、この内部に銅めっきユニット38を収納
した時に、銅めっきユニット38の周囲にめっき液流路
174が形成され、このめっき液流路174にポンプ吸
込口178が設けられている。これによって、銅めっき
ユニット38をオーバーフローしためっき液は、めっき
液流路174を流れてポンプ吸込口178から外部に排
出されるようになっている。なお、このオーバーフロー
槽36には、各銅めっきユニット38内のめっき液の液
面を均一に調整する液面レベラが設けられている。ここ
で、図23及び図25に示すように、銅めっきユニット
38の内周面には、基板ホルダ18の案内となる嵌合溝
182が設けられている。
【0072】そして、図25に示すように、銅めっきユ
ニット38をオーバーフローしためっき液Qをオーバー
フロー槽36に集め、これを真空ポンプ320により温
度調整槽321、濾過フィルタ322、脱気ユニット
(脱気装置)328、溶存酸素濃度測定装置340、流
量計323を介して銅めっきユニット38の内部に戻す
めっき液循環系Cが備えられている。脱気ユニット3
28は、めっき液Qの流路に対して液体を透過せず気体
のみを透過する隔膜を介して液中に存在する酸素、空
気、炭酸ガスなどの各種溶存気体を除去する真空ポンプ
329を備えている。
【0073】更に、このめっき液循環系Cに分岐し
て、例えば全めっき液量の1/10を取出してめっき液
を分析し、この分析結果に基づいてめっき液に不足する
成分を追加するめっき液管理装置610が備えられてい
る。このめっき液管理装置610は、めっき液調整タン
ク612を備え、このめっき液調整タンク612内で不
足する成分を追加するようになっており、このめっき液
調整タンク612に温度コントローラ614や、サンプ
ルを取出して分析するめっき液分析ユニット616が付
設されている。そして、ポンプ618の駆動に伴って、
めっき液調整タンク612からフィルタ620を通して
めっき液がめっき液循環系Cに戻るようになってい
る。
【0074】なお、この例では、めっき処理時間やめっ
きした基板の数等の外乱を予測して不足する成分を添加
するフィードフォワード制御と、めっき液を分析し、こ
の分析結果に基づいてめっき液に不足する成分を追加す
るフィードバック制御とを併用している。フィードバッ
ク制御のみでもよいことは勿論である。
【0075】このめっき液管理装置610は、例えば、
図4に示すように、カセットテーブル12、基板着脱部
20、ストッカ24、プリウェット槽26、プリソーク
槽28、水洗槽30a,30b及び銅めっき槽34等を
収納したハウジング609の内部に配置されているが、
図5に示すように、ハウジング609の外部に配置する
ようにしてもよい。
【0076】また、図26に示すように、オーバーフロ
ー槽36のめっき液流路174の内部には、空電解用の
カソード184とアノード186が配置されている。こ
のアノード186は、例えばチタン製のバスケットから
なり、内部に銅等のチップを入れるようになっている。
これにより、オーバーフロー槽36にめっきタンクとし
ての役割を果たさせて、銅めっきユニット38間におけ
るめっき膜のむらをなくすとともに、空電解の電極面を
大きくして、空電解の効率を上げ、更に、循環するめっ
き液の多くの部分が空電解部を通過するようにして、均
一なめっき液状態を形成しやすくすることができる。
【0077】プリウェット槽26にあっても、図27に
示すように、プリウェットユニット26aをオーバーフ
ローした純水をオーバーフロー槽26bに集め、これを
真空ポンプ320により温度調整槽321、濾過フィル
タ322、脱気ユニット(脱気装置)328、流量計3
23を介してプリウェットユニット26aの内部に戻す
純水循環系Cが備えられている。脱気ユニット328
は、純水の流路に対して液体を透過せず気体のみを透過
する隔膜を介して液中に存在する酸素、空気、炭酸ガス
などの各種溶存気体を除去する真空ポンプ329を備え
ている。また、純水循環系Cに純水を供給する純水タ
ンク330が備えられている。
【0078】図28は、銅めっきユニット38の断面を
示す。図28に示すように、銅めっきユニット38の内
部には、この嵌合溝182(図23及び図25参照)に
沿って基板Wを装着した基板ホルダ18を配置した時、
この基板Wの表面と対面する位置にアノード200が配
置され、このアノード200と基板Wとの間にパドル
(掻き混ぜ棒)202がほぼ垂直に配置されている。こ
のパドル202は、下記に詳述するパドル駆動装置46
によって、基板Wと平行に往復移動できるようになって
いる。
【0079】このように、基板Wとアノード200との
間にパドル202を配置し、これを基板Wと平行に往復
移動させることで、基板Wの表面に沿っためっき液の流
れを該表面の全面でより均等にして、基板Wの全面に亘
ってより均一な膜厚のめっき膜を形成することができ
る。また、この例では、基板Wとアノード200との間
に、基板Wの大きさに見合った中央孔204aを設けた
レギュレーションプレート(マスク)204を配置して
いる。これにより、基板Wの周辺部の電位をレギュレー
ションプレート204で下げて、めっき膜の膜厚をより
均等化することができる。
【0080】図29は、このめっき装置の銅めっき槽3
4を配置した部分の断面を示し、図30は、図29にお
けるめっき液注入部の詳細を示す。図29に示すよう
に、銅めっきユニット38の内部には、その下方にある
めっき液供給管206からめっき液が供給され、オーバ
ーフロー槽36をオーバーフローしためっき液は、下部
のめっき液排出管208を通して排出される。
【0081】ここで、図30に示すように、めっき液供
給管206は、銅めっきユニット38の底部で該銅めっ
きユニット38の内部に開口しており、この開口端に整
流板210が取付けられて、この整流板210を通して
めっき液が銅めっきユニット38内に注入される。この
めっき液供給管206を囲繞する位置に排液管212の
一端が銅めっきユニット38に開口して取付けられ、こ
の排液管212の他端にベント管214を介してめっき
液排出管208が連結されている。これによって、めっ
き液供給管206の近傍のめっき液は、排液管212及
びめっき液排出管208から排出されて、ここでのめっ
き液の滞留が防止されるようになっている。
【0082】図31及び図32は、パドル駆動装置46
を示す。なお、この例では、複数のパドル駆動装置46
が備えられ、図31及び図32は、2個のみを示してい
るが、全て同じ構成であるので、その内の1個のみを説
明し、他は同一符号を付してその説明を省略する。
【0083】このパドル駆動装置46には、パドル駆動
用モータ220と、このモータ220の駆動軸に基端を
連結したクランク222と、このクランク222の先端
に取付けたカムフォロア224と、このカムフォロア2
24が摺動する溝カム226を有するスライダ228と
を有している。そして、このスライダ228にパドルシ
ャフト230が連結されて、このパドルシャフト230
が銅めっき槽34を横切るように配置されている。この
パドルシャフト230の長さ方向に沿った所定箇所にパ
ドル202が垂設され、その長さ方向に沿った往復移動
のみを許容するようにシャフトガイド232で支持され
ている。
【0084】これにより、パドル駆動用モータ220の
駆動に伴って、クランク222が回転し、このクランク
222の回転運動がスライダ228及びカムフォロア2
24を介してパドルシャフト230の直線運動に変換さ
れ、このパドルシャフト230に垂設したパドル202
が、前述のように、基板Wと平行に往復移動するように
なっている。
【0085】なお、基板の径が異なる場合には、パドル
シャフト230に対するパドル202の取付け位置を任
意に調節することで、これに容易に対処することができ
る。また、パドル202はめっき処理中常に往復移動し
ているため、摩耗が発生し、機械的な摺動によりパーテ
ィクル発生の原因ともなっていたが、この例にあって
は、パドル支持部の構造を改良することにより、耐久性
を改善して、問題の発生を大幅に減少させることができ
る。
【0086】このように構成しためっき装置による一連
のバンプめっき処理を説明する。先ず、図36(a)に
示すように、表面に給電層としてのシード層500を成
膜し、このシード層500の表面に、例えば高さHが2
0〜120μmのレジスト502を全面に塗布した後、
このレジスト502の所定の位置に、例えば直径Dが2
0〜200μm程度の開口部502aを設けた基板をそ
の表面(被めっき処理面)を上した状態でカセット10
に収容し、このカセット10をカセットテーブル12に
搭載する。
【0087】このカセットテーブル12に搭載したカセ
ット10から、基板搬送装置22で基板を1枚取出し、
アライナ14に載せてオリフラやノッチなどの位置を所
定の方向に合わせる。このアライナ14で方向を合わせ
た基板を基板搬送装置22で基板着脱部20まで搬送す
る。
【0088】基板着脱部20においては、ストッカ24
内に収容されていた基板ホルダ18を基板ホルダ搬送装
置40のトランスポータ42の把持機構108で2基同
時に把持し、アーム部昇降機構104を介してアーム部
102を上昇させた後、基板着脱部20まで搬送し、ア
ーム部回転機構106を介してアーム部102を90゜
回転させて基板ホルダ18を水平な状態とする。しかる
後、アーム部昇降機構104を介してアーム部102を
下降させ、これによって、2基の基板ホルダ18を基板
着脱部20の載置プレート52の上に同時に載置し、シ
リンダを作動させて基板ホルダ18の可動保持部材58
を開いた状態にしておく。
【0089】この状態で、中央側に位置する基板ホルダ
18に基板搬送装置22で搬送した基板を挿入し、シリ
ンダを逆作動させて可動保持部材58を閉じ、しかる
後、ロック・アンロック機構で可動保持部材58をロッ
クする。そして、一方の基板ホルダ18への基板の装着
が完了した後、載置プレート52を横方向にスライドさ
せて、同様にして、他方の基板ホルダ18に基板を装着
し、しかる後、載置プレート52を元の位置に戻す。
【0090】これにより、基板は、そのめっき処理を行
う面を基板ホルダ18の開口部から露出させた状態で、
周囲をシールリング60でめっき液が浸入しないように
シールされ、シールによってめっき液に触れない部分に
おいて複数の接点と電気的に導通するように固定され
る。ここで、接点からは基板ホルダ18のハンド76ま
で配線が繋がっており、ハンド76の部分に電源を接続
することにより基板のシード層500に給電することが
できる。
【0091】次に、基板を装着した基板ホルダ18を基
板ホルダ搬送装置40のトランスポータ42の把持機構
108で2基同時に把持し、アーム部昇降機構104を
介してアーム部102を上昇させた後、ストッカ24ま
で搬送し、アーム部回転機構106を介してアーム部1
02を90゜回転させて基板ホルダ18を垂直な状態と
なし、しかる後、アーム部昇降機構104を介してアー
ム部102を下降させ、これによって、2基の基板ホル
ダ18をストッカ24に吊下げ保持(仮置き)する。
【0092】これらの基板搬送装置22、基板着脱部2
0及び基板ホルダ搬送装置40のトランスポータ42に
おいては、前記作業を順次繰り返して、ストッカ24内
に収容された基板ホルダ18に順次基板を装着し、スト
ッカ24の所定の位置に順次吊り下げ保持(仮置き)す
る。なお、基板ホルダ18に備えられていた基板と接点
との接触状態を確認するセンサで、この接触状態が不良
である判断とした時には、その信号をコントローラ(図
示せず)に入力する。
【0093】一方、基板ホルダ搬送装置40の他方のト
ランスポータ44にあっては、基板を装着しストッカ2
4に仮置きした基板ホルダ18をこの把持機構108で
2基同時に把持し、アーム部昇降機構104を介してア
ーム部102を上昇させた後、プリウェット槽26まで
搬送し、しかる後、アーム部昇降機構104を介してア
ーム部102を下降させ、これによって、2基の基板ホ
ルダ18をプリウェット槽26内に入れた、例えば純水
に浸漬させて基板の表面を濡らして表面の親水性を良く
する。なお、基板の表面を濡らし穴の中の空気を水に置
換して親水性をよくできるものであれば、純水に限らな
いことは勿論である。
【0094】なお、この時、基板ホルダ18に備えられ
ていた基板と接点との接触状態を確認するセンサで、こ
の接触状態が不良であると判断した基板を収納した基板
ホルダ18は、ストッカ24に仮置きしたままにしてお
く。これにより、基板ホルダ18に基板を装着した時に
該基板と接点との間に接触不良が生じても、装置を停止
させることなく、めっき作業を継続することができる。
この接触不良を生じた基板にはめっき処理が施されない
が、この場合には、カセットを戻した後にめっき未処理
の基板をカセットから排除することで、これに対処する
ことができる。
【0095】次に、この基板を装着した基板ホルダ18
を、前記と同様にして、プリソーク槽28に搬送し、プ
リソーク槽28に入れた硫酸や塩酸などの薬液に基板を
浸漬させてシード層表面の電気抵抗の大きい酸化膜をエ
ッチングし、清浄な金属面を露出させる。更に、この基
板を装着した基板ホルダ18を、前記と同様にして、水
洗槽30aに搬送し、この水洗槽30aに入れた純水で
基板の表面を水洗する。
【0096】水洗が終了した基板を装着した基板ホルダ
18を、前記と同様にして、めっき液を満たした銅めっ
き槽34に搬送し、銅めっきユニット38に吊り下げ保
持する。基板ホルダ搬送装置40のトランスポータ44
は、上記作業を順次繰り返し行って、基板を装着した基
板ホルダ18を順次銅めっき槽34の銅めっきユニット
38に搬送して所定の位置に吊下げ保持する。
【0097】このように、銅めっきユニット38に基板
ホルダ18を吊り下げ保持すると、気体供給路418と
チューブ406とが互いに連通するので、このように基
板ホルダ18を保持する直前または直後に開閉弁420
を開いて、加圧空間R内に空気やNガス等の気体を導
入して加圧空間Rの内部を加圧し、これによって、めっ
き液の基板ホルダ18の内部への浸入を阻止して、めっ
き液の漏れを防止する。
【0098】全ての基板ホルダ18の吊下げ保持が完了
した後、オーバーフロー槽36のめっき液をめっき液供
給管206からめっき槽に循環させ、かつ、オーバーフ
ローさせながら、アノード200と基板Wとの間にめっ
き電圧を印加し、同時にパドル駆動装置46によりパド
ル202を基板の表面と平行に往復移動させることで、
基板の表面にめっきを施す。この時、基板ホルダ18
は、銅めっきユニット38の上部でハンド76により吊
り下げられて固定され、めっき電源から外部接点40
0、配線402、導電体74及び電気接点75を通し
て、シード層500(図36参照)に給電される。
【0099】また、めっき液は、銅めっきユニット38
の下部から銅めっきユニット38内に流入し、銅めっき
ユニット38の上部外周部からオーバーフローして、濃
度調整、フィルタによる異物除去を行った後、再度銅め
っきユニット38下部から銅めっきユニット38に流入
する。この循環により、めっき液の濃度は常に一定に保
たれる。なお、この時、空電解用のカソード184とア
ノード186との間に空電解用の電圧を印加すること
で、めっき液の状態をより均一にすることができる。
【0100】めっきが終了した後、めっき電源の印加、
めっき液の供給及びパドル往復運動を停止し、めっき後
の基板を装着した基板ホルダ18を基板ホルダ搬送装置
40のトランスポータ44の把持機構108で2基同時
に把持し、前述と同様にして、水洗槽30bまで搬送
し、この水洗槽30bに入れた純水に浸漬させて基板の
表面を純水洗浄する。この時、基板ホルダ18をめっき
液から引き上げた時点で、開閉弁420を閉じて、加圧
空間R内への気体の導入を停止する。次に、この基板を
装着した基板ホルダ18を、前記と同様にして、ブロー
槽32に搬送し、ここで、エアーの吹き付けによって基
板ホルダ18に付着した水滴を除去する。しかる後、こ
の基板を装着した基板ホルダ18を、前記と同様にし
て、ストッカ24の所定の位置に戻して吊下げ保持す
る。
【0101】基板ホルダ搬送装置40のトランスポータ
44は、上記作業を順次繰り返し、めっきが終了した基
板を装着した基板ホルダ18を順次ストッカ24の所定
の位置に戻して吊下げ保持する。
【0102】一方、基板ホルダ搬送装置40の他方のト
ランスポータ42にあっては、めっき処理後の基板を装
着しストッカ24に戻した基板ホルダ18をこの把持機
構108で2基同時に把持し、前記と同様にして、基板
着脱部20の載置プレート52の上に載置する。この
時、基板ホルダ18に備えられていた基板と接点との接
触状態を確認するセンサで、この接触状態が不良である
判断とした基板を装着しストッカ24に仮置きしたまま
の基板ホルダ18も同時に搬送して載置プレート52の
上に載置する。
【0103】そして、中央側に位置する基板ホルダ18
の可動保持部材58のロックをロック・アンロック機構
を介して解き、シリンダを作動させて可動保持部材58
を開く。この時、基板ホルダ18で保持した基板Wに向
けて、可動保持部材58側に配置したエアー噴出ノズル
NからオイルフリーエアーやNガスを噴出すること
で、基板Wが可動保持部材58にくっついたまま可動保
持部材58が開くことを防止する。この状態で、基板ホ
ルダ18内のめっき処理後の基板を基板搬送装置22で
取出して、スピンドライヤ16に運び、このスピンドラ
イヤ16の高速回転によってスピンドライ(水切り)し
た基板を基板搬送装置22でカセット10に戻す。
【0104】そして、一方の基板ホルダ18に装着した
基板をカセット10に戻した後、或いはこれと並行し
て、載置プレート52を横方向にスライドさせて、同様
にして、他方の基板ホルダ18に装着した基板をスピン
ドライしてカセット10に戻す。
【0105】載置プレート52を元の状態に戻した後、
基板を取出した基板ホルダ18を基板ホルダ搬送装置4
0のトランスポータ42の把持機構108で2基同時に
把持し、前記と同様にして、これをストッカ24の所定
の場所に戻す。しかる後、めっき処理後の基板を装着し
ストッカ24に戻した基板ホルダ18を基板ホルダ搬送
装置40のトランスポータ42の把持機構108で2基
同時に把持し、前記と同様にして、基板着脱部20の載
置プレート52の上に載置して、前記と同様な作業を繰
り返す。
【0106】そして、めっき処理後の基板を装着しスト
ッカ24に戻した基板ホルダ18から全ての基板を取出
し、スピンドライしてカセット10に戻して作業を完了
する。これにより、図36(b)に示すように、レジス
ト502に設けた開口部502a内にめっき膜504を
成長させた基板Wが得られる。
【0107】なお、図2に示すように、レジスト剥離部
600、シード層除去部602及び熱処理部604を備
えためっき装置にあっては、前述のようにしてスピンド
ライした基板Wを、先ずレジスト剥離部600に搬送
し、例えば温度が50〜60℃のアセトン等の溶剤に浸
漬させて、図36(c)に示すように、基板W上のレジ
スト502を剥離除去する。そして、このレジスト50
2を除去した基板Wをシード層除去部602に搬送し、
図36(d)に示すように、めっき後の外部に露出する
不要となったシード層500を除去する。次に、この基
板Wを、例えば拡散炉からなる熱処理部604に搬送
し、めっき膜504をリフローさせることで、図36
(e)に示すように、表面張力で丸くなったバンプ50
6を形成する。更に、この基板Wを、例えば、100℃
以上の温度でアニールし、バンプ506内の残留応力を
除去する。なお、下記のように、多層めっきによるバン
プにあっては、このようにアニールを施すことで、バン
プ506の合金化を図る。そして、このアニール後の基
板をカセット10に戻して作業を完了する。
【0108】また、図3に示すように、前記熱処理部6
04の代わりにリフロー部606とアニール部608と
を備えためっき装置にあっては、このリフロー部606
でめっき膜504をリフローさせ、このリフロー後の基
板をアニール部608に搬送してアニールする。
【0109】なお、この例では、基板着脱部20と銅め
っきユニット38との間に基板ホルダ18を縦置きで収
納するストッカ24を配置し、基板着脱部20とストッ
カ24との間での基板ホルダ18の搬送を基板ホルダ搬
送装置40の第1のトランスポータ42で、ストッカ2
4と銅めっきユニット38との間での基板ホルダ18の
搬送を第2のトランスポータ44でそれぞれ行うこと
で、不使用時の基板ホルダ18をストッカ24に保管し
ておき、またストッカ24を挟んだ前後における基板ホ
ルダ18の搬送をスムーズに行ってスループットを向上
させるようにしている。1つのトランスポータで全ての
搬送を行うようにしても良いことは勿論である。
【0110】また、基板搬送装置22として、ドライハ
ンドとウェットハンドを有するロボットを使用し、基板
ホルダ18からめっき後の基板を取出す時にのみウェッ
トハンドを使用し、他はドライハンドを使用するように
している。基板ホルダ18のシールによって基板の裏面
はめっき液に接触しないように保たれており、原則的に
はウェットハンドとすることは必ずしも必要ではない
が、このようにハンドを使い分けることで、リンス水の
回り込みやシール不良によるめっき液汚染が生じ、この
汚染が新しい基板の裏面を汚染することを防止すること
ができる。
【0111】また、基板カセット10にバーコードを付
けたものを使用し、更に基板ホルダ18のストッカ24
内の収納位置等の基板ホルダ18の使用状態や、基板カ
セット10と該カセット10に収納した基板Wとの関係
や、基板ホルダ18から取出した基板Wと基板ホルダ1
8との関係等を、例えばコントロールパネルから入力す
ることで、基板カセット10から取出しためっき処理前
の基板をめっき処理後に元の位置に戻すとともに、基板
Wの処理の状態や基板ホルダ18の状態を監視すること
ができる。なお、基板自体にバーコードを付けること
で、基板自体をそのまま管理するようにしてもよい。
【0112】図33及び図34は、めっき装置の他の例
を示すもので、これは、異なる種類のめっきを行うめっ
き槽を備え、自由自在に工程に対応できるようにしたも
のである。つまり、図33は、異なる種類のめっきを行
うめっき槽を備えためっき処理部を示すもので、これ
は、ストッカ24、仮置き台240、プリウェット槽2
6、プリソーク槽28、第1の水洗槽30a、基板の表
面にニッケルめっきを施す複数のニッケルめっきユニッ
ト242をオーバーフロー槽36a内に収納したニッケ
ルめっき槽244、第2の水洗槽30b、基板の表面に
銅めっきを施す複数の銅めっきユニット38をオーバー
フロー槽36内に収納した銅めっき槽34、第3の水洗
槽30c、ブロー槽32、第4の水洗槽30d、基板の
表面にはんだめっきを施す複数のはんだめっきユニット
246をオーバーフロー槽36b内に収納した、はんだ
めっき槽248とを有している。
【0113】なお、これらのニッケルめっきユニット2
42やはんだめっきユニット246の構成は、基本的に
銅めっきユニット38と同じであり、これらの各ユニッ
トをオーバーフロー槽内に収容したニッケルめっき槽2
44やはんだめっき槽248の構成は、基本的に銅めっ
き槽34と同じである。また、その他の構成は、前述と
同様である。
【0114】このめっき装置によれば、基板を基板ホル
ダ18に装着した状態で、この表面にニッケルめっき、
銅めっき及びはんだめっきを順次に施して、ニッケル−
銅−はんだからなる多層めっきによるバンプ等を一連の
操作で形成することができる。なお、この例では、4個
のニッケルめっきユニット242、4個の銅めっきユニ
ット38及び14個のはんだめっきユニット246(合
計22個のめっきユニット)を備えた例を示している
が、例えば図35に示すように、4個のニッケルめっき
ユニット242、4個の銅めっきユニット38及び18
個のはんだめっきユニット246(合計26個のめっき
ユニット)を備える等、これらの各めっきユニットの個
数は、任意に変更できることは勿論であり、また、各め
っきユニットでめっきする金属を任意に変更できること
は勿論である。
【0115】多層めっきによるバンプとしては、このN
i−Cu−はんだの他に、Cu−Au−はんだ、Cu−
Ni−はんだ、Cu−Ni−Au、Cu−Sn、Cu−
Pd、Cu−Ni−Pd−Au、Cu−Ni−Pd、N
i−はんだ、Ni−Au等が挙げられる。ここで、この
はんだとしては、高融点はんだと共晶はんだのどちらで
もよい。
【0116】また、Sn−Agの多層めっきによるバン
プ、またはSn−Ag−Cuの多層めっきによりバンプ
を形成し、前述のように、アニールを施してこれらの合
金化を図ることもできる。これにより、従来のSn−P
bはんだとは異なり、Pbフリーとして、α線による環
境問題を解消することができる。
【0117】ここで、この例にあっては、基板ホルダ搬
送装置40側にこれと並行に局所排気ダクト250を設
け、図34に示すように、この局所排気ダクト250に
連通する複数の排気ダクト孔252から吸引すること
で、局所排気ダクト250方向に向かう一方向の空気の
流れを生じさせ、各めっき槽等の下方から天井に向かう
一方向の空気の流れができるようにしている。このよう
に、局所排気ダクト250方向に向かう一方向の空気の
流れを生じさせ、この流れに各めっき槽から蒸発した蒸
気を乗せることで、この蒸気による基板等の汚染を防止
することができる。
【0118】以上説明したように、このめっき装置によ
れば、基板を収納したカセットをカセットテーブルにセ
ットして装置を始動することで、ディップ方式を採用し
た電解めっきを全自動で行って、基板の表面にバンプ等
に適した金属めっき膜を自動的に形成することができ
る。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基板の外周部をシールするシールリングと該シールリン
グと接触する基板やサポート等の間に隙間が生じても、
加圧空間内を加圧した気体がこの隙間を流れて、この気
体がめっき液等の液体の押し戻して、めっき液等の液体
の基板ホルダ内部への浸入を阻止し、これによって、め
っき液等の液体の漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の基板ホルダを備えためっ
き装置の全体配置図である。
【図2】図1の変形例を示すめっき装置の全体配置図で
ある。
【図3】図1の他の変形例を示すめっき装置の全体配置
図である。
【図4】図1の更に他の変形例を示すめっき装置の配置
図である。
【図5】図1の更に他の変形例を示すめっき装置の配置
図である。
【図6】基板ホルダの平面図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【図8】図6の右側面図である。
【図9】基板ホルダをロックした状態における図6のB
−B線断面図である。
【図10】基板ホルダをアンロックした状態における図
7のD部拡大図である。
【図11】基板ホルダをアンロックした状態における図
7のC部拡大図である。
【図12】それぞれ異なる配線の端部を示す図である。
【図13】スライドプレートを示す斜視図である。
【図14】シールリングの電気接点の装着部を示す裏面
図である。
【図15】電気接点の製造例を工程順に示す図である。
【図16】(a)は、受け台と基板ホルダのハンドの関
係の他の例を示す断面図で、(b)は、ステムの軸部の
断面図、(c)は、ステムの斜視図である。
【図17】基板ホルダ搬送装置のリニアモータ部(走行
部)を示す平面図である。
【図18】図17の正面図である。
【図19】トランスポータの正面図である。
【図20】トランスポータのアーム部回転機構を仮想線
で示す平面図である。
【図21】アーム部に備えられた把持機構の平面図であ
る。
【図22】同じく、縦断正面図である。
【図23】銅めっき槽の平面図である。
【図24】図23の縦断正面図である。
【図25】銅めっき槽の縦断側面図である。
【図26】銅めっき槽の拡大断面図である。
【図27】プリウェット槽の縦断側面図である。
【図28】銅めっきユニットの拡大断面図である。
【図29】図1における銅めっき槽配置部の断面図であ
る。
【図30】銅めっきユニットのめっき液注入孔付近の拡
大断面図である。
【図31】パドル駆動装置の平面図である。
【図32】同じく、縦断正面図である。
【図33】本発明の基板ホルダを備えためっき装置の更
に他の例を示す配置図である。
【図34】図33における局所排気ダクト及び該排気ダ
クトに連通する排気ダクト孔を示す図である。
【図35】図33の変形例を示すめっき装置の配置図で
ある。
【図36】基板上にバンプ(突起状電極)を形成する過
程を工程順に示す断面図である。
【符号の説明】
10 カセット 12 カセットテーブル 14 アライナ 16 スピンドライヤ 18 基板ホルダ 20 基板着脱部 22 基板搬送装置 24 ストッカ 26 プリウェット槽 28 プリソーク槽 30a,30b,30c,30d 水洗槽 32 ブロー槽 34 銅めっき槽 38 銅めっきユニット 40 基板ホルダ搬送装置 42,44 トランスポータ 46 パドル駆動装置 54 固定保持部材 54b,54c 配線溝 56 ヒンジ 58 可動保持部材 58b リング状部 58c 嵌着部 58d 係止用凸部(係止部) 58e 凹部(係合部) 60 シールリング 60a 係止用凹部(係止部) 60c 収納用凹部 62 押えリング 62a フランジ片 64,68 スライドプレート 64c 凸部(係合部) 66 ボルト 70 クランパ 70a 突出部 71 ガイドピン 72 振止めブロック 73 突起 74 導電体 75 電気接点 76 ハンド 76b 配線溝 76c 気体流通口 78 細線 80 リニアモータ部 84,86 スライダ 100 トランスポータ本体 102 アーム部 104 アーム部昇降機構 106 アーム部回転機構 108 把持機構 400 外部接点 402 配線 406 チューブ 408a,408b,408c,408d コーキング
材 410 導体 412 被覆チューブ 414 受け台 414a 接続口 416 気体供給源 418 気体供給路 420 開閉弁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定保持部材と可動保持部材に取付けた
    シールリングとの間に基板を介在させ、前記シールリン
    グを前記固定保持部材に向けて押圧して基板を着脱自在
    に保持するようにした基板ホルダにおいて、 基板を保持した時に、該基板と前記固定保持部材との間
    に挟まれ、前記シールリングで包囲された空間の内部を
    加圧するようにしたことを特徴とする基板ホルダ。
  2. 【請求項2】 前記基板ホルダは前記空間に連通するチ
    ューブを備え、該チューブにより気体供給源から気体を
    供給し、前記空間の内部を加圧するようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の基板ホルダ。
  3. 【請求項3】 受け台に当接させて基板ホルダを保持す
    るハンドと、該ハンドと前記固定保持部材とを繋ぎ前記
    空間に連通するチューブとを有し、基板ホルダを受け台
    に保持した時、該受け台に設けた接続口に接続した気体
    供給路と前記チューブとが互いに連通するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の基板ホルダ。
  4. 【請求項4】 前記チューブの前記受け台及び前記固定
    保持部材との接続部をそれぞれ気密的に封止したことを
    特徴とする請求項3記載の基板ホルダ。
  5. 【請求項5】 前記気体供給路から前記チューブに延び
    る気体供給系路の途中に弁を設けたことを特徴とする請
    求項3または4記載の基板ホルダ。
  6. 【請求項6】 前記固定保持部材の内部に配置され、配
    線を介して外部接点と接続した電気接点を有し、前記配
    線の前記固定保持部材との接続部及び導体の露出部をそ
    れぞれ気密的に封止したことを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の基板ホルダ。
  7. 【請求項7】 固定保持部材と可動保持部材に取付けた
    シールリングを有し、前記シールリングを前記固定保持
    部材に向けて押圧して基板を保持した時に、該基板と前
    記固定保持部材との間に挟まれ、前記シールリングで包
    囲された空間の内部を加圧するようにした基板ホルダを
    有することを特徴とするめっき装置。
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