JP2003276040A - 光学機器用遮光羽根材及びその製造方法 - Google Patents
光学機器用遮光羽根材及びその製造方法Info
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Classifications
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03B—APPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
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- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 形状の安定性及び遮光の均一性に優れ、且つ
安価な繊維強化型樹脂製の遮光羽根材料を提供する。 【解決手段】 遮光羽根材料は、熱硬化性のエポキシ樹
脂をマトリクス樹脂として一方向に引き揃えられた繊維
を含んだプリプレグシート1,2,3を繊維の引き揃え
方向が直交する様に重ねる工程と、未硬化のエポキシ樹
脂をベース樹脂として15〜40重量%のカーボンブラ
ックを含有したフィルム4,5をプリプレグシート1,
2,3と接する様に少なくとも二枚配する工程と、該プ
リプレグシートと該フィルムが重なった状態で加圧加熱
してエポキシ樹脂を硬化する工程とにより製造される。
該フィルムのベース樹脂を構成するエポキシ樹脂がプリ
プレグシートのマトリクス樹脂中に拡散融合して両者の
界面が消滅するとともに、該ベース樹脂中のカーボンブ
ラックもプリプレグシートのマトリクス樹脂中に分散し
た状態になる。
安価な繊維強化型樹脂製の遮光羽根材料を提供する。 【解決手段】 遮光羽根材料は、熱硬化性のエポキシ樹
脂をマトリクス樹脂として一方向に引き揃えられた繊維
を含んだプリプレグシート1,2,3を繊維の引き揃え
方向が直交する様に重ねる工程と、未硬化のエポキシ樹
脂をベース樹脂として15〜40重量%のカーボンブラ
ックを含有したフィルム4,5をプリプレグシート1,
2,3と接する様に少なくとも二枚配する工程と、該プ
リプレグシートと該フィルムが重なった状態で加圧加熱
してエポキシ樹脂を硬化する工程とにより製造される。
該フィルムのベース樹脂を構成するエポキシ樹脂がプリ
プレグシートのマトリクス樹脂中に拡散融合して両者の
界面が消滅するとともに、該ベース樹脂中のカーボンブ
ラックもプリプレグシートのマトリクス樹脂中に分散し
た状態になる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラのフォーカル
プレーンシャッタやレンズシャッタのシャッタ羽根ある
いは絞り羽根などの用途で遮光性を必要とする光学機器
用遮光羽根材及びその製造方法に関する。より詳しく
は、炭素繊維などで強化された複合樹脂製の遮光羽根材
に関する。
プレーンシャッタやレンズシャッタのシャッタ羽根ある
いは絞り羽根などの用途で遮光性を必要とする光学機器
用遮光羽根材及びその製造方法に関する。より詳しく
は、炭素繊維などで強化された複合樹脂製の遮光羽根材
に関する。
【0002】
【従来の技術】フォーカルプレーンシャッタなどのシャ
ッタ羽根として、炭素繊維強化樹脂(CFRP)ででき
た板材が多用されている。CFRPで構成された羽根
は、軽量で曲げ剛性も高く1/8000秒を超える高速
のシャッタスピードでも、走行中及び停止直後の羽根の
波打ちが少ない。中でも、高速シャッタに適したCFR
P板は、強化繊維として一方向に揃えた炭素繊維を用
い、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂を使用したもの
である。CFRP板材は、前駆体であるプリプレグシー
トを複数枚繊維方向が互いに直交する様に重ね、この積
層板全体をプレスしたまま加熱して硬化することにより
製造される。この様にして製造されたCFRP板は、目
的とされる遮光羽根の形状に切断される。切断は一般に
プレスによる打ち抜きである。この様なCFRP板を用
いた遮光羽根は、例えば特開平6−160938号公
報、特開平10−301158号公報、特開平11−1
94393号公報、特開2000−75353公報に開
示されている。
ッタ羽根として、炭素繊維強化樹脂(CFRP)ででき
た板材が多用されている。CFRPで構成された羽根
は、軽量で曲げ剛性も高く1/8000秒を超える高速
のシャッタスピードでも、走行中及び停止直後の羽根の
波打ちが少ない。中でも、高速シャッタに適したCFR
P板は、強化繊維として一方向に揃えた炭素繊維を用
い、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂を使用したもの
である。CFRP板材は、前駆体であるプリプレグシー
トを複数枚繊維方向が互いに直交する様に重ね、この積
層板全体をプレスしたまま加熱して硬化することにより
製造される。この様にして製造されたCFRP板は、目
的とされる遮光羽根の形状に切断される。切断は一般に
プレスによる打ち抜きである。この様なCFRP板を用
いた遮光羽根は、例えば特開平6−160938号公
報、特開平10−301158号公報、特開平11−1
94393号公報、特開2000−75353公報に開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CFR
P板は、炭素繊維が黒い為に一応の遮光性はあるもの
の、シャッタ羽根として求められる完全な遮光性を確保
する為には、マトリクス樹脂にカーボンブラックを添加
する必要がある。このマトリクス樹脂にカーボンブラッ
クを混入したプリプレグシートは特注品になる為、価格
が高く、更に大量に生産する必要が生ずる。この為、高
コストで且つ多量の在庫が必要となり、CFRP製遮光
羽根のコスト高の原因となっていた。
P板は、炭素繊維が黒い為に一応の遮光性はあるもの
の、シャッタ羽根として求められる完全な遮光性を確保
する為には、マトリクス樹脂にカーボンブラックを添加
する必要がある。このマトリクス樹脂にカーボンブラッ
クを混入したプリプレグシートは特注品になる為、価格
が高く、更に大量に生産する必要が生ずる。この為、高
コストで且つ多量の在庫が必要となり、CFRP製遮光
羽根のコスト高の原因となっていた。
【0004】原料であるプリプレグにカーボンブラック
を添加することなく、市販のカーボンブラック無添加プ
レプレグを用いて、実用的な価格の光学機器用遮光羽根
材が求められており、その一例が前述した特開平10−
301158号公報に開示されている。これによると、
一方向に揃えられた炭素繊維とこれを包含するマトリク
ス樹脂とからなる強化樹脂シートの複数枚を、その繊維
方向が互いに直交する様に積層してなる炭素繊維強化樹
脂製遮光羽根において、前記強化樹脂シート間の中間層
として均一な樹脂層を設けている。この中間層となる樹
脂層にはカーボンブラックが混入されている。具体的に
は、マトリクス樹脂がエポキシ樹脂のプリプレグシート
と、カーボンブラックを混入したポリウレタンの樹脂層
を重ね、加熱加圧成形して遮光羽根板材を得ている。
を添加することなく、市販のカーボンブラック無添加プ
レプレグを用いて、実用的な価格の光学機器用遮光羽根
材が求められており、その一例が前述した特開平10−
301158号公報に開示されている。これによると、
一方向に揃えられた炭素繊維とこれを包含するマトリク
ス樹脂とからなる強化樹脂シートの複数枚を、その繊維
方向が互いに直交する様に積層してなる炭素繊維強化樹
脂製遮光羽根において、前記強化樹脂シート間の中間層
として均一な樹脂層を設けている。この中間層となる樹
脂層にはカーボンブラックが混入されている。具体的に
は、マトリクス樹脂がエポキシ樹脂のプリプレグシート
と、カーボンブラックを混入したポリウレタンの樹脂層
を重ね、加熱加圧成形して遮光羽根板材を得ている。
【0005】しかしながら、このCFRP板は、マトリ
クス樹脂と中間の樹脂の材質が異なる為、界面で剥離が
生じたり温度などの影響により変形が生じる恐れがあ
り、必ずしも形状的に安定していない。又、中間の樹脂
層に混入したカーボンブラックはプリプレグに分散され
ることなくほぼ中間のウレタン層に止まっている為、遮
光性にむらが生じる場合がある。
クス樹脂と中間の樹脂の材質が異なる為、界面で剥離が
生じたり温度などの影響により変形が生じる恐れがあ
り、必ずしも形状的に安定していない。又、中間の樹脂
層に混入したカーボンブラックはプリプレグに分散され
ることなくほぼ中間のウレタン層に止まっている為、遮
光性にむらが生じる場合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課
題に鑑み、本発明は形状の安定性及び遮光の均一性に優
れ、且つ安価な繊維強化型樹脂製の遮光羽根材料を提供
することを目的とする。係る目的を達成するために以下
の手段を講じた。即ち、本発明の光学機器用遮光羽根材
は、熱硬化性のエポキシ樹脂をマトリクス樹脂として一
方向に引き揃えられた繊維を含んだプリプレグシートを
用意する工程と、少くとも三枚のプリプレグシートを隣
りどうしで繊維の引き揃え方向が直交する様に重ねる工
程と、未硬化のエポキシ樹脂をベース樹脂として15〜
40重量%のカーボンブラックを含有したフィルムをこ
れらプリプレグシートと片面又は両面で接する様に二枚
以上配する工程と、該プリプレグシートと該フィルムが
重なった状態で加圧加熱してエポキシ樹脂を硬化する工
程とにより製造され、該フィルムのベース樹脂を構成す
るエポキシ樹脂がプリプレグシートのマトリクス樹脂中
に拡散融合して両者の界面が消滅するとともに、該ベー
ス樹脂中のカーボンブラックもプリプレグシートのマト
リクス樹脂中に分散した状態になることを特徴とする。
題に鑑み、本発明は形状の安定性及び遮光の均一性に優
れ、且つ安価な繊維強化型樹脂製の遮光羽根材料を提供
することを目的とする。係る目的を達成するために以下
の手段を講じた。即ち、本発明の光学機器用遮光羽根材
は、熱硬化性のエポキシ樹脂をマトリクス樹脂として一
方向に引き揃えられた繊維を含んだプリプレグシートを
用意する工程と、少くとも三枚のプリプレグシートを隣
りどうしで繊維の引き揃え方向が直交する様に重ねる工
程と、未硬化のエポキシ樹脂をベース樹脂として15〜
40重量%のカーボンブラックを含有したフィルムをこ
れらプリプレグシートと片面又は両面で接する様に二枚
以上配する工程と、該プリプレグシートと該フィルムが
重なった状態で加圧加熱してエポキシ樹脂を硬化する工
程とにより製造され、該フィルムのベース樹脂を構成す
るエポキシ樹脂がプリプレグシートのマトリクス樹脂中
に拡散融合して両者の界面が消滅するとともに、該ベー
ス樹脂中のカーボンブラックもプリプレグシートのマト
リクス樹脂中に分散した状態になることを特徴とする。
【0007】好ましくは、前記プリプレグシートは一方
向に引き揃えられた炭素長繊維又は炭素短繊維を含むこ
とを特徴とする。一態様では、該フィルムはカーボンブ
ラックを含有したエポキシ樹脂液を該プリプレグシート
にコーティングして形成する。他の態様では、カーボン
ブラックを含有したベース樹脂をあらかじめフィルムに
成形した状態で該プリプレグシートに重ねる。
向に引き揃えられた炭素長繊維又は炭素短繊維を含むこ
とを特徴とする。一態様では、該フィルムはカーボンブ
ラックを含有したエポキシ樹脂液を該プリプレグシート
にコーティングして形成する。他の態様では、カーボン
ブラックを含有したベース樹脂をあらかじめフィルムに
成形した状態で該プリプレグシートに重ねる。
【0008】本発明によれば、プリプレグシートに重ね
られるフィルムのベース樹脂は、プリプレグシートのマ
トリクス樹脂と同じくエポキシ樹脂を主体としている。
フィルムのベース樹脂を構成するエポキシ樹脂は、プリ
プレグシートのマトリクス樹脂を構成するエポキシ樹脂
中に拡散融合して、両者の界面が消滅する。これによ
り、界面での剥離や界面での熱膨張率の相違がなくな
り、周囲温度に対して形状的に安定な遮光羽根材料が得
られる。又、初めにベース樹脂中に混入したカーボンブ
ラックも、プリプレグシートのマトリクス樹脂中に分散
した状態となる為、むらのない均一な遮光性能を得るこ
とができる。
られるフィルムのベース樹脂は、プリプレグシートのマ
トリクス樹脂と同じくエポキシ樹脂を主体としている。
フィルムのベース樹脂を構成するエポキシ樹脂は、プリ
プレグシートのマトリクス樹脂を構成するエポキシ樹脂
中に拡散融合して、両者の界面が消滅する。これによ
り、界面での剥離や界面での熱膨張率の相違がなくな
り、周囲温度に対して形状的に安定な遮光羽根材料が得
られる。又、初めにベース樹脂中に混入したカーボンブ
ラックも、プリプレグシートのマトリクス樹脂中に分散
した状態となる為、むらのない均一な遮光性能を得るこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る光学機器
用遮光羽根板及びその製造方法の実施形態を示す模式図
である。まず(A)に示す様に、熱硬化性のエポキシ樹
脂をマトリクス樹脂として一方向に引き揃えられた繊維
を含んだプリプレグシートを用意する。次に、少くとも
三枚のプリプレグシート1,2,3を隣りどうしで繊維
の引き揃え方向が直交する様に重ねる。この後、未硬化
のエポキシ樹脂をベース樹脂として15〜40重量%の
カーボンブラックを含有したフィルム4,5をこれらプ
リプレグシート1,2,3と両面で接する様に、二枚以
上配する。
の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る光学機器
用遮光羽根板及びその製造方法の実施形態を示す模式図
である。まず(A)に示す様に、熱硬化性のエポキシ樹
脂をマトリクス樹脂として一方向に引き揃えられた繊維
を含んだプリプレグシートを用意する。次に、少くとも
三枚のプリプレグシート1,2,3を隣りどうしで繊維
の引き揃え方向が直交する様に重ねる。この後、未硬化
のエポキシ樹脂をベース樹脂として15〜40重量%の
カーボンブラックを含有したフィルム4,5をこれらプ
リプレグシート1,2,3と両面で接する様に、二枚以
上配する。
【0010】この後(B)に示す様に、プリプレグシー
ト1,2,3とフィルム4,5が重なった状態で加圧加
熱してエポキシ樹脂を硬化することにより、光学機器用
遮光羽根材が得られる。図示する様に、この遮光羽根材
は、フィルムのベース樹脂を構成するエポキシ樹脂がプ
リプレグシート1,2,3のマトリクス樹脂中に分散融
合して、両者の界面が消滅している。これにより、界面
に沿った剥離や熱膨張率の差も消滅する為、温度変化に
対する形状安定性が増す。又、ベース樹脂中のカーボン
ブラックもプリプレグシート1,2,3のマトリクス樹
脂中に均一分散した状態になる。なお、図ではカーボン
ブラックを黒点で表わしてある。これによりむらのない
均一な遮光性能が得られる。尚、シャッタ羽根などに適
用する場合など、より完全な遮光性と潤滑性などが要求
される時には、図示する様に羽根材の両面に黒色の潤滑
性塗膜6,7を形成してもよい。
ト1,2,3とフィルム4,5が重なった状態で加圧加
熱してエポキシ樹脂を硬化することにより、光学機器用
遮光羽根材が得られる。図示する様に、この遮光羽根材
は、フィルムのベース樹脂を構成するエポキシ樹脂がプ
リプレグシート1,2,3のマトリクス樹脂中に分散融
合して、両者の界面が消滅している。これにより、界面
に沿った剥離や熱膨張率の差も消滅する為、温度変化に
対する形状安定性が増す。又、ベース樹脂中のカーボン
ブラックもプリプレグシート1,2,3のマトリクス樹
脂中に均一分散した状態になる。なお、図ではカーボン
ブラックを黒点で表わしてある。これによりむらのない
均一な遮光性能が得られる。尚、シャッタ羽根などに適
用する場合など、より完全な遮光性と潤滑性などが要求
される時には、図示する様に羽根材の両面に黒色の潤滑
性塗膜6,7を形成してもよい。
【0011】以上の様に、本発明の光学機器用遮光羽根
材は、炭素繊維などの強化繊維を引き揃えた厚みが例え
ば25μm程度のエポキシ樹脂をマトリクス樹脂とした
プリプレグを、繊維の引き揃え方向が0°/90°/0
°の様に互いに直交する様に積層し、加熱硬化すること
で製造される。この時、各プリプレグシートの間に挿入
されるフィルムは、従来の様に別材質の遮光フィルムと
は異なり、マトリクス樹脂と同等のエポキシ樹脂をベー
ス樹脂として、カーボンブラックを15〜40重量%含
有した材料を用いている。場合によっては、エポキシ樹
脂の他メラミン樹脂を含有した材料をベース樹脂として
もよい。尚、実用的な遮光性を得る為、カーボンブラッ
クの含有量は15%以上がよい。しかし、カーボンブラ
ックの含有量が40重量%を超えると最終製品の状態で
カーボンブラックを均一に分散させることが困難な場合
がある。
材は、炭素繊維などの強化繊維を引き揃えた厚みが例え
ば25μm程度のエポキシ樹脂をマトリクス樹脂とした
プリプレグを、繊維の引き揃え方向が0°/90°/0
°の様に互いに直交する様に積層し、加熱硬化すること
で製造される。この時、各プリプレグシートの間に挿入
されるフィルムは、従来の様に別材質の遮光フィルムと
は異なり、マトリクス樹脂と同等のエポキシ樹脂をベー
ス樹脂として、カーボンブラックを15〜40重量%含
有した材料を用いている。場合によっては、エポキシ樹
脂の他メラミン樹脂を含有した材料をベース樹脂として
もよい。尚、実用的な遮光性を得る為、カーボンブラッ
クの含有量は15%以上がよい。しかし、カーボンブラ
ックの含有量が40重量%を超えると最終製品の状態で
カーボンブラックを均一に分散させることが困難な場合
がある。
【0012】具体的には、カーボンブラックを15〜4
0重量%含有したエポキシ樹脂あるいはエポキシ−メラ
ミン樹脂などをベース樹脂とした樹脂液をプリプレグの
表面に塗布して、フィルムを形成することができる。あ
るいは、別途離形紙の表面に塗工したカーボンブラック
含有エポキシ組成物を転写して、プリプレグの表面にお
よそ2〜10μmのBステージ状態の半硬化樹脂フィル
ムを形成する。このフィルムとプリプレグシートの積層
体をホットプレスにより加熱加圧することにより、遮光
性に優れた炭素繊維強化複合樹脂製羽根材が得られる。
積層された羽根材は、フィルムが物理的に分離されてお
らず、プリプレグシートと一体化している。即ち、初め
にカーボンブラックが添加されたエポキシ樹脂は炭素繊
維の間にも拡散し、良好な遮光性が得られる。なお、プ
リプレグシートと別材質の遮光フィルムを使用した場合
には、プリプレグを構成するエポキシ樹脂との密着性が
悪く、層間剥離の可能性があるが、本発明では同一樹脂
あるいは同一系統の樹脂を使用し、且つ加熱硬化する際
樹脂組成がプリプレグシートのマトリクス樹脂と相互に
融合することができ、カーボンブラックが炭素繊維の間
に拡散する為、従来のあらかじめプリプレグにカーボン
ブラックを添加した高価な材料とほぼ同等の材料特性を
得ることができる。
0重量%含有したエポキシ樹脂あるいはエポキシ−メラ
ミン樹脂などをベース樹脂とした樹脂液をプリプレグの
表面に塗布して、フィルムを形成することができる。あ
るいは、別途離形紙の表面に塗工したカーボンブラック
含有エポキシ組成物を転写して、プリプレグの表面にお
よそ2〜10μmのBステージ状態の半硬化樹脂フィル
ムを形成する。このフィルムとプリプレグシートの積層
体をホットプレスにより加熱加圧することにより、遮光
性に優れた炭素繊維強化複合樹脂製羽根材が得られる。
積層された羽根材は、フィルムが物理的に分離されてお
らず、プリプレグシートと一体化している。即ち、初め
にカーボンブラックが添加されたエポキシ樹脂は炭素繊
維の間にも拡散し、良好な遮光性が得られる。なお、プ
リプレグシートと別材質の遮光フィルムを使用した場合
には、プリプレグを構成するエポキシ樹脂との密着性が
悪く、層間剥離の可能性があるが、本発明では同一樹脂
あるいは同一系統の樹脂を使用し、且つ加熱硬化する際
樹脂組成がプリプレグシートのマトリクス樹脂と相互に
融合することができ、カーボンブラックが炭素繊維の間
に拡散する為、従来のあらかじめプリプレグにカーボン
ブラックを添加した高価な材料とほぼ同等の材料特性を
得ることができる。
【0013】以下、プリプレグシートやフィルムなど個
々の素材及び製造プロセスパラメータなどを詳細に説明
する。まずプリプレグシートは、所定の方向に沿って整
列された炭素長繊維の列からなる連続的補強構造をマト
リクス樹脂にて固定した構造を有する。炭素長繊維を一
方向に沿って整列する方法としては、例えば炭素長繊維
の束を一方向に導き且つ平面に沿って密に敷き並べる方
法がある。この密に敷き並べられた炭素長繊維にマトリ
クス樹脂を含浸する湿式法によりプリプレグ加工を行な
い、プリプレグシートを作成する。一枚のプリプレグシ
ートの厚みは25〜50μmで、炭素繊維の目付量は2
0g/m2程度である。
々の素材及び製造プロセスパラメータなどを詳細に説明
する。まずプリプレグシートは、所定の方向に沿って整
列された炭素長繊維の列からなる連続的補強構造をマト
リクス樹脂にて固定した構造を有する。炭素長繊維を一
方向に沿って整列する方法としては、例えば炭素長繊維
の束を一方向に導き且つ平面に沿って密に敷き並べる方
法がある。この密に敷き並べられた炭素長繊維にマトリ
クス樹脂を含浸する湿式法によりプリプレグ加工を行な
い、プリプレグシートを作成する。一枚のプリプレグシ
ートの厚みは25〜50μmで、炭素繊維の目付量は2
0g/m2程度である。
【0014】炭素長繊維に代えて炭素短繊維を用いたプ
リプレグシートを使うこともできる。炭素短繊維を一方
向に配列せしめたシート状物の一面側にマトリクス樹脂
となるエポキシ樹脂フィルムを融着含浸してプリプレグ
シートを作成する。炭素繊維は、一般にポリアクリロニ
トリルなどの有機繊維を窒素気流中で700〜1800
℃で加熱し炭化させて作った高強度高弾性質の繊維であ
る。炭素短繊維はこのカーボン繊維を切断して作成した
もので、例えば7μm程度の外径を有し、3〜20mm
の長さを有する。長繊維に比べて短繊維はプリプレグシ
ートの全域に亘ってほぼ均一に分散配置することが可能
であり、局部的内部応力が少ない構造となっている。
リプレグシートを使うこともできる。炭素短繊維を一方
向に配列せしめたシート状物の一面側にマトリクス樹脂
となるエポキシ樹脂フィルムを融着含浸してプリプレグ
シートを作成する。炭素繊維は、一般にポリアクリロニ
トリルなどの有機繊維を窒素気流中で700〜1800
℃で加熱し炭化させて作った高強度高弾性質の繊維であ
る。炭素短繊維はこのカーボン繊維を切断して作成した
もので、例えば7μm程度の外径を有し、3〜20mm
の長さを有する。長繊維に比べて短繊維はプリプレグシ
ートの全域に亘ってほぼ均一に分散配置することが可能
であり、局部的内部応力が少ない構造となっている。
【0015】次にフィルムは例えばエポキシ樹脂をベー
スとしたもので、その中にカーボンブラックを15〜4
0重量%分散させたものである。カーボンブラックは平
均粒子が0.01μm以下のものが好ましい。エポキシ
樹脂中にカーボンブラックを混入した組成物は、例えば
離形紙の上に2〜10μmの厚みで均一なフィルムに形
成できる。比較的低い温度を与えるだけで容易に離形紙
から離れ、プリプレグシートに転写が可能なものとなっ
ている。フィルムの転写及びプリプレグシートの積層を
行なった後、ホットプレス機にセットし130℃程度の
温度で数時間、10Kg/cm2の圧力で加圧加熱成形
し、未硬化の熱硬化性エポキシ樹脂は架橋強化して固め
られる。この結果、先に転写されたフィルムは完全にプ
リプレグシートと一体化し、両者の境界は失われる。
スとしたもので、その中にカーボンブラックを15〜4
0重量%分散させたものである。カーボンブラックは平
均粒子が0.01μm以下のものが好ましい。エポキシ
樹脂中にカーボンブラックを混入した組成物は、例えば
離形紙の上に2〜10μmの厚みで均一なフィルムに形
成できる。比較的低い温度を与えるだけで容易に離形紙
から離れ、プリプレグシートに転写が可能なものとなっ
ている。フィルムの転写及びプリプレグシートの積層を
行なった後、ホットプレス機にセットし130℃程度の
温度で数時間、10Kg/cm2の圧力で加圧加熱成形
し、未硬化の熱硬化性エポキシ樹脂は架橋強化して固め
られる。この結果、先に転写されたフィルムは完全にプ
リプレグシートと一体化し、両者の境界は失われる。
【0016】この様にして成形された遮光羽根材の表面
には、用途に応じて黒色塗膜がコーティングされる場合
がある。この塗膜は、例えばアクリル系、エポキシ系及
びジアレルフタレート系から選択された樹脂に、カーボ
ンブラック及び潤滑性を有するPTFEを添加したもの
からなる。樹脂は、塗膜中の分量が70〜80重量%の
範囲にある。又、カーボンブラックは、塗膜中の分量が
5〜17重量%に設定されている。加えて、PTFEは
塗膜中の分量が4〜10重量%であり、塗膜の表面に潤
滑性の他耐擦傷性を付与する。
には、用途に応じて黒色塗膜がコーティングされる場合
がある。この塗膜は、例えばアクリル系、エポキシ系及
びジアレルフタレート系から選択された樹脂に、カーボ
ンブラック及び潤滑性を有するPTFEを添加したもの
からなる。樹脂は、塗膜中の分量が70〜80重量%の
範囲にある。又、カーボンブラックは、塗膜中の分量が
5〜17重量%に設定されている。加えて、PTFEは
塗膜中の分量が4〜10重量%であり、塗膜の表面に潤
滑性の他耐擦傷性を付与する。
【0017】以下実施例を説明する。実施例1は、図1
に示した層構成となっており、炭素長繊維を一方向に引
き揃え、エポキシ樹脂をマトリクス樹脂とした厚み25
μmのプリプレグシートと、エポキシ樹脂に25重量%
のカーボンブラックを添加した約10μm厚みのBステ
ージ状態の半硬化樹脂製フィルムを、図1の(A)の順
で積層し、加熱加圧成形した。この結果、厚みが85μ
mの羽根材を得た。この羽根材の遮光性は良好であっ
た。この羽根材の両面に潤滑黒色塗膜を5μmの厚みで
形成し、フォーカルプレーンシャッタに組込み、20万
回の耐久試験を実施したが、破損などの不具合もなく、
遮光性の低下も見られなかった。
に示した層構成となっており、炭素長繊維を一方向に引
き揃え、エポキシ樹脂をマトリクス樹脂とした厚み25
μmのプリプレグシートと、エポキシ樹脂に25重量%
のカーボンブラックを添加した約10μm厚みのBステ
ージ状態の半硬化樹脂製フィルムを、図1の(A)の順
で積層し、加熱加圧成形した。この結果、厚みが85μ
mの羽根材を得た。この羽根材の遮光性は良好であっ
た。この羽根材の両面に潤滑黒色塗膜を5μmの厚みで
形成し、フォーカルプレーンシャッタに組込み、20万
回の耐久試験を実施したが、破損などの不具合もなく、
遮光性の低下も見られなかった。
【0018】実施例2は、図2の構成となっている。理
解を容易にする為、図1に示した先の実施例と対応する
部分には対応する参照番号を付してある。プリプレグシ
ート及びフィルム共に実施例1と同様のものを用いた。
図2の(A)に示す様に、三枚のプリプレグシート1,
2,3を繊維の引き揃え方向が互いに直交する様に重
ね、その両側にカーボンブラック添加のエポキシフィル
ム4’,5’を重ねてある。この積層物を加熱加圧成形
し、厚みが85μmの羽根材を得た。この羽根材の遮光
性は良好である。(B)に示す様に、この羽根材の両面
に黒色の潤滑塗膜6,7をそれぞれ5μmの厚みで形成
し、シャッタ羽根の形状に打ち抜き加工した。このシャ
ッタ羽根をフォーカルプレーンシャッタに組込み、20
万回の耐久試験を実施したが、破損などの不具合もな
く、遮光性の低下も見られなかった。特に、プリプレグ
シートの表面にフィルムを配する場合、シャッタ操作の
繰り返しに伴って表面が削れたとしても、カーボンブラ
ックが炭素繊維どうしの隙間に存在する為、摩耗により
遮光性が喪失することがない。
解を容易にする為、図1に示した先の実施例と対応する
部分には対応する参照番号を付してある。プリプレグシ
ート及びフィルム共に実施例1と同様のものを用いた。
図2の(A)に示す様に、三枚のプリプレグシート1,
2,3を繊維の引き揃え方向が互いに直交する様に重
ね、その両側にカーボンブラック添加のエポキシフィル
ム4’,5’を重ねてある。この積層物を加熱加圧成形
し、厚みが85μmの羽根材を得た。この羽根材の遮光
性は良好である。(B)に示す様に、この羽根材の両面
に黒色の潤滑塗膜6,7をそれぞれ5μmの厚みで形成
し、シャッタ羽根の形状に打ち抜き加工した。このシャ
ッタ羽根をフォーカルプレーンシャッタに組込み、20
万回の耐久試験を実施したが、破損などの不具合もな
く、遮光性の低下も見られなかった。特に、プリプレグ
シートの表面にフィルムを配する場合、シャッタ操作の
繰り返しに伴って表面が削れたとしても、カーボンブラ
ックが炭素繊維どうしの隙間に存在する為、摩耗により
遮光性が喪失することがない。
【0019】実施例3は図3に示した構成となってい
る。(A)に示す様に、この実施例3は、先に説明した
実施例1と実施例2を組み合わせたものである。即ち、
各プリプレグシート1,2,3の間に二枚のフィルム
4,5が介在するとともに、外側のプリプレグシート
1,3の表面にも、カーボンブラック添加のフィルム
4’,5’が配されている。係る積層構造を加熱加圧成
形し、厚みが95μmの羽根材を得た。この羽根材の遮
光性は良好である。この羽根材の両面に黒色の潤滑塗膜
6,7を施し、フォーカルプレーンシャッタに組込み、
20万回の耐久試験を実施したが、破損などの不具合も
なく、遮光性の低下も見られなかった。又、片面の黒色
潤滑塗膜6を完全に取り除く様に、紙ヤスリで表面を約
20μm削り取り、遮光性を確認したが、特に問題はな
かった。
る。(A)に示す様に、この実施例3は、先に説明した
実施例1と実施例2を組み合わせたものである。即ち、
各プリプレグシート1,2,3の間に二枚のフィルム
4,5が介在するとともに、外側のプリプレグシート
1,3の表面にも、カーボンブラック添加のフィルム
4’,5’が配されている。係る積層構造を加熱加圧成
形し、厚みが95μmの羽根材を得た。この羽根材の遮
光性は良好である。この羽根材の両面に黒色の潤滑塗膜
6,7を施し、フォーカルプレーンシャッタに組込み、
20万回の耐久試験を実施したが、破損などの不具合も
なく、遮光性の低下も見られなかった。又、片面の黒色
潤滑塗膜6を完全に取り除く様に、紙ヤスリで表面を約
20μm削り取り、遮光性を確認したが、特に問題はな
かった。
【0020】図4は、図3の(B)に示す遮光羽根材を
プレス抜き加工して得られたフォーカルプレーンシャッ
タ羽根の一例を示す。シャッタ羽根10はほぼ長尺型の
形状を有し、その一端部には固定用の一対の連結穴20
が形成されている。
プレス抜き加工して得られたフォーカルプレーンシャッ
タ羽根の一例を示す。シャッタ羽根10はほぼ長尺型の
形状を有し、その一端部には固定用の一対の連結穴20
が形成されている。
【0021】図5は、図4に示すフォーカルプレーンシ
ャッタ羽根をフォーカルプレーンシャッタに組み込んだ
例を示す。シャッタ基板11の中央部には長方形の開口
12(一点鎖線で示す)が設けられている。休止状態に
おいて4枚の先羽根10が互いに部分的に重なり合って
シャッタ開口12を遮蔽している。図示しないが先羽根
群の下方には後羽根群が重なって配置されている。各シ
ャッタ羽根の先端部は羽根押え14によって不要な動き
を規制されている。基板11の左端部には1組のアーム
15及び16が互いに平行関係を保って回動自在に軸支
されている。各先羽根10はその先端部において1組の
アーム15及び16に係止されている。後羽根群も同様
に図示しない一対のアームによって係止されている。主
アーム15には長穴17が設けられており、主アーム1
5の回動に伴う長穴17の移動軌跡に沿って長溝18が
基板11に設けられている。なお、図示しないが長穴1
7には、長溝18を介して基板11を貫通する駆動ピン
が係合している。図示しないシャッタレリースボタンを
押すと、駆動ピンは基板11に設けられた長溝18に沿
って与えられた付勢力により上方に移動する。これに伴
って長穴17において駆動ピンと係合している主アーム
15及びこれと連動する従アーム16は上方に回動す
る。この回動により先羽根10は上方に縦走り走行し開
口12を開口する。次いで図示しない後羽根群が縦走り
走行し開口12を遮蔽し露光が終了する。
ャッタ羽根をフォーカルプレーンシャッタに組み込んだ
例を示す。シャッタ基板11の中央部には長方形の開口
12(一点鎖線で示す)が設けられている。休止状態に
おいて4枚の先羽根10が互いに部分的に重なり合って
シャッタ開口12を遮蔽している。図示しないが先羽根
群の下方には後羽根群が重なって配置されている。各シ
ャッタ羽根の先端部は羽根押え14によって不要な動き
を規制されている。基板11の左端部には1組のアーム
15及び16が互いに平行関係を保って回動自在に軸支
されている。各先羽根10はその先端部において1組の
アーム15及び16に係止されている。後羽根群も同様
に図示しない一対のアームによって係止されている。主
アーム15には長穴17が設けられており、主アーム1
5の回動に伴う長穴17の移動軌跡に沿って長溝18が
基板11に設けられている。なお、図示しないが長穴1
7には、長溝18を介して基板11を貫通する駆動ピン
が係合している。図示しないシャッタレリースボタンを
押すと、駆動ピンは基板11に設けられた長溝18に沿
って与えられた付勢力により上方に移動する。これに伴
って長穴17において駆動ピンと係合している主アーム
15及びこれと連動する従アーム16は上方に回動す
る。この回動により先羽根10は上方に縦走り走行し開
口12を開口する。次いで図示しない後羽根群が縦走り
走行し開口12を遮蔽し露光が終了する。
【0022】図6は図1(A)に示した遮光羽根材を用
いて作成されたレンズシャッタ羽根の形状を示す。図示
する様に、一対のシャッタ羽根51,52は開口53を
覆う様に配置されている。各シャッタ羽根は開口の中心
から所定距離だけ離れた支点54を中心として回動可能
に軸支されている。一対のシャッタ羽根51,52は図
示しない駆動手段により駆動され、互いに反対方向に走
行して開口53の開閉を行なう。図示の状態では開口5
3は全閉状態にある。この状態から一方のシャッタ羽根
51は時計方向に回動し、他方のシャッタ羽根52は反
時計方向に回動する。この時最初にティアドロップと呼
ばれる凹部55,56が重なり開口53の中央部分から
開き始める。この時点でシャッタ羽根51,52の走行
を停止すると所謂小絞り状態が得られる。ティアドロッ
プ55,56はシャッタ羽根の回転角にばらつきがあっ
ても、小絞り状態の誤差を少なくする為に設けられてい
る
いて作成されたレンズシャッタ羽根の形状を示す。図示
する様に、一対のシャッタ羽根51,52は開口53を
覆う様に配置されている。各シャッタ羽根は開口の中心
から所定距離だけ離れた支点54を中心として回動可能
に軸支されている。一対のシャッタ羽根51,52は図
示しない駆動手段により駆動され、互いに反対方向に走
行して開口53の開閉を行なう。図示の状態では開口5
3は全閉状態にある。この状態から一方のシャッタ羽根
51は時計方向に回動し、他方のシャッタ羽根52は反
時計方向に回動する。この時最初にティアドロップと呼
ばれる凹部55,56が重なり開口53の中央部分から
開き始める。この時点でシャッタ羽根51,52の走行
を停止すると所謂小絞り状態が得られる。ティアドロッ
プ55,56はシャッタ羽根の回転角にばらつきがあっ
ても、小絞り状態の誤差を少なくする為に設けられてい
る
【0023】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、炭
素繊維で強化し且つエポキシ樹脂をマトリクス樹脂とす
るプリプレグシートとエポキシ樹脂にカーボンブラック
を混入したフィルムを重ね合わせ、加熱加圧成形して遮
光羽根材を得ている。フィルムのベース樹脂を構成する
エポキシ樹脂がプリプレグシートのマトリクス樹脂中に
拡散融合して両者の界面が消滅するとともに、ベース樹
脂中のカーボンブラックもプリプレグシートのマトリク
ス樹脂中に均一分散した状態になる。これにより、耐久
性及び形状安定性に優れ且つ均一な遮光性を有する低価
格の光学機器用遮光羽根板材が得られる。
素繊維で強化し且つエポキシ樹脂をマトリクス樹脂とす
るプリプレグシートとエポキシ樹脂にカーボンブラック
を混入したフィルムを重ね合わせ、加熱加圧成形して遮
光羽根材を得ている。フィルムのベース樹脂を構成する
エポキシ樹脂がプリプレグシートのマトリクス樹脂中に
拡散融合して両者の界面が消滅するとともに、ベース樹
脂中のカーボンブラックもプリプレグシートのマトリク
ス樹脂中に均一分散した状態になる。これにより、耐久
性及び形状安定性に優れ且つ均一な遮光性を有する低価
格の光学機器用遮光羽根板材が得られる。
【図1】本発明に係る遮光羽根材及びその製造方法の実
施形態を示す模式的な斜視図である。
施形態を示す模式的な斜視図である。
【図2】本発明に係る遮光羽根材及びその製造方法の他
の実施形態を示す模式的な斜視図である。
の実施形態を示す模式的な斜視図である。
【図3】更に別の実施形態を示す模式的な斜視図であ
る。
る。
【図4】本発明に係る遮光羽根材を用いて作成したフォ
ーカルプレーンシャッタ羽根を示す斜視図である。
ーカルプレーンシャッタ羽根を示す斜視図である。
【図5】図4に示したフォーカルプレーンシャッタ羽根
を用いて組み立てられたシャッタを示す模式的な平面図
である。
を用いて組み立てられたシャッタを示す模式的な平面図
である。
【図6】本発明に係る遮光羽根材を用いて作成したレン
ズシャッタ羽根を示す平面図である。
ズシャッタ羽根を示す平面図である。
1・・・プリプレグシート、2・・・プリプレグシー
ト、3・・・プリプレグシート、4・・・フィルム、5
・・・フィルム、6・・・塗膜、7・・・塗膜
ト、3・・・プリプレグシート、4・・・フィルム、5
・・・フィルム、6・・・塗膜、7・・・塗膜
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 2H080 AA11 AA12 AA14 DD01
4F204 AA39 AB13 AC03 AD16 AG03
AH81 FA01 FB01 FB22 FF05
FF50 FG01 FN17
Claims (6)
- 【請求項1】 熱硬化性のエポキシ樹脂をマトリクス樹
脂として一方向に引き揃えられた繊維を含んだプリプレ
グシートを用意する工程と、 少くとも三枚のプリプレグシートを隣りどうしで繊維の
引き揃え方向が直交する様に重ねる工程と、 未硬化のエポキシ樹脂をベース樹脂として15〜40重
量%のカーボンブラックを含有したフィルムをこれらプ
リプレグシートと片面又は両面で接する様に二枚以上配
する工程と、 該プリプレグシートと該フィルムが重なった状態で加圧
加熱してエポキシ樹脂を硬化する工程とからなり、 該フィルムのベース樹脂を構成するエポキシ樹脂がプリ
プレグシートのマトリクス樹脂中に拡散融合して両者の
界面が消滅するとともに、該ベース樹脂中のカーボンブ
ラックもプリプレグシートのマトリクス樹脂中に分散し
た状態になることを特徴とする光学機器用遮光羽根材の
製造方法。 - 【請求項2】 前記プリプレグシートは一方向に引き揃
えられた炭素長繊維又は炭素短繊維を含むことを特徴と
する請求項1記載の光学機器用遮光羽根材の製造方法。 - 【請求項3】 該フィルムはカーボンブラックを含有し
たエポキシ樹脂液を該プリプレグシートにコーティング
して形成することを特徴とする請求項1記載の光学機器
用遮光羽根材の製造方法。 - 【請求項4】 カーボンブラックを含有したベース樹脂
をあらかじめフィルムに成形した状態で該プリプレグシ
ートに重ねることを特徴とする請求項1記載の光学機器
用遮光羽根材の製造方法。 - 【請求項5】 熱硬化性のエポキシ樹脂をマトリクス樹
脂として一方向に引き揃えられた繊維を含んだプリプレ
グシートを少くとも三枚隣りどうしで繊維の引き揃え方
向が直交する様に重ねて配し、 未硬化のエポキシ樹脂をベース樹脂として15〜40重
量%のカーボンブラックを含有したフィルムをこれらプ
リプレグシートと片面又は両面で接する様に二枚以配
し、 該プリプレグシートと該フィルムが重なった状態で加圧
加熱してエポキシ樹脂を硬化した積層体からなり、 該フィルムのベース樹脂を構成するエポキシ樹脂がプリ
プレグシートのマトリクス樹脂中に拡散融合して両者の
界面が消滅するとともに、該ベース樹脂中のカーボンブ
ラックもプリプレグシートのマトリクス樹脂中に分散し
た状態になることを特徴とする光学機器用遮光羽根材。 - 【請求項6】 前記プリプレグシートは一方向に引き揃
えられた炭素長繊維又は炭素短繊維を含むことを特徴と
する請求項5記載の光学機器用遮光羽根材。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002087491A JP2003276040A (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 光学機器用遮光羽根材及びその製造方法 |
US10/394,006 US6935793B2 (en) | 2002-03-27 | 2003-03-24 | Manufacturing method of light shielding blade material |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002087491A JP2003276040A (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 光学機器用遮光羽根材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003276040A true JP2003276040A (ja) | 2003-09-30 |
Family
ID=28449388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002087491A Pending JP2003276040A (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 光学機器用遮光羽根材及びその製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6935793B2 (ja) |
JP (1) | JP2003276040A (ja) |
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US5202715A (en) * | 1989-12-07 | 1993-04-13 | Nikon Corporation | Plate member for use as material of light shielding blades |
JP3136602B2 (ja) | 1989-12-07 | 2001-02-19 | 株式会社ニコン | 遮光羽根用板材 |
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