JP2003273382A - 太陽電池素子 - Google Patents
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Abstract
ことを目的とする。 【解決手段】 微細な突起2を多数有し、一導電型半導
体不純物を含有するシリコン基板1の表面側に逆導電型
半導体不純物3を含有させると共に、表面にパッシベ−
ション膜5を形成した太陽電池素子において、上記パッ
シベ−ション膜5における32℃のフッ化水素46%含
有のフッ化水素酸:水=1:2の水溶液を用いたときの
エッチングレートが350Å/min以下であることを
特徴とする。
Description
し、特に表面に光の反射を防止するための微細な突起が
多数形成された太陽電池素子に関する。
エネルギー消費が増大する中で、そのエネルギー源の確
保が重要視されている。現状ではエネルギーの大部分は
火力発電および原子力発電に依存している。しかしなが
ら、火力発電においては二酸化炭素による地球温暖化の
問題がある。また、原子力発電においては事故時の放射
能汚染の危険性や放射性廃棄物の処理方法などの問題が
指摘されており、長期的な視点では地球環境の問題をは
らんでいる。そのような中、太陽エネルギーを電気エネ
ルギーに直接変換する太陽電池がその無公害性の点から
近年クローズアップされてきており、大量生産の技術や
低コスト化および高効率化の技術の重要性が高まってい
る。
類により結晶系、アモルファス系、化合物系などに分類
される。このうち、現在市場で流通しているのはほとん
どが結晶系シリコン太陽電池である。この結晶系シリコ
ン太陽電池はさらに単結晶型、多結晶型に分類される。
単結晶型シリコン太陽電池は基板の品質がよいために高
効率化が容易であるという長所を有する反面、基板の製
造コストが大きいという短所を有する。それに対し、多
結晶型シリコン太陽電池は基板品質が劣るために高効率
化が難しいという弱点はあるものの、低コストで製造で
きるというメリットがある。しかしながら、最近では多
結晶シリコン基板の品質の向上やセル化技術の進歩によ
り研究レベルでは18%程度までの変換効率が達成され
ている。
池は従来より低コストであったために市場に流通してき
たが、近年環境問題が取りざたされる中で需要が増して
きており、低コストで且つより高い変換効率が求められ
るようになった。
造工程を説明する。まず、図7(a)のようにシリコン
基板1を準備する。そして、図7(b)に示すようにシ
リコン基板1をn型不純物雰囲気中で熱処理などして、
シリコン基板1の表面近傍全面に一定の深さまでn型不
純物を拡散させてn型を呈する拡散層3を形成する。次
に図7(c)に示すように、シリコン基板1の表面にC
VD装置などでパッシベ−ション膜5を形成する。ま
た、拡散層3を分離した後、さらに図7(d)に示すよ
うに、シリコン基板1の表面に銀ペーストを、裏面には
アルミペーストおよび銀ペーストをスクリーン印刷して
焼成することにより表面電極6および裏面電極7が同時
に形成される。最後に、各電極が形成されたシリコン基
板1をはんだ槽に浸漬して受光面電極、および裏面の銀
電極にはんだをコーティングしてはんだ層を形成する。
拡散工程において、不純物濃度を下げることによって高
い光発生電力を得ることができる。拡散される不純物濃
度は、4探針法でシート抵抗として測定されるが、不純
物濃度が減少してシート抵抗が増大することで高い発生
電流および電圧を得ることができることがわかってい
る。しかし、パッシベ−ション膜の上から直接ペースト
材料をスクリーンプリントして焼成することによって電
極を形成するいわゆるファイヤースルーの方法では、
0.3〜0.5μm程度の浅い拡散層を設けたシリコン
基板表面に形成したパッシベ−ション膜材料を安定して
溶融させることが難しい。この場合、半導体接合を破壊
してしまうことがあり、そうなると太陽電池特性の曲線
因子を低下させるという問題がある。
ベ−ション技術がある。これは表面およびバルクのパッ
シベ−ションに大別される。前述したように特に多結晶
型シリコン太陽電池は単結晶型シリコン太陽電池と比較
し、基板品質が劣るため高効率化が難しいという問題が
ある。そこで多結晶型シリコン太陽電池では、バルクパ
ッシベ−ションが重要となる。水素を含有したパッシベ
−ション膜を表面に形成することによって、バルクパッ
シベ−ション効果を得るということが、従来より行われ
てきた。これはパッシベ−ション膜に含有された水素を
基板内に拡散させるというものである。ここで拡散の概
念として、膜中の不純物含有濃度が高くなるほどより拡
散効果は高くなるし、拡散温度が高いほど拡散効果は高
くなる。つまり、太陽電池に使われるパッシベ−ション
膜の成膜時に水素含有量を増やし、成膜温度を上げる条
件にすることが太陽電池の高特性化につながる。これは
パッシベ−ション膜の成膜温度を上げたり、ガス条件を
変更したり、RFパワーを変更するなど、成膜の諸条件
を特定値に設定することにより実現できる。しかし、こ
の条件にするとパッシベ−ション膜のエッチング速度が
遅くなるという問題点がある。この方法に上記ファイヤ
ースルーの方法を組み合わせると、エッチング速度が遅
くなったことにより、電極形成時にパッシベ−ション膜
材料が従来より溶融しにくくなるため、電極形成温度を
上げたり、形成時間を延ばすなど、従来より過酷な条件
で電極を形成することにより、電極とシリコンのコンタ
クトをとる。つまり半導体接合を破壊せずにパッシベ−
ション膜材料を溶融させ、良好なコンタクトを取るとい
うことがさらに難しくなる。
みてなされたものであり、高特性が得られる太陽電池を
安価に製造することを目的とする。
に、請求項1に係る太陽電池素子は、微細な突起を多数
有し、一導電型半導体不純物を含有するシリコン基板の
表面側に逆導電型半導体不純物を含有させると共に、表
面にパッシベ−ション膜を形成した太陽電池素子におい
て、前記パッシベ−ション膜における32℃のフッ化水
素46%含有のフッ化水素酸:水=1:2の水溶液を用
いたときのエッチングレートが350Å/min以下で
あることを特徴とする。
ョン膜の水素含有濃度が1×1022〜1×1023ato
ms/cm3であることが望ましい。
ベーション膜が窒化珪素膜であることが望ましい。
素膜が反射防止膜を兼ねており、その屈折率が1.8〜
2.6、厚みが50〜1200Åであることが望まし
い。
突起の幅が2μm以下であることが望ましい。
突起の高さが2μm以下であることが望ましい。
突起のアスペクト比が0.1〜2であることが望まし
い。
突起の裾部分に点欠陥が存在することが望ましい。
ン基板の表面のシート抵抗が60〜300Ω/□である
ことが望ましい。
ン基板が多結晶シリコンからなることが望ましい。
面に基づき詳細に説明する。図1は本発明に係る一実施
形態を示す太陽電池セルの構造である。図1において1
はシリコン基板、2は微細な突起、3は受光面側不純物
拡散層、4は裏面側不純物拡散層(BSF)、5は表面
パッシベーション膜、6は表面電極、7は裏面電極を示
している。
晶のシリコン基板である。この基板1はp型、n型いず
れでもよい。単結晶シリコンの場合は引き上げ法などに
よって形成され、多結晶シリコンの場合は鋳造法などに
よって形成される。多結晶シリコンは、大量生産が可能
で製造コスト面で単結晶シリコンよりもきわめて有利で
ある。引き上げ法や鋳造法によって形成されたインゴッ
トを300μm程度の厚みにスライスして、10cm×
10cmもしくは15cm×15cm程度の大きさに切
断してシリコン基板となる。
を反射させずに有効に取り込むために微細な突起2を形
成する。
成する場合に、基板1の表面を水酸化ナトリウムなどの
アルカリ水溶液でエッチングすると、表面に微細な突起
2(凹凸)が形成され、基板1の表面の反射をある程度
低減させることができる。
板を用いた場合は、このような方法でテクスチャー構造
と呼ばれるピラミッド構造を基板表面に均一に形成する
ことができるものの、多結晶シリコン基板で太陽電池素
子を形成する場合、アルカリ水溶液によるエッチングは
結晶の面方位に依存することから、ピラミッド構造を均
一には形成できず、そのため全体の反射率も効果的には
低減できないという問題がある。
池素子を多結晶シリコン基板で形成する場合に、基板1
の表面に微細な突起2を反応性イオンエッチング(Reac
tiveIon Etching)法で形成することが望ましい。この
方法によると、多結晶シリコンにおける不規則な結晶の
面方位に左右されることなく、微細な突起2を均一に形
成することができ、特に多結晶シリコンを用いた太陽電
池素子においては、反射率をより効果的に低減すること
ができるようになる。
ガスを導入し、一定圧力に保持して、チャンバー内に設
けられた電極にRF電力を印加することでプラズマを発
生させ、生じた活性種であるイオン・ラジカル等の作用
により基板表面をエッチングするものである。一般的に
反応性イオンエッチング(RIE)法と呼ばれるこの方
法は図2および図3のように示される。両図における装
置では、真空ポンプ12で真空引きしたチャンバー内に
マスフローコントローラー8を通してガスを導入し、圧
力調整器11で一定圧力に保持して、チャンバー内のR
F電極10にRF電力を印加することでプラズマを発生
させてエッチングする。一般的に、発生した活性種のう
ち、イオンがエッチングに作用する効果を大きくした方
法を反応性イオンエッチング法と呼んでいる。似た方法
にプラズマエッチングなどがあるが、基本的にプラズマ
発生の原理は同様であり、基板に作用する活性種の種類
の分布をチャンバー構造あるいは電極構造により変化さ
せたものである。そのため、本発明は反応性イオンエッ
チング法だけに限らず、広くプラズマエッチング法全般
において、基板表面に欠陥を伴う凹凸を形成した太陽電
池素子に対して有効である。本発明では例えば酸素(O
2)を10sccm、SF6を80sccm流しながら、
反応圧力7Pa、プラズマを発生させるRFパワー80
0Wで5分間エッチングを行った。これによりシリコン
基板1の表面には微細な突起2(凹凸構造)が形成され
る。
連なったような形状を呈し、RIE法でガス濃度もしく
はエッチング時間を制御することにより、その大きさを
変化させることができる。この微細な突起2の幅と高さ
はそれぞれ2μm以下に形成することが望ましい。2μ
m以上にすると、後述する拡散により、凸部全体をn層
にすることができなくなるからである。この微細な突起
2をシリコン基板1の必要部分全面にわたって均一且つ
正確に制御性を持たせて形成するためには、1μm以下
が好適である。この微細突起2のアスペクト比(凹凸部
の高さ/幅)は0.1〜2であることが望ましい。この
アスペクト比が0.1以下の場合は、例えば波長500
〜1000nmの光の平均反射率が25%程度であり、
半導体基板1表面での反射率が大きくなる。また、この
アスペクト比が2以上の場合、製造過程で微細な突起2
が破損し、太陽電池素子を形成した場合にリーク電流が
多くなって良好な出力特性が得られない。
層3が形成されている。この不純物拡散層3は、シリコ
ン基板1内に半導体接合部を形成するために設けるもの
であり、例えばn型の不純物を拡散させる場合、POC
l3を用いた気相拡散法、P2O5を用いた塗布拡散法、
およびP+イオンを直接拡散させるイオン打ち込み法な
どによって形成される。この逆導電型半導体不純物を含
有する層3は0.3〜0.5μm程度の深さに形成され
る。
ベーション膜5が形成されている。一方、多結晶シリコ
ン太陽電池の高効率化のためには、多結晶シリコンに水
素を導入し、結晶欠陥や不純物をパッシベーションする
技術が不可欠である。これは、水素が結晶欠陥や不純物
と相互作用して、バンドギャップ中の準位を伝導帯や荷
電子帯の近くや中に移動させるものである。このパッシ
ベーション効果については、シリコン基板表面に生成さ
れた点欠陥により水素の拡散が助長されることが知られ
ている(たとえばSolar Energy Materials and Solar C
ells 41 / 42 (1996) 159-169のHydrogen in silicon:
A discussion of diffusion and passivation mechanis
ms(シリコン中の水素:拡散とパッシベーションのメカ
ニズムの検討)参照)。先に述べた反応性イオンエッチ
ング法は、シリコン基板表面の反射率を効果的に低減で
きると同時に、この点欠陥を積極的且つ効果的に生成で
きる。
下と微細にすることにより、突起2の上部領域では両側
からリンの拡散が進行する。リンが拡散される深さが約
0.4μm程度であるため、微細な突起2の上部ではヤ
マ全てがn型となる。そのため、突起2の上部では不純
物濃度が上がって抵抗が下がる。
表面電極とシリコン界面の断面TEM像を図4に示す。
突起2(凹凸)の下部(谷部)15にフリットが溜まっ
て空間16が存在するのに対し、突起2(凹凸)の上部
17では電極材料(銀)が接している。この銀が接して
いる突起2の上部17には、リンが高濃度に拡散されて
いるため、従来よりも高温で形成したエッチングレート
の遅いパッシベ−ション膜5にファイヤースルーの方法
を行っても接合破壊がおきにくく、銀とシリコンの接触
抵抗を大きく低減することもできる。つまり、表面に微
細な突起2を多数形成することで、シート抵抗を増大さ
せても高特性の太陽電池を安価に製造することが可能と
なる。
ン基板1の表面を反応性イオンエッチング法および類似
のドライエッチング法で粗面状にする際に、シリコン基
板1表面の主に凹部にダメージ(点欠陥)が残るような
エッチング条件で突起2を形成した後、プラズマCVD
法で、膜中水素濃度が1.0×1022〜1.0×10 23
atoms/cm3である窒化珪素膜をパッシベーショ
ン膜兼反射防止膜として形成する。
で形成する際に、形成後の膜の屈折率が1.8〜2.
6、膜厚が50〜1200Åになるような条件で形成す
る。また、従来32℃のフッ化水素46%含有のフッ化
水素酸:水=1:2の水溶液を用いたときのエッチング
レートが400Å/minであったパッシベ−ション膜
5を、32℃のフッ化水素46%含有のフッ化水素酸:
水=1:2の水溶液を用いたときのエッチングレートが
350Å/min以下になるようにコントロールして形
成することによってさらに高特性の実現が可能になる。
このような膜は例えば従来より成膜温度を50〜300
℃程度あげることによって実現できる。尚、この方法は
一例であって、これに制限されるものではない。前述し
たようにガス条件を変更したり、RFパワーを変更す
る、もしくは温度を含めた各条件を組み合わせるなど、
成膜の諸条件を特定値に設定することにより実現でき
る。上記屈折率、膜厚、エッチングレートの条件の組み
合わせにより、高特性を実現できる。
れた突起2(凹凸構造)の主に下部(凹部)に生成され
る点欠陥を介して、膜中水素の拡散が助長され、バルク
中の不純物や結晶欠陥のパッシベーションをより有効に
するために設けると同時に、シリコン基板1の表面で光
が反射するのを防止して、シリコン基板1内に光を有効
に取り込む反射防止膜として設ける。このパッシベーシ
ョン膜5は、例えばプラズマCVD法で形成されるが、
パッシベーション膜と反射防止膜を同時に兼ねることの
できる窒化珪素膜が適しており、成膜時の反応ガス比等
で膜中の水素濃度が1.0×1022〜1.0×1023a
toms/cm3となるように形成される。この膜中水
素濃度が1.0×1022atoms/cm3以下の場
合、パッシベーション効果が不充分となって特性の低下
をもたらす。また、膜中水素濃度が1.0×1023at
oms/cm3以上となっても、より大きなパッシベー
ション効果にはつながらず、成膜時の反応ガス使用量が
増加したり、成膜条件の制御が困難となるなど、生産性
の低下をもたらす。
ョン膜)の屈折率をn、膜厚をdとすると、太陽電池の
周辺物質の屈折率をn0、シリコン基板の屈折率をn1、
入射光の波長をλとした場合、n2=n0・n1および4
nd=λとなるような反射防止膜を形成することが望ま
しい。シリコン基板1の屈折率は3.5程度であり、太
陽電池素子周辺が空気(n0=1)で覆われている場合
は、反射防止膜5の屈折率は1.8〜2.2程度、膜厚
は600〜900Å程度がよい。
た場合を考えると、一般に太陽電池素子上にガラスとエ
チレンビニルアセテート等の樹脂充填材が貼り付けら
れ、入射光はこれらを介して太陽電池素子に吸収される
ことになる。このガラスと充填材の屈折率は1.5程度
であるため、太陽電池素子の反射防止膜の屈折率は2.
2〜2.6程度がよい。さらに、通常32℃のフッ化水
素46%含有のフッ化水素酸:水=1:2の水溶液を用
いたときのエッチングレートが400Å/minであっ
たパッシベ−ション膜を、そのレートが350Å/mi
n以下になるようにコントロールして形成することによ
ってさらに高特性の実現が可能になった。
の表面を粗面状にした場合は、シリコン基板1の表面自
体で反射防止効果が得られることから、反射防止膜の膜
厚を薄くしても充分な反射防止効果を得ることができ、
膜厚は50Åまで薄くしても特性低下をもたらすことは
ない。また、膜厚を900Å以上にした場合も同様に、
表面を粗面状にしない場合に比べて反射防止効果の低下
は少なく、1200Å程度まで大きな特性低下をもたら
すことはない。
防止膜としての効果も考慮すると、屈折率1.8〜2.
6、膜厚50〜1200Åとなるパッシベーション膜を
形成する必要がある。さらに、エッチングレートを35
0Å/min以下にするためには、パッシベーション膜
5の成膜温度は350〜600℃であることが必要であ
る。成膜温度が350℃以下の場合は、シリコン基板1
中への水素の拡散速度が不充分であるため、パッシベー
ション効果が低く、充分な特性向上が得られない。ま
た、成膜温度が600℃以上の場合は、成膜時のシリコ
ン基板1の熱による反りが大きく、成膜分布が不均一に
なる、反りによる歪でシリコン基板1が割れやすくなる
などの不具合を生じる。
導体不純物が高濃度に拡散された層4を形成することが
望ましい。この一導電型半導体不純物が高濃度に拡散さ
れた層4は、シリコン基板1の裏面近くでキャリアの再
結合による効率の低下を防ぐために、シリコン基板1の
裏面側に内部電界を形成するものである。つまり、シリ
コン基板1の裏面近くで発生したキャリアがこの電界に
よって加速される結果、電力が有効に取り出されること
となり、特に長波長の光感度が増大すると共に、高温に
おける太陽電池特性の低下を軽減できる。このように一
導電型半導体不純物が高濃度に拡散された層4が形成さ
れたシリコン基板1の裏面側のシート抵抗は、15Ω/
□程度になる。
は、表面電極6および裏面電極7が形成されている。こ
の表面電極6および裏面電極7は主にAg粉、バインダ
ー、フリットなどからなるAgペーストをスクリーンプ
リントして焼成し、その上に半田層を形成する。表面電
極6は、例えば幅200μm程度に、またピッチ3mm
程度に形成される多数のフィンガー電極と、この多数の
フィンガー電極を相互に接続する2本のバスバー電極で
構成される。裏面電極7は例えば、幅300μm程度
に、またピッチ5mm程度に形成される多数のフィンガ
ー電極と、この多数のフィンガー電極を相互に接続する
2本のバスバー電極で構成される。また、高特性化のた
めに裏面に銀を主成分とした取り出し用電極と、取り出
し用電極以外のほぼ全面にアルミニウムを主成分とした
集電用電極を形成してもよい。その際には一導電型半導
体不純物が高濃度に拡散された層4を電極形成前に形成
しなくてもよい。
mの15cm×15cm角の多結晶シリコンから成る基
板をHNO3:HF=7:1の溶液に浸漬して、片面1
5μmエッチングした後、酸素(O2)を10scc
m、六フッ化硫黄(SF6)を80sccm流しなが
ら、反応圧力7Pa、RFパワー800WでRIE法で
基板表面に微細な凹凸構造を形成した。次に、シリコン
基板の表面部のシート抵抗が80Ω/□となるようにリ
ン(P)を拡散した。次に、シリコン基板の裏面側にア
ルミニウム(Al)ペーストをスクリーン印刷して75
0℃の温度で焼成した。このシリコン基板の裏面側のシ
ート抵抗は15Ω/□であった。次に、シリコン基板の
表面側に、プラズマCVD法で窒化珪素膜を形成した。
この窒化珪素膜は、ガス条件等を振って、含有水素濃度
を変えた5種類の成膜を行った。その際、屈折率は2.
0〜2.4、膜厚は800〜900Åとなる条件で形成
し、成膜温度は500℃とした。その後、シリコン基板
の表裏両面に印刷、焼成法で銀(Ag)を被着して電極
を形成し、半田ディップ法で電極表面に半田層を形成し
て太陽電池素子を形成した。
ける32℃のフッ化水素46%含有のフッ化水素酸:水
=1:2の水溶液を用いたときのエッチング速度と特性
の関係を図5に示す。エッチングレートが、450Å/
minのとき14.21%であった変換効率がエッチン
グレートの低下に伴い向上し、エッチング速度が350
Å/min以下のとき14.5%を超える特性を示す。
エッチングレートと変換効率の明らかな相関が見られ
る。つまり32℃のフッ化水素46%含有のフッ化水素
酸:水=1:2の水溶液を用いたときのパッシベ−ショ
ン膜のエッチング速度が450Å/min以下のときに
電気特性は向上する。
素濃度と電気特性との関係を図6に示す。なお、窒化珪
素膜中の水素濃度は二次イオン質量分析法で測定した。
また、膜厚および屈折率はエリプソメーターで測定し
た。
素濃度が1.4×1022atoms/cm3以上のとき
は14.45%以上の変換効率を示すが、8.0×10
21atoms/cm3の場合は、14.09%と明らか
な電気特性の低下が認められる。つまり膜中の水素濃度
が1.4×1022atoms/cm3以上のときに、電
気特性が向上する。
突起を多数有するシリコン基板の表面に形成したパッシ
ベ−ション膜における32℃のフッ化水素46%含有の
フッ化水素酸:水=1:2の水溶液を用いたときのエッ
チングレートが350Å/min以下であることから、
変換効率の高いシリコン太陽電池素子となり、シリコン
太陽電池の高性能化に大きく貢献することができる。
る。
例を示す図である。
例を示す図である。
ン界面との断面を示すTEM像である。
ョン膜のエッチング速度と電気特性との関係を示す図で
ある。
ョン膜中の水素濃度と電気特性との関係を示す図であ
る。
る。
層、4:裏面不純物拡散層、5:パッシベ−ション膜、
6:表面電極、7:裏面電極、8:マスフローコントロ
ーラー、9:シリコン基板、10:RF電極、11:圧
力調整器、12:真空ポンプ、13:RF電源、14:
ガス、15:凹凸の下部、16:空間、17:凹凸の上
部
Claims (10)
- 【請求項1】 微細な突起を多数有し、一導電型半導体
不純物を含有するシリコン基板の表面側に逆導電型半導
体不純物を含有させると共に、表面にパッシベ−ション
膜を形成した太陽電池素子において、前記パッシベ−シ
ョン膜における32℃のフッ化水素46%含有のフッ化
水素酸:水=1:2の水溶液を用いたときのエッチング
レートが350Å/min以下であることを特徴とする
太陽電池素子。 - 【請求項2】 上記パッシベーション膜の水素含有濃度
が1×1022〜1×1023atoms/cm3である請
求項1記載の太陽電池素子。 - 【請求項3】 前記パッシベーション膜が窒化珪素膜で
あることを特徴とする請求項1または請求項2記載の太
陽電池素子。 - 【請求項4】 前記窒化珪素膜が反射防止膜を兼ねてお
り、その屈折率が1.8〜2.6、厚みが50〜120
0Åであることを特徴とする請求項3記載の太陽電池素
子。 - 【請求項5】 前記微細な突起の幅が2μm以下である
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
太陽電池素子。 - 【請求項6】 前記微細な突起の高さが2μm以下であ
ることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載
の太陽電池素子。 - 【請求項7】 前記微細な突起のアスペクト比が0.1
〜2であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれ
かに記載の太陽電池素子。 - 【請求項8】 前記微細な突起の裾部分に点欠陥が存在
することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記
載の太陽電池素子。 - 【請求項9】 前記シリコン基板の表面のシート抵抗が
60〜300Ω/□であることを特徴とする請求項1な
いし8のいずれかに記載の太陽電池素子。 - 【請求項10】 前記シリコン基板が多結晶シリコンか
らなることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに
記載の太陽電池素子。
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