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JP2003241343A - インスタントフイルムパック - Google Patents

インスタントフイルムパック

Info

Publication number
JP2003241343A
JP2003241343A JP2002041293A JP2002041293A JP2003241343A JP 2003241343 A JP2003241343 A JP 2003241343A JP 2002041293 A JP2002041293 A JP 2002041293A JP 2002041293 A JP2002041293 A JP 2002041293A JP 2003241343 A JP2003241343 A JP 2003241343A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
cap
instant
film
case body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002041293A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Miyake
嘉明 三宅
Kazunori Mizuno
和則 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2002041293A priority Critical patent/JP2003241343A/ja
Publication of JP2003241343A publication Critical patent/JP2003241343A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Cameras Adapted For Combination With Other Photographic Or Optical Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、且つ環境適性に優れ、カメラや
カメラパック等の機器に不具合なく装填されるインスタ
ントフイルムパックを提供すること。 【解決手段】 複数枚のインスタントフイルムと、イン
スタントフイルムが積み重ねられて収納され箱状のケー
ス4と、積み重ねられたインスタントフイルムに重ねて
ケース4に収納され露光開口を遮光する前フイルムカバ
ー8と、を備え、ケース4は、紙材からなるケース本体
18と、ケース本体18に嵌合され、紙材と樹脂材との
複合材料からなるキャップ20と、を含んで構成され、
ケース本体18は、キャップ20に嵌合される被嵌部3
6を有し、且つインスタントフイルムの露光面を露呈さ
せる露光開口24が設けられており、キャップ20は、
ケース本体18の被嵌部36を内部に位置させて嵌合さ
れ、且つ露光済みのインスタントフイルムを排出する排
出開口28が設けられていることを特徴とするインスタ
ントフイルムパックである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数枚のインスタ
ントフイルムを紙製ケースに収納したインスタントフイ
ルムパック(以下、単に「フイルムパック」ということ
がある)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から箱状のケース内にモノシートタ
イプのインスタントフイルムを復数枚収納したインスタ
ントフイルムパックが各種販売されている。一般的に、
このケースは、遮光性を付与されたプラスチックで箱状
に形成されており、インスタントフイルムの露光面を露
呈させる露光開口と、露光済みのインスタントフイルム
を排出する排出開口と、インスタントフイルムを露光開
口に向けて押し上げる押圧部材が挿入される挿入開口と
が設けられている。また、ケース内には、インスタント
フイルムと共に重ねられて露光開口をケース内側から塞
ぐシート状の前フイルムカバーと、挿入開口をケース内
側から塞ぐシート状の後フイルムカバーとが収納されて
いる。
【0003】フイルムパックは、インスタントカメラや
カメラバックなどに用いられ、これらの機器に設けられ
たパック室にケースごとセットされる。パック室を開閉
する蓋部材には、上記の押圧部材が取り付けられてお
り、蓋部材を閉じると押圧部材がフイルムパックの挿入
開口に挿入される。そして、カメラやカメラバックの初
期動作により、前フイルムカバーが排出され、インスタ
ントフイルムに露光可能になる。収納していたインスタ
ントフイルムを全て使用し終わると、空になったフイル
ムパックは廃棄される。
【0004】通常、フイルムパックのケースは、樹脂製
の成形物で構成され、廃棄される際には一般廃棄物とし
て廃棄し、焼却或いは埋めたてられている。樹脂製品
は、現在、我々の社会では、大量に使用されているが、
原料は地下資源の石油である。これら資源は枯渇性資源
と呼ばれ、いつかはなくなる資源である。また、樹脂製
品は、廃棄後焼却されると空気中に二酸化炭素などを排
出し、我々の生活する場である地球環境を悪化させる原
因の一つとも言われている。
【0005】このため、昨今の環境問題に対する社会的
な取り組み方が取り沙汰されているいま、製品を販売す
る者にとっては、その製品の環境適性を少しでもよくす
ることが社会的使命に変わりつつある。一方で、環境適
性がよい製品を高いコストで実現しても、販売し続ける
ことが難しく、経済性に見合うコストでの生産も求めら
れている。また、インスタントカメラやカメラバックな
ど機器に装填されるため、同様に環境適性がよい製品を
実現しても、その寸法精度や、剛性が低い製品では、既
存の機器に装填したときに不具合を生じる虞がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明の目的は、低コストで、且つ環
境適性に優れ、カメラやカメラパック等の機器に不具合
なく装填されるインスタントフイルムパックを提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
により解決される。即ち、本発明は、 <1>複数枚のインスタントフイルムと、前記インスタ
ントフイルムが積み重ねられて収納され箱状のケース
と、積み重ねられた前記インスタントフイルムに重ねて
前記ケースに収納され前記露光開口を遮光する前フイル
ムカバーと、を備え、前記ケースは、紙材からなるケー
ス本体と、前記ケース本体に嵌合され、紙材と樹脂材と
の複合材料からなるキャップと、を含んで構成され、前
記ケース本体は、前記キャップに嵌合される被嵌部を有
し、且つ前記インスタントフイルムの露光面を露呈させ
る露光開口が設けられており、前記キャップは、前記ケ
ース本体の被嵌部を内部に位置させて嵌合され、且つ露
光済みの前記インスタントフイルムを排出する排出開口
が設けられている、ことを特徴とするインスタントフイ
ルムパックである。
【0008】<2>前記ケース本体及び前記キャップの
いずれか一方に形成された爪部と、前記爪部に対応して
前記ケース本体及び前記キャップのいずれか他方に形成
され、前記ケース本体への前記キャップの嵌合状態で前
記爪部が入り込むと共に、前記ケース本体からの前記キ
ャップの離脱方向に前記爪部と干渉する干渉部と、を備
えることを特徴とする前記<1>に記載のインスタント
フイルムパックである。
【0009】<3>前記キャップが、セルロース繊維及
びポリオレフィン樹脂を含む混合物を用い、且つ前記セ
ルロース繊維に対する前記ポリオレフィン樹脂及び別の
熱可塑性樹脂の合計の構成比率が重量比で51:49〜
75:25の範囲内となるように成形された成形物で構
成されることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載
のインスタントフイルムパックである。
【0010】<4>前記紙樹脂製のキャップが、写真印
画紙用に製造された原紙にポリオレフィン樹脂を被覆し
た印画紙用防水紙を粉砕してセルロース繊維及びポリオ
レフィン樹脂の混合物とした後、この混合物に必要に応
じて別の熱可塑性樹脂を添加し、原紙及びポリオレフィ
ン樹脂を含み、原紙由来のセルロース繊維に対するポリ
オレフィン樹脂及び別の熱可塑性樹脂の合計の構成比率
が重量比で51:49〜75:25の範囲内となるよう
に成形された成形物であることを特徴とする前記<1>
又は<2>に記載のインスタントフイルムパックであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。なお、実質的に同様の機能を有す
るものには、全図面通して同じ符号を付し、その説明を
省略する場合がある。
【0012】図1〜3に示すフイルムパック2は、略箱
状のケース4と、ケース4内に積み重ねた状態で収納さ
れる収納される複数枚のインスタントフイルム6と、イ
ンスタントフイルム6を狭持してケース4内に収納され
る前フイルムカバー8及び後フイルムカバー10と、か
らなる。
【0013】インスタントフイルム6は、周知のモノシ
ートタイプの自己現像型フイルムユニットで、露光によ
り潜像が形成されると感光シートと、この潜像から現像
処理液を介してポジ画像が転写される受像シートと、が
重ね合わされており、その端部には、ポッド部12とト
ラップ部14とが設けられている。ポッド部12には、
現像処理液が内包された現像液ポッドが、トラップ部1
4には展開処理後における余剰分の現像処理液を吸収す
る吸収材がそれぞれ内蔵されている。インスタントフイ
ルム6は、露光面16に露光が行われた後に、一対の展
開ローラによってポッド部12の現像ポッドが押しつぶ
され、現像処理液が両シート間に流出してその展開処理
が行われる。処理展開の後、所定の現像、定着時間が経
過すると、露光面16と反対側面にポジ画像が現れる。
【0014】ケース4は、略箱状のケース本体18と、
ケース本体18に嵌合するキャップ20とからなる。
【0015】ケース本体18は、キャップ20に嵌合さ
れる被嵌部36と共に形成される開口22と、インスタ
ントフイルム6の露光面を露呈させる露光開口24と、
インスタントフイルム6を露光開口24に向けて押し上
げる押圧部材が挿入される2つの挿入開口26と、イン
スタントフイルム6を排出開口28に向けて押し出す押
出部材が挿通する切欠30と、が設けられている。
【0016】キャップ20は、ケース本体18に嵌合さ
れる部材であり、露光済みのインスタントフイルム6を
排出する排出開口28が設けられいる。キャップ20
は、その外壁がフイルムパック2装填時に、パック装填
室のパック受面と接触するように、ケース本体18の被
嵌部36を内部に位置させて嵌合されており、がたつき
などが生じずに正確な位置決をさせる役割を担わせるの
で、高い寸法精度が必要である。また、フイルムパック
2において剛性が要求される排出開口28が設けられる
ため、剛性も必要である。そこで、キャップ20は、射
出成形等の高精度な加工が可能であり、燃焼時の熱量が
低く、且つ樹脂成形物と同程度の剛性が得られる、紙材
と樹脂材との複合材料(以下、紙樹脂ということがあ
る)で構成させている。紙樹脂で構成させたキャップ2
0は、高精度且つ高剛性で形成されており、これにより
フイルムパックはインスタントカメラやカメラバックな
どの機器に不具合無く装填される。紙樹脂については後
述する。
【0017】キャップ20の排出開口28の外壁付近に
は、遮光性付与された紙材で形成されたフラップシート
32が弱シールされている。フラップシート32は、排
出開口28の光密を塞ぐと共に、キャップ20の排出開
口28近傍の剛性向上にも寄与する。このフラップシー
ト32は、排出時の前フイルムカバー8に押圧され、キ
ャップ20から剥れ、排出開口28を露呈させる。な
お、フラップシート32とは別に、キャップ20におけ
る排出開口28の内壁周縁に同様のシートを弱シールし
てもよい。
【0018】キャップ20は、その内側には弾性可能に
断面三角状の爪部34が設けられ、ケース本体18には
キャップ20が嵌合される被嵌部36の一部に爪部34
が入り込む孔部38が設けれている。爪部34は、その
先端がキャップ20内壁側に向かって設けられており、
この爪部34に対応してキャップ20にも孔部40が設
けられて、この孔部40に入り込んでいる。爪部34
は、キャップ20がケース本体18に嵌合されるとケー
ス本体18の孔部38に入り込み、ケース本体18から
キャップ20の離脱方向に、爪部34と孔部38内壁一
部の干渉部42とが干渉して係止された状態となり、光
密を遮光し、ケース本体18からのキャップ20の離脱
が防止される。
【0019】この形態の一例を図4〜6に示す。図示す
るように、本体ケース20とキャップ20とを対向させ
(図4の状態)、キャップ20をケース本体18の被嵌
部36に嵌めこもうとすると、弾性可能な爪部34は内
側に開き、ケース本体18の被嵌部36がキャップ20
の内壁と爪部34との間に入り込む(図5の状態)。そ
して、キャップ20がケース本体18の被嵌部36に完
全に嵌合されると共に、キャップ20の爪部34は、ケ
ース本体18の孔部38に入り込む(図6の状態)。キ
ャップ20がケース本体18から離脱させようとする
と、孔部38における干渉部42と爪部34とが干渉し
て係止された状態となり、キャップ20のケース本体1
8からの離脱を防止する。このような構成をとること
で、接着することなく、簡易に、光密を遮光し、キャッ
プ20とケース本体18との離脱が防止される。
【0020】なお、キャップ20に爪部34、ケース本
体18に孔部38を設け干渉部42を形成したが、逆の
構成としてもよい。また、干渉部42が形成するために
は、孔部38を設ける必要は無く、例えば凹状に形成す
ることでその内壁を干渉部とすることもできる。
【0021】前フイルムカバー8は、積み重ねられたイ
ンスタントフイルム6と、ケース4の露光開口24が設
けられた上部との間に収納され、露光開口24を塞いで
遮光する紙製の部材である。前フイルムカバー8の端部
には、インスタントフイルム6を排出開口28に向けて
押し出す押出部材が挿通する切欠30をケース4内側か
ら塞ぎ遮光する遮光性シート44が貼着されている。ま
た、前フイルムカバー8の他の端部には、排出開口28
をケース4内側から塞ぎ遮光する、同様の遮光性シート
が貼着されていてもよい。
【0022】後フイルムカバー10は、積み重ねられた
インスタントフイルム6と、ケース4の挿入開口26が
設けられた底部との間に収納され、フイルムパック2が
未装填時には、インスタントフイルム6を露光開口24
に向けて押し上げる押圧部材が挿入される2つの挿入開
口26を塞いで遮光し、フイルムパック2装填後には挿
入開口26から挿入される押圧部材からの力を受けて、
インスタントフイルム6をその背面側から押し付け、イ
ンスタントフイルム6を露光開口24に向けて押し上げ
る部材である。
【0023】後フイルムカバー10は、基材46と、基
材46中央部に設けられる断面円弧状のフイルム支持部
48と、基材46長手方向両端に設けられるフイルム支
持部50と、からなる。基材46中央部に設けられるフ
イルム支持部48は、円弧状に折り曲げた紙材を貼着す
ることで形成される。基材46両端に設けられるフイル
ム支持部50は、基材46長手方向両端を折り曲げるこ
とで形成され、インスタントフイルム6のポッド部12
側とトラップ部14側の厚みに対応し円弧状のフイルム
支持部48よりも低い高さで設けられている。
【0024】フイルムパック2におけるケース本体1
8、前フイルムカバー8、後フイルムカバー10は紙材
によって形成されている。このため、フイルムパック2
は、キャップ20以外、木材を基礎原料とする紙製の部
材で構成されるので、リサイクル可能であり、環境適性
にも優れる。紙材として具体的には、一枚の紙から構成
されてもよいし、2枚以上の紙を張り合わせた構成とし
てもよい。また、表面に防湿性と熱シール性や遮光性の
コート層で被覆されていてもよい。具体的には、例え
ば、表面に装飾的な印刷が施される白紙と、カーボンブ
ラック等を混入して遮光性を高めた黒紙とを貼り合わせ
て構成され、その表面を覆って防湿性と熱シール性とを
付与するポリエチレン(PE)層でコートされたものが
挙げられる。PE層は、遮光性物質を混入して黒色と
し、遮光性を付与されてたものでもよい。また、PEの
代わりに、オリエンテッドプリプロピレン(OPP)を
用いてもよい。なお、このように、フイルムパック2は
大部分が紙材で構成されるため、低コストで、外壁に装
飾的な印刷を施すことができる。
【0025】フイルムパック2におけるキャップ20
は、紙樹脂で構成されている。紙樹脂は、上述のように
射出成形等の高精度な加工が可能であり、燃焼時の熱量
が低く、且つ樹脂製品と同程度の剛性が得られる材料で
ある。キャップ20は、紙樹脂として基材の繊維と樹脂
材との混合物を用いて成形させることができ、カブリな
どの写真性に悪影響を及ぼす要因を低減させる観点か
ら、セルロース繊維及びポリオレフィン樹脂を含む混合
物を用い、且つ前記セルロース繊維に対する前記ポリオ
レフィン樹脂及び別の熱可塑性樹脂の合計の構成比率が
重量比で51:49〜75:25の範囲内となるように
成形されたものが好適である。また、リサイクルや経済
性の観点から、キャップ20は、写真印画紙用に製造さ
れた原紙にポリオレフィン樹脂を被覆した印画紙用防水
紙を粉砕してセルロース繊維及びポリオレフィン樹脂の
混合物とした後、この混合物に必要に応じて別の熱可塑
性樹脂を添加し、原紙及びポリオレフィン樹脂を含み、
原紙由来のセルロース繊維に対するポリオレフィン樹脂
及び別の熱可塑性樹脂の合計の構成比率が重量比で5
1:49〜75:25の範囲内となるように成形される
ことが特に好ましい。以下、紙樹脂により構成された成
形物について詳細に説明する。
【0026】「写真印画紙用に製造された原紙」とは、
好ましくは粉砕した後に得られるセルロース繊維の重量
平均繊維長が好ましくは0.30mm以上、0.50m
m以下の範囲にある原紙をいう。この原紙としては、ク
ラフトパルプにより抄紙された原紙等が挙げられ、写真
印画紙用に用いられることが多いが、他の目的に使用さ
れる原紙であっても、前記の繊維長の特性を満たす限
り、「写真印画紙用に製造された原紙」に含まれるもの
である。重量平均繊維長は、実施例に記載したような光
学的測定機により測定できる。この重量平均繊維長は、
粉砕直後に測定しても、成形品の製造過程で測定しても
殆ど変わらない測定値を与える。
【0027】「写真印画紙用に製造された原紙」は、粉
砕する前の原紙におけるセルロース繊維の重量平均繊維
長が0.4mm以上、0.7mm以下である広葉樹晒し
クラフトパルプを使用することが好ましい。このような
原紙を用いた印画紙用防水紙をリファイナーにより粉砕
し、粉砕した後に得られるセルロース繊維の重量平均繊
維長が、上述のように、0.30mm以上、0.50m
m以下の範囲にあることが特に好ましい。粉砕前のセル
ロース繊維の重量平均繊維長が0.7mmを超えると、
樹脂との混練性が悪くなる傾向があり、又250℃以上
の高温と長時間を混練に要する傾向がある。繊維長が
0.4mm未満になると、220℃程度の比較的低い温
度で短時間の混練が可能になるが、得られた紙樹脂の精
度と強度が低下する傾向がある。粉砕する前の原紙にお
けるセルロース繊維の重量平均繊維長が0.4mm以
上、0.7mm以下であるセルロース繊維を用いた原紙
を使用することにより、紙樹脂成形品の高い表面平滑
性、高い成形精度、及び高い成形強度を得ることができ
る。
【0028】セルロース繊維の長さは均一である方が好
ましい。セルロース繊維の長さを均一にしておけば、紙
樹脂製造の混練工程および成形工程を均一に、安定的に
進行させることができる。また、これらの工程の所要時
間を短時間にすることができ、余計な熱エネルギーの付
与がなくなり、得られる紙樹脂の写真性への悪影響を最
小限にすることができる。
【0029】「写真印画紙用に製造された原紙」として
は、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)を原料とす
ることが好ましい。LBKPを原料とする抄紙方法は、
特開平10−245791に記載されている。
【0030】「写真印画紙用に製造された原紙」を構成
するパルプは、(1)その平均重合度が800以上であ
ることが好ましく、(2)原紙の紙面pHが6.0以上
であることが好ましく、又、(3)原紙の内部結合力が
10ないし20(N・cm)であることが好ましく、
又、(1)、(2)及び(3)を同時に満足すること
が、特に好ましい。これらの特性の詳細は、特開平3−
149542(特許第2671154号)に記載されて
いる。
【0031】「写真印画紙用に製造された原紙」に使用
できる添加剤としては、写真性に悪影響を及ぼさないよ
うに調合された組み合わせが好ましい。すなわち、この
原紙への添加剤は、写真感光材料の生保存性、現像処理
されたプリントの保存性等に悪影響を及ぼさない添加剤
であることが好ましい。このような添加剤としては、サ
イズ剤(ロジン、高級脂肪酸塩、アルキルケテンダイマ
ー、アルケニルコハク酸、等)、紙力増強剤(ポリアク
リルアミド等)、定着剤(硫酸バンド等)、pH調節剤
(アルミン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、等)、填
料(クレー、タルク、炭酸カルシウム、等)、その他の
添加剤(染料、スクライムコントロール剤、等)が挙げ
られる。
【0032】原紙としては、分子量が200〜500万
の両性ポリアミドを紙力増強剤として使用した、pHが
6.0以上、7.5以下の中性域で抄紙された中性紙で
あることが好ましい。この範囲外であると、セルロース
の加水分解が起こりやすくなる。原紙を構成するセルロ
ースが加水分解を受けると、その分子量(重合度)が低
下し、原紙の強度が低下する。分子量の低下した原紙を
用い紙樹脂ペレットを製造した場合、1)成形時に熱分
解を受けやすい、2)アイゾット衝撃値が低下する、
3)写真性に悪影響を及ぼす酸性ガス等が発生しやすく
なる等の弊害が発生する。したがって、原紙の紙面pH
が6.0以上、7.5以下になるように中性域で抄紙さ
れていることが好ましい。
【0033】原紙の両面にポリオレフィン樹脂を被覆し
た印画紙用防水紙の製造に用いられるポリオレフィンと
しては、ポリエチレンをはじめとするα−オレフィンの
単独重合体及びこれらの共重合体が好ましく、その例を
挙げると、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポ
リエチレン(LDPE)、及びこれらの混合物である。
これらのポリオレフィンは、押出コーティングした被覆
層中に、白色顔料や、あるいは蛍光増白剤を添加するこ
とが可能である限り、その分子量に特に制限はないが、
通常は分子量が20,000ないし200,000の範
囲にあるポリオレフィンが用いられる。
【0034】ポリオレフィン樹脂の被覆層の厚さは、好
ましくは、15〜50μmである。上記のα−オレフィ
ンの単独重合体に添加剤を使用する場合には、この添加
剤も写真感光材料の生保存性、現像処理されたプリント
の保存性等に悪影響を及ぼさない添加剤であることが好
ましい。特に写真乳剤が塗布される側のポリオレフィン
樹脂被覆層には、白色顔料、着色含量、酸化防止剤を添
加することが好ましい。
【0035】印画紙用防水紙の代表的な層構成は、写真
乳剤の塗布される表側から反対面に向かって、二酸化チ
タン及びステアリン酸亜鉛を含有するLDPE層、原紙
層、及び、ステアリン酸カルシウムを含有するLDPE
及びHDPE混合物層である。代表的な坪量を述べる
と、最初のLDPEの重量は21〜32g/m2であ
り、原紙層は135〜167g/m2であり、後のLD
PE及びHDPE混合物層は23〜24g/m2であ
る。
【0036】紙樹脂の製造には、写真印画紙用に製造さ
れた原紙を使用することもできるが、この原紙にポリオ
レフィン樹脂を被覆した印画紙用防水紙を使用すること
が好ましい。
【0037】別の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン
(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン
類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル類、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド類、ポ
リスチレン、ポリスチレン共重合体等が好ましく使用で
きる。この中でも、原紙に被覆されたポリオレフィン樹
脂と相溶性のあるPE、PP樹脂等のポリ−α−オレフ
ィンを別の熱可塑性樹脂として使用することが好まし
い。ただし、「別の熱可塑性樹脂」とは、原紙に被覆さ
れたポリオレフィン樹脂とは別の熱可塑性樹脂であるこ
とを意味し、その組成が原紙被覆用のポリオレフィン樹
脂と同じであることを妨げるものではない。この熱可塑
性樹脂の成分としてエラストマー樹脂を併用して弾性の
ある成形物を成形することができる。
【0038】紙樹脂により構成する成形物を製造する方
法には、種々のバリエーションがある。紙樹脂により構
成する成形物は、上述したが、印画紙用に製造された原
紙にポリオレフィンを被覆した印画紙用防水紙及び熱可
塑性樹脂を原料とし、最終的に得られる成形物におい
て、原紙に由来するセルロース繊維に対して、全熱可塑
性樹脂の構成比率が重量比で51:49〜75:25に
なるように感光材料用成形物を成形することが好適であ
る。ここで、「全熱可塑性樹脂」とは、印画紙用防水紙
を被覆するポリオレフィン樹脂と、及び、製造工程で添
加されるすべての熱可塑性樹脂との合計を意味する。こ
こで、セルロース繊維の構成比率の下限を51%とする
のは、全体の50重量%を超える比率でセルロース繊維
を含有することを意図するためである。
【0039】熱可塑性樹脂を最初に添加する時期は、印
画紙用防水紙を粉砕して得られる、セルロース繊維とポ
リオレフィン樹脂とからなる混合物のみを一旦ペレット
にするか否かを選択できる。前記のペレットを経由しな
い場合の成形物の製造工程例は以下の通りである。 (1)写真印画紙用に製造された原紙にポリオレフィン
樹脂を被覆した印画紙用防水紙を粉砕することによりセ
ルロース繊維及びポリオレフィン樹脂の混合物とする工
程、(2)得られた混合物に必要に応じて溶融していて
もよい別の熱可塑性樹脂を添加する工程、及び、(3)
原紙及びポリオレフィン樹脂を含み、原紙由来のセルロ
ース繊維と全熱可塑性樹脂の構成比率が重量比で51:
49〜75:25の範囲内になるようにした成形物を成
形する工程。
【0040】また、印画紙用防水紙を粉砕して得られ
る、セルロース繊維及びポリオレフィン樹脂混合物のみ
を一旦ペレットにする場合の工程は、以下の通りであ
る。 (1)写真印画紙用に製造された原紙にポリオレフィン
樹脂を被覆した印画紙用防水紙を粉砕することによりセ
ルロース繊維及びポリオレフィン樹脂の混合物とする工
程、(2’)得られた混合物のみからペレットを一旦形
成し、このペレットを再度粉砕するのと同じ工程におい
て、又は別の工程において、この粉砕されたセルロース
繊維・ポリオレフィン樹脂に別の熱可塑性樹脂を混練す
る工程、及び、(3)原紙及びポリオレフィン樹脂を含
み、原紙由来のセルロース繊維に対する、ポリオレフィ
ン樹脂及び別の熱可塑性樹脂の構成比率が重量比で5
1:49〜75:25になるように成形物を成形する工
程。この方法は、セルロース繊維と別の熱可塑性樹脂と
の相溶性を良くするので好ましい。
【0041】上記の工程は連続した一連の工程としても
良いし、各工程で得られる混合物等を一旦取り出して保
存しても良い。
【0042】紙樹脂により構成する成形物のより詳細な
製造工程例は、以下の通りである。なお、この製造工程
例を「詳細製造工程例」と以下称する。実施例の説明に
おいても、この「詳細製造工程例」を引用する。 (1)写真印画紙用に製造された原紙にポリオレフィン
樹脂を被覆した印画紙用防水紙を剪断機で粗粉砕する。
(2粗粉砕された防水紙をピンミルによるピンで叩く動
作により引き裂き綿状のセルロース繊維に粉砕する。 (3)嵩比重の大きい綿状のセルロース繊維及びポリオ
レフィン樹脂の混合物をペレットミルにより圧縮混練し
て体積を減縮したペレットとする。 (4)上記の工程で得られるベレットを引き続いてター
ボミルにより粉砕する。 (5)粉砕されたセルロース繊維・ポリオレフィン樹脂
混合物に、別の熱可塑性樹脂の粉末を加えて再度ペレッ
トミルにより混練してペレットとする。 (6)上記の工程で得られたセルロース繊維・ポリオレ
フィン樹脂・別の熱可塑性樹脂よりなるペレットをルー
ダーにより混練して紙樹脂ペレットを得る。 (7)得られた紙樹脂ペレットを射出成形機により所望
の成形物に射出成形する。
【0043】上記の諸工程にいろいろな変形を加えるこ
とができる。例えば、上記の(4)の粉砕工程におい
て、(3)で得られるベレット及び別の熱可塑性樹脂の
かたまりを一緒に再粉砕して混合物としても良い。この
混合物は、(5)のペレットミルに供給することができ
る。
【0044】紙樹脂により構成する成形物は、原料とし
て、印画紙用防水紙を使用するために、ピンミルによる
工程(2)において、破砕されたポリオレフィン樹脂が
粉砕されたセルロース繊維と均一に混じり合うと考えら
れる。このために、後続の工程(3)〜(5)を経て得
られる、セルロース繊維、ポリオレフィン樹脂及び別の
熱可塑性樹脂相互の良好な混合を達成できると考えられ
る。
【0045】また、(6)においてペレットを作るとき
熱可塑性樹脂の量を最終的な混合比よりも低減してお
き、ペレットを溶融して射出成形するとき不足の熱可塑
性樹脂を加えることもできる。成形物における原紙と全
熱可塑性樹脂の構成比率が重量比で51:49〜75:
25になるようにして射出成形しさえすれば、熱可塑性
樹脂を添加する途中工程の数と添加する量は自由に選択
することができる。不足の熱可塑性樹脂を二色成型又は
インサート成形のために使用することができる。
【0046】原紙の構成比率が重量比で75重量%を超
えると射出圧力が急激に高くなり安定して射出成形でき
なくなる。この上限値は、印画紙用防水紙を使用するこ
とにより、新聞古紙等のセルロース繊維のみを原料とす
る場合に比べて大幅に向上する。
【0047】原紙75重量部にポリオレフィン樹脂を2
5重量部被覆した印画紙用防水紙に対して別の熱可塑性
樹脂を混合する場合において、成形物における原紙由来
のセルロース成分が成形物の51%〜75%の構成とす
るためには、印画紙用防水紙100部に対して、別の熱
可塑性樹脂を47部〜0部添加することになる。
【0048】前記の詳細製造工程例における工程(5)
の混練操作は、熱可塑性樹脂と、水分率が5ないし40
%であるセルロース繊維を混練することが好ましい。こ
の水分率を維持することにより、セルロール繊維の樹脂
強化機能を十分に発揮させることができる。混練には加
圧式ニーダー等の公知の混練装置を使用することができ
る。その他混練工程の好ましい条件は、特開平5−50
427に記載されている。混練する温度は、90℃以上
220℃以下が好ましく、140℃以上170℃以下が
特に好ましい。混練温度が90℃未満では混練が不十分
となりやすく、140℃未満でもややこの傾向が残る傾
向があり、混練温度が220℃を超えるとセルロースの
分解が激しくなるため、写真感光材料に悪影響を及ぼす
成分が多く発生するようになる。また、前記の詳細製造
工程例における工程(7)における射出成形時の温度
は、140℃以上200℃以下が好ましく、160℃以
上170℃以下が特に好ましい。
【0049】紙樹脂により構成する成形物に遮光性を付
与するためには、紙樹脂に遮光性物質を0.05〜25
重量%の範囲で添加することによって、紙樹脂の化学
的、物理的特長を損なうことなく、写真感光材料の周辺
で用いられる成形品に必要とされる遮光機能を向上させ
ることができる。0.05重量%未満では遮光性を確保
できず添加目的を達成することができないだけでなく経
費増となる。25重量%を越えると物理強度が低下し、
且つ外観も悪くなる。遮光性を確保するために添加され
る遮光性物質としては以下のものが挙げられる。
【0050】(1)無機化合物 A.酸化物 シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸
化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、バリウム
フェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリリウ
ム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊維等 B.炭酸塩 炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドー
ソナイト等 C.ケイ酸塩 タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガ
ラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モン
モリロナイト、ベントナイト等 D.炭素 カーボンブラック、グラファィト、炭素繊維、炭素中空
球等 E.その他 鉄粉、銅粉、鉛粉、錫粉、ステンレス粉、パール顔料、
アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケ
イ素繊維、黄銅繊維、チタン酸カリウム、チタン酸ジル
コン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カ
ルシウム、ホウ酸ナトリウム、アルミニウムペースト、
タルク等 (2)有機化合物 木粉(松、樫、のこぎり層等)、穀繊維(アーモンド、
ピーナッツ、モミ殻等)、着色した各種の繊維例えば木
綿、ジュート、紙細片、セロハン片、ナイロン繊維、ポ
リプロピレン繊維、デンプン、芳香族ポリアミド繊維等
【0051】これらの遮光性物質の中で、ブリードアウ
ト量を減少させることができるのでカーボンブラックが
好ましい。特に好ましいカーボンブラックの原料による
分類例を挙げると、ガスブラック、ファーネスブラッ
ク、チャンネルブラック、アントラセンブラック、アセ
チレンブラック、ケッチェンカーボンブラック、ランプ
ブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジタブル
ブラック等がある。本発明では遮光性、コスト、物性向
上の目的ではファーネスカーボンブラックが好ましく、
高価であるが帯電防止効果を有する遮光性物質としては
アセチレンカーボンブラック、変性合成カーボンブラッ
クであるケッチェンカーボンブラックが好ましい。必要
により、前者と後者とを必要特性にしたがってミックス
することも好ましい。
【0052】遮光性物質を配合する形態は種々あるが、
マスターバッチ法がコスト、作業場の汚染防止等の点で
好ましい。特公昭40−26196号公報には有機溶媒
に溶解した重合体の溶液中にカーボンブラックを分散さ
せて重合体−カーボンブラックのマスターバッチを作る
方法が記載され、特公昭43−10362号公報にはカ
ーボンブラックをポリエチレンに分散してマスターバッ
チを作る方法が記載されている。
【0053】本発明における写真感光材料用成形品とし
て、使用する上で写真感光材料に対してカブリの発生が
なく、感光度の増減の発生が少なく、遮光能力が大き
く、本発明における樹脂組成物中に添加した場合でもカ
ーボンブラックの塊(ブツ)の発生やフィッシュアイ等
によるピンホールが発生しにくい点で、カーボンブラッ
クの中でもpH6.0〜9.0、平均粒子径10〜12
0μmのものが好ましく、これらの中でも特に揮発成分
が2.0%以下、吸油量が50ml/100g以上のフ
ァーネスカーボンブラックが好ましい。チャンネルカー
ボンブラックは高価な上に、写真感光材料にカブリを発
生させるものが多く好ましくない。どうしても使用する
必要がある場合でも、写真性に及ぼす影響を調査して選
択すべきである。
【0054】好ましいカーボンブラックの国内市販品と
しては、例えば三菱化成(株)製のカーボンブラック♯
20(B)、♯30(B)、♯33(B)、♯40
(B)、#44(B)、♯45(B)、#50、♯5
5、#100、♯600、#2200(B)、#240
0、#950(B)、MA8、MA11(MA100等
が挙げられる。海外市販品としては、例えばキャボット
社製のBlack Pearls 2、46、70、7
1、74、80、81、607等、Regal 30
0、330、400、660、991、SRF−S等、
Vulcan 3、6等、Sterlin 10、S
O、V、S、FT−FF、MT一FF等が挙げられる。
さらに、アシュランドケミカル社製のUnited
R、BB、15、102、3001、3004、300
6、3007、3008、3009、3011、301
2、XC−3016、XC−3017、3020、Pr
intex 40、50、60、80、90、100が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0055】遮光性物質の添加量は、最終成形物に対し
て重量比で0.05〜25重量%、好ましくは0.1〜
15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、最も
好ましくは1.0〜7.0重量%の範囲である。
【0056】本発明における紙樹脂は、熱可塑性樹脂単
独に比較するとメルトフローインデックス(MFI)が
低いため潤滑剤を本発明の効果を損なわない範囲で加え
ることができる。本発明における紙樹脂に用いることが
できる代表的な滑剤名と製造メーカー名を以下に挙げ
る。 (1)シリコーン系滑剤 各種グレードのジメチルポリシロキサン及びその変性物
(信越シリコーン、東レシリコーン) (2)オレイン酸アミド滑剤 アーモスリップCP(ライオン,アクゾ)、ニュートロ
ン(日本精化(株))、ニュートロンE−18(日本精
化(株))、アマイドO(日東化学(株))、アルフロ
E:10(日本油脂(株))、ダイヤミッドO−200
(日本化成(株))、ダイヤミッドC−200(日本イ
ヒ成(株))等 (3)エルカ酸アミド系滑剤 アルフロ−F−10(日本油脂(株))等 (4)ステアリン酸アミド系滑剤 アルフロ−S−10(日本油脂(株))、ニュートロン
2(日本精化(株))、ダイヤミッド200(日本化成
(株))等 (5)ビス脂肪酸アミド系滑剤 ビスアマイド(日本化成(株))、ダイヤミッド200
ビス(日本化成(株))、アーモワックスBBS(ライ
オン・アクゾ)等
【0057】(6)非イオン界面活性剤系滑剤 エレクトロストリッパーTS−2、エレクトロストリッ
パー−TS−3(花王(株))等 (7)炭化水素系滑剤 流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、
合成パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックス、塩素化炭化水素、フルオロカーボン (8)脂肪酸系滑剤 高級脂肪酸(C12以上が好ましい)、オキシ脂肪酸 (9)エステル系滑剤 脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコ
ールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル、脂肪
酸の脂肪アルコールエステル (10)アルコール系滑剤 多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール (11)金属石けん ラウリン酸、ステアリン酸、リシノール酸、ナフテン
酸、オレイン酸等の高級脂肪酸とLi、Mg、Ca、S
r、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、Pb等の金属との
化合物
【0058】以上のように説明したフイルムパック2
は、通常、包装帯により包装された状態で出荷される。
そして、ユーザによりこの包装帯からフイルムパック2
を開封され、インスタントカメラやカメラバック等に設
けられたパック装填室52に装填されて用いられる。図
7に示すように、パック装填室52にフイルムパック2
を装填すると、フイルムパック2のケース4の露光開口
24が形成された前面が受け面54に当接して位置決め
される。フイルムパック2は、紙樹脂で構成され寸法精
度が高いキャップ20が受け面54と当接するので、正
確に位置決めされてフイルム排出不良やがたつきなどの
不具合無く装填される。
【0059】パック装填室52の受け面54には、露光
開口24と対面する部分に、インスタントフイルム6へ
の露光範囲を画定するアパーチャ開口56が形成されて
いる。また、ケース4の切欠30には、周知のクロー機
構を構成するクロー爪58が入り込み、前フイルムカバ
ー8及びインスタントフイルム6の排出時に、前フイル
ムカバー8及びインスタントフイルム6の下端を引っ掛
けて上昇させ、ケース4から掻き出す。
【0060】パック装填室52を開閉するためのパック
装填蓋60は、ヒンジ部62を介して揺動自在とされて
いる。このパック装填蓋60の内面には、フイルムパッ
ク2の挿入開口26に進入してインスタントフイルム6
を押圧する押圧部材64が設けられている。この押圧部
材64は、挿入開口26からフイルムパック2の内部に
進入して後フイルムカバー10に直接接触する押圧突起
66と、この押圧突起66を付勢するバネ68と、押圧
突起66とバネ68とを保持する保持枠70とから構成
されている。
【0061】パック装填室52の上方には、展開ローラ
72が設けられている。露光が与えられた後に、クロー
爪58によってケース4から掻き出されたインスタント
フイルム6は、この展開ローラ72によって現像液ポッ
ドが押し潰されながら、インスタントカメラのフイルム
取り出し口に向けて搬送される。現像液ポッドから流出
した現像処理液は、感光シートと受像シートとの間に展
開され、所定の現像,定着処理を行なう。
【0062】次に、上記実施形態のフイルムパック2を
インスタントカメラにセットする際の作用について説明
する。フイルムパック2は、パック装填蓋60を開放
し、受け面54に露光開口24が対面する方向でフイル
ムパック2をパック装填室52にセットする。その後、
パック装填蓋60を閉じていくと、押圧突起66が挿入
開口26からフイルムパック2の内部に進入し、インス
タントフイルム6を後フイルムカバー10を介して2個
所から押圧して押し上げる。
【0063】パック装填蓋60が閉じられると、前フイ
ルムカバー8の排出作業が行われる。クロー爪58は、
切欠30から入り込むとともに、前フイルムカバー8の
一端と係合し、これを排出開口28に向けて掻き出す。
前フイルムカバー8が取り除かれることにより、露光開
口24にインスタントフイルム6の露光面16が対面し
て露光準備が完了する。インスタントフイルム6は、後
フイルムカバー10により、その背面側から露光開口2
4に向けて押し付けられるので、アパーチャ開口56に
対面した最前列のインスタントフイルム6はその露光範
囲が画定される。
【0064】最前列のインスタントフイルム6に対して
露光が行われると、前フイルムカバー8の排出作業と同
様にその排出処理が行われる。クロー爪58が、露光済
みのインスタントフイルム6の下端に係合し、排出開口
28からこれを排出する。そして、ポッド部12が展開
ローラ72の間に巻き込まれると、現像液ポッドの押し
潰しと現像処理液の展開処理が行われ、クロー爪58は
退避する。
【0065】引き続き、現像処理液の展開処理が行われ
ていき、これと同時にインスタントフイルム6がカメラ
外に搬送されていく。そして、露光済みフイルムが排出
開口28から完全に排出されると、押圧部材64によっ
て、次列のインスタントフイルム6が露光開口24に対
面し、次の撮影準備が完了する。一方、カメラ外に搬送
された露光済みフイルムは、所定の現像,定着時間が経
過すると、ポジ画像が転写されて、所望のプリント写真
として利用される。
【0066】このようにして、撮影を順次行っていき、
やがてインスタントフイルム6を全て使い切った後は、
パック装填蓋60を開放し、空になったケース4を取り
出す。取り出されたケース4は、可燃物として廃棄した
り、古紙回収に出してリサイクルを行う。
【0067】なお、本発明のインスタントフイルムパッ
クは、紙材で構成された部材が大部分を占めるものであ
るが、その材料となる紙材に古紙や損紙を用いること
は、工業廃棄物の削減、リサイクル性を向上させる面
で、環境適性を向上させる手段として有効であり、ま
た、製造コスト削減の面でも有効である。
【0068】上記実施の形態に係る本発明のインスタン
トフイルムパックは、限定的に解釈されるものではな
く、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であるこ
とは、言うまでもない。
【0069】
【発明の効果】以上、本発明によれば、本発明の目的
は、低コストで、且つ環境適性に優れ、カメラやカメラ
パック等の機器に不具合なく装填されるインスタントフ
イルムパックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る本発明のインスタントフイ
ルムの外観斜視図である。
【図2】 実施の形態に係る本発明のインスタントフイ
ルムの構成を示す分解斜視図である。
【図3】 実施の形態に係る本発明のインスタントフイ
ルムの要部断面図である。
【図4】 実施の形態に係る本発明のインスタントフイ
ルムにおけるケース本体とキャップとが嵌合される前の
状態を示す要部平面図である。
【図5】 実施の形態に係る本発明のインスタントフイ
ルムにおけるケース本体とキャップとが嵌合されつつあ
る状態を示す要部平面図である。
【図6】 実施の形態に係る本発明のインスタントフイ
ルムにおけるケース本体とキャップとが嵌合されるた状
態を示す要部平面図である。
【図7】 実施の形態に係る本発明のインスタントフイ
ルムを装填するインスタントカメラのパック装填室の要
部断面図である。
【符号の説明】
2 フイルムパック 4 ケース 6 インスタントフイルム 8 前フイルムカバー 10 後フイルムカバー 18 ケース本体 20 キャップ 24 露光開口 26 挿入開口 28 排出開口 30 切欠 34 爪部 36 被嵌部 38 孔部 40 孔部 42 干渉部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 3/00 G03C 3/00 566K 566P 566Z 570 570N G03B 17/52 G03B 17/52 F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚のインスタントフイルムと、前記
    インスタントフイルムが積み重ねられて収納され箱状の
    ケースと、積み重ねられた前記インスタントフイルムに
    重ねて前記ケースに収納され露光開口を遮光する前フイ
    ルムカバーと、を備え、 前記ケースは、紙材からなるケース本体と、前記ケース
    本体に嵌合され、紙材と樹脂材との複合材料からなるキ
    ャップと、を含んで構成され、 前記ケース本体は、前記キャップに嵌合される被嵌部を
    有し、且つ前記インスタントフイルムの露光面を露呈さ
    せる露光開口が設けられており、 前記キャップは、前記ケース本体の被嵌部を内部に位置
    させて嵌合され、且つ露光済みの前記インスタントフイ
    ルムを排出する排出開口が設けられている、 ことを特徴とするインスタントフイルムパック。
  2. 【請求項2】 前記ケース本体及び前記キャップのいず
    れか一方に形成された爪部と、 前記爪部に対応して前記ケース本体及び前記キャップの
    いずれか他方に形成され、前記ケース本体への前記キャ
    ップの嵌合状態で前記爪部が入り込むと共に、前記ケー
    ス本体からの前記キャップの離脱方向に前記爪部と干渉
    する干渉部と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載のインスタン
    トフイルムパック。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006301402A (ja) * 2005-04-22 2006-11-02 Konica Minolta Medical & Graphic Inc シート状画像記録材料用トレー、シート状画像記録材料包装体

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