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JP2003137861A - フェニルスルフィド誘導体 - Google Patents

フェニルスルフィド誘導体

Info

Publication number
JP2003137861A
JP2003137861A JP2001340850A JP2001340850A JP2003137861A JP 2003137861 A JP2003137861 A JP 2003137861A JP 2001340850 A JP2001340850 A JP 2001340850A JP 2001340850 A JP2001340850 A JP 2001340850A JP 2003137861 A JP2003137861 A JP 2003137861A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
substituted
unsubstituted
acceptable salt
mmol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001340850A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Kanda
裕 神田
Rieko Nakatsu
理恵子 中津
Akiyoshi Asai
章良 浅井
Nobunori Yamashita
順範 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd filed Critical Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority to JP2001340850A priority Critical patent/JP2003137861A/ja
Publication of JP2003137861A publication Critical patent/JP2003137861A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 テロメラーゼ活性を有し、例えば抗腫瘍剤等
の医薬品として有用なフェニルスルフィド誘導体、また
はその薬理学的に許容される塩を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 〔式中、R1は、ニトロ、シアノ、アミノ、置換もしく
は非置換のアロイルアミノ、低級アルカノイルアミノな
どを表し、R2は、-CR2a=CR 2bCOR2c(R2a,R
2bは水素、アルキル基などを表し、R2cはヒドロキシ、
低級アルコキシ、アミノなどを表す。〕を表し、R
3は、置換もしくは非置換のアリールを表し、nは、1
または2を表す)で表されるフェニルスルフィド誘導体
またはその薬理学的に許容される塩を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テロメラーゼ阻害
活性を有し、抗腫瘍剤等の医薬品として有用なフェニル
スルフィド誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】真核生物の染色体末端に存在するテロメ
アは染色体の安定化に重要な領域であることが知られて
おり、ヒトの場合その配列は5'末端からTTAGGGの繰り返
し配列からなる。一部の例外を除いて、通常、正常細胞
では分裂回数に依存してテロメア短縮が起こり、これが
ある長さにまで短縮すると細胞は老化細胞となり分裂を
停止する(M1期)。しかし、p53遺伝子等の癌抑制遺伝
子の変異によりこの分裂停止機構が正常に働かない場合
には、細胞はさらに分裂を繰り返す。その結果、極限ま
でテロメアが短縮し、染色体の不安定化をきたし細胞は
死滅する(M2期)[プロシーディング・オブ・ザ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユ
ー・エス・エー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、89
巻、10114-10118頁(1992年)、トレンズ・イン・セル
・バイオロジー(Trends in Cell Biology)、5巻、293
-297頁(1995年)]。一方、種々の癌細胞の80%以上
で、テロメアを伸長する酵素テロメラーゼが発現してい
る[ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・
インスティテュート(Journal of the NCI)、87巻、88
4-894頁(1995年)]。テロメラーゼは、RNAを鋳型とし
てテロメアを伸長する逆転写酵素であり、鋳型となるRN
A(hTR)と触媒サブユニットであるタンパク質(hTER
T)から構成されている。癌細胞では、テロメラーゼの
働きによりテロメア短縮が抑制され、テロメアが安定に
維持されるため不死化細胞として無限増殖が可能となる
と考えられている。この概念、すなわち「テロメア仮
説」は、プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユー・エス・
エー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、89巻、10114-10
118頁(1992年)に記載されている。このテロメア仮説
を証明するものとしては、hTRに対するアンチセンス
[サイエンス(Science)、269巻、1236-1240頁(1995
年)]、野生型テロメラーゼを阻害するドミナントネガ
ティブな変異型hTERT[ジーンズ・アンド・デベロップ
メント(Genes & Development)、13巻、2388-2399頁
(1999年)、ネイチャー・メディスン(Nature Medicin
e)、5巻、1164-1170頁(1999年)]の発現が癌細胞に
対してテロメア短縮を伴った細胞死を誘導するという実
験結果が報告されている。従って、テロメラーゼを特異
的に阻害する物質(テロメラーゼ阻害剤)はテロメア短
縮を誘導することにより癌細胞に寿命を与える新しいタ
イプの抗腫瘍剤になりうると期待されている。さらに、
テロメラーゼは、生殖細胞等一部の例外を除いて癌組織
のみに発現していることから、正常組織にはほとんど影
響を与えない低毒性な抗腫瘍剤となることが期待されて
いる。
【0003】インビトロでテロメラーゼを阻害する低分
子物質としては、AZTTP、ddGTP[モレキュラー・アンド
・セルラー・バイオロジー(Mol. Cell. Biol.)、16
巻、53-65頁(1996年)]、7-デアザ-dGTP[バイオケミ
ストリー(Biochemistry)、35巻、15611-15617頁(199
6年)]等の核酸アナログ、ヘテロ5員環縮合ピリジン誘
導体(米国特許第5656638号、同第5760062号)、ベンゾ
チオフェン誘導体(米国特許第5703116号)、フェニル
イソチアゾール誘導体(WO99/08679)、2,4-ジオキソチ
アゾリジン誘導体(WO01/02377)、チアゾリジンジオン
誘導体(WO01/30771)等が知られている。
【0004】一方、フェニルスルフィド誘導体として、
特開平13-89412に下記に示す化合物(A)が開示されて
いる。
【0005】
【化2】
【0006】また、CAS[ケミカル・アブストラクト
(Chemical Abstracts)]データベース中に下記に示す
化合物(CA175278-51-0、CA175278-52-1)が記載されて
いる。
【0007】
【化3】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、テロ
メラーゼ阻害活性を有し、抗腫瘍剤等の医薬品として有
用なフェニルスルフィド誘導体またはその薬理学的に許
容される塩を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【0010】
【化4】
【0011】[式中、R1は、ニトロ、シアノ、アミ
ノ、置換もしくは非置換のアロイルアミノ、低級アルカ
ノイルアミノ、または−COR1a(式中、R1aは、水
素、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルキル、
置換もしくは非置換のアリール、低級アルコキシ、低級
アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、または置換も
しくは非置換のアリールアミノを表す)を表し、R
2は、−CR2a=CR2bCOR2c(式中、R2aおよびR
2bは、同一または異なって、水素、または置換もしくは
非置換の低級アルキルを表し、R2cは、ヒドロキシ、置
換もしくは非置換の低級アルコキシ、アミノ、低級アル
キルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、置換もしくは非置
換のアリールアミノ、または置換もしくは非置換の複素
環基を表す)を表し、R3は、置換もしくは非置換のア
リールを表し、nは、1または2を表す]で表されるフ
ェニルスルフィド誘導体[以下、一般式(I)で表され
る化合物を化合物(I)という。他の式番号の化合物に
ついても同様である]またはその薬理学的に許容される
塩に関する。
【0012】中でも、nが1であり、R1がニトロであ
る化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩が好
ましい。また、本発明により、化合物(I)またはその
薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬
が提供される。また、本発明により、化合物(I)また
はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有す
るテロメラーゼ阻害剤が提供される。
【0013】さらに、本発明により、化合物(I)また
はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有す
る抗腫瘍剤が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】一般式(I)の各基の定義におい
て、 (i)低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルア
ミノ、およびジ低級アルキルアミノ(該ジ低級アルキル
アミノの2つの低級アルキル部分は、同一または異なっ
ていても良い)の低級アルキル部分としては、例えば直
鎖または分枝状の炭素数1〜10のアルキル、具体的に
はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、
sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、ノニル、デシル等があげられる。
【0015】(ii)低級アルカノイルアミノの低級アル
カノイル部分としては、例えば直鎖または分枝状の炭素
数1〜7のアルカノイル、具体的にはホルミル、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタ
ノイル等があげられる。 (iii)アリール、アリールアミノ、およびアロイルア
ミノのアリール部分としては、例えば炭素数6〜14の
アリール、具体的にはフェニル、ナフチル、アントリル
等があげられる。
【0016】(iv)複素環基としては、例えば芳香族複
素環基または脂環式複素環基があげられる。芳香族複素
環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原
子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または
6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した
二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子
から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族
複素環基等があげられ、より具体的にはピリジル、ピラ
ジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリニル、イ
ソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサ
リニル、ナフチリジニル、シンノリニル、ピロリル、ピ
ラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリ
ル、チエニル、フリル、チアゾリル、オキサゾリル、イ
ンドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾ
トリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリ
ル、プリニル等があげられる。脂環式複素環基として
は、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ば
れる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環
性脂環式複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または
三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれ
る少なくとも1個の原子を含む縮環性脂環式複素環基等
があげられ、より具体的にはピロリジニル、ピペリジ
ノ、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ、モルホ
リニル、チオモルホリノ、チオモルホリニル、ホモピペ
リジノ、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、テトラ
ヒドロピリジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒ
ドロイソキノリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒ
ドロピラニル、ジヒドロベンゾフラニル等があげられ
る。
【0017】(v)置換低級アルキル、および置換低級
アルコキシにおける置換基としては、同一または異なっ
て、例えば置換数1〜3の、ハロゲン、ヒドロキシ、置
換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低級アルコ
キシにおける置換基としては、例えば置換数1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ等があげられる)等があげられ
る。それぞれの置換位置は特に限定されない。
【0018】ここで示したハロゲン(vi)は、フッ素、
塩素、臭素、およびヨウ素の各原子を表し、低級アルコ
キシは、前記低級アルコキシ(i)と同義である。(vi
i)置換アリール、置換アロイルアミノ、置換アリール
アミノ、および置換 複素環基における置換基としては、同一または異なっ
て、例えば置換数1〜3の、ニトロ、シアノ、ハロゲ
ン、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルコキシ、低級ア
ルコキシカルボニル、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ
低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換の低級アルキ
ル(該置換低級アルキルにおける置換基としては、例え
ば置換数1〜3の、ハロゲン、ヒドロキシ等があげられ
る)、置換もしくは非置換の低級アルコキシ(該置換低
級アルコキシにおける置換基としては、例えば置換数1
〜3の、ハロゲン、ヒドロキシ等があげられる)等があ
げられる。それぞれの置換位置は特に限定されない。
【0019】ここで示した低級アルキル、低級アルコキ
シ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルアミノ、
およびジ低級アルキルアミノの低級アルキル部分は、そ
れぞれ前記低級アルキル(i)と同義であり、ハロゲン
は、前記ハロゲン(vi)と同義である。化合物(I)の
薬理学的に許容される塩は、薬理学的に許容される酸付
加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、ア
ミノ酸付加塩等を包含する。
【0020】化合物(I)の薬理学的に許容される酸付
加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸
塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、
クエン酸塩等の有機酸塩があげられ、薬理学的に許容さ
れる金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩
等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等
のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があ
げられ、薬理学的に許容されるアンモニウム塩として
は、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等
の塩があげられ、薬理学的に許容される有機アミン付加
塩としては、例えばジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、モルホリン、ピペリジン等の付加塩があげられ、薬
理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばグ
リシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、
グルタミン酸等の付加塩があげられる。
【0021】次に化合物(I)の製造方法を記す。な
お、以下に示した製造方法において、定義した基が実施
方法の条件下で変化するか、または方法を実施するのに
不適切な場合、有機合成化学で常用される方法、例えば
官能基の保護、脱保護[例えば、プロテクティブ・グル
ープス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective
Groups in Organic Synthesis)、グリーン(T. W. Gr
eene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコ
ーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(1981年)
等]等の手段に付すことにより容易に製造を実施するこ
とができる。 製造法:化合物(I)は、例えば以下の工程により製造
することができる。
【0022】
【化5】
【0023】(式中、n、 R1、R2、およびR3は、そ
れぞれ前記と同義である) 化合物(I)は、化合物(II)を不活性溶媒中、0.
5〜10当量の酸化剤で処理することにより製造でき
る。酸化剤としては、スルフィドを酸化できるものであ
ればいずれでもよく、例えばm−クロロ過安息香酸、過
酸化水素、過ヨウ素酸ナトリウム等が用いられる。
【0024】不活性溶媒としては、例えばアセトン、塩
化メチレン、メタノール、クロロホルム、テトラヒドロ
フラン、ジメチルホルムアミド等があげられる。反応
は、−80℃から用いる溶媒の沸点の間の温度で行わ
れ、5分間〜24時間で終了する。なお、化合物(I
I)は、文献記載の方法[例えば、ジャーナル・オブ・
メディシナル・ケミストリー(J. Med. Chem.)、43
巻、4025-4040頁(2000年)等]に準じて得ることがで
きる。
【0025】また、化合物(I)の製造において、
1、R2、またはR3における官能基の変換は、有機合
成化学で通常用いられる官能基の変換法[例えば、コン
プリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーショ
ンズ(Comprehensive Organic Transformations)、R
・C・ラロック(Larock)著、(1989年)等に記載]を
用いて行うことができる。
【0026】上記製造法における生成物の単離、精製
は、通常の有機合成で用いられる方法、例えば、濾過、
抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化、各種クロマトグラフ
ィー等を適宜組み合わせて行うことができる。化合物
(I)の中には、位置異性体、幾何異性体、光学異性
体、互変異性体等が存在しうるものもあるが、本発明は
これらを含め、すべての可能な異性体およびそれらの混
合物を包含する。
【0027】化合物(I)の塩を取得したいとき、化合
物(I)が塩の形で得られるときはそのまま精製すれば
よく、また、遊離の形で得られるときは、化合物(I)
を適当な溶媒に溶解または懸濁し、適当な酸または塩基
を加えることにより塩を形成させ単離、精製すればよ
い。また、化合物(I)またはその薬理学的に許容され
る塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在するこ
ともあるが、これら付加物も本発明に包含される。
【0028】本発明によって得られる化合物(I)の具
体例を第1表に示す。
【0029】
【表1】
【0030】次に、代表的な化合物(I)の薬理活性に
ついて試験例で説明する。 試験例:In vivo テロメラーゼ阻害活性 ヒト腎臓癌細胞株Caki-1に試験化合物を24時間接触さ
せた後、既知の方法(米国特許第5629154号)で細胞抽
出液を調製し酵素活性の測定を行った。すなわち、0.
5%CHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチル
アンモニオ]−1−プロパンスルホン酸)を含む緩衝液
を用いて細胞抽出液を調製した。該抽出液を用いて、in
vitroでTRAP(Telomeric Repeat Amplification Proto
col)アッセイを行った(Intergen社製、TRAPEZE TM XL
Telomerase Detection Kit)。試験化合物無処理細胞か
らの抽出液の酵素活性値に対する、10μmol/Lの試験
化合物処理細胞からの抽出液の酵素活性値の比率(%)か
ら、酵素活性残存率(%)を算出した。
【0031】結果を第2表に示す。
【0032】
【表2】
【0033】以上より、化合物(I)は優れたテロメラ
ーゼ阻害活性を有し、悪性腫瘍を始めとするテロメラー
ゼ活性に関連した疾患の治療剤として有用であることが
示された。化合物(I)またはその薬理学的に許容され
る塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、
通常各種の医薬製剤として提供するのが望ましい。ま
た、それら医薬製剤は、動物および人に使用されるもの
である。
【0034】本発明に係わる医薬製剤は、活性成分とし
て化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を単
独で、あるいは任意の他の治療のための有効成分との混
合物として含有することができる。また、それら医薬製
剤は、例えば活性成分を薬理学的に許容される一種もし
くはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野
においてよく知られている任意の方法により製造され
る。
【0035】投与経路としては、治療に際し最も効果的
なものを使用するのが望ましく、経口または、例えば静
脈内等の非経口をあげることができる。投与形態として
は、例えば錠剤、注射剤等があげられる。使用される製
剤用担体としては、例えばラクトース、マンニトール、
グルコース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプ
ン、ステアリン酸マグネシウム、ソルビタン脂肪酸エス
テル、グリセリン酸エステル、注射用蒸留水、生理食塩
水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
エタノール等があげられる。また、本発明に係わる医薬
製剤は、その他の各種の賦形剤、潤沢剤、結合剤、崩壊
剤、等張化剤、乳化剤等を含有していてもよい。
【0036】化合物(I)またはその薬理学的に許容さ
れる塩の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年
齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度等によ
り異なるが、通常経口の場合、成人一人当り0.01 mg〜1
g、好ましくは0.05〜50 mgを一日一回ないし数回投与
する。静脈内投与等の非経口投与の場合、成人一人当り
0.001〜100 mg、好ましくは0.01〜10 mgを一日一回ない
し数回投与する。しかしながら、これら投与量および投
与回数に関しては、前述の種々の条件等により変動す
る。
【0037】
【実施例】以下に、実施例および参考例により、本発明
を詳細に説明する。なお、実施例および参考例中に記載
の通常の処理とは、例えば濃縮、抽出、洗浄、中和、濾
過等の通常の有機合成で用いられる後処理を表す。 実施例1:化合物1の合成 参考例1で得られた化合物A (0.1 g, 0.27 mmol) を塩
化メチレン (5 mL) とメタノール (1 mL) の混合溶媒に
溶解し、m-クロロ過安息香酸 (0.079 g, 0.22mmol) を
加え、室温で1時間攪拌した。反応液に5%亜硫酸水素ナ
トリウム水溶液を加え、通常の処理後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール=
5:1で溶出) で精製し、化合物1 (0.084 g, 収率81%)
を得た。1 H NMR (300MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.56 (s, 9H), 2.35
(s, 3H), 6.35 (d, J= 15.8 Hz, 1H), 7.24 (d, J =
8.6 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.89 (d, J
= 15.8 Hz, 1H), 8.37 (m, 3H) FAB-MS m/z=388 (M++1)
【0038】実施例2:化合物2の合成 実施例1で得られた化合物1 (0.05 g, 0.13 mmol) を
塩化メチレン (10 mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸 (2.
5 mL) を加え、室温で24時間攪拌した。反応液に亜硫酸
水素ナトリウム (3 g, 28.5 mmol) を加え、室温で1時
間攪拌後、通常の処理を行い、化合物2 (0.05 g, 収率
100%) を得た。1 H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 2.49 (s, 3H), 6.
69 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.1 Hz, 2H),
7.49 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.87 (d, J = 15.6Hz, 1
H), 8.26 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.46 (dd, J = 2.2,
8.7 Hz, 1H), 8.55(d, J = 2.2 Hz, 1H) FAB-MS m/z=331 (M+)
【0039】実施例3:化合物3の合成 参考例2で得られた化合物B (0.10 g, 0.27 mmol) を
用い、実施例1と同様にして、化合物3 (0.10 g, 収率
100%) を得た。1 H NMR (300MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.55 (s, 9H), 2.34
(s, 3H), 6.55 (d, J =16.0 Hz, 1H), 7.22 (d, J =
7.9 Hz, 2H), 7.59 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.62(d, J =
16.0 Hz, 1H), 8.08 (s, 1H), 8.34 (d, J = 1.7 Hz,
1H), 8.58 (d, J= 8.1 Hz, 1H) FAB-MS m/z=388 (M++1)
【0040】実施例4:化合物4の合成 実施例3で得られた化合物3 (0.05 g, 0.13 mmol) を
用い、実施例2と同様にして、化合物4 (0.025 g, 収
率50%) を得た。1 H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 2.33 (s, 3H), 6.
83 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.6 Hz, 2H),
7.55 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.77 (d, J = 16.1Hz, 1
H), 8.37 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.49 (dd, J = 1.7,
8.3 Hz, 1H), 8.59(d, J = 1.5 Hz, 1H) FAB-MS m/z=332 (M++1)
【0041】実施例5:化合物5の合成 参考例3で得られた化合物C (0.1 g, 0.3 mmol) を用
い、実施例1と同様にして、化合物5 (0.1 g, 収率98
%) を得た。1 H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 2.30 (s, 3H), 3.
78 (s, 3H), 6.84 (d, J= 15.8 Hz, 1H), 7.34 (d, J =
7.9 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.94 (d, J
= 15.8 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.47 (d
d, J = 2.2, 8.6Hz, 1H), 8.59 (d, J = 2.2 Hz, 1H) FAB-MS m/z=346 (M++1)
【0042】実施例6:化合物6の合成 参考例4で得られた化合物D (0.05 g, 0.14 mmol) を
用い、実施例1と同様にして、化合物6 (0.045 g, 収
率86%) を得た。1 H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 1.07 (t, J = 6.8
Hz, 3H), 1.10 (t, J =6.6 Hz, 3H), 2.29 (s, 3H),
3.49 (m, 4H), 7.27 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 7.31 (d,
J = 6.4 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.79
(d, J = 15.2 Hz, 1H), 8.25 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.
43 (dd, J = 2.4, 8.7 Hz, 1H), 8.66 (d, J= 2.4 Hz,
1H) FAB-MS m/z=387 (M++1)
【0043】実施例7:化合物7の合成 参考例5で得られた化合物E (0.05 g, 0.14 mmol) を
用い、実施例1と同様にして、化合物7 (0.047 g, 収
率91%) を得た。1 H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ(ppm): 0.88 (t, J = 7.3
Hz, 3H), 1.48 (q, J= 7.2 Hz, 2H), 2.30 (s, 3H),
3.16 (m, 2H), 6.77 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 7.32 (d,
J = 8.4 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.71
(d, J = 15.6 Hz, 1H), 8.23 (brs, 1H), 8.26 (d, J =
8.6 Hz, 1H), 8.36 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.44 (dd,
J = 2.4, 8.6 Hz, 1H) FAB-MS m/z=373 (M++1)
【0044】実施例8:化合物8の合成 参考例6で得られた化合物F (0.042 g, 0.10 mmol) を
塩化メチレン (5 mL)とメタノール (1 mL) の混合溶媒
に溶解し、m-クロロ過安息香酸 (0.036 g, 0.10 mmol)
を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に5%亜硫酸水素
ナトリウム水溶液を加え、通常の処理後、薄層クロマト
グラフィー (クロロホルム:メタノール=9:1) で精製
し、化合物8 (0.028 g, 収率64%) を得た。1 H NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.97 (t, J = 7.3 H
z, 3H), 1.56-1.64 (m,2H), 3.33-3.40 (m, 2H), 6.02
(brs, 1H), 6.61 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 7.53-7.71
(m, 5H), 8.04 (dd, J = 8.2,1.7 Hz, 1H), 8.34 (br
s, 1H), 8.53 (d,J = 8.2 Hz, 1H) FAB-MS m/z=439, 437 (M++1)
【0045】実施例9:化合物9の合成 参考例7で得られた化合物G (0.048 g, 0.10 mmol)を
用い、実施例8と同様にして、化合物9 (0.021 g, 収
率43%) を得た。1 H NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.88 (t, J = 7.0 H
z, 3H), 1.27-1.31 (m,8H), 1.52-1.60 (m, 2H), 3.36
(d, J = 7.0 Hz, 1H), 3.42 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 6.0
4 (m, 1H), 6.62 (d, J = 15.7 Hz, 1H), 7.53-7.64
(m, 4H), 7.73 (d,J = 15.5 Hz, 1H), 8.04 (dd, J =
1.8, 8.3 Hz, 1H), 8.34 (d, J = 1.7 Hz,1H), 8.52
(d, J = 8.3 Hz, 1H), FAB-MS m/z=495, 493 (M++1)
【0046】実施例10:化合物10の合成 参考例8で得られた化合物H (0.10 g, 0.20 mmol) を
用い、実施例1と同様にして、化合物10 (0.086 g,
収率83%)を得た。1 H NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.92 (t, J = 7.4 H
z, 3H), 1.51-1.59 (m,2H), 2.32 (s, 3H), 3.27 (q, J
= 6.6 Hz, 2H), 6.25 (m, 1H), 6.30 (d, J =15.5 Hz,
1H), 7.17 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 8.3 H
z, 1H), 7.64 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 7.74-7.83 (m, 2
H), 7.93-7.99 (m, 2H), 8.09 (d, J =2.0 Hz, 1H), 9.
05 (brs, 1H) APCI-MS m/z=515 (M++1)
【0047】実施例11:化合物11の合成 文献記載の方法[例えば、ジャーナル・オブ・メディシ
ナル・ケミストリー(J. Med. Chem.)、43巻、4025-40
40頁(2000年)等]に準じて得られた4-(4-ブロモフェ
ニルチオ)-3-ニトロ桂皮酸 (0.1 g, 0.27 mmol) を塩化
メチレン (5 mL) とメタノール (1 mL) の混合溶媒に溶
解し、m-クロロ過安息香酸 (0.027 g, 0.16 mmol) を加
え、室温で30分間攪拌した。反応液に5%亜硫酸水素ナト
リウム水溶液を加え、通常の処理後、 薄層クロマトグ
ラフィー (クロロホルム:メタノール:水=90:10:1)
で精製し、化合物11 (0.0087 g, 収率8.3%) を得
た。1 H NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 6.80 (d, J = 15.8
Hz, 1H), 7.55-7.80 (m,5H), 8.30 (d, J = 8.3 Hz, 1
H), 8.45 (dd, J = 1.7, 8.3 Hz, 1H), 8.58 (d,J = 1.
7 Hz, 1H) APCI-MS m/z=396, 394 (M-−1)
【0048】参考例1:化合物Aの合成 文献記載の方法[例えば、ジャーナル・オブ・メディシ
ナル・ケミストリー(J. Med. Chem.)、43巻、4025-40
40頁(2000年)等]に準じて得られた2-(4-メチルフェ
ニルチオ)-5-ニトロベンズアルデヒド (0.2 g, 0.73 mm
ol) をクロロホルム (20 mL) に溶解し、[(tert-ブトキ
シカルボニル)メチレン]トリフェニルホスフィン (0.55
g, 1.46 mmol) を加え、室温で1時間攪拌した後、通常
の処理後、シリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン:
酢酸エチル=8:1) で精製し、化合物A (0.29 g, 収率
100%) を得た。1 H NMR (300MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.56 (s, 9H), 2.42
(s, 3H), 6.46 (d, J= 15.8 Hz, 1H), 6.92 (d, J =
8.8 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 7.41 (d, J
= 8.1 Hz, 2H), 7.94 (dd, J = 2.6, 8.8 Hz, 1H), 8.0
2 (d, J = 15.6Hz, 1H), 8.35 (d, J = 2.4 Hz, 1H) FAB-MS m/z=371 (M+)
【0049】参考例2:化合物Bの合成 文献記載の方法[例えば、ジャーナル・オブ・メディシ
ナル・ケミストリー(J. Med. Chem.)、43巻、4025-40
40頁(2000年)等]に準じて得られた4-(4-メチルフェ
ニルチオ)-3-ニトロベンズアルデヒド (0.10 g, 0.37 m
mol) を用い、参考例1と同様にして、化合物B (0.13
g, 収率100%) を得た。1 H NMR (300MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.57 (s, 9H), 2.44
(s, 3H), 6.37 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 6.84 (d, J =
8.6 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.42 (dd, J
= 2.0, 8.6 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.5
0 (d, J = 16.0Hz, 1H), 8.35 (d, J = 2.0 Hz, 1H) FAB-MS m/z=371 (M+)
【0050】参考例3:化合物Cの合成 文献記載の方法[例えば、ジャーナル・オブ・メディシ
ナル・ケミストリー(J. Med. Chem.)、43巻、4025-40
40頁(2000年)等]に準じて得られた2-(4-メチルフェ
ニルチオ)-5-ニトロベンズアルデヒド (0.2 g, 0.73 mm
ol) とトリフェニルホスホラニリデン酢酸メチル (0.49
g, 1.46 mmol) を用い、参考例1と同様にして、化合
物C (0.21 g, 収率87%) を得た。1 H NMR (300MHz, CDCl3) δ(ppm): 2.43 (s, 3H), 3.85
(s, 3H), 6.53 (d, J =15.8 Hz, 1H), 6.93 (d, J =
8.8 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 9.4 Hz, 2H), 7.42(d, J =
8.1 Hz, 2H), 7.95 (dd, J = 2.4, 8.9 Hz, 1H), 8.12
(d, J = 15.8 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 2.4 Hz, 1H) FAB-MS m/z=330 (M++1)
【0051】参考例4:化合物Dの合成 文献記載の方法[例えば、ジャーナル・オブ・メディシ
ナル・ケミストリー(J. Med. Chem.)、43巻、4025-40
40頁(2000年)等]に準じて得られた2-(4-メチルフェ
ニルチオ)-5-ニトロ桂皮酸 (0.10 g, 0.32 mmol) をジ
メチルホルムアミド (5 mL) に溶解し、ジエチルアミン
(0.07 mL, 0.64 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール (0.17 g, 1.28 mmol)、および3-(3-ジメチルアミ
ノプロピル)-1-エチルカルボジイミド塩酸塩 (0.12 g,
0.64 mmol) を加え、6時間攪拌後、通常の処理を行い、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸
エチル=3:1) で精製し、化合物D (0.12 g, 収率100
%) を得た。1 H NMR (300MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.15 (t, J = 7.3 H
z, 3H), 1.22 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 2.35 (s, 3H), 3.
45 (m, 4H), 6.81 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.85 (d, J =
1.3 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 7.34 (d, J
= 8.1 Hz, 2H),7.85 (dd, J = 2.6, 8.9 Hz, 1H), 8.0
2 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 8.24 (d, J =2.6 Hz, 1H) FAB-MS m/z=371 (M++1)
【0052】参考例5:化合物Eの合成 文献記載の方法[例えば、ジャーナル・オブ・メディシ
ナル・ケミストリー(J. Med. Chem.)、43巻、4025-40
40頁(2000年)等]に準じて得られた2-(4-メチルフェ
ニルチオ)-5-ニトロ桂皮酸 (0.10 g, 0.32 mmol)、およ
びプロピルアミン(0.052 mL, 0.64 mmol) を用い、参考
例4と同様にして、化合物E (0.104 g,収率92%) を得
た。1 H NMR (300MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.99 (t, J = 7.3 H
z, 3H), 1.62 (m, 2H),3.39 (m, 2H), 5.71 (brs, 1H),
6.62 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 8.8 Hz, 1
H), 7.28 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 7.41 (d, J = 8.1 Hz,
2H), 7.92 (dd,J = 2.4, 8.8 Hz, 1H), 8.04 (d, J =
15.4 Hz, 1H), 8.32 (d, J = 2.6 Hz, 1H) FAB-MS m/z=357 (M++1)
【0053】参考例6:化合物Fの合成 文献記載の方法[例えば、ジャーナル・オブ・メディシ
ナル・ケミストリー(J. Med. Chem.)、43巻、4025-40
40頁(2000年)等]に準じて得られた4-(4-ブロモフェ
ニルチオ)-3-ニトロ桂皮酸 (0.10 g, 0.26 mmol) をジ
メチルホルムアミド (5 mL) に溶解し、プロピルアミン
(0.10 mL, 1.21 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール (0.10 g, 0.75 mmol)、および3-(3-ジメチルアミ
ノプロピル)-1-エチルカルボジイミド塩酸塩 (0.40 g,
0.34 mmol) を加え、室温で1時間攪拌後、通常の処理を
行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサ
ン:酢酸エチル=3:1) で精製し、化合物F (0.074 g,
収率72%) を得た。1 H NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.97 (t, J = 7.3 H
z, 3H), 1.53-1.67 (m,2H), 3.34 (d, J = 7.3 Hz, 1
H), 3.38 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.66 (m, 1H),6.42
(d, J = 15.6 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.
41-7.46 (m, 3H),7.56 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 7.60-7.
64 (m, 2H), 8.37 (d, J = 2.0 Hz, 1H)F AB-MS m/z=423, 421 (M++1)
【0054】参考例7:化合物Gの合成 文献記載の方法[例えば、ジャーナル・オブ・メディシ
ナル・ケミストリー(J. Med. Chem.)、43巻、4025-40
40頁(2000年)等]に準じて得られた4-(4-ブロモフェ
ニルチオ)-3-ニトロ桂皮酸 (0.10 g, 0.26 mmol) をジ
メチルホルムアミド (5 mL) に溶解し、n-ヘプチルアミ
ン (0.10 mL, 0.67 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリア
ゾール (0.10 g, 0.75 mmol)、および3-(3-ジメチルア
ミノプロピル)-1-エチルカルボジイミド塩酸塩 (0.40
g, 0.34 mmol) を加え、室温で1時間攪拌後,通常の処理
を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサ
ン:酢酸エチル=3:1) で精製し、化合物G (0.058 g,
収率48%) を得た。1 H NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.88 (t, J = 6.8 H
z, 3H), 1.28-1.31 (m,10H), 3.35 (d, J = 6.8 Hz, 1
H), 3.40 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.61 (m, 1H),6.41
(d, J = 15.5 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.
43-7.46 (m, 3H),7.53-7.64 (m, 3H), 8.37 (d, J = 2.
0 Hz, 1H) APCI-MS m/z=477, 475 (M-−1)
【0055】参考例8:化合物Hの合成 <工程1>参考例5で得られた化合物E (0.36 g, 1.0 m
mol) をアセトン (20 mL) に溶解し、氷冷下、3塩化チ
タン (5.0 mL, 20%水溶液) を加え、室温まで昇温し、
室温で3時間攪拌した。反応液を通常の処理に付し、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム:メ
タノール=19:1) で精製し、アミノ体 (0.18 g,収率54
%) を得た。 APCI-MS m/z=327 (M++1)
【0056】<工程2>工程1で得られたアミノ体 (0.
33 g, 1.0 mmol) を塩化メチレン (20 mL) に溶解し、
氷冷下、塩化3,4-ジクロロベンゾイル (0.31 mg, 1.5 m
mol) およびトリエチルアミン (1 mL) を加え、室温ま
で昇温し、室温で3時間攪拌した。反応液を通常の処理
に付し、分取薄層クロマトグラフィー (クロロホルム:
メタノール=19:1) で精製し、化合物H (0.19 g, 収
率37%) を得た。1 H NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.92 (t, J = 7.4 H
z, 3H), 1.47-1.60 (m,2H), 2.29 (s, 3H), 3.27 (q, J
= 6.5 Hz, 2H), 5.67 (m, 1H), 6.33 (d, J =15.5 Hz,
1H), 7.04-7.13 (m, 4H), 7.29 (d, J = 8.5 Hz, 1H),
7.48 (dd, J =1.9, 8.5 Hz, 1H), 7.55(d, J = 8.3 H
z, 1H), 7.75 (dd, J = 2.2, 8.3 Hz, 1H), 7.96-8.04
(m, 3H), 8.36 (brs, 1H) APCI-MS m/z=497 (M-−1) 参考例で得られた化合物(II)を第3表に示す。
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】本発明により、テロメラーゼ阻害活性を
有し、抗腫瘍剤等の医薬品として有用なフェニルスルフ
ィド誘導体またはその薬理学的に許容される塩が提供さ
れる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61P 35/00 43/00 111 43/00 111 C07C 317/50 C07C 317/50 (72)発明者 浅井 章良 アメリカ合衆国 カリフォルニア州92122 サン・ディエゴ シャーマント ドライ ブ 7565番地 (72)発明者 山下 順範 静岡県駿東郡長泉町下土狩1188 協和醗酵 工業株式会社医薬総合研究所内 Fターム(参考) 4C206 AA01 AA02 AA03 DA21 DB20 GA07 KA01 MA01 MA04 NA14 ZB26 ZC20 4H006 AA01 AA03 AB28 TA01 TA03 TB12 TB57

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中、R1は、ニトロ、シアノ、アミノ、置換もしく
    は非置換のアロイルアミノ、低級アルカノイルアミノ、
    または−COR1a(式中、R1aは、水素、ヒドロキシ、
    置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置
    換のアリール、低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、
    ジ低級アルキルアミノ、または置換もしくは非置換のア
    リールアミノを表す)を表し、R2は、−CR2a=CR
    2bCOR2c(式中、R2aおよびR2bは、同一または異な
    って、水素、または置換もしくは非置換の低級アルキル
    を表し、R2cは、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低
    級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級ア
    ルキルアミノ、置換もしくは非置換のアリールアミノ、
    または置換もしくは非置換の複素環基を表す)を表し、
    3は、置換もしくは非置換のアリールを表し、nは、
    1または2を表す]で表されるフェニルスルフィド誘導
    体またはその薬理学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 nが1であり、R1がニトロである請求
    項1記載のフェニルスルフィド誘導体またはその薬理学
    的に許容される塩。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のフェニルスルフ
    ィド誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成
    分として含有する医薬。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のフェニルスルフ
    ィド誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成
    分として含有するテロメラーゼ阻害剤。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載のフェニルスルフ
    ィド誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成
    分として含有する抗腫瘍剤。
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WO2004060859A3 (en) * 2002-12-20 2004-09-02 Abbott Lab Novel amides that activate soluble guanylate cyclase
JP2009519308A (ja) * 2005-12-15 2009-05-14 アストラゼネカ・アクチエボラーグ 呼吸器疾患の処置のための置換ジフェニルエーテル、アミン、スルフィドおよびメタン

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