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JP2003130206A - ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents

ロックアップクラッチの制御装置

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Publication number
JP2003130206A
JP2003130206A JP2001322726A JP2001322726A JP2003130206A JP 2003130206 A JP2003130206 A JP 2003130206A JP 2001322726 A JP2001322726 A JP 2001322726A JP 2001322726 A JP2001322726 A JP 2001322726A JP 2003130206 A JP2003130206 A JP 2003130206A
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JP
Japan
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condition
lockup clutch
clutch
lock
control mode
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Application number
JP2001322726A
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Yoshio Ito
良雄 伊藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の条件以外の条件をも加味して、ロック
アップクラッチの係合状態を制御することのできるロッ
クアップクラッチの制御装置を提供する。 【解決手段】 トルクコンバータに対して並列に配列さ
れるロックアップクラッチの係合状態を、第1の条件に
よって制御する第1の制御態様を選択することのできる
制御する装置において、第1の条件とは別の第2の条件
が成立するか否かを判断する第1の判断手段(ステップ
S1と、第1の判断手段(ステップS1)により、第2
の条件が成立すると判断された場合に、第1の条件およ
び第2の条件とは別の第3の条件が成立するか否かを判
断する第2の判断手段(ステップS3)と、第2の判断
手段(ステップS3)の判断結果に基づいて、第2の条
件に沿ってロックアップクラッチの係合状態を制御する
第2の制御態様を選択するか否かを判断する制御態様選
択手段(ステップS3,S4)を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、流体伝動装置に
対して並列に配置されているロックアップクラッチを制
御する制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】駆動力源の出力側に、流体伝動装置とロ
ックアップクラッチとを並列に配置した車両が知られて
いる。このような車両においては、ロックアップクラッ
チを解放して、入力回転部材と出力回転部材との間で流
体の運動エネルギにより動力伝達をおこなう状態にすれ
ば、駆動力源のトルク変動が、入力回転部材と出力回転
部材との滑りにより吸収もしくは緩和されて、駆動力源
のトルク変動が出力回転部材に伝達されることを抑制で
きる。これに対して、ロックアップクラッチを係合させ
ると、入力回転部材と出力回転部材との間で、摩擦力に
より動力伝達がおこなわれるために、入力回転部材から
出力回転部材に伝達される動力の損失を抑制できる。
【0003】このように、流体伝動装置と並列に配置さ
れているロックアップクラッチを制御する装置の一例
が、特開平5−332431号公報に記載されている。
この公報においては、エンジンから出力されたトルク
が、フルードカップリング(流体伝動装置)、前後進切
り換え機構、無段変速機、差動装置を経由して駆動輪に
伝達されるように構成されている。また、フルードカッ
プリングと並列にロックアップクラッチが設けられてい
る。さらに、スロットル開度、車速を検知するととも
に、その検知結果に基づいて、ロックアップクラッチを
制御するコントロールユニットが設けられている。
【0004】そして、車両の発進時において、複数の事
項、具体的には、スロットル開度が所定値以上であり、
エンジン回転速度が所定値以上であり、かつ、車速が所
定値以下であることにより、所定条件が成立している場
合は、ロックアップクラッチを所定時間係合させる制御
がおこなわれる。このような制御をおこなうことによ
り、一時的にエンジン回転数の上昇が停止されて、エン
ジンのイナーシャに消費されるトルク分をほぼ“零”に
することができ、したがって、駆動輪に伝達される駆動
力が実質的に増大し、発進性が向上するとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、流体伝動装
置としてトルクコンバータが用いられている場合に、ロ
ックアップクラッチが解放されている状態では、入力回
転部材から出力回転部材に伝達されるトルクを増幅する
ことができる。しかしながら、上記公報においては、車
両の発進時に所定条件が成立した場合は、この他の条件
に関わりなく、ロックアップクラッチが係合されるた
め、他の条件とロックアップクラッチの係合状態とが適
合しなくなり、車両の走行性が低下する問題があった。
【0006】この発明は、上記事情を背景としてなされ
たものであり、所定の条件以外の条件をも加味して、ロ
ックアップクラッチの係合状態を制御することのできる
ロックアップクラッチの制御装置を提供することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために請求項1の発明は、流体伝動装置に
対して並列に配列されるロックアップクラッチの係合状
態を、第1の条件によって制御する第1の制御態様を選
択することのできる制御するロックアップクラッチの制
御装置において、前記第1の条件とは別の第2の条件が
成立するか否かを判断する第1の判断手段と、この第1
の判断手段により、前記第2の条件が成立すると判断さ
れた場合に、前記第1の条件および第2の条件とは別の
第3の条件が成立するか否かを判断する第2の判断手段
と、この第2の判断手段の判断結果に基づいて、“前記
第2の条件によって前記ロックアップクラッチの係合状
態を制御する第2の制御態様を選択するか否か”を判断
する制御態様選択手段を備えていることを特徴とするも
のである。
【0008】請求項1の発明によれば、第2の条件が成
立する場合でも、第3の条件が成立しない場合は、第2
の制御態様が選択されない。したがって、ロックアップ
クラッチの係合状態を制御する制御態様が、第3の条件
に適合させられる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記第3の条件に、前記流体伝動装置および前記ロ
ックアップクラッチに動力を伝達する駆動力源の負荷に
関連する物理量が含まれていることを特徴とするもので
ある。
【0010】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じる他に、ロックアップクラッチの係
合状態が、駆動力源の負荷に関連する物理量に適合させ
られる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記第3の条件に、前記ロックアップクラッチの係
合状態を制御する場合の応答性に関連する物理量が含ま
れていることを特徴とするものである。
【0012】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じる他に、ロックアップクラッチを制
御する場合の応答性に関連する物理量に基づいて、ロッ
クアップクラッチの係合状態が制御される。
【0013】請求項4の発明は、請求項1の構成に加え
て、前記第3の条件に、前記ロックアップクラッチの耐
久性に関連する物理量が含まれていることを特徴とする
ものである。
【0014】請求項4の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用が生じる他に、ロックアップクラッチの耐
久性に関連する物理量に基づいて、ロックアップクラッ
チの係合状態が制御される。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明を適用すること
のできる車両の構成を図3に基づいて説明する。図3に
示された車両1においては、駆動力源2と車輪3との間
の動力伝達経路に、流体伝動装置としてのトルクコンバ
ータ4および変速機5が設けられている。まず、駆動力
源2としては、エンジンまたは電動機のうちの少なくと
も一方を用いることができる。エンジンは、燃料を燃焼
させて動力を出力する形式の動力装置である。このエン
ジンとしては、内燃機関、例えば、ガソリンエンジン、
LPGエンジン、ディーゼルエンジン、メタノールエン
ジン、水素エンジンなどを用いることができる。以下、
駆動力源2としてエンジンを用いた場合について説明す
る。したがって、駆動力源2に代えて、便宜上、“エン
ジン2”と記す。
【0016】前記トルクコンバータ4は、エンジン2側
に連結された回転部材6と、変速機5側に連結された回
転部材7との間で、流体の運動エネルギにより動力の伝
達をおこなうものである。このトルクコンバータ4は、
回転部材6側に連結されたポンプインペラ8と、回転部
材7側に連結されたタービンランナ9と、ステータ10
とを有している。また、トルクコンバータ4と並列に、
ロックアップクラッチ11が設けられている。ロックア
ップクラッチ11は、回転部材6と回転部材7との間
で、摩擦力により動力の伝達をおこなうものである。こ
のロックアップクラッチ11は、その係合圧を制御する
ことにより、回転部材6と回転部材7との間で伝達され
るトルクの容量が変化する。
【0017】また、前記変速機5としては、マニュアル
変速機能または自動変速機能の少なくとも一方を備えた
変速機を用いることができる。マニュアル変速機能を備
えた変速機とは、変速機5の入力側に連結された回転部
材7の回転速度と、変速機5の出力側の回転部材12の
回転速度との比、すなわち変速比を、運転者による変速
比選択装置の操作状態に基づいて、変更することのでき
る変速機を意味している。これに対して、自動変速機能
を備えた変速機とは、前記変速比を、変速比選択装置の
操作状態以外の条件に基づいて、自動的に制御すること
のできる変速機を意味している。
【0018】また、変速機5としては、無段変速機また
は有段変速機のいずれを用いてもよい。無段変速機と
は、前記変速比を連続的もしくは無段階に制御すること
のできる変速機を意味している。この無段変速機として
は、ベルト式無段変速機とトロイダル式無段変速機とが
挙げられる。一方、有段変速機とは、前記変速比を、不
連続もしくは段階的に制御することのできる変速機を意
味している。有段変速機としては、選択歯車式変速機、
遊星歯車式変速機などが挙げられる。
【0019】上記のロックアップクラッチ11および変
速機5を制御する油圧制御装置13が設けられている。
油圧制御装置13は、オイルポンプから吐出されるオイ
ルが供給される油圧回路(図示せず)、および油圧回路
に配置された電磁弁(図示せず)などを有している。こ
の油圧制御装置13により、ロックアップクラッチ11
の係合状態、および変速機5の変速比などが制御され
る。ロックアップクラッチ11の係合状態は、具体的に
は、ロックアップクラッチ11に供給される油圧に応じ
て制御される。
【0020】さらに、エンジン2および変速機5ならび
にロックアップクラッチ11を制御するコントローラと
して、電子制御装置14が設けられている。電子制御装
置14は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置
(ROM、RAM)ならびに入出力インタフェースを主
体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
この電子制御装置14には、アクセル開度センサ15の
信号、回転部材7の回転数を検知する入力回転数センサ
16の信号、回転部材12の回転数を検知する出力回転
数センサ17の信号、ブレーキスイッチ18の信号、ス
ロットル開度センサ19の信号、重量検知センサ20の
信号、トーイング検知センサ21の信号、登坂路検知セ
ンサ22の信号、油温センサ23の信号、ロックアップ
クラッチ温度検知センサ24の信号、エンジン回転数セ
ンサ25の信号、渋滞検知センサ26の信号、シフトポ
ジションセンサ27の信号などが入力される。
【0021】出力回転数センサ17の信号に基づいて、
車両1の走行速度(車速)が判断され、アクセル開度セ
ンサ15およびスロットル開度センサ19の信号に基づ
いて、エンジン負荷が判断される。重量検知センサ20
は、車両1の全重量、乗員の体重、積載荷物の重量など
を検知するものである。油温センサ23は、油圧制御装
置13の油圧回路に供給されるオイルの温度を検知する
ものである。渋滞検知センサ26は、車両1が走行する
道路の渋滞状況を検知するものである。トーイング検知
センサ21は、車両1が他の車両を牽引して走行する状
態であるか否かを検知するものである。ロックアップク
ラッチ温度検知センサ24は、ロックアップクラッチ1
1の温度を検知するものである。
【0022】シフトポジションセンサ27は、変速機5
を制御するシフトポジションの選択状態を検知するもの
であり、車両1を前進させるトルクを変速機5から出力
することができる前進ポジション、車両1を後進(後
退)させるトルクを変速機5から出力することのできる
後進ポジション、車両1を走行させるトルクを変速機5
から出力することのできない非駆動ポジションなどが検
知される。つまり、シフトポジションが前進ポジション
または後進ポジションにある場合は、車両1が発進する
可能性がある。なお、電子制御装置14は、各種のセン
サやスイッチの信号が、正常であるか否かを判断する機
能を有している。
【0023】電子制御装置14には、エンジン出力を制
御するためのエンジン制御データ、ロックアップクラッ
チ11を制御するためのロックアップクラッチ制御デー
タ、変速機5を制御するための変速制御データなどが記
憶されている。
【0024】そして、電子制御装置14に記憶されてい
るデータおよび電子制御装置14に入力される信号に基
づいて、エンジン2の出力およびロックアップクラッチ
11の係合状態ならびに変速機5の変速比などが制御さ
れる。
【0025】この実施の形態において、“ロックアップ
クラッチ11の係合状態”には、ロックアップクラッチ
11の係合・解放・スリップが含まれている。つまり、
“ロックアップクラッチ11の係合状態を制御”とは、
ロックアップクラッチ11の係合圧もしくはロックアッ
プクラッチ11のトルク容量を制御することを意味す
る。
【0026】つぎに、ロックアップクラッチ11の係合
状態の制御について、具体的に説明する。まず、ロック
アップクラッチ11が解放された場合は、回転部材6と
回転部材7との間で、流体の運動エネルギにより動力の
伝達がおこなわれる。ロックアップクラッチ11が解放
された場合は、回転部材6と回転部材7との間におい
て、回転速度差が生じることが許容される。なお、ロッ
クアップクラッチ11が解放されると、回転部材6と回
転部材7との速度比が所定の範囲にある状態(いわゆ
る、トルクコンバータレンジ)において、回転部材6と
回転部材7との間で伝達されるトルクが、ステータ10
の機能により増幅される。
【0027】これに対して、ロックアップクラッチ11
が係合された場合は、ポンプインペラ8とタービンラン
ナ9との間で、ロックアップクラッチ11の摩擦力(係
合力)により動力の伝達がおこなわれる。なお、ロック
アップクラッチ11が係合された場合は、回転部材6と
回転部材7とが一体回転する。
【0028】一方、ロックアップクラッチ11のスリッ
プとは、ロックアップクラッチ11の係合圧が、解放状
態よりも高く、かつ、係合状態よりも低い状態に制御さ
れて発生する状態である。つまり、ロックアップクラッ
チ11を構成する摩擦部材同士が接触しているが、回転
部材6と回転部材7との間で、所定の回転速度差が生じ
る。したがって、ロックアップクラッチ11の摩擦力、
および流体の運動エネルギの両方により、回転部材6と
回転部材7との間で動力の伝達がおこなわれる。
【0029】なお、この実施の形態において、“第2の
制御態様を選択する”には、第2の制御態様を新規に選
択する場合と、第2の制御態様を既に選択しており、そ
の第2の制御態様を継続する場合とが含まれる。また、
“否”には、既に選択している第2の制御態様を中止す
る場合と、または、第2の制御態様を新規に選択するこ
とを禁止する場合とが含まれる。なお、形式的に第2の
制御態様が選択されたとしても、その制御態様に基づい
てロックアップクラッチの係合・解放・スリップを実行
しない限り、実質的に、第2の制御態様を選択したこと
にはならない。
【0030】
【実施例】つぎに、図3に示す車両1において、ロック
アップクラッチ11の係合状態を制御するための“ロッ
クアップクラッチ制御データ”について説明する。図2
には、ロックアップクラッチ制御データの一例であるマ
ップが示されている。図2に示すマップにおいては、車
速とスロットル開度(またはアクセル開度)との対応関
係に基づいて、ロックアップクラッチ11の係合状態が
設定されている。なお、図2においては、便宜上、ロッ
クアップクラッチ11の係合と解放とが示されており、
スリップについては省略している。
【0031】図2には、通常走行用の制御態様(第1の
制御態様)と発進・再加速時用の制御態様(第2の制御
態様)とが、併合して示されている。まず、第1の制御
態様は係合領域B1および解放領域B2を有している。
係合領域B1と解放領域B2とは、実線A1および破線
A2により区画されている。実線A1は破線A2よりも
高車速側に設定されている。実線A1は、解放されてい
るロックアップクラッチ11を係合させる場合に用いる
基準である。例えば、車速およびスロットル開度が、実
線A1よりも左側にある場合は、ロックアップクラッチ
11が解放されている。この状態から、車速およびスロ
ットル開度が実線A1よりも右側に変化した場合は、ロ
ックアップクラッチ11が係合(オン)される。
【0032】つぎに、係合されているロックアップクラ
ッチ11を解放させる場合は、破線A2が用いられる。
車速およびアクセル開度が、係合領域B1にある状態か
ら、実線A1を越えただけでは、係合されているロック
アップクラッチ11が解放されることはない。すなわ
ち、破線A2よりも左側の領域まで、車速およびスロッ
トル開度が変化した場合に、係合されているロックアッ
プクラッチ11が解放(オフ)される。なお、実線A1
の右側の領域は、実線A1の左側の領域よりも高車速で
ある。また、破線A2の右側の領域は、破線A2の左側
の領域よりも高車速である。
【0033】このように、実線A1と破線A2との間
に、所定のヒステリシスを設けた理由は、車速およびス
ロットル開度が、実線A1付近で微妙に変化した場合
に、ロックアップクラッチ11の係合と解放とが交互
に、かつ、頻繁に切り換えられる現象、いわゆるハンチ
ングを防止するためである。なお、図2に示され、か
つ、実線A1および破線A2で区画されたスロットル開
度および車速が、第1の条件である。そして、この第1
の条件に対応して設定されている係合領域B1および解
放領域B2が、第1の制御態様である。
【0034】一方、前記第2の制御態様は、所定のスロ
ットル開度に対応する一点鎖線C1以下のスロットル開
度領域において、係合領域B1に相当する車速未満でロ
ックアップクラッチ11を係合させる係合領域D1を有
している。この係合領域D1は、車両1の発進時、また
は、車速が係合領域B1にある状態から減速され、つい
で、再加速された場合にロックアップクラッチ11を係
合するためのものである。すなわち、車速が係合領域B
1にある状態から減速されて、破線A2よりも左側(低
速側)まで車速が低下してロックアップクラッチ11が
一旦解放された場合でも、再度加速された場合は、車速
が係合領域B1に対応する車速未満であっても、ロック
アップクラッチ11が係合される。
【0035】また、係合領域D1に対応して、係合され
ているロックアップクラッチ11を解放させる場合の基
準となる二点鎖線C2が設定されている。二点鎖線C2
は一点鎖線C1よりも高開度側に設定されている。この
ため、係合領域D1に対応してロックアップクラッチ1
1が係合されている場合は、スロットル開度が二点鎖線
C2を越える状態まで高開度になった場合に、ロックア
ップクラッチ11が解放される。このように、一点鎖線
C1と二点鎖線C2との間にヒステリシスを設定した理
由は、車速およびスロットル開度が、一点鎖線C1付近
で微妙に変化した場合に、前記ロックアップクラッチ1
1のハンチングを防止するためである。
【0036】なお、図2に示され、かつ、一点鎖線C1
および二点鎖線C2で区画された車速およびスロットル
開度が、第2の条件であり、第2の条件に対応して設定
された係合領域D1および解放領域B2が、第2の制御
態様である。すなわち、前述した第1の条件と、この第
2の条件とでは、パラメータ自体(車速およびスロット
ル開度)の質は同じであるが、その程度が異なる。
【0037】つぎに、ロックアップクラッチ11の係合
状態を制御する場合に、第2の制御態様を選択するか否
かを判断する方法を、図1のフローチャートに基づいて
説明する。まず、ステップS1においては、“車両1が
停止状態から発進する状態であるか”または“車両1が
走行中に減速し、ついで、再加速する状態であるか”が
判断される。このステップS1の判断は、シフトポジシ
ョンセンサ27の信号、および、車速およびスロットル
開度が、前記の係合領域D1にあるか否かに基づいてお
こなうことができる。
【0038】ステップS1で肯定的に判断された場合
は、図3に示されている各種のセンサおよびスイッチの
信号が、正常であるか否かが判断される(ステップS
2)。このステップS2で肯定的に判断された場合は、
ロックアップクラッチ11の係合状態を制御するため
に、第2の制御態様を選択するための“選択条件(第3
の条件)”が成立しているか否かが判断される(ステッ
プS3)。このステップS3で用いられる選択条件の成
立の有無は、エンジン1の負荷に関連する物理量と、ロ
ックアップクラッチ11の係合状態を制御する場合の応
答性に関連する物理量と、ロックアップクラッチ11の
耐久性に関連する物理量とに基づいて判断される。
【0039】エンジン負荷に関連する物理量としては、
例えば、重量検知センサ20により検知される荷物積載
量が所定量以下であること、登坂路検知センサ22によ
り検知される道路勾配が所定角度以下であること、トー
イング検知センサ21により検知される牽引状態が所定
負荷以下であることなどの事項が挙げられる。このよう
な事項が発生するということは、エンジン負荷が高いこ
とになる。したがって、ロックアップクラッチ11を係
合させておく時間を可及的に減らして、トルクコンバー
タ4によるトルク増幅機能を発揮させることが望まし
い。
【0040】また、ロックアップクラッチ11の係合状
態を制御する場合の応答性に関連する物理量としては、
例えば、油温センサ23により検知されるオイルの温度
が、第1の所定温度以上であり、かつ、第2の所定温度
よりも高温の第2の所定温度以下であることなどの事項
が挙げられる。オイルの温度が第1の所定温度以下であ
る場合は、オイルの粘度が高くなるために、ロックアッ
プクラッチ11の制御応答性が低下する可能性がある。
また、オイルの温度が第2の所定温度よりも高温である
場合は、オイルの粘度が低下するために、油圧回路の隙
間などからオイルが漏れて、ロックアップクラッチ11
の制御応答性が低下する可能性がある。したがって、こ
のような事項の少なくとも1つが発生している場合は、
ロックアップクラッチ11を係合させておく時間を、可
及的に減らすことが望ましい。
【0041】さらに、ロックアップクラッチ11の耐久
性に関連する物理量としては、ロックアップクラッチ1
1の温度が所定温度以下であること、道路が渋滞してい
ないことなどが挙げられる。ロックアップクラッチ11
の温度が所定温度以上であるということは、ロックアッ
プクラッチ11が摩擦熱により耐久性が低下する可能性
がある。また、道路が渋滞している場合は、車速が頻繁
に変化してロックアップクラッチ11の係合・解放が繰
り返されて、ロックアップクラッチ11が摩耗して耐久
性が低下する可能性がある。したがって、このような事
項の少なくとも1つが発生している場合は、ロックアッ
プクラッチ11を係合させておく時間を、可及的に減ら
すことが望ましい。
【0042】このような事情に基づいて、上記の各事項
のうち、1つの事項も発生していなければ、ステップS
3で肯定的に判断されて、第2の制御態様を選択するこ
とが許可され(ステップS4)、リターンする。これに
対して、少なくとも1つの事項が発生していた場合は、
ステップS3で否定的に判断されてリターンする。つま
り、図2に示す第2の制御態様は選択されない。なお、
前記ステップS2で否定的に判断された場合も、そのま
まリターンする。
【0043】一方、上記ステップS4を経由してリター
ンされ、その後、前記ステップS1で否定的に判断され
た場合は、車速およびスロットル開度が、係合領域B1
に移行したか否かが判断される(ステップS5)。この
ステップS5で肯定的に判断された場合は、第2の制御
態様に基づくロックアップクラッチ11の制御を終了し
(ステップS6)、リターンされる。つまり、第1の制
御態様が選択され、この第1の制御態様に基づいて、ロ
ックアップクラッチ11が係合される。このように第1
の制御態様に基づいて、ロックアップクラッチ11を係
合する場合は、ステップS3で述べた事項の少なくとも
1つが発生した場合でも、ロックアップクラッチ11の
係合が継続される。これに対して、ステップS5で否定
的に判断された場合は、リターンする。つまり、車速お
よびスロットル開度が、第1の制御態様のうち、解放領
域B2にあることになる。
【0044】以上のように、この実施例によれば、車速
およびスロットル開度が係合領域D1にあるでも、ステ
ップS3で述べた選択条件が成立しない場合は、第2の
制御態様は選択されない。したがって、ロックアップク
ラッチ11の係合状態が、ステップS3で述べた各事項
に適合させられる。具体的には、駆動力不足を抑制する
ことができ、ドライバビリティが向上するとともに、ロ
ックアップクラッチ11の応答性の低下を抑制すること
ができ、さらには、ロックアップクラッチ11の耐久性
が低下することを抑制できる。
【0045】なお、図2に示すマップにおいては、ロッ
クアップクラッチ11の係合領域・解放領域が設定され
ているが、係合領域D1をロックアップクラッチのスリ
ップ領域とし、このスリップ領域に基づく第2の制御態
様を選択するか否かを、図1に示すフローチャートに基
づいて判断することもできる。
【0046】ここで、図3に示された構成とこの発明の
構成との対応関係を説明すれば、エンジンおよび電動機
が、この発明の駆動力源に相当し、トルクコンバータ1
がこの発明の流体伝動装置に相当する。また、図1に示
された機能的手段と、この発明との対応関係を説明すれ
ば、ステップS1が、この発明の第1の判断手段に相当
し、ステップS3が、この発明の第2の判断手段に相当
し、ステップS3,S4およびリターンが、この発明の
制御態様選択手段に相当する。
【0047】また、図2のマップにおいて、実線A1、
破線A2で区画される車速およびスロットル開度が、こ
の発明の第1の条件に相当し、一点鎖線C1、二点鎖線
C2で区画される車速およびスロットル開度が、この発
明の第2の条件に相当する。また、実線A1、破線A2
で区画される係合領域B1および解放領域B2が、この
発明の第1の制御態様に相当し、一点鎖線C1、二点鎖
線C2で区画される係合領域D1および解放領域B2
が、この発明の第2の制御態様に相当し、ステップS3
で述べた選択条件が、この発明の第3の条件に相当す
る。
【0048】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
第2の条件が成立する場合でも、第3の条件が成立しな
い場合は、第2の制御態様が選択されない。したがっ
て、ロックアップクラッチの係合状態の制御に用いされ
る制御態様として、第3の条件に適合したものが選択さ
れる。
【0049】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られる他に、ロックアップクラッチの
係合状態が、駆動力源の負荷に関連する物理量に適合さ
せられる。したがって、車両の駆動力不足が抑制され、
ドライバビリティが向上する。
【0050】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られる他に、ロックアップクラッチを
制御する場合の応答性に関連する物理量に基づいて、ロ
ックアップクラッチの係合状態が制御される。
【0051】請求項4の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られる他に、ロックアップクラッチの
耐久性に関連する物理量に基づいて、ロックアップクラ
ッチの係合状態が制御される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を示すフローチャートであ
る。
【図2】 図1のフローチャートで選択されるマップの
例である。
【図3】 この発明を適用することのできる車両の概念
図である。
【符号の説明】
4…トルクコンバータ、 11…ロックアップクラッ
チ、 2…エンジン、14…電子制御装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体伝動装置に対して並列に配列される
    ロックアップクラッチの係合状態を、第1の条件によっ
    て制御する第1の制御態様を選択することのできる制御
    するロックアップクラッチの制御装置において、 前記第1の条件とは別の第2の条件が成立するか否かを
    判断する第1の判断手段と、 この第1の判断手段により、前記第2の条件が成立する
    と判断された場合に、前記第1の条件および第2の条件
    とは別の第3の条件が成立するか否かを判断する第2の
    判断手段と、 この第2の判断手段の判断結果に基づいて、前記第2の
    条件によって前記ロックアップクラッチの係合状態を制
    御する第2の制御態様を選択するか否かを判断する制御
    態様選択手段を備えていることを特徴とするロックアッ
    プクラッチの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第3の条件に、前記流体伝動装置お
    よび前記ロックアップクラッチに動力を伝達する駆動力
    源の負荷に関連する物理量が含まれていることを特徴と
    する請求項1に記載のロックアップクラッチの制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第3の条件に、前記ロックアップク
    ラッチの係合状態を制御する場合の応答性に関連する物
    理量が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の
    ロックアップクラッチの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第3の条件に、前記ロックアップク
    ラッチの耐久性に関連する物理量が含まれていることを
    特徴とする請求項1に記載のロックアップクラッチの制
    御装置。
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