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JP2003128913A - 難燃性ポリアミド樹脂組成物、およびその成形品 - Google Patents

難燃性ポリアミド樹脂組成物、およびその成形品

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Publication number
JP2003128913A
JP2003128913A JP2001329586A JP2001329586A JP2003128913A JP 2003128913 A JP2003128913 A JP 2003128913A JP 2001329586 A JP2001329586 A JP 2001329586A JP 2001329586 A JP2001329586 A JP 2001329586A JP 2003128913 A JP2003128913 A JP 2003128913A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
polyamide resin
flame
weight
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001329586A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Sawada
雅博 沢田
Yoshimasa Ogo
佳正 小合
Manabu Mizutani
学 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2001329586A priority Critical patent/JP2003128913A/ja
Publication of JP2003128913A publication Critical patent/JP2003128913A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 成分(A)としてポリアミド樹脂、成分
(B)として臭素含有難燃剤、成分(C)として亜鉛含
有複合酸化物、成分(D)としてアンチモン含有化合物
を含んでなる難燃性ポリアミド樹脂組成物であって、前
記成分(A)のポリアミド樹脂を構成する繰り返し単位
について、ジアミン由来繰り返し単位が、炭素数6〜1
2の脂肪族ジアミン由来繰り返し単位であり、ジカルボ
ン酸由来繰り返し単位が、全ジカルボン酸由来繰り返し
単位の合計モル数を基準として、テレフタル酸由来の繰
り返し単位が、40〜100モル%、並びに、それ以外
のジカルボン酸由来繰り返し単位が、0〜60モル%で
あることを特徴とする、難燃性ポリアミド樹脂組成物。 【効果】 本発明に係る難燃性ポリアミド樹脂組成物
は、耐熱性、低吸水性、難燃性、及び耐トラッキング性
に優れており、そのため、特に電気部品や電子部品の用
途の成形品材料として好適に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂、
ポリアミド樹脂組成物及びその成形品に関する。本発明
は、より詳細には、特に、電気用部品や電子用部品の用
途の成形品材料に好適な、耐熱性、低吸水性、難燃性、
および耐トラッキング性に優れるポリアミド樹脂組成
物、及び、その成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアミドとしては6ナイロン、
66ナイロンなどが広く知られている。これらの脂肪族
ポリアミドは優れた成形性を有するため、自動車部品、
電気・電子部品、機械部品などに広く用いられている。
一般に、高耐熱ポリアミド樹脂の開発が盛んであり、6
ナイロンなどを含む高耐熱樹脂組成物などが実用化され
ているが、これらは、耐熱変形温度が充分とはいえなか
った。また、一方で、高耐熱ポリアミドとしてナイロン
46が知られているが、その耐熱変形温度は、従来のポ
リアミドより高いものの、吸水率が高いという問題があ
った。
【0003】このような状況下、本出願人は、特許29
04859号において、(a)ジカルボン酸成分単位
が、テレフタル酸成分単位52〜58モル%および脂肪
族ジカルボン酸成分単位48〜42モル%からなり、
(b)ジアミン成分単位が、脂肪族アルキレンジアミン
成分単位および/または脂環族アルキレンジアミン成分
単位からなり、かつ、濃硫酸中25℃で測定した極限粘
度[η]が0.5〜3.0dl/gの範囲にある芳香族
ポリアミドと、繊維状充填剤とを含有するポリアミド樹
脂組成物を提案している。該ポリアミド樹脂組成物は耐
熱性、耐水性、機械的強度、耐衝撃性等に比較的優れて
いるため、自動車部品、電気・電子部品等の成形材料に
広く使用されている。
【0004】ところで、電流遮断器やコンタクタなどの
高電圧に対する耐久性を必要とする電気部品は、人の注
意が行き届かない状態で使用する電気装置であり、また
負荷が連続してかかる部品であるため、安全性に対して
十分考慮する必要がある。
【0005】このような安全性に対する基準として、例
えば、次のようなものが挙げられる。すなわち、UL
94に準拠する垂直燃焼試験において難燃性がV−0で
あり、UL 746Aに準拠する比較トラッキング指数
に関する試験において、比較トラッキング指数(CT
I)が600V以上、すなわち動作レベル範囲(PL
C)が0であることが要求されている。
【0006】このような条件を満たすポリアミド組成物
についての検討は、これまでなされてきているが、必ず
しも、充分な耐熱性を有し、かつ、上記条件を満たすポ
リアミド組成物が提供されてきたわけではなかった。例
えば、特開平5−9379号及び特開平11−1721
01号では、上記難燃性試験による難燃性がV−0であ
るポリアミド樹脂組成物が提案されてはいるが、CTI
については、何れも、600V未満、すなわち、PLC
が1又は2であった。
【0007】また、国際公開公報WO98/14510
号では、アンチモン酸ナトリウム、ホウ酸亜鉛、および
臭素系難燃剤からなる着色安定性に優れる難燃性ポリア
ミド樹脂が記載されており、上記難燃性試験でV−Oを
達成し、および滞留安定性に優れることについて記載さ
れているが、本発明者が試験した結果、CTI値が低い
ため高電圧部品に使用する場合、用途が限定される可能
性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決しようとするものであって、特に電気用
部品や電子用部品の用途の成形品材料に好適な、耐熱
性、低吸水性、難燃性および耐トラッキング性に優れる
ポリアミド樹脂組成物、およびその成形品を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を克服するために、難燃性ポリアミド樹脂組成物を構
成する成分について更に詳しく検討した結果、特に電気
用部品や電子用部品の用途の成形品材料に好適な、耐熱
性、低吸水性、難燃性および耐トラッキング性に優れる
本出願に係る難燃性ポリアミド樹脂組成物に関する発明
を完成するに至った。本発明は、以下の[1]〜[1
0]に記載した事項により特定される。
【0010】[1] 成分(A)として、ポリアミド樹
脂、成分(B)として、臭素含有難燃剤、成分(C)と
して、亜鉛含有複合酸化物、成分(D)として、アンチ
モン含有化合物、を含んでなる難燃性ポリアミド樹脂組
成物であって、前記成分(A)のポリアミド樹脂の分子
を構成する繰り返し単位について、ジアミン由来繰り返
し単位が、炭素数6〜12の脂肪族ジアミン由来繰り返
し単位であり、ジカルボン酸由来繰り返し単位が、全ジ
カルボン酸由来繰り返し単位の合計モル数を基準とし
て、テレフタル酸由来の繰り返し単位が、40〜100
モル%、並びに、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸由来繰り返し単位、及び/又は、炭素数4〜20の脂
肪族ジカルボン酸由来繰り返し単位が、0〜60モル%
であることを特徴とする、難燃性ポリアミド樹脂組成
物。
【0011】[2] 成分(A)として、ポリアミド樹
脂、成分(B)として、臭素含有難燃剤、成分(C)と
して、亜鉛含有複合酸化物、成分(D)として、アンチ
モン含有化合物に加え、さらに、成分(E)として、繊
維状充填材、及び/又は、成分(F)として、脂肪族ポ
リアミドを含んでなる難燃性ポリアミド樹脂組成物であ
って、前記成分(A)のポリアミド樹脂の分子を構成す
る繰り返し単位について、ジアミン由来繰り返し単位
が、炭素数6〜12の脂肪族ジアミン由来繰り返し単位
であり、ジカルボン酸由来繰り返し単位が、全ジカルボ
ン酸由来繰り返し単位の合計モル数を基準として、テレ
フタル酸由来の繰り返し単位が、40〜100モル%、
並びに、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸由来繰
り返し単位、及び/又は、炭素数4〜20の脂肪族ジカ
ルボン酸由来繰り返し単位が、0〜60モル%であるこ
とを特徴とする、難燃性ポリアミド樹脂組成物。
【0012】[3] 成分(A)〜成分(D)の組成比
が、成分(A)〜成分(D)の合計重量を基準として、
成分(A)のアミド樹脂が、20〜80重量%、成分
(B)の臭素含有難燃剤が、10〜40重量%、成分
(C)の亜鉛含有複合酸化物が、4〜10重量%、成分
(D)のアンチモン含有化合物が、0.5〜3重量%、
かつ、成分(A)〜成分(D)の合計が100重量%と
なるものであることを特徴とする、請求項1に記載した
難燃性ポリアミド樹脂組成物。
【0013】[4] 成分(A)〜成分(D)並びに成
分(E)及び/又は成分(F)の組成比が、成分(A)
〜成分(D)並びに成分(E)及び/又は成分(F)の
合計重量を基準として、成分(A)のアミド樹脂が、2
0〜80重量%、成分(B)の臭素含有難燃剤が、10
〜40重量%、成分(C)の亜鉛含有複合酸化物が、4
〜10重量%、成分(D)のアンチモン含有化合物が、
0.5〜3重量%、成分(E)の繊維状充填材が、0.
01〜60重量%、成分(F)の脂肪族ポリアミドが、
0.01〜10重量%、かつ、成分(A)〜成分(D)
並びに成分(E)及び/又は成分(F)の合計が100
重量%となるものであることを特徴とする、[2]に記
載した難燃性ポリアミド樹脂組成物。
【0014】[5] ASTM D648に準拠して、
荷重たわみ温度(荷重1.82MPa)を評価したとき
に、荷重たわみ温度が270℃〜330℃の性能を有す
ることを特徴とする、[1]乃至[4]の何れかに記載
した難燃性ポリアミド樹脂組成物。
【0015】[6] UL 94に準拠して、垂直燃焼
(厚さ1/32インチ試験片)を評価したときに、難燃
性がV−0の性能を有することを特徴とする、[1]乃
至[5]の何れかに記載した難燃性ポリアミド樹脂組成
物。
【0016】[7] UL 746Aに準拠して、比較
トラッキング指数に関する評価をしたときに、比較トラ
ッキング指数(CTI)の動作レベル範囲(PLC)が
0の性能を有することを特徴とする、[1]乃至[9]
の何れかに記載した難燃性ポリアミド樹脂組成物。
【0017】[8] [1]乃至[7]の何れかに記載
した難燃性ポリアミド樹脂組成物を含んでなる成形品。
【0018】[9] [1]乃至[7]の何れかに記載
した難燃性ポリアミド樹脂組成物を含んでなる成形品を
含んで構成される電気部品。
【0019】[10] [1]乃至[7]の何れかに記
載した難燃性ポリアミド樹脂組成物を含んでなる成形品
を含んで構成される電子部品。
【0020】
【発明の実施の態様】以下、本発明に係る難燃性ポリア
ミド樹脂組成物を構成するポリアミド樹脂、臭素含有難
燃剤、繊維状充填材、亜鉛含有複合酸化物、アンチモン
含有化合物、脂肪族ポリアミドについて具体的に説明
し、さらにその成形品、および電気・電子部品について
具体的に説明する。
【0021】[ポリアミド樹脂]本発明で使用するポリ
アミド樹脂の分子を構成する繰り返し単位は、ジアミン
由来繰り返し単位とジカルボン由来繰り返し単位を含ん
で構成される。
【0022】[ポリアミド樹脂のジアミン由来繰り返し
単位]本発明で使用するポリアミド樹脂(成分(A))
のジアミン由来繰り返し単位は、炭素数6〜12の脂肪
族ジアミン由来繰り返し単位であることを特徴とする。
【0023】[ポリアミド樹脂のジカルボン酸由来繰り
返し単位]本発明で使用するポリアミド樹脂(成分
(A))のジカルボン酸由来繰り返し単位は、全ジカル
ボン酸由来繰り返し単位の合計モル数を基準として、テ
レフタル酸由来の繰り返し単位が、40〜100モル
%、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸由来繰り返し
単位が、0〜60モル%であることを特徴とする。
【0024】[ポリアミド樹脂の製造で使用するジアミ
ン]本発明で使用するポリアミド樹脂のジアミン由来繰
り返し単位は、以下のようなジアミン成分由来のもので
ある。すなわち、本発明で使用するポリアミド樹脂の製
造で使用するジアミン成分は、炭素数6〜12からなる
脂肪族ジアミンを含んでなる。直鎖状の脂肪族ジアミン
の具体例としては、例えば、1,6−ジアミノヘキサ
ン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオク
タン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノ
ウンデカン、および1,12−ジアミノドデカンを挙げ
ることができる。これらの中では、1,6−ジアミノヘ
キサンが特に好ましい。また、本発明のジアミン成分
は、メチレン基、エチレン基等の側鎖を有していてもよ
く、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチ
ル−1,6−ジアミノヘキサン、2−メチル−1, 7
−ジアミノヘプタン、2−メチル−1,8−ジアミノオ
クタン、2−メチル−1,9−ジアミノノナン、2−メ
チル−1,10−ジアミノデカン、2−メチル−1,1
1−ジアミノウンデカン等が挙げられる。これらの中で
は、2−メチル−1,5−ジアミノペンタンが特に好ま
しい。上記ジアミン成分は、直鎖脂肪族ジアミン成分と
側鎖アルキル基を有する脂肪族ジアミン成分の各々を単
独で使用してもよく、これらのジアミンを任意の割合で
混合して使用することができる。
【0025】[ポリアミド樹脂の製造で使用するジカル
ボン酸]本発明で使用するポリアミド樹脂のジカルボン
酸由来繰り返し単位は、以下のようなジカルボン酸成分
由来のものである。すなわち、本発明で使用するポリア
ミド樹脂の製造で使用するジカルボン酸成分は、ジカル
ボン酸成分を100モル%ととした場合、テレフタル酸
成分単位40〜100モル%からなることを特徴として
いる。テレフタル酸と共に使用できる、他のジカルボン
酸成分として、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸、及び/又は、炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボ
ン酸が挙げられる。テレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
ン酸成分単位としては、たとえばイソフタル酸、2−メ
チルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、およびこ
れらの組み合わせなどが挙げられる。また、脂肪族ジカ
ルボン酸成分単位は、その炭素数を特に制限するもので
はないが、好ましくは4〜20、さらに好ましくは6〜
12の脂肪族ジカルボン酸から誘導される。このような
脂肪族ジカルボン酸成分単位を誘導するために用いられ
る脂肪族ジカルボン酸の例としては、たとえば、アジピ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン
ジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸およびドデカン
ジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、アジピ
ン酸が特に好ましい。
【0026】[テレフタル酸の比率]本発明において
は、ジカルボン酸成分を構成するジカルボン酸の全量を
100モル%とするとき、テレフタル酸は40〜100
モル%の量で含有され、テレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボン酸成分単位から誘導される構成単位は0〜60モ
ル%、および/または炭素原子数4〜20、好ましくは
4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分単位から誘導される
構成単位が0〜60モル%の量で含有することが好まし
い。また、本発明においては、上記のようなジカルボン
酸と共に、少量、たとえば10モル%以下程度の多価カ
ルボン酸が含まれていてもよい。このような多価カルボ
ン酸として具体的には、トリメリット酸およびピロメリ
ット酸等のような三塩基酸および多塩基酸を挙げること
ができる。
【0027】[ポリアミド樹脂の製造]本発明において
使用するポリアミド樹脂を製造するためには、上記のよ
うなジアミン成分とジカルボン酸成分とを加えて、触媒
の存在下に加熱することにより製造することができる。
また、この反応において、ジアミン成分の全モル数が、
ジカルボン酸成分の全モル数より多く配合されることが
好ましく、特に好ましくは全ジカルボン酸成分を100
モルとした時、全ジアミン成分が100〜120モルで
ある。この反応は、通常は不活性ガス雰囲気下で行なわ
れ、一般には反応容器内を窒素ガスなどの不活性ガスで
置換する。また、ポリアミドの重縮合反応を制御するた
めに、水を予め封入しておくことが望ましく、水に可溶
な有機溶媒、例えばメタノール、エタノールなどのアル
コール類が含有されていてもよい。
【0028】[触媒]本発明で使用するポリアミド樹脂
(A)を製造する際に用いられる触媒としては、リン
酸、その塩およびリン酸エステル化合物;亜リン酸、そ
の塩およびエステル化合物;並びに、次亜リン酸、その
塩およびエステル化合物を使用することができる。これ
らの中でも、リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、
次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム等が好まし
い。これらのリン酸化合物は、単独であるいは組み合わ
せて使用することができる。このようなリン系化合物
は、上記のようなジカルボン酸100モルに対して、通
常は0.01〜5モル、好ましくは0.05〜2モルの
割合で用いられる。
【0029】[末端封止剤]本発明で使用するポリアミ
ド樹脂を製造するためには、末端封止剤を使用すること
が好ましい。この末端封止剤としては、安息香酸、安息
香酸のアルカリ金属塩、酢酸等を使用することができ
る。このような末端封止剤は、ジカルボン酸100モル
に対して、通常は0.1〜5モル、好ましくは0.5〜
2モルの範囲内の量で使用される。この末端封止剤の使
用量を調整することにより、得られる重縮合物の極限粘
度[η]を制御することができる。
【0030】[反応条件]このような重縮合物を調製す
る際の反応条件は、具体的には、反応温度は通常200
〜290℃、好ましくは220〜280℃、反応時間は
通常0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間である。さ
らにこの反応は常圧から加圧のいずれの条件で行うこと
ができるが、加圧条件で反応を行うことが好ましく、反
応圧は、通常2〜5 MPa、好ましくは2.5〜4
MPaの範囲内に設定される。
【0031】[ポリアミド低次縮合物の極限粘度
[η]]このようにして重縮合反応を行うことにより、
25℃の96.5%硫酸中でウベローデ型粘度計を用い
て測定した極限粘度[η]が、通常は0.05〜0.6
dl/g、好ましくは0.08〜0.3 dl/gの範
囲内にある低次縮合物を得ることができる。こうして水
性媒体中に生成したポリアミド低次縮合物は、反応液と
分離される。このポリアミド低次縮合物と反応液との分
離には、例えば濾過、遠心分離等の方法を採用すること
もできるが、生成した半芳香族ポリアミド低次縮合物を
含有する反応液を、ノズルを介して大気中にフラッシュ
することにより、固液分離する方法が効率的である。
【0032】[後重合]本発明で使用するポリアミド樹
脂の製造方法の好ましい態様においては、上記のように
して得られたポリアミド低次縮合物について、さらに後
重合を行なう。この後重合は、上記ポリアミド低次縮合
物を乾燥した後に加熱して、溶融状態にし、この溶融物
に剪断応力を付与しながら行なうことが好ましい。この
反応に際しては、乾燥ポリアミド低次縮合物が少なくと
も溶融する温度に加熱する。一般には、乾燥ポリアミド
低次縮合物の融点以上の温度、好ましくはこの融点より
も10〜60℃高い温度に加熱される。剪断応力は、例
えばベント付き二軸押出機、ニーダー等を用いることに
より溶融物に付与することができる。こうして溶融物に
剪断応力を付与することにより、溶融状態にある乾燥ポ
リアミド低次縮合物が相互に重縮合すると共に、縮合物
の重縮合反応も進行するものと考えられる。
【0033】[固相重合]本発明で使用するポリアミド
樹脂の製造方法の他の好ましい態様においては、上記の
ようにして得られたポリアミド低次縮合物について、さ
らに固相重合を行なう。すなわち、上記のようにして得
られたポリアミド低次縮合物を、公知・公用の方法によ
り、固相重合させて、上記方法にて測定した極限粘度
[η]が0.5〜2.0 dl/gの範囲のポリアミド
を調製することができる。
【0034】[溶融重合]本発明で使用するポリアミド
樹脂の製造方法の他の好ましい態様においては、上記の
ようにして得られたポリアミド低次縮合物について、固
相重合を行なったのち、さらに溶融重合を行なう。すな
わち、上記のようにして得られたポリアミド低次縮合物
を、公知・公用の方法により、固相重合させて、極限粘
度[η]が0.5〜1.5 dl/gの範囲のポリアミ
ド前駆体を調製し、さらにこの前駆体を溶融重合させ
て、極限粘度[η]が0.8〜3.0 dl/gの範囲
にすることができる。極限粘度が、この範囲にある場
合、流動性に優れ、高靭性に優れるポリアミド樹脂を得
ることができる。
【0035】[DSC]本発明で使用するポリアミド樹
脂は、結晶性であるため融点を有し、上記製造法にて得
られたポリアミド樹脂について、DSCを用いて10℃
/分で昇温した時に融解に基づく吸熱ピークを融点とし
た場合、融点が好ましくは270〜340℃、特に好ま
しくは280℃〜320℃の範囲にあることにより、優
れた耐熱性を有することができる。
【0036】[成形]本発明に係るポリアミド樹脂組成
物は、使用するポリアミドの融点以上、分解温度未満に
加熱して、通常の成形装置を使用して所望の形状に成形
することができる。特に射出成形によって、電気・電子
部品を効率よく成形することができる。
【0037】[ポリアミド樹脂組成物の組成比(4成分
系)]本発明に係るポリアミド樹脂組成物が、成分
(A)としてポリアミド樹脂、成分(B)として臭素含
有難燃剤、成分(C)として亜鉛含有複合酸化物、成分
(D)としてアンチモン含有化合物を含んでなる少なく
とも4成分を含んでなる系(4成分系)では、成分
(A)〜成分(D)の組成比は、成分(A)〜成分
(D)の合計重量を基準として、成分(A)のアミド樹
脂が20〜80重量%、成分(B)の臭素含有難燃剤が
10〜40重量%、成分(C)の亜鉛含有複合酸化物が
4〜10重量%であって、かつ、成分(A)〜成分
(D)の合計が100重量%となるものであることを特
徴とする。
【0038】[ポリアミド樹脂組成物の組成比(5成分
系・6成分系)]本発明に係るポリアミド樹脂組成物
が、成分(A)としてポリアミド樹脂、成分(B)とし
て臭素含有難燃剤、成分(C)として亜鉛含有複合酸化
物、成分(D)としてアンチモン含有化合物に加え、さ
らに、成分(E)として繊維状充填材、及び/又は、成
分(F)として脂肪族ポリアミドを含んでなる少なくと
も5成分又は6成分を含んでなる系(5成分系・6成分
系)では、成分(A)〜成分(D)並びに成分(E)及
び/又は成分(F)の組成比は、成分(A)〜成分
(D)並びに成分(E)及び/又は成分(F)の合計重
量を基準として、成分(A)のアミド樹脂が20〜80
重量%、成分(B)の臭素含有難燃剤が10〜40重量
%、成分(C)の亜鉛含有複合酸化物が4〜10重量
%、成分(D)のアンチモン含有化合物が0.5〜3重
量%、成分(E)の繊維状充填材が0.01〜60重量
%、成分(F)の脂肪族ポリアミドが0.01〜10重
量%、かつ、成分(A)〜成分(D)並びに成分(E)
及び/又は成分(F)の合計が100重量%となるもの
であることを特徴とする。
【0039】[ポリアミド樹脂組成物中のポリアミド
(成分(A))の組成比]4成分系においても、6成分
系においても、ポリアミド樹脂組成物中のポリアミドの
組成比は、20〜80重量%が好ましく、25〜50重
量%が特に好ましい。上記ポリアミド樹脂含有量が20
重量%未満の場合、ポリアミド樹脂のもつ、耐熱性、高
靭性が効果を発現せず、また80重量%超の場合、難燃
性、剛性に乏しくなる。
【0040】[臭素含有難燃剤(成分(B))]本発明
に係るポリアミド樹脂組成物は、臭素含有難燃剤を含む
ことを特徴としており、臭素化ポリスチレン、臭素化フ
ェノール、臭素化ポリカーボネートの縮合物などを単独
もしくは組み合わせて使用することができる。これらの
難燃剤のうち、特に、臭素化ポリスチレン、及び/又
は、臭素化フェノールの縮合物が好ましい。以下に臭
素化ポリスチレン及び臭素化フェノールの縮合物につい
て説明する。
【0041】[臭素化ポリスチレン]本発明で使用され
る臭素化ポリスチレンとしては、一般式(1)で表され
る重合体が用いられる。
【0042】
【化1】 一般式(1)中、Rは、H又はCH3であり、Xは、B
rであり、mは、1〜5の数であり、そしてnは、下限
が2、好ましくは4,より好ましくは8、より好ましく
は10、上限が10、好ましくは50、より好ましくは
100、より好ましくは200、より好ましくは40
0、より好ましくは800、またはそれ以上上の数であ
る。一般式(1)で表される臭素化ポリスチレンとして
は、ポリ臭素化スチレンが特に好ましく、ポリ臭素化ス
チレンとしては、臭素化スチレンまたは臭素化α−メチ
ルスチレンを重合することによって製造したものであっ
てもよく、ポリスチレンまたはポリα−メチルスチレン
を臭素化することにより製造したものであってもよく、
またこれらの両方を包含しても良い。このようなポリ臭
素化スチレンとしては、具体的には例えば、ポリジブロ
モスチレン、ポリトリブロモスチレン、ポリペンタブロ
モスチレン、ポリトリブロモα−メチルスチレン、ジブ
ロモポチスチレン、トリブロモポリスチレン、トリペン
タポリスチレン、トリブロモα−メチルポリスチレンな
どが挙げられる。
【0043】[臭素化フェノールの縮合物]本発明で用
いるハロゲン化フェノールの縮合物は、下記一般式
(2)で表される。
【0044】
【化2】 一般式(2)中、XはBrであり、pは、1〜4の数で
あり、qは、下限が1、好ましくは2、より好ましくは
5、上限が10、好ましくは20、より好ましくは4
0、より好ましくは60、より好ましく80、より好ま
しくは100の数である。一般式(2)で表される臭素
化フェノールの縮合物としては、具体的には、ポリジブ
ロモ−p−フェニレンオキシド、ポリトリブロモ−p−
フェニレンオキシド、ポリブロモ−p−フェニレンオキ
シド、ポリジブロモ−o−フェニレンオキシド等を挙げ
られる。これらの臭素含有難燃剤である臭素化ポリスチ
レン、および臭素化フェノールの中では、ポリジブロモ
スチレン、ジブロモポリスチレン、ポリトリブロモスチ
レン、トリブロモポリスチレンが、組成物の成形加工時
の熱安定性に優れ、難燃効果にも優れているので最も好
ましい。
【0045】[臭素含有難燃剤(成分(B))の含有
量]本発明で使用される臭素含有難燃剤(成分(B))
は、臭素含有量が40〜70重量%であることが好まし
く、特に好ましくは50〜70重量%である。本発明の
難燃性ポリアミド樹脂組成物に、上記臭素含有難燃剤は
10〜40重量%含まれることが好ましく、特に10〜
30重量%含まれることが好ましい。上記臭素含有難燃
剤含有量が10重量%より少ない場合、難燃剤の効果を
発現せず、また40重量%より多い場合、当該難燃性ポ
リアミド樹脂組成物の耐トラッキング性が低くなる。
【0046】[繊維状充填材(成分(E))]本発明で
使用される繊維状充填材(成分(E))は、無機質充填
材としては、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、金属
被覆ガラス繊維、セラミックス繊維、ウォラストナイ
ト、金属炭化物繊維、金属硬化物繊維、アスベスト繊維
およびホウ素繊維などが挙げられる。また、有機質充填
材としては、アラミド繊維、炭素繊維等が挙げられる。
このような繊維状充填材としては、特にガラス繊維が好
ましい。ガラス繊維を使用する事により、組成物の成形
性が向上すると共に、熱可塑性樹脂組成物から形成され
る成形体の引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械的
特性および熱変形温度等の耐熱特性が向上する。上記の
ような繊維状充填材の平均長さは、通常は、0.01〜
20mm、好ましくは0.1〜6mmの範囲にあり、ア
スペクト比が通常は5〜2000、好ましくは15〜6
00の範囲にある。平均長さおよびアスペクト比がこの
ような範囲内にある繊維状充填材を使用することが好ま
しい。本発明における繊維状充填材を、シランカップリ
ング剤、あるいはチタンカップリング剤などで処理して
使用することもできる。例えば、ビニルトリエトキシシ
ラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシランなどの化合物で
表面処理されている事が好ましい。また、本発明におけ
る繊維状充填材は、集束剤が塗布されていても良く、エ
ポキシ系、ウレタン系、ウレタン/マレイン酸変性系、
ウレタン/アミン変性系の化合物が好ましく使用され
る。上記表面処理剤は上記集束剤と併用しても良く、併
用する事により本発明の組成物中の繊維状充填材と、組
成物中の他の成分との結合性が向上し、外観および強度
特性が向上する。本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物
に、上記繊維状充填材は0〜60重量%含まれることが
好ましく、特に10〜50重量%含まれることが好まし
い。上記繊維状充填材含有量が60重量%より多い場
合、当該難燃性ポリアミド樹脂組成物の成形品表面の外
観が損なわれる。
【0047】[亜鉛含有複合酸化物(成分(C))]本
発明で使用される亜鉛含有酸化物(成分(C))の具体
例としては、例えば、2ZnO・3B23、4ZnO・
23・H2O、2ZnO・3B23・3.5H2O、
で表わされるホウ酸亜鉛類や、ZnSnO3、ZnSn
(OH)6、で表わされる錫酸亜鉛類や、モリブデン酸
カルシウム亜鉛、塩基性モリブデン酸亜鉛、高能率モリ
ブデン酸亜鉛と珪酸マグネシウムの化合物、リン酸亜鉛
などが挙げられる。
【0048】[アンチモン含有化合物(成分(D))]
本発明で使用されるアンチモン含有化合物(成分
(D))としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモ
ン、四酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダなどが挙げ
られる。本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物に、上記
亜鉛含有複合酸化物は4〜10重量%含まれることが好
ましい。また上記アンチモン含有化合物は0.5〜3重
量%、好ましくは0.5〜2重量%、特に好ましくは
0.5〜1重量%含まれることが好ましい。上記亜鉛含
有複合酸化物、およびアンチモン含有化合物含有量が、
4重量%、および0.5重量%より少ない場合、難燃性
の効果を発現せず、また10重量%、および1重量%よ
り多い場合、当該難燃性ポリアミド樹脂組成物の耐トラ
ッキング性が乏しくなる。
【0049】[脂肪族ポリアミド]本発明に係る難燃性
ポリアミド樹脂組成物には、脂肪族ポリアミドが含まれ
ていてもよく、その具体例としては、例えば、PA6、
PA66、PA11、PA12、PA610、PA61
2、PA46などが挙げられる。本発明の難燃性ポリア
ミド樹脂組成物に、上記脂肪族ポリアミドは0〜10重
量%含まれることが好ましく、この範囲で含まれている
場合、当該ポリアミド樹脂組成物の強度特性、特に耐衝
撃性が向上する。上記脂肪族ポリアミド含有量が10重
量%より多い場合、当該難燃性ポリアミド樹脂組成物の
耐熱性が損なわれる。
【0050】[その他の成分]本発明に係る難燃性ポリ
アミド樹脂組成物は上記のような各成分に加えて本発明
の目的を損なわない範囲で、上記以外の耐熱安定剤、耐
候安定剤、可塑剤、増粘剤、帯電防止剤、離型剤、顔
料、染料、無機および/または有機充填材、核剤、カー
ボンブラック、タルク、マイカ、クレーなどの無機化合
物などの配合剤を含有してもよい。さらに本発明の難燃
性ポリアミド樹脂組成物は本発明の目的を損なわない範
囲で、他の重合体を含有しても良く、このような他の重
合体の例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
4−メチル−1−ペンテン、エチレン・1−ブテン共重
合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1
−ブテン共重合体、ポリオレフィンエラストマーなどの
ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカー
ボネート、ポリアセタール、ポリスルフォン、ポリフェ
ニレンオキシド、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などが挙
げられる。
【0051】[成形品、および電気・電子部品]本発明
に係る難燃性ポリアミド組成物は、上述した各成分を、
種々公知の方法、例えばヘンシェルミキサー、V−ブレ
ンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で
混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、多軸押出
機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造
粒あるいは粉砕する方法を用いることで調製することが
できる。具体的には、上記ポリアミド樹脂を溶融状態、
例えば、280〜360℃に加熱・維持しながら、上記
繊維状充填剤、粉末状充填剤、各種添加剤を配合して混
練するなどの方法により調製することができる。この
際、押出し機、ニーダー等の通常の混練装置を用いるこ
とができる。例えば、上記のようにして調製された本発
明のポリアミド樹脂組成物は、粉末、ペレット状その他
の形状にして、圧縮成形法、射出成形法、押出し成形法
などを利用することにより、電気・電子部品、自動車部
品などの各種成形品にすることができる。成形品、特に
電気・電子部品として制限はないが、例としてブレーカ
ー、コンタクタ、各種コネクタなどが挙げられる。
【0052】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるも
のではない。なお、実施例および比較例中の、以下の方
法に従って測定した。
【0053】 重たわみ温度:ASTM D648に
準拠して測定し、1.82 MPaの曲げ応力を加え、
2℃/分で昇温し、荷重によるたわみが0.254 m
mに達したときの温度を測定した。
【0054】 吸水率:ASTM D570に準拠し
て測定し、厚さ2 mmの試験片を、23℃、および1
00℃の水中に24 h浸積し、以下の式により吸水率
を求めた。 M=(M2−M1)/M1×100 M:吸水率(重量%) M1:試験片の絶乾重量(g) M2:吸水後の試験片重量(g) 難燃性試験: UL 94に準拠して測定し、厚さ
1/32インチの試験片について難燃性を評価した。
【0055】 比較トラッキング指数(CTI):U
L 746Aに準拠して測定し、厚さ2 mmの試験片
について、23℃、50%RH条件下、0.1%のNH
4Cl水溶液を用いて、電極間4 mmにてCTIを測
定した。CTIの動作レベル範囲(PLC)が600V
以上の場合0、400V以上600V未満の場合1とし
た。
【0056】 引張試験:ASTM D638に準拠
して測定し、引張強度、および引張伸び測定した。
【0057】 曲げ試験:ASTM D790に準拠
して測定し、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。
【0058】 IZOD衝撃強度(ノッチ付き):A
STM D256に準拠して測定した。 [実施例1〜3] [比較例1〜3] 成分(A)〜成分(F)成分として下記の各成分を表に
示す量で用い、さらに成分(A)〜成分(F)成分の合
計100重量部に対して、燃焼時のドリップ防止剤とし
てマレイン化SEBS(旭化成(株)製、タフテックM
1913)を2重量部、ハロゲンキャッチャーとしてハ
イドロタルサイト(協和化学(株)製、KW−220
0)0.6重量部をそれぞれ添加して混合し、温度31
0℃に設定した二軸ベント付き押出機に装入し、溶融混
練してペレット化し、ペレット状の難燃性ポリアミド樹
脂組成物を得た。[成分(A)〜ポリアミド樹脂] [実施例1〜2] [比較例1〜2] ポリアミド樹脂 種類:PA6T/66=55/45(モル比) 組成:ジアミン成分…1,6−ジアミノヘキサン50モ
ル%、 ジカルボン酸成分…テレフタル酸27.5モル%、アジ
ピン酸22.5モル% 極限粘度[η]…1.0 dl/g 融点(DSC法)…310℃ [実施例3] ポリアミド樹脂 種類:PA6T/i6T=50/50(モル比) 組成:ジアミン成分…1,6−ジアミノヘキサン25モ
ル%、2−メチル−1,5− ジアミノペンタ
ン25モル%、 ジカルボン酸成分…テレフタル酸50モル% 極限粘度[η]…1.0 dl/g 融点(DSC法)…305℃ [比較例3] ポリアミド樹脂 種類:PA66 組成:ジアミン成分…1,6−ジアミノヘキサン50モ
ル%、ジカルボン酸成分…アジピン酸50モル% 極限粘度[η]…1.2 dl/g 融点(DSC法)…260℃[成分(B)〜臭素含有難燃剤] 臭素化ポリスチレン(マナック(株)製、プラセフティ
1200Z)[成分(C)〜亜鉛含有複合酸化物] ホウ酸亜鉛(ボラックス製、FireBrake50
0)[成分(D)〜アンチモン含有化合物] アンチモン酸ナトリウム(日本精鉱(株)製、SA−
A)[成分(F)〜脂肪族ポリアミド] PA12(宇部興産(株)製、UBEナイロン12)[成分(E)〜繊維状充填剤] ガラス繊維(日本電気硝子(株)製、ESC03−61
5) 次いで、得られた難燃性ポリアミド樹脂組成物について
性状を評価した。結果を表に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明に係る難燃性ポリアミド樹脂組成
物は、上記のような成分を上記のような特定の割合で含
有しているので、耐熱性、低吸水性、難燃性、および耐
トラッキング性に優れている。そのため、特に電気・電
子部品の成形品材料として好適に用いられる。また、こ
のような難燃性ポリアミド樹脂組成物により得られた成
形品は、難燃性、および耐トラッキング性に優れるため
高電圧下で使用される電気部品に好適に使用される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 71/10 C08L 71/10 Fターム(参考) 4F071 AA22 AA51 AA55 AB17 AB19 AB26 AB27 AE07 AF10 AF14 AF23 AF45 AF47 AF53 AH07 AH12 AH19 BA01 4J002 BC112 CH062 CL013 CL031 CL033 CL064 DA017 DB007 DE046 DE106 DE127 DE186 DE187 DH046 DJ006 DJ007 DJ027 DK007 DL008 DM007 FA048 FB044 FB077 FB094 FB097 FD014 GQ00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分(A)として、ポリアミド樹脂、成
    分(B)として、臭素含有難燃剤、成分(C)として、
    亜鉛含有複合酸化物、成分(D)として、アンチモン含
    有化合物を含んでなる難燃性ポリアミド樹脂組成物であ
    って、 前記成分(A)のポリアミド樹脂の分子を構成する繰り
    返し単位について、 ジアミン由来繰り返し単位が、 炭素数6〜12の脂肪族ジアミン由来繰り返し単位であ
    り、 ジカルボン酸由来繰り返し単位が、 全ジカルボン酸由来繰り返し単位の合計モル数を基準と
    して、 テレフタル酸由来の繰り返し単位が、40〜100モル
    %、 並びに、 テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸由来繰り返し単
    位、 及び/又は、 炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸由来繰り返し単位
    が、 0〜60モル%であることを特徴とする、難燃性ポリア
    ミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(A)として、ポリアミド樹脂、成
    分(B)として、臭素含有難燃剤、成分(C)として、
    亜鉛含有複合酸化物、成分(D)として、アンチモン含
    有化合物に加え、さらに、成分(E)として、繊維状充
    填材、及び/又は、成分(F)として、脂肪族ポリアミ
    ドを含んでなる難燃性ポリアミド樹脂組成物であって、 前記成分(A)のポリアミド樹脂の分子を構成する繰り
    返し単位について、ジアミン由来繰り返し単位が、 炭素数6〜12の脂肪族ジアミン由来繰り返し単位であ
    り、 ジカルボン酸由来繰り返し単位が、 全ジカルボン酸由来繰り返し単位の合計モル数を基準と
    して、 テレフタル酸由来の繰り返し単位が、40〜100モル
    %、 並びに、 テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸由来繰り返し単
    位、 及び/又は、 炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸由来繰り返し単位
    が、 0〜60モル%であることを特徴とする、難燃性ポリア
    ミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(A)〜成分(D)の組成比が、成
    分(A)〜成分(D)の合計重量を基準として、 成分(A)のアミド樹脂が、20〜80重量%、 成分(B)の臭素含有難燃剤が、10〜40重量%、 成分(C)の亜鉛含有複合酸化物が、4〜10重量%、 成分(D)のアンチモン含有化合物が、0.5〜3重量
    %、かつ、成分(A)〜成分(D)の合計が100重量
    %となるものであることを特徴とする、請求項1に記載
    した難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分(A)〜成分(D)並びに成分
    (E)及び/又は成分(F)の組成比が、成分(A)〜
    成分(D)並びに成分(E)及び/又は成分(F)の合
    計重量を基準として、 成分(A)のアミド樹脂が、20〜80重量%、 成分(B)の臭素含有難燃剤が、10〜40重量%、 成分(C)の亜鉛含有複合酸化物が、4〜10重量%、 成分(D)のアンチモン含有化合物が、0.5〜3重量
    %、 成分(E)の繊維状充填材が、0.01〜60重量%、 成分(F)の脂肪族ポリアミドが、0.01〜10重量
    %、かつ、成分(A)〜成分(D)並びに成分(E)及
    び/又は成分(F)の合計が100重量%となるもので
    あることを特徴とする、請求項2に記載した難燃性ポリ
    アミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ASTM D648に準拠して、荷重た
    わみ温度(荷重1.82MPa)を評価したときに、荷
    重たわみ温度が270℃〜330℃の性能を有すること
    を特徴とする、請求項1乃至4の何れかに記載した難燃
    性ポリアミド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 UL 94に準拠して、垂直燃焼(厚さ
    1/32インチ試験片)を評価したときに、難燃性がV
    −0の性能を有することを特徴とする、請求項1乃至5
    の何れかに記載した難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 UL 746Aに準拠して、比較トラッ
    キング指数に関する評価をしたときに、比較トラッキン
    グ指数(CTI)の動作レベル範囲(PLC)が0の性
    能を有することを特徴とする、請求項1乃至6の何れか
    に記載した難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れかに記載した難燃
    性ポリアミド樹脂組成物を含んでなる成形品。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至7の何れかに記載した難燃
    性ポリアミド樹脂組成物を含んでなる成形品を含んで構
    成される電気部品。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至7の何れかに記載した難
    燃性ポリアミド樹脂組成物を含んでなる成形品を含んで
    構成される電子部品。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7816438B2 (en) 2005-04-08 2010-10-19 Mitsui Chemicals, Inc. Flame-retardant polyamide composition
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JP2011047955A (ja) * 2010-11-24 2011-03-10 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリアミド樹脂組成物および燃料タンク部品
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