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JP2003128537A - 安定化された組成物 - Google Patents

安定化された組成物

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Publication number
JP2003128537A
JP2003128537A JP2002231883A JP2002231883A JP2003128537A JP 2003128537 A JP2003128537 A JP 2003128537A JP 2002231883 A JP2002231883 A JP 2002231883A JP 2002231883 A JP2002231883 A JP 2002231883A JP 2003128537 A JP2003128537 A JP 2003128537A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
salt
composition
formula
compound represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002231883A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Tsuji
雅夫 辻
Tadashi Seto
忠史 瀬戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohto Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2002231883A priority Critical patent/JP2003128537A/ja
Publication of JP2003128537A publication Critical patent/JP2003128537A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Cosmetics (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性溶液中であってもアズレン誘導体を高い
レベルで安定化した組成物を提供する。 【解決手段】 グアイアズレンスルホン酸ナトリウムな
どのアズレン誘導体1重量部に対して、0.01〜10
0000重量部のキサンチン類(カフェイン、テオフィ
リンなど)を添加し、アズレン誘導体の光に対する安定
性を改善する。本発明の組成物は、さらに、アズレン誘
導体1重量部に対して0.01〜1000重量部のキレ
ート剤(例えば、エデト酸など)を含有していてもよ
い。本発明の組成物は、水性組成物、例えば、点眼剤な
どの局所適用組成物や粘膜適用組成物として有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光に対して不安定
なアズレン誘導体を含有していても、長期間に亘る安定
性が改善された組成物(例えば、点眼薬などの局所適用
組成物、水性組成物などの製剤組成物)に関する。
【0002】
【従来の技術】アズレン誘導体は、光によって徐々に分
解し、退色することから、組成物中にアズレン誘導体を
配合すると、製品の色調が変化すると共に、薬効の低下
を来たす。さらに、水溶液中では光に極めて不安定であ
るために、水性組成物では、製造工程、市場流通工程で
の安定性、開封後の長期安定性を担保することが極めて
重要である。
【0003】光に対して不安定な薬理活性物質を含有す
る製剤を安定に保持するため、製剤を収容する包装材料
による遮光手段、例えば、製剤を収容する容器を遮光す
るための補助的な遮光袋を付随的に使用したり、製剤を
収容する容器を、褐色容器や、アルミニウム容器にする
など遮光手段が採用されている。しかし、補助的遮光袋
を使用者が使用しなかったり、容器や包材を使用できな
い製造過程では、光により物質が分解する危険性が高
い。また、水性組成物の製造工程において、製剤を容器
に充填した後、異物混入を容器の外側から検査するため
には、アルミニウムなどの不透明な容器や、透明であっ
たとしても濃い褐色の容器を使用できず、包装材料によ
る遮光手段は限定的にしか使用できない。
【0004】さらに、製剤の適用に際しても、遮光下で
製剤を使用することは殆ど不可能である。特に局所投与
剤を、容器から薬物を取り出して皮膚や粘膜に適用する
と、通常、薬物が光に曝露されることとなり、適用部位
での光分解を免れえない。
【0005】このような点から、例えば、グアイアズレ
ンスルホン酸を含有する点眼薬では、製造工程において
異物混入を外側から検査する必要があることから、薄い
有色の透明容器を選択し、携帯に便利であり、かつスク
イズ性の良好なプラスチック製容器を用いることが一般
的に行われている。さらに、点眼剤は使用者が開封後も
1ヶ月〜数ヶ月に亘り継続的に使用する。そのため、流
通過程においては、製剤を直接収容する容器を紙箱に納
め、開封後は、携帯用のプラスチック製遮光袋を補助的
に使用することで、光安定性の維持に努めている。
【0006】しかし、このような包装材料による遮光手
段は製造工程での安定性、適用部位での安定性を担保で
きないのみならず、開封後は、使用者が遮光袋に入れて
保存することを忘れたり、遮光袋をなくす可能性もあ
り、必ずしも効果的な方法とはいえない。そこで、光に
不安定なアズレン誘導体の長期安定性を改善する方法と
しては、以下のような方法が提案されている。
【0007】特許第2724943号公報には、アズレ
ンスルホン酸ナトリウム0.02〜0.06w/v%
と、ソルビトール、グリセリン、キシリトールからなる
多価アルコール20〜80w/v%とを含有する口腔咽
喉用水性溶液製剤が開示されている。この文献には、光
に対して安定な水性溶液製剤が得られることも記載され
ている。しかし、多量の多価アルコールを必要とするた
め、使用時にべたつき感を与えるおそれがあるととも
に、アズレンスルホン酸ナトリウムの濃度範囲が0.0
2〜0.06w/v%という狭い範囲であるため、アズ
レンスルホン酸ナトリウムの利用が制限される。
【0008】特開昭56−30927号公報には、グア
イアズレン又はその誘導体に、β−またはγ−シクロデ
キストリンを反応させて光に安定な反応生成物とする安
定化方法が開示されている。しかし、この方法では、ア
ズレン誘導体をシクロデキストリンにより包接させる必
要があるとともに、シクロデキストリンで包接するため
薬物の薬理作用をも影響をうけるおそれがある。
【0009】特開平1−121216号公報には、グア
イアズレンスルホン酸ナトリウムを主成分として含む製
剤に、エデト酸又はその塩を配合することにより、安定
な製剤を製造することが開示されている。しかし、製剤
の安定性は未だ十分でない。さらに、この文献には、水
性組成物を光に対して安定化するための方法については
記載されていない。
【0010】一方、カフェインは中枢興奮作用があり、
眠気を改善するために医薬品や食品組成物において、主
として内服用組成物として、また外用剤にも配合されて
いる。カフェインに関し、特開平10−279503号
公報には、抗炎症作用を有するアリールカルボン酸を安
定化するため、プリン塩基(カフェイン、テオブロミ
ン、テオフィリン)を使用することが開示されている。
特開平7−228532号公報及び特開平7−2580
83号公報には、水に対するアルギニンアミド類の溶解
性や光安定性を改善し、眼刺激を緩和するため、カフェ
イン又はシクロデキストリンを使用することが開示され
ている。特公平5−51568号公報には、スプロフェ
ンとキサンチン誘導体(テオフィリン、カフェイン、テ
オブロミン)とを含み、眼に局所的に適用したとき、ス
プロフェンの不快感を排除又は和らげる非刺激性水性眼
科用組成物が開示されている。特開2000−2478
85号公報には、カフェインを有効成分として配合する
眼精疲労改善用点眼剤が開示されている。
【0011】しかし、アズレン誘導体に対するキサンチ
ン化合物の作用については知られていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、アズレン誘導体を光に対して高いレベルで安定化で
きる組成物(又は製剤組成物)を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、水性溶液中であって
も光に対する安定性が改善され、長期間に亘り安定な水
性組成物(水性製剤組成物)を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、キサンチン誘導体と共
存させると、水性組成物であっても、アズレン誘導体を
光などに対して長期間に亘り安定化できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0015】すなわち、本発明の安定化された組成物
は、下記式(1)で表される化合物又はその塩(以下、
単にキサンチン類と称する場合がある)と、下記式
(2)で表される化合物又はその塩(以下、単にアズレ
ン誘導体と称する場合がある)とを含有する。前記式
(1)及び(2)の化合物の塩には、それぞれ、生理学
的に許容される塩及び薬学上許容される塩(特に薬学上
許容される塩)が含まれる。
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R1、R2及びR3は、同一又は異
なっていてもよく、それぞれ、水素原子又は置換されて
もよいアルキル基を示す。R4、R5およびR6は、それ
ぞれ同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示
し、R7は酸性基又はその塩を示す) 本発明は、前記キサンチン類と、前記アズレン誘導体と
を含有する水性組成物も開示する。
【0018】さらに、前記キサンチン類としては、カフ
ェイン、テオフィリン、テオブロミン、ジプロフィリ
ン、プロキシフィリン、ペントキシフィリン又はその塩
などが例示でき、前記アズレン誘導体としては、グアイ
アズレン、グアイアズレンスルホン酸、カマアズレン、
カマアズレンスルホン酸又はその塩などが例示できる。
キサンチン類の割合は、有効量であれば特に制限され
ず、例えば、アズレン誘導体1重量部に対して0.01
〜100000重量部程度である。本発明の組成物はさ
らにキレート剤(例えば、エデト酸など)又はその塩を
含有していてもよい。キレート剤又はその塩の割合は、
アズレン誘導体1重量部に対して0.01〜1000重
量部程度である。
【0019】本発明の組成物は、キサンチン類及びアズ
レン誘導体の活性に基づいて種々の組成物又は製剤とし
て使用でき、例えば、局所適用組成物、粘膜適用組成物
などであってもよい。また、本発明の組成物は、光安定
性などを向上できるので、繰り返し使用可能な形態で包
装するのに適している。例えば、光透過性容器、特にプ
ラスチック製容器に収容するのに適している。
【0020】本発明は、前記組成物に限らず、前記キサ
ンチン類を添加することにより、アズレン誘導体の安定
性を向上させる方法も包含する。
【0021】なお、本明細書中、「塩」とは薬理学的に
又は生理学的に許容される塩を意味する。また、外用組
成物、製剤又は製剤組成物、粘膜適用組成物(又は粘膜
適用製剤)を単に「組成物」又は「製剤」という場合が
ある。そして、前記化合物(キサンチン類やアズレン誘
導体)は、水和物の形態で使用することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】前記式(1)で表される化合物に
おいて、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル基
などのC1-6アルキル基(特にC1-4アルキル基)が例示
できる。好ましいアルキル基には、メチル基及びエチル
基が含まれる。
【0023】これらのアルキル基は、置換基、例えば、
ハロゲン原子(塩素、臭素、フッ素原子など)、ヒドロ
キシル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキ
シ基などのC1-4アルコキシ基など)、アリールオキシ
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(C1-4
アルコキシ−カルボニル基など)、アリールオキシカル
ボニル基、アシル基(ホルミル、アセチル、プロピオニ
ル基などのC1-4アルキル−カルボニル基、ベンゾイル
基などのアリール−カルボニル基など)、ニトロ基、ア
ミノ基、N−置換アミノ基(モノ又はジC1-4アルキル
アミノ基など)、シアノ基などを有していてもよい。
【0024】式(1)で表される化合物は薬理学的に
(製薬上)又は生理学的に許容される塩として使用でき
る。薬理学的又は生理学的に許容できる塩としては、例
えば、有機酸塩(例えば、乳酸塩、酢酸塩、酪酸、トリ
フルオロ酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸
塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、メタンスル
ホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩、パルミ
チン酸塩、ステアリン酸塩など)、無機酸塩(例えば、
塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩な
ど)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエ
チルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペ
ラジン、ピロリジン、アミノ酸、トリピリジン、ピコリ
ンなどの有機アミンとの塩など)、無機塩基との塩(例
えば、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウムなどのア
ルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ
土類金属、アルミニウムなどの金属との塩など)などが
例示できる。
【0025】式(1)で表される具体的な化合物として
は、キサンチン誘導体、例えば、カフェイン、テオフィ
リン、オクストリフィリン、ダイフィリン、ジイソブチ
ルアミノベンゾイルオキシプロピルテオフィリン、テオ
ブロミン、ジプロフィリン、プロキシフィリン、ペント
キシフィリンなどが挙げられる。これらの化合物は単独
で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい化合
物は、カフェイン、テオフィリン、テオブロミンなどの
メチルキサンチン誘導体;ジプロフィリン、プロキシフ
ィリン、ペントキシフィリンなどであり、特にカフェイ
ンが好ましい。なお、カフェインには無水カフェインも
含まれる。
【0026】さらに、前記式(1)で表される化合物又
はその塩であるキサンチン類は、他の物質との混合物の
形態で、本発明の組成物中に含有させてもよい。このよ
うな混合物の例としては、例えば、カフェインと安息香
酸ナトリウムとの混合物である安息香酸ナトリウムカフ
ェイン、カフェインとクエン酸との混合物であるクエン
酸カフェイン、テオフィリンとエチレンジアミンとの混
合物であるアミノフィリン、テオフィリンとアミノイソ
ブタノールとの混合物であるブフィリン、テオブロミン
とサリチル酸塩との混合物であるサリチル酸カルシウム
テオブロミンやサリチル酸ナトリウムテオブロミン、テ
オブロミンと酢酸ナトリウムの混合物である酢酸ナトリ
ウムテオブロミンなどが挙げられる。
【0027】本発明の組成物中におけるキサンチン類の
使用量は、化合物(1)やその塩の種類や剤形によって
異なり、例えば、全身適用される組成物では、一日の適
用量として10〜500mg程度、局所適用される組成
物では、一日の適用量として0.001〜50mg程度
の範囲で製剤設計できる。例えば、水性組成物では、組
成物中の前記式(1)で表される化合物又はその塩の濃
度は、0.0001〜10W/V%(以下、特に言及し
ない限り「W/V%」を単に「%」で示す)程度の範囲
から選択でき、通常、0.001〜10%、好ましくは
0.01〜5%(例えば、0.01〜3%)、特に0.
1〜3%程度である。
【0028】式(2)において、R4〜R6で表されるア
ルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチ
ル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキ
ル基が例示できる。好ましいアルキル基は、直鎖状又は
分岐鎖状C1-4アルキル基である。
【0029】前記式(2)において、R4およびR5は、
通常、水素原子又はC1-2アルキル基(特にメチル基)
であり、R6は直鎖状又は分岐鎖状C2-4アルキル基(特
にC 2-3アルキル基)である。
【0030】R7で表される酸性基としては、スルホン
酸基、カルボキシル基などが例示でき、酸性基の塩とし
ては、アンモニウム塩、アルカリ金属(ナトリウム、カ
リウム、リチウムなど)との塩、アルカリ土類金属(カ
ルシウム、マグネシウム、バリウムなど)との塩などが
例示できる。R7で表される酸性基又はその塩の代表的
な例は、スルホン酸又はそのナトリウム塩である。
【0031】式(2)で表される化合物の具体例として
は、例えば、ジメチルイソプロピルアズレン(グアイア
ズレン、1,4−ジメチル−7−イソプロピルアズレ
ン)、アズレンスルホン酸(水溶性アズレン、グアイア
ズレンスルホン酸、1,4−ジメチル−7−イソプロピ
ルアズレン−3−スルホン酸)、ジメチルエチルアズレ
ン(カマアズレン、1,4−ジメチル−7−エチルアズ
レン)、1,4−ジメチル−7−エチルアズレン−3−
スルホン酸(カマアズレンスルホン酸)などが使用でき
る。また、式(2)で表される化合物は薬学的又は生理
学的に許容できる塩として使用できる。薬理学的又は生
理学的に許容できる塩としては、式(1)の化合物に関
して記載したのと同様の塩(例えば、ナトリウム塩など
のアルカリ金属塩など)が例示できる。
【0032】さらに、前記式(2)で表される化合物又
はその塩であるアズレン誘導体は、他の物質との混合物
の形態で用いてもよい。このような混合物の例として
は、例えば、アズレンスルホン酸ナトリウム・L−グル
タミン、アズレンスルホン酸ナトリウム・炭酸水素ナト
リウムなどが例示できる。
【0033】アズレン誘導体の使用量は、化合物(2)
やその塩の種類や剤形によって異なり、例えば、全身適
用される組成物では一日の適用量として0.1〜10m
g程度、局所適用される組成物では一日の適用量とし
て、1〜300mg程度の範囲で製剤設計することがで
きる。例えば、水性組成物として用いる場合には、アズ
レン誘導体の使用量は、組成物全体に対して、0.00
001〜10%、好ましくは0.00001〜1%、さ
らに好ましくは0.0001〜0.1%、特に0.00
01〜0.05%程度である。
【0034】キサンチン類とアズレン誘導体との割合
は、化合物(1)、(2)又はその塩の種類によって異
なり、通常、アズレン誘導体1重量部に対して、キサン
チン類0.01〜100000重量部(例えば、0.0
5〜50000重量部)、好ましくは0.1〜1000
0重量部(例えば、0.5〜5000重量部)、さらに
好ましくは0.1〜100重量部(例えば、0.5〜1
00重量部)程度の範囲から選択でき、通常、1〜10
0重量部(例えば、1〜75重量部)程度である。
【0035】本発明の組成物において、キレート剤を組
み合わせると、さらに安定性の高い組成物を得ることが
できる。キレート剤としては、例えば、エデト酸(エチ
レンジアミン四酢酸,EDTA)、エチレンジアミン二
酢酸(EDDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DT
PA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミ
ン三酢酸(HEDTA)、N−(2−ヒドロキシエチ
ル)イミノ二酢酸(HIDA)、クエン酸、酒石酸、リ
ン酸類(ポリリン酸、ヘキサメタリン酸、メタリン
酸)、コハク酸、トリヒドロキシメチルアミノメタン、
ニトリロトリ酢酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジ
ホスホン酸などが例示できる。これらのキレート剤は1
種又は2種以上配合でき、薬理学的に又は生理学的に許
容される塩として使用してもよい。好ましいキレート剤
としては、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸およびこ
れらの塩である。特に好ましいキレート剤は、エチレン
ジアミン四酢酸又はその塩、例えば、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリ
ウム・二水和物(エデト酸ナトリウム)などである。
【0036】キレート剤の割合は、例えば水性組成物に
おいて、0.001〜1.0%、0.001〜0.5
%、0.005〜0.3%程度であり、アズレン誘導体
1重量部に対して0.01〜1000重量部、好ましく
は0.1〜1000重量部、さらに好ましくは0.1〜
100重量部(例えば、0.1〜50重量部)程度であ
り、通常、0.01〜10重量部程度である。
【0037】本発明では、前記キサンチン類を添加する
ことにより、前記アズレン誘導体の安定性(熱安定性、
特に光に対する安定性など)を大きく向上でき、キサン
チン類は安全性も高い。そのため、本発明の組成物(又
は製剤組成物)は、種々の担体(水性担体、親水性担
体、油性担体や、液状担体、粉粒状担体など)と組み合
わせて製剤化でき、非水性組成物であってもよい。特
に、本発明の組成物は水性媒体中でも高い光安定性が得
られるため、水性組成物として有用である。本発明の組
成物は、目的に応じて種々の形態、例えば、固形剤、半
固形剤、液剤などの様々な剤形で提供することができ
る。
【0038】例えば、本発明の組成物は、固形剤(錠
剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤など)、半固形剤[軟膏
剤(硬軟膏剤、軟軟膏剤など)、クリーム剤など]、液
剤(点眼剤、ローション剤、エキス剤、懸濁剤、乳剤、
シロップ剤、注射剤(用時調製型の注射剤を含む)、エ
アゾール剤、軟カプセル剤、ドリンク剤など)などの形
態で利用でき、前記のように、水性組成物、例えば、水
性液剤、水性軟膏剤,水性クリーム剤などの水性半固形
剤であってもよい。さらに、本発明の組成物は、医薬組
成物に限らず、洗浄液、コンタクトレンズ用剤、食品、
化粧料などの非医薬組成物としても利用できる。
【0039】本発明の組成物は、光に曝露されやすい局
所適用される組成物(局所適用組成物又は局所適用製
剤)として有用である。このような局所適用組成物とし
ては、例えば、外皮用軟膏、外皮用クリーム、外皮用液
剤、点眼薬、洗眼薬、眼軟膏薬、コンタクトレンズ装着
液、コンタクトレンズ用剤(洗浄液、保存液、殺菌液、
マルチパーパスソリューション)、点鼻薬、鼻洗浄液、
口腔咽頭薬、含嗽薬、点耳薬、化粧料などが挙げられ
る。
【0040】さらに、本発明の組成物は、刺激が全く又
は殆どなく安全であることから、刺激を感じやすい口唇
や粘膜(角膜及び結膜などの眼粘膜、口腔粘膜、鼻腔粘
膜、咽頭部粘膜など)への適用に有用である。このよう
な粘膜適用組成物(又は粘膜適用製剤)としては、例え
ば、眼科用組成物(点眼薬(コンタクトレンズ装用中に
使用できる点眼薬も含む)、コンタクトレンズ装着液、
洗眼薬(コンタクトレンズ装用中にも使用できる洗眼薬
を含む)、コンタクトレンズ用剤(洗浄液、保存液、殺
菌液、マルチパーパスソリューション)など)、耳鼻科
用組成物(点鼻薬、点耳薬、鼻洗浄液など)、口腔用組
成物(口腔咽頭薬、含嗽薬など)などが例示できる。な
お、本明細書において、コンタクトレンズとは、ハー
ド、ソフトなどのあらゆるタイプのコンタクトレンズを
包含する。
【0041】さらには、光に対する安定性が高いので、
複数回に亘り投与する形態で包装され、かつ使用者が継
続的に使用する組成物(特に水性組成物)、例えば、外
皮用軟膏、外皮用クリーム、外皮用液剤、点眼薬、洗眼
薬、点鼻薬、含嗽薬、コンタクトレンズ用剤(洗浄液、
保存液、殺菌液、マルチパーパスソリューション)など
にも有用である。
【0042】本発明の水性組成物は、安定性などを損な
わない限り、例えば、キサンチン類およびアズレン誘導
体のほかに、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分
を含む)を組み合わせて含有してもよい。このような成
分の種類は特に制限されず、例えば、充血除去成分、抗
炎症薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成
分、収斂薬成分、解熱鎮痛薬成分、健胃薬成分、消化薬
成分、潰瘍治療薬成分、抗菌薬又は殺菌薬成分、抗腫瘍
薬成分、ホルモン類、タンパク質又はペプチド類、ビタ
ミン類、アミノ酸類などが例示できる。本発明において
好適な成分としては、例えば、次のような成分が例示で
きる。
【0043】充血除去成分:エピネフリン、エフェドリ
ン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、フェニレフリ
ン、メチルエフェドリン及びそれらの塩など。例えば、
α−アドレナリン作動薬、例えば、イミダゾリン誘導体
(ナファゾリン、テトラヒドロゾリンなど)、β−フェ
ニルエチルアミン誘導体(フェニレフリン、エピネフリ
ン、エフェドリン、メチルエフェドリンなど)、及びそ
れらの薬学的又は生理学的に許容される塩(例えば、塩
酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロ
ゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリ
ン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチル
エフェドリンなどの無機酸塩;酒石酸水素エピネフリン
などの有機酸塩など)。
【0044】眼筋調節薬成分:アセチルコリンと類似し
た活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、例え
ば、メチル硫酸ネオスチグミンなどの第4級アンモニウ
ム化合物及びそれらの塩など。
【0045】抗炎症薬成分:セレコキシブ(celecoxi
b)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、インドメタシン、ジ
クロフェナク、プラノプロフェン、ピロキシカム、メロ
キシカム(meloxicam)、イプシロン−アミノカプロン
酸、ベルベリン、グリチルリチン酸、リゾチーム、サリ
チル酸メチル、アラントイン、および薬理学的に許容さ
れる塩(例えば、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、ジ
クロフェナクナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウ
ム、グリチルリチン酸アンモニウム、塩化リゾチームな
ど)など。
【0046】収斂薬成分:亜鉛及びそれらの塩(例え
ば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛)など。
【0047】抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成
分:例えば、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミ
ン、イプロヘプチン、ケトチフェン、エメダスチン、ク
レマスチン、アゼラスチン、レボカバスチン、オロパタ
ジン、クロモグリク酸、トラニラスト、アンレキサノク
ス、メキタジン、ロラタジン(loratadine)、フェキソ
フェナジン(fexofenadine)、セチリジン(cetirizin
e)、イブジラスト、スプラタスト、ペミロラスト、及
び薬理学的に許容される塩(例えば、マレイン酸クロル
フェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イプロヘ
プチン、フマル酸ケトチフェン、フマル酸エメダスチ
ン、フマル酸クレマスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸レ
ボカバスチン、塩酸オロパタジン、クロモグリク酸ナト
リウムなど)など。
【0048】抗菌薬又は殺菌薬成分:例えば、スルホン
アミド類(例えば、スルファメトキサゾール、スルフイ
ソキサゾール、スルフイソミジン及び薬理学的に許容さ
れる塩(スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイ
ソミジンナトリウムなど)など)、アクリノール、第4
級アンモニウム化合物(例えば、ベンザルコニウム、ベ
ンゼトニウム、セチルピリジニウム)及び薬理学的に許
容される塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウ
ム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウム
など)、アルキルポリアミノエチルグリシン、ニューキ
ノロン剤(ロメフロキサシン、レボフロキサシン、シプ
ロフロキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、
塩酸シプロフロキサシンなど)、ビグアニド類(ポリヘ
キサメチレンビグアニド、クロルヘキシジン又はその塩
など)、ベルベリン又はその塩、塩化ポリドロニウム、
Glokill(商品名、ローディア社製、例えば、Glokill P
Q)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、
ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン−
(ジメチルイミニオ)エチレンジクロリド]、パラベン
類(アミノ安息香酸メチル、アミノ安息香酸エチルな
ど)など。
【0049】ビタミン類:例えば、ビタミンA類[例え
ば、レチナール、レチノール、レチノイン酸、カロチ
ン、デヒドロレチナール、リコピン及びその薬理学的に
許容される塩類(例えば、酢酸レチノール、パルミチン
酸レチノールなど)など]、ビタミンB類[例えば、チ
アミン、チアミンジスルフィド、ジセチアミン、オクト
チアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベン
チアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、フル
スルチアミン、リボフラビン、フラビンアデニンジヌク
レオチド、ピリドキシン、ピリドキサール、ヒドロキソ
コバラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、デ
オキシアデノコバラミン、葉酸、テトラヒドロ葉酸、ジ
ヒドロ葉酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチニ
ックアルコール、パントテン酸、パンテノール、ビオチ
ン、コリン、イノシトール及びその薬理学的に許容され
るこれらの塩類(例えば、塩酸チアミン、硝酸チアミ
ン、塩酸ジセチアミン、塩酸フルスルチアミン、酪酸リ
ボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウ
ム、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール、リン酸
ピリドキサールカルシウム、塩酸ヒドロキソコバラミ
ン、酢酸ヒドロキソコバラミン、パントテン酸カルシウ
ム、パントテン酸ナトリウムなど)など]、ビタミンC
類[アスコルビン酸及びその誘導体、エリソルビン酸及
びその誘導体及びその薬理学的に許容される塩類(例え
ば、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリ
ウムなど)など]、ビタミンD類[例えば、エルゴカル
シフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキシコレ
カルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロー
ル、ジヒドロタキステロール及びその薬理学的に許容さ
れる塩類など]、ビタミンE類[例えば、トコフェロー
ル及びその誘導体、ユビキノン誘導体及びその薬理学的
に許容される塩類(酢酸トコフェロール、ニコチン酸ト
コフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコ
フェロールカルシウムなど)など]、その他のビタミン
類[例えば、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノー
ル、オロチン酸、ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジ
ン及びその薬理学的に許容される塩類(塩化カルニチン
など)など]。
【0050】アミノ酸類:例えば、ロイシン、イソロイ
シン、バリン、メチオニン、トレオニン、アラニン、フ
ェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、
アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン、
グルタミン酸、プロリン、チロシン、システイン、ヒス
チジン、オルニチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシ
リジン、グリシルグリシン、アミノエチルスルホン酸
(タウリン)及びその薬理学的に許容される塩類(例え
ばアスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウ
ム、塩酸システインなど)など。
【0051】糖類:単糖類(例えば、グルコースな
ど)、二糖類(例えば、トレハロース、ラクトース、フ
ルクトースなど)、オリゴ糖類(例えば、ラクツロー
ス、ラフィノース、プルランなど)、セルロース又はそ
の誘導体(例えば、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシ
エチルセルロースなど)、高分子糖類(例えば、コンド
ロイチン硫酸、ヒアルロン酸など)およびその薬理学的
に許容される塩類(例えば、コンドロイチン硫酸ナトリ
ウム、ヒアルロン酸ナトリウムなど)、糖アルコール類
(例えば、マンニトール、キシリトール、ソルビトール
など)など。
【0052】局所麻酔薬成分:リドカイン、オキシブプ
ロカイン、ジブカイン、プロカイン、アミノ安息香酸エ
チル、メプリルカイン、及びそれらの塩(塩酸リドカイ
ン、塩酸オキシブプロカインなど)など。
【0053】ステロイド成分:ヒドロコルチゾン、プレ
ドニゾロン、及びそれらの塩など その他の成分:ポリビニルアルコール(完全又は部分ケ
ン化物)、ポリビニルピロリドンなど。
【0054】これらの成分の含有量は、製剤の種類、活
性成分の種類などに応じて選択でき、例えば、製剤全体
に対して0.0001〜30%、好ましくは、0.00
1〜10%程度の範囲から選択できる。
【0055】より具体的には,本発明において好ましい
水性組成物において、各成分の含有量は、例えば、以下
の通りである。
【0056】充血除去成分(血管収縮剤又は交感神経興
奮剤):例えば、0.0001〜0.5%、好ましくは
0.0005〜0.3%、さらに好ましくは0.001
〜0.1%程度 眼筋調節薬成分:例えば、0.0001〜0.5%、好
ましくは0.001〜0.1% 抗炎症薬成分又は収斂薬成分:例えば、0.0001〜
10%、好ましくは0.0001〜5% 抗ヒスタミン薬成分:例えば、0.0001〜10%、
好ましくは0.001〜5% 殺菌薬成分:例えば、0.001〜10%、好ましく
は、0.01〜10% ビタミン類:例えば、0.0001〜1%、好ましく
は、0.0001〜0.5% アミノ酸類:例えば、0.0001〜10%、好ましく
は0.001〜3% 糖類:例えば、0.0001〜5%、好ましくは0.0
01〜5%、さらに好ましくは0.01〜2% セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:例えば、
0.001〜5%、好ましくは0.01〜1% 高分子糖類又はその塩:例えば、0.0001〜2%、
好ましくは0.001〜2%、さらに好ましくは0.0
1〜2%(例えば、0.01〜1%) ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール:例え
ば、0.001〜10%、好ましくは0.001〜5
%、さらに好ましくは0.01〜3%。
【0057】本発明の組成物は、必要に応じて、発明の
効果を損なわない範囲で、製剤の形態に応じて、医薬
品、医薬部外品などに使用される様々な成分や添加物を
任意に選択し、併用して製剤化することが可能である。
例えば、固形製剤では、結合剤(ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ
ールなど)、賦形剤(ショ糖、乳糖、デンプン、コーン
スターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸など)、滑
沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、崩壊剤(クロ
スカルメロースナトリウムなど)などを使用できる。ま
た、半固形剤では、製剤の種類に応じた基剤、例えば、
軟膏基剤(例えば、ワセリン、流動パラフィン、ロウな
どの炭化水素系基剤、セタノール、高級脂肪酸エステル
など)、ゲル基剤(例えば、カルボキシビニルポリマ
ー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック
コポリマー、ガム質など)、油性基剤(オリーブ油、大
豆油、ゴマ油、綿実油などの植物油、プロピレングリコ
ールなど)などが利用できる。さらに、液剤では、基剤
としての溶剤又は水、油性基剤、溶解補助剤、懸濁化剤
又は乳化剤、等張化剤、緩衝剤などが使用できる。ま
た、これらの組成物には、必要に応じて、防腐剤、抗酸
化剤、甘味剤、酸味剤、着色剤、香料などを添加しても
よい。なお、本発明の組成物を水性組成物として使用す
る場合、前記キサンチン類の水溶液中での溶解性を改善
し、安定な水性組成物とするために溶解補助剤を使用で
きる。このような溶解補助剤としては、例えば、安息香
酸、クエン酸、アミノイソブタノール、タウリン及びそ
の塩、界面活性剤、プロピレングリコールなどの多価ア
ルコールなどが挙げられる。
【0058】以下に、本発明の一態様である水性組成物
(特に、点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液、コ
ンタクトレンズ用剤、点鼻薬、鼻洗浄液、口腔咽頭薬、
含嗽薬、点耳薬など)の代表的な成分を例示するが、水
性組成物の成分はこれらの成分に限定されるものではな
い。
【0059】糖類:例えば、グルコース、フルクトー
ス、ガラクトース、マンノース、リボース、リブロー
ス、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシ
リボース、マルトース、トレハロース、スクロース、セ
ロビオース、ラクトース、プルラン、ラクツロース、ラ
フィノース、マルチトールなど、及びその薬理学的に許
容される塩類など。
【0060】増粘剤:例えば、多糖類又はその誘導体
(アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロ
ブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダ
ルマンガム、トラガント、ベンゾインゴム、ローカスト
ビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリ
ン、デキストラン、カラギーナン、ゼラチン、コラーゲ
ン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸、キチン
及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、エラスチ
ン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラン
硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸など)、セラ
ミド、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセ
ルロース、セルロースなど)、ポリビニルアルコール
(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、
マクロゴール、ポリビニルメタアクリレート、ポリアク
リル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミ
ン、リボ核酸、デオキシリボ核酸など、及びその薬理学
的に許容される塩類など。
【0061】界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレン
(POE)−ポリオキシプロピレン(POP)ブロック
コポリマー (例えば、ポロクサマー407 、ポロクサマー
235、ポロクサマー188 など) 、モノラウリン酸POE
(20)ソルビタン(ポリソルベート20) 、モノオレイン酸
POE(20)ソルビタン (ポリソルベート80) などのPO
Eソルビタン脂肪酸エステル類、POE(60)硬化ヒマシ
油などのPOE硬化ヒマシ油、POE(9) ラウリルエー
テルなどのPOEアルキルエーテル類、POE(20)PO
P(4) セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエ
ーテル類、POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのP
OEアルキルフェニルエーテル類などの非イオン性界面
活性剤;アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシ
ン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸
ベタイン型、イミダゾリン型などの両性界面活性剤;P
OE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのPO
Eアルキルエーテルリン酸及びその塩、ラウロイルメチ
ルアラニンナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、ア
ルキルエーテルカルボン酸塩、N−ココイルメチルタウ
リンナトリウムなどのN−アシルタウリン塩、テトラデ
センスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、ラウリ
ル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、POE(3) ラ
ウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのPOEアルキルエ
ーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などの陰イ
オン界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキル4級アン
モニウム塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウ
ムなど)、アルキルピリジニウム塩(塩化セチルピリジ
ニウム、臭化セチルピリジニウムなど)などの陽イオン
界面活性剤などが挙げられる。なお、括弧内の数字は付
加モル数を示す。
【0062】防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、パラ
オキシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸メチル、
パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピ
ル、パラオキシ安息香酸ブチルなど)、アクリノール、
塩化メチルロザニリン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベ
ンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピ
リジニウム、クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビ
グアニド、アルキルポリアミノエチルグリシン、ベンジ
ルアルコール、フェネチルアルコール、クロロブタノー
ル、イソプロパノール、エタノール、フェノキシエタノ
ール、イオウ、リン酸ジルコニウムの銀、亜鉛、酸化亜
鉛などの担持体、銀亜鉛アルミノケイ酸塩、マーキュロ
クロム、チメロサール、ポビドンヨード、デヒドロ酢
酸、クロルキシレノール、クレゾール、クロロフェン、
フェノール、レゾルシン、オルトフェニルフェノール、
イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヒノキチオ
ール、スルファミン、リゾチーム、ラクトフェリン、ト
リクロサン、8−ヒドロキシキノリン、ウンデシレン
酸、カプリル酸、プロピオン酸、安息香酸、ソルビン
酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソル
ビン酸トリクロカルバン、ハロカルバン、チアベンダゾ
ール、ポリミキシンB、5−クロロ−2−メチル−4−
イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチア
ゾリン−3−オン、ポリリジン、過酸化水素、塩化ポリ
ドロニウム、Glokill(商品名、ローディア社製、例え
ば、Glokill PQ)、ポリジアリルジメチルアンモニウム
クロライド、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニ
オ)エチレン−(ジメチルイミニオ)エチレンジクロリ
ド]など、及びその薬理学的に許容される塩類など。
【0063】pH調整剤:例えば、無機酸(塩酸、硫
酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸など)、有機酸(乳
酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シ
ュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、
アスパラギン酸、イプシロンアミノカプロン酸、グルタ
ミン酸、アミノエチルスルホン酸など)、グルコノラク
トン、酢酸アンモニウム、無機塩基(炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)、有
機塩基(モノエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノール
アミン、リジンなど)、ホウ砂、及びその薬理学的に許
容される塩類など。
【0064】等張化剤:例えば、グリセリン、プロピレ
ングリコールなどの多価アルコール、糖類(ブトウ糖,
マンニトール,ソルビトールなど)など。
【0065】無機塩類:例えば、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化
カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウ
ム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、
チオ硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなど。
【0066】さらに、必要に応じて香料又は清涼化剤
(例えば、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラ
ニオール、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ
油、ハッカ油、ケイヒ油、ローズ油、ペパーミント油な
ど)などを加えることができる。
【0067】水性組成物(又は水性液剤)は、必要に応
じて、生体に許容される範囲内のpH及び/又は浸透圧
に調節する必要がある。許容されるpHは、内服用ドリ
ンクでは、通常、酸性〜中性(例えば、pH3〜8程
度)であることが好ましい。外皮用組成物では、通常、
pH2〜10程度の範囲から選択でき、皮膚に対する低
刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好まし
くはpH3〜9,より好ましくは弱酸性〜中性(例えば
pH5〜8程度)であるのが好ましい。点眼薬や洗眼薬
などの粘膜適用組成物の場合、通常、pH5.0〜9.
0,好ましくは5.5〜8.5,特に好ましくは5.9
〜8.5程度である。
【0068】浸透圧は、100〜1200mOsm、好
ましくは100〜600mOsm、特に好ましくは15
0〜400mOsm程度であり、生理食塩液に対する浸
透圧比は、通常、0.3〜4.1、好ましくは0.3〜
2.1、特に好ましくは0.5〜1.4程度である。p
Hや浸透圧の調節は、緩衝剤、前記pH調整剤、等張化
剤、塩類などを用いて行うことができる。
【0069】緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩
衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤などが
挙げられる。好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、リン酸
緩衝剤、炭酸緩衝剤及びクエン酸緩衝剤である。特に好
ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤またはリン酸緩衝剤であ
る。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸、ホウ酸アルカリ金
属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩などのホウ酸塩、ホウ
酸及びホウ酸塩の組み合わせなどが挙げられる。リン酸
緩衝剤としては、リン酸、リン酸アルカリ金属塩、リン
酸アルカリ土類金属塩などのリン酸塩、リン酸及びリン
酸塩の組み合わせなどが挙げられる。また、ホウ酸緩衝
剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水
和物を用いてもよい。より具体的には、ホウ酸又はその
塩 (ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホ
ウ酸カリウムなど) 、リン酸又はその塩 (リン酸水素ナ
トリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリ
ウムなど)、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭
酸ナトリウムなど)、クエン酸又はその塩(クエン酸ナ
トリウム、クエン酸カリウムなど)が挙げられる。緩衝
剤として、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤を用いる場
合、本発明の水性組成物中におけるこれらの緩衝剤の濃
度は、例えば、0.0001〜10.0%程度である。
【0070】本発明の組成物は、公知の方法により製造
できる。固形製剤は、例えば、各成分を練合又は造粒
し、必要により添加剤を添加して打錠することにより調
製できる。半固形剤、液剤は、基剤と各成分とを混合
し、必要により、ろ過滅菌処理し、容器に充填すること
により調製できる。より具体的には、水性組成物の点眼
剤であれば、例えば、蒸留水又は精製水及び添加剤を用
いてアズレン誘導体とキサンチン類とを溶解させ、所定
の浸透圧及びpHに調整し、無菌環境下、ろ過滅菌処理
し、洗浄滅菌済みの容器に無菌充填することにより製造
できる。
【0071】本発明の組成物は、前記のようにアズレン
誘導体の安定性を大きく向上できる。そのため、種々の
包装形態で使用でき、薄い有色の透明容器に収容しても
長期間に亘りアズレン誘導体を安定化できる。本発明の
効果は、例えば、スクイズ性及び携帯性に優れるプラス
チック製容器のように繰り返し使用可能な形態で容器に
包装又は収容する組成物において有効である。さらに、
本発明の組成物では、アルミニウム製容器のような完全
遮光可能な容器を用いる必要がなく、異物試験において
異物混入を確実に判別できるため、水性組成物(点眼
薬、洗眼薬、注射剤、輸液、飲料、食品、化粧料などの
水性製剤など)の工程管理及び品質管理を確実に行うこ
とができる。
【0072】本発明の組成物は、プラスチック容器に収
容されていてもよい。前記組成物を収容できるプラスチ
ック容器の樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂
(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル
系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
硬質塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、
アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)な
ど)、セルロースアセテート類などが例示できる。好ま
しい樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂であり、特に好ま
しい樹脂は、ポリエステル系樹脂である。
【0073】ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン
酸成分(フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸などの芳香族ジカルボン酸成分など)とジオール成
分とで構成された樹脂が使用できる。具体的には、芳香
族ポリエステル系樹脂、例えば、ポリアルキレンテレフ
タレート(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リブチレンテレフタレート(PBT)などのポリC2-4
アルキレンテレフタレートなど)、ポリアルキレンナフ
タレート(ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ
ブチレンナフタレートなどのポリC2-4アルキレンナフ
タレートなど)、ポリシクロアルキレンテレフタレート
(ポリ1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレ
ート(PCT)など)、ポリアリレート類(ビスフェノ
ール類(ビスフェノール−Aなど)とフタル酸類(フタ
ル酸、テレフタル酸)とで構成された樹脂など)などの
ホモポリエステルが挙げられる。また、ポリエステル系
樹脂には、前記ホモポリエステル単位を主成分(例え
ば、50重量%以上)として含むコポリエステル、前記
ホモポリエステルの共重合体(PETとPCTとの共重
合体など)なども含まれる。なかでも、オレフィン系樹
脂(ポリエチレンなど)、芳香族ポリエステル系樹脂
(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ
ート、ポリアリレートなど)、ポリカーボネートが好ま
しい。
【0074】ポリカーボネート系樹脂は、例えば、ビス
フェノール類(ビスフェノール−Aなど)をベースとす
る芳香族ポリカーボネートである。
【0075】なお、プラスチック製容器は、コストパフ
ォーマンス、強度、光透過性、ガス又は水蒸気バリア性
(透湿性)などに実害が無い限り、ポリマーアロイ(ポ
リマーブレンドなど)であってもよい。好ましいポリマ
ーアロイには、複数の合成樹脂のポリマーブレンド(P
ETとPENとのポリマーブレンドなど)が含まれる。
【0076】また、樹脂は、スクイズ性が良好で、繰り
返しの押圧に対して耐久性を有する樹脂、透明性または
半透明性の樹脂であることが好ましく、必要に応じて着
色してもよい。そして、光の透過を阻害できる成分(紫
外線吸収剤、赤外線吸収剤など)を樹脂に含有させた
り、前記成分を含むコーティング剤を樹脂表面に塗布し
たりすることにより、本発明の効果と協働させて、さら
に安定性を向上させてもよい。
【0077】
【発明の効果】本発明の水性組成物は、キサンチン類と
アズレン誘導体とを組み合わせているので、アズレン誘
導体の安定性、特に熱安定性だけでなく光安定性を著し
く改善できる。さらに、水性溶液中であっても光に対す
る安定性を改善できる。そのため、水性組成物であって
も、アズレン誘導体を長期間に亘り安定に保持できる。
【0078】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。
【0079】実施例1〜13 下記表1及び表2に示す成分を用い、常法により調製
し、表に記載の樹脂製プラスチック容器に充填し、点眼
薬及び洗眼薬を製造した。
【0080】
【表1】
【0081】※濃塩化ベンザルコニウム液50は、日本薬
局方に準拠した試薬を用いた。
【0082】
【表2】
【0083】※濃塩化ベンザルコニウム液50は、日本薬
局方に準拠した試薬を用いた。
【0084】 実施例14(点鼻薬) アズレンスルホン酸ナトリウム 0.02 g マレイン酸クロルフェニラミン 0.25 g ホウ酸 1.30 g ホウ砂 0.75 g 無水カフェイン 2.00 g 塩化ベンザルコニウム 0.01 g ポリソルベート80 0.20 g pH調整剤 適量 塩化ナトリウム 適量 精製水 適量 合計 100mL 上記成分を用い、常法に従って、pH7.5、浸透圧比
1.3の澄明な点鼻薬を得た。
【0085】 実施例15(軟膏薬) グアイアズレン 5 g 無水カフェイン 10 g グリチルリチン酸 100 g ステアリルアルコール 100 g ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1 g ステアリル酸グリセリル 1 g 白色ワセリン 400 g 精製水 383 g 全量 1000 g 上記成分を用い常法に従い、軟膏薬を得た。
【0086】 実施例16(含嗽薬) カフェイン 0.1 g アズレンスルホン酸ナトリウム 0.05g グルコン酸クロルヘキシジン 0.8 g l−メントール 1.0 g dl−カンフル 1.0 g エタノール 20 g ソルビン酸カリウム 0.15g ソルビット 15.0 g ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3.0 g pH調整剤 適量 精製水 適量 全量 100ml(pH=7.5)
【0087】 実施例17(口腔用組成物) カフェイン 0.1 g アズレンスルホン酸ナトリウム 0.02 g ソルビン酸カリウム 0.1 g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム 0.002g l−メントール 0.01 g 炭酸水素ナトリウム 0.2 g ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3.0 g pH調整剤 適量 精製水 適量 全量 100ml(pH=7.5)
【0088】 実施例18(コンタクトレンズ洗浄用酵素溶液) アズレンスルホン酸ナトリウム 0.05g カフェイン 1.0 g 酵素 2.0 g (アルカリプロテアーゼGL−440(ジェネンコア社)) 濃グリセリン(日本薬局方) 40.0 g ホウ砂 3.0 g ソルビン酸カリウム 0.1 g pH調整剤 適量 精製水 適量 ポリソルベート80 0.01g 全量 100ml
【0089】常法によりコンタクトレンズ洗浄用酵素溶
液(pH=6.2)を調製し、ポリエチレンテレフタレ
ート製容器に充填した。この溶液は、コンタクトレンズ
用消毒液、保存液または洗浄保存液などに、1〜数滴滴
下し、コンタクトレンズの洗浄に用いることができる。
【0090】試験例 キサンチン類によるアズレン誘導
体の安定化試験 光又は熱に対する安定性を試験するため、表3及び表4
に示す各種の試験液(実施例19〜32及び比較例1〜
7)を常法により調製し、比較例6〜7及び実施例31
〜32の試験液は、ポリエチレンテレフタレート製の無
色透明のプラスチック容器に充填し、密栓した。他の比
較例及び実施例の試験液は無色透明のガラスアンプルに
充填し、封入した。さらに、比較例6及び実施例31で
は脱酸素剤「エージレス(登録商標)」とともに、ピロ
ー包装した。
【0091】これらの試料に、光安定性試験装置「Ligh
t-Tron LT-120 D3CJ型」、ナガノ科学社製を用い、D6
5蛍光ランプを光源として、室温25℃の下、2000
luxの光を照射し、積算照射量約22万〜51万lu
x・hrの光に曝光した。または、熱安定性試験では、
70℃または40℃の恒温室に長期保管した。
【0092】光照射または長期保管後に、試験液を分光
光度計(「U−3300」,日立製作所製)を用いて吸
光度法によりアズレンスルホン酸の残存量を定量した。
アズレンスルホン酸は、570nmの吸光度により検出
して測定した。結果を表3及び表4に示す。
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】表3及び表4において、カフェイン(無水
カフェイン)を含有しない比較例(表3の比較例1〜
3)と、カフェイン(無水カフェイン)を含有する実施
例(表3の実施例19〜21)との比較から明らかなよ
うに、カフェインがアズレンスルホン酸の光による分解
を抑制し、濃度依存的にアズレンスルホン酸の光安定性
を改善する。同じく、キサンチン類を含有しない試料
(表3の比較例1〜3)と、キサンチン類(プロキシフ
ィリン、ジプロフィリン、テオフィリン)含有する試料
(表3の実施例24〜28)との比較から明らかなよう
に、キサンチン類がアズレンスルホン酸の光による分解
を抑制し、光安定性を改善する。
【0096】さらに、キサンチン類は、光により分解を
抑制するのみでなく、熱による分解に対しても効果があ
り、アズレンスルホン酸の長期安定化効果が確認され
た。比較例6,比較例7,実施例31,実施例32を比
較すると、脱酸素剤とともにピロー包装すると、40℃
3ヶ月の残存率が約8%増加しているが、カフェインを
添加した場合では残存率がさらに増加しており、脱酸素
剤(エージレス(登録商標))による熱安定化効果より
も高い熱安定化効果が認められた。さらには、カフェイ
ンと脱酸素剤とを組み合わせることで優れたさらに熱安
定化効果があることが示され、長期安定化されることが
確認された(表4の実施例31と32)。
【0097】なお、アズレンスルホン酸ナトリウム含有
水性組成物は、青紫色を呈する。アズレンスルホン酸ナ
トリウムを安定に保持することは、同時に、青紫色の退
色を抑制することにもなる。
【0098】グアイアズレンスルホン酸ナトリウムを主
成分として含む製剤に、エデト酸又はその塩を配合する
と、熱に対して安定な製剤が得られることが知られてい
る(特開平1−121216号公報)。カフェインは、
熱に対して安定な製剤を得るのに有用であるのみなら
ず、アズレンスルホン酸の光安定性に効果的であり(表
3及び表4)、前記のように、濃度依存的に分解を抑制
する。そして、カフェインとエデト酸ナトリウム(日本
薬局方)とを組み合わせることによって、アズレンスル
ホン酸ナトリウムをさらに光安定化及び長期安定化でき
ることが確認された(表4)。
【0099】実施例33〜44 下記表5及び表6に示す成分を用い、常法により調製
し、表に記載の樹脂製プラスチック容器に充填し、点眼
薬、洗眼薬、コンタクトレンズ用消毒剤、コンタクトレ
ンズ用洗浄保存液を製造した。
【0100】
【表5】
【0101】
【表6】
【0102】実施例45〜55 下記表7及び表8に示す成分を用い、常法により調製
し、表に記載の樹脂製プラスチック容器に充填し、点眼
薬を製造した。
【0103】
【表7】
【0104】
【表8】
【0105】※濃塩化ベンザルコニウム液50は、日本薬
局方に準拠した試薬を用いた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 27/04 A61P 27/04 27/16 27/16 31/00 31/00 Fターム(参考) 4C076 BB22 BB24 BB25 DD60Q FF65 4C083 AC031 AC032 AC102 AC132 AC272 AC312 AC432 AC532 AC742 AC851 AC852 AD532 BB14 BB45 CC41 EE01 EE31 4C206 AA02 BA05 JA06 MA01 MA05 MA37 MA48 MA77 MA78 MA79 MA83 NA03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なっていても
    よく、それぞれ、水素原子又は置換されてもよいアルキ
    ル基を示す)で表される化合物又はその塩化合物と、下
    記式(2) 【化2】 (式中、R4、R5およびR6は、それぞれ同一又は異な
    って、水素原子又はアルキル基を示し、R7は酸性基又
    はその塩を示す)で表される化合物又はその塩とを含有
    し、安定化された組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の式(1)で表される化合
    物又はその塩と、請求項1記載の式(2)で表される化
    合物又はその塩とを含有する水性組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の式(1)で表される化合
    物又はその塩と、請求項1記載の式(2)で表される化
    合物又はその塩とを含有する粘膜適用組成物。
  4. 【請求項4】 式(1)で表される化合物が、カフェイ
    ン、テオフィリン、テオブロミン、ジプロフィリン、プ
    ロキシフィリン、及びペントキシフィリンから選択され
    る少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかの項に
    記載の組成物。
  5. 【請求項5】 式(2)で表される化合物が、グアイア
    ズレン、グアイアズレンスルホン酸、カマアズレン、及
    びカマアズレンスルホン酸から選択される少なくとも1
    種である請求項1〜3のいずれかの項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 式(2)で表される化合物又はその塩1
    重量部に対して、式(1)で表される化合物又はその塩
    を0.01〜100000重量部の割合で含有する請求
    項1〜3のいずれかの項に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 キレート剤をさらに含む請求項1〜3の
    いずれかの項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 キレート剤の割合が、式(2)で表され
    る化合物又はその塩1重量部に対して0.01〜100
    0重量部である請求項7記載の組成物。
  9. 【請求項9】 繰り返し使用可能な形態で包装された請
    求項1〜3のいずれかの項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 プラスチック製容器に収容されている
    請求項1〜3のいずれかの項に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の式(1)で表される
    化合物又はその塩を配合することにより、請求項1に記
    載の式(2)で表される化合物又はその塩の安定性を向
    上させる方法。
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