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JP2003119117A - 抗う蝕剤及び口腔用組成物 - Google Patents

抗う蝕剤及び口腔用組成物

Info

Publication number
JP2003119117A
JP2003119117A JP2001316434A JP2001316434A JP2003119117A JP 2003119117 A JP2003119117 A JP 2003119117A JP 2001316434 A JP2001316434 A JP 2001316434A JP 2001316434 A JP2001316434 A JP 2001316434A JP 2003119117 A JP2003119117 A JP 2003119117A
Authority
JP
Japan
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extract
mass
plant
agent
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001316434A
Other languages
English (en)
Inventor
Kokichi Tamura
幸吉 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruzen Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2001316434A priority Critical patent/JP2003119117A/ja
Publication of JP2003119117A publication Critical patent/JP2003119117A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全かつ優れたう触予防作用を有する天然系
抗う蝕剤及び該抗う触剤を含有する口腔用組成物の提
供。 【解決手段】 トウダイグサ科フィランツス属植物、ブ
ナ科コナラ属植物、セリ科ハマボウフウ属植物、セリ科
カワラボウフウ属植物及びミソハギ科サルスベリ属植物
から選ばれる少なくとも1種の植物の抽出物を有効成分
として含む抗う蝕剤、又はキダチミカンソウ、ウバメガ
シ、ハマボウフウ、ボタンボウフウ及びバナバからなる
群から選択される少なくとも1種の植物から抽出される
グルコシルトランスフェラーゼ阻害作用物質を有効成分
として含む抗う蝕剤、及び該抗う蝕剤を含む口腔用組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な抗う蝕剤及
び該抗う触剤を含有する口腔用組成物に関する。なお、
本発明において、口腔用組成物とは、口腔内に一定時間
保持される、飲食物を含む幅広い概念を意味する。
【0002】
【従来の技術】う蝕の発生には口腔内の微生物、特にス
トレプトコッカス・ミュータンス(以下「S.muta
ns」と略記する)及びストレプトコッカス・ソブリナ
ス(以下「S.sobrinus」と略記する)が産生
する酵素であるグルコシルトランスフェラーゼが関与し
ている。
【0003】即ち、口腔内に残った飲食物中のショ糖の
一部がグルコシルトランスフェラーゼの作用によって水
不溶性且つ付着性の強いグルカンに変化し、それが口腔
内微生物と共に歯の表面に付着してプラーク(歯垢)を
形成する。そして、プラーク内の微生物が糖類を代謝し
て酸を作り、この酸が歯のエナメル質を脱灰し侵食する
のがう蝕である。また、プラークはう蝕の他、口臭の原
因となったり、その進行によって歯周病、歯肉炎、更に
は歯槽膿漏に発展する場合もある。
【0004】従って、う蝕を防ぐには、歯の表面に付着
したプラークを歯磨き等を行って除くだけではなく、口
腔におけるS.mutans及びS.sobrinus
の増殖やグルコシルトランスフェラーゼの作用を阻害す
ることによってグルカンの生成を防止し、ひいてはプラ
ークが生じないようにするのが最も効果的である。
【0005】このような観点から、近年、グルコシルト
ランスフェラーゼ阻害作用を有する物質を含有させるこ
とにより、う蝕予防作用を付与した口腔用組成物が提供
されている。
【0006】このような用途に適したグルコシルトラン
スフェラーゼ阻害物質としては、例えば、タイソウ、ウ
イキョウ、芍薬、ゲンチアナ、センソ、龍胆、黄連、セ
ンブリ(特開昭58−121218号公報)、エラグ酸
及びエラグ酸を含有するゲンノショウコ、ユーカリ(特
開昭64−10985号公報)、シャクヤク、ビワヨ
ウ、ジョウインチン、チユ(特開平4−95020号公
報)、ムタスティン、生薬タンニン類、エラグ酸、緑茶
ポリフェノール、ウーロン茶抽出物などが提案されてい
るが、更なる、安全かつ安価でありながら高いう触防止
効果を有する抗う蝕剤の提供が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、安全かつ優れたう触予防作
用を有する天然系抗う蝕剤及び該抗う触剤を含有する口
腔用組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため鋭意検討を重ねた結果、キダチミカンソ
ウ、ウバメガシ、ハマボウフウ、ボタンボウフウ及びバ
ナバからなる群から選択される少なくとも1種の植物の
抽出物が、グルコシルトランスフェラーゼ阻害作用を有
し、安全な天然系抗う触剤として有効であり、しかも、
風味や使用感に対する悪影響が少ないので、広範な口腔
用組成物に対して使用できることを知見し、本発明をな
すに至った。
【0009】即ち、本発明は、上記課題を解決するた
め、下記の抗う蝕剤及び口腔用組成物を提供する。
【0010】請求項1の発明は、トウダイグサ科フィラ
ンツス属植物、ブナ科コナラ属植物、セリ科ハマボウフ
ウ属植物、セリ科カワラボウフウ属植物及びミソハギ科
サルスベリ属植物から選ばれる少なくとも1種の植物の
抽出物を有効成分として含むことを特徴とする抗う蝕剤
である。
【0011】請求項2の発明は、キダチミカンソウ、ウ
バメガシ、ハマボウフウ、ボタンボウフウ及びバナバか
らなる群から選択される少なくとも1種の植物から抽出
されるグルコシルトランスフェラーゼ阻害作用物質を有
効成分として含むことを特徴とする抗う蝕剤である。
【0012】請求項3の発明は、キダチミカンソウ、ウ
バメガシ、ハマボウフウ、ボタンボウフウ及びバナバか
らなる群から選択される少なくとも1種の植物の葉部、
茎部、根部又はこれらの混合部位を、水若しくは親水性
溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られるグルコシ
ルトランスフェラーゼ阻害作用物質を有効成分として含
む請求項2に記載の抗う蝕剤である。
【0013】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れか1項に記載の抗う蝕剤を含有する口腔用組成物であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。本発明の抗う蝕剤は、第1の態様として、ト
ウダイグサ科フィランツス属植物、ブナ科コナラ属植
物、セリ科ハマボウフウ属植物、セリ科カワラボウフウ
属植物及びミソハギ科サルスベリ属植物から選ばれる少
なくとも1種の植物の抽出物を有効成分として含むもの
である。
【0015】また、本発明の抗う蝕剤は、第2の態様と
して、キダチミカンソウ、ウバメガシ、ハマボウフウ、
ボタンボウフウ及びバナバからなる群から選択される少
なくとも1種の植物から抽出されるグルコシルトランス
フェラーゼ阻害作用物質を有効成分として含むものであ
る。
【0016】前記トウダイグサ科フィランツス属(Eu
phorbiaceae)植物としては、キダチミカン
ソウ(Phyllanthus niruri var.
amarus Leamdri)、ユカン(Phyll
anthus emblica)などが挙げられ、これ
らの中でも、キダチミカンソウが好ましい。キダチミカ
ンソウは、熱帯〜暖帯に広く分布し、耕地、路地に普通
に見られる植物であり、茎部、葉部(全草)を用いるこ
とができる。
【0017】前記ブナ科コナラ属(Fagaceae)
植物としては、ウバメガシ(Quercus phil
lyraeoides A. Gray)、ミズナラ(Q
uercus mongolica var. gros
seserrata (Bl.)Rehd.et Wil
s.)、シラカシ、コナラなどが挙げられ、これらの中
でも、ウバメガシが好ましい。ウバメガシは、小型でつ
やのある常緑の葉を密に付け、生垣や庭木としてよく植
えられる樹木である。本州の神奈川県以西、四国、九
州、沖縄、中国大陸に幅広く分布し、葉部を用いること
ができる。
【0018】セリ科ハマボウフウ属(Umbellif
erae)植物としては、ハマボウフウ(Glehni
a littoralis F. Schmidt ex
Miq.)などが挙げられる。ハマボウフウは、海岸に
生える多年草であり、日本全土、朝鮮、中国大陸などに
幅広く分布し、葉部又は根部を用いることができる。
【0019】セリ科カワラボウフウ属(Umbelli
ferae)植物としては、ボタンボウフウ(Peuc
edanum japonicum Thunb.)、ノ
ダケ、イノンド、カワラボウフウなどが挙げられ、これ
らの中でも、ボタンボウフウが好ましい。ボタンボウフ
ウは、海岸に生える多年草であり、関東以西、四国、九
州、沖縄、朝鮮、中国大陸、フィリピンなどに分布し、
葉部又は根部を用いることができる。
【0020】ミソハギ科サルスベリ属(Lythrac
eae)植物としては、バナバ(Lagerstroe
mia speciosa l.)、シマサルスベリなど
が挙げられ、これらの中でも、バナバが好ましい。バナ
バは、オオバナサルスベリともいわれ、東南アジア原産
であり、葉部を用いることができる。
【0021】上記抽出原料である植物は、1種を単独で
用いても、又は2種以上を併用してもよい。例えば、キ
ダチミカンソウ、ウバメガシ、ハマボウフウ、ボタンボ
ウフウ及びバナバの全てを混合してもよいし、キダチミ
カンソウとウバメガシとの組み合わせ、キダチミカンソ
ウとハマボウフウとの組み合わせ、キダチミカンソウと
ボタンボウフウとの組み合わせ、キダチミカンソウとバ
ナバとの組み合わせ、ハマボウフウとボタンボウフウと
の組み合わせなどが好適である。
【0022】前記本発明の抗う蝕剤の抽出原料となる植
物は、各植物体は自然界に大量に存在しており、安定供
給が可能であり、また、古くから食用、薬用に供せられ
ている安全性の高いものである。なお、本発明の抗う触
剤の有効成分であるグルコシルトランスフェラーゼ阻害
作用が抽出物中のいかなる化合物によるものなのかは確
認されていないが、おそらくは、複数の化合物の作用が
複合しているものと推察される。
【0023】また、本発明の抗う蝕剤は、前記抽出原料
である植物の葉部、茎部、根部又はこれらの混合部位を
生のまま又は乾燥した後、そのまま又は粉砕機を用い粉
砕して溶媒抽出に供することにより得ることができる。
抽出に用いる溶媒としては、水若しくは親水性溶媒又は
これらの混合溶媒を室温乃至溶媒の沸点程度の温度で用
いることが好ましい。
【0024】前記抽出溶媒として使用し得る水として
は、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧
水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含ま
れる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺
菌、滅菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等
が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使
用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食
塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれ
る。
【0025】前記親水性有機溶媒としては、例えば、メ
タノール、エタノール、プロピレンアルコール、イソプ
ロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;
アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;
1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙
げられ,これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを
用いることができる。なお、水と親水性有機溶媒との混
合系溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は
水10質量部に対して1〜990質量部、低級脂肪族ケ
トンの場合は水10質量部に対して1〜990質量部、
多価アルコールの場合は水10質量部に対して1〜99
0質量部添加することが好ましい。
【0026】本発明において、抗う蝕剤の有効成分を抽
出するにあたり特殊な抽出方法を採用する必要はなく、
室温乃至還流加熱下で、任意の装置を用いて抽出するこ
とができる。具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に
抽出原料を投入し、時々撹拌して可溶性成分を溶出す
る。その後、濾過して抽出残渣を除き、得られた抽出液
を濃縮、乾燥することにより、有効成分を含有する抽出
物を得ることができる。
【0027】抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場
合は、通常40〜90℃で30分〜2時間程度である。
また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用
いた場合には、通常40〜80℃で30分〜2時間程度
である。なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出
液は、抽出溶媒が安全性の高いものであればそのまま配
合して本発明の抗う触剤として用いることができる。
【0028】また、得られる抽出液を脱色、脱臭、活性
向上等を目的として精製することもできる。精製手段と
しては、特に制限されず、活性炭処理、樹脂吸着処理、
イオン交換樹脂処理、液−液向流分配等の方法が挙げら
れる。例えば、セパビーズSP−207、ダイヤイオン
HP−20(いずれも三菱化学(株)製)等の多孔性樹
脂と濃縮液とを接触させる樹脂吸着精製法等を採用する
ことができる。なお、樹脂に吸着された有効成分は水、
エタノールなどで溶出させることができる。
【0029】上述のようにして得られるこれらの植物の
抽出液又は抽出物は、そのままでも抗う蝕剤として利用
可能であるが、必要に応じて、他の活性物質や成形助剤
と共に、任意の剤形の抗う触剤とすることができる。
【0030】本発明の抗う触剤は、各種口腔用組成物に
添加して口腔内におけるグルカン生成の防止に寄与する
ことができる。前記口腔用組成物としては、各種歯磨き
類、マウスウォッシュ、トローチ、口腔用パスタ、歯肉
マッサージクリーム、うがい剤、口中清涼剤、菓子、パ
ン、キャンディー、チューインガム、グミ、ゼリー、チ
ョコレート、錠菓、ペットフードなどが挙げられる。こ
の場合、抗う触剤の口腔用組成物に対する配合量は活性
の強さや添加対象物によって異なり一概には規定するこ
とはできないが、前記植物の抽出物として約0.001
〜5.0質量%であり、特に約0.05〜1.0質量%
であることが好ましい。
【0031】本発明の口腔用組成物には、前記植物の抽
出物以外にも他のグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤
やプラーク形成抑制剤を併用してもよく、また、S.m
utans及びS.sobrinusに対して有効な抗
菌剤を添加してもよい。更に、任意の抗炎症剤、抗菌
剤、消臭剤等を添加することにより、口腔用剤として一
層優れたものを提供することができる。
【0032】前記抗炎症剤としては、例えば、アセンヤ
ク、カンゾウ、ウワウルシ、オウゴン、コウキ、サイ
コ、サンザシ、シゾ、シャクヤク、ソウハクヒ、キョウ
ニン、タイソウ、チョウジ、トウニン、ニクズク、ボタ
ンピ、クワの葉等の抽出物;アズレン、アラントイン、
ウルソール酸、オレアノール酸、グリチルリチン酸、グ
リチルレチン酸又はその誘導体;トコフェロール、トラ
ネキサム酸などを挙げることができる。
【0033】前記抗菌剤としては、例えば、ゴバイシ、
サイシン、サンショ、ショウキョウ、ディル、タイム、
ローズマリー、油溶性甘草エキス等の抽出物;アスコル
ビン酸、ムタスティン、フミン酸、リノール酸、リノレ
ン酸などを挙げることができる。
【0034】前記消臭剤としては、例えば、アマチャ、
ウイキョウ、ウラジロガシ、ケイヒ、コショウ、メー
ス、セージ、シソ、イチョウ、カキ葉、緑茶、ウーロン
茶、トウガラシ、タマリンドハスク等の抽出物;ロジ
ン、カキ渋、アクチゾル、クロロフィリン誘導体、エラ
グ酸、クロルヘキシジン、メイラード反応物などを挙げ
ることができる。
【0035】また、本発明の口腔用組成物には、上記成
分以外にも口腔用組成物に普通に用いられる研磨剤、界
面活性剤、粘着剤、粘稠剤、甘味剤、防腐剤、香料、各
種色素などを目的に応じて適宜選択して配合することが
できる。例えば、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウ
ム、不溶性メタリン酸ナトリウム、アルミノシリケー
ト、無水ケイ酸、レジン等の研磨剤;長鎖アルキル硫酸
ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウリル
ジエタノールアマイド、ショ糖脂肪酸エステル等の界面
活性剤;CMC、ヒドロキシエチルセルロース、アルギ
ン酸塩、カラゲナン、アラビアガム、ポリビニルアルコ
ール等の粘着剤;ポリエチレングリコール、ソルビトー
ル、グリセリン、プロピレングリコール等の粘稠剤;サ
ッカリン、ステビオサイド類、グリチルリチン酸、ソー
マチン、アスパルテーム等の甘味剤;デヒドロ酢酸、デ
ヒドロ酢酸ナトリウム等の防腐剤;メントール、カルボ
ン、オイゲノール、アネトール、ハッカ油、スペアミン
ト油、ペパーミント油、ユーカリ油、ジンジャー油、ア
ニス油等の香料;各種色素などを配合し得る。
【0036】
【実施例】以下、製造例及び実施例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定される
ものではない。
【0037】〔製造例1〕 キダチミカンソウ抽出物 キダチミカンソウ全草部(100g)に50質量%エタ
ノール(1000mL)を加え、還流冷却器を用いて、
80℃にて2時間抽出を行った後、濾紙にて濾過し、抽
出液を得た。得られた抽出液を減圧下に濃縮、乾燥を行
い、キダチミカンソウ抽出物26.0g(粉末)を得た
(収率26.0%)。
【0038】〔製造例2〕 ウバメガシ抽出物 ウバメガシ葉部(100g)に水(1000mL)を加
え、還流冷却器を用いて、80℃にて2時間抽出を行っ
た後、濾紙にて濾過し、抽出液を得た。得られた抽出液
を減圧下に濃縮、乾燥を行い、ウバメガシ抽出物29.
1g(粉末)を得た(収率29.1%)。
【0039】〔製造例3〕 ハマボウフウ葉抽出物 ハマボウフウ葉部(100g)に50質量%アセトン
(1000mL)を加え、還流冷却器を用いて、80℃
にて2時間抽出を行った後、濾紙にて濾過し、抽出液を
得た。得られた抽出液を減圧下に濃縮、乾燥を行い、ハ
マボウフウ葉抽出物23.4g(粉末)を得た(収率2
3.4%)。
【0040】〔製造例4〕 ハマボウフウ根抽出物 ハマボウフウ根部(100g)にエタノール(1000
mL)を加え、還流冷却器を用いて、80℃にて2時間
抽出を行った後、濾紙にて濾過し、抽出液を得た。得ら
れた抽出液を減圧下に濃縮、乾燥を行い、ハマボウフウ
根抽出物15.8g(粉末)を得た(収率15.8
%)。
【0041】〔製造例5〕 ボタンボウフウ葉抽出物 ボタンボウフウ葉部(100g)に70質量%エタノー
ル(1000mL)を加え、還流冷却器を用いて、80
℃にて2時間抽出を行った後、濾紙にて濾過し、抽出液
を得た。得られた抽出液を減圧下に濃縮、乾燥を行い、
ボタンボウフウ葉抽出物22.3g(粉末)を得た(収
率22.3%)。
【0042】〔製造例6〕 ボタンボウフウ根抽出物 ボタンボウフウ根部(100g)に水(1000mL)
を加え、還流冷却器を用いて、80℃にて2時間抽出を
行った後、濾紙にて濾過し、抽出液を得た。得られた抽
出液を減圧下に濃縮、乾燥を行い、ボタンボウフウ根抽
出物30.2g(粉末)を得た(収率30.2%)。
【0043】〔製造例7〕 バナバ抽出物 バナバ葉部(100g)に70質量%アセトン(100
0mL)を加え、還流冷却器を用いて、80℃にて2時
間抽出を行った後、濾紙にて濾過し、抽出液を得た。得
られた抽出液を減圧下に濃縮、乾燥を行い、バナバ抽出
物23.5g(粉末)を得た(収率23.5%)。
【0044】〔実施例1〜7〕 グルコシルトランスフ
ェラーゼ阻害試験 製造例1のキダチミカンソウ抽出物(実施例1)、製造
例2のウバメガシ抽出物(実施例2)、製造例3のハマ
ボウフウ葉抽出物(実施例3)、製造例4のハマボウフ
ウ根抽出物(実施例4)、製造例5のボタンボウフウ葉
抽出物(実施例5)、製造例6のボタンボウフウ根抽出
物(実施例6)、製造例7のバナバ抽出物(実施例7)
を50質量%エタノールで溶解及び希釈することによっ
て、それぞれ試料濃度3.125μg/mL〜40mg
/mLの試料溶液を調製した。
【0045】得られた各試料溶液50μL、アジ化ナト
リウム0.1%を含有した2%ショ糖水溶液1000μ
L、粗グルコシルトランスフェラーゼ溶液(S.mut
ansより調製したもの)50μL及び蒸留水900μ
Lを試験管に加え、混合した。37℃で5時間反応させ
た後、生成したグルカンを撹拌器により水中に分散さ
せ、550nmの吸光度を濁度の指標として測定した。
別に、コントロールとして、各試料溶液の代わりに試料
溶液の溶媒を加えた場合について同様の操作を行った。
更に、それぞれの場合について粗グルコシルトランスフ
ェラーゼ溶液を添加せずに同様の操作と測定を行った。
【0046】得られた測定結果から、下記計算式により
グルコシルトランスフェラーゼ活性の阻害率を算出し
た。 <数式1> 阻害率(%)=[1−(A−B)/(C−D)]×100 但し、A:試料溶液の酵素反応後の吸光度 B:試料溶液の酵素無添加時の吸光度 C:コントロールの酵素反応後の吸光度 D:コントロールの酵素無添加時の吸光度
【0047】各反応溶液の試料濃度を0.078〜10
00μg/mLに段階的に変化させて上記グルコシルト
ランセフェラーゼ活性阻害率の測定を行い、阻害率が5
0%になる各反応溶液の試料濃度(IC50)(μg/
mL)を求めた。結果を表1に示す。なお、IC50
1000μg/mL以下であるとグルコシルトランスフ
ェラーゼ阻害作用が充分であると判断できる。
【0048】
【表1】
【0049】表1の結果から、キダチミカンソウ抽出
物、ウバメガシ抽出物、ハマボウフウ葉抽出物、ハマボ
ウフウ根抽出物、ボタンボウフウ葉抽出物、ボタンボウ
フウ根抽出物及びバナバ抽出物が、充分なグルコシルト
ランスフェラーゼ阻害作用を有することが確認できた。
【0050】〔実施例8〕 練り歯磨き 下記の原料を混合して、う蝕防止作用を有する練り歯磨
きを製造した。 製造例1のキダチミカンソウ抽出物 1質量部 第二リン酸カルシウム 45質量部 CMC・ナトリウム塩 1質量部 グリセリン 20質量部 ラウリル硫酸ナトリウム 2質量部 1−メントール 1質量部 水 30質量部
【0051】〔実施例9〕 練り歯磨き 下記の原料を混合して、う蝕防止作用を有する練り歯磨
きを製造した。 製造例4のハマボウフウ根抽出物 3質量部 第二リン酸カルシウム 45質量部 CMC・ナトリウム塩 1質量部 グリセリン 20質量部 ラウリル硫酸ナトリウム 2質量部 1−メントール 1質量部 水 30質量部
【0052】〔実施例10〕 マウスウォッシュ 下記の原料を混合して、う蝕防止作用を有するマウスウ
ォッシュを製造した。 製造例2のウバメガシ抽出物 1質量部 エタノール 20質量部 グリセリン 0.2質量部 クロルヘキシジン 5質量部 1−カルボン 0.005質量部 水 74質量部
【0053】〔実施例11〕 マウスウォッシュ 下記の原料を混合して、う蝕防止作用を有するマウスウ
ォッシュを製造した。 製造例5のボタンボウフウ葉抽出物 3質量部 エタノール 20質量部 グリセリン 0.2質量部 クロルヘキシジン 5質量部 1−カルボン 0.005質量部 水 74質量部
【0054】〔実施例12〕 チューインガム 下記の原料をチューインガム製造の常法により処理し
て、う蝕予防作用を有するチューインガムを製造した。 製造例3のハマボウフウ葉抽出物 5質量部 チューインガムベース 20質量部 ショ糖 50質量部 水飴 20質量部 軟化剤 4質量部 香料 1質量部
【0055】〔実施例13〕 チューインガム 下記の原料をチューインガム製造の常法により処理し
て、う蝕予防作用を有するチューインガムを製造した。 製造例6のボタンボウフウ根抽出物 5質量部 チューインガムベース 20質量部 ショ糖 50質量部 水飴 20質量部 軟化剤 4質量部 香料 1質量部
【0056】〔実施例14〕 下記の原料を飴製造の常法により混合、濃縮、成形し
て、う蝕予防作用を有する飴を製造した。 製造例7のバナバ抽出物 3質量部 ショ糖 70質量部 水飴 30質量部 クエン酸 1質量部 香料 0.1質量部 水 15質量部
【0057】
【発明の効果】本発明の抗う蝕剤は、添加対象物となる
口腔用組成物の風味や使用感に対する悪影響が少ないの
で、広範な口腔用組成物に対して使用できる。また、本
発明の抗う蝕剤の有効成分の抽出原料となる各植物体は
自然界に大量に存在しており、安定供給が可能であるの
で、本発明の抗う蝕剤は安全かつ安価に製造することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B018 LB01 LE03 MD48 MD61 ME09 MF01 MF06 4C083 AA111 AA112 AB282 AC101 AC122 AC742 AC782 AD272 AD532 CC41 DD22 DD23 EE32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トウダイグサ科フィランツス属植物、ブ
    ナ科コナラ属植物、セリ科ハマボウフウ属植物、セリ科
    カワラボウフウ属植物及びミソハギ科サルスベリ属植物
    から選ばれる少なくとも1種の植物の抽出物を有効成分
    として含むことを特徴とする抗う蝕剤。
  2. 【請求項2】 キダチミカンソウ、ウバメガシ、ハマボ
    ウフウ、ボタンボウフウ及びバナバからなる群から選択
    される少なくとも1種の植物から抽出されるグルコシル
    トランスフェラーゼ阻害作用物質を有効成分として含む
    ことを特徴とする抗う蝕剤。
  3. 【請求項3】 キダチミカンソウ、ウバメガシ、ハマボ
    ウフウ、ボタンボウフウ及びバナバからなる群から選択
    される少なくとも1種の植物の葉部、茎部、根部又はこ
    れらの混合部位を、水若しくは親水性溶媒又はこれらの
    混合溶媒で抽出して得られるグルコシルトランスフェラ
    ーゼ阻害作用物質を有効成分として含む請求項2に記載
    の抗う蝕剤。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    抗う蝕剤を含有する口腔用組成物。
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WO2004026273A1 (ja) * 2002-08-02 2004-04-01 Kanebo, Ltd. 口腔用組成物
JP2005179193A (ja) * 2003-12-16 2005-07-07 Okinawa Hakko Kagaku:Kk 植物性抗腫瘍剤
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JP2013155126A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Higashi Nippon Gakuen Hokkaido Iryo Daigaku 体臭抑制剤

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