JP2003117319A - フィルターろ布 - Google Patents
フィルターろ布Info
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Abstract
ィルター用のろ布として好適に用いられる、高温下での
剛性および耐摩耗性などの物理的特性に優れたフィルタ
ーろ布を得る。 【解決手段】ポリフェニレンサルファイド繊維からな
り、かつ、2.5dtex〜17dtexの範囲内の単
繊維繊度のポリフェニレンサルファイド繊維を含むこと
を特徴とするフィルターろ布とする。
Description
ルファイド繊維(以下PPS繊維という)からなる高温
下での剛性、および耐摩耗性などの物理的特性に優れた
フィルターろ布およびバグフィルター、プリーツ型フィ
ルターに関するものである。
石炭ボイラー、あるいは金属溶鉱炉などから排出される
高温の排ガスを濾過するためのフィルターろ布として好
適に使用されるものである。
などに付設される排ガス用バグフィルターに用いられる
ろ布には、排ガスが高温であること、また、排ガス中に
はSOx、NOxなどに代表される種々の薬品や、H2
Oなどの水分が含まれるため、耐熱性、耐薬品性および
耐加水分解性が求められる。
大きく濾過面積を確保するために、耐熱性ろ布にプリー
ツ加工が施された、耐熱のプリーツ型フィルターなども
提案されている。
としてはPPS繊維、メタ系アラミド繊維、ポリテトラ
フルオロエチレン繊維、ポリイミド繊維などがあり、こ
れらの素材を用いて、基布とウェブを合わせてし、ニー
ドルパンチあるいは噴射水流などで繊維を絡合させて得
られる不織布からなるろ布が用いられてきた。
加水分解性および強度などの特性にバランスよく優れ、
バグフィルターに用いられるろ布を構成する繊維として
好適である。PPS繊維に比較して、たとえばメタ系ア
ラミド繊維やポリイミド繊維は耐加水分解性が劣り、ポ
リテトラフルオロエチレン繊維は強度が劣る。
却炉などにおける使用において、高温排ガスやその排ガ
ス中に含まれる薬品などによる化学的な劣化と、これに
加え、排ガス濾過時の圧力損失や逆洗時のパルスジェッ
トによる摩耗や屈曲による物理的な劣化が同時に進行す
るものである。
フィルターに用いられるフィルターろ布には、上述した
耐熱性、耐薬品、耐加水分解性に加え、耐摩耗性などの
物理的特性が要求される。特にプリーツ型フィルターに
おいては、高温下においてプリーツの形状を保持する必
要があるため、高温下において、高い剛性を有するろ布
が必要となる。
性能を有するろ布として、特開平10−165729号
公報では単繊維繊度が1.8d(2.0dtex)以下
のPPS繊維を表面層に配置したろ過布が提案されてい
る。しかしながらこれらはダスト剥離性能、およびダス
ト集塵性能は良好であるものの、高温下での剛性が低
く、また耐摩耗性が十分でないために、実使用におい
て、排ガス濾過時の圧力損失や逆洗時のパルスジェット
により摩耗や屈曲疲労が発生し、化学的な劣化に加え物
理的なろ布の劣化が進行し、破損が生じるなどの問題が
あった。なおかつ、高温下での剛性が低いため、プリー
ツ型フィルターとして使用することは困難であった。
の技術の上述した問題点を解決し、PPS繊維からなる
高温下での剛性および耐摩耗性などの物理的特性に優れ
たフィルターろ布およびバグフィルター、プリーツ型フ
ィルターを提供することにある。
の本発明は、PPS繊維からなり、かつ、単繊維繊度が
2.5dtex〜17dtexの範囲内にあるPPS繊
維を含んでいるフィルターろ布を特徴とするものであ
る。
型フィルターは、かかるフィルターろ布で構成されてい
ることを特徴とするものである。
性、耐薬品性、耐加水分解性に優れていることが知られ
ている繊維である。
2.5dtex〜17dtexの範囲内にあるPPS繊
維を含むことが重要である。3.0dtex〜10dt
exの範囲内にあるPPS繊維を含むことが、さらに好
ましい。このような太い繊度のPPS繊維は剛性が高い
ので、これらの繊維で構成されるフィルターろ布の剛性
も大幅に向上する。さらに、上記繊度にすることによ
り、摩耗や屈曲における物理的な劣化を受けにくいPP
S繊維を得ることができるので、これらの繊維で構成さ
れるフィルターろ布においても、優れた剛性や耐摩耗性
を得ることが可能となる。
とを含む不織布から構成されることが好ましい。一般
に、ウェブをニードルパンチングや噴射水流などにより
繊維同士を交絡し布状にしたものを不織布と呼ぶが、こ
の不織布は空隙部分が均一に分散されており、織物に比
べて濾過特性に優れているためフィルターろ布として好
ましく使用される。しかしながら、ウェブのみからなる
不織布のみでは引張強力や寸法安定性が低く物理的特性
が十分でなく好ましくない。そこで、ウェブと織物とを
ニードルパンチングや噴射水流により交絡し一体化させ
ることが好ましく、これにより優れた濾過特性と、耐摩
耗性や耐屈曲疲労性などの物理的特性とを兼ね備えたフ
ィルターろ布を得ることが可能となる。なお、織物に
は、PPS繊維の紡績糸からなる織物や、PPSのマル
チフィラメントからなる織物、フッ素系のマルチフィラ
メントや紡績糸またはスリットヤーンからなる織物、パ
ラ系アラミド繊維の紡績糸やマルチフィラメントからな
る織物、ポリイミド繊維の紡績糸やマルチフィラメント
などに代表される有機高機能繊維からなる織物や、ガラ
ス繊維や炭素繊維などの無機繊維からなる織物などを用
いることができるが、耐薬品性や耐加水分解性などの点
からPPS繊維の紡績糸やマルチフィラメントからなる
織物を用いることが好ましく、2.5dtex以上のP
PS繊維の紡績糸やマルチフィラメントからなる織物を
用いることがさらに好ましい。
繊維は、JIS L−1096で規定するガーレ法に基
づく剛軟度が0.022μN/dtex以上であること
が好ましい。ここで言う剛軟度とは物体の剛性を示すた
めの指標であり、この値が高いほど高い剛性を有するも
のである。PPS繊維の剛軟度が0.022μN/dt
exを下回ると、フィルターろ布の剛性が低くなり、高
温下において使用する際に濾過時の圧力損失および逆洗
時の圧力損失などでフィルターろ布が変形し、ろ布の屈
曲疲労を誘発させ、ろ布が破損するおそれがあるので好
ましくない。特にプリーツ型フィルターにおいては、高
温下においてプリーツの形状を維持させる必要があり、
剛軟度が0.022μN/dtexを下回るとプリーツ
が変形し、さらには濾過面積が小さくなり、圧力損失が
急上昇するおそれがあるため好ましくない。
剛軟度の高いPPS繊維を含むことにより得られるもの
であり、フィルターろ布の剛軟度は65mN〜1500
mNの範囲内にあることが好ましい。フィルターろ布の
剛軟度が65mNを下回ると、フィルターろ布の剛性が
低くなり、高温下において使用する際に、ろ布の屈曲疲
労を誘発させ、ろ布が破損するおそれがあるので好まし
くない。また、剛軟度が1500mNを超えると、フィ
ルターろ布を集塵機に設置する際や、運搬する際のフィ
ルターの取り扱い性が劣るため好ましくない。特に、プ
リーツ型フィルターにおいては、高温下でのプリーツの
形態保持性が要求されるため、フィルターろ布の剛軟度
は400mN〜1500mNの範囲内であることが好ま
しい。フィルターろ布の剛軟度が400mNを下回ると
プリーツが変形し、さらには濾過面積が小さくなり、圧
力損失が急上昇するおそれがあるため、好ましくない。
また、剛軟度が1500mNを超えるとプリーツ加工が
困難となるため、好ましくない。
れ下がり長さは、30mm以下であることが好ましい。
フィルターろ布の170℃での垂れ下がり長さが30m
mより長い場合、ろ布の高温下での剛性が低く、濾過時
の圧力損失および逆洗時の圧力などでフィルターろ布が
変形し、ろ布の屈曲疲労を誘発させ、ろ布が破損するお
それがあるので好ましくない。特に、プリーツ型フィル
ターとして用いるにあたっては、フィルターろ布の垂れ
下がり長さは10mm以下であることが好ましい。垂れ
下がり長さが10mmを超えると、プリーツ形状が変形
し、圧力損失が急上昇するおそれがあるので好ましくな
い。なお、本発明のフィルターろ布の垂れ下がり長さの
測定方法は下記のとおりである。
ターろ布から、長さ100mm、幅20mmの測定片を
取り出す。取り出された測定片1は、図1に示すよう
に、測定片1の一端2から50mmの部分を直方体の測
定片載置ブロック3の上面に、機械的手段、あるいは、
接着剤により固定する。このとき、測定片1の他端4
は、ブロック3から突き出た状態となる。測定片1がセ
ットされたブロック3を、170℃の雰囲気中に1時間
放置する。この間に、測定片1のブロック3から突き出
た部分5が軟化し垂れ下がる。このときの測定片1の端
部4の位置とブロック3の上面を含む平面6(図1にお
いて点線で描かれる)との間の鉛直方向の長さLを測定
し、この長さLを、垂れ下がり長さとする。この垂れ下
がり長さの大小により、フィルターろ布の高温下での剛
性を評価することができる。
96テーバ型法によりフィルターを摩耗させた後の引張
強力の保持率は、70%以上であることが好ましい。摩
耗後の引張強力の保持率が70%を下回ると、バグフィ
ルターとして使用する際に、濾過時の圧力損失や逆洗時
の圧力などにより、フィルターろ布がバグフィルターの
骨組みを形成するリテーナーと呼ばれる金属棒に接触
し、摩耗により引張強力が低下し、フィルターろ布が破
損するおそれがあるので好ましくない。なお本発明のフ
ィルターろ布の摩耗後の強力保持率の測定方法は下記の
通りである。
テーバ型法摩耗強さに準拠し、摩耗輪としてNo.CS
−10を用い、荷重1,500gでろ布の裏面を5,0
00回摩耗し、このフィルターろ布から長さ60mm、
幅30mmの試験片を切り出し、摩耗部分を挟み込むよ
うにテンシロン測定機につかみ間隔25mmとなるよう
にセットし、引張速度100mm/minにて引っ張っ
た際の最大の強力を測定する。次に、摩耗する前のフィ
ルターろ布を前記と同一の条件にて引っ張り、最大の強
力を測定し、下記式により摩耗後の強力保持率を算出す
る。なお、ここで言う裏面とはフィルターとして使用す
る際のダストが堆積する側の面と逆側の面を指す。 (摩耗後の強力保持率 [%])=(摩耗後の最大強力
[N])/(摩耗前の最大強力[N])×100 さらに、本発明のフィルターろ布は、高温の環境下でも
その性能を十分維持しうるものである。すなわち、本発
明のフィルターろ布は、これを180℃の空気中で2,
160時間熱処理し、さらに上述のJIS L1096
テーバ型法に準拠した方法によりフィルターを摩耗させ
た後の引張強力の、180℃の空気中で処理する前のフ
ィルターろ布の引張強力に対する保持率が20%以上を
有するものであることが好ましい。また、さらに好まし
くは40%以上である。摩耗後の引張強力の保持率が2
0%を下回ると、バグフィルターとして使用された際
に、前記リテーナーとの摩耗によりフィルターろ布が破
損するおそれがあるので好ましくない。なお、本発明の
熱処理および摩耗後のフィルターろ布の強力保持率の測
定方法は下記の通りである。
の空気中で2,160時間熱処理した後、前記摩耗後の
強力保持率の測定方法と同一の方法にて摩耗処理および
引張強力の最大値の測定を行う。次に下記式により熱処
理および摩耗後のフィルターろ布の強力保持率を算出す
る。
強力保持率[%])=(熱処理および摩耗後の最大強力
[N])/(熱処理前の最大強力[N])×100 本発明の耐熱フィルターろ布を構成する不織布は、公知
の不織布を製造する方法、たとえば、ニードルパンチ不
織布、湿式不織布、スパンレース不織布、スパンボンド
不織布、メルトブロー不織布、レジンボンド不織布、ケ
ミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、トウ開繊
式不織布およびエアレイド不織布の製造方法、装置によ
り製造される。フィルターろ布として用いるにあたって
は、これらの中でも、フィルターろ布の引張強力等の点
から、ニードルパンチ不織布、または、スパンレース不
織布の製造方法により製造されることが好ましい。
くともその片面にフッ素系樹脂が付着していることが好
ましい。フッ素樹脂はコーティングにより付着させるこ
とが特に好ましい。これにより、本発明のフィルターろ
布の物理的耐久性をさらに向上することが可能となる。
一般に、フッ素系樹脂は、耐熱性、耐薬品性、耐加水分
解性に優れた樹脂として知られているが、これらの特性
のほかに、摩擦係数の非常に低い樹脂としても知られて
おり、フッ素系樹脂から成る摺動材や軸受けなども近年
では製造されている。本発明のフィルターろ布において
も、ろ布の表面にフッ素系樹脂をコーティングすること
により、ろ布表面の摩擦係数を低くすることが可能とな
り、これにより、リテーナーなどとの摩擦による摩耗を
低減させることが可能となる。さらに、フッ素樹脂をコ
ーティングすることにより、ろ布の表層の繊維同士が拘
束され、物理的な摩擦による繊維の絡みや剥がれが少な
くなることから、摩耗耐久性が大幅に向上する。フッ素
系樹脂をコーティングするろ布の面としては、物理的劣
化を大幅に向上するためにはフィルターろ布の裏面、す
なわちダストが堆積する面の逆側の面にコーティングさ
せることが好ましい。
堆積する側の表面の繊維の一部を融着させることにより
ダスト剥離性能を改善することができる。ろ布表面の繊
維を融着する方法としては毛焼き処理やミラー加工など
の方法を用いることができる。
おいては、そのダスト濃度が高いか、または、ダストの
粒子径が非常に小さな場合があり、前記のようにろ布の
表面に毛焼き処理などの処理を施してもダストが払い落
とされず圧力損失が上昇することがある。このような場
合には、フィルターろ布のダストが堆積する側の表面に
微多孔膜などを設け、ダストがフィルターろ布の内側へ
進入することを防ぐことで、ダスト剥離性をより良好に
することが可能である。微多孔膜としては、たとえば、
耐熱性、耐薬品性などの良好なフッ素系微多孔膜を用い
ることができる。
は、袋状に縫製し、耐熱性の要求されるゴミ焼却炉や石
炭ボイラー、もしくは金属溶鉱炉などの排ガスを集塵す
るバグフィルターとして好適に使用される。
際や、もしくは濾過風量を多くしたいといった要望があ
る際には、フィルターろ布にプリーツ加工を施し、さら
に、縫製や接着などの方法で袋状に形成し、プリーツ型
フィルターとして使用することも可能である。プリーツ
型フィルターとして使用するにあたっては、フィルター
ろ布の剛性をさらに向上するために、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、アクリル樹脂などに代表されるバインダ
ー樹脂を含浸し、フィルターろ布を構成する繊維同士を
拘束させることも可能である。なお、バインダー樹脂を
含浸させる加工方法については特に限定されるものでは
ないが、ディッピングやコーティング、あるいはスプレ
ー法などの周知の方法を用いることができる。
明する。PPS繊維の剛軟度およびフィルターろ布の剛
軟度は以下の方法で、垂れ下がり長さ、摩耗後の引張強
力保持率および熱処理および摩耗後のフィルターろ布の
強力保持率については前述の方法で測定した。 A.PPS繊維の剛軟度:PPS繊維を長さ50mm、
総繊度2000dtexとなるように取り出し、JIS
−L1096に規定されたガーレ法にて剛軟度を測定
し、測定値Aを得た。次に下記式により1dtexあた
りの剛軟度を算出した。 (PPS繊維の剛軟度[μN/dtex])=(測定値A[μ
N])/2000[dtex] B.フィルターろ布の剛軟度:フィルターろ布から長さ
50.8mm、幅25.4mmの測定片を切り出し、こ
の測定片を用いて、JIS−L1096に規定されたガ
ーレ法にて測定した。
縮数14個/2.54cmのPPS短繊維(東レ(株)
製「トルコン(R)」)を用い、単糸番手20s、合糸
本数2本の紡績糸を得た。これを平織りとし経糸密度2
6本/2.54cm、緯糸密度18本/2.54cmの
PPS紡績糸織物を得た。この織物の両面に、平均単繊
維繊度3.0dtex、カット長51mm、捲縮数14
個/2.54cmのPPS短繊維(東レ(株)製「トル
コン(R)」)を用いたウェブを積層し、ニードルパン
チ加工により織物とウェブとを交絡させ、目付が550
g/m2、刺針密度が300本/cm2のフィルターろ布
を得た。得られたフィルターろ布の性能を表1に示し
た。
縮数14個/2.54cmのPPS短繊維(東レ(株)
製「トルコン(R)」)を用い、単糸番手20s、合糸
本数2本の紡績糸を得た。これを平織りとし経糸密度2
6本/2.54cm、緯糸密度18本/2.54cmの
PPS紡績糸織物を得た。この織物の両面に、平均単繊
維繊度7.7dtex、カット長51mm、捲縮数14
個/2.54cmのPPS短繊維(東レ(株)製「トル
コン(R)」)を用いたウェブを積層し、ニードルパン
チ加工により織物とウェブとを交絡させ、目付が556
g/m2、刺針密度が300本/cm2のフィルターろ布
を得た。得られたフィルターろ布の性能を表1に示し
た。
縮数14個/2.54cmのPPS短繊維(東レ(株)
製「トルコン(R)」)を用い、単糸番手20s、合糸
本数2本の紡績糸を得た。これを平織りとし経糸密度2
6本/2.54cm、緯糸密度18本/2.54cmの
PPS紡績糸織物を得た。この織物の表面層に平均単繊
維繊度3.0dtex、カット長51mm、捲縮数14
個/2.54cmのPPS短繊維(東レ(株)製「トル
コン(R)」)を用いたウェブを積層し、次いで、この
織物の裏面層に平均単繊維繊度7.7dtex、カット
長51mm、捲縮数14個/2.54cmのPPS短繊
維(東レ(株)製「トルコン(R)」)を用いたウェブ
を積層し、ニードルパンチ加工により織物とウェブとを
交絡させ、目付544g/m2、刺針密度300本/cm
2のフィルターろ布を得た。得られたフィルターろ布の
性能を表1に示した。なお、ここで言う表面層とはフィ
ルターとして使用する際にダストが堆積する側の層を指
し、裏面層とはその逆側の層を指す。
縮数14個/2.54cmのPPS短繊維(東レ(株)
製「トルコン(R)」)を用い、単糸番手20s、合糸
本数2本の紡績糸を得た。これを平織りとし経糸密度2
6本/2.54cm、緯糸密度18本/2.54cmの
PPS紡績糸織物を得た。この織物の両面に平均単繊維
繊度2.2dtex、カット長51mm、捲縮数14個
/2.54cmのPPS短繊維(東レ(株)製「トルコ
ン(R)」)を用いたウェブを積層し、ニードルパンチ
加工により織物とウェブとを交絡させ、目付551g/
m 2、刺針密度300本/cm2のフィルターろ布を得
た。得られたフィルターろ布の性能を表1に示した。
比較例1のろ布に比べ、常温での剛性、高温下での剛
性、および耐摩耗性に優れるものであった。
ァイド繊維からなり、かつ、単繊維繊度が2.5dte
x〜17dtexの範囲内にある単繊維繊度のポリフェ
ニレンサルファイド繊維を含んでいることにより、常温
および高温下での剛性が高く、かつ、耐摩耗性に優れた
フィルターろ布を得ることができるまた、上記フィルタ
ーろ布が、織物とウェブとを含む不織布からなると、引
張強力や寸法安定性に優れたフィルターろ布とすること
ができる。
ポリフェニレンサルファイド繊維のJIS L−109
6で規定するガーレ法に基づく剛軟度が0.022μN
/dtex以上であると、剛性の高いフィルターろ布を
得ることができ、高温下において使用する際に濾過時の
圧力損失および逆洗時の圧力のために生じるフィルター
ろ布の変形を抑え、ろ布の屈曲疲労や破損を防ぐことが
できる。
96で規定するガーレ法に基づく剛軟度が65mN〜1
500mNの範囲内にあると、剛性が高く、高温下での
使用においても屈曲疲労が起きにくく、破損しにくいも
のとすることができる。さらに、前記剛軟度が400m
N〜1500mNの範囲内にあると、プリーツ型フィル
ターに用いても、プリーツの変形が起こりにくいので、
ろ過面積減少にともなう圧力損失の急上昇の防止に効果
的である。
℃での垂れ下がり長さが30mm以下であると、剛性の
高いフィルターろ布を得ることができ、高温下において
使用する際に濾過時の圧力損失および逆洗時の圧力のた
めに生じるフィルターろ布の変形を抑え、ろ布の屈曲疲
労や破損を防ぐことができる。
より摩耗させた後の引張強力が、摩耗前の引張強力の7
0%以上であると、フィルターとして使用したときに、
たとえ金属と接触する状態であっても、摩耗による引張
強力の低下は起こりにくいので、フィルターろ布が破損
しにくいという効果を有する。
間熱処理し、さらに、JIS L−1096テーバ型法
により摩耗させた後の引張強力が、熱処理前の引張強力
の20%以上であると、高温環境下でも上述の効果を得
ることができる。
着していると、フィルターろ布の摩耗耐久性を大幅に向
上させることができ、少なくとも片面の繊維の一部が融
着されていたり、少なくとも片面に毛焼き処理が施され
ていたり、または、少なくとも片面に微多孔膜を有する
ことで、出すと剥離性を良好にすることが可能となる。
フィルターは、上述のフィルターろ布を、袋状に形成し
てなるから、高温下での剛性および耐摩耗性などの物理
的特性に優れており、耐熱性の要求されるゴミ焼却炉、
石炭ボイラーまたは金属溶鉱炉等に好適に使用すること
ができる。
さを測定する方法を表す斜視図である。
Claims (15)
- 【請求項1】ポリフェニレンサルファイド繊維からな
り、かつ、単繊維繊度が2.5dtex〜17dtex
の範囲内にあるポリフェニレンサルファイド繊維を含ん
でいることを特徴とするフィルターろ布。 - 【請求項2】単繊維繊度が3.0〜10dtexの範囲
内にあるポリフェニレンサルファイド繊維を含んでいる
ことを特徴とする請求項1記載のフィルターろ布。 - 【請求項3】織物とウェブとを含む不織布からなる、請
求項1または2に記載のフィルターろ布。 - 【請求項4】ポリフェニレンサルファイド繊維は、JI
S L−1096で規定するガーレ法に基づく剛軟度が
0.022μN/dtex以上である、請求項1〜3の
いずれかに記載のフィルターろ布。 - 【請求項5】JIS L−1096で規定するガーレ法
に基づく剛軟度が65mN〜1500mNの範囲内にあ
る、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルターろ布。 - 【請求項6】JIS L−1096で規定するガーレ法
に基づく剛軟度が400mN〜1500mNの範囲内に
ある、請求項5記載のフィルターろ布。 - 【請求項7】170℃での垂れ下がり長さが30mm以
下である、請求項1〜6のいずれかに記載のフィルター
ろ布。 - 【請求項8】JIS L−1096テーバ型法により摩
耗させた後の引張強力が、摩耗前の引張強力の70%以
上である、請求項1〜7のいずれかに記載のフィルター
ろ布。 - 【請求項9】180℃の空気中で2,160時間熱処理
し、さらに、JIS L−1096テーバ型法により摩
耗させた後の引張強力が、熱処理前の引張強力の20%
以上である、請求項1〜8のいずれかに記載のフィルタ
ーろ布。 - 【請求項10】少なくとも片面にフッ素系樹脂が付着し
ている、請求項1〜9のいずれかに記載のフィルターろ
布。 - 【請求項11】少なくとも片面の繊維の一部が融着され
ている、請求項1〜10のいずれかに記載のフィルター
ろ布。 - 【請求項12】少なくとも片面に毛焼き処理が施されて
いる、請求項1〜11のいずれかに記載のフィルターろ
布。 - 【請求項13】少なくとも片面に微多孔膜を有する、請
求項1〜12のいずれかに記載のフィルターろ布。 - 【請求項14】請求項1〜13のいずれかに記載のフィ
ルターろ布を、袋状に形成してなることを特徴とするバ
グフィルター。 - 【請求項15】請求項1〜14のいずれかに記載のフィ
ルターろ布をプリーツ状に折り曲げ、袋状に形成してな
ることを特徴とするプリーツ型フィルター。
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Cited By (7)
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