JP2003104188A - 制御型ブレーキブースタ - Google Patents
制御型ブレーキブースタInfo
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- Braking Systems And Boosters (AREA)
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Abstract
のスイッチ手段の故障を正確にかつ速やかに判定できる
ようにする。 【解決手段】 ブースタ本体BS内に、ブレーキペダル
BPと連動する入力ロッド21とは独立してパワーピス
トン7,8を推進するソレノイド機構35を内装し、A
CC70によりソレノイド機構35を制御してブースタ
本体BSを自動ブレーキとして機能させ、かつブースタ
本体BSに内装したスイッチ手段55のオン信号により
ACC70の制御を解除する制御型ブレーキブースタに
おいて、ACC70の制御が停止されている時、ブレー
キランプスイッチ74の信号がブレーキ作動状態を示し
かつマスタシリンダMSに設けた圧力センサ77により
検出したブレーキ液圧が設定圧以上を示す状態が所定時
間以上継続しても、スイッチ手段55による解除信号が
1度も出力されない場合に、スイッチ手段55が故障し
ていると判定する。
Description
統に用いるブレーキブースタに係り、より詳しくはブレ
ーキペダルと連動する入力ロッドとは独立してピストン
を推進する自動ブレーキ機構を備えた制御型ブレーキブ
ースタに関する。
は、例えば、エンジン吸気の負圧と大気圧との差圧によ
り推進するパワーピストンに設けられたバルブボデー
に、ブレーキペダルと連動する入力ロッドとは独立して
前記パワーピストンを推進させる電磁駆動手段を内装
し、該電磁駆動手段の作動に応じて自動ブレーキとして
機能させるようにしたものや、油圧ポンプからの液圧を
電磁弁を介してシリンダ内のピストンに供給して電磁弁
の作動に応じて自動ブレーキとして機能させるようにし
たものがある。
常は設定速度を維持し、先行車を検出した際には、車間
距離を一定に保つように自車両を自動的に加減速させ
る、いわゆるアダプティブクルーズコントローラ(AC
C)を含むACCシステム内の自動ブレーキ(ブレーキ
アクチュエータ)としてきわめて有用となり、最近、そ
の適用が種々検討されている。ところで、ACCシステ
ムにおいては、ドライバーによるブレーキペダルの操作
(ペダル操作)をACC制御よりも優先させる必要があ
り、このため、従来の差圧を利用した制御型ブレーキブ
ースタにおいては、上記バルブボデーに、該バルブボデ
ーと前記入力ロッドとの相対移動からペダル操作を検出
するスイッチ手段を内装し(例えば、特開2001−7
1888号公報参照)、また、油圧ポンプを利用した制
御型ブレーキブースタにおいては、シリンダ内にピスト
ンと入力ロッドとの相対移動からペダル操作を検出する
スイッチ手段を内装し、これらのスイッチ手段による信
号(ペダル操作信号)に基いてACC制御を解除するよ
うにしていた。
CC制御解除用のスイッチ手段を設けた従来の制御型ブ
レーキブースタにおいては、該スイッチ手段の故障を判
定する特別の機構を備えていないため、例えば、該スイ
ッチ手段がオフ信号状態で故障していると、ドライバー
がブレーキを踏んでもACC制御が解除されないため、
ドライバーに違和感を与え、この違和感からドライバー
が意図したとおりのブレーキ操作を行うことができない
ようになる。なお、上記スイッチ手段の故障を検出する
には、例えば、ACCの制御が停止されている時に、ブ
レーキランプスイッチ(BLS)のオン・オフ信号や圧
力センサからモニタするブレーキ液圧値と比較すること
が考えられる。しかし、単純にBLS信号と矛盾してい
たら故障と判断する場合は、ブレーキペダルの踏み加減
により誤判断してしまう可能性が高く、また、その矛盾
した回数で判断する場合は検出に長時間を要してしまう
ことになる。一方、ブレーキ液圧値で判断する場合は、
ブレーキ液圧と関係するスイッチ手段の動的特性が種々
の要因で変化するため、誤判断してしまう可能性があ
る。本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたもの
で、その課題とするところは、ACC制御解除用のスイ
ッチ手段の故障を正確にかつ速やかに判定できるように
し、もって信頼性の向上に大きく寄与する制御型ブレー
キブースタを提供することにある。
め、本発明は、ブレーキペダルと連動する入力ロッドと
は独立してピストンを推進する自動ブレーキ機構を備
え、該自動ブレーキ機構がアダプティブクルーズコント
ローラにより制御される制御型ブレーキブースタであっ
て、前記ピストンと前記入力ロッドとの相対移動からペ
ダル入力を検出し、前記アダプティブクルーズコントロ
ーラの制御を解除するためのペダル操作信号を出力する
スイッチ手段を内蔵した制御型ブレーキブースタにおい
て、前記アダプティブクルーズコントローラの制御が停
止されている時、ブレーキランプスイッチ信号がブレー
キ作動状態を示しかつブレーキ液圧が設定圧以上を示す
状態が所定時間以上継続しても、前記スイッチ手段によ
るペダル操作信号が1度も出力されない場合に、該スイ
ッチ手段が故障していると判定する故障診断プログラム
を設けたことを特徴とする。このように構成した制御型
ブレーキブースタにおいては、スイッチ手段が正常であ
れば、オフ状態からオン状態に確実に切替わる時間を所
定時間として設定することで、その誤判断を防止でき
る。本発明は、上記故障診断プログラムが、ブレーキラ
ンプスイッチ信号がブレーキ作動状態を示しかつブレー
キ液圧が設定圧以上を示す状態が所定時間以上継続して
も、前記スイッチ手段によるペダル操作信号が1度も出
力されない場合に、さらに前記ブレーキランプスイッチ
信号がブレーキ作動状態になりかつ前記ブレーキ液圧が
前記設定圧と別に設定した設定圧以下になるまで待って
も前記ペダル操作信号が1度も出力されないことを確認
して、該スイッチ手段が故障していると判定する構成と
することができる。このように構成した場合は、ブレー
キがオフ状態になるまでに1度でもスイッチオンを示せ
ば正常と判断するので、途中で一時的にスイッチオフの
状態を示しても、故障と誤判断をすることはない。
図面に基いて説明する。図1乃至図6は、本発明の一つ
の実施の形態としての制御型ブレーキブースタを示した
ものである。本実施の形態において、制御型ブレーキブ
ースタを構成するブースタ本体BSは、タンデム型気圧
式倍力装置として構成されており、図2および図3にそ
の詳細構造を示すように、フロントシェル1とリヤシェ
ル2とからなるシェル本体3を備え、該シェル本体3内
を、センターシェル4により前・後2室に分割し、この
前・後2室をさらに、ダイアフラム5,6を備えたパワ
ーピストン7,8により定圧室9,10と変圧室11,
12とに分割し、各パワーピストン7,8に共通に設け
たバルブボデー13をセンターシェル4の中心部および
リヤシェル2の後部の小径筒部2aを気密的にかつ摺動
可能に挿通させてシェル本体3の後方まで延ばしてい
る。バルブボデー13は、大径のカップ部13aと小径
の筒状部13bとを連設してなっており、その筒状部1
3bの、リヤシェル2の後方に延在する部分はブーツ1
4により覆われている。
10とを相互に連通しかつ各定圧室9,10をバルブボ
デー13の筒状部13b内に連通する定圧通路(負圧通
路)15が設けられるほか、2つの変圧室11と12と
を相互に連通しかつ各変圧室11,12をバルブボデー
13の筒状部13b内に連通する大気通路16が設けら
れている。図2の左側(フロント側)の定圧室9には、
吸気管17を通じて、例えばエンジン負圧が導入される
ようになっており、この負圧は、前記負圧通路15を通
じて図の右側(リヤ側)の定圧室10にも供給される。
一方、バルブボデー13の筒状部13bには、サイレン
サ機能を有するフィルタユニット18を通して大気が導
入され、この大気は、後述の弁機構20の作動により前
記大気通路16を通じて2つの変圧室11と12に供給
されるようになる。
に、ブレーキペダルBP(図1)と連動する入力ロッド
21に連結され、バルブボデー13のカップ部13a内
に配置した後述の中空ガイド22に沿って摺動するプラ
ンジャ23と、このプランジャ23の後端に形成された
環状の大気用弁座24と、バルブボデー13の筒状部1
3b内にシール部材25を介して摺動可能に嵌装された
筒状のコントロールピストン26と、このコントロール
ピストン26の後端に形成された環状の負圧用弁座27
と、バルブボデー13の筒状部13b内に嵌合固定した
押えリング28に基端部が固定されたポペット弁29
と、入力ロッド21に一端が係止され常時は前記大気用
弁座24と負圧用弁座27とに着座する方向へポペット
弁29を付勢する弁ばね30とからなっている。
ット弁29先端の内周側環状部位とは大気弁31を、前
記負圧用弁座27とこれに当接するポペット弁29先端
の外周側環状部位とは負圧弁32をそれぞれ構成し、前
記2つの変圧室11,12には、これら大気弁31また
は負圧弁32の開弁に応じて大気または負圧が選択的に
供給されるようになっている。また、前記リングガイド
28にはばね受け33が付設されており、このばね受け
33と入力ロッド21との間には戻しばね34が保持さ
れている。プランジャ23は、本ブースタ本体BSの非
作動時には、この戻しばね30と弁ばね25との付勢力
により、その大気用弁座24をポペット弁29に当接さ
せる状態を維持している。この状態からブレーキペダル
BPが踏み込まれると、入力ロッド21がバルブボデー
13内に押込まれ、プランジャ23がフロント側へ移動
し、その後端の大気用弁座24がポペット弁29から離
間して大気弁31が開き、この結果、大気通路16を通
って変圧室12,11に大気が流入し、変圧室11,1
2と定圧室9,10との間に差圧が生じて、バルブボデ
ー13と一体にパワーピストン7,8が推進(前進)す
るようになる。
内には、ソレノイド機構(電磁駆動手段)35が配設さ
れている。ソレノイド機構35は、図3によく示される
ように、ソレノイド36と、このソレノイド36を納め
たハウジング37とハウジング37内にシール部材38
を介して摺動可能に配設された環状の可動子(アーマチ
ュア)39とから概略構成されている。
ソレノイド36を収めた底付き二重筒部分からリヤ側へ
延ばした延長筒部37aをバルブボデー13の筒状部1
3bの内面に気密的に嵌合させて、バルブボデー13に
対して半径方向へ位置固定されている。ハウジング37
はまた、その外周面に設けたフランジ部37bをバルブ
ボデー13のカップ部13aの内面に設けた段部40に
当接させ、この状態のもと、フロント側の定圧室9内に
配置した戻しばね41により前端が押えられて、バルブ
ボデー13に対して軸方向へ位置固定されている。この
位置固定状態で前記フランジ部37bと段部40との間
には、フロント側パワーピストン7の筒状部7aに設け
た内方フランジ7bが配置されており、これによりバル
ブボデー13およびハウジング37はパワーピストン7
と一体に軸方向移動するようになる。なお、図3中、4
2はソレノイド36に電流を供給するための配線で、フ
ロント側定圧室9内を渦巻状に迂回した状態で、フロン
トシェル1の前面に設けたコネクタ43に接続されてい
る。
は、前記中空ガイド22が配置されている。中空ガイド
22は、ハウジング37内の段部に係止された大端部2
2aとこの大端部22aからハウジング37の底部37
bを挿通してリヤ側へ延ばされた小径軸部22bとから
なっており、その小径軸部22bに前記プランジャ23
が摺動可能に挿入されている。しかして、プランジャ2
3には、前記大気通路16を通してバルブボデー13内
に半径方向から挿入されたストップキー44の先端部が
嵌合されている。このストップキー44の後端部は、リ
ヤシェル2の小径筒部2a内に固設されたストッパ板4
5に当接するようになっており、バルブボデー13は、
このストップキー44がストッパ板45に当接する位置
がリヤ側への後退端となっている。また、このストップ
キー44は、前記大気通路16の幅の範囲内でバルブボ
デー13と相対移動できることから、バルブボデー13
に対するプランジャ23の軸方向移動範囲を規制する規
制手段としても機能している。なお、ストップキー44
は前記コントロールピストン26に形成した長孔も挿通
しており、コントロールピストン26は、その長孔内に
おけるストップキー44の移動範囲内でプランジャ23
と相対移動できるようになっている。
の前端側にはリアクションディスク46と出力ロッド4
7の基端大径部47aとが配置されている。出力ロッド
47の先端部は、フロントシェル1の前面を気密的に挿
通してその前方へ延ばされ、これにはマスタシリンダM
S(図1)が作動連結されるようになっている。出力ロ
ッド47の基端大径部47aとリアクションディスク4
6とは、前記戻しばね41によりハウジング37の前端
に押圧固定されたリテーナ48によりハウジング37か
らの抜けが規制されている。また、前記中空ガイド22
の大端部22aの前面に形成された凹部内には受圧板4
9が配置されており、本ブースタ本体BSの非作動時に
はこの受圧板49の背面にわずかの隙を開けて先端を臨
ませる位置に前記プランジャ23が位置決めされてい
る。
加圧ピン50の一端部が圧入固定されており、この加圧
ピン50の他端部は、ハウジング37内の底部37bを
貫通している。一方、前記負圧用弁座27を後端に有す
るコントロールピストン26は、プランジャ23に一端
が係止されたばね51によりフロント側へ付勢され、常
時はその前端を前記ハウジング37の底部37bに当接
させている。また、この可動子39と中空ガイド22と
の間は、可動子39の内周面に保持させたシール部材5
2によりシールされている。可動子39の外周面は、前
記したようにシール部材38によりハウジング37に対
してシールされており、これにより、可動子39の両端
側には圧力室53、54が画成されている。フロント側
の圧力室53(図3には線として示されている)は、ハ
ウジング37に形成した通路54によりフロント側の定
圧室9に連通され、一方、リヤ側の圧力室54は、前記
加圧ピン50の周りの間隙により大気通路16を介して
変圧室12,11に連通させられている。
ノイド36への通電によりリヤ側へ移動するようになっ
ており、これにより、可動子39に固定した加圧ピン5
0がコントロールピストン26をばね51と前記弁ばね
30との付勢力に抗してリヤ側へ移動させる。この結
果、ポペット弁29がプランジャ23の後端の大気用弁
座24から持ち上げられ、プランジャ23および入力ロ
ッド21の動きすなわちブレーキペダルBPの操作(ペ
ダル操作)とは無関係に大気弁31が開弁し、変圧室1
1,12と定圧室9,10との間に差圧が生じ、これに
よりバルブボデー13と一体にパワーピストン7,8が
推進(前進)するようになる。
ップキー44を介してバルブボデー13とプランジャ2
3すなわち入力ロッド21との相対移動からブレーキペ
ダルBPの操作(ペダル操作)が行われたことを検出す
るスイッチ手段55が内装されている。このスイッチ手
段55は、図4(図3とは別断面)に示すように、バル
ブボデー13に形成した凹部56内に配置されかつ一対
のピン57を用いて位置固定されたスイッチ本体58
と、バルブボデー13に設けた軸方向の貫通孔59を摺
動可能に挿通して軸方向へ延ばされたスイッチ操作ロッ
ド60と、前記大気通路16(図3)内のストップキー
44にピン61により基端部が軸着された揺動レバー6
2とを備えている。前記凹部56は前記負圧通路15に
導通しており、したがって、スイッチ本体58は、大気
に触れないようになっている。スイッチ本体58からは
リード線63が引出されており、このリード線63は、
フロント側定圧室9を経て前記フロントシェル1の前面
のコネクタ43(図2)に接続されている。
端をストップキー44に臨ませると共に、その他端に前
記スイッチ本体58の接点稼働子58aに係合可能な係
合片60aを設けている。スイッチ操作ロッド60の、
前記大気通路16側への突出部分の端部には止め輪64
が装着されると共に、その突出部分の根元側にはシール
部材65を保持するばね受け66が摺動可能に嵌装され
ており、これら止め輪64とばね受け66との間には圧
縮ばね67が介装されている。シール部材65は、ばね
受け66を介して圧縮ばね67の付勢力を受けることに
より前記貫通孔59の開口縁部に圧接し、スイッチ操作
ロッド60とバルブボディ10との間をシールする。ま
た、スイッチ操作ロッド60は、常時は圧縮ばね67に
よりストップキー44側へ、すなわちその係合片60a
をスイッチ本体58の接点稼働子58aに当接させる
(スイッチオン)方向へ付勢され、その突出端を揺動レ
バー62の先端側の凸座62aに当接させるようになっ
ている。
トップキー44の先端部とほぼ重なる十分なる長さを有
しており、これにより、ブースタ本体BSの非作動時に
は、ストップキー44と同様にその先端部62bがリヤ
シェル2の小径筒部2a内面のストッパ板45に当接し
て、その反時計方向への揺動が規制されている。したが
って、スイッチ操作ロッド60は、ブースタ本体BSの
非作動時にはその係合片60aをスイッチ本体58の接
点稼働子58aから離間させる(スイッチオフ)状態を
維持するようになっている(図4)。揺動レバー62は
また、ピン61に寄った部位をリヤ側へくの字形に屈曲
させており、この屈曲部62cは、ブースタ本体BSの
作動に応じてバルブボデー13がパワーピストン7,8
と一体に推進(前進)する状況下では、図5に示すよう
に、バルブボデー13の、大気通路16に臨むリヤ側内
面13Sに当接するようになっている。この場合、スト
ップキー44に対する揺動レバー62の軸着点(ピン6
1)とバルブボデー13の内面13Sとの軸方向の位置
関係、すなわち入力ロッド21とバルブボデー13との
相対的な位置関係により、揺動レバー62がその屈曲部
62cを支点として姿勢(傾き)を変化させ、これに応
じてスイッチ操作ロッド60は、スイッチ本体58をス
イッチオンさせる状態(図5)とスイッチオフさせる状
態(図6)とに選択的に位置決めされるようになる。
後面に植立した複数のスタッドボルト68(図2)を用
いて図示しない車体に取付けられ、この状態でその入力
ロッド21にブレーキペダルBPが連結される。一方、
このブースタ本体BSには、そのフロントシェル1の前
面に植立したスタッドボルト69(図2)を利用して前
記マスタシリンダMSが結合され、この状態でその出力
ロッド47がマスタシリンダMS内のピストン(図示
略)に作動連結される。
BSは、図1に示すように、自動ブレーキ用アクチュエ
ータとしてアダプティブクルーズコントローラ(AC
C)70を含むACCシステムに組込まれており、この
組込状態で、ブースタ本体BSに内蔵したソレノイド機
構35のソレノイド36およびスイッチ手段55のスイ
ッチ本体58が、前記コネクタ43を中継して信号線7
1、72によりACC70に接続されるようになってい
る。ACC70は、車両速度を設定速度に保つようにエ
ンジンスロットルや変速機(図示略)を制御する機能を
有するほか、前方レーダで先行車を検出した際には、先
行車との車間距離を設定値に保つように、前記エンジン
スロットルや変速機を制御すると共に、前記ソレノイド
36に供給する電流を制御する機能を有している。
スタにおいては、ブースタ本体BSが、ACC70によ
る制御を離れて通常ブレーキとして機能する場合は、ブ
レーキペダルBPの踏込み応じて、入力ロッド21と一
体にプランジャ23がフロント側へ移動することで、大
気弁31が開き、変圧室11,12と定圧室9,10と
の間に差圧が発生して、バルブボデー13と一体にパワ
ーピストン7,8が推進(前進)し、このパワーピスト
ン7,8の推力が、バルブボデー13から出力ロッド4
7を経てマスタシリンダMSに出力される。この時、出
力ロッド47からの出力反力の一部がリアクションディ
スク46、受圧板49およびプランジャ23を介して入
力ロッド21に伝達され、これによりブレーキペダルB
Pの踏力(入力)を倍力した所定のブースタ出力すなわ
ちブレーキ力が得られる。なお、この場合は、ストップ
キー44に対する揺動レバー62の軸着点(ピン61)
がバルブボデー13に対してフロント側へ変位するの
で、揺動レバー62は、図5に示すようにその屈曲部6
2cを支点に反時計方向へ回動し、これに伴いスイッチ
手段55のスイッチ操作ロッド60が圧縮ばね67の付
勢力でリヤ側へ移動し、その係合片60aをスイッチ本
体58の接点稼働子58aに当接させ、これによりスイ
ッチ手段55はスイッチオンの状態となる。
御下にあって自動ブレーキとして機能する場合は、ソレ
ノイド36への通電に応じて、前記したように可動子3
9、加圧ピン50およびコントロールピストン26がリ
ヤ側へ移動し、大気弁31が開弁して変圧室11,12
と定圧室9,10との間に差圧が発生し、通常ブレーキ
として機能する場合と同様にバルブボデー13と一体に
パワーピストン7,8が推進し、このパワーピストン
7,8の推力が、バルブボデー13から出力ロッド47
を経てマスタシリンダMSに出力される。この時、ソレ
ノイド機構35の可動子39の他端側の圧力室54に
も、加圧ピン50の周りの間隙を通して大気が導入され
ており、負圧が導入されているフロント側の圧力室53
との間に差圧が発生して、可動子39に差圧が作用す
る。この差圧は、可動子39をフロント側へ戻す方向す
なわち可動子39に作用する電磁力の向きと逆方向に働
き、したがって、さらにブレーキ力を増大させるにはソ
レノイド36に供給する電流を増大させる必要がある。
すなわち、ブースタ本体BSは、ソレノイド36に供給
する電流の大きさに比例したブースタ出力を発生する。
ド21もバルブボデー13に追従して前進するが、入力
ロッド21にはブレーキペダルBPの踏力が加わってい
ないため、ストップキー44に対する揺動レバー62の
軸着点(ピン61)はバルブボデー13に対してリヤ側
へ変位し、揺動レバー62は、図6に示すようにその屈
曲部62cを支点に時計方向へ回動する。この結果、ス
イッチ手段55のスイッチ操作ロッド60が圧縮ばね6
7の付勢力に抗してフロント側へ移動し、その係合片6
0aをスイッチ本体58の接点稼働子58aから離間さ
せ、これによりスイッチ手段55はスイッチオフの状態
が維持される。
キとして作動している最中にブレーキペダルBPが踏込
まれた場合は、このペダル操作に応じて入力ロッド21
と一体にプランジャ23がフロント側へ移動する。する
と、ストップキー44ひいては揺動レバー62の軸着点
61がバルブボディ13に対してフロント側へ相対移動
し、揺動レバー62は、図5に示すようにその屈曲部6
2cを支点に反時計方向へ回動する。この結果、スイッ
チ手段55のスイッチ操作ロッド60が圧縮ばね67の
付勢力でリヤ側へ移動し、その係合片60aをスイッチ
本体58の接点稼働子58aに当接させ、これによりス
イッチオンの状態となる。そして、このスイッチ手段5
5のスイッチオンの信号は、信号線72を介してACC
70へ送出され、これによりACC70の制御が解除さ
れ、ブースタ本体BSは、ペダル操作に連動する通常ブ
レーキとして機能する。
発生して、自動ブレーキ中にブレーキペダルBPを踏込
んでもスイッチオンの状態にならない場合は、ACC7
0の制御が解除されず、ドライバーに違和感を与えるこ
とになる。そこで、本実施の形態においては、このスイ
ッチ手段(リリーススイッチ)55の故障を診断するた
め、上記ACC70に、ブレーキペダルBPの操作を直
接検出するブレーキランプスイッチ(BLS)74の出
力を信号線75を介して取込んでBLSのオン・オフ状
態を検出するBLS検出手段76と、マスタシリンダM
Sの発生液圧を検出する圧力センサ77の出力を信号線
78を介して取込んでブレーキ液圧を検出する液圧検出
手段79とを付設し、これらBLS検出手段76と液圧
検出手段79とをACC70内に設定した故障診断プロ
グラムに組込むようにしている。この故障診断プログラ
ムは、ACC70の制御が停止されている時にブレーキ
ペダルBPの踏込みによりスタートし、ブレーキペダル
BPの解放まですなわちブレーキ解除まで数ms乃至数
十ms毎に繰返し実行される。
ローを示したもので、初期状態では、正常判定済みのフ
ラグflagおよびタイマーの時間tはそれぞれ0となって
いる。そして、先ずACC70の制御が停止中(以下、
この状態を非作動中という)であり(ステップ101)、f
lagが0であることを確認したら(ステップ103)、先ず
ステップ104でBLS74の状態を確認する。ステップ1
04で、BLS74がオフでブレーキペダルBPが踏込ま
れていない状態であれば、時間tが0であるので、ステ
ップ105で時間tがT1以下であることを確認し、その
まま本プログラムルーチンから抜ける。
ブレーキペダルBPが踏込まれていると判断した場合に
は、ステップ110で圧力センサ77により検出したブレ
ーキ液圧を確認し、ブレーキ液圧が第1設定圧(通常の
ブレーキ操作で発生する標準的なブレーキ液圧)P1以
上になっていたら、ステップ111でリリーススイッチ5
5の状態を確認する。ここで、リリーススイッチ55が
オン状態であれば正常であるので、ステップ112で時間
tを0(t=0)、ステップ113でフラグflagを1(fla
g=1)とし、ブレーキが解除されるまでは、ステップ1
15〜117へ処理を移して故障判定をしない。また、ステ
ップ111で、リリーススイッチ55がオフ状態であれ
ば、故障の可能性があるので、ステップ114でタイマー
の時間tを1カウントだけ加算し、次の故障判定に移行
する。
ている間、リリーススイッチ55がオフ状態なっている
場合には、上記のステップ111、114を繰返して、タイマ
ーの時間tの値が大きくなっていくことになる。この状
態が続いてから、ブレーキペダルBPが解放されたとき
に、ステップ104でBLS74がオフ状態である場合、
若しくはブレーキ液圧が第1設定圧P1に達していない
場合には(ステップ110)、ステップ105に処理を移し
て、時間tが判定値T1を超えているか否かを判断す
る。この判定値T1は、リリーススイッチ55が正常で
あれば、オフ状態からオン状態に確実に切替わる時間で
あり、予め実験により求めた値である。そして、時間t
が判定値T1を超えていたら(t>T1)、ステップ10
6でリリーススイッチ55の状態を確認し、リリースス
イッチ55がオフ状態であれば、BLS74がオフ状態
(ブレーキ解放)であることを確認し(ステップ10
7)、さらに液圧が第2設定圧P2よりも下がっている
ことを確認し(ステップ108)、ステップ109で故障と判
定する。
て、タイマーの時間tが値が大きくなっていった後に、
ステップ106でリリーススイッチ55がオン状態であれ
ば、正常であるので処理を前記したステップ112、113に
移し、故障判定を中止する。また、上記のステップ11
1、114を繰返して、タイマーの時間tの値がある程度大
きくなっていった後に、ブレーキペダルBPが解放され
てステップ104でBLS74がオフ状態であるときに、
続いて行われるステップ105で時間tが判定値T1に達
していない場合には次のように処理を行う。すなわち、
上記のステップ111、114を繰返して、タイマーの時間t
の値がある程度大きくなっていった後に、ブレーキペダ
ルBPが解放されてステップ104でBLS74がオフ状
態であるときに、ステップ107や108に到達するまでに、
ブレーキペダルが踏込まれたときには、ステップ107で
BLS74がオン状態となる場合や、ステップ108で液
圧が第2設定圧P2よりも高くなる場合には、それぞれ
本プログラムルーチンから抜ける。なお、前記判定値T
1は数十ms〜数百msの大きさとなっている。また、
前記第2設定圧P2は、通常、前記第1設定圧P1より
も低い値とするが、第1設定圧P1と同じ値としてもよ
い。
は、静的には、図8(A)に示すように、ブレーキ液圧
が所定値PS(上記第1設定圧と同じ)を超えた段階で
オフ状態からオン状態に切替わる。しかし、ブレーキ液
圧と相関するリリーススイッチ55の動的特性は、これ
が正常であっても、たとえば、同図(B)に示すよう
に、ブレーキ液圧が短時間t1内で瞬間的に所定値PS
以上になるような場合にはオフ状態からオン状態に切替
わらず、また、低温下でブレーキ液圧が所定値PSをわ
ずか超えた状態で推移するような場合には、オフ状態か
らオン状態に切替わるのにかなり長い時間t2を要する
ようになる。すなわち、この種のリリーススイッチ55
は、種々の要因により動的特性が変化するので、単純に
ブレーキ液圧との相関で故障を診断すると、故障と誤判
断してしまう可能性がある。この点、本故障診断プログ
ラムによれば、上記したようにリリーススイッチ55が
正常であれば、オフ状態からオン状態に確実に切替わる
時間T1を実験により求め、この時間T1を超えるまで
(ステップ105)は故障診断を繰返すので、前記した誤
判断を確実に防止できる。さらに、同じく図8(D)に
示すように、ブレーキを解放する瞬間の、リリーススイ
ッチ55がオフ状態に戻る液圧P´は特定できないた
め、リリーススイッチ55が一旦オン状態に切替わり、
BLS74がオンで、液圧>P1の状態が判定値T1以
上の時間t3継続していても、途中でリリーススイッチ
55がオフ状態になってしまうことがあり、この場合
も、単純にブレーキ液圧との相関で故障を診断すると、
故障と誤判断してしまう可能性がある。しかし、本故障
診断プログラムによれば、一旦リリーススイッチ55が
オン状態になれば(ステップ111、106)、正常と判断
し、その後、ブレーキが完全に解放されるまでは故障判
定をしないので、誤判断することはない。
た制御型ブレーキブースタとして説明をしたが、本発明
に適用される制御型ブレーキブースタは、油圧ポンプか
らの液圧を電磁弁を介してシリンダ内のピストンに供給
して電磁弁の作動に応じて自動ブレーキとして機能させ
るものであっても良い。
レーキブースタによれば、アダプティブクルーズコント
ローラ(ACC)の制御を解除するペダル操作信号を出
力するスイッチ手段の故障を正確にかつ速やかに判定で
きるので、ドライバーにブレーキ操作の違和感を与える
不安を確実に防止きる。
を示す模式図である。
本体の全体的構造を示す断面図である。
る。
解除用スイッチ手段の構造を示す断面図である。
面図である。
面図である。
プログラムにおける処理フローを示すフローチャートで
ある。
フである。
動手段) 47 出力ロッド、 55 スイッチ手段 70 アダプティブクルーズコントローラ(ACC) 74 ブレーキランプスイッチ 75 ブレーキ操作検出手段 78 圧力センサ 79 液圧検出手段 BS ブースタ本体 BP ブレーキペダル MS マスタシリンダ
Claims (2)
- 【請求項1】 ブレーキペダルと連動する入力ロッドと
は独立してピストンを推進する自動ブレーキ機構を備
え、該自動ブレーキ機構がアダプティブクルーズコント
ローラにより制御される制御型ブレーキブースタであっ
て、前記ピストンと前記入力ロッドとの相対移動からペ
ダル入力を検出し、前記アダプティブクルーズコントロ
ーラの制御を解除するためのペダル操作信号を出力する
スイッチ手段を内蔵した制御型ブレーキブースタにおい
て、前記アダプティブクルーズコントローラの制御が停
止されている時、ブレーキランプスイッチ信号がブレー
キ作動状態を示しかつブレーキ液圧が設定圧以上を示す
状態が所定時間以上継続しても、前記スイッチ手段によ
るペダル操作信号が1度も出力されない場合に、該スイ
ッチ手段が故障していると判定する故障診断プログラム
を設けたことを特徴とする制御型ブレーキブースタ。 - 【請求項2】 故障診断プログラムが、ブレーキランプ
スイッチ信号がブレーキ作動状態を示しかつブレーキ液
圧が設定圧以上を示す状態が所定時間以上継続しても、
前記スイッチ手段によるペダル操作信号が1度も出力さ
れない場合に、さらに前記ブレーキランプスイッチ信号
がブレーキ作動状態になりかつ前記ブレーキ液圧が前記
設定圧と別に設定した設定圧以下になるまで待っても前
記ペダル操作信号が1度も出力されないことを確認し
て、該スイッチ手段が故障していると判定することを特
徴とする請求項1に記載の制御型ブレーキブースタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001301163A JP2003104188A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 制御型ブレーキブースタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001301163A JP2003104188A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 制御型ブレーキブースタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003104188A true JP2003104188A (ja) | 2003-04-09 |
JP2003104188A5 JP2003104188A5 (ja) | 2008-07-17 |
Family
ID=19121616
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001301163A Pending JP2003104188A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 制御型ブレーキブースタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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