JP2003100498A - 放電用電極 - Google Patents
放電用電極Info
- Publication number
- JP2003100498A JP2003100498A JP2001287069A JP2001287069A JP2003100498A JP 2003100498 A JP2003100498 A JP 2003100498A JP 2001287069 A JP2001287069 A JP 2001287069A JP 2001287069 A JP2001287069 A JP 2001287069A JP 2003100498 A JP2003100498 A JP 2003100498A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- discharge
- electrode
- aluminum
- porous
- discharge electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Plasma Technology (AREA)
- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 被処理基材や電極を損傷することなく、均一
な放電を発生させることができ、電極に対して誘電体又
は被処理基材を当接させながら移動させても、誘電体又
は被処理基材を損傷せず、これらを移動させるための駆
動装置に負担がかからず、しかも大型化可能な放電用電
極を提供すること。 【解決手段】 本発明の放電用電極は、アルミニウム含
有金属からなる電極基材の表面に、前記アルミニウム含
有金属に由来する多孔アルマイト皮膜が形成されている
とともに、前記多孔アルマイト皮膜の孔内にフッ素系樹
脂が存在している。
な放電を発生させることができ、電極に対して誘電体又
は被処理基材を当接させながら移動させても、誘電体又
は被処理基材を損傷せず、これらを移動させるための駆
動装置に負担がかからず、しかも大型化可能な放電用電
極を提供すること。 【解決手段】 本発明の放電用電極は、アルミニウム含
有金属からなる電極基材の表面に、前記アルミニウム含
有金属に由来する多孔アルマイト皮膜が形成されている
とともに、前記多孔アルマイト皮膜の孔内にフッ素系樹
脂が存在している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放電用電極に関す
る。
る。
【0002】
【従来の技術】従来、放電は生成した放電プラズマによ
り被処理基材(たとえば、プラスチック、紙、金属、ガ
ラス、繊維、セラミックなど)を表面処理したり、放電
プラズマ中に酸素ガスを供給してオゾンガスを生成でき
ることが知られている。
り被処理基材(たとえば、プラスチック、紙、金属、ガ
ラス、繊維、セラミックなど)を表面処理したり、放電
プラズマ中に酸素ガスを供給してオゾンガスを生成でき
ることが知られている。
【0003】これらの放電を安定に発生させるために
は、スパーク放電防止のため、電極基材である金属表面
を誘電体で被覆した電極である必要がある。この誘電体
としては、任意の材質で良いというものではなく、特に
耐久性を考慮すると有機系物質ではなく、ガラスやセラ
ミックが良い。ここで電極とは電極基材と誘電体とが一
体化したものをいう。
は、スパーク放電防止のため、電極基材である金属表面
を誘電体で被覆した電極である必要がある。この誘電体
としては、任意の材質で良いというものではなく、特に
耐久性を考慮すると有機系物質ではなく、ガラスやセラ
ミックが良い。ここで電極とは電極基材と誘電体とが一
体化したものをいう。
【0004】このような電極として、特開平11−19
1500号公報では、焼結セラミックにメッキ、蒸着、
溶射、塗布などの方法で金属導電層を形成したり、金属
片にセラミックを接着剤で貼り付ける技術が提案されて
いる。また、特開平11−307227号公報では、金
属と誘電体とをシート状の絶縁接着物により密着接合し
た電極が開示されている。
1500号公報では、焼結セラミックにメッキ、蒸着、
溶射、塗布などの方法で金属導電層を形成したり、金属
片にセラミックを接着剤で貼り付ける技術が提案されて
いる。また、特開平11−307227号公報では、金
属と誘電体とをシート状の絶縁接着物により密着接合し
た電極が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らによる検討によれば、これら従来の電極に対して高
電圧や高周波数を印加すると、電極の発熱が著しいた
め、被処理基材が溶融するなど損傷したり、誘電体が絶
縁破壊を生じやすいなどの問題が発生しやすいものであ
った。
者らによる検討によれば、これら従来の電極に対して高
電圧や高周波数を印加すると、電極の発熱が著しいた
め、被処理基材が溶融するなど損傷したり、誘電体が絶
縁破壊を生じやすいなどの問題が発生しやすいものであ
った。
【0006】そのため、本発明者らは電極の電極基材
(金属部分)を冷却したが、誘電体は冷却されにくいた
め、熱膨張係数の異なる物質である金属部分と誘電体と
が剥離した。このように剥離したため、金属部分と誘電
体との剥離によって形成された空間内で放電現象が起
き、均一に放電することができないという問題があっ
た。
(金属部分)を冷却したが、誘電体は冷却されにくいた
め、熱膨張係数の異なる物質である金属部分と誘電体と
が剥離した。このように剥離したため、金属部分と誘電
体との剥離によって形成された空間内で放電現象が起
き、均一に放電することができないという問題があっ
た。
【0007】そこで、本発明者らは接着力の強いシート
状の絶縁接着物を用いて、金属部分と誘電体とを接着し
たが、誘電体が割れることもあった。
状の絶縁接着物を用いて、金属部分と誘電体とを接着し
たが、誘電体が割れることもあった。
【0008】また、前記公報で使用されている誘電体は
熱伝導が悪いため、金属部分に熱伝導の良いアルミニウ
ムや銅を用いても電極全体を冷却することは難しく、冷
却が不完全であると金属部分が変形したり、被処理体を
損傷するという問題もあった。また、電極を大きくする
と自重で電極が変形するので大型化できないという問題
点もあった。
熱伝導が悪いため、金属部分に熱伝導の良いアルミニウ
ムや銅を用いても電極全体を冷却することは難しく、冷
却が不完全であると金属部分が変形したり、被処理体を
損傷するという問題もあった。また、電極を大きくする
と自重で電極が変形するので大型化できないという問題
点もあった。
【0009】更に、電極に対して誘電体又は被処理基材
を当接させながら移動させると、摩擦により被処理基材
又は誘電体を損傷したり、これらを移動させるための駆
動装置に負担がかかるという問題もあった。
を当接させながら移動させると、摩擦により被処理基材
又は誘電体を損傷したり、これらを移動させるための駆
動装置に負担がかかるという問題もあった。
【0010】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、被処理基材や電極を損傷する
ことなく、均一な放電を発生させることができ、電極に
対して誘電体又は被処理基材を当接させながら移動させ
ても、誘電体又は被処理基材を損傷せず、これらを移動
させるための駆動装置に負担がかからず、しかも大型化
可能な放電用電極を提供することを目的としている。
るためになされたもので、被処理基材や電極を損傷する
ことなく、均一な放電を発生させることができ、電極に
対して誘電体又は被処理基材を当接させながら移動させ
ても、誘電体又は被処理基材を損傷せず、これらを移動
させるための駆動装置に負担がかからず、しかも大型化
可能な放電用電極を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の放電用電極は、
アルミニウム含有金属からなる電極基材の表面に、前記
アルミニウム含有金属に由来する多孔アルマイト皮膜が
形成されているとともに、前記多孔アルマイト皮膜の孔
内にフッ素系樹脂が存在している。
アルミニウム含有金属からなる電極基材の表面に、前記
アルミニウム含有金属に由来する多孔アルマイト皮膜が
形成されているとともに、前記多孔アルマイト皮膜の孔
内にフッ素系樹脂が存在している。
【0012】このように本発明の放電用電極は、アルミ
ニウム含有金属からなる電極基材の表面に、このアルミ
ニウム含有金属に由来する強固に一体化した多孔アルマ
イト皮膜が形成されているとともに、多孔アルマイト皮
膜の孔内にフッ素系樹脂が存在しており、熱が発生して
も剥離しないため、放電用電極は損傷せず、長時間安定
した均一な放電を実現することができる。また、アルミ
ニウム含有金属は熱伝導率が高く、冷却効率が高いた
め、被処理基材を損傷することなく放電処理をすること
ができる。更に、多孔アルマイト皮膜の孔内にフッ素系
樹脂が存在しており、摩擦係数の低いものであるため、
多孔アルマイトに対して誘電体又は被処理基材を当接さ
せながら移動させても、誘電体又は被処理基材を損傷せ
ず、またこれらを移動させるための駆動装置に負担がか
からないものである。
ニウム含有金属からなる電極基材の表面に、このアルミ
ニウム含有金属に由来する強固に一体化した多孔アルマ
イト皮膜が形成されているとともに、多孔アルマイト皮
膜の孔内にフッ素系樹脂が存在しており、熱が発生して
も剥離しないため、放電用電極は損傷せず、長時間安定
した均一な放電を実現することができる。また、アルミ
ニウム含有金属は熱伝導率が高く、冷却効率が高いた
め、被処理基材を損傷することなく放電処理をすること
ができる。更に、多孔アルマイト皮膜の孔内にフッ素系
樹脂が存在しており、摩擦係数の低いものであるため、
多孔アルマイトに対して誘電体又は被処理基材を当接さ
せながら移動させても、誘電体又は被処理基材を損傷せ
ず、またこれらを移動させるための駆動装置に負担がか
からないものである。
【0013】なお、前記アルミニウム含有金属中にセラ
ミックが含まれていると、放電用電極の剛性を高めるこ
とができるので、仮に冷却しなくても放電用電極が変形
するなどの損傷を生じにくい。また、このようにアルミ
ニウム含有金属中にセラミックが含まれていると、放電
用電極の剛性が高く、放電用電極の肉厚を薄くすること
ができるため、放電用電極を軽量化したり、放電用電極
全体を軽量化できるため大型化することも可能である。
ミックが含まれていると、放電用電極の剛性を高めるこ
とができるので、仮に冷却しなくても放電用電極が変形
するなどの損傷を生じにくい。また、このようにアルミ
ニウム含有金属中にセラミックが含まれていると、放電
用電極の剛性が高く、放電用電極の肉厚を薄くすること
ができるため、放電用電極を軽量化したり、放電用電極
全体を軽量化できるため大型化することも可能である。
【0014】更に、前記多孔アルマイト皮膜を、移動す
る誘電体又は被処理基材と当接させて使用しても、前述
のように、多孔アルマイト皮膜の孔内にフッ素系樹脂が
存在しており、摩擦係数が低く滑りやすいため、誘電体
又は被処理基材を損傷せず、またこれらを移動させるた
めの駆動装置に負担がかからないものである。
る誘電体又は被処理基材と当接させて使用しても、前述
のように、多孔アルマイト皮膜の孔内にフッ素系樹脂が
存在しており、摩擦係数が低く滑りやすいため、誘電体
又は被処理基材を損傷せず、またこれらを移動させるた
めの駆動装置に負担がかからないものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の放電用電極の模式
的断面図である図1にそって、本発明の放電用電極につ
いて説明する。
的断面図である図1にそって、本発明の放電用電極につ
いて説明する。
【0016】本発明の放電用電極はアルミニウム含有金
属からなる電極基材1aの表面に、このアルミニウム含
有金属に由来する多孔アルマイト皮膜3aが形成されて
おり、この多孔アルマイト皮膜3aの孔内にフッ素系樹
脂が存在している。
属からなる電極基材1aの表面に、このアルミニウム含
有金属に由来する多孔アルマイト皮膜3aが形成されて
おり、この多孔アルマイト皮膜3aの孔内にフッ素系樹
脂が存在している。
【0017】本発明におけるアルミニウム含有金属は熱
伝導性に優れているように、また多孔アルマイト皮膜を
形成できるように、アルミニウムを含んでいれば良く、
特に限定するものではないが、比抵抗が103Ω・cm
以下(好ましくは100Ω・cm以下)のアルミニウム
含有金属を用いるのが好ましい。
伝導性に優れているように、また多孔アルマイト皮膜を
形成できるように、アルミニウムを含んでいれば良く、
特に限定するものではないが、比抵抗が103Ω・cm
以下(好ましくは100Ω・cm以下)のアルミニウム
含有金属を用いるのが好ましい。
【0018】このようなアルミニウム含有金属として
は、例えば、アルミニウム単体、アルミニウムに金属
(例えば、ステンレススチール、マグネシウム、チタ
ン、タングステンなど)、導電性金属酸化物、カーボ
ン、或いはセラミック(例えば、SiC、Al2O3、A
lN)を混合又は複合したものなどを使用することがで
きる。これらの中でも、セラミックを混合又は複合して
含むアルミニウム含有金属(特にアルミニウム−セラミ
ックス複合材料)は高剛性で、低熱膨張性であるため、
特に好適に使用できる。この特に好適であるアルミニウ
ム−セラミックス複合材料は、例えば、粉末冶金法、高
圧鋳造法、真空鋳造法、非加圧金属浸透法などにより製
造することができる。
は、例えば、アルミニウム単体、アルミニウムに金属
(例えば、ステンレススチール、マグネシウム、チタ
ン、タングステンなど)、導電性金属酸化物、カーボ
ン、或いはセラミック(例えば、SiC、Al2O3、A
lN)を混合又は複合したものなどを使用することがで
きる。これらの中でも、セラミックを混合又は複合して
含むアルミニウム含有金属(特にアルミニウム−セラミ
ックス複合材料)は高剛性で、低熱膨張性であるため、
特に好適に使用できる。この特に好適であるアルミニウ
ム−セラミックス複合材料は、例えば、粉末冶金法、高
圧鋳造法、真空鋳造法、非加圧金属浸透法などにより製
造することができる。
【0019】このようにアルミニウム含有金属中にセラ
ミックが含まれていると、放電用電極の剛性を高めるこ
とができるので、仮に冷却しなくても放電用電極が変形
するなどの損傷を生じにくい。また、アルミニウム含有
金属中にセラミックが含まれていると、剛性を維持した
まま、肉厚を薄くできるため、放電用電極を軽量化する
ことができ、また、肉厚を薄くして軽量化できるだけで
なく、冷却効率も向上するため、大型化することも可能
である。
ミックが含まれていると、放電用電極の剛性を高めるこ
とができるので、仮に冷却しなくても放電用電極が変形
するなどの損傷を生じにくい。また、アルミニウム含有
金属中にセラミックが含まれていると、剛性を維持した
まま、肉厚を薄くできるため、放電用電極を軽量化する
ことができ、また、肉厚を薄くして軽量化できるだけで
なく、冷却効率も向上するため、大型化することも可能
である。
【0020】本発明のアルミニウム含有金属からなる電
極基材の形状は特に限定するものではないが、例えば、
図1のような平板状、ロール状、或いはベルト状である
ことができる。
極基材の形状は特に限定するものではないが、例えば、
図1のような平板状、ロール状、或いはベルト状である
ことができる。
【0021】このようなアルミニウム含有金属からなる
電極基材1aの表面には、スパーク放電等を生じること
なく、安定して放電を発生できるように、図1において
は、アルミニウム含有金属からなる平板状電極基材1a
片表面全体に、多孔アルマイト皮膜3aが形成されてい
る。なお、図1とは異なり、アルミニウム含有金属から
なる平板状電極基材1aの両表面に多孔アルマイト皮膜
が形成されていても良い。また、アルミニウム含有金属
からなる電極基材1aの側壁表面にも多孔アルマイト皮
膜3aが部分的に、又は全体的(図1)に形成されてい
ても良い。更に、放電に関与しない表面においては、部
分的に多孔アルマイト皮膜が形成されていても良い。
電極基材1aの表面には、スパーク放電等を生じること
なく、安定して放電を発生できるように、図1において
は、アルミニウム含有金属からなる平板状電極基材1a
片表面全体に、多孔アルマイト皮膜3aが形成されてい
る。なお、図1とは異なり、アルミニウム含有金属から
なる平板状電極基材1aの両表面に多孔アルマイト皮膜
が形成されていても良い。また、アルミニウム含有金属
からなる電極基材1aの側壁表面にも多孔アルマイト皮
膜3aが部分的に、又は全体的(図1)に形成されてい
ても良い。更に、放電に関与しない表面においては、部
分的に多孔アルマイト皮膜が形成されていても良い。
【0022】この多孔アルマイト皮膜3aの厚さは特に
限定するものではないが、10〜100μm程度が適当
である。
限定するものではないが、10〜100μm程度が適当
である。
【0023】このアルミニウム含有金属からなる電極基
材1aの表面のアルミニウム含有金属1aに由来する多
孔アルマイト皮膜3aは、例えば、電解液としてシュウ
酸、クロム酸、或いは硫酸などを使用し、アルミニウム
含有金属からなる電極基材を陽極酸化させることにより
形成することができる。この多孔アルマイト皮膜はアル
ミニウム含有金属からなる電極基材が体積膨張すること
により形成され、多孔アルマイト皮膜が電極基材に食い
込んだ状態にあるため、この多孔アルマイト皮膜が熱や
摩擦によって剥がれるということはない。
材1aの表面のアルミニウム含有金属1aに由来する多
孔アルマイト皮膜3aは、例えば、電解液としてシュウ
酸、クロム酸、或いは硫酸などを使用し、アルミニウム
含有金属からなる電極基材を陽極酸化させることにより
形成することができる。この多孔アルマイト皮膜はアル
ミニウム含有金属からなる電極基材が体積膨張すること
により形成され、多孔アルマイト皮膜が電極基材に食い
込んだ状態にあるため、この多孔アルマイト皮膜が熱や
摩擦によって剥がれるということはない。
【0024】本発明の放電用電極は前述のような多孔ア
ルマイト皮膜の孔内にフッ素系樹脂が存在しており、熱
が発生しても剥離しないため、放電用電極は損傷せず、
長時間安定に均一な放電を実現することができる。ま
た、多孔アルマイト皮膜の孔内にフッ素系樹脂が存在し
ていることによって、摩擦係数が低くなるため、放電用
電極に対して誘電体又は被処理基材を当接させながら移
動させても、誘電体又は被処理基材を損傷せず、またこ
れらを移動させるための駆動装置に負担がかからないも
のである。更に、放電用電極の多孔アルマイト皮膜の摩
擦係数が低いことによって、放電用電極が摩擦によって
損傷しにくいため、長期間の放電が可能になるという効
果も奏する。
ルマイト皮膜の孔内にフッ素系樹脂が存在しており、熱
が発生しても剥離しないため、放電用電極は損傷せず、
長時間安定に均一な放電を実現することができる。ま
た、多孔アルマイト皮膜の孔内にフッ素系樹脂が存在し
ていることによって、摩擦係数が低くなるため、放電用
電極に対して誘電体又は被処理基材を当接させながら移
動させても、誘電体又は被処理基材を損傷せず、またこ
れらを移動させるための駆動装置に負担がかからないも
のである。更に、放電用電極の多孔アルマイト皮膜の摩
擦係数が低いことによって、放電用電極が摩擦によって
損傷しにくいため、長期間の放電が可能になるという効
果も奏する。
【0025】このフッ素系樹脂は特に限定されるもので
はないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、フッ
化エチレンポリプロピレンコポリマー、テトラフルオロ
エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテルコポリマ
ー、テトラフルオロエチレン−エチレンコポリマー、ポ
リクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリフッ化ビニル、三フッ化塩化エチレン−エチレ
ンコポリマーなどを挙げることができる。これらの中で
も、ポリテトラフルオロエチレンが特に好ましい。
はないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、フッ
化エチレンポリプロピレンコポリマー、テトラフルオロ
エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテルコポリマ
ー、テトラフルオロエチレン−エチレンコポリマー、ポ
リクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリフッ化ビニル、三フッ化塩化エチレン−エチレ
ンコポリマーなどを挙げることができる。これらの中で
も、ポリテトラフルオロエチレンが特に好ましい。
【0026】このようなフッ素系樹脂を多孔アルマイト
皮膜の孔内に存在させる方法は特に限定されるものでは
ないが、例えば、前記のようなフッ素系樹脂のディスパ
ージョンを多孔アルマイト皮膜に含浸した後に乾燥する
方法や、フッ素系樹脂のパウダーを多孔アルマイト皮膜
に散布した後に加熱加圧する方法を挙げることができ
る。
皮膜の孔内に存在させる方法は特に限定されるものでは
ないが、例えば、前記のようなフッ素系樹脂のディスパ
ージョンを多孔アルマイト皮膜に含浸した後に乾燥する
方法や、フッ素系樹脂のパウダーを多孔アルマイト皮膜
に散布した後に加熱加圧する方法を挙げることができ
る。
【0027】なお、フッ素系樹脂は多孔アルマイト皮膜
の一部の孔にのみ存在していても良いし、各々の孔の一
部にのみ存在していても良い。しかしながら、摩擦係数
を低くする観点から、各々の孔の表面付近には存在して
いるのが好ましい。
の一部の孔にのみ存在していても良いし、各々の孔の一
部にのみ存在していても良い。しかしながら、摩擦係数
を低くする観点から、各々の孔の表面付近には存在して
いるのが好ましい。
【0028】図1における放電用電極においては、アル
ミニウム含有金属からなる電極基材1aの側壁表面に多
孔アルマイト皮膜3aが形成されているとともに、この
多孔アルマイト皮膜3aの外側に、更に誘電体(側壁誘
電体4a)で被覆している。このように側壁誘電体4a
で被覆していることによって、放電用電極の各側壁と対
向している放電用電極との間で放電が生じることがない
のでエネルギーロスが少なく、オゾンの発生を抑えるこ
とができる、という効果を奏する。
ミニウム含有金属からなる電極基材1aの側壁表面に多
孔アルマイト皮膜3aが形成されているとともに、この
多孔アルマイト皮膜3aの外側に、更に誘電体(側壁誘
電体4a)で被覆している。このように側壁誘電体4a
で被覆していることによって、放電用電極の各側壁と対
向している放電用電極との間で放電が生じることがない
のでエネルギーロスが少なく、オゾンの発生を抑えるこ
とができる、という効果を奏する。
【0029】この側壁誘電体4aを構成する材料は特に
限定されるものではないが、例えば、ガラス、セラミッ
ク(例えば、アルミナなど)、ゴム(例えば、シリコー
ンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴムなどの合成
ゴム、天然ゴムなど)、熱可塑性樹脂(例えば、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリエステル、ナイロンな
ど)、あるいは熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂な
ど)を使用することができる。これらの中でも多孔アル
マイト皮膜3aとの密着性の優れるゴム、熱可塑性樹
脂、或いは熱硬化性樹脂を使用するのが好ましい。
限定されるものではないが、例えば、ガラス、セラミッ
ク(例えば、アルミナなど)、ゴム(例えば、シリコー
ンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴムなどの合成
ゴム、天然ゴムなど)、熱可塑性樹脂(例えば、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリエステル、ナイロンな
ど)、あるいは熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂な
ど)を使用することができる。これらの中でも多孔アル
マイト皮膜3aとの密着性の優れるゴム、熱可塑性樹
脂、或いは熱硬化性樹脂を使用するのが好ましい。
【0030】なお、図1においては、放電用電極の各側
壁が側壁誘電体4aによって完全に被覆されているが、
側壁誘電体4aによって完全に被覆されている必要はな
く、一部(特に、対向している放電用電極側端部)が被
覆されているだけでも良い。
壁が側壁誘電体4aによって完全に被覆されているが、
側壁誘電体4aによって完全に被覆されている必要はな
く、一部(特に、対向している放電用電極側端部)が被
覆されているだけでも良い。
【0031】このような本発明の放電用電極は、例えば
図2に模式的断面図を示すような放電処理装置に使用す
ることができる。つまり、多孔被処理基材2を介して、
多孔アルマイト皮膜3a、3bが互いに対向するように
放電用電極を配置し、アルミニウム含有金属からなる電
極基材1a、1b間に交流電圧を印加することにより、
多孔被処理基材2の内部空間に放電を発生させることが
できる。
図2に模式的断面図を示すような放電処理装置に使用す
ることができる。つまり、多孔被処理基材2を介して、
多孔アルマイト皮膜3a、3bが互いに対向するように
放電用電極を配置し、アルミニウム含有金属からなる電
極基材1a、1b間に交流電圧を印加することにより、
多孔被処理基材2の内部空間に放電を発生させることが
できる。
【0032】なお、図2に示すような放電処理装置にお
いて、多孔被処理基材2を移動させて連続的に放電処理
を実施したとしても、本発明の放電用電極のアルマイト
皮膜3a、3bは摩擦係数の小さいものであるため、多
孔被処理基材2を移動させるための駆動装置に負担がか
からず、放電用電極及び多孔被処理基材が損傷せず、し
かも長期間安定して放電処理を実施することができる。
いて、多孔被処理基材2を移動させて連続的に放電処理
を実施したとしても、本発明の放電用電極のアルマイト
皮膜3a、3bは摩擦係数の小さいものであるため、多
孔被処理基材2を移動させるための駆動装置に負担がか
からず、放電用電極及び多孔被処理基材が損傷せず、し
かも長期間安定して放電処理を実施することができる。
【0033】また、図2においては、一方のアルミニウ
ム含有金属からなる電極基材1aは交流電源5に接続さ
れ、他方のアルミニウム含有金属からなる電極基材1b
はアースされているが、図1とは逆に、一方のアルミニ
ウム含有金属からなる電極基材1aがアースされ、他方
のアルミニウム含有金属からなる電極基材1bが交流電
源に接続されていても良い。
ム含有金属からなる電極基材1aは交流電源5に接続さ
れ、他方のアルミニウム含有金属からなる電極基材1b
はアースされているが、図1とは逆に、一方のアルミニ
ウム含有金属からなる電極基材1aがアースされ、他方
のアルミニウム含有金属からなる電極基材1bが交流電
源に接続されていても良い。
【0034】なお、図2の放電処理装置においては、多
孔被処理基材の両面と放電用電極のアルマイト皮膜3
a、3bとが当接しているが、多孔被処理基材の両面と
放電用電極のアルマイト皮膜3a、3bとが当接してい
る必要はなく、多孔被処理基材のいずれか片面と放電用
電極のアルマイト皮膜のいずれかが当接するような放電
処理装置に使用することができるし、多孔被処理基材の
いずれも放電用電極のアルマイト皮膜と当接しない放電
処理装置に使用することもできる。
孔被処理基材の両面と放電用電極のアルマイト皮膜3
a、3bとが当接しているが、多孔被処理基材の両面と
放電用電極のアルマイト皮膜3a、3bとが当接してい
る必要はなく、多孔被処理基材のいずれか片面と放電用
電極のアルマイト皮膜のいずれかが当接するような放電
処理装置に使用することができるし、多孔被処理基材の
いずれも放電用電極のアルマイト皮膜と当接しない放電
処理装置に使用することもできる。
【0035】本発明の放電用電極を使用すると、各種被
処理基材を放電処理することができる。例えば、プラス
チック、紙、金属、ガラス、繊維、セラミック、不織
布、織物、編物などの被処理基材を放電処理することが
できる。
処理基材を放電処理することができる。例えば、プラス
チック、紙、金属、ガラス、繊維、セラミック、不織
布、織物、編物などの被処理基材を放電処理することが
できる。
【0036】本発明の放電用電極の別の使用態様を図3
に示す。図3は放電処理装置の模式的断面図である。こ
の放電処理装置においては、多孔アルマイト皮膜3a、
3bが互いに対向するように放電用電極が配置してお
り、これら多孔アルマイト皮膜3a、3bと当接しなが
ら移動できるベルト状誘電体6a、6bを備えており、
このベルト状誘電体6a、6bは多孔被処理基材2の厚
さと同じかやや薄い程度離間して設置されている。この
放電処理装置においては、アルミニウム含有金属からな
る電極基材1a、1b間に交流電圧を印加することによ
り、多孔被処理体2の内部空間に放電を発生させて、放
電処理を連続的に実施することができる。
に示す。図3は放電処理装置の模式的断面図である。こ
の放電処理装置においては、多孔アルマイト皮膜3a、
3bが互いに対向するように放電用電極が配置してお
り、これら多孔アルマイト皮膜3a、3bと当接しなが
ら移動できるベルト状誘電体6a、6bを備えており、
このベルト状誘電体6a、6bは多孔被処理基材2の厚
さと同じかやや薄い程度離間して設置されている。この
放電処理装置においては、アルミニウム含有金属からな
る電極基材1a、1b間に交流電圧を印加することによ
り、多孔被処理体2の内部空間に放電を発生させて、放
電処理を連続的に実施することができる。
【0037】この図3に示すような放電処理装置におい
ては、ベルト状誘電体6a、6bを移動させながら多孔
被処理基材2を連続的に放電処理したとしても、本発明
の放電用電極のアルマイト皮膜3a、3bは摩擦係数の
低いものであるため、ベルト状誘電体6a、6bを移動
させるための駆動装置に負担がかからず、放電用電極及
びベルト状誘電体ともに損傷せず、しかも長期間安定し
て放電処理を実施することができる。
ては、ベルト状誘電体6a、6bを移動させながら多孔
被処理基材2を連続的に放電処理したとしても、本発明
の放電用電極のアルマイト皮膜3a、3bは摩擦係数の
低いものであるため、ベルト状誘電体6a、6bを移動
させるための駆動装置に負担がかからず、放電用電極及
びベルト状誘電体ともに損傷せず、しかも長期間安定し
て放電処理を実施することができる。
【0038】なお、ベルト状誘電体6a、6bとして
は、例えば、ゴム(例えば、シリコーンゴム、クロロプ
レンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、天然ゴムな
ど)、熱可塑性樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリエステル、ナイロンなど)、あるいは熱硬化
性樹脂(例えば、エポキシ樹脂など)などを挙げること
ができる。
は、例えば、ゴム(例えば、シリコーンゴム、クロロプ
レンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、天然ゴムな
ど)、熱可塑性樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリエステル、ナイロンなど)、あるいは熱硬化
性樹脂(例えば、エポキシ樹脂など)などを挙げること
ができる。
【0039】また、本発明の放電用電極は、図3の放電
処理装置とは異なり、多孔被処理基材のいずれか片面と
ベルト状誘電体のいずれかが当接するような放電処理装
置に使用することができるし、多孔被処理基材のいずれ
もベルト状誘電体と当接しない放電処理装置に使用する
こともできる。
処理装置とは異なり、多孔被処理基材のいずれか片面と
ベルト状誘電体のいずれかが当接するような放電処理装
置に使用することができるし、多孔被処理基材のいずれ
もベルト状誘電体と当接しない放電処理装置に使用する
こともできる。
【0040】以下に、本発明の放電用電極の実施例を記
載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0041】
【実施例】(実施例1)電極基材1a、1bとして、ア
ルミニウムと炭化ケイ素とが70対30の質量比率から
なる複合材料からなり、たて100mm、よこ400m
m、厚さ20mmの平板を用意した。
ルミニウムと炭化ケイ素とが70対30の質量比率から
なる複合材料からなり、たて100mm、よこ400m
m、厚さ20mmの平板を用意した。
【0042】次いで、この電極基材1a、1bの片表面
全体及び側壁表面全体に、陽極酸化法により、厚さ30
μmの多孔アルマイト皮膜3a、3bを形成した後、ポ
リテトラフルオロエチレンディスパージョンを多孔アル
マイト皮膜3a、3bの孔全体(各々の孔の少なくとも
表面付近に存在するように)に含浸し、乾燥して、多孔
アルマイト皮膜3a、3bの孔内にポリテトラフルオロ
エチレンを充填し、放電用電極を製造した。
全体及び側壁表面全体に、陽極酸化法により、厚さ30
μmの多孔アルマイト皮膜3a、3bを形成した後、ポ
リテトラフルオロエチレンディスパージョンを多孔アル
マイト皮膜3a、3bの孔全体(各々の孔の少なくとも
表面付近に存在するように)に含浸し、乾燥して、多孔
アルマイト皮膜3a、3bの孔内にポリテトラフルオロ
エチレンを充填し、放電用電極を製造した。
【0043】次いで、放電用電極の全側壁表面(多孔ア
ルマイト皮膜表面)よりも1cm離間した位置に型枠を
設置した後、前記放電用電極と型枠との間に二液硬化型
エポキシ樹脂を流し込んで、エポキシ樹脂(厚さ:1c
m)からなる側壁誘電体4a、4bを取り付けた。
ルマイト皮膜表面)よりも1cm離間した位置に型枠を
設置した後、前記放電用電極と型枠との間に二液硬化型
エポキシ樹脂を流し込んで、エポキシ樹脂(厚さ:1c
m)からなる側壁誘電体4a、4bを取り付けた。
【0044】次いで、図2のように、側壁誘電体装備放
電用電極を、多孔アルマイト皮膜3a、3bが互いに対
向するように配置するとともに、一方の電極基材1aを
交流電極と接続し、他方の電極基材1bをアースした放
電処理装置を製造した。
電用電極を、多孔アルマイト皮膜3a、3bが互いに対
向するように配置するとともに、一方の電極基材1aを
交流電極と接続し、他方の電極基材1bをアースした放
電処理装置を製造した。
【0045】次いで、両方の多孔アルマイト皮膜3a、
3bによりガラス製不織布(厚さ:0.3mm)を狭持
した状態で、大気圧下、空気の存在下で、交流電圧を両
側壁誘電体装備放電用電極間に印加(出力:800W、
周波数:20KHz)し、一週間連続して放電を発生さ
せた。なお、放電を発生させた際に、温度20℃のシリ
コーンオイルを電極基材1a、1bに供給して側壁誘電
体装備放電用電極全体を冷却した。
3bによりガラス製不織布(厚さ:0.3mm)を狭持
した状態で、大気圧下、空気の存在下で、交流電圧を両
側壁誘電体装備放電用電極間に印加(出力:800W、
周波数:20KHz)し、一週間連続して放電を発生さ
せた。なお、放電を発生させた際に、温度20℃のシリ
コーンオイルを電極基材1a、1bに供給して側壁誘電
体装備放電用電極全体を冷却した。
【0046】その結果、放電は安定しており、電極基材
1a、1bと多孔アルマイト皮膜3a、3bはいずれも
剥離していなかった。また、同様の実験を繰り返し行っ
たが、異常は認められなかった。
1a、1bと多孔アルマイト皮膜3a、3bはいずれも
剥離していなかった。また、同様の実験を繰り返し行っ
たが、異常は認められなかった。
【0047】(実施例2)側壁誘電体装備放電用電極を
冷却しなかったこと以外は、実施例1と全く同様にし
て、一週間連続して放電を発生させた。
冷却しなかったこと以外は、実施例1と全く同様にし
て、一週間連続して放電を発生させた。
【0048】その結果、側壁誘電体装備放電用電極は過
熱状態になったものの、いずれの側壁誘電体装備放電用
電極も電極基材1a、1bと多孔アルマイト皮膜3a、
3bとが剥離せず、変形することもなく、放電は安定し
ていた。また、同様の実験を繰り返し行ったが、異常は
認められなかった。
熱状態になったものの、いずれの側壁誘電体装備放電用
電極も電極基材1a、1bと多孔アルマイト皮膜3a、
3bとが剥離せず、変形することもなく、放電は安定し
ていた。また、同様の実験を繰り返し行ったが、異常は
認められなかった。
【0049】(実施例3)図3のように、実施例1と同
様にして製造した側壁誘電体装備放電用電極の多孔アル
マイト皮膜3a、3bが互いに対向するように配置して
おり、これら多孔アルマイト皮膜3a、3bと当接しな
がら移動できるシリコーンゴムからなるベルト状誘電体
6a、6b(ベルト状誘電体間距離:約0.3mm)を
装着するとともに、一方の電極基材1aを交流電極と接
続し、他方の電極基材1bをアースした放電処理装置を
製造した。
様にして製造した側壁誘電体装備放電用電極の多孔アル
マイト皮膜3a、3bが互いに対向するように配置して
おり、これら多孔アルマイト皮膜3a、3bと当接しな
がら移動できるシリコーンゴムからなるベルト状誘電体
6a、6b(ベルト状誘電体間距離:約0.3mm)を
装着するとともに、一方の電極基材1aを交流電極と接
続し、他方の電極基材1bをアースした放電処理装置を
製造した。
【0050】次いで、ベルト状誘電体6a、6bでガラ
ス製不織布(厚さ:0.3mm)を狭持しながら搬送し
つつ、大気圧下、空気の存在下で、交流電圧を両側壁誘
電体装備放電用電極間に印加(出力:800W、周波
数:20KHz)し、一週間連続して放電を発生させ
た。なお、放電を発生させた際に、温度20℃のシリコ
ーンオイルを電極基材1a、1bに供給して側壁誘電体
装備放電用電極全体を冷却した。
ス製不織布(厚さ:0.3mm)を狭持しながら搬送し
つつ、大気圧下、空気の存在下で、交流電圧を両側壁誘
電体装備放電用電極間に印加(出力:800W、周波
数:20KHz)し、一週間連続して放電を発生させ
た。なお、放電を発生させた際に、温度20℃のシリコ
ーンオイルを電極基材1a、1bに供給して側壁誘電体
装備放電用電極全体を冷却した。
【0051】その結果、放電は安定しており、電極基材
1a、1bと多孔アルマイト皮膜3a、3bとはいずれ
も剥離することはなかった。また、ベルト状誘電体6
a、6bの駆動にかかる負荷が少ないため、長時間放電
させても装置、放電ともに安定していた。また、同様の
実験を繰り返し行ったが、異常は認められなかった。
1a、1bと多孔アルマイト皮膜3a、3bとはいずれ
も剥離することはなかった。また、ベルト状誘電体6
a、6bの駆動にかかる負荷が少ないため、長時間放電
させても装置、放電ともに安定していた。また、同様の
実験を繰り返し行ったが、異常は認められなかった。
【0052】(比較例1)実施例1と同様の電極基材1
a、1bを用意した後、合成ゴム系両面粘着テープ(ス
リオンテック社製、両面粘着テープ5650)を用い
て、厚さ1mmのアルミナを前記電極基材1a、1bと
密着させて放電用電極を製造した。
a、1bを用意した後、合成ゴム系両面粘着テープ(ス
リオンテック社製、両面粘着テープ5650)を用い
て、厚さ1mmのアルミナを前記電極基材1a、1bと
密着させて放電用電極を製造した。
【0053】次いで、この放電用電極を用いたこと以外
は実施例1と同様の放電処理装置を製造し、この放電処
理装置を用いて、実施例1と同様の条件下で、ガラス製
不織布を狭持した状態で、放電を発生させた。
は実施例1と同様の放電処理装置を製造し、この放電処
理装置を用いて、実施例1と同様の条件下で、ガラス製
不織布を狭持した状態で、放電を発生させた。
【0054】その結果、放電を発生させてまもなく、粘
着テープとアルミナとが剥離して放電が不均一になっ
た。電極基材とアルミナとの熱膨張が異なるため、剥離
したと考えられた。
着テープとアルミナとが剥離して放電が不均一になっ
た。電極基材とアルミナとの熱膨張が異なるため、剥離
したと考えられた。
【0055】(比較例2)放電用電極として、アルミニ
ウムからなる、たて100mm、よこ400mm、厚さ
20mmの平板を用意した。
ウムからなる、たて100mm、よこ400mm、厚さ
20mmの平板を用意した。
【0056】次いで、この放電用電極を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、放電処理装置を製造した。
は、実施例1と同様にして、放電処理装置を製造した。
【0057】次いで、放電用電極によりガラス製不織布
(厚さ:0.3mm)を狭持した状態で、大気圧下、空
気の存在下で、交流電圧を両放電用電極間に印加(出
力:800W、周波数:20KHz)し、連続して放電
を発生させた。なお、放電を発生させた際には放電用電
極を冷却しなかった。
(厚さ:0.3mm)を狭持した状態で、大気圧下、空
気の存在下で、交流電圧を両放電用電極間に印加(出
力:800W、周波数:20KHz)し、連続して放電
を発生させた。なお、放電を発生させた際には放電用電
極を冷却しなかった。
【0058】その結果、長時間放電を行うと熱により放
電用電極が変形し、安定した放電が得られなくなった。
電用電極が変形し、安定した放電が得られなくなった。
【0059】
【発明の効果】本発明の放電用電極は、アルミニウム含
有金属からなる電極基材の表面に、このアルミニウム含
有金属に由来する強固に一体化した多孔アルマイト皮膜
が形成されているとともに、多孔アルマイト皮膜の孔内
にフッ素系樹脂が存在しており、熱が発生しても剥離し
ないため、放電用電極は損傷せず、長時間安定に均一な
放電を発生することができる。また、アルミニウム含有
金属は熱伝導性が高く冷却効率も高いため、被処理基材
を損傷することなく放電処理をすることができる。更
に、多孔アルマイト皮膜の孔内にフッ素系樹脂が存在し
ており、摩擦係数の低いものであるため、電極に対して
誘電体又は被処理基材を当接させながら移動させても、
誘電体又は被処理基材を損傷せず、しかもこれらを移動
させるための駆動装置に負担がかからないものである。
また、アルミニウム含有金属中にセラミックが含まれて
いると、剛性が高いため、放電用電極の肉厚を薄くする
ことができ、放電用電極を軽量化できるため、放電用電
極全体を軽量化できるため大型化することも可能であ
る。
有金属からなる電極基材の表面に、このアルミニウム含
有金属に由来する強固に一体化した多孔アルマイト皮膜
が形成されているとともに、多孔アルマイト皮膜の孔内
にフッ素系樹脂が存在しており、熱が発生しても剥離し
ないため、放電用電極は損傷せず、長時間安定に均一な
放電を発生することができる。また、アルミニウム含有
金属は熱伝導性が高く冷却効率も高いため、被処理基材
を損傷することなく放電処理をすることができる。更
に、多孔アルマイト皮膜の孔内にフッ素系樹脂が存在し
ており、摩擦係数の低いものであるため、電極に対して
誘電体又は被処理基材を当接させながら移動させても、
誘電体又は被処理基材を損傷せず、しかもこれらを移動
させるための駆動装置に負担がかからないものである。
また、アルミニウム含有金属中にセラミックが含まれて
いると、剛性が高いため、放電用電極の肉厚を薄くする
ことができ、放電用電極を軽量化できるため、放電用電
極全体を軽量化できるため大型化することも可能であ
る。
【0060】なお、前記アルミニウム含有金属中にセラ
ミックが含まれていると、放電用電極の剛性を高めるこ
とができるので、仮に冷却しなくても放電用電極が変形
するなどの損傷を生じにくい。
ミックが含まれていると、放電用電極の剛性を高めるこ
とができるので、仮に冷却しなくても放電用電極が変形
するなどの損傷を生じにくい。
【0061】更に、前記多孔アルマイト皮膜を移動する
誘電体又は被処理基材と当接させて使用しても、多孔ア
ルマイト皮膜の孔内にフッ素系樹脂が存在しており、摩
擦係数が低く滑りやすいため、誘電体又は被処理基材を
損傷せず、しかもこれらを移動させるための駆動装置に
負担がかからないものである。
誘電体又は被処理基材と当接させて使用しても、多孔ア
ルマイト皮膜の孔内にフッ素系樹脂が存在しており、摩
擦係数が低く滑りやすいため、誘電体又は被処理基材を
損傷せず、しかもこれらを移動させるための駆動装置に
負担がかからないものである。
【0062】
【図1】 本発明の放電用電極の模式的断面図
【図2】 本発明の放電用電極を用いた放電処理装置の
模式的断面図
模式的断面図
【図3】 本発明の放電用電極を用いた別の放電処理装
置の模式的断面図
置の模式的断面図
1a、1b アルミニウム含有金属からなる電極基材
2 多孔被処理基材
3a、3b 多孔アルマイト皮膜
4a、4b 側壁誘電体
5 交流電源
6a、6b ベルト状誘電体
Claims (3)
- 【請求項1】 アルミニウム含有金属からなる電極基材
の表面に、前記アルミニウム含有金属に由来する多孔ア
ルマイト皮膜が形成されているとともに、前記多孔アル
マイト皮膜の孔内にフッ素系樹脂が存在していることを
特徴とする放電用電極。 - 【請求項2】 前記アルミニウム含有金属中にセラミッ
クが含まれていることを特徴とする、請求項1記載の放
電用電極。 - 【請求項3】 前記多孔アルマイト皮膜を、移動する誘
電体又は被処理基材と当接させて使用することを特徴と
する、請求項1又は請求項2記載の放電用電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001287069A JP2003100498A (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 放電用電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001287069A JP2003100498A (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 放電用電極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003100498A true JP2003100498A (ja) | 2003-04-04 |
Family
ID=19109937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001287069A Pending JP2003100498A (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 放電用電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003100498A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008516380A (ja) * | 2004-10-04 | 2008-05-15 | ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ | 封入された電極を備えるマイクロ放電装置及び製造方法 |
JP2010227877A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Toshiba Corp | 気流発生装置 |
US7851011B2 (en) * | 2001-09-13 | 2010-12-14 | Cymer, Inc. | Anodes for fluorine gas discharge lasers |
-
2001
- 2001-09-20 JP JP2001287069A patent/JP2003100498A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7851011B2 (en) * | 2001-09-13 | 2010-12-14 | Cymer, Inc. | Anodes for fluorine gas discharge lasers |
JP2008516380A (ja) * | 2004-10-04 | 2008-05-15 | ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ | 封入された電極を備えるマイクロ放電装置及び製造方法 |
JP2010227877A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Toshiba Corp | 気流発生装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20210159098A1 (en) | Electrostatic puck assembly with metal bonded backing plate | |
US10872800B2 (en) | Electrostatic chuck assembly for high temperature processes | |
TWI528492B (zh) | 具有減少的電弧作用之靜電夾盤 | |
KR102176724B1 (ko) | 접착 방법, 재치대 및 기판 처리 장치 | |
JP2005228973A (ja) | 溶射部材、電極、およびプラズマ処理装置 | |
TW201145441A (en) | Substrate mounting table and method for manufacturing the same, and substrate processing apparatus | |
JPH03194948A (ja) | 静電チャック | |
WO2005036662A1 (ja) | 熱電変換素子、その製造方法、それを用いた冷却装置、及びその冷却装置の制御方法 | |
JP2016092105A (ja) | 静電チャック装置 | |
JP2003100498A (ja) | 放電用電極 | |
US9734993B2 (en) | Semiconductor manufacturing apparatus | |
CN111278176A (zh) | 一种石墨烯发热膜及石墨烯发热装置 | |
KR20070113959A (ko) | 정전흡착장치 | |
JPH09298233A (ja) | 静電チャック | |
RU2570429C1 (ru) | Термоэлектрический модуль | |
JP2001284328A (ja) | セラミック部品 | |
JPS62286247A (ja) | 静電チヤツク板及びその製造方法 | |
TWI504307B (zh) | 片狀加熱器 | |
JPS62286248A (ja) | 静電チヤツク板及びその製造方法 | |
JP3592872B2 (ja) | 総表面の処理方法及び総表面の処理装置 | |
JP2005072286A (ja) | 静電チャック | |
JPH10261697A (ja) | 静電チャック | |
JP2002075690A (ja) | 放電用電極 | |
US20230238224A1 (en) | Member for semiconductor manufacturing apparatus | |
JP2005332784A (ja) | プラズマ処理装置 |