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JP2003195172A - 走査型レーザー顕微鏡 - Google Patents

走査型レーザー顕微鏡

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Publication number
JP2003195172A
JP2003195172A JP2001392524A JP2001392524A JP2003195172A JP 2003195172 A JP2003195172 A JP 2003195172A JP 2001392524 A JP2001392524 A JP 2001392524A JP 2001392524 A JP2001392524 A JP 2001392524A JP 2003195172 A JP2003195172 A JP 2003195172A
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scanning
laser light
laser
intensity
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Application number
JP2001392524A
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Inventor
Nobuyuki Nagasawa
伸之 永沢
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
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Publication of JP2003195172A publication Critical patent/JP2003195172A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望する分解能でのデータ取得、定量的なデ
ータ取得、再現性のあるデータ取得などを積極的に可能
にした走査型レーザー顕微鏡を提供する。 【解決手段】 レーザー光源1からのレーザー光を対物
レンズ4を介して試料5に対し走査しながら照射し、試
料5からの蛍光または反射光に応じたデータを取得する
走査型レーザー顕微鏡であって、データ取得のための条
件設定として、試料5上でのレーザー光のスポット径お
よび試料5に照射するレーザー光の強度を設定可能にし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料に対してレー
ザー光を走査しながら照射し、試料からの反射または蛍
光を検出する走査型レーザー顕微鏡に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、走査型レーザー顕微鏡
は、レーザー光などの点光源を対物レンズを介して試料
に対しX、Y軸方向に走査しながら照射し、試料からの
蛍光または反射光の観察光を再び対物レンズ、光学系を
介して光検出器で検出し、2次元の情報を得るととも
に、その結果をCRTなどのモニタ画面に表示すること
により画像情報として観察できるようにしたものであ
る。
【0003】この場合、通常、試料の画像を取得するた
めの条件設定として、対物レンズの選択、表示画像サイ
ズ(画面に表示する縦横のピクセル数)の設定、モニタに
表示する際の走査速度の設定、レーザー光の強度の設定
(レーザー光源から出射するレーザー光の強度に対する
相対値)などを行うようにしている。つまり、試料の画
像を取得するにあたって、これらの条件設定を行うこと
によって、XY軸方向にレーザー光を走査するガルバノ
スキャナの走査速度・振れ角、試料から発せられた蛍
光、反射光を検出するサンプリング周波数などが決定さ
れ、その結果として得られた画像信号を、例えばCRT
などのモニタに表示するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これまでの
走査型レーザー顕微鏡では、試料から発せられる観察光
を測定することにより、試料の蛍光(または反射)画像を
共焦点光学系で観察することが主目的になっており、こ
れら試料から発せられる観察光を検出する際に、試料上
の1点に対してレーザー光を照射する時間、試料上でサ
ンプリングする点と点との距離あるいは試料に与える刺
激(励起)の大きさなどを積極的に設定して各種のデータ
を取得するようになっていない。このため、所望する分
解能でのデータ取得、定量的なデータ取得、再現性のあ
るデータ取得などができないという問題があった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、所望する分解能でのデータ取得、定量的なデータ取
得、再現性のあるデータ取得などを積極的に可能にした
走査型レーザー顕微鏡を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
倍率の異なる複数の対物レンズと、前記複数の対物レン
ズの一つを選択的に観察光軸に挿入する対物レンズ切換
手段と、レーザー光源と、前記レーザー光源から発せら
れるレーザー光の強度を調整する強度調整手段と、前記
レーザー光を試料上で2次元走査する走査手段と、前記
観察光軸に挿入された対物レンズの焦点面と共役な位置
に配置されたピンホールと、前記ピンホールを通過した
前記試料からの観察光を光電変換するフォトディテクタ
と、前記フォトディテクタから出力される電気信号をデ
ジタル信号に変換するA/Dコンバータと、前記試料の
画像取得の条件が入力される操作手段と、前記操作手段
に入力された前記画像取得条件に基づいて前記対物レン
ズ切換手段、前記強度調整手段、走査手段および前記A
/Dコンバータを制御するとともに、前記デジタル信号
から前記試料の観察画像を構築する顕微鏡制御装置と、
前記顕微鏡制御装置によって構築された画像を表示する
モニタと、を備えた走査型レーザー顕微鏡において、前
記操作手段に入力される前記画像取得条件は、前記試料
に照射される前記レーザー光の照射スポット径および照
射強度であることを特徴としている。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記操作手段に入力される前記画像取得条
件は、さらに前記レーザー光の走査範囲、前記レーザー
光が前記試料の一点に照射される時間、ならびに前記観
察光のサンプリング間隔の少なくとも一つであることを
特徴としている。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、前記対物レンズに入射する前記レ
ーザー光のビーム径を調整するズーム光学系をさらに備
え、前記顕微鏡制御装置は、前記操作手段に入力された
前記レーザー光の照射スポット径の条件を満たすように
前記ズーム光学系を制御することを特徴としている。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、前記レーザー光の強度を検出する
レーザーパワーモニタ手段をさらに備え、前記顕微鏡制
御装置は、前記レーザーパワーモニタ手段の検出結果に
基づいて前記操作手段に入カされた前記レーザー光の照
射強度の条件を満たすように前記強度調整手段を制御す
ることを特徴としている。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、前記顕微鏡制御装置は、前記操作
手段に入力された前記レーザー光の照射スポット径の条
件を満たすように前記対物レンズ切換手段を制御し、前
記操作手段に入力された前記レーザー光の照射強度の条
件を満たすように前記強度調整手段を制御し、前記操作
手段に入力された前記レーザー光の照射スポットの走査
範囲の条件を満たすように前記走査手段の走査幅を制御
し、前記操作手段に入力された前記レーザー光の試料上
の一点の照射時間の条件を満たすように前記走査手段の
走査速度を制御し、前記操作手段に入力された前記画像
の解像度の条件を満たすように前記A/Dコンバータの
サンプリング間隔を制御することを特徴としている。
【0011】この結果、本発明によれば、試料上でのレ
ーザー光のスポット径、レーザー光の照射強度、1点あ
たりのレーザー光の照射時間、光データ取得ピッチ、光
データ取得範囲などを任意に設定することで、これら条
件設定に応じた分解能の各種のデータを取得できるの
で、試料へ与える刺激(励起)の制御、試料から発せられ
た蛍光または反射光の観察光の検出を定量的に行うこと
ができ、定量的な測定、再現性のある測定が可能にな
る。
【0012】また、本発明によれば、ズーム光学系を設
けて対物レンズの開口数(NA)を微小段階的または無
段階に制御することによって試料上のレーザー光のスポ
ット径を細かく制御することができる。
【0013】さらに本発明によれば、レーザーパワーモ
ニタを設けることによって試料上に照射するレーザー光
の強度をより正確に制御することができ、精度の高い定
量的な測定、再現性のある測定を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従い説明する。
【0015】(第1の実施の形態)図1は、本発明が適
用される走査型レーザー顕微鏡の概略構成を示してい
る。
【0016】1はレーザー光源で、このレーザー光源1
から発せられたレーザー光は、強度調整手段としてのレ
ーザーパワー制御手段2、ダイクロイックミラー3、対
物レンズ4を介して試料5上にスポット状に照射され
る。この場合、レーザーパワー制御手段2は、レーザー
光源1から発せられるレーザー光の照射強度を調整する
もので、具体的には、図示しないNDフィルタの光路へ
の挿脱またはAOTF(音響光学可変波長フィルタ)に
よりレーザー光の照射強度を調整するようにしている。
対物レンズ4は、倍率の異なるものが複数個、対物レン
ズ切換手段としてのレボルバ4aに設けられており、こ
のレボルバ4aにより複数の対物レンズ4のうちの一つ
が選択的に観察光軸に挿入されるようになっている。
【0017】スポット状のレーザー光は、走査手段6に
より試料5上を走査される。この場合、走査手段6は、
顕微鏡制御装置7からの操作制御信号に応じて、レーザ
ー光を試料5上でXY軸方向に2次元走査するようにな
っており、このとき、レーザー光を試料5上のある1点
で停止させたり、所望の速度で移動させることができる
ようにもなっている。
【0018】レーザー光が照射された試料5上から発せ
られた蛍光または反射光の観察光は、対物レンズ4、走
査手段6、ダイクロイックミラー3、対物レンズ4の焦
点面と共役の位置に配置された共焦点ピンホール8を介
してフォトディテクタ9に投影される。
【0019】フォトディテクタ9は、共焦点ピンホール
8を通過した試料5からの観察光を光電変換するもの
で、このフォトディテクタ9で光電変換された電気信号
は、顕微鏡制御装置7から発せられるサンプリングパル
スに同期してA/Dコンバータ10でデジタル信号に変
換され、顕微鏡制御装置7に与えられる。
【0020】顕微鏡制御装置7は、受け取った信号から
試料5の観察画像を構築してモニタ11に表示するとと
もに、光量データを生成してグラフや表としてモニタ1
1に表示するようにしている。
【0021】一方、操作手段12は、顕微鏡観察者が画
像(光強度データ)取得のための条件設定を行うためのも
ので、ここでは、 (a)試料5に照射するレーザー波長、 (b)試料5上に形成するレーザー光のスポット径、 (c)試料5に照射するレーザー光の照度強度 (d)試料5上の1点に照射する時間、または、試料5
上を走査するレーザー光のスポット移動速度 (e)試料5から発せられた蛍光または反射光の信号を
サンプリングする間隔 (f)試料5上の画像(光強度データ)を取得する走査範
囲、 などの条件を設定できるようになっている。
【0022】次に、このような条件設定に対しての処理
について説明する。
【0023】まず、試料5に照射するレーザー波長およ
び試料5上に形成するレーザー光のスポット径を設定す
ると、ここでの試料5上のレーザー光のスポット径は、
対物レンズ4の開口数(NA)と使用するレーザー波長で
決定されるので、これらレーザー波長とスポット径か
ら、使用すべき対物レンズ4が決定される。つまり、操
作手段12において、試料5に照射するレーザー波長お
よび試料5上に形成するレーザー光のスポット径を設定
することで、顕微鏡制御装置7によりレーザー波長に適
した対物レンズ4が決定される。この場合、決定された
対物レンズ4は、レボルバ4aにより自動的に観察光軸
上に挿入されるか、または、光路上に切換えるべき対物
レンズ4の種別をモニタ11上に表示して観察者に知ら
せ、レボルバ4aの手動操作により観察光軸上に挿入さ
れるようになる。
【0024】次に、試料5に照射するレーザー光の照射
強度を設定すると、この設定に基づいて、顕微鏡制御装
置7により、レーザーパワー制御手段2の図示しないN
Dフィルタの光路への挿脱またはAOTF(音響光学可
変波長フィルタ)によりレーザー光の照射強度の調整が
可能となる。
【0025】ここまでで、試料5上に形成されるレーザ
ー光のスポット径とレーザー光の照射強度が決定され、
試料5上の1点に照射されるレーザー光の照射強度が設
定できる。
【0026】次に、試料上の1点に照射するレーザー光
の時間を設定すると、試料5上のレーザー光のスポット
の移動速度が決定される。この場合、試料5上の1点に
レーザー光が照射される時間は、レーザー光のスポット
がスポットの直径分だけ移動する時間に相当するので、
スポット径の値とレーザー光を照射する時間とから求め
ることができる。試料5上の1点に照射する時間を設定
する代わりに、直接レーザー光のスポットの移動速度を
設定して、試料5上の1点に照射する時間を求めるよう
にしてもよい。そして、レーザー光のスポットが試料5
上を移動する移動速度が決定されると、顕微鏡制御装置
7より、例えば、ガルバノメータなどの走査手段6に対
し制御信号が出力され、レーザー光のスポットを試料5
上のある1点で停止させたり、ある速度で移動させる制
御が可能となる。
【0027】次に、試料5から発せられた蛍光または反
射光をサンプリングする間隔を設定すると、このサンプ
リング間隔により、試料5から発せられた蛍光または反
射光をどのくらいの密度(解像度)で検出するかの程度が
決定される。例えば、試料5上でサンプリングする点と
点との距離を設定すると、この設定された距離と、レー
ザー光のスポットが移動する移動速度からサンプリング
する時間間隔が決まるので、この時間間隔に基づいて顕
微鏡制御装置7よりA/Dコンバータ10ヘ発するサン
プリシグパルスの周波数を制御することにより、取得画
像の解像度を決定する。この場合、直接、蛍光または反
射光を検出する時間間隔を設定することで、顕微鏡制御
装置7よりA/Dコンバータ10ヘ発するサンプリング
パルスの周波数を制御するようにしてもよい。
【0028】そして、試料5上の画像(光強度データ)を
取得する範囲を設定すると、この設定に応じて顕微鏡制
御装置7により走査手段6へ発せられる走査制御信号と
の位相関係を制御しつつ設定されたサンプリング数だけ
A/Dコンバータ10ヘサンプリングパルスが出力され
るようになり、設定された走査範囲の光強度データのみ
が取得されるようになる。
【0029】その後、このように設定された画像取得条
件の下で、上述したようにレーザー光源1からのレーザ
ー光を対物レンズ4を介して試料5に対し走査手段6に
よりX、Y軸方向に走査しながら照射し、試料5からの
観察光を、対物レンズ4を介してフォトディテクタ9で
検出する。この場合、フォトディテクタ9より取得され
る情報は、試料5上でのレーザー光のスポット径、レー
ザー光の照射強度、1点あたりのレーザー光の照射時
間、光データ取得ピッチ、光データ取得範囲などを任意
に設定することで、それぞれの条件設定に応じた分解能
の各種データが取得できる。これにより、試料5へ与え
る刺激(励起)の制御、試料5から発せられた蛍光または
反射光などの観察光の検出を定量的に行うことができ、
定量的な測定、再現性のある測定が可能になる。
【0030】なお、上述では、試料5上でのレーザー光
のスポット径、レーザー光の照射強度、1点あたりのレ
ーザー光の照射時間、光データ取得ピッチ、光データ取
得範囲などの画像取得条件を全て設定する例を述べた
が、少なくとも試料5上でのレーザー光のスポット径、
レーザー光の照射強度を設定すれば、定量的な測定、再
現性のある測定は可能である。
【0031】(第2の実施の形態)図2は、本発明の第2
の実施の形態の概略構成を示すもので、図1と同一部分
には同符号を付している。
【0032】この場合、レーザーパワー制御手段2とダ
イクロイックミラー3との間の光路中にズーム光学系1
3が設けられている。このズーム光学系13は、そのズ
ーム動作により対物レンズ4ヘ入射するレーザー光のビ
ーム径を微小段階または無段階に制御し、対物レンズ4
の開口数(NA)に対する照射光の有効開口数(NA)
を制御するようにしている。
【0033】このようにすれば、ズーム光学系13を設
けたことによって、対物レンズ4の開口数(NA)を微
小段階的または無段階に絞り込むことができる。
【0034】通常、対物レンズ4の開口数(NA)は、
対物レンズ4の種別(倍率も含む)によって決まってお
り、例えば、第1の実施の形態の構成により、試料5上
にレーザー光のスポット径を設定したとしても、必ずし
も所望するレーザー光のスポット径が実現できるとは限
らない。そこで、この第2の実施の形態では、ズーム光
学系13を設けて、対物レンズ4ヘ入射するレーザー光
のビーム径を微小段階または無段階に制御し、対物レン
ズ4の開口数(NA)に対する照射光の有効開口数(N
A)を制御することによって、試料5上のレーザー光の
スポット径を細かに制御できるようにしている。これに
より、試料5上でのレーザー光の照射設定に、より自由
度を増すことができる。
【0035】なお、第2の実施の形態の変形例として、
ズーム光学系13の代わりに、開口部を可変可能にした
絞りを設けることによっても、同様の制御で同様の作用
効果を得ることができる。
【0036】(第3の実施の形態)図3は、本発明の第3
の実施の形態の概略構成を示すもので、図1と同一部分
には同符号を付している。
【0037】この場合、走査手段6と対物レンズ4との
間の光路中にレーザーパワーモニタ手段14が設けられ
ている。このレーザーパワーモニタ手段14は、ビーム
スプリッタ141、絞り142およびフォトディテクタ
143から構成され、このうちのビームスプリッタ14
1は、レーザー光源1から対物レンズ4に入射されるレ
ーザー光の光路中に挿入され、このビームスプリッタ1
41により対物レンズ4ヘ導入されるレーザー光の一部
を折り返し、絞り142を介してフォトディテクタ14
3で受光するようになっている。また、フォトディテク
タ143で検出した光強度は、電気信号に変換され顕微
鏡制御装置7に伝えられる。絞り142は、その開口径
を顕微鏡制御装置7により制御可能になっていている。
この場合、絞り142の開口径は、対物レンズ4から出
射するレーザー光の照射強度をより正確にモニタするた
め、対物レンズ4の瞳径に合わせて制御されるようにな
っている。つまり、対物レンズ4の瞳径よりレーザー光
のビーム径が大きいと、レーザー光は対物レンズ4の瞳
径より大きい部分の光がカットされてしまうが、対物レ
ンズ4の瞳径の大きさに相当する絞り142を設げるこ
とにより、対物レンズ4が切換られても試料5に照射さ
れる光量を正確にモニタすることができる。
【0038】このようにすれば、レーザーパワーモニタ
手段14を設け、実際に対物レンズ4から出射している
レーザー光の照射強度をモニタするとともに、このモニ
タ結果をフィードバックすることができるので、観察者
が設定したレーザー光の強度の値と比較し、この比較結
果に応じてレーザーパワー制御手段2を制御すれば、例
え、レーザー光源1から出射されるレーザー光の照射強
度が変動したとしても、試料5へ照射するレーザー光の
強度を、常に設定値に一致させることができる。これに
より、試料5上に照射するレーザー光の照射強度を、よ
り正確に制御できるので、さらに精度の高い定量的な測
定、再現性のある測定を行うことができる。
【0039】なお、このレーザーパワーモニタ手段14
は、走査手段6と対物レンズ4との間の光路中に常時挿
入されていても、出し入れ可能になっていてもよく、例
えば、レーザー光源1から出射されるレーザー光の照射
強度が小さいような場合や試料5から発せられる蛍光ま
たは反射光の強度が弱いような場合は、その減衰を防ぐ
ため、レーザー光の強度のモニタを必要とするとき以外
は、光路から外すようにすればよい。
【0040】また、このような第3の実施の形態の構成
に、上述の第2の実施の形態で説明したズーム光学系を
追加することも可能で、こうすれば、上述した第2の実
施の形態の効果も期待できる。
【0041】(第4の実施の形態)ところで、走査型レー
ザー顕微鏡は、その利用方法として、目視で試料の蛍光
画像を観察するのと同様に、主に試料の形態を画像とし
て観察する方法と、試料にある刺激を与えて、それによ
る変化、例えば蛍光強度の時間的変化を測定するなどの
方法がある。
【0042】そこで、この第4の実施の形態では、各種
の利用方法を考慮して、条件設定方法に、2つの設定モ
ードを用意し、これらの設定モードを選択的に切り換え
可能にしている。ここでは、第1の設定モードとして、
従来の条件設定方法による画像観察モードと、第2の設
定モードとして、上述した各実施の形態で説明した条件
設定方法による測定モードが用いられている。
【0043】なお、この第4の実施の形態は、上述した
第1乃至第3の実施の形態のいずれかの構成を採用した
もので、ここでは、これら第1乃至第3の実施の形態の
図面を援用するものとする。
【0044】まず、第1の設定モードの試料5の形態を
画像として観察する画像観察モードの場合は、従来の条
件設定、すなわち、画像を取得するための条件設定とし
て、対物レンズ4の選択、表示画像サイズ(ピクセル
数)の設定、モニタ表示する際の走査速度の設定(数段
階)、レーザー光の照射強度の設定(相対値)などを設定
する。すると、これらの条件設定に基づいて、XY軸方
向にレーザー光を走査するガルバノスキャナの走査速度
・振れ角、試料5から発せられた蛍光、反射光を検出す
るサンプリング周波数などが決定され、この結果として
得られた試料5の観察画像がモニタ11に表示される。
【0045】一方、試料5にある刺激を与えて、それに
よる変化を測定する測定モードの場合は、第1乃至第3
の実施の形態で説明した条件設定、すなわち、試料5に
照射されるレーザー光の照射強度の設定、試料5上に形
成するレーザー光のスポット径の設定、試料5上を走査
するレーザー光のスポットの移動連度の設定、試料5か
ら発せられた蛍光または反射光の信号をサンプリングす
る問隔の設定、試料5上の画像(光強度データ)を取得
する範囲の設定などを設定する。すると、これら条件設
定に基づいた分解能の各種データが取得され、定量的な
測定、再現性のある測定を行うことができる。
【0046】したがって、このようにすれば、設定モー
ドを2つ用意することにより、様々な用途に適した条件
設定を行うことができ、所望する画像観察、光強度測定
を実現することができる。
【0047】その他、本発明は、上記実施の形態に限定
されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しな
い範囲で種々変形することが可能である。
【0048】さらに、上記実施の形態には、種々の段階
の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件
における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出でき
る。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から
幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようと
する課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄
で述べられている効果が得られる場合には、この構成要
件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0049】本発明の実施の形態には、以下の発明も含
まれる。
【0050】(1)倍率の異なる複数の対物レンズと、
前記複数の対物レンズの一つを選択的に観察光軸に挿入
する対物レンズ切換手段と、レーザー光源と、前記レー
ザー光源から発せられるレーザー光の強度を調整する強
度調整手段と、前記レーザー光を試料上で2次元走査す
る走査手段と、前記観察光軸に挿入された対物レンズの
焦点面と共役な位置に配置されたピンホールと、前記ピ
ンホールを通過した前記試料からの観察光を光電変換す
るフォトディテクタと、前記フォトディテクタから出力
される電気信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバ
ータと、前記試料の画像取得の条件が入力される操作手
段と、前記操作手段に入力された前記画像取得条件に基
づいて前記対物レンズ切換手段、前記強度調整手段、走
査手段および前記A/Dコンバータを制御するととも
に、前記デジタル信号から前記試料の観察画像を構築す
る顕微鏡制御装置と、前記顕微鏡制御装置によって構築
された画像を表示するモニタと、を備えた走査型レーザ
ー顕微鏡において、前記操作手段に入力される前記画像
取得条件は、表示画像サイズおよびモニタ表示の際の走
査速度を設定する画像観察モードと、前記試料に照射さ
れる前記レーザー光の照射スポット径、照射強度および
走査範囲、前記レーザー光が前記試料の一点に照射され
る時間、ならびに前記観察光のサンプリング間隔を設定
する測定モードを切換えて設定可能にしたことを特徴と
する走査型レーザー顕微鏡。
【0051】このようにすれば、設定モードを2つ用意
し、これらを選択的に適用することで、様々な用途に適
した条件設定ができ、結果として所望の画像観察、光強
度測定を行うことができる。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、所望
する分解能でのデータ取得、定量的なデータ取得、再現
性のあるデータ取得などを積極的に可能にした走査型レ
ーザー顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す
図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の概略構成を示す
図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の概略構成を示す
図。
【符号の説明】
1…レーザー光源 2…レーザーパワー制御手段 3…ダイクロイックミラー 4…対物レンズ 4a…レボルバ 5…試料 6…走査手段 7…顕微鏡制御装置 8…共焦点ピンホール 9…フォトディテクタ 10…A/Dコンバータ 11…モニタ 12…操作手段 13…ズーム光学系 14…レーザーパワーモニタ手段 141…ビームスプリッタ 142…絞り 143…フォトディテクタ
フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA51 AA54 BB02 BB05 BB30 DD03 EE05 FF23 FF41 FF67 GG04 HH04 JJ01 JJ15 LL06 LL20 LL25 LL30 LL37 LL57 LL61 MM16 NN02 NN03 NN17 PP24 QQ03 QQ31 SS02 SS13 UU06 2H045 BA12 2H052 AA08 AA09 AC15 AC27 AC30 AC34 AD33 AF00 AF14 AF21 AF25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 倍率の異なる複数の対物レンズと、 前記複数の対物レンズの一つを選択的に観察光軸に挿入
    する対物レンズ切換手段と、 レーザー光源と、 前記レーザー光源から発せられるレーザー光の強度を調
    整する強度調整手段と、 前記レーザー光を試料上で2次元走査する走査手段と、 前記観察光軸に挿入された対物レンズの焦点面と共役な
    位置に配置されたピンホールと、 前記ピンホールを通過した前記試料からの観察光を光電
    変換するフォトディテクタと、 前記フォトディテクタから出力される電気信号をデジタ
    ル信号に変換するA/Dコンバータと、 前記試料の画像取得の条件が入力される操作手段と、 前記操作手段に入力された前記画像取得条件に基づいて
    前記対物レンズ切換手段、前記強度調整手段、走査手段
    および前記A/Dコンバータを制御するとともに、前記
    デジタル信号から前記試料の観察画像を構築する顕微鏡
    制御装置と、 前記顕微鏡制御装置によって構築された画像を表示する
    モニタと、 を備えた走査型レーザー顕微鏡において、 前記操作手段に入力される前記画像取得条件は、前記試
    料に照射される前記レーザー光の照射スポット径および
    照射強度であることを特徴とする走査型レーザー顕微
    鏡。
  2. 【請求項2】 前記操作手段に入力される前記画像取
    得条件は、さらに前記レーザー光の走査範囲、前記レー
    ザー光が前記試料の一点に照射される時間、ならびに前
    記観察光のサンプリング間隔の少なくとも一つであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の走査型レーザー顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記対物レンズに入射する前記レーザー
    光のビーム径を調整するズーム光学系をさらに備え、 前記顕微鏡制御装置は、前記操作手段に入力された前記
    レーザー光の照射スポット径の条件を満たすように前記
    ズーム光学系を制御することを特徴とする請求項1また
    は2記載の走査型レーザー顕微鏡。
  4. 【請求項4】 前記レーザー光の強度を検出するレーザ
    ーパワーモニタ手段をさらに備え、 前記顕微鏡制御装置は、前記レーザーパワーモニタ手段
    の検出結果に基づいて前記操作手段に入カされた前記レ
    ーザー光の照射強度の条件を満たすように前記強度調整
    手段を制御することを特徴とする請求項1または2記載
    の走査型レーザー顕微鏡。
  5. 【請求項5】 前記顕微鏡制御装置は、 前記操作手段に入力された前記レーザー光の照射スポッ
    ト径の条件を満たすように前記対物レンズ切換手段を制
    御し、 前記操作手段に入力された前記レーザー光の照射強度の
    条件を満たすように前記強度調整手段を制御し、 前記操作手段に入力された前記レーザー光の照射スポッ
    トの走査範囲の条件を満たすように前記走査手段の走査
    幅を制御し、 前記操作手段に入力された前記レーザー光の試料上の一
    点の照射時間の条件を満たすように前記走査手段の走査
    速度を制御し、 前記操作手段に入力された前記画像の解像度の条件を満
    たすように前記A/Dコンバータのサンプリング間隔を
    制御することを特徴とする請求項2記載の走査型レーザ
    ー顕微鏡。
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