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JP2003185584A - スキャナ - Google Patents

スキャナ

Info

Publication number
JP2003185584A
JP2003185584A JP2001385157A JP2001385157A JP2003185584A JP 2003185584 A JP2003185584 A JP 2003185584A JP 2001385157 A JP2001385157 A JP 2001385157A JP 2001385157 A JP2001385157 A JP 2001385157A JP 2003185584 A JP2003185584 A JP 2003185584A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
excitation light
light source
sample
laser
emitted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001385157A
Other languages
English (en)
Inventor
Shu Sato
周 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001385157A priority Critical patent/JP2003185584A/ja
Publication of JP2003185584A publication Critical patent/JP2003185584A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータとクランク機構を用いて、励起光とサ
ンプルとを、主走査方向に、相対的に往復動させて、サ
ンプルから放出された光を検出して、生化学解析用デー
タを生成するときにも、定量性に優れた生化学解析用デ
ータを生成することができるスキャナを提供する。 【解決手段】 励起光を発する2つの励起光源1、2
と、サンプルが載置されるサンプルステージ70と、励
起光を前記サンプルステージに載置されたサンプルに集
光するとともに、サンプルから放出された光を集光する
集光光学系5と、モータ40と、モータの出力軸の回転
運動を直線運動に変換するクランク機構41、43、4
4を備え、集光光学系とサンプルステージを、相対的
に、主走査方向に往復動させる主走査機構と、サンプル
から放出された光を光電的に検出する光検出器7、8
と、モータの前記出力軸の回転角を検出するロータリー
エンコーダ82と、ロータリーエンコーダが検出したモ
ータの出力軸の回転角にしたがって、励起光源から発せ
られる励起光の強度を制御する光源制御手段81を備え
たことを特徴とするスキャナ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スキャナに関する
ものであり、さらに詳細には、モータとクランク機構を
用いて、励起光とサンプルとを、主走査方向に、相対的
に往復動させて、サンプルから放出された光を検出し
て、生化学解析用データを生成するときにも、定量性に
優れた生化学解析用データを生成することができるスキ
ャナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ解析システムが知られている(た
とえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70
882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料と
して使用するオートラジオグラフィ解析システムは、写
真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化
学的処理が不必要であるだけでなく、得られたディジタ
ルデータにデータ処理を施すことにより、所望のよう
に、解析用データを再生し、あるいは、コンピュータに
よる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】他方、オートラジオグラフィ解析システム
における放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光
物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解
析システムが知られている。この蛍光解析システムによ
れば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによ
って、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウス
における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋
白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価など
をおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき
複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電
気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液
に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起
光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出す
ることによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質
分子の位置および量的分布を検出したりすることができ
る。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、
ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動され
た蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋
白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製
したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応
する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、
励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検
出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白
質分子の位置および量的分布を検出したりすることがで
きる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含
む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片
をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を
含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳
動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上
で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含
んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を
標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍
光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上
のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA
断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNA
を変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッテ
ィング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上
に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的と
するDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素
で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイ
ブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRN
Aと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光
によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることができる。さらに、
標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDN
Aと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上
のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質によ
り標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質
と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化
させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起し
て、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、
転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりす
ることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質
を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出す
ることができるという利点がある。
【0005】さらに、近年、スライドガラス板やメンブ
レンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細胞、
ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗
原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDN
A、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結
合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既
知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下
して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、細
胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗
体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、c
DNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによっ
て、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処
理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であ
って、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識され
た物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異
的結合物質に、特異的に結合させたマイクロアレイに、
励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から
発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来
の物質を解析するマイクロアレイ解析システムが開発さ
れている。このマイクロアレイ解析システムによれば、
スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポット
を高密度に形成して、標識物質によって標識された生体
由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時
間に、生体由来の物質を解析することが可能になるとい
う利点がある。
【0006】また、メンブレンフィルタなどの担体表面
上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体
由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩
基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッ
ター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポット
を形成し、次いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍
マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタ
ンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽
出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、
さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生
体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識さ
れた物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特
異的結合物質に、特異的に結合させたマクロアレイを、
輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性
蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、
しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性
蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生
化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解析する
放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析システムも開
発されている。
【0007】これらのシステムは、いずれも、サンプル
に、励起光を照射して、輝尽性蛍光体や蛍光物質などの
標識物質を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光
や蛍光物質から放出された蛍光などを光電的に検出し
て、標識物質の画像データや発光量データなどの生化学
解析用のデータを生成するものであり、これらのシステ
ムのために用いられる生化学解析用データ生成装置は、
スキャナを用いたものと、二次元センサを用いたものに
大別される。
【0008】二次元センサを用いる場合に比し、スキャ
ナを用いる場合には、高解像度で、生化学解析用データ
を生成することができるという利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】スキャナを用いて、生
化学解析用データを生成する場合、励起光をサンプルに
集光する集光光学系と、サンプルが載置されたサンプル
ステージを、相対的に、主走査方向に、高速で、往復動
させて、サンプルを、励起光によって走査することが必
要であるが、サンプルステージや集光光学系を、主走査
方向に、高速で、往復動させる場合、モータを正逆回転
させるよりも、クランク機構を用いて、低トルクで、モ
ータの出力軸の回転運動を、直線的な運動に変換するこ
とにより、サンプルステージや集光光学系を、主走査方
向に、高速で、往復動させる方が、コストダウンを図る
ことができ、好ましい。
【0010】しかしながら、クランク機構を用いて、モ
ータの出力軸の回転運動を、直線的な往復運動に変換
し、サンプルステージや集光光学系を、主走査方向に、
往復動させる場合には、サンプルステージや集光光学系
の線速度が一定ではなくなり、その結果、スライドガラ
ス板などの担体の表面に形成され、蛍光物質によって標
識された特異的結合物質を含む複数のスポット領域や、
メンブレンフィルタなどの担体の表面に形成され、放射
性標識物質によって標識された特異的結合物質を含む複
数のスポット領域を、励起光によって、走査し、蛍光物
質から放出された蛍光や、放射性標識物質から放出され
た輝尽光を、光電的に検出して、生化学解析用データを
生成する際に、集光光学系の線速度によって、蛍光物質
や輝尽性蛍光体が受ける励起光のエネルギーが異なるた
め、蛍光物質から放出される蛍光の強度や輝尽性蛍光体
から放出される輝尽光の強度が、サンプルステージや集
光光学系の線速度が一定である場合とは異なってしま
い、蛍光や輝尽光を光電的に検出して得た生化学解析用
データの定量性が著しく悪化するという問題があった。
【0011】したがって、本発明は、モータとクランク
機構を用いて、励起光とサンプルとを、主走査方向に、
相対的に往復動させて、サンプルから放出された光を検
出して、生化学解析用データを生成するときにも、定量
性に優れた生化学解析用データを生成することができる
スキャナを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、サンプル
が載置されるサンプルステージと、前記少なくとも1つ
の励起光源から発せられた励起光を前記サンプルステー
ジに載置された前記サンプルに集光するとともに、前記
サンプルから放出された光を集光する集光光学系と、モ
ータと、前記モータの出力軸の回転運動を直線運動に変
換するクランク機構を備え、前記集光光学系と前記サン
プルステージを、相対的に、主走査方向に往復動させる
主走査機構と、前記サンプルから放出された光を光電的
に検出する光検出器と、前記モータの前記出力軸の回転
角を検出するロータリーエンコーダと、前記ロータリー
エンコーダが検出した前記モータの前記出力軸の回転角
にしたがって、前記少なくとも1つの励起光源から発せ
られる励起光の強度を制御する光源制御手段を備えたこ
とを特徴とするスキャナによって達成される。
【0013】本発明においては、モータと、モータの出
力軸の回転運動を直線運動に変換するクランク機構を備
えた主走査機構によって、集光光学系とサンプルステー
ジが、相対的に、主走査方向に往復動されるように構成
されているから、集光光学系とサンプルステージの主走
査方向における相対的な線速度は一定ではなく、したが
って、主走査方向の位置によって、サンプルに含まれた
蛍光物質や輝尽性蛍光体が受ける励起光のエネルギーが
異なるため、サンプルに含まれた蛍光物質から放出され
る蛍光の強度や輝尽性蛍光体から放出される輝尽光の強
度が、集光光学系とサンプルステージの主走査方向にお
ける相対的な線速度が一定の場合とは異なってしまい、
サンプルから放出された蛍光や輝尽光を光電的に検出し
て得た生化学解析用データの定量性が著しく悪化するお
それがあり、集光光学系とサンプルステージの主走査方
向における相対的な線速度は大きく変動するため、集光
光学系とサンプルステージの主走査方向における相対的
な線速度が一定の場合と同様なデータとなるように、デ
ータ処理によって、生成された生化学解析用データを補
正することはきわめて困難であるが、本発明によれば、
スキャナは、ロータリーエンコーダが検出したモータの
出力軸の回転角にしたがって、少なくとも1つの励起光
源から発せられる励起光の強度を制御する光源制御手段
を備えているから、ロータリーエンコーダが検出したモ
ータの出力軸の回転角と一定の関係にある集光光学系と
サンプルステージの主走査方向における相対的な線速度
に応じて、少なくとも1つの励起光源から発せられる励
起光の強度を制御することができ、したがって、集光光
学系とサンプルステージの主走査方向における相対的な
線速度が一定でないにもかかわらず、集光光学系とサン
プルステージの主走査方向における相対的な線速度が一
定の場合と全く同様に、サンプルに含まれた蛍光物質や
輝尽性蛍光体を、励起光によって、励起することができ
るから、サンプルから放出された蛍光や輝尽光を光電的
に検出することによって、定量性に優れた生化学解析用
データを生成することが可能になる。
【0014】本発明の好ましい実施態様においては、前
記光源制御手段が、前記集光光学系と前記サンプルステ
ージの主走査方向における相対的な線速度にしたがっ
て、前記少なくとも1つの励起光源から発せられる励起
光の強度を制御するように構成されている。
【0015】本発明の好ましい実施態様によれば、光源
制御手段が、集光光学系とサンプルステージの主走査方
向における相対的な線速度にしたがって、少なくとも1
つの励起光源から発せられる励起光の強度を制御するよ
うに構成されているから、集光光学系とサンプルステー
ジの主走査方向における相対的な線速度が一定でないに
もかかわらず、集光光学系とサンプルステージの主走査
方向における相対的な線速度が一定の場合と全く同様
に、サンプルに含まれた蛍光物質や輝尽性蛍光体を、励
起光によって、励起することができるから、サンプルか
ら放出された蛍光や輝尽光を光電的に検出することによ
って、定量性に優れた生化学解析用データを生成するこ
とが可能になる。
【0016】本発明の好ましい実施態様においては、ス
キャナは、さらに、前記ロータリーエンコーダの回転角
と、前記集光光学系と前記サンプルステージの主走査方
向の相対的な線速度の関係を示す基準データと、前記少
なくとも1つの励起光源から発せられる励起光の強度を
制御する制御データを格納したメモリを備えている。
【0017】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記メモリが、前記少なくとも1つの励起光源から
発せられる励起光の強度を、前記集光光学系と前記サン
プルステージの主走査方向の相対的な線速度に比例する
ように制御する蛍光物質励起用の制御データを格納して
いる。
【0018】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、メモリが、少なくとも1つの励起光源から発せられ
る励起光の強度を、集光光学系とサンプルステージの主
走査方向の相対的な線速度に比例するように制御する蛍
光物質励起用の制御データを格納しているから、単位面
積、単位時間あたりに、照射される励起光のエネルギー
に比例した蛍光を放出する性質を有する蛍光色素などの
蛍光物質を、励起光によって励起して、蛍光物質から放
出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用データ
を生成する場合に、集光光学系とサンプルステージの主
走査方向における相対的な線速度が一定でないにもかか
わらず、集光光学系とサンプルステージの主走査方向に
おける相対的な線速度が一定の場合と全く同様に、サン
プルに含まれた蛍光物質を、つねに、同じエネルギーの
励起光によって、励起することができるから、サンプル
から放出された蛍光を光電的に検出することによって、
定量性に優れた生化学解析用データを生成することが可
能になる。
【0019】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記メモリが、前記少なくとも1つの励起光源から
発せられる励起光の強度が一定のときの励起光による走
査速度と、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光の強度の
関係を示す関数を正規化し、1に関して、反転して得ら
れた制御関数を、輝尽性蛍光体励起用の制御データとし
て格納している。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、メモリが、少なくとも1つの励起光源から発せられ
る励起光の強度が一定のときの励起光による走査速度
と、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光の強度の関係を
示す関数を正規化し、1に関して、反転して得られた制
御関数を、輝尽性蛍光体励起用の制御データとして格納
しているから、励起光の単位時間、単位面積あたりの強
度が一定の場合に、照射される励起光の走査速度が特定
の値のときに、最大強度の輝尽光を放出する性質を有す
る輝尽性蛍光体を、励起光によって励起して、輝尽性蛍
光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学
解析用データを生成する場合に、集光光学系とサンプル
ステージの主走査方向における相対的な線速度が一定で
ないにもかかわらず、集光光学系とサンプルステージの
主走査方向における相対的な線速度が最大強度の輝尽光
が放出される線速度に等しい場合と全く同様に、サンプ
ルに含まれた輝尽性蛍光体を、つねに、励起光によっ
て、励起することができるから、サンプルから放出され
た輝尽光を光電的に検出することによって、信号強度が
大きく、定量性に優れた生化学解析用データを生成する
ことが可能になる。
【0021】本発明の好ましい実施態様においては、前
記主走査機構が、前記集光光学系を、主走査方向に往復
動させるように構成されている。
【0022】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記主走査機構が、前記サンプルステージを、主走
査方向に往復動させるように構成されている。
【0023】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記少なくとも1つの励起光源が、レーザ光を発す
るレーザ励起光源によって構成されている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0025】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
るスキャナの光学系を示す略斜視図である。
【0026】本実施態様にかかるスキャナは、スライド
ガラス板を担体とし、蛍光色素によって選択的に標識さ
れた試料の数多くのスポットが、スライドガラス板上に
形成され、蛍光データが記録されているマイクロアレイ
を、レーザ光によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍
光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学
解析用のデータを生成可能に構成されるとともに、蛍光
色素によって、選択的に標識された試料を含み、蛍光デ
ータが記録されている転写支持体よりなる蛍光サンプル
を、レーザ光によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍
光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学
解析用データを生成可能に構成され、さらに、アルミニ
ウムなどの光を減衰させる性質を有する基板に、互いに
離間して形成された多数の貫通孔内に、ナイロン6など
の吸着性材料が充填されて、多数の吸着性領域が形成さ
れ、多数の吸着性領域が、蛍光色素によって、選択的に
標識された試料を含み、蛍光データを記録している生化
学解析用ユニットを、レーザ光によって走査して、蛍光
色素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に
検出して、生化学解析用データを生成可能に構成される
とともに、放射性標識物質の位置情報に関する放射線デ
ータが記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層
を、レーザ光によって走査して、輝尽性蛍光体を励起
し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出
して、生化学解析用のデータを生成可能に構成されてい
る。
【0027】図1に示されるように、本実施態様にかか
るスキャナは、532nmの波長のレーザ光を発する第
1のレーザ励起光源1と、635nmの波長のレーザ光
を発する第2のレーザ励起光源2とを備えたレーザアセ
ンブリ3と、第1のレーザ励起光源1および/または第
2のレーザ励起光源2から発せられたレーザ光を、サン
プル(図示せず)上に集光するとともに、サンプルから
放出された光を集光する集光レンズ4を備えた集光光学
系アセンブリ5と、集光光学系アセンブリ5を、図1に
おいて、矢印Xで示される主走査方向に往復動させる光
学系駆動機構6と、第1のフォトマルチプライア7と、
第2のフォトマルチプライア8と、ダイクロイックミラ
ー9を備えた検出光学系アセンブリ10とを備えてい
る。
【0028】本実施態様においては、第1のレーザレー
ザ励起光源1および第2のレーザ励起光源2は、半導体
レーザによって構成されている。
【0029】サンプルがセットされるサンプルステージ
は、集光レンズ4の上方に設けられており、後述のよう
に、図1において、矢印Yで示される副走査方向に移動
されるように構成されている。
【0030】図1に示されるように、レーザアセンブリ
3は、さらに、基台11を備え、基台11上に、第1の
レーザレーザ励起光源1、第2のレーザ励起光源2、第
1のレーザレーザ励起光源1から発せられたレーザ光の
ビームを広げるビームエクスパンダ12、第2のレーザ
励起光源2から発せられたレーザ光のビームを広げるビ
ームエクスパンダ13および532nmの波長のレーザ
光を反射し、635nmの波長のレーザ光を透過するダ
イクロイックミラー14が固定されている。
【0031】図1に示されるように、集光光学系アセン
ブリ5は、ガイドレール20にスライド可能に取り付け
られたステイ21を備え、ステイ21には、レーザ光
を、サンプルステージにセットされたサンプル上に集光
するとともに、サンプルから放出された光を集光する集
光レンズ4と、第1のレーザ励起光源1から発せられ、
ビームエクスパンダ12を通過し、ダイクロイックミラ
ー14によって反射されたレーザ光ならびに/または第
2のレーザ励起光源2から発せられ、ビームエクスパン
ダ13およびダイクロイックミラー14を透過したレー
ザ光を反射して、集光レンズ4に導くミラー22と、中
央部に形成された穴(図1には図示されていない)を介
して、ミラー22によって反射されたレーザ光を、集光
レンズ4に導くとともに、サンプルから放出され、集光
レンズ4によって集光された光を、検出光学系アセンブ
リ10に向けて、反射する穴開きミラー23が固定され
ている。
【0032】図1に示されるように、検出光学系アセン
ブリ10は、600nm以上の波長の光を透過し、60
0nm未満の波長の光を反射する性質を有するダイクロ
イックミラー9と、穴開きミラー23によって反射され
た蛍光を集光するレンズ30と、フィルタ部材31と、
フィルタ32を備えたハウジング33を備えている。フ
ィルタ32は、第2のレーザ励起光源2を用いて、マイ
クロアレイあるいは蛍光サンプルに含まれた蛍光物質を
励起し、蛍光物質から放出された蛍光を検出する際に使
用されるものであり、635nmの波長の光をカット
し、635nmよりも波長の長い光を透過する性質を有
している。
【0033】図2は、フィルタ部材31の略正面図であ
る。
【0034】図2に示されるように、フィルタ部材31
は、板部材33に、第1のフィルタ31aおよび第2の
フィルタ31bが形成された板部材34によって構成さ
れている。第1のフィルタ31aは、第1のレーザ励起
光源1を用いて、マイクロアレイあるいは蛍光サンプル
に含まれた蛍光物質を励起し、蛍光物質から放出された
蛍光を検出する際に使用されるものであり、532nm
の波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光
を透過する性質を有し、第2のフィルタ31bは、第2
のレーザ励起光源2を用いて、蓄積性蛍光体シートの輝
尽性蛍光層に含まれた輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍
光体から放出された輝尽光を検出する際に用いられるも
のであり、635nmの波長の光をカットし、輝尽光の
波長の光を透過する性質を有している。
【0035】ここに、フィルタ部材31は、モータ(図
示せず)によって、その長手方向にスライド可能に構成
され、第1のレーザ励起光源1を用いて、マイクロアレ
イあるいは蛍光サンプルに含まれた蛍光物質を励起し、
蛍光物質から放出された蛍光を検出するときには、レン
ズ30によって集光された蛍光の光路内に、第1のフィ
ルタ31aが位置し、第2のレーザ励起光源2を用い
て、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光層に含まれた輝尽
性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光
を検出するときには、レンズ30によって集光された輝
尽光の光路内に、第2のフィルタ31bが位置するよう
に、モータが制御される。
【0036】図1に示されるように、第1のフォトマル
チプライア7の前面には、ピンホール35が形成された
第1のピンホール形成部材36が設けられ、第2のフォ
トマルチプライア8の前面には、ピンホール37が形成
された第2のピンホール形成部材38が設けられてい
る。
【0037】第1のピンホール形成部材36および第2
のピンホール形成部材38は、それぞれ、モータ(図示
せず)によって、スライド可能で、第1のフォトマルチ
プライア7および第2のフォトマルチプライア8の前面
から退避可能に構成されている。
【0038】本実施態様においては、集光レンズ4とレ
ンズ30とが、共焦点光学系を形成し、サンプルから放
出された光が、ピンホール35あるいはピンホール37
上に結像されるように構成されている。このように、共
焦点光学系を採用して、サンプルから放出された光が、
ピンホール35あるいはピンホール37上に結像される
ように構成しているのは、サンプルが、マイクロアレイ
の場合には、レーザ光によって、蛍光色素を励起した結
果、蛍光はスライドガラス板の表面から放出され、発光
点は深さ方向にほぼ一定であるため、共焦点光学系を用
いて、ピンホール35あるいは37に結像させることが
S/N比を向上させる上で望ましいからである。
【0039】図3は、本発明の好ましい実施態様にかか
るスキャナに設けられた光学系駆動機構6の詳細を示す
略斜視図である。
【0040】図3に示されるように、光学系駆動機構6
は、モータ40を備え、モータ40の出力軸41には、
略直方体状のブロック42が固定され、ブロック42の
出力軸41の中心から偏心した位置に立設された軸43
に、アーム44の一端部が回動可能に取り付けられてい
る。
【0041】図3に示されるように、アーム44の他端
部は、集光光学系アセンブリ5の枠体21の側板24に
立設された軸25に、回動可能に取り付けられている。
【0042】ここに、モータ40の出力軸41と、集光
光学系アセンブリ5の枠体21の側板24に立設された
軸25とは、同じ高さに位置している。
【0043】したがって、モータ40が駆動されて、モ
ータ40の出力軸41が回転されると、ブロック42お
よびブロック42に立設された軸43が、モータ40の
出力軸41まわりに回転され、軸43が、モータ40の
出力軸41まわりに回転するのにともなって、その一端
部が、軸43に回動可能に取り付けられたアーム44が
往復動し、モータ40の出力軸41が一回転して、ブロ
ック42に立設された軸43が、モータの出力軸41ま
わりに、一回転すると、集光光学系アセンブリ5が、図
1および図3において、矢印Xで示された主走査方向
に、1回往復動される。
【0044】図4は、マイクロアレイがセットされるサ
ンプルキャリアを裏面側から見た略斜視図である。
【0045】図4に示されるように、サンプルキャリア
50は、フレーム体51を備え、フレーム体51には、
その内部に、マイクロアレイ60がセット可能な3つの
開口部52、53、54が形成されている。
【0046】各開口部52、53、54の両側のフレー
ム体51の表面には、矩形状をなした板部材55、5
6、57、58が、それぞれ、その開口部52、53、
54側の側部領域が、開口部52、53、54の長手方
向に沿って、開口部52、53、54上に突出するよう
に、取り付けられている。
【0047】図4に示されるように、各開口部52、5
3、54内には、L字状をなした板ばね52a、53
a、54aが、サンプルキャリア50の裏面側に向け
て、ばね力を作用可能に取り付けられている。図4にお
いて、59は、サンプルキャリア50を把持するための
ハンドルである。
【0048】サンプルであるマイクロアレイ60を、サ
ンプルキャリア50にセットする場合には、マイクロア
レイ60が、図4において、矢印Aで示される向きに、
各開口部52、53、54内に挿入されるように構成さ
れている。
【0049】一方、フレーム体51には、開口部52、
53、54に対応する位置に、後述するマイクロアレイ
排出ロッドが挿入可能な開口部52b、53b、54b
が形成されている。
【0050】マイクロアレイ60が、各開口部52、5
3、54内に挿入されると、マイクロアレイ60に、L
字状をなした板ばね52a、53a、54aの屈曲部が
当接し、板ばね52a、53a、54aのばね力によ
り、マイクロアレイ60は、それぞれ、その開口部5
2、53、54側の側部領域が、開口部52、53、5
4の長手方向に沿って、開口部52、53、54上に突
出するように、取り付けられている板部材55、56、
57、58の表面に付勢されて、サンプルキャリア50
内に保持される。
【0051】転写支持体よりなる蛍光サンプルに対して
は、別個のサンプルキャリアが用意され、蓄積性蛍光体
シートに対しても、別個のサンプルキャリアが用意され
ており、いずれも、マイクロアレイ用のサンプルキャリ
ア50を同じ外形を有している。
【0052】図5は、サンプルを保持したサンプルキャ
リアがセットされるサンプルステージの略斜視図であ
る。
【0053】図5に示されるように、サンプルステージ
70は、マイクロアレイ用のサンプルキャリア50、蛍
光サンプル用のサンプルキャリアおよび蓄積性蛍光体シ
ート用のサンプルキャリアを、選択的に、その長手方向
に沿って、挿入可能に構成されている。
【0054】サンプルステージ70の一側部には、図4
に示されたサンプルキャリア50がセットされたとき
に、サンプルキャリア50の開口部54内に、マイクロ
アレイ60が装填可能なように、開口部(図示せず)が
形成されるとともに、サンプルステージ70の他方の側
部のサンプルキャリア50の開口部54bに対応する位
置に、開口部71が形成されている。
【0055】サンプルステージ70は、レール72にス
ライド可能に取り付けられ、サンプルステージ70の一
側部に固定されたステイ73には、雌ねじが切られた穴
(図示せず)が形成され、この穴内に、ステージモータ
74によって回転される雄ねじが切られたロッド75が
係合している。
【0056】したがって、ステージモータ74を駆動し
て、ロッド75を回転させることによって、サンプルス
テージ70を、図5において、矢印Yで示される副走査
方向に移動させることができる。
【0057】図6は、本実施態様にかかるスキャナの制
御系、検出系、駆動系および入力系を示すブロックダイ
アグラムである。
【0058】図6に示されるように、本実施態様にかか
るスキャナの制御系は、スキャナ全体の動作を制御する
コントロールユニット80と、第1のレーザ励起光源1
から発せられるレーザ光の強度および第2のレーザ励起
光源2から発せられるレーザ光の強度を制御する光源制
御手段81とを備え、スキャナの検出系は、第1のフォ
トマルチプライア7と、第2のフォトマルチプライア8
と、モータ40の出力軸41と同軸に設けられたロータ
リーエンコーダ82と、第1のフォトマルチプライアに
よって生成されたアナログデータをディジタル化する第
1のA/D変換器83と、第2のフォトマルチプライア
8によって生成されたアナログデータをディジタル化す
る第2のA/D変換器84と、データ処理装置85と、
サンプルステージ70にセットされたサンプルキャリア
の種類を検出するサンプルキャリアセンサ86を備えて
いる。
【0059】図6に示されるように、本実施態様にかか
るスキャナの駆動系は、集光光学系5を、主走査方向
に、往復動させるモータ40と、フィルタ部材31をス
ライドさせるフィルタ部材モータ90と、第1のピンホ
ール形成部材36をスライドさせる第1のピンホール形
成部材モータ91と、第2のピンホール部材38をスラ
イドさせる第2のピンホール形成部材モータ92と、サ
ンプルステージ70を、副走査方向に移動させるステー
ジモータ74を備えている。
【0060】図6に示されるように、本実施態様にかか
るスキャナの入力系は、キーボード95を備えている。
【0061】また、図6に示されるように、光源制御手
段81は、第1のレーザ励起光源1から発せられるレー
ザ光の強度および第2のレーザ励起光源2から発せられ
るレーザ光の強度を制御するためのテーブルを格納した
メモリ87を備え、第1のレーザ励起光源1および第2
のレーザ励起光源2は、コントロールユニット80によ
って、オン・オフ制御されるとともに、光源制御手段8
1によって、レーザ光の発光強度が制御されるように構
成されている。
【0062】図7は、単位時間に、単位面積あたりに、
蛍光色素が受けるレーザ光の強度Lpと、レーザ光によ
って励起されて、蛍光色素が放出する蛍光の強度IFと
の関係を概略的に示すグラフである。
【0063】図7に示されるように、レーザ光によって
励起されたときに、蛍光色素が放出する蛍光の強度IF
は、単位時間に、単位面積あたりに、蛍光色素が受ける
レーザ光の強度Lpに比例している。
【0064】したがって、モータ40によって、主走査
方向に移動される集光光学系アセンブリ5の線速度Vに
比例するように、Lp=K*V(Kは定数)となるよう
に、第1のレーザ励起光源1から発せられるレーザ光の
強度および第2のレーザ励起光源2から発せられるレー
ザ光の強度を制御すれば、集光光学系アセンブリ5の主
走査方向の位置にかかわらず、マイクロアレイ60、蛍
光サンプルおよび生化学解析用ユニットに含まれている
蛍光色素ならびに蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層
に含まれている輝尽性蛍光体が、単位面積あたりに、単
位時間に受けるレーザ光のエネルギーを一定に制御する
ことが可能になる。
【0065】そこで、本実施態様においては、あらかじ
め算出されたロータリーエンコーダ82の回転角信号と
集光光学系アセンブリ5の線速度の関係にしたがって、
ロータリーエンコーダ82の回転角信号に対して、第1
のレーザ励起光源1から発せられるレーザ光の強度およ
び第2のレーザ励起光源2から発せられるレーザ光の強
度を、どのように制御するかが、あらかじめ決定され、
蛍光色素用のレーザ光源制御テーブルとして、メモリ8
7に記憶されている。
【0066】図8は、レーザ光の強度が一定のときに、
レーザ光の主走査方向における線速度Vと、レーザ光に
よって励起されて、輝尽性蛍光体が放出する輝尽光の強
度ISとの関係を概略的に示すグラフである。
【0067】図8において、3つの曲線が描かれている
のは、輝尽性蛍光体の種類により、レーザ光の主走査方
向における線速度Vと、レーザ光によって励起されて、
輝尽性蛍光体が放出する輝尽光の強度ISとの関係が異
なるからである。
【0068】図8に示されるように、放射線エネルギー
を蓄積している輝尽性蛍光体を、レーザ光によって励起
したときに、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光は、輝
尽性蛍光体に蓄積されている放射線エネルギーが、光の
形で放出されるものであるため、レーザ光の強度が一定
のときは、レーザ光によって励起されて、輝尽性蛍光体
が放出する輝尽光の強度ISは、レーザ光によって走査
される速度、すなわち、レーザ光の主走査方向における
線速度Vが、ある値V0のときに最大となる。
【0069】図8に示されるように、輝尽性蛍光体の種
類によって、輝尽光の最大強度が得られる線速度V0は
異なった値になる。
【0070】したがって、本実施態様においては、輝尽
性蛍光体の種類ごとに、レーザ光によって走査される速
度、すなわち、レーザ光の主走査方向における線速度V
と、レーザ光によって励起されて、輝尽性蛍光体が放出
する輝尽光の強度ISとの関係が、あらかじめ、実験的
に決定され、図8に示された曲線を正規化し、1に関し
て、反転することによって、図9に示されるように、第
1のレーザ励起光源1から発せられるレーザ光の強度L
pおよび第2のレーザ励起光源2から発せられるレーザ
光の強度Lpの制御関数f(V)が算出され、制御関数
f(V)に基づいて、あらかじめ算出されたロータリー
エンコーダ82の回転角信号と集光光学系アセンブリ5
の線速度の関係にしたがって、ロータリーエンコーダ8
2の回転角信号に対する第1のレーザ励起光源1から発
せられるレーザ光の強度Lpおよび第2のレーザ励起光
源2から発せられるレーザ光の強度Lpの制御テーブル
が、あらかじめ決定されて、輝尽性蛍光体用のレーザ光
源制御テーブルとして、メモリ87に記憶されている。
【0071】以上のように構成された本実施態様にかか
るスキャナは、以下のようにして、スライドガラス板を
担体とし、蛍光色素によって選択的に標識された試料の
数多くのスポットが、スライドガラス板上に形成され、
蛍光データが記録されているマイクロアレイ60を、レ
ーザ光によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍光色素
から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用
データを生成する。
【0072】マイクロアレイ60は、たとえば、以下の
ようにして、調製される。
【0073】まず、スライドガラス板の表面を、ポリ−
L−リジン溶液などによって、前処理し、次いで、スラ
イドガラス板の表面上の所定の位置に、塩基配列が既知
の互いに異なった複数の特異的結合物質であるcDNA
を、スポッター装置を使用して、滴下する。
【0074】他方、検体であるRNAを生体細胞から抽
出し、さらに、RNAから3’末端にポリAを有するm
RNAを抽出する。こうして抽出したポリAを末端に有
するmRNAからcDNAを合成する際に、標識物質で
あるCy3(登録商標)を存在させて、Cy3によって
標識された第一のターゲットDNAを生成する。
【0075】その一方で、検体であるRNAを生体細胞
から抽出し、さらに、RNAから、3’末端にポリAを
有するmRNAを抽出する。こうして抽出したポリAを
末端に有するmRNAからcDNAを合成する際に、標
識物質であるCy5(登録商標)を存在させて、Cy5
によって標識された第二のターゲットDNAを生成す
る。
【0076】こうして調製された第一のターゲットDN
Aと第二のターゲットDNAを混合し、混合液を、特異
的結合物質であるcDNAが滴下されたスライドガラス
板の表面上に静かに載せて、ハイブリダイズさせる。
【0077】図10は、こうして調製されたマイクロア
レイ60の略斜視図であり、図10において、110
は、スライドガラス板111の表面に滴下されたcDN
Aのスポットを示している。
【0078】まず、ユーザーによって、3枚のマイクロ
アレイ60が、図4において、矢印Aで示されるよう
に、サンプルキャリア50の開口部52、53、54内
に、それぞれ、装填される。
【0079】次いで、ユーザーにより、サンプルキャリ
ア50が、サンプルステージ70内に挿入されて、セッ
トされる。
【0080】次いで、ユーザーによって、キーボード9
5に、サンプルキャリア50に装填されたマイクロアレ
イ60を、レーザ光によって走査して、蛍光色素を励起
し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、
生化学解析用のデータを生成する旨の指示信号および特
異的結合物質を標識している標識物質の種類を特定する
標識物質特定信号が入力される。
【0081】キーボード95に入力された指示信号およ
び標識物質特定信号は、コントロールユニット80に出
力され、指示信号および標識物質特定信号が入力される
と、コントロールユニット80は、指示信号および標識
物質特定信号にしたがって、フィルタ部材モータ90に
駆動信号を出力して、第1のフィルタ31aが、蛍光の
光路内に位置するように、フィルタ部材31を移動させ
るとともに、第1のピンホール形成部材モータ91およ
び第2のピンホール形成部材モータ92に駆動信号を出
力して、ピンホール35およびピンホール37が、それ
ぞれ、第1のフォトマルチプライア7および第2のフォ
トマルチプライア8の前面に位置するように、第1のピ
ンホール形成部材36および第2のピンホール形成部材
38を移動させる。
【0082】同時に、コントロールユニット80は、指
示信号を、光源制御手段81に出力し、光源制御手段8
1は、コントロールユニット80から入力された指示信
号にしたがって、メモリ87に格納されている蛍光色素
用のレーザ光源制御テーブルを読み出す。
【0083】次いで、コントロールユニット80は、キ
ーボード95を介して、入力された指示信号および標識
物質特定信号にしたがって、第1のレーザ励起光源1お
よび/または第2のレーザ励起光源2に駆動信号を出力
して、第1のレーザ励起光源1および/または第2のレ
ーザ励起光源2を起動させる。
【0084】本実施態様においては、マイクロアレイ6
0のスライドガラス板111上に滴下されたcDNA
が、532nmの波長のレーザ光によって効率的に励起
可能なCy3(登録商標)および635nmの波長のレ
ーザ光によって効率的に励起可能なCy5(登録商標)
によって二重に標識されているから、コントロールユニ
ット80は、第1のレーザ励起光源1および第2のレー
ザ励起光源2に駆動信号を出力して、第1のレーザ励起
光源1および第2のレーザ励起光源2を起動させる。
【0085】同時に、コントロールユニット80は、光
学系駆動機構6のモータ40に駆動信号を出力して、モ
ータ40を駆動する。
【0086】その結果、モータ40の出力軸41の中心
から偏心した位置に固定されたディスク42が回転さ
れ、一端部が、ディスク42の中心に立設された軸43
に回動可能に取り付けられ、他端部が、集光光学系アセ
ンブリ5の枠体21の側板24に立設された軸25に回
動可能に取り付けられているアーム44を介して、集光
光学系アセンブリ5が、高速で、図1において、矢印X
で示された主走査方向に往復動される。
【0087】第1のレーザ励起光源1から発せられたレ
ーザ光は、ビームエクスパンダ12によって、そのビー
ム径が拡大された後、ダイクロイックミラー14によっ
て反射されて、集光光学系アセンブリ5のミラー22に
入射する。
【0088】一方、第2のレーザ励起光源2から発せら
れたレーザ光は、ビームエクスパンダ12によって、そ
のビーム径が拡大された後、ダイクロイックミラー14
を透過して、集光光学系アセンブリ5のミラー22に入
射する。
【0089】集光光学系アセンブリ5のミラー22に入
射したレーザ光は、ミラー22によって反射されて、穴
開きミラー23に入射する。
【0090】穴開きミラー23に入射したレーザ光は、
穴開きミラー23の穴(図示せず)を通過した後、集光
レンズ4によって、サンプルステージ70内にセットさ
れたサンプルキャリア50の開口部54内に装填されて
いるマイクロアレイ60に集光される。
【0091】第1のレーザ励起光源1から発せられた5
32nmの波長のレーザ光がマイクロアレイ60に入射
すると、スライドガラス板111の表面に形成されたス
ポット110に含まれているcDNAに、選択的にハイ
ブリダイズされた第一のターゲットDNAを標識してい
るCy3が励起されて、576nmの波長にピークを有
する蛍光が放出される。
【0092】一方、第2のレーザ励起光源2から発せら
れた635nmの波長のレーザ光がマイクロアレイ60
に入射すると、スライドガラス板111の表面に形成さ
れたスポット110に含まれているcDNAに、選択的
にハイブリダイズされた第二のターゲットDNAを標識
しているCy5が励起されて、675nmの波長にピー
クを有する蛍光が放出される。
【0093】マイクロアレイ60から放出された蛍光
は、集光レンズ4によって、穴開きミラー23に集光さ
れ、穴開きミラー23によって反射されて、検出光学系
アセンブリ10のレンズ30に入射する。
【0094】検出光学系アセンブリ10のレンズ30に
入射した蛍光は、ダイクロイックミラー9に集光され
る。
【0095】本実施態様においては、ダイクロイックミ
ラー9は、600nm以上の波長の光を透過し、600
nm未満の波長の光を反射する性質を有しているから、
第1のレーザ励起光源1から発せられた532nmの波
長のレーザ光によって、cDNAに、選択的にハイブリ
ダイズされた第一のターゲットDNAを標識しているC
y3が励起されて、放出された蛍光は、ダイクロイック
ミラー9によって反射され、一方、第2のレーザ励起光
源2から発せられた635nmの波長のレーザ光によっ
て、cDNAに、選択的にハイブリダイズされた第一の
ターゲットDNAを標識しているCy5が励起されて、
放出された蛍光は、ダイクロイックミラー9を透過す
る。
【0096】ダイクロイックミラー9によって反射され
た蛍光は、ハウジング33にスライド可能に取り付けら
れたフィルタ部材31に入射する。
【0097】ここに、第1のレーザ励起光源1の起動に
先立って、532nmの波長の光をカットし、532n
mよりも波長の長い光を透過する性質を有する第1のフ
ィルタ31aが、蛍光の光路内に位置するように、フィ
ルタ部材モータ90により、フィルタ部材31が移動さ
れているから、蛍光は、第1のフィルタ31aに入射
し、励起光の波長である532nmの波長の光が、第1
のフィルタ31aによってカットされ、励起光の波長よ
りも長波長のCy3から放出された蛍光のみが、第1の
フィルタ31aを透過する。
【0098】また、本実施態様においては、集光レンズ
4とレンズ30とが、共焦点光学系を形成し、マイクロ
アレイ60から放出された蛍光が、ピンホール35ある
いはピンホール37上に結像されるように構成されてい
るから、cDNAを標識しているCy3から放出され、
第1のフィルタ31aを透過した蛍光は、ピンホール3
5上に結像され、第1のフォトマルチプライア7によっ
て、光電的に検出されて、アナログデータが生成され
る。
【0099】このように、共焦点光学系を用いて、マイ
クロアレイ60から放出された蛍光を第1のフォトマル
チプライア7に導いて、光電的に検出しているので、生
化学解析用データ中のノイズを最小に抑えることが可能
になる。
【0100】第1のフォトマルチプライア7によって生
成されたアナログデータは、第1のA/D変換器83に
よってディジタル化されて、データ処理装置85に出力
される。
【0101】一方、ダイクロイックミラー9を透過した
蛍光は、ハウジング33に取り付けられたフィルタ32
に入射する。
【0102】ここに、フィルタ32は、635nmの波
長の光をカットし、635nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有しているので、励起光の波長である63
5nmの波長の光が、フィルタ32によってカットさ
れ、励起光の波長よりも長波長のCy5から放出された
蛍光のみが、フィルタ32を透過して、ピンホール37
上に結像し、第2のフォトマルチプライア8によって、
光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0103】第2のフォトマルチプライア8によって生
成されたアナログデータは、第2のA/D変換器84に
よってディジタル化されて、データ処理装置85に出力
される。
【0104】上述のように、集光光学系アセンブリ5
は、光学系駆動機構6のモータ40によって、高速で、
図1において、矢印Xで示された主走査方向に往復動さ
れているから、第1のレーザ励起光源1から発せられた
532nmの波長のレーザ光および第2のレーザ励起光
源2から発せられた635nmの波長のレーザ光によっ
て、マイクロアレイ60のスライドガラス板111の表
面に形成されたスポット110が、順次、主走査方向に
走査されて、スライドガラス板111の表面に形成され
たスポット110に含まれているcDNAに、選択的
に、ハイブリダイズされた第一のターゲットDNAを標
識しているCy3および第二のターゲットDNAを標識
しているCy5が、順次、励起され、蛍光が放出され
て、第1のフォトマルチプライア7および第2のフォト
マルチプライア8によって、光電的に検出され、それぞ
れ、第1のA/D変換器83および第2のA/D変換器
84によって、ディジタル化されて、データ処理装置8
5に出力される。
【0105】本実施態様においては、集光光学系アセン
ブリ5が、主走査方向に移動される際、メモリ87から
読み出された蛍光色素用のレーザ励起光源制御テーブル
およびロータリーエンコーダ82から入力されたモータ
40の出力軸41の回転角信号にしたがって、光源制御
手段81により、第1のレーザ励起光源1から発せられ
るレーザ光の強度Lpおよび第2のレーザ励起光源2か
ら発せられるレーザ光の強度Lpが、集光光学系アセン
ブリ5の主走査方向の線速度Vに比例するように、すな
わち、Lp=K*V(Kは定数)となるように制御され
る。したがって、光学系駆動機構6のモータ40の出力
軸41の回転運動が、アーム44を含むクランク機構に
よって、直線運動に変換されて、集光光学系アセンブリ
5が、主走査方向に、高速で移動されるため、集光光学
系アセンブリ5の主走査方向の線速度が一定ではないに
もかかわらず、マイクロアレイ60の1ラインのスポッ
ト110に含まれた蛍光色素を、一定のレーザエネルギ
ーによって、励起することができる。
【0106】こうして、サンプルステージ70内にセッ
トされたサンプルキャリア50の開口部54内に装填さ
れているマイクロアレイ60の表面が、主走査方向に、
1ライン分だけ走査されると、コントロールユニット8
0は、ステージモータ74に駆動信号を出力して、ステ
ージモータ74を駆動し、サンプルステージ70を、図
1において、矢印Yで示された副走査方向に、1ライン
分だけ、移動させる。
【0107】同様にして、光源制御手段81により、蛍
光色素用のレーザ励起光源制御テーブルおよびロータリ
ーエンコーダ82から入力されたモータ40の出力軸4
1の回転角信号にしたがって、第1のレーザ励起光源1
から発せられるレーザ光の強度Lpおよび第2のレーザ
励起光源2から発せられるレーザ光の強度Lpが、集光
光学系アセンブリ5の主走査方向の線速度Vに比例する
ように、すなわち、Lp=K*Vとなるように制御され
つつ、スライドガラス板111の表面に形成された第2
ライン目のスポット110が、順次、第1のレーザ励起
光源1から発せられた532nmの波長のレーザ光およ
び第2のレーザ励起光源2から発せられた635nmの
波長のレーザ光によって、主走査方向に走査されて、ス
ライドガラス板111の表面に形成されたスポット11
0に含まれているcDNAに、選択的にハイブリダイズ
された第一のターゲットDNAを標識しているCy3お
よび第二のターゲットDNAを標識しているCy5が、
順次、励起され、蛍光が放出されて、第1のフォトマル
チプライア7および第2のフォトマルチプライア8によ
って、光電的に検出されて、アナログデータが生成さ
れ、それぞれ、第1のA/D変換器83および第2のA
/D変換器84によって、ディジタルされて、データ生
成装置85に出力される。
【0108】こうして、光源制御手段81により、蛍光
色素用のレーザ励起光源制御テーブルおよびロータリー
エンコーダ82から入力されたモータ40の出力軸41
の回転角信号にしたがって、第1のレーザ励起光源1か
ら発せられるレーザ光の強度Lpおよび第2のレーザ励
起光源2から発せられるレーザ光の強度Lpが、集光光
学系アセンブリ5の主走査方向の線速度Vに比例するよ
うに、すなわち、Lp=K*Vとなるように制御されつ
つ、サンプルステージ70内にセットされたサンプルキ
ャリア50の開口部54内に装填されているマイクロア
レイ60の全面が、第1のレーザ励起光源1から発せら
れた532nmの波長のレーザ光および第2のレーザ励
起光源2から発せられた635nmの波長のレーザ光に
よって、走査され、スライドガラス板111の表面に形
成されたスポット110に含まれているcDNAに、選
択的にハイブリダイズされた第一のターゲットDNAを
標識しているCy3および第二のターゲットDNAを標
識しているCy5が励起されて、放出された蛍光が、第
1のフォトマルチプライア7あるいは第2のフォトマル
チプライア8によって、光電的に検出され、蛍光データ
が読み取られて、生化学解析用データが生成されると、
コントロールユニット80は、第1のレーザ励起光源1
および第2のレーザ励起光源2の駆動を停止させるとと
もに、光学系駆動機構6のモータ40およびステージモ
ータ74に駆動停止信号を出力して、モータ40および
ステージモータ74の駆動を停止させる。
【0109】次いで、コントロールユニット80は、ス
テージモータ74に駆動信号を出力して、サンプルステ
ージ70を、図5において、矢印Yで示された副走査方
向に移動させる。
【0110】その結果、サンプルキャリア50の開口部
53内に装填されているマイクロアレイ60に、第1の
レーザ励起光源1から発せられたレーザ光および第2の
レーザ励起光源2から発せられたレーザ光を照射可能な
位置に、サンプルステージ70が移動したことが確認さ
れると、コントロールユニット80は、ステージモータ
74に駆動停止信号を出力する。
【0111】次いで、コントロールユニット80は、第
1のレーザ励起光源1および第2のレーザ励起光源2に
駆動信号を出力して、第1のレーザ励起光源1および第
2のレーザ励起光源2を起動させるとともに、光学系駆
動機構6のモータ40に駆動信号を出力して、モータ4
0を駆動し、光源制御手段81が、蛍光色素用のレーザ
励起光源制御テーブルおよびロータリーエンコーダ82
から入力されたモータ40の出力軸41の回転角信号に
したがって、第1のレーザ励起光源1から発せられるレ
ーザ光の強度Lpおよび第2のレーザ励起光源2から発
せられるレーザ光の強度Lpを、集光光学系アセンブリ
5の主走査方向の線速度Vに比例するように、すなわ
ち、Lp=K*Vとなるように制御して、サンプルキャ
リア50の開口部54内に装填されたマイクロアレイ6
0の全面を、第1のレーザ励起光源1から発せられたレ
ーザ光および第2のレーザ励起光源2から発せられたレ
ーザ光によって走査して、Cy3およびCy5を励起
し、放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用
データを生成したのと全く同様にして、サンプルキャリ
ア50の開口部53内に装填されたマイクロアレイ60
の全面を、第1のレーザ励起光源1から発せられたレー
ザ光および第2のレーザ励起光源2から発せられたレー
ザ光によって走査して、Cy3およびCy5を励起し、
放出された蛍光を光電的に検出して、蛍光データを読み
取り、生化学解析用データを生成する。
【0112】こうして、光源制御手段81により、蛍光
色素用のレーザ励起光源制御テーブルおよびロータリー
エンコーダ82から入力されたモータ40の出力軸41
の回転角信号にしたがって、第1のレーザ励起光源1か
ら発せられるレーザ光の強度Lpおよび第2のレーザ励
起光源2から発せられるレーザ光の強度Lpが、集光光
学系アセンブリ5の主走査方向の線速度Vに比例するよ
うに、すなわち、Lp=K*Vとなるように制御されつ
つ、サンプルステージ70内にセットされたサンプルキ
ャリア50の開口部53内に装填されているマイクロア
レイ60の全面が、第1のレーザ励起光源1から発せら
れた532nmの波長のレーザ光および第2のレーザ励
起光源2から発せられた635nmの波長のレーザ光に
よって、走査され、スライドガラス板111の表面に形
成されたスポット110に含まれているcDNAに、選
択的にハイブリダイズされた第一のターゲットDNAを
標識しているCy3および第二のターゲットDNAを標
識しているCy5が励起されて、放出された蛍光が、第
1のフォトマルチプライア7あるいは第2のフォトマル
チプライア8によって、光電的に検出されて、蛍光デー
タが読み取られ、生化学解析用データが生成されると、
コントロールユニット80は、第1のレーザ励起光源1
および第2のレーザ励起光源2の駆動を停止させるとと
もに、光学系駆動機構6のモータ40およびステージモ
ータ74に駆動停止信号を出力して、モータ40および
ステージモータ74の駆動を停止させる。
【0113】次いで、コントロールユニット80は、ス
テージモータ74に駆動信号を出力して、サンプルステ
ージ70を、図5において、矢印Yで示された副走査方
向に移動させ、同様にして、サンプルキャリア50の開
口部52内に装填されているマイクロアレイ60に、第
1のレーザ励起光源1から発せられたレーザ光および第
2のレーザ励起光源2から発せられたレーザ光を照射可
能な位置に、サンプルステージ70が移動したことが確
認されると、ステージモータ74に駆動停止信号を出力
する。
【0114】次いで、コントロールユニット80は、第
1のレーザ励起光源1および第2のレーザ励起光源2に
駆動信号を出力して、第1のレーザ励起光源1および第
2のレーザ励起光源2を起動させるとともに、光学系駆
動機構6のモータ40に駆動信号を出力して、モータ4
0を駆動し、光源制御手段81が、蛍光色素用のレーザ
励起光源制御テーブルおよびロータリーエンコーダ82
から入力されたモータ40の出力軸41の回転角信号に
したがって、第1のレーザ励起光源1から発せられるレ
ーザ光の強度Lpおよび第2のレーザ励起光源2から発
せられるレーザ光の強度Lpを、集光光学系アセンブリ
5の主走査方向の線速度Vに比例するように、すなわ
ち、Lp=K*Vとなるように制御して、サンプルキャ
リア50の開口部54内に装填されたマイクロアレイ6
0の全面を、第1のレーザ励起光源1から発せられたレ
ーザ光および第2のレーザ励起光源2から発せられたレ
ーザ光によって走査して、Cy3およびCy5を励起
し、放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用
データを生成したのと全く同様にして、サンプルキャリ
ア50の開口部52内に装填されたマイクロアレイ60
の全面を、第1のレーザ励起光源1から発せられたレー
ザ光および第2のレーザ励起光源2から発せられたレー
ザ光によって走査して、Cy3およびCy5を励起し、
放出された蛍光を光電的に検出して、蛍光データを読み
取り、生化学解析用データを生成する。
【0115】こうして、サンプルキャリア50に装填さ
れた3枚のマイクロアレイ60に記録された蛍光データ
の読み取りが完了する。
【0116】一方、本実施態様にかかるスキャナを用い
て、蛍光色素によって、選択的に標識された試料を含
み、蛍光データを記録している転写支持体よりなる蛍光
サンプルを、レーザ光によって走査して、蛍光色素を励
起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出し
て、生化学解析用のデータを生成する場合は、蛍光サン
プルが、蛍光サンプル用のサンプルキャリア内に装填さ
れる。
【0117】蛍光サンプルは、たとえば、以下のように
して、蛍光色素によって標識された変性DNAの電気泳
動画像を、転写支持体に記録することによって調製され
る。
【0118】まず、目的とする遺伝子からなるDNA断
片を含む複数のDNA断片を、ゲル支持媒体上で、電気
泳動させることにより、分離展開し、アルカリ処理によ
って変性(denaturation) して、一本鎖のDNAとす
る。
【0119】次いで、公知のサザン・ブロッティング法
により、このゲル支持媒体と転写支持体とを重ね合わ
せ、転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも一部
を転写して、加温処理および紫外線照射によって、固定
する。
【0120】その後、目的とする遺伝子のDNAと相補
的なDNAあるいはRNAを蛍光色素で標識して調製し
たプローブと転写支持体12上の変性DNA断片とを、
加温処理によって、ハイブリタイズさせ、二本鎖のDN
Aの形成(renaturation)またはDNA・RNA結合体
の形成をおこなう。次いで、たとえば、Cy3(登録商
標)を用いて、それぞれ、目的とする遺伝子のDNAと
相補的なDNAあるいはRNAを標識して、プローブが
調製される。このとき、転写支持体上の変性DNA断片
は固定されているので、プローブDNAまたはプローブ
RNAと相補的なDNA断片のみがハイブリタイズし
て、蛍光標識プローブを捕獲する。しかる後に、適当な
溶液で、ハイブリッドを形成しなかったプローブを洗い
流すことにより、転写支持体上では、目的遺伝子を有す
るDNA断片のみが、蛍光標識が付与されたDNAまた
はRNAとハイブリッドを形成し、蛍光標識が付与され
る。こうして、得られた転写支持体に、Cy3により標
識された変性DNAの電気泳動画像が記録される。
【0121】生化学解析用データの生成にあたっては、
蛍光サンプルが、蛍光サンプル用のサンプルキャリア
(図示せず)内にセットされ、マイクロアレイ用のサン
プルキャリア50と全く同様にして、蛍光サンプル用の
サンプルキャリアが、サンプルステージ70内にセット
される。
【0122】次いで、ユーザーによって、蛍光サンプル
を、レーザ光によって走査して、蛍光色素を励起し、蛍
光色素から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学
解析用のデータを生成する旨の指示信号および特異的結
合物質を標識している標識物質の種類を特定する標識物
質特定信号が、キーボード95に入力される。
【0123】キーボード95に入力された指示信号およ
び標識物質特定信号は、コントロールユニット80に出
力され、指示信号および標識物質特定信号が入力される
と、コントロールユニット80は、指示信号および標識
物質特定信号にしたがって、第1のレーザ励起光源1お
よび第2のレーザ励起光源2のうち、いずれを起動させ
るか、フィルタ部材31の第1のフィルタ31aおよび
第2のフィルタ31bのうち、いずれを蛍光の光路内に
位置させるか、ピンホール35を第1のフォトマルチプ
ライア7の前面に位置させるべきか否かならびにピンホ
ール37を第2のフォトマルチプライア8の前面に位置
させるべきか否かを決定する。
【0124】本実施態様においては、蛍光サンプルに含
まれた変性DNAは、第1のレーザ励起光源1から発せ
られる532nmの波長のレーザ光によって効率的に励
起可能なCy3によって、標識されているから、コント
ロールユニット80は、第1のレーザ励起光源1を選択
し、フィルタ部材モータ90に駆動信号を出力するとと
もに、第1のピンホール形成部材モータ91に退避信号
を出力する。一方、コントロールユニット80は、第2
のピンホール形成部材モータ92には、何の信号も出力
しない。
【0125】その結果、フィルタ部材モータ90によっ
て、第1のフィルタ31aが、蛍光の光路内に位置する
ように、フィルタ部材31が移動されるとともに、第1
のピンホール形成部材モータ91によって、ピンホール
35が、第1のフォトマルチプライア7の前面から退避
されるように、第1のピンホール形成部材36が移動さ
れる。
【0126】同時に、コントロールユニット80は、指
示信号を、光源制御手段81に出力し、光源制御手段8
1は、コントロールユニット80から入力された指示信
号にしたがって、メモリ87に格納されている蛍光色素
用のレーザ光源制御テーブルを読み出す。
【0127】次いで、コントロールユニット80は、第
1のレーザ励起光源1に駆動信号を出力するとともに、
光学系駆動機構6のモータ40に駆動信号を出力して、
モータ40を駆動する。
【0128】その結果、第1のレーザ励起光源1から、
532nmの波長のレーザ光が発せられ、同時に、モー
タ40の出力軸41の中心から偏心した位置に固定され
たディスク42が回転され、一端部が、ディスク42の
中心に立設された軸43に回動可能に取り付けられ、他
端部が、集光光学系アセンブリ5の枠体21の側板24
に立設された軸25に回動可能に取り付けられているア
ーム44を介して、集光光学系アセンブリ5が、高速
で、図1において、矢印Xで示された主走査方向に往復
動される。
【0129】第1のレーザ励起光源1から発せられたレ
ーザ光は、ビームエクスパンダ12によって、そのビー
ム径が拡大された後、ダイクロイックミラー14によっ
て反射されて、集光光学系アセンブリ5のミラー22に
入射する。
【0130】集光光学系アセンブリ5のミラー22に入
射したレーザ光は、ミラー22によって反射されて、穴
開きミラー23に入射する。
【0131】穴開きミラー23に入射したレーザ光は、
穴開きミラー23の穴(図示せず)を通過した後、集光
レンズ4によって、サンプルステージ70内にセットさ
れたサンプルキャリア内に装填されている蛍光サンプル
に集光される。
【0132】第1のレーザ励起光源1から発せられた5
32nmの波長のレーザ光が蛍光サンプルに入射する
と、蛍光サンプルを構成する転写支持体に含まれている
Cy3が励起されて、576nmの波長にピークを有す
る蛍光が放出される。
【0133】蛍光サンプルに含まれているCy3から放
出された蛍光は、集光レンズ4によって、穴開きミラー
23に集光され、穴開きミラー23によって反射され
て、検出光学系アセンブリ10のレンズ30に入射す
る。
【0134】検出光学系アセンブリ10のレンズ30に
入射した蛍光は、ダイクロイックミラー9に集光され
る。
【0135】本実施態様においては、ダイクロイックミ
ラー9は、600nm以上の波長の光を透過し、600
nm未満の波長の光を反射する性質を有しているから、
蛍光サンプルに含まれているCy3から放出された蛍光
は、ダイクロイックミラー9によって反射されて、フィ
ルタ部材31に入射する。
【0136】ここに、第1のレーザ励起光源1の起動に
先立って、532nmの波長の光をカットし、532n
mよりも波長の長い光を透過する性質を有する第1のフ
ィルタ31aが、蛍光の光路内に位置するように、フィ
ルタ部材31は移動されているから、励起光の波長であ
る532nmの波長の光が、第1のフィルタ31aによ
ってカットされ、励起光の波長よりも長波長のCy3か
ら放出された蛍光のみが、第1のフィルタ31aを透過
して、第1のフォトマルチプライア7によって、光電的
に検出される。
【0137】ここに、ピンホール形成部材36は、ピン
ホール35が、第1のフォトマルチプライア7の前面か
ら退避する位置に移動されているので、蛍光色素が転写
支持体の深さ方向に分布し、レーザ光によって、蛍光色
素を励起したときに、発光点が深さ方向に変動する蛍光
サンプルの場合に、蛍光サンプルから放出された蛍光
が、ピンホール35によってカットされることがなく、
したがって、第1のフォトマルチプライア7によって、
蛍光サンプルから放出された蛍光を光電的に検出するこ
とによって、十分に高い信号強度を有する生化学解析用
データを生成することが可能になる。
【0138】第1のフォトマルチプライア7によって生
成されたアナログデータは、第1のA/D変換器83に
よってディジタル化されて、データ処理装置85に出力
される。
【0139】上述のように、集光光学系アセンブリ5
は、光学系駆動機構6のモータ40によって、高速で、
図1において、矢印Xで示された主走査方向に往復動さ
れているから、第1のレーザ励起光源1から発せられた
532nmの波長のレーザ光によって、蛍光サンプルの
表面が、順次、主走査方向に走査されて、蛍光サンプル
に含まれているCy3が、順次、励起され、蛍光が放出
されて、第1のフォトマルチプライア7により、光電的
に検出され、第1のA/D変換器83によって、ディジ
タル化されて、データ処理装置85に出力される。
【0140】本実施態様においては、集光光学系アセン
ブリ5が、主走査方向に移動される際、メモリ87から
読み出された蛍光色素用のレーザ励起光源制御テーブル
およびロータリーエンコーダ82から入力されたモータ
40の出力軸41の回転角信号にしたがって、光源制御
手段81によって、第1のレーザ励起光源1から発せら
れるレーザ光の強度Lpが、集光光学系アセンブリ5の
主走査方向の線速度Vに比例するように、すなわち、L
p=K*V(Kは定数)となるように制御される。した
がって、光学系駆動機構6のモータ40の出力軸41の
回転運動が、アーム44を含むクランク機構によって、
直線運動に変換されて、集光光学系アセンブリ5が、主
走査方向に、高速で移動されるため、集光光学系アセン
ブリ5の主走査方向の線速度が一定ではないにもかかわ
らず、蛍光サンプルの1ラインに含まれた蛍光色素を、
一定のレーザエネルギーにより、励起することができ
る。
【0141】こうして、蛍光サンプルの表面が、主走査
方向に、1ライン分だけ走査されると、コントロールユ
ニット80は、ステージモータ74に駆動信号を出力し
て、ステージモータ74を駆動し、サンプルステージ7
0を、図1および図5において、矢印Yで示された副走
査方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0142】同様にして、光源制御手段81により、蛍
光色素用のレーザ励起光源制御テーブルおよびロータリ
ーエンコーダ82から入力されたモータ40の出力軸4
1の回転角信号にしたがって、第1のレーザ励起光源1
から発せられるレーザ光の強度Lpが、集光光学系アセ
ンブリ5の主走査方向の線速度Vに比例するように、す
なわち、Lp=K*Vとなるように制御されつつ、蛍光
サンプルの第2ライン目が、順次、第1のレーザ励起光
源1から発せられた532nmの波長のレーザ光によ
り、主走査方向に走査されて、蛍光サンプルに含まれて
いるCy3が、順次、励起され、蛍光が放出されて、第
1のフォトマルチプライア7によって、光電的に検出さ
れ、アナログデータが生成され、第1のA/D変換器8
3により、ディジタルされて、データ処理装置85に出
力される。
【0143】こうして、光源制御手段81により、蛍光
色素用のレーザ励起光源制御テーブルおよびロータリー
エンコーダ82から入力されたモータ40の出力軸41
の回転角信号にしたがって、第1のレーザ励起光源1か
ら発せられるレーザ光の強度Lpが、集光光学系アセン
ブリ5の主走査方向の線速度Vに比例するように、すな
わち、Lp=K*Vとなるように制御されつつ、サンプ
ルステージ70内にセットされたサンプルキャリア内に
装填されている蛍光サンプルの全面が、第1のレーザ励
起光源1から発せられた532nmの波長のレーザ光に
よって、走査され、蛍光サンプルに含まれているCy3
が励起されて、放出された蛍光が、第1のフォトマルチ
プライア7によって、光電的に検出され、蛍光サンプル
に記録された蛍光データが読み取られて、生化学解析用
データが生成されると、コントロールユニット80は、
第1のレーザ励起光源1の駆動を停止させるとともに、
光学系駆動機構6のモータ40およびステージモータ7
4に駆動停止信号を出力して、モータ40およびステー
ジモータ74の駆動を停止させる。
【0144】以上のようにして、サンプルキャリアに装
填された蛍光サンプルに記録された蛍光データの読み取
りが完了する。
【0145】一方、本実施態様にかかるスキャナを用い
て、生化学解析用ユニットの基板に形成された多数の吸
着性領域に記録されている蛍光データを読み取る場合に
は、生化学解析用ユニットが、生化学解析用ユニット用
のサンプルキャリア(図示せず)に装填される。
【0146】図11は、生化学解析用ユニットの略斜視
図である。
【0147】図11に示されるように、生化学解析用ユ
ニット121は、アルミニウムなどの光を減衰させる性
質を有する材料によって形成され、多数の略円形状の貫
通孔123が高密度に形成された基板122を備えてお
り、多数の貫通孔123の内部には、ナイロン6などの
吸着性材料が充填されて、多数の吸着性領域124が形
成されている。
【0148】図11には正確に示されていないが、約1
0000の約0.01平方ミリメートルのサイズを有す
る略円形の貫通孔123が、約5000個/平方センチ
メートルの密度で、規則的に、基板122に形成されて
いる。吸着性領域124は、その表面が、基板122の
表面と同じ高さに位置するように、ナイロン6などの吸
着性材料が、貫通孔123内に充填されて、形成されて
いる。
【0149】生化学解析用ユニット121の多数の吸着
性領域124には、たとえば、以下のようにして、蛍光
データが記録される。
【0150】まず、生化学解析用ユニット121に形成
された多数の吸着性領域124内に、特異的結合物質と
して、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcDNA
が、スポッティング装置を使用して、滴下される。
【0151】次いで、蛍光物質、たとえば、Cy5によ
って標識されたプローブである生体由来の物質を含むハ
イブリダイゼーション溶液を収容したハイブリダイゼー
ション容器内に、生化学解析用ユニット121が収容さ
れる。
【0152】その結果、多数の吸着性領域124に吸着
されている特異的結合物質に、Cy5によって標識され
た生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダイズされ
る。
【0153】生化学解析用データの生成にあたっては、
まず、生化学解析用ユニット121が装填された生化学
解析用ユニット用のサンプルキャリア(図示せず)が、
マイクロアレイ用のサンプルキャリアと全く同様にし
て、サンプルステージ70内にセットされる。
【0154】次いで、ユーザーによって、生化学解析用
ユニット121を、レーザ光によって走査して、蛍光色
素を励起し、蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検
出して、生化学解析用のデータを生成する旨の指示信号
および特異的結合物質を標識している標識物質の種類を
特定する標識物質特定信号が、キーボード95に入力さ
れる。
【0155】キーボード95に入力された指示信号およ
び標識物質特定信号は、コントロールユニット80に出
力され、指示信号および標識物質特定信号が入力される
と、コントロールユニット80は、指示信号および標識
物質特定信号にしたがって、第1のレーザ励起光源1お
よび第2のレーザ励起光源2のうち、いずれを起動させ
るか、フィルタ部材31の第1のフィルタ31aおよび
第2のフィルタ31bのうち、いずれを蛍光の光路内に
位置させるか、ピンホール35を第1のフォトマルチプ
ライア7の前面に位置させるべきか否かならびにピンホ
ール37を第2のフォトマルチプライア8の前面に位置
させるべきか否かを決定する。
【0156】本実施態様においては、生化学解析用ユニ
ット111の吸着性領域124に含まれたcDNAは、
第2のレーザ励起光源2から発せられる635nmの波
長のレーザ光によって効率的に励起可能なCy5によっ
て、標識されているから、コントロールユニット80
は、第2のレーザ励起光源2を選択するとともに、第2
のピンホール形成部材モータ92に退避信号を出力す
る。一方、コントロールユニット80は、第1のピンホ
ール形成部材モータ91には、何の信号も出力しない。
【0157】その結果、第2のピンホール形成部材モー
タ92によって、ピンホール形成部材38が、ピンホー
ル37が、第2のフォトマルチプライア8の前面から退
避される位置に移動される。
【0158】同時に、コントロールユニット80は、指
示信号を、光源制御手段81に出力し、光源制御手段8
1は、コントロールユニット80から入力された指示信
号にしたがって、メモリ87に格納されている蛍光色素
用のレーザ光源制御テーブルを読み出す。
【0159】次いで、コントロールユニット80は、第
2のレーザ励起光源2に駆動信号を出力するとともに、
光学系駆動機構6のモータ40に駆動信号を出力して、
モータ40を駆動する。
【0160】その結果、第2のレーザ励起光源2から、
635nmの波長のレーザ光が発せられ、同時に、モー
タ40の出力軸41の中心から偏心した位置に固定され
たディスク42が回転され、一端部が、ディスク42の
中心に立設された軸43に回動可能に取り付けられ、他
端部が、集光光学系アセンブリ5の枠体21の側板24
に立設された軸25に回動可能に取り付けられているア
ーム44を介して、集光光学系アセンブリ5が、高速
で、図1において、矢印Xで示された主走査方向に往復
動される。
【0161】第2のレーザ励起光源2から発せられたレ
ーザ光は、ビームエクスパンダ13によって、そのビー
ム径が拡大された後、ダイクロイックミラー14を透過
して、集光光学系アセンブリ5のミラー22に入射す
る。
【0162】集光光学系アセンブリ5のミラー22に入
射したレーザ光は、ミラー22によって反射されて、穴
開きミラー23に入射する。
【0163】穴開きミラー23に入射したレーザ光は、
穴開きミラー23の穴(図示せず)を通過した後、集光
レンズ4によって、サンプルステージ70内にセットさ
れた生化学解析用ユニット用のサンプルキャリア内に装
填されている生化学解析用ユニット121に集光され
る。
【0164】第2のレーザ励起光源2から発せられた6
35nmの波長のレーザ光が、生化学解析用ユニット1
21の吸着性領域124に入射すると、吸着性領域12
4に含まれているCy5が励起されて、675nmの波
長にピークを有する蛍光が放出される。
【0165】生化学解析用ユニット121の吸着性領域
124に含まれているCy5から放出された蛍光は、集
光レンズ4によって、穴開きミラー23に集光され、穴
開きミラー23によって反射されて、検出光学系アセン
ブリ10のレンズ30に入射する。
【0166】検出光学系アセンブリ10のレンズ30に
入射した蛍光は、ダイクロイックミラー9に集光され
る。
【0167】本実施態様においては、ダイクロイックミ
ラー9は、600nm以上の波長の光を透過し、600
nm未満の波長の光を反射する性質を有しているから、
生化学解析用ユニット121の吸着性領域124に含ま
れているCy5から放出された蛍光は、ダイクロイック
ミラー9を透過して、フィルタ32に入射する。
【0168】ここに、フィルタ32は、635nmの波
長の光をカットし、635nmよりも波長の長い光を透
過する性質を有しているから、励起光の波長である63
5nmの波長の光が、フィルタ32によってカットさ
れ、励起光の波長よりも長波長のCy5から放出された
蛍光のみが、フィルタ32を透過して、第2のフォトマ
ルチプライア8によって、光電的に検出される。
【0169】ここに、ピンホール形成部材38は、ピン
ホール37が、第2のフォトマルチプライア8の前面か
ら退避する位置に移動されているので、蛍光色素が吸着
性領域174の深さ方向に分布し、レーザ光によって、
蛍光色素を励起したときに、発光点が深さ方向に変動す
る生化学解析用ユニット121の場合に、生化学解析用
ユニット171の吸着性領域174から放出された蛍光
が、ピンホール37によってカットされることがなく、
したがって、第2のフォトマルチプライア8によって、
生化学解析用ユニット121の吸着性領域124から放
出された蛍光を光電的に検出することにより、十分に高
い信号強度を有する生化学解析用データを生成すること
が可能になる。
【0170】第2のフォトマルチプライア8によって生
成されたアナログデータは、第2のA/D変換器84に
よってディジタル化されて、データ処理装置85に出力
される。
【0171】上述のように、集光光学系アセンブリ5
は、光学系駆動機構6のモータ40によって、高速で、
図1において、矢印Xで示された主走査方向に往復動さ
れているから、第2のレーザ励起光源2から発せられた
635nmの波長のレーザ光によって、生化学解析用ユ
ニット121の表面が、順次、主走査方向に走査され
て、生化学解析用ユニット121の吸着性領域124に
含まれているCy5が、順次、励起され、蛍光が放出さ
れて、第2のフォトマルチプライア8によって、光電的
に検出され、第2のA/D変換器84によって、ディジ
タル化されて、データ処理装置85に出力される。
【0172】本実施態様においては、集光光学系アセン
ブリ5が、主走査方向に移動される際、メモリ87から
読み出された蛍光色素用のレーザ励起光源制御テーブル
およびロータリーエンコーダ82から入力されたモータ
40の出力軸41の回転角信号にしたがって、光源制御
手段81によって、第2のレーザ励起光源2から発せら
れるレーザ光の強度Lpが、集光光学系アセンブリ5の
主走査方向の線速度Vに比例するように、すなわち、L
p=K*V(Kは定数)となるように制御される。した
がって、光学系駆動機構6のモータ40の出力軸41の
回転運動が、アーム44を含むクランク機構によって、
直線運動に変換されて、集光光学系アセンブリ5が、主
走査方向に、高速で移動されるため、集光光学系アセン
ブリ5の主走査方向の線速度が一定ではないにもかかわ
らず、生化学解析用ユニット121の1ラインの吸着性
領域124に含まれた蛍光色素を、一定のレーザエネル
ギーによって、励起することができる。
【0173】こうして、生化学解析用ユニット121の
吸着性領域124が、1ライン分だけ、レーザ光によっ
て、主走査方向に走査されると、コントロールユニット
80は、ステージモータ74に駆動信号を出力して、ス
テージモータ74を駆動し、サンプルステージ70を、
図1および図5において、矢印Yで示された副走査方向
に、1ライン分だけ、移動させる。
【0174】同様にして、光源制御手段81により、蛍
光色素用のレーザ励起光源制御テーブルおよびロータリ
ーエンコーダ82から入力されたモータ40の出力軸4
1の回転角信号にしたがって、第2のレーザ励起光源2
から発せられるレーザ光の強度Lpが、集光光学系アセ
ンブリ5の主走査方向の線速度Vに比例するように、す
なわち、Lp=K*Vとなるように制御されつつ、生化
学解析用ユニット121の第2ライン目の吸着性領域1
24が、順次、第2のレーザ励起光源2から発せられた
635nmの波長のレーザ光によって、主走査方向に走
査されて、生化学解析用ユニット121の吸着性領域1
24に含まれているCy5が、順次、励起され、蛍光が
放出されて、第2のフォトマルチプライア8によって、
光電的に検出され、アナログデータが生成され、第2の
A/D変換器84によって、ディジタルされて、データ
生成装置85に出力される。
【0175】こうして、光源制御手段81により、蛍光
色素用のレーザ励起光源制御テーブルおよびロータリー
エンコーダ82から入力されたモータ40の出力軸41
の回転角信号にしたがって、第2のレーザ励起光源2か
ら発せられるレーザ光の強度Lpが、集光光学系アセン
ブリ5の主走査方向の線速度Vに比例するように、すな
わち、Lp=K*Vとなるように制御されつつ、サンプ
ルステージ70内にセットされたサンプルキャリア内に
装填されている生化学解析用ユニット121のすべての
吸着性領域124が、第2のレーザ励起光源2から発せ
られた635nmの波長のレーザ光によって、走査さ
れ、生化学解析用ユニット121の吸着性領域124に
含まれているCy5が励起されて、放出された蛍光が、
第2のフォトマルチプライア8によって、光電的に検出
され、生化学解析用ユニット121の吸着性領域124
に記録された蛍光データが読み取られて、生化学解析用
データが生成されると、コントロールユニット80は、
第2のレーザ励起光源2の駆動を停止させるとともに、
光学系駆動機構6のモータ40およびステージモータ7
4に駆動停止信号を出力して、モータ40およびステー
ジモータ74の駆動を停止させる。
【0176】以上のようにして、サンプルキャリアに装
填された生化学解析用ユニット121の吸着性領域12
4に記録された蛍光データの読み取りが完了する。
【0177】これに対して、本実施態様にかかるスキャ
ナを用いて、放射性標識物質の位置情報に関する放射線
データが記録された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体
層を、レーザ光によって走査して、輝尽性蛍光体を励起
し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出
して、生化学解析用データを生成する場合は、まず、輝
尽性蛍光体層に放射性標識物質の位置情報が記録された
蓄積性蛍光体シートが、蓄積性蛍光体シート用のサンプ
ルキャリア(図示せず)内に装填される。
【0178】蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に
は、たとえば、以下のようにして、放射性標識物質の位
置情報に関する放射線データが記録される。
【0179】メンブレンフィルタなどの担体表面を前処
理し、次いで、メンブレンフィルタなどの担体表面上の
所定の位置に、塩基配列が既知の互いに異なった複数の
特異的結合物質であるcDNAを、スポッティング装置
を使用して、滴下する。
【0180】他方、検体であるRNAを生体細胞から抽
出し、さらに、RNAから3’末端にポリAを有するm
RNAを抽出する。こうして抽出したポリAを末端に有
するmRNAからcDNAを合成する際に、放射性標識
物質を存在させて、放射性標識物質によって標識された
プローブDNAを生成する。
【0181】こうして得られた放射性標識物質によって
標識されたプローブDNAを所定の溶液に調整し、特異
的結合物質であるcDNAが滴下されたメンブレンフィ
ルタなどの担体表面上に静かに載せて、ハイブリダイズ
させる。
【0182】次いで、ハイブリダイズされた試料が形成
されたメンブレンフィルタなどの担体表面に、蓄積性蛍
光体シートに形成された輝尽性蛍光体層を重ね合わせ
て、所定時間にわたって、密着状態に保持することによ
って、メンブレンフィルタなどの担体上の放射性標識物
質から放出される放射線の少なくとも一部が、蓄積性蛍
光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に吸収され、放
射性標識物質の位置情報に関する放射線データが、輝尽
性蛍光体層に記録される。
【0183】生化学解析用データの生成にあたっては、
まず、蓄積性蛍光体シートが装填された蓄積性蛍光体シ
ート用のサンプルキャリア(図示せず)が、マイクロア
レイ用のサンプルキャリアと全く同様にして、サンプル
ステージ70内にセットされる。
【0184】次いで、ユーザーによって、蓄積性蛍光体
シートの輝尽性蛍光体層を、レーザ光によって走査し
て、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出され
た輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用のデータを
生成する旨の指示信号が入力される。
【0185】キーボード95に入力された指示信号は、
コントロールユニット80に出力され、指示信号が入力
されると、コントロールユニット80は、指示信号にし
たがって、フィルタ部材モータ90に、駆動信号を出力
して、第2のフィルタ31bが、輝尽光の光路内に位置
するように、フィルタ部材31を移動させるとともに、
第1のピンホール形成部材モータ91に退避信号を出力
して、ピンホール35が、第1のフォトマルチプライア
7の前面から退避するように、ピンホール形成部材36
を移動させる。
【0186】同時に、コントロールユニット80は、指
示信号を、光源制御手段81に出力し、光源制御手段8
1は、コントロールユニット80から入力された指示信
号にしたがって、メモリ87に格納されている輝尽性蛍
光体用のレーザ光源制御テーブルを読み出す。
【0187】次いで、コントロールユニット80は、6
35nmの波長のレーザ光を発する第2のレーザ励起光
源2に駆動信号を出力するとともに、光学系駆動機構6
のモータ40に駆動信号を出力して、モータ40を駆動
する。
【0188】その結果、第2のレーザ励起光源2から、
635nmの波長のレーザ光が発せられ、同時に、モー
タ40の出力軸41の中心から偏心した位置に固定され
たディスク42が回転され、一端部が、ディスク42の
中心に立設された軸43に回動可能に取り付けられ、他
端部が、集光光学系アセンブリ5の枠体21の側板24
に立設された軸25に回動可能に取り付けられているア
ーム44を介して、集光光学系アセンブリ5が、高速
で、図1において、矢印Xで示された主走査方向に往復
動される。
【0189】第2のレーザ励起光源2から発せられたレ
ーザ光は、ビームエクスパンダ13によって、そのビー
ム径が拡大された後、ダイクロイックミラー14を透過
し、集光光学系アセンブリ5のミラー22に入射する。
【0190】集光光学系アセンブリ5のミラー22に入
射したレーザ光は、ミラー22によって反射されて、穴
開きミラー23に入射する。
【0191】穴開きミラー23に入射したレーザ光は、
穴開きミラー23の穴(図示せず)を通過した後、集光
レンズ4によって、サンプルステージ70内にセットさ
れたサンプルキャリア内に装填されている蓄積性蛍光体
シートの輝尽性蛍光体層に集光される。
【0192】第2のレーザ励起光源2から発せられた6
35nmの波長のレーザ光が、蓄積性蛍光体シートの輝
尽性蛍光体層に入射すると、輝尽性蛍光体層に含まれて
いる輝尽性蛍光体が励起されて、輝尽光が放出される。
【0193】輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体か
ら放出された輝尽光は、集光レンズ4によって、穴開き
ミラー23に集光され、穴開きミラー23によって反射
されて、検出光学系アセンブリ10のレンズ30に入射
する。
【0194】検出光学系アセンブリ10のレンズ30に
入射した輝尽光は、ダイクロイックミラー9に集光され
る。
【0195】本実施態様においては、ダイクロイックミ
ラー9は、600nm以上の波長の光を透過し、600
nm未満の波長の光を反射する性質を有しており、輝尽
性蛍光体から放出される輝尽光の波長は、励起光の波長
よりも短いため、輝尽光は、ダイクロイックミラー9に
よって反射されて、フィルタ部材31に入射する。
【0196】ここに、第2のレーザ励起光源2の起動に
先立って、635nmの波長の光をカットし、輝尽光の
波長の光を透過する性質を有する第2のフィルタ31b
が、輝尽光の光路内に位置するように、フィルタ部材3
1を移動されているから、励起光の波長である635n
mの波長の光が、第2のフィルタ31bによってカット
され、輝尽光の波長の光のみが、第2のフィルタ31b
を透過して、第1のフォトマルチプライア7によって、
光電的に検出されて、アナログデータが生成される。
【0197】また、ピンホール形成部材36は、ピンホ
ール35が、第1のフォトマルチプライア7の前面から
退避する位置に移動されているので、レーザ光によっ
て、輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体を励起した
ときは、輝尽光の発光点は輝尽性蛍光体層の深さ方向に
分布し、発光点は深さ方向に変動する蓄積性蛍光体シー
トの場合に、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に含
まれた輝尽性蛍光体から放出された輝尽光が、ピンホー
ル37によってカットされることがなく、したがって、
第2のフォトマルチプライア8によって、蓄積性蛍光体
シートの輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体から放
出された輝尽光を光電的に検出することによって、十分
に高い信号強度を有する生化学解析用データを生成する
ことが可能になる。
【0198】第2のフォトマルチプライア8によって生
成されたアナログデータは、第2のA/D変換器84に
よってディジタル化されて、データ処理装置85に出力
される。
【0199】上述のように、集光光学系アセンブリ5
は、光学系駆動機構6のモータ40によって、高速で、
図1において、矢印Xで示された主走査方向に往復動さ
れているから、第2のレーザ励起光源2から発せられた
635nmの波長のレーザ光によって、蓄積性蛍光体シ
ートの輝尽性蛍光体層の表面が、順次、主走査方向に走
査されて、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に含ま
れている輝尽性蛍光体が、順次、励起され、輝尽光が放
出されて、第2のフォトマルチプライア8によって、光
電的に検出され、第2のA/D変換器84により、ディ
ジタル化されて、データ処理装置85に出力される。
【0200】本実施態様においては、集光光学系アセン
ブリ5が、主走査方向に移動される際、メモリ87から
読み出された輝尽性蛍光体用のレーザ励起光源制御テー
ブルおよびロータリーエンコーダ82から入力されたモ
ータ40の出力軸41の回転角信号にしたがって、光源
制御手段81によって、第2のレーザ励起光源2から発
せられるレーザ光の強度Lpが、集光光学系アセンブリ
5の主走査方向の線速度Vに応じて、すなわち、Lp=
f(V)となるように制御される。したがって、光学系
駆動機構6のモータ40の出力軸41の回転運動が、ア
ーム44を含むクランク機構によって、直線運動に変換
されて、集光光学系アセンブリ5が、主走査方向に、高
速で移動されるため、集光光学系アセンブリ5の主走査
方向の線速度が一定ではないにもかかわらず、最大強度
の輝尽光が放出される線速度で、集光光学系アセンブリ
5が、主走査方向に移動される場合と同様に、蓄積性蛍
光体シートの輝尽性蛍光体層の1ラインに含まれた輝尽
性蛍光体を、レーザ光によって励起することができる。
【0201】こうして、光源制御手段81によって、第
2のレーザ励起光源2から発せられるレーザ光の強度L
pが、集光光学系アセンブリ5の主走査方向の線速度V
に応じて、すなわち、Lp=f(V)となるように制御
されつつ、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層が、1
ライン分だけ、レーザ光によって、主走査方向に走査さ
れると、コントロールユニット80は、ステージモータ
74に駆動信号を出力して、ステージモータ74を駆動
し、サンプルステージ70を、図1および図5におい
て、矢印Yで示された副走査方向に、1ライン分だけ、
移動させる。
【0202】同様にして、光源制御手段81によって、
第2のレーザ励起光源2から発せられるレーザ光の強度
Lpが、集光光学系アセンブリ5の主走査方向の線速度
Vに応じて、すなわち、Lp=f(V)となるように制
御されつつ、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層の第
2ライン目が、順次、第2のレーザ励起光源2から発せ
られた635nmの波長のレーザ光によって、主走査方
向に走査されて、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層
に含まれている輝尽性蛍光体が、順次、励起され、輝尽
光が放出されて、第2のフォトマルチプライア8によっ
て、光電的に検出され、アナログデータが生成され、第
2のA/D変換器84によって、ディジタルされて、デ
ータ生成装置85に出力される。
【0203】こうして、光源制御手段81によって、第
2のレーザ励起光源2から発せられるレーザ光の強度L
pが、集光光学系アセンブリ5の主走査方向の線速度V
に応じて、すなわち、Lp=f(V)となるように制御
されつつ、サンプルステージ70内にセットされたサン
プルキャリア内に装填されている蓄積性蛍光体シートの
輝尽性蛍光体層の全面が、第2のレーザ励起光源2から
発せられた635nmの波長のレーザ光によって、走査
され、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に含まれて
いる輝尽性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光が、
第2のフォトマルチプライア8によって、光電的に検出
され、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に記録され
た放射線データが読み取られて、生化学解析用データが
生成されると、コントロールユニット80は、第2のレ
ーザ励起光源2の駆動を停止させるとともに、光学系駆
動機構6のモータ40およびステージモータ74に駆動
停止信号を出力して、モータ40およびステージモータ
74の駆動を停止させる。
【0204】以上のようにして、サンプルキャリアに装
填された蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に記録さ
れた放射線データの読み取りが完了する。
【0205】本実施態様によれば、光学系駆動機構6の
モータ40の出力軸41の回転運動が、アーム44を含
むクランク機構によって、直線運動に変換されて、集光
光学系アセンブリ5が、主走査方向に、高速で往復動さ
れるように構成されているため、集光光学系アセンブリ
5の主走査方向の線速度が一定ではないが、照射される
レーザ光の単位時間、単位面積あたりの強度に比例した
強度の蛍光を放出する性質を有する蛍光色素の蛍光デー
タを担持しているマイクロアレイ60、蛍光サンプルお
よび生化学解析用ユニット121の場合には、あらかじ
め決定されて、メモリ87に格納されている蛍光色素用
のレーザ励起光源制御テーブルおよびロータリーエンコ
ーダ82から入力されたモータ40の出力軸41の回転
角信号にしたがって、光源制御手段81によって、第1
のレーザ励起光源1から発せられるレーザ光の強度Lp
および/または第2のレーザ励起光源2から発せられる
レーザ光の強度Lpが、集光光学系アセンブリ5の主走
査方向の線速度Vに比例するように、すなわち、Lp=
K*V(Kは定数)となるように制御されているから、
集光光学系アセンブリ5の主走査方向の線速度が一定で
はないにもかかわらず、蛍光色素が受けるレーザ光のエ
ネルギーを一定に制御することができ、したがって、定
量性に優れた生化学解析用データを生成することが可能
になり、その一方で、レーザ光の単位時間、単位面積あ
たりの強度が一定の場合に、照射されるレーザ光の走査
速度が特定の値のときに、最大強度の輝尽光を放出する
性質を有する輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層に記録
された放射線データを読み取る場合は、あらかじめ決定
されて、メモリ87に格納されている輝尽性蛍光体用の
レーザ励起光源制御テーブルおよびロータリーエンコー
ダ82から入力されたモータ40の出力軸41の回転角
信号にしたがって、光源制御手段81によって、第2の
レーザ励起光源2から発せられるレーザ光の強度Lp
が、集光光学系アセンブリ5の主走査方向の線速度Vに
応じて、すなわち、Lp=f(V)となるように制御さ
れているから、一定の線速度で、集光光学系アセンブリ
5を、つねに、主走査方向に往復動させる場合と同様
に、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に含まれた輝
尽性蛍光体を励起することができ、したがって、信号強
度が大きく、定量性に優れた生化学解析用データを生成
することが可能になる。
【0206】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0207】たとえば、前記実施態様においては、モー
タ40によって、集光光学系アセンブリ5を、主走査方
向に、往復動させているが、サンプリングステージ70
を、モータによって、往復動させるように構成すること
もできる。
【0208】さらに、前記実施態様においては、蛍光色
素によって、選択的に標識された試料を含み、蛍光デー
タが記録されている転写支持体によって、蛍光サンプル
が構成されているが、選択的に標識された試料を含み、
蛍光データが記録されているゲル支持体によって、蛍光
サンプルを構成することもできる。
【0209】また、前記実施態様においては、スキャナ
は、532nmの波長のレーザ光を発する第1のレーザ
励起光源1と、635nmの波長のレーザ光を発する第
2のレーザ励起光源2を備えているが、スキャナが、5
32nmの波長のレーザ光を発する第1のレーザ励起光
源1と、635nmの波長のレーザ光を発する第2のレ
ーザ励起光源2を備えていることは必ずしも必要でな
く、第1のレーザ励起光源1として、473nmのレー
ザ光を発するレーザ光源を用いることもできる。
【0210】さらに、前記実施態様においては、スキャ
ナは、532nmの波長のレーザ光を発する第1のレー
ザ励起光源1と、635nmの波長のレーザ光を発する
第2のレーザ励起光源2を備えているが、励起する蛍光
物質の種類に応じて、第2のレーザ励起光源2として、
530ないし540nmのレーザ光を発するレーザ光源
を用いることもできる。
【0211】また、前記実施態様においては、スキャナ
は、532nmの波長のレーザ光を発する第1のレーザ
励起光源1と、635nmの波長のレーザ光を発する第
2のレーザ励起光源2を備えているが、励起光源とし
て、レーザ励起光源を用いることは必ずしも必要でな
く、レーザ励起光源に代えて、LED光源を、励起光源
として用いることもでき、さらには、ハロゲンランプを
励起光源として用い、分光フィルタによって、輝尽性蛍
光体の励起に寄与しない波長成分をカットするようにし
てもよい。
【0212】さらに、前記実施態様においては、光検出
器として、第1のフォトマルチプライア7および第2の
フォトマルチプライア8を用いているが、本発明におい
て用いられる光検出器としては、少なくとも蛍光を光電
的に検出可能であればよく、第1のフォトマルチプライ
ア7および第2のフォトマルチプライア8に限らず、C
CDなどの他の光検出器を用いることができる。また、
本発明において、手段とは、必ずしも物理的手段を意味
するものではなく、各手段の機能が、ソフトウエアによ
り実現される場合も包含する。また、一つの手段の機能
が二以上の物理的手段により実現されても、二以上の手
段の機能が一つの物理的手段により実現されてもよい。
【0213】
【発明の効果】本発明によれば、モータとクランク機構
を用いて、励起光とサンプルとを、主走査方向に、相対
的に往復動させて、サンプルから放出された光を検出し
て、生化学解析用データを生成するときにも、定量性に
優れた生化学解析用データを生成することができるスキ
ャナを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかるス
キャナの光学系を示す略斜視図である。
【図2】図2は、フィルタ部材の略正面図である。
【図3】図3は、本発明の好ましい実施態様にかかるス
キャナに設けられた光学系駆動機構の詳細を示す略斜視
図である。
【図4】図4は、サンプルであるマイクロアレイがセッ
トされるサンプルサンプルキャリアを裏面側から見た略
斜視図である。
【図5】図5は、サンプルを保持したサンプルキャリア
がセットされるサンプルステージの略斜視図である。
【図6】図6は、本発明の好ましい実施態様にかかるス
キャナの制御系、検出系、駆動系および入力系を示すブ
ロックダイアグラムである。
【図7】図7は、単位時間に、単位面積あたりに、蛍光
色素が受けるレーザ光の強度Lpと、レーザ光によって
励起されて、蛍光色素が放出する蛍光の強度IFとの関
係を概略的に示すグラフである。
【図8】図8は、レーザ光の強度が一定のときに、レー
ザ光の主走査方向における線速度Vと、レーザ光によっ
て励起されて、輝尽性蛍光体が放出する輝尽光の強度I
Sとの関係を概略的に示すグラフである。
【図9】図9は、第1のレーザ励起光源から発せられる
レーザ光の強度および第2のレーザ励起光源から発せら
れるレーザ光の強度を制御する制御関数を概略的に示す
グラフである。
【図10】図10は、マイクロアレイの略斜視図であ
る。
【図11】図11は、生化学解析用ユニットの略斜視図
である。
【符号の説明】
1 第1のレーザ励起光源 2 第2のレーザ励起光源 3 レーザアセンブリ 4 集光レンズ 5 集光光学系アセンブリ 6 光学系駆動機構 7 第1のフォトマルチプライア 8 第2のフォトマルチプライア 9 ダイクロイックミラー 10 検出光学系アセンブリ 11 基台 12 ビームエクスパンダ 13 ビームエクスパンダ 14 ダイクロイックミラー 20 レール 21 枠体 22 ミラー 23 穴開きミラー 24 枠体の側板 25 枠体の側板に立設された軸 30 レンズ 31 フィルタ部材 31a 第1のフィルタ 31b 第2のフィルタ 32 フィルタ 33 板部材 34 ハウジング 35 ピンホール 36 第1のピンホール形成部材 37 ピンホール 38 第2のピンホール形成部材 40 モータ 41 モータの出力軸 42 ディスク 43 ディスクに立設された軸 44 アーム 44a アームのモータへの取り付け端部 44b アームの集光光学系への取り付け端部 50 サンプルキャリア 51 フレーム体 52、53、54 サンプルキャリアの開口部 52a、53a、54a 板ばね 52b、53b、54b 開口部 55、56、57、58 板部材 59 ハンドル 60 マイクロアレイ 70 サンプルステージ 71 開口部 72 レール 73 ステイ 74 ステージモータ 75 ロッド 80 コントロールユニット 81 光源制御手段 82 ロータリーエンコーダ 83 第1のA/D変換器 84 第2のA/D変換器 85 データ処理装置 86 サンプルキャリアセンサ 87 メモリ 90 フィルタ部材モータ 91 第1のピンホール形成部材モータ 92 第2のピンホール形成部材 95 キーボード 110 スポット 111 スライドガラス板 121 生化学解析用ユニット 122 基板 123 貫通孔 124 吸着性領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA01 BA16 CA07 DA01 DA06 EA01 FA01 GA02 GA06 GB01 KA02 KA05 KA09 LA02 LA03 MA11 MA16 2H052 AA08 AA09 AB24 AC04 AC14 AC15 AC18 AC28 AC34 AD03 AD31 AD34 AF07 AF14 AF21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起光を発する少なくとも1つの励起光
    源と、サンプルが載置されるサンプルステージと、前記
    少なくとも1つの励起光源から発せられた励起光を前記
    サンプルステージに載置された前記サンプルに集光する
    とともに、前記サンプルから放出された光を集光する集
    光光学系と、モータと、前記モータの出力軸の回転運動
    を直線運動に変換するクランク機構を備え、前記集光光
    学系と前記サンプルステージを、相対的に、主走査方向
    に往復動させる主走査機構と、前記サンプルから放出さ
    れた光を光電的に検出する光検出器と、前記モータの前
    記出力軸の回転角を検出するロータリーエンコーダと、
    前記ロータリーエンコーダが検出した前記モータの前記
    出力軸の回転角にしたがって、前記少なくとも1つの励
    起光源から発せられる励起光の強度を制御する光源制御
    手段を備えたことを特徴とするスキャナ。
  2. 【請求項2】 前記光源制御手段が、前記集光光学系と
    前記サンプルステージの主走査方向の相対的な線速度に
    したがって、前記少なくとも1つの励起光源から発せら
    れる励起光の強度を制御するように構成されたことを特
    徴とする請求項1に記載のスキャナ。
  3. 【請求項3】 さらに、前記ロータリーエンコーダの回
    転角と、前記集光光学系と前記サンプルステージの主走
    査方向の相対的な線速度の関係を示す基準データと、前
    記少なくとも1つの励起光源から発せられる励起光の強
    度を制御する制御データを格納したメモリを備えたこと
    を特徴とする請求項1または2に記載のスキャナ。
  4. 【請求項4】 前記メモリが、前記少なくとも1つの励
    起光源から発せられる励起光の強度を、前記集光光学系
    と前記サンプルステージの主走査方向の相対的な線速度
    に比例するように制御する蛍光物質励起用の制御データ
    を格納していることを特徴とする請求項3に記載のスキ
    ャナ。
  5. 【請求項5】 前記メモリが、前記少なくとも1つの励
    起光源から発せられる励起光の強度が一定のときの励起
    光による走査速度と、輝尽性蛍光体から放出される輝尽
    光の強度の関係を示す関数を正規化し、1に関して、反
    転して得られた制御関数を、輝尽性蛍光体励起用の制御
    データとして格納していることを特徴とする請求項3ま
    たは4に記載のスキャナ。
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