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JP2003183419A - 生分解性合成紙及びその製造方法 - Google Patents

生分解性合成紙及びその製造方法

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Publication number
JP2003183419A
JP2003183419A JP2001381661A JP2001381661A JP2003183419A JP 2003183419 A JP2003183419 A JP 2003183419A JP 2001381661 A JP2001381661 A JP 2001381661A JP 2001381661 A JP2001381661 A JP 2001381661A JP 2003183419 A JP2003183419 A JP 2003183419A
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JP
Japan
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synthetic paper
biodegradable
polyester resin
paper
biodegradable polyester
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Pending
Application number
JP2001381661A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazue Ueda
一恵 上田
Fumio Matsuoka
文夫 松岡
Kazunobu Yamada
和信 山田
Shigeru Hayase
茂 早瀬
Takuma Yano
拓磨 矢野
Akinobu Kogami
明信 小上
Kazuko Yoshimura
和子 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の合成紙と同等又はそれ以上の鉛筆やボ
ールペン等の筆記性、耐水性、印刷性などの物性を有
し、かつ、天然紙のように自然環境中でも容易に分解
し、環境を汚染することのない合成紙を提供する。 【解決手段】 α−及び/又はβ−ヒドロキシカルボン
酸単位を50モル%以上含有する生分解性ポリエステル
樹脂と微粉状充填材とから構成され、180℃、0.1
-1における溶融粘度が10〜1×106Pa・sであ
り、少なくとも一軸以上に配向され、表面粗さ(SR
a)が0.1〜10.0μmであることを特徴とする生
分解性合成紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性ポリエス
テル樹脂と微粉状充填材とから構成される生分解性合成
紙及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のパルプなどからなる天然紙は、鉛
筆やボールペン等の筆記性や印刷性に優れ、さらに廃棄
後自然環境中で分解するが、強度、耐水性がないなどの
問題点があった。一方、ポリオレフィン、ポリエチレン
テレフタレートなどからなる合成紙は、鉛筆やボールペ
ン等の筆記性、印刷特性は天然紙と同等の特性を有し、
かつ、強度、耐水性はそれよりも優れている。しかし、
この合成紙は、廃棄後に自然環境中では分解せず永久に
残存してしまい、また焼却処理した場合は、燃焼発熱量
が大きいため焼却炉を傷めたり、大気中の炭酸ガス濃度
が上昇するなど、産業上の問題があった。
【0003】また、ポリ(ブチレンサクシネート)など
の生分解性樹脂を使用した合成紙が知られているが、樹
脂の原料が石油であることや、得られる合成紙はコシが
ないなどの問題がある。一方、生分解性樹脂として、天
然資源を原料とするポリ乳酸が知られており、特開平1
1−322962号公報には、ポリ乳酸に無機充填材を
配合した未延伸フィルムからなる生分解性合成紙が開示
されている。しかし、未延伸フィルムからなる合成紙
は、表面粗さが十分でなく、鉛筆やボールペン等の筆記
性に乏しいものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
に鑑み、従来の合成紙と同等又はそれ以上の鉛筆やボー
ルペン等の筆記性、耐水性、印刷性などの物性を有し、
かつ、天然紙のように自然環境中でも容易に分解し、環
境を汚染することのない合成紙を提供することを課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、合成紙の基材として、特定の特性を有する生分解
性ポリエステル樹脂と微粉状充填材とからなる組成物を
用いることにより、上記課題が解決されることを見出し
本発明に至った。すなわち、本発明の要旨は下記のとお
りである。 (1) α−及び/又はβ−ヒドロキシカルボン酸単位
を50モル%以上含有する生分解性ポリエステル樹脂と
微粉状充填材とから構成され、180℃、0.1s-1
おける溶融粘度が10〜1×106Pa・sであり、少
なくとも一軸以上に配向され、表面粗さ(SRa)が
0.1〜10.0μmであることを特徴とする生分解性
合成紙。 (2) α−及び/又はβ−ヒドロキシカルボン酸単位
を50モル%以上含有する生分解性ポリエステル樹脂と
微粉状充填材とを溶融混練し、溶融混練物を押出し、少
なくとも一軸以上に配向させてフィルム又はシート化す
る合成紙の製造方法において、180℃、0.1s-1
おける溶融粘度が10〜1×106Pa・sである溶融
混練物を用いることを特徴とする(1)の生分解性合成
紙の製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いるα−及び/又はβ
−ヒドロキシカルボン酸単位を50モル%以上含有する
生分解性ポリエステル樹脂における、α−及び/又はβ
−ヒドロキシカルボン酸単位の例としては、D−乳酸、
L−乳酸、又はこれらの混合物、グリコール酸、3−ヒ
ドロキシ酪酸、3−ヒロドキシ吉草酸、3−ヒドロキシ
カプロン酸等が挙げられる。
【0007】従って本発明に用いるα−及び/又はβ−
ヒドロキシカルボン酸単位を50モル%以上含有する生
分解性ポリエステル樹脂として好ましいのは、ポリ乳
酸、ポリグリコール酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、
ポリ(3−ヒロドキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒドロキシ
カプロン酸)、及びこれらの共重合体、及びこれらの混
合物等である。
【0008】ここで用いられる生分解性ポリエステル樹
脂は通常公知の溶融重合法で、あるいはさらに固相重合
法を併用して製造される。また、ポリ(3−ヒドロキシ
酪酸)及びポリ(3−ヒロドキシ吉草酸)等については
微生物による生産も可能である。
【0009】本発明において、生分解性ポリエステル樹
脂は、α−及び/又はβ−ヒドロキシカルボン酸単位を
50モル%以上含有することが必要である。含有量が5
0モル%未満であると、得られる合成紙の強度、耐水
性、耐熱性が低下するため好ましくない。
【0010】本発明に用いるα−及び/又はβ−ヒドロ
キシカルボン酸単位を50モル%以上含有する生分解性
ポリエステル樹脂には、ポリ(α−及び/又はβ−ヒド
ロキシカルボン酸)の耐熱性を大幅に損ねない範囲で、
必要に応じてその他の生分解性樹脂成分を共重合ないし
は混合することもできる。その他の生分解性樹脂として
は、ポリ(エチレンサクシネート)やポリ(ブチレンサ
クシネート)等に代表されるジオールとジカルボン酸か
らなる脂肪族ポリエステル、ポリ(ε−カプロラクト
ン)に代表されるポリ(ω−ヒドロキシアルカノエー
ト)、さらに芳香族成分を含んでいても生分解を示すポ
リ(ブチレンサクシネート−co−ブチレンテレフタレ
ート)や、(ブチレンアジペート−co−ブチレンテレ
フタレート)の他、ポリエステルアミド、ポリエステル
カーボネート、デンプンなどの多糖類等が挙げられる。
【0011】本発明で用いられる生分解性ポリエステル
樹脂の分子量としては特に制限はないが、重量平均分子
量が3万以上、100万以下であることが好ましく、さ
らには5万以上、100万以下であることが好ましい。
重量平均分子量が3万未満である場合には溶融粘度が低
すぎ、成形性が低下するばかりか、得られた合成紙の機
械物性も急激に低下するので好ましくない。逆に、これ
が100万を超える場合には溶融時の流動性がなくな
り、成形性が急速に低下するので好ましくない。
【0012】生分解性ポリエステル樹脂に配合される微
粉状充填材は、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワ
ラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、
ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸
カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウ
ム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三
酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金
属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタ
ン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊
維、炭素繊維等の無機充填材が挙げられる。また、澱
粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ
等の天然に存在するポリマーやこれらの変性品等の有機
充填材を用いてもよい。これらは、単独でも2種以上の
混合物であってもよい。
【0013】これらの微粉状充填材は、平均粒径が1〜
20μmであることが好ましい。平均粒径が1μm未満
であると、得られたフィルム表面の粗度が低くなり、合
成紙として期待される鉛筆やボールペン等の筆記性が発
現しなくなる。また、平均粒径が20μmを超えるとフ
ィルムを延伸する際に破れることが多くなり好ましくな
い。
【0014】微粉状充填剤の配合量は、生分解性ポリエ
ステル樹脂100質量部に対して、10〜250質量部
であることが好ましく、さらに好ましくは、10〜10
0質量部であり、より好ましくは、10〜45質量部で
ある。配合量が10質量部未満であると鉛筆やボールペ
ンでの筆記性が発現しなくなるばかりか、合成紙として
の隠蔽性も損なわれる。また、250質量部を超えると
靭性が著しく低下し、フィルムを巻き取る際の割れや延
伸時に切断が多発する等、製膜作業性や延伸性が低下す
るので好ましくない。
【0015】本発明において、α−及び/又はβ−ヒド
ロキシカルボン酸単位を50モル%以上含有する生分解
性ポリエステル樹脂と微粉状充填材とから構成される合
成紙は、180℃、0.1s-1における溶融粘度が、1
0〜1×106Pa・sの範囲であることが必要であ
り、100〜1×105Pa・sが好ましく、200〜
1×105Pa・sがより好ましい。溶融粘度を上記範
囲とすることにより、得られる合成紙の表面粗さ(SR
a)を0.1〜10.0μmの範囲とすることができ
る。一方、溶融粘度が10Pa・s以下の場合、微粉状
充填材が凝集し、得られた合成紙に鉛筆やボールペン等
で筆記した際に濃淡のムラが生じやすい。さらに、合成
紙としての隠蔽性も損なわれることになる。溶融粘度が
1×106Pa・s以上であると合成紙の表面に微粉状
充填材が現れず鉛筆筆記性の劣る合成紙しか得られな
い。溶融粘度を上記範囲に調整する方法としては、生分
解性ポリエステル樹脂の重量平均分子量を調節する方法
や、ポリ乳酸を生分解性ポリエステル樹脂として用いる
場合には、D−乳酸とL−乳酸の比率を調節する方法な
どが挙げられる。
【0016】本発明において、少なくとも一軸以上に配
向されたとは、フィルム又はシートの機械進行方向(M
D)及び/又は機械進行方向に対して直交方向(TD)
に引き伸ばされ、分子が配向されたことをいう。分子を
配向させることによりフィルム又はシートの機械的強度
や衝撃強度が向上する。
【0017】本発明において、合成紙の表面粗さ(SR
a)は、0.1〜10μmであることが必要である。表
面粗さは凹凸で示されるごとく、鉛筆やボールペン等の
筆記性は主に凹部に筆記部材が残存することで発現され
る。従って、凹凸の個数や高さ等が鉛筆やボールペン等
の筆記性に影響を与える。本発明においては、この表面
粗さを0.1〜10μmとすることで合成紙の表面に凹
凸を発現させ、微粉状充填剤が直接合成紙上に現れる
か、合成紙上に現れた微粉状充填剤の周りをポリマーが
薄く被覆構造をとることで凹凸を規制できる。表面粗さ
が0.1μm未満であると、凹部に筆記部材が残存でき
ず筆記性が発現しないことがある。また、表面粗さが1
0μmを超えると合成紙表面の凹凸が大きすぎて鉛筆や
ボールペンなどの磨耗が大きいことや、滑らかな文字が
書けない、さらにはインクが載らず印刷特性等に弊害を
与えることがある。
【0018】本発明において、合成紙の引裂き強度は
0.9〜3.0N/mmであることが好ましい。0.9
N/mm未満であると脆すぎて合成紙として利用できな
い。また、3.0N/mmを超えると合成紙を廃棄する
際に容易に手で破ることができない。
【0019】次に本発明の合成紙の製造方法について説
明する。まず、本発明の合成紙を製造するためには、前
記したα−及び/又はβ−ヒドロキシカルボン酸単位を
50モル%以上含有する生分解性ポリエステル樹脂を準
備する。この生分解性ポリエステル樹脂と前記微粉状充
填剤とを混合する。生分解性ポリエステル樹脂と粉状充
填材を混合する方法は特に限定されるものではない。ヘ
ンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型混
合機等を用いて混合し、通常の加熱溶融、例えば、従来
から知られている一軸押出機、二軸押出機、ロール混練
機、ブラベンダー等を用いる混練法によって溶融混練
し、ペレット化するとよい。また、押出機途中から粉体
フィーダーによって微粉状充填材を配合する方法やスタ
ティックミキサーやダイナミックミキサーなどの併用も
効果的である。
【0020】なお、溶融混練する際には他の熱可塑性樹
脂や例えば熱安定剤、顔料、可塑剤、耐光剤、耐候剤、
滑材、酸化防止剤、抗菌剤、香料、染料、界面活性剤、
難燃剤、表面改質剤、各種有機・無機電解質、その他類
似のもので本発明を損なわない範囲内に配合することが
できる。
【0021】次いで、得られたペレットを、Tダイ押出
機、又はインフレーション押出機を用いて製膜する。な
お、本発明で用いる押出機のダイは、環状又は線状のス
リットを有するものでよい。
【0022】本発明において、α−及び/又はβ−ヒド
ロキシカルボン酸単位を50モル%以上含有する生分解
性ポリエステル樹脂と微粉状充填材とを溶融混練し、フ
ィルム又はシートを製造する際に、Tダイ押出機、又は
インフレーション押出機から押出された溶融混練物は、
180℃、0.1s-1における溶融粘度が、10〜1×
106Pa・sの範囲であることが必要であり、100
〜1×105Pa・sが好ましく、200〜1×105
a・sがより好ましい。溶融粘度を上記範囲とすること
により、得られる合成紙の表面粗さ(SRa)を0.1
〜10.0μmの範囲とすることができる。また、押出
機から押出された生分解性ポリエステル樹脂組成物の溶
融粘度が10Pa・s以下の場合、微粉状充填材が凝集
し、得られた合成紙に鉛筆やボールペン等で筆記した際
に濃淡のムラが出る。また、合成紙としての隠蔽性も損
なわれることになる。溶融粘度が1×106Pa・s以
上であるとフィルム又はシートの表面に微粉状充填材が
現れず鉛筆筆記性の劣る合成紙しか得られない。
【0023】上記溶融粘度は、押出機から押出され冷却
ロールに接触する間における溶融粘度である。この溶融
粘度は押出機より押出された樹脂が過冷却現象により温
度に対して大きく依存しないことを想定してコーンプレ
ート型のレオロジー測定装置により測定を行なったもの
であり、温度180℃において角周波数(ω)が0.1
-1の溶融粘度で評価している。
【0024】生分解性ポリエステル樹脂組成物を押出製
膜後、得られたフィルム又はシートをガラス転移温度以
上の温度雰囲気内で少なくとも一軸方向に、1.1〜7
倍、好ましくは1.1〜5倍延伸を行なう。延伸は多段
に分けて行なってもよいし、同時又は逐次延伸法により
二軸方向に延伸してもよい。延伸倍率が7倍を超えると
フィルムが破れることが多くなり好ましくない。
【0025】本発明の合成紙の厚みは、上記押出製膜、
延伸条件により、制御することができるが、20〜20
00μmが好ましい。厚みが20μmより薄いと、紙と
して使用しにくく、また厚みが2000μmより厚いと
延伸時の応力が大きくなって、延伸しにくいなどの問題
がある。
【0026】本発明の合成紙は、パルプなどからなる天
然紙や、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート
などからなる合成紙が用いられている用途に適用するこ
とができる。特に、本発明の合成紙は、強度や耐水性が
要求される用途、たとえば名刺、カレンダー、ポスタ
ー、ちらし、包装用紙、伝票用紙、食品表示用紙などに
適する。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。実施例及び比較例の評価に用いた測定法は次のと
おりである。
【0028】(1)比重測定:密度勾配管法によってJ
IS L1013に準拠して測定を行なった。 (2)三次元表面粗さ測定:三次元表面粗さ測定装置
(小坂研究所社製 ET−30K)を用いて、JISB
0601−1994に準拠して測定を行なった。 (3)筆記性:フィルムに硬度Hの鉛筆で直線を引き、
これを紙上に引いた線と比較した。評価基準は次のとお
りである。 ○;紙と差なし。 △;紙よりやや劣る。 ×;紙よりかなり劣る。 (4)印刷性:レーザープリンター(キャノン社製、L
BP−750)にて合成紙に印刷し、印刷した文字にム
ラがないかを評価した。評価基準は次のとおりである。 ○;文字に抜けや滲みがない。 △;文字に多少の抜けや滲みがある。 ×;印刷ができない。 (5)引裂き強度:JIS K7128−1(トラウザ
ー引裂き法)に準拠して測定を行なった。 (6)溶融粘度:コーンプレート型の治具をセットした
レオメーター(レオメトリックサイエンティフィック)
により180℃における溶融粘度の周波数依存性測定を
行い、0.1s-1における溶融粘度の値を確認した。
【0029】実施例1 二軸押出成形機PCM−30(池貝社製、ダイス直径4
mm×3孔、押出ヘッド温度;210℃、ダイ出口温
度;180℃)を用い、重量平均分子量20万のポリ乳
酸(カーギルダウポリマーズ社製、4031DK、L体
99%、D体1%)を80質量部及び微粉状充填材とし
てタルク(林化成社製、MW−HS−T)を20質量部
供給し、押出すことでペレット状に加工した。このペレ
ットをいったん乾燥した後、Tダイ付き口径50mmφ
押出機(日鋼社製)を使用して、樹脂温度210℃で押
出した後、10℃の冷却ロールで冷却し、厚み150μ
mの未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムを
バッチ式延伸機(岩本製作所社製)により80℃の雰囲
気下で縦方向に2.5倍延伸し、次いで横方向に2.5
倍延伸した後、100℃で熱固定し、厚み24μmの延
伸フィルムを得た。得られたフィルムの合成紙としての
特性を表1に示した。
【0030】実施例2〜12、比較例1、2 表1に示した生分解性ポリエステル樹脂、微粉状充填
材、延伸方法を用いた以外は実施例1と同様にして、フ
ィルムを得た。得られたフィルムの合成紙としての特性
を表1に示した。
【0031】実施例13〜16 表1に示した生分解性ポリエステル樹脂、微粉状充填材
を用いて、厚み700μmの未延伸フィルムを得、延伸
倍率を縦方向に4倍とした以外は、実施例1と同様にし
て、厚み175μmの延伸シートを得た。得られたシー
トの合成紙としての特性を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】実施例1〜16は適度な軽量性及び引裂き
強度を有しており、比較例1に対して引裂き強度が著し
く低く、廃棄する際に簡単に手で破れることを確認でき
た。。また、実施例1〜4、7〜10、13、15では
鉛筆筆記性や印刷特性に優れた合成紙を得ることができ
た。比較例1においては表面粗さの値が著しく低く、鉛
筆筆記性が著しく劣ったものであった。比較例2におい
ては表面粗さの値が高いため、鉛筆筆記性はあるが、鉛
筆の摩耗が大きいことや芯が折れることの他に、滑らか
な線や文字が書けない等の問題が生じた。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、適度な軽量性及び引裂
き強度を有し、鉛筆筆記性や印刷性などに優れる生分解
性ポリエステル樹脂組成物からなる合成紙を低コストで
提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 早瀬 茂 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 矢野 拓磨 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 小上 明信 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 吉村 和子 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA08 AA09 AA43 AA73 AB03 AB06 AB18 AB19 AB20 AB21 AB26 AB27 AB28 AB29 AB30 AD01 AD04 AE17 AF27 AH04 AH06 AH19 BA01 BB06 BB07 BB08 BC01 BC16 BC17 4J002 AB012 AB042 AB052 AH002 CF181 DA016 DA026 DA036 DA066 DE076 DE096 DE106 DE146 DE186 DE236 DE246 DE286 DJ006 DJ016 DJ046 DK006 DL006 DM006 FA046 FA066 FA106 FD012 FD016 FD020 FD040 FD060 FD070 FD090 FD130 FD170 FD180 FD200 FD310 GC00 GG02 GK00 GS00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−及び/又はβ−ヒドロキシカルボン
    酸単位を50モル%以上含有する生分解性ポリエステル
    樹脂と微粉状充填材とから構成され、180℃、0.1
    -1における溶融粘度が10〜1×106Pa・sであ
    り、少なくとも一軸以上に配向され、表面粗さ(SR
    a)が0.1〜10.0μmであることを特徴とする生
    分解性合成紙。
  2. 【請求項2】 α−及び/又はβ−ヒドロキシカルボン
    酸単位を50モル%以上含有する生分解性ポリエステル
    樹脂100質量部と微粉状充填材10〜250質量部と
    から構成されることを特徴とする請求項1記載の生分解
    性合成紙。
  3. 【請求項3】 α−及び/又はβ−ヒドロキシカルボン
    酸単位を50モル%以上含有する生分解性ポリエステル
    樹脂と微粉状充填材とを溶融混練し、溶融混練物を押出
    し、少なくとも一軸以上に配向させてフィルム又はシー
    ト化する合成紙の製造方法において、180℃、0.1
    -1における溶融粘度が10〜1×106Pa・sであ
    る溶融混練物を用いることを特徴とする請求項1記載の
    生分解性合成紙の製造方法。
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