JP2003170540A - ハードコート用フィルム及びハードコートフィルム被着体 - Google Patents
ハードコート用フィルム及びハードコートフィルム被着体Info
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- JP2003170540A JP2003170540A JP2001372937A JP2001372937A JP2003170540A JP 2003170540 A JP2003170540 A JP 2003170540A JP 2001372937 A JP2001372937 A JP 2001372937A JP 2001372937 A JP2001372937 A JP 2001372937A JP 2003170540 A JP2003170540 A JP 2003170540A
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Abstract
の加熱により完全硬化する2段硬化型のハードコート層
を形成することができるハードコート用フィルムであっ
て、樹脂本来の硬度を十分に発揮させることができ、し
かも安価なハードコート用フィルムと、このハードコー
ト用フィルムを貼着してハードコート層を形成したハー
ドコートフィルム被着体を提供する。 【解決手段】 有機ポリマーフィルムの少なくとも一方
の面に、活性エネルギー線により硬化する活性エネルギ
ー線硬化型樹脂組成物の塗膜が設けられたハードコート
用フィルム。該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は熱
重合開始剤を含有し、該塗膜は、活性エネルギー線の照
射で半硬化膜となっている。このハードコート用フィル
ムが貼着され、加熱により前記半硬化膜が完全硬化膜と
なっているハードコートフィルム被着体。
Description
両、ビル、ショーケース等のガラスに、耐衝撃性、耐擦
傷性、耐貫通性、防犯性等を付与するために貼り合わせ
る強化フィルムとして好適なハードコート用フィルム
と、このハードコート用フィルムによりハードコート層
が形成されたハードコートフィルム被着体に係り、特
に、活性エネルギー線の照射で半硬化し、その後の加熱
により完全硬化する2段硬化型のハードコート層が形成
されたハードコート用フィルムと、このハードコート用
フィルムが貼着されたハードコートフィルム被着体に関
する。
さが薄く、しかも製造も容易なフィルム強化ガラスとし
て、1枚のガラス板の表面に接着剤層を介して有機ポリ
マーフィルムを貼着したフィルム強化ガラスが用いられ
ることがある。また、表面の耐擦傷性を高めるために、
この有機ポリマーフィルムの表面にハードコート層を形
成したフィルム強化ガラスも提供されている。
一手法として、予め有機ポリマーフィルムの表面に、高
硬度樹脂組成物を塗工して硬化させることによりハード
コート層を形成したハードコートフィルムを用い、この
ハードコートフィルムを接着剤によりガラス板の表面に
貼着する方法がある。
ードコート層を形成したハードコートフィルムは、その
ハードコート層の硬度が極めて高い場合(4H以上)、
ロール状に回巻するとハードコート層にクラックが入る
ため、ロール状に回巻することができず、このため、ハ
ードコートフィルムの製造工程からフィルム強化ガラス
の製造工程への移送時等の取り扱いが困難であるという
欠点があった。このハードコートフィルムをロール状に
回巻可能とするためには、ハードコート層の硬度を下げ
る必要があるが、このようなハードコートフィルムで
は、耐擦傷性に優れたフィルム強化ガラスを得ることが
できない。ハードコート層を構成する樹脂が硬化前の状
態であれば、ロール状に回巻することが可能であるが、
硬化前の樹脂は、ベタ付き(タック性)、傷付きの問題
があり、取り扱い難い。
は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物と熱硬化型樹脂
組成物とが配合された表面処理剤を、成形用基材の表面
に塗布して積層体を得、この積層体に活性エネルギー線
を照射して表面処理剤を半硬化させ、その半硬化状態で
積層体を所定の形状に成形し、次いで、その成形された
積層体を加熱して表面処理剤を全硬化させることにより
被覆成形品を作製することが記載されている。この表面
処理剤であれば、タック性がなく、低硬度の半硬化の状
態でロール状に回巻することができ、また、この状態で
ガラスに貼着した後全硬化(完全硬化)させることによ
り、高硬度のハードコート層を形成することができる。
ー線硬化型樹脂組成物と熱硬化型樹脂組成物との2種類
の樹脂を混合したものでは、2種類の樹脂の相溶性が悪
いと最終製品の硬度が十分発揮できない;2種類の樹脂
が全く同硬度であることは少なく、通常は硬度が異なる
が、この場合、2種類の樹脂を混合することにより、軟
らかい方の樹脂の影響を受けてしまい、硬度を最大限に
発揮することができない;2種類の樹脂の購入、貯蔵管
理等の手間などが2倍になり、コストが高くつく;とい
った問題がある。
エネルギー線の照射で半硬化し、その後の加熱により完
全硬化する2段硬化型のハードコート層を形成すること
ができるハードコート用フィルムであって、樹脂本来の
硬度を十分に発揮させることができ、しかも安価なハー
ドコート用フィルムと、このハードコート用フィルムを
貼着してハードコート層を形成したハードコートフィル
ム被着体を提供することを目的とする。
フィルムは、有機ポリマーフィルムの少なくとも一方の
面に、活性エネルギー線により硬化する活性エネルギー
線硬化型樹脂組成物の塗膜が設けられたハードコート用
フィルムであって、該活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物が熱重合開始剤を含有し、該塗膜は、活性エネルギー
線の照射で半硬化膜となっていることを特徴とする。
ードコート層を形成するための活性エネルギー線硬化型
樹脂組成物に熱重合開始剤が配合されているため、この
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物により形成される塗
膜を活性エネルギー線の照射で半硬化膜とし、その後の
加熱で完全硬化させてハードコート層を形成することが
できる。即ち、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に熱
重合開始剤を配合するだけで、活性エネルギー線及び加
熱による2段階硬化が可能となり、樹脂組成物中の配合
成分(樹脂、熱重合開始剤、レベリング剤等)が少な
く、特に、2種類の樹脂を用いる必要がないため、形成
されるハードコート層の硬度の調整が容易であり、樹脂
の硬度を最大限に発揮させて所望の硬度のハードコート
層を形成することができると共に、配合成分数が少ない
ことにより、製造コストを大幅に低減することができ
る。
樹脂組成物中の熱重合開始剤の含有量は、該活性エネル
ギー線硬化型樹脂組成物中の重合性オリゴマー100重
量部に対して0.01〜10重量部であることが好まし
く、この熱重合開始剤としては有機過酸化物が好まし
い。
はシリカ微粒子を含有することが、形成されるハードコ
ート層の耐擦傷性の向上の点で好ましく、特に、1次粒
子径1〜200nmのシリカ微粒子を、該活性エネルギ
ー線硬化型樹脂組成物中に10〜90重量%含有するこ
とが好ましい。この場合、シリカ微粒子としては、重合
性不飽和基を有するもの、特に、シリカ微粒子と重合性
不飽和基を有するアルコキシシラン化合物との反応によ
り製造されたものが好適である。
組成物にシリコーン系又はフッ素系の撥水・撥油剤を含
有させて、半硬化膜の水滴接触角が80度以上となるよ
うにしても良く、また、半硬化膜の表面に、反射防止層
が形成されていても良い。なお、基材としての有機ポリ
マーフィルムの有機ポリマーとしては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポ
リカーボネート又はポリエーテルスルフォンが挙げられ
る。
ポリマーフィルムの一方の面に半硬化膜が設けられてお
り、他方の面に透明接着剤層が設けられていることが好
ましい。
ック性を有さないことが好ましい。
このような本発明のハードコート用フィルムが貼着さ
れ、加熱により半硬化膜が完全硬化膜とされたものであ
り、高硬度のハードコート層により、優れた耐擦傷性を
得ることができる。
ィルム及びハードコートフィルム被着体の実施の形態を
詳細に説明する。
脂組成物は、可視光線、紫外線等の光、またはX線、γ
線、電子線等の放射線等の活性エネルギー線を照射する
ことにより硬化する樹脂組成物であり、一般に重合性オ
リゴマー及び光重合開始剤と、更に必要に応じて多官能
性モノマーや単官能性モノマー等の反応性希釈剤等で構
成される。
の存在下で、活性エネルギー線の照射により高分子化あ
るいは架橋する重合性化合物(光重合性樹脂)が好まし
く、中でも多官能(メタ)アクリル化合物のような樹脂
が好ましい。
重合開始剤の含有量は、重合性オリゴマー100重量部
に対して0.01〜10重量部、特に0.5〜7重量
部、とりわけ1〜5重量部とすることが好ましい。
ー等の反応性希釈剤の活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物中の含有量は、重合性モノマー100重量部に対して
5〜100重量部、特に10〜60重量部とすることが
好ましい。
に、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、シランカッ
プリング剤、老化防止剤、熱重合禁止剤、顔料・染料等
の着色剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、ブ
ルーイング剤等を添加しても良い。特に形成されるハー
ドコート層の表面硬度及び耐摩耗性を向上させるため
に、無機微粒子や導電性微粒子を添加するのは好まし
く、中でも以下に示すようなシリカ微粒子を添加するの
が好ましい。また、導電性や帯電防止性を持たせるた
め、ITO、SnO2、ATO等の導電性微粒子を添加
しても良い。
摩耗性の向上のために配合するシリカ微粒子は、1次粒
子径が1〜200nmの範囲にあることが好ましい。ま
たシリカ微粒子が、重合性不飽和基(好ましくは重合性
二重結合基)を有するものであり、特にシリカ微粒子と
重合性不飽和基(及び好ましくはウレタン結合)を有す
るアルコキシシラン化合物との反応により形成されるも
のが好ましい。
ロイダルシリカであり、1次粒子径が好ましくは1〜2
00nmの範囲、より好ましくは10〜50nmの範囲
である。シリカ微粒子の形状は球状、中空状、多孔質
状、棒状、板状、繊維状、もしくは不定形状であり、好
ましくは球状である。シリカ微粒子の比表面積は好まし
くは0.1〜3000m2/gであり、より好ましくは
10〜1500m2/gである。これらのシリカ微粒子
の使用形態は乾燥状態の粉末、もしくは水もしくは有機
溶剤で分散した状態で用いることができ、コロイダルシ
リカとして知られている微粒子状のシリカ微粒子の分散
液を直接用いることができる。特に透明性を得るために
はコロイダルシリカの利用が好ましい。コロイダルシリ
カの分散溶媒が水の場合、その水素イオン濃度はpH値
として2〜10の範囲であり、好ましくはpH3〜7の
酸性コロイダルシリカが用いられる。また、コロイダル
シリカの分散溶媒が有機溶剤の場合、有機溶剤としてメ
タノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコー
ル、ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエー
テル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド等の溶剤も
しくはこれらと相溶する有機溶剤もしくは水との混合物
として用いても良い。好ましい分散溶剤はメタノール、
イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、キシレ
ンである。シリカ微粒子の市販品としては、例えば、コ
ロイダルシリカとしては日産化学工業(株)製のメタノ
ールシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA
−ST、XBA−ST、DMAC−ST及びST−U
P、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−
C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を
挙げることができる。また、粉体状シリカとしては、日
本アエロジル(株)製のアエロジル130、アエロジル
300、アエロジル380、アエロジルTT600及び
アエロジルOX50、旭硝子(株)製のシルデックスH
31、H32、H51、H52、H121、H122、
日本シリカ工業(株)製のE200A、E220、富士
シリシア(株)製のサイリシア470、日本板硝子
(株)製のSGフレーク等を挙げることができる。
物に含まれるシリカ微粒子としては、シリカ微粒子と重
合性不飽和基(及び好ましくはウレタン結合)を有する
アルコキシシラン化合物との反応により形成されるもの
(以下「変性シリカ微粒子」と称す。)が好ましく、特
に、次のような構成を有するものが好ましい。
とウレタン結合基、式(I):−X−C(=Y)−NH
− で表される有機基とを有するアルコキシシラン化合
物とシリカ微粒子を反応させて得られる反応生成物であ
ることが好ましい(上記式(I)中、Xは−NH−、−
O−又は−S−であり、Yは酸素原子又はイオウ原子で
ある、但しXが−O−のときYはイオウ原子である)。
ン化合物とシリカ微粒子とを混合することにより製造さ
れる。変性シリカ微粒子のシリカ微粒子に固定されたア
ルコキシシラン化合物残基の含有量は0.01重量%以
上、特に0.1重量%以上、とりわけ1重量%以上のも
のが好ましい。シリカ微粒子中に固定されたアルコキシ
シラン化合物残基の含有量が0.01重量%未満の場
合、組成物中のシリカ微粒子或いはコロイダルシリカの
分散性、透明性、耐摩耗性が十分でない場合がある。ま
た、変性シリカ微粒子の製造時の原料組成物中における
アルコキシシラン化合物の割合は好ましくは10重量%
以上であり、特に好ましくは30重量%以上である。ア
ルコキシシラン化合物の割合が10重量%未満の場合、
紫外線硬化性樹脂の成膜性が悪い場合がある。
コキシシラン化合物は分子中に重合性不飽和基、ウレタ
ン結合基、前記式(I)で表される有機基及びアルコキ
シシリル基を構成成分として少なくともそれぞれ1個含
んでいる。アルコキシシリル基は加水分解、縮合反応に
よりシリカ微粒子の表面に存在するシラノール基と結合
する成分であり、また、重合性不飽和基とは、活性ラジ
カル種により付加重合を経て分子間で化学架橋する成分
である。また、前記式(I)で表される2価の有機基で
ある−X−(C=Y)−NH−基及びウレタン結合基は
これらアルコキシシリル基を有する分子片と重合性不飽
和基を有する分子片とを直接もしくは他の分子片を介し
て結合する構成単位であると同時に分子間において水素
結合による適度の凝集力を発生させ、形成されるハード
コート層に優れた力学的強度、基材との密着性、耐熱性
等の性能を発現させると考えられる。−X−(C=Y)
−NH−基としては、−S−(C=O)−NH−基が好
ましい。
えば、下記一般式(II)で表されるアルコキシシラン化
合物を挙げることができる。
子、及び炭素数1〜8の1価の有機基であり、例えば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、オクチ
ル基等である。R2は水素原子、及び炭素数1〜3の1
価のアルキル基である。mは1、2もしくは3であり、
(R1O)mR2Si3−mで示されるアルコキシシリ
ル基としては例えば、トリメトキシシリル基、トリエト
キシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメト
キシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げるこ
とができ、好ましくはトリメトキシシリル基及びトリエ
トキシシリル基である。
NH(C=O)O−X−O]p−として示される構造単
位は前記式(II)に示す構造において分子鎖を延長する
ことを目的として導入される。R3は炭素数1〜3の2
価の有機基である。R4は2価の有機基であり、R3と
同一でも異なっていてもよく、通常分子量14〜1万、
好ましくは分子量78〜1000の2価の有機基の中か
ら選ばれ、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、
ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の
鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニ
レン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;ビニレン、
フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレ
ン等の2価の芳香族基等を挙げることができ、また、こ
れらのアルキル基置換体、アリール基置換体も用いるこ
とができる。これら2価の有機基の構造中には炭素、水
素原子以外の元素から構成される原子団を含んでいても
よい。式中、pは0もしくは1であり、Xは2価の有機
基であり、さらにイソシアネート基と付加反応できる活
性水素原子を分子内に2個以上有する化合物から誘導さ
れる2価の有機基であり、例えば、ポリアルキレングリ
コール類、ポリアルキレンチオグリコール類、ポリエス
テル類、ポリアミド類、ポリカーボネート類、ポリアル
キレンジアミン類、ポリアルキレンジカルボン酸類、ポ
リアルキレンジオール類、ポリアルキレンジメルカプタ
ン類から活性水素原子を2個除くことで誘導される2価
の有機基を挙げることができる。また、R5は(n+
1)価の有機基である。このような有機基は、好ましく
は鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化
水素基、脂環式基の中から選ばれる。また、nは好まし
くは1〜20の正の整数であり、より好ましくは1〜1
0であり、さらに好ましくは3〜5である。前記式中Y
は活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合
性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を表し、例え
ば、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基、プ
ロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニイル
基、シンナモイル基、マレエート基、アクリルアミド基
等が挙げられる。これらの中でアクリロキシ基が好まし
い。
には、通常、メルカプト基を有するアルコキシシラン、
すなわちメルカプトアルコキシシランと、ポリイソシア
ネート化合物及びイソシアネート基と付加反応を起こす
活性水素を有する活性水素基含有重合性不飽和化合物と
の付加反応により行うことができる。
線硬化型樹脂組成物中の含有量は、シリカ微粒子、重合
性オリゴマー、光重合開始剤、反応性希釈剤、後述の熱
重合開始剤、及びその他の添加剤等の固形成分(溶剤を
除く、塗膜形成成分)の合計重量に対して10〜90重
量%、特に30〜80重量%であることが好ましい。こ
の割合が10重量%未満ではシリカ微粒子を配合したこ
とによる十分な改善効果を得ることができず、90重量
%を超えると塗膜形成性が損なわれ、また得られるハー
ドコート層の耐摩耗性や透明性が低下する恐れがある。
ギー線硬化型樹脂組成物が更に熱重合開始剤を含有す
る。
させる官能基を含む化合物を言い、熱反応性カチオン重
合開始剤や有機過酸化物が挙げられる。中でも有機過酸
化物が好ましく、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(パーヘキ
サ3Mの化学名)、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオ
キシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(パーヘ
キサTMHの化学名)、2,5−ジメチル−2,5−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25
Bの化学名)、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサ
ネート(パーブチルOの化学名)、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート(パーブチルZの化学名)、t−ヘキシ
ルパーオキシイソプロピルモノカルボネート(パーヘキ
シルIの化学名)などが良い。特に好ましくは、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン(パーヘキサ3Mの化学名)、2,5
−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン(パーヘキサ25Bの化学名)である。
める熱重合開始剤の割合は、重合性オリゴマー100重
量部に対して0.01〜10重量部、特に0.5〜7重
量部、とりわけ1〜5重量部とするのが好ましい。活性
エネルギー線硬化型樹脂組成物中の熱重合開始剤の割合
が上記範囲よりも少ないと2段階目の硬化において、十
分な硬化を得ることができず、上記範囲よりも多くても
硬化性能に差異はない。
るには、まず、上述の重合性オリゴマー、反応性希釈
剤、光重合開始剤、熱重合開始剤、及び必要に応じて添
加されるシリカ微粒子やその他の添加剤を所定の割合で
混合して活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製し、
これを有機溶剤で希釈して所定の粘度に調整した後、有
機ポリマーフィルムの表面に塗工して塗膜を形成する。
レンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリ
アクリレート、ポリカーボネート(PC)、又はポリエ
ーテルスルフォン等のフィルムを用いることができ、機
械的特性の面からはPET、PC、特にPETフィルム
が好ましく用いられる。この有機ポリマーフィルムの厚
さは取り扱い上の強度、及び薄膜化の面から0.1〜2
mm、特に0.1〜1mm程度であることが好ましい。
ような有機ポリマーフィルムの一方の面又は両面にマイ
クログラビア塗工、コンマ塗工、バーコーター塗工、エ
アナイフ塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリ
ーン印刷などの方法により塗工することができる。
成されるハードコート層の厚さは、その用途によっても
異なるが、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗膜の
完全硬化により形成されるハードコート層の厚さが5〜
50μm特に10〜30μm程度であることが好まし
く、従って、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物はこの
ような厚さのハードコート層が得られるような厚さで塗
工される。
樹脂組成物の塗膜を形成した後は溶剤を蒸発させて除去
した後、紫外線等の活性エネルギー線の所定量、例えば
50〜1000mJ/cm2を照射して塗膜を半硬化状
態とする。なお、この半硬化状態とは、適度な硬度を有
し、しかもべた付き(タック性)がなく、傷が発生し難
く、一方でその後の成形加工等を支障なく行える状態を
指す。
ような状態としてハードコート層を形成する対象物に貼
着するなどの成形加工を施した後、所定温度で所定時
間、例えば100〜200℃で5〜90分程度加熱する
ことにより、有機ポリマーフィルム上の半硬化膜が完全
硬化膜となることでハードコート層が形成される。
コート層を形成する対象物に貼着して使用する場合、本
発明のハードコート用フィルムは有機ポリマーフィルム
の一方の面に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗膜
の半硬化膜が形成され、他方の面に透明接着剤層が形成
されていることが好ましい。
脂としては、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、又
はエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂が好まし
い。
ル単位が70〜95重量%、ポリ酢酸ビニル単位が1〜
15重量%で、平均重合度が200〜3000、特に3
00〜2500であるものが好ましく、PVB樹脂は可
塑剤を含む樹脂組成物として使用される。
基酸エステル、多塩基酸エステル等の有機系可塑剤や燐
酸系可塑剤が挙げられる。
酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、n−オ
クチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−
ノニル酸)、デシル酸等の有機酸とトリエチレングリコ
ールとの反応によって得られるエステルが好ましく、よ
り好ましくは、トリエチレン−ジ−2−エチルブチレー
ト、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキソエ
ート、トリエチレングリコール−ジ−カプロネート、ト
リエチレングリコール−ジ−n−オクトエート等であ
る。なお、上記有機酸とテトラエチレングリコール又は
トリプロピレングリコールとのエステルも使用可能であ
る。
ば、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の有機酸
と炭素数4〜8の直鎖状又は分岐状アルコールとのエス
テルが好ましく、より好ましくは、ジブチルセバケー
ト、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジ
ペート等が挙げられる。
ルフォスフェート、イソデシルフェニルフォスフェー
ト、トリイソプロピルフォスフェート等が挙げられる。
少ないと成膜性が低下し、多いと耐熱時の耐久性等が損
なわれるため、ポリビニルブチラール樹脂100重量部
に対して可塑剤を5〜50重量部、好ましくは10〜4
0重量部とする。
めに、安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の添加剤が添
加されていても良い。
50重量%、特に15〜40重量%であることが好まし
い。この酢酸ビニル含有率が10重量%未満であると、
高温で架橋硬化させる場合に得られる樹脂の透明度が十
分でなく、逆に50重量%を超えると耐衝撃性、耐貫通
性が劣る傾向となる。
しての有機過酸化物、接着向上剤等の種々の添加剤を含
有させることができる。
ないが、一般に多塩基酸のエステル、多価アルコールの
エステルが使用される、その例としては、ジオクチルフ
タレート、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコ
ール−2−エチルブチレート、ブチルセバケート、テト
ラエチレングリコールジヘプタノエート、トリエチレン
グリコールジペラルゴネートを挙げることができる。こ
れらの可塑剤は1種を用いても良く、2種以上組み合わ
せて使用しても良い。可塑剤の含有量は、EVA樹脂1
00重量部に対して5重量部以下の範囲が好ましい。
度で分解してラジカルを発生するものであれば、どのよ
うなものでも使用することができる。有機過酸化物は、
一般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化(貼り合わ
せ)温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択
される。特に、半減期10時間の分解温度が70℃以上
のものが好ましい。
ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン−3−ジ−t−ブチルパーオキサイド、
t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミ
ルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセ
テート、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−
ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエー
ト、ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイ
ドロパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサ
イド、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、クロロヘキ
サノンパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、
デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、クミルパーオキシオクトエート、コハク酸パーオキ
サイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルバーオキ
シ(2−エチルヘキサノエート)、m−トルオイルパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート及び
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドを挙げるこ
とができる。これらの有機過酸化物は1種を使用しても
良く、2種以上組み合わせて使用しても良い。有機過酸
化物の含有量は、EVA樹脂100重量部に対して0.
1〜5重量部の範囲が好ましい。
により、加熱による硬化性が向上し得られるEVA層の
膜強度を向上させることができる。
剤を添加することができる。このシランカップリング剤
の例として、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニ
ルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリク
ロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランを挙げることができる。これらシランカップリング
剤は、1種を使用しても、2種以上を組み合わせて使用
しても良い。またシランカップリング剤の含有量は、E
VA樹脂100重量部に対して5重量部以下であること
が好ましい。
(機械的強度、接着性、透明性等の光学的特性、耐熱
性、耐光性、架橋速度等)の改良或いは調整、特に機械
的強度の改良のために、アクリロキシ基含有化合物、メ
タクリロキシ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化
合物を含んでいることが好ましい。
タクリロキシ基含有化合物としては、一般にアクリル酸
或いはメタクリル酸誘導体であり、例えばアクリル酸或
いはメタクリル酸のエステルやアミドを挙げることがで
きる。エステル残基の例としては、メチル、エチル、ド
デシル、ステアリル、ラウリル等の直鎖状のアルキル
基、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、ア
ミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキ
シプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基
を挙げることができる。また、エチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール等の多価アルコールとアクリル酸或い
はメタクリル酸のエステルも挙げることができる。
アミドを挙げることができる。
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール等に複数の
アクリル酸或いはメタクリル酸をエステル化したエステ
ルもを挙げることができる。
シジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリ
ルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジル
エーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール
(エチレンオキシ)5グリシジルエーテル、p−t−ブ
チルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシ
ジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、グリシ
ジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテルを挙げ
ることができる。
シ基含有化合物及び/又はエポキシ基含有化合物の含有
量はEVA樹脂100重量部に対して5重量部以下とす
るのが好ましい。
さは、接着強度、透明性等の面から20〜1000μm
特に100〜500μmとするのが好ましい。
ム上のEVA樹脂層と、このEVA樹脂層上のPVB樹
脂層との2層積層膜であっても良い。
型樹脂組成物にシリコーン系又はフッ素系の撥水・撥油
剤を含有させることにより、形成される半硬化膜ないし
ハードコート層の水滴接触角が80度以上となるように
撥水・撥油性を付与しても良い。
て反射防止性能を付与しても良い。この場合、反射防止
層としては、例えば下記の構成のものを使用することが
できる。 (a) 高屈折率透明薄膜を1層のみ設けたもの (b) 中屈折率透明薄膜/高屈折率透明薄膜の順で各
1層ずつ、合計2層に積層したもの (c) 中屈折率透明薄膜/低屈折率透明薄膜/高屈折
率透明薄膜の順で各1層ずつ、合計3層に積層したもの (d) 高屈折率透明薄膜/低屈折率透明薄膜/高屈折
率透明薄膜/低屈折率透明薄膜の順で各1層ずつ、合計
4層に積層したもの (e) 高屈折率透明薄膜/低屈折率透明薄膜/高屈折
率透明薄膜/低屈折率透明薄膜/高屈折率透明薄膜の順
で各1層ずつ、合計5層に積層したもの
しては、ITO(スズインジウム酸化物)又はZnO、
AlをドープしたZnO、TiO2、SnO2、ZrO
等の屈折率1.8以上の薄膜を採用することができる。
は、SiO2、MgF2、Al2O 3、アクリル樹脂、
ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の屈折率
が1.6以上の薄膜を用いることができる。
膜及び低屈折率透明薄膜の膜厚は、光の干渉で可視光領
域での反射率を下げることができるように、膜構成、膜
種、中心波長等により適宜決定される。
ング、イオンプレーティング、CVD、マイクログラビ
アコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、ス
ロットダイコーティング法等により形成することができ
る。
された高屈折率導電層と該高屈折率導電層上に形成され
た低屈折率層とからなり、該高屈折率導電層は厚さが1
00〜600ÅのITOであり、該低屈折率層は厚さが
900〜1500ÅのSiO 2膜であることも好まし
い。
と低屈折率層の2層構造であるため、単層構造の反射防
止層を設けたものに比べて反射防止性能が良好であり、
しかも、多層構造の反射防止層を設けたものに比べて構
成が簡易で低コストにて形成することができる。また、
高屈折率導電層を有するため、反射防止性能に加えて帯
電防止性能も兼備する。
100〜600ÅのITO膜よりなる高屈折率導電層
と、厚さが900〜1500ÅのSiO2膜よりなる低
屈折率層5との2層構造の反射防止層を形成する場合、
ITO膜の厚さが100Å未満では十分な帯電防止機能
が得られず、600Åを超えると膜形成コストが高騰す
る。また、このITO膜の厚さが100〜600Åの範
囲外であると、厚さ900〜1500ÅのSiO2との
積層構造で良好な反射防止性能を得ることができなくな
る。
0Åの範囲外では、100〜600Åの厚さのITO膜
との積層構造で良好な反射防止性能を得ることができな
くなる。
タリング、イオンプレーティング、CVD法等により形
成することができる。
ムは、自動車、鉄道車両、ビル、ショーケース等のガラ
スに、耐衝撃性、耐擦傷性、耐貫通性、防犯性等を付与
するために貼り合わせる強化フィルムとして好適に適用
されるが、本発明のハードコート用フィルムは何らこの
ような用途に限定されるものではない。
り具体的に説明する。なお、以下において「部」は「重
量部」を示す。
ト(DPHA)を10.9部、光重合開始剤1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトンを1.1部、有機過
酸化物1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサンを0.22部、希釈剤M
EK(メチルエチルケトン)を8.1部混合し、活性エ
ネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布液を作製した。
「テトロンHS」125μm厚)の表面に上記活性エネ
ルギー線硬化型樹脂組成物塗布液を、ワイヤーバーコー
ターNo.40により塗布し、60℃で5分間溶剤を蒸
発させた後、空気雰囲気下、高圧水銀灯で紫外線を照射
し(80mW/cm2、100mJ/cm2)20μm
厚の半硬化膜とした。その後、140℃で、50分間加
熱処理することにより完全硬化膜とした。
ドコート層)について、以下の方法で特性の評価を行
い、結果を表1に示した。
の無いものを○、有るものを×とした。 クラック性:半硬化膜が形成されたフィルムを3インチ
ロールに、フィルムの反り方向と逆向きになるように巻
き付け、その際クラックが発生しないものは○、クラッ
クが発生したものは×とした。
験機(摩耗輪:CS10F:荷重500g,1000回
の条件)を用いて行い、試験後のヘイズを測定した。ヘ
イズ値10%未満を○(特に低いものは◎)、10%以
上30%未満を△、30%以上を×とした。 耐擦傷性:スチールウール#0000の上に200g/
cm2の荷重を載せ、60往復させ傷が付かないものを
◎、傷が若干付くものを○、傷が付くものを△、傷が目
立って付くものを×とした。 密着性:JIS K5400に従った。完全硬化試験片
の表面に1mm間隔で縦、横11本ずつの切れ目を入れ
て100個の碁盤目を作り、市販のセロファンテープを
その表面に密着させた後、急激にはがした時に剥離せず
に残存したマス目の数(X)をX/100で表示した。 鉛筆硬度:JIS K5400に従い、鉛筆引っかき試
験機を用いて、試験片の鉛筆硬度を測定した。
に通常市販されているコロイダルシリカ分散液(日産化
学(株)製「MEK−ST」メチルエチルケトン分散タ
イプ,シリカ分30重量%)を配合し、表1に示す組成
としたこと以外は同様にしてフィルムを作製し、同様に
光硬化及び熱硬化させて評価を行い、結果を表1に示し
た。
に熱重合開始剤を配合せず、表1に示す組成としたもの
を実施例1と同様にしてPETフィルム上に塗布し、6
0℃で5分間溶剤を蒸発させた後、2段階硬化ができな
いため、空気雰囲気下、高圧水銀灯で紫外線を照射し
(300mW/cm2、100mJ/cm 2)、最初か
ら完全硬化させ20μm厚のハードコート層を形成した
フィルムを得た。このフィルムについて、実施例1と同
様にして完全硬化膜の評価を行って結果を表1に示し
た。
ド及び熱重合開始剤4−クロロフェニルベンジルメチル
スルホニウムヘキサフロロアンチモネート及び希釈剤M
EKを用い、表1に示す組成の熱硬化樹脂組成物の塗布
液を調製し、この塗布液を実施例1と同様にしてPET
フィルム上に塗布し、180℃で20分間加熱して完全
硬化させ20μm厚のハードコート層を形成したフィル
ムを得た。このフィルムについて、実施例1と同様にし
て完全硬化膜の評価を行って結果を表1に示した。
成物とを混合した塗布液を調製し、この塗布液を用いた
こと以外は同様にしてフィルムを作製し、同様に評価を
行って結果を表1に示した。
性エネルギー線の照射で半硬化し、その後の加熱により
完全硬化する2段硬化型のハードコート層を形成するこ
とができるハードコート用フィルムであって、樹脂本来
の硬度を十分に発揮させることができるハードコート用
フィルムを安価に提供することができる。このハードコ
ート用フィルムは、樹脂塗膜がタック性のない半硬化膜
となっており、また、半硬化膜であって完全硬化膜では
ないために、ロール状に回巻したりすることもでき、取
り扱い性に優れる。しかして、このハードコート用フィ
ルムを、ガラス等に貼着した後、加熱して半硬化膜を完
全硬化させることにより、高硬度で耐擦傷性に優れたハ
ードコート層を形成することができる。
Claims (13)
- 【請求項1】 有機ポリマーフィルムの少なくとも一方
の面に、活性エネルギー線により硬化する活性エネルギ
ー線硬化型樹脂組成物の塗膜が設けられたハードコート
用フィルムであって、 該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が熱重合開始剤を
含有し、 該塗膜は、活性エネルギー線の照射で半硬化膜となって
いることを特徴とするハードコート用フィルム。 - 【請求項2】 請求項1において、該活性エネルギー線
硬化型樹脂組成物中の熱重合開始剤の含有量が、該活性
エネルギー線硬化型樹脂組成物中の重合性オリゴマー1
00重量部に対して0.01〜10重量部であることを
特徴とするハードコート用フィルム。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、該熱重合開始
剤が有機過酸化物であることを特徴とするハードコート
用フィルム。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
て、該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物がシリカ微粒
子を含有することを特徴とするハードコート用フィル
ム。 - 【請求項5】 請求項4において、1次粒子径1〜20
0nmのシリカ微粒子を、該活性エネルギー線硬化型樹
脂組成物中に10〜90重量%含有することを特徴とす
るハードコート用フィルム。 - 【請求項6】 請求項4又は5において、該シリカ微粒
子が重合性不飽和基を有するものであることを特徴とす
るハードコート用フィルム。 - 【請求項7】 請求項6において、該シリカ微粒子が、
シリカ微粒子と重合性不飽和基を有するアルコキシシラ
ン化合物との反応により製造されたものであることを特
徴とするハードコート用フィルム。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項におい
て、該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物がシリコーン
系又はフッ素系の撥水・撥油剤を含有し、該半硬化膜の
水滴接触角が80度以上であることを特徴とするハード
コート用フィルム。 - 【請求項9】 請求項1ないし7のいずれか1項におい
て、該半硬化膜の表面に、反射防止層が形成されている
ことを特徴とするハードコート用フィルム。 - 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項にお
いて、該有機ポリマーが、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリカーボネ
ート又はポリエーテルスルフォンであることを特徴とす
るハードコート用フィルム。 - 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれか1項に
おいて、該有機ポリマーフィルムの一方の面に前記半硬
化膜が設けられており、他方の面に透明接着剤層が設け
られていることを特徴とするハードコート用フィルム。 - 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか1項に
おいて、該半硬化膜がタック性を有さないことを特徴と
するハードコート用フィルム。 - 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれか1項の
ハードコート用フィルムが貼着され、加熱により前記半
硬化膜が完全硬化膜となっていることを特徴とするハー
ドコートフィルム被着体。
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