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JP2003157496A - 車両用走行支援装置 - Google Patents

車両用走行支援装置

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JP2003157496A
JP2003157496A JP2001353518A JP2001353518A JP2003157496A JP 2003157496 A JP2003157496 A JP 2003157496A JP 2001353518 A JP2001353518 A JP 2001353518A JP 2001353518 A JP2001353518 A JP 2001353518A JP 2003157496 A JP2003157496 A JP 2003157496A
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JP
Japan
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output
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automatic notification
control
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JP2001353518A
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Masafumi Yamamoto
雅史 山本
Koichi Kojima
浩一 小嶋
Masaki Chiba
正基 千葉
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Publication of JP2003157496A publication Critical patent/JP2003157496A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動通報システムによる自動通報が行なえな
い状況、或いは自動通報後の救援活動の提供までに時間
を要する状況下において、緊急事態が発生する可能性を
低減すべく、危険回避のための警報出力や運転支援をよ
り積極的に行なう車両用運転支援装置の提供。 【解決手段】 AHS制御ユニット11は、自動通報シ
ステムによる自動通報が行なえない場合に、前記警報出
力及び/または運転支援動作を実行するに際して、その
自動通報が可能な場合と比較して、実行タイミングの早
期化または制御出力を増大した状態で、危険回避のため
の警報出力及び/または運転支援動作を制御する。ここ
で、自動通報が行なえない場合とは、自動通報システム
が故障した場合、その自動通報システムが利用する通信
装置の通信可能エリア外に自車が位置する場合、或いは
該通信装置が未接続の場合等が想定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検出した自車の走
行状態や周囲の障害物が存在する場合に、ドライバ(乗
員)に対する警報出力や危険回避のための運転支援動作
を行なう車両用走行支援システムの分野に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、代表的な車両である自動車の
分野においては、自車が危険な走行状態に陥ることを未
然に防止すべく、危険回避のための警報出力や回避動作
を自動的に行なう運転支援システムが提案されており、
このシステムでは、警報出力や回避動作の制御状態を決
定するために、道路側に設けられた設備から取得した各
種情報や撮影画像に基づいて、自車の走行状態や前方障
害物の存在を検出している。
【0003】また、近年においては、事故発生時または
緊急時に、検出した衝撃の大きさやドライバのスイッチ
操作に応じて、現在位置情報を含む救難信号を自車から
発信することにより、所定の外部機関に対して自動的な
緊急通報を行なう車両用自動通報(Mayday)シス
テムが提案されている。
【0004】上記従来の車両用自動通報システムによれ
ば、ドライバは、非常時に複雑な判断を強いられること
なく、緊急時の通報が自動的に行われるので、利便性が
高い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
Maydayシステムにおいては、例えば、山岳道路等
のように、係るシステムのサービス提供エリア外に自車
が位置する場合には、所定の外部機関に対する自動通報
が必要な状況が発生した場合であっても、通報を行なえ
ないことがある。
【0006】また、Maydayシステムにおいて、外
部機関への通報用の通信機として、携帯電話の通信網を
利用する場合には、自車が通信エリアの圏外に位置する
場合には、上記の場合と同様に、自動通報が必要な状況
が発生した場合であっても、通報を行なえないことがあ
る。
【0007】更に、携帯電話の通信網を外部機関への通
報用の通信機として利用するMaydayシステムにお
いては、その携帯電話を乗員が所持しないで出かけた場
合、或いは当該携帯電話をMaydayシステム用の車
載制御ユニットへの接続を忘れている場合には、自動通
報が必要な状況が発生した場合であっても、通報は行な
えない。
【0008】このように、自車にMaydayシステム
が搭載されてはいるものの、上記の何れの場合において
も、緊急事態の発生に際して、外部機関に対して自動的
に支援を要請することはできないため、できる限り事故
発生や緊急事態の発生を未然に防ぐ予防保全が重要とな
るが、従来の運転支援システムでは、このような状況に
効果的に対処することはできない。
【0009】また、自車に搭載されているMayday
システムは機能している場合であっても、例えば山岳道
路を走行している場合のように、緊急事態の発生に際し
て、外部機関に対して自動的に支援を要請してから実際
に救急車等が到着し、乗員が救助を受けられるまでに時
間を要することは問題であり、このような状況下におい
ても、やはり、できる限り事故発生や緊急事態の発生を
未然に防ぐ予防保全が重要となるが、従来の運転支援シ
ステムでは、このような状況に効果的に対処することは
できない。
【0010】そこで、本発明は、自動通報システムによ
る自動通報が行なえない状況、或いは自動通報後の救援
活動の提供までに時間を要する状況下において、緊急事
態が発生する可能性を低減すべく、危険回避のための警
報出力や運転支援をより積極的に行なう車両用運転支援
装置の提供の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る車両用走行支援装置は、以下の構成を
特徴とする。
【0012】即ち、危険回避のための警報出力及び/ま
たは運転支援動作を制御する制御手段を備える車両用走
行支援装置であって、前記制御手段は、自動通報システ
ムによる緊急事態発生時の外部機関に対する自動通報が
行なえない場合に、前記警報出力及び/または運転支援
動作を実行するに際して、その自動通報が可能な場合と
比較して、実行タイミングの早期化または制御出力を増
大することを特徴とする。
【0013】好適な実施形態において、前記自動通報が
行なえない場合は、前記自動通報システムが故障した場
合、前記自動通報システムが利用する通信装置の通信可
能エリア外に自車が位置する場合、或いは該通信装置が
未接続の場合であると良い。
【0014】また、同目的を達成するため、本発明に係
る車両用走行支援装置は、以下の構成を特徴とする。
【0015】即ち、危険回避のための警報出力及び/ま
たは運転支援動作を制御する制御手段を備える車両用走
行支援装置であって、自動通報システムによる緊急事態
発生時の外部機関に対する自動的な通報がなされてか
ら、救援活動が提供されるまでに要する所要時間を推定
する推定手段を備え、前記制御手段は、前記推定手段に
よって推定された所要時間が所定時間より長い場合に、
その推定された所要時間が該所定時間より短い場合と比
較して、前記警報出力及び/または運転支援動作を実行
するに際して、実行タイミングの早期化または制御出力
を増大することを特徴とする。
【0016】好適な実施形態において、前記推定手段
は、自車の現在位置と、その現在位置に従って地図デー
タベースを検索することによって取得した最寄りの医療
施設の所在地とに基づいて、前記所要時間を推定すると
良い。
【0017】また、例えば前記推定手段は、自車の現在
位置と、その現在位置に従って地図データベースを検索
することによって取得したところの、最寄りの救援車両
の出動拠点の所在地とに基づいて、前記所要時間を推定
すると良い。
【0018】尚、上記の何れの装置構成においても、好
ましくは、前記制御手段によって前記実行タイミングの
早期化または制御出力が増大されたことを、乗員に報知
する報知手段を更に備えると良い。この場合、前記報知
手段は、更に、前記制御手段によって前記実行タイミン
グの早期化または制御出力が増大された理由を、乗員に
報知すると良い。
【0019】また、更に好ましくは、前記制御手段によ
って前記実行タイミングの早期化または制御出力が増大
された状態において、前記警報出力及び/または運転支
援動作が実行されることを、乗員に報知する報知手段を
備えると良い。
【0020】
【発明の効果】上記の本発明によれば、自動通報システ
ムによる自動通報が行なえない状況、或いは自動通報後
の救援活動の提供までに時間を要する状況下において、
緊急事態が発生する可能性を低減すべく、危険回避のた
めの警報出力や運転支援をより積極的に行なう車両用運
転支援装置の提供が実現する。
【0021】即ち、請求項1の発明によれば、自動通報
システムによる自動通報が行なえない状況(例えば、自
動通報システムが故障した場合、自動通報システムが利
用する通信装置の通信可能エリア外に自車が位置する場
合、或いは該通信装置が未接続の場合:請求項3)にお
いては、警報出力及び/または運転支援動作が実行され
る際に、実行タイミングの早期化または制御出力が増大
されるので、より積極的な運転支援が行われることによ
り、係る状況において緊急事態が発生してしまい、外部
機関に対して救援を要請できない状態に陥る可能性を軽
減することができる。
【0022】また、請求項2の発明によれば、自動通報
システムによる自動通報から、救援活動が提供されるま
でに要する所要時間が長いと予想される状況において
は、警報出力及び/または運転支援動作が実行される際
に、実行タイミングの早期化または制御出力が増大され
るので、より積極的な運転支援が行われることにより、
係る状況において緊急事態が発生してしまい、救助を受
けるまでに長時間待つ状態に陥る可能性を軽減すること
ができる。
【0023】また、請求項4の発明によれば、自車の現
在位置の最寄りの医療施設の所在地(例えば病院等)ま
での所要時間が推定されるので、救援活動が提供される
までの所要時間を合理的に推定することができる。
【0024】また、請求項5の発明によれば、自車の現
在位置の最寄りの救援車両の出動拠点の所在地(例えば
消防署等)までの所要時間が推定されるので、救援活動
が提供されるまでの所要時間を合理的に推定することが
できる。
【0025】また、請求項6の発明によれば、乗員は、
実行タイミングの早期化または制御出力が増大されたこ
とを認識することができるので、運転操作に対する精神
的な負担を負うことなく、より慎重に、安定した走行を
続けることができ、緊急事態の発生する可能性をより軽
減することができる。
【0026】また、請求項7の発明によれば、乗員は、
実行タイミングの早期化または制御出力が増大された理
由を認識することができるので、現時点で緊急事態が発
生した場合の状況を想定することができ、より慎重に、
安定した走行を続けることができ、緊急事態の発生する
可能性をより軽減することができる。
【0027】また、請求項8の発明によれば、警報出力
及び/または運転支援動作が実行された場合に、通常時
とは異なり、実行タイミングが早期化されている場合で
あっても、或いは、制御出力が増大されたことによって
より積極的な運転支援のための介入がなされた場合であ
っても、乗員がそのことによって違和感を感じることを
防止することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両用走行支
援装置の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】[第1の実施形態]図1は、第1の実施形
態における車両用走行支援装置のシステム構成図であ
る。
【0030】同図において、AHS制御ユニット11
は、検出した自車の走行状態、並びに道路設備(所謂、
インフラ)側から受信した各種情報に応じて、ドライバ
(乗員)に対する警報出力や危険回避のための運転支援
動作の制御を行なうAHS(Advanced Cruise-assist H
ighway System)用の制御ユニットである。
【0031】本実施形態において、AHS制御ユニット
11には、車速センサ12によって検出された自車速、
AHS用車載アンテナ16を介して路車間通信機15が
受信した情報、並びにナビゲーションユニット22から
の情報が入力される。そして、AHS制御ユニット11
は、入力されたこれらの情報に基づいて、ディスプレイ
13及び/またはスピーカ19を利用してドライバに対
する警告を行なうと共に、危険回避のためにドライバの
運転支援を行なうべく、アクチュエータ(例えば自動変
速機、ブレーキ等)20の動作を制御する。
【0032】尚、危険回避のためにAHS制御ユニット
11が行なう制御処理自体は、本願の本質ではないの
で、詳細な説明は省略する。
【0033】ここで、ナビゲーションユニット22は、
不図示の地図データベースを備えており、GPS(グロ
ーバル・ポジショニング・システム)センサ21によっ
て検出された現在位置情報等に基づいて、所望の目的地
への経路誘導等を行なう一般的な装置であって、本実施
形態では、AHS制御ユニット11に対して、検出した
現在位置に関する情報や、その周辺に存在する救急施設
(消防署、病院、警察等)の所在位置に関する情報等を
提供する。
【0034】また、AHS用車載アンテナ16を利用し
て受信すべき信号は、路側アンテナ104を介して、A
HS基地局103によって送出される。
【0035】自動通報(Mayday)制御ユニット1
7は、加速度(G)センサ14によって検出された衝撃
の大きさが所定のしきい値より大きい場合、或いは乗員
によって緊急用の操作スイッチが操作された場合に、当
該制御ユニットと一体または着脱可能な別体の通信装置
(例えば携帯電話)の動作を制御することにより、自動
通報用車載アンテナ18から、所定の救援信号を送出す
る。好適な実施形態において、この救援信号には、GP
S(グローバル・ポジショニング・システム)センサに
よって検出された現在位置情報が含まれる。
【0036】自動通報用車載アンテナ18から送信され
た救援信号は、路側アンテナ102を介して、自動通報
基地局101に受信される。
【0037】そして、AHS制御ユニット11は、車両
の走行中に危険回避のための一般的な警報出力及び/ま
たは運転支援動作を行うと共に、更に、本実施形態にお
ける特徴的な動作として、Mayday制御ユニット1
7を利用した緊急時の自動通報が不可能である場合に
は、係る警報出力及び/または運転支援動作の増強化処
理を行う。
【0038】図2は、第1の実施形態においてAHS制
御ユニット11が行なう警報出力及び/または運転支援
動作の増強化処理を示すフローチャートであり、当該制
御ユニット11に備えられた不図示のCPUが実行する
処理手順を表わす。
【0039】同図において、ステップS1:今回の制御
周期において緊急自体(事故発生時、緊急用操作スイッ
チの操作)が発生した場合に、Mayday制御ユニッ
ト17を利用した自動通報が不可能であるかを判断し、
自動通報が可能である場合にはステップS2に進み、自
動通報が不可能である場合にはステップS3に進む。
【0040】本実施形態において、自動通報が不可能な
場合とは、 ・ナビゲーションユニット22によって検出された自車
の現在位置が、Mayday制御ユニット17に一体ま
たは別体の通信装置の通信可能エリアの圏外である場合
(Maydayシステムとして専用の通信網を有する場
合であって、そのサービス提供エリア外に自車が位置す
る場合を含む)、 ・Mayday制御ユニット17の故障または当該制御
ユニットに一体または別体の通信装置の故障が検出され
たことを表わす通報不能フラグFLを、AHS制御ユニ
ット11にて受信した場合、 ・Mayday制御ユニット17とは別体の通信装置
(例えば携帯電話)が、当該制御ユニットに接続されて
いないことを表わす通報不能フラグFLを、AHS制御
ユニット11にて受信した場合、等が挙げられる。
【0041】ステップS2:Mayday制御ユニット
17を利用した自動通報が可能であるとステップS1に
て判断されたため、この場合、今回の制御周期において
緊急事態が検出されれば、所定の手順で、外部の機関に
対して自動的な救援信号の送信が可能である。そこで、
本ステップでは、AHS制御ユニット11の動作モード
または警報出力及び/または運転支援動作のための各種
パラメータを、通常のデフォルト値に設定する。
【0042】ステップS3:Mayday制御ユニット
17を利用した自動通報が不可能であるとステップS1
にて判断されたため、この場合、今回の制御周期におい
て緊急自体が検出されても、自動通報による救援の要請
を行なうことができない。そこで、本ステップでは、A
HS制御ユニット11の動作モードまたは警報出力及び
/または運転支援動作のための各種パラメータを、上記
のデフォルト値とは異なる値に設定する。
【0043】ステップS4:ステップS2またはステッ
プS3にて設定された動作モードまたは各種パラメータ
に基づいて、ディスプレイ13及びスピーカ19を利用
したドライバに対する警報出力及び危険回避のためのア
クチュエータ20の動作を制御し、ステップS1にリタ
ーンする。ここで、ステップS3においてデフォルト値
とは異なる動作モードまたはパラメータが設定されてい
る場合、ステップS4における制御出力では、作動タイ
ミングの早期化、制御ゲインの増大補正、或いは警報音
量の増大等がなされる。
【0044】<第1の実施形態の変形例>本変形例で
は、上述した第1の実施形態の構成に加えて、上記の如
くステップS3(図2)において増強化を行なった場合
には、ステップS4における警報出力及び/または運転
支援の実行の有無に関らずに、ディスプレイ13による
表示及び/またはスピーカ19による音声を利用して、
乗員に対して、警報出力及び危険回避動作が増強化され
ている旨を報知する。このような構成を採用すれば、乗
員は、実行タイミングの早期化または制御出力が増大さ
れたことを認識することができるので、運転操作に対す
る精神的な負担を負うことなく、より慎重に、安定した
走行を続けることができ、緊急事態の発生する可能性を
より軽減することができる。
【0045】更に、好適な実施形態においては、ステッ
プS3において増強化を行なった原因、即ちステップS
1において自動通報が不可能であると判定された理由
(例えば、当該通信装置の通信エリア圏外であること
等)も乗員に報知すると良い。このような構成を採用す
れば、乗員は、実行タイミングの早期化または制御出力
が増大された理由を認識することができるので、現時点
で緊急事態が発生した場合の状況を想定することがで
き、より慎重に、安定した走行を続けることができ、緊
急事態の発生する可能性をより軽減することができる。
【0046】そして、係る増強化がなされている状況に
おいて、ステップS4にて実際に警報出力及び/または
運転支援を実行することになった場合には、その旨を、
ディスプレイ13による表示及び/またはスピーカ19
による音声を利用して、乗員に対して報知する。このよ
うな構成を採用すれば、警報出力及び/または運転支援
動作が実行された場合に、通常時とは異なり、実行タイ
ミングが早期化されている場合であっても、或いは、制
御出力が増大されたことによってより積極的な運転支援
のための介入がなされた場合であっても、乗員がそのこ
とによって違和感を感じることを防止することができ
る。
【0047】このように、第1の実施形態及びその各変
形例によれば、Mayday制御ユニット17を利用し
た自動通報が行なえない状況下においては、作動タイミ
ングの早期化、制御出力(アクチュエータ20の制御
量)の増大、或いは警報音量の増大がなされることによ
って、危険回避のための警報出力や運転支援を、通常時
よりも、より積極的に行なうので、係る状況において緊
急事態が発生してしまい、外部機関に対して救援を要請
できない状態に陥る可能性を軽減することができる。
【0048】[第2の実施形態]次に、上述した第1の
実施形態に係る車両用走行支援装置を基本とする第2の
実施形態を説明する。以下の説明においては、第1の実
施形態と同様な構成については重複する説明を省略し、
本実施形態における特徴的な部分を中心に説明する。
【0049】本実施形態では、上述した図1に示すシス
テム構成を備える車両において、AHS制御ユニット1
1は、Mayday制御ユニット17を利用した自動通
報が行われてから、乗員に対して何等かの救援活動が実
際に行われるまでの所要時間(例えば、自動通報後に、
現在位置に救急車が到着してから乗員が周辺の病院(医
療施設)に運ばれるまでの予想時間)を推定すると共
に、その推定所要時間Tが所定時間よりも長い場合に
は、第1の実施形態と同様な動作モードまたは各種パラ
メータの変更による警報出力及び/または運転支援の増
強化を行う。
【0050】図3は、第2の実施形態においてAHS制
御ユニット11が行なう警報出力及び/または運転支援
動作の増強化処理を示すフローチャートであり、当該制
御ユニット11に備えられた不図示のCPUが実行する
処理手順を表わす。
【0051】同図において、ステップS11,ステップ
S12:今回の制御周期においてMayday制御ユニ
ット17を利用した自動通報が行われた場合に、乗員に
対して何等かの救援活動が実際に行われるまでの所要時
間Tを推定し(ステップS11)、その推定所要時間T
が所定時間より長いかどうかを判断する(ステップS1
2)。
【0052】ここで、ステップS11における推定所要
時間Tの算出方法について説明する。
【0053】推定所要時間Tを算出するには、ナビゲー
ションユニット22の地図データベース(不図示)を検
索することにより、自車の現在位置から最も近い場所に
ある病院の所在地との経路(道のり)を求め、その距離
を救急車(救援車両)が移動する時間を推定する。尚、
地図データベースから最寄りの病院の所在地を検索する
に際しては、病院の代わりに、最寄りの救急車の出動拠
点(一般には消防署)の所在地を検索して、或いは両者
を検索してもよい。本実施形態では、救援活動が提供さ
れるまでの推定所要時間Tを算出するに際して、自車の
現在位置の最寄りの病院等の医療施設、或いは最寄りの
消防署等の救援車両の出動拠点を対象として設定してい
るので、合理的である。
【0054】このとき、移動に要する推定時間Tは、T
=L/Vave なる計算式によってする。但し、Lは自車
の現在位置から最寄りの病院までの経路長であり、Vav
eは平均巡航速度(例えば30Km/hとする)であ
る。
【0055】また、自車の現在位置から最寄りの病院ま
での経路中において、渋滞の有無と渋滞の長さが検出で
きる場合に、移動に要する推定時間Tは、T=L1/V1
+L2/V2 なる計算式によってする。但し、L1は自車
の現在位置から最寄りの病院までの経路のうち、渋滞し
ていない経路の長さであり、L2は当該経路のうち、渋
滞している経路の長さである。また、V1は渋滞してい
ないときの平均巡航速度(例えば30Km/hとする)
であり、V2は渋滞しているときの平均巡航速度(例え
ば10Km/hとする)である。
【0056】ステップS13:ステップS12において
推定所要時間Tが所定時間より短いと判断されたので、
本ステップでは、AHS制御ユニット11の動作モード
または警報出力及び/または運転支援動作のための各種
パラメータを、通常のデフォルト値に設定する。
【0057】ステップS14:ステップS12において
推定所要時間Tが所定時間より長いと判断され、この場
合は好ましい状況ではない。そこで、本ステップでは、
AHS制御ユニット11の動作モードまたは警報出力及
び/または運転支援動作のための各種パラメータを、上
記のデフォルト値とは異なる値に設定する。
【0058】ステップS15:ステップS13またはス
テップS14にて設定された動作モードまたは各種パラ
メータに基づいて、ディスプレイ13及びスピーカ19
を利用したドライバに対する警報出力及び危険回避のた
めのアクチュエータ20の動作を制御し、ステップS1
1にリターンする。
【0059】ここで、ステップS14においてデフォル
ト値とは異なる動作モードまたはパラメータが設定され
ている場合、ステップS15における制御出力では、第
1の実施形態と同様(図2のステップS2)に、作動タ
イミングの早期化、制御ゲインの増大補正、或いは警報
音量の増大等がなされるが、本実施形態では、例えば、
ステップS11にて算出した推定所要時間Tの長さに応
じて、作動タイミングを早期化する、制御ゲインの大き
さ、或いは警報音量を増大補正する構成にしても良い。
【0060】<第2の実施形態の変形例>本変形例にお
いても、第1の実施形態の変形例と同様に、上記の如く
ステップS14(図3)において増強化を行なった場合
には、ステップS15における警報出力及び/または運
転支援の実行の有無に関らずに、ディスプレイ13によ
る表示及び/またはスピーカ19による音声を利用し
て、乗員に対して、警報出力及び危険回避動作が増強化
されている旨を報知する。このような構成を採用すれ
ば、乗員は、実行タイミングの早期化または制御出力が
増大されたことを認識することができるので、運転操作
に対する精神的な負担を負うことなく、より慎重に、安
定した走行を続けることができ、緊急事態の発生する可
能性をより軽減することができる。
【0061】更に、好適な実施形態においては、ステッ
プS14において増強化を行なった原因、即ちステップ
S11において算出した推定所要時間Tを、ディスプレ
イ13による表示及び/またはスピーカ19による音声
を利用して、乗員に報知すると良い。このような構成を
採用すれば、乗員は、実行タイミングの早期化または制
御出力が増大された理由を認識することができるので、
現時点で緊急事態が発生した場合の状況を想定すること
ができ、より慎重に、安定した走行を続けることがで
き、緊急事態の発生する可能性をより軽減することがで
きる。
【0062】そして、係る増強化がなされている状況に
おいて、ステップS15にて実際に警報出力及び/また
は運転支援を実行することになった場合には、その旨
を、ディスプレイ13による表示及び/またはスピーカ
19による音声を利用して、乗員に対して報知する。こ
のような構成を採用すれば、警報出力及び/または運転
支援動作が実行された場合に、通常時とは異なり、実行
タイミングが早期化されている場合であっても、或い
は、制御出力が増大されたことによってより積極的な運
転支援のための介入がなされた場合であっても、乗員が
そのことによって違和感を感じることを防止することが
できる。
【0063】このように、第2の実施形態及びその各変
形例によれば、Mayday制御ユニット17を利用し
た自動通報によって救援を要請した場合に、乗員が実際
に救助されるまでに時間を要する状況下においては、作
動タイミングの早期化、制御出力(アクチュエータ20
の制御量)の増大、或いは警報音量の増大することによ
って、危険回避のための警報出力や運転支援を、通常時
よりも、より積極的に行なうので、係る状況において緊
急事態が発生してしまい、救助を受けるまでに長時間待
つ状態に陥る可能性を軽減することができる。
【0064】尚、上述した各実施形態及びその変形例に
おいては、ドライバの運転支援制御として、道路側に設
けられた設備から各種の情報を通信によって取得するA
HSを採用した場合を説明したが、このシステム構成に
限られるものではなく、車両に搭載したCCD(Charge
Coupled Device)等の撮像デバイスによって周囲の画像
を撮影すると共に、その撮影画像に画像処理を施すこと
によって障害物の有無や位置、自車の車線逸脱やその角
度等を検出する自律系のASV(Advanced Safety Vehi
cle)システムを採用することによっても実現すること
ができる。
【0065】尚、上述した各実施形態及びその変形例に
おいては、AHS制御ユニット11と、Mayday制
御ユニット17とが別体の構成としたが、この装置構成
に限られるものではなく、単一の電子制御ユニットにお
いて、AHS制御処理用のソフトウエア・モジュール
と、Mayday制御処理用のソフトウエア・モジュー
ルとが実行されるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における車両用走行支援装置の
システム構成図である。
【図2】第1の実施形態においてAHS制御ユニット1
1が行なう警報出力及び/または運転支援動作の増強化
処理を示すフローチャートである。
【図3】第2の実施形態においてAHS制御ユニット1
1が行なう警報出力及び/または運転支援動作の増強化
処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11:AHS制御ユニット, 12:車速センサ, 13:ディスプレイ, 14:加速度(G)センサ, 15:路車間通信機, 16:AHS用車載アンテナ, 17:自動通報(Mayday)制御ユニット, 18:自動通報(Mayday)用車載アンテナ, 19:スピーカ, 20:アクチュエータ, 101:自動通報(Mayday)システム基地局, 102:自動通報(Mayday)システム用路側アン
テナ, 103:AHS基地局, 104:AHS用路側アンテナ,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01C 21/00 G01C 21/00 C G08G 1/13 G08G 1/13 (72)発明者 千葉 正基 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 2F029 AA01 AB07 AB12 AB13 AC02 AC09 AC12 AC14 AC18 5H180 AA01 BB04 BB05 CC04 EE08 FF05 FF13 FF22 FF25 FF27 LL01 LL02 LL04 LL07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 危険回避のための警報出力及び/または
    運転支援動作を制御する制御手段を備える車両用走行支
    援装置であって、 前記制御手段は、自動通報システムによる緊急事態発生
    時の外部機関に対する自動通報が行なえない場合に、前
    記警報出力及び/または運転支援動作を実行するに際し
    て、その自動通報が可能な場合と比較して、実行タイミ
    ングの早期化または制御出力を増大することを特徴とす
    る車両用走行支援装置。
  2. 【請求項2】 危険回避のための警報出力及び/または
    運転支援動作を制御する制御手段を備える車両用走行支
    援装置であって、 自動通報システムによる緊急事態発生時の外部機関に対
    する自動的な通報がなされてから、救援活動が提供され
    るまでに要する所要時間を推定する推定手段を備え、 前記制御手段は、前記推定手段によって推定された所要
    時間が所定時間より長い場合に、その推定された所要時
    間が該所定時間より短い場合と比較して、前記警報出力
    及び/または運転支援動作を実行するに際して、実行タ
    イミングの早期化または制御出力を増大することを特徴
    とする車両用走行支援装置。
  3. 【請求項3】 前記自動通報が行なえない場合は、前記
    自動通報システムが故障した場合、前記自動通報システ
    ムが利用する通信装置の通信可能エリア外に自車が位置
    する場合、或いは該通信装置が未接続の場合であること
    を特徴とする請求項1記載の車両用走行支援装置。
  4. 【請求項4】 前記推定手段は、自車の現在位置と、そ
    の現在位置に従って地図データベースを検索することに
    よって取得した最寄りの医療施設の所在地とに基づい
    て、前記所要時間を推定することを特徴とする請求項2
    記載の車両用走行支援装置。
  5. 【請求項5】 前記推定手段は、自車の現在位置と、そ
    の現在位置に従って地図データベースを検索することに
    よって取得したところの、最寄りの救援車両の出動拠点
    の所在地とに基づいて、前記所要時間を推定することを
    特徴とする請求項2または請求項4記載の車両用走行支
    援装置。
  6. 【請求項6】 更に、前記制御手段によって前記実行タ
    イミングの早期化または制御出力が増大されたことを、
    乗員に報知する報知手段を備えることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の車両用走行支援装置。
  7. 【請求項7】 前記報知手段は、更に、前記制御手段に
    よって前記実行タイミングの早期化または制御出力が増
    大された理由を、乗員に報知することを特徴とする請求
    項6記載の車両用走行支援装置。
  8. 【請求項8】 更に、前記制御手段によって前記実行タ
    イミングの早期化または制御出力が増大された状態にお
    いて、前記警報出力及び/または運転支援動作が実行さ
    れることを、乗員に報知する報知手段を備えることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の車両用走行支援
    装置。
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