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JP2003156147A - メタルガスケット - Google Patents

メタルガスケット

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Publication number
JP2003156147A
JP2003156147A JP2001351977A JP2001351977A JP2003156147A JP 2003156147 A JP2003156147 A JP 2003156147A JP 2001351977 A JP2001351977 A JP 2001351977A JP 2001351977 A JP2001351977 A JP 2001351977A JP 2003156147 A JP2003156147 A JP 2003156147A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal gasket
metal
gasket
width
section
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001351977A
Other languages
English (en)
Inventor
Miyuki Yamanaka
中 幸 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
Original Assignee
Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Valqua Industries Ltd, Nihon Valqua Kogyo KK filed Critical Nippon Valqua Industries Ltd
Priority to JP2001351977A priority Critical patent/JP2003156147A/ja
Publication of JP2003156147A publication Critical patent/JP2003156147A/ja
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  • Gasket Seals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタルガスケット表面にメッキやコーティン
グを施さなくとも、またメタルガスケットのシールすべ
き部材のフランジ面との接触面に突起や逆突起などを施
さなくとも、締付力が小さく、かつ良好なシール性を有
し、そしてより量産性のあるメタルガスケットを提供す
る。 【解決手段】 メタルガスケットの外径部側面または内
径部側面に凹溝を備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温高圧から真空
用途などの過酷な条件でシール部材として広く使用され
るメタルガスケットに関し、特に低い締付力でシール性
が良好なメタルガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】メタルガスケットは、エラストマーガス
ケットに比べて、耐食性、耐熱性などに優れることか
ら、高温・高圧、放射線環境下など、過酷な環境で、エ
ラストマーガスケットに代わるガスケットとして、使用
されている。また、メタルガスケットは、エラストマー
ガスケットに比べて、透過量、放出ガス量が著しく少な
く、ベーキングに対する耐熱性などに優れることから、
超高真空用のガスケットとしても使用されている。
【0003】特に、近年、各種プラズマや放射線環境
下、さらには腐食性ガスや毒性ガス下で使用されるよう
になり、メタルガスケットの使用環境は厳しくなるばか
りであり、メタルガスケットにはかなり高度な耐食性が
要求されるようになってきている。さらには、半導体ラ
インなどでは、LSIの超微細化、超高集積化により、
パーティクルレスや溶出イオンの除去など超純粋性に対
する要求が一段と高まりつつある。
【0004】このような厳しい使用環境下でもメタルガ
スケットの材料として使用可能な金属は各種が挙げられ
るが、中でも、SUS材、NiやNi合金などが主に使
用されている。しかし、これらの金属材は、耐食性、耐
熱性に優れる反面、高強度、高硬度を有している。一般
にメタルガスケットは、メタルガスケットに塑性変形を
生じさせてシール効果を維持するために、エラストマー
ガスケットに比べて大きな締付力が必要となる。このた
め、例えば、配管などの継ぎ目のフランジやこれを締結
するためのボルトをこのような大きな締付力に耐え得る
ようにするために、フランジ厚やボルト径を大きくしな
ければならず、機器が大型化してしまい、またコストが
高くなるなどの問題があり、シールに必要な締付力の低
減が望まれていた。
【0005】こうした高強度、高硬度材を用いたメタル
ガスケットにおいて、より低締付力化を図るには、メタ
ルガスケットによってシールする部材のフランジ面と、
メタルガスケットのシール面とのなじみをよくするため
に、メタルガスケット表面に銀やニッケルなどの金属メ
ッキを施したり、PTFE樹脂に代表される樹脂コーテ
ィングを施したりしている。しかしながら、このような
メッキ処理やコーティング処理を施すことは、工程の増
加につながりコストが高くなる。また、このようなメッ
キ材あるいはコーティング樹脂が熱劣化し、腐食して、
所期のシール性が確保されず、また、このような表面処
理材は、摩耗などによってパーティクル化して、半導体
ラインなどを汚染してしまうおそれがある。
【0006】また、より低締付力化を図り、シール性を
向上させるために、メタルガスケットのフランジ面との
接触面を小さくし、実ガスケット面圧を上昇させてい
る。例えば、図9(a)に示したような、一般配管・機
器によく使用されるメタル平形ガスケットでは、図9
(b)に示すようにガスケット幅を小さくすることで、
より低い締付力でも、実ガスケット面圧を高めることが
できる。また、図10に示したように、メタルガスケッ
トによってシールする部材のフランジ面とメタルガスケ
ットのシール面との接触面101双方に、のこ歯状の加
工を施したり、図11に示したように、メタルガスケッ
トを断面Oリング形状としたりすることで、さらに実ガ
スケット面圧を高めることができる。しかし、このよう
な対策を施した場合においても、まだエラストマーガス
ケットに比べて、数十倍以上の締付力を有しており、改
善の余地が残されている。
【0007】このような状況下、締付力を低減させたメ
タルガスケットとして、図12に示すような、断面Oリ
ングでかつ中空構造を持つメタル中空Oリング(特開平
9−177976号公報)や、図13に示すようなメタ
ルCリング(特開平11−30333号公報)、また図
14(a)に示すような、コイルスプリングを外被で覆
ったバネ入りメタルガスケットなどが開発されている。
【0008】図12に示すような、メタル中空Oリング
は、断面中空構造を持つOリングで、その肉厚を薄くし
たり、あるいはその表面に金属メッキや樹脂コーティン
グなどを施したりすることで締付力の低減を図ってい
る。また、図13に示すような、特開平11−3033
3号公報に記載されたメタルCリングでは、所定の開口
部を形成して、締付力の低減を図りながら、さらに、締
付時には前記開口部が塞がれて、あたかもOリングであ
るかのように支点が2つになるため、締め切り状態にお
いては、メタルCリングによってシールする部材のフラ
ンジ面に沿って、幅広のシール部を形成して、安定した
シール性の実現を図っている。
【0009】また、図14(a)に示すようなバネ入り
メタルガスケットで、さらにメタルガスケットのシール
すべき部材のフランジ面との接触面141双方に、図1
4(b)に示したような、特開平2−113171号公
報に記載されたV字形状の突起や、図14(c)に示し
たような、特開平9−264427号公報に記載された
V字形状の逆突起を設けたものでは、メタルガスケット
によってシールする部材のフランジ面に沿って、メタル
ガスケットの周方向に環状の凸部あるいは凹溝を形成し
ているので、同じ締付力をかけても発生する応力が増加
するため、気密開始応力を低減することができ、これに
より、シールに必要な締付力の低減を図っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このようにメタルガス
ケットの中でも、メタル中空OリングやメタルCリン
グ、バネ入りメタルCリングは低締付力化を図ったメタ
ルガスケットである。しかし、この場合でも締付力はエ
ラストマーガスケットの数十倍を必要とする。また、メ
タル中空Oリングの材質は溶接可能な材質に限られ、一
般にSUSなどの高硬度材が用いられる。そのため、高
シール性を要求される場合には、フランジ面とのなじみ
性を向上させるため、リング表面に金属メッキや樹脂コ
ーティングを施す必要があり、高コストとなる。また、
メタル中空Oリングの製造には溶接工程を含むため、工
程数増加による高コストとなる。
【0011】また、メタルCリングはあらゆる素材によ
り製作が可能であるが、締付時に、ガスケットの変形は
Cリングの中心部であり、支点が1点となるため、フラ
ンジ面とガスケット接触面にシールに必要な充分な反発
力を伝えられず、シール性に劣る。また、さらに締付力
を増すと、支点でその締付荷重を受けきれなくなり、座
屈を生じてしまい、シール性が悪化する要因となる。
【0012】一方、バネ入りメタルCリングは、その製
造工程において溶接工程を必要としないため、外被にア
ルミニウムなどの低硬度、低強度材の使用が可能であ
る。このように外被に低硬度材を用いることで、メッキ
やコーティングを施さなくてもフランジ面とのなじみが
得られ、また、締付力も小さくなる。さらに、図14
(b)に示したような突起付き(特開平2−11317
1号公報)の、あるいは図14(c)に示したような逆
突起付き(特開平9−264427号公報)のバネ入り
メタルガスケットにおいては、突起を付してさらなる低
締付力化を図っている。
【0013】しかし、このような突起を形成するために
は一般に加工に手間がかかり、コストや生産性の面で改
善の余地が残されている。また、特に低締付効果が高い
上記突起あるいは逆突起付きバネ入りメタルガスケット
においても、その締付力は、エラストマーガスケットと
比べれば、10〜20倍以上必要であり、より一層の低
締付力化が望まれている。また、特にフランジ面との接
触面に設けた突起などの影響により、フランジ面に圧痕
が生じる可能性があり、これによりシール性が劣化する
可能性があるため、メタルガスケットのシール性向上に
ついても改善の余地が残されている。
【0014】本発明は、メタルガスケット表面にメッキ
やコーティングを施さなくとも、またメタルガスケット
のシールすべき部材のフランジ面との接触面に突起や逆
突起などを施さなくとも、締付力が小さく、かつ良好な
シール性を有し、そしてより量産性のあるメタルガスケ
ットを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
な従来技術における課題及び目的を達成するためになさ
れたものであって、本発明のメタルガスケットは、メタ
ルガスケットの外径部側面または内径部側面に凹溝を備
えることを特徴とする。この場合、前記メタルガスケッ
トの断面形状が、円形状、縦長の楕円形状、または横長
の楕円形状であることが好ましい。
【0016】また、前記メタルガスケットの内径部から
外径部までのメタルガスケットの半径方向の幅をW1
し、該幅W1のうちで、前記凹溝の幅を除いた幅をW2
した場合に、このW1とW2とが、 W2/W1<1/2 を満たすことが好ましい。
【0017】また、前記メタルガスケットに備えられた
凹溝の形状が断面略コの字形状、断面台形形状、または
断面楕円形状であることが好ましい。このような構成と
すれば、メタルガスケットの表面にメッキやコーティン
グを施さなくとも、またメタルガスケットのシールすべ
き部材のフランジ面との接触面に突起や逆突起を施さな
くとも、締付力を小さくすることができ、かつ良好なシ
ール性を得ることができる。
【0018】また、製造に際しては、従来と同様の方法
で本発明のメタルガスケットを製造することができ、ま
たメッキやコーティングを施さず、突起等を施す必要も
ないので、複雑な製造工程とならず、安価に製造するこ
とができ、量産性にも優れている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るメタルガスケ
ットの実施の形態について図面を参照しながら詳細に説
明する。図1は、本発明に係るメタルガスケットの第一
の実施例の平面図であり、図2(a)は、図1のA−A
線方向の部分断面斜視図であり、図2(b)は、図1の
A−A線方向の部分断面図であり、図3は、図1のメタ
ルガスケットを配管などの継ぎ目のフランジに用いた状
態を示す部分拡大断面図である。
【0020】図において、10は全体で前記メタルガス
ケットを示しており、メタルガスケット10は、図2
(a)および(b)に示したように、一部に凹溝12が
形成された断面略円形の環状の金属製のガスケット本体
1から構成されている。なお、本発明のメタルガスケッ
ト本体1の断面形状は、円形状に限られず、図4(a)
に示したような縦長の楕円形状であっても良く、あるい
は図4(b)に示したような横長の楕円形状であっても
良い。
【0021】そして、本実施例のメタルガスケット10
では、メタルガスケット本体1の外径部側面11に、メ
タルガスケット本体1の周方向に、メタルガスケット本
体1の全周にわたって断面略コの字形状の凹溝12が形
成されている。このような凹溝12の形状は、種々の形
状が適用可能であり、図2(b)に示したような断面略
コの字型形状に限られず、例えば、図5(a)に示した
ような断面台形形状や、図5(b)に示したような断面
楕円形状などが挙げられる。ただし、ガスケットの過剰
締付によるガスケットの損傷防止や、ガスケットの芯合
わせのためにリテーナーが用いられる場合があるため、
かかる場合には、装着性などの問題から、図2(b)に
示したような断面コの字型形状であることが好ましい。
【0022】また、メタルガスケット10に備えられて
いる凹溝12は、図2(b)に示したように、メタルガ
スケット10の内径部側面13から外径部までのメタル
ガスケット10の半径方向の幅をW1とし、該幅W1のう
ちで、前記凹溝12の幅を除いた幅をW2とした場合、
すなわち、該幅W1のうちで、メタルガスケット10の
内径部側面13からメタルガスケット10に形成された
凹溝12までの幅をW2とした場合に、このW1とW
2が、 W2/W1<1/2 を満たすことが好ましく、さらに、 1/3≦W2/W1≦12/25 を満たすことが好ましい。
【0023】W2/W1が1/3未満であると、ソリッド
部分が多くなるため、ガスケットの剛性が高くなり、ガ
スケットの変形が制限される。そのため、充分な塑性変
形、つまりなじみが得られず、シール性に劣る。一方、
2/W1が1/2以上であると、ソリッド部分が小さく
なるため、ガスケットの剛性が低くなり、ガスケットの
変形量が大きくなる。そのため、過剰な変形が生じ、座
屈しやすくなると考えられ、座屈によりシール性が悪化
する。
【0024】さらに、凹溝12が形成されたメタルガス
ケット10の突端15、15間の幅dとメタルガスケッ
ト10の半径方向に垂直な方向の高さDが 1/6≦d/D≦1/2 を満たすことが望ましい。このような凹溝12を備えた
メタルガスケット10は、メタルガスケット10のシー
ルすべき部材のフランジ面22、23との接触面表面硬
度が、ビッカース硬度で好ましくは200Hv以下であ
り、さらに好ましくは130Hv以下である。
【0025】このようなメタルガスケット10は、例え
ば、金属のロッド(棒)材に切削加工を施し、あるいは
溶解させた金属を鋳型に注入、凝固させ、所定の形状と
することなどで製作することが可能であるが、本発明の
メタルガスケットの加工方法はこれらに限定されず、所
望の形状に加工できれば、従来公知の方法を採用するこ
とができ、凹溝の寸法精度や経済性等から適宜選択すれ
ばよい。
【0026】また、メタルガスケット10を構成する金
属ロッドの材質としては、ビッカース硬度が200Hv
以下、好ましくは130Hv以下となるものであれば特
に限定されるものではなく、シールすべき部材のフラン
ジの材質に応じて適宜選択すればよい。具体的には例え
ば、アルミニウムなどの比較的低硬度材を挙げることが
できる。また、NiやSUS材のように比較的硬質材で
あっても、所定の熱処理を施すことで採用することがで
きる。所定の熱処理としては、例えば、SUS304や
SUS316に代表されるオーステナイト鋼ステンレス
の場合は、それぞれ1030℃以上、1100℃以上の
温度条件下で熱処理を施す固溶化熱処理が挙げられる。
【0027】図6(a)は、本発明に係るメタルガスケ
ットの第2の実施例の部分断面斜視図であり、図6
(b)は、本発明に係るメタルガスケットの第2の実施
例の部分断面図である。この実施例のメタルガスケット
18は、基本的には、図2(a)および(b)に示した
第1の実施例のメタルガスケット10とその構成は同様
である。
【0028】第1の実施例のメタルガスケット10で
は、断面略円形のメタルガスケット本体1の外径部側面
11に、メタルガスケット本体1の周方向に、メタルガ
スケット本体1の全周にわたって断面略コの字形状に凹
溝12を形成したが、図6(a)に示した第2の実施例
のメタルガスケット18では、断面略円形のメタルガス
ケット本体1の内径部側面13に凹溝14を形成してい
る。すなわち、断面略円形のメタルガスケット本体1の
内径部側面13に、メタルガスケット本体1の周方向
に、メタルガスケット本体1の全周にわたって断面略コ
の字形状に凹溝14を形成している。
【0029】そして、このような凹溝14の形状は、第
1の実施例で説明した凹溝12と同様、断面略コの字型
形状に限られず、例えば、断面台形形状や断面楕円形状
などであってもよい。また、メタルガスケット18に備
えられている凹溝14は、第1の実施例と同様、図6
(b)に示したように、メタルガスケット18の内径部
から外径部側面11までのメタルガスケット18の半径
方向の幅をW1とし、該幅W1のうちで、前記凹溝14の
幅を除いた幅をW2とした場合、すなわち、該幅W1のう
ちで、メタルガスケット10の外径部側面11からメタ
ルガスケット10に形成された凹溝14までの幅をW2
とした場合に、このW1とW2が、 W2/W1<1/2 を満たすことが好ましく、さらに、 1/3≦W2/W1≦12/25 を満たすことが好ましい。
【0030】このような形状とすることによっても、上
記の図2(a)および(b)に示した第1の実施例と同
様な効果が得られる。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき詳細に説明する
が、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0032】
【実施例1】SUS316L材から形成された、図7
(a)に示したような、内径4.7mm、外径7.1m
m、高さ(D)1.7mmで、外径側の周上に断面略コ
の字形状の凹溝(高さd=0.7mm)を設けたメタル
ガスケットに関して、圧縮復元気密試験を行った。
【0033】図8は、縦軸に締付荷重を、横軸にメタル
ガスケットの歪量すなわち変形量を示しており、段階的
に荷重を増し、各締付荷重段階で、ヘリウムリークディ
テクター(以下、「HeL.D.」という)を用いた漏
洩試験を実施した結果である。図8中、S0(気密開始
点)は、段階的に締付荷重を増した場合に、HeL.
D.の感度以下(1×10-12Pa・m3/s)となるシ
ール開始応力で、S(締付力)は、所定の締め代を与え
た場合の締付力である。
【0034】この締付力は、例えば、所定の溝寸法まで
締切り、フランジ同士がメタルタッチとなったり、ある
いは所定の寸法に製作したリテーナー高さまでメタルタ
ッチとなるまで締切ったときの締付荷重である。実施例
1においては、片側に深さ0.35mmの溝加工を施
し、片側フラットのフランジを用い試験を行った。S1
(気密限界点)は、締付荷重Sまで締付けた後、メタル
ガスケットの応力緩和などによって、メタルガスケット
残留応力が低下した場合に、HeL.D.の感度以下を
満足する最小締付荷重である。すなわち、締付荷重
0、SおよびS1間のシール性は、HeL.D.の感度
以下を満足する。結果を表1に示す。
【0035】
【比較例1および2】実施例1のメタルガスケットと同
様の材質で、内外径サイズを同じとし、外径側に凹溝を
設けないメタルガスケットとして、比較例1では、図7
(b)に示したような断面縦長長方形のソリッドガスケ
ットを用い、比較例2では、図7(c)に示したような
断面縦長楕円形状のソリッドガスケットを用い、実施例
1と同様の条件で試験し、S0、SおよびS1を測定し
た。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1からは、本発明品(実施例1)のよう
に凹溝を設けたメタルガスケットは、凹溝を設けなかっ
たメタルガスケットに比べて締付力Sが低く、さらに気
密開始点S0、気密限界点S1においてもHeL.D.の
感度以下という優れたシール性を満足することが示され
る。
【0038】
【実施例2】SUS316L材から形成され、断面縦長
楕円形状であり、メタルガスケットの内径から外径まで
の幅(W1)が1.2mm、該メタルガスケットに設け
られた凹溝の幅を除いた幅(W2)が0.5mmである
メタルガスケットを用いて、実施例1と同様の試験を行
った。結果を表2に示す。
【0039】
【比較例3】実施例2において、メタルガスケットの内
径から外径までの幅(W1)を1.2mm、該メタルガ
スケットに設けられた凹溝の幅を除いた幅(W2)を
0.8mmとした以外は実施例2と同様とし、実施例1
と同様の試験を行った。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2からは、実施例2のように、凹溝を設
けたメタルガスケットでも、メタルガスケットの半径方
向の幅と、凹溝の幅との関係(W2/W1)が所定の範囲
内にあることで、さらに締付力Sを低くすることができ
ることが示される。
【0042】
【発明の効果】本発明のメタルガスケットによれば、メ
タルガスケットの外径部側面または内径部側面に凹溝を
設けたので、メタルガスケットの表面にメッキやコーテ
ィングを施さなくとも、またメタルガスケットのシール
すべき部材のフランジ面との接触面に突起や逆突起を施
さなくとも、締付力を小さくすることができ、かつ良好
なシール性を得ることができる。
【0043】また、製造に際しては、従来と同様の方法
で本発明のメタルガスケットを製造することができ、ま
たメッキやコーティングを施さず、突起等を施す必要も
ないので、複雑な製造工程とならず、安価に製造するこ
とができ、量産性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るメタルガスケットの第1
の実施例の平面図である。
【図2】図2(a)は、図1のA−A線方向の部分断面
斜視図であり、図2(b)は、図1のA−A線方向の部
分断面図である。
【図3】図3は、図1のメタルガスケットを配管などの
継ぎ目のフランジに用いた状態を示す部分拡大断面図で
ある。
【図4】図4(a)および図4(b)は、それぞれ本発
明に係るメタルガスケットの他の実施形態を示す部分断
面図である。
【図5】図5(a)および図5(b)は、それぞれ本発
明に係るメタルガスケットの凹溝の他の実施形態を示す
部分断面図である。
【図6】図6(a)は、本発明に係るメタルガスケット
の第2の実施例の部分断面斜視図であり、図6(b)
は、本発明に係るメタルガスケットの第2の実施例の部
分断面図である。
【図7】図7(a)は実施例1で用いたメタルガスケッ
トを示す部分断面図である。図7(b)および図7
(c)は、それぞれ比較例1および比較例2で用いたメ
タルガスケットを示す部分断面図である。
【図8】図8は、実施例1の圧縮復元気密試験の結果を
示すグラフである。
【図9】図9(a)は、従来のメタル平形ガスケットの
部分断面図であり、図9(b)は、従来のメタル平形ガ
スケットの幅を小さくしたメタルガスケットの部分断面
図である。
【図10】図10は、従来ののこ歯状の加工を施したメ
タルガスケットの部分断面図である。
【図11】図11は、従来のメタルOリングの部分断面
図である。
【図12】図12は、従来のメタル中空Oリングの部分
断面図である。
【図13】図13は、従来のメタルCリングの部分断面
図である。
【図14】図14(a)は、従来のバネ入りメタルCリ
ングの部分断面図である。図14(b)は、従来のV字
形状の突起付きバネ入りメタルCリングの部分断面図で
あり、図14(c)は、従来のV字形状の逆突起付きバ
ネ入りメタルCリングの部分断面図である。
【符号の説明】
1 メタルガスケット本体 10、18 メタルガスケット 11 外径部側面 12 外径部凹溝 13 内径部側面 14 内径部凹溝 15 突端部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタルガスケットの外径部側面または内径
    部側面に凹溝を備えることを特徴とするメタルガスケッ
    ト。
  2. 【請求項2】前記メタルガスケットの断面形状が、円形
    状、縦長の楕円形状、または横長の楕円形状であること
    を特徴とする請求項1に記載のメタルガスケット。
  3. 【請求項3】前記メタルガスケットの内径部から外径部
    までのメタルガスケットの半径方向の幅をW1とし、該
    幅W1のうちで、前記凹溝の幅を除いた幅をW2とした場
    合に、このW1とW2とが、 W2/W1<1/2 を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のメ
    タルガスケット。
  4. 【請求項4】前記メタルガスケットに備えられた凹溝の
    形状が断面略コの字形状、断面台形形状、または断面楕
    円形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のメタルガスケット。
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