JP2003027373A - ポリエステル系繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents
ポリエステル系繊維構造物およびその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】従来難しかった接炎時の溶融を抑制しながら風
合い硬化を最低限に抑えた難燃ポリエステル系繊維構造
物を得る。 【解決手段】リン系難燃剤と加熱により架橋されること
を特徴とするタンパク質を用いてポリエステル系繊維構
造物を処理する。
合い硬化を最低限に抑えた難燃ポリエステル系繊維構造
物を得る。 【解決手段】リン系難燃剤と加熱により架橋されること
を特徴とするタンパク質を用いてポリエステル系繊維構
造物を処理する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃化したポリエ
ステル系繊維構造物およびその製造方法に関するもので
ある。
ステル系繊維構造物およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系繊維製品は、衣料用やイ
ンテリア用に広く利用されているが、これらのポリエス
テル系繊維製品においては、マッチや煙草などを出火源
とする火災の被害を最小限に抑えるため、ホテル、病院
あるいは映画館などで使用されるインテリア材料につい
ては消防法により規制がされている。このような状況の
中で、安全性が高く快適な生活環境をつくる上で、難燃
性を備えたポリエステル系繊維製品の開発が望まれてい
る。
ンテリア用に広く利用されているが、これらのポリエス
テル系繊維製品においては、マッチや煙草などを出火源
とする火災の被害を最小限に抑えるため、ホテル、病院
あるいは映画館などで使用されるインテリア材料につい
ては消防法により規制がされている。このような状況の
中で、安全性が高く快適な生活環境をつくる上で、難燃
性を備えたポリエステル系繊維製品の開発が望まれてい
る。
【0003】従来、ポリエステル系繊維構造物は、繊維
構造物の難燃性を高くするため、ハロゲン系難燃剤を浴
中法またはパッド法により繊維に吸尽もしくは付着させ
ることにより製造されている。しかしながら、地球環境
保全に対する意識の高まりから、より環境負荷の少ない
難燃加工技術が求められていた。その環境負荷の少ない
難燃加工技術として、特開平10−131056号公報
では、リン系難燃剤を浴中法またはパッド法により繊維
に吸尽もしくは付着させることにより難燃性の繊維構造
物を製造する方法が提案されている。
構造物の難燃性を高くするため、ハロゲン系難燃剤を浴
中法またはパッド法により繊維に吸尽もしくは付着させ
ることにより製造されている。しかしながら、地球環境
保全に対する意識の高まりから、より環境負荷の少ない
難燃加工技術が求められていた。その環境負荷の少ない
難燃加工技術として、特開平10−131056号公報
では、リン系難燃剤を浴中法またはパッド法により繊維
に吸尽もしくは付着させることにより難燃性の繊維構造
物を製造する方法が提案されている。
【0004】しかしながら、この方法は接炎による溶融
を促進して熱源から速やかに離れるドリップ型と呼ばれ
る難燃形態にする加工方法であり、溶融を阻害する混紡
製品への利用や他の機能との複合が難しいことや、皮膚
に付着し、火傷の可能性があることから衣類への展開に
限界があることが問題であった。また、特開平1−11
076号公報に開示されているように、繊維をメラミン
樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆し防融する方法がある
が、この方法は、難燃性に乏しく風合いが硬いことか
ら、風合いのよい非溶融型の難燃加工を得る方法が求め
られていた。
を促進して熱源から速やかに離れるドリップ型と呼ばれ
る難燃形態にする加工方法であり、溶融を阻害する混紡
製品への利用や他の機能との複合が難しいことや、皮膚
に付着し、火傷の可能性があることから衣類への展開に
限界があることが問題であった。また、特開平1−11
076号公報に開示されているように、繊維をメラミン
樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆し防融する方法がある
が、この方法は、難燃性に乏しく風合いが硬いことか
ら、風合いのよい非溶融型の難燃加工を得る方法が求め
られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、難燃性ポリ
エステル系繊維構造物、さらに詳しくは、燃焼時に有害
ガスの発生が少ない難溶融型の難燃性を有するポリエス
テル繊維構造物とその製造方法を提供することを目的と
するものである。
エステル系繊維構造物、さらに詳しくは、燃焼時に有害
ガスの発生が少ない難溶融型の難燃性を有するポリエス
テル繊維構造物とその製造方法を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題の達成のため、
本発明のポリエステル系繊維構造物とその製造方法は、
以下の構成を有する。
本発明のポリエステル系繊維構造物とその製造方法は、
以下の構成を有する。
【0007】すなわち、本発明のポリエステル系繊維構
造物は、リン系難燃剤と加熱により架橋される官能基を
有するタンパク質が含有されてなることを特徴とするポ
リエステル系繊維構造物である。
造物は、リン系難燃剤と加熱により架橋される官能基を
有するタンパク質が含有されてなることを特徴とするポ
リエステル系繊維構造物である。
【0008】また、本発明のポリエステル系繊維の製造
方法は、リン系難燃剤とタンパク質で繊維構造物を処理
することを特徴とするものである。
方法は、リン系難燃剤とタンパク質で繊維構造物を処理
することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル系繊維構造
物は、リン系難燃剤と加熱により架橋される官能基を有
するタンパク質が含有されてなるものである。
物は、リン系難燃剤と加熱により架橋される官能基を有
するタンパク質が含有されてなるものである。
【0010】本発明で用いられるリン系難燃剤は、通常
リン系難燃剤として用いられている各種含リン化合物を
任意に用いることが可能である。具体的な化合物群とし
ては、リン酸エステル類、リン系無機酸、および/また
はその塩類、ホスフィン類、フォスファゼン類などが挙
げられる。
リン系難燃剤として用いられている各種含リン化合物を
任意に用いることが可能である。具体的な化合物群とし
ては、リン酸エステル類、リン系無機酸、および/また
はその塩類、ホスフィン類、フォスファゼン類などが挙
げられる。
【0011】リン酸エステル類の例としては、トリメチ
ルフォスフェート、トリエチルフォスフェートなどのト
リアルキルフォスフェート、トリフェニルフォスフェー
ト、トリクレジルフォスフェートなどのトリアリールフ
ォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、ラ
ウリルジフェニルフォスフェートなどのアルキルアリー
ルフォスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルフ
ォスフェート)、レゾルシノールビス(ジ−2,6−キ
シレニルフォスフェート)、ビスフェノールAビス(ジ
フェニルフォスフェート)などの縮合リン酸エステルな
どが挙げられる。
ルフォスフェート、トリエチルフォスフェートなどのト
リアルキルフォスフェート、トリフェニルフォスフェー
ト、トリクレジルフォスフェートなどのトリアリールフ
ォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、ラ
ウリルジフェニルフォスフェートなどのアルキルアリー
ルフォスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルフ
ォスフェート)、レゾルシノールビス(ジ−2,6−キ
シレニルフォスフェート)、ビスフェノールAビス(ジ
フェニルフォスフェート)などの縮合リン酸エステルな
どが挙げられる。
【0012】リン酸無機塩の例としては、リン酸、亜リ
ン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸などが挙げ
られる。リン系無機酸の塩としては、例として金属塩お
よび/またはアミン塩が挙げられる。
ン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸などが挙げ
られる。リン系無機酸の塩としては、例として金属塩お
よび/またはアミン塩が挙げられる。
【0013】リン系無機酸の金属塩の例としては、カリ
ウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、リチ
ウム塩などの周期律表I〜IV族元素より選ばれる金属塩
が望ましい。
ウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、リチ
ウム塩などの周期律表I〜IV族元素より選ばれる金属塩
が望ましい。
【0014】リン酸無機酸のアミン塩を構成するアミン
化合物の例としては、アンモニア、エチレンジアミン、
メラミン、グアニジン、尿素、チオカルバゾン、アミノ
酸などの有機アミン化合物を任意に用いることができ
る。特に1分子あたりの窒素含有率が高いアミノ化合物
が望ましい。
化合物の例としては、アンモニア、エチレンジアミン、
メラミン、グアニジン、尿素、チオカルバゾン、アミノ
酸などの有機アミン化合物を任意に用いることができ
る。特に1分子あたりの窒素含有率が高いアミノ化合物
が望ましい。
【0015】また、ホスフィン類の例としては、トリエ
チルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリエチル
ホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド
などが挙げられる。
チルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリエチル
ホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド
などが挙げられる。
【0016】さらに、ホスファゼン類の例としては、ア
ミドホスファゼンオリゴマー、フェノキシホスファゼン
オリゴマーなどが挙げられる。
ミドホスファゼンオリゴマー、フェノキシホスファゼン
オリゴマーなどが挙げられる。
【0017】その他、本発明に用いられるリン系難燃剤
の例として、赤リン、5硫化リンなどの無機リン化合物
も含まれる。
の例として、赤リン、5硫化リンなどの無機リン化合物
も含まれる。
【0018】前記に述べたリン系難燃剤は1種を単独で
使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用しても
よい。
使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用しても
よい。
【0019】本発明で用いられるタンパク質は、大豆タ
ンパク、コラーゲン、ケラチン、シルクなどの原料タン
パクを加水分解することにより得られるポリペプチドを
主成分とするタンパク質が好ましい。
ンパク、コラーゲン、ケラチン、シルクなどの原料タン
パクを加水分解することにより得られるポリペプチドを
主成分とするタンパク質が好ましい。
【0020】さらにこのポリペプチドとしては、ポリペ
プチドに加熱により架橋される官能基を導入したポリペ
プチドが好ましい。官能基の例としては、ジアルキルヒ
ドロキシシリル基および/またはジヒドロキシアルキル
シリル基および/またはトリヒドロキシシリル基などが
挙げられる。これらの官能基が少なくとも1種類以上含
有されている。
プチドに加熱により架橋される官能基を導入したポリペ
プチドが好ましい。官能基の例としては、ジアルキルヒ
ドロキシシリル基および/またはジヒドロキシアルキル
シリル基および/またはトリヒドロキシシリル基などが
挙げられる。これらの官能基が少なくとも1種類以上含
有されている。
【0021】加熱により架橋される官能基をポリペプチ
ドに導入する方法としては、架橋される官能基を有する
化合物とポリペプチドを反応させるとよい。架橋される
官能基を有する化合物としては、ジアルキルヒドロキシ
シリル基および/またはジヒドロキシアルキルシリル基
および/またはトリヒドロキシシリル基を分子内に含有
する有機ケイ素化合物が好ましい。
ドに導入する方法としては、架橋される官能基を有する
化合物とポリペプチドを反応させるとよい。架橋される
官能基を有する化合物としては、ジアルキルヒドロキシ
シリル基および/またはジヒドロキシアルキルシリル基
および/またはトリヒドロキシシリル基を分子内に含有
する有機ケイ素化合物が好ましい。
【0022】有機ケイ素化合物の例としては、3−グリ
シドキシプロピルエチルジヒドロキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルメチルジヒドロキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルジエチルヒドロキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルジメチルヒドロキシシランなどが挙げ
られる。これは分子内にケイ素原子を含むことにより、
加熱による架橋時にケイ素−酸素結合からなるシロキサ
ンが生成し、強固に架橋できるからである。
シドキシプロピルエチルジヒドロキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルメチルジヒドロキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルジエチルヒドロキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルジメチルヒドロキシシランなどが挙げ
られる。これは分子内にケイ素原子を含むことにより、
加熱による架橋時にケイ素−酸素結合からなるシロキサ
ンが生成し、強固に架橋できるからである。
【0023】ここで加熱により架橋される官能基を有す
る化合物の官能基部分に含まれるアルキル部位は、炭素
数1以上20以下の鎖状炭化水素から構成されることが
好ましい。より好ましくは、炭素数1以上10以下の鎖
状炭化水素である。これは炭素数が20より大きくなる
と、タンパク質に官能基を導入し難くなり、また溶液へ
の分散性が低下するためである。
る化合物の官能基部分に含まれるアルキル部位は、炭素
数1以上20以下の鎖状炭化水素から構成されることが
好ましい。より好ましくは、炭素数1以上10以下の鎖
状炭化水素である。これは炭素数が20より大きくなる
と、タンパク質に官能基を導入し難くなり、また溶液へ
の分散性が低下するためである。
【0024】本発明で用いられるタンパク質の分子量
は、数平均分子量で300以上3,000以下であるこ
とが好ましい。その理由は、タンパク質の分子量はアミ
ノ酸部位の重合度に大きく影響を受けるが、分子量が3
00未満であると揮発性が高くなるため製造時に十分含
有させることができ難くなる。また、分子量が3,00
0より大きくなると高粘度または水などの溶液に溶解ま
たは分散しにくくなるため生産性が低下する。
は、数平均分子量で300以上3,000以下であるこ
とが好ましい。その理由は、タンパク質の分子量はアミ
ノ酸部位の重合度に大きく影響を受けるが、分子量が3
00未満であると揮発性が高くなるため製造時に十分含
有させることができ難くなる。また、分子量が3,00
0より大きくなると高粘度または水などの溶液に溶解ま
たは分散しにくくなるため生産性が低下する。
【0025】前記に述べたタンパク質は、1種を単独で
使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用しても
よい。
使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用しても
よい。
【0026】本発明においてポリエステル系繊維構造物
とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリプロピレンテレフタレート、またはエ
チレンテレフタレート単位を主たる繰り返し成分とする
もの(具体的には繰り返し単位の90モル%以上)、ブ
チレンテレフタレート単位を主たる繰り返し成分とする
もの(具体的には繰り返し単位の90モル%以上)など
からなる繊維から構成されているものである。なかで
も、構成している繊維がエチレンテレフタレート単位が
90モル%以上繰り返し成分とするポリエステル繊維が
好ましく、エチレンテレフタレート単位が95モル%以
上繰り返し成分とするポリエステルからなるポリエステ
ル繊維がより好ましい。エチレンテレフタレート単位が
100モル%繰り返し成分とするポリエステル(すなわ
ち、ポリエチレンテレフタレート)からなるポリエステ
ル繊維が更に好ましい。
とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリプロピレンテレフタレート、またはエ
チレンテレフタレート単位を主たる繰り返し成分とする
もの(具体的には繰り返し単位の90モル%以上)、ブ
チレンテレフタレート単位を主たる繰り返し成分とする
もの(具体的には繰り返し単位の90モル%以上)など
からなる繊維から構成されているものである。なかで
も、構成している繊維がエチレンテレフタレート単位が
90モル%以上繰り返し成分とするポリエステル繊維が
好ましく、エチレンテレフタレート単位が95モル%以
上繰り返し成分とするポリエステルからなるポリエステ
ル繊維がより好ましい。エチレンテレフタレート単位が
100モル%繰り返し成分とするポリエステル(すなわ
ち、ポリエチレンテレフタレート)からなるポリエステ
ル繊維が更に好ましい。
【0027】ポリエステルに共重合されてもよい成分と
しては、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族ジカルボ
ン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフェノールAなどの脂肪族または芳香
族ジオールなどを用いることができる。
しては、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族ジカルボ
ン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフェノールAなどの脂肪族または芳香
族ジオールなどを用いることができる。
【0028】ポリエステル系繊維の断面形態は、丸形、
異形を問わない。また、繊維構造物の形態は、不織布、
織物、編物であってもよい。また、ポリエステルのみか
らなる繊維構造物の他に、綿、羊毛などの天然繊維、ア
セテートなどの半合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、
ナイロンなどの合成繊維のうち少なくとも一つとポリエ
ステル繊維を混紡または交撚、交織、交編などしたもの
でもよい。
異形を問わない。また、繊維構造物の形態は、不織布、
織物、編物であってもよい。また、ポリエステルのみか
らなる繊維構造物の他に、綿、羊毛などの天然繊維、ア
セテートなどの半合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、
ナイロンなどの合成繊維のうち少なくとも一つとポリエ
ステル繊維を混紡または交撚、交織、交編などしたもの
でもよい。
【0029】このようなポリエステル系繊維構造物を、
本発明のリン系難燃剤とタンパク質で処理することで、
繊維表面をリン系難燃剤とタンパク質によって均一に覆
う皮膜を形成する。もしくは繊維間隙または繊維内部に
それらを浸透させる。
本発明のリン系難燃剤とタンパク質で処理することで、
繊維表面をリン系難燃剤とタンパク質によって均一に覆
う皮膜を形成する。もしくは繊維間隙または繊維内部に
それらを浸透させる。
【0030】本発明で用いられるリン系難燃剤とタンパ
ク質の割合は、乾熱処理後または湿熱処理後のリン系難
燃剤/タンパク質で表す重量比で0.2以上5.0以下
程度が好ましい。より好ましくは0.5以上2.0以下
である。これは、リン系難燃剤/タンパク質の割合が
0.2未満の場合では、リン系難燃剤の割合が少ないた
め自己消化性がほとんど無く、延焼を止めることが難し
い。また、その割合が5.0より大きいとタンパク質の
割合が少ないため溶融を抑えることが難しい。
ク質の割合は、乾熱処理後または湿熱処理後のリン系難
燃剤/タンパク質で表す重量比で0.2以上5.0以下
程度が好ましい。より好ましくは0.5以上2.0以下
である。これは、リン系難燃剤/タンパク質の割合が
0.2未満の場合では、リン系難燃剤の割合が少ないた
め自己消化性がほとんど無く、延焼を止めることが難し
い。また、その割合が5.0より大きいとタンパク質の
割合が少ないため溶融を抑えることが難しい。
【0031】本発明のポリエステル系繊維構造物におい
て、リン系難燃剤とタンパク質の含有率は、含有前の繊
維構造物の重量に対してそれぞれ2%以上であることが
望ましい。含有率は、より好ましくは4%以上である。
その理由は、含有率がこれより小さいと十分な難燃性が
得られにくいからである。また、難燃性の面からは含有
率は多いほど望ましいが、含有率が大きくなりすぎると
本発明の製造方法によってもやはり風合いの硬化傾向と
なるので、含有率の上限としては20%程度とすること
が望ましい。
て、リン系難燃剤とタンパク質の含有率は、含有前の繊
維構造物の重量に対してそれぞれ2%以上であることが
望ましい。含有率は、より好ましくは4%以上である。
その理由は、含有率がこれより小さいと十分な難燃性が
得られにくいからである。また、難燃性の面からは含有
率は多いほど望ましいが、含有率が大きくなりすぎると
本発明の製造方法によってもやはり風合いの硬化傾向と
なるので、含有率の上限としては20%程度とすること
が望ましい。
【0032】また、シリコーンやメラミン化合物など、
加熱時に架橋を促進して溶融を防ぐ化合物を併用しても
よい。この場合、シリコーンやメラミン化合物の含有率
は含有前の繊維構造物の重量に対して1%以上10%以
下が好ましい。
加熱時に架橋を促進して溶融を防ぐ化合物を併用しても
よい。この場合、シリコーンやメラミン化合物の含有率
は含有前の繊維構造物の重量に対して1%以上10%以
下が好ましい。
【0033】含有率の測定は、上記リン系難燃剤とタン
パク質を含有させる処理前後の重量変化により求めるこ
とができるが、最終製品の状態では、ポリエステル系繊
維構造物全体を溶解して含有成分を定量するなどの方法
を用いればよい。本発明のリン系難燃剤とタンパク質の
実際の使用に際しては、水に溶解または微分散させて用
いることが好ましい。水に微分散させる方法としては特
に限定されるものではないが、分散効率の観点から、次
の方法が好ましく用いられる。すなわち、本発明のリン
系難燃剤とタンパク質、分散剤、および水を混合し、攪
拌し分散する。この分散物をガラスビーズ粉砕機で粉
砕、分散操作を行うことが一般的である。また、他の方
法として本発明のリン系難燃剤とタンパク質を溶解し得
る溶媒で溶解した後、攪拌しながら水と混合してエマル
ジョン化して用いても差しつかえない。
パク質を含有させる処理前後の重量変化により求めるこ
とができるが、最終製品の状態では、ポリエステル系繊
維構造物全体を溶解して含有成分を定量するなどの方法
を用いればよい。本発明のリン系難燃剤とタンパク質の
実際の使用に際しては、水に溶解または微分散させて用
いることが好ましい。水に微分散させる方法としては特
に限定されるものではないが、分散効率の観点から、次
の方法が好ましく用いられる。すなわち、本発明のリン
系難燃剤とタンパク質、分散剤、および水を混合し、攪
拌し分散する。この分散物をガラスビーズ粉砕機で粉
砕、分散操作を行うことが一般的である。また、他の方
法として本発明のリン系難燃剤とタンパク質を溶解し得
る溶媒で溶解した後、攪拌しながら水と混合してエマル
ジョン化して用いても差しつかえない。
【0034】本発明において、ポリエステル系繊維構造
物をリン系難燃剤とタンパク質で処理する方法として
は、浴中処理法、パッド−ドライ、パッド−スチーム法
等を用いることができる。浴中処理法とは、微分散させ
たリン系難燃剤とタンパク質の分散液中で、100℃以
上の温度でポリエステル系繊維に吸着処理する方法であ
る。通常の繊維加工で用いられる染色機などの加工装置
を用いて、常温から40℃以上140℃以下の温度に昇
温した後、10〜90分程度保持するなどすればよい。
また、染色液中に本発明のリン系難燃剤とタンパク質を
投入して染色と難燃加工を同時に行うことができる。こ
の場合ポリエステル系繊維への吸尽効率を考慮し、本発
明のリン系難燃剤とタンパク質のリン元素がポリエステ
ル系繊維に対して0.2重量%以上吸尽されるように投
入量を調整する。その他通常の染色に使用される染料、
pH調整剤、均染剤などを適宜添加する。この際、本発
明のリン系難燃剤とタンパク質の吸尽効率の観点と、1
回の処理で処理する繊維構造物の量を十分大きくするた
め、繊維構造物に対する処理剤重量の比は5〜50倍と
することが望ましい。浴中処理における処理温度は10
0℃以上が好ましい。100℃未満の場合ではポリエス
テル系繊維に十分に含有せしめることができなく、難燃
性が得られない問題がある。
物をリン系難燃剤とタンパク質で処理する方法として
は、浴中処理法、パッド−ドライ、パッド−スチーム法
等を用いることができる。浴中処理法とは、微分散させ
たリン系難燃剤とタンパク質の分散液中で、100℃以
上の温度でポリエステル系繊維に吸着処理する方法であ
る。通常の繊維加工で用いられる染色機などの加工装置
を用いて、常温から40℃以上140℃以下の温度に昇
温した後、10〜90分程度保持するなどすればよい。
また、染色液中に本発明のリン系難燃剤とタンパク質を
投入して染色と難燃加工を同時に行うことができる。こ
の場合ポリエステル系繊維への吸尽効率を考慮し、本発
明のリン系難燃剤とタンパク質のリン元素がポリエステ
ル系繊維に対して0.2重量%以上吸尽されるように投
入量を調整する。その他通常の染色に使用される染料、
pH調整剤、均染剤などを適宜添加する。この際、本発
明のリン系難燃剤とタンパク質の吸尽効率の観点と、1
回の処理で処理する繊維構造物の量を十分大きくするた
め、繊維構造物に対する処理剤重量の比は5〜50倍と
することが望ましい。浴中処理における処理温度は10
0℃以上が好ましい。100℃未満の場合ではポリエス
テル系繊維に十分に含有せしめることができなく、難燃
性が得られない問題がある。
【0035】また浴中処理法において、ポリエステル系
繊維構造物へのリン系難燃剤とタンパク質の含有率を十
分とするため、繊維構造物に対する処理剤中に含まれる
リン系難燃剤とタンパク質の量は溶液全体量に対してそ
れぞれ5〜50%、より好ましくは10〜30%とする
ことが望ましい。
繊維構造物へのリン系難燃剤とタンパク質の含有率を十
分とするため、繊維構造物に対する処理剤中に含まれる
リン系難燃剤とタンパク質の量は溶液全体量に対してそ
れぞれ5〜50%、より好ましくは10〜30%とする
ことが望ましい。
【0036】また、パッド−ドライ法とは、本発明で用
いられるリン系難燃剤とタンパク質の分散液にポリエス
テル系繊維構造物を浸漬/マングルで脱液した後、10
0℃以上で乾燥し、その後、130℃以上で吸尽処理す
る方法を用いることができる。本発明で用いられるリン
系難燃剤とタンパク質の均一付与観点から、浸漬/マン
グルで脱液した後、100〜120℃の温度で乾燥し、
その後、130〜180℃の温度で10〜180秒間の
熱処理を行うことが好ましい。
いられるリン系難燃剤とタンパク質の分散液にポリエス
テル系繊維構造物を浸漬/マングルで脱液した後、10
0℃以上で乾燥し、その後、130℃以上で吸尽処理す
る方法を用いることができる。本発明で用いられるリン
系難燃剤とタンパク質の均一付与観点から、浸漬/マン
グルで脱液した後、100〜120℃の温度で乾燥し、
その後、130〜180℃の温度で10〜180秒間の
熱処理を行うことが好ましい。
【0037】また、このパッド−ドライ法において、ポ
リエステル系繊維構造物へのリン系難燃剤とタンパク質
の含有率を十分とするため、ポリエステル系繊維構造物
に対する処理剤中に含まれるリン系難燃剤とタンパク質
の量は溶液全体量に対して、それぞれ5〜50%、より
好ましくは10〜40%とすることが望ましい。
リエステル系繊維構造物へのリン系難燃剤とタンパク質
の含有率を十分とするため、ポリエステル系繊維構造物
に対する処理剤中に含まれるリン系難燃剤とタンパク質
の量は溶液全体量に対して、それぞれ5〜50%、より
好ましくは10〜40%とすることが望ましい。
【0038】パッド−スチーム法とは、本発明で用いら
れるリン系難燃剤とタンパク質の分散液にポリエステル
系繊維構造物を浸漬/マングルで脱液した後、100℃
以上でスチーム処理する方法を用いることができる。本
発明で用いられるリン系難燃剤とタンパク質の均一付与
観点から、浸漬/マングルで脱液した後、100〜16
0℃の温度で10〜180秒間の熱処理を行うことが好
ましい。
れるリン系難燃剤とタンパク質の分散液にポリエステル
系繊維構造物を浸漬/マングルで脱液した後、100℃
以上でスチーム処理する方法を用いることができる。本
発明で用いられるリン系難燃剤とタンパク質の均一付与
観点から、浸漬/マングルで脱液した後、100〜16
0℃の温度で10〜180秒間の熱処理を行うことが好
ましい。
【0039】また、このパッド−スチーム法において、
ポリエステル系繊維構造物へのリン系難燃剤とタンパク
質の含有率を十分とするため、ポリエステル系繊維構造
物に対する処理剤中に含まれるリン系難燃剤とタンパク
質の量は溶液全体量に対してそれぞれ5〜50%、より
好ましくは10〜40%とすることが望ましい。
ポリエステル系繊維構造物へのリン系難燃剤とタンパク
質の含有率を十分とするため、ポリエステル系繊維構造
物に対する処理剤中に含まれるリン系難燃剤とタンパク
質の量は溶液全体量に対してそれぞれ5〜50%、より
好ましくは10〜40%とすることが望ましい。
【0040】また、ポリエステル系繊維構造物に効率的
に吸尽させる方法として、ジクロロメタンやN,N’−
ジメチルホルムアミドなどのキャリヤーの併用や超臨界
炭酸ガスを溶媒として処理してもよい。
に吸尽させる方法として、ジクロロメタンやN,N’−
ジメチルホルムアミドなどのキャリヤーの併用や超臨界
炭酸ガスを溶媒として処理してもよい。
【0041】本発明では、難燃性に加えて、必要とされ
る他の機能を実現するための加工剤を併用してもよい。
例えば、撥水剤、深色加工剤、耐光剤、帯電防止剤、防
汚加工剤、抗菌剤などを本発明のリン系難燃剤とタンパ
ク質と併用することができる。この方法を用いると繊維
構造物の処理プロセスをより短縮できるため、生産効率
向上やエネルギー消費削減の面で非常に有利になる。
る他の機能を実現するための加工剤を併用してもよい。
例えば、撥水剤、深色加工剤、耐光剤、帯電防止剤、防
汚加工剤、抗菌剤などを本発明のリン系難燃剤とタンパ
ク質と併用することができる。この方法を用いると繊維
構造物の処理プロセスをより短縮できるため、生産効率
向上やエネルギー消費削減の面で非常に有利になる。
【0042】本発明のポリエステル系繊維構造物は、カ
ーテン、布張り家具、シーツ等に好適に用いられる。
ーテン、布張り家具、シーツ等に好適に用いられる。
【0043】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明する。実施例および比較例における各測定値の測
定は、以下の方法で行った。
に説明する。実施例および比較例における各測定値の測
定は、以下の方法で行った。
【0044】<含有率>リン系難燃剤とタンパク質の含
有率は、処理前と処理後の繊維構造物試料の絶乾重量を
測定し、次式により算出した。 含有率(%)=100×(W1−W0)/W0 W0:処理前のサンプルの絶乾重量(g) W1:処理後のサンプルの絶乾重量(g) <含有したリン系難燃剤とタンパク質の割合>試料を溶
媒に溶かし、高速液体クロマトグラフィーによって予め
作成した検量線を使用し、各化合物の存在量を測定し
た。その後、全体の含有率から各化合物の含有割合を算
出した。
有率は、処理前と処理後の繊維構造物試料の絶乾重量を
測定し、次式により算出した。 含有率(%)=100×(W1−W0)/W0 W0:処理前のサンプルの絶乾重量(g) W1:処理後のサンプルの絶乾重量(g) <含有したリン系難燃剤とタンパク質の割合>試料を溶
媒に溶かし、高速液体クロマトグラフィーによって予め
作成した検量線を使用し、各化合物の存在量を測定し
た。その後、全体の含有率から各化合物の含有割合を算
出した。
【0045】<燃焼試験>実施例においてリン系難燃剤
とタンパク質を含有した繊維構造物の燃焼性を限界酸素
指数とJISL−1091 A−1法で測定した。
とタンパク質を含有した繊維構造物の燃焼性を限界酸素
指数とJISL−1091 A−1法で測定した。
【0046】[実施例1]リン系難燃剤としてレゾルシ
ノールビスジフェニルフォスフェート、タンパク質とし
てN−[2ヒドロキシ−3−[3−(ジヒドロキシメチ
ルシリル)プロポキシ]プロピル]加水分解ケラチン
(平均分子量:1000)を配合して繊維用処理剤を作
製した。リン系難燃剤の濃度は1g/l、タンパク質の
濃度は1g/lとした。
ノールビスジフェニルフォスフェート、タンパク質とし
てN−[2ヒドロキシ−3−[3−(ジヒドロキシメチ
ルシリル)プロポキシ]プロピル]加水分解ケラチン
(平均分子量:1000)を配合して繊維用処理剤を作
製した。リン系難燃剤の濃度は1g/l、タンパク質の
濃度は1g/lとした。
【0047】上記水溶液1000gに、試料としてポリ
エチレンテレフタレート繊維からなるタフタ布帛片(1
80℃中間セット後布帛、糸使い:経糸、緯糸とも総繊
度83デシテックス(75デニール)−36マルチフィ
ラメント、織密度:経98×緯84本/inch、目付:7
0g/m2)10gを浸漬し、130℃で60分間処理
した。この処理による上記リン系難燃剤とタンパク質の
試料への含有率は、試料を溶媒に溶かし、それぞれの化
合物の検量線から測定した。その結果、リン系難燃剤
3.0%owf、タンパク質4.0%owf、合計7.
0%owfであった。処理後の試料の燃焼性は、限界酸
素指数27、炭化面積が40cm2、残炎時間が2.5
秒、残じん時間が4秒、炭化距離が18cmで非常に良
好であった。以上により、この方法により、難溶融型の
難燃性であり、しかも風合い硬化の小さいポリエステル
繊維布帛が得られた。
エチレンテレフタレート繊維からなるタフタ布帛片(1
80℃中間セット後布帛、糸使い:経糸、緯糸とも総繊
度83デシテックス(75デニール)−36マルチフィ
ラメント、織密度:経98×緯84本/inch、目付:7
0g/m2)10gを浸漬し、130℃で60分間処理
した。この処理による上記リン系難燃剤とタンパク質の
試料への含有率は、試料を溶媒に溶かし、それぞれの化
合物の検量線から測定した。その結果、リン系難燃剤
3.0%owf、タンパク質4.0%owf、合計7.
0%owfであった。処理後の試料の燃焼性は、限界酸
素指数27、炭化面積が40cm2、残炎時間が2.5
秒、残じん時間が4秒、炭化距離が18cmで非常に良
好であった。以上により、この方法により、難溶融型の
難燃性であり、しかも風合い硬化の小さいポリエステル
繊維布帛が得られた。
【0048】[実施例2]実施例1と同じ繊維用処理剤
を、通常繊維加工で用いられるパッド−ドライ法にて実
施例1と同じ試料に付与した。具体的には、リン系難燃
剤を10%、N−[2ヒドロキシ−3−[3−(ジヒド
ロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]加水分解
ケラチンを10%の濃度で含有する水溶液を作成し、実
施例1と同じポリエステルタフタ布帛に付与した。ピッ
クアップ90%で絞り、ピンテンターで120℃×2分
間乾燥し、150℃×30秒間熱処理してポリエステル
系繊維タフタ布帛片を得た。この処理による上記リン系
難燃剤とタンパク質の試料への含有率は、試料を溶媒に
溶かし、それぞれの化合物の検量線から測定した。その
結果、リン系難燃剤3.4%owf、タンパク質4.0
%owf、合計7.4%owfであった。処理後の試料
の燃焼性は、限界酸素指数26、炭化面積が40c
m2、残炎時間が2.5秒、残じん時間が4秒、炭化距
離が15cmで非常に良好であった。以上により、この
方法により、難溶融型の難燃性であり、しかも風合い硬
化の小さいポリエステル布帛が得られた。
を、通常繊維加工で用いられるパッド−ドライ法にて実
施例1と同じ試料に付与した。具体的には、リン系難燃
剤を10%、N−[2ヒドロキシ−3−[3−(ジヒド
ロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]加水分解
ケラチンを10%の濃度で含有する水溶液を作成し、実
施例1と同じポリエステルタフタ布帛に付与した。ピッ
クアップ90%で絞り、ピンテンターで120℃×2分
間乾燥し、150℃×30秒間熱処理してポリエステル
系繊維タフタ布帛片を得た。この処理による上記リン系
難燃剤とタンパク質の試料への含有率は、試料を溶媒に
溶かし、それぞれの化合物の検量線から測定した。その
結果、リン系難燃剤3.4%owf、タンパク質4.0
%owf、合計7.4%owfであった。処理後の試料
の燃焼性は、限界酸素指数26、炭化面積が40c
m2、残炎時間が2.5秒、残じん時間が4秒、炭化距
離が15cmで非常に良好であった。以上により、この
方法により、難溶融型の難燃性であり、しかも風合い硬
化の小さいポリエステル布帛が得られた。
【0049】[比較例1]リン系難燃剤を配合しないこ
とを除いては実施例1と同様に行った。結果、タンパク
質の含有率は3.0%owfであった。処理後の試料の
燃焼性は、限界酸素指数19、炭化面積が55cm2、
残炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が30c
mで不良であった。以上により、難燃性の高いポリエス
テル繊維布帛は得られなかった。
とを除いては実施例1と同様に行った。結果、タンパク
質の含有率は3.0%owfであった。処理後の試料の
燃焼性は、限界酸素指数19、炭化面積が55cm2、
残炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が30c
mで不良であった。以上により、難燃性の高いポリエス
テル繊維布帛は得られなかった。
【0050】[比較例2]タンパク質を配合しないこと
を除いては実施例1と同様に行った。結果、リン系難燃
剤の含有率は4.0%owfであった。処理後の試料の
燃焼性は、限界酸素指数19、炭化面積が50cm2、
残炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が30c
mで不良であった。以上により、難溶融型で難燃性の高
いポリエステル繊維布帛は得られなかった。
を除いては実施例1と同様に行った。結果、リン系難燃
剤の含有率は4.0%owfであった。処理後の試料の
燃焼性は、限界酸素指数19、炭化面積が50cm2、
残炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が30c
mで不良であった。以上により、難溶融型で難燃性の高
いポリエステル繊維布帛は得られなかった。
【0051】[比較例3]リン系難燃剤を配合しないこ
とを除いては実施例2と同様に行った。結果、タンパク
質の含有率は3.0%owfであった。処理後の試料の
燃焼性は、限界酸素指数19、炭化面積が55cm2、
残炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が30c
mで不良であった。以上により、難燃性の高いポリエス
テル繊維布帛は得られなかった。
とを除いては実施例2と同様に行った。結果、タンパク
質の含有率は3.0%owfであった。処理後の試料の
燃焼性は、限界酸素指数19、炭化面積が55cm2、
残炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が30c
mで不良であった。以上により、難燃性の高いポリエス
テル繊維布帛は得られなかった。
【0052】[比較例4]タンパク質を配合しないこと
を除いては実施例2と同様に行った。結果、リン系難燃
剤の含有率は4.0%owfであった。 処理後の試料
の燃焼性は、限界酸素指数18、炭化面積が50c
m2、残炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が
30cmで不良であった。以上により、難燃性の高いポ
リエステル繊維布帛は得られなかった。
を除いては実施例2と同様に行った。結果、リン系難燃
剤の含有率は4.0%owfであった。 処理後の試料
の燃焼性は、限界酸素指数18、炭化面積が50c
m2、残炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が
30cmで不良であった。以上により、難燃性の高いポ
リエステル繊維布帛は得られなかった。
【0053】[実施例3]リン系難燃剤としてレゾルシ
ノールビスジフェニルフォスフェート、タンパク質とし
てN−[2ヒドロキシ−3−[3−(ジヒドロキシメチ
ルシリル)プロポキシ]プロピル]加水分解コラーゲン
(平均分子量:2000)を配合することを除いては実
施例1と同様に行った。この処理による上記リン系難燃
剤とタンパク質の試料への含有率は、試料を溶媒に溶か
し、それぞれの化合物の検量線から測定した。その結
果、リン系難燃剤3%owf、タンパク質4.5%ow
f、合計7.5%owfであった。処理後の試料の燃焼
性は、限界酸素指数26、炭化面積が38cm2、残炎
時間が2.8秒、残じん時間が3.7秒、炭化距離が1
8cmで非常に良好であった。以上により、この方法に
より、難溶融型の難燃性であり、しかも風合い硬化の小
さいポリエステル繊維布帛が得られた。
ノールビスジフェニルフォスフェート、タンパク質とし
てN−[2ヒドロキシ−3−[3−(ジヒドロキシメチ
ルシリル)プロポキシ]プロピル]加水分解コラーゲン
(平均分子量:2000)を配合することを除いては実
施例1と同様に行った。この処理による上記リン系難燃
剤とタンパク質の試料への含有率は、試料を溶媒に溶か
し、それぞれの化合物の検量線から測定した。その結
果、リン系難燃剤3%owf、タンパク質4.5%ow
f、合計7.5%owfであった。処理後の試料の燃焼
性は、限界酸素指数26、炭化面積が38cm2、残炎
時間が2.8秒、残じん時間が3.7秒、炭化距離が1
8cmで非常に良好であった。以上により、この方法に
より、難溶融型の難燃性であり、しかも風合い硬化の小
さいポリエステル繊維布帛が得られた。
【0054】[実施例4]実施例3と同じ繊維用処理剤
を通常繊維加工で用いられるパッド−ドライ法にて試料
に付与した。具体的には、リン系難燃剤を10%、タン
パク質としてN−[2ヒドロキシ−3−[3−(ジヒド
ロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]加水分解
コラーゲンを10%の濃度で含有する水溶液を作成し、
実施例1と同じポリエステルタフタ布帛に付与した。ピ
ックアップ90%で絞り、ピンテンターで120℃×2
分間乾燥し、150℃×30秒間熱処理してポリエステ
ル繊維構造物を得た。この処理による上記リン系難燃剤
とタンパク質の試料への含有率は、試料を溶媒に溶か
し、それぞれの化合物の検量線から測定した。その結
果、リン系難燃剤3.8%owf、タンパク質4%ow
f、合計7.8%owfであった。処理後の試料の燃焼
性は、限界酸素指数28、炭化面積が35cm2、残炎
時間が2.5秒、残じん時間が4秒、炭化距離が17c
mで非常に良好であった。以上により、この方法によ
り、難溶融型の難燃性であり、しかも風合い硬化の小さ
いポリエステル布帛が得られた。
を通常繊維加工で用いられるパッド−ドライ法にて試料
に付与した。具体的には、リン系難燃剤を10%、タン
パク質としてN−[2ヒドロキシ−3−[3−(ジヒド
ロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]加水分解
コラーゲンを10%の濃度で含有する水溶液を作成し、
実施例1と同じポリエステルタフタ布帛に付与した。ピ
ックアップ90%で絞り、ピンテンターで120℃×2
分間乾燥し、150℃×30秒間熱処理してポリエステ
ル繊維構造物を得た。この処理による上記リン系難燃剤
とタンパク質の試料への含有率は、試料を溶媒に溶か
し、それぞれの化合物の検量線から測定した。その結
果、リン系難燃剤3.8%owf、タンパク質4%ow
f、合計7.8%owfであった。処理後の試料の燃焼
性は、限界酸素指数28、炭化面積が35cm2、残炎
時間が2.5秒、残じん時間が4秒、炭化距離が17c
mで非常に良好であった。以上により、この方法によ
り、難溶融型の難燃性であり、しかも風合い硬化の小さ
いポリエステル布帛が得られた。
【0055】[比較例5]リン系難燃剤を配合しないこ
とを除いては実施例3と同様に行った。結果、タンパク
質の含有率は3.0%owfであった。処理後の試料の
燃焼性は、限界酸素指数18、炭化面積が65cm2、
残炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が30c
mで不良であった。以上により、難燃性の高いポリエス
テル繊維布帛は得られなかった。
とを除いては実施例3と同様に行った。結果、タンパク
質の含有率は3.0%owfであった。処理後の試料の
燃焼性は、限界酸素指数18、炭化面積が65cm2、
残炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が30c
mで不良であった。以上により、難燃性の高いポリエス
テル繊維布帛は得られなかった。
【0056】[比較例6]タンパク質を配合しないこと
を除いては実施例3と同様に行った。結果、リン系難燃
剤の含有率は4.0%owfであった。処理後の試料の
燃焼性は、限界酸素指数18、炭化面積が50cm2、
残炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が30c
mで不良であった。以上により、難燃性の高いポリエス
テル布帛は得られなかった。
を除いては実施例3と同様に行った。結果、リン系難燃
剤の含有率は4.0%owfであった。処理後の試料の
燃焼性は、限界酸素指数18、炭化面積が50cm2、
残炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が30c
mで不良であった。以上により、難燃性の高いポリエス
テル布帛は得られなかった。
【0057】[比較例7]リン系難燃剤を配合しないこ
とを除いては実施例4と同様に行った。
とを除いては実施例4と同様に行った。
【0058】結果、含有率は3.0%owfであった。
【0059】処理後の試料の燃焼性は限界酸素指数1
8、炭化面積が62cm2、残炎時間が7秒、残じん時
間が6秒、炭化距離が30cmで不良であった。以上に
より、難燃性の高いポリエステル布帛は得られなかっ
た。
8、炭化面積が62cm2、残炎時間が7秒、残じん時
間が6秒、炭化距離が30cmで不良であった。以上に
より、難燃性の高いポリエステル布帛は得られなかっ
た。
【0060】[比較例8]タンパク質を配合しないこと
を除いては実施例4と同様に行った。結果、タンパク質
の含有率は3.0%owfであった。処理後の試料の燃
焼性は、限界酸素指数18、炭化面積が60cm2、残
炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が30cm
で不良であった。以上により、難燃性の高いポリエステ
ル繊維布帛は得られなかった。
を除いては実施例4と同様に行った。結果、タンパク質
の含有率は3.0%owfであった。処理後の試料の燃
焼性は、限界酸素指数18、炭化面積が60cm2、残
炎時間が7秒、残じん時間が6秒、炭化距離が30cm
で不良であった。以上により、難燃性の高いポリエステ
ル繊維布帛は得られなかった。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、リン系難燃剤とタンパ
ク質を、繊維全重量に対して好適にはそれぞれ2重量%
以上含有することにより、溶融を抑制した優れた難燃効
果を有するポリエステル系繊維構造物を得ることができ
る。
ク質を、繊維全重量に対して好適にはそれぞれ2重量%
以上含有することにより、溶融を抑制した優れた難燃効
果を有するポリエステル系繊維構造物を得ることができ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 リン系難燃剤と加熱により架橋される官
能基を有するタンパク質が含有されてなることを特徴と
するポリエステル系繊維構造物。 - 【請求項2】 タンパク質が分子内に加熱により架橋さ
れる官能基として、ジアルキルヒドロキシシリル基、ジ
ヒドロキシアルキルシリル基およびトリヒドロキシシリ
ル基から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とす
る請求項1記載のポリエステル系繊維構造物。 - 【請求項3】 タンパク質の加熱により架橋される官能
基のアルキル部位が炭素数1以上20以下の鎖状炭化水
素で構成されていることを特徴とする請求項1または2
記載のポリエステル系繊維構造物。 - 【請求項4】 リン系難燃剤とタンパク質の含有率が、
繊維全重量に対してそれぞれ2.0重量%以上であるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエ
ステル系繊維構造物。 - 【請求項5】 リン系難燃剤と加熱により架橋される官
能基を有するタンパク質をポリエステル系繊維構造物に
付与し、乾熱処理または湿熱処理することを特徴とする
ポリエステル系繊維構造物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001215544A JP2003027373A (ja) | 2001-07-16 | 2001-07-16 | ポリエステル系繊維構造物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001215544A JP2003027373A (ja) | 2001-07-16 | 2001-07-16 | ポリエステル系繊維構造物およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003027373A true JP2003027373A (ja) | 2003-01-29 |
Family
ID=19050163
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001215544A Pending JP2003027373A (ja) | 2001-07-16 | 2001-07-16 | ポリエステル系繊維構造物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003027373A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007032277A1 (ja) | 2005-09-14 | 2007-03-22 | Daihachi Chemical Industry Co., Ltd. | リン化合物およびその用途ならびに難燃性ポリエステル繊維 |
WO2011142136A1 (ja) | 2010-05-14 | 2011-11-17 | 大八化学工業株式会社 | リン酸エステルの製造方法 |
CN109371745A (zh) * | 2018-10-24 | 2019-02-22 | 宝鸡嘉鑫滤材科技有限公司 | 一种阻燃湿法骨材无纺布的生产工艺 |
-
2001
- 2001-07-16 JP JP2001215544A patent/JP2003027373A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007032277A1 (ja) | 2005-09-14 | 2007-03-22 | Daihachi Chemical Industry Co., Ltd. | リン化合物およびその用途ならびに難燃性ポリエステル繊維 |
US8835541B2 (en) | 2005-09-14 | 2014-09-16 | Daihachi Chemical Industry Co., Ltd. | Phosphorus compounds, use thereof and flame retarding polyester fibers |
WO2011142136A1 (ja) | 2010-05-14 | 2011-11-17 | 大八化学工業株式会社 | リン酸エステルの製造方法 |
CN109371745A (zh) * | 2018-10-24 | 2019-02-22 | 宝鸡嘉鑫滤材科技有限公司 | 一种阻燃湿法骨材无纺布的生产工艺 |
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