JP2003026849A - ポリイミド多孔質膜 - Google Patents
ポリイミド多孔質膜Info
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- JP2003026849A JP2003026849A JP2001221268A JP2001221268A JP2003026849A JP 2003026849 A JP2003026849 A JP 2003026849A JP 2001221268 A JP2001221268 A JP 2001221268A JP 2001221268 A JP2001221268 A JP 2001221268A JP 2003026849 A JP2003026849 A JP 2003026849A
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- polyimide
- film
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 均一な空孔径かつ空孔間距離を有する多孔質
ポリイミドフィルムを提供する。 【解決手段】 両面に空孔を有し、各々の空孔が下記の
1)〜4)の条件: 1)両面における平均孔径の差が、平均孔径の平均値の
小さい方の値を基準として200%より小さい。 2)それぞれ面での、空孔径の変動係数が70%より小
さい。 3)それぞれ面での、空孔間距離の変動係数が50%よ
り小さい。 4)それぞれ面での、平均孔径が0.05〜5μmであ
る。 を満足するポリイミド多孔質膜に関する。
ポリイミドフィルムを提供する。 【解決手段】 両面に空孔を有し、各々の空孔が下記の
1)〜4)の条件: 1)両面における平均孔径の差が、平均孔径の平均値の
小さい方の値を基準として200%より小さい。 2)それぞれ面での、空孔径の変動係数が70%より小
さい。 3)それぞれ面での、空孔間距離の変動係数が50%よ
り小さい。 4)それぞれ面での、平均孔径が0.05〜5μmであ
る。 を満足するポリイミド多孔質膜に関する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空孔径および空孔
間距離が均一なポリイミド多孔質膜に関するものであ
る。
間距離が均一なポリイミド多孔質膜に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】多孔ポリイミド膜の製造方法としては、
T.Takeichi et.al.High Per
formance Polymers 11巻,1p
(1999)に、ポリイミド多孔膜は、ポリウレタン−
イミドを合成して、その後ウレタンセグメントを300
〜400℃で熱処理により分解して、ポリイミド多孔膜
を得ることが開示されている。
T.Takeichi et.al.High Per
formance Polymers 11巻,1p
(1999)に、ポリイミド多孔膜は、ポリウレタン−
イミドを合成して、その後ウレタンセグメントを300
〜400℃で熱処理により分解して、ポリイミド多孔膜
を得ることが開示されている。
【0003】また、Polymer36,1325,1995,及び Polymer
37,5229,1996には、分解しやすいα−メチルスチレンセ
グメントをポリイミドからなるブロック共重合体やグラ
フト共重合体とし、ポリイミド以外のセグメントを熱処
理することにより分解する多孔性ポリイミドを得る方法
が開示されている。
37,5229,1996には、分解しやすいα−メチルスチレンセ
グメントをポリイミドからなるブロック共重合体やグラ
フト共重合体とし、ポリイミド以外のセグメントを熱処
理することにより分解する多孔性ポリイミドを得る方法
が開示されている。
【0004】また、本発明者らは、特開平11−310
658号公報としてフィルム断面に、貫通孔を有し且つ
表面に緻密層の存在しない多孔質膜を発明した。この製
造方法は、ポリイミド前駆体溶液を基板上に流延し、溶
媒置換速度調整材を介して凝固溶媒に接触させることに
よって、上記貫通孔を有したポリイミド前駆体の多孔質
膜を析出させている。
658号公報としてフィルム断面に、貫通孔を有し且つ
表面に緻密層の存在しない多孔質膜を発明した。この製
造方法は、ポリイミド前駆体溶液を基板上に流延し、溶
媒置換速度調整材を介して凝固溶媒に接触させることに
よって、上記貫通孔を有したポリイミド前駆体の多孔質
膜を析出させている。
【0005】また、本発明者らによる特開2001−1
45826号公報には、ポリイミド前駆体に良溶媒と非
溶媒の混合液をド−プとして用いることを特徴とするポ
リイミド多孔質膜の製造方法が開示されている。
45826号公報には、ポリイミド前駆体に良溶媒と非
溶媒の混合液をド−プとして用いることを特徴とするポ
リイミド多孔質膜の製造方法が開示されている。
【0006】さらに、ポリイミド多孔質膜を、より簡単
で、溶媒置換速度調節材などを用いず、経済的にも安価
で製造可能なポリイミド膜を得ることを望まれている。
また品質的に、均質なポリイミド多孔質膜を製造する方
法が望まれている。しかし、均一なポリイミド多孔質膜
を得ることは困難であった。
で、溶媒置換速度調節材などを用いず、経済的にも安価
で製造可能なポリイミド膜を得ることを望まれている。
また品質的に、均質なポリイミド多孔質膜を製造する方
法が望まれている。しかし、均一なポリイミド多孔質膜
を得ることは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、均一
な空孔径かつ空孔間距離を有する多孔質ポリイミドフィ
ルムを提供することにある。
な空孔径かつ空孔間距離を有する多孔質ポリイミドフィ
ルムを提供することにある。
【0008】本発明は、ポリイミド前駆体の液膜を流延
し、固体膜を得る際、ポリイミド前駆体のド−プ溶液と
凝固浴の組成勾配をできるだけ緩慢にすることによっ
て、生成する空孔が品質的にはより均一な多孔膜が得ら
れるという知見に基づいて、発明を完成したものであ
る。
し、固体膜を得る際、ポリイミド前駆体のド−プ溶液と
凝固浴の組成勾配をできるだけ緩慢にすることによっ
て、生成する空孔が品質的にはより均一な多孔膜が得ら
れるという知見に基づいて、発明を完成したものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、両面に空孔を
有し、各々の空孔が下記の1)〜4)の条件: 1)両面における平均孔径の差が、平均孔径の平均値の
小さい方の値を基準として200%より小さい。 2)それぞれ面での、空孔径の変動係数が70%より小
さい。 3)それぞれ面での、空孔間距離の変動係数が50%よ
り小さい。 4)それぞれ面での、平均孔径が0.05〜5μmであ
る。 を満足するポリイミド多孔質膜に関する。
有し、各々の空孔が下記の1)〜4)の条件: 1)両面における平均孔径の差が、平均孔径の平均値の
小さい方の値を基準として200%より小さい。 2)それぞれ面での、空孔径の変動係数が70%より小
さい。 3)それぞれ面での、空孔間距離の変動係数が50%よ
り小さい。 4)それぞれ面での、平均孔径が0.05〜5μmであ
る。 を満足するポリイミド多孔質膜に関する。
【0010】本発明のポリイミド多孔質膜は、ポリイミ
ド前駆体ド−プ溶液を流延し、凝固液に浸漬してポリイ
ミド前駆体多孔質膜を製造するにおいて、下記のような
ド−プ溶液と凝固液を組成を条件を満足させるポリイミ
ド多孔質膜の製造法によって得ることができる。 (1)ポリイミド前駆体ド−プ溶液が、ポリイミド前駆
体が0.2〜30重量%とその溶媒と非溶媒を混合した
混合溶媒99.8〜70重量%である。 (2)ド−プ溶液の混合溶媒が100重量%のうち、溶
媒が50〜90重量%とその非溶媒が50〜10重量%
である。 (3)凝固液がポリイミド前駆体の非溶媒50〜90重
量%と溶媒50〜10重量%、合計100重量%であ
る。 (4)ただし、ド−プ溶液の溶媒の組成が、凝固液の溶
媒の組成よりも大きいこと。
ド前駆体ド−プ溶液を流延し、凝固液に浸漬してポリイ
ミド前駆体多孔質膜を製造するにおいて、下記のような
ド−プ溶液と凝固液を組成を条件を満足させるポリイミ
ド多孔質膜の製造法によって得ることができる。 (1)ポリイミド前駆体ド−プ溶液が、ポリイミド前駆
体が0.2〜30重量%とその溶媒と非溶媒を混合した
混合溶媒99.8〜70重量%である。 (2)ド−プ溶液の混合溶媒が100重量%のうち、溶
媒が50〜90重量%とその非溶媒が50〜10重量%
である。 (3)凝固液がポリイミド前駆体の非溶媒50〜90重
量%と溶媒50〜10重量%、合計100重量%であ
る。 (4)ただし、ド−プ溶液の溶媒の組成が、凝固液の溶
媒の組成よりも大きいこと。
【0011】前記のポリイミド多孔質膜の製造法におい
て、ポリイミド前駆体の溶媒が極性有機溶媒であり、非
溶媒が炭素数3〜5の脂肪族アルコ−ルであることが好
ましい。
て、ポリイミド前駆体の溶媒が極性有機溶媒であり、非
溶媒が炭素数3〜5の脂肪族アルコ−ルであることが好
ましい。
【0012】前記のポリイミド多孔質膜の製造法におい
て、ポリイミド前駆体多孔膜の厚みは、5〜100μm
であることが好ましい。
て、ポリイミド前駆体多孔膜の厚みは、5〜100μm
であることが好ましい。
【0013】前記のポリイミド多孔質膜の製造法におい
て、ポリイミド前駆体多孔質膜を、加熱または化学イミ
ド化によりポリイミド多孔質膜とすることが好ましい。
て、ポリイミド前駆体多孔質膜を、加熱または化学イミ
ド化によりポリイミド多孔質膜とすることが好ましい。
【0014】本発明のポリイミド多孔質膜は、空孔を両
面に有し、製造時の大気側面と基板側面と呼ぶことがあ
る。つまり、液膜を基板側面に流延する際、基板側面と
接する側の面を基板側面、基板面の反対側、つまり流延
した時、液膜が大気に接する面を大気側面と呼ぶ。この
両面の一方が固体、他方が凝固液に直接、接するという
環境条件の差によって、凝固液に浸漬されて、多孔膜が
形成されるとき、往々にしてこの両面の空孔径や空孔の
位置が一様でないことが多い。これらは電池セパレ−タ
や精密フィルタ−に用いるとき透液あるいは透気性能に
不具合を生じることがある。
面に有し、製造時の大気側面と基板側面と呼ぶことがあ
る。つまり、液膜を基板側面に流延する際、基板側面と
接する側の面を基板側面、基板面の反対側、つまり流延
した時、液膜が大気に接する面を大気側面と呼ぶ。この
両面の一方が固体、他方が凝固液に直接、接するという
環境条件の差によって、凝固液に浸漬されて、多孔膜が
形成されるとき、往々にしてこの両面の空孔径や空孔の
位置が一様でないことが多い。これらは電池セパレ−タ
や精密フィルタ−に用いるとき透液あるいは透気性能に
不具合を生じることがある。
【0015】本発明は、該両面に空孔径の差がなくなる
ことが均一な多孔質膜といえる。すなわち、1)大気側
面と基板側面について、それぞれ面での平均孔径の差
が、平均孔径の平均値の小さい値を基準として200%
より小さいものである。ここでは、平均孔径とは、大気
側面と基板側面それぞれの表面から見て、空孔の直径の
数平均値を指す。大気側面と基板側面のそれぞれの空孔
径の差が、空孔径の小さい方の面の値を基準にして、両
平均空孔値の差の割合が200%より小さいことであ
る。さらに好ましくは150%より小さいことである。
200%より大きいと、両面の空孔径が異なっていて、
電池用セパレ−タやフィルタ−などに用いた場合両側面
の空孔径の差が著しくて透液性能または透気性能が異な
るから不都合である。
ことが均一な多孔質膜といえる。すなわち、1)大気側
面と基板側面について、それぞれ面での平均孔径の差
が、平均孔径の平均値の小さい値を基準として200%
より小さいものである。ここでは、平均孔径とは、大気
側面と基板側面それぞれの表面から見て、空孔の直径の
数平均値を指す。大気側面と基板側面のそれぞれの空孔
径の差が、空孔径の小さい方の面の値を基準にして、両
平均空孔値の差の割合が200%より小さいことであ
る。さらに好ましくは150%より小さいことである。
200%より大きいと、両面の空孔径が異なっていて、
電池用セパレ−タやフィルタ−などに用いた場合両側面
の空孔径の差が著しくて透液性能または透気性能が異な
るから不都合である。
【0016】さらに、それぞれの面につき、空孔径が一
様なことが均一な多孔質膜である。すなわち、2)大気
側面と基板側面について、それぞれ面での、空孔径の変
動係数が70%より小さいことである。空孔径の分布の
変動係数(CV)とは、前項と同じようにして測定した
個々の空孔径値(Xi)から数平均値(Xn)に対す
る、その標準偏差(σ)の割合で表すものである(数
1)。空孔径の均一性の尺度とすることができる。さら
に好ましくは空孔径の変動係数が60%である。空孔径
の変動係数が70%より大きいと空孔径のバラツキが大
きくなるからフィルターなどに用いた場合、濾過性能に
均一性が劣るから好ましくない。
様なことが均一な多孔質膜である。すなわち、2)大気
側面と基板側面について、それぞれ面での、空孔径の変
動係数が70%より小さいことである。空孔径の分布の
変動係数(CV)とは、前項と同じようにして測定した
個々の空孔径値(Xi)から数平均値(Xn)に対す
る、その標準偏差(σ)の割合で表すものである(数
1)。空孔径の均一性の尺度とすることができる。さら
に好ましくは空孔径の変動係数が60%である。空孔径
の変動係数が70%より大きいと空孔径のバラツキが大
きくなるからフィルターなどに用いた場合、濾過性能に
均一性が劣るから好ましくない。
【0017】
CV(%)=(σ/Xn)×100 (数1)
【0018】さらに、本発明は、それぞれの面におい
て、空孔間の距離が一様なことが均一な多孔質膜でもあ
る。3)大気側面と基板側面それぞれについて、空孔の
重心間距離の変動係数が50%より小さいことである。
空孔重心間距離(li)とは、1つの空孔の重心に注目
し、その空孔から近接している空孔の重心までの距離で
ある。これは空孔の位置が均一である尺度とすることが
できる。空孔重心間距離の変動係数が50%より大きい
と空孔位置がばらついているからフィルタ−やセパレ−
タに用いる場合、圧力の不均一の部分が起こり、場合に
よっては、多孔膜がは破損することがあるから好ましく
ない。さらに好ましくは、空孔重心間距離の変動係数が
45%より小さいことである。この値は、前記の数1に
おいて、空孔径値を重心間距離値と置き換えることによ
って同様に求めることができる。
て、空孔間の距離が一様なことが均一な多孔質膜でもあ
る。3)大気側面と基板側面それぞれについて、空孔の
重心間距離の変動係数が50%より小さいことである。
空孔重心間距離(li)とは、1つの空孔の重心に注目
し、その空孔から近接している空孔の重心までの距離で
ある。これは空孔の位置が均一である尺度とすることが
できる。空孔重心間距離の変動係数が50%より大きい
と空孔位置がばらついているからフィルタ−やセパレ−
タに用いる場合、圧力の不均一の部分が起こり、場合に
よっては、多孔膜がは破損することがあるから好ましく
ない。さらに好ましくは、空孔重心間距離の変動係数が
45%より小さいことである。この値は、前記の数1に
おいて、空孔径値を重心間距離値と置き換えることによ
って同様に求めることができる。
【0019】さらに、本発明は、それぞれの面におい
て、微細な範囲の空孔径であることが重要である。すな
わち、3)大気側面と基板側面について、平均孔径が
0.05〜5μmである。さらに好ましくは、0.08
〜3μmである。平均孔径が0.3μより小さいと、例
えば、フィルターに用いられた場合濾過速度が劣る。ま
た5μmより大きいと捕集性能が劣るから上記の範囲が
好ましい。
て、微細な範囲の空孔径であることが重要である。すな
わち、3)大気側面と基板側面について、平均孔径が
0.05〜5μmである。さらに好ましくは、0.08
〜3μmである。平均孔径が0.3μより小さいと、例
えば、フィルターに用いられた場合濾過速度が劣る。ま
た5μmより大きいと捕集性能が劣るから上記の範囲が
好ましい。
【0020】前記ポリイミド多孔質膜の製造法を説明す
る。前記のポリイミド前駆体とは、テトラカルボン酸成
分とジアミン成分の好ましくは芳香族化合物に属するモ
ノマーを重合して得られたポリアミック酸或いはその部
分的にイミド化したものであり、熱処理や化学イミド化
することで閉環してポリイミド樹脂とすることができ
る。ポリイミド樹脂とは、後述のイミド化率が約50%
以上の耐熱性ポリマーである。
る。前記のポリイミド前駆体とは、テトラカルボン酸成
分とジアミン成分の好ましくは芳香族化合物に属するモ
ノマーを重合して得られたポリアミック酸或いはその部
分的にイミド化したものであり、熱処理や化学イミド化
することで閉環してポリイミド樹脂とすることができ
る。ポリイミド樹脂とは、後述のイミド化率が約50%
以上の耐熱性ポリマーである。
【0021】テトラカルボン酸成分とジアミン成分は、
上記の有機溶媒中に大略等モル溶解、重合して、対数粘
度(30℃、濃度;0.5g/100mL NMP)が
0.3以上、特に0.5〜7であるポリイミド前駆体が
製造される。また、重合を約80℃以上の温度で行った
場合に、部分的に閉環してイミド化したポリイミド前駆
体が製造される。
上記の有機溶媒中に大略等モル溶解、重合して、対数粘
度(30℃、濃度;0.5g/100mL NMP)が
0.3以上、特に0.5〜7であるポリイミド前駆体が
製造される。また、重合を約80℃以上の温度で行った
場合に、部分的に閉環してイミド化したポリイミド前駆
体が製造される。
【0022】ジアミンとしては、例えば、一般式(1)
又は(2) H2N―Ar(R1)―A―Ar(R1)−NH2 (1) または H2N―Ar(R2)―Ar(R2)−NH2 (2) (ただし、前記一般式において、R1またはR2は、水
素、低級アルキル、低級アルコキシなどの置換基であ
り、Aは、O、S、CO、SO2、SO、CH2、C
(CH3)2などの二価の基である)で示される芳香族
ジアミン化合物が好ましい。
又は(2) H2N―Ar(R1)―A―Ar(R1)−NH2 (1) または H2N―Ar(R2)―Ar(R2)−NH2 (2) (ただし、前記一般式において、R1またはR2は、水
素、低級アルキル、低級アルコキシなどの置換基であ
り、Aは、O、S、CO、SO2、SO、CH2、C
(CH3)2などの二価の基である)で示される芳香族
ジアミン化合物が好ましい。
【0023】具体的な化合物としては、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル(以下、DADEと略記するこ
ともある)、1,4−フェニレンジアミン、(以下、P
PDAと略記することもある)、3,3’−ジメチル−
4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジ
エトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルなど
が挙げられる。
ミノジフェニルエーテル(以下、DADEと略記するこ
ともある)、1,4−フェニレンジアミン、(以下、P
PDAと略記することもある)、3,3’−ジメチル−
4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジ
エトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルなど
が挙げられる。
【0024】前記の一般式H2N−R−NH2で示され
るジアミン成分としては、一般式(3) H2N−(Py)−NH2 (3) で示されるジアミノピリジンであってもよく、具体的に
は、2,6−ジアミノピリジン、3,6−ジアミノピリ
ジン、2,5−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピ
リジンなどが挙げられる。
るジアミン成分としては、一般式(3) H2N−(Py)−NH2 (3) で示されるジアミノピリジンであってもよく、具体的に
は、2,6−ジアミノピリジン、3,6−ジアミノピリ
ジン、2,5−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピ
リジンなどが挙げられる。
【0025】ビフェニルテトラカルボン酸成分として
は、3,3’,4,4’− ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(以下、s−BPDAと略記することもあ
る)、2,3,3’,4’− ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもあ
る)が好ましいが、2,3,3’,4’− 又は3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、あるい
は2,3,3’,4’− 又は3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸の塩またはそれらのエステル
化誘導体であってもよい。ビフェニルテトラカルボン酸
成分は、上記の各ビフェニルテトラカルボン酸類の混合
物であってもよい。
は、3,3’,4,4’− ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(以下、s−BPDAと略記することもあ
る)、2,3,3’,4’− ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもあ
る)が好ましいが、2,3,3’,4’− 又は3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、あるい
は2,3,3’,4’− 又は3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸の塩またはそれらのエステル
化誘導体であってもよい。ビフェニルテトラカルボン酸
成分は、上記の各ビフェニルテトラカルボン酸類の混合
物であってもよい。
【0026】また、上記のビフェニルテトラカルボン酸
成分は、前述のビフェニルテトラカルボン酸類のほか
に、テトラカルボン酸として、ピロメリット酸、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエ−テル、ブタ
ンテトラカルボン酸、あるいはそれらの酸無水物、塩ま
たはエステル化誘導体などのテトラカルボン酸類を、全
テトラカルボン酸成分に対して10モル%以下、特に5
モル%以下の割合で含有してもよい。
成分は、前述のビフェニルテトラカルボン酸類のほか
に、テトラカルボン酸として、ピロメリット酸、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエ−テル、ブタ
ンテトラカルボン酸、あるいはそれらの酸無水物、塩ま
たはエステル化誘導体などのテトラカルボン酸類を、全
テトラカルボン酸成分に対して10モル%以下、特に5
モル%以下の割合で含有してもよい。
【0027】本発明のポリイミド前駆体の溶液として
は、極性有機溶媒であり、たとえば、N−メチルピロリ
ドン(NMP)、p−クロロフェノール(PCP)、ピ
リジン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、
N,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)、ジメチル
スルホキシド(DMSO)、テトラメチル尿素、フェノ
−ル、クレゾ−ルなどが挙げられる。そのうち、NM
P、DMAc、DMSOが特に好ましい。
は、極性有機溶媒であり、たとえば、N−メチルピロリ
ドン(NMP)、p−クロロフェノール(PCP)、ピ
リジン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、
N,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)、ジメチル
スルホキシド(DMSO)、テトラメチル尿素、フェノ
−ル、クレゾ−ルなどが挙げられる。そのうち、NM
P、DMAc、DMSOが特に好ましい。
【0028】また、本発明のポリイミド前駆体の非溶媒
としては、脂肪族アルコ−ル、ケトン、エ−テル、エス
テル、水等が挙げられるが、特に脂肪族アルコ−ルが好
ましい。さらに特に好ましくは、炭素数3〜8の脂肪族
アルコールである。これらはポリイミド前駆体の極性有
機溶媒と相溶性が優れているから好ましい。具体的に
は、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ル、1−ブタノ
−ル、2−ブタノ−ル、2−メチル−1−プロパノ−
ル、tert―ブタノ−ルなどが好ましい。炭素数2以
下のアルコ−ル、例えばメタノ−ル、エタノ−ルの非溶
媒を用いると、ポリイミド前駆体溶液は直ちにポリマ−
を析出してしまい、均一な膜はできないことがあるから
不都合である。
としては、脂肪族アルコ−ル、ケトン、エ−テル、エス
テル、水等が挙げられるが、特に脂肪族アルコ−ルが好
ましい。さらに特に好ましくは、炭素数3〜8の脂肪族
アルコールである。これらはポリイミド前駆体の極性有
機溶媒と相溶性が優れているから好ましい。具体的に
は、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ル、1−ブタノ
−ル、2−ブタノ−ル、2−メチル−1−プロパノ−
ル、tert―ブタノ−ルなどが好ましい。炭素数2以
下のアルコ−ル、例えばメタノ−ル、エタノ−ルの非溶
媒を用いると、ポリイミド前駆体溶液は直ちにポリマ−
を析出してしまい、均一な膜はできないことがあるから
不都合である。
【0029】本発明は、ポリイミド前駆体ドープ溶液を
流延し、凝固液に浸漬してポリイミド前駆体多孔質膜を
製造するにおいて、下記のようなド−プ溶液と凝固液を
組成を条件を満足することを特徴とするポリイミド多孔
質膜の製造方法が好ましい。
流延し、凝固液に浸漬してポリイミド前駆体多孔質膜を
製造するにおいて、下記のようなド−プ溶液と凝固液を
組成を条件を満足することを特徴とするポリイミド多孔
質膜の製造方法が好ましい。
【0030】本発明のポリイミド前駆体ド−プ溶液が、
ポリイミド前駆体が0.2〜30重量%とその溶媒と非
溶媒を混合した混合溶媒99.8〜70重量%であるこ
とが好ましい。さらに好ましくは1〜20重量%であ
る。ポリイミド前駆体の濃度が0.2重量%より小さく
なると、膜強度が低下するので好ましくない。30重量
%より大きくなると均一なポリマ−溶液になりにくいの
で適当ではない。
ポリイミド前駆体が0.2〜30重量%とその溶媒と非
溶媒を混合した混合溶媒99.8〜70重量%であるこ
とが好ましい。さらに好ましくは1〜20重量%であ
る。ポリイミド前駆体の濃度が0.2重量%より小さく
なると、膜強度が低下するので好ましくない。30重量
%より大きくなると均一なポリマ−溶液になりにくいの
で適当ではない。
【0031】本発明のド−プ溶液は、ポリイミド前駆体
の溶媒と非溶媒からなる混合溶媒からなるものであっ
て、混合溶媒が100重量%のうち、溶媒が50〜70
重量%とその非溶媒が50〜30重量%である。好まし
くは溶媒が50〜65重量%である。混合溶媒のうち溶
媒が50重量%より少なくなると、ポリイミド前駆体が
析出傾向となるし、溶媒が70重量%より多くなると均
一な多孔膜ができにくい。
の溶媒と非溶媒からなる混合溶媒からなるものであっ
て、混合溶媒が100重量%のうち、溶媒が50〜70
重量%とその非溶媒が50〜30重量%である。好まし
くは溶媒が50〜65重量%である。混合溶媒のうち溶
媒が50重量%より少なくなると、ポリイミド前駆体が
析出傾向となるし、溶媒が70重量%より多くなると均
一な多孔膜ができにくい。
【0032】溶媒に溶解したポリイミド前駆体に、ポリ
イミド前駆体の非溶媒を加えて、ポリイミド前駆体が析
出しないで、溶液状態を保っている組成とする。溶液は
肉眼で透明または半透明になることを判別の基準とする
ものである。ド−プの組成は、溶媒と非溶媒の割合は、
上記のような組成で、長時間保存安定な溶液となる。
イミド前駆体の非溶媒を加えて、ポリイミド前駆体が析
出しないで、溶液状態を保っている組成とする。溶液は
肉眼で透明または半透明になることを判別の基準とする
ものである。ド−プの組成は、溶媒と非溶媒の割合は、
上記のような組成で、長時間保存安定な溶液となる。
【0033】ポリイミド前駆体溶液を流延して流延膜を
得る方法としては特に制限はないが、該ポリイミド前駆
体溶液を基材となるガラス板、金属板などの基板上ある
いは可動式のベルト上にスプレ−法あるいはドクタ−ブ
レ−ド法により流延する方法、該ポリイミド前駆体溶液
をT型ダイスから押し出す方法などの手法を用いること
ができる。あるいは塗布、スピンキャスト法でもよい。
得る方法としては特に制限はないが、該ポリイミド前駆
体溶液を基材となるガラス板、金属板などの基板上ある
いは可動式のベルト上にスプレ−法あるいはドクタ−ブ
レ−ド法により流延する方法、該ポリイミド前駆体溶液
をT型ダイスから押し出す方法などの手法を用いること
ができる。あるいは塗布、スピンキャスト法でもよい。
【0034】また前記流延用のド−プ溶液には、界面活
性剤、難燃剤、着色剤、あるいはガラス繊維、ケイ素繊
維、炭素繊維などの補強材が含まれてもよい。これらの
添加剤および補強材は上記ポリイミド前駆体重合溶液に
添加してもよく、あるいは流延用のド−プ溶液に添加し
てもよい。
性剤、難燃剤、着色剤、あるいはガラス繊維、ケイ素繊
維、炭素繊維などの補強材が含まれてもよい。これらの
添加剤および補強材は上記ポリイミド前駆体重合溶液に
添加してもよく、あるいは流延用のド−プ溶液に添加し
てもよい。
【0035】その後、ド−プ溶液を凝固液に浸漬する。
本発明の凝固液がポリイミド前駆体の非溶媒50〜90
重量%と溶媒50〜10重量%、合計100重量%であ
ることが好ましい。さらに好ましくは非溶媒が55〜9
0重量%、溶媒が45〜10重量%である。非溶媒が5
0重量%より少ないと、固体膜が生成するのに長時間を
有する。また、寸法安定性の低い膜しかできない。非溶
媒の割合が70重量%より大きいと、膜形成が急激すぎ
て、均一な多孔質膜の形成ができないから上記のような
組成が好ましい。上記の組成の凝固液は、ポリイミド前
駆体のド−プと組成が近いため、凝固反応は緩慢で、非
常に遅い速度で相分離がおこなわれるから、多孔質膜が
表面だけでなく、表面から深い部分にまで、ついには基
板の表面まで多孔質な膜が形成する。
本発明の凝固液がポリイミド前駆体の非溶媒50〜90
重量%と溶媒50〜10重量%、合計100重量%であ
ることが好ましい。さらに好ましくは非溶媒が55〜9
0重量%、溶媒が45〜10重量%である。非溶媒が5
0重量%より少ないと、固体膜が生成するのに長時間を
有する。また、寸法安定性の低い膜しかできない。非溶
媒の割合が70重量%より大きいと、膜形成が急激すぎ
て、均一な多孔質膜の形成ができないから上記のような
組成が好ましい。上記の組成の凝固液は、ポリイミド前
駆体のド−プと組成が近いため、凝固反応は緩慢で、非
常に遅い速度で相分離がおこなわれるから、多孔質膜が
表面だけでなく、表面から深い部分にまで、ついには基
板の表面まで多孔質な膜が形成する。
【0036】ただし、ド−プ溶液の溶媒の組成が、凝固
液の溶媒の組成よりも大きいこと。すなわちド−プ溶液
と凝固液の溶媒の組成が共に50重量%になると、この
組成では、それぞれの機能を果たさないことになる。凝
固液の溶媒の組成が、ド−プ溶液の溶媒の組成を越える
とポリイミド前駆体の液膜は、凝固液に浸漬しても固体
膜として析出しないことになる。ド−プ溶液と凝固液の
溶媒の組成の差が少なくても10重量%以上あるのが好
ましい。
液の溶媒の組成よりも大きいこと。すなわちド−プ溶液
と凝固液の溶媒の組成が共に50重量%になると、この
組成では、それぞれの機能を果たさないことになる。凝
固液の溶媒の組成が、ド−プ溶液の溶媒の組成を越える
とポリイミド前駆体の液膜は、凝固液に浸漬しても固体
膜として析出しないことになる。ド−プ溶液と凝固液の
溶媒の組成の差が少なくても10重量%以上あるのが好
ましい。
【0037】得られたポリイミド前駆体多孔質膜は、構
造を固定する目的で、非溶媒で洗浄する。膜に付着ある
いは膨潤している部分をポリイミド前駆体の非溶媒で洗
浄し、形成された構造を固定する。用いる非溶媒は、凝
固液成分と同種の脂肪族アルコ−ル、炭素数3以下の脂
肪族アルコ−ル、脂肪族ケトンまたは水などが挙げられ
る。
造を固定する目的で、非溶媒で洗浄する。膜に付着ある
いは膨潤している部分をポリイミド前駆体の非溶媒で洗
浄し、形成された構造を固定する。用いる非溶媒は、凝
固液成分と同種の脂肪族アルコ−ル、炭素数3以下の脂
肪族アルコ−ル、脂肪族ケトンまたは水などが挙げられ
る。
【0038】本発明のポリイミド前駆体多孔膜の厚み
は、5〜100μmである。好ましくは、5〜90μm
である。厚み5μmより薄いと、機械的強度が劣るか
ら、後の工程で取り扱いが困難になる。厚みが100μ
mより厚いと、溶媒と非溶媒の浸透が十分では十分では
ないうちに固体膜となってしまうから、孔は小さくなっ
たり、孔は開かなかったりして、均一な孔径とならない
ことがある。
は、5〜100μmである。好ましくは、5〜90μm
である。厚み5μmより薄いと、機械的強度が劣るか
ら、後の工程で取り扱いが困難になる。厚みが100μ
mより厚いと、溶媒と非溶媒の浸透が十分では十分では
ないうちに固体膜となってしまうから、孔は小さくなっ
たり、孔は開かなかったりして、均一な孔径とならない
ことがある。
【0039】洗浄されたポリイミド前駆体膜は、ピンテ
ンタ−などに張り付ける。ポリイミド前駆体膜は、昇温
されると、熱収縮により破断しないように、貼り具合を
調節する。直ちに乾燥、イミド化を行う。温度50〜1
00℃で熱風乾燥機、熱風炉などで連続又は非連続で乾
燥し、その後さらに昇温して、熱イミド化を行うことが
できる。また化学イミド化でもいい。熱イミド化は脂肪
酸無水物、芳香族酸無水物を脱水剤として用い、トリエ
チルアミンなどの第三級アミンを触媒としてイミド化す
ることによる。特開平4−339835号公報のよう
に、イミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ルもしくはそれら
の置換誘導体を用いてもよい。熱イミド化を例にとって
説明する。
ンタ−などに張り付ける。ポリイミド前駆体膜は、昇温
されると、熱収縮により破断しないように、貼り具合を
調節する。直ちに乾燥、イミド化を行う。温度50〜1
00℃で熱風乾燥機、熱風炉などで連続又は非連続で乾
燥し、その後さらに昇温して、熱イミド化を行うことが
できる。また化学イミド化でもいい。熱イミド化は脂肪
酸無水物、芳香族酸無水物を脱水剤として用い、トリエ
チルアミンなどの第三級アミンを触媒としてイミド化す
ることによる。特開平4−339835号公報のよう
に、イミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ルもしくはそれら
の置換誘導体を用いてもよい。熱イミド化を例にとって
説明する。
【0040】乾燥されたポリイミド前駆体は、温度28
0〜500℃に昇温して熱イミド化を行う。昇温は、段
階的に昇温してもよいし、一段で所定の温度に昇温され
てもいい。大気中、好ましくは、不活性雰囲気中で、温
度280〜500℃で時間5〜240分保持すればよ
い。その後、室温にまで降温して、ポリイミド多孔質膜
を得る。
0〜500℃に昇温して熱イミド化を行う。昇温は、段
階的に昇温してもよいし、一段で所定の温度に昇温され
てもいい。大気中、好ましくは、不活性雰囲気中で、温
度280〜500℃で時間5〜240分保持すればよ
い。その後、室温にまで降温して、ポリイミド多孔質膜
を得る。
【0041】このようにして得られるポリイミド多孔質
膜は、前記製造条件により異なるが、空孔率20〜70
%、平均空孔径0.2〜5μmである。さらに、大気面
と基板面の平均空孔径の差が小さい方を基準として20
0%より小さい。またそれぞれの面において空孔径の変
動係数が70%より小さいこと、また空孔重心間の距離
の変動係数が50%より小さいといった均一な多孔質膜
を得ることができる。
膜は、前記製造条件により異なるが、空孔率20〜70
%、平均空孔径0.2〜5μmである。さらに、大気面
と基板面の平均空孔径の差が小さい方を基準として20
0%より小さい。またそれぞれの面において空孔径の変
動係数が70%より小さいこと、また空孔重心間の距離
の変動係数が50%より小さいといった均一な多孔質膜
を得ることができる。
【0042】該ポリイミド多孔質膜は、1層または2層
以上組み合わせて用いてもよい。2層以上組み合わせる
ことにより、用途によっては補強用として、あるいは、
厚物に用いることができる。また、他の材料、他のポリ
マ−フィルム、繊維、無機物と組み合わせて用いてもよ
い。
以上組み合わせて用いてもよい。2層以上組み合わせる
ことにより、用途によっては補強用として、あるいは、
厚物に用いることができる。また、他の材料、他のポリ
マ−フィルム、繊維、無機物と組み合わせて用いてもよ
い。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例、比較例における試験・評価方法は次に示す
とおりである。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例、比較例における試験・評価方法は次に示す
とおりである。
【0044】空孔率
所定の大きさに切取った多孔質フィルムの膜厚及び重量
を測定し、目付重量から空孔率を次の式(2)によって
求めた。式(1)のSは多孔質フィルムの面積、dは膜
厚、Wは測定した重量、Dはポリイミドの密度を意味
し、ポリイミドの密度は1.34g/cm3とした。 空孔率(%)=100−100×(W/D)/(S×d) (2)
を測定し、目付重量から空孔率を次の式(2)によって
求めた。式(1)のSは多孔質フィルムの面積、dは膜
厚、Wは測定した重量、Dはポリイミドの密度を意味
し、ポリイミドの密度は1.34g/cm3とした。 空孔率(%)=100−100×(W/D)/(S×d) (2)
【0045】平均空孔径および変動係数
膜表面の孔径を走査型電子顕微鏡で観測した。孔の長径
と短径を測定し、その面積を算出し、円の相当径を算出
した。100個以上の孔について数平均孔径を求めた。
変動係数は(数1)のようにして求めた。大気側面と基
板側面の各々の面で測定した。
と短径を測定し、その面積を算出し、円の相当径を算出
した。100個以上の孔について数平均孔径を求めた。
変動係数は(数1)のようにして求めた。大気側面と基
板側面の各々の面で測定した。
【0046】平均重心間距離および変動係数
膜表面の空孔の最近接の空孔との重心間距離を走査型電
子顕微鏡写真から任意の100個を読みとった。平均重
心間距離とその変動係数を算出した。大気側面と基板側
面の各々の面で測定した。
子顕微鏡写真から任意の100個を読みとった。平均重
心間距離とその変動係数を算出した。大気側面と基板側
面の各々の面で測定した。
【0047】突刺強度
試料を直径11.28mm、面積1cm2の円孔ホルダ
−に固定し、先端形状が0.5R、直径1mmφのニ−
ドルを2mm/secの速度で下降させ突刺し、貫通荷
重を測定した。
−に固定し、先端形状が0.5R、直径1mmφのニ−
ドルを2mm/secの速度で下降させ突刺し、貫通荷
重を測定した。
【0048】平滑性
多孔膜の平滑性を目視で定性的に評価した。
〇;表面が平滑であった。 △;表面が少し凹凸があっ
た。 ×;かなり凸凹が見られた。
た。 ×;かなり凸凹が見られた。
【0049】実施例1
テトラカルボン酸成分としてs−BPDAを、ジアミン
成分としてDADEを用い、s−BPDAに対するPP
DAのモル比が0.994で且つ該モノマ−成分の合計
重量が19重量%になるようにNMPに溶解し、温度4
0℃、6時間重合を行ってポリイミド前駆体溶液を得
た。ポリイミド前駆体溶液に1−ブタノ−ルを添加し、
前記ポリイミド前駆体が14重量%、混合溶媒が86重
量%、混合溶液のうちNMPが66.3重量%(ド−プ溶
液中57重量%)、1−ブタノ−ルが33.7重量%
(ド−プ溶液中29重量%)であるド−プ溶液を調製
し、ド−プ液をガラス板に厚みが約150μmとなるよ
うに流延し、引き続いて室温に保った1−ブタノ−ル6
6.7重量%とNMP33.3重量%の凝固液に15分
浸漬してポリイミド前駆体膜を得た。メタノ−ルで、次
いで水で洗浄し、温度100℃で乾燥して、ポリイミド
前駆体膜を得た。直ちに、ガラス板から膜をはずし、ピ
ンテンタ−に、ポリイミド前駆体膜を張り、温度400
℃の熱風乾燥機に入れ、40分間熱イミド化をおこなっ
た。かくしてポリイミド多孔質膜を得た。
成分としてDADEを用い、s−BPDAに対するPP
DAのモル比が0.994で且つ該モノマ−成分の合計
重量が19重量%になるようにNMPに溶解し、温度4
0℃、6時間重合を行ってポリイミド前駆体溶液を得
た。ポリイミド前駆体溶液に1−ブタノ−ルを添加し、
前記ポリイミド前駆体が14重量%、混合溶媒が86重
量%、混合溶液のうちNMPが66.3重量%(ド−プ溶
液中57重量%)、1−ブタノ−ルが33.7重量%
(ド−プ溶液中29重量%)であるド−プ溶液を調製
し、ド−プ液をガラス板に厚みが約150μmとなるよ
うに流延し、引き続いて室温に保った1−ブタノ−ル6
6.7重量%とNMP33.3重量%の凝固液に15分
浸漬してポリイミド前駆体膜を得た。メタノ−ルで、次
いで水で洗浄し、温度100℃で乾燥して、ポリイミド
前駆体膜を得た。直ちに、ガラス板から膜をはずし、ピ
ンテンタ−に、ポリイミド前駆体膜を張り、温度400
℃の熱風乾燥機に入れ、40分間熱イミド化をおこなっ
た。かくしてポリイミド多孔質膜を得た。
【0050】得られたポリイミド多孔質膜は膜厚は50
μm、空孔率は65%であった。走査型顕微鏡で観察す
ると、大気面側は平均孔径0.09μm、変動係数は3
8.6%、基板側面は平均孔径0.18μm、変動係数
は52.1%であった。大気側面の空孔の平均重心間距
離0.33μm、変動係数36.9%、基板側面の空孔
の平均重心間距離0.36μm、変動係数は25.0%
であった。大気側面と基板側面の平均孔径の差の割合は
大気側面の値を基準として100%であった。両側面と
も平滑で、均一な多孔膜を呈していた。膜の大気側面お
よび基板側面の走査型電子顕微鏡の写真を図1、2に示
す。結果をまとめて表1、表2に示す。
μm、空孔率は65%であった。走査型顕微鏡で観察す
ると、大気面側は平均孔径0.09μm、変動係数は3
8.6%、基板側面は平均孔径0.18μm、変動係数
は52.1%であった。大気側面の空孔の平均重心間距
離0.33μm、変動係数36.9%、基板側面の空孔
の平均重心間距離0.36μm、変動係数は25.0%
であった。大気側面と基板側面の平均孔径の差の割合は
大気側面の値を基準として100%であった。両側面と
も平滑で、均一な多孔膜を呈していた。膜の大気側面お
よび基板側面の走査型電子顕微鏡の写真を図1、2に示
す。結果をまとめて表1、表2に示す。
【0051】比較例1
凝固液を1−ブタノ−ル100重量%としたほかは、実
施例1と同様にしてポリイミド多孔質膜を得た。膜厚は
51μm、空孔率71%、大気面側平均空孔径は0.0
6μm、基板側平均空孔径0.53μmであった。大気
面側と基板側の空孔径が、大気側空孔径を基準として7
98%と両面の差が大きかった。膜の大気側面および基
板側面の走査型電子顕微鏡の写真を図3、4に示す。結
果をまとめて表1、表2に示す。
施例1と同様にしてポリイミド多孔質膜を得た。膜厚は
51μm、空孔率71%、大気面側平均空孔径は0.0
6μm、基板側平均空孔径0.53μmであった。大気
面側と基板側の空孔径が、大気側空孔径を基準として7
98%と両面の差が大きかった。膜の大気側面および基
板側面の走査型電子顕微鏡の写真を図3、4に示す。結
果をまとめて表1、表2に示す。
【0052】実施例2
テトラカルボン酸成分としてs−BPDAを、ジアミン
成分としてPPDAを用い、s−BPDAに対するPP
DAのモル比が0.994で且つ該モノマ−成分の合計
重量が8重量%になるようにNMPに溶解し、温度40
℃、6時間重合を行ってポリイミド前駆体溶液を得た。
成分としてPPDAを用い、s−BPDAに対するPP
DAのモル比が0.994で且つ該モノマ−成分の合計
重量が8重量%になるようにNMPに溶解し、温度40
℃、6時間重合を行ってポリイミド前駆体溶液を得た。
【0053】前記ポリイミド前駆体溶液の溶媒NMPが6
1.7重量%に対して、非溶媒1−プロパノ−ル38.
3重量%になるように徐々に撹拌しながら添加し、ド−
プ溶液とした。ド−プ溶液組成はポリイミド前駆体4.
9重量%、混合溶媒95.1重量%であった。
1.7重量%に対して、非溶媒1−プロパノ−ル38.
3重量%になるように徐々に撹拌しながら添加し、ド−
プ溶液とした。ド−プ溶液組成はポリイミド前駆体4.
9重量%、混合溶媒95.1重量%であった。
【0054】前記ポリイミド前駆体ド−プ溶液をガラス
板上に厚みが30μmになるようにドクタ−ブレ−ドで
ガラス板に流延した。その後、ポリイミド前駆体の非溶
媒である1−プロパノ−ル80重量%、溶媒であるNM
P20重量%に調製した凝固液に浸漬した。浸漬すると
液膜は1〜2秒で白濁し、固体膜がが形成された。その
ほかは実施例1と同様にしてポリイミド膜を得た。
板上に厚みが30μmになるようにドクタ−ブレ−ドで
ガラス板に流延した。その後、ポリイミド前駆体の非溶
媒である1−プロパノ−ル80重量%、溶媒であるNM
P20重量%に調製した凝固液に浸漬した。浸漬すると
液膜は1〜2秒で白濁し、固体膜がが形成された。その
ほかは実施例1と同様にしてポリイミド膜を得た。
【0055】得られたポリイミド多孔質膜は膜厚は13
μm、空孔率は51%であった。走査型顕微鏡で観察す
ると、大気面側は平均孔径0.48μm、変動係数は3
2.7%、基板側面は平均孔径0.76μm、変動係数
は58.3%であった。大気側面の空孔の平均重心間距
離0.53μm、変動係数24.6%、基板側面の空孔
の平均重心間距離0.90μm、変動係数は39.8%
であった。大気側面と基板側面の平均孔径の差の割合は
大気側面の値を基準として58%であった。両側面とも
平滑で、均一な多孔膜を呈していた。結果をまとめて表
1、表2に示す。
μm、空孔率は51%であった。走査型顕微鏡で観察す
ると、大気面側は平均孔径0.48μm、変動係数は3
2.7%、基板側面は平均孔径0.76μm、変動係数
は58.3%であった。大気側面の空孔の平均重心間距
離0.53μm、変動係数24.6%、基板側面の空孔
の平均重心間距離0.90μm、変動係数は39.8%
であった。大気側面と基板側面の平均孔径の差の割合は
大気側面の値を基準として58%であった。両側面とも
平滑で、均一な多孔膜を呈していた。結果をまとめて表
1、表2に示す。
【0056】実施例3
ジアミン成分をDADE、非溶媒を2−プロパノ−ルに
し、ド−プ溶液のポリイミド前駆体の濃度を6.3重量
%、混合溶媒93.7重量%、ド−プ混合溶媒の組成を
溶媒62.5重量%、非溶媒37.5重量%、また凝固
液の非溶媒を66.7重量%、溶媒を33.3重量%に
したほかは実施例2と同様にしてポリイミド多孔質膜を
得た。
し、ド−プ溶液のポリイミド前駆体の濃度を6.3重量
%、混合溶媒93.7重量%、ド−プ混合溶媒の組成を
溶媒62.5重量%、非溶媒37.5重量%、また凝固
液の非溶媒を66.7重量%、溶媒を33.3重量%に
したほかは実施例2と同様にしてポリイミド多孔質膜を
得た。
【0057】得られたポリイミド多孔質膜は、膜厚15
μ、空孔率は41%、大気側面の平均空孔径は0.73
μm、変動係数は35.3%、基板側面は平均孔径1.
33μm、変動係数は47.8%であった。大気側面の
空孔の平均重心間距離1.94μm、変動係数38.6
%、基板側面の空孔の平均重心間距離2.71μm、変
動係数は38.1%であった。大気面と基板側面の平均
孔径の差は、大気側面の値を基準として82%であっ
た。両側面とも平滑で、均一な多孔質膜を呈していた。
結果をまとめて表1、表2に示す。
μ、空孔率は41%、大気側面の平均空孔径は0.73
μm、変動係数は35.3%、基板側面は平均孔径1.
33μm、変動係数は47.8%であった。大気側面の
空孔の平均重心間距離1.94μm、変動係数38.6
%、基板側面の空孔の平均重心間距離2.71μm、変
動係数は38.1%であった。大気面と基板側面の平均
孔径の差は、大気側面の値を基準として82%であっ
た。両側面とも平滑で、均一な多孔質膜を呈していた。
結果をまとめて表1、表2に示す。
【0058】実施例4
ジアミン成分をDADE、溶媒をDMAc、非溶媒を2
−プロパノ−ルにし、ド−プ溶液のポリイミド前駆体の
濃度を5.9重量%、混合溶媒94.1重量%、ド−プ
混合溶媒の組成を溶媒58.8重量%、非溶媒41.2
重量%、また凝固液の非溶媒を83.3重量%、溶媒を
16.7重量%にしたほかは実施例2と同様にしてポリ
イミド多孔質膜を得た。
−プロパノ−ルにし、ド−プ溶液のポリイミド前駆体の
濃度を5.9重量%、混合溶媒94.1重量%、ド−プ
混合溶媒の組成を溶媒58.8重量%、非溶媒41.2
重量%、また凝固液の非溶媒を83.3重量%、溶媒を
16.7重量%にしたほかは実施例2と同様にしてポリ
イミド多孔質膜を得た。
【0059】得られたポリイミド多孔質膜は、膜厚14
μ、空孔率は47%、大気側面の平均空孔径は0.67
μm、変動係数は46.4%、基板側面は平均孔径1.
41μm、変動係数は30.4%であった。大気側面の
空孔の平均重心間距離1.13μm、変動係数35.3
%、基板側面の空孔の平均重心間距離3.83μm、変
動係数は31.0%であった。大気側面と基板側面の平
均孔径の差は、大気側面の値を基準として110%であ
った。両側面とも平滑で、均一な多孔膜を呈していた。
結果をまとめて表1、表2に示あう。
μ、空孔率は47%、大気側面の平均空孔径は0.67
μm、変動係数は46.4%、基板側面は平均孔径1.
41μm、変動係数は30.4%であった。大気側面の
空孔の平均重心間距離1.13μm、変動係数35.3
%、基板側面の空孔の平均重心間距離3.83μm、変
動係数は31.0%であった。大気側面と基板側面の平
均孔径の差は、大気側面の値を基準として110%であ
った。両側面とも平滑で、均一な多孔膜を呈していた。
結果をまとめて表1、表2に示あう。
【0060】比較例2
ド−プ溶液の組成をポリイミド前駆体が6.4重量%、
ド−プ混合溶媒が93.6重量%、混合溶媒の溶媒が8
0重量%、非溶媒が20.0重量%、それから凝固液の
非溶媒95重量%、溶媒5重量%としたほかは、実施例
2と同様にしてポリイミド多孔質膜を得た。
ド−プ混合溶媒が93.6重量%、混合溶媒の溶媒が8
0重量%、非溶媒が20.0重量%、それから凝固液の
非溶媒95重量%、溶媒5重量%としたほかは、実施例
2と同様にしてポリイミド多孔質膜を得た。
【0061】得られたポリイミド多孔質膜は、膜厚24
μ、空孔率は53%、大気側面の平均空孔径は0.54
μm、変動係数は36.0%、基板側面は平均孔径0.
47μm、変動係数は98.2%であった。基板側面の
平均空孔径にバラツキが大きかった。また、基板側面の
重心間距離の変動係数が51.2%とバラツキが大きか
った。結果をまとめて表1、表2に示す。
μ、空孔率は53%、大気側面の平均空孔径は0.54
μm、変動係数は36.0%、基板側面は平均孔径0.
47μm、変動係数は98.2%であった。基板側面の
平均空孔径にバラツキが大きかった。また、基板側面の
重心間距離の変動係数が51.2%とバラツキが大きか
った。結果をまとめて表1、表2に示す。
【0062】比較例3
凝固液の組成を非溶媒45重量%、溶媒55重量%とし
たほかは、実施例2と同様にポリイミド膜を製造した。
ポリイミド前駆体を流延後、凝固液に浸漬してから、1
5分後経ってようやくゲル状の固体膜が析出してきた。
ゲル状の膜をメタノ−ルを洗浄した。生成した膜は凸凹
で平滑性がなかった。基板側面の平均空孔径、両側面の
空孔重心間距離のバラツキが大きかった。他の特性の結
果を表2に示す。
たほかは、実施例2と同様にポリイミド膜を製造した。
ポリイミド前駆体を流延後、凝固液に浸漬してから、1
5分後経ってようやくゲル状の固体膜が析出してきた。
ゲル状の膜をメタノ−ルを洗浄した。生成した膜は凸凹
で平滑性がなかった。基板側面の平均空孔径、両側面の
空孔重心間距離のバラツキが大きかった。他の特性の結
果を表2に示す。
【0063】比較例4
ド−プ溶液の混合溶媒組成を溶媒45重量%、非溶媒5
5重量%として実施例1と同じようにポリイミド前駆体
溶液を調製した。けれどド−プ溶液からポリマ−が析出
してきたので、膜製造は中止した。
5重量%として実施例1と同じようにポリイミド前駆体
溶液を調製した。けれどド−プ溶液からポリマ−が析出
してきたので、膜製造は中止した。
【0064】比較例5
非溶媒をメタノ−ルとしたほかは、実施例1と同様にポ
リイミド膜を得た。得られたポリイミド膜は、両側面と
も緻密膜であって、空孔は見られなかった。
リイミド膜を得た。得られたポリイミド膜は、両側面と
も緻密膜であって、空孔は見られなかった。
【0065】
【表1】
NMP;N−メチルピロリドン、DMAc;N,N−ジメ
チルアセトアミド、1B;1−ブタノ−ル、1P;1−
プロパノ−ル、2P;2−プロパ−ノ−ル、M;メタノ
−ル
チルアセトアミド、1B;1−ブタノ−ル、1P;1−
プロパノ−ル、2P;2−プロパ−ノ−ル、M;メタノ
−ル
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】本発明は、大気面と基板面が空孔径の差
が小さく、空孔径および空孔重心間距離が均一なポリイ
ミド多孔膜の製造に関するものである。本発明は、ポリ
イミド前駆体溶液に、ポリイミド前駆体の溶媒と非溶媒
からなる特定の組成のド−プ溶液を、流延し、非溶媒と
溶媒からなる特定の組成からなる凝固液に浸漬すること
を特徴としたポリイミド多孔膜の製造方法を提供するも
のである。該ポリイミド多孔質膜は、両面が透液性が均
一であり、電池用セパレータおよび燃料電池用用部品な
どに提供することができる。
が小さく、空孔径および空孔重心間距離が均一なポリイ
ミド多孔膜の製造に関するものである。本発明は、ポリ
イミド前駆体溶液に、ポリイミド前駆体の溶媒と非溶媒
からなる特定の組成のド−プ溶液を、流延し、非溶媒と
溶媒からなる特定の組成からなる凝固液に浸漬すること
を特徴としたポリイミド多孔膜の製造方法を提供するも
のである。該ポリイミド多孔質膜は、両面が透液性が均
一であり、電池用セパレータおよび燃料電池用用部品な
どに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例1で得られたポリイミ
ド多孔質膜の大気側面の表面を示す電子顕微鏡写真であ
る。
ド多孔質膜の大気側面の表面を示す電子顕微鏡写真であ
る。
【図2】図2は、本発明の実施例1で得られたポリイミ
ド多孔質膜の基板側面の表面を示す電子顕微鏡写真であ
る。
ド多孔質膜の基板側面の表面を示す電子顕微鏡写真であ
る。
【図3】図3は、本発明の比較例1で得られたポリイミ
ド多孔質膜の大気側面の表面を示す電子顕微鏡写真であ
る。
ド多孔質膜の大気側面の表面を示す電子顕微鏡写真であ
る。
【図4】図4は、本発明の比較例1で得られたポリイミ
ド多孔質膜の基板側面の表面を示す電子顕微鏡写真であ
る。
ド多孔質膜の基板側面の表面を示す電子顕微鏡写真であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 福永 謙二
千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部興
産株式会社高分子研究所内
Fターム(参考) 4F074 AA74 AD04 AD13 AD14 CB34
CB37 CB43 DA03 DA23
Claims (2)
- 【請求項1】両面に空孔を有し、各々の空孔が下記の
1)〜4)の条件: 1)両面における平均孔径の差が、平均孔径の平均値の
小さい方の値を基準として200%より小さい。 2)それぞれ面での、空孔径の変動係数が70%より小
さい。 3)それぞれ面での、空孔間距離の変動係数が50%よ
り小さい。 4)それぞれ面での、平均孔径が0.05〜5μmであ
る。 を満足するポリイミド多孔質膜。 - 【請求項2】厚みが5〜100μmである請求項1に記
載のポリイミド多孔質膜。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001221268A JP2003026849A (ja) | 2001-07-23 | 2001-07-23 | ポリイミド多孔質膜 |
US10/201,351 US6565962B2 (en) | 2001-07-23 | 2002-07-22 | Polyimide porous film |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001221268A JP2003026849A (ja) | 2001-07-23 | 2001-07-23 | ポリイミド多孔質膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003026849A true JP2003026849A (ja) | 2003-01-29 |
Family
ID=19054957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001221268A Pending JP2003026849A (ja) | 2001-07-23 | 2001-07-23 | ポリイミド多孔質膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003026849A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004043666A1 (ja) * | 2002-11-12 | 2004-05-27 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | 多孔性フィルムの製造方法、及び多孔性フィルム |
JP2013014742A (ja) * | 2011-06-06 | 2013-01-24 | Nitto Denko Corp | ポリイミド多孔質体及びその製造方法 |
WO2016104309A1 (ja) * | 2014-12-24 | 2016-06-30 | ユニチカ株式会社 | 多孔質ポリイミドフィルムおよびその製造方法 |
CN113054322A (zh) * | 2019-12-27 | 2021-06-29 | 富士胶片商业创新有限公司 | 多孔聚酰亚胺膜、二次电池用隔板及二次电池 |
WO2022172734A1 (ja) * | 2021-02-15 | 2022-08-18 | 太陽ホールディングス株式会社 | 多孔質膜形成用ポリマー組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、フレキシブル金属張積層板及び電子基板 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11310658A (ja) * | 1998-04-27 | 1999-11-09 | Ube Ind Ltd | ポリイミド多孔膜及び製造方法 |
JP2000306568A (ja) * | 1999-04-23 | 2000-11-02 | Ube Ind Ltd | 多孔質フィルム及びそれを用いた電池用セパレータ |
JP2001145826A (ja) * | 1999-11-19 | 2001-05-29 | Ube Ind Ltd | 多孔質膜の製造方法および多孔質膜 |
JP2002037905A (ja) * | 2000-07-21 | 2002-02-06 | Nitto Denko Corp | プリプレグ用多孔質フィルム及び配線基板プリプレグ |
JP2002201305A (ja) * | 2001-01-05 | 2002-07-19 | Teijin Ltd | ポリイミド多孔膜およびその製造方法 |
-
2001
- 2001-07-23 JP JP2001221268A patent/JP2003026849A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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US7820281B2 (en) | 2002-11-12 | 2010-10-26 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Process for producing porous film and porous film |
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CN113054322A (zh) * | 2019-12-27 | 2021-06-29 | 富士胶片商业创新有限公司 | 多孔聚酰亚胺膜、二次电池用隔板及二次电池 |
JP2021107484A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-29 | 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 | 多孔質ポリイミドフィルム、二次電池用セパレータ、及び二次電池 |
JP7419815B2 (ja) | 2019-12-27 | 2024-01-23 | 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 | 多孔質ポリイミドフィルム、二次電池用セパレータ、及び二次電池 |
WO2022172734A1 (ja) * | 2021-02-15 | 2022-08-18 | 太陽ホールディングス株式会社 | 多孔質膜形成用ポリマー組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、フレキシブル金属張積層板及び電子基板 |
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