JP2003026619A - テトラクロロエチレンの精製方法および該方法を用いるペンタフルオロエタンの製造方法 - Google Patents
テトラクロロエチレンの精製方法および該方法を用いるペンタフルオロエタンの製造方法Info
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Abstract
除去することができる、操作が容易で工業的に実施可能
なテトラクロロエチレンの精製方法と、該精製方法を用
いるペンタフルオロエタンの製造方法を提供する。 【解決手段】 安定剤を含むテトラクロロエチレンを、
平均細孔径が3.4〜11Åであるゼオライト及び/ま
たは平均細孔径が3.4〜11Åである炭素質吸着剤と
液相で接触させる。
Description
レンの精製方法および該精製方法を用いるペンタフルオ
ロエタンの製造方法に関する。
2=CCl2」あるいは「PCE」ということがある。)
の製造方法としては、例えば、(1)四塩化炭素の熱分
解法、(2)塩素化オレフィンの塩素化と脱塩酸を同時
に行う方法、(3)天然ガスまたはLPGなどの炭化水
素と塩素を原料とする方法等が知られている。その製造
工程では、テトラクロロエチレンの安定性を確保するた
め、安定剤が添加され、一般的に安定剤が数百〜数千p
pm添加される。また、テトラクロロエチレンの用途と
しては、ドライクリーニング溶媒、フロンガス製造原
料、溶剤等に使用される。
F3CHF2」ということがある。)を製造する方法とし
ては、例えば、(1)テトラクロロエチレンまたはその
フッ素化物をフッ化水素でフッ素化する方法(特表平9
−511515号公報等)、(2)クロロペンタフルオ
ロエタン(CClF2CF3)を水素化分解する方法(特
許第2540409号公報等)、(3)ハロゲン含有エ
チレンにフッ素ガスを反応させる方法(特開平1−38
034号公報等)が挙げられる。
素とを気相でフッ素化触媒の存在下にて反応させてペン
タフルオロエタンを製造する方法は、反応条件が異なる
2段階の反応によって行われる。すなわち、テトラクロ
ロエチレンとフッ化水素(以下、「HF」ということが
ある。)をフッ素化触媒の存在下、気相で反応させて、
主として1、1−ジクロロ−2、2、2−トリフルオロ
エタン(以下、「CHCl2CF3」ということがあ
る。)および1−クロロ−1、2、2、2−テトラフル
オロエタン(以下、「CHClFCF3」ということが
ある。)を生成せしめる第1の反応と、第1の反応で生
成した、主としてCHCl2CF3およびCHClFCF
3とHFを、フッ素化触媒の存在下、気相で反応させ
て、主としてペンタフルオロエタンを生成せしめる第2
の反応によって製造される。
1つであるテトラクロロエチレン中には、通常数十質量
ppm〜数百質量ppm程度の安定剤が分解による酸分
発生等を抑えるために含まれている。例えば、フェノー
ル、クレゾール等の水酸基を有する芳香族化合物が含ま
れており、テトラクロロエチレン中に安定剤が含まれな
い場合は、テトラクロロエチレンは安定性に欠け、酸分
の発生等の副反応が進行する。
含まれる安定剤は、例えばペンタフルオロエタンを製造
する際に用いられる触媒の活性劣化の原因となり、好ま
しくは安定剤は含まれないことが望ましい。そこで、例
えば第1の反応前に安定剤を除去すればよいが、従来の
分別蒸留等による除去方法は、操作が煩雑であり、実装
置に多額の費用を要するという問題がある。
景の下になされたものであって、本発明は、テトラクロ
ロエチレン中に含まれる安定剤を除去することができ
る、操作が容易で工業的に実施可能なテトラクロロエチ
レンの精製方法と、該精製方法を用いるペンタフルオロ
エタンの製造方法を提供することを課題とする。
題を解決すべく鋭意検討した結果、安定剤を含むテトラ
クロロエチレンを、平均細孔径が3.4〜11Åである
ゼオライト及び/または平均細孔径が3.4〜11Åで
ある炭素質吸着剤と液相で接触させることにより、安定
剤を低減することができることを見出した。さらに、安
定剤が低減されたテトラクロロエチレンを原料として用
いることにより、効率的にペンタフルオロエタンを製造
することができるということを見出し、本発明を完成す
るに至った。本発明は以下の[1]〜[10]に示され
るテトラクロロエチレンの精製方法および該精製方法を
用いるペンタフルオロエタンの製造方法である。
化合物を含むテトラクロロエチレンを、平均細孔径が
3.4〜11Åであるゼオライトおよび/または平均細
孔径が3.4〜11Åである炭素質吸着剤と液相で接触
させ、前記安定剤を低減させることを特徴とするテトラ
クロロエチレンの精製方法。 [2]前記ゼオライトのSi/Al比が2以下である上
記[1]に記載のテトラクロロエチレンの精製方法。 [3]前記ゼオライトが、モレキュラーシーブス4A、
モレキュラーシーブス5A、モレキュラーシーブス10
Xおよびモレキュラーシーブス13Xからなる群から選
ばれる少なくとも1種のゼオライトである上記[1]ま
たは[2]に記載のテトラクロロエチレンの精製方法。 [4]前記炭素質吸着剤が、モレキュラーシービングカ
ーボン4Aおよび/またはモレキュラーシービングカー
ボン5Aである上記[1]に記載のテトラクロロエチレ
ンの精製方法。 [5]安定剤として水酸基を有する芳香族化合物を含む
テトラクロロエチレンと、前記ゼオライトおよび/また
は前記炭素質吸着剤を接触させる温度が−20〜80℃
である上記[1]〜[4]のいずれかに記載のテトラク
ロロエチレンの精製方法。
化合物を含むテトラクロロエチレンと、前記ゼオライト
および/または前記炭素質吸着剤を接触させる圧力が0
〜3MPaである上記[1]〜[5]のいずれかに記載
のテトラクロロエチレンの精製方法。 [7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の精製方法
を用いることを特徴とする安定剤として含まれる水酸基
を有する芳香族化合物が低減されたテトラクロロエチレ
ンの製造方法。 [8]次の3つの工程を含むことを特徴とするペンタフ
ルオロエタンの製造方法。 (1)上記[1]〜[6]のいずれかに記載の精製方法
を用いてテトラクロロエチレン中に含まれる水酸基を有
する芳香族化合物を低減する工程 (2)(1)の工程を経て前記水酸基を有する芳香族化
合物が低減されたテトラクロロエチレンとHFを、アル
ミナ−クロミア触媒の存在下、気相で反応させて1、1
−ジクロロ−2、2、2−トリフルオロエタンおよび1
−クロロ−1、2、2、2−テトラフルオロエタンを含
む混合ガスを得る工程 (3)(2)の工程で得られる1、1−ジクロロ−2、
2、2−トリフルオロエタンおよび1−クロロ−1、
2、2、2−テトラフルオロエタンを含む混合ガスとH
Fを、アルミナ−クロミア触媒の存在下、気相で反応さ
せてペンタフルオロエタンを得る工程 [9]前記(1)の工程を経た、前記水酸基を有する芳
香族化合物が30質量ppm以下に低減されたテトラク
ロロエチレンを用いて工程(2)を行う上記[8]に記
載のペンタフルオロエタンの製造方法。 [10]水酸基を有する芳香族化合物が、フェノール、
クレゾール、2、6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
およびアミノメチルフェノールからなる群から選ばれる
少なくとも1種以上の化合物である上記[8]または
[9]に記載のペンタフルオロエタンの製造方法。
する。ペンタフルオロエタンの製造方法としては、例え
ば、テトラクロロエチレンとHFをフッ素化触媒の存在
下、気相で2段階の反応で製造する方法が知られてい
る。出発原料の1つであるテトラクロロエチレン中に
は、前記の理由により数百〜数千質量ppm程度の安定
剤が含まれており、安定剤は微量であっても触媒活性劣
化の原因となるため、反応を行う前にできる限り低減す
ることが望ましい。
工業的に実用可能である、テトラクロロエチレン中に含
まれる安定剤を低減する方法を開発すべく鋭意検討した
結果、安定剤を含むテトラクロロエチレンを、平均細孔
径が3.4〜11Åであるゼオライト及び/または平均
細孔径が3.4〜11Åである炭素質吸着剤と液相で接
触させることにより、安定剤を低減することができるこ
とを見出した。
に用いられるゼオライトは、3.4〜11Åの平均細孔
径を有するものがよく、好ましくは3.4〜10Åの平
均細孔径を有するものがよい。平均細孔径が11Åより
大きいゼオライトは、テトラクロロエチレンの吸着量が
多くなり好ましくなく、平均細孔径が3.4Åより小さ
いゼオライトは安定剤を吸着する能力が小さくなり好ま
しくない。
であることが好ましく、ゼオライトのSi/Al比が2
より大きい場合には、安定剤が選択的に吸着されない傾
向が見られる。ゼオライトとしては、モレキュラーシー
ブス4A(MS−4A)、モレキュラーシーブス5A
(MS−5A)、モレキュラーシーブス10X(MS−
10X)およびモレキュラーシーブス13X(MS−1
3X)からなる群から選ばれる少なくとも1種のゼオラ
イトが好ましい。これらのゼオライトを用いることによ
り、テトラクロロエチレン中の水分も同時に低減するこ
とができる。
孔径を有するものがよく、平均細孔径が11Åより大き
い炭素質吸着剤は、テトラクロロエチレンの吸着量が多
くなり好ましくなく、平均細孔径が3.4Åより小さい
炭素質吸着剤は安定剤を吸着する能力が小さくなり好ま
しくない。炭素質吸着剤は、モレキュラーシービングカ
ーボン4A及び/またはモレキュラーシービングカーボ
ン5Aが好ましい。
で使用することが吸着剤の再生を考慮すると好ましい
が、混合して使用することもできる。ゼオライトと炭素
質吸着剤を混合する割合は特に制限はないが、テトラク
ロロエチレン中の水分も低減することを考慮すると、混
合比はゼオライトに富む比率が好ましい。
オライト及び/または炭素質吸着剤と液相で接触させる
方法としては、回分式、連続式等の公知の方法を用いる
ことができる。工業的には吸着剤を固定床にて連続的に
流通させる方法が好ましく、液体基準の空間速度(LH
SV)は安定剤の濃度およびテトラクロロエチレンの処
理量により適宣選択することができる。通常は1〜50
Hr-1の範囲が好ましい。また、テトラクロロエチレン
中の安定剤を低減する方法を工業的に実施するため、吸
着塔を2塔設け、2塔を切り替えて連続的に精製を行う
方法を用いてもよい。
の処理温度としては、−20〜80℃が好ましく、より
好ましくは0〜50℃の範囲がよい。処理温度が80℃
より高いと、装置の加熱や耐圧等の点で設備費が増大す
ることになるので好ましくなく、−20℃より低い温度
では、冷却設備等が必要となり好ましくない。また、圧
力は0〜3MPaの範囲が好ましく、より好ましくは0
〜1MPaの範囲がよい。圧力が3MPaより大きい場
合には、設備の耐圧等の点で経済的でなく、好ましくな
い。
用いることにより、テトラクロロエチレン中に含まれる
安定剤を低減することができる。本発明の精製方法は、
特にベンゼン環に水酸基を有する化合物に対して好まし
く用いられ、ベンゼン環に水酸基を有する化合物として
は、フェノール、クレゾール、2、6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール、アミノメチルフェノール等が挙げら
れる。
のゼオライト及び/または前記の炭素質吸着剤と液相
で、前記の条件下で接触させ、安定剤が30質量ppm
以下に低減されたテトラクロロエチレンを得ることがで
きる。安定剤が10質量ppm以下に低減されたテトラ
クロロエチレン、さらに安定剤が5質量ppm以下に低
減されたテトラクロロエチレンを得ることも可能であ
る。
造方法について説明する。本発明のペンタフルオロエタ
ンの製造方法は、次の3つの工程を含むことを特徴とす
る。 (1)前記の精製方法を用いてテトラクロロエチレン中
に含まれる水酸基を有する芳香族化合物を低減する工程 (2)(1)の工程を経て前記水酸基を有する芳香族化
合物が低減されたテトラクロロエチレンとHFを、アル
ミナ−クロミア触媒の存在下、気相で反応させて1、1
−ジクロロ−2、2、2−トリフルオロエタンおよび1
−クロロ−1、2、2、2−テトラフルオロエタンを含
む混合ガスを得る工程 (3)(2)の工程で得られる1、1−ジクロロ−2、
2、2−トリフルオロエタンおよび1−クロロ−1、
2、2、2−テトラフルオロエタンを含む混合ガスとH
Fを、アルミナ−クロミア触媒の存在下、気相で反応さ
せてペンタフルオロエタンを得る工程
エチレンは、前記水酸基を有する芳香族化合物が30質
量ppm以下に低減されたテトラクロロエチレンである
ことが好ましく、さらに好ましくは前記水酸基を有する
芳香族化合物が10質量ppm以下に低減されているこ
とがよく、特に好ましくは、前記水酸基を有する芳香族
化合物が5質量ppm以下に低減されていることがよ
い。水酸基を有する芳香族化合物が30質量ppm以下
に低減されたテトラクロロエチレンを原料としてペンタ
フルオロエタンを製造すると、製造工程で使用する触媒
の高寿命が図れ、効率的、経済的にペンタフルオロエタ
ンを製造することができる。
を反応式で表すと以下のようになる。 CCl2=CCl2+3HF→CF3CHCl2+3HCl(式1) CCl2=CCl2+4HF→CF3CHClF+4HCl(式2) CF3CHCl2+2HF→CF3CHF2+2HCl(式3) CF3CHClF+HF→CF3CHF2+HCl(式4)
触媒の存在下、気相で行われるが、その反応条件は異な
り、式1および式2で表される第1の反応においては、
反応圧力が約0.3MPa、反応温度が約300℃、H
F/PCEが6(モル比)、式3および式4で表される
第2の反応においては、反応圧力が約0.4MPa、反
応温度が約330℃、HF/(CF3CHCl2+CF3
CHClF)が4〜8(モル比)の条件下で行うことが
できる。
り詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。 (原料例)市販のテトラクロロエチレンをガスクロマト
グラフ(カラム:キャピラリー式/FID法)で分析し
たところ、安定剤のフェノールとクレゾールが総量で1
50質量ppm含まれ、テトラクロロエチレン中の水分
は約50質量ppmであった。
ス製シリンダーに、ゼオライト[モレキュラーシーブス
5A(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径4.2Å、
Si/Al比=1)]を20g充填した。ゼオライトを
真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら(原料例)のテ
トラクロロエチレンを100g充填し、温度を20℃に
保ちながら時々撹拌し、約4時間後、液相部の一部を採
取して前記のガスクロマトグラフ条件下で分析した。そ
の結果、安定剤であるフェノールとクレゾールは共に検
出されなかった。また、処理後のテトラクロロエチレン
中の水分をカールフィシャーを用いて分析したところ、
水分値は3質量ppm以下であった。
ス製シリンダーに、炭素質吸着剤[モレキュラ−シービ
ングカーボン5A、武田薬品工業株式会社製:平均細孔
径5Å]を20g充填した。炭素質吸着剤を真空乾燥
後、シリンダーを冷却しながら(原料例)のテトラクロ
ロエチレンを80g充填し、温度を20℃に保ちながら
時々撹拌し、約5時間後、液相部の一部を採取して前記
のガスクロマトグラフ条件下で分析した。その結果、安
定剤であるフェノールとクレゾールは共に検出されなか
った。
レキュラーシーブス13X(ユニオン昭和株式会社製:
平均細孔径10Å、Si/Al比=0.81)]を20
g充填した以外は(実施例1)と同様な操作および条件
で処理し、分析を行った。その結果、フェノールとクレ
ゾールは共に検出されなかった。
レキュラーシーブスXH−9(ユニオン昭和株式会社
製:平均細孔径3.2Å、Si/Al比=1)]を20
g充填した以外は(実施例1)と同様な操作および条件
で処理し、分析を行った。その結果、安定剤であるフェ
ノールとクレゾールはほとんど吸着されず、その総量は
132質量ppmであった。平均細孔径が3.4Åより
小さいゼオライトを用いた場合には安定剤の吸着効率が
低いことが分かった。
[活性炭:粒状白さぎKL、武田薬品工業株式会社:平
均細孔径35Å]を20g充填した以外は(実施例2)
と同様な操作および条件で処理し、分析を行った。その
結果、安定剤であるフェノールとクレゾールはほとんど
吸着されず、その総量は119質量ppmであった。ま
た、テトラクロロエチレンの吸着による吸着熱が大き
く、新たな分解生成物が検出された。
ス製シリンダーに吸着剤として(実施例1)に記載した
モレキュラーシーブス5Aを15gと(実施例2)に記
載したモレキュラーシービングカーボン5Aを5g混合
して充填した。吸着剤を真空乾燥後、シリンダーを冷却
しながら(原料例)のテトラクロロエチレンを80g充
填し、温度を20℃に保ちながら時々撹拌し、約4時間
後、液相部に一部を採取して前記のガスクロマトグラフ
条件下で分析を行った。その結果、安定剤であるフェノ
ールとクレゾールは共に検出されなかった。また、テト
ラクロロエチレン中の水分を分析したところ、水分値は
5質量ppmであった。
リンダーにモレキュラーシーブス5A(MS−5A)を
4.8L充填し、(原料例)のテトラクロロエチレンを
室温(15℃)、圧力約0.3MPaの条件下で液相1
0L/hr-1の線速で連続供給した。供給開始より10
0時間後、300時間後および500時間後の出口液を
採取し分析を行った。その結果、いずれも安定剤である
フェノールとクレゾールは検出されず、水分値もいずれ
も5質量ppm以下であった。
填し、反応温度300℃、反応圧力が約0.3MPa、
HF/PCEが6(モル比)、SV750hr-1の条件
下で、前記のテトラクロロエチレンとHFを原料とする
連続反応を行った。反応を開始して、24時間後のPC
E転化率は99.6%、500時間後のPCE転化率は
99.4%であり、触媒の活性低下は認められなかっ
た。
触媒を充填し、(原料例)の安定剤(総量150質量p
pm)を含むテトラクロロエチレンとHFを、反応温度
300℃、反応圧力約0.3MPa、HF/PCEが6
(モル比)、SV750hr-1の条件下で連続反応を行
った。反応を開始して、24時間後のPCE転化率は9
9.5%、500時間後のPCE転化率は81.2%で
あり、触媒の活性低下が認められた。これにより安定剤
が触媒活性低下に関係しているのは明らかである。
を用いることにより、テトラクロロエチレン中に含まれ
る安定剤を低減することができる。本発明の精製方法
は、特にフェノールやクレゾールのような水酸基を有す
る芳香族化合物を含むテトラクロロエチレンに対して好
ましく用いられるが、アミン基を有する芳香族化合物を
含むテトラクロロエチレンに対しても用いることができ
る。また、水酸基を有する芳香族化合物が低減されたテ
トラクロロエチレンを原料としてペンタフルオロエタン
を製造すると、製造工程で使用する触媒の高寿命が図
れ、効率的、経済的にペンタフルオロエタンを製造する
ことができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 安定剤として水酸基を有する芳香族化合
物を含むテトラクロロエチレンを、平均細孔径が3.4
〜11Åであるゼオライトおよび/または平均細孔径が
3.4〜11Åである炭素質吸着剤と液相で接触させ、
前記安定剤を低減させることを特徴とするテトラクロロ
エチレンの精製方法。 - 【請求項2】 前記ゼオライトのSi/Al比が2以下
である請求項1に記載のテトラクロロエチレンの精製方
法。 - 【請求項3】 前記ゼオライトが、モレキュラーシーブ
ス4A、モレキュラーシーブス5A、モレキュラーシー
ブス10Xおよびモレキュラーシーブス13Xからなる
群から選ばれる少なくとも1種のゼオライトである請求
項1または2に記載のテトラクロロエチレンの精製方
法。 - 【請求項4】 前記炭素質吸着剤が、モレキュラーシー
ビングカーボン4Aおよび/またはモレキュラーシービ
ングカーボン5Aである請求項1に記載のテトラクロロ
エチレンの精製方法。 - 【請求項5】 安定剤として水酸基を有する芳香族化合
物を含むテトラクロロエチレンと、前記ゼオライトおよ
び/または前記炭素質吸着剤を接触させる温度が−20
〜80℃である請求項1〜4のいずれかに記載のテトラ
クロロエチレンの精製方法。 - 【請求項6】 安定剤として水酸基を有する芳香族化合
物を含むテトラクロロエチレンと、前記ゼオライトおよ
び/または前記炭素質吸着剤を接触させる圧力が0〜3
MPaである請求項1〜5のいずれかに記載のテトラク
ロロエチレンの精製方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の精製方
法を用いることを特徴とする安定剤として含まれる水酸
基を有する芳香族化合物が低減されたテトラクロロエチ
レンの製造方法。 - 【請求項8】 次の3つの工程を含むことを特徴とする
ペンタフルオロエタンの製造方法。 (1)請求項1〜6のいずれかに記載の精製方法を用い
てテトラクロロエチレン中に含まれる水酸基を有する芳
香族化合物を低減する工程 (2)(1)の工程を経て前記水酸基を有する芳香族化
合物が低減されたテトラクロロエチレンとHFを、アル
ミナ−クロミア触媒の存在下、気相で反応させて1、1
−ジクロロ−2、2、2−トリフルオロエタンおよび1
−クロロ−1、2、2、2−テトラフルオロエタンを含
む混合ガスを得る工程 (3)(2)の工程で得られる1、1−ジクロロ−2、
2、2−トリフルオロエタンおよび1−クロロ−1、
2、2、2−テトラフルオロエタンを含む混合ガスとH
Fを、アルミナ−クロミア触媒の存在下、気相で反応さ
せてペンタフルオロエタンを得る工程 - 【請求項9】 前記(1)の工程を経た、前記水酸基を
有する芳香族化合物が30質量ppm以下に低減された
テトラクロロエチレンを用いて工程(2)を行う請求項
8に記載のペンタフルオロエタンの製造方法。 - 【請求項10】 水酸基を有する芳香族化合物が、フェ
ノール、クレゾール、2、6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾールおよびアミノメチルフェノールからなる群から
選ばれる少なくとも1種以上の化合物である請求項8ま
たは9に記載のペンタフルオロエタンの製造方法。
Priority Applications (9)
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