JP2003017479A - プリ・コート方法、処理方法及びプラズマ装置 - Google Patents
プリ・コート方法、処理方法及びプラズマ装置Info
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Abstract
施すことにある。 【解決手段】 ウェーハ23を載置する載置台22と、
この載置台22を収容する処理容器11と、この処理容
器11内を排気する排気手段13と、処理容器11内に
ガスを供給するガス供給手段14と、処理容器11内に
高周波電磁界Fを供給するアンテナ30とを備えた高周
波プラズマ装置を用い、載置台22にウェーハ23が載
置されていない状態で処理容器11内にガスを供給する
と共に処理容器11内に電磁界Fを供給してプラズマP
を生成し、このプラズマPを用いて少なくとも処理容器
11の内表面に絶縁膜51を成膜する。
Description
法、処理方法及びプラズマ装置に関し、特に、プラズマ
を用いるプリ・コート方法、処理方法及びプラズマ装置
に関する。
酸化法により形成されていた。しかし、この方法では、
膜厚制御が難しく、また、将来必要とされる1nm台の
薄いゲート絶縁膜を形成することは困難であった。そこ
で、膜厚制御が容易で、かつ、上記の膜厚を形成可能な
プラズマCVD法が、ゲート絶縁膜の形成に利用され始
めている。
マを生成し、このプラズマを用いて処理容器内のガスを
活性化させ、その反応性を利用して薄膜を形成する方法
である。このプラズマCVD法による成膜装置の一つ
に、平行平板電極の間に放電を起こしてプラズマを生成
する平行平板形のプラズマ装置がある。この平行平板形
のプラズマ装置に関し、処理容器から離脱した汚染物質
が処理対象であるウェーハの表面に付着することを防止
するため、ウェーハ処理を行う前に処理容器の内表面に
絶縁膜を形成する技術が提案されている。この技術をプ
リ・コートと呼ぶ。
板形のプラズマ装置では、プラズマの電子温度が高いた
め、プリ・コートで緻密かつ均一な絶縁膜を形成するこ
とができない。このため、処理容器の内表面に形成され
た絶縁膜は密着性が悪く、剥離しやすいという問題があ
った。また、平行平板形のプラズマ装置では、プラズマ
のイオン密度が低いため、プリ・コートで絶縁膜を堆積
するのに長時間を要するという問題があった。本発明は
このような課題を解決するためになされたものであり、
その目的は、処理容器内に強固なプリ・コートを施すこ
とにある。また、他の目的は、プリ・コートに要する時
間を短縮することにある。
るために、本発明のプリ・コート方法は、ウェーハを載
置する載置台と、この載置台を収容する処理容器と、こ
の処理容器内を排気する排気手段と、処理容器内にガス
を供給するガス供給手段と、処理容器内に高周波の電磁
界を供給するアンテナとを備えたプラズマ装置を用い、
処理容器内にガスを供給すると共に処理容器内に電磁界
を供給してプラズマを生成し、このプラズマを用いて少
なくとも処理容器の内表面に絶縁膜を成膜することを特
徴とする。処理容器の内表面の他に、載置台の表面等に
絶縁膜を成膜してもよいことは言うまでもない。
ば1GHz以上という高周波の電磁界を用いることによ
り、平行平板型のプラズマ装置よりも電子温度が低いプ
ラズマを生成することができる。このため、処理容器の
内表面には従来より緻密かつ均一な絶縁膜が形成され
る。この絶縁膜は処理容器に対して密着性がよく、剥離
しにくい。また、高周波プラズマ装置は、例えば10P
a以下という低圧力下でプラズマを生成するので、平行
平板型のプラズマ装置より同等の圧力下ではプラズマの
イオン密度が高くなる。このため、従来より短時間で処
理容器の内表面に絶縁膜を堆積させることができる。
内に供給するガスを、Six Hy F z (xは自然数;
y,zは0と自然数)と酸素との混合ガスとしてもよ
い。この場合、処理容器の内表面に成膜される絶縁膜は
シリコン酸化膜となる。また、処理容器内に供給するガ
スを、Six Hy Fz (xは自然数;y,zは0と自然
数)と窒素との混合ガスとしてもよい。この場合、処理
容器の内表面に成膜される絶縁膜はシリコン窒化膜とな
る。また、処理容器内に供給するガスを、Six Hy F
z (xは自然数;y,zは0と自然数)と酸素と窒素と
の混合ガスとしてもよい。この場合、処理容器の内表面
に成膜される絶縁膜はシリコン酸窒化膜となる。なお、
処理容器の内表面に絶縁膜を成膜する際、絶縁膜の堆積
が促進される温度に処理容器を加熱してもよい。
ーハを載置する載置台と、この載置台を収容するAl系
の処理容器と、この処理容器内を排気する排気手段と、
処理容器内にガスを供給するガス供給手段と、処理容器
内に高周波の電磁界を供給するアンテナとを備えたプラ
ズマ装置を用い、処理容器内にフッ素系のガスを供給す
ると共に処理容器内に電磁界を供給してプラズマを生成
し、このプラズマを用いて少なくとも処理容器の内表面
をフッ化処理することを特徴とする。処理容器の内表面
の他に、載置台の表面等をフッ化処理してもよいことは
言うまでもない。この方法でも、上述したのと同じ理由
で、処理容器の内表面から処理容器等の構成金属やフッ
素を離脱しにくくし、またこのフッ化処理を従来より短
時間で行うことができる。
内に供給するガスを、Six Hy F z (x,zは自然
数;yは0と自然数)としてもよい。この場合、処理容
器の内表面はAlF3 に表面改質される。また、処理容
器の内表面をフッ化処理した後、また処理容器内にガス
を供給すると共に処理容器内に電磁界を供給してプラズ
マを生成し、このプラズマを用いてフッ化処理された表
面上に絶縁膜を成膜するようにしてもよい。このように
二重コーティングすることにより、プラズマポテンシャ
ルが高い場合でも、処理容器内の汚染を低減することが
できる。
高周波の電磁界を処理容器内に供給してプラズマを生成
し、このプラズマを用いて少なくとも処理容器の内表面
にプリ・コートする第1の工程と、処理容器内にウェー
ハを配置し、アンテナから高周波の電磁界を処理容器内
に供給してプラズマを生成し、このプラズマを用いてウ
ェーハの表面に絶縁膜を成膜する第2の工程とを有し、
第1の工程と第2の工程とでは、プラズマを生成する条
件が異なることを特徴とする。これにより、処理容器の
内表面へのプリ・コートと、ウェーハ表面に形成される
絶縁膜とのぞれぞれに、適切な機能をもたせることがで
きる。なお、第1の工程において、処理容器の内表面の
他に、載置台の表面等にプリ・コートを施してもよいこ
とは言うまでもない。
第2の工程よりも処理容器内の圧力を低くしてプラズマ
を生成するようにしてもよい。第1の工程において、比
較的低い圧力でプラズマを生成することにより、プラズ
マのイオン密度を高くすることができる。これにより、
処理容器の内壁面への絶縁膜の堆積速度を速くして、堆
積時間を短縮することができる。また、第2の工程にお
いて、比較的高い圧力でプラズマを生成し、プラズマの
イオン密度を低くすることにより、ウェーハ表面に形成
される絶縁膜が受けるダメージを低減することができ
る。なお、第1の工程では、絶縁膜の堆積が促進される
温度に処理容器を加熱し、第2の工程では、活性種が付
着しにくい温度に処理容器を加熱してもよい。
を載置する載置台と、この載置台を収容するAl系の処
理容器と、この処理容器内を排気する排気手段と、処理
容器内にガスを供給するガス供給手段と、処理容器内に
高周波の電磁界を供給するアンテナとを備えたプラズマ
装置において、処理容器の内表面が、フッ化処理されて
いることを特徴とする。また、本発明のプラズマ装置
は、ウェーハを載置する載置台と、この載置台を収容す
る処理容器と、この処理容器内に高周波の電磁界を供給
するアンテナと、このアンテナの放射面に対向配置され
た第1の誘電体板とを備えたプラズマ装置において、処
理容器を加熱する加熱手段と、第1の誘電体板に対して
載置台と異なる側に配置され第1の誘電体板と共に密閉
空間を形成する第2の誘電体板と、密閉空間に流体を流
通させて第1の誘電体板を加熱する流通手段とを備えた
ことを特徴とする。なお、本発明では、アンテナとして
例えばラジアルラインアンテナを用いてもよい。ラジア
ルラインアンテナの放射面は平板状であっても、凹面状
又は凸面状であってもよい。
実施の形態について詳細に説明する。
1の実施の形態で用いる高周波プラズマ装置の要部構成
を示す断面図である。この高周波プラズマ装置は、上部
が開口している有底円筒形の処理容器11を有してい
る。この処理容器11はAl等の金属で形成されてい
る。処理容器11の底面中央部には絶縁板21を介して
載置台22が固定され、この載置台22の上面にウェー
ハ(図示せず)が載置される。処理容器11の底面外周
部には排気手段としての真空ポンプ13に接続された排
気口12が複数設けられ、処理容器11内を排気するこ
とにより所望の真空度にすることができる。処理容器1
1の側壁上部にはノズル14が設けられ、このノズル1
4にはマスフローコントローラ15A,15B及び開閉
弁16A,16Bを介してガス源17A,17Bが接続
されている。ここではガス源17A,17Bをそれぞれ
モノシランSiH4 、酸素O2 のガス源とする。ノズル
14とマスフローコントローラ15A,15Bと開閉弁
16A,16Bとガス源17A,17Bとにより、処理
容器11内にガスを供給するガス供給手段が構成され
る。処理容器11の上部開口は、処理容器11内で生成
されるプラズマが外部に漏れないように、誘電体板18
で塞がれている。
ンテナ30が配置されている。このラジアルラインアン
テナ30は、誘電体板18によって処理容器11の内部
から隔離されており、処理容器11内で生成されるプラ
ズマから保護されている。ラジアルラインアンテナ30
は、ラジアル導波路33を形成する互いに平行な2枚の
円形導体板31,32と、これらの導体板31,32の
外周部を接続してシールドする導体リング34とから構
成されている。ラジアル導波路33の上面となる導体板
32の中心部には、ラジアル導波路33内に電磁界を導
入する電磁界導入口35が形成され、ラジアル導波路3
3の下面となる導体板31には、ラジアル導波路33内
を伝播する電磁界を処理容器11内に供給するスロット
36が複数形成されている。スロット36が形成されて
いる導体板31がラジアルラインアンテナ30の放射面
を構成する。
管41が接続されている。この同軸導波管41の外導体
41Aは導体板32の電磁界導入口35に接続され、内
導体41Bは導体板31の中心に接続されている。ま
た、同軸導波管41は、矩形・同軸変換器42、矩形導
波管43及びマッチング回路44を介して、1GHz〜
十数GHzの範囲内の所定周波数の高周波電磁界を発生
する高周波発生器45が接続されている。なお、誘電体
板18及びラジアルラインアンテナ30の外周は、処理
容器11の側壁上に配置された環状のシールド材19に
よって覆われ、電磁界が外部に漏れない構造になってい
る。
用いた処理方法について説明する。図2は、この処理方
法の主要な工程の流れを示すフローチャートである。図
2に示されているように、この処理方法は、処理容器1
1の内表面に絶縁膜を成膜するプリ・コートの工程S1
と、処理対象であるウェーハ表面に絶縁膜を成膜するデ
ポジションの工程S2とを有している。図3は、各工程
S1,S2における高周波プラズマ装置の断面図であ
る。以下、この図を参照して説明する。
る。載置台22の上面に処理対象のウェーハが載置され
ていない状態で、処理容器11内の圧力を1〜10Pa
にする。なお、載置台22の上面に処理対象でないダミ
ーウェーハが載置されていてもよい。上記の圧力を維持
しつつ、ノズル14からモノシランSiH4 と酸素O2
との混合ガスを流量制御して処理容器11内に導入す
る。ここで、高周波発生器45で発生させた周波数2.
45GHzの高周波電磁界Fをラジアルラインアンテナ
30から誘電体板18を介して処理容器11内に導入す
ると、O2 が解離してOプラズマPとOラジカルが生成
される。Oラジカルは処理容器11の内表面と載置台2
2の表面に付着し、後から到着するSiH4 を分解して
反応しSiO2 となる。この処理を所定時間続け、図3
(a)に示すように膜厚が0.1〜10μmの範囲内で
均一なSiO2 膜51を成膜する。
zという高周波の電磁界Fを用いているので、平行平板
型のプラズマ装置よりも電子温度が低いプラズマPを生
成することができる。このため、処理容器11の内表面
と載置台22の表面に従来より緻密かつ均一なSiO2
膜51を形成することができる。緻密かつ均一なSiO
2 膜51は、処理容器11に対して密着性がよいので、
本来的に剥離しにくいという特徴がある。また、従来よ
り膜厚を薄くしても十分なコーティング作用が得られる
ので、SiO2 膜の膜厚を10μm以上としたときに生
じる処理容器11との線熱膨張率の差に基づく剥離を抑
制することもできる。また、1〜10Paという低圧力
下でプラズマPを生成するので、平行平板型のプラズマ
装置より電子の平均自由行程が長く、イオン密度が高く
なる。このため、従来よりSiO2 の堆積速度が速くな
るので、プリ・コートに要する時間を短縮することがで
きる。
明する。載置台22の上面に処理対象のウェーハ23を
配置し、処理容器11内の圧力をプリ・コートの工程S
1よりもやや高い5〜100Paにする。この圧力下で
プラズマPを生成し、図3(b)に示すようにウェーハ
23の表面にSiO2 膜52を成膜する。圧力以外の処
理条件はプリ・コートの工程S1と同じである。比較的
高い圧力でプラズマPを生成し、イオン密度を低くする
ことにより、ウェーハ23の表面に形成されるSiO2
膜52が受けるダメージを低減することができる。した
がって、半導体素子のゲート絶縁膜形成に適用すれば、
誤動作の少ない半導体素子を形成することができる。こ
のように、本実施の形態の処理方法では、各工程S1,
S2で処理条件を変えることにより、SiO2 膜51,
52のぞれぞれに適切な機能をもたせることができる。
行なった後、再度プリ・コートの工程S1を行うように
してもよい。デポジションの工程S2においても処理容
器11の内表面等にSiO2 が堆積し、SiO2 膜51
が剥離しやすいしやすい膜厚を超える場合があるので、
処理容器11内をクリーニングし一旦SiO2 膜51を
除去してから再度プリ・コートの工程S1を行うように
してもよい。
を成膜する場合に、モノシランSiH4 と酸素O2 との
混合ガスを用いた例を示したが、Six Hy Fz (xは
自然数;y,zは0と自然数)とO2 との混合ガスを用
いてもよい。また、プリ・コートにおいて絶縁膜として
SiO2 膜51を成膜する例を説明したが、絶縁膜とし
てSi3 N4 膜を成膜してもよい。Si3 N4 膜を成膜
するには、ガス供給手段に例えばモノシランSiH4 と
窒素N2 のガス源を用意し、これらの混合ガスを処理容
器11内に導入して成膜すればよい。なお、Six H y
Fz とN2 との混合ガスを用いてもよい。また、プリ・
コートにおいて、Six Hy Fz (例えばSiH4 )と
O2 とN 2 との混合ガスを用いて、シリコン酸窒化膜を
成膜してもよい。
2の実施の形態で用いる高周波プラズマ装置の要部構成
を示す断面図である。この図に示されている高周波プラ
ズマ装置は、図1に示した高周波プラズマ装置の処理容
器11の周囲に、加熱手段としてのヒーター61が巻か
れたものである。このヒーター61は、ヒーター電源6
2から電源供給を受けて発熱することにより処理容器1
1を加熱し、プリ・コートの工程S1において絶縁膜の
堆積が促進される温度にする。例えば、処理容器11の
内表面等に絶縁膜としてSiO2 膜51を成膜する場合
には、処理容器11を100〜300℃に加熱すること
により、SiO2 の堆積速度を速くして堆積時間を短縮
することができる。
を加熱する加熱手段を、処理容器11Aの側壁内部に全
周にわたって形成された溝63と、この溝63に高温の
液体を流通させる導入管64及び排出管65とから構成
してもよい。この場合、溝63に流通させる液体には、
例えばパーフルオロポリエーテル(ガルデン)等を用い
ることができる。なお、図5にはガス供給手段は省略さ
れている。加熱手段の加熱温度は変更自在であってもよ
い。この場合、デポジションの工程S2において処理容
器11を更に高温に加熱して活性種を付着しにくくする
ことにより、この工程S2で処理容器11の内壁面に絶
縁膜が堆積することを妨げ、絶縁膜が剥離しやすい膜厚
に成長するのを抑制することができる。
3の実施の形態で用いる高周波プラズマ装置の要部構成
を示す断面図である。この図では、図4と同一部分又は
相当部分を同一符号で示している。図6に示されている
高周波プラズマ装置では、図4に示した誘電体板18が
二重構造になっている。すなわち、処理容器11の上部
開口を塞ぐ第1の誘電体板18Aの上方位置にこれと離
間して第2の誘電体板18Bが配置されている。2つの
誘電体板18A,18Bは、共に厚さ20〜30mm程
度の石英ガラス又はセラミック(例えばAl2 O3 、A
lN)等で形成される。
ールド材19Aとによって囲まれた密閉空間に高温の流
体を流通させる流通手段として、導入管71と排出管7
2とがシールド材19Aに設けられている。上記密閉空
間に導入される流体は、処理容器11内に臨む第1の誘
電体板18Aを加熱して活性種が付着しにくい温度(た
だし、600℃以下)にする。例えば、SiO2 膜5
1,52を成膜する場合には、第1の誘電体板18Aを
400〜600℃に加熱することにより、第1の誘電体
板18Aの表面にOラジカルが付着しSiO2 が堆積す
ることを妨げることができる。
は、高周波電磁界Fを吸収しにくいものが用いられる。
気体であれば窒素N2 等、液体であればパーフルオロポ
リエーテル等が用いられる。また、第1の誘電体板18
Aと共に密閉空間を形成する第2の誘電体板18Bは、
第1の誘電体板18Aに対して載置台22と異なる側に
配置されればよい。したがって、ラジアルラインアンテ
ナ30の給電線である同軸導波管41の途中に第2の誘
電体板を詰めて密閉空間を形成してもよい。この場合、
ラジアルラインアンテナ30の内部にも流体が流通する
ことになる。
実施の形態では、プリ・コートとして処理容器の内表面
等にSiO2 又はSi3 N4 等の絶縁膜を成膜するが、
処理容器等がAl系の材料で形成されている場合、その
内表面等をフッ化処理して表面改質するようにしてもよ
い。その形態を説明する。図7は、本発明の第4の実施
の形態で用いる高周波プラズマ装置の要部構成を示す断
面図である。この図に示されている高周波プラズマ装置
は、図1に示した高周波プラズマ装置のガス供給手段
に、フッ素系のガスであるSiF4 のガス源17Cと、
これに対応するマスフローコントローラ15C及び開閉
弁16Cとを付加したものである。ただし、処理容器1
1B及び載置台22BはAlで形成されているものとす
る。図7に示した高周波プラズマ装置を用いた処理方法
は、プリ・コートの工程S11とデポジションの工程S
12とを有している。
置の断面図である。以下、この図を参照して説明する。
プリ・コートの工程S11では、載置台22Bの上面に
処理対象のウェーハ23が載置されていない状態で、処
理容器11B内の圧力を1〜15Paにする。なお、載
置台22Bの上面に処理対象でないダミーウェーハが載
置されていてもよい。上記の圧力を維持しつつ、ノズル
14からSiF4 ガスを流量制御して処理容器11B内
に導入し、ラジアルラインアンテナ30から周波数2.
45GHzの高周波電磁界Fを処理容器11B内に導入
し、プラズマPを生成する。このとき、Alが露出する
処理容器11Bの内表面及び載置台22Bの表面では、
次のような反応が進行する。2SiF4+2Al→2A
lF3+2Si+F2
2Bの表面のフッ化処理を所定時間続け、図8(a)に
示すように膜厚が0.1〜10μmの範囲内で均一なA
lF 3 膜81を形成する。AlF3 は極めて安定な物質
であるから、AlF3 膜81で処理容器11Bの内表面
等をコーティングすることにより、処理容器11B等か
らその構成金属が離脱し処理容器11B内を汚染するこ
とを防止することができる。このように処理容器11の
内表面等をフッ化処理してコーティングする方法でも、
第1の実施の形態と同様の効果が得られる。すなわち、
電子温度が低いプラズマPにより、AlF3 膜81を緻
密かつ均一に形成し、AlやFが離脱しにくいものとす
ることができる。また、高密度のプラズマPにより、高
速でフッ化処理を行い、プリ・コートを短時間で行うこ
とができる。
の形態におけるデポジションの工程S2と同様である。
すなわち、載置台22Bの上面に処理対象のウェーハ2
3を配置し、処理容器11B内の圧力を5〜100Pa
に維持しつつ、処理容器11B内にモノシランSiH4
と酸素O2 との混合ガスを導入してプラズマPを生成
し、図8(b)に示すようにウェーハ23の表面にSi
O2 膜52を成膜するのである。
置台22BのAl表面をフッ化処理する場合に、処理ガ
スとしてSiF4 を用いる例を示したが、Six Hy F
z (x,zは自然数;yは0と自然数)を用いてもよ
い。また、これ以外にF2 ガス、HFガス、又は、CF
4 とO2 との混合ガスを用いてもよい。また、処理容器
11B及び載置台22Bの酸化されたAl2O3表面をフ
ッ化処理する場合には、処理ガスとしてHFガス又はN
F3 ガスを用いればよい。また、処理容器11B及び載
置台22Bの窒化されたAlN表面をフッ化処理する場
合には、処理ガスとしてClFガス又はNF3 ガスを用
いればよい。
て、処理容器11Bの内表面及び載置台22Bの表面を
フッ化処理してAlF3 膜81を形成した後で、このA
lF3膜81上にSiO2 膜51又はSi3 N4 膜等の
絶縁膜を形成するようにしてもよい。この絶縁膜の形成
方法は、第1の実施の形態におけるプリ・コートの工程
S1に示した方法と同じでよい。このように二重コーテ
ィングすることにより、プラズマポテンシャルが高い場
合でも、処理容器11B内の汚染を低減することができ
る。
ート方法は、高周波プラズマ装置を用い、少なくとも処
理容器の内表面に絶縁膜を成膜する。高周波プラズマ装
置は、プラズマの電子温度が低いので、従来より緻密か
つ均一な絶縁膜を形成し、剥離しにくくすることができ
る。また、低圧力下でプラズマを生成すれば、プラズマ
のイオン密度が高くなるので、処理容器の内表面への絶
縁膜の堆積速度を速くし、プリ・コートに要する時間を
短縮することができる。また、本発明のプリ・コート方
法は、高周波プラズマ装置を用い、少なくともAl系の
処理容器の内表面をフッ化処理する。この方法でも、上
記のプリ・コート方法と同様の効果が得られる。
高周波の電磁界を処理容器内に供給してプラズマを生成
し、このプラズマを用いて少なくとも処理容器の内表面
にプリ・コートする第1の工程と、処理容器内にウェー
ハを配置し、アンテナから高周波の電磁界を処理容器内
に供給してプラズマを生成し、このプラズマを用いてウ
ェーハの表面に絶縁膜を成膜する第2の工程とを有し、
第1の工程と第2の工程とで、プラズマを生成する条件
が異なる。これにより、処理容器の内表面へのプリ・コ
ートと、ウェーハ表面に形成される絶縁膜とのぞれぞれ
に、適切な機能をもたせることができる。
収容する処理容器を加熱する加熱手段と、アンテナの放
射面に対向配置された第1の誘電体板と共に密閉空間を
形成する第2の誘電体板と、密閉空間に流体を流通させ
て第1の誘電体板を加熱する流通手段とを備えている。
プリ・コートの工程において、処理容器を加熱して絶縁
膜の堆積が促進される温度にすることにより、処理容器
の内表面への絶縁膜の堆積時間を短縮することができ
る。また、第1の誘電体板を加熱して活性種が付着しに
くい温度にすることにより、第1の誘電体板への絶縁膜
の堆積を低減することができる。更に、加熱手段の加熱
温度を変更自在とし、デポジションの工程において、処
理容器を更に高温に加熱して活性種を付着しにくい温度
にすることにより、処理容器の内表面への余剰な絶縁膜
の堆積を抑制することができる。
ラズマ装置の要部構成を示す断面図である。
理方法の主要な工程の流れを示すフローチャートであ
る。
における高周波プラズマ装置の断面図である。
ラズマ装置の要部構成を示す断面図である。
波プラズマ装置の要部構成を示す断面図である。
ラズマ装置の要部構成を示す断面図である。
ラズマ装置の要部構成を示す断面図である。
における高周波プラズマ装置の断面図である。
…真空ポンプ(排気手段)、14…ノズル、15A〜1
5C…マスフローコントローラ、16A〜16C…開閉
弁、17A〜17C…ガス源、18,18A,18B…
誘電体板、19,19A…シールド材、21…絶縁板、
22,22B…載置台、23…ウェーハ、30…ラジア
ルラインアンテナ、31,32…導体板、33…ラジア
ル導波路、34…導体リング、35…電磁界導入口、3
6…スロット、41…同軸導波管、41A…外導体、4
1B…内導体、42…矩形・同軸変換器、43…矩形導
波管、44…マッチング回路、45…高周波発生器、5
1,52…SiO2 膜(絶縁膜)、61…ヒーター(加
熱手段)、62…ヒーター電源、63…溝、64,71
…導入管、65,72…排出管、81…AlF3 膜、S
1,S11…プリ・コートの工程、F…高周波電磁界、
P…プラズマ、S2,S12…デポジションの工程。
Claims (11)
- 【請求項1】 ウェーハを載置する載置台と、この載置
台を収容する処理容器と、この処理容器内を排気する排
気手段と、前記処理容器内にガスを供給するガス供給手
段と、前記処理容器内に高周波の電磁界を供給するアン
テナとを備えたプラズマ装置を用い、 前記処理容器内にガスを供給すると共に前記処理容器内
に電磁界を供給してプラズマを生成し、このプラズマを
用いて少なくとも前記処理容器の内表面に絶縁膜を成膜
することを特徴とするプリ・コート方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のプリ・コート方法におい
て、 前記ガスは、Six Hy Fz (xは自然数;y,zは0
と自然数)と酸素との混合ガスであることを特徴とする
プリ・コート方法。 - 【請求項3】 請求項1記載のプリ・コート方法におい
て、 前記ガスは、Six Hy Fz (xは自然数;y,zは0
と自然数)と窒素との混合ガスであることを特徴とする
プリ・コート方法。 - 【請求項4】 請求項1記載のプリ・コート方法におい
て、 前記ガスは、Six Hy Fz (xは自然数;y,zは0
と自然数)と酸素と窒素との混合ガスであることを特徴
とするプリ・コート方法。 - 【請求項5】 ウェーハを載置する載置台と、この載置
台を収容するAl系の処理容器と、この処理容器内を排
気する排気手段と、前記処理容器内にガスを供給するガ
ス供給手段と、前記処理容器内に高周波の電磁界を供給
するアンテナとを備えたプラズマ装置を用い、 前記処理容器内にフッ素系のガスを供給すると共に前記
処理容器内に電磁界を供給してプラズマを生成し、この
プラズマを用いて少なくとも前記処理容器の内表面をフ
ッ化処理することを特徴とするプリ・コート方法。 - 【請求項6】 請求項5記載のプリ・コート方法におい
て、 前記ガスは、Six Hy Fz (x,zは自然数;yは0
と自然数)であることを特徴とするプリ・コート方法。 - 【請求項7】 請求項5又は6記載のプリ・コート方法
において、 さらに、前記処理容器内にガスを供給すると共に前記処
理容器内に電磁界を供給してプラズマを生成し、このプ
ラズマを用いてフッ化処理された表面上に絶縁膜を成膜
することを特徴とするプリ・コート方法。 - 【請求項8】 アンテナから高周波の電磁界を処理容器
内に供給してプラズマを生成し、このプラズマを用いて
少なくとも前記処理容器の内表面にプリ・コートする第
1の工程と、 前記処理容器内にウェーハを配置し、前記アンテナから
高周波の電磁界を前記処理容器内に供給してプラズマを
生成し、このプラズマを用いて前記ウェーハの表面に絶
縁膜を成膜する第2の工程とを有し、 前記第1の工程と前記第2の工程とでは、プラズマを生
成する条件が異なることを特徴とする処理方法。 - 【請求項9】 請求項8記載の処理方法において、 前記第1の工程では、前記第2の工程よりも前記処理容
器内の圧力を低くして前記プラズマを生成することを特
徴とする処理方法。 - 【請求項10】 ウェーハを載置する載置台と、この載
置台を収容するAl系の処理容器と、この処理容器内を
排気する排気手段と、前記処理容器内にガスを供給する
ガス供給手段と、前記処理容器内に高周波の電磁界を供
給するアンテナとを備えたプラズマ装置において、 前記処理容器の内表面は、フッ化処理されていることを
特徴とするプラズマ装置。 - 【請求項11】 ウェーハを載置する載置台と、この載
置台を収容する処理容器と、この処理容器内に高周波の
電磁界を供給するアンテナと、このアンテナの放射面に
対向配置された第1の誘電体板とを備えたプラズマ装置
において、 前記処理容器を加熱する加熱手段と、 前記第1の誘電体板に対して前記載置台と異なる側に配
置され前記第1の誘電体板と共に密閉空間を形成する第
2の誘電体板と、 前記密閉空間に流体を流通させて前記第1の誘電体板を
加熱する流通手段とを備えたことを特徴とするプラズマ
装置。
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