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JP2003015695A - オーディオ帯域拡張装置 - Google Patents

オーディオ帯域拡張装置

Info

Publication number
JP2003015695A
JP2003015695A JP2001204476A JP2001204476A JP2003015695A JP 2003015695 A JP2003015695 A JP 2003015695A JP 2001204476 A JP2001204476 A JP 2001204476A JP 2001204476 A JP2001204476 A JP 2001204476A JP 2003015695 A JP2003015695 A JP 2003015695A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
band
output
signal
audio
oversampling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001204476A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Muraki
健司 村木
Naoki Ejima
直樹 江島
Kazuya Iwata
和也 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001204476A priority Critical patent/JP2003015695A/ja
Publication of JP2003015695A publication Critical patent/JP2003015695A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サンプリング定理で高域再生上限が決定され
ているディジタルオーディオ信号に対して、再生帯域を
拡大して再生音質の向上を図ること。 【解決手段】 ディジタルのオーディオ信号をオーバー
サンプリング型LPF102に与え、オーバーサンプリ
ングと帯域制限を施す。また、バンドパスフィルタ10
3、整流回路104、ハイパスフィルタ105を用いて
入力信号の持つ帯域以上の高調波を発生させる。レベル
制御回路107はスペクトル解析回路106で検出され
た入力信号の高域成分のスペクトル強度に基づいてレベ
ル制御を行い、加算回路108で入力信号に加算する。
次に、オーバーサンプリング手段109は更に高いサン
プリング周波数でオーバーサンプリングを行い、LPF
110を通して帯域を拡大したオーディオ信号を出力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオ機器に
おけるオーディオ信号の再生音、特に高音域の再生音質
の向上を図り、人間の耳に快適なオーディオ信号を再生
できるオーディオ帯域拡張装置に関するものであり、特
にディジタルオーディオデータをディジタル領域で処理
するオーディオ帯域拡張技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自然界には100kHz以上に及ぶ周波
数帯域を持つ音がある。また、人間の可聴上限周波数は
20kHzであると言われていたが、20kHz以上の
音を知覚していることが近年の研究でわかってきた。と
ころが、ディジタルオーディオでは、サンプリング定理
で高域再生上限が決定されている。コンパクトディスク
(以下、CDという)の場合は22.05kHzが上限
である。CDでは、この高域再生限界以上の帯域成分を
削除してしまい、聴感上不自然な感じがする場合があ
る。このため、高域再生上限以上の成分を付加する技術
が提案されている。
【0003】ディジタルオーディオ信号に対して、再生
周波数帯の高音域上限か、又は可聴周波数帯域の高音域
上限を越える周波数のスペクトルを持つ信号を付加する
技術として、特願平11−36685号に記載のオーデ
ィオ帯域拡張方法及び装置がある。
【0004】図8は上記の機能を持つ従来のオーディオ
帯域拡張装置のブロック図である。このオーディオ帯域
拡張装置は、入力端子801、ディジタルオーバーサン
プリング型ローパスフィルタ(オーバーサンプリング型
LPF)802、バンドパスフィルタ803、整流回路
804、ハイパスフィルタ805、スペクトル解析回路
806、レベル制御回路807、加算回路808、出力
端子809を含んで構成される。
【0005】このような構成の従来のオーディオ帯域拡
張装置について、その動作を説明する。入力端子801
を通じてディジタルのオーディオ信号が入力される。こ
の信号がCDから再生されたものであれば、サンプリン
グ周波数fs0=44.1kHz、語長16ビットの信
号である。図9(a)は入力端子801における信号ス
ペクトルの一例である。
【0006】オーバーサンプリング型LPF802は、
入力端子801を介して入力された信号のサンプリング
周波数fs0をp倍し(pは2以上の数)、且つ不要な
帯域、すなわち入力信号のサンプリング周波数fs0の
1/2以上の帯域を60dB以上減衰させる。図9
(b)はオーバーサンプリング型LPF802の出力ス
ペクトルの一例である。この例ではp=4、即ちオーバ
ーサンプリング型LPF802のサンプリング周波数f
s2を4fs0としている。
【0007】次に、バンドパスフィルタ803はオーバ
ーサンプリング型LPF802の出力帯域を制限する。
即ち、バンドパスフィルタ803は、fs0/4〜fs
0/2の帯域を持つ信号を出力する。そして、整流回路
804はバンドパスフィルタ803の出力を半波又は両
波整流することで、入力信号の高調波を発生させる。そ
して、ハイパスフィルタ805は、整流回路804の出
力の低域成分を遮断し、fs0/2以上のスペクトルを
持つ信号を出力する。
【0008】一方、スペクトル解析回路806は、オー
バーサンプリング型LPF802の出力の高域成分のス
ペクトル強度を検出する。ここでは、fs0/4〜fs
0/2のスペクトル強度を検出する。そして、レベル制
御回路807は、スペクトル解析回路806の出力に応
じてハイパスフィルタ805の出力レベルを制御する。
ここでは、入力信号のfs0/4〜fs0/2における
スペクトル強度が大きい場合、ハイパスフィルタ805
の出力レベルを大きくし、スペクトル強度が小さい場合
は出力レベルを小さくする。図9(c)はレベル制御回
路807の出力スペクトルの一例である。
【0009】そして、加算回路808は、オーバーサン
プリング型LPF802の出力とレベル制御回路807
の出力とを加算し、加算信号を出力端子809を介して
出力する。図9(d)は出力端子809における信号ス
ペクトルを示す。
【0010】このように、入力信号の持つ帯域以上のス
ペクトルを持つ高調波を発生させ、入力信号の高域スペ
クトル強度に応じて、高調波成分を入力信号に付加する
ことで、オーディオ帯域を拡張することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、オーバーサンプリング型LPF802のオ
ーバーサンプル比pに応じて、それ以後の処理量が増大
するという問題点を有していた。即ち、pが2の場合の
処理量がaMIPSであるとすると、上記の従来例のよ
うにpが4になると、図8のスペクトル解析回路80
6、バンドパスフィルタ803、整流回路804、ハイ
パスフィルタ805、レベル制御回路807の処理量も
約2aMIPSに増加してしまう。
【0012】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、オーバーサンプル比pが大き
い場合でも、処理量の増加を抑止できるオーディオ帯域
拡張装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、周波数fs0でサンプリングされたオーディオ信号
を入力し、周波数fs1(fs1>fs0)でオーバー
サンプリングを行い、fs0/n(nは整数)以下の帯
域Aの成分のみを通過させる第1のオーバーサンプリン
グ手段と、前記第1のオーバーサンプリング手段の出力
信号を入力し、帯域Aのオーディオ信号を所定の時間T
毎に区切り、前記帯域A内のスペクトルを解析するスペ
クトル解析手段と、前記第1のオーバーサンプリング手
段の出力信号を入力し、前記出力信号を歪ませて高調波
成分を含むオーディオ信号を出力する非線形手段と、前
記非線形手段の出力信号から前記帯域Aより高域に位置
する帯域Bの成分を取り出す高域通過フィルタと、前記
スペクトル解析手段の解析結果に応じて、前記高域通過
フィルタの出力レベルを制御して出力するレベル制御手
段と、前記レベル制御手段により制御された前記高域通
過フィルタの出力と前記第1のオーバーサンプリング手
段の出力とを加算する出力信号加算手段と、前記出力信
号加算手段から出力されたオーディオ信号に対して、周
波数fs2(fs2>fs1)でオーバーサンプリング
を行う第2のオーバーサンプリング手段と、を具備する
ことを特徴とするものである。
【0014】本願の請求項2の発明は、周波数fs0で
サンプリングされたオーディオ信号を入力し、周波数f
s1(fs1>fs0)でオーバーサンプリングを行
い、fs0/n(nは整数)以下の帯域Aの成分のみを
通過させる第1のオーバーサンプリング手段と、前記第
1のオーバーサンプリング手段の出力信号を入力し、帯
域Aのオーディオ信号を所定の時間T毎に区切り、前記
帯域A内のスペクトルを解析するスペクトル解析手段
と、前記帯域Aよりも高域に位置する帯域B内にディザ
を生成するディザ生成手段と、前記スペクトル解析手段
の解析結果に応じて、前記ディザ生成手段の出力レベル
を制御して出力するレベル制御手段と、前記レベル制御
手段により制御された前記ディザ生成手段の出力と前記
第1のオーバーサンプリング手段の出力とを加算する出
力信号加算手段と、前記出力信号加算手段から出力され
たオーディオ信号に対して、周波数fs2(fs2>f
s1)でオーバーサンプリングを行う第2のオーバーサ
ンプリング手段と、を具備することを特徴とするもので
ある。
【0015】本願の請求項3の発明は、周波数fs0で
サンプリングされたオーディオ信号を入力し、周波数f
s1(fs1>fs0)でオーバーサンプリングを行
い、fs0/n(nは整数)以下の帯域Aの成分のみを
通過させる第1のオーバーサンプリング手段と、前記第
1のオーバーサンプリング手段の出力信号を入力し、帯
域Aのオーディオ信号を所定の時間T毎に区切り、前記
帯域A内のスペクトルを解析するスペクトル解析手段
と、前記第1のオーバーサンプリング手段の出力信号を
入力し、入力信号を歪ませて高調波成分を含むオーディ
オ信号を出力する非線形手段と、前記非線形手段の出力
信号から前記帯域Aより高域に位置する帯域Bの成分を
取り出す高域通過フィルタと、前記帯域Aより高域に位
置する帯域B内にディザを生成するディザ生成手段と、
前記高域通過フィルタの出力と前記ディザ生成手段の出
力とを加算する高域信号加算手段と、前記スペクトル解
析手段の解析結果に応じて、前記高域信号加算手段の出
力レベルを制御して出力するレベル制御手段と、前記レ
ベル制御手段により制御された前記高域信号加算手段の
出力と前記第1のオーバーサンプリング手段の出力とを
加算する出力信号加算手段と、前記出力信号加算手段か
ら出力されたオーディオ信号に対して、周波数fs2
(fs2>fs1)でオーバーサンプリングを行う第2
のオーバーサンプリング手段と、を具備することを特徴
とするものである。
【0016】本願の請求項4の発明は、請求項1〜3の
何れか1項のオーディオ帯域拡張装置において、前記第
1のオーバーサンプリング手段は、そのサンプリング周
波数fs1が入力オーディオ信号のサンプリング周波数
fs0の2倍以上の値を有し、オーバーサンプリング処
理による折り返し成分を除去して出力することを特徴と
するものである。
【0017】本願の請求項5の発明は、請求項1又は3
のオーディオ帯域拡張装置において、前記非線形手段及
び前記高域通過フィルタにおける演算語長とその出力
は、入力オーディオ信号の語長より大きくすることを特
徴とするものである。
【0018】本願の請求項6の発明は、請求項2又は3
のオーディオ帯域拡張装置において、前記ディザ生成手
段における演算語長とその出力は、入力オーディオ信号
の語長より大きくすることを特徴とするものである。
【0019】本願の請求項7の発明は、請求項1又は3
のオーディオ帯域拡張装置において、前記非線形手段及
び前記高域通過フィルタにおける演算語長とその出力
は、入力オーディオ信号の語長より大きく、前記出力信
号加算手段は、前記入力オーディオ信号の語長のLSB
幅と略同じ振幅の帯域拡張信号を前記第1のオーバーサ
ンプリング手段の出力に対して加算することを特徴とす
るものである。
【0020】本願の請求項8の発明は、請求項2又は3
のオーディオ帯域拡張装置において、前記ディザ生成手
段における演算語長とその出力は、入力オーディオ信号
の語長より大きく、前記出力信号加算手段は、前記入力
オーディオ信号の語長のLSB幅と略同じ振幅の帯域拡
張信号を前記第1のオーバーサンプリング手段の出力に
対して加算することを特徴とするものである。
【0021】本願の請求項9の発明は、請求項1又は3
のオーディオ帯域拡張装置において、前記非線形手段
は、正負両側に変化する信号の基準レベルに対して片側
のみ取り出すハーフクリップ手段、又は片側の振幅を反
対側に折り返す絶対値化手段の何れかを非線形処理とし
て用いることを特徴とするものである。
【0022】本願の請求項10の発明は、請求項1〜3
の何れか1項のオーディオ帯域拡張装置において、前記
スペクトル解析手段は、入力オーディオ信号が単一スペ
クトルの信号か、複数のスペクトルの信号かを解析する
ことを特徴とするものである。
【0023】本願の請求項11の発明は、請求項2又は
3のオーディオ帯域拡張装置において、前記ディザ生成
手段は、所定の振幅内で確率密度が三角分布となるダイ
ヤモンドディザ生成手段であることを特徴とするもので
ある。
【0024】本願の請求項12の発明は、請求項11の
オーディオ帯域拡張装置において、前記ダイヤモンドデ
ィザ生成手段は、互いに独立な2つのPN系列生成手段
PAの出力とPN系列生成手段PBの出力とを加算する
ことを特徴とするものである。
【0025】本願の請求項13の発明は、請求項11の
オーディオ帯域拡張装置において、前記ダイヤモンドデ
ィザ生成手段は、1つのPN系列生成手段PPの互いに
異なり重なり合わない部分要素PPAと部分要素PPB
とを加算することを特徴とするものである。
【0026】本願の請求項14の発明は、請求項2又は
3のオーディオ帯域拡張装置において、前記ディザ生成
手段は、所定の振幅内で確率密度が釣鐘型分布となるベ
ル型ディザ生成手段であることを特徴とするものであ
る。
【0027】本願の請求項15の発明は、請求項14の
オーディオ帯域拡張装置において、前記ベル型ディザ生
成手段は、互いに独立な3つのPN系列生成手段PA、
PN系列生成手段PB、PN系列生成手段PCの各出力
を加算することを特徴とするものである。
【0028】本願の請求項16の発明は、請求項14の
オーディオ帯域拡張装置において、前記ベル型ディザ生
成手段は、1つのPN系列生成手段PPの互いに異なり
重なり合わない部分要素PPAと部分要素PPBと部分
要素PPCとを加算することを特徴とするものである。
【0029】本願の請求項17の発明は、請求項2又は
3のオーディオ帯域拡張装置において、前記ディザ生成
手段は、前記帯域Bのスペクトル分布が1/f特性とな
るディザを出力することを特徴とするものである。
【0030】本願の請求項18の発明は、請求項2又は
3のオーディオ帯域拡張装置において、前記レベル制御
手段は、前記スペクトル解析手段の解析結果により、単
一スペクトルのみが存在すると判定された場合は、前記
ディザ生成手段の出力レベルをゼロにし、複数のスペク
トルが存在すると判定された場合には、前記帯域Aの最
も高域のスペクトルに前記帯域Bのディザのスペクトル
高が連続するように出力レベルを制御することを特徴と
するものである。
【0031】本願の請求項19の発明は、請求項2又は
3のオーディオ帯域拡張装置において、前記レベル制御
手段は、前記スペクトル解析手段の解析結果により、複
数のスペクトルが存在すると判定された場合には、スペ
クトル包絡線の傾斜に基づいて前記帯域Aと前記帯域B
の間でディザが連続するようにディザレベルを制御する
ことを特徴とするものである。
【0032】本願の請求項20の発明は、請求項2又は
3のオーディオ帯域拡張装置において、前記レベル制御
手段は、前記スペクトル解析手段の解析結果より、前記
帯域Aの信号がゼロと判定された場合は、ディザレベル
をゼロにミュートすることを特徴とするものである。
【0033】本願の請求項21の発明は、請求項2又は
3のオーディオ帯域拡張装置において、前記レベル制御
手段は、前記スペクトル解析手段の解析出力を所定の平
滑フィルタを用いて平滑化し、ディザレベルの変動を緩
慢にすることを特徴とするものである。
【0034】本願の請求項22の発明は、請求項21の
オーディオ帯域拡張装置において、前記平滑フィルタ
は、アタック特性とレリーズ特性を夫々制御することを
特徴とするものである。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態にお
けるオーディオ帯域拡張装置について、図面を参照しな
がら説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1における
オーディオ帯域拡張装置のブロック図である。このオー
ディオ帯域拡張装置は、入力端子101、オーバーサン
プリング型ディジタルローパスフィルタ(オーバーサン
プリング型LPF)102、バンドパスフィルタ10
3、整流回路104、ハイパスフィルタ105、スペク
トル解析回路106、レベル制御回路107、加算回路
108、オーバーサンプリング手段109、ローパスフ
ィルタ(LPF)110、出力端子111を含んで構成
される。
【0036】オーバーサンプリング型LPF102は、
周波数fs0でサンプリングされたオーディオ信号を入
力し、周波数fs1(fs1>fs0)でオーバーサン
プリングを行い、fs0/n(nは整数)以下の帯域A
の成分のみを通過させる第1のオーバーサンプリング手
段である。
【0037】スペクトル解析回路106は、オーバーサ
ンプリング型LPF102の出力信号を入力し、帯域A
のオーディオ信号を所定の時間T毎に区切り、帯域A内
のスペクトルを解析するスペクトル解析手段である。
【0038】バンドパスフィルタ103及び整流回路1
04は非線形手段の機能を有する。即ち、オーバーサン
プリング型LPF102の出力信号を入力し、出力信号
を歪ませて高調波成分を含むオーディオ信号を出力す
る。ハイパスフィルタ105は、非線形手段の出力信号
から帯域Aより高域に位置する帯域Bの成分を取り出す
高域通過フィルタである。
【0039】レベル制御回路107は、スペクトル解析
回路106の解析結果に応じて、ハイパスフィルタ10
5の出力レベルを制御して出力するレベル制御手段であ
る。加算回路108は、レベル制御回路107により制
御されたハイパスフィルタ105の出力と、オーバーサ
ンプリング型LPF102の出力とを加算する出力信号
加算手段である。
【0040】オーバーサンプリング手段109は、加算
回路108から出力されたオーディオ信号に対して、周
波数fs2(fs2>fs1)でオーバーサンプリング
を行う第2のオーバーサンプリング手段である。
【0041】このような構成のオーディオ帯域拡張装置
について、その動作を説明する。入力端子101を通じ
てディジタルのオーディオ信号が入力される。この信号
がCDから再生されたものであれば、サンプリング周波
数fs0=44.1kHz、語長16ビットの信号であ
る。図2(a)にこのスペクトルの一例を示す。ナイキ
ストサンプリング定理により、fs0/2を中心軸とし
てそのスペクトルが左右対称になっている。
【0042】オーバーサンプリング型LPF102は、
入力端子101を介して入力された信号のサンプリング
周波数をp倍(pは正の数)し、且つ不要な帯域を減衰
させる。ここでは従来例のp=4と異なり、p=2とし
ている。このオーバーサンプリング型LPF102は入
力信号のサンプリング周波数の2分の1以上の帯域を、
そのLPF機能により60dB以上減衰させるものとす
る。
【0043】次に、バンドパスフィルタ103はオーバ
ーサンプリング型LPF102の出力帯域を制限する。
入力信号のサンプリング周波数をfs0とすれば、バン
ドパスフィルタ103は、fs0/4〜fs0/2の帯
域を持つ信号を出力する。そして、整流回路104はバ
ンドパスフィルタ103の出力を半波又は両波整流する
ことで、入力信号の高調波成分を発生させる。ハイパス
フィルタ105は、整流回路104の出力の低域成分を
遮断し、fs0/2以上のスペクトルを持つ信号を出力
する。
【0044】一方、スペクトル解析回路106は、オー
バーサンプリング型LPF102の出力の高域成分のス
ペクトル強度を検出する。ここでは、fs0/4〜fs
0/2のスペクトル強度を検出する。そして、レベル制
御回路107は、スペクトル解析回路106の出力(解
析結果)に応じてハイパスフィルタ105の出力レベル
を制御する。ここでは、入力信号のfs0/4〜fs0
/2におけるスペクトル強度が大きい場合、ハイパスフ
ィルタ105の出力レベルを大きくし、スペクトル強度
が小さい場合は出力レベルを小さくする。
【0045】そして、加算回路108は、オーバーサン
プリング型LPF102の出力とレベル制御回路107
の出力とを加算する。ここで加算された信号スペクトル
の1例を図2(b)に示す。A1とA2の部分がオーバ
ーサンプリング型LPF102の出力成分であり、B1
とB2の部分がレベル制御回路107から出力された成
分である。
【0046】オーバーサンプリング手段109は、加算
回路108の出力信号を更に周波数fs2=2fs1で
オーバーサンプリングする。図2(c)にオーバーサン
プリング手段109の出力信号スペクトルの一例を示
す。これはfs1に対して2倍のオーバーサンプリング
の例である。図2(c)において、0〜fs1/2まで
の帯域は加算回路108の出力信号そのものであるが、
fs1/2〜fs2/2までの帯域は0〜fs1/2の
帯域の折り返しになる。ここで、fs1/2におけるス
ペクトルは連続した値をとる。このようにして、fs1
/2以上の帯域に対してもスペクトル強度が連続した高
調波成分が得られる。
【0047】ローパスフィルタ110では、fs1/2
以上の成分を減衰させる。これにより、fs1/2以上
で再びスペクトル強度が増加している信号を、fs1/
2からfs2/2に向けて減少する自然なスペクトルに
整形する。ローパスフィルタ110の出力信号は出力端
子111を介して出力される。ローパスフィルタ110
の出力信号のスペクトルの一例を図2(d)に示す。こ
こではfs2を中心とするイメージ成分も図示されてい
る。
【0048】こうして入力信号の持つ帯域以上のスペク
トルを持つ高調波を発生させ、入力信号の高域スペクト
ル強度に応じて、この発生させた高調波成分を入力信号
に付加した後さらにオーバーサンプルすることで、図2
(d)のB1、C1、C2の部分で示すように、オーデ
ィオ帯域を拡張することができる。
【0049】以上のように、本実施の形態によるオーデ
ィオ帯域拡張装置は、バンドパスフィルタ、整流回路、
ハイパスフィルタを用いて入力信号の帯域以上の高調波
を発生させ、スペクトル解析回路及びレベル制御回路で
入力信号の高域スペクトル強度に応じてレベルを制御し
て入力信号に加算し、更にオーバーサンプリングして出
力するようにしている。
【0050】このため、多くの処理量を要する高調波発
生を周波数fs1で行った後、周波数fs2にオーバー
サンプリングすることにより、従来例のように直接fs
2で高調波発生を行う方法に比べ、少ない処理量で高調
波を発生することができる。例えばfs1=2×fs
0、fs2=4×fs0すると、本実施の形態の方法は
従来の方法の約1/2の処理量で帯域拡張が可能であ
る。
【0051】また、信号処理がディジタル処理であるた
め、回路を構成する部品のばらつきや温度特性による性
能ばらつきが発生しない。また、オーディオ信号が回路
を通過する毎に音質劣化が発生することもない。更に、
フィルタの精度追求を行っても、アナログの回路構成と
比較して回路規模が大きくなることもない。このためコ
スト増加につながらないオーディオ帯域拡張装置を実現
できる。
【0052】尚、本実施の形態では、バンドパスフィル
タ103で入力信号の帯域を制限した後、整流回路10
4で高調波を発生させた。しかし、バンドパスフィルタ
103を通過させないで整流回路104で高調波を発生
させても、ハイパスフィルタ105で低域を遮断するた
め、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0053】(実施の形態2)次に本発明の実施の形態
2におけるオーディオ帯域拡張装置について説明する。
図3は実施の形態2におけるオーディオ帯域拡張装置の
ブロック図である。このオーディオ帯域拡張装置は、入
力端子301、オーバーサンプリング型LPF302、
ディザ発生回路303、ハイパスフィルタ304、スペ
クトル解析回路305、レベル制御回路306、加算回
路307、オーバーサンプリング手段308、ローパス
フィルタ309、出力端子310を含んで構成される。
【0054】実施の形態1と同一機能を有するブロック
は、同一の名称を付け、それらの機能説明は省略する。
ディザ発生回路303は帯域Aよりも高域に位置する帯
域B内にディザを生成するディザ生成手段である。レベ
ル制御回路306は、スペクトル解析回路305の解析
結果に応じて、ハイパスフィルタ304を介して出力さ
れたディザ発生回路303の出力レベルを制御して出力
するレベル制御手段である。
【0055】このような構成のオーディオ帯域拡張装置
について、その動作を説明する。入力端子301を通じ
てディジタルのオーディオ信号が入力される。この信号
がCDから再生されたものであれば、サンプリング周波
数fs0=44.1kHz、語長16ビットの信号であ
る。
【0056】オーバーサンプリング型LPF302は、
入力端子301を介して入力された信号のサンプリング
周波数をp倍(pは正の数)し、且つ不要な帯域を減衰
させる。ここではオーバーサンプリング型LPF302
は、入力信号のサンプリング周波数の2分の1以上の帯
域を60dB以上減衰させるものとする。
【0057】次に、ディザ発生回路303は0〜pfs
/2の帯域でスペクトル強度が均一に分布しているホワ
イトノイズをディザとして発生する。そして、ハイパス
フィルタ304はディザ発生回路303の出力を帯域制
限し、fs0/2以上の周波数帯域をもつノイズを出力
する。
【0058】一方、スペクトル解析回路305は、オー
バーサンプリング型LPF302の出力の高域成分のス
ペクトル強度を検出する。ここでは、fs0/4〜fs
0/2のスペクトル強度を検出する。そしてレベル制御
回路306は、スペクトル解析回路305の出力に応じ
てハイパスフィルタ304の出力レベルを制御する。こ
こでは、入力信号のfs0/4〜fs0/2におけるス
ペクトル強度が大きい場合、ハイパスフィルタ304の
出力レベルを大きくし、スペクトル強度が小さい場合は
出力レベルを小さくする。
【0059】そして、加算回路307は、オーバーサン
プリング型LPF302の出力とレベル制御回路306
の出力とを加算する。オーバーサンプリング手段308
は、加算回路307の出力信号を更に周波数fs2でオ
ーバーサンプリングする。ローバスフィルタ309は、
オーバーサンプリング手段308の出力信号に対してf
s1/2以上の成分を減衰させる。これにより、fs1
/2以上で再びスペクトル強度が増加している信号を、
fs1/2からfs2/2に向けて減少する自然なスペ
クトルに整形する。ローパスフィルタ309の出力信号
は出力端子310を介して出力される。
【0060】こうして、入力信号の持つ帯域以上のスペ
クトルを持つディザを発生させ、入力信号の高域スペク
トル強度に応じてディザを入力信号に付加した後、更に
オーバーサンプルすることで、オーディオ帯域を拡張す
ることができる。
【0061】以上のように、本実施の形態によるオーデ
ィオ帯域拡張装置は、ディザ発生回路及びハイパスフィ
ルタを用いて入力信号の帯域以上の高周波ディザを発生
させ、スペクトル解析回路及びレベル制御回路で入力信
号の高域スペクトルの強度に応じてレベルを制御して入
力信号に加算し、更にオーバーサンプリングして出力す
るようにしている。
【0062】このため、多くの処理量を要する高調波発
生を周波数fs1で行った後、周波数fs2にオーバー
サンプリングすることにより、従来のように直接周波数
fs2で高調波発生を行う方法に比べて、少ない処理量
で高調波を発生することができる。
【0063】また信号処理がディジタル処理であるた
め、回路を構成する部品のばらつきや温度特性による性
能ばらつきが発生しない。また、オーディオ信号が回路
を通過する毎に音質劣化が発生することもない。更に、
フィルタの精度追求を行っても、アナログの回路構成と
比較して回路規模が大きくなることがない。このためコ
スト増加につながらないオーディオ帯域拡張装置を実現
できる。
【0064】(実施の形態3)次に本発明の実施の形態
3におけるオーディオ帯域拡張装置について説明する。
図4は実施の形態3におけるオーディオ帯域拡張装置の
ブロック図である。このオーディオ帯域拡張装置は、入
力端子401、オーバーサンプリング型LPF402、
バンドパスフィルタ403、整流回路404、ハイパス
フィルタ405、ディザ発生回路406、ハイパスフィ
ルタ407、加算回路408、スペクトル解析回路40
9、レベル制御回路410、加算回路411、オーバー
サンプリング手段412、ローパスフィルタ413、出
力端子414を含んで構成される。
【0065】実施の形態1又は2と同一機能を有するブ
ロックは、同一の名称を付け、それらの機能説明は省略
する。ディザ発生回路406は帯域Aより高域に位置す
る帯域B内にディザを生成するディザ生成手段である。
加算回路408は、ハイパスフィルタ405の出力信号
と、ハイパスフィルタ407を介してディザ発生回路4
06から出力された信号とを加算する高域信号加算手段
である。レベル制御回路410は、スペクトル解析回路
409の解析結果に応じて、加算回路408の出力レベ
ルを制御するレベル制御手段である。
【0066】このような構成のオーディオ帯域拡張装置
について、その動作を説明する。入力端子401を通じ
てディジタルのオーディオ信号が入力される。この信号
がCDから再生されたものであれば、サンプリング周波
数fs0=44.1kHz、語長16ビットの信号であ
る。
【0067】オーバーサンプリング型LPF402は、
入力端子401を介して入力されたオーディオ信号のサ
ンプリング周波数をp倍(pは正の数)し、且つ不要な
帯域を減衰させる。ここではオーバーサンプリング型L
PF402は、入力信号のサンプリング周波数の2分の
1以上の帯域を60dB以上減衰させるものとする。
【0068】次に、バンドパスフィルタ403はオーバ
ーサンプリング型LPF402の出力帯域を制限する。
入力信号のサンプリング周波数をfs0とすれば、バン
ドパスフィルタ403は、fs0/4〜fs0/2の帯
域を持つ信号を出力する。そして、整流回路404はバ
ンドパスフィルタ403の出力を半波又は両波整流する
ことで、入力信号の高調波を発生させる。ハイパスフィ
ルタ405は、整流回路404の出力の低域成分を遮断
し、fs0/2以上のスペクトルを持つ信号を出力す
る。
【0069】次に、ディザ発生回路406は0〜pfs
/2の帯域でスペクトル強度が均一に分布しているホワ
イトノイズを発生する。そして、ハイパスフィルタ40
7はディザ発生回路406の出力を帯域制限し、fs0
/2以上の周波数帯域をもつノイズを出力する。加算回
路408は、ハイパスフィルタ405の出力とハイパス
フィルタ407の出力とを加算する。
【0070】一方、スペクトル解析回路409は、オー
バーサンプリング型LPF402の出力の高域成分のス
ペクトル強度を検出する。ここでは、fs0/4〜fs
0/2のスペクトル強度を検出する。レベル制御回路4
10は、スペクトル解析回路409の出力に応じて加算
回路408の出力レベルを制御する。ここでは、入力信
号のfs0/4〜fs0/2におけるスペクトル強度が
大きい場合、加算回路408の出力レベルを大きくし、
スペクトル強度が小さい場合は出力レベルを小さくす
る。
【0071】そして、加算回路411は、オーバーサン
プリング型LPF402の出力とレベル制御回路410
の出力と加算する。オーバーサンプリング手段412
は、加算回路411の出力信号を更に周波数fs2でオ
ーバーサンプリングする。ローバスフィルタ413はf
s1/2以上の成分を減衰させる。これにより、fs1
/2以上で再びスペクトル強度が増加している信号をf
s1/2からfs2/2に向けて減少する自然なスペク
トルに整形する。ローパスフィルタ413の出力信号は
出力端子414を介して出力される。
【0072】このようにして、入力信号の持つ帯域以上
のスペクトルを持つ高調波及びディザを発生させ、入力
信号の高域スペクトルの強度に応じてこの高調波成分を
入力信号に付加し、更にオーバーサンプルすることで、
オーディオ帯域を拡張することができる。
【0073】以上のように本実施の形態のオーディオ帯
域拡張装置は、バンドパスフィルタ、整流回路、ハイパ
スフィルタを用いて入力信号の帯域以上の高調波を発生
させ、ディザ発生回路、ハイパスフィルタで入力信号の
帯域以上の高周波ディザを発生させ、スペクトル解析回
路及びレベル制御回路で入力信号の高域スペクトル強度
に応じてレベルを制御して入力信号に加算し、更にオー
バーサンプリングして出力するようにしている。
【0074】このため、多くの処理量を要する高調波発
生を周波数fs1で行った後、周波数fs2でオーバー
サンプリングすることにより、従来のように直接周波数
fs2で高調波発生を行う方法に比べ、少ない処理量で
高調波を発生することができる。
【0075】信号処理がディジタル処理であるため、回
路を構成する部品のばらつきや温度特性による性能ばら
つきが発生しない。また、オーディオ信号が回路を通過
する毎に音質劣化が発生することもない。更に、フィル
タの精度追求を行っても、アナログの回路構成と比較し
て回路規模が大きくなることもない。このためコスト増
加につながらないオーディオ帯域拡張装置を実現でき
る。
【0076】尚、本実施の形態では、バンドパスフィル
タ403で入力信号の帯域を制限した後、整流回路40
4で高調波を発生させた。しかし、バンドパスフィルタ
403を通過させないで整流回路404で高調波を発生
させても、ハイパスフィルタ405で低域を遮断するた
め、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0077】(実施の形態4)次に本発明の実施の形態
4におけるオーディオ帯域拡張装置について説明する。
図5は実施の形態4におけるオーディオ帯域拡張装置の
ブロック図である。このオーディオ帯域拡張装置は、入
力端子501、オーバーサンプリング型LPF502、
互いに独立なPN系列ノイズ発生器504、505、5
06と加算回路507とで構成されたディザ発生回路5
03、ハイパスフィルタ508、スペクトル解析回路5
09、レベル制御回路510、加算回路511、オーバ
ーサンプリング手段512、ローパスフィルタ513、
出力端子514を含んで構成される。
【0078】実施の形態1〜3と同一機能を有するブロ
ックは、同一の名称を付け、それらの機能説明は省略す
る。尚、ディザ発生回路503は、所定の振幅内で確率
密度が三角分布となるダイヤモンドディザ生成手段であ
ってもよい。この場合のダイヤモンドディザ生成手段
は、互いに独立な2つのPN系列生成手段PAの出力と
PN系列生成手段PBの出力とを加算するものである。
またダイヤモンドディザ生成手段は、1つのPN系列生
成手段PPの互いに異なり重なり合わない部分要素PP
A及び部分要素PPBを加算するものであってもよい。
【0079】図5に示すディザ発生回路503は、所定
の振幅内で確率密度が釣鐘型分布となるベル型ディザ生
成手段としている。このベル型ディザ生成手段は、互い
に独立な3つのPN系列生成手段PA(PN系列ノイズ
発生器504)の出力、PN系列生成手段PB(PN系
列ノイズ発生器505)の出力、PN系列生成手段PC
(PN系列ノイズ発生器506)の出力を加算するもの
である。またベル型ディザ生成手段は、1つのPN系列
生成手段PPの互いに異なり重なり合わない部分要素P
PA, 部分要素PPB、部分要素PPCを加算するもの
であってもよい。
【0080】このような構成のオーディオ帯域拡張装置
について、その動作を説明する。入力端子501を通じ
てディジタルのオーディオ信号が入力される。この信号
がCDから再生されたものであれば、サンプリング周波
数fs0=44.1kHz、語長16ビットの信号であ
る。
【0081】オーバーサンプリング型LPF502は、
入力端子501を介して入力されたオーディオ信号のサ
ンプリング周波数をp倍(pは正の数)し、且つ不要な
帯域を減衰させる。ここではオーバーサンプリング型L
PF502は、入力信号のサンプリング周波数の2分の
1以上の帯域を60dB以上減衰させるものとする。
【0082】次に、互いに独立なPN系列ノイズ発生回
路504、505、506は、0〜pfs/2の帯域で
スペクトル強度が均一に分布するホワイトノイズを発生
する。
【0083】そして、加算回路507は、PN系列ノイ
ズ発生回路504、505、506の出力を加算する。
加算後のノイズは、スペクトルの確率分布の形状がガウ
ス分布に近い釣り鐘型になり、自然音に近づく。そし
て、ハイパスフィルタ508はディザ発生回路503の
出力を帯域制限し、fs0/2以上の周波数帯域をもつ
ノイズを出力する。
【0084】一方、スペクトル解析回路509は、オー
バーサンプリング型LPF502の出力の高域成分のス
ペクトル強度を検出する。ここでは、fs0/4〜fs
0/2のスペクトル強度を検出する。
【0085】そして、レベル制御回路510は、スペク
トル解析回路509の出力に応じてハイパスフィルタ5
08の出力レベルを制御する。ここでは、入力信号のf
s0/4〜fs0/2におけるスペクトル強度が大きい
場合、ハイパスフィルタ508の出力レベルを大きく
し、スペクトル強度が小さい場合は出力レベルを小さく
する様に動作する。
【0086】そして、加算回路511は、オーバーサン
プリング型LPF502の出力とレベル制御回路510
の出力とを加算する。オーバーサンプリング手段512
は、加算回路511の出力信号を更に周波数fs2でオ
ーバーサンプリングする。ローバスフィルタ513は、
fs1/2以上の成分を減衰させる。これにより、fs
1/2以上で再びスペクトル強度が増加している信号
を、fs1/2からfs2/2に向けて減少する自然な
スペクトルに整形する。ローパスフィルタ513の出力
信号は出力端子514を介して出力される。
【0087】こうして、入力信号の持つ帯域以上のスペ
クトルを持つガウス分布型のディザを発生させ、入力信
号の高域スペクトル強度に応じて発生させたディザを入
力信号に付加し、更にオーバーサンプルすることで、オ
ーディオ帯域を拡張することができる。
【0088】以上のように本実施の形態のオーディオ帯
域拡張装置は、ディザ発生回路及びハイパスフィルタを
用いて入力信号の帯域以上のガウス分布型高周波ディザ
を発生させ、スペクトル解析回路及びレベル制御回路で
入力信号の高域スペクトル強度に応じてレベルを制御し
て入力信号に加算し、更にオーバーサンプリングして出
力するようにしている。
【0089】このように、多くの処理量を要する高調波
発生を周波数fs1で行った後、周波数fs2にオーバ
ーサンプリングすることにより、従来のように直接周波
数fs2で高調波発生を行う方法に比べ、少ない処理量
で高調波を発生することができる。
【0090】付加された高域成分がガウス分布型ディザ
であるため、自然界の分布に近くなり、オーディオ帯域
を拡張しても特定の音が強調されることのない自然な音
質が得られる。また、信号処理がディジタル処理である
ため、回路を構成する部品のばらつきや温度特性による
性能ばらつきが発生しない。また、オーディオ信号が回
路を通過する毎に音質劣化が発生することもない。更
に、フィルタの精度追求を行っても、アナログの回路構
成と比較して回路規模が大きくなることもない。このた
めコスト増加につながらないオーディオ帯域拡張装置を
実現できる。
【0091】尚、本実施の形態のディザ発生回路503
は、実施の形態3のディザ発生回路506に適応する
と、本実施の形態と同等以上の効果が得られることは言
うまでもない。
【0092】(実施の形態5)次に本発明の実施の形態
5におけるオーディオ帯域拡張装置について説明する。
図6は実施の形態5におけるオーディオ帯域拡張装置の
ブロック図である。このオーディオ帯域拡張装置は、入
力端子601、オーバーサンプリング型LPF602、
ディザ発生回路603、ハイパスフィルタ604、1/
f特性フィルタ605、スペクトル解析回路606、レ
ベル制御回路607、加算回路608、オーバーサンプ
リング手段609、ローパスフィルタ610、出力端子
611を含んで構成される。
【0093】このような構成のオーディオ帯域拡張装置
について、その動作を説明する。入力端子601を通じ
てディジタルのオーディオ信号が入力される。この信号
がCDから再生されたものであれば、サンプリング周波
数fs0=44.1kHz、語長16ビットの信号であ
る。
【0094】オーバーサンプリング型LPF602は、
入力端子601を介して入力された信号のサンプリング
周波数をp倍(pは正の数)し、且つ不要な帯域を減衰
させる。ここではオーバーサンプリング型LPF602
は、入力信号のサンプリング周波数の2分の1以上の帯
域を60dB以上減衰させるものとする。
【0095】次に、ディザ発生回路603は0〜pfs
/2の帯域でスペクトル強度が均一に分布しているホワ
イトノイズを発生する。そして、ハイパスフィルタ60
4はディザ発生回路603の出力を帯域制限し、fs0
/2以上の周波数帯域をもつノイズを出力する。1/f
特性フィルタ605は、ハイパスフィルタ604の出力
を帯域制限し、1/f特性を有するようにノイズを出力
する。
【0096】一方、スペクトル解析回路606は、オー
バーサンプリング型ローパスフィルタ602の出力の高
域成分のスペクトル強度を検出する。ここでは、fs0
/4〜fs0/2のスペクトル強度を検出する。
【0097】そして、レベル制御回路607は、スペク
トル解析回路606の出力に応じて1/f特性フィルタ
605の出力レベルを制御する。ここでは、入力信号の
fs0/4〜fs0/2におけるスペクトル強度が大き
い場合、1/f特性フィルタ605の出力レベルを大き
くし、スペクトル強度が小さい場合は出力レベルを小さ
くする。そして、加算回路608は、オーバーサンプリ
ング型LPF602の出力とレベル制御回路607の出
力とを加算する。
【0098】オーバーサンプリング手段609では、入
力信号を更に周波数fs2でオーバーサンプリングす
る。ローバスフィルタ610は、fs1/2以上の成分
を減衰させる。これにより、fs1/2以上で再びスペ
クトル強度が増加している信号を、fs1/2からfs
2/2に向けて減少する自然なスペクトルに整形する。
ローバスフィルタ610の出力信号は出力端子611を
介して出力される。
【0099】こうして、入力信号の持つ帯域以上のスペ
クトルを持つ1/f特性のディザを発生させ、入力信号
の高域スペクトル強度に応じてこの発生させたディザを
入力信号に付加し、更にオーバーサンプルすることで、
オーディオ帯域を拡張することができる。
【0100】以上のように、本実施の形態のオーディオ
帯域拡張装置は、ディザ発生回路、ハイパスフィルタ、
1/f特性フィルタを用いて入力信号の帯域以上の高周
波ディザを発生させ、スペクトル解析回路及びレベル制
御回路で入力信号の高域スペクトル強度に応じてレベル
を制御して入力信号に加算し、更にオーバーサンプリン
グして出力するようにしている。
【0101】このように、多くの処理量を要する高調波
発生を周波数fs1で行った後、周波数fs2にオーバ
ーサンプリングすることにより、従来のように直接周波
数fs2で高調波発生を行う方法に比べ、少ない処理量
で高調波を発生することができる。
【0102】また1/f特性を持つディザを使用するた
め、自然界の音に近くなり、オーディオ帯域を拡張して
も特定の音が強調されることのない自然な音質が得られ
る。また、信号処理がディジタル処理であるため、回路
を構成する部品のばらつきや温度特性による性能ばらつ
きが発生しない。また、オーディオ信号が回路を通過す
る毎に音質劣化が発生することもない。更に、フィルタ
の精度追求を行っても、アナログの回路構成と比較して
回路規模が大きくなることもない。このためコスト増加
につながらないオーディオ帯域拡張装置を実現できる。
【0103】(実施の形態6)次に本発明の実施の形態
6におけるオーディオ帯域拡張装置について説明する。
図7は実施の形態6におけるオーディオ帯域拡張装置の
ブロック図である。このオーディオ帯域拡張装置は、入
力端子701、オーバーサンプリング型LPF702、
バンドパスフィルタ703、整流回路704、ハイパス
フィルタ705、ディザ発生回路706、ハイパスフィ
ルタ707、加算回路708、スペクトル解析回路70
9、レベル制御回路710、スイッチ711、加算回路
712、オーバーサンプリング手段713、ローパスフ
ィルタ714、出力端子715を含んで構成される。
【0104】このように構成されたオーディオ帯域拡張
装置について、その動作を説明する。入力端子701を
通じてディジタルのオーディオ信号が入力される。この
信号がCDから再生されたものであれば、サンプリング
周波数fs0=44.1kHz、語長16ビットの信号
である。
【0105】オーバーサンプリング型LPF702は、
入力端子701を介して入力された信号のサンプリング
周波数をp倍(pは正の数)し、且つ不要な帯域を減衰
させる。ここではオーバーサンプリング型LPF702
は、入力信号のサンプリング周波数の2分の1以上の帯
域を60dB以上減衰させるものとする。
【0106】次に、バンドパスフィルタ703はオーバ
ーサンプリング型LPF702の出力帯域を制限する。
入力信号のサンプリング周波数をfs0とすれば、バン
ドパスフィルタ703からは、fs0/4〜fs0/2
の帯域を持つ信号が出力される。そして、整流回路70
4はバンドパスフィルタ703の出力を半波又は両波整
流することで、入力信号の高調波を発生させる。そし
て、ハイパスフィルタ705は、整流回路704の出力
の低域成分を遮断し、fs0/2以上のスペクトルを持
つ信号を出力する。
【0107】次に、ディザ発生回路706は0〜pfs
/2の帯域でスペクトル強度が均一に分布しているホワ
イトノイズを発生する。そして、ハイパスフィルタ70
7はディザ発生回路706の出力を帯域制限し、fs0
/2以上の周波数帯域をもつノイズを出力する。加算回
路708は、ハイパスフィルタ705の出力とハイパス
フィルタ707の出力とを加算する。
【0108】一方、スペクトル解析回路709は、オー
バーサンプリング型LPF702の出力の高域成分のス
ペクトル強度を検出する。ここでは、0〜fs1/4と
fs0/4〜fs0/2のスペクトル強度を検出する。
そして、レベル制御回路710は、スペクトル解析回路
709の出力に応じて加算回路708の出力レベルを制
御する。ここでは、入力信号のfs0/4〜fs0/2
におけるスペクトル強度が大きい場合、加算回路708
の出力レベルを大きくし、スペクトル強度が小さい場合
は出力レベルを小さくする様に動作する。
【0109】スイッチ711はスペクトル解析回路70
9の出力に応じてオンオフする。ここでは、入力信号の
0〜fs/4におけるスペクトル強度と、fs0/4〜
fs0/2におけるスペクトル強度を比較して、0〜f
s1/4のスペクトル強度が所定レベル以上で且つfs
0/4〜fs0/2のスペクトル強度が所定レベル以
下、或いは0〜fs/4のスペクトル強度が所定レベル
以下で且つfs0/4〜fs0/2のスペクトル強度が
所定レベル以上であれば、スイッチ711をオフにし、
それ以外ではスイッチ711をオンする。
【0110】そして、加算回路712で、オーバーサン
プリング型LPF702の出力とスイッチ711の出力
とを加算する。オーバーサンプリング手段713では、
入力信号を更にオーバーサンプリングする。ローバスフ
ィルタ714では、fs1/2以上の成分を減衰させ
る。これにより、fs1/2以上で再びスペクトル強度
が増加している信号を、fs1/2からfs2/2に向
けて減少する自然なスペクトルに整形する。ローバスフ
ィルタ714の出力信号は出力端子715を介して出力
される。
【0111】このように、入力信号の持つ帯域以上のス
ペクトルを持つ高調波及びディザを発生させ、入力信号
の高域スペクトル強度に応じて高調波成分を入力信号に
付加し、更にオーバーサンプルすることで、オーディオ
帯域を拡張することができる。更に、正弦波のように単
一のスペクトルを持つ信号が入力された場合、スイッチ
711がオフし、信号が劣化しないようにしている。
【0112】以上のように、本実施の形態のオーディオ
帯域拡張装置は、バンドパスフィルタ、整流回路、ハイ
パスフィルタを用いて入力信号の帯域以上の高調波を発
生させ、またディザ発生回路及びハイパスフィルタを用
いて入力信号の帯域以上の高周波ディザを発生させ、ス
ペクトル解析回路及びレベル制御回路で入力信号の高域
スペクトル強度に応じてレベルをミュートして入力信号
に加算し、更にオーバーサンプリングして出力するよう
にしている。
【0113】このため、多くの処理量を要する高調波発
生を周波数fs1で行った後、周波数fs2でオーバー
サンプリングすることにより、従来のように直接周波数
fs2で高調波発生を行う方法に比べ、少ない処理量で
高調波を発生することができる。
【0114】そのため、単一のスペクトルを有する正弦
波が入力された場合は、オーディオ帯域拡張機能を停止
して信号劣化が発生しないようにしている。また、信号
処理がディジタル処理であるため、回路を構成する部品
のばらつきや温度特性により性能ばらつきが発生しな
い。また、オーディオ信号が回路を通過する毎に音質劣
化が発生することもない。更に、フィルタの精度追求を
行っても、アナログの回路構成と比較して回路規模が大
きくなることもない。このためコスト増加につながらな
いオーディオ帯域拡張装置を実現できる。
【0115】尚、本実施の形態では、バンドパスフィル
タ703で入力信号の帯域を制限した後整流回路704
で高調波を発生させたが、バンドパスフィルタ703を
通過させないで整流回路704で高調波を発生させても
よい。この場合、ハイパスフィルタ705で低域を遮断
するため、同様の効果が得られることは言うまでもな
い。
【0116】尚、以上の実施の形態において、レベル制
御回路の入力部に平滑フィルタを設け、スペクトル解析
回路から得られる解析結果を時間的に平滑化するように
してもよい。こうすると、レベル制御回路の出力レベル
の変動を緩慢にすることができる。また上記の平滑フィ
ルタは、アタック特性とレリーズ特性を夫々制御できる
ものでもよい。
【0117】またバンドパスフィルタ及び整流回路によ
る非線形手段と、ディザ発生回路と、ハイパスフィルタ
とは、その演算語長をオーバーサンプリング型LPFの
語長より大きくし、オーバーサンプリング型LPFの語
長のLSB幅に略同じ振幅の信号成分を加算するように
処理してもよい。例えばオーバーサンプリング型LPF
から出力されるオーディオ信号の語長を16ビットとす
ると、この信号のLSB、即ち最下位ビットの16ビッ
ト目とほぼ同じ振幅になるよう、これより下位に4ビッ
トのノイズ(ディザ信号)を加算するようにする。
【0118】
【発明の効果】以上のような発明によれば、多くの処理
量を要する高調波発生を周波数fs1で行った後、周波
数fs2でオーバーサンプリングすることにより、従来
のように直接周波数fs2で高調波発生を行う方法に比
べ、少ない処理量で高調波成分を発生することができる
という効果がある。
【0119】さらに、単一のスペクトルを有するオーデ
ィオ信号が入力された場合、オーディオ帯域の拡張機能
を停止することにより、信号劣化を抑えることができ
る。また、信号処理がディジタル処理であるため、回路
を構成する部品のばらつきや温度特性による性能ばらつ
きが発生しない効果が得られる。
【0120】また、オーディオ信号が回路を通過する毎
に音質劣化が発生することがない効果が得られる。更
に、各フィルタの精度追求を行っても、アナログの回路
構成と比較して回路規模が大きくなることもない。この
ためコスト増加につながらない装置が得られる。
【0121】また、自然音に近い1/f特性のガウス分
布型ディザを用いるため、オーディオ帯域拡張しても、
特定の帯域が強調されることのない自然な音質となる効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるオーディオ帯域
拡張装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1によるオーディオ帯域拡張装置の
動作を示す周波数スペクトル図である。
【図3】本発明の実施の形態2におけるオーディオ帯域
拡張装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態3におけるオーディオ帯域
拡張装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態4におけるオーディオ帯域
拡張装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態5におけるオーディオ帯域
拡張装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態6におけるオーディオ帯域
拡張装置の構成を示すブロック図である。
【図8】従来例のオーディオ帯域拡張装置の構成を示す
ブロック図である。
【図9】従来例のオーディオ帯域拡張装置の動作を示す
周波数スペクトル図である。
【符号の説明】
101,301,401,501,601,701 入
力端子 102,302,402,502,602,702 オ
ーバーサンプリング型ディジタルローパスフィルタ(オ
ーバーサンプリング型LPF) 103,403,703 バンドパスフィルタ 104,404,704 整流回路 105,304,405,407,508,604,7
05,707 ハイパスフィルタ 106,305,409,509,606,709 ス
ペクトル解析回路 107,306,410,510,607,710 レ
ベル制御回路 108,307,408,411,511,608,7
08,712 加算回路 109,308,412,512,609,713 オ
ーバーサンプリング手段 110,309,413,513,610,714 ロ
ーパスフィルタ 111,310,414,514,611 出力端子 303,406,503,603,706 ディザ発生
回路 504,505,506 PN系列ノイズ発生器 605 1/f特性フィルタ 711 スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 和也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D020 CE03 5D045 DA20 5J064 AA01 BA06 BB07 BC08 BC12 BC18 BD02

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数fs0でサンプリングされたオー
    ディオ信号を入力し、周波数fs1(fs1>fs0)
    でオーバーサンプリングを行い、fs0/n(nは整
    数)以下の帯域Aの成分のみを通過させる第1のオーバ
    ーサンプリング手段と、 前記第1のオーバーサンプリング手段の出力信号を入力
    し、帯域Aのオーディオ信号を所定の時間T毎に区切
    り、前記帯域A内のスペクトルを解析するスペクトル解
    析手段と、 前記第1のオーバーサンプリング手段の出力信号を入力
    し、前記出力信号を歪ませて高調波成分を含むオーディ
    オ信号を出力する非線形手段と、 前記非線形手段の出力信号から前記帯域Aより高域に位
    置する帯域Bの成分を取り出す高域通過フィルタと、 前記スペクトル解析手段の解析結果に応じて、前記高域
    通過フィルタの出力レベルを制御して出力するレベル制
    御手段と、 前記レベル制御手段により制御された前記高域通過フィ
    ルタの出力と前記第1のオーバーサンプリング手段の出
    力とを加算する出力信号加算手段と、 前記出力信号加算手段から出力されたオーディオ信号に
    対して、周波数fs2(fs2>fs1)でオーバーサ
    ンプリングを行う第2のオーバーサンプリング手段と、
    を具備することを特徴とするオーディオ帯域拡張装置。
  2. 【請求項2】 周波数fs0でサンプリングされたオー
    ディオ信号を入力し、周波数fs1(fs1>fs0)
    でオーバーサンプリングを行い、fs0/n(nは整
    数)以下の帯域Aの成分のみを通過させる第1のオーバ
    ーサンプリング手段と、 前記第1のオーバーサンプリング手段の出力信号を入力
    し、帯域Aのオーディオ信号を所定の時間T毎に区切
    り、前記帯域A内のスペクトルを解析するスペクトル解
    析手段と、 前記帯域Aよりも高域に位置する帯域B内にディザを生
    成するディザ生成手段と、 前記スペクトル解析手段の解析結果に応じて、前記ディ
    ザ生成手段の出力レベルを制御して出力するレベル制御
    手段と、 前記レベル制御手段により制御された前記ディザ生成手
    段の出力と前記第1のオーバーサンプリング手段の出力
    とを加算する出力信号加算手段と、 前記出力信号加算手段から出力されたオーディオ信号に
    対して、周波数fs2(fs2>fs1)でオーバーサ
    ンプリングを行う第2のオーバーサンプリング手段と、
    を具備することを特徴とするオーディオ帯域拡張装置。
  3. 【請求項3】 周波数fs0でサンプリングされたオー
    ディオ信号を入力し、周波数fs1(fs1>fs0)
    でオーバーサンプリングを行い、fs0/n(nは整
    数)以下の帯域Aの成分のみを通過させる第1のオーバ
    ーサンプリング手段と、 前記第1のオーバーサンプリング手段の出力信号を入力
    し、帯域Aのオーディオ信号を所定の時間T毎に区切
    り、前記帯域A内のスペクトルを解析するスペクトル解
    析手段と、 前記第1のオーバーサンプリング手段の出力信号を入力
    し、入力信号を歪ませて高調波成分を含むオーディオ信
    号を出力する非線形手段と、 前記非線形手段の出力信号から前記帯域Aより高域に位
    置する帯域Bの成分を取り出す高域通過フィルタと、 前記帯域Aより高域に位置する帯域B内にディザを生成
    するディザ生成手段と、 前記高域通過フィルタの出力と前記ディザ生成手段の出
    力とを加算する高域信号加算手段と、 前記スペクトル解析手段の解析結果に応じて、前記高域
    信号加算手段の出力レベルを制御して出力するレベル制
    御手段と、 前記レベル制御手段により制御された前記高域信号加算
    手段の出力と前記第1のオーバーサンプリング手段の出
    力とを加算する出力信号加算手段と、 前記出力信号加算手段から出力されたオーディオ信号に
    対して、周波数fs2(fs2>fs1)でオーバーサ
    ンプリングを行う第2のオーバーサンプリング手段と、
    を具備することを特徴とするオーディオ帯域拡張装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のオーバーサンプリング手段
    は、 そのサンプリング周波数fs1が入力オーディオ信号の
    サンプリング周波数fs0の2倍以上の値を有し、オー
    バーサンプリング処理による折り返し成分を除去して出
    力することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載
    のオーディオ帯域拡張装置。
  5. 【請求項5】 前記非線形手段及び前記高域通過フィル
    タにおける演算語長とその出力は、入力オーディオ信号
    の語長より大きくすることを特徴とする請求項1又は3
    記載のオーディオ帯域拡張装置。
  6. 【請求項6】 前記ディザ生成手段における演算語長と
    その出力は、入力オーディオ信号の語長より大きくする
    ことを特徴とする請求項2又は3記載のオーディオ帯域
    拡張装置。
  7. 【請求項7】 前記非線形手段及び前記高域通過フィル
    タにおける演算語長とその出力は、入力オーディオ信号
    の語長より大きく、 前記出力信号加算手段は、前記入力オーディオ信号の語
    長のLSB幅と略同じ振幅の帯域拡張信号を前記第1の
    オーバーサンプリング手段の出力に対して加算すること
    を特徴とする請求項1又は3記載のオーディオ帯域拡張
    装置。
  8. 【請求項8】 前記ディザ生成手段における演算語長と
    その出力は、入力オーディオ信号の語長より大きく、 前記出力信号加算手段は、前記入力オーディオ信号の語
    長のLSB幅と略同じ振幅の帯域拡張信号を前記第1の
    オーバーサンプリング手段の出力に対して加算すること
    を特徴とする請求項2又は3記載のオーディオ帯域拡張
    装置。
  9. 【請求項9】 前記非線形手段は、 正負両側に変化する信号の基準レベルに対して片側のみ
    取り出すハーフクリップ手段、又は片側の振幅を反対側
    に折り返す絶対値化手段の何れかを非線形処理として用
    いることを特徴とする請求項1又は3記載のオーディオ
    帯域拡張装置。
  10. 【請求項10】 前記スペクトル解析手段は、 入力オーディオ信号が単一スペクトルの信号か、複数の
    スペクトルの信号かを解析することを特徴とする請求項
    1〜3の何れか1項記載のオーディオ帯域拡張装置。
  11. 【請求項11】 前記ディザ生成手段は、 所定の振幅内で確率密度が三角分布となるダイヤモンド
    ディザ生成手段であることを特徴とする請求項2又は3
    記載のオーディオ帯域拡張装置。
  12. 【請求項12】 前記ダイヤモンドディザ生成手段は、 互いに独立な2つのPN系列生成手段PAの出力とPN
    系列生成手段PBの出力とを加算するものであることを
    特徴とする請求項11記載のオーディオ帯域拡張装置。
  13. 【請求項13】 前記ダイヤモンドディザ生成手段は、 1つのPN系列生成手段PPの互いに異なり重なり合わ
    ない部分要素PPAと部分要素PPBとを加算するもの
    であることを特徴とする請求項11記載のオーディオ帯
    域拡張装置。
  14. 【請求項14】 前記ディザ生成手段は、 所定の振幅内で確率密度が釣鐘型分布となるベル型ディ
    ザ生成手段であることを特徴とする請求項2又は3記載
    のオーディオ帯域拡張装置。
  15. 【請求項15】 前記ベル型ディザ生成手段は、 互いに独立な3つのPN系列生成手段PA、PN系列生
    成手段PB、PN系列生成手段PCの各出力を加算する
    ものであることを特徴とする請求項14記載のオーディ
    オ帯域拡張装置。
  16. 【請求項16】 前記ベル型ディザ生成手段は、 1つのPN系列生成手段PPの互いに異なり重なり合わ
    ない部分要素PPAと部分要素PPBと部分要素PPC
    とを加算するものであることを特徴とする請求項14記
    載のオーディオ帯域拡張装置。
  17. 【請求項17】 前記ディザ生成手段は、 前記帯域Bのスペクトル分布が1/f特性となるディザ
    を出力するものであることを特徴とする請求項2又は3
    記載のオーディオ帯域拡張装置。
  18. 【請求項18】 前記レベル制御手段は、 前記スペクトル解析手段の解析結果により、単一スペク
    トルのみが存在すると判定された場合は、前記ディザ生
    成手段の出力レベルをゼロにし、複数のスペクトルが存
    在すると判定された場合には、前記帯域Aの最も高域の
    スペクトルに前記帯域Bのディザのスペクトル高が連続
    するように出力レベルを制御することを特徴とする請求
    項2又は3記載のオーディオ帯域拡張装置。
  19. 【請求項19】 前記レベル制御手段は、 前記スペクトル解析手段の解析結果により、複数のスペ
    クトルが存在すると判定された場合には、スペクトル包
    絡線の傾斜に基づいて前記帯域Aと前記帯域Bの間でデ
    ィザが連続するようにディザレベルを制御することを特
    徴とする請求項2又は3記載のオーディオ帯域拡張装
    置。
  20. 【請求項20】 前記レベル制御手段は、 前記スペクトル解析手段の解析結果より、前記帯域Aの
    信号がゼロと判定された場合は、ディザレベルをゼロに
    ミュートすることを特徴とする請求項2又は3記載のオ
    ーディオ帯域拡張装置。
  21. 【請求項21】 前記レベル制御手段は、 前記スペクトル解析手段の解析出力を所定の平滑フィル
    タを用いて平滑化し、ディザレベルの変動を緩慢にする
    ことを特徴とする請求項2又は3記載のオーディオ帯域
    拡張装置。
  22. 【請求項22】 前記平滑フィルタは、 アタック特性とレリーズ特性を夫々制御するものである
    ことを特徴とする請求項21記載のオーディオ帯域拡張
    装置。
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