JP2003012992A - 焼成暗色鉛筆芯 - Google Patents
焼成暗色鉛筆芯Info
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- JP2003012992A JP2003012992A JP2001194898A JP2001194898A JP2003012992A JP 2003012992 A JP2003012992 A JP 2003012992A JP 2001194898 A JP2001194898 A JP 2001194898A JP 2001194898 A JP2001194898 A JP 2001194898A JP 2003012992 A JP2003012992 A JP 2003012992A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鮮やかな発色性、十分な描線濃度を持ちなが
ら、曲げ強度等の機械的強度に優れ、消しゴムで容易に
消去できる、特に、シャープペンシル、ホルダー用色鉛
筆芯に好適な焼成芯体にインキを含浸した焼成暗色鉛筆
芯を提供する。 【解決手段】 少なくとも白色体質材と有機高分子材を
含む配合組成物を混練、押出成形、不活性雰囲気中で焼
成することにより、該有機高分子材が炭素化された炭素
を結合材とし、前記白色体質材と前記炭素との重量比
が、白色体質材:炭素=95:5〜80:20である、
少なくとも白色体質材と炭素からなる黒色焼成芯体を形
成し、該焼成芯体の気孔内に染料インキを充填させてな
ることを特徴とする焼成暗色鉛筆芯。
ら、曲げ強度等の機械的強度に優れ、消しゴムで容易に
消去できる、特に、シャープペンシル、ホルダー用色鉛
筆芯に好適な焼成芯体にインキを含浸した焼成暗色鉛筆
芯を提供する。 【解決手段】 少なくとも白色体質材と有機高分子材を
含む配合組成物を混練、押出成形、不活性雰囲気中で焼
成することにより、該有機高分子材が炭素化された炭素
を結合材とし、前記白色体質材と前記炭素との重量比
が、白色体質材:炭素=95:5〜80:20である、
少なくとも白色体質材と炭素からなる黒色焼成芯体を形
成し、該焼成芯体の気孔内に染料インキを充填させてな
ることを特徴とする焼成暗色鉛筆芯。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鮮やかな発色性、
十分な描線濃度を持ちながら、曲げ強度等の機械的強度
に優れ、消しゴムで容易に消去できる、特に、シャープ
ペンシル、ホルダー用色鉛筆芯に好適な焼成芯体にイン
キを含浸した焼成暗色鉛筆芯に関する。
十分な描線濃度を持ちながら、曲げ強度等の機械的強度
に優れ、消しゴムで容易に消去できる、特に、シャープ
ペンシル、ホルダー用色鉛筆芯に好適な焼成芯体にイン
キを含浸した焼成暗色鉛筆芯に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の焼成色鉛筆芯は、結合材として一
種及び/又は二種以上の粘土等が用いられ、これに窒化
硼素等の体質材、更に必要に応じて耐熱性の顔料、反応
促進材を添加、配合した配合組成物を混練し、この混練
物を押出成形した後、熱処理を経て多孔質焼成芯体を
得、この芯体の気孔中に染料等から成るインキを充填さ
せて色鉛筆芯としていた。この時、色鉛筆芯の重要特性
としては、機械的強度が強く、発色性が良く、筆記描線
の濃度が濃いものが要求されている。
種及び/又は二種以上の粘土等が用いられ、これに窒化
硼素等の体質材、更に必要に応じて耐熱性の顔料、反応
促進材を添加、配合した配合組成物を混練し、この混練
物を押出成形した後、熱処理を経て多孔質焼成芯体を
得、この芯体の気孔中に染料等から成るインキを充填さ
せて色鉛筆芯としていた。この時、色鉛筆芯の重要特性
としては、機械的強度が強く、発色性が良く、筆記描線
の濃度が濃いものが要求されている。
【0003】ところが、上記焼成色鉛筆芯は、機械的強
度が充分でなく、濃度及び発色性においても充分なもの
が得られていない点に課題があった。そこで、この課題
を解決する方法として、本発明者らは、少なくとも体質
材からなる特定の多孔質焼成芯体の気孔内にペルヒドロ
ポリシラザン含有液を充填させ、窒素雰囲気等の不活性
雰囲気中、又はアンモニアガス雰囲気中で熱処理するこ
とにより、結合材として窒化珪素を生成させ、芯体の気
孔中にインキを充填させてなる焼成色鉛筆芯及びその製
造方法を出願している(特開平8−48931号公
報)。
度が充分でなく、濃度及び発色性においても充分なもの
が得られていない点に課題があった。そこで、この課題
を解決する方法として、本発明者らは、少なくとも体質
材からなる特定の多孔質焼成芯体の気孔内にペルヒドロ
ポリシラザン含有液を充填させ、窒素雰囲気等の不活性
雰囲気中、又はアンモニアガス雰囲気中で熱処理するこ
とにより、結合材として窒化珪素を生成させ、芯体の気
孔中にインキを充填させてなる焼成色鉛筆芯及びその製
造方法を出願している(特開平8−48931号公
報)。
【0004】しかしながら、上記公報に記載される焼成
色鉛筆芯では、インキ充填前の芯体は、白色若しくは淡
色であるため、彩度が高い色芯をつくることは容易であ
るが、ブルーブラック、レッドブラック等の暗色芯をつ
くる場合は、染料の溶解度に限界があり、十分な描線濃
度のものが得られない点に課題がある。なお、特開昭6
0−264296号公報には、炭素を結合材とする多孔
性黒色焼結体と湿潤性溶剤を主成分とする有色インキと
からなる芯が開示されているが、この芯の描線はあくま
で黒色で、かつ、消しゴムで消去すると紙面に染着した
インキの色が筆跡として残る変色芯の技術である。従っ
て、芯体中の炭素、黒鉛量等は、まったく考慮されてお
らず、本願発明のように結合材の炭素量を限定し、イン
キとの混色で暗色の描線を得、また、消しゴムで消去可
能な鉛筆芯を得る発明とはその技術思想が異なるもので
ある。
色鉛筆芯では、インキ充填前の芯体は、白色若しくは淡
色であるため、彩度が高い色芯をつくることは容易であ
るが、ブルーブラック、レッドブラック等の暗色芯をつ
くる場合は、染料の溶解度に限界があり、十分な描線濃
度のものが得られない点に課題がある。なお、特開昭6
0−264296号公報には、炭素を結合材とする多孔
性黒色焼結体と湿潤性溶剤を主成分とする有色インキと
からなる芯が開示されているが、この芯の描線はあくま
で黒色で、かつ、消しゴムで消去すると紙面に染着した
インキの色が筆跡として残る変色芯の技術である。従っ
て、芯体中の炭素、黒鉛量等は、まったく考慮されてお
らず、本願発明のように結合材の炭素量を限定し、イン
キとの混色で暗色の描線を得、また、消しゴムで消去可
能な鉛筆芯を得る発明とはその技術思想が異なるもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
焼成白鉛筆芯を染色した色鉛筆芯の課題に鑑み、これを
解決することであり、格段に優れた発色性を有し、機械
的強度及び書き味に優れ、消しゴムで容易に消去できる
焼成暗色鉛筆芯を提供することを目的とする。
焼成白鉛筆芯を染色した色鉛筆芯の課題に鑑み、これを
解決することであり、格段に優れた発色性を有し、機械
的強度及び書き味に優れ、消しゴムで容易に消去できる
焼成暗色鉛筆芯を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の課題等を解決するために、鋭意研究を行った結果、特
定の比率の白色体質材と炭素からなる多孔質焼成芯体
に、特定のインキを充填することにより、上記目的の焼
成暗色鉛筆芯が得られることを見い出し、本発明を完成
するに至ったのである。すなわち、本発明は、次の(1)
又は(2)に存する。 (1) 少なくとも白色体質材と有機高分子材を含む配合組
成物を混練、押出成形、不活性雰囲気中で焼成すること
により、該有機高分子材が炭素化された炭素を結合材と
し、前記白色体質材と前記炭素との重量比が、白色体質
材:炭素=95:5〜80:20である、少なくとも白
色体質材と炭素からなる黒色焼成芯体を形成し、該焼成
芯体の気孔内に染料インキを充填させてなることを特徴
とする焼成暗色鉛筆芯。 (2) 焼成芯体気孔内の染料インキが、35〜90重量%
の下記一般式(I)〜(IV)で示される不揮発性溶剤の
うち少なくとも1種、及び低級アルコール等の低融点有
機溶剤に溶解させた染料溶液を該気孔内に含浸させた
後、該低沸点有機溶剤を乾燥除去させたものであること
を特徴とする上記(1)記載の焼成暗色鉛筆芯。
の課題等を解決するために、鋭意研究を行った結果、特
定の比率の白色体質材と炭素からなる多孔質焼成芯体
に、特定のインキを充填することにより、上記目的の焼
成暗色鉛筆芯が得られることを見い出し、本発明を完成
するに至ったのである。すなわち、本発明は、次の(1)
又は(2)に存する。 (1) 少なくとも白色体質材と有機高分子材を含む配合組
成物を混練、押出成形、不活性雰囲気中で焼成すること
により、該有機高分子材が炭素化された炭素を結合材と
し、前記白色体質材と前記炭素との重量比が、白色体質
材:炭素=95:5〜80:20である、少なくとも白
色体質材と炭素からなる黒色焼成芯体を形成し、該焼成
芯体の気孔内に染料インキを充填させてなることを特徴
とする焼成暗色鉛筆芯。 (2) 焼成芯体気孔内の染料インキが、35〜90重量%
の下記一般式(I)〜(IV)で示される不揮発性溶剤の
うち少なくとも1種、及び低級アルコール等の低融点有
機溶剤に溶解させた染料溶液を該気孔内に含浸させた
後、該低沸点有機溶剤を乾燥除去させたものであること
を特徴とする上記(1)記載の焼成暗色鉛筆芯。
【化2】
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。本発明の焼成暗色鉛筆芯は、少なくとも
白色体質材と有機高分子材を含む配合組成物を混練、押
出成形、不活性雰囲気中で焼成することにより、該有機
高分子材が炭素化された炭素を結合材とし、前記白色体
質材と前記炭素との重量比が、白色体質材:炭素=9
5:5〜80:20である、少なくとも白色体質材と炭
素からなる黒色焼成芯体を形成し、該焼成芯体の気孔内
に染料インキを充填させてなることを特徴とする。
しく説明する。本発明の焼成暗色鉛筆芯は、少なくとも
白色体質材と有機高分子材を含む配合組成物を混練、押
出成形、不活性雰囲気中で焼成することにより、該有機
高分子材が炭素化された炭素を結合材とし、前記白色体
質材と前記炭素との重量比が、白色体質材:炭素=9
5:5〜80:20である、少なくとも白色体質材と炭
素からなる黒色焼成芯体を形成し、該焼成芯体の気孔内
に染料インキを充填させてなることを特徴とする。
【0008】本発明の焼成暗色鉛筆芯は、少なくとも白
色体質材と炭素からなる黒色焼成芯体を形成し、該焼成
芯体の気孔内に染料インキを充填させることにより作製
されるものであり、上記黒色焼成芯体は、少なくとも白
色体質材と有機高分子材を含む配合組成物を混練、押出
成形、不活性雰囲気中で焼成することにより得られるも
のである。
色体質材と炭素からなる黒色焼成芯体を形成し、該焼成
芯体の気孔内に染料インキを充填させることにより作製
されるものであり、上記黒色焼成芯体は、少なくとも白
色体質材と有機高分子材を含む配合組成物を混練、押出
成形、不活性雰囲気中で焼成することにより得られるも
のである。
【0009】本発明において、黒色焼成芯体に用いる体
質材としては、従来焼成型の色鉛筆芯に使用されている
ものであれば、いずれも使用可能であり、例えば、酸化
チタン、雲母、タルク、窒化硼素、シリカ、アルミナ、
炭酸カルシウム等の白色、無色系のものの使用が好まし
い。また、当然これら数種類の混合物も使用できる。な
お、本発明は、焼成暗色鉛筆芯を得ることを目的とする
ので、体質材として、黒鉛、カーボンブラックも少量使
用可能である。しかし、あまり多量に用いると、結合材
である炭素量と黒鉛、カーボンブラックとの総量が多す
ぎるため、染料インキ充填後の描線が黒くなりすぎ、好
ましくない。従って、なるべく、体質材として、黒鉛、
カーボンブラックは使用しないほうが望ましい。
質材としては、従来焼成型の色鉛筆芯に使用されている
ものであれば、いずれも使用可能であり、例えば、酸化
チタン、雲母、タルク、窒化硼素、シリカ、アルミナ、
炭酸カルシウム等の白色、無色系のものの使用が好まし
い。また、当然これら数種類の混合物も使用できる。な
お、本発明は、焼成暗色鉛筆芯を得ることを目的とする
ので、体質材として、黒鉛、カーボンブラックも少量使
用可能である。しかし、あまり多量に用いると、結合材
である炭素量と黒鉛、カーボンブラックとの総量が多す
ぎるため、染料インキ充填後の描線が黒くなりすぎ、好
ましくない。従って、なるべく、体質材として、黒鉛、
カーボンブラックは使用しないほうが望ましい。
【0010】また、黒色焼成芯体に用いる有機高分子材
としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹
脂、フラン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの
熱硬化性樹脂、リグニン、セルロース、トラガントガム
などの天然高分子物質、石油アスファルト、コールター
ルピッチ、ナフサ分解ピッチ、合成樹脂の乾留ピッチな
どのピッチ類等いずれも使用可能で、当然これら数種類
の混合物も使用できる。
としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹
脂、フラン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの
熱硬化性樹脂、リグニン、セルロース、トラガントガム
などの天然高分子物質、石油アスファルト、コールター
ルピッチ、ナフサ分解ピッチ、合成樹脂の乾留ピッチな
どのピッチ類等いずれも使用可能で、当然これら数種類
の混合物も使用できる。
【0011】更には、高せん断力を加えて行う混練時の
特性向上及び押出成形の特性向上の目的で、水、ジオク
チルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DB
P)、リン酸トリクレジル(TCP)、アジピン酸ジオ
クチル(DOA)、プロピレンカーボナート、アルコー
ル類、ケトン類、エステル類など有機質の賦形材の可塑
剤又は溶剤の一種又は二種以上を、必要に応じて添加し
ても良い。本発明では、上記体質材、有機高分子材等を
含む配合組成物をヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、
二本ロール等で十分混練した後、押出成形、不活性雰囲
気中で焼成することにより、有機高分子材が炭素化され
た炭素を結合材とする黒色焼成芯体が得られることとな
る。
特性向上及び押出成形の特性向上の目的で、水、ジオク
チルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DB
P)、リン酸トリクレジル(TCP)、アジピン酸ジオ
クチル(DOA)、プロピレンカーボナート、アルコー
ル類、ケトン類、エステル類など有機質の賦形材の可塑
剤又は溶剤の一種又は二種以上を、必要に応じて添加し
ても良い。本発明では、上記体質材、有機高分子材等を
含む配合組成物をヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、
二本ロール等で十分混練した後、押出成形、不活性雰囲
気中で焼成することにより、有機高分子材が炭素化され
た炭素を結合材とする黒色焼成芯体が得られることとな
る。
【0012】本発明において、焼成暗色鉛筆芯の着色材
は、有機高分子材を不活性雰囲気中で焼成することによ
り炭素化された炭素と、黒色焼成芯体の気孔内に充填さ
れたインキ中の染料とからなるものであり、この比率を
調整することにより、任意に目的の暗色(ブルーブラッ
ク、レッドブラック等)に調色することができるものと
なる。従って、炭素量が多すぎると黒味が強すぎるた
め、白色体質材と炭素の重量比(重量%)を、白色体質
材:炭素=95:5〜80:20、好ましくは、95:
5〜85:15の範囲にすることが望ましい。炭素の比
率が5重量%未満の場合は、強度が著しく弱くなり、ま
た、20%を超えると、黒味が強すぎ、染料インキの染
料を変更しても、描線が目視では、黒くなり、黒色と区
別がつかないこととなる。
は、有機高分子材を不活性雰囲気中で焼成することによ
り炭素化された炭素と、黒色焼成芯体の気孔内に充填さ
れたインキ中の染料とからなるものであり、この比率を
調整することにより、任意に目的の暗色(ブルーブラッ
ク、レッドブラック等)に調色することができるものと
なる。従って、炭素量が多すぎると黒味が強すぎるた
め、白色体質材と炭素の重量比(重量%)を、白色体質
材:炭素=95:5〜80:20、好ましくは、95:
5〜85:15の範囲にすることが望ましい。炭素の比
率が5重量%未満の場合は、強度が著しく弱くなり、ま
た、20%を超えると、黒味が強すぎ、染料インキの染
料を変更しても、描線が目視では、黒くなり、黒色と区
別がつかないこととなる。
【0013】本発明において、上記白色体質材と炭素の
比率は、白色体質材と、炭素化率を考慮した有機高分子
材との配合量で決定される。また、結合材である炭素の
比率が8重量%以下の場合、強度的に弱く、体質材の種
類によっては実筆記レベルに到達しないことがある。こ
の場合、ペルヒドロポリシラザン等のポリシラザンや酸
化物セラミックス前駆体であるポリメタロキサン等を有
機溶剤に溶解させた溶液を、染料インキ含浸前の黒色焼
成芯体に適当量、含浸、焼成することにより、強度アッ
プさせることも可能である。なお、染料の充填量は、黒
色焼成芯体の気孔率で決定されるため、染料インキの充
填量と曲げ強度のバランス等を考慮すると、気孔率は1
0%〜35%に調整することが望ましい。この気孔率が
10%未満では、染料の充填量が少ないため、黒味が強
すぎ、染料を変更しても、描線は目視では、黒く、黒色
と区別がつかないこととなる。また、気孔率が35%を
超えると、強度的に実用レベルに達しないため、好まし
くない。
比率は、白色体質材と、炭素化率を考慮した有機高分子
材との配合量で決定される。また、結合材である炭素の
比率が8重量%以下の場合、強度的に弱く、体質材の種
類によっては実筆記レベルに到達しないことがある。こ
の場合、ペルヒドロポリシラザン等のポリシラザンや酸
化物セラミックス前駆体であるポリメタロキサン等を有
機溶剤に溶解させた溶液を、染料インキ含浸前の黒色焼
成芯体に適当量、含浸、焼成することにより、強度アッ
プさせることも可能である。なお、染料の充填量は、黒
色焼成芯体の気孔率で決定されるため、染料インキの充
填量と曲げ強度のバランス等を考慮すると、気孔率は1
0%〜35%に調整することが望ましい。この気孔率が
10%未満では、染料の充填量が少ないため、黒味が強
すぎ、染料を変更しても、描線は目視では、黒く、黒色
と区別がつかないこととなる。また、気孔率が35%を
超えると、強度的に実用レベルに達しないため、好まし
くない。
【0014】本発明において焼成暗色鉛筆芯は、上記の
黒色焼成芯体の気孔内に染料インキを含浸、充填させる
ことにより完成となる。前記黒色焼成芯体に含浸する染
料インキとしては、従来公知のものであればいずれも使
用することができる。例えば、染料を動植物油、合成
油、アルコール類、炭化水素油、水等に溶解、分散さ
せ、あるいは必要に応じて、樹脂、界面活性剤等を更に
添加し製造された一般的に用いられている印刷用イン
キ、スタンプインキ、ボールペンインキ、水性筆記具用
インキ等が用いられる。本発明では、消しゴム消去性、
含浸されたインキの経時安定性を考慮すると、下記一般
式(I)〜(IV)で示される不揮発性溶液のうち少なく
とも1種の使用が望ましい。この溶液の単独使用はもち
ろん、2種類以上混合して使用することも可能である。
黒色焼成芯体の気孔内に染料インキを含浸、充填させる
ことにより完成となる。前記黒色焼成芯体に含浸する染
料インキとしては、従来公知のものであればいずれも使
用することができる。例えば、染料を動植物油、合成
油、アルコール類、炭化水素油、水等に溶解、分散さ
せ、あるいは必要に応じて、樹脂、界面活性剤等を更に
添加し製造された一般的に用いられている印刷用イン
キ、スタンプインキ、ボールペンインキ、水性筆記具用
インキ等が用いられる。本発明では、消しゴム消去性、
含浸されたインキの経時安定性を考慮すると、下記一般
式(I)〜(IV)で示される不揮発性溶液のうち少なく
とも1種の使用が望ましい。この溶液の単独使用はもち
ろん、2種類以上混合して使用することも可能である。
【化3】
【0015】本発明において焼成暗色鉛筆芯のインキ溶
剤としては、染料の溶解性、書き味等から第一アルコー
ルの使用が好ましいが、特に、上記式(I)で示される
オレイルアルコールは揮発性が低いため、経時安定性が
良く、また、消しゴム消去性、書き味に優れたものとな
るため、焼成色鉛筆芯の溶剤として良好である。また、
上記式(II)で示されるポリエチレングリコール脂肪酸
エステルのR1、上記式(III)で示されるポリオキシエ
チレンアルキルエーテルのR2は、上記デカノイル基、
デシル基より炭素数が小さいと、潤滑性による書き味、
揮発性による経時安定性が十分でないこととなる。ま
た、トリデカノイル基、オレオイル基、トリデシル基あ
るいはオレイル基より炭素数が大きいと、n又はmの数
にもよるが、染料の溶解性が低く、また、常温で固体で
あり、消しゴム消去性、芯の摩耗量からくる書き味等に
問題が生じることとなる。同様に上記式(IV)で示され
るポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのR3
は、上記オクチル基より炭素数が小さいと、潤滑性によ
る書き味、揮発性による経時安定性が十分でなく、ま
た、ノニル基より炭素数が大きいと、zの数にもよる
が、染料の溶解性が低く、しかも、常温で固体であり、
消しゴム消去性、芯の摩耗量からくる書き味等に問題が
生じることとなる。更に、上記一般式(II)〜(IV)で
示される前記n、m、zが上記夫々の数より大きいと、
常温で固体であるため、消しゴム消去性の低下が起きた
り、芯のホルダーの保持部のNBR製チャックを侵しや
すくなるという問題点がある。従って、上記一般式(I
I)〜(IV)で示されるものが、本発明における焼成暗
色鉛筆芯の溶剤として良好となるものである。
剤としては、染料の溶解性、書き味等から第一アルコー
ルの使用が好ましいが、特に、上記式(I)で示される
オレイルアルコールは揮発性が低いため、経時安定性が
良く、また、消しゴム消去性、書き味に優れたものとな
るため、焼成色鉛筆芯の溶剤として良好である。また、
上記式(II)で示されるポリエチレングリコール脂肪酸
エステルのR1、上記式(III)で示されるポリオキシエ
チレンアルキルエーテルのR2は、上記デカノイル基、
デシル基より炭素数が小さいと、潤滑性による書き味、
揮発性による経時安定性が十分でないこととなる。ま
た、トリデカノイル基、オレオイル基、トリデシル基あ
るいはオレイル基より炭素数が大きいと、n又はmの数
にもよるが、染料の溶解性が低く、また、常温で固体で
あり、消しゴム消去性、芯の摩耗量からくる書き味等に
問題が生じることとなる。同様に上記式(IV)で示され
るポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのR3
は、上記オクチル基より炭素数が小さいと、潤滑性によ
る書き味、揮発性による経時安定性が十分でなく、ま
た、ノニル基より炭素数が大きいと、zの数にもよる
が、染料の溶解性が低く、しかも、常温で固体であり、
消しゴム消去性、芯の摩耗量からくる書き味等に問題が
生じることとなる。更に、上記一般式(II)〜(IV)で
示される前記n、m、zが上記夫々の数より大きいと、
常温で固体であるため、消しゴム消去性の低下が起きた
り、芯のホルダーの保持部のNBR製チャックを侵しや
すくなるという問題点がある。従って、上記一般式(I
I)〜(IV)で示されるものが、本発明における焼成暗
色鉛筆芯の溶剤として良好となるものである。
【0016】本発明では、上記一般式(I)〜(IV)で
示される少なくとも1種の不揮発性溶液は、染料の溶解
性としては十分ではないため、溶解性補助溶剤として低
沸点有機溶剤を添加することが好ましい。使用する有機
溶剤としては、公知で市販されているもので、上記不揮
発性溶液と相溶性が有れば、アルコール類、ケトン類、
エステル類、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭
化水素類等いずれも使用可能であるが、得られる暗色鉛
筆芯の経時安定性の点で加圧含浸後に乾燥、除去する必
要があり、染料の耐熱性、乾燥のエネルギーコスト等を
考慮すると、沸点150℃以下のものが好ましく、安全
性等の点で、特に、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコールが更に好ましい。また、当然これらの溶剤は、
混合して使用することも可能である。
示される少なくとも1種の不揮発性溶液は、染料の溶解
性としては十分ではないため、溶解性補助溶剤として低
沸点有機溶剤を添加することが好ましい。使用する有機
溶剤としては、公知で市販されているもので、上記不揮
発性溶液と相溶性が有れば、アルコール類、ケトン類、
エステル類、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭
化水素類等いずれも使用可能であるが、得られる暗色鉛
筆芯の経時安定性の点で加圧含浸後に乾燥、除去する必
要があり、染料の耐熱性、乾燥のエネルギーコスト等を
考慮すると、沸点150℃以下のものが好ましく、安全
性等の点で、特に、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコールが更に好ましい。また、当然これらの溶剤は、
混合して使用することも可能である。
【0017】なお、上記不揮発性溶液、低沸点溶剤の配
合量としては、目的の焼成暗色鉛筆芯の色により染料の
種類、配合量、低沸点溶剤の必要量が異なるため、一概
にはいえないが、不揮発性溶液は35〜90重量%、低
沸点溶剤は10〜30重量%にすることが、その期待さ
れる効果から好ましい。更に、前記低沸点溶剤除去後、
染料インキ中の前記不揮発性溶液の含有率は、経時安定
性、消しゴム消去性、書き味等を更に優れたものとする
ために、前記低沸点有機溶剤除去後の染料インキ全量に
対して、38重量%以上となることが好ましい。
合量としては、目的の焼成暗色鉛筆芯の色により染料の
種類、配合量、低沸点溶剤の必要量が異なるため、一概
にはいえないが、不揮発性溶液は35〜90重量%、低
沸点溶剤は10〜30重量%にすることが、その期待さ
れる効果から好ましい。更に、前記低沸点溶剤除去後、
染料インキ中の前記不揮発性溶液の含有率は、経時安定
性、消しゴム消去性、書き味等を更に優れたものとする
ために、前記低沸点有機溶剤除去後の染料インキ全量に
対して、38重量%以上となることが好ましい。
【0018】本発明に用いる染料としては、上記一般式
(I)〜(IV)で示される少なくとも1種の不揮発性溶
液及び低沸点有機溶剤はもちろん、その他の使用する溶
剤、オイル、水等に溶解できるものであれば、酒精染
料、油溶性染料、塩基性染料、含金属染料等いずれも使
用可能である。また、当然、これらの染料は、混合して
複数種同時に使用することも可能である。また、染料イ
ンキに必要に応じて紫外吸収剤、光安定剤、帯電防止剤
等を添加することも可能である。黒色焼成芯体中に染料
インキを含浸する方法としては、例えば、黒色焼成芯体
をインキ中に浸漬し、加熱、減圧、加圧等の条件下で気
孔内に充填させる。更に、この操作を繰り返しを行って
もよい。更に、染料インキ充填後の芯に、書き味向上の
目的で、上記一般式(I)〜(IV)で示される少なくと
も1種の不揮発性溶液及び/又はその他のオイル等を含
浸することも可能である。
(I)〜(IV)で示される少なくとも1種の不揮発性溶
液及び低沸点有機溶剤はもちろん、その他の使用する溶
剤、オイル、水等に溶解できるものであれば、酒精染
料、油溶性染料、塩基性染料、含金属染料等いずれも使
用可能である。また、当然、これらの染料は、混合して
複数種同時に使用することも可能である。また、染料イ
ンキに必要に応じて紫外吸収剤、光安定剤、帯電防止剤
等を添加することも可能である。黒色焼成芯体中に染料
インキを含浸する方法としては、例えば、黒色焼成芯体
をインキ中に浸漬し、加熱、減圧、加圧等の条件下で気
孔内に充填させる。更に、この操作を繰り返しを行って
もよい。更に、染料インキ充填後の芯に、書き味向上の
目的で、上記一般式(I)〜(IV)で示される少なくと
も1種の不揮発性溶液及び/又はその他のオイル等を含
浸することも可能である。
【0019】このように構成される本発明の焼成暗色鉛
筆芯では、下記の作用を有することとなる。結合材であ
る炭素と染料の混色による描線は、従来の黒鉛芯、白色
芯に染料インキを充填した芯のいずれとも異なる独特の
発色であり、また、前記不揮発性溶液を含むインキによ
り、消しゴムで容易に消去可能である焼成暗色鉛筆芯が
得られることとなる。
筆芯では、下記の作用を有することとなる。結合材であ
る炭素と染料の混色による描線は、従来の黒鉛芯、白色
芯に染料インキを充填した芯のいずれとも異なる独特の
発色であり、また、前記不揮発性溶液を含むインキによ
り、消しゴムで容易に消去可能である焼成暗色鉛筆芯が
得られることとなる。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により、更
に具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって何
ら限定されるものではない。
に具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって何
ら限定されるものではない。
【0021】
〔実施例1〕
窒化硼素 54重量%
塩化ビニル樹脂 29重量%
ジオクチルフタレート(DOP) 16重量%
オレイン酸アミド 1重量%
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで混合分散し、加
圧ニーダー、2本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく、空気中で
180℃にて熱処理して、しかる後、窒素雰囲気中にて
1000℃まで昇温して1000℃で焼成し、直径0.
57mmの黒色焼成芯体を得た。次に、 スピロンレッドC−GH(保土ヶ谷化学工業社製) 25重量% エチルアルコール 25重量% ポリオキシエチレンラウリルエーテル(m=4.5) 50重量% からなる赤色の染料インキ溶液に、上記黒色焼成芯体を
浸し、60℃で24時間放置した。次いで、上記溶液か
ら芯体を取り出した後、80℃で乾燥してエチルアルコ
ールを除去し、直径0.57mmの焼成色鉛筆芯を得
た。
圧ニーダー、2本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく、空気中で
180℃にて熱処理して、しかる後、窒素雰囲気中にて
1000℃まで昇温して1000℃で焼成し、直径0.
57mmの黒色焼成芯体を得た。次に、 スピロンレッドC−GH(保土ヶ谷化学工業社製) 25重量% エチルアルコール 25重量% ポリオキシエチレンラウリルエーテル(m=4.5) 50重量% からなる赤色の染料インキ溶液に、上記黒色焼成芯体を
浸し、60℃で24時間放置した。次いで、上記溶液か
ら芯体を取り出した後、80℃で乾燥してエチルアルコ
ールを除去し、直径0.57mmの焼成色鉛筆芯を得
た。
【0022】
〔実施例2〕
窒化硼素 49重量%
塩化ビニル樹脂 34重量%
ジオクチルフタレート(DOP) 16重量%
オレイン酸アミド 1重量%
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで混合分散し、加
圧ニーダー、2本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく、空気中で
180℃にて熱処理して、しかる後、窒素雰囲気中にて
1000℃まで昇温して1000℃で焼成し、直径0.
57mmの黒色焼成芯体を得た。次に、 スピロンレッドC−GH(保土ヶ谷化学工業社製) 20重量% エチルアルコール 20重量% ポリオキシエチレンラウリルエーテル(m=4.5) 60重量% からなる赤色の染料インキ溶液に、上記黒色焼成芯体を
浸し、60℃で24時間放置した。次いで、上記溶液か
ら芯体を取り出した後、80℃で乾燥してエチルアルコ
ールを除去し、直径0.57mmの焼成色鉛筆芯を得
た。
圧ニーダー、2本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく、空気中で
180℃にて熱処理して、しかる後、窒素雰囲気中にて
1000℃まで昇温して1000℃で焼成し、直径0.
57mmの黒色焼成芯体を得た。次に、 スピロンレッドC−GH(保土ヶ谷化学工業社製) 20重量% エチルアルコール 20重量% ポリオキシエチレンラウリルエーテル(m=4.5) 60重量% からなる赤色の染料インキ溶液に、上記黒色焼成芯体を
浸し、60℃で24時間放置した。次いで、上記溶液か
ら芯体を取り出した後、80℃で乾燥してエチルアルコ
ールを除去し、直径0.57mmの焼成色鉛筆芯を得
た。
【0023】
〔実施例3〕
スピロンレッドC−GH(保土ヶ谷化学工業社製) 25重量%
エチルアルコール 25重量%
オレイルアルコール 50重量%
からなる赤色の染料インキ溶液に、上記実施例1と同様
の黒色焼成芯体を浸し、60℃で24時間放置した。次
いで、上記溶液から芯体を取り出した後、80℃で乾燥
してエチルアルコールを除去し、直径0.57mmの焼
成色鉛筆芯を得た。
の黒色焼成芯体を浸し、60℃で24時間放置した。次
いで、上記溶液から芯体を取り出した後、80℃で乾燥
してエチルアルコールを除去し、直径0.57mmの焼
成色鉛筆芯を得た。
【0024】
〔実施例4〕
スピロンレッドC−GH(保土ヶ谷化学工業社製) 25重量%
エチルアルコール 25重量%
ポリエチレングリコールラウリン酸エステル(n=4.5) 50重量%
からなる赤色の染料インキ溶液に、上記実施例1と同様
の黒色焼成芯体を浸し、60℃で24時間放置した。次
いで、上記溶液から芯体を取り出した後、80℃で乾燥
してエチルアルコールを除去し、直径0.57mmの焼
成色鉛筆芯を得た。
の黒色焼成芯体を浸し、60℃で24時間放置した。次
いで、上記溶液から芯体を取り出した後、80℃で乾燥
してエチルアルコールを除去し、直径0.57mmの焼
成色鉛筆芯を得た。
【0025】
〔実施例5〕
スピロンレッドC−GH(保土ヶ谷化学工業社製) 25重量%
エチルアルコール 25重量%
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(z=2) 50重量%
からなる赤色の染料インキ溶液に、上記実施例1と同様
の黒色焼成芯体を浸し、60℃で24時間放置した。次
いで、上記溶液から芯体を取り出した後、80℃で乾燥
してエチルアルコールを除去し、直径0.57mmの焼
成色鉛筆芯を得た。
の黒色焼成芯体を浸し、60℃で24時間放置した。次
いで、上記溶液から芯体を取り出した後、80℃で乾燥
してエチルアルコールを除去し、直径0.57mmの焼
成色鉛筆芯を得た。
【0026】
〔比較例1〕
黒鉛 54重量%
塩化ビニル樹脂 29重量%
ジオクチルフタレート(DOP) 16重量%
オレイン酸アミド 1重量%
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで混合分散し、加
圧ニーダー、2本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく、空気中で
180℃にて熱処理して、しかる後、窒素雰囲気中にて
1000℃まで昇温して1000℃で焼成し、直径0.
57mmの黒色焼成芯体を得た。次に、 スピロンレッドC−GH(保土ヶ谷化学工業社製) 20重量% トリエチレングリコール 80重量% からなる赤色の染料インキ溶液に、上記黒色焼成芯体を
浸し、60℃で24時間放置した。次いで、上記溶液か
ら芯体を取り出し、直径0.57mmの焼成色鉛筆芯を
得た。
圧ニーダー、2本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく、空気中で
180℃にて熱処理して、しかる後、窒素雰囲気中にて
1000℃まで昇温して1000℃で焼成し、直径0.
57mmの黒色焼成芯体を得た。次に、 スピロンレッドC−GH(保土ヶ谷化学工業社製) 20重量% トリエチレングリコール 80重量% からなる赤色の染料インキ溶液に、上記黒色焼成芯体を
浸し、60℃で24時間放置した。次いで、上記溶液か
ら芯体を取り出し、直径0.57mmの焼成色鉛筆芯を
得た。
【0027】
〔比較例2〕
窒化硼素 30重量%
塩化ビニル樹脂 53重量%
ジオクチルフタレート(DOP) 16重量%
オレイン酸アミド 1重量%
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで混合分散し、加
圧ニーダー、2本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく、空気中で
180℃にて熱処理して、しかる後、窒素雰囲気中にて
1000℃まで昇温して1000℃で焼成し、直径0.
57mmの黒色焼成芯体を得た。この黒色焼成芯体を実
施例1と同様の赤色の染料インキ溶液に浸し、同様の方
法で染色し、直径0.57mmの焼成色鉛筆芯を得た。
圧ニーダー、2本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく、空気中で
180℃にて熱処理して、しかる後、窒素雰囲気中にて
1000℃まで昇温して1000℃で焼成し、直径0.
57mmの黒色焼成芯体を得た。この黒色焼成芯体を実
施例1と同様の赤色の染料インキ溶液に浸し、同様の方
法で染色し、直径0.57mmの焼成色鉛筆芯を得た。
【0028】
〔比較例3〕
窒化硼素 66重量%
塩化ビニル樹脂 17重量%
ジオクチルフタレート(DOP) 16重量%
オレイン酸アミド 1重量%
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで混合分散し、加
圧ニーダー、2本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく、空気中で
180℃にて熱処理して、しかる後、窒素雰囲気中にて
1000℃まで昇温して1000℃で焼成し、直径0.
57mmの黒色焼成芯体を得た。この黒色焼成芯体を実
施例1と同様の赤色の染料インキ溶液に浸し、同様の方
法で染色し、直径0.57mmの焼成色鉛筆芯を得た。
圧ニーダー、2本ロールで混練した後、細線状に押出成
形し、これから残留する可塑剤を除去すべく、空気中で
180℃にて熱処理して、しかる後、窒素雰囲気中にて
1000℃まで昇温して1000℃で焼成し、直径0.
57mmの黒色焼成芯体を得た。この黒色焼成芯体を実
施例1と同様の赤色の染料インキ溶液に浸し、同様の方
法で染色し、直径0.57mmの焼成色鉛筆芯を得た。
【0029】上記で得られた実施例1〜5及び比較例1
〜3の焼成暗色鉛筆芯について、下記方法等によって、
曲げ強度、炭素比率、消しゴム消去性、描線色について
測定、評価した。これらの結果を下記表1に示す。
〜3の焼成暗色鉛筆芯について、下記方法等によって、
曲げ強度、炭素比率、消しゴム消去性、描線色について
測定、評価した。これらの結果を下記表1に示す。
【0030】〔曲げ強度の測定法〕JIS−S−600
5−1992に準拠して測定した。
5−1992に準拠して測定した。
【0031】〔炭素比率の測定法〕下記式により算出し
た。 黒色焼成芯体中の炭素重量比(重量%)=炭素重量/
(体質材重量+炭素重量)×100 なお、「炭素重量=(黒色焼成芯体重量−体質材配合
量)」から算出した。
た。 黒色焼成芯体中の炭素重量比(重量%)=炭素重量/
(体質材重量+炭素重量)×100 なお、「炭素重量=(黒色焼成芯体重量−体質材配合
量)」から算出した。
【0032】〔消しゴム消去性の評価法〕同荷重で筆記
した描線を、同荷重、擦過回数で消しゴムで消去し、消
去後描線を目視にて評価した。
した描線を、同荷重、擦過回数で消しゴムで消去し、消
去後描線を目視にて評価した。
【0033】〔描線色の評価法〕同荷重で筆記した描線
色を目視にて評価した。
色を目視にて評価した。
【0034】
【表1】
【0035】上記表1の結果から明らかなように、本発
明の範囲となる実施例1〜5では、暗色の描線が得ら
れ、消しゴムでも容易に消去できることが判明した。こ
れに対し、本発明の範囲外となる比較例1は、体質材が
黒鉛のため、芯体は100%炭素であり、その描線は黒
鉛色であり、また、染色したインキの吸湿性が高いた
め、紙面に染着し、消しゴムで消去すると、赤いインキ
の後が残った。比較例2は炭素の比率が多すぎ、黒い描
線が得られた。比較例3は、結合材である炭素の比率が
小さく、強度が弱かった。
明の範囲となる実施例1〜5では、暗色の描線が得ら
れ、消しゴムでも容易に消去できることが判明した。こ
れに対し、本発明の範囲外となる比較例1は、体質材が
黒鉛のため、芯体は100%炭素であり、その描線は黒
鉛色であり、また、染色したインキの吸湿性が高いた
め、紙面に染着し、消しゴムで消去すると、赤いインキ
の後が残った。比較例2は炭素の比率が多すぎ、黒い描
線が得られた。比較例3は、結合材である炭素の比率が
小さく、強度が弱かった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、白色体質材と炭素から
なる多孔質焼成芯体に、特定のインキを充填することに
より、格段に優れた発色性を有し、機械的強度及び書き
味に優れ、消しゴムで容易に消去できる焼成暗色鉛筆芯
が提供される。
なる多孔質焼成芯体に、特定のインキを充填することに
より、格段に優れた発色性を有し、機械的強度及び書き
味に優れ、消しゴムで容易に消去できる焼成暗色鉛筆芯
が提供される。
フロントページの続き
Fターム(参考) 4J039 AB04 AB06 AD05 AD06 AE01
AE02 AE05 AE07 BA12 BA16
BA21 BA23 BA24 BA35 BC07
BC16 BC20 BC56 BE02 BE13
EA29 EA48 GA31
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも白色体質材と有機高分子材を
含む配合組成物を混練、押出成形、不活性雰囲気中で焼
成することにより、該有機高分子材が炭素化された炭素
を結合材とし、前記白色体質材と前記炭素との重量比
が、白色体質材:炭素=95:5〜80:20である、
少なくとも白色体質材と炭素からなる黒色焼成芯体を形
成し、該焼成芯体の気孔内に染料インキを充填させてな
ることを特徴とする焼成暗色鉛筆芯。 - 【請求項2】 焼成芯体気孔内の染料インキが、35〜
90重量%の下記一般式(I)〜(IV)で示される不揮
発性溶剤のうち少なくとも1種、及び低級アルコール等
の低融点有機溶剤に溶解させた染料溶液を該気孔内に含
浸させた後、該低沸点有機溶剤を乾燥除去させたもので
あることを特徴とする請求項1記載の焼成暗色鉛筆芯。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001194898A JP2003012992A (ja) | 2001-06-27 | 2001-06-27 | 焼成暗色鉛筆芯 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001194898A JP2003012992A (ja) | 2001-06-27 | 2001-06-27 | 焼成暗色鉛筆芯 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003012992A true JP2003012992A (ja) | 2003-01-15 |
Family
ID=19032953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001194898A Withdrawn JP2003012992A (ja) | 2001-06-27 | 2001-06-27 | 焼成暗色鉛筆芯 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003012992A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019099633A (ja) * | 2017-11-30 | 2019-06-24 | 株式会社パイロットコーポレーション | 焼成色鉛筆芯 |
JP2021070724A (ja) * | 2019-10-29 | 2021-05-06 | 株式会社パイロットコーポレーション | 色鉛筆芯 |
-
2001
- 2001-06-27 JP JP2001194898A patent/JP2003012992A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019099633A (ja) * | 2017-11-30 | 2019-06-24 | 株式会社パイロットコーポレーション | 焼成色鉛筆芯 |
JP7034684B2 (ja) | 2017-11-30 | 2022-03-14 | 株式会社パイロットコーポレーション | 焼成色鉛筆芯 |
JP2021070724A (ja) * | 2019-10-29 | 2021-05-06 | 株式会社パイロットコーポレーション | 色鉛筆芯 |
JP7365854B2 (ja) | 2019-10-29 | 2023-10-20 | 株式会社パイロットコーポレーション | 色鉛筆芯 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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