JP2003001761A - ポリアセタール樹脂/熱可塑性エラストマー複合成形体及びその成形方法 - Google Patents
ポリアセタール樹脂/熱可塑性エラストマー複合成形体及びその成形方法Info
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Abstract
る成形体部位と熱可塑性エラストマーからなる成形体部
位との界面の融着性が向上した複合成形体を提供するこ
と。 【解決手段】 ポリアセタール(共)重合体(A1)9
9.9〜0重量%、および分子中に1〜200mmol
/kgのカルボシキル基を有する変性ポリアセタール
(共)重合体(A2)0.1〜100重量%からなるポ
リアセタール樹脂(A)(A1とA2の合計は100重
量%である)からなる成形体部位と、熱可塑性エラスト
マー(B)からなる成形体部位とが融着してなる複合成
形体。
Description
シル基を有する変性ポリアセタール(共)重合体を含む
ポリアセタール樹脂からなる成形体部位に熱可塑性エラ
ストマーからなる成形体部位が融着してなる複合成形
体、及びその成形方法に関する。該複合成形体はポリア
セタール樹脂からなる成形体部位と熱可塑性エラストマ
ーからなる成形体部位との融着性に優れる。
あるポリアセタール(POM)樹脂は、機械的特性、熱
的特性、電気的特性、摺動性、成形性等において優れた
特性を有しており、主に構造材料や機構部品として電気
・電子機器、自動車部品、事務機器部品、日用雑貨部品
などに幅広く使用されている。一方、熱可塑性エラスト
マーは柔軟性、耐水性、耐寒性などに優れており、多く
の用途に使用されている。この種の熱可塑性エラストマ
ーとしては、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリエス
テル系、ポリウレタン系などが知られている。射出成形
法は複雑な形状の成形品でも成形することができ、かつ
大量生産に適するものであり、前記したポリアセタール
樹脂や熱可塑性エラストマーにも射出成形法が適用さ
れ、各種の機構部品が効率良く製造されたり、エラスト
マー成形体が特に生産性良く成形されている。近年、合
成樹脂(プラスチック)製部品や部材の高性能・高機能
化の要求が厳しくなり、その中でエンジニアリングプラ
スチックと熱可塑性エラストマーとの複合化についても
注目されている。そして、複合化には、両者に共通した
成形手段である射出成形法により両者を相互に熱融着
(単に融着とも言う。)させることが最も効果的であ
る。
アリングプラスチックと熱可塑性エラストマーとの熱融
着性は必ずしも良くない。特に、ポリアセタール樹脂は
結晶性が高く、表面活性が乏しく、他樹脂との親和性も
低いため、熱可塑性エラストマーとの複合成形品ではそ
の接合面において十分な接着強度や融着強度が得られな
いという問題がある。このためポリアセタール樹脂と熱
可塑性エラストマーを複合化して付加価値の高い複合部
品、複合部材などの複合成形体を製造しようとする場
合、例えば両者の接合部に凹凸の係止部を設けて機械的
に接合する方法、ポリアセタール樹脂成形品側接合面を
火炎処理や熱風処理などの方法で粗面化したり官能基を
付与する方法或いは両者の接合部に接着剤を適用する方
法など、非生産的な接合手段や表面が劣化しやすい手段
を採用せざるを得ないのが現状である。例えば、前記し
た凹凸の係止部などを設けて機械的に接合する方法は、
金型構造が複雑になったり、或いは構造によっては工程
数が多くなるなどの問題がある。また最終の複合成形体
の形状からみて強力な結合構造とすることができないこ
ともある。また、接着剤を用いる接合方法は、接着剤の
塗布などの工程を要すると共に、接着剤の劣化などもあ
って接合強度が低下する場合もある。
の如き課題を解決し、融着性が向上したポリアセタール
樹脂からなる成形体部位と熱可塑性エラストマーからな
る成形体部位との界面の融着性が向上した複合成形体を
提供することにある。
タール樹脂と熱可塑性エラストマーとの融着性や接着性
を向上させた複合成形体を得るためには、ポリアセター
ル樹脂の合成時に特定の成分を加えて共重合することに
よりポリマー骨格を変性し、ポリマー自体にこれらの性
質を付与することが課題解決の重要な鍵を握るものと推
測した。本発明者らは、鋭意検討した結果、1分子中に
カルボキシル基とアルコール性水酸基を有する化合物を
共重合させて、ポリマー骨格にカルボシキル基を導入し
た変性ポリアセタール(共)重合体を含有するポリアセ
タール樹脂を使用することにより、前記の課題が解決さ
れ、ポリアセタール樹脂からなる成形体部位と熱可塑性
エラストマーからなる成形体部位とが強固に融着可能に
なることを見出し、本発明を完成するに至った。
(共)重合体(A1)99.9〜0重量%、および分子
中に1〜200mmol/kgのカルボシキル基を有す
る変性ポリアセタール(共)重合体(A2)0.1〜1
00重量%からなるポリアセタール樹脂(A)(A1と
A2の合計は100重量%である)からなる成形体部位
と、熱可塑性エラストマー(B)からなる成形体部位と
が融着してなる複合成形体を提供する。本発明の第2
は、ポリアセタール(共)重合体(A1)が、ホルムア
ルデヒドまたは一般式(CH2O)n〔但し、nは3以
上の整数〕で表されるホルムアルデヒドの環状オリゴマ
ー(両者を併せてホルムアルデヒド誘導体(a)と称
す)を単独重合すること、又は、ホルムアルデヒド誘導
体(a)と環状エーテルおよび/または環状ホルマール
からなるコモノマー(c)を共重合することによって得
られる(共)重合体である本発明の第1の複合成形体を
提供する。本発明の第3は、変性ポリアセタール(共)
重合体(A2)が、1分子中にカルボキシル基とアルコ
ール性水酸基を有する化合物(b)の存在下で、ホルム
アルデヒド誘導体(a)を単独重合すること、又は、ホ
ルムアルデヒド誘導体(a)とコモノマー(c)を共重
合することによって得られる変性(共)重合体である本
発明の第l又は2の複合成形体を提供する。本発明の第
4は、化合物(b)が、グリコール酸、乳酸、α−オキ
シイソ酪酸、β−オキシイソ酪酸、オキシピバル酸、1
2−オキシステアリン酸、リンゴ酸、クエン酸、グリセ
リン酸、酒石酸からなる群より選ばれる少なくとも1種
である本発明の第3の複合成形体を提供する。本発明の
第5は、熱可塑性エラストマー(B)が、極性基を有す
る熱可塑性エラストマーであることを特徴とする本発明
の第l〜4のいずれかの複合成形体を提供する。本発明
の第6は、極性基を有する熱可塑性エラストマーがポリ
エステル系熱可塑性エラストマー(B1)であることを
特徴とする本発明の第5の複合成形体を提供する。本発
明の第7は、熱可塑性エラストマー(B)が、ポリエス
テル系熱可塑性エラストマー(B1)を20重量%以上
含むことを特徴とする本発明の第1〜4のいずれかの複
合成形体を提供する。本発明の第8は、熱可塑性エラス
トマー(B)が、ポリエステル系熱可塑性エラストマー
(Bl)100重量部と、スチレン系熱可塑性エラスト
マー(B2)及び/又はオレフイン系熱可塑性エラスト
マー(B3)の合計0〜400重量部とからなることを
特徴とする本発明の第1〜4のいずれかの複合成形体を
提供する。本発明の第9は、本発明の第1〜4のいずれ
かに示されたポリアセタール樹脂(A)と本発明の第1
および5〜8のいずれかの熱可塑性エラストマー(B)
を二色射出成形することを特徴とする複合成形体の成形
方法を提供する。本発明の第10は、本発明の第1〜4
のいずれかに示されたポリアセタール樹脂(A)からな
る一次成形品を金型内に設置した後、本発明の第1およ
び5〜8のいずれかに示された熱可塑性エラストマー
(B)を二次射出成形すること、又は請本発明の第1お
よび5〜8のいずれかに示された熱可塑性エラストマー
(B)からなる一次成形品を金型内に設置した後、本発
明の第1〜4のいずれかに示されたポリアセタール樹脂
(A)を二次射出成形することを特徴とする本発明の第
9の複合成形体の成形方法を提供する。本発明の第11
は、ポリアセタール樹脂(A)からなる一次成形品を8
0℃以上に予熱した状態で金型内に設置した後、熱可塑
性エラストマー(B)を、ポリアセタール樹脂(A)の
融点以上の温度で、二次射出成形することを特徴とする
本発明の第10の複合成形体の成形方法を提供する。
する。 I.ポリアセタール樹脂(A) 本発明に用いられるポリアセタール樹脂(A)は、変性
ポリアセタール(共)重合体(A2)、及び、必要に応
じて用いられるポリアセタール(共)重合体(A1)か
らなる。
合体(A1)は、通常のポリアセタール単独重合体また
はポリアセタール共重合体である。即ち、ポリアセター
ル(共)重合体(A1)は、オキシメチレン基(−CH
2O−)を主たる構成単位とする高分子化合物で、ポリ
オキシメチレンホモポリマー、オキシメチレン基以外に
他の構成単位を含有するコポリマー(コポリマーはラン
ダム、ブロック、これらの混合構造を含む)、ターポリ
マーの何れにてもよく、又分子が直鎖状のみならず分
岐、架橋構造を有するものであってもよい。ポリオキシ
メチレンホモポリマー、コポリマー、ターポリマーを区
別する必要が無い場合には、単に、ポリアセタールとい
う。
ヒド誘導体(a)の重合により製造される。ホルムアル
デヒド誘導体(a)としては、具体的には、無水ホルム
アルデヒド、一般式(CH2O)n〔但し、nは3以上
の整数〕で表されるホルムアルデヒドの環状三重体であ
るトリオキサン等が挙げられる。
に、下記一般式(i):
およびハロゲン置換低級アルキル基よりなる群から選ば
れ、二つずつあるR1またはR2は、それぞれ異なってい
てもよく;R3はアルキレン、オキシアルキレン、低級
アルキルおよびハロアルキル置換メチレン、並びに低級
アルキルおよびハロアルキル置換オキシアルキレン基よ
りなる群から選ばれ、mは0〜3の整数であり、各低級
アルキル基は炭素数の1〜2のものである。また、ポリ
マー鎖中の反復基(i)が複数ある場合は、反復基
(i)は同じであっても異なっていてもよい。)で示さ
れる反復基(i)が、ランダム又はブロックに存在する
構造を有する。ポリアセタールコポリマーは、一般的に
は、前記ホルムアルデヒド誘導体(a)とコモノマー
(c)を共重合することによって得られる。コモノマー
(c)としては、環状エーテル及び環状ホルマール等が
挙げられ、具体的には、エチレンオキシド、プロピレン
オキシド、ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、エ
ピブロモヒドリン、スチレンオキシド、オキセタン、
3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、テトラヒド
ロフラン、トリオキセパン、1,3−ジオキソラン等の
環状エーテル;及びプロピレングリコールホルマール、
ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコ
ールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、
1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−へキサ
ンジオールホルマール等の環状ホルマールが挙げられ
る。これらは混合して使用してもよい。中でもエチレン
オキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコー
ルホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールが好
ましい。コモノマー(c)の使用量は、得られるポリア
セタールコポリマーの剛性、耐薬品性等を考慮すると、
ホルムアルデヒド誘導体(a)100重量部に対して1
種又は2種以上で合わせて0〜20重量部、好ましくは
0.01〜15重量部、特に好ましくは0.1〜10重
量部である。
は、通常、メチラール等の分子量調整成分を併用して重
合したり、更にジグリシジルエーテル化合物等の従来公
知の分岐・架橋を形成しうる多官能性化合物を加えて重
合することも可能である。分子量調整成分としては、従
来公知の低分子量アセタール化合物等が挙げられ、具体
的には、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシ
メチラール、トリメトキシメチラール、オキシメチレン
ジ−n−ブチルエーテル等のアルコキシ基を有する化合
物が挙げられる。
下に行われる。触媒としては、一般にカチオン重合触媒
が用いられ、具体的には、四塩化鉛、四塩化スズ、四塩
化チタン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三塩化バナ
ジウム、三塩化アンチモン、五フッ化リン、五フッ化ア
ンチモン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエ
ーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三
フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチッ
クアンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチルアミン
錯化合物等の三フッ化ホウ素配位化合物、過塩素酸、ア
セチルパークロレート、t−ブチルパークロレート、ヒ
ドロキシ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、p
−トルエンスルホン酸等の無機および有機酸、トリエチ
ルオキソニウムテトラフロロボレート、トリフェニルメ
チルヘキサフロロアンチモネート、アリルジアゾニウム
ヘキサフロロホスフェート、アリルジアゾニウムテトラ
フロロボレート等の複合塩化合物、ジエチル亜鉛、トリ
エチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド
等のアルキル金属塩、ヘテロポリ酸、イソポリ酸等の1
種又は2種以上が挙げられる。中でも三フッ化ホウ素、
三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素
ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネー
ト、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フ
ッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物等の三フッ化ホウ
素配位化合物が好ましい。これらのカチオン重合触媒は
そのままでも、有機溶剤等で予め希釈して用いることも
でき、その調製方法は特に限定されない。
定されるものではないが、一般的には液状化したトリオ
キサン、コモノマー(c)を、触媒を用いて、塊状重合
させ、固体粉塊状のポリアセタールを得る。重合装置は
特に限定されるものではなく、公知の装置が使用され、
バッチ式、連続式等、いずれの方法も可能である。ま
た、重合温度は65〜135℃に保つことが好ましい。
は、重合反応後、重合機より排出される反応生成物、あ
るいは、重合機中の反応生成物に塩基性化合物或いはそ
の水溶液等を加えて行う。重合触媒を中和し失活するた
めの塩基性化合物としては、アンモニア、或いはトリエ
チルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミ
ン、トリブタノールアミン等のアミン類、或いはアルカ
リ金属、アルカリ土類金属の水酸化物塩類、その他公知
の触媒失活剤が用いられる。また、重合反応後、生成物
にこれらの水溶液を速やかに加え、失活させることが好
ましい。かかる重合方法および失活方法の後、必要に応
じて更に、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を
従来公知の方法にて行う。得られたポリアセタールは、
さらに、加水分解などによる不安定末端部の分解除去ま
たは安定物質による不安定末端の封止等、必要に応じて
公知の方法にて安定化処理される。
スが0.1〜1,000g/l0min、好ましくは
0.2〜500g/l0minである。
剤、耐熱安定剤(分解防止剤)、耐候(光)安定剤等の
各種安定剤を配合する。各種安定剤としては、ヒンダー
ドフェノール系化合物、窒素含有化合物、アルカリ或い
はアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩
等が挙げられ、これらは、1種または2種以上併用して
もよい。
合体(A2)は、ポリアセタール分子中にカルボシキル
基を導入したものであり、例えば上記のようなポリアセ
タールホモポリマー又はコポリマーの製造において、1
分子中にカルボキシル基とアルコール性水酸基を有する
化合物(b)を加えて重合すること、又は、ポリアセタ
ールの末端に化合物(b)を反応させることにより得ら
れ、好ましくは前者の方法で得られたものである。
水酸基を有する化合物(b)としては、脂肪族オキシカ
ルボン酸、脂環族オキシカルボン酸、芳香族オキシカル
ボン酸等が挙げられるが、特に脂肪族オキシカルボン酸
が好ましい。脂肪族オキシカルボン酸としては、具体的
には、モノオキシモノカルボン酸、モノオキシジカルボ
ン酸、モノオキシトリカルボン酸、ジオキシモノカルボ
ン酸、ジオキシジカルボン酸、ジオキシトリカルボン
酸、トリオキシモノカルボン酸、トリオキシジカルボン
酸、トリオキシトリカルボン酸等が挙げられる。その中
でも特に好ましくは、モノオキシカルボン酸の一種であ
るグリコール酸、乳酸、α−オキシイソ酪酸、β−オキ
シイソ酪酸、オキシピバル酸、12−オキシステアリン
酸、またモノオキシジカルボン酸の一種であるリンゴ
酸、或いはモノオキシトリカルボン酸の一種であるクエ
ン酸、ジオキシモノカルボン酸の一種であるグリセリン
酸、更にはジオキシジカルボン酸の一種である酒石酸で
ある。
は、必要に応じてラクトン(b’)を添加して重合するこ
ともできる。ラクトン(b’)としては、β−プロピオラ
クトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、α
−オキシ−γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これに
より、ポリエステル系、スチレン系、ポリオレフィン
系、ポリウレタン系などの熱可塑性エラストマーとの融
着性や接着性を改善することができる。
水酸基を有する化合物(b)を加えて重合することによ
る変性ポリアセタール(共)重合体(A2)の製造方
法、後処理方法等は、ポリアセタール(共)重合体(A
1)の場合と同様である。
は、少なくともlmmol/kg以上、好ましくは2〜
200mmol/kgのカルボキシル基を有する。20
0mmol/kgを超えて変性すると、ポリアセタール
(共)重合体の有する優れた性質を阻害するようにな
り、一方1mmol/kg未満では変性の効果が現れな
い。カルボシキル基の定量は、後記のように、1H−N
MR測定によって行うことができる。上記変性ポリアセ
タール(共)重合体(A2)は、メルトインデックスが
0.1〜1000g/l0min、好ましくは0.2〜
500g/l0minである。
(共)重合体(A1)99.9〜0重量%および変性ポ
リアセタール(共)重合体(A2)0.1〜100重量
%、好ましくは、ポリアセタール(共)重合体(A1)
95〜5重量%および変性ポリアセタール(共)重合体
(A2)5〜95重量%からなる(A1とA2の合計は
100重量%である)。一般に、ポリアセタール樹脂
(A)中の変性ポリアセタール(共)重合体(A2)の
含有率は、(共)重合体(A2)の変性度(カルボキシ
ル基の導入率)によって適正値が異なる。カルボシキル
基導入率の低い(共)重合体(A2)は比較的高分子量
のものが得られ、(共)重合体(A2)の含有率も多く
するのが好ましく、またカルボシキル基導入率の高い
(共)重合体(A2)は一般に比較的低分子量であり、
(A2)の含有率も少なくするのが適切である。
(A)には、用途に応じてその物性を改善するため、公
知の各種の添加物を配合し得る。添加物の例を示せば、
各種の安定剤、着色剤、滑剤、離型剤、核剤、界面活性
剤、異種ポリマー、有機高分子改良剤及び無機、有機、
金属等の繊維状、粉粒状、板状の充填剤が挙げられ、こ
れらの1種又は2種以上を混合使用できる。
としては、例えば、ポリエステル系エラストマー(B
1)、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラ
ストマーなどの極性の高いエラストマー;ポリスチレン
系エラストマー(B2);ポリオレフィン系エラストマ
ー(B3);塩ビ系エラストマーなどが挙げられる。こ
れらは、2種以上併用してもよい。熱可塑性エラストマ
ー(B)としては、構成ポリマー分子中に極性基、例え
ば−C(=O)O−、−NHC(=O)O−基、−NH
C(=O)−基を有するエラストマーが適しており、特
に好ましくはポリエステル系エラストマー(Bl)であ
る。ポリエステル系エラストマー(B1)は、単一で
も、他エラストマー成分との複数併用系であってもよ
く、他エラストマー成分の中で好ましいのは、ポリスチ
レン系エラストマー(B2)及びポリオレフィン系エラ
ストマー(B3)である。
ポリエステル系エラストマーや等が挙げられる。 ポリエステル系エラストマー:ハードセグメントが芳
香族ポリエステルブロック(d)で、ソフトセグメント
が脂肪族ポリエーテルブロック(e)で構成されるポリ
エステル・ポリエーテル型ブロック共重合体。 ポリエステル系エラストマー:ハードセグメントが芳
香族ポリエステルブロック(d)で、ソフトセグメント
が脂肪族(鎖式又は脂環式からなる)ポリエステルブロ
ック(f)で構成されるポリエステル・ポリエステル型
ブロック共重合体。その中でも、特にポリエステル系エ
ラストマーが柔軟性や成形性などにおいて優れてお
り、好ましい。上記芳香族ポリエステルブロック(d)
は、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分を主成分と
する重縮合体からなるものである。芳香族ジカルボン酸
成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、1,4−又は2,6−ナフタレンジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェ
ニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエー
テルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、またはそ
のアルキルエステルが挙げられ、これらは併用してもよ
い。ジオール成分としては、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、へキサメチレングリコール等の脂肪
族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4
−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオール;
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス
(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンな
どの芳香族ジオール等が挙げられ、これらは併用しても
よい。上記脂肪族ポリエーテルブロック(e)は、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
トリメチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレン
エーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリ
コール;エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロ
ックまたはランダム共重合体、エチレンオキシドとテト
ラヒドロフランのブロックまたはランダム共重合体など
のポリアルキレンエーテルグリコールからなるものであ
る。上記非芳香族ポリエステルブロック(f)は、脂肪
族ジカルボン酸と、脂肪族ジオール、及び/又は、脂肪
族ヒドロキシカルボン酸もしくはその環状エステルから
なるものである。脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ
酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸
などの鎖式脂肪族ジカルボン酸;へキサヒドロテレフタ
ル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジシクロヘキシル−
4,4’−ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸が挙
げられ、これらは併用してもよい。脂肪族ジオールとし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ト
リメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコールなどの鎖式脂肪族ジオール;
1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノールなどの脂環式ジオール等が挙げられ、
これらは併用してもよい。脂肪族ヒドロキシカルボン酸
としては、ε−オキシカプロン酸等が挙げられ、その環
状エステルとしてはε−カプロラクトンなどが挙げら
れ、これらは併用してもよい。ポリエステル系エラスト
マー(B1)としては、公知の方法により製造されたも
ので、例えば、「ハイトレル」(東レ・デュボン社製商
品名);「ペルプレンS」、「ペルプレンP」(東洋紡
績社製商品名);「グリラックスE」(大日本インキ化
学工業社製商品名);「ヌーベラン」(帝人社製商品
名)等として市販されているものから適宜選択して用い
ることができる。
スチレン系エラストマー、即ち、ハードセグメントがス
チレン系化合物の重合体ブロックで、ソフトセグメント
が共役ジエン化合物の重合体ブロックで構成されるスチ
レン−共役ジエンブロック共重合体またはその水素添加
物が挙げられ、中でも、前記ポリエステル系エラストマ
ーとの相性の面から水素添加物が好ましい。上記スチレ
ン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、ジメチルスチレンなどが挙げら
れ、中でも、スチレンが好ましい。上記共役ジエン化合
物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどが
挙げられ、中でも、ブタジエン、イソプレン、またはこ
の両者の併用のものが好ましい。スチレン−共役ジエン
ブロック共重合体としては、スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体などが挙げられる。また、スチレ
ン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の具体例
としては、上記スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体の水素添加物などが挙げられる。
更には、これらと共重合可能な極性基を有するコモノマ
ー、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステ
ル、酢酸ビニル、無水マレイン酸等と共重合した変性共
重合体も好ましく用いられる。ポリスチレン系エラスト
マー(B2)は、公知の方法により製造されたもので、
例えば、「クレイトンG」(シェルジャパン社製商品
名)、「タフテック」(旭化成社製商品名)、「セプト
ン」、「ハイブラー」(両者ともクラレ社製商品名)等
として市販されているものから、適宜選択して用いるこ
とができる。なお、本発明におけるスチレン系エラスト
マー(B2)としては、前記スチレン系エラストマーに
プロピレン系樹脂、炭化水素系ゴム用軟化剤、及び無機
フィラーなどを配合したコンパウンドとして市販されて
いる。例えば、「クレイトンGコンパウンド」(シェル
ジャパン社製商品名)、「タフテックコンパウンド」
(旭化成社製商品名)、「ラバロン」(三菱化学社製商
品名)、「住友TPE(SBシリーズ)」(住友化学工
業社製商品名)等も挙げられる。
の方法により製造されたもので、例えば、ハードセグメ
ントがプロピレン系樹脂で、ソフトセグメントがエチレ
ン系ゴムで構成される混合物、またはその部分架橋物が
挙げられる。上記プロピレン系樹脂としては、例えば、
プロピレンの単独重合体、プロピレンと、エチレン、ブ
テン−1、ペンテン−1,ヘキセン−1、ヘプテン−
1,オクテン−1などの炭素数2〜10程度の他のα−
オレフィンとの共重合体などが挙げられる。上記エチレ
ン系ゴムとしては、例えば、エチレンと、プロピレン、
ブテン−1,ペンテン−1,ヘキセン−l、ヘプテン−
l、オクテン−lなどの炭素数3〜10程度のα−オレ
フィンとの共重合体;及び、これらに、更に5−エチリ
デン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボル
ネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタ
ジエンなどの非共役ジエンを共重合した共重合体、例え
ばEPDMなどが挙げられる。更には、これらと前記で
例示したような共重合可能な極性基を有するコモノマー
と共重合した変性共重合体も好ましく用いられる。ポリ
オレフィン系エラストマー(B3)は、公知の方法によ
り製造されたもので、炭化水素系ゴム用軟化剤や無機フ
ィラーなどを配合したコンパウンドとして、例えば、
「ミラストマー」(三井化学社製商品名)、「サーモラ
ン」(三菱化学社製商品名)、「住友TPE」(住友化
学工業社製商品名)等として市販されているものから、
適宜選択して用いることができる。
ー(B)には、目的とする用途に応じて公知の各種安定
剤や添加物を配合し得る。安定剤としては、例えば、酸
化防止剤、耐熱安定剤(分解防止剤)、耐候(光)安定
剤などが挙げられる。また添加物としては、例えば、各
種の可塑剤、着色剤、滑剤、離型剤などや無機、有機、
金属等の繊維状、粉粒状、板状の充填材などが挙げられ
る。可塑剤としては、炭化水素系ゴム用軟化剤を挙げる
ことができる。炭化水素系ゴム用軟化剤は、芳香族環、
ナフテン環及びパラフィン鎖の三者の混合物であって、
パラフィン鎖炭素数が全炭素中の50%以上を占めるも
のがパラフィン系オイル、ナフテン環炭素数が全炭素中
の30〜50%のものがナフテン系オイル、芳香族炭素
数が全炭素中の30%以上ものが芳香族系オイルと、そ
れぞれ分類されている。これらの中では、パラフィン系
オイルを用いることが耐候性の点より好ましい。無機系
の充填材としては、タルク、マイカ、ガラス繊維、ウィ
スカー、炭素繊維、炭酸カルシウム、酸化チタン、カー
ボンブラック、ガラスバルーン等を挙げることができ
る。この中でも、炭酸カルシウムを用いることが柔軟性
とのバランスの点で好適である。
なる成形体部位と熱可塑性エラストマー(B)からなる
成形体部位を有し、両成形体部位が融着してなる複合成
形体である。複合成形体の成形方法としては、射出成
形、押出成形、圧縮成形など熱的に融着する条件が設定
されている成形方法であれば、いずれを用いて製造して
もかまわないが、生産性の観点から射出成形法が好まし
い。具体的には、一次側成形部分を一次側樹脂で、二次
側成形部分を二次側樹脂で交互に射出成形する二色成形
法;予め一次側樹脂で成形された一次成形体を金型内に
挿入し、一次成形体の周囲に二次側樹脂を射出成形して
該一次成形体と一体化させるインサート成形法;又は予
め一次側樹脂で成形された一次成形体を金型内に挿入
し、一次成形体の一部または複数の部分に二次側樹脂を
射出成形して該一次成形体と一体化させるアウトサート
成形法などが挙げられる。成形品の形状、構造や目的と
する用途により、一次側樹脂としてポリアセタール樹脂
(A)を、二次側樹脂として熱可塑性エラストマー
(B)を使用しても、その逆の組み合わせであってもよ
い。しかし、一般には硬質のポリアセタール樹脂(A)
にて一次成形体を成形し、次いで軟質の熱可塑性エラス
トマー(B)にて二次成形する方が複合成形体の形崩れ
や二次成形時または二次成形後における変形を防止する
上で好ましい。
は、二次成形において、熱可塑性エラストマー(B)の
樹脂温度によって、ポリアセタール樹脂(A)からなる
一次成形体の接合面の表層(界面)部が溶融することが
必要である。このため、二次成形における熱可塑性エラ
ストマー(B)の樹脂温度は、少なくともポリアセター
ル樹脂(A)の融点以上、好ましくは融点より20〜1
00℃高く、さらに望ましくは50〜90℃高くする。
樹脂温度を上げる方法または保温する方法としては、射
出する樹脂自体の温度を許容できる範囲で上げる方法の
他、ホットランナー金型を用いる方法、射出された後の
樹脂を保温又は加熱する方法がある。後者としては、界
面部の保温に影響する金型部分に断熱材を用いる方法、
該金型部分に加熱媒体を通したりヒーターによる加熱手
段を設けることが挙げられる。金型温度をある程度高く
することにより、熱可塑性エラストマー流動時の熱量ロ
スが減少するため、一次成形体であるポリアセタール樹
脂(A)の後記する予熱による相乗効果により、熱融着
性の向上が期待される。ただし、金型温度を高くする
と、熱可塑性エラストマー(特にスプル、ランナー)の
離型性が低下する。この場合はホットランナーを用いる
ことにより、離型性の問題も解消され、熱融着性が一定
した成形体を安定して得ることができる。また金型温度
をさらに高くすることも基本的には可能であり、熱融着
性が更に向上することが期待される。その他、成形サイ
クルを上げるため、金型の急加熱、急冷却の温調システ
ムを併用することも可能である。すなわち熱可塑性エラ
ストマーの射出成形時は金型温度を高くし、該射出成形
終了と同時に金型を急冷却し、熱可塑性エラストマー、
特にスプル、ランナーの固化を促進させることにより、
ホットランナーを用いた場合と同様の効果を得ることが
できる。また、熱融着性を向上させるためには、二次成
形時におけるポリアセタール樹脂(A)からなる一次成
形体の持つ熱量をできるだけ多くすることが好ましい。
特にインサート成形法やアウトサート成形法において
は、一次成形体を金型挿入前または挿入後に、変色や寸
法変化が問題とならない範囲で十分予熱しておくことが
望ましく、熱可塑性エラストマー(B)の射出時に、ポ
リアセタール樹脂(A)からなる一次成形体の表面温度
は80℃以上、好ましくは110℃以上、ポリアセター
ル樹脂(A)の融点未満となるようにする。金型挿入前
の予熱方法としては、熱風加熱、超音波加熱、熱線加熱
等が挙げられ、金型挿入後の予熱方法としては金型の内
部又は外面を加熱する公知の手段が使用可能であり、具
体的には、加熱された媒体を金型の内部又は外面に通過
させる加熱、電熱による加熱、金型の外面の高周波、超
音波、熱線などによる加熱等が挙げられる。上記媒体と
しては、水、塩化カルシウム水溶液のような無機液体;
アルキル化芳香族炭化水素、ポリエチレングリコール、
シリコンオイル、動、植物油のような有機液体;水蒸
気、空気のような気体等が挙げられる。これらは、樹脂
の種類、成形品の大きさ等により、適宜選択される。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。ポリ
アセタール(共)重合体(A1)(表2以下ではPOM
(A1))としては、ポリプラスチックス株式会社製ジ
ュラコン(登録商標)M90を使用した。変性ポリアセ
タール(共)重合体(A2)は、下記製造例によって製
造した。
ジャケットが付き、断面が2つの円が一部重なる形状を
有するバレルと、パドル付き回転軸で構成される連続式
混合反応機を用い、パドルを付した2本の回転軸をそれ
ぞれ150rpmで回転させながら、下記の(a)成
分、(b)成分及び(c)成分を表1に示す割合で加
え、更に分子量調節剤としてメチラール、及び触媒の三
フッ化ホウ素0.005重量部を重合機に連続的に供給
しながら塊状重合を行った。 (a)成分:トリオキサン (b)成分: b-l:グリコール酸 b-2:α−オキシ−イソ酪酸 b-3:グリセリン酸 b-4:リンゴ酸 (c)成分 c-1:1,3−ジオキソラン c-2:エチレンオキシド
に破砕機に通しながら、トリエチルアミンを0.05重
量%含有する60℃の水溶液に加え触媒を失活した。さ
らに、分離、洗浄、乾燥後、粗ポリアセタール共重合体
を得た。次いで、この粗ポリアセタール共重合体100
重量部に対して、トリエチルアミン5重量%水溶液を4
重量部、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,
5−ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロ
ピオネート〕を0.3重量部添加し、2軸押出機にて2
10℃で溶融混練し、不安定部分を除去した。得られた
ポリアセタール共重合体は、ヘキサフルオロイソプロパ
ノール−d2を溶媒とするlH−NMR測定により、カル
ボキシル基隣接部のプロトンピークシフトを分析し、そ
の構造は、カルボキシル基が主鎖に導入されていること
を確認した。またカルボキシル基含有量は該プロトンピ
ーク強度から算出した。上記で得た変性ポリアセタール
(共)重合体100重量部に、安定剤としてペンタエリ
スリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.0
3重量部及びメラミン0.15重量部を添加し、2軸押
出機にて210℃で溶融混練し、ペレット状の変性ポリ
アセタール(共)重合体(POM(A2−1)〜POM
(A2−7))を得た。
に示すように、上記で製造した変性ポリアセタール
(共)重合体(A2−1)単独、又は変性ポリアセター
ル(共)重合体(A2−1)とポリアセタール(共)重
合体(A1)とのペレットブレンドによる混合物を使用
した。熱可塑性エラストマー(B)としては、表2に示
すように、下記のもの単独、又はそれらのペレットブレ
ンドによる混合物を使用した。 A:ポリエステル系エラストマー(TPEE)(ハイトレル40
57、東レ・デユポン製) B:ポリエステル系エラストマー(TPEE)(ハイトレル30
46、東レ・デユポン製) C:スチレン系エラストマー(TPS)(住友TPE SB
7615、住友化学工業社製) D:スチレン系エラストマー(TPS)(セプトン2043、ク
ラレ社製) E:オレフィン系エラストマー(TPO)(ミラストマー907
0N、三井化学社製) (複合成形体の成形)初めに、上記ポリアセタール樹脂
(A)を使用して、長さ130mm、幅13mm、厚み
3.2mmの短冊状一次成形試験片を成形した。一次成
形試験片は、予熱を行う場合には予熱温度120℃で行
った(表2で「有り」に相当)。ついでこの短冊状試験
片を金型内に設置して、上記熱可塑性エラストマー
(B)により二次成形を行い、長さ130mm、幅13
mm、厚み6.4mmの成形試験片を得た。 成形条件 一次成形(ポリアセタール樹脂(A)) シリンダ温度:200℃ 金型温度:80℃ 射出速度:0.6m/min 保圧力:50MPa 射出・保圧時間:20秒 冷却時間:20秒 二次成形(熱可塑性エラストマー(B)) シリンダ温度:250℃ 金型温度:60℃ 射出速度:10m/min 保圧力:20MPa 射出・保圧時間:15秒 冷却時間:40秒 (複合成形体の試験) 試験方法 上記で作成した試験片の剥離強さを下記による90゜剥
離試験により評価した。結果を表2に示す。 剥離試験条件 装置:オリエンテツク社製RTM−100 試験速度:100mm/min 雰囲気温度:23℃ 試験は二次成形終了後、試験片を温度23℃、湿度50
%環境下に48時間放置後実施。
として、表2に示すように、ポリアセタール(共)重合
体(A1)のみを使用した以外は実施例と同様にして行
った。結果を表2に示す。
セタール樹脂(A)からなる成形体部位と、熱可塑性エ
ラストマー(B)からなる成形体部位とが融着した強度
は、剥離試験の結果、変性ポリアセタール(共)重合体
(A2)を含有する場合には剥離強さが向上すること、
特に予熱して融着することによりさらに向上することが
判った。これは、変性ポリアセタール(共)重合体(A
2)中のカルボキシル基が有効に作用し、ポリアセター
ル側界面と熱可塑性エラストマー側界面の相溶性が向上
したためと推察される。
うに、カルボシキル基を導入して変性した変性ポリアセ
タール成分を含有したポリアセタール樹脂と熱可塑性エ
ラストマーを組合せることにより、従来には無かった熱
融着性に優れた双方の複合成形体の製造が可能となる。
また該複合成形体は他のポリアセタール樹脂成形品や熱
可塑性エラストマー成形品との接着性、融着性にも優れ
る。ポリアセタール樹脂と熱可塑性エラストマー双方の
長所を併せ持つ複合成形体が効果的に提供されることに
より、電気・電子機器、自動車部品、事務機器部品、日
用雑貨部品などにおける新しい用途、例えばシーリング
用途、ダンピング用途などに好適に使用し得る。
Claims (11)
- 【請求項1】 ポリアセタール(共)重合体(A1)9
9.9〜0重量%、および分子中に1〜200mmol
/kgのカルボシキル基を有する変性ポリアセタール
(共)重合体(A2)0.1〜100重量%からなるポ
リアセタール樹脂(A)(A1とA2の合計は100重
量%である)からなる成形体部位と、熱可塑性エラスト
マー(B)からなる成形体部位とが融着してなる複合成
形体。 - 【請求項2】 ポリアセタール(共)重合体(A1)
が、ホルムアルデヒドまたは一般式(CH2O)n〔但
し、nは3以上の整数〕で表されるホルムアルデヒドの
環状オリゴマー(両者を併せてホルムアルデヒド誘導体
(a)と称す)を単独重合すること、又は、ホルムアル
デヒド誘導体(a)と環状エーテルおよび/または環状
ホルマールからなるコモノマー(c)を共重合すること
によって得られる(共)重合体である請求項1記載の複
合成形体。 - 【請求項3】 変性ポリアセタール(共)重合体(A
2)が、1分子中にカルボキシル基とアルコール性水酸
基を有する化合物(b)の存在下で、ホルムアルデヒド
誘導体(a)を単独重合すること、又は、ホルムアルデ
ヒド誘導体(a)とコモノマー(c)を共重合すること
によって得られる変性(共)重合体である請求項l又は
2記載の複合成形体。 - 【請求項4】 化合物(b)が、グリコール酸、乳酸、
α−オキシイソ酪酸、β−オキシイソ酪酸、オキシピバ
ル酸、12−オキシステアリン酸、リンゴ酸、クエン
酸、グリセリン酸、酒石酸からなる群より選ばれる少な
くとも1種である請求項3に記載の複合成形体。 - 【請求項5】 熱可塑性エラストマー(B)が、極性基
を有する熱可塑性エラストマーであることを特徴とする
請求項l〜4のいずれか1項記載の複合成形体。 - 【請求項6】 極性基を有する熱可塑性エラストマーが
ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B1)であるこ
とを特徴とする請求項5項に記載の複合成形体。 - 【請求項7】 熱可塑性エラストマー(B)が、ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマー(B1)を20重量%以
上含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
記載の複合成形体。 - 【請求項8】 熱可塑性エラストマー(B)が、ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマー(Bl)100重量部
と、スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)及び/又
はオレフイン系熱可塑性エラストマー(B3)の合計0
〜400重量部とからなることを特徴とする請求項1〜
4のいずれか1項に記載の複合成形体。 - 【請求項9】 請求項1〜4のいずれか1項に示された
ポリアセタール樹脂(A)と請求項1および5〜8のい
ずれか1項に示された熱可塑性エラストマー(B)を二
色射出成形することを特徴とする複合成形体の成形方
法。 - 【請求項10】 請求項1〜4のいずれか1項に示され
たポリアセタール樹脂(A)からなる一次成形品を金型
内に設置した後、請求項1および5〜8のいずれか1項
に示された熱可塑性エラストマー(B)を二次射出成形
すること、又は請求項1および5〜8のいずれか1項に
示された熱可塑性エラストマー(B)からなる一次成形
品を金型内に設置した後、請求項1〜4のいずれか1項
に示されたポリアセタール樹脂(A)を二次射出成形す
ることを特徴とする請求項9に記載の複合成形体の成形
方法。 - 【請求項11】 ポリアセタール樹脂(A)からなる一
次成形品を80℃以上に予熱した状態で金型内に設置し
た後、熱可塑性エラストマー(B)を、ポリアセタール
樹脂(A)の融点以上の温度で、二次射出成形すること
を特徴とする請求項10に記載の複合成形体の成形方
法。
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JP2001190505A JP2003001761A (ja) | 2001-06-22 | 2001-06-22 | ポリアセタール樹脂/熱可塑性エラストマー複合成形体及びその成形方法 |
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