JP2003094170A - テーラードブランク材の製造方法 - Google Patents
テーラードブランク材の製造方法Info
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- JP2003094170A JP2003094170A JP2001288117A JP2001288117A JP2003094170A JP 2003094170 A JP2003094170 A JP 2003094170A JP 2001288117 A JP2001288117 A JP 2001288117A JP 2001288117 A JP2001288117 A JP 2001288117A JP 2003094170 A JP2003094170 A JP 2003094170A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 板厚が異なる鋼板をプラズマ溶接法を用いて
高速溶接するテーラードブランク材の製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 板厚の異なる鋼板をプラズマ溶接してテ
ーラードブランク材を製造する方法において、板厚の厚
い側を0.1%以上のCおよび/または0.8%以上の
Siを含有する鋼材を用いて溶接速度0.8m/min
以上でプラズマ溶接することを特徴とするテーラードブ
ランク材の製造方法。
高速溶接するテーラードブランク材の製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 板厚の異なる鋼板をプラズマ溶接してテ
ーラードブランク材を製造する方法において、板厚の厚
い側を0.1%以上のCおよび/または0.8%以上の
Siを含有する鋼材を用いて溶接速度0.8m/min
以上でプラズマ溶接することを特徴とするテーラードブ
ランク材の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、鉄道車
両、船舶などの構造体に用いるに適したテーラードブラ
ンク材およびその製造方法に関するものである。
両、船舶などの構造体に用いるに適したテーラードブラ
ンク材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用プレス部品である車体や
足回り部品等には、工程簡素化、金型数の削減などの目
的で、2種類以上の部品を一体成形する技術が取り入れ
られている。このような一体成形部品を成形する素材と
しては、板厚が異なる素材、あるいは板厚が同じでも材
質が異なる鋼板を溶接して一体化したテーラードブラン
ク材が用いられている。
足回り部品等には、工程簡素化、金型数の削減などの目
的で、2種類以上の部品を一体成形する技術が取り入れ
られている。このような一体成形部品を成形する素材と
しては、板厚が異なる素材、あるいは板厚が同じでも材
質が異なる鋼板を溶接して一体化したテーラードブラン
ク材が用いられている。
【0003】即ち、テーラードブランク材には、強度が
必要な部分に高張力鋼板や、板厚の厚い鋼板を配置し、
その他の部分には強度の小さい鋼板や板厚の薄い鋼板が
配置されるので大幅な低コスト化が達成できるのであ
る。
必要な部分に高張力鋼板や、板厚の厚い鋼板を配置し、
その他の部分には強度の小さい鋼板や板厚の薄い鋼板が
配置されるので大幅な低コスト化が達成できるのであ
る。
【0004】このようなテーラードブランク材について
の技術は、例えば、特開平10−180470号公報や
や特開平11−47946公報に提案されている。
の技術は、例えば、特開平10−180470号公報や
や特開平11−47946公報に提案されている。
【0005】特開平10−180470号公報には、差
厚テーラードブランク材においてプレス成形時に接合部
で破断することがないようにするために薄板側板材と厚
板側板材との引張り強度に応じて突き合あわせ段差を調
整することが開示されている。そして、特開平11−4
7946号公報には鋼板とアルミニウム合金板の端を重
ね合わせ、マッシュシーム溶接した鋼板とアルミニウム
合金板とからなるテーラードブランク材の製造方法が開
示されている。
厚テーラードブランク材においてプレス成形時に接合部
で破断することがないようにするために薄板側板材と厚
板側板材との引張り強度に応じて突き合あわせ段差を調
整することが開示されている。そして、特開平11−4
7946号公報には鋼板とアルミニウム合金板の端を重
ね合わせ、マッシュシーム溶接した鋼板とアルミニウム
合金板とからなるテーラードブランク材の製造方法が開
示されている。
【0006】上記の公知技術に開示されるように、テー
ラードブランク材の製造には一般に、マッシュシーム溶
接やレーザ溶接が用いられている。これらの溶接法の
内、マッシュシーム溶接は重ね溶接に用いられ、レーザ
溶接は突き合わせ溶接に用いられる。
ラードブランク材の製造には一般に、マッシュシーム溶
接やレーザ溶接が用いられている。これらの溶接法の
内、マッシュシーム溶接は重ね溶接に用いられ、レーザ
溶接は突き合わせ溶接に用いられる。
【0007】マッシュシーム溶接は鋼板の端をそれぞれ
数mm程度重ねて溶接する方法であるが、設備費も安価
で突き合わせ面の精度も厳しくないという利点がある。
しかしながら、溶接部に段差があるため外観形状が悪い
こと、また機械的特性も必ずしも十分ではなく、例えば
疲労特性、成形性はその形状のため、一般の突き合わせ
溶接法に比べて劣る等の欠点がある。
数mm程度重ねて溶接する方法であるが、設備費も安価
で突き合わせ面の精度も厳しくないという利点がある。
しかしながら、溶接部に段差があるため外観形状が悪い
こと、また機械的特性も必ずしも十分ではなく、例えば
疲労特性、成形性はその形状のため、一般の突き合わせ
溶接法に比べて劣る等の欠点がある。
【0008】一方、レーザ溶接は溶接時の熱歪みが小さ
く、高エネルギー密度の溶接方法であるので深い溶け込
みが得られ、高速溶接も可能である。しかしながらレー
ザ光はレンズによって直径1mm以下の小さなビームに
絞られて溶接が行われるため、溶接欠陥のない溶接部と
するには、溶接すべき突き合わせ面に高い精度が要求さ
れるという欠点がある。さらに、生産性を上げるために
高速溶接を行おうとすると大出力のレーザ溶接装置が必
要となってくるため設備費が高くなるという問題があ
る。
く、高エネルギー密度の溶接方法であるので深い溶け込
みが得られ、高速溶接も可能である。しかしながらレー
ザ光はレンズによって直径1mm以下の小さなビームに
絞られて溶接が行われるため、溶接欠陥のない溶接部と
するには、溶接すべき突き合わせ面に高い精度が要求さ
れるという欠点がある。さらに、生産性を上げるために
高速溶接を行おうとすると大出力のレーザ溶接装置が必
要となってくるため設備費が高くなるという問題があ
る。
【0009】これに対し、レーザ溶接よりも設備費が大
幅に安価で、溶接部の形状の比較的良好である溶接法と
してプラズマ溶接法がある。この方法はTIGと同様に
タングステン電極を用いた非消耗式アーク溶接方法であ
るが、溶接トーチノズル中心部の小さな穴にプラズマガ
ス流を流し、熱的ピンチ効果によって得られる高いエネ
ルギー密度のプラズマアークを利用するものであり、非
消耗式アーク溶接方法の中では最も高速溶接性に優れ
る。また溶接材料も使用しないためスパッタ発生と鋼板
への付着の問題もなく外観上も優れる。
幅に安価で、溶接部の形状の比較的良好である溶接法と
してプラズマ溶接法がある。この方法はTIGと同様に
タングステン電極を用いた非消耗式アーク溶接方法であ
るが、溶接トーチノズル中心部の小さな穴にプラズマガ
ス流を流し、熱的ピンチ効果によって得られる高いエネ
ルギー密度のプラズマアークを利用するものであり、非
消耗式アーク溶接方法の中では最も高速溶接性に優れ
る。また溶接材料も使用しないためスパッタ発生と鋼板
への付着の問題もなく外観上も優れる。
【0010】ところがレーザ溶接に変えてプラズマ溶接
を用い、図1に示すような差厚の組み合わせ、即ち厚板
1と薄板2を突き合わせて高速溶接しようとする場合、
ハンピングビード4が溶接ビード3の厚板側に形成され
て高速化を阻害する欠点がある。このようなハンピング
ビードが形成されると、外観が悪いということのみなら
ず電着塗装後の耐食性の劣化も招く。したがって安価な
設備費のプラズマ溶接法を用いて高速溶接により差厚の
組み合わせを高い生産性で溶接しようとする場合、上述
した問題により製造することができないのが現状であ
る。
を用い、図1に示すような差厚の組み合わせ、即ち厚板
1と薄板2を突き合わせて高速溶接しようとする場合、
ハンピングビード4が溶接ビード3の厚板側に形成され
て高速化を阻害する欠点がある。このようなハンピング
ビードが形成されると、外観が悪いということのみなら
ず電着塗装後の耐食性の劣化も招く。したがって安価な
設備費のプラズマ溶接法を用いて高速溶接により差厚の
組み合わせを高い生産性で溶接しようとする場合、上述
した問題により製造することができないのが現状であ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
の現状に鑑み、板厚が異なる鋼板をプラズマ溶接法を用
いて高速溶接するテーラードブランク材の製造方法を提
供することを課題とする。
の現状に鑑み、板厚が異なる鋼板をプラズマ溶接法を用
いて高速溶接するテーラードブランク材の製造方法を提
供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】板厚の異なる鋼板を高速
でプラズマ溶接した場合、上述したようにハンピングビ
ードが発生し溶接不良を招く。本発明者は溶接不良とな
る原因を調査した結果、ハンピングビードは厚板側に多
く発生する傾向にあり、そしてこのハンピングビードの
発生には溶接時の溶接金属の表面張力が大きな影響を与
えていることを究明した。
でプラズマ溶接した場合、上述したようにハンピングビ
ードが発生し溶接不良を招く。本発明者は溶接不良とな
る原因を調査した結果、ハンピングビードは厚板側に多
く発生する傾向にあり、そしてこのハンピングビードの
発生には溶接時の溶接金属の表面張力が大きな影響を与
えていることを究明した。
【0013】つまり、溶融金属の表面張力が大きい鋼板
ほどプラズマ溶接で高速溶接する際にハンピングビード
が発生しやすいこと、そして溶融金属の表面張力はCお
よびSi含有量が高い鋼板ほど小さくなることを見いだ
して本発明を完成した。
ほどプラズマ溶接で高速溶接する際にハンピングビード
が発生しやすいこと、そして溶融金属の表面張力はCお
よびSi含有量が高い鋼板ほど小さくなることを見いだ
して本発明を完成した。
【0014】本発明の要旨は以下の通りである。
【0015】(1) 板厚の異なる鋼板をプラズマ溶接し
てテーラードブランク材を製造する方法において、板厚
の厚い側を0.1%以上0.2%以下のCを含有する鋼
材を用いてプラズマ溶接することを特徴とするテーラー
ドブランク材の製造方法。
てテーラードブランク材を製造する方法において、板厚
の厚い側を0.1%以上0.2%以下のCを含有する鋼
材を用いてプラズマ溶接することを特徴とするテーラー
ドブランク材の製造方法。
【0016】(2) 板厚の異なる鋼板をプラズマ溶接し
てテーラードブランク材を製造する方法において、板厚
の厚い側を0.8%以上2%以下のSiを含有する鋼材
を用いてプラズマ溶接することを特徴とするテーラード
ブランク材の製造方法。
てテーラードブランク材を製造する方法において、板厚
の厚い側を0.8%以上2%以下のSiを含有する鋼材
を用いてプラズマ溶接することを特徴とするテーラード
ブランク材の製造方法。
【0017】(3) プラズマ溶接の溶接速度を0.8m
/min以上とすることを特徴とする上記(1)または
(2)記載のテーラードブランク材の製造方法。
/min以上とすることを特徴とする上記(1)または
(2)記載のテーラードブランク材の製造方法。
【0018】(4) 板厚の差厚を0.2mm以上とする
ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載
のテーラードブランク材の製造方法。
ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載
のテーラードブランク材の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明者は板厚の異なるテーラー
ドブランク材(以下、差厚テーラードブランク材と言
う)を高い生産性を持って安価に製造する方法について
研究した。
ドブランク材(以下、差厚テーラードブランク材と言
う)を高い生産性を持って安価に製造する方法について
研究した。
【0020】一般に差厚テーラードブランク材はレーザ
溶接によって板厚の異なる鋼板を接合して製造されてい
る。レーザ溶接は高速溶接が可能であるが、設備費が高
価であり、差厚テーラードブランク材の製造コストを上
昇させる。これに対してプラズマ溶接は設備費が安価で
あり、設備コストの低減を図ることができる利点があ
る。しかしレーザ溶接に比較して溶接速度が遅いので生
産性が低いという欠点がある。プラズマ溶接において溶
接速度を速くすると図1に示すようにハンピングビード
が形成されて溶接不良を招くことが高速化の阻害要因で
ある。また単に溶接電流を増加させてもアーク直下で鋼
板の溶け落ち現象が生じ、溶接速度を向上させることは
できない。
溶接によって板厚の異なる鋼板を接合して製造されてい
る。レーザ溶接は高速溶接が可能であるが、設備費が高
価であり、差厚テーラードブランク材の製造コストを上
昇させる。これに対してプラズマ溶接は設備費が安価で
あり、設備コストの低減を図ることができる利点があ
る。しかしレーザ溶接に比較して溶接速度が遅いので生
産性が低いという欠点がある。プラズマ溶接において溶
接速度を速くすると図1に示すようにハンピングビード
が形成されて溶接不良を招くことが高速化の阻害要因で
ある。また単に溶接電流を増加させてもアーク直下で鋼
板の溶け落ち現象が生じ、溶接速度を向上させることは
できない。
【0021】本発明者はハンピングビードの形成原因に
ついて調査し、ハンピングビードの形成にはアーク力に
伴う溶融池の後方への後退が影響するが、これと共に溶
融金属の表面張力も影響することを見出した。
ついて調査し、ハンピングビードの形成にはアーク力に
伴う溶融池の後方への後退が影響するが、これと共に溶
融金属の表面張力も影響することを見出した。
【0022】つまり、溶接時の溶融金属の表面張力が小
さい場合は母材と溶融金属はなめらかになじむことによ
り溶接速度を上昇させても溶接不良は発生しない。表面
張力の小さな溶融金属は流動性が良くなじみが良いため
ハンピングビードに特徴的な、部分的なくぼみを生じる
ことなしにビード全体に均一に広がっていくためであ
る。一方、表面張力が大きい場合は溶融金属が球状にな
ろうとする傾向になるため溶融金属が盛り上がる傾向と
なり、部分的なくぼみもできやすくなり、ハンピングビ
ードが形成されビードに不連続部が生じるものと考えら
れる。
さい場合は母材と溶融金属はなめらかになじむことによ
り溶接速度を上昇させても溶接不良は発生しない。表面
張力の小さな溶融金属は流動性が良くなじみが良いため
ハンピングビードに特徴的な、部分的なくぼみを生じる
ことなしにビード全体に均一に広がっていくためであ
る。一方、表面張力が大きい場合は溶融金属が球状にな
ろうとする傾向になるため溶融金属が盛り上がる傾向と
なり、部分的なくぼみもできやすくなり、ハンピングビ
ードが形成されビードに不連続部が生じるものと考えら
れる。
【0023】本発明者らの実験によればハンピングビー
ドは主に厚板側に発生することを見出した。これは熱伝
導による冷却が薄板側より厚板側で大きく溶融金属の温
度は厚板側の方が低めとなるためと考えられる。これに
対して薄板側の方は厚板側に比べて冷却速度が緩慢であ
り溶融金属の平均温度が高いためハンピングビードは発
生しにくいのである。従ってハンピングビードの発生す
る厚板側において表面張力を下げる元素を含む鋼材を用
いればよい。
ドは主に厚板側に発生することを見出した。これは熱伝
導による冷却が薄板側より厚板側で大きく溶融金属の温
度は厚板側の方が低めとなるためと考えられる。これに
対して薄板側の方は厚板側に比べて冷却速度が緩慢であ
り溶融金属の平均温度が高いためハンピングビードは発
生しにくいのである。従ってハンピングビードの発生す
る厚板側において表面張力を下げる元素を含む鋼材を用
いればよい。
【0024】このような観点から本発明者らは溶融金属
の表面張力を下げる元素について考察し、厚板側の鋼材
の化学成分を種々変え、プラズマ溶接においてハンピン
グビードの生じない限界溶接速度と鋼材成分との関係に
ついて調査し、CおよびSi含有量が特に限界溶接速度
に影響することを見いだした。図2はその成分範囲の影
響を示すグラフである。
の表面張力を下げる元素について考察し、厚板側の鋼材
の化学成分を種々変え、プラズマ溶接においてハンピン
グビードの生じない限界溶接速度と鋼材成分との関係に
ついて調査し、CおよびSi含有量が特に限界溶接速度
に影響することを見いだした。図2はその成分範囲の影
響を示すグラフである。
【0025】図2から分かるように、鋼材中の成分含有
量としてCが0.1%以上の時、またはSiが0.8%
以上の時に高速時のハンピングビード欠陥が低下する。
この理由は、上述でも考察したように、C、Siともに
接金属の表面張力を低下させる元素であり、この結果と
してハンピングビード欠陥を抑制する効果をもたらすも
のと考えられる。
量としてCが0.1%以上の時、またはSiが0.8%
以上の時に高速時のハンピングビード欠陥が低下する。
この理由は、上述でも考察したように、C、Siともに
接金属の表面張力を低下させる元素であり、この結果と
してハンピングビード欠陥を抑制する効果をもたらすも
のと考えられる。
【0026】また、従来のプラズマ溶接では、溶接速度
は板厚の薄いほうが速くできるが、ハンピングビードを
発生させないで溶接するには、溶接速度0.7m/mi
nが限度であり、0.3m/min程度で実施するのが
通常であった。これに対して、本発明では、溶接速度
0.8m/min以上、特に0.9m/min、1.3
m/min、1.5m/minの溶接速度でもハンピン
グビードを発生させることなくプラズマ溶接を行うこと
ができた。
は板厚の薄いほうが速くできるが、ハンピングビードを
発生させないで溶接するには、溶接速度0.7m/mi
nが限度であり、0.3m/min程度で実施するのが
通常であった。これに対して、本発明では、溶接速度
0.8m/min以上、特に0.9m/min、1.3
m/min、1.5m/minの溶接速度でもハンピン
グビードを発生させることなくプラズマ溶接を行うこと
ができた。
【0027】また、板厚の異なるテーラードブランク材
を溶接によって製造する場合には、ハンピングビードが
発生し易いが板厚の差厚が0.2mm以上あっても、本
発明によればハンピングビードを発生させることなしに
高速でプラズマ溶接を実施することができる。
を溶接によって製造する場合には、ハンピングビードが
発生し易いが板厚の差厚が0.2mm以上あっても、本
発明によればハンピングビードを発生させることなしに
高速でプラズマ溶接を実施することができる。
【0028】次に、鋼材成分の限定理由について述べる
が、Cは0.1%以上で高速化に効果があるが、0.2
%以上では溶接部の延性が低下し、十分な加工性が得ら
れないため0.2%以下が望ましい。またSiの場合は
0.8%以上で高速化に効果があるが、2%を超えると
同様に加工性を阻害するのみならず過剰Siが溶接金属
中の酸素と反応してSiO2を形成し、溶接金属柱の酸
素量を低下させて表面張力を上げてしまう。これらの観
点からSiは2%以下が望ましい。その他、鋼板には
P、S、Al、Ti、Nb、Mo、W、V、Ni、C
r、B、Cu等の元素が含まれているが、これらの元素
は本発明の効果に対しては悪影響を及ぼさないのでこれ
らについての量は限定しない。
が、Cは0.1%以上で高速化に効果があるが、0.2
%以上では溶接部の延性が低下し、十分な加工性が得ら
れないため0.2%以下が望ましい。またSiの場合は
0.8%以上で高速化に効果があるが、2%を超えると
同様に加工性を阻害するのみならず過剰Siが溶接金属
中の酸素と反応してSiO2を形成し、溶接金属柱の酸
素量を低下させて表面張力を上げてしまう。これらの観
点からSiは2%以下が望ましい。その他、鋼板には
P、S、Al、Ti、Nb、Mo、W、V、Ni、C
r、B、Cu等の元素が含まれているが、これらの元素
は本発明の効果に対しては悪影響を及ぼさないのでこれ
らについての量は限定しない。
【0029】
【実施例】本発明の実施例を説明する。表1に実施に用
いた鋼板の化学組成を示す。鋼符号1〜6はCが本発明
の範囲内の組成の鋼板であり、鋼符号3、7、8はSi
が本発明の範囲内の鋼板である。また、鋼符号9〜15
はC、Siが本発明の範囲より小さい鋼板である。本実
施例においては鋼板は同種の組み合わせで行い、板厚の
組み合わせは1.6/2.9mm、突き合わせギャップ
を0mmとしている。プラズマ溶接の溶接条件を表2に
示す。そして、試験結果を図2に示す。プラズマ溶接中
に生じたハンピングビードはいずれも厚板側で発生して
いたが、表1に示したように、本発明の成分範囲の鋼材
を用いて、プラズマ溶接速度0.8m/minの高速溶
接を行ってもハンピングの発生しない良好なビードが形
成されていた。
いた鋼板の化学組成を示す。鋼符号1〜6はCが本発明
の範囲内の組成の鋼板であり、鋼符号3、7、8はSi
が本発明の範囲内の鋼板である。また、鋼符号9〜15
はC、Siが本発明の範囲より小さい鋼板である。本実
施例においては鋼板は同種の組み合わせで行い、板厚の
組み合わせは1.6/2.9mm、突き合わせギャップ
を0mmとしている。プラズマ溶接の溶接条件を表2に
示す。そして、試験結果を図2に示す。プラズマ溶接中
に生じたハンピングビードはいずれも厚板側で発生して
いたが、表1に示したように、本発明の成分範囲の鋼材
を用いて、プラズマ溶接速度0.8m/minの高速溶
接を行ってもハンピングの発生しない良好なビードが形
成されていた。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、設備費の安価なプラズ
マ溶接装置を用いてレーザ溶接に匹敵する高速度でテー
ラードブランク材を製造することができる。
マ溶接装置を用いてレーザ溶接に匹敵する高速度でテー
ラードブランク材を製造することができる。
【図1】差厚のテーラードブランク材をプラズマ溶接で
もって高速溶接した場合に発生したハンピングビード欠
陥を示す図である。
もって高速溶接した場合に発生したハンピングビード欠
陥を示す図である。
【図2】本発明の実施に係わるプラズマ溶接部の高速溶
接時のハンピングビード発生に及ぼすC量とSi量の影
響を示す図である。
接時のハンピングビード発生に及ぼすC量とSi量の影
響を示す図である。
1 厚板
2 薄板
3 溶接ビード
4 ハンピングビード
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 土師 純治
姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵株
式会社広畑製鐵所内
(72)発明者 河合 謙二
東京都千代田区大手町2−6−3 新日本
製鐵株式会社内
Fターム(参考) 4E001 AA03 BB11 EA03
Claims (4)
- 【請求項1】 板厚の異なる鋼板をプラズマ溶接してテ
ーラードブランク材を製造する方法において、板厚の厚
い側を0.1%以上のCを含有する鋼材を用いてプラズ
マ溶接することを特徴とするテーラードブランク材の製
造方法。 - 【請求項2】 板厚の異なる鋼板をプラズマ溶接してテ
ーラードブランク材を製造する方法において、板厚の厚
い側を0.8%以上のSiを含有する鋼材を用いてプラ
ズマ溶接することを特徴とするテーラードブランク材の
製造方法。 - 【請求項3】 プラズマ溶接の溶接速度を0.8m/m
in以上とすることを特徴とする請求項1または2記載
のテーラードブランク材の製造方法。 - 【請求項4】 板厚の差厚を0.2mm以上とすること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のテーラ
ードブランク材の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001288117A JP2003094170A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | テーラードブランク材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001288117A JP2003094170A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | テーラードブランク材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003094170A true JP2003094170A (ja) | 2003-04-02 |
Family
ID=19110815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001288117A Withdrawn JP2003094170A (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | テーラードブランク材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003094170A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010016430A1 (ja) | 2008-08-05 | 2010-02-11 | Jfeスチール株式会社 | 溶接性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法 |
-
2001
- 2001-09-21 JP JP2001288117A patent/JP2003094170A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010016430A1 (ja) | 2008-08-05 | 2010-02-11 | Jfeスチール株式会社 | 溶接性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法 |
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