JP2003090553A - 空気調和機 - Google Patents
空気調和機Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 空気調和機内に設けた抗微生物剤の徐放制御
を行うことにより、空気調和機内の菌の繁殖抑制効果に
有効な濃度を長期間にわたり一定に揮発させ、微生物の
繁殖を抑制する。 【解決手段】 徐放性シート16を設けた開口部15と
ポリエチレンテレフタレートにより構成された抗微生物
剤収納体9に、イソチオシアン酸アリルを有効成分とす
る揮発性の抗微生物剤を収納して、これを吸い込み口
5、6、7から吹き出し口8に至る空気通路に配設して
微生物の繁殖を抑制する。
を行うことにより、空気調和機内の菌の繁殖抑制効果に
有効な濃度を長期間にわたり一定に揮発させ、微生物の
繁殖を抑制する。 【解決手段】 徐放性シート16を設けた開口部15と
ポリエチレンテレフタレートにより構成された抗微生物
剤収納体9に、イソチオシアン酸アリルを有効成分とす
る揮発性の抗微生物剤を収納して、これを吸い込み口
5、6、7から吹き出し口8に至る空気通路に配設して
微生物の繁殖を抑制する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物の繁殖を抑
制する機能を有する空気調和機の技術に関するものであ
る。
制する機能を有する空気調和機の技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般的な空気調和機は、ケーシングの前
面および上面に空気の吸い込み口を、底面に空気の吹き
出し口をそれぞれ形成し、このケーシングの内部に、エ
アフィルタと熱交換器と送風ファンとを収納し、送風フ
ァンにより吸い込み口から吸い込んだ空気をエアフィル
タにより除塵し、ついで熱交換器により熱交換させたの
ち吹き出し口より吹き出す構成になっている。そして、
吸い込み口から吹き出し口に至る空気通路には微生物が
繁殖し易いので、その繁殖を抑制する抗微生物の処理技
術が施されている。
面および上面に空気の吸い込み口を、底面に空気の吹き
出し口をそれぞれ形成し、このケーシングの内部に、エ
アフィルタと熱交換器と送風ファンとを収納し、送風フ
ァンにより吸い込み口から吸い込んだ空気をエアフィル
タにより除塵し、ついで熱交換器により熱交換させたの
ち吹き出し口より吹き出す構成になっている。そして、
吸い込み口から吹き出し口に至る空気通路には微生物が
繁殖し易いので、その繁殖を抑制する抗微生物の処理技
術が施されている。
【0003】従来の揮散性抗微生物の処理技術として
は、樹脂に含浸させた揮散性抗微生物剤を収納した抗微
生物剤収納体を配設したり、揮散性抗微生物剤をフィル
ムに塗布して配設したり(例えば、特開平9−5910
3号公報など)する技術が開示されている。
は、樹脂に含浸させた揮散性抗微生物剤を収納した抗微
生物剤収納体を配設したり、揮散性抗微生物剤をフィル
ムに塗布して配設したり(例えば、特開平9−5910
3号公報など)する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
揮発性の抗微生物剤を備えた空気調和機にあっては、揮
散性抗微生物剤を収納した抗微生物剤収納体はポリプロ
ピレンにより構成されている場合が多い。抗微生物剤収
納体がポリプロピレンにより構成されている場合、耐薬
品性は高いが、透過係数が大きいため、揮発して気体状
となった抗微生物剤が透過しやすいため、抗微生物剤収
納体からの抗微生物剤揮発速度の徐放制御が困難であっ
た。また、揮散性抗微生物剤をフィルムに塗布した場合
は、薬剤量が非常に少ないため長期間の使用が不可能で
あった。
揮発性の抗微生物剤を備えた空気調和機にあっては、揮
散性抗微生物剤を収納した抗微生物剤収納体はポリプロ
ピレンにより構成されている場合が多い。抗微生物剤収
納体がポリプロピレンにより構成されている場合、耐薬
品性は高いが、透過係数が大きいため、揮発して気体状
となった抗微生物剤が透過しやすいため、抗微生物剤収
納体からの抗微生物剤揮発速度の徐放制御が困難であっ
た。また、揮散性抗微生物剤をフィルムに塗布した場合
は、薬剤量が非常に少ないため長期間の使用が不可能で
あった。
【0005】そこで、本発明は、このような問題点を解
決し、微生物の繁殖を効果的に抑制することができる空
気調和機を提供することを目的とする。
決し、微生物の繁殖を効果的に抑制することができる空
気調和機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明の請求項1記載に係る空気調和機において
は、徐放性シートを設けた開口部と、ポリエチレンテレ
フタレートにより構成された抗微生物剤収納体に揮散性
の抗微生物剤を収納して配設したものである。そして、
徐放性シートを設けた開口部と、ポリエチレンテレフタ
レートにより抗微生物剤収納体を構成することにより、
揮発して気体状となった抗微生物剤は、透過係数の小さ
いポリエチレンテレフタレートよりも、透過係数の大き
い徐放性シートから選択的に透過するため、抗微生物剤
収納体からの抗微生物剤揮発速度は、徐放性シートの透
過特性および開口部面積により制御することができる。
揮発して気体状となった抗微生物剤は、空気調和機のケ
ーシング内部の雰囲気中に長期間にわたって有効濃度で
飛散して存在するようになるので、抗微生物剤を存在さ
せた部分に微生物が直接接触しない場合でも、微生物と
良好に接触してその繁殖を効果的に抑制することができ
る。また、空気調和機のケーシング内部には、空気の吸
い込み口から吹き出し口に至る空気通路が形成され、こ
の空気通路には、通常エアフィルタ、熱交換器、送風フ
ァンのような空調主体部材や、台枠、前面グリル、吹き
出しグリル、ドレンパン、ドレンホースのような空調補
助部材が配設されているのが普通であり、抗微生物剤は
揮発してこれらの部材の表面にも均一に付着して存在す
るようになるので、微生物と良好に接触してその繁殖を
効果的に抑制することができる。なお、ここでの抗微生
物剤が揮発する現象は、雰囲気中へ抗微生物剤が直接気
化する場合以外に、結露により発生した水滴などに一度
溶解した後に、雰囲気中に気化する場合にも発生する。
めに、本発明の請求項1記載に係る空気調和機において
は、徐放性シートを設けた開口部と、ポリエチレンテレ
フタレートにより構成された抗微生物剤収納体に揮散性
の抗微生物剤を収納して配設したものである。そして、
徐放性シートを設けた開口部と、ポリエチレンテレフタ
レートにより抗微生物剤収納体を構成することにより、
揮発して気体状となった抗微生物剤は、透過係数の小さ
いポリエチレンテレフタレートよりも、透過係数の大き
い徐放性シートから選択的に透過するため、抗微生物剤
収納体からの抗微生物剤揮発速度は、徐放性シートの透
過特性および開口部面積により制御することができる。
揮発して気体状となった抗微生物剤は、空気調和機のケ
ーシング内部の雰囲気中に長期間にわたって有効濃度で
飛散して存在するようになるので、抗微生物剤を存在さ
せた部分に微生物が直接接触しない場合でも、微生物と
良好に接触してその繁殖を効果的に抑制することができ
る。また、空気調和機のケーシング内部には、空気の吸
い込み口から吹き出し口に至る空気通路が形成され、こ
の空気通路には、通常エアフィルタ、熱交換器、送風フ
ァンのような空調主体部材や、台枠、前面グリル、吹き
出しグリル、ドレンパン、ドレンホースのような空調補
助部材が配設されているのが普通であり、抗微生物剤は
揮発してこれらの部材の表面にも均一に付着して存在す
るようになるので、微生物と良好に接触してその繁殖を
効果的に抑制することができる。なお、ここでの抗微生
物剤が揮発する現象は、雰囲気中へ抗微生物剤が直接気
化する場合以外に、結露により発生した水滴などに一度
溶解した後に、雰囲気中に気化する場合にも発生する。
【0007】また、本発明の請求項2記載に係る空気調
和機においては、ポリエチレンテレフタレートを非結晶
性樹脂としたものである。
和機においては、ポリエチレンテレフタレートを非結晶
性樹脂としたものである。
【0008】そして、非結晶性ポリエチレンテレフタレ
ートとすることにより、結晶性ポリエチレンテレフタレ
ートと比較して耐薬品性が向上し、抗微生物剤の結露や
接触による腐食が抑制され、開口部以外からの抗微生物
剤の揮発を防止することができる。
ートとすることにより、結晶性ポリエチレンテレフタレ
ートと比較して耐薬品性が向上し、抗微生物剤の結露や
接触による腐食が抑制され、開口部以外からの抗微生物
剤の揮発を防止することができる。
【0009】また、本発明の請求項3記載に係る空気調
和機においては、揮散性抗微生物剤をイソチオシアン酸
アリルを有効成分としたものである。
和機においては、揮散性抗微生物剤をイソチオシアン酸
アリルを有効成分としたものである。
【0010】そして、揮発性の抗微生物剤としては、人
体に対しては無害で、微生物に対しては高い抗微生物作
用を有し、使用環境で揮発しやすいものを一種または二
種以上用いたものが好ましく、特にイソチオシアン酸ア
リルは、低い濃度で高い抗微生物作用を発揮できるので
好ましい。
体に対しては無害で、微生物に対しては高い抗微生物作
用を有し、使用環境で揮発しやすいものを一種または二
種以上用いたものが好ましく、特にイソチオシアン酸ア
リルは、低い濃度で高い抗微生物作用を発揮できるので
好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明による空気調和機の
一実施例を示す断面模式図である。以下図1を参照しな
がら本発明を説明する。
一実施例を示す断面模式図である。以下図1を参照しな
がら本発明を説明する。
【0012】台枠1と吸い込みグリル2と吹き出しグリ
ル3とを組み合わせて箱形状のケーシング4を形成し、
吸い込みグリル2には、前面および上面に空気の吸い込
み口5、6、7がそれぞれ形成され、底部に位置する吹
き出しグリル3には吹き出し口8が形成されている。ケ
ーシング4の内部には、吸い込み口5、6、7から吹き
出し口8に至る空気通路が形成される。吸い込みグリル
2の内側の空気通路には、揮発性の抗微生物剤収納体
9、および吸い込み口5、6、7に沿ってエアフィルタ
10が着脱自在に取り付けられている。
ル3とを組み合わせて箱形状のケーシング4を形成し、
吸い込みグリル2には、前面および上面に空気の吸い込
み口5、6、7がそれぞれ形成され、底部に位置する吹
き出しグリル3には吹き出し口8が形成されている。ケ
ーシング4の内部には、吸い込み口5、6、7から吹き
出し口8に至る空気通路が形成される。吸い込みグリル
2の内側の空気通路には、揮発性の抗微生物剤収納体
9、および吸い込み口5、6、7に沿ってエアフィルタ
10が着脱自在に取り付けられている。
【0013】ケーシング4内の空気通路において、抗微
生物剤9の下流側には、プレートフィンチューブ形熱交
換器11および送風ファン12が順次配置されている。
プレートフィンチューブ形熱交換器11は、複数のプレ
ートフィンを平行に配列し、その両側にそれぞれ側板を
取り付け、これら側板とプレートフィンとの間に冷媒の
流れるチューブが配設された構成をなしている。
生物剤9の下流側には、プレートフィンチューブ形熱交
換器11および送風ファン12が順次配置されている。
プレートフィンチューブ形熱交換器11は、複数のプレ
ートフィンを平行に配列し、その両側にそれぞれ側板を
取り付け、これら側板とプレートフィンとの間に冷媒の
流れるチューブが配設された構成をなしている。
【0014】送風ファン12の回転により吸い込み口
5、6、7から吸い込まれた空気は、揮発性抗微生物剤
収納体9内の揮発性抗微生物剤と接触しエアフィルタ1
0により除塵されたのち、プレートフィンチューブ形熱
交換器11で熱交換して冷却または加熱され、吹き出し
口8より吹き出される。プレートフィンチューブ形熱交
換器11の下方にはドレンパン13を配設して空気が冷
却されたときに発生するドレン水を貯溜するようにし、
ついでドレンホースにより外部に放出するようにしてい
る。なお、吹き出し口8には、プレートフィンチューブ
形熱交換器11において冷却された冷風もしくは加熱さ
れた温風の吹き出し方向を制御する風向変更装置14が
設けられている。
5、6、7から吸い込まれた空気は、揮発性抗微生物剤
収納体9内の揮発性抗微生物剤と接触しエアフィルタ1
0により除塵されたのち、プレートフィンチューブ形熱
交換器11で熱交換して冷却または加熱され、吹き出し
口8より吹き出される。プレートフィンチューブ形熱交
換器11の下方にはドレンパン13を配設して空気が冷
却されたときに発生するドレン水を貯溜するようにし、
ついでドレンホースにより外部に放出するようにしてい
る。なお、吹き出し口8には、プレートフィンチューブ
形熱交換器11において冷却された冷風もしくは加熱さ
れた温風の吹き出し方向を制御する風向変更装置14が
設けられている。
【0015】図2は本発明による空気調和機に設ける抗
微生物剤収納体9の一実施例を示す斜視模式図である。
ここで、ブリスター成形したポリエチレンテレフタレー
トからなる抗微生物剤収納体9の開口部15にはビスコ
ース加工紙を用いた徐放性シート16を熱溶着してい
る。
微生物剤収納体9の一実施例を示す斜視模式図である。
ここで、ブリスター成形したポリエチレンテレフタレー
トからなる抗微生物剤収納体9の開口部15にはビスコ
ース加工紙を用いた徐放性シート16を熱溶着してい
る。
【0016】そして、徐放性シート16を設けた開口部
15と、ポリエチレンテレフタレートにより抗微生物剤
収納体9を構成することにより、揮発して気体状となっ
た抗微生物剤は、透過係数の小さいポリエチレンテレフ
タレートよりも、透過係数の大きい徐放性シート16か
ら選択的に透過するため、抗微生物剤収納体からの抗微
生物剤揮発速度は、徐放性シート16の透過特性および
開口部面積により制御することができる。
15と、ポリエチレンテレフタレートにより抗微生物剤
収納体9を構成することにより、揮発して気体状となっ
た抗微生物剤は、透過係数の小さいポリエチレンテレフ
タレートよりも、透過係数の大きい徐放性シート16か
ら選択的に透過するため、抗微生物剤収納体からの抗微
生物剤揮発速度は、徐放性シート16の透過特性および
開口部面積により制御することができる。
【0017】また、本発明のポリエチレンテレフタレー
トは非結晶性が最適である。そして、非結晶性ポリエチ
レンテレフタレートとすることにより、結晶性ポリエチ
レンテレフタレートと比較して耐薬品性が向上し、抗微
生物剤の結露や接触による腐食が抑制され、開口部15
以外からの抗微生物剤の揮発を防止することができる。
トは非結晶性が最適である。そして、非結晶性ポリエチ
レンテレフタレートとすることにより、結晶性ポリエチ
レンテレフタレートと比較して耐薬品性が向上し、抗微
生物剤の結露や接触による腐食が抑制され、開口部15
以外からの抗微生物剤の揮発を防止することができる。
【0018】また、本発明の揮散性抗微生物剤は、イソ
チオシアン酸アリルを有効成分とする抗微生物剤が効果
的で好ましい。
チオシアン酸アリルを有効成分とする抗微生物剤が効果
的で好ましい。
【0019】そして、揮発性の抗微生物剤としては、人
体に対しては無害で、微生物に対しては高い抗微生物作
用を有し、使用環境で揮発しやすいもの、例えば、ヒノ
キチオール、チオシアン酸化合物、イソチオシアン酸化
合物、イソチオシアン酸アリル、オクチルアルデヒド、
オイゲノール、プロムシンナミルアルデヒドなどを一種
または二種以上用いたものが好ましく、特にイソチオシ
アン酸アリルは、低い濃度で高い抗微生物作用を発揮で
きるので好ましい。
体に対しては無害で、微生物に対しては高い抗微生物作
用を有し、使用環境で揮発しやすいもの、例えば、ヒノ
キチオール、チオシアン酸化合物、イソチオシアン酸化
合物、イソチオシアン酸アリル、オクチルアルデヒド、
オイゲノール、プロムシンナミルアルデヒドなどを一種
または二種以上用いたものが好ましく、特にイソチオシ
アン酸アリルは、低い濃度で高い抗微生物作用を発揮で
きるので好ましい。
【0020】以下に具体的な実施例を示す。
【0021】(実施例1)揮散性抗微生物剤は、有効成
分としてイソチオシアン酸アリルを用い、これを樹脂に
添加して混練した材料をセルロース膜で包装した。抗微
生物剤収納体9は、ポリプロピレンを積層した非結晶性
ポリエチレンテレフタレートを0.8mmの肉厚に成形
し、開口部15にはビスコース加工紙を用いた徐放性シ
ート16を熱溶着した。
分としてイソチオシアン酸アリルを用い、これを樹脂に
添加して混練した材料をセルロース膜で包装した。抗微
生物剤収納体9は、ポリプロピレンを積層した非結晶性
ポリエチレンテレフタレートを0.8mmの肉厚に成形
し、開口部15にはビスコース加工紙を用いた徐放性シ
ート16を熱溶着した。
【0022】図1に示すように、この抗微生物剤収納体
9を、冷房能力2.5kWのセパレートタイプ空気調和
機の、プレートフィンチューブ形熱交換器11の前面と
吸い込み口5内側のエアフィルタ10の内側に、開口部
15をプレートフィンチューブ形熱交換器11側に向け
て設置した。
9を、冷房能力2.5kWのセパレートタイプ空気調和
機の、プレートフィンチューブ形熱交換器11の前面と
吸い込み口5内側のエアフィルタ10の内側に、開口部
15をプレートフィンチューブ形熱交換器11側に向け
て設置した。
【0023】(実施例2)揮散性抗微生物剤および抗微
生物剤収納体9は、実施例1と同様のものを用いた。こ
の抗微生物剤収納体9を密封して、60℃に制御した恒
温槽に2週間放置して耐熱促進後、冷房能力2.5kW
のセパレートタイプ空気調和機の、プレートフィンチュ
ーブ形熱交換器11の前面と吸い込み口5内側のエアフ
ィルタ10の内側に、開口部15をプレートフィンチュ
ーブ形熱交換器11側に向けて設置した。
生物剤収納体9は、実施例1と同様のものを用いた。こ
の抗微生物剤収納体9を密封して、60℃に制御した恒
温槽に2週間放置して耐熱促進後、冷房能力2.5kW
のセパレートタイプ空気調和機の、プレートフィンチュ
ーブ形熱交換器11の前面と吸い込み口5内側のエアフ
ィルタ10の内側に、開口部15をプレートフィンチュ
ーブ形熱交換器11側に向けて設置した。
【0024】(実施例3)揮散性抗微生物剤は、実施例
1と同様のものを用いた。抗微生物剤収納体9は、ポリ
プロピレンを積層した結晶性ポリエチレンテレフタレー
トを0.8mmの肉厚に成形し、開口部15にはビスコ
ース加工紙を用いた徐放性シート16を熱溶着した。こ
の抗微生物剤収納体9を、冷房能力2.5kWのセパレ
ートタイプ空気調和機に、実施例1と同様にして設置し
た。
1と同様のものを用いた。抗微生物剤収納体9は、ポリ
プロピレンを積層した結晶性ポリエチレンテレフタレー
トを0.8mmの肉厚に成形し、開口部15にはビスコ
ース加工紙を用いた徐放性シート16を熱溶着した。こ
の抗微生物剤収納体9を、冷房能力2.5kWのセパレ
ートタイプ空気調和機に、実施例1と同様にして設置し
た。
【0025】(実施例4)揮散性抗微生物剤および抗微
生物剤収納体9は、実施例3と同様のものを用いた。こ
の抗微生物剤収納体9を密封して、60℃に制御した恒
温槽に2週間放置して耐熱促進後、冷房能力2.5kW
のセパレートタイプ空気調和機に、実施例1と同様にし
て設置した。
生物剤収納体9は、実施例3と同様のものを用いた。こ
の抗微生物剤収納体9を密封して、60℃に制御した恒
温槽に2週間放置して耐熱促進後、冷房能力2.5kW
のセパレートタイプ空気調和機に、実施例1と同様にし
て設置した。
【0026】(実施例5)揮散性抗微生物剤は、有効成
分としてヒノキチオールを用い、これを樹脂に添加して
混練した材料をセルロース膜で包装した。抗微生物剤収
納体9は、実施例1と同様のものを用いた。この抗微生
物剤収納体9を、冷房能力2.5kWのセパレートタイ
プ空気調和機に、実施例1と同様にして設置した。
分としてヒノキチオールを用い、これを樹脂に添加して
混練した材料をセルロース膜で包装した。抗微生物剤収
納体9は、実施例1と同様のものを用いた。この抗微生
物剤収納体9を、冷房能力2.5kWのセパレートタイ
プ空気調和機に、実施例1と同様にして設置した。
【0027】つぎに、以上説明した実施例における性能
を確認するために、抗微生物剤収納体9をポリプロピレ
ンにより構成した場合、アクリロニトリルブタジエンス
チレンにより構成した場合を比較例とし、それについて
以下に説明する。
を確認するために、抗微生物剤収納体9をポリプロピレ
ンにより構成した場合、アクリロニトリルブタジエンス
チレンにより構成した場合を比較例とし、それについて
以下に説明する。
【0028】(比較例1)揮散性抗微生物剤は、実施例
1と同様のものを用いた。抗微生物剤収納体9は、ポリ
プロピレンを0.8mmの肉厚に成形し、開口部15に
はビスコース加工紙を用いた徐放性シート16を熱溶着
した。この抗微生物剤収納体9を、冷房能力2.5kW
のセパレートタイプ空気調和機に、実施例1と同様にし
て設置した。
1と同様のものを用いた。抗微生物剤収納体9は、ポリ
プロピレンを0.8mmの肉厚に成形し、開口部15に
はビスコース加工紙を用いた徐放性シート16を熱溶着
した。この抗微生物剤収納体9を、冷房能力2.5kW
のセパレートタイプ空気調和機に、実施例1と同様にし
て設置した。
【0029】(比較例2)揮散性抗微生物剤および抗微
生物剤収納体9は、比較例1と同様のものを用いた。こ
の抗微生物剤収納体9を密封して、60℃に制御した恒
温槽に2週間放置して耐熱促進後、冷房能力2.5kW
のセパレートタイプ空気調和機に、実施例1と同様にし
て設置した。
生物剤収納体9は、比較例1と同様のものを用いた。こ
の抗微生物剤収納体9を密封して、60℃に制御した恒
温槽に2週間放置して耐熱促進後、冷房能力2.5kW
のセパレートタイプ空気調和機に、実施例1と同様にし
て設置した。
【0030】(比較例3)揮散性抗微生物剤は、実施例
1と同様のものを用いた。抗微生物剤収納体9は、アク
リロニトリルブタジエンスチレンを0.8mmの肉厚に
成形し、開口部15にはビスコース加工紙を用いた徐放
性シート16を熱溶着した。この抗微生物剤収納体9
を、冷房能力2.5kWのセパレートタイプ空気調和機
に、実施例1と同様にして設置した。
1と同様のものを用いた。抗微生物剤収納体9は、アク
リロニトリルブタジエンスチレンを0.8mmの肉厚に
成形し、開口部15にはビスコース加工紙を用いた徐放
性シート16を熱溶着した。この抗微生物剤収納体9
を、冷房能力2.5kWのセパレートタイプ空気調和機
に、実施例1と同様にして設置した。
【0031】(比較例4)揮散性抗微生物剤および抗微
生物剤収納体9は、比較例3と同様のものを用いた。こ
の抗微生物剤収納体9を密封して、60℃に制御した恒
温槽に2週間放置して耐熱促進後、冷房能力2.5kW
のセパレートタイプ空気調和機に、実施例1と同様にし
て設置した。
生物剤収納体9は、比較例3と同様のものを用いた。こ
の抗微生物剤収納体9を密封して、60℃に制御した恒
温槽に2週間放置して耐熱促進後、冷房能力2.5kW
のセパレートタイプ空気調和機に、実施例1と同様にし
て設置した。
【0032】(試験例1)実施例1および比較例1の場
合の空気調和機について、下記の要領でカビ試験および
揮発速度検証試験を行った結果は表1および図1に示す
通りである。
合の空気調和機について、下記の要領でカビ試験および
揮発速度検証試験を行った結果は表1および図1に示す
通りである。
【0033】この試験は、空気調和機内に揮発したイソ
チオシアン酸アリルの揮発速度検証試験およびカビ試験
で、試験菌として送風ファン12から採取したカビを用
いた。試験方法は、実施例1および実施例1の空気調和
機に、試験菌を接種し27±1℃で14日間培養したP
DA寒天培地を置いたシャーレをプレートフィンチュー
ブ形熱交換器11に培地側を向けて設置し、27℃、8
5%R.H.に制御した室内で空気調和機を冷房運転と
停止を12時間ずつ4、8、12、16週間繰り返して
運転した後、シャーレを取り除いた。そして、空気調和
機を冷房運転し、バイオテスト社製RCSエアーサンプ
ラーを用いて、運転開始直後から8分間に吹き出し口8
から吹き出された空気320リットルを真菌用のエアー
サンプラー専用生培地に採取し27±1℃で7日間培養
した後、コロニー数を測定した。比較試験例1として空
気調和機の室内機に、試験菌を接種し27±1℃で14
日間培養したPDA寒天培地を置いたシャーレをプレー
トフィンチューブ形熱交換器11に培地側を向けて設置
し、27℃、85%R.H.に制御した室内で空気調和
機を冷房運転と停止を12時間ずつ4、8、12、16
週間繰り返して運転した後、シャーレを取り除いた。そ
して、空気調和機を冷房運転し、バイオテスト社製RC
Sエアーサンプラーを用いて、運転開始直後から8分間
に吹き出し口8から吹き出された空気320リットルを
真菌用のエアーサンプラー専用生培地に採取し27±1
℃で7日間培養した後、コロニー数を測定した。なお、
試験菌を接種し27±1℃で14日間培養したPDA寒
天培地は2週間毎に交換した。また、運転停止1時間後
の空気調和機内のイソチオシアン酸アリルの濃度を測定
した。さらに、抗微生物剤収納体9の重量を1週間毎に
測定した。
チオシアン酸アリルの揮発速度検証試験およびカビ試験
で、試験菌として送風ファン12から採取したカビを用
いた。試験方法は、実施例1および実施例1の空気調和
機に、試験菌を接種し27±1℃で14日間培養したP
DA寒天培地を置いたシャーレをプレートフィンチュー
ブ形熱交換器11に培地側を向けて設置し、27℃、8
5%R.H.に制御した室内で空気調和機を冷房運転と
停止を12時間ずつ4、8、12、16週間繰り返して
運転した後、シャーレを取り除いた。そして、空気調和
機を冷房運転し、バイオテスト社製RCSエアーサンプ
ラーを用いて、運転開始直後から8分間に吹き出し口8
から吹き出された空気320リットルを真菌用のエアー
サンプラー専用生培地に採取し27±1℃で7日間培養
した後、コロニー数を測定した。比較試験例1として空
気調和機の室内機に、試験菌を接種し27±1℃で14
日間培養したPDA寒天培地を置いたシャーレをプレー
トフィンチューブ形熱交換器11に培地側を向けて設置
し、27℃、85%R.H.に制御した室内で空気調和
機を冷房運転と停止を12時間ずつ4、8、12、16
週間繰り返して運転した後、シャーレを取り除いた。そ
して、空気調和機を冷房運転し、バイオテスト社製RC
Sエアーサンプラーを用いて、運転開始直後から8分間
に吹き出し口8から吹き出された空気320リットルを
真菌用のエアーサンプラー専用生培地に採取し27±1
℃で7日間培養した後、コロニー数を測定した。なお、
試験菌を接種し27±1℃で14日間培養したPDA寒
天培地は2週間毎に交換した。また、運転停止1時間後
の空気調和機内のイソチオシアン酸アリルの濃度を測定
した。さらに、抗微生物剤収納体9の重量を1週間毎に
測定した。
【0034】
【表1】
【0035】表1より、実施例1の場合の試験菌の繁殖
抑制効果は、短期間試験を実施した場合と長期間試験を
実施した場合とで差がないが、比較例1の場合の効果
は、長期間試験を実施すると著しく低下している。さら
に、実施例1の場合のイソチオシアン酸アリルの濃度
は、長期間試験を実施した場合でも一定であるが、比較
例1の場合は、初期の濃度は実施例1の場合よりも大き
いが、長期間試験を実施すると著しく低下している。
抑制効果は、短期間試験を実施した場合と長期間試験を
実施した場合とで差がないが、比較例1の場合の効果
は、長期間試験を実施すると著しく低下している。さら
に、実施例1の場合のイソチオシアン酸アリルの濃度
は、長期間試験を実施した場合でも一定であるが、比較
例1の場合は、初期の濃度は実施例1の場合よりも大き
いが、長期間試験を実施すると著しく低下している。
【0036】また、図3より、実施例1の場合のイソチ
オシアン酸アリルの揮発速度は、長期間試験を実施した
場合でも一定であるが、比較例1の場合は、初期の速度
は実施例1の場合よりも大きいが、長期間試験を実施す
ると著しく低下している。したがって、抗微生物剤収納
体がポリエチレンテレフタレートにより構成されると、
開口部以外からのイソチオシアン酸アリルの透過が小さ
く、開口部に設けた徐放性シート16から選択的に透過
するため、徐放性シート16の透過特性および開口部面
積の設計により、空気調和機内の菌の繁殖抑制効果に有
効な濃度を長期間にわたり一定に揮発させることができ
る。
オシアン酸アリルの揮発速度は、長期間試験を実施した
場合でも一定であるが、比較例1の場合は、初期の速度
は実施例1の場合よりも大きいが、長期間試験を実施す
ると著しく低下している。したがって、抗微生物剤収納
体がポリエチレンテレフタレートにより構成されると、
開口部以外からのイソチオシアン酸アリルの透過が小さ
く、開口部に設けた徐放性シート16から選択的に透過
するため、徐放性シート16の透過特性および開口部面
積の設計により、空気調和機内の菌の繁殖抑制効果に有
効な濃度を長期間にわたり一定に揮発させることができ
る。
【0037】また、揮発性の抗微生物剤であるイソチオ
シアン酸アリルが、有効濃度を維持することにより高い
抗微生物効果を有することが解る。さらに、揮発性の抗
微生物剤として用いたイソチオシアン酸アリルは、気化
した揮発成分が高い抗微生物効果を有して試験菌の繁殖
を抑制し、存在させたイソチオシアン酸アリル自体に試
験菌が接触しない場合でも、気化した蒸気に接触するだ
けで高い繁殖抑制効果を示すことが解る。
シアン酸アリルが、有効濃度を維持することにより高い
抗微生物効果を有することが解る。さらに、揮発性の抗
微生物剤として用いたイソチオシアン酸アリルは、気化
した揮発成分が高い抗微生物効果を有して試験菌の繁殖
を抑制し、存在させたイソチオシアン酸アリル自体に試
験菌が接触しない場合でも、気化した蒸気に接触するだ
けで高い繁殖抑制効果を示すことが解る。
【0038】(試験例2)実施例1、2、3、4および
比較例1、2、3、4の場合の空気調和機について、下
記の要領でカビ試験および揮発速度検証試験を行った結
果は表2および図2に示す通りである。
比較例1、2、3、4の場合の空気調和機について、下
記の要領でカビ試験および揮発速度検証試験を行った結
果は表2および図2に示す通りである。
【0039】この試験は、空気調和機内に揮発したイソ
チオシアン酸アリルの揮発速度検証試験およびカビ試験
で、試験菌として送風ファン12から採取したカビを用
いた。試験方法は、実施例1および実施例1の空気調和
機に、試験菌を接種し27±1℃で14日間培養したP
DA寒天培地を置いたシャーレをプレートフィンチュー
ブ形熱交換器11に培地側を向けて設置し、27℃、8
5%R.H.に制御した室内で空気調和機を冷房運転と
停止を12時間ずつ4、8、12、16週間繰り返して
運転した後、シャーレを取り除いた。そして、空気調和
機を冷房運転し、バイオテスト社製RCSエアーサンプ
ラーを用いて、運転開始直後から8分間に吹き出し口8
から吹き出された空気320リットルを真菌用のエアー
サンプラー専用生培地に採取し27±1℃で7日間培養
した後、コロニー数を測定した。比較試験例1として空
気調和機の室内機に、試験菌を接種し27±1℃で14
日間培養したPDA寒天培地を置いたシャーレをプレー
トフィンチューブ形熱交換器11に培地側を向けて設置
し、27℃、85%R.H.に制御した室内で空気調和
機を冷房運転と停止を12時間ずつ4、8、12、16
週間繰り返して運転した後、シャーレを取り除いた。そ
して、空気調和機を冷房運転し、バイオテスト社製RC
Sエアーサンプラーを用いて、運転開始直後から8分間
に吹き出し口8から吹き出された空気320リットルを
真菌用のエアーサンプラー専用生培地に採取し27±1
℃で7日間培養した後、コロニー数を測定した。なお、
試験菌を接種し27±1℃で14日間培養したPDA寒
天培地は2週間毎に交換した。また、運転停止1時間後
の空気調和機内のイソチオシアン酸アリルの濃度を測定
した。さらに、抗微生物剤収納体9の重量を1週間毎に
測定した。
チオシアン酸アリルの揮発速度検証試験およびカビ試験
で、試験菌として送風ファン12から採取したカビを用
いた。試験方法は、実施例1および実施例1の空気調和
機に、試験菌を接種し27±1℃で14日間培養したP
DA寒天培地を置いたシャーレをプレートフィンチュー
ブ形熱交換器11に培地側を向けて設置し、27℃、8
5%R.H.に制御した室内で空気調和機を冷房運転と
停止を12時間ずつ4、8、12、16週間繰り返して
運転した後、シャーレを取り除いた。そして、空気調和
機を冷房運転し、バイオテスト社製RCSエアーサンプ
ラーを用いて、運転開始直後から8分間に吹き出し口8
から吹き出された空気320リットルを真菌用のエアー
サンプラー専用生培地に採取し27±1℃で7日間培養
した後、コロニー数を測定した。比較試験例1として空
気調和機の室内機に、試験菌を接種し27±1℃で14
日間培養したPDA寒天培地を置いたシャーレをプレー
トフィンチューブ形熱交換器11に培地側を向けて設置
し、27℃、85%R.H.に制御した室内で空気調和
機を冷房運転と停止を12時間ずつ4、8、12、16
週間繰り返して運転した後、シャーレを取り除いた。そ
して、空気調和機を冷房運転し、バイオテスト社製RC
Sエアーサンプラーを用いて、運転開始直後から8分間
に吹き出し口8から吹き出された空気320リットルを
真菌用のエアーサンプラー専用生培地に採取し27±1
℃で7日間培養した後、コロニー数を測定した。なお、
試験菌を接種し27±1℃で14日間培養したPDA寒
天培地は2週間毎に交換した。また、運転停止1時間後
の空気調和機内のイソチオシアン酸アリルの濃度を測定
した。さらに、抗微生物剤収納体9の重量を1週間毎に
測定した。
【0040】
【表2】
【0041】表2より、試験菌の繁殖抑制効果は、非結
晶性ポリエチレンテレフタレートの場合は、長期間試験
を実施した場合でも耐熱促進による効果の差はないが、
結晶性ポリエチレンテレフタレートの場合は、長期間試
験を実施すると耐熱促進により効果は若干低下してい
る。ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチ
レンの場合は、長期間試験を実施すると効果は著しく低
下し、耐熱促進によりさらに効果の継続期間が短くなっ
ている。さらに、イソチオシアン酸アリルの濃度は、非
結晶性ポリエチレンテレフタレートの場合は、長期間試
験を実施した場合でも耐熱促進による濃度の差はなく一
定であるが、結晶性ポリエチレンテレフタレートの場合
は、長期間試験を実施すると耐熱促進により濃度は若干
低下している。ポリプロピレン、アクリロニトリルブタ
ジエンスチレンの場合は、初期の濃度はポリエチレンテ
レフタレートの場合よりも大きいが、長期間試験を実施
すると濃度は著しく低下し、耐熱促進によりさらに有効
濃度の保持期間が短くなっている。
晶性ポリエチレンテレフタレートの場合は、長期間試験
を実施した場合でも耐熱促進による効果の差はないが、
結晶性ポリエチレンテレフタレートの場合は、長期間試
験を実施すると耐熱促進により効果は若干低下してい
る。ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチ
レンの場合は、長期間試験を実施すると効果は著しく低
下し、耐熱促進によりさらに効果の継続期間が短くなっ
ている。さらに、イソチオシアン酸アリルの濃度は、非
結晶性ポリエチレンテレフタレートの場合は、長期間試
験を実施した場合でも耐熱促進による濃度の差はなく一
定であるが、結晶性ポリエチレンテレフタレートの場合
は、長期間試験を実施すると耐熱促進により濃度は若干
低下している。ポリプロピレン、アクリロニトリルブタ
ジエンスチレンの場合は、初期の濃度はポリエチレンテ
レフタレートの場合よりも大きいが、長期間試験を実施
すると濃度は著しく低下し、耐熱促進によりさらに有効
濃度の保持期間が短くなっている。
【0042】また、図4より、イソチオシアン酸アリル
の揮発速度は、非結晶性ポリエチレンテレフタレートの
場合は、長期間試験を実施した場合でも耐熱促進による
速度の差はなく一定であるが、結晶性ポリエチレンテレ
フタレートの場合は、長期間試験を実施すると耐熱促進
により速度は若干低下している。ポリプロピレン、アク
リロニトリルブタジエンスチレンの場合は、初期の速度
はポリエチレンテレフタレートの場合よりも大きいが、
長期間試験を実施すると速度は著しく低下し、耐熱促進
によりさらに速度の低下が早くなっている。
の揮発速度は、非結晶性ポリエチレンテレフタレートの
場合は、長期間試験を実施した場合でも耐熱促進による
速度の差はなく一定であるが、結晶性ポリエチレンテレ
フタレートの場合は、長期間試験を実施すると耐熱促進
により速度は若干低下している。ポリプロピレン、アク
リロニトリルブタジエンスチレンの場合は、初期の速度
はポリエチレンテレフタレートの場合よりも大きいが、
長期間試験を実施すると速度は著しく低下し、耐熱促進
によりさらに速度の低下が早くなっている。
【0043】したがって、抗微生物剤収納体を密封して
耐熱促進することにより、収納体内部の飽和蒸気圧が上
昇して容器内が結露するため、抗微生物剤収納体が耐薬
品性の低い材料により構成されている場合は、開口部以
外からの抗微生物剤の透過量が増える。非結晶性ポリエ
チレンテレフタレートにより構成されると、耐薬品性が
高いため、開口部以外からのイソチオシアン酸アリルの
透過が小さく、開口部に設けた徐放性シート16から選
択的に透過するため、空気調和機内の菌の繁殖抑制効果
に有効な濃度を長期間にわたり一定に揮発させることが
できる。
耐熱促進することにより、収納体内部の飽和蒸気圧が上
昇して容器内が結露するため、抗微生物剤収納体が耐薬
品性の低い材料により構成されている場合は、開口部以
外からの抗微生物剤の透過量が増える。非結晶性ポリエ
チレンテレフタレートにより構成されると、耐薬品性が
高いため、開口部以外からのイソチオシアン酸アリルの
透過が小さく、開口部に設けた徐放性シート16から選
択的に透過するため、空気調和機内の菌の繁殖抑制効果
に有効な濃度を長期間にわたり一定に揮発させることが
できる。
【0044】また、揮発性の抗微生物剤として用いたイ
ソチオシアン酸アリルは、気化した揮発成分が高い抗微
生物効果を有して試験菌の繁殖を抑制し、存在させたイ
ソチオシアン酸アリル自体に試験菌が接触しない場合で
も、気化した蒸気に接触するだけで高い繁殖抑制効果を
示すことが解る。
ソチオシアン酸アリルは、気化した揮発成分が高い抗微
生物効果を有して試験菌の繁殖を抑制し、存在させたイ
ソチオシアン酸アリル自体に試験菌が接触しない場合で
も、気化した蒸気に接触するだけで高い繁殖抑制効果を
示すことが解る。
【0045】(試験例3)実施例1および実施例5の場
合の空気調和機について、下記の要領でカビ試験を行っ
た結果は表3に示す通りである。
合の空気調和機について、下記の要領でカビ試験を行っ
た結果は表3に示す通りである。
【0046】この試験は、空気調和機内に揮発したイソ
チオシアン酸アリルまたはヒノキチオールによるカビ試
験で、試験菌として送風ファン12から採取したカビを
用いた。試験方法は、実施例1および実施例5の空気調
和機に、試験菌を接種し27±1℃で14日間培養した
PDA寒天培地を置いたシャーレをプレートフィンチュ
ーブ形熱交換器11に培地側を向けて設置し、27℃、
85%R.H.に制御した室内で空気調和機を冷房運転
と停止を12時間ずつ4、8、12、16週間繰り返し
て運転した後、シャーレを取り除いた。そして、空気調
和機を冷房運転し、バイオテスト社製RCSエアーサン
プラーを用いて、運転開始直後から8分間に吹き出し口
8から吹き出された空気320リットルを真菌用のエア
ーサンプラー専用生培地に採取し27±1℃で7日間培
養した後、コロニー数を測定した。比較試験例1として
空気調和機の室内機に、試験菌を接種し27±1℃で1
4日間培養したPDA寒天培地を置いたシャーレをプレ
ートフィンチューブ形熱交換器13に培地側を向けて設
置し、27℃、85%R.H.に制御した室内で空気調
和機を冷房運転と停止を12時間ずつ4、8、12、1
6週間繰り返して運転した後、シャーレを取り除いた。
そして、空気調和機を冷房運転し、バイオテスト社製R
CSエアーサンプラーを用いて、運転開始直後から8分
間に吹き出し口8から吹き出された空気320リットル
を真菌用のエアーサンプラー専用生培地に採取し27±
1℃で7日間培養した後、コロニー数を測定した。な
お、試験菌を接種し27±1℃で14日間培養したPD
A寒天培地は2週間毎に交換した。また、運転停止1時
間後の空気調和機内のイソチオシアン酸アリルまたはヒ
ノキチオールの濃度を測定した。
チオシアン酸アリルまたはヒノキチオールによるカビ試
験で、試験菌として送風ファン12から採取したカビを
用いた。試験方法は、実施例1および実施例5の空気調
和機に、試験菌を接種し27±1℃で14日間培養した
PDA寒天培地を置いたシャーレをプレートフィンチュ
ーブ形熱交換器11に培地側を向けて設置し、27℃、
85%R.H.に制御した室内で空気調和機を冷房運転
と停止を12時間ずつ4、8、12、16週間繰り返し
て運転した後、シャーレを取り除いた。そして、空気調
和機を冷房運転し、バイオテスト社製RCSエアーサン
プラーを用いて、運転開始直後から8分間に吹き出し口
8から吹き出された空気320リットルを真菌用のエア
ーサンプラー専用生培地に採取し27±1℃で7日間培
養した後、コロニー数を測定した。比較試験例1として
空気調和機の室内機に、試験菌を接種し27±1℃で1
4日間培養したPDA寒天培地を置いたシャーレをプレ
ートフィンチューブ形熱交換器13に培地側を向けて設
置し、27℃、85%R.H.に制御した室内で空気調
和機を冷房運転と停止を12時間ずつ4、8、12、1
6週間繰り返して運転した後、シャーレを取り除いた。
そして、空気調和機を冷房運転し、バイオテスト社製R
CSエアーサンプラーを用いて、運転開始直後から8分
間に吹き出し口8から吹き出された空気320リットル
を真菌用のエアーサンプラー専用生培地に採取し27±
1℃で7日間培養した後、コロニー数を測定した。な
お、試験菌を接種し27±1℃で14日間培養したPD
A寒天培地は2週間毎に交換した。また、運転停止1時
間後の空気調和機内のイソチオシアン酸アリルまたはヒ
ノキチオールの濃度を測定した。
【0047】
【表3】
【0048】表3より、揮発性の抗微生物剤として用い
たイソチオシアン酸アリルおよびヒノキチオールは、高
い抗微生物効果を有し、試験菌の繁殖を抑制しているこ
とが解る。また、イソチオシアン酸アリルの場合の試験
菌の繁殖抑制効果は、短期間試験を実施した場合と長期
間試験を実施した場合とで差がなく、ヒノキチオールの
場合の試験菌の繁殖抑制効果は、長期間試験を実施した
場合に多少低下するが、揮発性の抗微生物剤の場合は、
長期間にわたり高い抗微生物効果を保持できることが解
る。
たイソチオシアン酸アリルおよびヒノキチオールは、高
い抗微生物効果を有し、試験菌の繁殖を抑制しているこ
とが解る。また、イソチオシアン酸アリルの場合の試験
菌の繁殖抑制効果は、短期間試験を実施した場合と長期
間試験を実施した場合とで差がなく、ヒノキチオールの
場合の試験菌の繁殖抑制効果は、長期間試験を実施した
場合に多少低下するが、揮発性の抗微生物剤の場合は、
長期間にわたり高い抗微生物効果を保持できることが解
る。
【0049】さらに、実施例1の場合が、実施例5の場
合と比べて試験菌の繁殖が抑制されているので、揮発性
の抗微生物剤としては、イソチオシアン酸アリルがヒノ
キチオールに比べて高い抗微生物効果を有することが解
る。また、前述のように、イソチオシアン酸アリルの場
合の試験菌の繁殖抑制効果は、短期間試験を実施した場
合と長期間試験を実施した場合とで差がないが、ヒノキ
チオールの場合の効果は、長期間試験を実施することに
より多少低下しているので、イソチオシアン酸アリルの
場合が長期間にわたり高い抗微生物効果を保持できるこ
とが解る。
合と比べて試験菌の繁殖が抑制されているので、揮発性
の抗微生物剤としては、イソチオシアン酸アリルがヒノ
キチオールに比べて高い抗微生物効果を有することが解
る。また、前述のように、イソチオシアン酸アリルの場
合の試験菌の繁殖抑制効果は、短期間試験を実施した場
合と長期間試験を実施した場合とで差がないが、ヒノキ
チオールの場合の効果は、長期間試験を実施することに
より多少低下しているので、イソチオシアン酸アリルの
場合が長期間にわたり高い抗微生物効果を保持できるこ
とが解る。
【0050】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0051】請求項1の発明によれば、徐放性シート1
6を設けた開口部と、ポリエチレンテレフタレートによ
り抗微生物剤収納体を構成することにより、揮発して気
体状となった抗微生物剤は、透過係数の小さいポリエチ
レンテレフタレートよりも、透過係数の大きい徐放性シ
ート16から選択的に透過するため、抗微生物剤収納体
からの抗微生物剤揮発速度は、徐放性シート16の透過
特性および開口部面積により制御することができる。
6を設けた開口部と、ポリエチレンテレフタレートによ
り抗微生物剤収納体を構成することにより、揮発して気
体状となった抗微生物剤は、透過係数の小さいポリエチ
レンテレフタレートよりも、透過係数の大きい徐放性シ
ート16から選択的に透過するため、抗微生物剤収納体
からの抗微生物剤揮発速度は、徐放性シート16の透過
特性および開口部面積により制御することができる。
【0052】また、請求項2の発明によれば、非結晶性
ポリエチレンテレフタレートとすることにより、結晶性
ポリエチレンテレフタレートと比較して耐薬品性が向上
し、抗微生物剤の結露や接触による腐食が抑制され、開
口部以外からの抗微生物剤の揮発を防止することができ
る。
ポリエチレンテレフタレートとすることにより、結晶性
ポリエチレンテレフタレートと比較して耐薬品性が向上
し、抗微生物剤の結露や接触による腐食が抑制され、開
口部以外からの抗微生物剤の揮発を防止することができ
る。
【0053】また、請求項3の発明によれば、イソチオ
シアン酸アリルを抗微生物剤として用いたので人体に影
響を及ぼすことなく、低濃度で高い抗微生物効果を得る
ことができる。
シアン酸アリルを抗微生物剤として用いたので人体に影
響を及ぼすことなく、低濃度で高い抗微生物効果を得る
ことができる。
【図1】本発明の実施例における空気調和機の断面模式
図
図
【図2】同空気調和機における抗微生物剤収納体の斜視
模式図
模式図
【図3】実施例1および比較例1におけるイソチオシア
ン酸アリルの揮発速度の状況を示すグラフ
ン酸アリルの揮発速度の状況を示すグラフ
【図4】実施例1、2、3、4および比較例1、2、
3、4におけるイソチオシアン酸アリルの揮発速度の状
況を示すグラフ
3、4におけるイソチオシアン酸アリルの揮発速度の状
況を示すグラフ
5、6、7 吸い込み口
8 吹き出し口
9 抗微生物剤収納体
15 開口部
16 徐放性シート
フロントページの続き
(72)発明者 沼本 浩直
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
(72)発明者 久保 次雄
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
Fターム(参考) 3L051 BC10
4H011 AA02 DA07 DD05 DF02
Claims (3)
- 【請求項1】 空気の吸い込み口から吹き出し口に至る
空気通路に、揮散性の抗微生物剤を収納した抗微生物剤
収納体を配設し、前記抗微生物剤収納体は徐放性シート
を設けた開口部と、ポリエチレンテレフタレートにより
構成されることを特徴とする空気調和機。 - 【請求項2】 前記ポリエチレンテレフタレートが非結
晶性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の空気調
和機。 - 【請求項3】 前記揮散性抗微生物剤は、イソチオシア
ン酸アリルを有効成分とする請求項1ないし2のいずれ
か1項に記載の空気調和機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001277959A JP2003090553A (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | 空気調和機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001277959A JP2003090553A (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | 空気調和機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003090553A true JP2003090553A (ja) | 2003-03-28 |
Family
ID=19102405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001277959A Pending JP2003090553A (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | 空気調和機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003090553A (ja) |
-
2001
- 2001-09-13 JP JP2001277959A patent/JP2003090553A/ja active Pending
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