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JP2003089860A - 成形用アルミニウム合金板の連続溶体化焼き入れ処理方法 - Google Patents

成形用アルミニウム合金板の連続溶体化焼き入れ処理方法

Info

Publication number
JP2003089860A
JP2003089860A JP2001283454A JP2001283454A JP2003089860A JP 2003089860 A JP2003089860 A JP 2003089860A JP 2001283454 A JP2001283454 A JP 2001283454A JP 2001283454 A JP2001283454 A JP 2001283454A JP 2003089860 A JP2003089860 A JP 2003089860A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
treatment
quenching
cooling water
aluminum alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001283454A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigenobu Yasunaga
繁信 安永
Yasuo Takagi
康夫 高木
Masanao Oyama
正直 大山
Koji Yamaguchi
浩二 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2001283454A priority Critical patent/JP2003089860A/ja
Publication of JP2003089860A publication Critical patent/JP2003089860A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平坦度に優れたAl合金板の連続溶体化焼き入
れ処理方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 Si過剰型のAl-Mg-Si系アルミニウム合
金板を連続的に通板して溶体化焼き入れ処理を行う方法
において、溶体化処理後、通板方向に多段に配置された
冷却水噴射ノズル列により通板中の板を冷却する焼き入
れ処理を行うに際し、冷却水が直接噴射される板の局所
領域の平均冷却速度を300 ℃/ 秒以下に制御し、かつ、
焼き入れ開始から120 ℃以下の温度までの平均冷却速度
を100 ℃/秒以上とし、アルミニウム合金板の焼き入れ
処理後の耐力を110 〜160MPaの範囲としたことである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形用アルミニウ
ム合金板であって、Si過剰型のAl-Mg-Si系アルミニウム
合金板の平坦度に優れた連続溶体化焼き入れ処理方法
(以下、アルミニウムを単にAlと言う)に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車などの輸送機用パネル材と
して用いられるAl合金板材は、非熱処理型のAl-Mg 系(A
A 乃至JIS 5000系) Al合金が主であった。しかし、近
年、更なる軽量化を目的とし、熱処理型のAl合金を用い
て、成形加工後の焼付塗装工程における焼付硬化性を利
用して、強度を向上させる方法が行われている。
【0003】このような熱処理型Al合金としては、主と
して、AA乃至JIS 6000系に属する(6000系規格に規定さ
れた乃至6000系規格を満足する) Al-Mg-Si系Al合金が用
いられている。そして、例えば自動車のフード、フェン
ダー、ドア、ルーフなどパネル構造体の、特に、外板
(アウターパネル) や内板 (インナーパネル) などに
は、欧米では、板厚が1.0mm 以下に薄肉化された、AA 6
111 、6022、6016などのSi過剰型6000系Al合金パネル
(板)材が実用に供されている。
【0004】Si過剰型6000系Al合金板を自動車用パネル
材とするためには、Al合金板材を所望パネル材形状やパ
ネル構造体にするための、深絞り、張出し、曲げ、伸び
フランジ、などの成形加工が施される。このため、Al合
金板には、高い成形性が要求される。
【0005】また、前記自動車などのパネル構造体の外
板では、加工条件の厳しいフラットヘミングム (フラッ
トヘム) 加工と呼ばれる180 °曲げ加工が、プレス成形
と複合して施される。
【0006】更に、パネル構造体としては、更に、基本
的な要求特性として、高強度、高耐食性、高溶接性も要
求される。したがって、この種パネル構造体の外板や内
板のパネルには、高成形性、高ヘム加工性、高強度 (高
時効硬化性) 、高耐食性、高溶接性を兼備することが要
求される。
【0007】したがって、Si過剰型6000系Al合金板材で
は、要求される高成形性を得るために、常法による熱間
圧延後、或いは更に冷間圧延後の、溶体化焼き入れ処理
が特に重要となる。即ち、この溶体化焼き入れ処理にお
いて、時効硬化反応を引き起こすために必要な合金元素
の固溶体を得るとともに、連続的に引き続く焼入処理工
程において、溶体化処理によって固溶した状態を室温ま
で強制的に凍結し、過飽和固溶体を得る。この結果、成
形加工時の高延性化による成形性と、成形後の焼付塗装
時に高耐力化する人工時効硬化性が確保される。
【0008】これらの特性を確保するためには、溶体化
処理温度を高くするとともに、焼き入れ処理の際の冷却
速度を極力速くすることが好ましい。したがって、この
目的および生産性向上のために、Al合金板を連続的に通
板して溶体化焼き入れ処理を行う方法が実用化されてい
る。
【0009】この、Al合金板の連続的な溶体化焼き入れ
処理方法とは、熱間圧延乃至冷間圧延されたAl合金板の
コイルを巻き戻しながら、連続的に熱処理炉に通板して
溶体化処理および焼き入れ処理を行い、再びコイルに巻
き取る処理のことを言う。そして、前記焼き入れ処理
も、溶体化処理後に、Al合金板面に対向配置されるとと
もに板の走行方向に対し多段に配置された冷却水噴射ノ
ズル列あるいはエアー噴射ノズル列により、通板走行中
の板を強制的に冷却する方法が最も一般的である。
【0010】この連続的な溶体化焼き入れ処理方法にお
いて、プレス成形性向上を目的として、焼き入れ処理時
の平均冷却速度を比較的速く規定した6000系Al合金板の
製造方法も、従来から多数提案されている。
【0011】しかし、薄板化および広幅化したSi過剰型
6000系Al合金板材を、より冷却速度を速めて、前記連続
的な溶体化焼き入れ処理を行う場合、焼き入れ処理後の
Al合金板の表面に局部的な歪みの発生が顕在化するとい
う新たな問題が生じる。
【0012】この本発明で言う局部的な歪みとは、図8
に模式的に斜視図で示す通り、Al合金板1 の表面に局部
的かつ板の長手方向に連続的に生じるクレーター状の凹
凸 (凹み)Xである。この歪みは、通板方向の温度勾配と
冷却帯における板幅方向の温度勾配による、圧縮応力に
より主として発生する。ただ、この歪みの発生要因は、
Al合金板の全体的な変形のような、焼き入れ処理の際の
Al合金板の熱膨張- 収縮による熱歪みだけではなく、前
工程での圧延における板の局部的な歪み等の履歴や、薄
板化および広幅化したAl合金板の通板速度やライン張
力、冷却手段や条件なども複雑に関与しているものと推
考される。
【0013】そして、Al合金板に、このような局部的な
歪みが生じた場合には、勿論、従来のAl合金板の前記全
体的な変形と同様に、Al合金板の平坦度 (フラットネ
ス) を著しく阻害する。
【0014】これに対し、従来から、溶体化焼き入れ処
理におけるAl合金板の歪みや変形の問題改善のために、
焼き入れ処理後に、ローラーレベラーやテンションレベ
ラー、あるいはストレッチやスキンパス軽圧下等の矯正
処理を行うことによって、Al合金板の前記変形を除去す
ることが、例えば、特開昭62-278256 号、特開昭64−11
953 号、特開平2-122045号、特開平2-122055号など公報
により公知である。
【0015】そして、これら従来技術では、問題とする
Al合金板の全体形状の変形の矯正処理後に、特定の条件
下 (例えば60〜360 ℃) で熱処理 (焼鈍) を行って、矯
正処理に伴う成形性の低下を抑制することを必須として
いる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ここにおいて、本発明
で問題とするAl合金板の歪みに対し、前記従来技術にお
けるレベラーやストレッチ、あるいはスキンパス等によ
り矯正しても、歪みを完全には除去できず、特に外観が
重視される前記自動車の外板などの要求品質を満たすこ
とができない。
【0017】また、Al合金板の矯正処理後に、特定の条
件下 (例えば60〜360 ℃) で熱処理(焼鈍) を行って
も、Al合金板の強度、特に耐力値の増加と、成形性の低
下が不可避という問題もある。
【0018】ここにおいて、本発明の局部的な歪みは、
本発明が対象とする連続的な溶体化焼き入れ処理におい
て発生しやすく、また、溶体化処理温度を高くするとと
もにAl合金板 (コイル) が薄板化するほど、発生しやす
い。一方、コイル状態でバッチ式に溶体化焼き入れを行
ったり、切り板の状態でバッチ式に溶体化焼き入れを行
うタイプの非連続的な溶体化焼き入れ処理方法では、こ
のような局部的な歪みが発生しにくい。
【0019】そして、この局部的な歪みの問題は、材料
の面からも、時効硬化特性や成形性向上のために、Si:
0.5〜1.6%とし、Si/Mg を1.0 以上の割合としたSi過剰
型Al-Mg-Si系Al合金板において特に顕著となる。
【0020】したがって、以上述べた連続的な溶体化焼
き入れ処理方法において、本発明で問題とする局部的な
歪みによる平坦度低下の問題と材料特性である成形性の
向上との問題を、同時に解決する手段は今までに無く、
いずれかの特性が必然的に犠牲なり制約を受けてしまう
のが実情であった。
【0021】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、連続溶体化焼き入れ処理方
法において、局部的な歪み改善と材料特性の向上との問
題を同時に解決する、平坦度に優れたAl合金板の連続溶
体化焼き入れ処理方法を提供しようとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明成形用アルミニウム合金板の連続溶体化焼き
入れ処理方法の請求項1 の要旨は、Si過剰型のAl-Mg-Si
系アルミニウム合金板を連続的に通板して溶体化焼き入
れ処理を行う方法において、溶体化処理後、通板方向に
多段に配置された冷却水噴射ノズル列により通板中の板
を冷却する焼き入れ処理を行うに際し、冷却水が直接噴
射される板の局所領域の平均冷却速度を300 ℃/ 秒以下
に制御し、かつ、焼き入れ開始から120 ℃以下の温度ま
での平均冷却速度を100 ℃/ 秒以上とし、アルミニウム
合金板の焼き入れ処理後の耐力を110 〜160MPaの範囲と
することである。
【0023】本発明で言う、Si過剰型のAl-Mg-Si系アル
ミニウム合金板とは、好ましくは、後述する、Si:0.4〜
1.3%、Mg:0.4〜1.2%を含み、かつSi/Mg が1.0 以上であ
るようなAl-Mg-Si系アルミニウム合金板である。
【0024】また、本発明で言う冷却水の噴射とは、高
温の板表面に対し、冷却水が特定の圧力や流量 (流量密
度) 、指向性を持って接触される広義の意味であり、焼
き入れ処理乃至冷却の場合に汎用される、噴射、噴霧、
散布、流下 (シャワー) などの種々の冷却水接触手段あ
るいはこれらの手段を組み合わせる場合を含む。
【0025】本発明者らは、前記Al合金板の歪みは、前
記した通り、種々の条件が複雑に関与しているものの、
前記直接冷却水が噴射される板の局所領域の平均冷却速
度が大きく関与していることを知見した。
【0026】図7 に従来のAl合金板の焼き入れ処理を模
式的に平面図で示す。図7 の通り、Al合金板1 の走行
(通板) 方向A に対し多段に配置された冷却水噴射ノズ
ル列(スプレイノズル列)2a 〜2dにより、走行中の板に
直接冷却水をかけて焼き入れる際、走行中の板には、冷
却水噴射ノズル列2a〜2d直下の直接冷却水が噴射される
(ノズル直下の) 局所領域3a〜3dと、直接冷却水が噴射
されない領域4a〜4cとが必然的に生じる。
【0027】図7 の領域4a〜4cでは、直接冷却水が噴射
されないため、板の冷却は板表面を流下する乃至飛散し
た冷却水による行われる。この結果、前記領域4a〜4cで
は、局所領域3a〜3dに比して緩冷却となり、冷却速度は
局所領域3a〜3dの冷却速度に対して比較的小さくなる。
【0028】更に、重大には、プレス成形性向上のため
に、焼き入れ処理時の平均冷却速度を大きくした場合、
直接冷却水がかかる局所領域3a〜3dの冷却速度を大きく
する。そして、この局所領域3a〜3dの冷却速度が大きな
るほど、直接冷却水がかからない領域4a〜4cの冷却速度
も大きくなるものの、両領域の冷却速度の差は、逆に大
きくなる。本発明者らの知見によれば、この両領域の冷
却速度の差が大きいほど、前記Al合金板の歪みが生じ易
い。そして、この結果、前記図8 に示したAl合金板1 の
表面に局部的かつ板の長手方向に連続的に生じるクレー
ター状の凹凸 Xが生じ易くなる。
【0029】したがって、前記局所領域3a〜3dの平均冷
却速度を、冷却水噴射ノズル列2a〜2dの形状や流量密度
によって制御し、焼き入れ開始から120 ℃以下の温度ま
での平均冷却速度を、成形性など板の特性を低下させな
いように(100℃/ 秒未満とならないように) 比較的小さ
くすれば、前記局所領域3a〜3dの冷却速度と前記領域4a
〜4cの冷却速度の差は小さくなり、前記Al合金板の歪み
が抑制されることとなる。
【0030】図1 に、本発明例a と従来例b との前記局
所領域3a〜3dと前記領域4a〜4cとの冷却速度を示す。図
1 において、横軸は前記各々の領域 (時間) を示し、縦
軸は板の温度、図中の折れ線はAl合金板の冷却パターン
(温度勾配) を示す。
【0031】図1 の内、本発明例の冷却パターンa は、
局所領域3a〜3dの平均冷却速度を300 ℃/ 秒以下に制御
し、かつ、焼き入れ開始から120 ℃以下の温度までの平
均冷却速度Saを100 ℃/ 秒以上としたものである。一
方、従来例の冷却パターンb は、従来の平均冷却速度を
大きくする思想にもとづき、局所領域3a〜3dの平均冷却
速度が300 ℃/ 秒を超え、かつ、焼き入れ開始から120
℃以下の温度までの平均冷却速度Saも100 ℃/ 秒以上と
したものである。
【0032】この本発明例のヒートパターンa と従来例
のヒートパターンb との比較から明らかな通り、本発明
例のヒートパターンa では、局所領域3a〜3dの冷却速度
と領域4a〜4cの冷却速度の差 (S1-S2)は小さい。これに
対し、従来例のヒートパターンb では、局所領域3a〜3d
の冷却速度と領域4a〜4cの冷却速度の差 (S1-S2)は比較
的大きい。この結果、本発明例のヒートパターンa では
前記Al合金板の歪みが生じにくく、従来例のヒートパタ
ーンb では前記Al合金板の歪みが生じ易い。
【0033】本発明では、このような要旨とすることに
より、前記歪み矯正や歪み矯正後の焼鈍処理を行わずと
も、Al合金板の成形性などの諸特性を確保した上で、本
発明で問題とする局部的な歪みを防止乃至抑制すること
ができる。
【0034】また、請求項2 のように、前記焼き入れ処
理後、直ちに50〜120 ℃の範囲で保持することによっ
て、Al合金板の成形性と低温時効硬化能の特性が向上す
る。
【0035】また、請求項3 の通り、前記冷却水噴射ノ
ズルに通板方向の水冷開始点が板幅方向に揃う噴射パタ
ーンのノズルを用いることで、他の構造のスプレイ乃至
スリットノズルなどに比して、Al合金板表面の均一な冷
却が図れ、かつ局所的な冷却速度を下げることができ、
Al合金板の成形性などの諸特性を確保した上で、本発明
で問題とする局部的な歪みを防止することができる。
【0036】更に、請求項4 の通り、前記冷却水噴射ノ
ズル列の第1段目に、前記通板方向の水冷開始点が板幅
方向に揃う噴射パターンのノズル列を配置することによ
って、冷却される板の、冷却水と接触する最初の板幅方
向冷却域を均一とすることができ、本発明で問題とする
局部的な歪みをより抑制することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】(Al合金板特性)まず、本発明Si過
剰型のAl-Mg-Si系Al合金板における必要特性について説
明する。
【0038】本発明のSi過剰型のAl-Mg-Si系Al合金板
は、自動車などの輸送機材用のパネル材としての諸特性
を満足する必要がある。この内、特に重要な特性は、プ
レス成形性、外板パネルに要求されるフラットヘム加工
性、焼付硬化性 (時効硬化能)である。
【0039】プレス成形性やフラットヘム加工性、また
焼付硬化性は、成形時また焼付硬化時のAl合金板の耐力
が支配的となる。このため、本発明のSi過剰型のAl-Mg-
Si系Al合金板は溶体化焼き入れ処理後の耐力を110 〜16
0MPaの範囲と規定する。
【0040】プレス成形性を確保するためには、成形時
のAl合金板の耐力を160MPa以下とする必要がある。成形
時のAl合金板の耐力が160MPaを越えた場合、プレス成形
性が著しく低下する。
【0041】また、フラットヘム加工性を確保するため
には、成形時のAl合金板の耐力を、更により低い140MPa
以下とすることが好ましい。フラットヘム加工時のAl合
金板の耐力が140MPaを越えた場合、フラットヘム加工性
が低下する。
【0042】一方、焼付硬化性を確保するためには、溶
体化焼き入れ処理後のAl合金板の耐力を110MPa以上とす
る必要がある。Al合金板の耐力が110MPa未満では、170
℃×20分はもとより、150 ℃×20分のより低温短時間化
された塗装焼き付け処理 (人工時効処理) では、パネル
構造体用途に必要な170MPa以上の耐力とならない。
【0043】言い換えると、本発明にかかるSi過剰型60
00系Al合金板材は、より具体的な人工時効処理の基準と
して、予め付与される成形加工を模擬した2%ストレッチ
付与後の、150 ℃×20分の低温人工時効処理時の耐力を
170MPa以上とすることが好ましい。また、上記特性の他
に、各パネル構造体用途毎に、要求される耐食性、溶接
性などの諸特性を、兼備することが好ましい。
【0044】(成分組成)以下、本発明で対象とするAl合
金板の成分組成について説明する。本発明で対象とする
Si過剰型の6000系Al合金の好ましい成分組成は、前記要
求諸特性を満足するために、具体的には下記の通り規定
される。下記成分組成と前記要求諸特性を満足すれば、
Al-Mg-Si系の6000系Al合金の成分規格 (AA 6111 、602
2、6016などのAl合金、JIS 6101、6003、6151、6061、6
N01、6063などのAl合金) に相当するAl合金板が適宜使
用可能である。また、前記6000系の各成分規格通りにな
らずとも、前記特性を有してさえいれば、更なる特性の
向上や他の特性を付加するための、成分組成の変更は適
宜許容される。
【0045】以下に、各主要元素の好ましい含有量につ
いての範囲と臨界的意義について説明する。
【0046】Mg:0.3〜1.2%。 Mgは人工時効時 (塗装焼付け処理など) により、Siとと
もに化合物相(Mg2 Siなど) を形成して、また、Cu含有
組成では更にCu、Alと化合物相を形成して、使用時の高
強度 (耐力) 乃至焼き付け硬化性を付与するために必須
の元素である。Mgの0.3%未満の含有では高強度 (耐力)
乃至焼き付け硬化性が得られないず、また、成形時に割
れを生じる可能性もある。一方、1.2%を越えて含有され
ると、鋳造時および焼き入れ時に、粗大な粒子が晶出乃
至析出して成形性を阻害する。したがって、Mgの好まし
い含有量は0.3 〜1.2%の範囲とする。
【0047】Si:0.4〜1.3%。 SiもMgとともに、人工時効処理により、化合物相(Mg2 S
i など) を形成して、使用時の高強度 (耐力) を付与す
るために必須の元素である。0.4%未満のSiの含有では十
分な焼き付け硬化性と強度が得られない。一方、1.3%を
越えて含有されると、鋳造時および焼き入れ時に粗大な
粒子として析出して、成形性を阻害する。したがって、
Siの好ましい含有量は0.4 〜1.3%の範囲とする。
【0048】また、人工時効処理時の化合物相の形成状
態は、MgとSiの含有量の比にも大きく影響される。Si/M
g が1.0 未満であると、化合物相の形成 (Mg2 Siの析出
など) が粗となり、強度向上の効果が小さくなる。した
がって、Si/Mg は好ましくは1.0 以上とする。
【0049】なお、ヘム加工性が重視される、自動車外
板用などのパネル材の場合には、Si含有量は0.4 〜1.2%
と、上限値がより低めの範囲であることが好ましい。Si
含有量がこの範囲にある場合、Al合金パネル材のヘム加
工性は良好となる。Si含有量が1.1%を越えた場合は、Al
合金材耐力が140MPaを越えて高くなり、溶体化後の焼き
入れ時に粒界へSiが析出しやすくなり、特にヘム加工性
が低下し、溶体化焼き入れ処理後 4カ月室温時効後の特
性として、前記JIS に規定されるVブロック法により曲
げた際に、曲げ部の割れが生じる可能性がある。
【0050】更に、継手等の溶接構造材など、溶接性が
重視される用途の場合には、Si含有量は0.4 〜0.9%の、
上限値が更により低めの範囲であることが好ましい。Si
含有量が0.9%を越えた場合、溶接条件の工夫によって
も、溶接割れなどの溶接欠陥が生じる可能性がより高く
なる。
【0051】次に、Fe、Mn、Cr、Cu、Zn、Ti、B など
は、スクラップなどの溶解材から混入されやすく、基本
的に不純物ではあるが、含有される場合の効果もあるの
で、各々以下に記載する含有量は許容される。
【0052】 Fe:0.01 〜0.3%、Mn:0.01 〜0.3%、Cr:0.01 〜0.3%。 これらの元素は均質化熱処理時およびその後の熱間圧延
時に分散粒子を生成する。これらの分散粒子は再結晶後
の粒界移動を妨げる効果があるため、微細な結晶粒を得
ることができ、成形性に寄与する。各々の下限未満の含
有量では、この効果が得られず、一方、過剰な (上限を
越える) 含有は溶解、鋳造時に粗大な金属間化合物を生
成しやすく、成形時の破壊の起点となり、逆に、成形性
を低下させる原因となる。このため、含有する場合のこ
れらの元素量は各々、Fe:0.01 〜0.3%、Mn:0.01 〜0.3
%、Cr:0.01 〜0.3%とする。
【0053】Cu:1.0% 以下。 Cu は焼き付け加熱時にMg、Alと化合物相を形成して析
出し、焼き付け硬化性を付与するとともに、T4調質時の
固溶状態において、成形性を向上させる。Cuの含有量が
0.001%未満ではこの効果がない。しかし一方で、Cu含有
量が多くなると、耐応力腐食割れ性や、塗装後の耐蝕性
の内の耐糸さび性、また溶接性を著しく劣化させる。こ
のため、耐応力腐食割れ性が重視される構造材用途など
の場合には0.8%以下とすることが好ましい。また、自動
車外板用などのパネル材用途などの場合には、フラット
ヘム加工性の低下と耐糸さび性の発現が顕著となる0.1%
以下のできるだけ少ない量とすることが好ましい。しか
し、前記耐食性が問題とならず、むしろプレス成形性の
方が重視される、自動車内板用パネル材などの場合に
は、1.0%以下の0.001 〜1.0%の範囲の量とすることが好
ましい。
【0054】Zn:1.0%以下。 Znは多量に含有されると耐蝕性が低下する。したがっ
て、Zn含有量は1.0%以下のできるだけ少ない含有量とす
ることが好ましい。
【0055】Ti:0.0001 〜0.1%。 Tiは鋳塊の結晶粒を微細化し、プレス成形性を向上させ
る。Tiの0.001%未満の含有では、この効果が得られず、
一方、Tiを0.1%を越えて含有すると、粗大な晶出物を形
成し、成形性を低下させる。したがって、含有する場合
のTi量は0.0001〜0.1%の範囲とすることが好ましい。
【0056】B:1 〜300ppm。 B はTiと同様、鋳塊の結晶粒を微細化し、プレス成形性
を向上させる。B の1ppm未満の含有では、この効果が得
られず、一方、300ppmを越えて含有されると、やはり粗
大な晶出物を形成し、成形性を低下させる。したがっ
て、含有する場合のB 量は1 〜300ppmの範囲とすること
が好ましい。
【0057】また、Ni、V 、Zr、Sc、Agなどの他の元素
は、基本的に不純物であり、少ない方が望ましいが、板
の特性を阻害しない範囲での含有は許容する。
【0058】(Al合金板の製造方法)本発明におけるAl合
金板は、本発明で規定するT4処理以外は、常法により製
造が可能である。例えば、6000系Al合金成分規格範囲内
に溶解調整されたAl合金溶湯を、連続鋳造圧延法、半連
続鋳造法(DC鋳造法)等の通常の溶解鋳造法を適宜選
択して鋳造する。
【0059】次いで、このAl合金鋳塊に均質化熱処理を
施した後、熱間圧延、または必要により更に (必要によ
り中間焼鈍後) 冷間圧延 (必要によりパス間で中間焼
鈍) によりコイル状の所望Al合金薄板の形状に塑性加工
される。そして、これら圧延薄板コイルは、本発明で規
定する溶体化焼入れ処理が行われる。
【0060】なお、熱間圧延後または冷間圧延途中の中
間焼鈍は、板の異方性を抑制し、リジングと呼ばれる成
形加工後の板表面に生じる凹凸状の表面欠陥を抑止する
ため、必要により行う。この中間焼鈍を行う場合、焼鈍
温度は350 〜590 ℃の範囲とするのが好ましい。焼鈍温
度が350 ℃未満ではリジング抑止効果が不十分であり、
590 ℃を越えた場合には、局部溶融を起こして、却って
成形性が低下する可能性がある。
【0061】連続溶体化焼入れ処理。 本発明で言う連続的な溶体化焼き入れ処理とは、前記し
た通り、本発明の局部的な歪みが問題となる、特に板厚
が1.5mm 以下のAl合金圧延薄板コイルを巻き戻しなが
ら、連続的に熱処理炉に通板して溶体化焼き入れ処理を
行い、再び薄板コイルに巻き取る処理のことを言う。ま
た、この連続的な溶体化焼き入れ処理において、前記板
厚が1.5mm 以下の薄板に加えて、更に板幅が1300mm以上
の広幅で、通板する際には、より本発明の局部的な歪み
が問題となるので、本発明を適用することがより好まし
い。
【0062】一方、特に板厚が1.5mm を越えるような、
比較的厚板で狭幅のAl合金板 (コイル) の場合には、こ
のようなAl合金板表面の局部的な歪みの問題は小さくな
る。また、前記した、コイル状態でバッチ式に溶体化焼
き入れを行ったり、切り板の状態でバッチ式に溶体化焼
き入れを行う非連続タイプの処理は対象外とする。
【0063】溶体化処理時の板の加熱速度。 熱処理炉における溶体化処理時の板の加熱速度は、成形
性向上の観点から、200 ℃/ 分以上とすることが好まし
い。200 ℃/ 分以上とすることにより、再結晶組織が微
細になり、成形性が向上する。一方、加熱速度が200 ℃
/ 分未満では、このような効果がなく、成形性が低下す
る可能性がある。
【0064】溶体化処理温度。 溶体化処理は、成形性向上の観点から、温度500 〜590
℃の温度で、この温度範囲に所定時間保持することが好
ましい。溶体化処理温度が500 ℃未満では、および保持
時間が5 秒未満では、固溶元素であるMg、Si、Cuの溶体
化が不十分となり、強度および成形性が低下する。一
方、溶体化処理温度が590 ℃を越えた場合は、局部溶融
を起こして、やはり成形性が低下する。また、前記外板
パネル材など、フラットヘム加工性が要求される場合に
は、耐力を低めにするため、550 ℃以下のより低温で溶
体化処理することが好ましい。
【0065】焼き入れ処理。 本発明では、前記したように、成形性などのパネル材と
しての特性向上の観点から、溶体化処理後の焼き入れ処
理時の平均冷却速度を規定する。そして、特徴的には、
本発明で問題とする局部歪みの抑制のために、直接冷却
水が噴射される板の局所領域の平均冷却速度を制御す
る。なお、本発明で言う冷却水とは、水のみ、水と空気
との混合ミスト、これらが冷却剤や防錆剤などの薬剤を
含む場合などが適宜選択される。
【0066】まず、焼き入れ開始から120 ℃以下の温度
までの平均冷却速度は、100 ℃/ 秒以上とし、120 ℃以
下の温度まで冷却する。120 ℃以下の温度までの平均冷
却速度が100 ℃/ 秒未満、あるいは焼き入れ (停止) 温
度が120 ℃を超えた場合、本発明のような高Si量Al-Mg-
Si系Al合金板においては、冷却過程で、より顕著に結晶
粒界へ金属間化合物が析出して、成長してしまう結果、
フラットヘム加工性やプレス成形性が著しく低下する。
【0067】本発明では、前記した通り、直接冷却水が
噴射される板の局所領域( 図1 の3a〜3d) の平均冷却速
度を300 ℃/ 秒以下に制御し、直接冷却水が噴射されな
い板の領域 (図1 の4a〜4c) の平均冷却速度との差を緩
和 (小さく) して、焼き入れ処理後のAl合金板の歪みを
防止乃至抑制する。
【0068】一方、従来例では、前記した通り、従来の
平均冷却速度を大きくする思想にもとづき、直接冷却水
が噴射される板の局所領域の平均冷却速度が300 ℃/ 秒
を超える。この結果、直接冷却水が噴射される板の局所
領域と直接冷却水が噴射されない板の領域局所領域との
冷却速度の差が大きくなり、Al合金板の歪みが生じるに
至る。
【0069】本発明で言うAl合金板の直接冷却水が噴射
される板の局所領域とは、前記図2で示した通り、Al合
金板1 の走行 (通板) 方向A に対し多段に配置された冷
却水噴射ノズル列2a〜2dにより、走行中の板に直接冷却
水をかけて焼き入れる際、走行中の板1 の、冷却水噴射
ノズル列2a〜2d直下の、直接冷却水が噴射される局所領
域3a〜3dである。この局所領域3a〜3dは、直接冷却水が
噴射されない領域4a〜4cと明確に区別しうる。
【0070】但し、焼き入れ処理全般に渡って、直接冷
却水が噴射される局所領域3a〜3dをこのような緩冷却と
した場合には、焼き入れ開始から120 ℃以下の温度まで
の焼き入れ処理の平均冷却速度が100 ℃/ 秒未満となる
可能性があり、その場合には、前記したフラットヘム加
工性やプレス成形性の著しく低下が起る。
【0071】また、Al合金板表面の歪みの発生は、溶体
化処理温度からの冷却の初期段階、例えば、Al合金板が
300 ℃以上の高温領域での冷却の際により問題となる。
一方、耐力が高くなる300 ℃以下の領域では、歪み発生
の問題は小さくなる。
【0072】したがって、前記焼き入れ開始から120 ℃
以下の温度までの焼き入れ処理の平均冷却速度を確保す
るために、Al合金板が300 ℃以下の低温領域では、直接
冷却水が噴射される個々の局所領域の冷却速度を300 ℃
/ 秒を超える大きな冷却速度とし、直接冷却水が噴射さ
れる板の局所領域全体の平均冷却速度を300 ℃/ 秒以下
とすることも可能である。例えば、図1 の高温での局所
領域3a、3bの平均冷却速度を300 ℃/ 秒以下に制御し、
低温での局所領域3c、3dの平均冷却速度を300℃/ 秒以
下とし、局所領域3a〜3d全体の平均冷却速度を300 ℃/
秒以下とすることも可能である。
【0073】なお、本発明でいう、前記平均冷却速度と
は、直接冷却水が噴射される板の個々の局所領域 (図1
の3a〜3d) や直接冷却水が噴射されない板の個々の領域
(図1 の4a〜4c) の冷却速度を、領域数で平均化したも
のである。
【0074】通常、この種焼き入れ処理に使われる、孔
やスリットが設けられたスプレイノズル列あるいはスリ
ットノズル列による水の噴霧やシャワーによる冷却は、
従来の平均冷却速度を大きくする思想にもとづいてい
る。このため、直接冷却水が噴射される板の局所領域の
平均冷却速度は、通常の条件では、300 ℃/ 秒を大きく
超える600 〜1000℃/ 秒のレベルである。このため、流
量を絞ったとしても、直接冷却水が噴射される板の局所
領域の冷却速度を300 ℃/ 秒以下に制御するのは難し
い。また、流量を絞った場合には、Al合金板表面の冷却
が不均一となり易く、本発明で問題とする局部歪みも発
生し易い。
【0075】この点、直接冷却水が噴射される板の局所
領域の冷却速度を300 ℃/ 秒以下に制御するためには、
Al合金板の冷却を、通板方向の直接冷却域 (直接噴射
域) が大きい、角吹きスプレイノズルを用いて行い、か
つ、通板されるAl合金板面に対向して配置されたノズル
列により行うことが好ましい。
【0076】図2 〜図4 は、上記本発明の冷却速度を得
るためのスプレイノズルの好ましい実施態様を平面図で
示している。図2 、3 は、通板されるAl合金板1 面に対
向して配置された角吹きスプレイノズル列5a〜5d、5a〜
5hを、各々板1 の通板方向の上手側より順に配置した態
様を示している。図2 は冷却水配管9 を通じて角吹きス
プレイノズル列5a〜5dを比較的粗に間隔を開けて、図3
は2 系列の冷却水配管9a、9bを通じて角吹きスプレイノ
ズル列5a〜5hを比較的密に間隔を詰めて配置している。
このような角吹きスプレイノズル列の配置間隔は本発明
の冷却速度を得るため、および経済性の観点から、適宜
選択される。
【0077】また、図4 は冷却水配管9 を通じて、噴射
孔8 が設けられた、楕円吹きのスプレイノズル列7a〜7d
を、通板されるAl合金板1 面に対向して配置した態様を
示している。
【0078】これらのスプレイノズルの内、特に、図2
、3 の前記角吹きスプレイノズル列によって、直接冷
却水が噴射される板の局所領域( 図1 の3a〜3d) の平均
冷却速度を300 ℃/ 秒以下に制御するとともに、直接冷
却水が噴射される板の局所領域を広げ、直接冷却水が噴
射されない板の領域 (図1 の4a〜4c) の幅を狭くして、
平均冷却速度との差を緩和 (小さく) して、焼き入れ処
理後のAl合金板の歪みを防止乃至抑制することができ
る。
【0079】Al合金板の走行 (通板) 方向に対し多段に
配置された冷却水噴射ノズル列により、走行中の板に直
接冷却水をかけて焼き入れるタイプの焼き入れの場合に
は、前記した通り、直接冷却水が噴射されない板の領域
が必然的に生じる。このため、直接冷却水が噴射される
板の局所領域の平均冷却速度の制御とともに、直接冷却
水が噴射される板の局所領域を広げ、直接冷却水が噴射
されない板の領域の幅を狭くすることも、より、両領域
の平均冷却速度との差を緩和して、焼き入れ処理後のAl
合金板の歪みを防止乃至抑制するのに有効となる。
【0080】角吹きスプレイノズルは、図5(a)の正面図
に示すように、水乃至水と空気との混合ミストの噴射や
噴霧 (スプレイ) 口6 からノズル5 がAl合金板1 面に対
向する四角形状の広角となって広がっている。このた
め、図5(b)の平面図に示すように、スプレイされる水乃
至水と空気との混合ミストの分布5a、5bが、他の構造の
スプレイノズルに比して、均一かつ幅広く、かつ重なり
合って分布し易い。
【0081】このため、角吹きスプレイノズルを用いる
と、通板方向の直接冷却域 (直接噴射域) が大きく、直
接冷却水が噴射される板の局所領域の冷却速度を300 ℃
/ 秒以下に制御するのは容易である。また、噴射域が円
形となる通常のスプレイノズルに比して、通板方向の水
冷開始点が板幅方向に揃い易くなる。このため、水冷開
始点を含め、Al合金板表面への冷却水噴射量が均一とな
り、Al合金板表面の均一な冷却が図れる。更に、直接冷
却水が噴射される板の局所領域を広げ、直接冷却水が噴
射されない板の領域の幅を狭くすることができる。この
結果、Al合金板の成形性などの諸特性を確保した上で、
本発明で問題とする局部的な歪みをより抑制することが
できる。
【0082】これに対し、前記図4 や図7 などの、通常
この種焼き入れ処理に使われる、楕円吹きなどのスプレ
イノズル列は、図6(a)の正面図に示すように、水乃至水
と空気との混合ミストの噴射や噴霧 (スプレイ) 孔8 か
らノズル7 がAl合金板1 面に対向する幅の狭い楕円状と
なって広がっている。このため、図6(b)の平面図に示す
ように、スプレイされる水乃至水と空気との混合ミスト
の分布7a、7bが、角吹きスプレイノズルに比して、幅狭
く、不均一な冷却となり易い。
【0083】ただ、前記角吹きスプレイノズル列を必須
とし、これに、前記図4 や図7 などのスプレイノズル列
や、スリットノズル列などを組み合わせても良い。即
ち、両者のノズル列を交互に配置する、あるいは、上流
側に角吹きスプレイノズル列を配置し下流側 (低温側)
にスプレイノズル列やスリットノズル列を配置するなど
しても良い。
【0084】本発明では、以上の溶体化処理後の焼き入
れ処理後、直ちに50〜120 ℃の範囲で保持する比較的低
温の時効処理を施すことが好ましい。この時効処理によ
って、Al合金板のミクロ組織中に、Si- 空孔、Si/ 空孔
クラスターの生成を抑制し、Si-Si やMg/Si クラスター
が生成したものとすることができる。この結果、Al合金
板の室温時効抑制と低温時効硬化能の特性が向上する。
【0085】この時効処理は、溶体化処理後の焼入れ終
了温度を50〜120 ℃と高くし、直ちに再加熱するか、あ
るいはそのままの温度に保持して行う、あるいは、溶体
化処理後常温までの焼入れ処理の後に、直ちに50〜120
℃に再加熱して行うことが好ましい。これらの時効処理
は、連続溶体化焼き入れ処理ライン (工程) 中で行うこ
とが好ましい。この場合、前記高温乃至室温焼入れ終了
後、ライン中に設置した再加熱装置を用いて、通板中の
板を再加熱して50〜120 ℃の高温で巻き取り、コイル状
態で前記高温保持乃至放冷する方法が効率的である。
【0086】時効処理温度が50℃未満では、また保持時
間が不足した場合には、Si- 空孔、Si/ 空孔クラスター
自体の生成を抑制できない。このため、目的とする低温
時効硬化能が得られない。一方、120 ℃を越える温度で
は、また、保持時間が長過ぎると、β' 相が析出して時
効が進み過ぎ、強度が高くなりすぎるため、成形性が著
しく低下する。
【0087】なお、この時効処理後、室温時効を抑制あ
るいは耐力を制御するなどのために、適当な条件で、亜
時効処理や時効処理などのT6やT7に相当する調質を行う
こともできる。また、焼き入れ処理後に、ローラーレベ
ラーやテンションレベラー、あるいはストレッチやスキ
ンパス軽圧下等の矯正処理を行っても良い。但し、本発
明によって、焼き入れ処理時の局部的な歪みは抑制され
ているため、その矯正処理の程度は、大きく発生した局
部的な歪み自体を除去するための従来の矯正処理に比し
て、著しく軽度となる。
【0088】これらの調質処理の後に、Al合金板表面の
洗浄などを必要に応じて適宜行い、製品板とする。ま
た、製品Al合金板をプレス成形されるまで保管する際
の、耐食性を確保するために、Al合金板表面に防錆油や
潤滑油を塗布することも有効である。
【0089】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。表1 に示
す組成のAl合金の鋳塊をDC鋳造法により溶製後、540 ℃
×8 時間の範囲で均質化熱処理を施し、厚さ3.5mm まで
熱間圧延した。この熱間圧延板を、空気炉で375 ℃×3
時間の焼鈍を行い、更に、厚さ1.0mm 、幅1600mmの薄板
まで冷間圧延し、冷延板コイルを作成した。
【0090】この冷延板コイルを巻き戻しながら、連続
熱処理炉に通板し、加熱速度200 ℃/ 分で、550 ℃の温
度で (表2 の発明例No.9のみ520 ℃の温度)10 秒保持す
る溶体化処理後、直ちに、表2 に示す各条件で、前記図
2 に示した角吹きスプレイノズル列での冷却水 (但し、
水と空気との混合ミストを使用) の流量密度を適宜変え
ることにより、焼き入れ開始から120 ℃以下の温度まで
の焼き入れ処理の平均冷却速度および直接冷却水が噴射
される板の局所領域の冷却速度を制御し、室温まで焼入
れ処理を行った。なお、表2 中のAl合金番号は、表1 の
Al合金番号に対応している。
【0091】この焼入れ処理後、表2 に示す巻き取り温
度で板をコイル化した。なお、表2の内、巻き取り温度
が80℃のものは、前記室温焼入れ後に80℃に再加熱して
コイルに巻き取った。また、巻き取り温度が室温のもの
は、前記室温焼入れ後にそのままコイルに巻き取った。
【0092】これらのコイルより供試材を採取し、Al合
金板が長期間放置されて室温時効し、その後、自動車の
外板としてプレス成形乃至塗装焼き付け処理されること
を模擬して、溶体化焼入れ処理後に室温で4 カ月時効後
のAl合金板の機械的な特性 (耐力) 、平坦度や成形性、
および塗装焼き付け後の機械的な特性 (耐力) を評価し
た。これらの結果も表2 に示す。
【0093】このうち、Al合金板の耐力 (σ0.2)は、JI
S Z 2241法にて引張試験を行って測定した。なお、引張
方向はLT= 圧延方向に対し90°方向とした。
【0094】また、Al合金板の歪み矯正後の平坦度の評
価は、Al合金板表面の目視および軟砥石による研磨した
際のAl合金板表面の目視により行い、本発明で問題とす
る局部的な歪み (径が150mm 以下のクレーター状の凹
み) がなく表面が平滑であるものを〇、前記局部的な歪
みが板の長手方向に明らかに連続して認められるものを
×、前記局部的な歪みが目視では判別しにくいものの生
じているものを△として評価した。
【0095】そして、成形性は前記室温時効後の供試材
をブランク材として、大型プレス機を用いてプレス成形
し、シワ押さえ力(BHF) が70トン以上で割れを生じずに
成形可能であったものを◎、BHF が40〜60トン以上で割
れを生じずに成形可能であったものを〇、BHF が40トン
以下で割れを生じて成形不可であったものを×として評
価した。
【0096】更に、前記室温時効後の供試材にストレッ
チを行って10% の予歪みを与えた後、曲げ半径0.5mm に
て180 度曲げ試験を行った。そして、試験後の試験片の
曲げ部表面の割れの状況を目視観察した結果、曲げ部表
面に凹部状の割れも肌あれも発生しなかったものを○と
し、曲げ部表面に凹部が発生しており、この凹部の最底
部に新生面が観察されたものを割れが発生したとして×
とした。なお、前記凹部の最底部に新生面が観察されな
いものは肌あれが発生したと評価される。
【0097】また、塗装焼付硬化後に相当するAl板の耐
力として、前記室温時効後の供試材にストレッチを行っ
て2%の予歪みを与えた後、150 ℃×20分の加熱を行った
後の耐力 (σ0.2)も測定した。
【0098】表2から明らかな通り、本発明成分範囲内
で、かつ、本発明条件範囲内で、溶体化処理および120
℃以下の温度まで板を冷却する焼き入れ処理を行い(直
接冷却水が噴射される板の局所領域の平均冷却速度を30
0 ℃/ 秒以下にし、かつ、焼き入れ開始から120 ℃以下
の温度までの平均冷却速度を100 ℃/ 秒以上)とし、焼
き入れ処理後の耐力を110 〜160MPaの範囲とした発明例
No.1〜10は、本発明で問題とする局部的な歪みが抑制さ
れ、平坦度に優れている。
【0099】また、発明例No.1〜10は、4 カ月間の室温
時効 (経過) 後でも、プレス成形性やフラットヘム加工
性などの成形性に優れており、150 ℃×20分の低温短時
間化された人工時効処理であっても、パネル構造体用途
に必要な、170MPa以上の耐力となる低温時効硬化能にも
優れている。
【0100】但し、直接冷却水が噴射される板の局所領
域の平均冷却速度が比較的大きい発明例No.6、7 は本発
明で問題とする局部的な歪みが、矯正可能な範囲ではあ
るが、若干発生しており、平坦度が他の発明例に比較し
て劣る。また、直接冷却水が噴射される板の局所領域の
平均冷却速度が比較的小さい発明例No.8は、歪みの問題
はないものの、焼き入れ開始から120 ℃以下の温度まで
の平均冷却速度が比較的小さく、他の発明例に比較し
て、プレス成形性やフラットヘム加工性などの成形性に
劣る。この結果から、本発明の直接冷却水が噴射される
板の局所領域の平均冷却速度規定の意義が分かる。
【0101】これに対し、Si量が本発明の上限を越えた
(表 1のNo.6Al合金) 比較例No.11は、本発明溶体化焼
き入れ処理条件範囲内で処理したので、本発明で問題と
する局部的な歪みは無く、平坦度に優れている。しか
し、各々、Si量が本発明の上限を越えているので、プレ
ス成形性やヘム加工性などの加工性に劣る。
【0102】また、Si量が本発明の下限を下回るか、Si
過剰型ではない (表 1のNo.7、8 Al合金を用いた) 比較
例No.12 、13は、本発明溶体化焼き入れ処理条件範囲内
で処理したので、平坦度には優れているものの、150 ℃
×20分の低温短時間化された人工時効処理では耐力が比
較的低く、更に、プレス成形性が劣る。
【0103】更に、比較例No.14 、15は、本発明Al合金
成分範囲内だが、直接冷却水が噴射される板の局所領域
の平均冷却速度が本発明規定の下限を下回り、比較例N
o.15は焼き入れ開始から120 ℃以下の温度までの平均冷
却速度も本発明規定の下限を下回っている。この結果、
歪みの問題はないものの、発明例に比較して、プレス成
形性や、特にフラットヘム加工性などの成形性に劣る。
【0104】比較例No.16 、17は、本発明Al合金成分範
囲内だが、直接冷却水が噴射される板の局所領域の平均
冷却速度が本発明規定の上限を上回り、本発明で問題と
する局部的な歪みが発生しており、平坦度が発明例に比
較して著しく劣る。
【0105】したがって、これらの結果から、本発明に
おける各規定の臨界的意義が裏付けられる。
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、連続熱処理炉におい
て、ライン速度の高速化や、Al合金板 (コイル) の薄肉
化や広幅化により生じる、局部的な歪み改善と材料特性
の向上との問題を同時に解決する、成形性と平坦度に優
れたAl合金板の連続溶体化焼き入れ処理方法を提供する
ことができる。したがって、Al合金板の自動車、車両、
船舶などの輸送機材用への用途の拡大を図ることができ
る点で、多大な工業的な価値を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】直接冷却水が噴射される板の局所領域の冷却速
度を示す説明図である。
【図2】本発明に係る焼き入れ処理の好ましい冷却手段
を示す平面図である。
【図3】本発明に係る焼き入れ処理の好ましい冷却手段
を示す平面図である。
【図4】本発明に係る焼き入れ処理の冷却手段を示す平
面図である。
【図5】図2 、3 の冷却手段の冷却範囲を示す説明図で
ある。
【図6】図4 の冷却手段の冷却範囲を示す説明図であ
る。
【図7】焼き入れ処理におけるAl合金板の冷却域を示す
平面図である。
【図8】焼き入れ処理におけるAl合金板の局部的な歪み
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:Al合金板、2:冷却ノズル、3:直接冷却水が噴射される
板の局所領域、4:直接冷却水が噴射されない板の局所領
域、5:角吹きノズル、X: 局部的な歪み (クレーター状
の凹凸 )
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 623 C22F 1/00 623 630 630A 630K 631 631 691 691B 692 692A 692B (72)発明者 大山 正直 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 (72)発明者 山口 浩二 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si過剰型のAl-Mg-Si系アルミニウム合金
    板を連続的に通板して溶体化焼き入れ処理を行う方法に
    おいて、溶体化処理後、通板方向に多段に配置された冷
    却水噴射ノズル列により通板中の板を冷却する焼き入れ
    処理を行うに際し、冷却水が直接噴射される板の局所領
    域の平均冷却速度を300 ℃/ 秒以下に制御し、かつ、焼
    き入れ開始から120 ℃以下の温度までの平均冷却速度を
    100 ℃/ 秒以上とし、アルミニウム合金板の焼き入れ処
    理後の耐力を110 〜160MPaの範囲とすることを特徴とす
    る成形用アルミニウム合金板の連続溶体化焼き入れ処理
    方法。
  2. 【請求項2】 前記焼き入れ処理後、直ちに50〜120 ℃
    の範囲にアルミニウム合金板を保持する請求項1に記載
    の成形用アルミニウム合金板の連続溶体化焼き入れ処理
    方法。
  3. 【請求項3】 前記冷却水噴射ノズルに、通板方向の水
    冷開始点が板幅方向に揃う噴射パターンのノズルを用い
    る請求項2に記載の成形用アルミニウム合金板の連続溶
    体化焼き入れ処理方法。
  4. 【請求項4】 前記冷却水噴射ノズル列の第1段目に、
    通板方向の水冷開始点が板幅方向に揃う噴射パターンの
    ノズル列を配置する請求項2または3に記載の成形用ア
    ルミニウム合金板の連続溶体化焼き入れ処理方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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