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JP2003066316A - ズームレンズ装置およびこれを用いた光学機器ならびにプロジェクタ - Google Patents

ズームレンズ装置およびこれを用いた光学機器ならびにプロジェクタ

Info

Publication number
JP2003066316A
JP2003066316A JP2002034523A JP2002034523A JP2003066316A JP 2003066316 A JP2003066316 A JP 2003066316A JP 2002034523 A JP2002034523 A JP 2002034523A JP 2002034523 A JP2002034523 A JP 2002034523A JP 2003066316 A JP2003066316 A JP 2003066316A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
lens group
zoom
variator
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002034523A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumitaka Yajima
章隆 矢島
Shuji Narimatsu
修司 成松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2002034523A priority Critical patent/JP2003066316A/ja
Publication of JP2003066316A publication Critical patent/JP2003066316A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Projection Apparatus (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学特性の劣化を回避することのできるズー
ムレンズ装置、光学機器並びにプロジェクタを提供する
こと。 【解決手段】 ズームレンズ装置10を構成する各レン
ズ11、12、13、14、15のうち、バリエータレ
ンズ群を構成する2つのレンズ群(第2および第4のレ
ンズ群12、14)の間には、第3のレンズ群13(コ
ンペンセータレンズ群)が配置されているが、バリエー
タレンズ群を構成する2つのレンズ群(第2および第4
のレンズ群12、14)については、共通のバリエータ
レンズ枠22に保持して一体に移動させる。このような
構成によって、複数のレンズ群を組み合わせても、レン
ズ群間での偏芯に起因する光学特性の劣化を回避するこ
とのできるズームレンズ装置、光学機器並びにプロジェ
クタを提供することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の属する技術分野】本発明は、ズームレンズ装
置、このズームレンズ装置を用いた光学機器、並びにプ
ロジェクタに関するするものである。さらに詳しくは、
ズームレンズ装置の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロジェクタ、一眼レフカメラ、ビデオ
カメラ、電子カメラ、医療機器等の機器において、ワイ
ド(広角)状態からテレ(望遠)状態、あるいはテレ状
態からワイド状態にズーミング操作を行なうためのズー
ムレンズ装置が用いられている。このようなズームレン
ズ装置では、1枚または複数枚のレンズからなるレンズ
群が、光軸方向に複数群、配置されている。これらの複
数のレンズ群には、フォーカス用レンズ群、ズーミング
操作時に光軸方向に移動する2つのレンズ群を有する変
倍用のバリエータレンズ群が含まれている。また、ズー
ムレンズ装置では、ズーミング操作の途中、バリエータ
レンズ群の移動に伴って焦点位置がずれる。そこで、そ
れを補償することを目的に、バリエータレンズ群を構成
する2つのレンズ群の間には、バリエータレンズ群に連
動して光軸方向に移動するコンペンセータレンズ群が配
置されている。
【0003】このように構成したズームレンズ装置にお
いて、ズーミング操作時には、フォーカス用レンズ群、
バリエータレンズ群、およびコンペンセータレンズ群が
光軸方向に移動するので、これらのレンズ群を共通のレ
ンズ枠に保持させ、一体に移動させる構成が考えられ
る。しかし、コンペンセータレンズ群は、バリエータレ
ンズ群に連動して移動するといっても、その移動パター
ンが異なっている。このため、フォーカス用レンズ群、
バリエータレンズ群、およびコンペンセータレンズ群を
一体に保持、移動させると、コンペンセータを適正に行
なうことができない。
【0004】そこで、従来は、ズーミング操作時に光軸
方向に移動するフォーカス用レンズ群、バリエータレン
ズ群、コンペンセータレンズ群などの可動レンズ群を、
レンズ群毎にレンズ枠に保持し、レンズ群毎に駆動する
ようにしていた。すなわち、バリエータレンズ群を構成
する2つのレンズ群は、同一方向への移動を行なうもの
であるが、それぞれが別々のレンズ枠に保持されて、別
々に駆動されていた。
【0005】このような駆動を行なうにあたって、ズー
ムレンズ装置において、可動レンズ群を保持するレンズ
枠の各々から駆動ピンが突出している一方、これらの駆
動ピンは、共通のズームリングに形成された複数のカム
溝の各々に嵌まっている。ここで、カム溝は、ズーミン
グ操作を行なった時の各可動レンズ群の光軸方向の移動
を規定するものであるから、可動レンズ群毎に所定のパ
ターンで形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ズームレンズ装置では、各レンズ群内における偏芯、す
なわち光軸のずれは比較的、容易に解消できるものの、
各レンズ群間の偏芯は解消できない。よって、各レンズ
群間の偏芯に起因する光学特性の劣化、例えば収差やこ
れによって生じるフレアの発生を解消できないという問
題点がある。また、このようにレンズ群間の偏芯に起因
して収差やこれによって生じるフレアなどの不具合が発
生しても、複数のレンズ群のいずれに不具合があるかを
特定するのは、かなり手間のかかる作業であり、量産工
程の中で行なうのは不可能といえる。
【0007】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
複数のレンズ群を組み合わせたズームレンズ装置におい
て、レンズ群間での偏芯に起因する光学特性の劣化を低
減することのできる構成を提供することにある。
【0008】また、本発明の課題は、このズームレンズ
装置を用いて、光学特性を向上することのできる光学機
器並びにプロジェクタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、ズーミング操作時に光軸方向に移動す
る2つのレンズ群を有するバリエータレンズ群と、前記
2つのレンズ群の間に配置され、前記バリエータレンズ
群に連動して光軸方向に移動するコンペンセータレンズ
群とを備えたズームレンズ装置において、前記2つのレ
ンズ群は、共通のバリエータレンズ枠に保持されて一体
に移動するように構成されていることを特徴とする。
【0010】本発明では、バリエータレンズ群を構成す
る2つのレンズ群の間にコンペンセータレンズ群が配置
されているにもかかわらず、これらのレンズ群が共通の
バリエータレンズ枠に保持されて一体に移動するように
構成されている。すなわち、バリエータレンズ群を構成
する2つのレンズ群がコンペンセータレンズ群を挟んで
離れた位置に配置されるにもかかわらず、ズーミング操
作時には一体となって移動する。このため、バリエータ
レンズ群を構成する2つのレンズ群間の偏芯を解消する
ことが可能である。ここで、レンズ群間の偏芯に起因す
る光学特性の劣化を防止するには、他のレンズ群間で偏
芯を解消するよりも、バリエータレンズ群を構成するレ
ンズ群間で偏芯を解消する方が、極めて効果的である。
バリエータレンズ群を構成するレンズ群は、通常、他の
レンズ群よりもレンズパワーが大きいため、偏芯による
収差等の影響が他のレンズ群の場合よりも大きいからで
ある。本発明では、バリエータレンズ群を構成する2つ
のレンズ群間の偏芯を解消できるため、レンズの偏芯に
起因する光学特性の劣化を極めて効果的に緩和すること
ができる。
【0011】また、本発明によれば、実質的には、レン
ズ群の数を1つ減らしたのと同じ構成になるため、レン
ズ群間での偏芯も発生しにくいという利点がある。さら
に、ズームレンズ装置の組立工程も簡略化できる。
【0012】本発明は、特に、バリエータレンズ群を構
成する2つのレンズ群が、偏芯に起因する収差の影響を
互いに相殺し合う特性を有している場合に効果が大き
い。その理由は、以下の通りである。従来技術の如く、
バリエータレンズ群を構成する2つのレンズ群が別々の
レンズ枠に保持されている場合は、2つのレンズ群が異
なる方向に偏芯する可能性がある。この場合、レンズ群
の偏芯に起因する光学特性の劣化は著しいものとなる。
一方、本発明では、バリエータレンズ群を構成する2つ
のレンズ群が同一のバリエータレンズ枠に保持されてい
る。よって、バリエータレンズ群を構成する2つのレン
ズ群が偏芯したとしても、2つのレンズ群は同じ方向に
偏芯することになる。よって、2つのレンズ群に収差の
影響を互いに相殺し合う特性を持たせておけば、バリエ
ータレンズ群が偏芯したとしても、バリエータレンズ群
内での収差の影響は相殺され、結果として収差を少なく
抑えることが可能となる。
【0013】本発明は、前記レンズ群が、前記光軸方向
に5群配置されているズームレンズ装置に適用すると効
果的であるが、前記レンズ群が、前記光軸方向に6群以
上配置されているズームレンズ装置に適用してもよい。
【0014】また、本発明において、さらに、前記コン
ペンセータレンズ群を保持するコンペンセータレンズ群
と、前記バリエータレンズ枠と前記コンペンセータレン
ズ枠の外周側に突出するように設けられた駆動ピンと、
前記駆動ピンをそれぞれ案内してズーミング操作時の各
可動レンズ群の光軸方向での移動パターンを規定するカ
ム溝が形成されたズームリングとを設け、前記バリエー
タレンズ枠に、前記コンペンセータレンズ枠から突出す
る前記駆動ピンを前記カム溝内まで届かせるための開口
を設けることが好ましい。このような構成を採用すれ
ば、容易にズーミング操作を行なうことが可能である。
【0015】さらに、本発明において、像側から最も遠
い位置にバリエータレンズ群、コンペンセータレンズ群
以外のレンズ群を設ければ、このレンズ群に、収差、特
に、像面湾曲収差を補償する機能を持たせることが可能
となるため、ズームレンズ装置の性能をより向上させる
ことが可能となる。また、このレンズ群には、ズームレ
ンズ装置を略テレセントリック系にする機能を持たせる
ことも可能となる。よって、テレセントリック系のズー
ムレンズ装置を必要とするプロジェクタなどの光学機器
と本発明のズームレンズ装置とを組み合わせる場合に
は、像側から最も遠い位置に、バリエータレンズ群、コ
ンペンセータレンズ群以外のレンズ群を設けると有利で
ある。
【0016】そして、このとき、像側から最も遠い位置
に配置されたレンズ群のみを固定レンズ群として構成
し、その他のレンズ群をズーミング操作時に光軸方向に
移動可能な可動レンズ群として構成することが可能であ
る。一方、このような場合に、すべてのレンズ群を可動
とすることも可能である。像側から最も遠い位置に配置
されたレンズ群のみを固定レンズ群として構成した場合
には、ズームレンズ装置の構造を簡素化できるため、製
造コストを低減することが可能となる。よって、性能が
高くかつ安価なズームレンズ装置を提供することが可能
となる。一方、すべてのレンズ群を可動とすれば、像側
から最も遠い位置に配置されたレンズ群に持たせた機能
を、ワイド状態からテレ状態の全域にわたって得ること
ができるため、より性能の高いズームレンズ装置を提供
することが可能となる。
【0017】また、バリエータレンズ群とコンペンセー
タレンズ群の他にも可動レンズ群を設けた場合には、こ
れらの可動レンズ群もレンズ枠によって保持し、それぞ
れのレンズ枠の外周側から突出するように駆動ピンを設
け、ズームリングには、これらの駆動ピンをそれぞれ案
内してズーミング操作時の各可動レンズ群の光軸方向で
の移動パターンを規定するカム溝を形成することが好ま
しい。このような構成を採用すれば、容易にズーミング
操作を行なうことが可能となる。本発明では、バリエー
タレンズ群を2つのレンズ群で構成しているため、この
ように同一のズームリングですべての可動レンズ群を案
内する構成とした場合でも、カム溝を1つ分少なくする
ことができる点で有利である。
【0018】なお、本発明のズームレンズ装置におい
て、各レンズ群は、1枚または複数のレンズによって構
成することが可能である。
【0019】本発明のズームレンズ装置は、一眼レフカ
メラ、ビデオカメラ、電子カメラ、医療機器等の光学機
器に用いることができる。
【0020】また、本発明のズームレンズ装置は、液晶
装置の他、マイクロミラーを用いた変調装置や、CRT
を画像形成装置として用いたプロジェクタに用いること
もできる。
【0021】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明の実施の
形態を説明する。本発明を適用したズームレンズ装置
は、各種の機器に適用できるが、ここでは、プロジェク
タの拡大投射系に適用した例を説明する。
【0022】実施の形態1 A.プロジェクタの構成 図1は、本発明が適用されるプロジェクタの一実施形態
にかかる光学系の構成を示す概略平面図である。なお、
以下の説明では、特に説明のない限り、光の進行方向を
z軸の正方向、z軸の正方向側からみて12時の方向を
y軸の正方向、3時の方向をx軸の正方向とする。
【0023】図1に示すように、プロジェクタ1は、光
源ユニット201と、光学ユニット301と、拡大投射
系としてのズームレンズ装置10とを有している。
【0024】光学ユニット301は、第1の光学要素3
20、第2の光学要素330、および重畳レンズ370
を備えたインテグレータ光学系300を有している。ま
た、光学ユニット301は、ダイクロイックミラー38
2、386、および反射ミラー384を含む色光分離光
学系380を有している。さらに、光学ユニット301
は、入射側レンズ392、リレーレンズ396、および
反射ミラー394、398を含む導光光学系390を有
している。さらにまた、光学ユニット301は、3枚の
フィールドレンズ400、402、404、画像形成装
置としての3枚の液晶装置410R、410G、410
B、およびクロスダイクロイックプリズム420を有し
ている。
【0025】光源ユニット201は、光学ユニット30
1の第1の光学要素320の入射面側に配置されてい
る。ズームレンズ装置10は、光学ユニット301のク
ロスダイクロイックプリズム420の出射面側に配置さ
れている。
【0026】図2は、図1に示すプロジェクタ1の照明
領域である3枚の液晶装置を照明するインテグレータ照
明光学系について示す説明図である。図3(A)、
(B)、(C)はそれぞれ、第1の光学要素320の外
観を示す正面図、側面図およびこの第1の光学要素32
0の小レンズが形成されている側の一部を拡大して示す
斜視図である。図4(A)、(B)はそれぞれ、偏光変
換素子アレイの外観を示す斜視図、およびこの偏光変換
素子アレイの機能を示す説明図である。なお、図2は、
説明を容易にするため、インテグレータ照明光学系の機
能を説明するための主要な構成要素のみを示している。
【0027】図2に示すインテグレータ照明光学系は、
光源ユニット201に備えられた光源200と、光学ユ
ニット301に備えられたインテグレータ光学系300
とを有している。インテグレータ光学系300は、第1
の光学要素320、第2の光学要素330、および第3
の光学要素である重畳レンズ370を備えている。第2
の光学要素330は、集光レンズ340、遮光板350
および偏光変換素子アレイ360を備えている。
【0028】光源200は、光源ランプ210および凹
面鏡212を備えている。光源ランプ210から出射さ
れた放射状の光は、凹面鏡212によって反射されて略
平行な光線束として第1の光学要素320の方向に出射
される。光源ランプ210としては、ハロゲンランプや
メタルハライドランプ、高圧水銀ランプが用いられるこ
とが多い。凹面鏡212としては、放物面鏡や楕円面鏡
を用いることが可能である。光源200には、凹面鏡2
12から射出された光を平行化するレンズを設けること
もある。
【0029】図3(A)、(B)、(C)において、第
1の光学要素320は、矩形状の輪郭を有する小レンズ
321が、縦方向にM行、横方向に2N列のマトリクス
状に配列されたレンズアレイである。レンズ横方向中心
からは、左方向にN列、右方向にN列存在する。この例
では、M=10、N=4である。各小レンズ321をz
方向から見た外形形状は、液晶装置410の形状と略相
似系をなすように設定されている。例えば、液晶装置の
画像形成領域のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が
4:3であるならば、各小レンズ321のアスペクト比
も4:3に設定される。また、図2に示すように、第2
の光学要素330にも集光レンズ340が形成されてい
るが、この集光レンズ340は、図3を参照して説明し
た第1の光学要素320と同様な構成のレンズアレイで
ある。なお、第1の光学要素320および集光レンズ3
40のレンズの向きは、+z方向あるいは−z方向のど
ちらを向いていてもよい。また、図2に示すように互い
に反対の方向を向いていても良い。
【0030】偏光変換素子アレイ360は、図2に示し
たように、2つの偏光変換素子アレイ361、362が
光軸を挟んで対称な向きに配置された構成となってい
る。
【0031】この偏光変換素子アレイ361は、図4
(A)に示すように、偏光ビームスプリッタアレイ36
3と、偏光ビームスプリッタアレイ363の光出射面の
一部に選択的に配置されたλ/2位相差板364(図中
斜線で示す。)とを備えている。偏光ビームスプリッタ
アレイ363は、それぞれ断面が平行四辺形の柱状の複
数の透光性部材365が、順次貼り合わされた形状を有
している。透光性部材365の界面には、偏光分離膜3
66と反射膜367とが交互に形成されている。λ/2
位相差板364は、偏光分離膜366あるいは反射膜3
67の光の出射面のx方向の写像部分に、選択的に貼り
つけられる。この例では、偏光分離膜366の光の出射
面のx方向の写像部分にλ/2位相差板364を貼りつ
けている。
【0032】このように構成した偏光変換素子アレイ3
61は、入射した光を1種類の直線偏光光(例えば、s
偏光光やp偏光光)に変換して出射する機能を有する。
【0033】すなわち、図4(B)に示すように、偏光
変換素子アレイ361の入射面に、s偏光成分とp偏光
成分とを含む非偏光光(ランダムな偏光方向を有する入
射光)が入射すると、この入射光は、まず、偏光分離膜
366によってs偏光光とp偏光光に分離される。s偏
光光は、偏光分離膜366によって略垂直に反射され、
反射膜367によってさらに反射されてから出射され
る。一方、p偏光光は、偏光分離膜366をそのまま透
過する。偏光分離膜を透過したp偏光光の出射領域には
λ/2位相差板364が配置されており、このp偏光光
は、s偏光光に変換されて出射される。従って、偏光変
換素子アレイ361を透過した光は、そのほとんどがs
偏光光となって出射される。また、偏光変換素子アレイ
361から出射される光をp偏光光としたい場合には、
λ/2位相差板364を、反射膜367によって反射さ
れたs偏光光が出射する出射面に配置するようにすれば
よい。
【0034】このように、偏光変換素子アレイ361
は、隣り合う1つの偏光分離膜366および1つの反射
膜367を含み、さらに1つのλ/2位相差板364で
構成される1つのブロックを、1つの偏光変換素子36
8とみなすことができる。従って、偏光変換素子アレイ
361は、このような偏光変換素子368が、x方向に
複数列配列されたものといえる。ここで示す例では、4
列の偏光変換素子368で構成されている。なお、偏光
変換素子アレイ362は偏光変換素子アレイ361と全
く同様の構成であるので、説明を省略する。
【0035】このように構成したプロジェクタ1におい
て、図2に示す光源200から出射された非偏光な光
は、インテグレータ光学系300を構成する第1の光学
要素320の複数の小レンズ321および第2の光学要
素330に含まれる集光レンズ340の複数の小レンズ
341によって複数の部分光束202に分割されるとと
もに、2つの偏光変換素子アレイ361、362の偏光
分離膜366の近傍に集光される。ここで、集光レンズ
340は、第1の光学要素320から出射された複数の
部分光束が2つの偏光変換素子アレイ361、362の
偏光分離膜366上に集光されるように導く機能を有し
ている。従って、2つの偏光変換素子アレイ361、3
62に入射した複数の部分光束は、図4(B)を参照し
て説明したように、1種類の直線偏光光に変換され出射
される。2つの偏光変換素子アレイ361、362から
出射された複数の部分光束は、重畳レンズ370によっ
て後述する液晶装置上で重畳される。従って、このイン
テグレータ照明光学系は液晶装置を均一に照明すること
ができる。
【0036】図1に示した反射ミラー372は、重畳レ
ンズ370から出射された光を色光分離光学系380の
方向に導くために設けられている。この反射ミラー37
2は、照明光学系の構成によっては必ずしも必要とされ
ない。
【0037】色光分離光学系380は、2枚のダイクロ
イックミラー382、386を備え、重畳レンズ370
から出射される光を、赤、緑、青の3色の光に分離する
機能を有している。第1のダイクロイックミラー382
は、重畳レンズ370から出射される光のうち赤色光成
分を透過させるとともに、青色光成分と緑色光成分とを
反射する。第1のダイクロイックミラー382を透過し
た赤色光は、反射ミラー384で反射され、フィールド
レンズ400を通って赤色光用の液晶装置410Rに達
する。このフィールドレンズ400は、重畳レンズ37
0から出射された各部分光束をその中心軸(主光線)に
対して平行な光に変換する。他の液晶装置410G、4
10Bの前に設けられたフィールドレンズ402、40
4も同様である。第1のダイクロイックミラー382で
反射された青色光と緑色光のうち、緑色光は第2のダイ
クロイックミラー386によって反射され、フィールド
レンズ402を通って緑色光用の液晶装置410Gに達
する。一方、青色光は、第2のダイクロイックミラー3
86を透過し、導光光学系390、すなわち、入射側レ
ンズ392、反射ミラー394、リレーレンズ396、
および反射ミラー398を通り、さらにフィールドレン
ズ404を通って青色光用の液晶装置410Bに達す
る。なお、青色光に導光光学系390が用いられている
のは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さより
も長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防
止するためである。すなわち、入射側レンズ392に入
射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ404に
伝えるためである。
【0038】液晶装置410R、410G、410B
は、一対の偏光板と、これらの偏光板の間に配置された
液晶パネルとを備えており、入射した光を、与えられた
画像情報に基づいて変調する機能を有している。このよ
うな液晶装置410R、410G、410Bについては
公知であるため、詳細な説明を省略する。
【0039】3つの液晶装置410R、410G、41
0Bによって変調された光は、クロスダイクロイックプ
リズム420に入射する。このクロスダイクロイックプ
リズム420は、変調された3色の光を合成する色光合
成光学系としての機能を有している。クロスダイクロイ
ックプリズム420には、赤光を反射する誘電体多層膜
と、青光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリ
ズムの界面に沿って略X字状に形成されている。これら
の誘電体多層膜によって、変調された3色の光が合成さ
れる。クロスダイクロイックプリズム420で合成され
た光は、ズームレンズ装置10の方向に出射される。ズ
ームレンズ装置10は、合成された光をスクリーンなど
の投射面上に投射する機能を有する。
【0040】B.ズームレンズ装置10の構成 図5、図6、図7および図8を参照して、プロジェクタ
1に用いたズームレンズ装置10の構成を詳述する。
【0041】図5は、ズームレンズ装置10に用いたレ
ンズを示す断面図である。図6は、このズームレンズ装
置10の外観を模式的に示す斜視図であり、図7は、こ
のズームレンズ装置10からズームリングや固定枠など
を外した状態を模式的に示す斜視図である。図8
(A)、(B)、(C)はそれぞれ、このズームレンズ
装置10において、ワイド(広角)、標準、テレ(望
遠)の各状態におけるレンズ位置を示す説明図である。
【0042】図5において、本実施の形態のズームレン
ズ装置10では、1枚または複数枚のレンズからなるレ
ンズ群が光軸方向に複数群、配置されている。本実施の
形態では、パワーが負、正、負、正、正の第1〜第5の
レンズ群11、12、13、14、15が用いられてい
る。これらのレンズ群のうち、像側に最も近い位置に配
置される第1のレンズ群11は、フォーカスレンズ群で
ある。
【0043】第2および第4のレンズ群12、14は、
主として変倍機能を有するバリエータレンズ群である。
第2のレンズ群12と第4のレンズ群14とは、偏芯に
起因する収差の影響を互いに相殺し合う特性を有してい
る。例えば、レンズ群12とレンズ群14のそれぞれ
は、バリエータレンズ群が偏芯した場合に、第2のレン
ズ群が収差によるフレアを発生させる方向と第4のレン
ズ群が収差によるフレアを発生させる方向とが逆になる
ような特性を有している。
【0044】また、バリエータレンズ群を構成する第2
のレンズ群12と第4のレンズ群14との間には、第2
および第4のレンズ群12、14に連動して光軸方向に
移動する第3のレンズ群13が、コンペンセータレンズ
群として配置されている。また、この第3のレンズ群1
3は、主としてズーミング操作の途中、第2および第4
のレンズ群12、14(バリエータレンズ群)の移動に
伴って焦点位置がずれるのを補償する機能を有してい
る。なお、第1のレンズ群11も、このような補償機能
をあわせもっている。
【0045】像側から最も遠い位置に配置される第5の
レンズ群15は、固定枠16に固定されており、ズーミ
ング操作時に移動しない固定レンズ群として構成されて
いる。この第5のレンズ群15は、ズームレンズ装置1
0を略テレセントリック系にする機能と、収差のうち特
に像面湾曲収差を補償する機能を有している。
【0046】また、第1〜第4のレンズ群は、ズーミン
グ操作時に移動する可動レンズ群として構成されてい
る。これらのレンズ群11〜14のうち、第2のレンズ
群12と第4のレンズ群14とは、一体となって移動す
るが、第1のレンズ群11と第3のレンズ群13は、い
ずれも、互いに独立して移動する。
【0047】このようにレンズ群を移動させるため、本
実施の形態では、次に述べるような構成を採用してい
る。
【0048】まず、第1のレンズ群11は、固定枠16
の円筒部分の内部において、光軸方向に移動可能な円筒
形のフォーカスレンズ枠21に保持されている。第3の
レンズ群13は、固定枠16の円筒部分の内部におい
て、光軸方向に移動可能な円筒形のコンペンセータレン
ズ枠23に保持されている。なお、フォーカスレンズ枠
21およびコンペンセータレンズ枠23は、いずれも光
軸周りには回転しない構造になっている。
【0049】また、第2のレンズ群12と第4のレンズ
群14との間には第3のレンズ群13が配置されてい
る。すなわち、第2および第4のレンズ群12、14
は、離れて配置されている。そして、第2および第4の
レンズ群12、14は、共通のバリエータレンズ枠22
に保持されている。このバリエータレンズ枠22も、円
筒形状を有しており、固定枠16の円筒部分の内部にお
いて光軸方向に移動可能であるが、光軸周りには回転し
ない構造になっている。
【0050】さらに、図5、図6および図7に示すよう
に、フォーカスレンズ枠21、バリエータレンズ枠2
2、およびコンペンセータレンズ枠23の外周部分から
等角度方向に、複数の駆動ピン31、32、33を各々
突出させてある。これらの駆動ピン31、32、33の
先端には、軸線周りに回転可能なローラが形成されてい
る。
【0051】また、コンペンセータレンズ枠23の外周
側にはバリエータレンズ枠22が被さった状態にある。
そこで、このバリエータレンズ枠22において、コンペ
ンセータレンズ枠23の駆動ピン33が形成されている
部分と重なる領域には開口220が形成されている。
【0052】また、固定枠16の円筒部分の外周側に
は、円筒形のズームリング40が装着されている。この
ズームリング40は、光軸周りに回転可能であるが、光
軸方向には移動しない構造になっている。
【0053】ズームリング40には、フォーカスレンズ
枠21、バリエータレンズ枠22、およびコンペンセー
タレンズ枠23の外周部分から突出した駆動ピン31、
32、33が各々嵌まるカム溝41、42、43が形成
されている。なお、駆動ピン33は、バリエータレンズ
枠22の開口220を介してしてカム溝43に嵌まって
いる。
【0054】ここで、カム溝41、42、43は、ズー
ムリング40を手動あるいは自動の駆動機構によって光
軸周りに回転させてズーミング操作を行なったとき、対
応するレンズ枠(フォーカスレンズ枠21、バリエータ
レンズ枠22、およびコンペンセータレンズ枠23)を
各々所定の条件で光軸方向に案内することにより、第1
〜第4のレンズ群11〜14を各々所定の条件で光軸方
向に移動させる機能を有している。従って、カム溝4
1、42、43のパターンは、互いに相違している。
【0055】このように構成したズームレンズ装置10
において、図8(B)に示す標準状態からワイド(広
角)状態にズーミング操作を行なうときには、図6に矢
印Wで示す方向にズームリング40を回転させる。この
とき、図8(A)に示すように、カム溝41の形状に基
づいて、第1のレンズ群11は光軸方向に移動しない。
一方、カム溝42の形状に基づいて、第2および第4の
レンズ群12、14は光軸方向において物体側に移動す
る。よって、第1のレンズ群11と、第2および第4の
レンズ群12、14との間隔が広がる。なお、カム溝4
3の形状に基づいて、第3のレンズ群13は光軸方向に
おいて物体側に移動する。
【0056】これに対して、図8(B)に示す標準状態
からテレ(望遠)状態にズーミング操作を行なうときに
は、図6に矢印Tで示す方向にズームリング40を回転
させる。このとき、図8(C)に示すように、カム溝4
1の形状に基づいて、第1のレンズ群11は光軸方向に
おいて物体側に移動する。一方、カム溝42の形状に基
づいて、第2および第4のレンズ群12、14は光軸方
向において像側に移動する。よって、第1のレンズ群1
1と、第2および第4のレンズ群12、14との間隔が
狭まる。なお、カム溝43の形状に基づいて、第3のレ
ンズ群13は、光軸方向において像側に移動する。
【0057】C.本実施形態の効果 以上説明したように、本実施の形態のズームレンズ装置
10では、バリエータレンズ群を構成する2つのレンズ
群(第2および第4のレンズ群12、14)の間に第3
のレンズ群13(コンペンセータレンズ群)が配置され
ているにもかかわらず、これら2つのレンズ群が共通の
バリエータレンズ枠22に保持されて一体に移動するよ
うに構成されている。すなわち、第2および第4のレン
ズ群12、14が、第3のレンズ群13を挟んで離れた
位置に配置されるにもかかわらず、ズーミング操作時に
は一体となって移動する。このため、バリエータレンズ
群を構成する2つのレンズ群間の偏芯を解消することが
可能である。従って、レンズの偏芯に起因する光学特性
の劣化を極めて効果的に緩和することができる。
【0058】また、実質的には、レンズ群の数を1つ減
らしたのと同じ構成になるため、レンズ群間での偏芯も
発生しにくいという利点がある。さらに、ズームレンズ
装置10の組立工程も簡略化できる。
【0059】さらに、バリエータレンズ群を構成する第
2のレンズ群12と第4のレンズ群14とがこれらのレ
ンズ群の偏芯に起因する収差の影響を相殺し合う特性を
有しているため、バリエータレンズ群が偏芯しても、バ
リエータレンズ群内での収差の影響は相殺される。結果
として、収差を少なく抑えることが可能である。
【0060】また、バリエータレンズ枠22にコンペン
セータレンズ枠23から突出する駆動ピン33をズーム
リング40のカム溝43内まで届かせるための開口22
0を設けて、バリエータレンズ群を構成するレンズ群1
2、14とコンペンセータレンズ群を構成するレンズ群
13とを同一のズームリング40によって案内する構成
としているため、容易にズーミング操作を行なうことが
可能である。
【0061】さらに、像側から最も遠い位置に第5のレ
ンズ群15を設け、このレンズ群15にズームレンズ装
置10を略テレセントリック系にする機能と、収差のう
ち特に像面湾曲収差を補償する機能を持たせている。従
って、本実施の形態の構成によれば、ズームレンズ装置
の性能をより向上させることが可能となる。また、本実
施の形態にかかるズームレンズ装置は、テレセントリッ
ク系のズームレンズ装置を必要とするプロジェクタなど
の光学機器と組み合わせる場合に有利である。
【0062】さらにまた、第5のレンズ群15は、固定
枠16に固定されており、ズーミング操作時に移動しな
い固定レンズ群として構成されている。よって、本実施
の形態の構成によれば、性能が高くかつ安価なズームレ
ンズ装置を提供することが可能となる。
【0063】また、本実施の形態のズームレンズ装置1
0では、すべての可動レンズ群11〜14を案内するカ
ム溝41〜43が、同一のズームリング40に設けられ
ている。すなわち、すべての可動レンズ群11〜14が
同一のズームリング40によって案内される。従って、
容易にズーミング操作を行なうことが可能である。本実
施の形態のズームレンズ装置10では、バリエータレン
ズ群を構成する2つのレンズ群12、14が同一のレン
ズ枠22によって保持されているため、可動レンズ群を
案内するカム溝が1つ分、少なくできている。
【0064】実施の形態2 図9および図10を参照して、本発明の第2の実施の形
態に係るズームレンズ装置を説明する。
【0065】図9は、本発明を適用したズームレンズ装
置に用いたレンズを示す断面図である。図10(A)、
(B)、(C)はそれぞれ、このズームレンズ装置にお
いて、ワイド(広角)、標準、テレ(望遠)の各状態に
おけるレンズ位置を示す説明図である。なお、本実施の
形態のズームレンズ装置も、実施の形態1のズームレン
ズ装置10と同様、プロジェクタに適用可能である。ま
た、その基本的な構成は、実施の形態1に係るズームレ
ンズ装置10と共通している。従って、共通する部分に
は、同一の符号を付してそれらの詳細な説明を省略す
る。
【0066】図9において、本実施の形態のズームレン
ズ装置50でも、実施の形態1と同様、1枚または複数
枚のレンズからなるレンズ群が光軸方向に複数群、配置
されている。本実施の形態では、第1〜第5のレンズ群
11、12、13、14、15が用いられている。これ
らのレンズ群の機能は、第1の実施の形態で説明したも
のと同じである。
【0067】本実施の形態では、第1〜第5のレンズ群
11〜15は、いずれも可動レンズ群として構成されて
おり、第5のレンズ群15が固定枠16に固定されてい
ない点が実施の形態1と相違する。すなわち、本実施の
形態では、第5のレンズ群15は、固定枠16の円筒部
分の内部において、光軸方向に移動可能な円筒形のレン
ズ枠25に保持されている。このレンズ枠25は、光軸
周りに回転しない構造になっている。
【0068】また、本実施の形態でも、第1のレンズ群
11は、固定枠16の円筒部分の内部において、光軸方
向に移動可能な円筒形のフォーカスレンズ枠21に保持
され、第3のレンズ群13は、固定枠16の円筒部分の
内部において、光軸方向に移動可能な円筒形のコンペン
セータレンズ枠23に保持されている。
【0069】さらに、第2のレンズ群12と第4のレン
ズ群14との間に第3のレンズ群13が配置されてい
る。すなわち、第2および第3のレンズ群12、14
は、離れて配置されている。そして、第2および第3の
レンズ群12、14は、共通のバリエータレンズ枠22
に保持されている。
【0070】さらに、フォーカスレンズ枠21、バリエ
ータレンズ枠22、コンペンセータレンズ枠23、およ
びレンズ枠25の外周部分から等角度方向に複数本の駆
動ピン31、32、33、35を各々突出させてある。
ここで、コンペンセータレンズ枠23の外周部分には、
バリエータレンズ枠22が被さった状態にある。よっ
て、このバリエータレンズ枠22において、コンペンセ
ータレンズ枠23の駆動ピン33が形成されている部分
と重なる領域には、開口220が形成されている。
【0071】また、固定枠16の円筒部分の外周側に
は、円筒形のズームリング40が装着されている。ズー
ムリング40には、フォーカスレンズ枠21、バリエー
タレンズ枠22、コンペンセータレンズ枠23、および
レンズ枠25の外周部分から突出した駆動ピン31、3
2、33、35が各々嵌まるカム溝41、42、43、
45が形成されている。ここで、カム溝41、42、4
3、45は、ズームリング40を手動あるいは自動の駆
動機構によって光軸周りに回転させてズーミング操作を
行なったとき、対応するレンズ枠(フォーカスレンズ枠
21、バリエータレンズ枠22、コンペンセータレンズ
枠23、およびレンズ枠25)を各々所定の条件で光軸
方向に案内することにより、第1〜第5のレンズ群11
〜15を各々所定の条件で光軸方向に移動させる機能を
有している。従って、カム溝41、42、43、45の
パターンは、互いに相違している。
【0072】このように構成したズームレンズ装置50
において、図10(B)に示す標準状態からワイド(広
角)状態にズーミング操作を行なうときには、実施の形
態1と同様、ズームリング40を所定の方向に回転させ
る。このとき、図10(A)に示すように、カム溝41
の形状に基づいて、第1のレンズ群11は光軸方向にお
いて像側に移動する。一方、カム溝42の形状に基づい
て、第2および第4のレンズ群12、14は光軸方向に
おいて物体側に移動する。よって、第1のレンズ群11
と、第2および第4のレンズ群12、14との間隔が広
がる。なお、カム溝43の形状に基づいて、第3のレン
ズ群13は、光軸方向において物体側に移動する。ま
た、カム溝45の形状に基づいて、第5のレンズ群15
は、光軸方向において物体側にわずかに移動する。
【0073】これに対して、図10(B)に示す標準状
態からテレ(望遠)状態にズーミング操作を行なうとき
には、ズームリング40を逆方向に回転させる。このと
き、図10(C)に示すように、カム溝41の形状に基
づいて、第1のレンズ群11は、光軸方向において物体
側に移動する。一方、カム溝42の形状に基づいて、第
2および第4のレンズ群12、14は光軸方向において
像側に移動する。よって、第1のレンズ群11と、第2
および第4のレンズ群12、14との間隔が狭まる。な
お、カム溝43の形状に基づいて、第3のレンズ群13
は光軸方向で移動しない。また、カム溝45の形状に基
づいて、第5のレンズ群15も光軸方向で移動しない。
【0074】このように、本実施の形態のズームレンズ
装置50でも、第1の実施の形態にかかるズームレンズ
10と同様の効果を得ることが可能である。さらに、本
実施の形態のズームレンズ装置50では、第1〜第4の
レンズ群のみならず、第5のレンズ群15も可動となっ
ていることにより、第5のレンズ群の機能を、ワイド状
態からテレ状態の全域にわたって得ることができる。す
なわち、ワイド状態からテレ状態の全域にわたって像面
湾曲収差を効果的に補償することができるとともに、ワ
イド状態からテレ状態の全域にわたってズームレンズ装
置50を略テレセントリック系にすることが可能であ
る。よって、本実施の形態の構成によれば、ズームレン
ズ装置50の性能をより向上させることが可能となる。
【0075】その他の実施の形態 なお、上記の実施の形態では、いずれもプロジェクタ1
の拡大投射系として用いるズームレンズ装置10、15
について説明したが、プロジェクタの他にも、一眼レフ
カメラ、ビデオカメラ、電子カメラ、医療機器等の光学
機器に搭載されるズームレンズ装置に本発明を適用する
ことが可能である。さらに、プロジェクタ1の構成も、
上記実施の形態で説明したものには限られない。例え
ば、画像形成装置は、液晶装置の他、マイクロミラーを
用いた変調装置や、CRTであっても良い。
【0076】また、上記の実施の形態では、5つのレン
ズ群を備えるズームレンズ装置10、15を例に説明し
たが、6つ以上のレンズ群を用いたズームレンズ装置に
本発明を適用してもよい。
【0077】
【図面の簡単な説明】
【図1】 プロジェクタの光学系の構成を示す概略平面
図である。
【図2】 図1に示すプロジェクタの照明領域である3
枚の液晶装置を照明するインテグレータ照明光学系につ
いて示す説明図である。
【図3】 (A)、(B)、(C)は、それぞれ、プロ
ジェクタのインテグレータ照明光学系に用いた第1の光
学要素の外観を示す正面図、側面図、および第1の光学
要素の小レンズが形成されている側の一部を拡大して示
す斜視図である。
【図4】 (A)、(B)は、それぞれ、図2に示すイ
ンテグレータ照明光学系に用いた偏光変換素子アレイの
外観を示す斜視図、およびこの偏光変換素子アレイの機
能を示す説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態1に係るズームレンズ装
置に用いたレンズを示す断面図である。
【図6】 図5に示すズームレンズ装置の外観を模式的
に示す斜視図である。
【図7】 図5に示すズームレンズ装置からズームリン
グなどを外した状態を模式的に示す斜視図である。
【図8】 (A)、(B)、(C)は、それぞれ、図5
に示すズームレンズ装置において、ワイド(広角)、標
準、テレ(望遠)の各状態におけるレンズ位置を示す説
明図である。
【図9】 本発明の実施の形態2に係るズームレンズ装
置に用いたレンズを示す断面図である。
【図10】 (A)、(B)、(C)は、それぞれ、図
9に示すズームレンズ装置において、ワイド(広角)、
標準、テレ(望遠)の各状態におけるレンズ位置を示す
説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 19/00 G03B 21/00 D G03B 21/00 21/14 D 21/14 G02B 7/04 D Fターム(参考) 2H044 AJ06 DA02 DD03 EC01 2H049 BA05 BA43 BA47 BC21 2H052 BA02 BA09 BA14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ズーミング操作時に光軸方向に移動する
    2つのレンズ群を有するバリエータレンズ群と、 前記2つのレンズ群の間に配置され、前記バリエータレ
    ンズ群に連動して光軸方向に移動するコンペンセータレ
    ンズ群と、を備えたズームレンズ装置において、 前記2つのレンズ群は、共通のバリエータレンズ枠に保
    持されて一体に移動するように構成されていることを特
    徴とするズームレンズ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記2つのレンズ群は、偏芯に起因する収差の影響を互
    いに相殺し合う特性を有していることを特徴とするズー
    ムレンズ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれかにおいて、
    さらに、 前記コンペンセータレンズ群を保持するコンペンセータ
    レンズ枠と、 前記バリエータレンズ枠と前記コンペンセータレンズ枠
    の外周側に突出するように設けられた駆動ピンと、 前記駆動ピンをそれぞれ案内してズーミング操作時の各
    可動レンズ群の光軸方向での移動パターンを規定するカ
    ム溝が形成されたズームリングと、を有し、 前記バリエータレンズ枠には、前記コンペンセータレン
    ズ枠から突出する前記駆動ピンを前記カム溝内まで届か
    せるための開口が形成されていることを特徴とするズー
    ムレンズ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記バリエータレンズ群と前記コンペンセータレンズ群
    の他に、像側から最も遠い位置に配置されたレンズ群を
    有することを特徴とするズームレンズ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記像側から最も遠い位置に配置されたレンズ群は固定
    レンズ群として構成されていることを特徴とするズーム
    レンズ装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、 前記像側から最も遠い位置に配置されたレンズ郡はズー
    ミング操作時に光軸方向に移動可能な可動レンズ群とし
    て構成されていることを特徴とするズームレンズ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかにおいて、さら
    に、 前記バリエータ群および前記コンペンセータレンズ群以
    外の可動レンズ群と、 前記可動レンズ群を保持するレンズ枠と、 前記レンズ枠の外周側に突出するように設けられた駆動
    ピンと、を備え、 前記ズームリングには、前記レンズ枠に設けられた前記
    駆動ピンを案内してズーミング操作時の各可動レンズ群
    の光軸方向での移動パターンを規定するカム溝が形成さ
    れていることを特徴とするズームレンズ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに規定するズー
    ムレンズ装置を備えた光学機器。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに規定するズー
    ムレンズ装置を備えたプロジェクタ。
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