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JP2003049679A - 筒内直噴式ガソリン機関 - Google Patents

筒内直噴式ガソリン機関

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Publication number
JP2003049679A
JP2003049679A JP2001236999A JP2001236999A JP2003049679A JP 2003049679 A JP2003049679 A JP 2003049679A JP 2001236999 A JP2001236999 A JP 2001236999A JP 2001236999 A JP2001236999 A JP 2001236999A JP 2003049679 A JP2003049679 A JP 2003049679A
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Japan
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fuel
injection
fuel injection
cylinder
gasoline engine
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JP2001236999A
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Tomonori Urushibara
友則 漆原
Koichi Yamaguchi
浩一 山口
Koji Hiratani
康治 平谷
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/12Other methods of operation
    • F02B2075/125Direct injection in the combustion chamber for spark ignition engines, i.e. not in pre-combustion chamber
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B23/00Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation
    • F02B23/08Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition
    • F02B23/10Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition with separate admission of air and fuel into cylinder
    • F02B23/101Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition with separate admission of air and fuel into cylinder the injector being placed on or close to the cylinder centre axis, e.g. with mixture formation using spray guided concepts
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒内直噴式ガソリン機関において、安定した
燃焼を得、HCやスモークの発生を低減し、また燃費も
良好とする。 【解決手段】 燃料噴射弁3により形成される燃料噴霧
31中若しくは該燃料噴霧31に近接して点火プラグ4
のスパークギャップ41を配置する。所定の成層燃焼運
転領域において、点火時期近傍にて少量の燃料噴射を行
うと共に、この燃料噴射に先立って圧縮行程中に主たる
燃料噴射を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内直噴式ガソリ
ン機関に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料噴射弁と点火プラグとを近接配置し
た筒内直噴式ガソリン機関としては、特開平7−189
767号公報に開示されたものが公知である。この筒内
直噴式ガソリン機関では、燃料噴射量が所定量より少な
いときは、点火時期近くで燃料噴射を行い、燃料噴射量
が所定量より多いときは、クランク角0°の排気上死点
近くでの前噴射と、点火時期近くでの後噴射とを行う
(前記公報の図7及び図8参照)。
【0003】燃料噴射弁と点火プラグとを近接配置し
て、点火時期近くで燃料噴射を行うと、燃料が分散する
前に点火が行われるので、燃料噴射量が少なくても(空
燃比が大きくても)安定した燃焼が得られる。このた
め、低負荷運転時(燃料噴射量が少ないとき)に吸入空
気量を絞る必要が無くなり、エンジンのポンピングロス
を低減することができる。
【0004】但し、この制御を高負荷運転時(燃料噴射
量が多いとき)にも行うと、燃焼に寄与する空気が不足
してスモークが発生するので、前記公報に記載の従来技
術では、燃料噴射量が多いときは点火時期近くでの後噴
射に加えて前噴射を行い、予め燃焼室全体に均一な混合
気を作っておくようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の前噴射は、噴射燃料が気筒壁面に当たるのを避
けるため、ピストンが排気上死点に近いときに行われる
ようになっており、この場合、燃料の気筒壁面への付着
は回避されるものの、ピストン冠面には多くの燃料が付
着することになり、エンジンのHC排出特性を悪化させ
る要因となる。
【0006】また、前噴射された燃料は燃焼室全体に広
がるため、燃料噴射量によっては均一混合気が希薄にな
り過ぎて、燃焼が不安定になる可能性がある。すなわ
ち、点火時期近くの燃料噴射だけとするには燃料量が多
すぎ、反対に前噴射と後噴射とを行うには燃料量が少な
すぎる中間の燃料量が存在する。本発明は、このような
従来の問題点に鑑み、安定した燃焼が得られると共に、
HCやスモークの発生を低減でき、また燃費も良好とな
る筒内直噴式ガソリン機関を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の発
明では、燃料噴射弁により形成される燃料噴霧中若しく
は該燃料噴霧に近接して点火プラグのスパークギャップ
を配置した筒内直噴式ガソリン機関において、所定の運
転領域において、点火時期近傍にて1度の燃料噴射を行
うと共に、この燃料噴射に先立って圧縮行程中に少なく
とも1度の燃料噴射を行うことを特徴とする。すなわ
ち、前噴射を圧縮行程中に行い、点火時期近傍にて後噴
射を行うのである。
【0008】請求項2の発明では、前記所定の運転領域
は、圧縮行程中に燃料噴射を行う成層燃焼運転領域中の
高負荷領域であることを特徴とする。請求項3の発明で
は、前記所定の運転領域は、圧縮行程中に燃料噴射を行
う成層燃焼運転領域中の高負荷及び低回転領域であるこ
とを特徴とする。請求項4の発明では、点火時期近傍の
燃料噴射の噴射量は機関負荷によらずほぼ一定とし、こ
れに先立つ燃料噴射の噴射量を機関負荷の増大に応じて
増加させることを特徴とする。
【0009】請求項5の発明では、点火時期近傍の燃料
噴射の噴射量を機関回転速度の増大に応じて増加させる
ことを特徴とする。請求項6の発明では、燃料噴射弁噴
口とスパークギャップとの距離は概ねシリンダボア径の
1/4以下とすることを特徴とする。請求項7の発明で
は、点火プラグのスパークギャップが燃料噴霧中に配置
される一方、中心電極をグラウンドから絶縁するための
絶縁碍子は燃料噴霧外に配置されることを特徴とする。
【0010】請求項8の発明では、2つの燃料噴射弁を
有し、このうち1つが点火プラグに近接して配置され、
当該燃料噴射弁により点火時期近傍の燃料噴射がなされ
ることを特徴とする。請求項9の発明では、2つの点火
プラグを有し、このうち1つが燃料噴射弁に近接して配
置されることを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、前噴射を圧縮
行程に行うことで、前噴射の燃料が燃焼室全体に広がる
前(但し、十分な気化時間経過後)に、点火時期近傍で
の後噴射と点火による火炎核が前噴射の噴霧に追いつ
き、前噴射の燃料を燃焼させる。これにより、適度な空
燃比となっているときに前噴射による混合気を燃焼させ
ることが可能となり、安定した燃焼が得られる。また、
噴霧とピストンとの衝突も少ないので、HC排出量等も
抑制できる。
【0012】請求項2の発明によれば、圧縮行程中に燃
料噴射を行う成層燃焼運転領域中の高負荷領域にて行う
ことで、当該領域での燃焼安定性と排気特性向上を図る
ことができる。請求項3の発明によれば、圧縮行程中に
燃料噴射を行う成層燃焼運転領域中の高負荷及び低回転
領域にて行うことで、当該領域での燃焼安定性と排気特
性向上を図ることができる。
【0013】請求項4の発明によれば、点火時期近傍の
燃料噴射の噴射量は負荷によらずほぼ一定とし、これに
先立つ燃料噴射の噴射量を負荷の増大に応じて増加させ
ることで、すなわち、点火時期近傍の噴射量は点火プラ
グによる着火に必要な最小限の一定量を基本とし、それ
を除いた燃料量を前噴射して、必要十分に気化させるこ
とで、負荷によらず安定した燃焼が得られる。
【0014】請求項5の発明によれば、点火時期近傍の
燃料噴射の噴射量を回転速度の増大に応じて増加させる
ことで、点火時期近傍の燃料噴射による混合気の形成は
回転速度に比例して空気流動が強くなるとより拡散方向
となり、点火プラグ近傍の空燃比が薄くなるのを補うこ
とができ、回転速度の広い範囲にわたって本燃焼コンセ
プトを実現できる。
【0015】請求項6の発明によれば、燃料噴射弁噴口
とスパークギャップとの距離を概ねシリンダボア径の1
/4以下とすることで、燃料噴射弁と点火プラグとが近
接している筒内直噴式ガソリン機関の基本特性である着
火安定性を確保できる。請求項7の発明によれば、点火
プラグのスパークギャップが燃料噴霧中に配置されこと
で、燃料噴霧に直接点火する際の燃焼安定性が向上する
一方、絶縁碍子は燃料噴霧外に配置されることで、絶縁
碍子の絶縁性が良好に保持され、点火プラグが耐くすぶ
り性が向上する。
【0016】請求項8の発明によれば、2つの燃料噴射
弁を有し、このうち1つが点火プラグに近接して配置さ
れ、当該燃料噴射弁により点火時期近傍の燃料噴射がな
されるので、他の燃料噴射弁、すなわち主たる噴霧を噴
射する燃料噴射弁を水平に近く傾けて配置することがで
き、これにより主たる噴霧がピストンを濡らしにくくし
て、燃焼効率をより高めることができる。
【0017】請求項9の発明によれば、2つの点火プラ
グを有し、このうち1つが燃料噴射弁に近接して配置さ
れるので、他の点火プラグを均質燃焼運転時の点火用と
すれば、燃料噴射弁を比較的温度が低いシリンダ周辺に
配置することが可能で、燃料噴射弁の耐久性を高めるこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態を示
す筒内直噴式ガソリン機関の概略図である。この図にお
いて、1は燃焼室、2はピストンである。3は燃料噴射
弁、31は燃料噴射弁3より噴射される燃料噴霧(噴霧
円錐)である。4は点火プラグ、41はスパークギャッ
プ、42は絶縁碍子である。
【0019】ここで、燃料噴射弁3はシリンダヘッドの
中央部に垂直に取付けて、その噴口を燃焼室1内に臨ま
せる一方、点火プラグ4はシリンダヘッドに斜めに取付
けて、その先端部を燃焼室1内に突出させることで、燃
料噴射弁3により形成される燃料噴霧(噴霧円錐)31
に近接して点火プラグ4のスパークギャップ41を配置
してある。尚、燃料噴射弁3の噴口と点火プラグ4のス
パークギャップ41との距離は、概ねシリンダボア径の
1/4以下とする。
【0020】図2は同上実施形態における燃料噴射と点
火のタイミングを示す図である。所定の運転領域(比較
的低回転低負荷領域に設定される成層燃焼運転領域)に
おいて、この図に示すように、圧縮行程での点火時期近
傍にて1度の燃料噴射(第2の噴射)を行うと共に、こ
の燃料噴射に先立って圧縮行程中に少なくとも1度の燃
料噴射(第1の噴射)を行う。言い換えれば、圧縮行程
中に前噴射として第1の噴射を行い、点火時期近傍にて
後噴射として第2の噴射を行う。
【0021】次に作用を説明する。まず筒内直噴式ガソ
リン機関の性能に大きな影響を与える2つの要素 (1)燃料噴射弁から点火プラグまでの距離の大小 (2)燃料噴霧が点火プラグに到達する経路におけるピ
ストンボールなどの壁の介在の有無 について説明する。
【0022】(1)燃料噴射弁から点火プラグまでの距
離の大小 ・距離が小の時、燃料噴射から点火までの時間が短く、
燃料の気化が不十分となり、高負荷においてスモークが
多くなる問題がある。反面、スパークギャップヘの燃料
集中が容易となり、希薄燃焼時の燃焼安定性が得易い。 ・距離が大の時、燃料噴射から点火までの時間が長くな
るため、燃料の気化が十分得られ、高負荷においてもス
モークが発生しない。反面、スパークギャップヘの燃料
集中が難しく、希薄燃焼時の燃焼安定性が悪い。
【0023】(2)燃料噴霧が点火プラグに到達する経
路におけるピストンボールなどの壁の介在の有無 ・壁が介在する時、噴霧が壁面に沿って運動するため、
壁面からの熱の授受により燃料の気化が促進される。ま
た、壁付近では流動のサイクル変動が少ないことから、
燃料混合気のサイクル変動が抑制されるため、気化促進
効果と合わせて希薄燃焼時の燃焼安定性が得られる。他
方、壁面付近に混合気が偏在するため、クエンチにより
燃焼効率が低下し易く、大きな燃費向上代が得にくい。
【0024】・壁が介在しない時、燃料の気化が空気と
の熱の授受のみによって行われること、及び、燃料混合
気の運動がサイクル変動を持ちやすいことにより、希薄
燃焼時の燃焼安定性が得にくい。他方、壁面から離れて
混合気が存在するため、クエンチによる燃焼効率低下が
起きにくく、大きな燃費向上代を得易い。以上を表にま
とめたものが図3である。結果として4つに分類される
筒内直噴式ガソリン機関のいずれをとっても、燃焼安定
性、スモーク、燃費、HCの全てを満足させることはで
きていない。
【0025】本発明は、大きな燃費向上代が得られる噴
霧経路に壁が介在しない燃焼方式において、燃料噴射弁
・点火プラグ間距離が大の時の長所、すなわちスモーク
の発生が無いことと、燃料噴射弁・点火プラグ間距離が
小の時の長所、すなわち良好な燃焼安定性と、を同時に
得るための方策に関するものであり、燃焼安定性、スモ
ーク、燃費、HCの全てを満足させることができるもの
である。
【0026】以下、図4に基づいて作用を説明する。圧
縮行程において第1の噴射により最初に噴射された噴霧
(以下第1の噴霧という)31は時間の経過と共に燃焼
室内で拡散しながら気化し、徐々に完全燃焼に適した混
合気状態になって行く。さらに、第1の噴射から時間を
おいて、第2の噴射として、少量の噴霧(以下第2の噴
霧という)32を噴射する。
【0027】この第2の噴射の直後に、近接して配置さ
れた点火プラグで火花点火を行い、第2の噴霧32を燃
焼させる。この時、燃料噴射弁と点火プラグとが近接し
た筒内直噴式ガソリン機関の基本特性に従い、着火は安
定している。また、第2の噴霧32は極少量であるため
に、スモークの発生はわずかであり、その後の燃焼行程
で再燃焼する。
【0028】その後、第2の噴霧32は燃焼しながら噴
霧軸線上を移動し、やがて最初に噴射された第1の噴霧
31に追いつき、そこで第1の噴霧31を燃焼させる。
この時、第1の噴霧31は噴射から時間が経過している
ことによって気化と拡散が進んでおり、スモークを発生
しない。尚、第2の噴霧32が第1の噴霧31に追いつ
くのは、図5に示すように、第1の噴霧31が引き起こ
す後流(空気流動)によって、第2の噴霧32の進行速
度が第1の噴霧31の進行速度より早くなるからであ
る。。
【0029】図6は、横軸を第1の噴射開始からの時
間、縦軸を噴口から噴霧先端までの距離として、噴霧の
進行と点火のタイミングを模式的に示したものである。
図7は、機関負荷に対する第1及び第2の噴射の噴射分
担の関係を示したものである。第2の噴射量は点火プラ
グによる着火に必要な最小限の一定量を基本とし、それ
を除いた燃料量を第1の噴射量として噴射する。
【0030】但し、燃料噴射弁の特性として極少量の燃
料噴射を行うとしても燃料噴射パルス幅との線形性が保
たれないため、使用できる最小のパルス幅が存在する。
従って、成層燃焼運転中の低負荷領域では、全体の燃料
噴射量が少ないため、燃料噴射を2回に分けて行うこと
ができない。そこで、図8に示すように、成層燃焼運転
領域中の高負荷領域では、第1の噴射と第2の噴射とを
行うが、成層燃焼運転領域中の高負荷領域では、第2の
噴射、すなわち点火時期近傍での燃料噴射のみを行う。
【0031】図9は機関負荷と燃料噴射時期との関係を
示したものである。第1の噴射により形成される混合気
はNOxの発生を防ぐために着火可能な限り薄い混合気
であることが望ましい。このためには燃料噴射量の増大
に伴い燃料拡散範囲を広くする必要があり、第1の噴射
時期を負荷の増大に伴い早めて行くことが妥当であると
考えられる。
【0032】図10及び図11には、本発明の第2の実
施形態を示す。この実施形態は、機関回転速度の増大に
応じて、点火時期近傍での第2の燃料噴射量を増大させ
るものである。シリンダ内の空気流動は機関回転速度に
比例して大きくなる。第2の燃料噴射による混合気の形
成は空気流動が強くなるとより拡散方向となり、点火プ
ラグ近傍の空燃比は薄くなる。これを補うためには、図
10に示すように、機関回転速度の増大に従い、第2の
燃料噴射量を増大させる必要がある。
【0033】このとき、先に述べた理由により、成層燃
焼運転領域中の第1及び第2の噴射を行う領域と第2の
噴射のみを行う領域とは図11に示すようになり、成層
燃焼運転領域中の高負荷かつ低回転領域(低回転側ほど
より低負荷まで)で第1及び第2の噴射(2度噴射)を
行うことになる。これにより、機関回転速度の広い範囲
にわたって本燃焼コンセプトを実現できる。
【0034】図12には、本発明の第3の実施形態を示
す。この実施形態では、点火プラグ4のスパークギャッ
プ41が燃料噴霧(噴霧円錐)31中に配置されてお
り、燃料噴霧に直接点火する際の燃焼安定性が優れてい
ると共に、中心電極をグラウンドから絶縁するための絶
縁碍子42は燃料噴霧(噴霧円錐)31外に配置されて
おり、絶縁碍子42の絶縁性が良好に保持され、点火プ
ラグ4がくすぶることがない。従って、燃焼安定性と点
火プラグの耐くすぶり性とを両立できる。
【0035】図13には、本発明の第4の実施形態を示
す。この実施形態では、2つの燃料噴射弁3A、3Bを
有し、このうち1つの燃料噴射弁3Bが点火プラグ4に
近接して配置され、当該燃料噴射弁3Bにより点火時期
近傍での第2の噴射がなされるようになっている。他方
の燃料噴射弁3Aは第1の噴射を行うためのものであ
り、シリンダヘッド周辺部より斜めに燃焼室内を指向さ
せている。
【0036】従って、燃料噴射弁3Aより第1の噴射が
なされ、この後、点火時期近傍にて燃料噴射弁3Bより
第2の噴射がなされ、燃料噴射弁3Bより噴射された燃
料噴霧32は点火プラグ4で点火された後燃焼し、先に
燃料噴射弁3Aから噴射された噴霧31に衝突し、該噴
霧31を燃焼させる。この構成によれば、主たる噴霧を
噴射する燃料噴射弁3Aを水平に近く傾けて配置するこ
とができるので、噴霧がピストンを濡らしにくく、燃焼
効率をより高めることができる。
【0037】図14には、本発明の第5の実施形態を示
す。この実施形態では、2つの点火プラグ4A、4Bを
有し、このうち1つの点火プラグ4Bが燃料噴射弁3に
近接して配置されるものである。この場合、燃料噴射弁
3は、シリンダヘッド周辺部より斜めに燃焼室内を指向
しており、これに近接して点火プラグ4Bが設けられ
る。他方の点火プラグ4Aはシリンダヘッド中央部に位
置し、均質燃焼運転時の点火はこの点火プラグ4Bによ
り行われる。
【0038】この構成によれば、燃料噴射弁3を比較的
温度が低いシリンダ周辺に配置することが可能で、燃料
噴射弁3の耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す筒内直噴式ガソ
リン機関の概略図
【図2】 同上実施形態における燃料噴射と点火のタイ
ミングを示す図
【図3】 筒内直噴式ガソリン機関の分類と各方式の得
失を示す図
【図4】 同上実施形態における燃焼室内の混合気の動
作状態を示す図
【図5】 同上実施形態における噴霧回りの空気流動を
示す図
【図6】 同上実施形態における噴霧先端位置の時間変
化を示す図
【図7】 同上実施形態における負荷と噴射分担との関
係を示す図
【図8】 同上実施形態における第1及び第2の噴射を
行う領域を示す図
【図9】 同上実施形態における負荷と燃料噴射時期と
の関係を示す図
【図10】 第2の実施形態での回転速度と噴射分担と
の関係を示す図
【図11】 第2の実施形態での第1及び第2の噴射を
行う領域を示す図
【図12】 第3の実施形態を示す筒内直噴式ガソリン
機関の概略図
【図13】 第4の実施形態を示す筒内直噴式ガソリン
機関の概略図
【図14】 第5の実施形態を示す筒内直噴式ガソリン
機関の概略図
【符号の説明】
1 燃焼室 2 ピストン 3、3A、3B 燃料噴射弁 31、32 燃料噴霧 4、4A、4B 点火プラグ 41 スパークギャップ 42 絶縁碍子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平谷 康治 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G019 AB03 AC08 KA15 3G023 AA02 AA04 AB03 AC05 AD12 3G301 HA04 JA02 JA26 KA09 KA24 LB04 MA11 MA19 MA23 MA29 PE01Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料噴射弁により形成される燃料噴霧中若
    しくは該燃料噴霧に近接して点火プラグのスパークギャ
    ップを配置した筒内直噴式ガソリン機関において、 所定の運転領域において、点火時期近傍にて1度の燃料
    噴射を行うと共に、この燃料噴射に先立って圧縮行程中
    に少なくとも1度の燃料噴射を行うことを特徴とする筒
    内直噴式ガソリン機関。
  2. 【請求項2】前記所定の運転領域は、圧縮行程中に燃料
    噴射を行う成層燃焼運転領域中の高負荷領域であること
    を特徴とする請求項1記載の筒内直噴式ガソリン機関。
  3. 【請求項3】前記所定の運転領域は、圧縮行程中に燃料
    噴射を行う成層燃焼運転領域中の高負荷及び低回転領域
    であることを特徴とする請求項1記載の筒内直噴式ガソ
    リン機関。
  4. 【請求項4】点火時期近傍の燃料噴射の噴射量は機関負
    荷によらずほぼ一定とし、これに先立つ燃料噴射の噴射
    量を機関負荷の増大に応じて増加させることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の筒内直噴
    式ガソリン機関。
  5. 【請求項5】点火時期近傍の燃料噴射の噴射量を機関回
    転速度の増大に応じて増加させることを特徴とする請求
    項1〜請求項4のいずれか1つに記載の筒内直噴式ガソ
    リン機関。
  6. 【請求項6】燃料噴射弁噴口とスパークギャップとの距
    離は概ねシリンダボア径の1/4以下とすることを特徴
    とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の筒内
    直噴式ガソリン機関。
  7. 【請求項7】点火プラグのスパークギャップが燃料噴霧
    中に配置される一方、中心電極をグラウンドから絶縁す
    るための絶縁碍子は燃料噴霧外に配置されることを特徴
    とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の筒内
    直噴式ガソリン機関。
  8. 【請求項8】2つの燃料噴射弁を有し、このうち1つが
    点火プラグに近接して配置され、当該燃料噴射弁により
    点火時期近傍の燃料噴射がなされることを特徴とする請
    求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の筒内直噴式ガ
    ソリン機関。
  9. 【請求項9】2つの点火プラグを有し、このうち1つが
    燃料噴射弁に近接して配置されることを特徴とする請求
    項1〜請求項7のいずれか1つに記載の筒内直噴式ガソ
    リン機関。
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