JP2002539979A

JP2002539979A - 固体物のインライン製造法

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Publication number: JP2002539979A
Application number: JP2000606481A
Authority: JP
Inventors: カルヴィンジョンソン，ロバート
Original assignee: Procter and Gamble Co
Current assignee: Procter and Gamble Co
Priority date: 1999-03-22
Filing date: 2000-03-17
Publication date: 2002-11-26
Also published as: IL145372A0; EP1163156B1; ES2206209T3; HUP0200392A2; ATE254068T1; WO2000056609A1; NO20014580L; CZ20013308A3; CA2366598A1; NO20014580D0; ZA200107685B; MA25402A1; BR0009288A; EP1038782A1; DE60006504D1; EP1163156A1; CN1344213A; TR200102703T2; AU3758200A

Abstract

(57)【要約】本発明は、第１の塗布手段（５）の使用により選択された表面領域上に第１の物質を塗布することである第１のステップを含む、固体物（４）を製造する方法に関し、その選択された表面領域および固体物は第１の塗布手段に対して双方とも移動状態にあり、第１のステップ中、選択された表面領域のみが第１の物質と接触状態にある。該方法はさらに、第１のステップが完了した後に、第２の塗布手段の使用により、選択された表面領域上に第２の物質を塗布することである第２のステップを含み、その選択された表面領域および固体物は、第２の塗布手段に対して双方とも移動状態にあり、第２のステップ中、選択された表面領域のみが第２の物質と接触状態にあり、該方法は連続的なライン速度で行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】［技術の分野］本発明は、インラインで固体物を製造する方法に関する。

【０００２】［発明の背景］インラインで固体物を製造する方法は、特に、たとえば歯ブラシなどの製品に
対する消費者製品産業において広く用いられている。一般に、そのような固体物
は、形成された後に印刷が施される。特に、かかる固体物の選択された表面領域
上に物質を塗布する技術がとりわけ用いられ、大抵、それは、かかる固体物上に
印刷するために用いられる。既存の印刷技術には種々のものがある。産業におい
て用いられている第１の種類の印刷技術は、大きなリール上に蓄えられている大
量のラベルを印刷することであり、その後、かかるラベルは製造ライン上に送ら
れ、固体物上に糊付けされる。第２の種類の印刷技術は、固体物の外面上にイン
クを直接塗布することであり、それによって、たとえば製造月日や特別な参照番
号を表示するように印刷自体をカスタマイズできる。

【０００３】本発明は、第１のステップと第２のステップとを含む固体物を製造する方法に
関し、第１のステップは、第１の塗布手段（application means）の使用により
、選択された表面領域上に第１の物質を塗布することであり、その選択された表
面領域および固体物は、第１の塗布手段に対して双方とも移動状態にあり、選択
された表面領域のみが、第１のステップ中、第１の物質と接触状態にある。かか
る方法は、上記第２の印刷技術により知られており、これによって、カスタム印
刷（custom printing）が固体物上に直接施され、一般に文字または数字の印刷
が多数のブラックドットにより形成される。

【０００４】塗布手段に対して移動状態にある固体物上に直接、情報をカスタム印刷するこ
との利点には、そのような情報が、製造された固体物ごとに異なることができる
という利点や、そのような印刷を製造ライン上で高速で行うことができるという
利点がある。かかる方法は、特に、たとえば消費者産業において有用であり、そ
れにより、たとえば固体物が装飾されることが望ましい。一般に、かかるカスタ
ム印刷は、上記の、固体物上にインラインで糊付けされる前にラベルが別プロセ
スで個々に予め印刷されてリール上に蓄えている第１の種類の他の既存方法とは
異なっている。実際に、印刷されたラベルを備えているリール（reels of print
ed label）を使用するそのような方法では、すべてのラベルは同一であり、どの
ラベルも製造ライン上のいずれかの固体物と対応することになる。しかしながら
、印刷されたラベルを蓄えているリールを使用するかかる方法により、文字や数
字を再印刷（reconstitute）するために制限された数のモノ・カラーのドットを
使用せずに、比較的高精細度のグラフィックスを有するラベルの使用が可能とな
る。

【０００５】上記の利点およびその他の利点を有する一方、既存の方法、特に、ドット行列
をインラインでカスタム印刷する方法、または印刷されたラベルを蓄えたリール
を使用する方法は欠点も有している。たとえば、ドット行列をインラインでカス
タム印刷する方法は精細度が低くいため、一色で示す日付のような単純な事項（
message）を印刷するのには適すが、高精細度のグラフィックスあるいはデザイ
ンを印刷するのには適さない。さらに、印刷されたラベルを蓄えたリールを使用
する方法は、ラベルのデザインの変更によりリールの変更が必要になる際に融通
性がなく、製造ラインの中断を伴うか、ラインを中断せずにリールを変更できる
ように二重式リールサポートシステムを有することが必要となる。いずれの場合
にも、印刷されたラベルを備えたリールの使用には、いずれの所望の種類のラベ
ルをインラインで直接製造しないため、かかるラベルを備えている必要がある。

【０００６】消費者製品のための固体物に、ブランドマーケティングのためのデザインとし
て、および使用法などの消費者のための情報のどちらにおいても、高品質の印刷
画像を担持させるのが普通である。従来、かかる画像は、接着剤保護のバッキン
グ（裏当て）材料を取り除いた後、固体物に張りつけられた感圧接着剤ラベル上
に印刷される。しかしながら、固体物に高速度で精確に張りつけするようにかか
るラベルを取り扱うことは困難であり、裏打ち紙（backing paper）の破損また
はラベルのジャミング（目詰まり）により、著しい停止時間（down-time）が生
じる可能性がある。さらに、ラベルは印刷機上で別個に印刷されなければならず
、これにはコストがかかり、時間がかかる。ラベルの積層板および裏打ち紙もま
たコストがかかり、無駄な流れ（工程）が増える（add to the waste stream）
。また、製造空間を別途設けなければならず、また、ラベルを蓄えるために、か
つ正しいラベルが正しい固体物上に載置されるのを確実にするために、在庫シス
テム（inventory system）が確立されなければならない。

【０００７】ラベルを使用することによるさらなる欠点は、装飾アートワークが変更される
場合、すべての残りラベルを破棄して、新たなラベルを印刷しなければならない
ということである。新たなアートワークの必要が承認された時点から、通常、新
たな印刷シリンダーまたはプレートを作成し、ラベルを印刷、かつ張りつけがで
きる状態にして供給するのに４週間から６週間かかる。

【０００８】代替法として、画像は、スクリーン印刷技術により固体物上に直接印刷される
。しかしながら、かかる技術はペースが遅くなる傾向があり、特に多色画像を印
刷する場合に遅くなり、製造させる画像の品質が制限される。通常、スクリーン
印刷を使用する時はいつも同時にただ１色から４色のみが印刷されるため、装飾
の複雑性が制限される。さらなる色を必要とする場合には、固体物に、印刷位置
を多数回にわたって通過させることにより達成できるが、このやり方はコストを
著しく増加させる傾向がある。さらに、たとえば楕円形の固体物、またはより複
雑な曲線形状を有する固体物のような非円形の固体物を用いて使用する場合、ス
クリーン印刷は、１分間につき５０の固体物、速くてもせいぜい１分間につき１
００の固体物という遅い速度で動作し、非常にペースが遅くなる傾向がある。

【０００９】さらに、スクリーン印刷で使用するスクリーンは、製造にかなりの時間がかか
る傾向がある。かかるスクリーンはまた、頻繁に取り替える必要があり、メンテ
ナンスコストが増大する。

【００１０】熱転写印刷技術も使用されて、画像を固体物上に直接形成する。しかしながら
、かかる技術もまたペースが遅く、やはり画像品質が低いものになりやすい。さ
らに、転写機によって印刷された固体物にかけられる圧力および／または熱によ
り、固体物に損傷を引き起こす場合もあり、このことは明らかに望ましくない。
さらに、転写工程には、不要な時間浪費およびコストを付加する転写フィルムの
使用が必要とされる。たとえばインクジェットおよびレーザー技術のようなデジ
タル印刷技術を使用して良質の画像が達成される得ること、また、かかる技術は
それらの適用に関して融通がきくことがよく知られている。インクジェット印刷
は、通常、水性または油性のインクを用いて、印刷用紙または他の吸収性材料に
印刷するのに使用されてきている。

【００１１】本発明は、固体物への物質の塗布において融通性と高解像度とを提供すること
ができ、工場生産のために広範な速度での稼動を可能にする、固体物を製造する
上記に述べた種類の方法を提供しようとするものである。

【００１２】［発明の概要］本発明によれば、本目的は、第２のステップが、第１のステップが完了した後
に、第２の塗布手段の使用により、選択された表面領域上に第２の物質を塗布す
ることである、上記の種類の方法において達成され、その選択された表面領域お
よび中空体は、第２の塗布手段に対して双方とも移動状態（in motion）にあり
、第２のステップ中、選択された表面領域のみが第２の物質と接触状態にあり、
この方法は連続的なライン速度で行われる。

【００１３】本発明による方法は多くの利点を有する。本方法は、固体物および選択された
表面領域が第１または第２の塗布手段に対して双方とも移動状態にありながら、
その選択された表面領域上に第２の物質を第１の物質同様に塗布することを含ん
でいるため、塗布をインラインで直接行う際の融通性と、単一の物質が固体物の
選択された表面領域上に塗布される場合よりも高い解像度とを得ることを可能に
する。融通性が改善されたことにより、たとえばリール上に高精細度のラベルを
蓄えることのような蓄積が著しく低減され、そのため製造コストが低くなる。さ
らに、融通性は、たとえば使用されない印刷されたラベルの廃棄を低減させ、し
たがって環境に対し有益である。

【００１４】［発明の詳細な説明］本発明の方法は固体物に関する。固体に関して、この物体は実質的に空間（em
pty space）がないものと理解されたい。かかる固体物は、たとえば歯ブラシで
あってもよい。選択された表面領域は固体物の構成部分（integral part）であ
ってもよく、あるいは、たとえばラベル上にある場合には別個であってもよい。
実際に、本発明によれば、固体物を以下のようにして処理することができる。す
なわち、選択された表面領域はラベル上にあってもよく、ラベル上に置かれた選
択された表面領域は、固体物上に塗布される前に本発明による方法によって取り
扱われる。選択された表面領域上に物質を塗布している間、本発明によれば、固
体物上にまだラベルが施されていなくとも、固体物は移動状態にある。実際に、
固体物およびラベルの双方が製造ライン上にあり、その製造ラインは、たとえば
印刷後にラベルが施される状態にある。ラベルはまた固体物上のブランク部分に
施され、ラベルがすでに固体物に固着した際に、ラベル上に位置する選択された
表面領域上に物質を塗布してもよい。さらに、ラベルを使用せずに、物質を固体
物上に直接塗布してもよい。

【００１５】本発明では、熱可塑性樹脂を含む材料からなる固体物であることが好ましい。

【００１６】本発明による方法の第１のステップは、選択された表面領域上に第１の物質を
塗布することである。通常、その物質はインクであり、インクジェット技術を用
いて塗布されることが好ましい。選択された表面領域は少なくとも３０ｃｍ²で
あることが好ましい。選択された表面領域は、たとえばラベル上、または歯ブラ
シのような固体物上に位置することができる。第１の塗布手段を使用して塗布を
行う。通常、かかる手段は、インクジェットプリンタのインクジェットヘッド、
好ましくは複数のノズルを有するインクジェットヘッドを備えている。

【００１７】本発明によれば、選択された表面領域および固体物は、第１の塗布手段に対し
て双方とも移動状態にある。これにより、たとえば塗布される前にラベルが印刷
される場合であっても、選択された表面領域および固体物を別個に移動させるこ
とを妨げることがない。しかしながら、このことは、これらの２つの構成要素は
製造ライン上で移動しているということを意味する。この相対移動は、第１の塗
布手段自体の動きにある構成要素を含み得る。実際に、特に非平坦面の選択され
た表面領域上に印刷する場合に、塗布手段および選択された表面領域自体を移動
させることが好ましい場合もある。いずれの場合においても、固体物も移動状態
にあり、そのため、固体物上に塗布する前にラベル上に印刷する場合には、固体
物は、ラベルが施される地点に向かって製造ライン上を移動している。実際に、
好ましい実施形態において、選択された表面領域はラベルの表面上にあり、この
ラベルは、物質が塗布された後で固体物上に固着される。この好ましい実施形態
は、選択された表面領域が固体物の外面の構成部分である別の好ましい実施形態
とは異なっている。

【００１８】本発明はまた、第１のステップ中、選択された表面領域のみが第１の物質と接
触状態にあることを述べている。このことは、いずれの要素と選択された表面領
域との間には不和（friction）がないことを意味している。選択された表面領域
がラベル上に位置する場合、ラベル自体は、たとえば固体物と接触状態にあって
もよい。実際に、選択された表面領域は、２つの寸法の面であることが意図され
ている。選択された表面領域上のそのような不和は、たとえばスクリーン印刷の
適用において生じ、その速度は本発明の方法とは適合しない。

【００１９】本発明の第２のステップは、第１のステップと同様であり、第１のステップの
後に続く。本発明による方法は、いずれの現行のライン速度でも行われる。それ
は用いられるインクジェット技術の洗練度、および同一の色を印刷するヘッド数
によって決まる。これは、固体物および選択された表面領域の連続的な動きによ
り、かつ選択された表面領域上への不和がないことにより可能となる。さらに、
複数の塗布手段により、満足な塗布が得られるとともに、ライン速度がより速く
なり向上がはかれる。本方法は、好ましくは１分につき少なくとも１０ｍ、より
好ましくは１分につき少なくとも２０ｍ、最も好ましくは１分につき少なくとも
２８ｍの速度で行われる。

【００２０】好ましい実施形態では、本方法はさらに１つまたはそれ以上の追加ステップを
含み、この追加ステップは、先行のステップが完了した後、追加の塗布手段の使
用により、選択された表面領域上に追加の物質を塗布することであり、追加ステ
ップ中、その選択された表面領域および固体物は追加の塗布手段に対して双方と
も移動状態にあり、選択された表面領域のみが追加の物質と接触している。この
追加ステップのそれぞれでは異なる物質が塗布されることが好ましいことを理解
されたい。最も好ましい実施形態は４つの追加ステップを含み、（第１および第
２のステップを合わせて）６つの物質がそれぞれ異なるインクであり、それによ
り、高解像度の画像、ならびにハイコントラストの高解像度グレースケール（gr
ey scale）画像を達成し得る。

【００２１】本発明の好ましい実施形態では、たとえば非平坦面の固体物表面上などの選択
された表面領域上に画像を印刷する方法は、一列の（a line of）固体物での移
動方向を横切る方向に間隔をあけて配置されたノズルのアレイを有して、インク
を吐出するインクジェットヘッドを連続して通過するようにして一列の固体物を
移動することと、上記固体物がインクジェットヘッドを通過する際に、各固体物
および／またはインクジェットヘッドを互いに相対して移動させることとを含み
、それにより、印刷中、インクジェットヘッドと、印刷される固体物表面との間
の距離はほぼ一定のままであり、かつその固体物表面の各部分がインクジェット
ヘッドを一度だけ通過するようになっている。

【００２２】本発明の別の好ましい実施形態によれば、固体物表面上に画像を印刷する装置
は、各固体物のためのレセプタクル、レセプタクルの移動方向を横切る方向に、
ノズルのアレイを有して、インクを吐出するインクジェットヘッドを連続して通
過するようにしてレセプタクルを移動させる搬送手段、および上記固体物がイン
クジェットヘッドを通過する際に、各固体物および／またはインクジェットヘッ
ドを互いに相対して移動させる手段を備えて、それにより、印刷中、インクジェ
ットヘッドと、印刷される固体物表面との間の距離をほぼ一定に保ち、かつその
固体物表面の各部分がインクジェットヘッドを一度だけ通過するようになってい
る。

【００２３】本発明の好ましい実施形態の方法および装置は、市販製品に適した速度で非平
担面の固体物に印刷または装飾することができる。本発明の好ましい実施形態で
は、たとえば、本方法は、高品質画像を達成し、かつ固体物に対する損傷を回避
するとともに、１分につき少なくとも１５０の固体物、好ましくは１分につき２
００以上の固体物、より好ましくは１分につき最大５００までの固体物に印刷す
ることができる。

【００２４】本発明の別の利点は、たとえば、固体物およびラベルの異なる形状および／ま
たはサイズ、ならびに異なるアートワークおよび／またはテキストを用いての使
用に容易に適応するということである。

【００２５】本発明のさらなる別の利点は、たとえば、ラベルおよび裏打ち紙、転写フィル
ム、または設計費および維持費の高い印刷板の必要性をなくすことによって、従
来技術の方法よりも低減されたコストで固体物を装飾するすることができるとい
うことである。

【００２６】たとえば、非平担面を有し、その表面上に印刷された画像のある固体物は、上
記に述べたような方法により、または上記に述べたような装置の使用により得る
ことが可能であることに留意されたい。

【００２７】本発明の好ましい方法では、一列の固体物はインクジェットヘッドを連続的に
通過して移動する。この適用に関しては、一列の（by a line of）固体物ごとに
一行の固体物または他の配列をカバーするよう意図され、それによって多数の固
体物が連続してインクジェットヘッドを通過する。固体物は、印刷中に垂直また
は水平に位置決めすることができるが、垂直に位置決めされることが好ましい。

【００２８】さらに、一列の固体物が連続して移動すると述べられている場合、そのライン
での印刷中の固体物および次の固体物の間では、たとえば、その工程において変
更をする必要がない限り、あるいは印刷機の維持を必要としない限り、一列の固
体物は移動を停止しないという意味を意図している。

【００２９】印刷中、印刷される固体物の表面およびインクジェットヘッドの間に短いほぼ
一定の距離を保つことが不可欠である。一定の距離が保たれないと、固体物表面
上に形成されたインクドットの位置およびサイズは、その表面のどの部分が印刷
されるかに応じて変わり、場所によって、画像に不鮮明（smudging）さをもたら
したり、非常にぼやけた画像をもたらしたり、あるいは結果的に、インクジェッ
トヘッドまたは固体物に損傷を生じる場合がある。

【００３０】一般的に、印刷前では、印刷される表面およびインクジェットヘッドの間の距
離を所定値に設定する。通常、所定の距離は、長いと空気流がインクジェットと
干渉して画像品質が低下する恐れがあるため、０．２ｍｍ〜４ｍｍの範囲、好ま
しくは０．５ｍｍ〜２．５ｍｍの範囲に維持される。これが、この適用に関して
のほぼ一定の距離ということの意味である。その距離は、さらに好ましくは１ｍ
ｍ"０．５ｍｍで一定であるように維持される。

【００３１】所定距離は、印刷される固体物および／またはインクジェットヘッドを移動す
ることによって維持される。たとえば、インクジェットヘッドは、印刷される固
体物の外形に従って移動するように形成することができる。しかしながら、単純
化ために、インクジェットヘッドは停止した状態のままで、各固体物をインクジ
ェットヘッドに相対して移動させることが好ましい。この場合、印刷前では、各
固体物が配列されて、固体物の列の移動方向において、印刷される固体物表面の
前（leading）部または縁がインクジェットヘッドから所定の距離にあることが
好ましい。次に、固体物が漸次的にその長手方向軸を中心に回転して、固体物表
面がインクジェットヘッドを通過する際に、固体物表面の後(tailing)部または
縁がインクジェットヘッドから所定の距離になるまで、固体物表面の各部分を今
度はインクジェットヘッドから所定の設定距離に至らせる。予測できるように、
複雑な形状を有する固体物が印刷される場合には、その固体物がインクジェット
ヘッドを通過する際に、固体物の回転方向を逆にする必要がある場合もある。し
かしながら、方法全般の速度に関しては、各固体物を回転する際に、印刷される
固体物表面の各部分がインクジェットヘッドを一度だけ通過することが好ましい
。

【００３２】最初に加えられる回転の方向および角度は、印刷される固体物の形状、および
固体物が辿ることとなる曲線路の形状によって決まる。たとえば、固体物はほぼ
直線的に移動させられ、インクジェットヘッドに対して凸状である表面を有する
場合には、まず、その固体物表面の前部をインクジェットヘッドの方向に移動さ
せなければならず、次に、インクジェットヘッドがその曲面の頂点または曲がり
点に達するまで漸次的にインクジェットヘッドから離れ、次に、固体物表面の後
縁をインクジェットヘッドに向けて漸次的に移動させなければならない。

【００３３】固体物を曲線路において移動させる場合、曲線経路および固体物表面のそれぞ
れの曲率半径に応じて、インクジェットヘッドに向けての、またはインクジェッ
トヘッドから離れてのいずれかでの回転をする必要がある場合もある。通常、固
体物の曲率半径は曲線経路の曲率半径よりも小さく、このため、上記のような移
動が必要となる。しかしながら、固体物の曲率半径が曲線経路の曲率半径よりも
大きい場合には、固体物の前縁は、まず、インクジェットヘッドが曲面の頂点に
達するまでインクジェットヘッドから漸次的に離れて移動させなければならず、
次に、後縁を移動させることにより、かかる縁がインクジェットヘッドに漸次的
に接近する。

【００３４】印刷中、インク滴がインクジェットヘッドから吐出する頻度は、固体物表面が
インクジェットヘッドを通過する際の固体物表面の線形速度でのわずかな変化を
補償するために調節される必要がある。インクジェット吐出時間もまた、印刷の
大半の間、インクジェットヘッドが固体物表面に対して垂直ではないことを補償
するために調節される必要がある。しかしながら、かかる調節は十分に当業者の
専門技術内のものである。

【００３５】インクジェットヘッドに対しての固体物の必要的な移動は、多くの方法で達成
され得る。たとえば、単一のサーボモータ、またはカム機構を用いることができ
る。モータを使用する場合、通常、印刷される固体物のサイズおよび形状に特定
のコンピュータプログラムにより制御されて、プログラムを簡単に変更すれば、
異なる固体物に印刷する方法に適合するようになる。したがって、このことによ
り、カム機構を用いるよりも利便性があることが示される。

【００３６】必要であれば、本発明は、少なくとも１つのセンサを用いて、固体物表面とイ
ンクジェットヘッドとの間の距離をモニタすることができる。たとえば、赤外線
センサ、レーザーセンサ、音波近接センサなど、いずれの適当なセンサを用いる
ことができる。センサは、インクジェットヘッドおよび／または固体物を互いに
相対して移動させる手段と連通しており、１つの印刷サイクル中に必要な場合に
、あるいは、ある種類の固体物への印刷から、異なるサイズおよび／または形状
の別の固体物への印刷に変更した後に、この移動手段を調節することを可能にす
る。

【００３７】印刷中、各固体物はコンベヤーまたは円形コンベヤー上のレセプタクル内に保
持されていることが好ましい。この場合、インクジェットヘッドに対する各固体
物の移動は、そのそれぞれのレセプタクルを移動することによって達成し得る。
各レセプタクルは固体物を保持する手段を備えて、印刷動作中、固体物とレセプ
タクルとの間には実質的に相対移動がないようになっていることが好ましい。通
常、保持手段は、固体物の頂部および底部の少なくとも１つの位置で固体物と接
触する。いずれの適当な保持手段を用いることができるが、例の１つは、固体物
の頂部へぴったりと挿入し、かつ固体物の底部とほぼ同じ外形を有するテーパ状
レセプタクル内の固体物の底部を保持する、テーパ状ストッパーを採用すること
である。好ましくは、保持手段の特性により、レセプタクルを、異なるサイズお
よび／または形状の固体物を用いて使用でき、かつ固体物に容易に適合させるこ
とが可能であり、それによって、わずかな遅延で、ある製造ラインから別の製造
ラインへの変換が可能となり、このことは、現在の市販製品における有意義な利
点を示す。

【００３８】本発明の方法は、印刷する画像の複雑さおよび／または印刷される固体物表面
の数に応じて、１つまたは複数のインクジェットヘッドを使用することができる
。各インクジェットヘッドは、印刷される固体物の列または行の移動方向に対し
て横切る方向に間隔をあけて配置されたノズルのアレイを備える。文献に十分に
記載されるように、インクは、デジタル制御下で、連続してあるいは要求に応じ
た滴下に基づいて、ノズルから吐出され得る。好ましくは、インクは要求に応じ
た滴下に基づいてノズルから吐出される。

【００３９】固体物表面が各インクジェットヘッドを一度だけ通過する際に、ノズルの数お
よびアレイの幅を印刷される画像に応じて選択する。通常、各インクジェットヘ
ッドは、１ｍｍにつき少なくとも７個のノズル、好ましくは１ｍｍにつき少なく
とも１２個のノズルを有しており、インクジェットヘッドは１つまたは複数の平
行ラインに配列されていてもよい。インクジェットヘッドは固体物の移動方向に
１インチにつき少なくとも２００滴、好ましくは１インチにつき３６０滴のイン
クを印刷できることが最も好ましい。

【００４０】多数のグレースケールレベルを用いて、高品質画像およびわずかのテキスト品
質（small text quality）を達成することが好ましい場合もある。好ましくは少
なくとも４つのグレースケールレベルを用いる。高品質画像およびわずかのテキ
スト品質を達成することのできるインクジェットヘッドの例の１つは、Ｘａａｒ
社により供給されるＸａａｒｊｅｔ１０００である。

【００４１】多数のインクジェットヘッドを異なる色のインク（ここではブラックインクお
よびホワイトインクも意味している）を印刷するために用いる場合、これらのイ
ンクジェットヘッドは、最終的に印刷された固体物上に色どうしの良好な試射（
registration）を行えるよう配列されることが不可欠である。通常、要求される
試射の精度は、異なる色のドットの位置決めにおける誤差が１００〜４００：ｍ
、好ましくは２００：ｍより少なく、さらに好ましくは７０：ｍ以下であること
である。

【００４２】固体ブロック色（solid block colour）、良質なテキスト、および良質な写真
画像を組み合わせて得るために、本発明の方法を特別なカラー印刷技術と組み合
わせることもできる。たとえば、最大の融通性と高品質印刷を達成するために、
６〜７色を用いる、いわゆる「ハイファイ」カラー印刷を使用することが好まし
い。この印刷では、たとえば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックに
加えて、ｉ）グリーンおよびオレンジ、あるいはｉｉ）レッド、グリーン、およ
びブルー、を利用する。この印刷は、利用可能なカラースペースを拡張し、比較
的低コストで高品質の装飾が可能であり、固体物にアートワークを印刷する場合
に通常見られるような、べた一色（solid colour）を生成するために多くの特別
な色の必要性を回避する。

【００４３】固体物表面の一部分以上、たとえば固体物の直径的な対向表面部分または対向
側面に印刷を所望する場合には、各固体物が第１のインクジェットヘッドを通過
した後で、固体物はその長手方向軸を中心に、たとえば少なくとも９０゜まで回
転して、印刷される固体物の次の表面部分または側面を、別のインクジェットヘ
ッドに呈示する。たとえば、固体物の対向側面に印刷する場合、各固体物は、イ
ンクジェットヘッドまたはインクジェットヘッドのセット間で約１８０゜まで回
転するだけである。次に、第２の表面部分または側面に印刷する場合、固体物表
面とインクジェットヘッドとの間のほぼ一定の距離を維持するために、固体物お
よび／またはインクジェットヘッドを上記の方法で再び移動させる。

【００４４】印刷にいずれの適当なインクを用いてもよいが、印刷される固体物がどのよう
な材料でつくられているかに応じて、ある特定のインクが好ましい場合もある。
たとえば、非吸収性固体物（たとえばプラスチック、金属、およびガラス固体物
）の場合、熱溶解インク、熱溶解非溶性トナーインク（a heat fusable non-sol
vent toner ink）、または放射線硬化可能（radiation-curable）インク（典型
的には紫外線（ＵＶ）硬化可能インク）などの位相変化インクを使用することが
好ましい場合もある。この場合、これらのインクが複数あれば、インクを溶解す
るかまたは硬化する手段は、各インクジェットヘッドの後に、かつ／または全体
の印刷工程の終わりに備えられることが好ましい。用いられるインクの種類に関
係なく、固体物表面はインクの接着を可能にするのに十分低い表面エネルギーを
有するべきである。これは、当業界ではよく知られているように、たとえばプラ
スチック固体物の火炎処理によって達成することができる。

【００４５】放射線硬化可能インクは、その使用では、結果として固体物に損傷をもたらす
ことが少ない傾向にあるため、熱することによって乾燥させる必要のあるインク
よりも好ましい場合がある。紫外線硬化可能インクは容易にプラスチック面に接
着し、かつ耐久性があるため、紫外線硬化可能インクが特に好ましい。インクジ
ェット技術でのこのようなインクの使用は、従来技術で説明されている。本発明
は、広範な種々のサイズおよび／または形状の固体物に印刷するのに適している
が、特に、曲面または非平担面を有する固体物に印刷するのに適している。本発
明は凸状および凹状のどちらの部分も有する面とは対照的に、一方向のみに曲が
っている面、たとえば凸状または凹状のいずれかの面を有する固体物に印刷をす
るのに特に適している。例として歯ブラシが挙げられる。

【００４６】本発明はまた、たとえばボール紙、厚紙、プラスチック、ガラス、および金属
といった広範の材料からなる固体物に印刷するのに適している。しかしながら、
本発明の主要な目的は、たとえば、洗剤、美容ケア製品、化粧品、製紙、および
食品産業、ならびにラベル産業における使用のための、典型的にはポリエチレン
ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、またはポリビニルアルコールからな
る比較的軽量のプラスチック製固体物に印刷することである。上記のような産業
における製品は、定期的に、かつ市場変動あるいは競合活動に即座に応じて、更
新する必要があることが多いため、固体物に迅速に印刷し、かつ印刷工程を異な
る製造ラインに容易に適合させ得ることが必要不可欠である。本発明により、初
めて、かつフルライン速度（filling-line speed）同様の高速度で、これらの要
件を満たすことができる。

【００４７】次に添付図面を参照する。

【００４８】図１を参照すると、装置１は、多数のレセプタクル３を搬送する回転円形コン
ベヤー２を備えており、レセプタクル３は一連のインクジェットヘッド５を通過
した固体物４を搬送する。各レセプタクルはそれぞれの固体物のための保持手段
（図示せず）を備える。

【００４９】レセプタクルのそれぞれは円形コンベヤー上で可動であり、印刷される固体物
の表面と各インクジェットヘッドとの間の、ほぼ一定の短い距離を維持するよう
になっている。紫外線ランプ６が各インクジェットヘッドの後に備えられて、固
体物上に印刷したインクを硬化し、必要であればさらに紫外線ランプ７が最終の
インクジェットヘッドの後に備えられて、印刷したインクが完全に硬化すること
を確実にする。紫外線ランプの代替として、光ファイバを採用して、さらに遠く
の供給源から紫外線光を伝搬することにより、スペースを確保してもよい。

【００５０】個々の固体物４は、従来型の分類機９から通じるコンベヤー８によって固体物
の個々のレセプタクル３内に置かれる。コンベヤー８上にある間、固定物はたと
えば、表面張力を低減するよう作用し、かつインクの接着を促進させる火炎処理
機１０による他の処理を受けてもよい。さらに、１８０゜回転した作業位置（st
ation）１１を備えて、固体物の既に印刷されたもう一方の側面を続くインクジ
ェットヘッドに呈示する。

【００５１】印刷後、固体物は円形コンベヤーから離れ、ビデオ装置１２を用いての印刷の
品質の点検を受ける。

【００５２】図２を参照すると、固体物２１は、フレーム２４から取り付けられており、か
つ固体物の頂部に差し込まれたテーパ状プラグ２３とともに、テーパ状パック２
２内に保持されている。このパックは、固体物をインクジェットヘッド２６に通
させる円形コンベヤー２５（ただしその一部しか図示せず）に支えられている。
この円形コンベヤーの下で、モータ２７によりパックに取り付けられたシャフト
２８を回転させることにより、インクジェットヘッドの正面で固体物を回転させ
る。このモータは、固体物を回転させるようプログラム可能であり、印刷される
固体物表面とインクジェットヘッドとの間の距離を、通常、２ｍｍ以下に維持す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による、印刷装置を上から見た平面図である。

【図２】固体物のレセプタクルの移動手段の一実施形態を備えた、図１の
一作業位置の拡大直立図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者ジョンソン，ロバートカルヴィンアメリカ合衆国オハイオ州、オケアナ、アラート、ニュー、ロンドン、ロード 6930 Ｆターム(参考） 2C056 EA24 FB01 2C062 RA01 3E095 AA20 BA01 CA02 DA76 DA83 FA02 FA29

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】第１のステップと第２のステップとを含む、固体物を製造す
る方法において、該第１のステップは、第１の塗布手段の使用により、選択され
た表面領域上に第１の物質を塗布することであり、該選択された表面領域および
前記固体物は、前記第１の塗布手段に対して双方とも移動状態にあり、そして前
記選択された表面領域のみが、前記第１のステップ中、前記第１の物質と接触状
態にある方法であって、前記第２のステップは、前記第１のステップが完了した
後に、第２の塗布手段の使用により、前記選択された表面領域上に第２の物質を
塗布することであり、前記選択された表面領域および前記固体物は、前記第２の
塗布手段に対して双方とも移動状態にあり、前記第２のステップ中、前記選択さ
れた表面領域のみが前記第２の物質と接触状態にあり、そして前記方法は連続的
なライン速度で行われることを特徴とする、方法。
【請求項２】前記方法は、１つまたはそれ以上の追加ステップをさらに含
み、該追加ステップは、先行するステップの完了後に、追加の塗布手段の使用に
より前記選択された表面領域上に追加の物質を塗布することであり、前記選択さ
れた表面領域および前記固体物は、前記追加の塗布手段に対して双方とも移動状
態にあり、前記選択された表面領域のみが、前記追加ステップ中、前記追加の物
質と接触状態にある、請求項１に記載の方法。
【請求項３】４つの前記追加ステップが、前記第２のステップの後に行わ
れて、そのため６つの物質の塗布が行われる、請求項２に記載の方法。
【請求項４】前記第１および第２の物質はインクである、請求項１に記載
の方法。
【請求項５】中空体が熱可塑性樹脂を含む材料からなる歯ブラシである、
請求項１に記載の方法。
【請求項６】前記選択された表面領域はラベル面上にあり、該ラベルは、
前記物質の塗布の後に前記固体物の残りの部分に固着される、請求項１に記載の
方法。
【請求項７】前記選択された表面領域は前記固体物の外面の構成部分であ
る、請求項１に記載の方法。
【請求項８】前記選択された表面領域は少なくとも３０ｃｍ²である、請
求項１に記載の方法。
【請求項９】前記塗布手段はインクジェットプリンタである、請求項１に
記載の方法。
【請求項１０】前記選択された表面領域は非平坦面である、請求項１に記
載の方法。