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JP2002536317A - ヒドロゲル粒子処方物 - Google Patents

ヒドロゲル粒子処方物

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JP2002536317A
JP2002536317A JP2000596912A JP2000596912A JP2002536317A JP 2002536317 A JP2002536317 A JP 2002536317A JP 2000596912 A JP2000596912 A JP 2000596912A JP 2000596912 A JP2000596912 A JP 2000596912A JP 2002536317 A JP2002536317 A JP 2002536317A
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hydrogel
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hydrogel particles
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スティーブン ヨセフ プレストレルスキー,
ユ−ファン マー,
アンドリュー マドル,
ロデリック ハフナー,
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パウダージェクト リサーチ リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 活性な物質とヒドロゲルキャリア部分との組み合わせから形成された新規な組成物が提供される。この組成物は、高速度経皮粒子注射技術における使用に適切である。この新規な組成物を提供する方法もまた提供される。さらに、薬理学的に活性な薬剤を被験体に投与するための方法が提供される。これらの方法は、薬物、生物薬剤、ワクチンおよび診断薬剤を送達するために有用である。皮膚、筋肉もしくは組織内または皮膚、筋肉もしくは組織を通しての(例えば、角質層を横切るかまたは経粘膜内への)この組成物の直接注射を達成する、従って、それらの障害機能を無効にする、デバイスについての用途を提供する組成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は一般に、粒子状薬学的組成物に関する。より詳細には、本発明は、無
針注射器システムからの経皮粒子送達に適切である粒子状薬学的組成物、および
このような組成物を生成するための方法に関係する。
【0002】 (発明の背景) 薬学的薬剤を皮膚表面にまたは皮膚表面を通して送達する能力(経皮送達)は
、経口送達技術または非経口送達技術を超える多くの利点を提供する。特に、経
皮送達は、伝統的な投与システムに対して、安全で、便利でかつ非侵襲性の代替
法を提供し、経口送達に関連する主な問題(例えば、可変の吸収速度および代謝
速度、胃腸刺激および/または苦いもしくは不快な薬物の味)または非経口送達
に関連する主な問題(例えば、針の痛み、処置される個体に感染を導入する危険
性、偶然針が刺さることにより引き起こされる健常な医療労働者の汚染もしくは
感染の危険性および使用された針の廃棄)を便利に回避する。
【0003】 しかし、その明確な利点にもかかわらず、経皮送達は、多数のそれ自体の固有
のロジスティックな問題を示す。薬物が血液またはリンパ系へと侵入するには、
インタクトな皮膚を通しての受動送達は必ず、多数の構造的に異なる組織(角質
層、生存可能な表皮、乳頭真皮および毛細血管壁を含む)を通しての分子の輸送
を伴う。それゆえ、経皮送達システムは、組織の各々の型により示される種々の
抵抗を克服できなければならない。
【0004】 上記を考慮して、受動経皮送達に対する多数の代替法が開発されてきた。これ
らの代替法は、皮膚の浸透性を上昇させるための、皮膚透過(skin pen
etration)増強剤、すなわち、「浸透(permeation)エンハ
ンサー」の使用、ならびに非化学的形態(例えば、イオン導入、エレクトロポレ
ーションまたは超音波の使用)を含む。しかし、これらの代替的技術はしばしば
、それら自体の独特の副作用(例えば、皮膚の刺激または感作)を生じる。従っ
て、伝統的な経皮送達法を用いて安全かつ有効に投与され得る薬剤の範囲は制限
されている。
【0005】 より最近では、粉末(すなわち、固体薬物含有粒子)を制御された用量で、イ
ンタクトな皮膚にかつインタクトな皮膚を通して発射する、無針注射器の使用を
含む新規な経皮薬物送達システムが記載されている。特に、Bellhouse
らに対する、共有に係る米国特許第5,630,796号は、超音速ガスフロー
中に飛抹同伴される薬学的粒子を送達する、無針注射器を記載する。この無針注
射器は、粉末状の薬物化合物および組成物の経皮送達のため、生存細胞への遺伝
物質の送達(例えば、遺伝子治療)のため、および皮膚、筋肉、血液またはリン
パへの生物薬剤の送達のために用いられる。この無針注射器はまた、手術と関連
して用いられて、薬物および生物製剤を器官の表面、固形腫瘍および/または手
術腔(例えば、腫瘍床(tumor bed)または腫瘍切除後の腔)へと送達
し得る。理論的に、実質的に固体の粒子状形態で調製され得る実用的に任意の薬
学的薬剤は、このようなデバイスを用いて安全かつ容易に送達され得る。
【0006】 ヒドロゲル組成物は、生物医学分野で周知であり、そして通常、細胞および組
織の培地のための基質、プロテーゼのためのインプレッション(impress
ion)材料、または創傷パッキング材料として、またはサイズ排除クロマトグ
ラフィー適用もしくはアフィニティークロマトグラフィー適用において固相材料
として用いられている。例えば、非多孔性か、変形しているかおよび/または誘
導体化されたアガロースヒドロゲル組成物は、高速液体クロマトグラフィー法お
よびアフィニティークロマトグラフィー法(Liら(1990)Prepara
tive Biochem.20:107−121)に用いられており、そして
超多孔性(superporous)アガロースヒドロゲルビーズは、疎水性相
互作用クロマトグラフィーにおいて支持体として用いられている(Gustav
ssonら(1999)J.Chromatography 830:275−
284)。薬学の分野では、ヒドロゲルモノマー(天然または合成)は、薬学的
組成物(開始剤、そしてしばしば架橋材を含む)に通常添加され、次いで重合さ
せられ、それにより、ゲスト薬物がヒドロゲルマトリクス内にカプセル化される
。これらの技術を用いて、薬物標的化システムまたは制御放出システムのための
ミクロスフェアキャリアシステムが提供される。例えば、架橋ヒドロゲルミクロ
スフェアを用いて、糖尿病の処置のための島細胞(Limら(1980)Sci
ence 210:908−910)か、または癌抑制物質を生成する癌細胞(
米国特許第5,888,497号)がカプセル化されており、そして生分解性ヒ
ドロゲルミクロスフェアを広範に用いて、広範な種々の薬物組成物(最も通常は
ペプチドおよびタンパク質)がカプセル化されている(Wangら(1997)
Pharm.Dev.and Technology 2:135−142)。
これらの適用では、この処方物において用いられる特定のヒドロゲルシステムは
、ゲスト細胞または薬学的物質の長期の封入を提供するように(例えば、標的化
された送達または持続放出薬物動態もしくは遅延放出薬物動態を提供するように
)選択される。
【0007】 (発明の要旨) 本発明は、薬理学的に活性な薬剤が、被験体(特にヒト)への経皮粒子注射の
ためのヒドロゲル粒子と会合し得る、という発見に基づく。組成物は、ヒドロゲ
ル粒子と会合した適切な薬理学的に活性な薬剤を含む材料を含む粉末の形態であ
り、ここで、この粉末を構成する粒子は、約0.1ミクロン〜250ミクロン、
好ましくは約10ミクロン〜100ミクロンの平均断面寸法、すなわち、10μ
m〜100μmの質量平均空気力学的直径(mass mean aerody
namic diameter)の大きさを有する。
【0008】 この組成物は、皮膚、筋肉もしくは組織内または皮膚、筋肉もしくは組織を通
しての(例えば、角質層を横切るかまたは経粘膜内への)この組成物の直接注射
を達成する、従って、それらの障害機能を無効にする、デバイスについての用途
を提供する。一般に、これは、この粒子を、100〜3000メートル/秒の速
度まで一過性超音速ヘリウムガスジェットにおいて加速することによって達成さ
れる。ヒドロゲルに含まれる薬理学的薬剤としては、薬物(すなわち、低分子有
機分子)、生物薬剤(すなわち、ペプチド、より大きなタンパク質およびオリゴ
ヌクレオチド)、伝統的ワクチンおよびDNAワクチン、ならびに投与される被
験体に生化学的および生理学的効果を提供する遺伝子治療が挙げられる。この効
果は、処置されたヒトまたは動物における疾患を防止または改善するようなもの
であり得る。本発明の利点としては、容易な処理、活性な薬剤の高い充填、およ
びその組成物内での粒子の狭いサイズ分布が挙げられる。
【0009】 従って、本発明は、粒子注射による被験体の治療処置において使用するための
、ヒドロゲルもまた含む粒子状薬の製造における、薬理学的に活性な薬剤の使用
を提供する。
【0010】 本発明はまた、粒子注射による投与に適切な粉末状薬学的組成物の作製方法を
提供し、この方法は、以下の工程: (a)ヒドロゲル粒子を、薬理学的に活性な薬剤を含む水性組成物と接触させ
、それにより、この粒子にこの薬剤を充填する工程; (b)必要に応じて、このようにして充填されたヒドロゲル粒子を、少なくと
も部分的乾燥工程においてこの水性組成物から分離する工程、およびこの分離さ
れた粒子を、この薬理学的に活性な薬剤を含む水性組成物と接触させ、それによ
り、この粒子にこの薬剤をさらに充填する工程; (c)工程(b)が実施された場合、必要に応じてこの工程を1〜12回のよ
うに1回以上繰り返す工程; (d)このようにして充填されたヒドロゲル粒子を、乾燥工程においてこの水
性組成物から分離する工程;ならびに (e)経皮粉末注射デバイスにおいて使用するために適切なこの所望の粉末状
薬学的組成物を得る工程、 を包含する。
【0011】 本発明の1つの実施形態では、抗原をコードする発現可能な遺伝子構築物が充
填されたヒドロゲルから本質的になる粒子状薬は、粒子注射による被験体への送
達のための核酸として用いられ得る。別の実施形態では、抗原が充填されたヒド
ロゲルから本質的になる粒子状薬は、粒子注射による被験体への送達のためのワ
クチンとして用いられ得る。
【0012】 ヒドロゲル粒子が、薬理学的に活性なゲスト薬剤についてのキャリアシステム
として用いられ、それにより、このような薬剤の高速度粒子注射送達性能が促進
され得ることが本発明の利点である。ゲスト薬剤の放出は代表的に、水性環境に
送達された場合にヒドロゲルによって経験される膨潤の程度;結晶化したゲスト
薬剤の溶解;ヒドロゲルマトリクスの架橋密度;ヒドロゲルマトリクスからの、
活性な薬剤の拡散;ヒドロゲルマトリクスの分解などのような因子に依存するの
で、多数の送達プロフィールは、各ゲスト薬剤について容易に調整され得る。さ
らに、予め形成されたヒドロゲルビーズにゲスト物質を充填するための方法は、
高価な活性成分の充填の前にヒドロゲルキャリアを予めサイズ決めすることを可
能にし、従って、代表的な粒子サイズ決め操作の際の、このような薬剤の、可能
な喪失を回避する。
【0013】 本発明のこれらおよび他の目的、局面、実施形態および利点は、本明細書中の
開示を考慮して当業者に容易に想起される。
【0014】 (好ましい実施形態の詳細な記載) 本発明を詳細に記載する前に、本発明が、特に例示されたヒドロゲルまたは薬
学的な粉末処方物またはプロセスパラメーターは当然ながら変化し得るので、こ
れらに限定されないことが理解される。本明細書中で使用される用語は、本発明
の特定の実施形態を記載する目的のためだけであり、そして限定しようとする意
図がないこともまた理解される。
【0015】 本明細書中で言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、(前出であ
れ、後出であれ)本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0016】 本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」
、「an」、および「the」は、その内容が明らかにそうでないと示さない限
り、複数の指示物を含むことに注目しなければならない。従って、例えば「粒子
(a particle)」という言及は、2つ以上のこのような粒子の混合物
を含み、「薬剤(a pharmaceutical)」という言及は、2つ以
上のこのような薬剤(agent)の混合物を含む、などである。
【0017】 (A.定義) 他で定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用
語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有
する。以下の用語は、以下に示されるように定義されることが意図される。
【0018】 本発明を記載する際に、以下の用語が使用され、そして以下に示されるように
定義されることが意図される。
【0019】 本明細書中で使用される場合、用語「粉末」は、無針注射器デバイスを使用し
て経皮的に送達され得る、実質的に固体粒子からなる組成物をいう。粉末を構成
する粒子は、複数のパラメーターに基づいて特徴付けられ得、そのパラメーター
としては、平均粒子サイズ、平均粒子密度、粒子の形態(例えば、粒子の空気力
学的形状および粒子の表面の特徴)、ならびに粒子の透過エネルギー(P.E.
)が挙げられるがそれらに限定されない。
【0020】 本発明に従った粉末の平均粒子サイズは、広範に変化し得、そして一般には0
.1〜250μm、例えば10〜100μm、そしてより代表的には20〜70
μmである。粉末の平均粒子サイズを、顕微鏡技術(ここで、粒子は、グループ
化されて統計的にというよりは、直接的かつ個別に、サイズ計測される)、気体
の吸収、浸透性、または飛行時間のような従来の技術を使用して、質量平均空気
力学的直径(MMAD)として測定し得る。所望される場合、平均粒子サイズを
確認するために、自動粒子サイズ計数器を使用し得る(例えば、Aerosiz
er Counter、Coulter Counter、HIAC Coun
ter、またはGelman Automatic Particle Cou
nter)。
【0021】 実際の粒子密度、すなわち「絶対密度」を、公知の定量化技術(例えば、ヘリ
ウム比重瓶法など)を使用して容易に確認し得る。あるいは、本発明に従う粉末
の密度を評価するために、エンベロープ(envelope)(「タップ」)密
度測定を使用し得る。本発明の粉末のエンベロープ密度は、一般に0.1〜25
g/cm3、好ましくは0.8〜1.5g/cm3である。
【0022】 エンベロープ密度情報は、不規則な大きさおよび形状の物体の密度を特徴付け
る際に特に有用である。エンベロープ密度は、物体の質量をその体積で割ったも
のであり、ここでこの体積は細孔および空洞の体積を含むが、間隙の空間は除外
する。エンベロープ密度を決定する多数の方法が当該分野において公知であり、
その方法としては、ワックス浸漬、水銀置換、水吸収、および見かけの比重技術
が挙げられる。多数の適切なデバイスがまた、エンベロープ密度を決定するため
に利用可能である(例えば、Micromeritics Instrumen
t Corp.から入手可能なGeoPycTM Model 1360)。薬学
的組成物サンプルの絶対密度とエンベロープ密度との間の差異は、サンプルの総
多孔度(%)および比細孔容積についての情報を提供する。
【0023】 粒子形態、特に、粒子の空気力学的形状を、標準的な光学顕微鏡を使用して容
易に評価し得る。インスタント粉末を構成する粒子は、実質的に球状か、または
少なくとも実質的に楕円形の空気力学的形状を有することが好ましい。粒子は、
ロッド状粒子または針状粒子の存在を回避するために、3以下の縦横比(axi
s ratio)を有することがまた好ましい。これらの同じ顕微鏡技術をまた
、粒子表面の特性(例えば、表面空隙の量および程度または多孔度の程度)を評
価するために使用し得る。
【0024】 粒子透過エネルギーを、多数の従来技術(例えば、金属化フィルムP.E.試
験)を使用して確認し得る。金属化フィルム材料(例えば、片面に蒸着された3
50Åのアルミニウム層を有する125μmのポリエステルフィルム)を、基材
として使用し、その基材内に、無針注射器(例えば、Bellhouseらに対
する米国特許第5,630,796号に記載される無針注射器)から、約100
〜3000m/秒の初速度で、粉末を発射する。金属化フィルムを、金属でコー
トされた側を上に向けて、適切な表面上に配置する。
【0025】 粉末を充填した無針注射器を、そのスペーサーと共に上記フィルムに接触させ
て配置し、次いで発射する。残った粉末を、適切な溶媒を使用して金属化フィル
ム表面から除去する。次いで、金属化フィルムを走査するためのBioRad
Model GS−700画像化濃度計(imaging densitome
ter)を使用してBioRad透過エネルギーを評価し、そしてSCSIイン
ターフェイスを備え、MultiAnalystソフトウェア(BioRad)
およびMatlabソフトウェア(Release 5.1、The Math
Works、Inc.)を搭載したパーソナルコンピューターを使用して、濃度
計読取り値を評価する。あるプログラムを使用して、透過法または反射法のいず
れかの濃度計を用いて作製された濃度計走査を処理する。粉末の透過エネルギー
は、再処理された同じ大きさのマンニトール粒子(共有に係る国際公開番号WO
97/48485(本明細書中で参考として援用される)の方法に従って、凍結
乾燥され、圧縮され、挽かれ、そしてふるい分けされたマンニトール粒子)の透
過エネルギーと同じであるか、またはそれより良好であるべきである。
【0026】 用語「被験体」とは、亜門cordataの任意のメンバーをいい、制限する
ことなく、以下を含む:ヒトおよび非ヒト霊長類(例えば、チンパンジーおよび
他の類人猿(ape)ならびにサル(monkey)の種)を含む他の霊長類;
家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびウマ);家庭用哺乳動物(例
えば、イヌおよびネコ);齧歯類(例えば、マウス、ラット、およびモルモット
)を含む実験動物;家庭用の鳥、野生の鳥、および猟鳥(例えば、ニワトリ、シ
チメンチョウ、および他のキジ類の鳥、アヒル、ガチョウなど)を含む鳥。この
用語は、特定の齢を意味しない。従って、成体および新生の両方の個体が含まれ
ることが意図される。これら全ての脊椎動物の免疫系は同様に作動するので、本
明細書中に記載される方法は、上記の任意の脊椎動物種における使用を対象とす
る。
【0027】 用語「経皮送達」は、経皮(「皮膚を通しての」)経路の投与および経粘膜経
路の投与の両方(すなわち、皮膚組織または粘膜組織を通過することによる送達
)を含む。例えば、Transdermal Drug Delivery:D
evelopmental Issues and Research Ini
tiatives、Hadgraft and Guy(編)、Marcel
Dekker、Inc.、(1989);Controlled Drug D
elivery:Fundamentals and Application
s、RobinsonおよびLee(編)、Marcel Dekker In
c.、(1987);およびTransdermal Delivery of Drugs、第1〜3巻、KodonieusおよびBerner(編)、C
RC Press、(1987)を参照のこと。
【0028】 (B.一般的な方法) 平均直径が約0.1〜約250ミクロン(μm)、好ましくは平均直径が約1
0〜約100μmの固体粒子を含む薬がこのように提供され、ここで各粒子は、
薬理学的に活性な薬剤が会合したヒドロゲル構造を含み、この粒子は、粒子注射
による被験体への経皮送達に適切である。いくつかの実施形態において、粒子の
大きさは、平均直径で、約20〜約75μm、そしてより好ましくは約40〜約
60μmである。粒子の性質は、無針注射器からの送達に際する、標的の皮膚、
組織または粘膜表面との衝撃性衝突、ならびに送達デバイス内での粒子の相互作
用に耐えるために十分である。組成物は、大量に産生され得る粉末の形態であり
、容器に入れて輸送されるか、または無針注射器送達デバイス(すなわち、無針
注射器)を用いる使用のための単位投薬量として調製される。
【0029】 (本発明において有用なヒドロゲル) 本発明において有用なヒドロゲルは、組成物が投与される被験体において薬学
的に受容可能なヒドロゲルである。このヒドロゲルは、脱水形態において、長時
間安定であるべきである。このヒドロゲルは、天然に存在する(例えば、アガロ
ースおよびアルギネート)か、あるいは合成的に調製され得るかまたは改変され
得る(例えば、ポリエチレングリコール PEG)。ヒドロゲルは、高分子の三
次元網目構造を含む材料であり、この構造は、ヒドロゲルが、水の存在下で膨潤
し、水の非存在下で(または水の量の減少によって)収縮するが、水に溶解はし
ないことを可能にする。膨潤(すなわち、水の吸収)は、高分子の網目構造に結
合したか、または高分子の網目構造内に分散した、親水性官能基の存在の結果で
ある。隣接した高分子間での架橋は、これらのヒドロゲルの水不溶性をもたらす
。架橋は、化学結合(すなわち、共有結合)または物理結合(すなわち、ファン
デルワールス力、水素結合、イオン力など)に起因し得る。ポリマー産業におい
ては、本発明において有用な高分子材料を、乾燥状態では「キセロゲル」そして
水和状態では「ヒドロゲル」という者もいるが、本特許出願の目的のために、用
語「ヒドロゲル」は、脱水状態であろうと水和状態であろうと高分子材料をいう
。特別に重要なヒドロゲルの特徴は、脱水状態であろうと水和状態であろうと、
材料が全体的な形状を維持することである。従って、ヒドロゲルが、脱水状態に
おいてほぼ球形の形状を有する場合、それは水和状態において球形である。
【0030】 代表的に、薬理学的に活性な薬剤は、高分子の網目構造中で、薬剤の水性分散
を介してヒドロゲルと会合し、次いでこの材料は、乾燥されて、薬剤がヒドロゲ
ル中に固定化され、そして捕獲される。薬剤のヒドロゲルとの会合は、生じるヒ
ドロゲル粒子全体にわたる均一な分散および吸収、またはヒドロゲル粒子の部分
のみにおける部分的な分散であり得る。さらにまたはあるいは、薬剤のヒドロゲ
ルとの会合は、2つの成分の間で形成されるイオン結合または共有結合に起因し
得、そして薬剤は、主にヒドロゲルマトリックス内に含まれ得るか、またはヒド
ロゲル構造の表面と会合(例えば、結合)し得る。好ましくは、薬剤は、ヒドロ
ゲルの高分子ネットワーク中に、本質的に完全に吸収される。薬剤のヒドロゲル
との会合は、ヒドロゲル粒子の形成の間か、または粒子が調製された後に生じ得
る。一旦、ヒドロゲル組成物が皮膚または粘膜の部位に投与されると、薬剤は、
いくつかの機構のうちの1つによって動物の系に放出される。一旦ヒドロゲルが
水性環境に入ると、高分子ネットワークは膨潤し、従って薬剤を放出する。そし
て/または、高分子ネットワークが生分解性である場合、それは侵食され、そし
て薬剤を放出する。従って、ヒドロゲルは、非生分解性(すなわち、輸送可能お
よび排出可能)であり得るか、あるいは生分解性(すなわち、侵食性(erod
ible))である。侵食性なヒドロゲルは、一般に、2つの型:(1)架橋で
侵食性、または(2)バックボーン(backbone)で侵食性と見なされ得
る。
【0031】 合成的に調製されるヒドロゲルは、一般に、バックボーンを形成するためにモ
ノマー材料を重合すること、およびこのバックボーンを、架橋剤を用いて架橋す
ることによって調製される。一般的なヒドロゲルモノマーとしては、以下が挙げ
られる:乳酸、グリコール酸、アクリル酸、1−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト(HEMA)、エチルメタクリレート(EMA)、プロピレングリコールメタ
クリレート(PEMA)、アクリルアミド(AAM)、N−ビニルピロリドン、
メチルメタクリレート(MMA)、グリシジルメタクリレート(GDMA)、グ
リコールメタクリレート(GMA)、エチレングリコール、フマル酸など。一般
的な架橋剤としては、テトラエチレングリコールジメタクリレート(TEGDM
A)およびN,N’−メチレンビスアクリルアミドが挙げられる。
【0032】 いくつかの合成ヒドロゲルは、親水性ビニルモノマーのフリーラジカル重合に
よって作製される。最初の工程は、通常、アゾ型開始剤(例えば、2,2’−ア
ゾビス(2−メチルプロパンニトリル))またはペルオキシド開始剤(例えば、
ベンゾイルペルオキシド)の添加による、フリーラジカルの形成である。紫外光
またはγ放射線もまた、反応を開始し得る。ビニルモノマー基とのフリーラジカ
ル反応によって、伝搬が生じる。通常、反応混合物の一部は、ある程度の架橋を
提供する二官能性のビニル化合物からなる。ゲルの親水性は、通常、ゲル中に親
水性のビニルモノマーおよび疎水性のビニルモノマーを共重合することによって
制御される。ヒドロゲルの浸透率は、とりわけ、架橋の程度、ゲルの水和の度合
、および浸透体の性質によって決定される。
【0033】 重合混合物において使用される溶媒の量および型は、生成されるゲルの質に実
質的に影響を及し得る。例えば、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)すな
わちポリ(HEMA)は、35〜40wt%の水しか吸収せず、従って、より多
い量の水を含む重合反応混合物から調製されるポリ(HEMA)は、水が充填さ
れた空隙を含み、そして外観は半透明はまた不透明である。架橋は、通常、ポリ
マーの水収着を減少させる。
【0034】 ヒドロゲルはまた、水の非存在下で調製され得、次いで、水と、または活性薬
剤の濃縮された水溶液と平衡化される。乾燥状態で高程度の架橋を有する非常に
親水性なヒドロゲルを調製することを回避するために、注意が払われなければな
らない。なぜなら、次いで、水との平衡が内圧を誘導し、その内圧がヒドロゲル
構造の機械的な破壊を生じ得るからである。ヒドロゲルの調製において制御され
るべき他のパラメーターは、重合の温度および開始剤の濃度である。
【0035】 侵食性ヒドロゲルの例としては、以下から調製されるヒドロゲルが挙げられる
:ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸、
ポリオキシエチレン、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体など。加水分解不安
定性が架橋に存在する、侵食性ヒドロゲルとしては、N−ビニルピロリドンまた
はアクリルアミドをN,N’−メチレンビスアクリルアミドと共重合することに
よって調製される架橋生成物が挙げられる。加水分解不安定性がバックボーン結
合に存在する、侵食性ヒドロゲルは、不飽和二酸(例えば、フマル酸)をジオー
ル(例えば、ポリ(エチレングリコール))と縮合し、そしてフリーラジカル反
応においてビニルピロリドンと架橋することによって調製される。
【0036】 合成ヒドロゲルのさらなる議論は、Richard Bakerによる「Co
ntrolled Release of Biologically Act
ive Agents」、A Wiley−Interscience Pub
lication、John Wiley & Sons、101−104頁お
よび178−183頁に見出され得る。この参考文献は、本明細書中で参考とし
て援用される。
【0037】 ヒドロゲルが、薬学的適用、生体医学的適用、および生物工学的適用における
多くの使用を見出す一方で、本発明において記載される様式で使用されたものは
存在しない。ヒドロゲルの適用の議論は、以下の刊行物において見出され得る:
【0038】
【化1】 本発明において有用な天然に存在するヒドロゲルとしては、天然の供給源(例
えば、植物、藻類、真菌類、酵母、海洋無脊椎動物、および節足動物)から入手
可能な種々の多糖類が挙げられる。代表的な例としては、アガロース、デキスト
ラン、キチン、セルロースベースの化合物、デンプン、誘導されたデンプンなど
が挙げられる。これらは、一般的に、多糖類バックボーンの主要部分として繰り
返しグルコース単位を有する。アガロースおよびデキストランが、好ましい。
【0039】 アガロースは、寒天、すなわちRhodophyceaeという藻類の寒天細
胞(aganocyte)から抽出された多糖類複合体の、中性のゲル化画分で
ある。主な、寒天を生成する属は、太平洋およびインド洋および日本海で見られ
る、Gelidium、Gracclaria、Acanthopeltis、
Ceramium、およびPterocladiaである。アガロースは、クロ
マトグラフィー樹脂として広範な用途を見出し、そしてそれゆえ、クロマトグラ
フィーカラム中での使用のために広範に利用可能である。この材料は、10〜1
00μmのどこかの厳密に制御された直径の大きさを有する超微粒子(ビーズ)
として、種々の商品名で、種々の供給源から入手可能である。本明細書中で使用
する場合、用語「ビーズ」は、その通常の生化学的な意味で使用され、小さい、
分離したヒドロゲル粒子をいう。本明細書中での使用に適切なアガロースビーズ
は、例えば、Sigma Chemical Company(St.Loui
s、MO)、Prometic Biosciences、Inc.(Mont
real、Quebec、Canada)およびBio−Rad Corpor
ation(Hercules、CA)からBio−Gel A15Mとして広
く入手可能である。あるいは、適切なアガロースビーズ(例えば、4%、6%、
8%、およびより高いアガロースw/v濃度、架橋または非架橋)は、多数の公
知の技術を使用して容易に形成され得る。例えば、アガロースビーズは、アガロ
ースを「氷冷の」エーテル(Hjerten、S.(1964)Biochem
.Biophys.Acta 79:393−398)中に噴霧することによっ
て、冷却時のゲル形成の前にアガロースを乳化した温かい非水性溶媒を使用して
(米国特許第5,053,332号)、温かいアガロース溶液を冷却した鉱油お
よび水の中に滴下することによって(米国特許第5,053,332号)、アガ
ロース溶液を冷却した疎水性表面上に滴下することによって(米国特許第5,0
53,332号)、またはアガロース溶液を回転円盤上に滴下することによって
(米国特許第4,978,069号)形成され得る。本明細書中では、これらの
後者の「溶媒を含まない」形成方法が好ましい。
【0040】 デキストランは、ショ糖基質上に増殖する細菌によって産生される多糖類であ
り、主にα−D(1→6)結合されたD−グルコース単位のバックボーンを含む
。いくつかの生物体はデキストランを産生するが、Leuconostoc m
esenteroidesおよびL.dextranicum(Lactoba
cteriaceac)のみが商業的に使用されている。高い分子量を有する天
然のデキストランが好ましい。全てのデキストランは、全くα−D−グルコピラ
ノシル単位のみから構成される。70,000mwを超える高分子量デキストラ
ンの商品名としては、Dextran 70、Hyskon、Macrodex
およびDextran 75、Gentran 75が挙げられる。デキストラ
ンは改変されて、例えばポリデキシド(polidexide)デキストラン2
−(ジエチルアミノ)エチル2−[[2−(ジエタミノ)エチル]−ジエチルア
ンモニオ]エチルエーテルクロリドヒドロクロリドエピクロロヒドリン架橋物と
してもまた公知である)を形成し得る。これは、DEAE−Sephadexと
して知られるイオン交換樹脂である。
【0041】 キチンは、主にβ−(1→4)−2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グル
コース(N−アセチル−D−グルコサミンとも命名される)残基の、分枝のない
鎖からなるセルロース様のバイオポリマーである。キチンは、真菌類、酵母、海
洋無脊椎動物、および節足動物において見られ、ここでそれは外骨格中での主要
な成分である。キチンは、セルロースの誘導体と見なされ得、ここで、C−2ヒ
ドロキシル基はアセトアミド残基によって置換されている。キトサンとして公知
である、脱アシル化したキチンもまた有用である。
【0042】 クロマトグラフィーで使用されるか、またはイオン交換材料として使用される
セルロースベースの材料(例えば、DEAE−セルロース(ジエチルアミノ−エ
チルセルロース)およびECTEOLA−セルロース)もまた有用である。
【0043】 (本発明において有用な薬理学的に活性な薬剤) 「薬理学的に活性な薬剤」としては、生物体(ヒトまたは動物の被験体)に投
与された場合に、所望の薬理学的効果および生理学的効果を局所的な作用および
/または全身的な作用によって誘導する、任意の化合物または組成物が挙げられ
る。従ってこの用語は、慣例上、薬物、生物薬剤(ペプチド、タンパク質、核酸
のような分子を含む)、ワクチン、および遺伝子治療(例えば、遺伝子構築物)
と見なされる化合物または化学物質を含む。
【0044】 本発明の組成物において有用な薬理学的に活性な薬剤としては、以下が挙げら
れる:シナプス接合部位および神経効果器接合部位で作用する薬剤(コリン作用
性アゴニスト、抗コリンエステラーゼ剤、アトロピン、スコポラミン、および関
連する抗ムスカリン薬物、カテコールアミン、および交感神経作用薬物、ならび
にアドレナリン作用性レセプター/アンタゴニスト);中枢神経系に作用する薬
物;オータコイド(炎症の薬物治療);腎機能および電解質代謝に作用する薬物
;心臓血管薬物;胃腸機能に作用する薬物;新生物性疾患の化学療法;ならびに
ホルモンおよびホルモンアンタゴニスト。従って、この組成物において有用な薬
剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:抗感染剤(例えば、抗
生物質および抗ウイルス剤);鎮痛薬および鎮痛薬の組合わせ;局所麻酔薬およ
び全身麻酔薬;食欲抑制薬;抗関節炎薬;喘息鎮静剤;鎮痙薬;抗うつ薬;抗ヒ
スタミン薬;抗炎症剤;制吐剤;抗片頭痛剤(antimigrane age
nt);抗腫瘍剤;止痒剤;抗精神病薬;解熱薬;鎮痙薬;心臓血管製剤(カル
シウムチャネル遮断剤、β遮断剤、βアゴニスト、および抗不整脈剤(anti
arrythmics)を含む);抗高血圧薬;利尿薬;血管拡張薬;中枢神経
系刺激薬;咳および風邪用の製剤;うっ血除去薬;診断薬;ホルモン;骨生長刺
激剤および骨吸収阻害剤;免疫抑制剤;筋弛緩薬;精神刺激薬;鎮静薬;精神安
定薬;タンパク質、ペプチド、およびそのフラグメント(天然に存在するか、化
学的に合成されるか、または組換え的に産生されるかのいずれにせよ);ならび
に核酸分子(2つ以上のヌクレオチド(リボヌクレオチド(RNA)またはデオ
キシリボヌクレオチド(DNA)のいずれか)の重合体の形態であって、二重鎖
分子および一本鎖分子および超コイル分子または縮合分子、遺伝子構築物、発現
ベクター、プラスミド、アンチセンス分子などを含む)。
【0045】 本発明において有用な薬物の特定の例としては、アンギオテンシン転換酵素(
ACE)インヒビター、β−ラクタム抗生物質およびγ−アミノ酪酸(GABA
)様化合物が挙げられる。代表的なACEインヒビターは、Goodmanおよ
びGilman、第8版、757−762頁(これは、本明細書中に参考として
援用される)に記載される。これらとしては、キナプリル、ラミプリル、カプト
プリル、ベンゼプリル(benzepril)、ホシノプリル、リジノプリル、
エナラプリルなど、そしてそれぞれの薬学的に受容可能なそれらの塩が挙げられ
る。β−ラクタム抗生物質は、一般的に、抗生物質の構造におけるβ−ラクタム
環の存在によって特徴付けられる抗生物質であり、そしてGoodmanおよび
Gilman、第8版、1065〜1097頁(これは、本明細書中に参考とし
て援用される)に議論される。これらとしては、ペニシリンおよびその誘導体(
例えば、アモキシリンおよびセファロスポリン)が挙げられる。GABA様化合
物はまた、GoodmanおよびGilmanにおいて見出され得る。他の化合
物としては、カルシウムチャネルブロッカー(例えば、ベラパミル、ニフェジピ
ン、ニカルジピン、ニモジピンおよびジルチアゼム);テオフィリンのような気
管支拡張薬;塩酸フェニルプロパノールアミンのような食欲抑制剤;デキストロ
メトルファンおよびその臭化水素酸塩、ノスカピン、クエン酸カルベタペンタン
、および塩酸クロフェジアノールのような鎮咳薬;テルフェナジン、酒石酸フェ
ニダミン(phenidamine tartrate)、マレイン酸ピリラミ
ン、コハク酸ドキシラミンおよびクエン酸フェニルトロキサミンのような抗ヒス
タミン薬;塩酸フェニレフリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸プソイ
ドエフェドリン、塩酸クロルフェニラミン、塩酸プソイドエフェドリン、マレイ
ン酸クロルフェニラミン、エフェドリン、フェニレフリン、クロルフェニラミン
、ピリラミン、フェニルプロパノールアミン、デキスクロルフェニラミン、フェ
ニルトロキサミン(phenyltoxamine)、フェニンダミン、オキシ
メタゾリン、メトスコポラミン(methscopalamine)、プソイド
エフェドリン、ブロムフェニラミン、カルビノキサミンおよびそれらの薬学的に
受容可能な塩(例えば、塩酸塩、マレイン酸塩、タンニン酸塩など)のようなう
っ血除去薬、β−アドレナリン作用性レセプターアゴニスト(例えば、プロパノ
ロール(propanolol)、ナドロール(nadalol)、チモロール
、ピンドロール、ラベタロール、メトプロロール、アテノロール、エスモロール
(esniolol)およびアセブトロール);モルヒネのような麻薬性鎮痛薬
;塩酸メチルフェニデートのような中枢神経系(CNS)刺激薬;フェノチアジ
ン、三環系抗うつ薬(trycyclic antidepressant)お
よびMAOインヒビターのような抗精神病薬または向精神薬;アルプラゾラム(
alprozolam)、ジアゼパムのようなベンゾジアゼピン(benzad
iazepine)など、ならびに、サリチル酸、アスピリン、サリチル酸メチ
ル、ジフルニサル、サルサラート、フェニルブタゾン、インドメタシン、オキシ
フェンブタゾン、アパゾン(apazone)、メフェナム酸、メクロフェナム
酸ナトリウム、イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、フェ
ノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ピロキシカム、ジクロフ
ェナク、エトドラク、ケトロラク、アセクロフェナク、ナブメトンなどのような
特定の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(例えば、サリチレート、ピラゾ
ロン、インドメタシン、スリンダク、フェナメート(fenamate)、トル
メチン、プロピオン酸誘導体)が挙げられる。
【0046】 本発明の組成物および方法において有用な別の薬理学的に活性な薬剤は、抗原
(すなわち、宿主免疫系を刺激し、細胞性抗原特異的免疫応答または体液性抗体
応答を作る1つ以上のエピトープを含む分子)である。従って、抗原としては、
タンパク質、ポリペプチド、抗原性タンパク質フラグメント、オリゴ糖、多糖な
どが挙げられる。抗原は、任意の公知のウイルス、細菌、寄生生物、植物、原生
動物または真菌から誘導され得、そして生物体全体またはそれらの免疫原性部分
(例えば、細胞壁成分)であり得る。抗原はまた、腫瘍由来であり得る。例えば
、DNA免疫適用において抗原を発現するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレ
オチドはまた、抗原の定義内に含まれる。合成的な抗原(例えば、ハプテン、ポ
リエピトープ(polyepitope)、隣接エピトープ、および他の組換え
体または組換え体誘導もしくは合成的に誘導された抗原)もまた、抗原の定義内
に含まれる(Bergmannら(1993)Eur.J.Immunol.2
3:2777−2781;Bergmannら(1996)J.Immunol
.157:3242−3249;Suhrbier,A.(1997)Immu
nol.And Cell Biol.75:402−408;Gardner
ら(1998)12th World AIDS Conference,Gen
eva,Switzerland(1998年6月28日〜7月3日)。
【0047】 従って、抗原が、本発明に従ってヒドロゲルと結合する場合、これは、「ワク
チン組成物」としてみなされ得、そしてそのようなものとして、抗原を含む任意
の薬学的組成物を含み、ここで、組成物は、被験体の疾患または状態を予防また
は処置するために使用され得る。この用語は、サブユニットワクチン(すなわち
、天然において抗原が結合する生物体全体から分離かつ独立した抗原を含むワク
チン組成物)ならびに、殺傷されるか弱毒化されるかまたは不活化された、細菌
、ウイルス、寄生生物または他の微生物の全体を含む組成物の両方を含む。この
ワクチンはまた、ワクチンの効果をさらに改善し得るサイトカインを含み得る。
【0048】 本明細書中で使用されるウイルスワクチン組成物としては、限定されないが、
以下の科のメンバーを含むかまたはこれらから誘導されるワクチンが挙げられる
:とりわけ、ピコルナウイルス科(例えば、ポリオウイルスなど);カルシウイ
ルス科;トガウイルス科(例えば、風疹ウイルス、テング熱ウイルスなど);フ
ラビウイルス科;コロナウイルス科;レオウイルス科;ビルナウイルス科;ラブ
ドウイルス科(Rhabodoviridae)(例えば、狂犬病ウイルス、ミ
ールスウイルス(meals virus)、RSウイルスなど);オルトミク
ソウイルス科(例えば、A型、B型およびC型インフルエンザウイルスなど);
ブンヤウイルス科;アレナウイルス科;レトロウイルス科(例えば、HTLV−
I;HTLV−II;HIV−1;およびHIV−2);シミアン免疫不全ウイ
ルス(SIV)。さらに、ウイルス抗原は、パピローマウイルス(例えば、HP
V);ヘルペスウイルス;肝炎ウイルス(例えば、HPV);ヘルペスウイルス
;肝炎ウイルス(例えば、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(H
BV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、デルタD型肝炎ウイルス(HDV)、E
型肝炎ウイルス(HEV)およびG型肝炎ウイルス(HGV))ならびにダニ媒
介脳炎ウイルスから誘導され得る。これらおよび他のウイルスの詳細に関しては
、例えば、Virology、第3版(W.K.Joklik編、1988);
Fundamental Virology 第2版(B.N.Fieldsお
よびD.M.Knipe編、1991)を参照のこと。本明細書中に使用される
細菌ワクチン組成物としては、限定されないが、ジフテリア、コレラ、結核、破
傷風、百日咳、髄膜炎および他の病原性状態(Meningococcus A
、BおよびC、B型ヘモフィルスインフルエンザ(Hemophilus in
fluenza type B)(HIB)およびHelicobacter
pyloriを含む)を引き起こす生物体を含むかまたはこれらから誘導される
組成物を含む。抗寄生生物性ワクチン組成物の例としては、マラリアおよびライ
ム病を引き起こす生物体由来の組成物が挙げられる。
【0049】 本発明における使用に適切なヌクレオチド配列としては、任意の治療的に関連
するヌクレオチド配列が挙げられる。従って、本発明は、標的細胞のゲノムまた
は所望の生物学的効果もしくは治療的効果(例えば、抗ウイルス機能)を有する
非天然のタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子から、欠失したかまたは失わ
れたタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子を送達するために使用され得る。
本発明はまた、免疫性を提供し得るヌクレオチド配列(例えば、被験体において
体液性応答および/もしくは細胞性応答を誘発するためにはたらく免疫原性配列
、またはアンチセンス機能もしくはリボザイム機能を有する分子に対応する配列
)を送達するために使用され得る。
【0050】 送達され得る適切な遺伝子としては、AIDS、癌、神経性疾患、心臓血管疾
患、高コレステロール血症のような障害を含む、炎症性疾患、自己免疫疾患、慢
性疾患、および感染症疾患;種々の貧血、サラセミアおよび血友病を含む種々の
血管障害;嚢胞性線維症、ゴーシェ病、アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損
、気腫などのような遺伝的欠損などの処置に使用され得る遺伝子が挙げられる。
癌およびウイルス疾患に対するアンチセンス治療に有用である多くのアンチセン
スオリゴヌクレオチド(例えば、mRNAの翻訳開始部位(AUGコドン)の周
辺の配列に相補的な短いオリゴヌクレオチド)は、当該分野において記載されて
いる。例えば、Hanら(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 88:4313;Uhlmannら(1990)Chem.Rev.9
0:543;Heleneら(1990)Biochim.Biophys.A
cta.1049:99;Agarwalら(1988)Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 85:7079;およびHeikkilaら(19
87)Nature 328:445を参照のこと。本明細書中における使用に
適した多くのリボザイムもまた、記載されている。例えば、Checら(199
2)J.Biol.Chem.267:17479および米国特許第5,225
,347号(Goldbergら)を参照のこと。
【0051】 例えば、固体腫瘍の処置のための方法において、毒性ペプチドをコードする遺
伝子(すなわち、リシン、ジフテリア毒素およびコブラ毒因子のような化学療法
剤)、p53のような腫瘍抑制遺伝子、形質転換癌遺伝子、抗腫瘍性ペプチド(
例えば、腫瘍壊死因子(TNF)および他のサイトカイン)、または形質転換癌
遺伝子のトランスドミナントネガティブ変異体に対してアンチセンスであるmR
NA配列をコードする遺伝子は、腫瘍部位にかまたは腫瘍部位の近くにおける発
現のために送達され得る。
【0052】 同様に、抗ウイルス性活性および/もしくは抗細菌性活性を示すか、または宿
主免疫系を刺激することが公知のペプチドをコードする遺伝子もまた、投与され
得る。従って、インターロイキン、インターフェロンおよびコロニー刺激因子の
ような種々のサイトカイン(またはその機能的フラグメント)の多くをコードす
る遺伝子は、本発明での使用を見いだす。多くのこれらの物質に関する遺伝子配
列は公知である。
【0053】 遺伝的障害の処置に関して、特定の障害において欠損することが公知の遺伝子
に対応する機能的遺伝子が、被験体に投与され得る。本発明はまた、例えば特定
の相補配列にハイブリダイズし、それによってこれらの配列の転写および/また
は翻訳を阻害することが可能なオリゴヌクレオチドの送達に関する、アンチセン
ス治療における使用を見出す。従って、特定の疾患の進行に必要なタンパク質を
コードするDNAまたはRNAが標的化され、それによって疾患のプロセスを阻
害し得る。アンチセンス治療、および疾患を引き起こす遺伝子の発現を阻害また
は調節するために特定の核酸標的配列へ特異的かつ予想通りに結合し得る多数の
オリゴヌクレオチドが公知であり、そして当業者に容易に利用可能である。Uh
lmannら(1990)Chem Rev.90:543、Neckersら
(1992)Crit.Rev.Oncogenesis 3:175;Sim
onsら(1992)Nature 359:67;Bayeverら(199
2)Antisense Res.Dev.2:109;Whitesellら
(1991)Antisense Res.Dev.1:343;Cookら(
1991)Anti−cancer Drug Design 6:585;E
guchiら(1991)Annu.Rev.Biochem.60:631。
従って、宿主細胞において標的配列に選択的に結合可能なアンチセンスオリゴヌ
クレオチドが、アンチセンス治療における使用のために本明細書中に提供される
【0054】 (他の組成物の考慮) 本発明の組成物は、被験体への高速度の経皮送達(代表的には、角質層を越え
る、または経粘膜(transmucosal membrane))に適切な
サイズのヒドロゲル含有粒子を有する粉末である。この粉末は、一般的に流動可
能(flowable)である。流動可能な粉末を形成する粒子の平均質量空気
力学的直径は、約0.1〜250μm、好ましくは約20μmよりも大きいが約
100μmよりも小さく、詳細には、75μmより小さい範囲内であり得る。よ
り好ましくは、粒子の大多数は、約40〜60μmの範囲である。粉末の粒子は
、一般的に、0.1〜25g/cm3、好ましくは0.8〜1.5g/cm3のエ
ンベロープ密度を有する。顕微鏡下で観察する場合、個々の粒子の形状が変化し
得るが、この形状は、好ましくはおよそ球状であるが、楕円系、不規則な形状お
よび/または環状体であり得る。ヒドロゲルはそれ自身が、規則的または不規則
な表面を有し得る球形に近い粒子を形成するために役立つ。ヒドロゲルはそれ自
身がまた、粒子を通じた吸収によってか、または単にヒドロゲル粒子表面との結
合によって、ヒドロゲル粒子と関連する活性な薬剤を有する均一な密度の粒子を
形成するように役立つ。
【0055】 ヒドロゲルの広範な選択が利用可能なので、所定の組成物中に存在する活性な
薬剤の量は、どのくらいの水をヒドロゲルが吸収し得るかに依存して、容易に変
化され得る。例えば、高度に可溶性高度に活性な薬剤は、より低い吸収性のヒド
ロゲルと結合し得る(なぜなら、より低い濃度が必要であるから)が、より高い
濃度を必要とするより低度に活性な薬剤は、より吸収性のヒドロゲルと結合すべ
きである。従って、この活性な薬剤は、本発明の組成物中に、約0.1重量%〜
約80重量%およびそれ以上の範囲の量で存在するが、この活性な薬剤は、代表
的に、本組成物中に約0.3重量%〜約70重量%の範囲の量(例えば、約10
重量%〜60重量%または約20重量%〜約55重量%)で存在する。実際の量
は、薬剤の活性、所望の用量、および本明細書を読んだ当業者によって容易に理
解される他の変数に依存する。
【0056】 本発明のヒドロゲル組成物を用いると、約10〜100μmの範囲の粒子サイ
ズを有する水和されたヒドロゲル粒子(例えば、生組織への送達の際に水和され
た)からの活性な薬剤の解離は、代表的に0.1〜1.0秒のオーダーである。
経皮投与の際にヒドロゲル粒子の瞬時に近い水和を用いると、活性な薬剤の放出
は、全ての実際的な目的に関して即時である。この特徴によって、即時送達の薬
物動態を必要とする経皮粉末注射技術に特に理想的な、本組成物を作製する。し
かし、いくつかの実施形態において、化学的および/または物理的な水分吸収お
よび能動的溶解速度は、変化され、持続または遅延された放出能力を特徴とする
ヒドロゲル組成物を提供し得る。
【0057】 従って、いくつかの組成物において、親水性または両親媒性薬剤は、乾燥した
粒子の水和速度を減速するためおよび/または粒子からの能動的な放出の速度を
減速するために、ヒドロゲル組成物に取り込まれる。同様の技術が、同様の効果
を達成するために、ヒドロゲル粒子の外側をコーティングするために使用され得
る。例えば、脂溶性薬剤は、ヒドロゲル粒子の内部領域および/または外部領域
に添加され得、標的部位に存在する吸収する水への活性な薬剤の直接的な曝露を
減少し、そしてまた、プロセシングの間の能動的な分解の頻度を減少する(例え
ば、処理溶媒との接触に起因する)。そのような薬剤の添加は、さらに粒子への
水の吸収速度を減速させ、ヒドロゲルキャリアからの活性な薬剤の分解速度を有
意に減速する。水界からの薬剤の溶解は、2つの工程のプロセス(水吸収/粒子
の水和および膨張、続いてこの粒子からの能動的な溶解および拡散のプロセス)
であるので、能動的な放出の経路をブロックまたは迫害する2重の機会がある。
【0058】 本発明のヒドロゲル組成物の水和および溶解の動速度論を減少し得る疎水性薬
剤の例は、脂肪酸およびその薬学的に受容可能な塩(例えば、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸(steric acid)、ステアリン酸亜鉛、パル
ミチン酸(palimitic aci)およびパリテートナトリウム(sod
ium palitate))である。他の適切な薬剤としては、両親媒性(a
mpiphilic)界面活性剤(グリセリドなど)またはポリマー(例えば、
ポリ乳酸グリコール酸(polylactic glycolic acid)
(PLGA)、ポリオルトエステル)が挙げられる。デンプン成分はまた、半混
和性溶媒(すなわち、水中で部分混和性を有する溶媒)(例えば、溶解障壁とし
てはたらくようにヒドロゲル粒子に添加され得るトリアセチン)と同様に、これ
らの目的に適切である。これらの溶媒は、さらに、疎水性薬剤をヒドロゲル粒子
に充填するために使用され得、そうでなければ、この薬剤は、ヒドロゲル構造の
疎水性環境に運ばれない。そのような薬剤を本発明のヒドロゲル粒子に取り込む
ために、適切な方法では、疎水性薬剤が溶解する有機またはアルコールベースの
溶媒を使用し得る。次いで、乾燥ヒドロゲル粒子(ビーズ)は、粒子表面を完全
に湿らすのに少なくとも十分な、粒子に対する溶媒の比率で溶媒内に置かれる。
次いで、さらなる溶媒を使用して、より厚いコーティングを作り上げ得る。ヒド
ロゲル粒子中またはヒドロゲル粒子上に吸収される疎水性薬剤の最終量は、溶媒
中のコーティング剤の濃度、溶媒中のヒドロゲルによって経験される膨張の程度
、およびヒドロゲルに対する溶媒の比率に依存する。
【0059】 特定の他の実施形態において、このヒドロゲルは、標準的な化学を用いて誘導
体化され、粒子内または粒子上にあり、かつゲストの活性な薬剤との結合に魅力
的な部位(例えば、ゲスト薬剤とのイオン性相互作用のための部位)を提供し得
る。あるいは、ヒドロゲルポリマー結合体が提供され、ここでゲストの活性な薬
剤は、ヒドロゲルに化学的に結合(例えば、共有結合)し、変化された放出プロ
フィール(薬物動態)を提供するかまたはヒドロゲル送達プラットホームと特定
の薬剤を結合させるかのいずれかである。この点に関して、多数のタンパク質−
ポリマー結合体化学が、公知であり、そして当該分野で十分に特徴付けられ(例
えば、Burnham,N.(1994)Am.J.Hosp.Pharm.5
1:210−218を参照のこと)、したがって、本発明の組成物を用いた使用
に適切である。
【0060】 タンパク質(およびペプチド)ゲスト薬剤を本明細書中に記載のヒドロゲル(
ポリマー)粒子に連結させる目的に関して、時間制御された様式または特定の生
理的条件への応答のいずれかで、タンパク質ゲスト薬剤をヒドロゲルから放出す
るために、特定のタンパク質−ポリマー結合体連結は、生分解性であることが、
しばしば好ましい。そのような生分解性連結の1つのクラスは、タンパク質とポ
リマー(ヒドロゲル)との間の化学結合が加水分解的に分解されるクラスである
。本明細書を読んだ上で、当業者によって理解されるように、本明細書中の使用
に適したタンパク質とポリマーとの間の通常の化学結合は、アミノ酸側鎖との反
応(例えば、リジンのε−アミノ基およびタンパク質のα−アミノ基(アミド結
合、チオ尿素結合、アルキルアミン結合およびウレタン結合)、遊離のシステイ
ン残基のチオール基(チオエーテル結合)、およびアスパラギン酸およびグルタ
ミン酸のカルボン酸基(アミドおよびアルキルアミン))を含む。例えば、Du
ncanら(1994)Adv.Polym.Sci.57:53−101およ
びBrinkley,M.(1992)Bioconjugate Chem.
3:2−13を参照のこと。スクシネートエステル(succinate es
tes)(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド)を用いて生成されたアミド
結合は、周知であり、そして所望の加水分解不安定性を有し(Lomantsら
(1976)J.Mol.Biol.104:243−248)、そしてスクシ
ネートエステル(例えば、スクシンイミジルスクシネート)で形成されたタンパ
ク質−ポリマー結合体は、生理学的条件下で分解可能である(Dreborgら
(1990)Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Sys
t.6:315−365;Zalipskyら(1992)Biotechno
l.Appl.Biochem.15:100−114)。さらに、チオール結
合体化学が、生理学的還元条件下で分解可能であり、これは、可逆性のタンパク
質−ポリマー結合を提供し(Woghirenら(1993)Bioconju
gate Chem.4:314−318)、そして酵素学的に分解可能な連結
が記載されており、ここでタンパク質または薬剤のいずれかは、短いペプチド配
列を介してポリマーキャリアに結合される(Kopecekら(1981)Ma
kromol.Chem.182:799−807)。
【0061】 本発明の組成物はまた、結合剤、キャリア、安定剤、滑沢剤(glidant
)、抗酸化剤、pH調節剤、抗刺激剤などとして薬学的に受容可能な賦形剤を含
む。そのような「賦形剤」は、一般的に、実質的に不活性な物質をいい、この物
質は非毒性であり、そして有害な様式で組成物の他の成分と相互作用しない。特
定の賦形剤が存在し得る割合は、賦形剤が提供される目的および賦形剤の個性に
依存する。デキストランのようなキャリアが、10〜75重量%の粒子(例えば
、20〜70重量%または30〜60重量%)のような任意の適切な量で提供さ
れ得る。
【0062】 ペプチドに対する安定剤としてまた作用する適切なキャリアの例としては、薬
学的グレードのデキストロース、スクロース、ラクトース、トレハロース、マン
ニトール、ソルビトール、イノシトール、デキストランなどが挙げられる。従っ
て、キャリアは、単糖、二糖または糖アルコールのような糖であり得る。他のキ
ャリアとしては、デンプン、セルロース、リン酸ナトリウムまたはリン酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、クエン酸、酒石酸、グリシン、高分子量のポリエチレン
グリコール(PEG)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。荷電された脂
質および/または界面活性剤を使用することはまた、有用であり得る。適切な荷
電された脂質としては、限定されないが、ホスファチジルコリン(レシチン)な
どが挙げられる。界面活性剤は、代表的に、非イオン性界面活性剤、陰イオン性
界面活性剤、陽イオン性界面活性剤または両性界面活性剤である。適切な界面活
性剤の例としては、例えば、Tergitol(登録商標)およびTriton
(登録商標)界面活性剤(Union Carbide Chemicals
and Plastics、Danbury、CT)、ポリオキシエチレンソル
ビタン(例えば、TWEEN(登録商標)界面活性剤(Atlas Chemi
cal Industries,Wilmington,DE))、ポリオキシ
エチレンエステル(例えば、Brij)、薬学的に受容可能な脂肪酸エステル(
例えば、ラウリル硫酸およびその塩(SDS))などの物質が挙げられる。
【0063】 皮膚に対する透過エンハンサーを使用して、本発明のプロセスによって生成さ
れた粒子組成物の送達プロフィールを補助することもまた、有用であり得る。「
透過エンハンサー」または「浸透エンハンサー」は、本明細書中で使用される場
合、薬理学的に活性な薬剤の皮膚への浸透の増加(すなわち、皮膚を介して浸透
しそして血流に侵入する薬物の速度を増加させるため)に関する。そのようなエ
ンハンサーの使用を介してもたらされた増強された浸透は、当該分野で周知の拡
散細胞装置を用いた、動物またはヒトの皮膚を介した活性な薬剤の拡散速度を測
定することによって観察され得る。透過エンハンサーを使用して、経皮送達特徴
を容易にし得、そして所望の治療的効果または予防的効果を提供し得る。透過エ
ンハンサーの「有効」量は、本明細書中で使用される場合、皮膚浸透性における
所望の増加、およびそれに対応して、所望の透過深度、投与速度、ならびに本発
明の方法によって送達される活性な薬剤の量を提供する量を意味する。
【0064】 (調製のプロセス) 本発明の別の局面は、高速度の粒子注射技術を用いる被験体への経皮投与に適
した粉末組成物を調製するためのプロセスである。一般的な用語において、この
プロセスは、薬理学的に活性な薬剤をヒドロゲル粒子に充填する工程を包含する
。ヒドロゲルと結合する活性な薬剤を有しかつ針のないシリンジによる直接注射
のための適切な物理的および機能的特徴を有する、ヒドロゲル粒子が形成される
。ヒドロゲル粒子が予め形成されて次いで粒子に添加される活性な薬剤を有し得
るか、またはヒドロゲル物質および活性な薬剤が組み合わされて、適切なサイズ
の粒子がインサイチュで形成され得る組成物を提供し得る。好ましい局面におい
て、このプロセスは、以下の工程を包含する: −予め形成されたヒドロゲル粒子の混合物を提供する工程、 −その粒子と薬理学的に活性な薬剤を含有する水性組成物(例えば、その中に溶
解および/または懸濁されている)とを、その薬剤がそのヒドロゲル粒子と密接
に結合しかつそれと共に取り込まれる(例えば、ヒドロゲルは、膨張しかつその
中に活性な薬剤を取り込み得る)に十分な期間、組み合わせる工程、ならびに −乾燥工程においてヒドロゲル粒子を水性組成物から分離し(例えば、適切な乾
燥方法を用いて懸濁液から水および他の溶媒を除去する)、粉末の薬学的組成物
を得る工程。粉末の組成物は、実質的に、固体ヒドロゲル粒子と共に取り込まれ
る活性な薬剤を有する固体ヒドロゲル粒子を含み、そして、経皮粉末注射デバイ
スにおける使用に適している。
【0065】 好ましくは、粉末中の各粒子は、約10〜100μmのMMADを有する。任
意の適切な乾燥方法、例えば、スプレー乾燥、凍結乾燥(free−dryin
g)、スプレー凍結乾燥、空気乾燥、真空補助乾燥などが使用され得る。しかし
、凍結乾燥およびスプレー乾燥が、好ましい方法である。1つの特定の方法にお
いて、予め形成されたヒドロゲル粒子は、なお乾燥状態にありつつ、水性組成物
と組み合わされる。別の方法において、予め形成されたヒドロゲル粒子は、湿っ
た膨張前の状態において、水性組成物と結合される。
【0066】 本発明のヒドロゲル組成物を調製するプロセスは、最初に所望のサイズのヒド
ロゲルビーズを形成する工程、次いでこのビーズを、活性薬剤の水性混合物と、
この活性薬剤がこのヒドロゲルビーズと会合する(例えば、このヒドロゲルビー
ズ内および/または上に吸収される)に十分な時間合わせることにより、活性薬
剤をそのビーズと会合させる工程によって、実施され得る。アガロースビーズを
調製するためのアプローチは、本明細書中上記で議論される。これらおよび当業
者に公知の他の方法を使用して、他のヒドロゲル材料からビーズを調製し得る。
これらのビーズは、乾燥される場合に、本発明の組成物に対して所望の粒子サイ
ズに粉砕され得る。
【0067】 別の好ましい局面において、このプロセスは、以下の工程を包含する: −予め形成されたヒドロゲル粒子の混合物を提供する工程、 −このヒドロゲル粒子を、薬理学的に活性な薬剤を含む水性組成物に、これらの
粒子の膨潤およびこの粒子内への活性薬剤の取り込みを引き起こすに十分な時間
、懸濁させる工程、ならびに −乾燥工程において、水および他の溶媒をこの懸濁液から除去する工程であって
、これによって、粉末化薬学的組成物を得る工程。この粉末化組成物は、内部に
活性薬剤が取り込まれたヒドロゲル粒子を含み、そしてこの方法は、この粉末組
成物中のこのヒドロゲル粒子の質量平均空気動力学的直径が、10〜100μm
であるように実施される。これは、予め形成されたヒドロゲル粒子に対して適切
なサイズ範囲を選択することによって、容易に制御し得る。
【0068】 なおさらに好ましい局面において、このプロセスは、以下の工程を包含する:
−予め形成されたヒドロゲル粒子の混合物を提供する工程、 −この粒子を、薬理学的に活性な薬剤を含む(例えば、内部に溶解および/また
は懸濁する)水性組成物と、この薬剤がこのヒドロゲル粒子と密に会合してその
中に取り込まれるに十分な時間、合わせる工程、 −少なくとも部分的に乾燥する工程において、このヒドロゲル粒子をこの水性組
成物から分離し(例えば、水および他の溶媒を粒子から除去する)、活性薬剤が
取り込まれた一次充填ヒドロゲル粒子を得る工程、 −一次充填ヒドロゲル粒子を、薬理学的に活性な薬剤を含む同一または別の水性
組成物に、さらなる薬剤がこのヒドロゲル粒子と密に会合してその中に取り込ま
れるに十分な時間、合わせる工程、 −少なくとも部分的な乾燥プロセスを使用して、このヒドロゲル粒子を水性組成
物から再度分離して、活性薬剤が取り込まれた二次充填ヒドロゲル粒子を得る工
程。この二次充填粒子は、一次充填粒子と同じ様式で、このヒドロゲル粒子にお
いて所望の活性不可が達成されるか、または乾燥重量を基礎として1粒子あたり
の最高の実際の活性充填に達するまで、反復様式で処理され得る。いずれにして
も、最後の乾燥工程は、粒子注射デバイスからの経皮的な送達に適した粒子を提
供するために、完了するまで続けられる。ここで再度、任意の適切な乾燥方法が
使用され得る。反復充填工程の間の乾燥については、部分的な乾燥(および好ま
しくは粒子の少なくとも部分的な崩壊)が、アセトンのような溶媒を使用して、
または空気乾燥方法を使用して、実施され得る。最後の乾燥工程については、凍
結乾燥およびスプレー乾燥が、再度好ましい。
【0069】 別の好ましい局面において、このプロセスは、以下の工程を包含する: − 薬理学的に活性な薬剤およびヒドロゲルを含有する水性薬学的処方物を形成
する工程であって、このヒドロゲルが、この処方物の約0.1〜10重量%で存
在する、工程、ならびに − この処方物を乾燥して、約10〜100μmの質量平均空気力学的直径を有
する粒子を含有する、粉末化薬学的組成物を得る工程。
【0070】 本発明のこれらの方法のもとで、無針注射器送達デバイスからの送達に適した
粒子が、ヒドロゲルを含むことによって粒子処方物として生成される。このヒド
ロゲルは、最終処方物中に、約0.1〜95重量%のレベルで存在する。活性薬
剤は、最終処方物中に、約0.1〜85重量%のレベルで存在する。
【0071】 ヒドロゲルモノマーおよびゲスト物質が、引き続くインサイチュでの粒子形成
技術のために組成物中で合わされる方法において、従来の多数の粒子形成技術(
例えば、スプレー乾燥、押し出しカッティングおよび乾燥(球状化(spher
unization))、シード粒子の流体床被覆、コアセルベーション、回収
および乾燥、湿式顆粒化および粉砕、固体またはより大きな粒子の粉砕、アモル
ファス固体の沈殿、流体床顆粒化、蒸発または空気乾燥に続く粉砕、スプレーま
たは溶融冷却またはプリル化、スプレー凍結乾燥、圧縮(すなわち、ペレット化
および顆粒化)など)のいずれかが次いで実施され、粒子注射技術における使用
に適した粒子を提供し得る。
【0072】 一旦処方されると、粒子は以下の方法を使用して評価され得る。
【0073】 (粒子の特徴付け方法) 無針注射器からの経皮的送達(粒子注射)のための粒子の特徴付けは、従来の
薬学的製品のための特徴付けとは異なる要件を有する。最も標準的な固体投薬形
態は、拡散の容易さに最高の価値を置く。例えば、錠剤の調製においては、密度
および粒子サイズまたは形態は、重要な役割を果たさず、そして個々の粒子密度
(粒子注射のための運動量を決定する際に重要なパラメータ)は、代表的に、流
動特性が受容可能である限り、考慮されない。しかし、直接注射が予定された粒
子組成物については、個々の粒子密度は重要であり、従って多数の特徴付け方法
が、代表的に使用される。絶対的かつ理論的な密度決定がなされ、そして送達効
率と相関付けられる。多数の方法(例えば、充填密度、従来の軽くたたく技術ま
たは器具を用いる技術のいずれか、エンベロープ密度および勾配浮遊値)が利用
可能である。個々の粒子の密度に相関する、他の間接的方法が、利用可能である
。これらとしては、例えば、BETおよび水銀侵入デンシトメトリーについての
標準的な測定を使用する、表面積または間隙体積の決定が挙げられる。
【0074】 粒子に対する別の重要な属性である、粒子サイズの決定は、方法論により有意
に影響されることが周知である。API Aerosizer(登録商標)(A
mherst Process Instruments、Hadley、MA
)は、超音速飛行時間デバイスであり、ここで、測定の様式は、粒子注射技術に
基本的である、高エネルギーヘリウムジェットに対してほぼ平行である。しかし
、この器具からのデータは、コンピュータ補助画像分析技術を含む、光学顕微鏡
検査に一致しなければならない。このような情報はまた、非溶媒懸濁レーザ回折
方法論、光掩蔽(light obscuration)技術、およびCoul
ter Counter(登録商標)容量計と比較された。後者の技術は、経皮
的粒子注射送達において使用される、過渡的高エネルギー加速ジェットの通過の
前後に、粒子を評価するために、特に強力であった。下記のように、金属化フィ
ルムまたは剛性発泡体の標的は、注射の際の電力エネルギーに関するいくらかの
定量的な情報を提供する。粒子注射プロセスに直接関係する定量的技術は、無針
注射器デバイスの通過前対通過後の粒子サイズ分布、および粒子微小硬度(すな
わち、硬い表面に注射される際の、衝撃強度)の測定値である。他の技術として
は、直接的な粒子押し込み技術(すなわち、Nano Indenter II
(登録商標)、MTS Systems Corp、Oak Ridge、TN
またはMicro Hardness Tester(登録商標)、Anton
Paar GmbH、Garz、Austria)が挙げられ、ここで、プロ
ーブを使用して、単一の粒子に対する力の効果を、光学顕微鏡のステージ上で測
定する。
【0075】 本明細書中に記載のヒドロゲル粒子組成物の特性の他の試験としては、全厚の
ヒトの皮膚およびFranz型拡散セルを使用して、薬物の溶解および移送の送
達を測定し、さらに薬物の溶解および移送の指標をも提供する、インビトロでの
皮膚透過が挙げられる。金属化フィルムと平行して、生物学的標的を用いるエネ
ルギー試験は、送達後のインビトロでの皮膚における表皮通過水損失(TEWL
)測定の使用である。粒子は、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(SEM)に
よって、処方プログラムの間ならびに送達の前後に試験され、その最初の形態お
よび/または高エネルギーのキャリアガス流の通過の間の変化を決定する。
【0076】 高密度の粒子は代表的に、無針注射器粒子注射を必要とするので、収縮(また
は崩壊)した粒子をもたらし得る、粒子処方物および/または乾燥条件が、好ま
しい。理想的には、一次乾燥温度より低いTg(ガラス転移温度)を有する賦形
剤は、粒子が崩壊して高密度の粒子を生じることを可能にする。特定の水含有量
またはpHまたは温度において崩壊する傾向のあるヒドロゲルの使用、および適
切な賦形剤成分の選択は、これらの無針注射器の適用のために適切である、高密
度の粒子の製造を、有意に容易にする。
【0077】 (処置) 本発明の別の局面において、薬理学的活性薬剤(薬物、ワクチン、診断薬など
)を、それを必要とする被検体に送達するためのプロセスが提供される。このプ
ロセスは、代表的には皮膚表面(例えば、角質層)を横切るか、または粘膜内へ
の、高速度の直接的な経皮送達を使用する、被検体への薬理学的に活性な薬剤の
送達のための方法として、広く記載され得、ここで、この薬剤は、このような高
速度の送達に適したサイズのヒドロゲル粒子と会合する。より特定すると、この
プロセスは、約0.1〜約250μmの平均直径、好ましくは約10〜100μ
mの平均直径を有する固体粒子を含む、目的の薬学的組成物を調製する工程であ
って、ここで各粒子は、薬理学的に活性な薬剤と会合したヒドロゲルを含有する
、工程、この粒子を高速度に加速する工程、およびこの加速した粒子を、被検体
に存在する標的表面に送達する工程を包含する。
【0078】 本発明のこの局面を記載する別の方法は、それが本発明の組成物を、処置を必
要とする被検体に、無針注射器を介して投与することによる、被検体における状
態を診断、処置または予防する方法であるということである。本明細書中におい
て使用される場合、用語「処置」または「処置する」は、以下のもののいずれか
を含む:感染または再感染の予防;症状の低減または排除;および病原体の低減
または完全な排除。処置は、予防的に(感染の前に)または治療的に(感染の後
に)、実施され得る。
【0079】 これらの組成物は、高速度の送達によって、好ましくは皮膚または粘膜の標的
部位に、過渡的ヘリウムガスジェットのエネルギーを使用して、皮膚または粘膜
組織の所定の面積において、動物に送達される。「所定の面積」は、インタクト
な破壊されていない生存皮膚または粘膜組織の、規定された面積であることが意
図される。この面積は、通常、約0.3cm2〜約10cm2の範囲である。しか
し、組成物が投与される標的組織の面積が、デバイスの構成、用量などに依存し
て、有意に変動し得ることは、高速度粒子送達の分野の当業者によって理解され
る。注射速度は、一般に、100〜3,000m/秒(例えば、200〜200
0m/秒)の範囲である。
【0080】 本発明のプロセスにおいて有用である無針注射器デバイスの詳細な説明は、本
明細書中に議論されるように、先行技術に見出される。これらのデバイスは、無
針注射器デバイスと呼ばれ、そしてこれらのデバイスの代表例は、皮膚用のPo
wderJect(登録商標)無針注射器デバイスおよび口腔用のPowder
Ject(登録商標)無針注射器デバイス(PowderJect Techn
ologies Limited、Oxford、UK)である。これらのデバ
イスを使用することにより、治療的有効量の薬理学的に活性な薬剤が、被検体に
送達される。治療的有効量とは、所望の薬理効果を与えるために必要とされる量
である。この量は、送達されるべき薬剤の相対的な活性と共に変動し、そして送
達される化合物の既知の活性に基づいて、臨床試験によって容易に決定され得る
。「Physicians Desk Reference」および「Good
man and Gilman’s The Phamacological
Basis of Therapeutics」は、必要な量を決定する目的で
、有用である。
【0081】 粒子を送達するための、無針注射器デバイスは、最初に、Bellhouse
らに対する共有に係る米国特許第5,630,796号(本明細書中に参考とし
て援用される)に記載される。多数の特定のデバイス構成が、現在利用可能であ
るが、このようなデバイスは、代表的に、ペン型器具として提供され、この器具
は、頂部から底部へと直線状の順で、気体シリンダ、粒子カセットまたはパッケ
ージ、および消音機媒体と関連する超音速ノズルを備える。適切な粉末(この場
合においては、ヒドロゲル粒子を含む粉末)は適切な容器(例えば、ワッシャ型
スペーサーに熱シールされて自己収容シールユニットを形成する、2つの破断可
能なポリマー膜から形成される、カセット)内に提供される。膜材料は、特定の
作動様式、および超音速流れが開始する条件を示す破裂圧を達成するように、選
択される。作動において、このデバイスは、シリンダからデバイス内の拡張チャ
ンバ内へと圧縮気体を解放するよう始動される。この解放された気体は粒子カセ
ットに接触し、そして十分な圧力が蓄積されると、不意にカセット膜を破り、そ
して引き続く送達のために、粒子を超音速ノズルに吹き飛ばす。このノズルは、
ある量の粒子を所定の面積の標的表面に送達するための、特定の気体速度および
流れパターンを達成するよう設計される。消音機を使用して、膜の破断により生
成する騒音を低減する。
【0082】 粒子を送達するための第二の無針注射器デバイスは、共有に係る国際出願公開
第WO96/20022号に記載される。この送達システムもまた、圧縮気体供
給源のエネルギーを使用して、粒子状組成物を加速し、そして送達する;しかし
、粒子を加速するために、この送達システムが気体流の変わりに衝撃波を使用す
ることにおいて、米国特許第5,630,796号のシステムとは異なる。より
特定すると、可撓性ドームの背後で発生する衝撃波により提供される、即時の圧
力上昇が、このドームの背面に当たり、標的表面の方向への可撓性ドームの突然
の外転を引き起こす。この突然の外転は、粉末状組成物(これは、ドームの外側
に位置する)を、標的組織(例えば、口腔粘膜組織)を透過するに十分な速度(
従って運動量)で弾き飛ばす。この粉末組成物は、完全にドームが外転した点で
、解放される。このドームはまた、高圧気体流を完全に収容するよう働き、従っ
てこの気体流は、組織と接触しない。この気体はこの送達作動の間には解放され
ないので、このシステムは固有的に静かである。この設計は、他の収容された、
または例えば他の感受性な適用で使用されて、粒子を最小侵襲性外科部位に送達
し得る。
【0083】 本発明のなおさらなる局面において、単一ユニット投薬または多用量の容器(
この中に、本発明のヒドロゲル粒子が使用前にパッケージされ得る)は、適切な
用量を構成する適切な量の粒子を収容する、空気遮断シールされた容器を含み得
る。この粒子組成物は、滅菌処方物としてパッケージされ得、従ってこの空気遮
断シールされた容器は、本発明の方法における使用まで、この処方物の滅菌を保
存するよう設計され得る。所望であれば、この容器は、上で参照した無針注射器
システムにおける直接の使用のために適合され得る。
【0084】 従って、本発明の粉末は、無針注射器を介する送達のために、個々の単位投薬
にパッケージされ得る。本明細書中で使用される場合に、「単位投薬」とは、治
療有効量の本発明の粉末を収容する投薬レセプタクルを意図する。この投薬レセ
プタクルは、代表的に、無針注射器内に嵌合して、このデバイスからの経皮送達
を可能にする。このようなレセプタクルは、カプセル、ホイルパウチ、サシェ(
sachet)、カセットなどであり得る。
【0085】 粒子がパッケージされる容器は、組成物を同定し、そして関連する投薬情報を
提供するために、ラベルがさらに付けられ得る。さらに、この容器は、政府の機
関(例えば、食品医薬品局)により処方される形態での注意書きを含むラベルを
付けられ得、ここでこの注意書きは、製造業者の連邦法のもとでの機関による承
認、ヒトへの投与に関する収容されるヒドロゲル組成物の使用または販売を示す
【0086】 上で参照した無針注射器システムからの、ヒドロゲル粒子の送達は、一般には
0.1〜250μmの範囲、好ましくは約10〜70μmの範囲のおおよそのサ
イズを有する粒子を用いて実施される。約250μmより大きな粒子もまた、こ
のデバイスから送達され得、このときの上限は、この粒子のサイズが評定表面に
おいて細胞に都合の悪い損傷を引き起こす点である。送達される粒子が標的表面
を透過する実際の距離は、粒子のサイズ(例えば、丸い球状の粒子構造を仮定す
ると、見かけの粒子直径)、粒子の密度、粒子が表面に衝突する初速度、ならび
に標的皮膚組織の密度および運動粘性率に依存する。この点に関して、無針注射
器において使用するために最適な粒子密度は、一般に、約0.1g/cm3と2
5g/cm3との間、好ましくは約0.9g/cm3と1.5g/cm3との間で
あり、そして注射速度は、一般に、約100m/秒と約3,000m/秒との間
である。適切な気体圧を用いて、10〜70μmの平均直径を有する粒子が、駆
動気体流の超音速の速度に達する速度で、ノズルを通して加速され得る。
【0087】 所望であれば、これらの無針注射器システムは、本明細書中に記載の適切な投
薬量のヒドロゲル粒子を含む予備充填された状態で、提供され得る。この充填さ
れた注射器は、空気遮断シールされた容器内にパッケージされ得、この容器がさ
らに、上述のようなラベルを付けられ得る。
【0088】 無針注射器デバイスの性能を特徴付けるために、多数の新規の試験方法が開発
されたか、または確立された試験方法が改変された。これらの試験は、粉末化組
成物の特徴付けから、気体流および粒子加速の評価、人工標的または生物学的標
的への衝撃、および完全なシステム性能の測定にわたる。従って、以下の試験の
1つ、いくつかまたは全てを使用して、本発明のヒドロゲル組成物の、無針注射
器システムにおける使用に対する物理的安定性および機能的安定性を評価し得る
【0089】 (人工的フィルム標的に対する効果の評価) 粉末注射システムの多くの局面を測定する機能的試験を、「金属化フィルム」
または「透過エネルギー」(PE)試験として、同時に設計した。これは、プラ
スチックフィルム基板により支持される正確な薄い金属層に対して粒子がなし得
る損傷を定量的に評価することに基づく。損傷は、粒子の運動エネルギーおよび
他の特徴に相関する。この試験からの応答が高いほど(すなわち、より高いフィ
ルムの損傷/分裂)、このデバイスはより多くのエネルギーを粒子に与えた。電
気抵抗変化の測定または画像化デンシトメトリーのいずれかが、反射モードまた
は透過モードにおいて、デバイスまたは処方物の性能を、制御可能な再現性のあ
る試験において評価するための信憑性のある方法を提供する。
【0090】 フィルム試験床を、すべての主要なデバイスパラメータ(圧力、用量、粒子サ
イズ分布および材料などを含む)の粒子送達変化に対して感受性であるように、
そして気体に対して非感受性であるように、示した。125μmのポリエステル
支持体上の、約350オングストローム厚のアルミニウムを、60barまでで
作動される試験デバイスのために現在使用する。
【0091】 (操作発泡体標的に対する衝撃の効果の評価) 無針注射器デバイスを介して送達される場合の粒子性能を評価するための別の
手段は、剛性のポリメチルイミド発泡体(Rohacell 5IIG、密度5
2kg/m3、Rohm Tech Inc.、Malden、MA)に対する
衝撃の効果を増加させることである。この試験のための実験設定は、金属化フィ
ルム試験において使用した設定に類似する。透過の深さを、正確なカリパスを使
用して測定する。各実験に対して、処理したマンニトール標準を比較として流し
、そしてデバイス圧力、粒子サイズ範囲などの他の全てのパラメーターを、一定
に維持する。データはまた、この方法が粒子サイズおよび圧力の差異に対して感
受性であることを示す。薬物の賦形剤として処理したマンニトール標準は、臨床
前の実験において全身濃度を送達することが示され、従って発泡体透過試験にお
ける相対的な性能測定は、実用的なインビボでの基礎を有する。有望な粉末は、
臨床前試験または臨床試験において、十分な性能の予測に関するマンニトールと
等価またはマンニトールより良好な透過を示すことが、予測され得る。この簡単
な、迅速な試験は、粉末の評価の相対的方法としての価値を有し、そして単離を
考慮することを意図されない。
【0092】 (粒子磨耗試験) 粒子性能のさらなる指標は、種々の候補組成物が、高速度粒子注射技術に関す
る力(すなわち、突然の高速度の気体流によって粒子が残りの粒子と接触するこ
とによる力、粒子が無針注射器を通過するにつれての、粒子対粒子の衝撃から生
じる力、および粒子対デバイスの衝突から生じる力(これもまた、粒子がデバイ
スを通過するにつれて生じる))に耐える能力を試験することである。従って、
単純な粒子摩滅試験は、デバイス化され、これは、最初の組成物と、無針注射器
デバイスから送達された後の組成物との間の、粒子サイズの分布の変化を測定す
る。
【0093】 この試験は、上記のように、粒子組成物を無針注射器に装填すること、次いで
このデバイスを、粒子組成物が不溶であるキャリア流体(例えば、鉱油、シリコ
ーン油など)を収容するフラスコ内に放出することにより実施される。次いで、
このキャリア流体が収集され、そして最初の組成物と放出された組成物との両方
の粒子サイズ分布が、適切な粒子サイズ決定装置(例えば、AccuSizer
(登録商標)780型Optical Particle Sizer)を使用
して計算される。デバイスの作動後に、約50%未満、より好ましくは約20%
未満の、質量平均直径(AccuSizer装置により決定される場合)の減少
を示す組成物は、本明細書中に記載される無針注射器システムにおいての使用に
適切であるとみなされる。
【0094】 (インビトロでのヒトの皮膚への送達および経表皮(transepider
mal)水損失) 最終的な粒子の使用により密接に平行する、組成物性能試験のために、候補粒
子組成物が、皮膚採取された完全厚のヒトの腹部の皮膚サンプルに注射され得る
。注射後の複製した皮膚サンプルを、32℃の水、生理食塩水または緩衝液を含
む、改変したFranz拡散セルに入れ得る。界面活性剤のような添加剤を使用
して、拡散した細胞成分への結合を防止し得る。2種類の測定を行って、皮膚に
おける処方物の性能を評価し得る。
【0095】 物理学的効果(すなわち、皮膚の障壁機能に対する粒子注射の効果)を測定す
るために、経表皮水損失(TEWL)を測定し得る。拡散セルキャップ(これは
、約12mmのチムニーのように働く)の頂部に置かれたTewameter
TM210(登録商標)(Courage&Khazaka、Koln、Ger
)を使用して、平衡(約1時間)において、測定を実施する。より大きな粒子お
よびより高い注入圧は、比例的に高いTEWL値をインビトロで生じさせ、そし
てこれがインビボでの結果との相関を示すことが示された。インビトロでの粒子
注射の際に、TEWL値は、粒子サイズおよびヘリウムガス圧に依存して、約7
から約27(g/m2h)に増加した。粉末なしでのヘリウム注射は、効果を有
さない。インビボでは、皮膚の障壁特性は、TEWLが大抵の粒子サイズに対し
て処置前の値に約1時間以内に戻ることから示されるように、迅速に正常に戻る
。より大きな粒子(53〜75μm)については、皮膚サンプルは、1時間で5
0%の回復、および24時間以内で完全な回復を示す。
【0096】 (インビトロでのヒト皮膚への送達および薬物の拡散速度) インビトロでの処方物の性能を測定するために、候補組成物の活性(ゲスト)
成分が、HPLCまたは他の適切な分析技術を使用する化学的アッセイのための
所定の時間間隔で、Franz細胞レシーバー溶液の完全またはアリコートの置
換によって集められ得る。濃度データは、送達プロフィールを作成するため、お
よび定常状態の浸透速度を計算するために使用され得る。この技術は、インビボ
の研究の前に、薬物の皮膚への結合、薬物の溶解、角質層の粒子浸透の効率等の
初期の指示のための、処方物のスクリーニングのために使用され得る。
【0097】 これらおよび他の定性(qualatative)試験および定量試験は、本
発明のヒドロゲル粒子組成物の、高速度粒子注射デバイスでの使用のための、物
理的および機能的適性を評価するために使用され得る。ヒドロゲル組成物が、以
下の特徴を有するのが好ましいが、必要とはされない:実質的に球状の形状(例
えば、できるだけ1に近い縦横比);滑らかな表面;高活性充填量を有する(例
えば、80または90%までの充填);粒子磨耗試験を使用して、粒子サイズの
20%未満の減少;成分の真の密度にできるだけ近いエンベロープ密度(例えば
、約0.8g/mlより大きい);および狭い粒子サイズ分布を有する約20〜
50μmのMMAD。この組成物は、自由に流れ得る(例えば、50%の相対湿
度で8時間貯蔵後に、そして40%の相対湿度で24時間貯蔵後に、自由に流れ
る)。これらの全ての基準は、上記の方法を使用して評価され得、そして以下の
刊行物(本明細書中に参考として援用される)でさらに詳述される。Etzle
rら(1995)Part.Part.Syst.Charact.12:21
7;Ghadiriら(1992)IFPRI Final Report,F
RR 16−03 University of Surrey,UK;Bel
lhouseら(1997)「Needleless delivery of
drugs in dry powder form,using shoc
k waves and supersonic gas flow」,Ple
nary Lecture 6,21st International Sym
posium on Shock Waves,Australia;およびK
wonら(1998)Pharm.Sci.補遺1(1),103。
【0098】 以下の実施例は、本発明の詳細をさらに説明するために提供されるが、いずれ
にしても本発明の範囲の制限を意味しない。
【0099】 (C.実験) 以下は、本発明の方法を実行するための特定の実施形態の例である。これらの
実施例は、例示的目的としてのみ提供され、そしていずれにしても本発明の範囲
を限定することを意図されない。
【0100】 使用される数(例えば、量、温度等)に関しての正確さを保証するための努力
がなされたが、ある程度の実験誤差および偏差は、当然ながら考慮されるべきで
ある。
【0101】 (実施例1) この実施例の目的は、本発明のインスリン充填粉末アガロースビーズ組成物の
投与後の、インスリン送達の性能の評価、ならびに高速度経皮送達を介する標準
的な凍結乾燥されたインスリン粉末状処方物およびアガロースビーズインスリン
粉末状処方物のマウスへの投与後の、インスリンの相対的バイオアベイラビリテ
ィー(皮下注射に対する)の比較である。全体的なアプローチは、1mgの用量
の粉末インスリン処方物を、皮膚用PowderJect(登録商標)無針注射
器デバイス(PowderJect Technologies,Limite
d,Oxford,UK)を使用する、麻酔されたラット(各々の処方物に対し
て、n=4〜6ラット)への投与であった。本発明の2つのアガロースビーズ組
成物を、標準凍結乾燥インスリン粉末処方物と比較した。各々の用量の投与後に
、動脈血サンプルを定期的に収集し、そしてインスリン濃度およびグルコース濃
度を決定した。経皮的粒子注射投与後に、インスリンの薬物動力学およびグルコ
ースの動力学を、皮下注射後に観測されたものと比較した。
【0102】 1つの第1段階臨床的PowderJect無針注射器を、多孔質消音機スリ
ーブにはめ、12°の円錐形ノズル(11.7mmの出口内径を有する)、5m
lのガスキャニスターおよび0.5mlの破裂チャンバを、この全体の研究の全
体に渡って使用した。ガスドライバ圧は、60barに一定に保った。
【0103】 (I.インスリン処方物) 粉末状アガロースビーズおよび標準凍結乾燥インスリン処方物を、無針注射器
デバイスを介して投与した。インスリン溶液を、皮下注射のために新しく調製し
た。
【0104】 (A.標準凍結乾燥処方物) 賦形剤としてのリン酸水素一ナトリウムおよびリン酸水素二ナトリウムの混合
物(理論的にはpH7.7)の1mg当たり、0および100μgのヒトインス
リン(26.9U/mg、Diosynth BV,5340 BH Oss,
Netherlands)を含む凍結乾燥粉末処方物を、以下のように処理した
:この粉末を、カーバープレス(carver press)を使用して、3つ
の円板に、各々0.3〜0.4g、15,000lbs./sq.インチで45
秒間圧縮した。次いで、この円板を、乳棒および乳鉢で砕いて微細な白色粉末を
得た。約1gの粉末を、3種類のメッシュサイズ、38μm、53μm、および
75μmを使用して篩にかけた(Fritsch Analysette 28 sonic sieve)。この篩処理を、0〜40%の振幅で4分間、40
%の振幅で5分間、そして40〜0%の振幅で1分間行った(合計実行時間10
分間)。この篩画分を、気密ポリプロピレン(Nalgene(登録商標))ボ
トルに分配し、そして2〜8℃で保存した。
【0105】 (B.本発明のアガロースビーズ組成物) 粉末状アガロースビーズ処方物を、PowderJect Technolo
gies Limitedから提供されるブタインスリン(25.6U/mg、
Diosynth BV,5340 BH Oss,Netherlands)
を使用して生成した。本研究には2種類の処方物が含まれ、その両方は、名目上
1mg当たり約100μgのブタインスリンのインスリン含有量を含む(表1)
。各々の場合において、この処方物を、100μg/mlインスリン溶液中で乾
燥ビーズを水和させ、そしてこのビーズを乾燥させる(従って、インスリンを充
填する)ことによって、調製した。
【0106】
【表1】 (C.皮下投与のためのインスリン溶液) リン酸緩衝粉末処方物中の1%w/w(名目上)の粉末インスリン10mgを
、2mlのガラス標準フラスコに秤量した。投与の日に、このフラスコを、穏や
かに攪拌しながら、標準生理食塩水で完全に溶解する容量にした。0.2mlの
用量は、名目上10μg用量のインスリンを含んだ。
【0107】 (II.薬物カセットの調製) 粉末状処方物(IA節およびIB節)を、小数点以下5桁の天秤で正確に計り
分け、そして1mg(±10%)で分配し、20μmのポリカーボネート膜を含
む7つの研究用薬物カセット(Plasro 2)に荷重した。荷重の実際の風
袋質量を、各々のカセットについて記録した。次いで、カセットを2〜8℃で保
存し、そして使用まで物理的移動から保護した。薬物充填カセットを、発射の前
に室温にした。
【0108】 (III.試験動物の調製および投薬) 重さ300g±10%のSprague Dawleyラット(Charle
s River)を、新しく調製したFFM混合物(Hypnovel(登録商
標)、Hypnorm(登録商標)およびWFI,体積で1:1:2)の1ml
のIP注射によって、麻酔した。皮膚の領域(約9cm2)を、クリッパーおよ
び高品質の使い捨てカミソリで、ラットの正中線から1cmの腹部右下を綿密に
剃毛した。この部位をリンスし、そして綿棒で軽く叩いて乾燥させた。右頚動脈
を外科的に切り離し、そしてポリエチレン管を挿入した。このカニューレを、3
方向タップを介して、ヘパリン処理生理食塩水(10U/ml)を充填したシリ
ンジに連結した。
【0109】 麻酔を、FFM混合物の腹腔内注射(45分ごとに0.5mlまたは必要なだ
け)によって維持した。直腸温を、実験の間、K−Temp(登録商標)直腸プ
ローブおよびサーモスタット制御加熱パッドを使用して、35〜38℃に維持し
た。
【0110】 ラットを、手術の後、用量の投与前に、少なくとも15分間平衡化した。
【0111】 (A.皮下用量) 用量(0.2ml、IC節)を、26G針を備えた1mlのシリンジを介して
、麻酔ラットの腹部左下の皮膚の窪みの下に投与した。6匹のラットにこの皮下
用量を与えた。
【0112】 (B.皮膚粒子注射(DPJ)用量) 薬物カセット(IB節)を、第1段階臨床的無針注射器(PowderJec
t device,1.1節)にロードした。次いで、ロードしたデバイスを、
一貫した手順を使用して、ラット腹部の剃毛部分に直ちに作動させた。各々の処
方物を、4〜5匹のラットで評価した。
【0113】 (IV.血液サンプリング) 血液サンプル(0.4ml)を、動脈カニューレを介して、投薬の前、10、
20、40、60、120、および240分後に、1mlの使い捨てシリンジに
収集した。0.25mlの生理食塩水(およびいくらかの血液)を、各々のサン
プルの前に、別個のシリンジに引き、そしてこの容量を、実験の間の血液容量の
減少を最小化するために、直ちにラットに戻した。
【0114】 この血液サンプルを、ヘパリン処理した1.5mlのポリプロピレン遠心管に
直ちに移し、そしてマイクロ遠心機で遠心分離(2分、9000rpm)した。
血漿をデカントし、そして、収集の7日間以内の続く分析のために、2〜8℃で
保存した。
【0115】 (V.血漿サンプルの分析) 各々のサンプルを、ラジオイムノアッセイキット(Coat−a−Count
(登録商標),DPC,Los Angeles,CA 90045)によって
、インスリン濃度について分析した。このキットを、製造者の指示に従って、以
下の変更を伴って使用した: 標準物質(0.1、0.3、1、3、10、20、40,および80ng/m
l)を、処方物を調製するために使用したインスリン(ブタまたはヒト)(1.
2節)と同じインスリンのストック溶液をブランクの脱インスリン化ラット血漿
に添加することによって新しく調製した。
【0116】 インキュベーション期間は、ラット血清の成分によって触媒される放射線分解
を抑制するために、2〜8℃で行った。
【0117】 これらの条件下で、0.3、5、および40ng/mlでの変動係数は、それ
ぞれ12%、4%および8%であった。1週間まで2〜8℃で保存されたコント
ロールサンプルでは、分解は検出されなかった。
【0118】 (VI.インスリン処方物の分析) (A.インスリン含有量) 粉末状インスリン処方物を、安定化緩衝液(リン酸緩衝液pH8.0中、Tw
een20 0.002%,チオメルサール 0.25mg/ml、およびED
TA四ナトリウム 0.1mg/ml)中で、0.1〜1mg/mlの範囲の名
目上のインスリン濃度について正確に再構成した。これらの溶液を、ガラスHP
LCオートサンプラーバイアルに直ちに移し、そして分析まで(72時間後を超
えない)6℃で保存した。
【0119】 分析を、Genesisカートリッジカラム(15em、C18、4gm、3
00Å)を備えたHewlett Packard 1100 HPLCシステ
ムで、以前に記載された方法論(L.J.Janisら、1996)に従って行
った。インスリンのピークは、この主な分解生成物および凝集生成物から、うま
く分かれた。
【0120】 サンプルのインスリン濃度を、新しく調製されたインスリンの標準溶液(0.
1〜1mg/mlの範囲にわたる)(処方物について使用されたのと同じバッチ
)から作成された標準曲線に対するピーク面積によって計算した。標準曲線は直
線(r2>0.999)であり、そしてこれらの条件下では、名目上の濃度1.
5μg/mlにおいて、変動係数および精度はそれぞれ1.7%および2.3%
であることを、以前の研究が示した。
【0121】 各々の粉末状処方物のアッセイされた含有量を、インスリンのμg/mgとし
て表した。
【0122】 (B.粒子サイズ範囲の分析) 各々の粉末処方物のサンプルを、Dry Powder Dispersio
n Systemを備えたAmherst Process Instrume
nts Aerosizer LDを使用して、標準的な手順に従って、粒子サ
イズ範囲の分布分析にかけた。体積分布データを、幾何的な直径によって分析し
た。
【0123】 (VII.薬物動態学的分析) 用量の投与後の、正味の血漿のインスリン濃度を、各々の時点で測定された未
加工の濃度から、投薬前のサンプル(t=0)における見かけの濃度を引くこと
によって、計算した。
【0124】 (A.用量(X0)の計算) DPJを介して投与されるインスリンの用量を、(粉末状処方物のアッセイさ
れたインスリン含有量(μg/mg))掛ける(個々のカセットへの秤量された
処方物の質量(mg))として、各々のラットについて計算した。
【0125】 皮下的に投与されたインスリンの用量を、(粉末状インスリン処方物のアッセ
イされたインスリン含有量(IC節)(μg/mg))掛ける(計り分けられた
粉末の質量(mg))割る(再構成物の体積(ml))掛ける(0.2ml(注
射によって投与される体積))として、各々のラットについて計算した。
【0126】 薬物動態学的計算の目的で、この用量を、μg/体重のkgとして表した。
【0127】 (B.血漿のインスリン濃度対時間の曲線の下の面積(AUC)の計算) 各々のラットについての正味のAUCを、0〜240分の台形法則によって、
正味の血漿インスリン濃度対時間のプロフィールから計算した。
【0128】 (C.相対的バイオアベイラビリティーの計算) 皮下投与(BArel)に関連する、DPJを介するインスリン送達のバイオア
ベイラビリティー(BArel)を、以下の標準的な式によって計算した:
【0129】
【数1】 (VIII.結果) 各々の処方物の関連する薬学的な特徴を、表2に示す。アッセイされたインス
リン含有量は、名目上のインスリン含有量から24%変化し(CG0904)、
結果としてDPJを介する用量が、1kg当たり287〜421μgのインスリ
ンの範囲となることに注目すべきである。
【0130】
【表2】 各々のラットについての未加工のラジオイムノアッセイおよび血漿濃度データ
は、ここに示していない。DPJによる4つの粉末状処方物の投与後の、正味の
血漿インスリン濃度の平均対時間のプロフィールを、皮下投与と比較し、これを
図1に示す。プラシーボ用量を与えたラットの群において、サンプリングの期間
にわたって、見かけのバックグラウンド血漿インスリン濃度は、一定のままであ
った。このデータは、麻酔ラットモデルにおける、実験の時間にわたっての生理
的安定性の指標として役立つ。最大血漿濃度に達するまでにかかる時間(Tmax
)の平均は、全てのDPJおよび皮下グループにおいて10〜30分の範囲であ
った(表3)。
【0131】 標準凍結乾燥粉末処方物の投与後の、最大血漿インスリン濃度(Cmax)の平
均は、9.3ng/mlであり、これはアガロース処方物CG0920(インス
リン/アガロース)についての14ng/mlおよびアガロース処方物CG09
04(インスリン/デキストラン/アガロース)についての26ng/mlに匹
敵した。全ての実験群において、血漿インスリン濃度は、4時間でベースライン
レベルに戻った。
【0132】 正味のAUCデータ、および計算されたDPJを介して投与されるインスリン
の平均相対バイオアベイラビリティー(BArel)を、表3に示す。標準凍結乾
燥粉末処方物は、15.6%のBArelを産生する。高いCmaxにもかかわらず、
アガロース処方物CG0920(インスリン/アガロース)でのインスリン送達
の改善は見られなかった。しかし、アガロース処方物CG0904(インスリン
/デキストラン/アガロース)については、BArelは34%であり、標準粉末
処方物を使用して観察されたものの2倍より多い。この処方物を用いて、変動係
数(CV)によって測定される動物間での可変性は、皮下投与に続いて観察され
るものと匹敵した(それぞれ19%対24%)。
【0133】
【表3】 本発明のアガロースビーズ処方物は、体循環へのインスリンの送達において有
効であることが示される。アガロースは水に不溶であり、そして処方物の重量の
約90%を占めるため、アガロース処方物CG0920における吸収は、延長す
ることが予期された。このことは、この場合示されなかったが、観測された血漿
インスリンプロフィールの低いBArelおよび高い可変性は、インスリン荷重の
放出が可変であり、そして1度この処方物を皮膚に投与することは効率的でなか
ったことを示唆し得る。
【0134】 アガロース処方物CG0904に付随するインスリン送達における顕著な改善
は、大きな粒子サイズに起因し得ると、初めは考えられた。従って、粒子サイズ
が、増加したBAに関連すると本来考えられた。デキストランのビーズへの添加
が乾燥の間の崩壊を防止し、従って粒子の性能を改善することがここで決定され
た。
【0135】 (実施例2) この実施例は、本発明の組成物およびそれを調製するためのプロセスを記載す
る。乳酸デヒドロゲノース(dehydrogenose)(LDH)が特に活
性(ゲスト薬剤)であり、ヒドロゲルはアガロース(Bio−Gel A15M
)であった。
【0136】 乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)は、Sigma Chemicals(L1
254;Lot 96H9568)から得た。Bio−Gel A15Mを、2
0〜150μmのMMADを有する粉末として、Bio−Rad(カタログ番号
151−1050)から得た。LDH活性を、終点、比色アッセイ(Sigma
No.500)を使用して測定した。他の全ての試薬は、Fisher Sc
ientificから得、そしてACSグレード以上であった。
【0137】 Bio−Gel A15M樹脂を、保存剤を除去するために水で洗浄し、次い
で、使い捨ての1×10cmカラムに注ぎ、約5mLの最終カラム容量とした。
このカラムを、5%(w/v)のマンニトールを含むpH6のクエン酸ナトリウ
ム5mLで平衡化した。LDHを、最終濃度2mg/mLで、同じ緩衝液に溶解
した。この溶液の5mLのサンプルを、カラムにロードし、完全に浸透させた。
【0138】 この樹脂を、カラムから空にし、そして凍結乾燥した。凍結乾燥後、この樹脂
を水に再懸濁させ、そしてカラムに再び注いだ。次いで、このカラムを5mL部
分の緩衝液で溶出した。最初のLDH溶液のサンプルもまた、凍結乾燥し、次い
で、水で再溶解させ、最初の体積にした。
【0139】 各々の溶液のタンパク質濃度を、Hewlett−Packard UV−V
IS分光光度計を使用して、280nmでの吸光度によって決定した。LDH活
性のアッセイは、NADHの存在下での、ピルビン酸の乳酸への変換に基づく。
残っているピルビン酸を、1,4−ジニトロフェニルヒドラジンで処理し、高度
に着色した生成物を得る。形成した色の吸光度は、LDH活性に逆比例する。L
DHの特異的な活性を、280nmでの吸光度(「タンパク質濃度」)を442
nmでの吸光度(「酵素活性」)で割ることにより計算した。
【0140】 凍結乾燥後に溶液から回収されたLDHは、出発物質の98%の特異的活性を
有した。アガロースビーズから溶出された物質は、出発物質の約40%の特異的
活性を示した。これは予備調査であり、そしてこのアッセイ技術は最適化されて
いない。測定されたサンプルは、全てLDH活性が非常に高く、そして標準曲線
の上端であった。基本的に、このことは、酵素がアガロースビーズに充填され、
凍結乾燥され、そして活性を有して回収され得ることを示す。
【0141】 (実施例3) 2つのカルシトニン処方物:カルシトニン/トレハロース/マンニトール(8
/52/マンニトール、q.s.a.d.)±3%のポリ(N−イソプロピルア
クリルアミド)を、20%の総固体濃度を有するモデルヒドロゲルとして使用す
る。液体処方物(10mL)を、超音波微粒子化システム(60kHzの周波数
)を使用して、液体窒素トレー中に微粒子化する。得られる氷片/液体窒素混合
物を、予め−50℃に冷却した凍結乾燥機中に置く。この乾燥機を−25℃まで
1時間暖め、そして最低限0.1mbarで真空引きした状態で、−25℃で1
時間維持する。次いで、第1乾燥を、ランピング温度プロフィール(−25℃か
ら0℃まで30時間かけて増加する)で続ける。第1乾燥の終了時に、温度を1
時間で20℃まで増加させ、第2乾燥のためにさらに12時間20℃で維持する
。乾燥後の、同じサンプル重量での2つの粉末処方物の体積の比較は、ヒドロゲ
ル含有処方物はより小さい体積を有することを示し、これはより高い粒子密度を
示す。
【0142】 (実施例4) デキストランビーズ中にゲスト薬剤を充填する能力(本発明の組成物において
、ヒドロゲルキャリア粒子として役立つ)および、次いで充填した薬剤をヒドロ
ゲルから水性環境に抽出する能力を評価するために、以下の研究を行った。
【0143】 硫酸化された、4%w/vが架橋したデキストランビーズを、Sigma(S
igma,St.Louis MO,カタログ番号D−5650,LotNo.
111H9575)から得た。インスリンを、Akzo Nobel(SIPP
584)リゾチーム(vLysozyme)から得た。このインスリンを、1.
5%酢酸溶液に溶解し、充填溶液を得た。充填溶液の濃度は10.10mg/m
lであった。充填溶液の4.199gを、4.155gの水和デキストランビー
ズに添加した。得られた懸濁液を混合し、室温で1時間平衡化させた。この充填
プロセス後、このビーズを充填溶液から分離し、そして充填溶液をタンパク質濃
度について分析した。ビーズを、引き続いて凍結乾燥した。
【0144】 次いで、乾燥した充填されたビーズを、水性抽出溶液に添加し、そしてこの抽
出溶液を、タンパク質濃度について分析した。
【0145】 最初の充填溶液および残った充填溶液の両方からのインスリン濃度、ならびに
抽出溶液からの濃度を、BioRad(Richmond,CA)UV検出器を
使用して決定した。標準曲線(UV吸収対インスリン濃度)を、4.41mg/
ml〜10.10mg/mlの範囲の異なる濃度で、インスリン溶液のUV吸収
を測定することによって作成した。次いで、種々の溶液のインスリン濃度を、標
準曲線の外挿によって決定した。
【0146】 研究の結果として、最初の充填溶液は42.4mgのインスリンを含むことが
見出され、デキストランビーズを用いる1時間の平衡化後に、3.2mgが充填
溶液中に残っていることが見出された。従って、充填されたインスリンのパーセ
ンテージを、充填ビーズの凍結乾燥時に25%と見積もり、その結果充填効率は
92%である。抽出溶液は、31mgのインスリンを有することが見出され、充
填されたデキストランビーズから、79%の回収パーセンテージを提供する。
【0147】 (実施例5) さらなるタンパク質ゲスト薬剤をヒドロゲルキャリア粒子に組込むための、本
発明の多重充填法の能力を実証するために、以下の研究を行った。
【0148】 4%アガロースビーズ(XC Corporation,Lot#XB219
)および8%アガロースビーズ(XC Corporation,Lot#XB
138)を、ヒドロゲルキャリアシステムとして使用するために得た。ブタイン
スリン(Akzo Nob(XC Corporation,Lot#XB21
9)el,Lot SIPP 584)を、ゲスト薬剤として使用した。アガロ
ースビーズを、一晩凍結乾燥し(VirTis SentryTM Model
3+ESフリーズドライ装置を使用して)、乾燥したアガロースビーズを得た。
次いで、この乾燥したビーズを、飽和ブタインスリン溶液(1%酢酸溶液中の2
5mg/ml)と合わせることによって再水和し、この懸濁液を平衡化した。次
いで、充填された粒子を充填溶液から分離し、そしてこの充填された(再水和さ
れた)ビーズを乾燥するために48時間凍結乾燥した。この手順が、一次充填を
生じた。次いで、上記の技術を、乾燥一次ビーズを使用して繰り返し、二次充填
(充填#2)を生じた。次いで、乾燥二次ビーズを、同様の様式で充填溶液に添
加し、二次充填番号#3〜#5を提供するためにこの手順を繰り返した。次いで
、各々の充填の反復からのビーズを、抽出溶液中に置き、次いで各々の一次(#
1)および二次充填(#2〜#5)からのインスリン含有量を、Reverse
Phase HPLC(Shimadzu VP HPLC)を使用して決定
した。未処理のビーズ(充填#0)もまた、HPLCによって分析し、ネガティ
ブ充填コントロールを得た。
【0149】 4%ビーズについての研究の結果を、以下の表4および図2に示す。8%ビー
ズについての研究の結果を、以下の表5および図3に示す。理論計算による、単
一充填工程におけるインスリン充填の最大%は、4%アガロースビーズについて
は37.5%、そして8%アガロースビーズについては22.3%である。
【0150】
【表4】
【0151】
【表5】 これらの結果に見られ得るように、本発明の多重(反復)充填法は、乾燥重量
に基づく粒子当たり、非常に高い薬物充填を提供するために適切である。
【0152】 本明細書中で言及される全ての刊行物および特許出願は、別個の各々の刊行物
または特許出願が詳細にかつ個々に参考として援用されるよう示されるのと同程
度に、本明細書中に参考として援用される。
【0153】 ここで、本発明は完全に記載され、付加された精神または範囲から逸脱するこ
となく、多くの変化および改変がそれになされ得ることが、当業者に明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、標準的な凍結乾燥処方物(黒四角、287μg/kg)、アガロース
ビーズ処方物CG0904(黒三角、353μg/kg)、アガロースビーズ処
方物CG0920(白三角、421μg/kg)、およびプラシーボ処方物(白
三角、0μg/kg)の皮膚粒子注射(DPJ)投与後の、実施例1において得
られた時間プロフィールに対する平均(±S.E.)血漿インスリン濃度を示す
。皮下インスリン投与(黒丸、28.3μg/kg)を、比較のために示す。
【図2】 図2は、実施例5において4%アガロースビーズに充填されたインスリンの百
分率(黒菱形)を示す。理論的に充填される百分率(黒四角)もまた示す。
【図3】 図3は、実施例5において8%アガロースビーズに充填されたインスリンの百
分率(黒菱形)を示す。理論的に充填される百分率(黒四角)もまた示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61K 48/00 48/00 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL, IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,L C,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG ,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,T J,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN ,YU,ZA,ZW (72)発明者 バーコス, テリー リー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94555, フレモント, ダンバートン サークル 6511 (72)発明者 プレストレルスキー, スティーブン ヨ セフ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94555, フレモント, ダンバートン サークル 6511 (72)発明者 マー, ユ−ファン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94555, フレモント, ダンバートン サークル 6511 (72)発明者 マドル, アンドリュー イギリス国 オーエックス7 6イージェ イ オクソン, シップトン−アンダー− ウィチウッド, シネルズ フィールド 41 (72)発明者 ハフナー, ロデリック イギリス国 オーエックス4 4ジーエイ オックスフォード, ザ オックスフォ ード サイエンス パーク, ロバート ロビンソン アベニュー 4 Fターム(参考) 4C076 AA29 BB11 EE24 EE30A FF68 GG05 GG07 GG09 4C084 AA01 AA13 AA17 BA44 MA05 MA41 MA44 MA66 NA10 4C085 AA03 EE01 EE05 GG01

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子注射による被験体の処置において使用するための、ヒド
    ロゲルもまた含む、粒子状薬の製造における、薬理学的に活性な薬剤の使用。
  2. 【請求項2】 前記粒子の平均質量空気力学的直径が、10μm〜100μ
    mである、請求項1に記載の使用。
  3. 【請求項3】 前記粒子のエンベロープ密度が、0.8g/cm3〜1.5
    g/cm3である、請求項1または2に記載の使用。
  4. 【請求項4】 前記薬理学的に活性な薬剤が、遺伝子構築物である、請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の使用。
  5. 【請求項5】 前記遺伝子構築物が、プロモーターに作動可能に連結された
    、抗原をコードする配列を含む、請求項4に記載の使用。
  6. 【請求項6】 前記ヒドロゲルが、アガロースまたはデキストランである、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
  7. 【請求項7】 前記ヒドロゲルがアガロースであり、そして前記薬の粒子が
    、賦形剤としてさらにデキストランを含む、請求項6に記載の使用。
  8. 【請求項8】 粒子注射による被験体への送達のための核酸ワクチンとして
    使用するための、発現可能な遺伝子構築物とともに充填されたヒドロゲルを含む
    粒子状薬の製造における、抗原をコードする発現可能な遺伝子構築物の使用。
  9. 【請求項9】 粒子注射による被験体への送達のためのワクチンとして使用
    するための粒子状薬の製造における抗原の使用。
  10. 【請求項10】 粒子注射による投与に適切な粉末状薬学的組成物の作製方
    法であって、該方法は以下の工程: (a)ヒドロゲル粒子を、薬理学的に活性な薬剤を含む水性組成物と接触させ
    、それにより、該粒子に該薬剤を充填する工程; (b)必要に応じて、このようにして充填されたヒドロゲル粒子を、少なくと
    も部分的乾燥工程において該水性組成物から分離する工程、および該分離された
    粒子を、該薬理学的に活性な薬剤を含む水性組成物と接触させ、それにより、該
    粒子に該薬剤をさらに充填する工程; (c)工程(b)が実施された場合、必要に応じて該工程を1回以上繰り返す
    工程; (d)このようにして充填されたヒドロゲル粒子を、乾燥工程において該水性
    組成物から分離する工程;ならびに (e)経皮粉末注射デバイスにおいて使用するために適切な該所望の粉末状薬
    学的組成物を得る工程、 を包含する、方法。
  11. 【請求項11】 粉末状薬学的組成物の作製方法であって、該方法は、以下
    の工程: (a)予め形成されたヒドロゲル粒子の混合物を提供する工程; (b)該ヒドロゲル粒子を、薬剤が該ヒドロゲル粒子と会合して該粒子に取り
    込まれるのを可能にするに充分な期間にわたって、薬理学的に活性な該薬剤を含
    む水性組成物と接触させる工程;および (c)該ヒドロゲル粒子を、乾燥工程において該水性組成物から分離して、粉
    末状薬学的組成物を得る工程であって、ここで該組成物は、該粒子に取り込まれ
    た該活性な薬剤を含む該ヒドロゲル粒子を含む、工程、そしてさらにここで該組
    成物が、経皮粉末注射デバイスにおける使用に適切である、工程 を包含する、方法。
  12. 【請求項12】 粉末状薬学的組成物の作製方法であって、該方法は、以下
    の工程: (a)予め形成されたヒドロゲル粒子の混合物を提供する工程; (b)該ヒドロゲル粒子を、薬理学的に活性な薬剤を含む水性組成物中に、該
    粒子を膨潤させそして該粒子中に該活性な薬剤を取り込ませるに充分な期間にわ
    たって懸濁する工程;ならびに (c)水および他の溶媒を、乾燥工程において該懸濁物から除去して、該粒子
    中に取り込まれた該活性な薬剤を有する該ヒドロゲル粒子を含む粉末状薬学的組
    成物を得る工程であって、ここで、該粉末組成物中の該ヒドロゲル粒子の質量平
    均空気力学的直径が、10μm〜100μmである、工程、 を包含する、方法。
  13. 【請求項13】 粉末状薬学的組成物の作製方法であって、該方法は、以下
    の工程: (a)予め形成されたヒドロゲル粒子の混合物を提供する工程; (b)該ヒドロゲル粒子を、薬剤が該ヒドロゲル粒子と会合して該粒子に取り
    込まれるのを可能にするに充分な期間にわたって、薬理学的に活性な該薬剤を含
    む水性組成物と接触させる工程; (c)該ヒドロゲル粒子を、少なくとも部分的な乾燥工程において該水性組成
    物から分離して、該粒子に取り込まれた該活性な薬剤を有する一次充填ヒドロゲ
    ル粒子を得る工程; (d)該一次充填ヒドロゲル粒子を、さらなる薬剤が、該ヒドロゲル粒子と会
    合し、そして該粒子に取り込まれるのを可能にするに充分な期間にわたって該薬
    理学的に活性な薬剤を含む水性組成物と接触させる工程; (e)工程(d)において形成された該ヒドロゲル粒子を、少なくとも部分的
    な乾燥工程において該水性組成物から分離して、該粒子に取り込まれた該活性な
    薬剤を有する二次充填ヒドロゲル粒子を得る工程;ならびに (f)該二次充填ヒドロゲル粒子を乾燥して、粉末状薬学的組成物を得る工程
    、 を包含する、方法。
  14. 【請求項14】 工程(f)の前に、工程(e)において形成された前記二
    次充填ヒドロゲル粒子を、少なくともさらに1回、なおさらなる薬剤が該ヒドロ
    ゲル粒子と会合して該粒子に取り込まれるのを可能にするに充分な期間にわたっ
    て、前記薬理学的に活性な薬剤を含む水性組成物と接触させる、請求項13に記
    載の方法。
  15. 【請求項15】 工程(b)における前記ヒドロゲル粒子を、乾燥状態の前
    記水性組成物と接触させる、請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 工程(b)における前記ヒドロゲル粒子を、湿った、予め
    水和した状態の前記水性組成物と接触させる、請求項10〜14のいずれか1項
    に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記ヒドロゲル粒子が、アガロース、デキストラン、ポリ
    エチレングリコールおよびポリブチレンテレフタレートの粒子からなる群より選
    択される、請求項10〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記活性な薬剤が、前記粉末状薬学的組成物中に、該組成
    物の約0.1wt%〜85wt%の範囲の量で存在する、請求項10〜17のい
    ずれか1項に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記粉末状薬学的組成物が、凍結乾燥工程を用いて形成さ
    れる、請求項10〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記粉末状薬学的組成物が、噴霧乾燥工程を用いて形成さ
    れる、請求項10〜18のいずれか1項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 ヒドロゲルおよび薬理学的に活性な薬剤を含む薬学的組成
    物であって、ここで該組成物が、高速度粉末注射による被験体への経皮送達また
    は経粘膜送達に適切な粉末である、組成物。
  22. 【請求項22】 直径約10μm〜100μmの固体粒子を含む薬学的組成
    物であって、ここで各粒子は、ヒドロゲルを含み、該ヒドロゲルには薬理学的に
    活性な薬剤が取り込まれており、該粒子は、高速度粉末注射による被験体への経
    皮送達または経粘膜送達に適切である、組成物。
  23. 【請求項23】 前記ヒドロゲルがアガロースである、請求項21または2
    2に記載の組成物。
  24. 【請求項24】 前記活性な薬剤がペプチドである、請求項21〜23のい
    ずれか1項に記載の組成物。
  25. 【請求項25】 経皮的または経粘膜的な高速度粉末注射による前記粒子の
    投与についての書面のラベル説明書と組み合わせた、請求項21〜24のいずれ
    か1項に記載の組成物。
  26. 【請求項26】 請求項21〜24のいずれか1項に記載の組成物の単位投
    薬形態。
  27. 【請求項27】 被験体への薬理学的に活性な薬剤の経皮送達または経粘膜
    送達のための製造物品であって、該物品は、請求項21〜24のいずれか1項に
    記載の薬学的組成物を、単位用量の活性な薬剤を含む容器中に含む、製造物品。
  28. 【請求項28】 前記ヒドロゲルがアガロースである、請求項27に記載の
    製造物品。
  29. 【請求項29】 前記活性な薬剤が、ペプチドまたはタンパク質である、請
    求項27または28に記載の製造物品。
  30. 【請求項30】 経皮的または経粘膜的な高速度粉末注射による前記粒子の
    投与についての書面のラベル説明書と組み合わせた、請求項27〜29のいずれ
    か1項に記載の製造物品。
  31. 【請求項31】 薬物を送達することを必要とする被験体に薬物を送達する
    ための方法であって、該方法は、以下の工程: 請求項21〜24のいずれか1項に記載の薬学的組成物を調製する工程、 該粒子を高速度に加速する工程、および 該加速された粒子を、標的の皮膚または粘膜の部位に送達する工程 を包含する、方法。
  32. 【請求項32】 前記ヒドロゲルが、アガロースである、請求項31に記載
    のプロセス。
  33. 【請求項33】 前記活性な薬剤が、ペプチドである、請求項31または3
    2に記載のプロセス。
  34. 【請求項34】 粉末状薬学的組成物を作製するためのプロセスであって、
    該プロセスは、以下の工程: 約10μm〜100μmのサイズ範囲を有する予め形成されたヒドロゲル粒子
    の混合物を提供する工程、 該粒子を、該粒子を膨潤させて該活性な薬剤を該粒子中に取り込ませるに充分
    な期間にわたって、薬理学的に活性な薬剤が溶解している水性組成物中に懸濁す
    る工程、および 水および他の溶媒を該懸濁物から除去して、該粒子中に取り込まれた該活性な
    薬剤を有し、かつ各粒子が約10μm〜100μmの直径を有する、固体ヒドロ
    ゲル粒子を形成する工程、 を包含する、プロセス。
  35. 【請求項35】 前記ヒドロゲル粒子が、乾燥状態で前記水性組成物に添加
    される、請求項34に記載のプロセス。
  36. 【請求項36】 前記ヒドロゲル粒子が、湿った、予め膨潤した状態で前記
    水性組成物に添加される、請求項34に記載のプロセス。
  37. 【請求項37】 粉末状薬学的組成物を作製するためのプロセスであって、
    該プロセスは、以下の工程: (a)薬理学的に活性な薬剤およびヒドロゲルを含む水性薬学的処方物を形成
    する工程であって、該ヒドロゲルが、該処方物の約0.1wt%〜10wt%で
    存在する、工程;ならびに (b)該処方物を乾燥させて、10μm〜100μmの平均質量空気力学的直
    径を有する粒子を得る工程、 を包含する、プロセス。
  38. 【請求項38】 治療によるヒトまたは動物の身体の処置方法において使用
    するための粉末であって、該粉末は、粒子注射による被験体への送達に適切であ
    り、そして薬理学的に活性な薬剤が充填されたヒドロゲルを含む、粉末。
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