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JP2002518354A - 糖硫酸ペプチド、その合成方法および使用方法 - Google Patents

糖硫酸ペプチド、その合成方法および使用方法

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JP2002518354A
JP2002518354A JP2000554568A JP2000554568A JP2002518354A JP 2002518354 A JP2002518354 A JP 2002518354A JP 2000554568 A JP2000554568 A JP 2000554568A JP 2000554568 A JP2000554568 A JP 2000554568A JP 2002518354 A JP2002518354 A JP 2002518354A
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gal
peptide
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ザ ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティー オブ オクラホマ
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Abstract

(57)【要約】 ペプチドに結合した1個またはそれ以上の硫酸チロシン残基およびグリカンを有する新規クラスの合成糖硫酸ペプチド類(GSP)であって、グリカンはシアリルルイスX基またはシアリルルイスa基を含むのが好ましい。好ましい態様ではGSPはGalNAcに対するβ1,6結合を含んでなるO−グリカンを有する。本発明はさらに細胞を用いないでこれらのGSPをインビトロで合成する方法および強力な抗炎症性抗血栓症薬または転移抑制物質としてインビボで使用する方法を意図する。本発明はまたGSPからグリカンを切断することによりオリゴ糖を合成する方法をも意図する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (背景技術) 本発明は糖硫酸ペプチド、その合成方法および炎症の処置におけるその使用方
法に関する。
【0002】 炎症は局所的な傷害に対する血管新生組織の反応である。この傷害には感染お
よび直接的な物理的傷害などの種々の原因がある。炎症性の応答は有益であると
考えられている。なぜならば、炎症性応答がなければ感染は阻止されることなく
進行し、傷は決して治癒せず、組織および器官は永続的に損傷をうけ、結果的に
死に至るであろう。しかしながら、炎症性応答はまた有害である可能性をも秘め
ている。炎症によりリウマチ性関節炎、心筋梗塞、虚血性再灌留傷害、過敏性反
応およびある種の腎臓病に関連する病態が生じ得る。炎症性疾患の広範な問題は
多くの「抗炎症性」薬物の開発を促進してきた。理想的な薬物は炎症性応答から
得られる良好な影響を増強し、同時に有害になり得るこの応答の副作用を妨げる
薬物であろう。
【0003】 炎症性応答は血液細胞に関して血液中で最も豊富にある食細胞である循環好中
球の接着を伴い、脈管に並び脈管壁を作り上げる内皮細胞を活性化する。接着し
た好中球は引き続き活性化され、血管外遊出と称する過程で活性化された好中球
が血液から周辺組織へ移出する。ついで食作用と称する過程で細胞は微生物を飲
み込み始め、また脱顆粒化してタンパク質溶解酵素および酸化酵素などの種々分
解酵素を周辺の細胞外環境に放出する。好中球が接着することにより活性化され
、血液から移出する機構は現在全世界的に研究の主要な題材となっている。これ
らの機構の基礎的な理解が進むことにより新たな抗および前−炎症薬および処置
が現れることが望まれる。
【0004】 循環白血球の炎症部位への最初の誘引は、セレクチンと称する接着分子のクラ
スに細胞が結合することによる。現在同定されている3種のセレクチンは、全て
の循環白血球の表面に構造的に発現するL−セレクチン;内皮細胞の表面に誘導
されて発現するE−セレクチン;および血小板および内皮細胞の表面に誘導され
て発現するP−セレクチンである。セレクチンは別の細胞上の対合レセプターを
認識し、それにより細胞と細胞の接着性の接触を媒介する。たとえば、P−セレ
クチンはP−セレクチン糖タンパク質リガンド−1(PSGL−1)と称する好
中球上の構造的に発現したムチン様糖タンパク質対合レセプターに結合する。P
−セレクチンおよびPSGL−1間の相互作用は脈管壁上の好中球の接着をつな
ぎ留め、その進行を促進し、好中球の活性化ならびに実際の緻密な接着およびイ
ンテグリンおよび対合レセプターを介する血管外遊出を導く。セレクチンに媒介
される接着が炎症性応答中の好中球の活性化および移出に不可欠な先導であるこ
とは明らかであるので、好中球の接着を阻止する化合物を同定するために非常に
多くの研究がなされてきた。
【0005】 シアリルルイスX(LewisX)擬似物質を用いてセレクチン媒介の接着の阻止を介
して炎症性応答を調節または制御する試みがなされている[Lowe、「インビボに
おける糖質−タンパク質相互作用の治療的阻止」J. Clin. Invest. 100 (11補)
:S47-51 (1997))]。シアリルルイスXまたはシアリルルイスa抗原を含む修飾さ
れた単純な糖質(<2000ダルトン)がある[Varki、「認識現象におけるリガ
ンドとしてのシアル酸」、FASEB Journal, 11(4) : 248-55(1997)]。シアリルル
イスX擬似物質を糖質不含物として、または糖質および脂質間の付加生成物とし
て作り、溶解特性を変化させている。これらの擬似物質を二つのルートのうちの
一つにより合成している。周知の一つの方法では一般に入手可能な前駆体および
有機化学的方法で始める全く化学的な工程により糖質擬似物質を製造している。
もう一つの周知の方法では、最初に組換えまたはある程度精製したグリコシルト
ランスフェラーゼ、たとえばシアリルトランスフェラーゼ、ガラクトシルトラン
スフェラーゼ、フコシルトランスフェラーゼならびにシアル酸シトシンモノホス
フェート、ウリジンジホスホガラクトースおよびグアノシンジホスホフコースの
ような糖ヌクレオチド供与体を用いてシアリルルイスX擬似物質の糖質部分を合
成している。全例でこれらのシアリルルイスX擬似物質の効率は悪く、高量の化
合物(>0.5mM)が必要とされる。なぜならば、適当なセレクチン対合レセ
プター(たとえばP−セレクチンに対してPSGL−1)の構造を正確に反映し
ていないからである。
【0006】 ヒト白血球上のPSGL−1は硫酸化され得る先端のアミノ末端チロシン残基
ならびにN−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、ガラクトー
ス、フコースおよびシアリルルイスX抗原の配列を有するシアル酸を含むO−グ
リカンが付く結合部位になり得るスレオニン残基を含有する(McEverら、「セレ
クチン−糖質相互作用により媒介される白血球の往来」、J. of Biol. Chem., 2
70 : 11025-8 (1995) ; McEverら、「白血球補充におけるセレクチンへのPSG
L−1の結合の役割」、J. of Clin. Invest., 100 : 485-491 (1997))。 硫酸化チロシン残基およびO−グリカンの同時発現は、PSGL−1およびP−
セレクチン間の相互作用が高い親和性をもつのに必要であると考えられる。しか
しながら、天然に発生する量のPSGL−1は限られており、ヒト好中球から抗
炎症性物質として投与するのに適した形態でPSGL−1を製造するのは不可能
である。さらに、PSGL−1の組換え合成法は時間と費用がかかり、動物細胞
の培養が必要であり、結果的に問題を生じ、PSGL−1ペプチドバックボーン
の適当な翻訳後修飾、たとえば硫酸チロシンおよびO−グリカンの付加などの不
確実性を伴う。これらの問題を打破する、化合物の処方および製造を可能にする
方法があるのが望ましい。
【0007】 (発明の記述) 本発明は、ここで1つ以上の硫酸チロシン残基およびシアリルルイスX基また
はシアリルルイスa基を含む多糖を含むようなPSGL−1の端アミノ末端を模
倣した合成糖硫酸ペプチド(GSP)の新規種を意図する。好ましい実施形態に
おいて、GSPはさらにGalNAcへのβ1,6結合を含むO−型糖鎖を含む
。本発明はさらに、細胞を用いないこれらのGSPの合成のインビトロ方法およ
び細胞のセレクチン仲介接着を阻害することのできる強力な抗炎症抗血栓症性ま
たは抗転移性化合物としてのインビボでのそれらの使用の方法を意図する。[Kim
ら、「P−セレクチン欠損は腫瘍増殖および転移を減衰させる("P-Selectin De
ficiency Attenuates Tumor Growth and Metastasis"),Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA,95(16) : 9325-30, 1998]。
【0008】 本明細書で合成した糖硫酸ペプチドは組換え体タンパク質の発現によって簡単
に得ることはできなかった。糖構造の本来の異質性およびチロシン硫酸化の変化
効率のために、組み換え体糖タンパク質での糖付加およびチロシン硫酸化の正確
な定義はきわめて難しい。さらに、α−GalNAcTによるO−型糖付加の細
胞内開始は複雑である。このファミリーの多くの異なる酵素が、細胞でのO−型
糖付加の開始のためにわずかに異なるペプチドモチーフを必要としうる。糖硫酸
ペプチドの合成について本明細書で意図された新規技術は、O−型糖付加モチー
フにかまわずにO−糖部位および構造の完全な制御を可能にする。本明細書で意
図したようなこれらの糖硫酸ペプチドのインビトロ合成はまた、たとえばシアル
酸派生物のような修飾された単糖、糖構造の正確な改変、およびペプチドの長さ
の改変を可能にする。
【0009】 本発明はここで、その観点がさらに完全に理解され、評価されるであろうよう
に以下の実施例での特定の実施形態に関連して記述する一方、本発明をこれらの
特定の実施形態に限定する意図はない。それどころか、付属する請求項によって
定義されたように、本発明の意図の範囲内に含まれるようなすべての変更、改変
および同等物を包むつもりである。したがって、好ましい実施形態を含む以下の
実施例は本発明の実施を例示するのに役に立ち、示された詳細が、例としておよ
び本発明の好ましい実施形態の実例となる討議の目的のためにのみであり、処方
手順の、そして本発明の原理および原則的な観点のもっとも有用で簡単に理解さ
れる記述であると信じられる。
【0010】 (実施例) 実施例1 図1Aおよび1Bにて表した1つの実施形態において、本発明は糖硫酸ペプチ
ドと、少なくとも1つのチロシン残基および少なくとも1つのO−グリコシド結
合を提供することのできる天然または人工のアミノ酸残基(たとえばセリン、ス
レオニン、ヒドロキシプロリン、チロシン、ヒドロキシリシン、メチオニンなど
)を含んでいる前合成したペプチドに、酵素的に糖および硫酸基を付け加えるこ
とによる、その合成の方法を意図する。ペプチドは好ましくは2アミノ酸から3
0アミノ酸までからなり、さらに好ましくは3から29アミノ酸残基、4から2
8アミノ酸残基、5から27アミノ酸残基、6から26アミノ酸残基、7から2
5アミノ酸残基、8から24アミノ酸残基、9から23アミノ酸残基、10から
22アミノ酸残基、11から21アミノ酸残基、12から20アミノ酸残基、1
3から19アミノ酸残基、14から18アミノ酸残基、15から17アミノ酸残
基または18アミノ酸残基である。図1〜4、10および11に示した典型的な
ペプチドにおいて、アミノ酸配列は、残基42のN末端に加えた追加的なグリシ
ン残基を除いてPSGL−1のアミノ酸42〜63と同一である。
【0011】 糖硫酸ペプチドは好ましくは少なくとも1つの硫酸チロシン残基を含み、さら
に好ましくは2つの硫酸チロシン残基、最も好ましくは3つの硫酸チロシン残基
を含む。それぞれのチロシン残基は好ましくは少なくとも1つの追加的なアミノ
酸残基によって分離される。
【0012】 本実施形態において、ペプチドは、O−結合残基のヒドロキシル基へのα結合
でのテトラアセチル化GalNAcのf−mocまたはt−boc派生物を用い
て市販のペプチド合成機上で合成する。O−結合アミノ酸のこのα−結合派生物
は、ペプチドの合成中にペプチドの望ましい部位で挿入し、したがってO−結合
残基によってテトラアセチル化GalNAcを加える。
【0013】 テトラアセチル化GalNAcは次いで、ナトリウムメトキシドなどの有機溶
媒中の弱塩基での脱アセチル化による工程(1)で「脱保護した(unbloc
ked)」。望ましい部位へのGalNAc残基の特異的な導入は、糖鎖結合ア
ミノ酸が定量的および化学量論的レベルで存在していること、およびペプチドの
他の部位の他のO−結合残基が修飾されていないことを確実にする。
【0014】 次の工程(2)において、GalがUDPGalの存在下でβ1,3−Gal
Tを介してGalNAcへβ−結合する。次の工程(3)において、GlcNA
cがUDPGlcNAcの存在下でβ1,6−GlcNAcTを介してGalN
Acへβ−結合する。次の工程(4)において、GalがUDPGalの存在下
でβ1,4−GalTを介してGlcNAcへβ−結合する。次の工程(5)に
おいて、NeuAcがCMPNeuAcの存在下でα2,3−STを介してGa
lにα−結合する。次の工程(6)において、フコースがGDPフコースの存在
下でα1,3−FTを介してGlcNAcへα−結合する。合成の最終工程(7
)において、硫酸基がPAP硫酸の存在下で組換え体、または少なくとも部分的
に精製されたTPSTを介してペプチドの1つ以上のチロシン残基のそれぞれに
加わる。これらの工程は以下の実験的手順項でより詳細に記述される。本実施形
態での合成工程の結果、硫酸化チロシンと、セリンまたはスレオニン(または同
様にO−結合可能なアミノ酸)へのO−結合でのGalNAc残基へのβ1,6
結合を持っているシアリルイスX部分をもつペプチドができる。上述したように
、本実施形態において、(ペプチドに1つ以上ある場合)GalNAcを特定の
チロシン(またはセリン)残基へ好ましく結合させることは可能ではない。さら
に、N−アセチルノイラミン酸は使用する好ましいシアル酸であるが、同様の様
式で機能する他のシアル酸も、本明細書で請求した糖硫酸ペプチドで使用される
ために意図される。これらの他のシアル酸には、酵素α2,3−STを介して転
移することのできる他のシアル酸が含まれ、N−グリコリルノイラミン酸、N−
アセチルノイラミン酸、9−O−アセチル−N−グリコリルノイラミン酸、9−
O−アセチル−N−アセチルノイラミン酸および本明細書で参考文献として組み
込まれているVarkiら、「認識現象でのリガンドとしてのシアル酸("Sialic
Acids As Ligands In Recognition Phenomena")」、FASEB Journal, 11 (4) :
248-55,1997に記載の他のシアル酸が含まれる。
【0015】 本実施形態において、ペプチドが1つ以上のチロシンを含む場合、特定のチロ
シン残基のみ特異的に硫酸化することは不可能である。特定のチロシン残基を特
異的に硫酸化することが可能である実施形態を以下に記述する。
【0016】 本明細書で使用した略語への解答を以下に提供する。
【0017】 (詳細な実験的手順) (実施例1の糖硫酸ペプチドの合成) 粗製糖ペプチド1(GP−1)をオクラホマ州立大学のProtein Resource Fac
ilityにて合成した。トリ−O−アセチル化GalNAcを、トリ−O−アセチ
ル−GalNAcαFmoc Thr派生物(Oxford GlycoSciences, Oxford, UK
)を用いた固相合成の間にペプチド内に組み込んだ。粗製GP−1(2mg)を
、Medalら、Int. J. Peptide Protein Res., 43:529-536, 1994に記述されたよ
うに6mMメタノール化ナトリウムメチレートにて脱O−アセチル化した。脱ア
セチル化したペプチドを逆相HPLCにて精製した。脱アセチル化GP−1の保
持時間(34.6分)は明らかにトリ−O−アセチル化GP−1(45.3分)
とは異なった。精製GP−1の収量は1.1〜1.5mgであった。マトリック
ス関連レーザー吸着イオン化飛行時間(MALDI−TOF)質量スペクトルに
おいて、[M−H]-分子イオンに対する観察されたm/zは2952.9(c
alc m/z 2953.2)であった。さらに、酸化GP−1の[M−H]-
分子イオン(m/z 2969.5)がメチオニン残基が酸化されていた場合に
存在した。
【0018】 GP−1を、全容量100μlの50mM MES,pH6.5、2mM AT
P、15mM MnCl2、0.2% Triton X−100中で3〜4倍のモ
ル過剰UDPGal(Sigma)および13nmol/hの精製コア−1 β
1,3−GalT(コア−1 β1,3−ガラクトシル転移酵素)を用いること
によって100〜200nmolアリコート内で37℃にて一晩ガラクトシル化
した。コア−1 β1,3−GalTの完全なアミノ酸配列は配列番号:1に示
す。タンパク質およびTriton X−100をクロロホルム−メタノール(
2:1)抽出(脱タンパク化)によって取り除いた後、反応混合液をHPLCに
て解析した。ガラクトシル化産生物GP−2の保持時間は32.9分であり、ガ
ラクトシル化の程度は>95%であった。GP−2のMALDI−TOF解析は
[M−H]-分子イオンに対してm/z 3115.4を表した(calc.m/
z 3115.3)。
【0019】 GP−2(0.4〜0.6mM)を、50mM カコジル酸Na,pH7.0
100μlの総容量での1〜2mMのUDPGlcNAc(Sigma)および
アフィニティ精製した組換え体コア−2 β1,6−GlcNAcT(100n
mol/h)と一緒に37℃でインキュベートした。コア−2 β1,6−Gl
cNAcTを得るための方法を以下に記述する。24時間インキュベーションの
後、反応混合液の少量部分をHPLCで解析した。GP−2は定量的により速く
移動する産生物、GP−3(保持時間 31.3分)へ変換した。GP−3のM
ALDI−TOF質量スペクトルは[M−H]-分子イオンに対してm/z 33
18.2を示した(calc.m/z 3318.5)。反応混合液を直接β1
,4−GalT反応へかけた。あるいは、UDP[3H]GlcNAc(American
Radiolabeled Chemicals Inc., St. Louis, MO)(12,000cpm/nmo
l)をコア−2 β1,6−GlcNAcT反応でのドナーとして使用し、[3
]GP−3を得た。
【0020】 GP−3(0.4mM)(コア−2 β1,6GlcNAcT反応混合液)を
、総容量160μlの40mMカコジル酸Na,pH7.0、20mM MnC
2および0.02% NaN3中のウシミルクβ1,4−GalT(Sigma
)およびUDPGal(1.5mM)を用いてガラクトシル化した。37℃での
20時間のインキュベーション後、反応混合液からの試料をHPLCで解析し、
すべてのGP−3がより速く移動する産生物GP−4(保持時間30.4分)に
変換されたことが示された。MALDI−TOF解析において、観察されたGP
−4の[M−H]-分子イオンに対するm/zは3480.4(calc.m/
z 3480.7)であった。糖ペプチド試料を、溶出液として水または25m
M NH4HCO3を使用したSephadex G−50カラム(10ml、0.
7×25cm)で脱タンパク化および脱塩した。0.5ml分画を回収し、糖ペ
プチドを215nmでのUV吸収または分画の放射活性のどちらかを測定するこ
とで検出した。脱塩および脱タンパク化の後、試料を直接α2,3−シアリルT
反応にかけた。放射標識化[3H]GP−3をドナーとしてUDP[3H]Gal
(Amersham, Buckinhamshire, England)(10,000cpm/nmol)を用
いてガラクトシル化した。
【0021】 GP−4(1mM)を、総容量50μlの50mM MOPS,pH7.4、
0.1% BSAおよび0.02% NaN3中の20mU α2,3−(N)−シ
アリルT(Calbiochem, La Jolla, CA)および3mM CMPNeuAc(Sig
ma)を用いてシアル酸化した。37℃での14時間インキュベーション後、1
μg試料をHPLCで解析し、GP−4が完全により速く移動する産生物、GP
−5(保持時間29.7分)に変換されたことが示された。MALDI−TOF
解析において、観察されたGP−5の[M−H]-分子イオンに対するm/zは
3770.6(calc.m/z 3771.9)であった。反応混合液を直接
α1,3−FucT反応に使用した。放射標識化[3H]GP−4(0.1mM
)をまたドナーCMP[3H]NeuAc(0.2mM、31,500cpm/
nmol)(NEN,Boston,MA)を用いてシアル酸化した。
【0022】 GP−5(0.4mM)を、総容量120μlの50mM MOPS,pH7.
4、20mM MnCl2および0.02% NaN3中、2mUのα1、3−Fuc
T−IV(Calbiochem, La Jolla, CA)およびGDPFuc(0.8mM)(C
albiochem, La Jolla, CA)を用いて37℃にて16時間でα1,3−フコース化
した。脱タンパクおよび脱塩した試料をHPLCにて解析し、GP−5が完全に
産生物GP−6(保持時間29.1分)に変換したことを示した。MALDI−
TOF解析において、観察されたGP−6の[M−H]-分子イオンに対するm
/zは3917.5(calc.m/z 3918.1)であった。185μg
のGP−2からはじめるとGP−6の全回収は、HPLCを行っている間の27
5nmでのUV吸収によって決定したように、88μgであった。放射標識化[
3H]GP−4をドナーとしてGDP[14C]Fuc(83,000cpm/n
mol)(Amersham)を用いてフコース化した。
【0023】 GP−6(0.02mM)のいくつかの部分を、0.15mM PAPS(S
igma)または[35S]PAPS(NEN,Boston,MA)(特異的活
性30300cpm/nmol)および0.85nmol/hの組換え体ヒトT
PST−1(配列番号:2)を用いて37℃にて35時間で硫酸化した。あるい
は、hTPST−2(配列番号:3)が使用でき、または任意の他の機能的なチ
ロシン化タンパク質硫酸転移酵素が使用できた。総反応容量は、40mM PI
PES,pH7.0、0.05M NaCl、0.1% Triton X−10
0および5mM EDTA中のアリコートあたり100μlであった。タンパク
質および界面活性剤を取り除くためのクロロホルム−メタノール(2:1)抽出
後、反応混合液をゲル濾過にて脱塩し、HPLCにかけた。産生物GSP−6の
保持時間は15.6分であり、GP−6のGSP−6への変換は>95%であっ
た。電子噴霧重量スペクトル解析は4158.0のGSP−6の分子量を示し(
calc.4159.2)、3つの硫酸機が存在することを確かにした。
【0024】 あるいは、GSP−6の放射標識化型を、GP−6(0.01mM)を14〜
17時間、総容量50μl中の0.06mM [35S]PAPS(107,00
0〜559.000cpm/nmol)および0.36nmol/hのTPST
−1と一緒にインキュベートすることで合成した。GP−6の35SO3−GSP
−6への変換は>85%であった。GP−2(0.08mM)を総反応容量40
0μl中0.6mM PAPS(Sigma)および4.8nmol/hのアフ
ィニティ精製組換え体TPST−1を用いることで37℃にて35時間硫酸化し
た。脱タンパクおよび脱塩後、試料をHPLCにて解析した。産生物の保持時間
は21.4分であり、GP−2のGSP−2への変換は98%であった。GSP
−2の電子噴霧重量スペクトルは3356.0(calc.3356.5)とし
ての分子量を示し、これは3つの硫酸機が存在することを確かにした。あるいは
、GP−2(0.04mM)を、総容量56μl中の[35S]PAPS(0.2
mM、30300cpm/nmol)(Sigma)およびTPST−1(0.
7nmol/h)を用いて37℃にて18時間で硫酸化した。GP−2の35SO
3−GSP−2への変換は>95%であった。GP−5を、ドナーとして[35
]PAPS(30300cpm/nmol)を用いてGP−6と同様の形式で硫
酸化した。GP−5の35SO3−GSP−5への変換は>90%であった。HP
LCでの35SO3−GSP−5の保持時間は17.5分であった(示していない
)。
【0025】 (逆相高性能液体クロマトグラフィー) 糖ペプチド試料をSpin−X膜(Corning Costar, Cambridge, MA)上で濾過
し、続いてBeckman System Gold HPLC上で逆相C−18HPLCカラム(Vydac,
Hesperia, CA)で解析した。以下の溶媒系を1ml/分の流速で用いた。すなわ
ち、1〜10分、20%アセトニトリル−80%水−0.1%TFA、10−7
0分、水−0.1%TFA中20%から45%までの直線アセトニトリル勾配、
10〜70分、水−0.1%TFA中20%−45%直線アセトニトリル勾配で
ある。215nmまたは275nmでのUV吸光度をモニタし、および/または
回収した画分の放射活性を測定した。プールされた画分を真空下乾燥させた。
【0026】 (平衡ゲル濾過クロマトグラフィー) 平衡ゲル濾過実験を、150mM NaCl、2mM CaCl2、2mM Mg
Cl2、0.02% NaN3を含む4mlの20mM MOPS,pH7.5(緩
衝液A)および35SO3−GSP−6(10,000cpm/ml、特異的活性
1700cpm/pmol)で平衡化したSephadex G−75カラム(
0.5×10cm、2ml)で行った。異なった量の可溶性P−セレクチン(s
PS)(25〜1000pmol)(Ushiyamaら、J. Biol. Chem., 268:15229-1
5237, 1993)を35SO3−GSP−6を含む緩衝液A120μl中で30〜60分
間プレインキュベートし、カラムに載せた。試料を(35SO3−GSP−6含有
)緩衝液Aで溶出し、140μl画分を70μ/分の流速で回収した。画分の放
射活性を液体シンチレーション計数管にて測定した。sPSおよびGSP−6の
間の結合の阻害剤を試験する対照実験を、400pmolのsPSおよび5,0
00cpm/mlの35SO3−GSP−6を用いて行った。EDTA濃度は、2
0mM MOPS,pH7.5、150mM NaCl、0.02% NaN3中で
1mMであった。坑P−セレクチンモノクローナル抗体(G1およびS12)(
各800pmol)を35SO3−GSP−6を加える前に緩衝液A中でsPSに
て30分間プレインキュベートした。溶出は35SO3−GSP−6を含む緩衝液
Aを用いることで行った。
【0027】 (P−セレクチンアフィニティクロマトグラフィー) 可溶性P−セレクチンを取扱説明書にしたがってUltralink(登録商標) Bios
upport Medium (Pierce, Rockford, IL)に結合させた。異なる濃度(0、1.0
、1.3、1.6、2.0mg/ml)のP−セレクチンカラムを25mlの緩
衝液Aで平衡化した。放射標識化糖(硫酸)ペプチド(800〜1000cpm
、1〜10cpm、1〜10pmol)を200μlの緩衝液A中に溶解させ、
sPS−カラムにかけた。結合物質を緩衝液B(10mM EDTA、150m
M NaCl、0.02% NaN3を含む20mM MOPS,pH7.5)で溶
出した。画分の量は0.5mlであり、流速は200〜250μl/分であった
。すべての画分を放射活性について計数した。
【0028】 (質量分光計解析) マトリックス関連レーザー吸着/イオン化飛行時間(MALDI−TOF)質
量分光計を、337nmの窒素レーザー操作を備えたBiflex(登録商標)飛行時
間機械(Bruker-Franzen Analytik, Germany)で直線陰イオン遅延抽出モードで行
った。GSP−2およびGSP−6を除くHPLC精製糖ペプチド試料を30%
水和アセトニトリルに溶解し、0.5μlアリコート(約2.5pmol)を0
.5μlの2,4,6−トリヒドロキシアセトフェノンマトリックス(アセトニ
トリル/20mM水和クエン酸二アンモニウム、容量比1:1中3mg/ml)
と混合させ、すぐに減圧下乾燥させた。スペクトルをインスリン[M−H]-
よび[M−2H]2- シグナルで外較正した。電子噴霧イオン化(ESI)質量
スペクトルをQ−TOFハイブリッド四極子/直交加速飛行時間質量分光計(Mic
romass Ltd., UK)を用いた陰イオンモードで回収した。GSP−2およびGSP
−6を50%水和アセトニトリル中に溶解し、ナノ電子噴霧イオン源を持つ質量
分光計中に注入した。器具較正をトリフルオロ酢酸ナトリウムイオンクラスター
にて行った。
【0029】 (GSP−6の脱シアル酸化) 35SO3−GSP−6(6,000cpm)を、100μlの0.1M酢酸ナ
トリウムpH5.5中、Arthrobacter ureafaciensノイラミダーゼ(Sigma) 8.
4mUにて37℃、13時間処理することで脱シアル酸化した。反応混合液をs
PS−カラム上のクロマトグラフィーによる解析前に脱塩および脱タンパク質し
た。
【0030】 (組換え体可溶性コア−2 β1,6−GlcNAcTの構築、発現および精
製) 融合タンパク質を、N−およびC−末端両方で12アミノ酸HPC4エピトー
プをもつヒトコア2 β1,6−GlcNAcTの触媒および基部領域を含むよ
うに構築した。エピトープはモノクローナル抗体HPC4がCa2+依存様式で結
合する[Rezaiら、Prot. Exp. Purif., 3:453-460, 1992]。コア2 β1,6−G
lcNAcTの触媒および基部領域を、鋳型としてヒトコア2 β1,6−Gl
cNAcT(L型)の全長cDNAを含むpcDNA3プラスミドを用いてPC
Rによって増幅した(Bierhizenら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:9326-9330
, 1992)。以下のプライマーを増幅に使用した。
【0031】 BamHI開裂部位を含む5’プライマー、 5’−GCCTGAATTTGTAAGGGATCCACACTTAGAGCT
TGCTGGGGAGAATCC−3’(配列番号:4) およびEcoRI部位およびHPC4エピトープを含む3’−プライマー、 5’−GTAGAATTCTTATCACTTGCCGTCGATCAGCCT
GGGGTCCACCTGGTCCTCGTGTTTTAATGTCTCCAA
AGC−3’(配列番号:5) PCR産生物(1.2kb)をpCR−TOPO 2.1ベクター(インビト
ロgen,Carlsbad,CA)内にクローン化し、プラスミド調整のため
に大腸菌(E.coli)株JM109に形質転換するために使用した。この構
造物をBamHIおよびEcoRVで消化することでpCR−TOPO 2.1
ベクターより放出させ、アガロースゲル電気泳動で精製した。この構造物(1.
2kb)を、NH2−末端トランスフェリンシグナル配列およびHPC4エピト
ープを含む改変pcDNA 3.1(+)ベクター(pcDNA 3.1(+)T
H)(Ouyangら、Proc. Natl. Acad. Sci USA, 95:2896-2901, 1988)のBamH
I/EcoRV部位にライゲーションし、E.coli株DH5αに形質転換 するのに使用した。得られたプラスミド、pcDNA 3.1(+)TH−sC
2(6.7kb)を単離し、配列決定してリポフェクタミン(Life Technologies
, Inc.)を用いてCHO/dhfr-細胞にトランスフェクトするのに用いた。ク
ロ−ン化選別をネオマイシン耐性下で行い、細胞を10%ウシ胎児血清およびG
418(600μg/ml)を含む低塩DME(Cellgro, Herndon, Virginia)で
維持した。培養液中でコア2 β1,6−GlcNAcT活性を発現している(
50nmol/h/ml)細胞の安定クローンを選別し、100%コンフレント
まで増殖させた。培養液を2%ウシ胎児血清を含む低塩DMEに交換し、2〜3
日間インキュベートした。培養液を回収し、1mM CaCl2および5mMベン
ズアミジンに調整した。HPC4エピトープタグを含む可溶性コア−2 β1,
6−GlcNAcTを、Mehtaら、Blood, 90:2381-2389, 1997に記述のように4
℃で、HPC4−mAbアフィニティカラム(Ultralink(登録商標)Biosuppor
t Mediumに結合した5mg/mlのHPC4−mAbの3.5mlカラム)を用
いて条件培養液(60ml)から精製した。精製した酵素を0.1%BSAを加
えることで安定化させ、この酵素をCentricon−30超遠心管(Amicon, Beverly,
MA)を用いて濃縮した。精製した酵素を直接またはその一部を使用し、−20℃
で保存した。この活性(8.2μmol/h/ml)は、少なくとも2ヶ月間、
−20℃にて安定であった。コア−2 β1,6−GlcNAcTアッセイを1
mM Galβ1→3GalNAcα−pNp(Toronto Research Chemicals In
c., Canada)および1mM UDP−[3H]GlcNAc(特異的活性1000
cpm/nmol)を用いて行った。このアッセイを37℃にて、総容量50μ
lの50mMカコジル酸Na,pH7.0中の2.5〜10μlの精製酵素で3
0分間、または25μlの細胞培養液で2〜3時間行った。放射標識化反応産生
物をSep Pakカートリッジ(Waters, Milford, MA)を用いて放射標識化ドナ
ーから分離した。
【0032】 (好中球単離および標識化) ヒト好中球をZimmermanら、J. Clin. Invest., 76:2235-2246, 1985に記述の
ように健康なボランティアより単離し、取扱説明書にしたがってCalcein-AM (Mo
lecular Probes, Inc., Eugene, OR)にて標識化した。
【0033】 (好中球接着アッセイ) 接着アッセイを以下の改良を行って、本質的にUshiyamaら、J. Biol. Chem.,
268-15229-15237, 1993に記述のように行った。Calcein−標識化好中球を使用し
た。sPSを、4℃で一晩、0.1M炭酸ナトリウム緩衝液中の2μg/ml
sPSでウェルをインキュベートすることで(100μl/ウェル)Immul
on 1 マイクロタイタープレート上に直接コートした。GSP−6インキュベ
ーションについては、ウェルを15分間室温で、0.1%HSAを含むHBSS
中のGSP−6の異なる希釈液50μlでプレインキュベートした。対照実験に
おいて、ウェルをP−セレクチンに対するmAbsでプレインキュベートした。
他の対照において、坑PSGL−1 mAbsまたは流体相sPSを25μlの
細胞浮遊液で室温にて15分間プレインキュベートした。ついで好中球(25μ
l)をsPS−コートウェルに加えた。接着細胞の数をfmax蛍光プレートリ
ーダー(Molecular Devices)を用いて定量した。
【0034】 実施例2 第二実施形態において、連続した合成工程は、最初の工程を除いて実施例1と
同様である。図2Aおよび2Bに表記した本発明のこの実施形態において、(少
なくとも1つのチロシンおよび少なくとも1つの糖が結合しうるアミノ酸残基を
含む)前合成したペプチドを用意する。本実施形態の最初に用意したペプチドは
硫酸化されているチロシン残基を欠き、そこに結合するGalNAcを欠く。市
販のペプチド合成機によって産出されうるペプチドをついで糖ドナーの連続系列
および相当する糖転移酵素にさらし、ペプチドのO−結合型残基に結合したオリ
ゴサッカライド群を合成した。本実施例において、工程(1)は、セリンまたは
スレオニン残基(または他のO−結合型アミノ酸)へα−結合でGalNAcに
加えるためにα−GalNAcTの存在下でUDPGalNAcへペプチドを曝
露することを含む。ペプチドが1つ以上のO−結合型残基を含む場合、本方法で
は、GalNAcがただ1つのO−結合型残基に入るかもしれないし、入らない
かもしれない。続く工程は実施例1でのものと同様である。
【0035】 実施例3 図3Aおよび3Bで表した他の実施形態において、ペプチドを硫酸化工程を除
いて実施例1でのペプチドと同様の様式で合成した。本実施形態では、ペプチド
を市販のペプチド合成機上で合成する時、1つ以上の硫酸化f−mocまたはt
−bocチロシン派生物を好ましい段階で合成サイクル中に導入し、チロシン残
基を特定の位置でペプチドに挿入する。したがって、オリゴサッカライド合成工
程がおこる前に、ペプチドはすでに1つ以上のチロシン残基で硫酸化されている
。1つ以上の硫酸チロシン残基を持つ合成ペプチドを穏やかな酸条件下で放出し
、硫酸チロシン残基の完全性を保護した。テトラアセチル化GalNAcを上述
のように脱保護した。ペプチド内の特定の位置でのテトラアセチル化GalNA
c残基の導入は、ペプチド内の他のO−結合型残基が修飾されていないことを確
かにする。1つ以上の指定した位置でのペプチドへの硫酸化チロシンの特異的導
入は、1つ以上の硫酸化チロシンが定量的および化学量論的レベルで存在するこ
とを確実にする。
【0036】 実施例4 図4で示した他の実施形態において、糖硫酸ペプチドを、ペプチドがテトラア
セチル化GalNAcの派生物ではなく、テトラアセチル化GlcNAcのf−
mocまたはt−boc派生物を用いて最初に合成されうることを除いて、実施
例3での糖硫酸ペプチドと同様の様式で構築してよい。本実施形態では、O−型
糖鎖を、ナトリウムメトキシドのような有機溶媒中の弱塩基によってペプチドを
脱アセチル化し、つづいてペプチドに結合しているO−型糖鎖を作製するために
GlcNAcへGal、NeuAcおよびFucを加える実施例1の工程4〜6
を行うことで構築する。本実施形態において、O−型糖鎖は、ペプチドのO−結
合可能アミノ残残基へ直接O−結合したシアリルルイスX基である。
【0037】 実施例5 他の実施形態において、硫酸を特定のチロシン残基に加えることができる。図
1Aおよび1Bに示し、実施例1で記述した工程を最初と最後の工程を除いて繰
り返す。本実施形態において、ペプチドを最初に、1つ以上のリン酸化チロシン
残基(Tyr−PO3 -)を、たとえば46、48または51位置で用いて合成す
る。ペプチドを少なくとも1つの非リン酸化チロシン基、たとえば46、48ま
たは51位置を用いて合成する。したがってこのペプチドは少なくとも1つのリ
ン酸化チロシン残基と少なくとも1つの非リン酸化チロシン残基を持つ。
【0038】 このペプチドを実施例1で記述した同様の工程を用いて処理し、これは占有さ
れていないチロシン残基へ硫酸基(SO3 -)を加えるためにチロシンタンパク質
硫酸化酵素にて糖リン酸ペプチドを処理することを含む。得られた糖硫酸リン酸
ペプチドをついで本技術分野でよく公知の様式でアルキンホスファターゼで処理
した。この処理によりチロシンからリン酸基が取り除かれ、したがってチロシン
上の硫酸が残り最終産生物、糖硫酸ペプチドが提供される。
【0039】 実施例6 本発明の合成糖硫酸ペプチドがP−セレクチンと相互作用するかどうかを調べ
るために、異なる結合濃度での組換え体可溶性P−セレクチン(sPS)を含む
アフィニティークロマトグラフィーの組を調製した。異なるカラム濃度はP−セ
レクチンに対する合成糖硫酸ペプチドの相対的親和性を見積もることを可能にす
る。図1での糖硫酸ペプチド−6(GSP−6)と同様の構造を持っている放射
標識化糖硫酸ペプチドを、Ca2+含有緩衝液中の固定化sPSへ載せた(図5)
。GSP−6の溶出は1.3および1.6mg/ml sPSを含むカラム上で
リタードされた(retarded)。GSP−6は2.0mg/mlsPSを含むカラム
に結合し、EDTAで溶出しうる。チロシン上の硫酸を欠く他の糖ペプチドまた
はsLeX決定基を欠く糖硫酸ペプチドはsPSに対する検出可能な親和性を持
たない。この結果は、結合に対する硫酸化チロシンとsLeXの二重の重要性を
示している。フコース残基を欠く糖硫酸ペプチドもまた固定化sPSに検出可能
には結合しなかった。これらの結果は、sLeX基のシアル酸とフコース両方が
GSP−6の固定化sPSへの高親和性結合に必要であることを示している。
【0040】 GSP−6の可溶性sPSへの解離定数(Kd)を平衡ゲル濾過技術を用いて
決定した。異なる量の流体相sPS(25〜1000pmol)を、Ca2+含有
緩衝液中の35SO3−糖硫酸ペプチド−6で平衡化した小さなゲル濾過化カラム
に載せた。結合データをプロットし、平衡結合定数を導き、約350nMのKd
を見積もった。GSP−6のsPSへの結合をEDTAおよびP−セレクチンの
レクチン領域に結合する阻害剤坑P−セレクチンmAb G1で阻害した。結合
は、P−セレクチンの共通配列繰り返しの1つに結合する坑−P−セレクチンm
Ab s12では阻害されない。これらの結果は、GSP−6がCa2+依存様式
でsPSに比較的高い親和性で結合することを示している。
【0041】 GSP−6の、好中球のP−セレクチンへの接着を阻害する能力を、sPSを
コートしたマイクロタイタープレートで試験した(図5)。接着の特異性をまず
確認した。接着はEDTAおよび坑−P−セレクチンmAb G1によって阻害
されるが、坑−P−セレクチンモノクローナル抗体S12では阻害されなかった
。接着はまた、PSGL−1のP−セレクチンへの結合を阻害するPSGL−1
のN−末端エピトープに対するmAbであるPL1によっても阻害された。一方
、PSGL−1のムチンデカペプチド繰り返し内のエピトープを認識するPL2
は接着を阻害しなかった。これらの結果は、本アッセイの接着がPSGL−1の
sPSへの結合を必要とすることを示している。低濃度の流体相sPS(5.6
7μM)は好中球接着を阻害する。同様の濃度のGSP−6(4.7μM)もま
た有意に好中球の固定化sPSへの接着を阻害する。明らかに逆に、精製sLe
X含有テトラサッカライド(NeuAcα2−3Galβ1−4[Fucα1−
3]GlcNAc)はとても高濃度(5.3mM)においてさえも好中球接着を
最小限にしか阻害しない。まとめると、これらの結果は、GSP−6はP−セレ
クチンに特異的に結合し、P−セレクチンへのPSGL−1依存好中球接着を強
く阻害することを示している。
【0042】 実施例7 本明細書で意図した糖硫酸ペプチドのO−型糖鎖を含みうるさまざまなオリゴ
サッカライドR基の例を図6A、6Bおよび6Cに示す。たとえば、図6Aで示
したR1は実施例1で記述した工程を用いて合成してよい。
【0043】 R2はNeuAc基がCMPNeuAcの存在下でα2,3−STを介してα
2,3結合で、GalNAcへ結合しているGalへ加えられる以外R1と類似
である。
【0044】 R3はGalがβ1,3−GalTを介してβ1,3結合でGlcNAcへ結
合しており、Fucがα1,4−FTを介してα1,4結合でGlcNAcへ結
合している以外R1と類似である。
【0045】 R4は、NeuAc基がCMPNeuAcの存在下でα2,3−STを介して
α2,3結合で、GalNAcへ結合しているGalへ加えられる以外R3と類
似である。
【0046】 R5、R6、R7およびR8は、硫酸基がGlcNAcへ結合している以外それぞ
れR1、R2、R3、およびR4と類似である。
【0047】 R9およびR11は、GalNAcに対するβ1,3結合でのGalを欠いてい
る以外、それぞれR1およびR7と類似である。
【0048】 R10はR9と類似であるが、硫酸基がGlcNAcに結合している。
【0049】 R12はR2と類似であるが、末端Gal基へのβ1,3結合でのシアリルルイ
X基を持つ。
【0050】 R13はR12と類似であるが、GalNAcに結合するGalへのα2,3結合
でNeuAcを持つ。
【0051】 R14はR12と類似であるが、末端NeuAcが末端Gal基へのβ1,3結合
でのシアリルルイスX基で置換されている。
【0052】 R15はR14と類似であるが、GalNAcに結合しているGalへのα2,3
結合でNeuAcを持つ。
【0053】 基R1〜R15は本明細書で意図した糖硫酸ペプチドを含みうるO−型糖鎖の例
である。当業者によって、これらのR基が本発明の糖硫酸ペプチドを合成するの
に使用可能である多くのO−型糖鎖の単なる見本であることが理解されるであろ
う。
【0054】 実施例8 上述したように、その最も基本的な形態での本発明は、ジペプチドの最初のア
ミノ酸へ結合している硫酸基および第二アミノ酸に結合している糖を含んでいる
ジアペプチドを意図し、そこで糖はシアリルルイスX基であるか、またはその一
部分としてシアリルルイスX基を含む。好ましくは、多糖はペプチドへO−型結
合しているO−型糖鎖である。硫酸が結合している最初のアミノ酸はチロシン(
Tyr)である。O−型糖鎖が結合している第二アミノ酸は、好ましくはスレオ
ニン(Thr)またはセリン(Ser)残基であり、しかしO−型糖鎖がO−結
合で結合できる任意の他のアミノ酸残基であってよい(たとえばチロシン、ヒド
ロキシプロリンまたはヒドロキシリシン)。
【0055】 本発明はさらに糖鎖がアスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタ
ミン、アルギニン、リシン、システインなどのアミノ酸を介してペプチドにN−
型結合で結合してよいことを意図する。本発明は、ペプチドが糖を含むように共
有的に派生されてよいことを意図する。本明細書で定義したそのようなジペプチ
ドの例を、式中XAがスレオニン、セリンまたは糖が結合してよい他の残基を表
し、Rが実施例7にて定義した(そして図6A〜6Cで示した)R基R1〜R15
を表す式AおよびBとして図7に示す。ペプチドが本発明にしたがった機能持つ
、すなわちP−セレクチンへ高い親和性で結合することが可能である場合、Rは
もちろん図6A〜6Cで示さなかった他のO−型糖鎖であってよい。
【0056】 本発明はさらに図8で式AおよびBとして表されたようなペプチドを意図する
。図8での糖硫酸ペプチドは[XBkで表現した1つ以上のアミノ酸残基を、硫
酸結合残基(チロシン)およびO−型糖鎖結合残基XA(すなわち、Ser、T
hrまたは他のO−結合可能残基、天然または派生物)の間においてよいことを
除いて図7で示した糖硫酸ペプチドと同一である。XBは任意のアミノ酸を表し
、kは配列中のアミノ酸残基XBの数を表し、好ましい実施形態で0〜12であ
り得る。k=0の場合、ペプチドは図7に示したものである。k=2以上の場合
、XBを含む2または2以上の残基が同じアミノ酸であるか違うアミノ酸であっ
てよい。
【0057】 本発明の特に好ましい実施形態を以下に化合物Iとして示し、式中糖硫酸ペプ
チドはこのペプチドのN−末端に硫酸チロシン残基、C−末端にO−型糖鎖化結
合残基(ThrまたはSerなど)をもつ硫酸チロシン残基をもつヘプタペプチ
ドを含む。GSPは以下に示すようなX1、X2,X3、X4およびX5として表し
た5つの中間アミノ酸を含む。1つの実施形態において、X1はアスパラギン酸
、X2はフェニルアラニン、X3はロイシン、X4はプロリン、X5はグルタミン酸
である。好ましくは、ヘプタペプチドには、天然に存在するか組換え体として発
現した型のPSGL−1の断片、すなわちPSGL−1の分解から得ることがで
きない断片からそれを区別する成分(アミノ酸またはグリコシル成分)が含まれ
る。
【0058】 たとえば、GSPは1つ以上のX1〜X5が存在しない7つより少ないアミノ酸
残基が含まれてよい。あるいは、任意の1つ以上のX1〜X5が異なるアミノ酸で
置換され、好ましくは1つは置換されているアミノ酸と同様の機能特性を持って
いてよい。あるいは、X1〜X5は同じアミノ酸の繰り返し、たとえば5つのグリ
シン残基を含んでよい。とりわけ好ましい場合においてはペプチドはチロシンと
糖鎖が結合するO−結合残基の間の部分で1つのプロリン残基を含む。
【0059】
【化2】
【0060】 実施例9 図9で式AおよびBとして表した糖硫酸ペプチドは、それぞれのペプチドがそ
れぞれjまたはn追加アミノ残残基[XC]および/または[XD]によってN−
末端および/またはC−末端方向で(それぞれ図9A、B)伸張してよいことを
除いて図8での糖硫酸ペプチドと本質的に同様であり、式中jおよびnは本発明
の好ましい場合において0〜12であってよく、[XC]および[XD]は任意の
アミノ酸を表すである。たとえばXCまたはXDはそれぞれ同一であるか、または
異なるアミノ酸を含んでよい1つ以上のアミノ酸を含んでよい。
【0061】 さらに、本明細書で糖硫酸ペプチドは図10Aおよび10Bで示したような1
つ以上の硫酸チロシン残基を含んでよいことを意図する。図10A〜Bは、1つ
、2つまたは3つの硫酸チロシン残基を持っている多くの好ましい糖硫酸ペプチ
ドA−Nを示す。たとえば糖硫酸ペプチドAおよびHは、それぞれそこに結合し
ている硫酸基を持っている3つのチロシン残基を含む。糖硫酸ペプチドB、C、
D、I、JおよびKはそれぞれ2つの硫酸チロシン残基を持っている。糖硫酸ペ
プチドE、F、G、L、MおよびNはそれぞれ1つの硫酸化チロシン基を持って
いる。図10Aおよび10Bに表した糖硫酸ペプチドは、当業者によって評価さ
れるであろうように本明細書で意図した化合物のただ1つのサブセットであり、
より多いかより少ないアミノ酸残基を持っていてよい。
【0062】 好ましくは、糖硫酸ペプチドは、GalNAcへのβ1,6結合を含んでいる
O−型糖鎖を含む。本発明のとりわけ好まし実施形態において、糖硫酸ペプチド
のO−型糖鎖はコア−2基礎である。
【0063】 実施例10 特定の型のGalNAcへの結合が固定化sPSへのGSP−6の結合に重要
であるかどうかを調べるために、構造がGSP−6に対して異性体である新規糖
硫酸ペプチドを合成した。コア−1 GSP−6と称する(図11)この糖硫酸
ペプチドは、コア−2基礎(β1,6結合)O−型糖鎖上よりも伸張したコア−
1基礎O−型糖鎖上にsLeXをもつ(C1−O−sLeX)。コア−1−GSP
−6の合成での鍵となる工程は、Neisseria meningitidis IgtAからの組換え体
β1,3−GlcNAcT(Blixtら、Glycobiology, In Press, 1999)によるコ
ア−1 O−型糖鎖中のGal残基へのβ1−3結合でのGlcNAcの添加で
ある。この糖ペプチドを続いてβ1,4−GalT、α2,3−シアリルTおよ
びα1,3−FucTの活性によって修飾し、伸張したコア−1 O−型糖鎖上
にsLeXを持つ糖ペプチドを合成した。この化合物をTPST−1の活性によ
ってコア−1 GSP−6へ変換した。質量スペクトル解析により最終産生物の
予測される大きさを確認した。
【0064】 予想外に、コア−1 GSP−6は固定化sPSに結合しなかった。伸張した
コア−1 O−型糖鎖上のsLeXの存在を確認するために、ELISAをsLe
X決定基を認識するモノクローナル抗体、2H5(Sawadaら、Biochem. Biophys.
Res. Commun., 193:337-347, 1993)を用いて行った。2H5は固定化GP−6お
よびコア−1 GP−6に結合するが、sLeXを欠いている対照糖ペプチドGP
−2には結合しなかった(データは示していない)。このことはコア−1 GP
−6上のsLeX決定基の発現を確証している。これらの結果は、好ましくは固
定化sPSへの糖硫酸ペプチド−6の結合に関して、sLeX糖鎖がβ1,6結
合していることを示している。
【0065】 有用性 本発明は炎症疾患に悩んでいる患者の処置のための方法を提供し、そのような
疾患状態はその必要性において患者へ本発明の化合物の効果量を投与することで
処置してよい。本発明はさらに、効果量の本発明の化合物で患者を処理すること
によって、炎症応答を促進するために患者を処置する方法を提供する。
【0066】 治療的に効果量の本発明の化合物は、炎症応答を制御し、減少させまたは促進
するのに効果的である量を言う。用語「制御する」は、疾患の進行を遅くさせ、
遮り、阻止し、または停止させるようなすべての工程を意味することを意図し、
しかし必ずしもすべての疾患症状の全除去を示さない。
【0067】 用語「治療的に効果量」はさらに、結果として炎症応答の任意のパラメータま
たは臨床症状特性の改善となるような量を定義することを意味する。実際の投与
量はさまざまな特定の分子に対して異なり、患者のすべての状態、症状の深刻さ
および反対刺激で変化するであろう。
【0068】 本明細書で使用したように、用語「対象」または「患者」は、特定の炎症疾患
状態に悩んでいる哺乳動物のような温血動物を意味する。ギニーブタ、イヌ、ネ
コ、ラット、マウス、ウマ、ウシ、ヒツジおよびヒトがこの用語の意味の範囲内
の動物の例であることが理解される。
【0069】 本明細書で記述した処置で使用した治療的に効果量の化合物は、従来の技術の
使用によっておよび類似状況下で得られた観察結果によって、当業者のような担
当診断医によって容易に決定されうる。治療的に効果的な量を決定することにお
いて、多くの因子が担当診断医によって熟考され、哺乳動物の種、その大きさ、
年齢および一般的な健康、含まれる特定の疾患、含有または疾患のひどさの程度
、個々の患者の応答、投与した特定の化合物、投与形態、投与した調製品のバイ
オアベイラビリティー特性、選択した投与管理、付随薬物の使用および他の関連
する状況が含まれるが、限定はしない。
【0070】 治療的に効果量の本発明の組成物は一般的に、約0.1μg/kgから約50
mg/kg(活性成分の重量/患者の体重)を伝送するのに十分な活性成分を含
む。好ましくは、組成物が少なくとも0.5から10mg/kg伝送され、より
好ましくは少なくとも1μg/kgから1mg/kgである。
【0071】 本発明の方法の実施には治療的に効果量の活性成分を、任意の適切な全身また
は局所処方で、以上に列記した投与量を伝送するのに効果的な量で患者に投与す
ることが含まれる。活性化された好中球を本質的に阻害するための効果的な、と
りわけ好ましい糖硫酸ペプチド(たとえばGSP−6)の投与量は、1μg/k
gから1mg/kgである。投与量は1回主薬で投与でき、または(たとえば)
1日あたり1から5回投与できる。
【0072】 投与の好ましい量および形態は当業者によって決定されうる。処方を調製する
技術分野の当業者は、処置すべき疾患状態を選択した化合物、疾患の段階、およ
び例えばRemigton's Pharmaceutical Science, lastest, edition, Mack Publis
hing Co.に記述された本技術分野で公知の処方技術を用いた他の関連状況に依存
して投与の適切な形および形態を容易に選択できる。
【0073】 薬理学的組成物は本技術分野で公知の技術を用いて製造されうる。一般的に治
療的効果量の化合物は薬理学的に許容可能な担体と混ぜられる。
【0074】 本発明の化合物または組成物はさまざまな経路、たとえば経口または非経口(
すなわち皮下、静脈内、筋肉内、腹膜内または気管内)によって投与してよい。
【0075】 経口投与に対して、化合物を、カプセル、丸剤、錠剤、トローチ剤、溶解剤、
粉末、懸濁液またはエマルションのような固体または液体調製品内に処方する。
固体ユニット投与形態はたとえば界面活性剤、潤滑剤およびラクトース、スクロ
ースおよびコーンデンプンのような内部充填剤を含む通常のゼラチン型のカプセ
ルであってよく、これらは放出調製品を支持しうる。
【0076】 他の実施形態において、本発明の化合物は、アカシアゴム、コーンデンプンま
たはゼラチンのような結合材、ジャガイモデンプンまたはアルギニン酸のような
分離剤、ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤との組合
せで、ラクトース、スクローズおよびコーンデンプンのような従来の錠剤主薬で
錠剤化しうる。液体調製品は活性成分を、本技術分野で公知の懸濁剤、甘味剤、
芳香剤、および保存剤を含んでもよい水様または非水様性薬理学的に許容可能な
溶媒に溶解することで調製する。
【0077】 非経口投与に関して、化合物を薬理学的に許容可能な薬理学的担体内に溶解し
てよく、溶液としてまたは懸濁液としていずれかで投与してよい。好ましい薬理
学的担体の実例は水、生理食塩水、デキストロース溶液、フルクトース溶液、エ
タノールまたは動物、植物または合成起源の油である。薬理学的担体はまた保存
剤および本技術分野で公知のような緩衝液も含んでよい。
【0078】 本発明の化合物はまた局所的に投与することもできる。このことは、好ましく
は他の賦形剤と一緒またはなしで、エタノールまたはジメチルスルフォキシド(
DMSO)のような経皮吸収を促進することが知られている溶媒を用いた、投与
すべき化合物の溶液の簡単な準備によって行ってよい。好ましくは局所投与は貯
蔵および多孔性膜型の、または固体マトリックス種類のどちらかのパッチを用い
て行いうる。
【0079】 上述するように、化合物はまた適切な担体をも含む。局所使用に対して、任意
の従来の賦形剤が、ローション、軟膏、粉末、クリームまたはエアゾル内に活性
成分を処方するために加えてよい。外科的移植に対して、活性成分は、ポリ乳酸
およびコラーゲン処方のような任意のよく公知の生物分解性および生物腐食性担
体と混合してよい。そのような物質は固体埋没物、縫合糸、スポンジ、傷包帯な
どの形状でよい。とにかく、物質の局所使用に関して、活性成分は、約1:10
00から1:20,000の重量比で通常担体または賦形剤中に存在し、しかし
この範囲内の比には限定されない。局所投与のための組成物の調製は、Remingto
n's Pharmaceutical Science, lastest edition, (Mack Publishing)に詳述され
ている。
【0080】 さらなる薬理学的方法を活性の持続時間を制御するように使用してよい。制御
放出調製品はポリマーの使用を通して、本明細書で記述した糖硫酸ペプチドを複
合化または吸収するために成し遂げられてよい。制御された伝送は、放出を制御
するために、適切な高分子(たとえば、ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリビニ
ル、ピロリドン、エチレンビニルアセテート、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースまたはプロタミン、硫酸)および適切な高分子濃度、および組み
込みの方法を選択することで成し遂げられてよい。
【0081】 制御放出調製品による活性持続時間の制御に有用な他の可能性のある方法は、
糖硫酸ペプチド分子またはその機能的派生物の、ポリエステル、ポリアミノ酸、
ハイドロゲル、ポリ(乳酸)のような重合化物質またはエチレンビニルアセテー
トコポリマーの粒子内への組み込みである。
【0082】 あるいは、GSPの重合化粒子内への組み込みの代わりに、これらの物質を、
コロイド薬物伝送系(たとえば、リポソーム、アルブミンミクロカプセル、ミク
ロエマルション、ナノ粒子およびナノカプセル)で、またはマクロエマルション
で、たとえばコアセルベーション技術によって、または界面重合化によって(た
とえば、それぞれヒドロオキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロカプ
セルおよびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセル)によって調製し
たミクロカプセル内に閉じこめることが可能である。このような技術はRemingto
n's Pharmaceutical Scienceの最新板で開示されている。
【0083】 薬学 米国特許第4,789,734号はリポソーム内に生物学的物質を包む方法を
記述している。本質的に、物質を水様溶液に溶解させ、適切なリン脂質および脂
質を必要なら界面活性剤と共に加え、必要なように、物質を透析または音波処理
する。公知の方法の良い概論が、G. Gregoriadis,14章、「リポソーム(Lipos
omes)」,Drug Carriers in Biology and Medicine, pp. 287-341(Academic Pre
ss, 1979)によってされている。ポリマーまたはタンパク質から形成するミクロ
スフェアが当業者によく公知であり、消化管を通して直接血流への通過をするよ
うにできる。あるいは、薬剤を組み込み、ミクロスフェアまたはミクロスフェア
の混合物を、日から月の範囲の期間を超えてゆっくり放出するように埋め込むこ
とができる。たとえば、米国特許第4,906,474号、第4,925,67
3号、第3,625,214号を参照のこと。
【0084】 組成物が注射可能物質として使用すべき場合、従来の注射可能な担体内に処方
できる。好ましい担体には、生体適合性および薬理学的に許容可能なリン酸緩衝
生理食塩水が含まれ、これは好ましくは等張である。
【0085】 用語「炎症」は特異的および非特異的防御系両方の反応を含むことを意味する
。特異的防御系反応は、抗原に対する特異的免疫系反応応答である。特異的防御
系反応の例には風疹ウイルスのような抗原に対する抗体反応および(たとえばマ
ントー(Mantaux)試験での「陽性(positive)」と判断された
個人で見られるような)T細胞によって仲介される遅延型過敏症応答が含まれる
【0086】 非特異的防御応答は、免疫学的記憶がない白血球によって仲介される炎症反応
である。そのような細胞には顆粒球、マクロファージ、好中球などが含まれる。
非特異的防御反応の例には、蜂に刺された部位での即効性膨張、やけどの部位誘
導される赤化および細胞浸潤および細菌感染部位でのPMN好中球の集積(たと
えば細菌性肺炎での肺浸潤、膿瘍での膿形成)が含まれる。
【0087】 本発明はとりわけ急性炎症の場合に好適であるけれども、慢性炎症に対しても
使用される。本発明で処置しうる炎症の型には拡散炎症、外傷性炎症、免疫抑制
、毒性炎症、特異的炎症、反応性炎症、実質炎症、閉塞性炎症、腸管炎症、クル
ープ性炎症および焦点炎症が含まれる。
【0088】 本発明がリウマチ様関節炎、急性および慢性炎症、貧血後(再灌流)白血球仲
介組織障害、急性白血球仲介肺損傷(たとえば成人呼吸促進症候群)および急性
炎症の他の組織または器官特異的型(たとえば糸球体腎炎)のような炎症疾患工
程の診断、モニタリングおよび治療に容易に適応するであろうことが評価される
であろう。
【0089】 本発明にしたがった凍結乾燥産生物の還元に対して、滅菌希釈液を使用してよ
く、これには一般的に生理学的条件に近づけるためにおよび/または政府の規制
によって要求されたように許容された物質を含んでよい。この観点において、滅
菌希釈液は生理学的に許容可能なpHを得るための緩衝剤、たとえば塩化ナトリ
ウム、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、および/または生理学的に許容可能
および/または使用に対して安全な他の基質を含んでよい。一般的に、ヒトでの
静脈内注射のための物質は、米国食品医薬品局保健によって設定された制限に適
応しなければならず、当業者に対して利用可能である。
【0090】 薬理学的組成物はまた、多くの凍結乾燥産生物の還元について上で記述された
のと同様の基質を含む水溶液の形状でもあってよい。
【0091】 物質はまた薬理学的に許容可能な酸−または塩基−添加塩として投与すること
もでき、塩化水素酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸および
リン酸のような無機塩、およびギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸
、ピルビン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸のような有機酸
との反応によって、または水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリ
ウムのような無機塩基およびモノ−、ジ−およびトリアルキルおよびアリールア
ミンおよび置換エタノールアミンのような有機塩基との反応によって形成される
【0092】 以上で言及したように、本発明の産生物は、治療的目的で使用してよい薬理学
的調製品内へ組み込んでよい。しかしながら、用語「薬理学的調製品(pharmaceu
tical preparation)」は、本明細書の広い意味において、本発明による糖硫酸ペ
プチド組成物を含んでいる調製品を含むことを意図し、治療的目的に対してだけ
ではなく、本技術分野で公知のような試薬または診断目的に対して、または組織
培養に対しても使用することを意味する。治療的使用に対して意図した薬理学的
調製品は「薬理学的に許容可能(pharmaceutical acceptable)」なまたは「治療
的に効果量(therapeutically effective amount)」のGSP、すなわち保護また
は治療の健康測定のために必要な量を含むべきである。薬理学的調製品が薬剤ま
たは診断的に利用される場合、薬剤または診断量のGSPを含むべきである。
【0093】 他の有用性 本発明はさらにオリゴサッカライドの産出の方法を含む。本方法において、糖
ペプチドは本明細書ですでに記述したように合成する。糖ペプチドを、糖が結合
しているペプチド上の糖とアミノ酸残基間の結合の開裂を引き起こすβ−脱離に
かけ、したがって遊離オリゴサッカライドまたは糖を産出する。たとえば1つの
場合、β−脱離反応には糖ペプチドを50mM NaOHおよび1M ホウ化水素
ナトリウムで50℃にて16時間処理することが含まれる。これらのオリゴサッ
カライドはたとえば他の解析の標準物として使用しうる。
【0094】 本明細書で産出した糖硫酸ペプチドの他の有用性は、コア−2シアリルルイス
X基に反応するモノクローナル抗体とコア−1シアリルルイスX基と反応するもの
との間の区別を可能にするためのELISA技術での特異的GSPの使用である
【0095】 したがって、同定された、モノクローナル抗体を糖タンパク質のエピトープを
特性化するために、たとえばコア−2 SLeX基を持つ糖タンパク質と、コア−
1 sLeXを持つものとを定義するために使用できる。
【0096】 本明細書で合成したGSPの他の有用性は、GSPが特異的な糖転移酵素に対
する優れたアクセプターであることである。このことは、特異的な糖転移酵素ま
たは硫酸転移酵素が存在するかについて組織をアッセイすることを可能にする。
【0097】 本明細書で合成したGSPの他の有用性は、グリコシルまたは硫酸基の放出を
引き起こす特異的なグリコシダーゼについて組織をアッセイすることである。H
PLCを特異的GSPがアッセイ中で変化するかどうかを決定するために、した
がって組織試料中にグリコシダーゼが存在するかしないかを指し示すために使用
する。
【0098】 本発明はさらに、セレクチン上の細胞結合部位へ結合するのに十分な量で、本
明細書での記述した糖硫酸ペプチド化合物へセレクチンをさらすことを含む、セ
レクチンへの細胞の結合の阻害の方法を含む。
【0099】 本明細書で列記したすべてのアッセイ方法は、よく本明細書で提供された技術
を与える分野の当業者の能力の範囲内である。
【0100】 本明細書で引用されたすべての参考文献はそのすべてが参考文献としてここに
組み込まれる。
【0101】 そのような実施形態は、本発明の1つの観点の単独の例示として意図しており
、任意の機能的に同等の実施形態は本発明の意図の範囲内であるので、本発明は
、本明細書で記述した特定の実施形態によって範囲が限定されるものではない。
さらに、本明細書で示し、記述したようなものに加えて本発明のさまざまな修飾
が先の記述および付随する図面より当業者に対して明らかになるであろう。その
ような修飾は付属する請求項の意図の範囲内に落ち着くことを意図している。
【0102】 処方においておよび本明細書で記述したさまざまな組成物の使用または本明細
書で記述した方法の工程または連続した工程において、以下の請求項で定義され
たような本発明の意図から逸脱することなしに変更が行われてよい。
【0103】 (略語一覧) UDPGalNAc=ウリジンジホスホ N−アセチルガラクトサミン α−GalNAcT=UDPGalNAc:Ser/Thr αN−アセチル−
ガラクトサミニルトランスフェラーゼ UDPGal=ウリジンジホスホ ガラクトース β1,3−GalT=UDPGal:GalNAcα1−Ser/Thr β1
,3−ガラクトシルトランスフェラーゼ UDPGlcNAc=ウリジンホスホ N−アセチルガラクトサミン β1,6−GlcNAcT=UDPGlcNAc:Galβ1−3GalNAc
α1−Ser/Thr(GlcNAcへのGalNAc)β1,6−N−アセチ
ルグルコサミニルトランスフェラーゼ β1,4−GalT=UDPGal:GlcNAc β1,4−ガラクトシルト
ランスフェラーゼ CMPNeuAc=シトシンモノホスホ N−アセチルノイラミン酸 α2,3−ST=CMPNeuAc:Galβ1−4GlcNAc(Galへの
NeuAc)α2,3−シアリルトランスフェラーゼ GDPFuc=グアノシンジホスホ フコース α1,3−FT=GDPFuc:(+/−NeuAcα1−3)Galβ1−4
GlcNAc(GlcNAcへのFuc)α1,3−フコシルトランスフェラー
ゼ PAP硫酸=ホスホアデノシンホスホ硫酸 TPST=チロシルタンパク質硫酸トランスフェラーゼ
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】
【図1B】 図1Aおよび1Bは本発明による糖硫酸ペプチドの合成の方法を記述した概略
図である。 図1Aおよび1Bにおいて、糖硫酸ペプチドAcGP−1は配列番号:6によ
って表し、GP−1は配列番号:7で、GP−2は配列番号:8で、GP−3は
配列番号:9で、GP−4は配列番号:10で、GP−5は配列番号:11で、
GP−6は配列番号:12で、GSP−6は配列番号:13で表す。
【図2A】
【図2B】 図2Aおよび2Bは、本発明による糖硫酸ペプチドの合成の代替方法を記述し
た概略図である。 図2Aおよび2Bにおいて、硫酸ペプチドP−1は配列番号:14によって表
し、GP−1は配列番号:7で、GP−2は配列番号:8で、GP−3は配列番
号:9で、GP−4は配列番号:10で、GP−5は配列番号:11で、GP−
6は配列番号:12で、GSP−6は配列番号:13で表す。
【図3A】
【図3B】 図3Aおよび3Bは本発明による糖硫酸ペプチドの合成の他の代替方法を記述
した概略図である。 図3Aおよび3Bにおいて、糖硫酸ペプチドAcGSP−1は配列番号:15
によって表し、GSP−1は配列番号:16で、GSP−2は配列番号:17で
、GSP−3は配列番号:18で、GSP−4は配列番号:19で、GSP−5
は配列番号:20で、GP−6は配列番号:12で、GSP−6は配列番号:1
3で表す。
【図4】 図4は本発明による糖硫酸ペプチドの合成の他の代替方法を記述した概略図で
ある。 図4において、糖硫酸ペプチドAcGSP−2−1は配列番号:21によって
表し、GSP−2−1は配列番号:22で、GSP−2−2は配列番号:23で
、GSP−2−3は配列番号:24で、GSP−2−4は配列番号:25で表す
【図5】 図5は好中球の固定した可溶性P−セレクチンへの接着におけるさまざまな化
合物の効果を示しているグラフである。
【図6A】
【図6B】
【図6C】 図6A、6Bおよび6Cは、本発明によって意図された糖硫酸ペプチドのO−
型糖結合部位を含むであろうものの中の多くのR基の化学的構造を示す。
【図7】 図7は本発明で意図された糖硫酸ペプチドの式を表し、式中R基は図6でのも
のを表す。
【図8】 図8は本発明によって意図された糖硫酸ペプチドの他の実施形態の式を示し、
式中R基は図6A−6Cで表したものである。
【図9】 図9は本発明によって意図された糖硫酸ペプチドのさらに他の実施形態の式を
示し、式中R基は図6A−6Cで表したものである。
【図10A】
【図10B】 図10Aおよび10Bは本明細書で意図された多くの糖硫酸ペプチドに対する
特定のアミノ酸配列を示し、この糖硫酸ペプチドは1つから3つの硫酸を含んで
よく、R基は図6A〜6Cで定義したようなR1〜R15である。 図10Aおよび10Bにおいて、糖硫酸ペプチドAは配列番号:26によって
表し、Bは配列番号:27によって、Cは配列番号:28によって、Dは配列番
号:29によって、Eは配列番号:30によって、Fは配列番号:31によって
、Gは配列番号:32によって、Hは配列番号:33によって、Iは配列番号:
34によって、Jは配列番号:35によって、Kは配列番号:36によって、L
は配列番号:37によって、Mは配列番号:38によって、Nは配列番号:39
によって表す。
【図11】 図11はコア−1 O−結合型糖鎖を含む糖硫酸ペプチドの式を示す。コア−
1−糖硫酸ペプチド−6は配列番号:40によって表す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月14日(2000.1.14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】 実施例6 本発明の合成糖硫酸ペプチドがP−セレクチンと相互作用するかどうかを調べ
るために、異なる結合濃度での組換え体可溶性P−セレクチン(sPS)を含む
アフィニティークロマトグラフィーの組を調製した。異なるカラム濃度はP−セ
レクチンに対する合成糖硫酸ペプチドの相対的親和性を見積もることを可能にす
る。図1での糖硫酸ペプチド−6(GSP−6)と同様の構造を持っている放射
標識化糖硫酸ペプチドを、Ca2+含有緩衝液中の固定化sPSへ載せた。GSP
−6の溶出は1.3および1.6mg/ml sPSを含むカラム上でリタード
された(retarded)。GSP−6は2.0mg/mlsPSを含むカラムに結合し
、EDTAで溶出しうる。チロシン上の硫酸を欠く他の糖ペプチドまたはsLe X 決定基を欠く糖硫酸ペプチドはsPSに対する検出可能な親和性を持たない。
この結果は、結合に対する硫酸化チロシンとsLeXの二重の重要性を示してい
る。フコース残基を欠く糖硫酸ペプチドもまた固定化sPSに検出可能には結合
しなかった。これらの結果は、sLeX基のシアル酸とフコース両方がGSP−
6の固定化sPSへの高親和性結合に必要であることを示している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】 有用性 本発明は炎症疾患に悩んでいる患者の処置のための方法を提供し、そのような
疾患状態はその必要性において患者へ本発明の化合物の効果量を投与することで
処置してよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】 治療的に効果量の本発明の化合物は、炎症応答を制御しまたは減少させるのに
効果的である量を言う。用語「制御する」は、疾患の進行を遅くさせ、遮り、阻
止し、または停止させるようなすべての工程を意味することを意図し、しかし必
ずしもすべての疾患症状の全除去を示さない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 マクエヴァー,ロジャー,ピー. アメリカ合衆国,73120 オクラホマ州, オクラホマ シティー,ガイルフォード レイン 1716 Fターム(参考) 4H045 AA10 BA17 BA53 EA22 FA30 FA70 FA74 GA22 GA26

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 (式中: Tyrはチロシン残基であり; SO3 -はチロシン残基に結合した硫酸基であり; XAはN−またはO−結合アミノ酸残基であり; RはXAにO−またはN−結合しているシアル酸付加、フコース付加したN−ア
    セチルラクトースアミノグリカンであり; XB、XCおよびXDはアミノ酸残基であり;ならびに j、kおよびnはおのおの0から12であり、ここで各々のアミノ酸配列[XB
    j、[XCkまたは[XDnは0から12個のアミノ酸を有し、ただしこの化
    合物はアミノ酸38個以下である化合物、 を有する化合物。
  2. 【請求項2】 XCが1または2個の硫酸チロシン残基を有してなる請求項
    1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 j=0から10、k=0から5およびn=0から10である
    請求項1に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 RをR1からR15からなる群から選択する請求項1に記載の
    化合物。
  5. 【請求項5】 j=0、k=0から5およびn=0である請求項1に記載の
    化合物。
  6. 【請求項6】 XBがプロリンを含んでなる請求項1に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 XCがチロシンを含んでなる請求項1に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 図10のAからNの1個を含んでなる請求項1に記載の化合
    物。
  9. 【請求項9】 少なくとも1個のさらにシアル酸付加、フコース付加したア
    ミノ酸残基に結合したO−グリカンを含んでなる請求項1に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 XAがO−結合アミノ酸である請求項1に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 O−結合アミノ酸残基がセリンまたはスレオニンである請
    求項10に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 XAがN−結合アミノ酸である請求項1に記載の化合物。
  13. 【請求項13】 RがGAlNAcに対するβ1,6結合を含んでなる請求
    項1に記載の化合物。
  14. 【請求項14】 Rがコア−2をベースとしている請求項1に記載の化合物
  15. 【請求項15】 (a)少なくとも1個のチロシン残基および側鎖が各々N
    −またはO−結合を介して結合できる少なくとも1個のN−またはO−結合アミ
    ノ酸残基を含んでなるペプチドを提供すること; (b)各々N−またはO−結合を介して結合できるN−またはO−結合アミノ
    酸残基にGalNAcを結合すること; (c)GalをGalNAcに酵素的に結合すること; (d)GlcNAcをGalNAcに酵素的に結合すること; (e)第2のGalをGlcNAcに酵素的に結合すること; (f)シアル酸を第2のGalに酵素的に結合すること; (g)FucをGlcNAcに酵素的に結合すること;および (h)硫酸塩をチロシン残基に酵素的に結合すること; を含む糖硫酸ペプチド化合物を製造する方法。
  16. 【請求項16】 側鎖が付くアミノ酸がO−結合アミノ酸である請求項15
    に記載の方法。
  17. 【請求項17】 O−結合アミノ酸がセリンまたはスレオニンである請求項
    16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 側鎖が付くアミノ酸がN−結合アミノ酸である請求項15
    に記載の方法。
  19. 【請求項19】 工程(b)でGalNAcが酵素的に結合する請求項15
    に記載の方法。
  20. 【請求項20】 アセチル化GalNAcがそこに化学的に結合することに
    よりGalNAcのO−結合アミノ酸残基への結合の工程が実施され、続いて脱
    アセチル化工程が実施される請求項15に記載の方法。
  21. 【請求項21】 工程(a)から(g)のいずれか一つの前または後に工程
    (h)が実施される請求項15に記載の方法。
  22. 【請求項22】 コア−1 β1,3−GalTを介してGalがGalN
    Acに結合する請求項15に記載の方法。
  23. 【請求項23】 シアル酸がノイラミン酸である請求項15に記載の方法。
  24. 【請求項24】 工程(d)でβ1,6結合を介してGlcNAcがGal
    NAcに結合する請求項15に記載の方法。
  25. 【請求項25】 (a)少なくとも1個の硫酸チロシン残基および少なくと
    も1個のN−またはO−結合アミノ酸残基を含んでなるペプチドを提供すること
    ; (b)各々N−またはO−結合を介してN−またはO−結合アミノ酸残基にG
    alNAcを結合すること; (c)GalをGalNAcに酵素的に結合すること; (d)GlcNAcをGalNAcに酵素的に結合すること; (e)GalをGlcNAcに酵素的に結合すること; (f)シアル酸をGalに酵素的に結合すること;および (g)FucをGlcNAcに酵素的に結合すること; を含む糖硫酸ペプチド化合物を製造する方法。
  26. 【請求項26】 工程(a)のN−またはO−結合アミノ酸がO−結合アミ
    ノ酸である請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 O−結合アミノ酸がセリンまたはスレオニンである請求項
    25に記載の方法。
  28. 【請求項28】 工程(a)のN−またはO−結合アミノ酸がN−結合アミ
    ノ酸である請求項25に記載の方法。
  29. 【請求項29】 GalNAcがアミノ酸残基に結合する工程(b)におい
    て、GalNAcが酵素的に結合する請求項25に記載の方法。
  30. 【請求項30】 工程(b)においてアセチル化GalNAcがそこに化学
    的に結合することによりGalNAcのアミノ酸残基への結合を実施し、ついで
    脱アセチル化工程を実施する請求項25に記載の方法。
  31. 【請求項31】 コア−β1,3−GalTを介してGalがGalNAc
    に結合する請求項25に記載の方法。
  32. 【請求項32】 シアル酸がノイラミン酸である請求項25に記載の方法。
  33. 【請求項33】 (a)少なくとも1個のチロシン残基、N−またはO−結
    合しているGlcNAcを有する少なくとも1個のN−またはO−結合アミノ酸
    残基を含んでなるペプチドを提供すること; (b)GalをGlcNAcに酵素的に結合すること; (c)シアル酸をGalに酵素的に結合すること; (d)FucをGlcNAcに酵素的に結合すること;および (e)硫酸塩をチロシン残基に酵素的に結合すること; を含む糖硫酸ペプチド化合物を製造する方法。
  34. 【請求項34】 アセチル化GlcNAcをそこに化学的に結合することに
    よりGlcNAcをスレオニンまたはセリンに結合し、ついでGlcNAcにG
    alを付ける前に脱アセチル化工程を実施する請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 工程(a)から(d)のいずれか一つの前または後に工程
    (e)を実施する請求項33に記載の方法。
  36. 【請求項36】 シアル酸がノイラミン酸である請求項33に記載の方法。
  37. 【請求項37】 (a)少なくとも1個の硫酸チロシン残基、およびO−結
    合しているGlcNAcを有する少なくとも1個のスレオニンまたはセリン残基
    を含んでなるペプチドを提供すること; (b)GalをGlcNAcに酵素的に結合すること; (c)シアル酸をGalに酵素的に結合すること;および (d)FucをGlcNAcに酵素的に結合すること; を含む糖硫酸ペプチド化合物を製造する方法。
  38. 【請求項38】 アセチル化GlcNAcをそこに化学的に結合することに
    よりGlcNAcをスレオニンまたはセリンに結合し、ついでGlcNAcにG
    alを付ける前に脱アセチル化の工程を実施する請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 シアル酸がノイラミン酸である請求項37に記載の方法。
  40. 【請求項40】 (a)ペプチドのN−またはO−結合アミノ酸残基に結合
    するGalNAcを有するペプチドを提供すること; (b)GalをGalNAcに酵素的に結合すること; (c)GlcNAcをGalNAcに酵素的に結合すること; (d)GalをGlcNAcに酵素的に結合すること; (e)シアル酸をGalに酵素的に結合すること; (f)FucをGlcNAcに酵素的に結合すること;および ペプチドからオリゴ糖を切断すること; により結合するオリゴ糖を有するペプチドを合成することを含むオリゴ糖を製造
    する方法。
  41. 【請求項41】 工程(a)のN−またはO−結合アミノ酸がO−結合アミ
    ノ酸である請求項40に記載の方法。
  42. 【請求項42】 O−結合アミノ酸がセリンまたはスレオニンである請求項
    41に記載の方法。
  43. 【請求項43】 工程(a)のN−またはO−結合アミノ酸がN−結合アミ
    ノ酸である請求項40に記載の方法。
  44. 【請求項44】 工程(b)においてコア−β1,3−GalTを介してG
    alVAcにGalが結合する請求項40に記載の方法。
  45. 【請求項45】 シアル酸がノイラミン酸である請求項40に記載の方法。
  46. 【請求項46】 (a)少なくとも1個のチロシン残基および側鎖が各々N
    −またはO−結合を介して結合できる少なくとも1個のN−またはO−結合アミ
    ノ酸残基を含んでなるペプチドを提供すること; (b)各々N−またはO−結合を介して結合できるN−またはO−結合アミノ
    酸残基にGalNAcを結合すること; (c)GalをGalNAcに結合すること; (d)GlcNAcをGalNAcに結合すること; (e)第2のGalをGlcNAcに結合すること; (f)シアル酸を第2のGalに結合すること; (g)FucをGlcNAcに結合すること;および (h)硫酸塩をチロシン残基に結合すること; を含む糖硫酸ペプチド化合物を製造する方法。
  47. 【請求項47】 (a)少なくとも1個の硫酸チロシン残基および少なくと
    も1個のN−またはO−結合アミノ酸残基を含んでなるペプチドを提供すること
    ; (b)各々N−またはO−結合を介してN−またはO−結合アミノ酸残基にG
    alNAcを結合すること; (c)GalをGalNAcに結合すること; (d)GlcNAcをGalNAcに結合すること; (e)GalをGlcNAcに結合すること; (f)シアル酸をGalに結合すること;および (g)FucをGlcNAcに結合すること; を含む糖硫酸ペプチド化合物を製造する方法。
  48. 【請求項48】 (a)少なくとも1個のチロシン残基、N−またはO−結
    合しているGlcNAcを有する少なくとも1個のN−またはO−結合アミノ酸
    残基を含んでなるペプチドを提供すること; (b)GalをGlcNAcに結合すること; (c)シアル酸をGalに結合すること; (d)FucをGlcNAcに結合すること;および (e)硫酸塩をチロシン残基に結合すること; を含む糖硫酸ペプチド化合物を製造する方法。
  49. 【請求項49】 (a)少なくとも1個の硫酸チロシン残基、およびO−結
    合しているGlcNAcを有する少なくとも1個のスレオニンまたはセリン残基
    を含んでなるペプチドを提供すること; (b)GalをGlcNAcに結合すること; (c)シアル酸をGalに結合すること;および (d)FucをGlcNAcに結合すること; を含む糖硫酸ペプチド化合物を製造する方法。
  50. 【請求項50】 (a)ペプチドのN−またはO−結合アミノ酸残基に結合
    するGalNAcを有するペプチドを提供すること; (b)GalをGalNAcに結合すること; (c)GlcNAcをGalNAcに結合すること; (d)GalをGlcNAcに結合すること; (e)シアル酸をGalに結合すること; (f)FucをGlcNAcに結合すること;および ペプチドからオリゴ糖を切断すること; により結合するオリゴ糖を有するペプチドを合成することを含むオリゴ糖を製造
    する方法。
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