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JP2002513555A - メラノコルチン1受容体選択性化合物 - Google Patents

メラノコルチン1受容体選択性化合物

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JP2002513555A
JP2002513555A JP2000547116A JP2000547116A JP2002513555A JP 2002513555 A JP2002513555 A JP 2002513555A JP 2000547116 A JP2000547116 A JP 2000547116A JP 2000547116 A JP2000547116 A JP 2000547116A JP 2002513555 A JP2002513555 A JP 2002513555A
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ミューチュレ、イルゼ
ミューチュリス、フェリクス
ヴィクベルイ、ヤール
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ヴァー ファルム アーベー
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Abstract

(57)【要約】 一般式(1)の化合物であり、 【化1】 式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12はHまたはメチルであり、R13、R14、R15およびR16はHまたはアルキルであり、L1およびL2は単結合、メチル、エチルから選択されるリンカーであり、R19、R20およびR21はHまたは−CH2Xであり、NTはH、ヒドロキシ、アルキル、アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポリペプチドおよび官能基から選択され、CTは水素、ヒドロキシ、アルキル、アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポリペプチドおよび官能基から選択される化合物は、MC1−受容体発現細胞でのcAMP形成の効果的な刺激または阻害の組み合わせで、MC1−受容体に対する高い選択性および高い親和性を示し、しかし、MC−受容体の他のサブタイプに対しては低い親和性を示し、また広い範囲の炎症状態を処置するのに使用してよい。また、開示物は、この化合物をコードしているDNA分子および相当するベクター、そのコピーを含む融合タンパク質、該融合タンパク質をコードしているDNAを含むベクター、およびこの化合物からなる医薬組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、メラノコルチン1−受容体(MC1−受容体)についての高い親和
性および選択性を有する新しい化合物に関する。新しい化合物はMC1−受容体
を選択的に活性化しまたは遮断し、これは、MC1−受容体とメラノコルチン受
容体の他のサブタイプによって媒介される生理学的効果を区別し、動物またはヒ
トに対するその投与に際して選択的薬理学的作用を供するのを可能とする。また
、本発明は、その製造方法およびその薬学的製剤、ならびにMC1−受容体によ
って影響され得る医学的および獣医学的疾患の治療でのその使用に関する。
【0002】 メラノコルチックペプチド(メラノコルチン)は動物、とくにヒトを含めた哺
乳動物の天然ペプチドホルモンであり、これは、MC−受容体に結合しそれを刺
激する。メラノコルチンの例はα−MSH、β−MSH、γ−MSH、ACTH
およびそれらのペプチド断片である。α−MSHは末梢色素沈着を調節するその
能力で主として知られており(Eberle 1988)、他方、ACTHはステロイドネ
オゲネシスを誘導することが知られている(Simpson およびWaterman 1989)。
また、メラノコルチックペプチドは多数の他の生理学的状態を媒介する。かくし
て、それらは、免疫モジュレーターとして作用し、動機付け、学習、記憶、挙動
、炎症、体温、苦痛、認識、血圧、心拍、血管の調子、脳血流、神経成長、胎盤
発達、アルドステロンの合成および放出、チロキシン放出、精子形成、卵巣重量
、プロラクチンおよびFSH分泌、婦人における子宮出血、皮脂およびフェロモ
ン分泌、血中グルコースレベル、体重ホメオスタシス、子宮内胎児成長ならびに
分娩の回りの他の事象に影響すると報告されている(Garrudら,1974,Wiegant
ら,1979,O'Donahueら,1981,O'Donahue&Dorsa1982,DeWied&Jolles 1982,Kl
einら, 1985,Fengら,1987,Linら,1987,Eberle,1986,Gruber&Callahan,1
989,DeWildtら,1995,Fruefman,1997)。
【0003】 分子クローニングの使用によって、MC−受容体の5つの異なるサブタイプを
コードする遺伝子は同定されている(Chhajlaniら,1993,Chhajlaniおよび
Wikberg 1992,Gantzら,1993a,b,Mountjoyら,1992)。MC
−受容体は、全て7つの膜貫通ドメインを形成する単一ペプチドからの形成され
るGタンパク質共役受容体のクラスに属する。5つのMC−受容体はMC1、M
C2、MC3、MC4およびMC5と呼ばれ、それらは全て刺激されてcAMP
に結合する。これらのうち、MC2−受容体はACTH−受容体であり、他方、
他のものはメラノサイト刺激ホルモン受容体(MSH−受容体)のサブタイプを
構成する。MC1−受容体はメラノサイトおよびメラノーマ細胞上に存在する(
Lowら1994、Siegrist & Eberle 1995)。最近のデータは、MC1−受
容体がラットおよびヒト脳の限定された領域(中脳水道周囲の灰白質)(Xiaら
,1995)、ならびに精巣(Vanettiら,1994)で発現されることを示す
。また、非常に重要なことには、最近、MC1−受容体はマクロファージ(Star
ら,1995)、好中球(Cataniaら,1996)、神経膠腫細胞および神経膠
星状細胞(Wongら,1997)、単球および内皮細胞(Hartmeyerら,1997
,およびそこの引用文献)上に存在することが示されている。最近、MC1−受
容体mRNAは正常マウス脳でも検出され(Rajoraら,1997a)、これは脳
におけるこの受容体の特異的機能を示唆する。さらに、免疫組織化学検出技術に
よって得られた最近のデータは、MC1−受容体が精巣および卵巣に存在するこ
とを示す(Thoenvallら 1997)。これは、生殖生理学における、ならびに
恐らくは生殖病理生理学におけるMC1−受容体の特異的役割を示唆する。
【0004】 MC2−受容体はACTH受容体である。それは副腎皮質に存在する。MC3
−受容体mRNAは脳の区別される領域に、ならびに胎盤および腸組織で見いだ
される(Gantzら1993a、Desamaudら1994,Roselli-Rehfussら1993
)。MC4−受容体は脳で普遍的である(Gantzら1993b,Mountjoyら,1
994)。MC5−受容体は脳で、ならびにいくつかの末梢組織で発現される(
Chhajlaniら1993,Gantzら1994,Griffonら1994,Labbeら,199
4,Barrettら1994,Fathiら1995)。より最近のデータは、全ての5つ
のクローン化MC−受容体がより広い組織分布を有することを示す(Chhajlani 1996)。
【0005】 5つのMC−受容体はメラノコルチックペプチドに対する独自の親和性を示す
(Schioethら1995,Schioethら1996a,b,c)。かくして、MC1−
受容体はα−MSHに対して高い親和性を示すが、β−MSH、γ−MSHおよ
びACTHに対してより低い親和性を示す。MC2−受容体は高い親和性をもっ
てACTHに結合するが、それはMSHペプチドに結合しない。MC3−受容体
はβ−およびα−MSHと比較してγ−MSHに対してわずかにより高い親和性
を示す。MC4−受容体はα−MSHよりもβ−MSHに対してわずかに優越性
を示し、γ−MSHに対して非常に低い親和性を示す。MC5−受容体はMC1
−受容体のようにMSHペプチドに対する同一の能力順序を示すが、かなり低い
親和性である(Schioethら1995,Schioethら1996a,b,c)。
【0006】 多様な効果は天然メラノコルチックペプチドによって誘導されるが、種々のM
C−受容体サブタイプには未だ十分に関連つけられていない。これらの効果はM
C−受容体の異なるサブタイプによって媒介されるはずである。しかしながら、
最も関連するのは、増大する証拠が、MC1−受容体が炎症の変調で重要な役割
を演じることを示すことである。かくして、例えば、α−MSHは、細菌リポ多
糖およびγ−インターフェロンで刺激された培養されたマウスマクロファージに
おける酸化窒素(NO)の形成を阻害することが示されており、マクロファージ
中でのMC1−受容体の刺激によるNOシンターゼ(NOS)の生産の阻害によ
って引き起こされると主張されている効果である(Starら1995)。NOは炎
症の全ての形態の共通のメディエーターであると信じられているので、これは、
MC1−受容体の刺激が、以前にMSH−ペプチドによって誘導されることが知
られていた抗炎症効果を媒介することを示す。α−MSHは単球においてインタ
ーロイキン10(IL−10)の形成を増加させることも知られており、これは
α−MSHによって誘導された免疫抑制効果における重要な成分であると信じら
れている(Bhardwajら,1996)。
【0007】 また、最近の研究は、α−MSHが好中球の走化性移動を強力に阻害すること
を示す(Cataniaら、1996)。さらに、好中球はMC1−受容体mRNAを
含有することが知られており、これは、インターフェロンおよび細菌リポ多糖で
の好中球の刺激に際してアップレギュレーションされた(Cataniaら、1996
)。かくして、好中球移動は初期炎症において重要な成分を構成するので、これ
らの結果は、炎症の阻害剤のメディエーターとしてのMC1−受容体の重要性を
示す。
【0008】 もう1つの研究において、α−MSH、ならびにMSH−類似体[Nle4
D−Phe7]α−MSH(NDP−MSH)は、リポ多糖の腹腔内注射後にサ
イトカインIL−1およびTNF−αの血液中への放出を阻害することが示され
た(Goninardら、1996)。これはMSH−ペプチドの抗炎症役割を支持する
【0009】 α−MSHは神経膠腫細胞においてイン ビボならびにイン ビトロで腫瘍壊
死因子アルファ(TNF−α)の生産を阻害するので、MC−受容体の重要な抗
炎症役割(MC1タイプであると推定される)は脳にも関連つけられている。後
者の場合、α−MSHは細菌エンドトキシンによって誘導されたTNF−αの形
成を阻害することが示されているからである(Wongら、1997)。もう1つの
実験において、脳心室内または腹腔内に与えられたα−MSHは、局所投与され
た細菌リポ多糖によって誘導された中枢のTNF−αの形成を阻害した(Rajora
ら、1997a)。TNF−αは神経学的障害、感染および脳の負傷で生じ、脳
における病理学的プロセスの基礎であると考えられる。これらのデータは、中枢
の抗炎症作用のメディエーターとしてのMC−受容体の重要な役割を示す。
【0010】 最近、α−MSHは炎症性腸病に対するモデルにおいて炎症を減じることが示
されている(Rajora 1997a)。
【0011】 α−MSHペプチドもまた皮膚生物学において重要な役割を帰せられている。
最もよく知られているのは皮膚の色素形成を刺激するその能力である。α−MS
Hはメラノサイトに位置するMC−受容体に対してのみならず、皮膚の免疫応答
性および炎症細胞、ケラチノサイト、繊維芽細胞ならびに内皮細胞に対して作用
することができ、それにより、ケラチノサイトの増殖および分化を修飾し、内皮
細胞および繊維芽細胞のサイトカインの生産、ならびに繊維芽細胞のコラーゲン
生産を調節する。α−MSHは抗原提示細胞に対して炎症前サイトカインおよび
アクセサリー分子の生産をダウンレギュレーションすることが知られている。対
照的に、IL−10のごときサプレッサー因子はα−MSHによってアップレギ
ュレーションされる(Luger 1997)。イン ビボデータは、α−MSHの
全身適用が接触過敏症の誘導および惹起を阻害し、ハプテン寛容を誘導する(Lu
ger 1997)。かくして、蓄積される証拠は、恐らくはMC1−受容体サブ
タイプのMC−受容体の刺激が皮膚炎症および過剰増殖皮膚病の重要な負の調節
メカニズムを媒介することを示す(Luger 1997)。
【0012】 これらの知見に加えて、Hartmeyerら(1997)は、α−MSHが皮膚微小
血管内皮細胞におけるMC1−受容体発現を増加させ、これらの細胞からのイン
ターロイキン8(IL−8)の増大した放出を引き起こすことを示している。こ
れは、炎症および免疫のモジュレーターとしての皮膚におけるMC1−受容体の
役割を示す(Hartmeyerら、1997参照)。
【0013】 MSHペプチドの抗炎症役割についてさらに読むためには、LiptonおよびCata
niaによる総説を参照されたし(1997)。
【0014】 1957年以来、MSH−受容体は生理学的存在として知られていた。MSH
/ACTHペプチドに対する結合部位は、多数の脳および末梢組織で同定されて
いる(Hnatowichら1989,Tatro & Reichlin 1987,Lichtensteigerら
1993,Tatro & Entwistle 1994)。これらの受容体のペプチド構造活
性研究は、ラナ ピピエンス(Rana pipiens)(カエル)、アノリス カロリネ
ンシス(Anolis carolinensis)(トカゲ)およびゼノパス ラービス(Xenopus
laevis)のような下等脊椎動物からのメラニン保有細胞で行われた。受容体の
研究は、後に、メラノーマ細胞系での結合によって行われた。これらのテスト系
は同様の結果を与え、今や、これらの系で得られたデータはMC1−受容体をい
うことが知られている(Eberie 1986)。
【0015】 かかるテスト系を用い、α−MSHにおけるD−PheによるL−Pheの置
換は高い能力および延長された作用を提供することが見いだされた(Sawyerら1
980)。また、環状[Cys4,Cys10]α−MSH類似体が合成された;
それらは、皮膚色素沈着バイオアッセイにおいてメラニン細胞刺激ホルモン産生
細胞であることが見いだされた(Knitteら,1983、Sawyer,1982)。し
かしながら、従前公知の天然および合成ペプチドのうちいくつか、ならびにより
最近合成されたものはMC1−受容体に対する高い親和性を示すが、その選択性
に対してMC−受容体の他のサブタイプは制限されている(例えば、とりわけHo
tら1994,Adanら1994参照)。しかしながら、最近、タンパク質展示フ
ァージスクリーニングによって見いだされたペプチドは、MC−受容体に対する
他のサブタイプと比較して、MC1−受容体に対するより高い親和性を示した(
Szandenlingら1997)ことが記載された。しかしながら、臨床的および他の
使用では、このペプチドは、1)MC1−受容体に対する比較的低い親和性、2
)他のペプチドホルモンと比較してMC1−受容体に対する低いアゴニスト効果
、および3)酸化可能SH基の存在およびタンパク質分解切断に関する不安定な
性質による低い安定性のために、劣った特性を示した。
【0016】 MC1−受容体を選択的に調節する手段および方法を提供する要望が依然とし
てある。それにより、MC1−受容体を発現する組織および細胞に関連するプロ
セスおよび条件に影響する薬理学的効果は誘導できる。これらのプロセスおよび
条件は免疫応答、炎症プロセス、免疫寛容、免疫モジュレーション、アレルギー
プロセス、生殖プロセス、メラノーマおよびMC1−受容体発現細胞に関する悪
性病を含むがそれに限定されない。
【0017】 MC1−受容体を選択的かつ高い能力をもって活性化する化学化合物を提供し
、MC1−受容体に対する他のホルモンおよびアゴニストの作用に選択的かつ非
常に高い能力をもって拮抗する化学化合物を提供し、該化合物のヒトを含めた動
物への投与方法を提供する要望がさらにある。
【0018】 本発明により、MC1−受容体発現細胞におけるcAMP形成の効果的な刺激
と組み合わせてMC1−受容体に対する高い選択性および高い親和性を示す新規
化合物が開示される。他方、本発明の化合物は、MC−受容体の他のサブタイプ
に対する低いまたは無視できる親和性を示す。
【0019】 また、本発明により、酸化窒素(NO)の生産を阻害する新規化合物が開示さ
れる。
【0020】 また、本発明により、免疫変調性および抗炎症性である新規化合物が開示され
る。
【0021】 本発明による化合物は、一般式(1):
【0022】
【化5】
【0023】 [式中R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R1
1およびR12はそれぞれ独立してHおよびメチルから選択され、Hが好ましく
、 また式中R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立してHおよび
アルキル、とりわけメチル、エチル、プロピル、イソプロピルから選択されるア
ルキルから選択され、式中R13の1つの水素およびR14の1つの水素は、任
意にR13とR14間の結合に置き換えられ、式中R15の1つの水素およびR
16の1つの水素が、任意にR15とR16間の結合に置き換えられ、式中L1
とL2は独立して単結合、メチル、エチルからなる群より選択され、好ましくは
単結合であるリンカーであり、 また式中R19、R20およびR21はそれぞれ独立して、Hおよび−CH2
Xから選択され、ここでXはH、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置
換へテロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヘテロアルケニル、置換へテ
ロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ヘテロアルキニル、置換へテロア
ルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロへテロアルキル、置換
シクロへテロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロへテ
ロアルケニル、置換シクロへテロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロ
アリール、置換へテロアリール官能基であり、 また式中NTはH、ヒドロキシ、アルキル、アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポ
リペプチドおよび官能基より選択され、CTは水素、ヒドロキシル、アルキル、
アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポリペプチドおよび官能基から選択され、式中そ
れぞれの不斉中心(*)はRまたはS配置] によって表される。
【0024】 好ましくは、R20はフェニルである。
【0025】 式(1)による化合物はペプチドを表すことが認識されるが、さらに本発明の
化合物は式(1)によるペプチドに限定されず、ペプチド骨格の窒素の1つまた
はいくつかが水素で置換された炭素に置き換えられた、および/またはペプチド
骨格のカルボニル基の酸素の1つまたはいくつかが2つの水素に置き換えられた
化合物も含むことが理解される。
【0026】 本発明の化合物(1)の好ましい立体配置は式(2):
【0027】
【化6】
【0028】 [式中R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R1
1およびR12はそれぞれ独立してHおよびメチルから選択され、Hが好ましく
、 また式中R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立してHおよび
アルキル、とりわけメチル、エチル、プロピル、イソプロピルから選択されるア
ルキルから選択され、式中R13の1つの水素およびR14の1つの水素は、任
意にR13とR14間の結合に置き換えられ、式中R15の1つの水素およびR
16の1つの水素が、任意にR15とR16間の結合に置き換えられ、 また式中R19、R20およびR21はそれぞれ独立して、Hおよび−CH2
Xから選択され、ここでXはH、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置
換へテロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヘテロアルケニル、置換へテ
ロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ヘテロアルキニル、置換へテロア
ルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロへテロアルキル、置換
シクロへテロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロへテ
ロアルケニル、置換シクロへテロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロ
アリール、置換へテロアリール官能基であり、 また式中NTはH、ヒドロキシ、アルキル、アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポ
リペプチドおよび官能基より選択され、CTは水素、ヒドロキシル、アルキル、
アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポリペプチドおよび官能基から選択される] で開示される。
【0029】 式(2)による化合物では、R20の好ましい置換基はフェニルである。
【0030】 式(2)による化合物はペプチドを表すことが認識されるが、さらに本発明の
化合物は式(2)によるペプチドに限定されず、ペプチド骨格の窒素の1つまた
はいくつかが水素で置換された炭素に置き換えられた、および/またはペプチド
骨格のカルボニル基の酸素の1つまたはいくつかが2つの水素に置き換えられた
化合物も含むことが理解される。
【0031】 本発明によると、とくに好ましい化合物(3)が開示され、これは以下におい
てMS05(配列番号:1)と称される:
【0032】
【化7】
【0033】 また、本発明は、一般式(4)で詳細に記載するごとく、式(1)、(2)お
よび(3)による化合物の断片も含み、ここで5つの部分A、B、C、D、Eは
定義される:
【0034】
【化8】
【0035】 [式中R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R1
1およびR12はそれぞれ独立してHおよびメチルから選択され、Hが好ましく
、 また式中R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立してHおよび
アルキル、とりわけメチル、エチル、プロピル、イソプロピルから選択されるア
ルキルから選択され、式中R13の1つの水素およびR14の1つの水素は、任
意にR13とR14間の結合に置き換えられ、式中R15の1つの水素およびR
16の1つの水素が、任意にR15とR16間の結合に置き換えられ、式中L1
とL2は独立して単結合、メチル、エチルからなる群より選択され、好ましくは
単結合であるリンカーであり、 また式中R19、R20およびR21はそれぞれ独立して、Hおよび−CH2
Xから選択され、ここでXはH、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置
換へテロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヘテロアルケニル、置換へテ
ロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ヘテロアルキニル、置換へテロア
ルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロへテロアルキル、置換
シクロへテロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロへテ
ロアルケニル、置換シクロへテロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロ
アリール、置換へテロアリール官能基であり、 また式中NTはH、ヒドロキシ、アルキル、アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポ
リペプチドまたは官能基より選択され、CTは水素、ヒドロキシル、アルキル、
アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポリペプチド、官能基から選択され、式中それぞ
れの不斉中心(*)はRまたはS配置であり、 ここで、部分Aは任意に水素、ヒドロキシル、アルキル、アミノ酸、アミノ酸
アナログ、ポリペプチド、または官能基に置き換えられ、 ここで、部分Bは任意に水素、ヒドロキシル、アルキル、アミノ酸、アミノ酸
アナログ、ポリペプチド、または官能基に置き換えられ、 ここで、部分Cは任意に、アミノ酸またはアミノ酸アナログに置き換えられ、 ここに、部分Dは任意に、アミノ酸またはアミノ酸アナログに置き換えられ、 および、ここで、部分Eは任意に、アミノ酸またはアミノ酸アナログに置き換
えられる。
【0036】 式(4)による本発明のさらに有利な実施態様において、部分Cはアミノ酸ま
たはアミノ酸アナログに置き換えられ、他方、部分DおよびEは保持される。
【0037】 式(4)による本発明のさらに有利な実施態様において、部分Dはアミノ酸ま
たはアミノ酸アナログに置き換えられ、他方、部分DおよびEは保持される。
【0038】 前記定義された式(4)による本発明のさらに有利な実施態様において、部分
Eはアミノ酸またはアミノ酸アナログに置き換えられ、他方、部分CおよびDは
保持される。
【0039】 本発明のある好ましい実施態様において、式(1)、(2)または(4)によ
る化合物のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、
R11およびR12のうちの1つまたはいくつかはメチルであるように選択され
、他方、残りは水素であるように選択され、該選択はプロテアーゼおよび/また
はペプチダーゼによる分解を減少または減速するようになされる。さらに、式(
1)、(2)および(4)による化合物のペプチド骨格は、各々、他の原子、好
ましくは酸素、炭素および水素によって炭素、窒素および酸素を置き換えること
によって修飾して、プロテアーゼおよび/またはペプチダーゼによる分解を防ぎ
、または減速することができる。
【0040】 本発明のより有利な実施態様において、式(1)、(2)および(4)による
化合物におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R1
0、R11およびR12の6未満、好ましくは5未満、より好ましくは4未満、
好ましくは2未満がメチルであるか、最も好ましくは1つもメチルでないように
選択される。
【0041】 さらに、式(1)、(2)および(4)による化合物のペプチド骨格は、他の
原子によって炭素、窒素および酸素原子を置き換えて、プロテアーゼまたはペプ
チダーゼによる分解を防ぎ、または減速することができ、炭素に対しては酸素で
あり、窒素に対しては炭素であり、酸素に対しては水素が好ましい置換基である
。本発明のこの側面の好ましい実施態様において、該ペプチド骨格炭素、窒素お
よび酸素原子の5未満、より好ましくは4未満、さらにより好ましくは3未満、
最も好ましくは1未満が、酸素、炭素または水素に置き換えられる。
【0042】 本明細書において、用語「ペプチド骨格」とは、式(1)、(2)および(4
)においてその太文字によって印される原子をいう。
【0043】 加えて、R19、R20およびR21は、プロテアーゼまたはペプチダーゼに
よるその消化が遅延されまたは防止される修飾化合物を提供するように選択し得
る。
【0044】 メチルによる5以下の、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、より好ま
しくは3以下、さらにより好ましくは2以下、最も好ましくは1以下の置き換え
による、より小さな構造改変に付された式(1)、(2)、(3)または(4)
の化合物は本発明に含まれる。
【0045】 本発明はトリフルオロ酢酸塩を含めた公知の酸による本発明の化合物の塩を含
み、薬学的に許容し得る塩が好ましい。
【0046】 本発明の好ましい実施態様において、内因性酵素による本発明の化合物の迅速
な分解が、より短い半減期の医薬を提供するために望ましい。しかしながら、か
かる化合物は「ヒット・アンド・ラン」薬物として作用し得ると認識され、その
生物学的作用は、本発明の化合物が各動物において検出できる以内の時間を超え
て拡大され;この効果はMC1−受容体の延長された活性化による。
【0047】 また、前記開示の本発明の化合物の構造的改変、とくに置換基R19、R20
およびR21の適当な選択は、MC1−受容体を選択的活性化または選択的遮断
のいずれかの能力を有する化合物を提供するようになすことができる。本発明の
化合物によるMC1−受容体の典型的な活性化は、MC1−受容体に関連する生
物学的応答および薬理学的効果のみならず、実施例3に示すごとき二次メッセン
ジャー要素cAMPの産出の刺激を導く。また、MC1−受容体の活性化は、受
容体の脱感作および/または受容体のダウンレギュレーションを導くことができ
、そのいくらかは今度は生物学的応答および/またはcAMPの蓄積を生じさせ
るためのMC1−受容体の能力の減少を導くことができる。本発明のいくつかの
実施態様において、MC1−受容体脱感作および/またはMC1−受容体のダウ
ンレギュレーションを供する能力は望ましい効果である。さらに、本発明のさら
なる実施態様において、MC1−受容体のアップレギュレーションおよび/また
は発現の増加も、本発明の化合物の投与によって供することができ、これは高度
に望ましい効果であり得る。
【0048】 他方、MC1−受容体の本発明の化合物による典型的な遮断は、内因性または
外因性MSHペプチド、ペプチドアナログまたはMC1−受容体の刺激性化合物
による生物学的応答の誘導を妨げるであろう。
【0049】 典型的にはMC1−受容体を活性化させる能力を示す本発明による化合物は、
式(1)、(2)または(4)に適合する化合物によって表され(それに限定さ
れず)、ここで、R20はアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテ
ロアリール、フェニルまたは置換フェニルである。典型的にはMC1−受容体を
遮断する能力を示す本発明の化合物は、式(1)、(2)または(4)に適合す
る化合物によって表され(それに限定されず)、ここで、R20はアリール、置
換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ナフタレンまたは置換ナフ
タレンである。
【0050】 本発明のさらなる実施態様は、インターロイキン1(IL−1)、インターロ
イキン6(IL−6)、および腫瘍壊死因子α(TNF−α)の形成を減少させ
、酸化窒素の減少した生産を供し、および酸化窒素シンターゼ(NOS)の活性
をダウンレギュレートする化合物に指向される。本発明の他の実施態様は、イン
ターロイキン8(IL−8)および/またはインターロイキン10(IL−10
)の生産を刺激する化合物に指向される。本発明のさらなる他の実施態様は、I
L−1、IL−6、TNF−α、酸化窒素、NOS、IL−8およびIL−10
に関して記載されたものとは反対の効果を生じるものに指向される。
【0051】 本発明の化合物は当該分野で公知の通常の化学技術によって製造することがで
きる。それらは実施例1.1に記載されたMS05の合成が例示される。
【0052】 また、本発明の化合物は、当該分野で公知の通常の分子生物学的技術によって
製造することもできる。この場合、式(1)、(2)、(3)または(4)に適
合するペプチドをコードするDNA−配列が、典型的には、まず製造される。つ
いで、かくして得られたDNAを通常の発現系で使用される発現ベクターへ組み
込む。また、適当な発現系は当該分野で公知であり、真核生物または原核生物細
胞を含む。分子生物学技術を用いる本発明の化合物の製造のこの可能性のため、
本発明は本発明の化合物をコードするDNAも含む。本発明の化合物をコードす
るDNAは、3’および5’末端の一方または双方において他のDNAに結合す
ることができる。したがって、本発明は、本発明の化合物をコードするDNA配
列を含むDNAを含む。本発明の化合物をコードするDNAはベクター中に存在
することができ、そこで、それは3’および5’末端の一方または双方において
他のDNAに結合する。したがって、本発明は本発明の化合物をコードするDN
Aを含むベクターを含む。
【0053】 また、本発明は、本発明の化合物の配列の1つまたはいくつかのコピーからな
る融合蛋白質を含む。かかる融合蛋白質は、典型的には、前記した原理にしたが
い適当なDNAを利用することによる、および当該分野でよく知られている手法
の適用による発現系の使用によって製造される。
【0054】 また、本発明は、本発明の化合物の1つまたはいくつかのコピーのアミノ酸配
列をからなる融合蛋白質をコードするDNAを含むベクターを含む。本発明によ
ると、DNAは化学的に改変された非天然DNAと交換することができ、該非天
然DNAはペプチドまたは蛋白質合成に関して天然DNAと同一の機能を実質的
に供することができる。さらに、本発明によるDNAはRNAと交換することも
できる。非天然DNAまたはRNAを動物、とくにヒトに投与する場合、RNA
または非天然RNAを使用するのがとくに有利である。それは、動物またはヒト
の内因性DNAと組み換えられるRNAまたは非天然DNAの回避のためであり
、かくして、長期の副作用の危険を減少させる。
【0055】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「アルキル
」とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、四級ブチル、ブチル、ペン
チル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルのごとき、炭素原子18までの、好ま
しくは1から8までの直鎖または分岐鎖炭化水素鎖を含む。
【0056】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「ヘテロア
ルキル」とは、1つまたは数個の原子がヘテロ原子に置き換えられたアルキルを
いう。
【0057】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「アルケニ
ル」とは、プロペニル、ブテニル、ペンテニルのごとき、1つまたは数個の炭素
−炭素二重結合を含む、炭素原子18までの、好ましくは2から8までの直鎖ま
たは分岐鎖炭化水素鎖を含む。
【0058】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「ヘテロア
ルケニル」とは、1つまたは数個の炭素原子がヘテロ原子に置き換えられたアル
ケニルをいう。
【0059】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「アルキニ
ル」とは、1つまたは数個の炭素−炭素三重結合を含有するアルキルまたはアル
ケニルをいう。
【0060】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「ヘテロア
ルキニル」とは、1つまたは数個の炭素−炭素三重結合を含有するヘテロアルキ
ルまたはヘテロアルケニルをいう。
【0061】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「シクロア
ルキル」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル、シクロオクチルのごとき、炭素原子3から12個まで、好
ましくは3から8個までを含有する環状炭化水素をいい、これは、任意に1また
は2の環と融合していてもよく、各環は独立してシクロアルキル、シクロヘテロ
アルキル、シクロアルケニル、シクロヘテロアルケニル、アリールおよび/また
はヘテロアリールよりなる群から選択される。
【0062】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「シクロヘ
テロアルキル」とは、1つまたは数個の炭素原子がヘテロ原子置き換えられたシ
クロアルキルをいう。
【0063】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「シクロア
ルケニル」とは、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルのごとき、1つまた
は数個の炭素−炭素二重結合を含有するシクロアルキルをいう。
【0064】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「シクロヘ
テロアルケニル」とは、炭素間、炭素およびヘテロ原子間の1またはそれ以上の
結合が二重結合であるシクロヘテロアルキルをいう。
【0065】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「アリール
」とは、独立して、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロアルケニル
、シクロヘテロアルケニル、アリール、ヘテロアリールから選択される1つまた
は2つの環と、任意に融合していてもよいフェニルをいう。
【0066】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「ヘテロア
リール」とは、1またはそれ以上のヘテロ原子を含み、任意に、独立してシクロ
アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロアルケニル、シクロヘテロアルケニル
、アリール、ヘテロアリールから選択される1つまたは2つの環と融合していて
もよい、5−から12−員環の芳香族環、好ましくは5−から6−員環の芳香族
環をいう。
【0067】 用語「置換された」とは、それぞれ独立して、アルキル、フッ素化アルキル、
アルケニル、フッ素化アルケニル、アルキニル、フッ素化アルキニル、シクロア
ルキル、フッ素化シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、フッ素化シクロヘテ
ロアルキル、シクロルケニル、フッ素化シクロルケニル、シクロヘテロアルケニ
ル、フッ素化シクロヘテロアルケニル、アリール、フッ素化アリール、ヘテロア
リール、フッ素化ヘテロアリール、官能基によって、1つまたはそれ以上の水素
が置換されていることをいう。さらに、もし用語「置換された」と連結した構造
が、もう1つの環状構造または他の環状構造と融合した環状構造であれば、後者
の環状構造もまた置換され得る。
【0068】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「ハロゲン
」とは、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素をいい、塩素が好ましい。
【0069】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「ヘテロ原
子」とは、それに対して1つまたはそれ以上の水素がその原子価にしたがって結
合され得る窒素、酸素または硫黄をいい、ここで、窒素の場合、1つの酸素原子
が、任意にドナーアクセプター結合によって窒素に結合し得、かくして、N−オ
キシドを形成する。
【0070】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「官能基」
とは、アミノ、アシルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アリールア
ジド、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールアジド、ヒドロキシ、アルキルヒ
ドロキシ、フッ素化アルキルヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、アシルカルボキ
シ、アリールカルボキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシルアミノ、アシル、フ
ッ素化アシル、ニトロソ、スルホニル、スルフィニル、チオ、アルキルチオ、ア
シルチオをいう。
【0071】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「融合した
」とは、1つまたはそれ以上の共通する原子を有する2つまたは3つの環をいい
、融合した環の好ましい最大数は3である。
【0072】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「アミノ酸
」とは、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、p−ベンゾイ
ル−フェニルアラニン、β−シクロヘキシル−アラニン、システイン、グルタミ
ン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、
メチオニン、β−(2−ナフチル)−アラニン、ノルロイシン、フェニルアラニ
ン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、3,
4−ジクロロフェニルアラニン、4−フルオロフェニルアラニン、4−ニトロフ
ェニルアラニン、2−チエニルアラニン、3−ベンゾチエニルアラニン、4−シ
アノフェニルアラニン、4−ヨードフェニルアラニン、4−ブロモフェニルアラ
ニン、4,4’−ビフェニルアラニン、ペンタフルオロフェニルアラニン、β,
β−ジフェニルアラニン、D−もしくはL−立体配置のいずれかで、D−L−1
,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、ならびに以下の一
般的構造(5):
【0073】
【化9】
【0074】 [式中、ZはHまたは−CH2X、ここで、XはH、アルキル、置換アルキル、
ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヘテロア
ルケニル、置換ヘテロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ヘテロアルキ
ニル、置換ヘテロアルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘ
テロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアル
ケニル、シクロヘテロアルケニル、置換シクロヘテロアルケニル、アリール、置
換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、または官能基であり、NH
はH、官能基であるかまたはもう1つのアミノ酸に結合しており、CTは官能基
であるかまたはもう1つのアミノ酸に結合しており、式(5)による当該化合物
はD−もしくはL−立体配置である] を有する他の置換基をいう。
【0075】 本明細書で、それ自体またはほかの基の一部として使用される用語「アミノ酸
アナログ」とは、以下の一般的構造(6):
【0076】
【化10】
【0077】 [式中、Aは、水素および/またはメチルが原子価にしたがって結合した酸素、
窒素または炭素であり、 Bは、水素および/または酸素が原子価にしたがって結合した酸素または炭素
であり、 各不斉中心はRもしくはS立体配置であり、 ZはHまたは−CH2Xであり、ここで、XはH、アルキル、置換アルキル、
ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヘテロア
ルケニル、置換ヘテロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ヘテロアルキ
ニル、置換ヘテロアルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘ
テロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアル
ケニル、シクロヘテロアルケニル、置換シクロヘテロアルケニル、アリール、置
換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、または官能基であり、NH
はH、官能基であるかまたはもう1つのアミノ酸に結合しており、またはもう1
つのアミノ酸アナログに結合しており、CTは官能基であるかまたはもう1つの
アミノ酸に結合しているか、またはもう1つのアミノ酸アナログに結合している
] を有する物質をいう。
【0078】 本発明の化合物は、MC−受容体の5つの公知のサブタイプの中で、MC1−
受容体に優先的に結合するその能力を構成するユニークで新規な特性を有する。
この能力は文献に記載されている方法を用い、組換えヒトMC−受容体について
のテストにおいて明らかにされる(Schioethら、Eur. J. Pharmacolo., Mol. Ph
arm. Sect.1995,288,311およびPharmacol.&Toxicol.1996,7
9,161参照)。これらのテストにおいて、実施例2に記載されたごとくに、
COS−1細胞で発現された組換えヒトMC−受容体サブタイプに対する[125
I]−標識NDP−MSH([Nle4,D−Phe7]α−MSH)の結合につ
き競合する化合物の能力を評価した。これらのアッセイによって、以下の解離定
数(Kis)を本発明の化合物のうちのいくつかにたいして決定した。
【0079】
【表1】
【0080】 前記表において、非標識NDP−MSHおよび天然α−MSH−ペプチドにつ
いてのKi−値は比較のために載せる。表より、本発明のとくに好ましい化合物
であるMS05はα−MSHと同一のMC1−受容体に対する高親和性を示し、
他方、それは、MC3受容体に対しては1800倍低い親和性、MC4およびM
C5に対しては65000倍以上低い親和性をそれぞれ示す。(前記表において
、>>50000は「50000よりも大きい」を意味することを意図し、これ
は、MS05が50000nMまでの濃度においてMC4−またはMC5−受容
体いずれかに結合する認識できる能力をなにも示さなかったことを意味する)。
それにより、MS05はMC3、MC4およびMC5受容体に対するその能力と
比較した場合、MC1−受容体に対して非常に高い選択性を示す。さらに、MS
05はMC1−受容体に対して非常に高い親和性を有する。表から明らかなよう
に、MS09はMC−1受容体に対してそれが極端に高い親和性を有するように
本発明のもう1つの好ましい化合物である。これらの特性は、当該分野で公知の
化合物と比較して増大した安定性と関連する。その安定性は、容易に酸化可能な
基(例えば、システインおよびメチオニンにおけるごとく−SH基および−SH
−CH3基)の欠如によるようである。加えて、MS05およびMS09は、従
前公知の化合物と比較して二次メッセンジャーcAMPの生成を刺激するより高
い能力を示す(実施例3参照)。MS05およびMS09の非常な高い選択性と
cAMPの形成を刺激する高い選択性および良好な能力との組合せはMS05お
よびMS09を価値あるものとする。実施例3、5および7において、cAMP
の効果的な刺激を誘導するMS05およびMS09の高い能力が示される。
【0081】 実施例4−7は、メラノーマ細胞およびマクロファージにおける天然MSH−
受容体(すなわち、天然MC1受容体)に結合する、ならびにこれらの細胞にお
けるcAMPの刺激を誘導する本発明の化合物の能力を示す。実施例8は、NO
生産が炎症剤(細菌リポ多糖およびインターフェロンガンマ)によって刺激され
た場合にマクロファージにおける酸化窒素(NO)形成を阻害する本発明の化合
物の能力を示す。結果は、本発明の化合物が、本発明の化合物が効果的な抗−炎
症剤であるという、さらなる意味ある証明であるNOの非常に効果的な阻害剤で
あることを示す。
【0082】 本明細書において、用語「二次メッセンジャーcAMPを刺激する高い能力」
とは、実施例3に記載された方法を用い、同一系において10nMのα−MSH
によって誘導されたものと比較して、実施例3に記載されたMC1−受容体発現
細胞におけるcAMP−形成の刺激を、少なくとも35%、好ましくは少なくと
も45%、より好ましくは少なくとも55%、最も好ましくは少なくとも65%
誘導する10nMの本発明の能力をいう。
【0083】 しかしながら、本明細書において、化合物(「化合物」はこの意味では必要な
変更を加えて「テスト化合物」ともいう)が、「二次メッセンジャーcAMPを
刺激する高い能力」を示すか否かを判断する好ましい方法は、実施例5に記載さ
れた手法を本質的に用い、特異的濃度Aのテスト化合物をB16−F1マウスメ
ラノーマ細胞(アメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Typ
e Culture Collection))に10から60分の間の期間、好ましくは10〜30
分の期間、最も好ましくは20分の期間接触させ、ついで、細胞で形成されたc
AMPの量を測定することを構成する。本手法によると、「cAMPを刺激する
高い能力」とは、テスト化合物と同一の手法を用い、特異的濃度Aのα−MSH
をB16−F1マウスメラノーマ細胞に接触させることによって誘導されたもの
の、少なくとも30%の量となる、より好ましくは少なくとも40%の量となる
、幾分より好ましくは少なくとも50%の量となる、なお幾分より好ましくは少
なくとも60%の量となる、さらにより好ましくは少なくとも70%の量となる
、なおさらにより好ましくは少なくとも80%の量となる、最も好ましくは少な
くとも90%の量となる刺激と定義される。「cAMPの刺激」とは、この意味
において、cAMPの基礎レベルを超えて誘導されたcAMPの増大したレベル
を意図し、cAMPの基礎レベルは、接触に割り当てられた時間にテスト化合物
またはα−MSHが存在しないことを除き、細胞をテスト化合物と接触させた場
合におけるごとく同一の手法に付されたB16−F1細胞に存在するcAMPの
レベルと定義される。cAMPを刺激するテスト化合物の能力を測定するための
この手法に従うと、「特異的濃度A」とは、範囲1〜100nM内から選択され
る単一濃度を意図し、1nMが好ましく、100nMがより好ましく、10nM
が最も好ましい。
【0084】 cAMPとは、この意味で、環状アデノシン3’、5’−モノホスフェート(
環状AMP)を意図する。
【0085】 前記で指摘したごとく、本発明の化合物は、NO生産の効果的な阻害剤である
。本明細書においては、化合物(「化合物」はこの意味で必要な変更を加えて「
テスト化合物」ともいう)が「NO生産の効果的な阻害剤」であるか否かを判断
する好ましい方法は、実施例8に記載された手法を本質的に用い、特異的濃度B
のテスト化合物をマウスRAW 264.7マクロファージ細胞(アメリカン
タイプ カルチャー コレクション)に1〜22時間接触させ(10〜20時間
がより好ましく、16時間が最も好ましい)、該細胞は0〜300ng/mLの
間の細菌リポ多糖の添加によりNOのその生産につき同時に刺激され(50〜1
50ng/mLの細菌リポ多糖がより好ましく、100ng/mLの細菌リポ多
糖が最も好ましい)、また、該細胞は0〜10ユニット/mLの間のマウス組換
えインターフェロンガンマの添加によっても同時に刺激され(3〜7ユニット/
mLのマウス組換えインターフェロンガンマがより好ましく、5ユニット/mL
のマウス組換えインターフェロンガンマが最も好ましい)、ついで、形成された
酸化窒素(NO)の量を測定することを構成し、該NOは当該分野でよく知られ
たいずれかの方法によって測定され、NOの形成が、形成されたニトリルの量を
測定することによって間接的に決定される実施例8に記載された方法が最も好ま
しい。本手法によると、NO生産の効果的な阻害剤とは、テスト化合物と同一の
手法を用い、特異的濃度Bのα−MSHをマウスRAW 264.7マクロファ
ージ細胞に接触させることによって供されたNO生産の阻害の、少なくとも30
%の量となる、より好ましくは少なくとも40%の量となる、幾分より好ましく
は少なくとも50%の量となる、なお幾分より好ましくは少なくとも60%の量
となる、なおより好ましくは少なくとも70%の量となる、なおさらにより好ま
しくは少なくとも80%の量となる、最も好ましくは少なくとも90%の量とな
るNO生産の阻害と定義される。「NO生産の阻害」とは、この意味において、
接触に割り当てられた間にテスト化合物またはα−MSHが存在しないことを除
き、細胞をテスト化合物に接触させた場合のごとく同一の手法に付されたRAW 264.7細胞で得られたNO生産のレベルからのNO生産の減少を意図する
。NO生産を阻害するテスト化合物の能力を測定するこの手法によると、「特異
的濃度B」とは、範囲0.1〜100nM内から選択される単一濃度を意図し、
0.1nMが好ましく、100nMが幾分より好ましく、1nMがより好ましく
、10nMが最も好ましい。
【0086】 加えて、本発明の化合物の多くは、とくに、式(4)による化合物を含めた式
(1)および式(2)に適合するものの多くは、MC1−受容体に対するその高
い選択性および結合親和性を保持しつつ、ペプチダーゼによる分解に対する増大
した安定性を示す。これらの特性は、生きた動物、とくにヒトにおいて持続的薬
理作用を引き起こすのに、もし全身投与後の体内での延長された半減期が望まれ
ればとくに価値がある。
【0087】 加えて、本発明の化合物は利点があるという重要な程度までMC2−受容体に
結合しない。
【0088】 本明細書においては、「MC1/MC3−選択性」とは、MC1−受容体に対
する化合物のKi(Ki−MC1)に対するMC3−受容体に対する同一化合物の
i(Ki−MC3)の比率と定義され、Ki値はSchioethら1995および19
96bによって記載された方法を用い、実施例2に記載されたごとく測定され;
よって、
【0089】
【数1】
【0090】 本明細書においては、本発明の化合物の「非常に高いMC1/MC3−選択性
」とは、少なくとも60、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なく
とも200、なおより好ましくは少なくとも700、最も好ましくは少なくとも
1000、少なくとも1200さえのMC1/MC3−選択性をいう。しかしな
がら、本発明の現実的に全ての実施態様において、「非常に高いMC1/MC3
−選択性」とは、少なくとも10、好ましくは少なくとも20、最も好ましくは
少なくとも30のMC1/MC3−選択性で充分である。
【0091】 本明細書において、化合物の「MC1/MC4−選択性」とは、MC1−受容
体に対する化合物のKi(Ki−MC1)に対するMC4−受容体に対する同一化
合物のKi(Ki−MC4)の比率と定義され、Ki値はSchiothら1995および
1996bによって記載された方法を用い、実施例2に記載されたごとく測定さ
れ;よって、
【0092】
【数2】
【0093】 本明細書においては、本発明の化合物の「非常に高いMC1/MC4−選択性
」とは、少なくとも300、好ましくは少なくとも1000、より好ましくは少
なくとも3000、なおより好ましくは少なくとも10000、最も好ましくは
少なくとも20000、30000を超えてさえ、50000さえのMC1/M
C4−選択性をいう。しかしながら、本発明の現実的に全ての実施態様において
、「非常に高いMC1/MC4−選択性」とは、少なくとも30、好ましくは少
なくとも70、最も好ましくは少なくとも150のMC1/MC4−選択性で充
分である。
【0094】 本明細書において、化合物の「MC1/MC5−選択性」とは、MC1−受容
体に対する化合物のKi(Ki−MC1)に対するMC5−受容体に対する同一化
合物のKi(Ki−MC5)の比率と定義され、Ki値はSchiothら1995および
1996bによって記載された方法を用い、実施例2に記載されたごとく測定さ
れ;よって、
【0095】
【数3】
【0096】 本明細書においては、本発明の化合物の「非常に高いMC1/MC5−選択性
」とは、少なくとも300、好ましくは1000を超えて、より好ましくは少な
くとも3000、なおより好ましくは少なくとも10000、最も好ましくは少
なくとも20000、30000を超えてさえ、50000さえのMC1/MC
5−選択性をいう。しかしながら、本発明の現実的に全ての実施態様において、
「非常に高いMC1/MC5−選択性」とは、少なくとも30、好ましくは少な
くとも70、最も好ましくは少なくとも150のMC1/MC4−選択性で充分
である。
【0097】 この意味において、MC1−受容体に対する本発明の化合物の「非常に高い親
和性」は、それが、30nM未満、好ましくは15nM未満、より好ましくは7
nM未満、なおより好ましくは5nM未満、最も好ましくは3nM未満、2nM
未満でさえ、1nM未満のKi値を呈することを示し、MC1−受容体に対する
i値はSchiothら1995および1996bによって記載された方法を用い、実
施例2に記載されたごとく測定される。
【0098】 しかしながら、この意味において、MC1−受容体に対する本発明の化合物の
「非常に高い親和性」は、それが、30nM未満、好ましくは15nM未満、よ
り好ましくは7nM未満、なおより好ましくは5nM未満、最も好ましくは3n
M未満、2nM未満でさえ、1nM未満のKi値を呈することを示し、MC1−
受容体に対するKi値は、マウスB16−F1メラノーマ細胞を用い、実施例4
に記載されたごとく測定される。
【0099】 この意味においては、MC1受容体の使用に言及する場合は常に、またはヒト
MC1受容体、またはChhajlani&Wikberg(FEBS Lett,1992,309,41
7)によって記載されたMC1受容体、またはSchiothらEur. J. Pharmacol. Mo
l. Pharm. Sect.,1995,288,311〜317またはSchiothら,Pharmac
ol.Toxicol.1996,79,161〜165によって使用されたMC1受容体
に言及する場合は常に、受託番号DSM7214の下でDeutche Sammlung von M
ikroorganismen und Zellkuluren(DSM),Braunschweig,ドイツ国から入手
可能であって、特許出願PCT/DK93/00273(WO94/04674
)に記載されているDNAによってコードされるMC1受容体を意図する。
【0100】 しかしながら、この意味において、MC1受容体の使用への言及をなす場合は
常に、使用する受容体は本出願のいずれの事項も変更することなく、哺乳動物ま
たはヒト起源のメラノーマ細胞に存在する天然MSH−受容体から選択すること
ができ;B16−F1メラノーマ細胞における天然MSH−受容体の選択が好ま
しい選択である。
【0101】 MSH−受容体に言及する場合は常に、10nM以下の解離定数でもって[12 5 I]NDP−MSHに結合できる結合部位をもまた意図し、解離定数は当該分
野でよく知られた放射リガンド結合手法を用いて測定され、好ましいアプローチ
はSchiothらEur. J. Pharmacol. Mol. Pharm Sect,1995,288,311〜
317またはSchiothらPharmacol. Toxicol.1996,79,161〜165に
よって記載されており、ただし、MSH−受容体は哺乳動物またはヒト起源のい
ずれの天然または非天然細胞系にも存在できるものとする。さらに、MSH−受
容体の定義によると、[125I]NDP−MSH結合はアッセイ手法の間に0.
1μMから10μMまでのあいだのα−MSHの存在によって大いに妨げること
ができる。
【0102】 この意味では、マウスRAW264.7マクロファージ細胞に言及する場合は
常に、RAW264.7マクロファージ細胞はMSH−受容体を保有する哺乳動
物またはヒト起源のいずれかの他の細胞と交換でき、そのNO生産はこの意味を
変更することなく、α−MSHの添加によって阻害される。
【0103】 本発明によるとくに好ましい化合物は、構造式(1)、(2)、(3)、(4
)のうちの1つまたはいくつかからなり、そのため、高MC1/MC3−選択性
、高MC1/MC4−選択性、高MC1/MC5−選択性およびMC1−受容体
に対する高い親和性の群から選択される特性のうち1つ、好ましくは2つ、より
好ましくは3つ、最も好ましくは4つが組み合わされる。さらに、本発明のさら
に好ましい化合物は、該特性が二次メッセンジャーcAMPを刺激する高い能力
と組み合わされるものである。
【0104】 用語「MC1受容体に対する高い選択性」とは、この意味で、高MC1/MC
3−選択性、高MC1/MC4−選択性、高MC1/MC5−選択性の群から選
択される特性の3つ、より好ましくは2つ、最も好ましくは1つを化合物が示す
ことを意図する。
【0105】 しかしながら、本発明による非常に好ましい化合物は、構造式(1)、(2)
、(3)、(4)のうちの1つまたはいくつかからなり、その化合物はNO生産
の効果的な阻害剤でもある。
【0106】 顕著な陽性処理効果は、MS05のBALB/Cマウスへの投与に際して見ら
れた。動物を2,4−ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)の注射によって感
作した。まず、30μLの0.5%DNFBをマウスの剃った腹部に投与し、4
日後、10μLの0.3%DNFBを1つの足にテストし、もう1つの足はテス
トせず、コントロールとして供した。0.9%生理食塩水中のMS05の溶液を
用いて感作2時間前にMS05を腹腔内投与し、ついで、同一用量を4連続日腹
腔内投与し、MS05の各用量は0.05、0.25、0.37、0.5および
0.75mg/kgに達した。MS05でのこれらの処理は、同一DNFB投与
に付したが、MS05を与えなかった動物と比較して、各々、3、5、12、3
9および10%だけ足の浮腫を阻害することが判明した。さらに、これらのテス
トにおいて、DNFBは全血液白血球数の顕著な増加ならびに血液の顆粒球数の
顕著な増加を誘導し、全白血球細胞数および顆粒球数の増加はMS05処理によ
って本質的に正常化され、最良の効果はMS05の0.5mg/kgの毎日の腹
腔内投与で観察された。また、DNFB投与は血液中のリンパ球/単球の数を増
加させ、これは、MS05の投与に際して正常レベルまで本質的に回復した。ま
た、血液血小板数はDNFB処理動物で増加した;該増加はMS05の投与によ
って正常に向かって回復した。BALB/cマウスの耳のDNFB感作によって
誘導された浮腫の同様の減少は、0.9%生理食塩水中のMS05およびMS0
9の溶液を用いる、MS05またはMS09いずれかの動物への静脈内注射に際
して観察された。かくして、これらの結果は、本発明の化合物が、ハプテンによ
る接触過敏症、感作を妨げ、改善しおよび/もしくは阻害し、ならびに/または
浮腫に対する陽性処理効果を有することを示す。さらに、これらの結果は、本発
明の化合物が血液細胞数を正常化できることを示す。従って、本発明の化合物は
さらなる意味で免疫変調性である。さらに、これらの結果は、医薬の形態で投与
されるべき本発明の化合物の能力を証明する。
【0107】 さらなるテストにおいて、MS05またはMS09をイン ビトロにてヒト微
小血管内皮細胞(HMEC−1細胞;Department of Health & Human Services,
Centres for Disease Control and Prevention, Atlanta, GA30333,USA)に投
与した。HMEC−1細胞は、TNFα(10ng/mL)の投与に際して、接
着分子ICAM−1、VCAMおよびE−セレクチンについてのmRNAのアッ
プレギュレーションされた発現で、ならびにICAM−1、VCAMおよびE−
セレクチンタンパク質のアップレギュレーションによって応答した。MS05ま
たはMS09の投与(MS05およびMS09の好ましい濃度は0.01nMか
ら10μM内であり、MS05またはMS09と細胞と接触させるための好まし
い時間は3〜48時間である)は、接着分子ICAM−1、VCAMおよびE−
セレクチンについてのmRNAのアップレギュレーションされる発現の阻害、な
らびにICAM−1、VCAMおよびE−セレクチンタンパク質のアップレギュ
レーションの阻害に導いた。これらの結果は、本発明の化合物能力が免疫変調性
であり、血管系に関連する炎症の治療で有用であること、例えば、脈管炎で陽性
の治療効果を有することを示す。これに関連して、ICAM−1は細胞内接着分
子タイプ1を意図し、VCAMとは、血管接着分子を意図し、E−セレクチンと
は、内皮セレクチンを意図する(Sluiterら, J. Cardiovasc. Pharmaol.1993,22
Suppl 4:S37-44;Elangbamら Wt.Pathol.1997 Jan,34(1):61-73)。
【0108】 本発明の化合物は、動物、とくに哺乳動物において予防的処置を含めた病気お
よび障害および/または病理学的状態の治療および診断で使用することができる
が、それらはヒトにおいてこれらの目的で最も好ましく使用される。さらに、本
発明の化合物は、その生理学的状態を変化させるために健康な個体においておよ
び健康な動物において使用することもできる。
【0109】 かかる治療および診断において、本発明の化合物は、さらに、薬学的に許容さ
れる担体ならびに任意により錠剤化剤、湿潤剤、結合剤および充填剤、抗酸化剤
および抗微生物剤のごとき保存剤、緩衝剤および塩を含む医薬組成物の形態で投
与される。好ましい担体は注射媒体、とくに水を含む。該組成物は経口、腸、直
腸および非経口経路を含めたいずれかの通常の経路によって投与される。非経口
経路は静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内注射を含む。本発明の化合物は鼻孔ス
プレイのような吸入によって、および皮膚に局所的に投与することもできる。そ
れらは、硬膜、鞘内および脳心室内投与することもできる。
【0110】 とくに、薬理学的に効果的な量の本発明の化合物を含有する医薬組成物は、と
くにMC1−受容体の刺激によって正に影響される、あるいはMC1−受容体の
遮断によって、および/またはダウンレギュレーションによって、および/また
は脱感作によって正に影響される状態にある生理学的状態の改変、診断、予防ま
たは治療的処置のために、動物、とくにヒトに投与される。かかる状態の例はい
ずれかのタイプおよびいずれかの起源の炎症を含む。とくにそれにつき炎症また
はいずれかの関連状態ならびにマクロファージ、好中球、単球、ケラチノサイト
、繊維芽細胞、メラノサイト、色素細胞および内皮細胞の作用を含めた状態を意
図する。さらに、インターロイキン、とくにインターロイキン1(IL−1)、
インターロイキン6(IL−6)、および腫瘍壊死因子α(TNF−α)のごと
き炎症性サイトカインの増大した生産および/または放出によって引き起こされ
たまたはそれらに関連する状態が含まれる。かくして、本発明の化合物はヒト、
哺乳動物および動物における免疫変調性治療で有用である。また、酸化窒素(N
O)の増大した生産ならびに酸化窒素シンターゼ(NOS)のアップレギュレー
ションされた活性に関連する状態も意図する。さらに、本発明の化合物は精巣お
よび卵巣に関連する疾患を治療するのに有用である。
【0111】 本明細書においては、「増大した生産」とは、健康な個体における当該内因性
化合物の含有量と比較して、患者における内因性化合物の局所的、領域的または
全身的に増大した形成、増大した放出、または増大した含有量をいう。本明細書
では、「アップレギュレーションされた」とは、健康な個体におけるそれと比較
した化合物の増大した活性または含有量をいう。
【0112】 本明細書では、「減少した生産」とは、健康な個体における当該内因性化合物
の含有量と比較して、患者における該内因性化合物の減少した形成、減少した放
出、または減少した含有量をいう。本明細書では、「ダウンレギュレーションさ
れた」とは、健康な個体におけるそれと比較した化合物の減少した活性または含
有量をいう。
【0113】 とくに、陽性治療効果または予防的効果は、炎症または炎症様疾患が以下の1
またはそれ以上によって引き起こされたまたはそれに関連する疾患で見られる。
アレルギー、過敏症、細菌感染、ウイルス感染、毒性剤によって引き起こされた
炎症、発熱、自己免疫疾患、UV−放射、X−線放射、γ−放射、α−もしくは
β−粒子、日焼け、温度上昇、機械的負傷を含める原因によって引き起こされた
放射損傷。さらに、任意により続いて低酸素症領域への再酸素付与(reoxygenat
ion)による低酸素症のための炎症は、典型的には、続いてひどい炎症が起こり
、この疾患は本発明の化合物での治療によって正に影響される。
【0114】 本発明の非常に具体的な実施態様において、本発明の化合物は、炎症成分を有
する皮膚病を含めた、いずれかの器官の(真皮および表皮を含めた)皮膚の炎症
病の予防または治療的処置のために投与される。本発明のこの実施態様の具体的
な例は、皮膚の接触皮膚炎、皮膚の日焼け、いずれかの原因の火傷、および化学
剤によって引き起こされた皮膚の炎症、乾癬、脈管炎、壊疽性膿皮症、円盤状紅
斑性狼瘡、湿疹、掌蹠膿疱症、尋常性フェンフィガス(phemphigus vulgaris)
の治療を含む。
【0115】 また、炎症成分を有する腹部病を含めた腹部における炎症病の治療のための本
発明の化合物の投与は本発明に含まれる。本発明の化合物でのかかる病気の治療
の具体的例は、未知の原因のものを含む胃炎、悪性胃炎(萎縮性胃炎)、潰瘍性
大腸炎(大腸炎潰瘍)、クローン病、全身性硬化症、十二指腸潰瘍、小児脂肪便
症、食道炎および胃潰瘍である。
【0116】 また、自己免疫的性質のもの、および一般的性質の他の炎症性病気を含めた、
全身または全身性および/もしくは局所的免疫病の治療のための本発明の化合物
の投与も本発明に含まれる。具体的例は慢性関節リウマチ、乾癬性関節炎、全身
性硬化症、リウマチ性多発性筋痛、ヴェーゲナー内芽腫症、サルコイドーシス、
好酸球性筋膜炎、反応性関節炎、ベクテリエフ病、全身性紅斑性狼瘡、側頭動脈
炎、ベーチェット病、バーガー疾病(morbus Burger)、グッドパスチャー症候
群、好酸球性肉芽腫、筋線維痛(fibromyalgia)、筋炎、および複合化結合組織
病を含む。また、それには未知起源の関節炎を含めた関節炎も含まれる。
【0117】 さらに、炎症に関連した末梢および中枢神経系の病気の治療のための本発明の
化合物の投与が本発明に含まれる。脳脈管炎、多発性硬化症、自己免疫性眼球炎
、多発性神経障害の治療が本発明のこの態様に含まれる。また、アポトーシス細
胞死滅を防止するための中枢神経系の炎症の治療のための本発明の化合物の投与
も本発明に含まれる。さらに、本発明の化合物は神経再生を誘導する明らかな能
力を示すので、この領域における細胞の損傷を含めた中枢神経系病で陽性治療効
果がしばしば見られる。また、本発明のこの態様は、中枢神経系に対する外傷負
傷、脳浮腫、多発性硬化症、アルツハイマー病、中枢神経系における細菌性およ
びウイルス性乾癬、発作、および中枢神経系における出血の治療を含む。
【0118】 また、炎症に関連した眼および涙腺の病気の治療のための本発明の化合物の投
与も本発明に含まれる。かかる病気の具体的例は前および後ブドウ膜炎、網膜脈
管炎、網膜血管炎、視神経炎、ヴェーゲナー筋芽腫症、シェーグレン症候群、上
強膜炎、強膜炎、眼の疾患のサルコイドーシスおよび眼の疾患の多発性軟骨炎を
含む。
【0119】 また、炎症に関連する耳の病気の治療のための本発明の化合物の投与も本発明
に含まれ、その具体的例は耳の疾患の多発性軟骨炎および外耳炎を含む。
【0120】 また、炎症に関連する鼻の病気の治療のための本発明の化合物の投与も本発明
に含まれ、その具体的例はサルコイドーシス、多発性軟骨炎および鼻の正中線肉
芽腫である。
【0121】 また、口、咽頭および唾液腺の炎症に関連した病気の治療のための本発明の化
合物の投与も本発明に含まれる。具体的例はこれらの領域におけるヴェーゲナー
筋芽腫症、正中線肉芽腫、シェーグレン症候群および多発性軟骨炎を含む。
【0122】 また、肺における炎症に関連した病気の治療のための本発明の化合物の投与も
本発明に含まれる。具体的例は特発性肺胞炎、原発性肺高血圧、気管支炎、慢性
気管支炎、サルコイドーシス、炎症全身病における肺胞炎、炎症全身性病気にお
ける肺高血圧、ヴェーゲナー芽腫症およびグッドパスチャー症候群を含む。
【0123】 また、心臓の炎症の関連した病気の治療のための本発明の化合物の投与も本発
明に含まれる。具体的例は心外膜炎、特発性心外膜炎、筋炎、高安動脈炎、川崎
病、冠動脈脈管炎、炎症全身性病気における心膜炎、炎症全身性病気における筋
炎、心内膜炎および炎症全身性病気における心内膜炎を含む。
【0124】 また、肝臓の炎症に関連した病気の治療のための本発明の化合物の投与も本発
明に含まれる。具体的例は肝炎、慢性活動的肝炎、胆汁性肝硬変、毒性剤による
肝障害、インターフェロン誘導肝炎、ウイルス感染によって誘導された肝炎、無
酸素症によって誘導された肝障害、機械的外傷によって引き起こされた肝障害の
治療を含む。
【0125】 また、膵臓の炎症に関連する病気の治療のための本発明の化合物の投与も本発
明に含まれる。具体的例は糖尿病、急性膵炎、慢性膵炎の治療(および予防)を
含む。
【0126】 また、甲状腺の炎症に関連する病気の治療のための本発明の化合物の投与も本
発明に含まれる。本発明のこれらの実施態様の具体的例は甲状腺炎、自己免疫性
甲状腺炎および橋本甲状腺炎を含む。
【0127】 また、腎臓の炎症に関連する病気の治療のための本発明の化合物の投与も本発
明に含まれる。具体例は糸球体腎炎、全身性紅斑狼瘡における糸球体腎炎、結節
性動脈周囲炎、ヴェーゲナー肉芽腫、グッドパスチャー症候群、HLAb27関
連病、IgA腎炎(IgA=免疫グロブリンA)、腎盂腎炎、慢性腎盂腎炎およ
び間質性腎炎を含む。
【0128】 また、関節の炎症に関連した病気の治療のための本発明の化合物の投与も本発
明に含まれる。具体的例はベーチット病、乾癬性関節炎、慢性関節リウマチ、大
腸潰瘍における関節炎、クローン病における関節炎、全身性紅斑狼瘡における関
節の障害、全身性硬化症、混合結合組織病、反応性関節炎、ライター症候群を含
む。さらに、いずれかの関節の関節症、とくに指関節、膝および腰の関節症の治
療は本発明のこの具体例に含まれる。
【0129】 また、血管の炎症に関連する病気の治療のための本発明の化合物の投与も本発
明に含まれる。具体的例は側頭筋動脈炎、結節性動脈周囲炎、動脈硬化症、高安
動脈炎、川崎病を含む。動脈硬化症に対する保護およびその予防を供する本発明
の化合物の能力はとくに有利である。これは、部分的には、内皮細胞および血管
壁の酸化された低密度リポタンパク質の作用によって引き起こされた誘導性酸化
窒素シンターゼ(iNOS)の誘導を防止する本発明の化合物の能力による。
【0130】 また、血液細胞および血液細胞形成器官(例えば、骨髄およびリンパ組織)の
疾患である(薬物過敏症を含めた)薬物誘導過敏症の治療を含む、血液およびリ
ンパ系の薬物誘導障害の治療のための本発明の化合物の投与も、本発明に含まれ
る。本発明のこの態様の具体的実施態様は貧血、顆粒球減少症、血小板減少症、
白血球減少症、再生不能貧血、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少症
および自己免疫性顆粒球減少症を含む。
【0131】 また、本発明の化合物は即時性アレルギー障害(I型アレルギー)の治療のた
めに投与することもできる。アナフィラキシー反応、アナフィラキシー様反応、
喘息、アレルギー型の喘息、未知の原因による喘息、鼻炎、枯草熱および花粉ア
レルギーの治療は本発明のこの具体例に含まれる。
【0132】 また、いずれかの起源の感染に関連する炎症の治療のための本発明の化合物の
投与も本発明に含まれる。具体的例はウイルス、細菌、蠕虫および原虫によって
引き起こされた感染に二次的な炎症の治療を含む。
【0133】 また、外傷およびいずれかの原因の組織損傷に関連する炎症の治療のための本
発明の化合物の投与も本発明に含まれる。
【0134】 表皮細胞における色素形成を刺激する本発明の化合物の能力のため、本発明の
化合物は、美容的理由のための、白斑または皮膚の色の暗色化が所望される任意
の疾患の治療のための皮膚日焼け(skin tanning)の誘導に有用である。さらに
、皮膚の細胞における色素形成を阻害する本発明の化合物の能力のため、それら
は美容的理由でのより明るい皮膚の色を誘導するために、または皮膚のより明る
い色が所望されるいずれかの疾患の間でも有用である。
【0135】 また、本発明の化合物は二次メッセンジャー要素cAMPの形成を誘導するの
にも有用である。とくに、環状アデノシン3’,6’−一リン酸(cAMP)の
かかる形成は、生きた生物、とくにヒトに投与した場合、本発明の化合物の特異
的薬理効果を誘導するのに所望される。しかしながら、cAMP形成の誘導は、
例えば分析または診断目的のために、イン ビトロにて細胞または破砕細胞系に
おいて大きな価値があり得る。本発明のこの態様の具体的実施態様は、実施例3
に掲げる。
【0136】 また、本発明の化合物は、二次メッセンジャー要素cAMPのイン ビボ形成
を阻害するのにも有用である。かかる阻害は、例えば分析および診断目的のため
に、イン ビトロにて細胞または破砕細胞系で使用することもできる。
【0137】 本発明の化合物は、化合物の性質、所望の治療効果および投与経路に応じて、
0.001mg/日/kg体重から1000mg/日/kg体重まで変化し得る
薬理学的に効果的な量で投与される。しかしながら、もし局所投与されれば、よ
り少ない量で効果的であり得る。本発明の化合物は低い毒性を有し、よく寛容さ
れる。
【0138】 分析および診断目的のために、本発明の化合物は、放射性標識を含めた放射性
形態で使用することができる。とくに、それらは放射性ヨウ素もしくはトリチウ
ム、またはいずれかの他の適当な放射性核種を取り込むように製造することがで
きる。かかる放射性標識化合物は、MC1−受容体の定量のために、メラノコル
チン受容体の特定のサブタイプと競合する薬物の解離定数(KisまたはKds)の
分析のために、および、例えば受容体オートラジオグラフィー技術の使用によっ
て、組織および組織セクションにおけるMC1−受容体の位置決定のために放射
性リガンド結合で使用することができる。放射性リガンド結合および受容体オー
トラジオグラフィーの原理は当該分野でよく知られている。あるいはまた、本発
明の化合物は、各化合物、例えば蛍光標識、ビオチン、酵素、の検出を可能とす
る標識のいずれかの他のタイプで標識することができ、得られた化合物は対応す
る放射性標識化合物として同一目的で使用することができる。また、本発明の化
合物はγ−線、光量子線(light photon)の放射のような二次的プロセスによっ
て、または生化学的プロセスによって活性化される他の標識で標識することもで
き、該目的は本発明の標識化合物が位置する組織の標的細胞における変化を引き
起こすことである。かかる変化は生存率に影響し、化合物が投与された生物にお
ける細胞または組織を運命付けるのに有用であり得る。
【0139】 本発明の化合物に、光、とくにUV光によって活性化することができる基を設
けることもでき、該目的は光親和性標識技術の使用によってMC−1受容体の共
有結合標識で有用な化合物を得ることにある。光親和性標識は当該分野でよく知
られた技術であり、ここに、この意味はMC1−受容体の構造およびトポロジー
体制を解明するのに有用である。また、本発明の化合物のかかる光活性誘導体も
また本発明の一部である。また、本発明の化合物の光活性誘導体は、例えば放射
性原子、蛍光基またはビオチンのごとき基または標識を取り込み、容易に検出で
きる。(光親和性標識の点についてのさらなる詳細については、Leeb-Lundberg
ら、J. Biol. Hem.1984,259,2579およびScinonelli&Eberle FEBS
Lett.1978,226,134参照)。
【0140】 また、本発明の化合物はガンマまたはポジトロン放射アイソトープで標識する
こともできる。かくして標識された化合物は、ヒトを含めた動物に全身または局
所投与することができる。MC1−受容体に選択的に結合する本発明の放射性化
合物の能力によって、特異的MC−受容体サブタイプのイン ビボ結合のイメー
ジングは、シンチグラフィー、ポジトロン放出断層撮影法(PET)または単一
光量子放射コンピューター断層撮影法(single photon emission computed tomo
graphy)(SPECT)のごとき当該分野でよく知られた技術によって得ること
ができる。かかる方法をも用いることによって、動物またはヒト対象の組織にお
けるMC1−受容体の分布および/または数についての情報を得ることができる
。メラノーマ細胞はMC1−受容体で豊富であることが知られているので、この
情報は病気の診断、とくに悪性メラノーマの診断で価値がある。さらに、非常に
同一の技術を、悪性細胞がMC1−受容体を含有するいずれかの他の悪性疾患の
治療で使用することができる。後者の例は卵巣または精巣に由来する癌である。
本発明の化合物に直接的に適用できるこの技術の一般的例については、Baguttら 1994参照。
【0141】 さらに、本発明の化合物は毒性剤でタグを付すこともでき、悪性メラノーマ細
胞またはMC1−受容体を担持する他の細胞(例えば、卵巣または精巣に由来す
る悪性細胞)へのトキシンの標的化送達で使用できる。これに関連して、「タグ
を付される」とは、本発明の化合物がトキシン、例えば、リシン、ドキソルビシ
ンおよびジフテリアトキシンに共有結合または非共有結合することを意味する。
MC1−受容体に対する本発明の化合物の高い親和性および選択性によって、M
C1−受容体担持細胞(例えば、メラノーマ細胞)へのトキシンの特異的送達が
達成され、悪性細胞増殖が選択的に阻害され、悪性細胞の死滅さえ含まれる。こ
のアプローチで使用される原理は当該分野でよく知られている(Murphyら、19
86,Tatroら、1992,O'Hareら、1993)。また、本発明の化合物は内
因性免疫系を活性化することができる化合物でタグを付すことができる。本発明
の化合物および免疫系活性化化合物のこのように形成されたハイブリッドは、悪
性メラノーマまたはMC1−受容体発現病気状態の治療で使用することができる
。本発明の化合物を含有するハイブリッド分子の一部は、一方では、(一次腫瘍
および転移を含めた)悪性メラノーマ細胞のMC1−受容体、ならびにMC1−
受容体担持悪性腫瘍細胞に結合し、他方、免疫系活性化成分は腫瘍細胞に向けら
れた免疫応答をひきおこすであろう。この変化は腫瘍細胞増殖の阻害および結果
として腫瘍細胞死滅を導く。かかる「二重特異性」ハイブリッド化合物の典型的
な例は本発明の化合物[すなわち、式(1)、(2)、(3)または(4)によ
る化合物]とT−細胞抗原に結合できる化合物との間のハイブリッドである。典
型的には、ハイブリッド化合物のT−細胞抗原結合化合物は、T−細胞抗原CD
3に向けられた抗体である。この場合の抗体は好ましくはモノクローナル抗体で
ある。かく形成されたハイブリッド化合物は、細胞毒性細胞を悪性メラノーマ細
胞またはMC1−受容体担持悪性細胞に向け、腫瘍増殖を阻害する。本発明の化
合物は共有結合または非共有結合によって化学的に抗体に付着させることができ
る。また、ハイブリッド化合物は、本発明の化合物に対応するペプチドをコード
するDNA配列と適当なタンパク質をコードする他のDNAとを一体化させるこ
とによって遺伝子工学によって製造することができる。かくして、本発明の化合
物のペプチド配列は、例えば抗体、ハイブリッド抗体、抗体の一部を含有するハ
イブリッド分子、または抗体様タンパク質を構成するより長いペプチド配列に取
り込まれるようになる。さらに、ハイブリッド化合物は本発明の化合物の1つま
たはいくつかのコピーを含有することができるのが認識される。MC1−受容体
結合部位のいくつかのコピーが本発明のハイブリッド化合物に取り込まれる場合
、かく形成されたハイブリッドはMC1−受容体に対する増大した親和性を示す
であろう。これはMC1−受容体関連悪性病の治療で有利である。前記されたこ
とに沿って、従って、本発明は本発明の化合物の1つまたはいくつかのコピーを
もう1つの分子と一体化させたハイブリッド化合物を含む。前記アプローチを用
いる免疫療法の根底の一般的原理については、Riedleら1998,Mukherjiら1
995,Canevariら,1995およびThielemans 1995参照。これらのアプ
ローチおよび方法は、前記で概説したアプローチを使用することによって、MC
1−受容体発現悪性疾患を標的化するために採用することができる。
【0142】 本発明の化合物は、動物、とくにヒトにおいて、病気、障害および/または病
理学的状態の治療および診断で使用することができる。
【0143】 本発明の化合物は適当な薬物送達系によって身体の好ましい部位に到達するこ
とができる。例えば、本発明の化合物は担体分子に結合させてそれを親油性とす
ることができる(例えば、Toth,1:Drug Targeting, 1994, 2, 217-239;Patelら
,Bioconjugate Chem 1997, 8, 434-411参照)。身体中の所望の部位に対し本発
明の化合物を送達するのに有用な他の技術は、ベクター媒介担体系である(例え
ば、Pardridge, WM:Pharmacol Toxicol 1992, 71, 3-10;Saito, Yら:Proc. Nat
l. Acad. Sci.USA 1995, 92, 10227-10231;Wu, DおよびPardridge, WM:J. Phar
macol. Exp. Ther.1996, 279, 77-83参照)。本発明の化合物で有用な薬物送達
技術のさらに他の例は、本発明の化合物と、生物学的バリアーを介して輸送され
ることができる活性分子との複合を含む(例えば、Zlokovic, BV:Pharmaceutica
l Research 1995,12,1395-1405参照)。具体的な例は、脳血液関門を横切っての
輸送を達成するためのインスリンの断片への本発明の化合物の結合を構成する(
Fukuta,M.ら,Pharmaceutical Res. 1994, 11, 1681-1686)。本発明の化合物で
原理的に有用な、およびそれに適用できる他の例は、Prokai-Tatrai, K.ら;J.M
ed.Chem. 1996, 39, 4775-4782およびMamai, Iら:J. Pharmacol.Exp.Ther. 1997
,280,410-415)にみられる。本発明の化合物で適当な薬物送達のための技術の一
般的総説については、Zlokovic, B.V: Pharmaceutical Res.1995, 12, 1395-140
6およびPardrige, W.M:Pharmacol. Toxicol.1992, 71, 3-10参照。
【0144】 また、本発明は、動物またはヒトへの投与に際して、本発明の化合物に変換さ
れるプロドラッグに関する。本発明の化合物のプロドラッグは本発明の化合物に
つきその特許で記載されているごとき同一目的で使用することができ、ならびに
後記する実施例で開示される。
【0145】 本発明の化合物はペプチダーゼおよび/またはプロテアーゼ阻害剤と一緒に投
与して本発明の化合物の分解を防止しまたは遅延させることができ、それにより
、経口投与された場合に、身体での薬理作用のその持続ならびに胃腸管でのその
安定性を延長する。本発明の化合物と一緒に投与することができるペプチダーゼ
/プロテアーゼ阻害剤は、好ましくは、例えば、カプトプリル(D−3−メルカ
プトメチル−プロピオニル−L−プロリン)、エナプラプリル、ホスホルアミド
ン、アマスタチンのごときアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE−阻害剤)
の群から選択される。
【0146】 本発明の化合物はいずれかの目的とする構造を有する他の分子の1つまたはい
くつかに共有結合または非共有結合させることができ;かくして形成された修飾
された化合物または複合体は本発明の化合物につきこの特許で記載されたのと同
一の目的で使用することができ、ならびに以下にあげた実施例に開示されている
。本発明のとくに重要な実施態様において、放射活性標識分子は本発明の化合物
に共有結合されて、本発明の化合物を放射活性標識化する。
【0147】 以下において、多数の好ましい実施態様を参照することによって非常に詳細に
本発明を記載するが、これは例示目的で掲げるものであり、断じて本発明を限定
すると考えられるべきではない。
【0148】 略語 以下の実施例で使用される略語: Fmoc=9−フルオレニルメトキシシカルボニル DMF=N,N−ジメチルホルムアミド Fmoc−Val−OPfp=9−フルオレニルメトキシカルボニル−L−バリ
ンペンタフルオロフェニルエステル HOAt=1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール Fmoc−Pro−OPfp=9−フルオレニルメトキシカルボニル−L−プロ
リンペンタフルオロフェニルエステル Fmoc−Lys(Boc)−OPfp=α−9−フルオレニルメトキシカルボ
ニル−ε−tert−ブチルオキシカルボニル−L−リジンペンタフルオロフェ
ニルエステル Fmoc−Gly−OPfp=9−フルオレニルメトキシカルボニル−グリシン
ペンタフルオロフェニルエステル Fmoc−Trp(Boc)−OH=9−フルオレニルメトキシカルボニル−(
in−tert−ブチルオキシカルボニル)−L−トリプトファン HATU=O−(7−アザべンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3,
−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート DIEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン Fmoc−Arg(Pbf)−OH=9−フルオレニルメトキシカルボニル−(
g−2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニ
ル)−L−アルギニン Fmoc−Phe−OPfp=9−フルオレニルメトキシカルボニル−L−フェ
ニルアラニンペンタフルオロフェニルエステル Fmoc−His(Trt)−OH=9−フルオレニルメトキシカルボニル−N im −トリチル−L−ヒスチジン Fmoc−Ser(But)−OH=9−フルオレニルメトキシカルボニル−O
−tert−ブチル−L−セリン Fmoc−Ile−OPfp=9−フルオレニルメトキシカルボニル−L−イソ
ロイシンペンタフルオロフェニルエステル Ac=アセチル dPhe=D−フェニルアラニン dSer=D−セリン NMeSer=N−メチル−L−セリン NMeVal=N−メチル−L−バリン NMedPhe=n−メチル−D−フェニルアラニン PyAOP=O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−トリス(ピロリ
ジノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート TFFH=テトラメチルフルオロホルマミジニウムヘキサフルオロホスフェート
NDP−MSH=[Nle4.D−Phe7]α−MSH
【0149】 実施例1:1 L−セリル−L−セリル−L−イソロイシル−L−イソロイシル−L−セリル
−L−ヒスチジル−L−フェニルアラニル−L−アルギニル−L−トリプトファ
ニル−グリシル−L−リジル−L−プロリル−L−バリナミド(MS05)(配
列番号:1)の合成 MS05ペプチド(Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Ph
e−Arg−Trp−Gly−Lys−Pro−Val−NH2)(配列番号:
1)をPerSeptive Biosystems UK 社製 パイオニアペプチド合成システム
(pioneer peptide synthesis system)を用いた固体支持体上で会合させた。
【0150】 開始サイクルは以下のようであった。ポリエチレン−グラフト−ポリスチレン
支持体(Fmoc−PAL−PEG−PS、容量0.2mmol/g)に接着さ
せた100mg(0.02mmol)の[5−(4−Fmoc−アミノメチル−
3,5−ジメトキシ)吉草酸をペプチド合成カラムにいれた。ついでFmoc基
をDMF中の20%ピペリジンで5分間処理して取り除き、ついでDMFにて支
持体を洗浄した。
【0151】 開始サイクル完了ののち、樹脂を繰り返しアミノ酸結合サイクルにかけた。そ
れぞれのサイクルは、4ml DMFに溶解させた好ましい試薬(以下に記述の
ような)のカラムを通した30−90分間の循環、ついでDMFで洗浄し、0.
3MのDMF中の無水酢酸による5分間の処理、DMFでの洗浄、DMF中20
%のピペリジンによる処理、ついで再度、つぎのサイクル開始前のDMFによる
洗浄を含む。以下のような(順番に)試薬と処理時間を使って13サイクルを行
った。1)Fmoc−Val−OPfp(40mg、0.08mmol)および
HOAt(11mg、0.08mmol)(90分間)、2)Fmoc−Pro
−OPfp(40mg、0.08mmol)およびHOAt(11mg、0.0
8mmol)(60分間)、3)Fmoc−Lys(Boc)−OPfp(51
mg、0.08mmol)およびHOAt(11mg、0.08mmol)(3
0分間)、4)Fmoc−Gly−OPfp(37mg、0.08mmol)お
よびHOAt(11mg、0.08mmol)(30分間)、5)Fmoc−T
rp(Boc)−OH(42mg、0.08mmol)、HATU(30mg、
0.08mmol)およびDIEA(0.068ml、0.4mmol)(30
分間)、6)Fmoc−Arg(Pbf)−OH(52mg、0.08mmol
)、HATU(30mg、0.08mmol)およびDIEA(0.068ml
、0.4mmol)(90分間)、7)Fmoc−Phe−OPfp(44mg
、0.08mmol)およびHOAt(11mg、0.08mmol)(60分
間)、8)Fmoc−His(Trt)−OH(50mg、0.08mmol)
、HATU(30.0mg、0.08mmol)およびDIEA(0.068m
l、0.4mmol)(30分間)、9)Fmoc−Ser(tBu)−OH(
31mg、0.08mmol)、HATU(30.0mg、0.08mmol)
およびDIEA(0.068ml、0.4mmol)(30分間)、10)Fm
oc−Ile−OPfp(42mg、0.08mmol)およびHOAt(11
mg、0.08mmol)(90分間)、11)Fmoc−Ile−OPfp(
42mg、0.08mmol)およびHOAt(11mg、0.08mmol)
(90分間)、12)Fmoc−Ser(tBu)−OH(31mg、0.08
mmol)、HATU(30.0mg、0.08mmol)およびDIEA(0
.068ml、0.4mmol)(60分間)、13)Fmoc−Ser(tB
u)−OH(31mg、0.08mmol)、HATU(30.0mg、0.0
8mmol)およびDIEA(0.068ml、0.4mmol)(30分間)
【0152】 最後のサイクルの後、支持体をDMFで洗浄し、続けてメタノールおよび塩化
メチレンでの洗浄と減圧下での乾燥を行った。乾燥させた樹脂を2.5mlの脱
保護混合液(トリフルオロ酢酸−フェノール−アニソール−1,2−エタンジチ
オール−水、82:2:2:2:2)で3時間室温にて処理した。これを濾過し
、フィルター上でトリフルオロ酢酸を用いて洗浄し、濾液を集め、室温で減圧下
にて濃縮した。乾燥エーテルを加え、形成した沈殿物を濾過して除き、エーテル
でフィルタ上で洗浄し、ついでKOH上減圧下で乾燥させた。収量31mg。H
PLCデータ(2×250mmカラム、ヴィダック アールピー(Vydac
RP)社製、C18、90A、201HS1010):K’(主生成物)=3.
50(19%アセトニトリル水溶液+0.1%トリフルオロ酢酸、220nmに
て検出)。未処理の生成物を60%MeCN水溶液1mlに溶解させ、溶液を3
つの部分に分け、遠心管に入れ、ついでそれらそれぞれを0.1%水性トリフル
オロ酢酸で1.5ml容量まで希釈した。遠心し、透明の溶液を半予備(semipr
eparative)HPLC(10×250mmカラム、ヴィダック アールピーC1
8、90A、201HS1010、溶出−19%アセトニトリル水溶液+0.1
%トリフルオロ酢酸、検出220nm)に使用した。主要ピークを含む画分をた
め、凍結乾燥した。白色粉末が形成された。MS−05のトリフルオロ酢酸塩の
収量は13.2mg(33%)であった。Rf0.28(1−ブタノール−ピリ
ジン−酢酸−水、4:1:1:2)。質量分析データ:m/e=1514.3。
【0153】 実施例1:2 Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−dPhe−Arg−Tr
p−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−09)(配列番号:2)
テトラトリフルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行った。収
率36%。Rf0.56。K’2.0(0.1%TFA中21%MeCN)。m
/e 1512.9。
【0154】 実施例1:3 Tyr−Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg
−Trp−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−30)(配列番号
:3)テトラトリフルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行っ
た。収率33%。Rf0.79。K’4.4(0.1%TFA中8.4%MeC
N)。m/e 1675.9。
【0155】 実施例1:4 Tyr−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp
−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−31)(配列番号:4)テ
トラトリフルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行った。収率
34%。Rf0.75。K’2.7(0.1%TFA中10.8%MeCN)。
m/e 1589.1。
【0156】 実施例1:5 Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp
−Gly−Lys−Pro−Val−Tyr−NH2(MS−32)(配列番号
:5)テトラトリフルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行っ
た。収率28%。Rf0.75。K’3.3(0.1%TFA中9.6%MeC
N)。m/e 1675.9。
【0157】 実施例1:6 Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp−Gly
−Lys−Pro−Val−NH2(MS−33)(配列番号:6)テトラトリ
フルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行った。収率26%。
f0.73。K’3.6(0.1%TFA中8.4%MeCN)。m/e 1
425.7。
【0158】 実施例1:7 Thr−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp
−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−34)(配列番号:7)テ
トラトリフルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行った。収率
52%。Rf0.72。K’2.4(0.1%TFA中10.8%MeCN)。
m/e 1527.1。
【0159】 実施例1:8 Ser−Thr−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp
−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−35)(配列番号:8)テ
トラトリフルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行った。収率
49%。Rf0.68。K’2.2(0.1%TFA中10.8%MeCN)。
m/e 1526.8。
【0160】 実施例1:9 Ser−Ser−Val−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp
−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−36)(配列番号:9)テ
トラトリフルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行った。収率
42%。Rf0.68。K’2.3(0.1%TFA中10.8%MeCN)。
m/e 1499.3。
【0161】 実施例1:10 Ser−Ser−Ile−Val−Ser−His−Phe−Arg−Trp
−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−37)(配列番号:10)
テトラトリフルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行った。収
率69%。Rf0.65。K’3.3(0.1%TFA中12.0%MeCN)
。m/e 1499.0。
【0162】 実施例1:11 Ac−Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−
Trp−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−38)(配列番号:
11)テトラトリフルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行っ
た。収率49%。Rf0.72。K’1.8(0.1%TFA中10.8%Me
CN)。m/e 1554.7。
【0163】 実施例1:12 dSer−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Tr
p−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−39)(配列番号:12
)テトラトリフルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行った。
収率44%。Rf0.69。K’2.2(0.1%TFA中12%MeCN)。
m/e 1512.4。
【0164】 実施例1:13 NMeSer−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−
Trp−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−40)(配列番号:
13)テトラトリフルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行っ
た。Fmoc−NMeSer(But)−OHを、PyAOPを用いて加えた。
収率47%。Rf0.67。K’1.7(0.1%TFA中12%MeCN)。
m/e 1526.6。
【0165】 実施例1:14 Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp
−Gly−Lys−Pro−NMeVal−NH2(MS−41)(配列番号:
14)テトラトリフルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行っ
た。Fmoc−NMeVal−OHを、TFFHを用いて加えた。収率2.5%
。Rf0.68。K’4.4(0.1%TFA中22.8%MeCN)。m/e 1527.3。
【0166】 実施例1:15 Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−NMedPhe−Arg
−Trp−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−42)(配列番号
:15)テトラトリフルオロ酢酸塩の合成を基本的に実施例1に記載のように行
った。Fmoc−NMedPhe−OHを、PyAOPを用いて加えた。収率4
0%。Rf0.70。K’2.5(0.1%TFA中10.8%MeCN)。m
/e 1527.0。
【0167】 実施例2 本発明の化合物のヒトMC−受容体への結合親和性のアッセイ 受容体クローンの発現。発現ベクターpRc/CMV(InVitrogen Corp.,U
SA)内にクローン化したヒトMC1−およびMC5−受容体DNA(Chhajlan
i and Wikberg1992;Chhajlaniら.,1993)、および発現ベクターpCM
V/neo内にクローン化したヒトMC3−およびヒトMC4−受容体DNA(
Gantzら.,1993a&b)を使用した。COS細胞を増殖させ、記載されたよ
うに(Schioetら.1995、1996b)、受容体クローンでトランスフェクト
した。トランスフェクト細胞を48時間培養した後、ペトリディッシュよりはが
し、記載されたように(Schioethら.1995、1996b)、放射性リガンド
結合に用いた。
【0168】 結合研究。トランスフェクトした細胞を結合緩衝液(アール(Earle)塩、
25mM HEPES、pH 7.0、0.2%ウシ血清アルブミンを含む最小
必須培地(Minimum Essential Medium))で洗浄し、96穴プレートに分配した
。ついで細胞をそれぞれの穴中で[125I][Nle4,D−Phe7]α−MS
Hおよび試験すべき好ましい濃度のペプチドを含む0.1ml結合緩衝液中、3
7℃にて2時間インキュベートした。インキュベーション後、プレートを氷上に
おき、細胞を0.1mlの氷冷結合緩衝液にて洗浄した。ついで細胞を0.2m
lの0.1N NaOHでプレートよりはがした。放射活性をWallac、Wizard自
動化ガンマ計数器を用いて計数した。競合データを、非線形回帰解析を用いて計
算式に入れこむことで解析した。ついでK値を、基本的にSchioethら、199
5、1996bにて記載されているように、チェンとプラソフの方程式(Cheng
and Prusoff equation)を用いることで得られたIC50値から計算した。
【0169】 結果 NDP−MSH、α−MSH、MS05およびMS09のMC1、MC3、M
C4およびMC5−受容体に対するK値を以下の表に記した。
【0170】
【表2】
【0171】 図1はMS05およびMS09のMC1およびMC3−受容体上での競合曲線
を示す。
【0172】 実施例3 本発明の化合物の、MC1−受容体を発現している細胞内の二次メッセンジャー
cAMPの生成に関する影響のアッセイ 安定細胞株の調製 ヒトMC1−受容体は先にpZeoSV(Invitrogen)(Szardeningsら,19
97)内にクローン化されている。得られたベクターを、マウスMC1−受容体
を欠損しているメラニン欠乏マウスメラノーマ細胞株B16G4F(Solcaら,1
993)の、すでに記載された(Schioethら,1997b)ようなリポソーム(C
ampbell,1995)を用いた形質転換に使用した。細胞を、10%仔ウシ胎児血
清を含むダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco's Modified Eagle's Medium)
で7%CO2下24時間培養し、300μg/mlゼオシンを含む同じ培地内に
て大きいプレートにまいた。培地を細胞巣(cell foci)が現れるまで毎4−5
日間交換した。単一巣を単離し、抗生物質選別下で増殖させた。これらの受容体
の発現および結合特性を測定し、先にヒトMC1−受容体に対しても示されてい
る(Chluba-de-Tapiaら、1996)ように、他の細胞株で発現した同じ受容体
と同一であることを確認した。
【0173】 細胞cAMPの刺激 cAMP測定のため、細胞を0.5mM EDTAを含むハンクス平衡塩を用
いて60〜80%密集接着培養物よりはがし、0.5mMのホスホジエステラー
ゼ阻害剤、3−iso−ブチル−1−メチル−キサンチン(IBMX)を含んだ
通常の増殖培地中で37℃にて30〜60分間インキュベートした。増殖培地内
の試験化合物の適当な希釈物の20μl分割量を96穴マイクロタイタープレー
トに調製し、37℃の水浴においた。刺激のために、180μlの約1.5×1
5細胞を素早くそれぞれの穴に加え、すぐに混合した。20分後、20μlの
4.4M過塩素酸を加え、混合し、数分後20μl塩基(5M KOH、1M
Tris)を添加して中和し、遠心した。
【0174】 cAMP濃度の決定 前記で得た20μlの酸処理上清を、0.01μCi[3H]cAMP(Amers
ham、1.04 TBq/mmol、1μCi/μl、製品番号、TRK304
)を含む50μl緩衝液(100mM Tris−Cl、250mM NaCl
、10mM EDTA、0.1%メルカプトエタノール、0.5mM IBMX
、pH=7.4)と混合した。(Nordstedt and Fredholm,1990によって記
載されたように調製した)1:16希釈したブタ副腎皮抽出物を含む200μの
同様の緩衝液を加え、マイクロタイタープレートを少なくとも2時間4℃でイン
キュベートした。標準曲線を同様の様式で、2μM〜0.5nMの範囲を満たす
cAMPの希釈物を用いて作成した。
【0175】 インキュベーション完了後、溶液をGF−Bグラスファイバーフィルタ(What
man)上で濾過し、素早くca.2ml氷冷洗浄緩衝液(50mM Tris−
Cl、pH=7.4)で洗浄した。フィルタ上の放射活性をシンチレーション液
の添加後に測定した。刺激実験を4回の実験で測定し、標準曲線を2回の実験で
決定した。
【0176】 MC1−受容体発現細胞でのcAMP形成におけるMS05およびMS09の試
験の結果 未処理コントロール細胞内でのcAMP含量と比較した処理したMC1−受容
体発現細胞でのcAMP形成の刺激の度合いを、10nMおよび1μMのMS0
5およびMS09で試験し、以下の表で示した。比較のために、NDP−MSH
、α−MSH、フォルスコリンおよびMS04(Szardeningsら、1997)に
よって得た刺激も表した。
【0177】
【表3】
【0178】 前記表中、(未処理コントロール細胞と比較した)刺激の比率は3つの独立し
た実験の平均±標準偏差として表した。10nMのα−MSHのcAMPの刺激
を誘導する能力のパーセント(%)で計算された、10nMの化合物のcAMP
を刺激する能力も示した。MS05およびMS09両方とも、10nMおよび1
μMの両濃度で効果的なcAMP形成の刺激剤であることが前記表から明らかで
ある。MS04ペプチドは10nMでcAMPへの効果が完全になく、1μMの
MS04がcAMP形成の刺激を誘導するために要求されることに注意すべきで
ある。MS05およびMS09共に10nMでcAMPの高い効果的な刺激剤で
ある。
【0179】 実施例4 本発明の化合物の、マウスB16メラノーマ細胞におけるメラノコルチン(MS
H)受容体への結合能の立証 細胞培養 B16マウスメラノーマ細胞(B16−F1;CR−6323、アメリカンタ
イプカルチャーコレクション(American Type Culture Collection)、1230
1 Parklawn Drive,Rockville,MD,20852)を、10%熱不活化ウシ胎
児血清、100IU ペニシリン/mlおよび100マイクログラム ストレプ
トマイシン/mlを補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;Gibco
BRL,Gaithersburg,USA,カタログ番号041−01966H)中、37
℃で95%空気および5%CO2の加湿雰囲気下で培養した。単層で増殖した細
胞を、0.5mM EDTAを含むハンクス平衡塩を用いて培養フラスコよりは
がし、低速遠心機(700×g)にて集めた。
【0180】 受容体結合研究 MSH−受容体結合についてのアッセイを、先に記載された方法(Eberleら,J
.Recept.Res.1991,11,311−322)にしたがった原理にて、基本的
に記載されている(Xiaら,Cancer Letters,1996,98,157−162)
ように行った。簡単に記すと、集めた細胞を96穴プレート内に分配した結合緩
衝液(結合緩衝液の組成は以下参照)で洗浄し、遠心によって穴の底上に沈降さ
せた。ついで、細胞を、それぞれの穴中0.1mlの結合緩衝液で37℃にて2
時間培養した。この緩衝液は、以下、イーグル塩、25mM Hepes、pH 7.4、0.2%ウシ血清アルブミン、1mM 1,10−フェナントロリン
、0.5マイクログラム ロイペプチン/mlおよび200マイクログラム バ
シトラシン/mlを含むMEM(MEM=最小必須培地、Gibco BRL、Gaith
ersburg、USA、カタログ番号041−01095H)の組成の結合緩衝液中
、37℃で[125I][Nle4、D−Phe7]α−MSH(0.2nM)、異
なる穴内に異なる濃度の試験化合物濃度を含んだ。インキュベーションの後、プ
レートを氷上におき、遠心し、細胞を0.1mlの氷上結合緩衝液で洗浄し、遠
心し、結合緩衝液を吸い出した。ついで、最終的に沈降し、洗浄した細胞を0.
2mlの0.1N NaOHにてプレートよりはがした。放射活性をワラックウ
ィザード自動ガンマ計数器(Wallac,Wizard automatic gamma counter)を用い
ることで計数した。競合データを本質的に記載されたように(Bergstrom & Wikb
erg,Acta Pharmacol.Toxicol.1986,59,270−278)質量作用コン
ピュータモデリング法によって解析した。
【0181】 結果 図2でみられるように、MS05およびMS09ペプチドの両方が、[125
]−NDP−MSHのB16メラノーマ細胞への結合の容量依存的な阻害を起こ
した。質量作用コンピュータモデリング法によるデータの解析は、MS05およ
びMS09ペプチドが単独のクラスの結合部位(すなわちB16メラノーマ細胞
MSH−受容体、言い換えれば野生型マウスMC1−受容体)で[125I]−N
DP−MSHと競合することを示した。マウスB16メラノーマ細胞MSH−受
容体に対するMS05のKは、1.00±0.11nM(平均値±SEM;n
=2)であると見積もられた。マウスB16メラノーマ細胞MSH受容体に対す
るMS09のKは、0.060±0.0035nM(平均値±SEM;n=2
)であると見積もられた。
【0182】 実施例5 本発明の化合物の、マウスB16メラノーマ細胞におけるcAMP形成の刺激を
与える能力の立証 細胞培養 B16マウスメラノーマ細胞(B16−F1;CRL−6323、アメリカン
タイプカルチャーコレクション、12301 Parklawn Drive,Rockville,MD,
20852)を、10%熱不活化ウシ胎児血清、100IU ペニシリン/mL
および100μg ストレプトマイシン/mLを補充したダルベッコ改変イーグ
ル培地(DMEM;Gibco BRL,Gaithersburg,USA,カタログ番号04
1−01966H)中、37℃で95%空気および5%CO2の加湿雰囲気下で
培養した。単層で増殖した細胞を、0.5mM EDTAを含むハンクス平衡塩
を用いて60〜80%密集接着培養物よりはがし、低速遠心機(700×g)に
て回収した。
【0183】 細胞cAMPの刺激 細胞を0.5mMのホスホジエステラーゼ阻害剤3−iso−ブチル−1−メ
チル−キサンチン(IBMX)を含んだDMEM中で37℃にて30分間インキ
ュベートした。増殖培地内の試験化合物の適当な希釈物の20μl分割量を96
穴マイクロタイタープレートに調製した。ついで、このプレートを37℃の水浴
におき、180μLの約1.5×105細胞を素早くそれぞれの穴に加え、すぐ
に混合した。20分後、20μLの4.4M過塩素酸を各穴に混合しながら加え
、数分後20μLの塩基(5M KOH、1M Tris)を各穴に添加し、そ
の後遠心して上清を集めた。
【0184】 cAMP濃度の決定 前記上清の20μLを、96マイクロタイタープレート穴中で、0.01μC
i[3H]cAMP(Amersham、1.04 TBq/mmol、1μCi/μL
、製品番号、TRK304)を含む50μL cAMPアッセイ緩衝液(100
mM Tris−Cl、250mM NaCl、10mM EDTA、0.1%
メルカプトエタノール、0.5mM IBMX、pH 7.4)と混合した。つ
いで、(Nordstedt and Fredholm,Anal.Chem,1990,189,231−23
4によって記載されたように調製した)1:16希釈したブタ副腎皮抽出物を含
む200μLのcAMPアッセイ緩衝液を各穴に加え、マイクロタイタープレー
トを少なくとも2時間4℃でインキュベートした。標準曲線を、アッセイでの最
終cAMPの濃度範囲2μM〜0.5nMを満たすcAMP標準で上清を変換す
ることにより作成した。
【0185】 インキュベーション完了後、溶液をすばやくGF−Bグラスファイバーフィル
タ(Whatman)上で濾過し、続いて2ml氷冷洗浄緩衝液(50mM Tris
−Cl、pH 7.4)でフィルタを素早く洗浄した。ついで、フィルタをシン
チレーションバイアル内におき、シンチレーションカクテルを加えた。放射活性
をβ−計数器を用いて計数した。細胞実験を4回の実験で測定し、標準曲線を2
回の実験で決定した。
【0186】 結果 マウスB16メラノーマ細胞でのcAMPレベルに関するα−MSHおよびM
S05ペプチドの試験の結果を図3に示した。図から見ることができるように、
両方のペプチドが同様の能力および効力でcAMPの顕著な増加を起こした。
【0187】 実施例6 本発明の化合物の、RAW264.7マクロファージ細胞での、メラノコルチン
(MAH)受容体への結合の能力の立証 細胞培養 RAW264.7細胞(TIB−71)をアメリカンタイプカルチャーコレク
ション、12301 Parklawn Drive,Rockville,MD,20852,USAよ
り入手し、10%熱不活化ウシ胎児血清、100IU ペニシリン/mlおよび
100μg ストレプトマイシン/mlを補充したダルベッコ改変イーグル培地
(DMEM;Gibco BRL,Gaithersburg,USA,カタログ番号041−0
1966H)中、37℃で95%空気および5%CO2の加湿雰囲気下で培養し
た。単層で増殖した細胞を培養フラスコよりはがし、低速遠心機(700×g)
にて集めた。
【0188】 受容体結合研究 MSH−受容体結合を、先に記載された方法(Eberleら、J.Recept.Res.19
91,11,311−322)にしたがった原理にて、本質的に記載されている
(Xiaら,Cancer Letters,1996,98,157−162)ように行った。簡
単に記すと、集めた細胞を洗浄し、96穴プレート内に分配し、遠心によって穴
の底上に沈降させた。ついで、イーグル塩、25mM Hepes、pH 7.
4、0.2%ウシ血清アルブミン、1mM 1,10−フェナントロリン、0.
5マイクログラム ロイペプチン/mlおよび200マイクログラム バシトラ
シン/mlを含むMEM(最小必須培地)にて、37℃にて2時間、それぞれの
穴に[125I][Nle4,D−Phe7]α−MSH(0.1nM)、37℃で
異なる穴に異なる濃度の試験化合物を含む0.1mlの結合緩衝液とともに、細
胞をインキュベーションした。インキュベーションの後、プレートを氷上におき
、遠心し、細胞を0.1mlの氷冷結合緩衝液で洗浄し、遠心し、結合緩衝液を
吸い出した。最終的に沈降し、洗浄した細胞を0.2mlの0.1N NaOH
にてプレートよりはがした。放射活性をワラックウィザード自動ガンマ計数器を
用いることで計数した。競合データを本質的に記載されたように(Bergstrom &
Wikberg,Acta Pharmacol.Toxicol.1986,59,270−278)質量作用
コンピュータモデリング法によって解析した。
【0189】 結果 図4にでみられるように、MS05ペプチドは[125I]−NDP−MSHの
マウスRAW264.7細胞への結合の容量依存的な阻害を起こした。質量作用
コンピュータモデリング法によるデータの解析は、MS05が単独のタイプの結
合部位(すなわちRAW264.7細胞MSH−受容体、言い換えればRAW2
64.7細胞の野生型マウスMC1−受容体)で[125I]−NDP−MSHと
競合することを示した。MS05の結合部位に対する解離定数(K)は1.3
5±0.61nM(平均値±SEM)であると見積もられた。
【0190】 実施例7 本発明の化合物の、マウスRAW264.7マクロファージ細胞でのcAMP形
成の刺激を与える能力の立証 RAW264.7細胞を実施例6に記載のように増殖させた。cAMPを本質
的に実施例5に記載のように決定した。α−MSHおよびMS05ペプチドに対
する結果を図5に示した。図より見られるように、両方のペプチドが同様の能力
および効力でcAMPの顕著な増加を引き起こした。
【0191】 実施例8 本発明の化合物の、マウスRAW264.7マクロファージ細胞での酸化窒素産
生を阻害する能力の立証 細胞培養 RAW264.7細胞(TIB−71)をアメリカン タイプ カルチャー
コレクション、12301 Parklawn Drive,Rockville,MD,20852,U
SAより入手し、10%熱不活化ウシ胎児血清、100IU ペニシリン/ml
および100μg ストレプトマイシン/mlを補充したダルベッコ改変イーグ
ル培地(Gibco BRL)中、37℃で95%空気および5%CO2の加湿雰囲気
下で培養した。単層で増殖した細胞を培養フラスコよりはがし、低速遠心機(7
00×g)にて集めた。
【0192】 RAW264.7細胞との本発明の化合物のインキュベーション 前記のように得られた細胞をF−12(HAM)培地(Gibco、BRL)中に
再懸濁させ、1穴あたり2.5×105細胞の密度で96穴プレート内に分配し
、100ng/mL 細菌リポ多糖(L−4391,Sigma Chemical Company,P
.O.Box 14508,St.Louis,Missouri 63178,USA)、5ユニット
/mLのマウス組換え体インターフェロンガンマ(I−5517,Sigma Chemi
cal Company、P.O.Box 14508、St.Louis,Missouri 63178、USA
)および0〜1μMの範囲の濃度の本発明の化合物とともに16時間インキュベ
ートし、そののち、培地の一部分を酸化窒素(NO)の測定のため集めた。
【0193】 酸化窒素の測定 酸化窒素を、本質的にWishnokら(Methods in Enzymology,1996,268
,130−151)の方法を用いて、亜硝酸塩産出をモニターすることで測定し
た。簡単に記すと、50μLの培養培地を50μLのグリース試薬(すなわち5
%(容量/容量)リン酸中、0.1%N−ナフチルエチレンジアミンジヒドロク
ロライドおよび1%スルファニルアミドの1:1混合物)と混合し、10分後、
吸収を540nmで測定した。亜硝酸塩の濃度を、培養液培地の代わりにアッセ
イに50μLの3から100μM の間のNaNO2を添加して作成した標準曲線
から計算した。
【0194】 結果 結果を図6に示した。この図より見ることができるように、本発明の化合物M
S05およびMS09は、α−MSHと同様にNO−産出の強い容量依存的阻害
を引き起こし、MS05およびMS09の能力および抗力はα−MSHのそれと
同様であった。このデータは、MS05およびMS09が炎症を阻害するα−M
SHの能力を共有することを示している。このことはNOが炎症の重要な構成成
分であることによる。
【0195】 [配列リストフリーテキスト] <210>1 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <210>2 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <221>MOD_RES <222>(7) <223>Dアミノ酸 <210>3 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <210>4 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <210>5 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <210>6 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <210>7 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <210>8 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <210>9 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <210>10 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <210>11 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <210>12 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <220> <221>MOD_RES <222>(1) <223>Dアミノ酸 <210>13 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <220> <221>MOD_RES <222>(1) <223>N−メチル−L−セリン <210>14 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <220> <221>MOD_RES <222>(13) <223>N−メチル−L−バリン <210>15 <223>人工配列の記述:メラノコルチン受容体−1に対して高い親和性を有
する合成ペプチド <220> <221>MOD_RES <222>(7) <223>N−メチル−D−フェニルアラニン
【0196】 [参考文献] Adan, R A H, Oosterom J, Ludviksdottir G, Brakkee J H, Burbach J P H, Gi
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【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 MC1およびMC3受容体に対するMS05およびMS09についての競合曲
線。
【図2】 MS05およびMS09による[125I]−NDP−MSHのB16メラノー
マ細胞への結合の阻害。
【図3】 α−MSHおよびMS05によるマウスB16メラノーマ細胞におけるcAM
P−形成の刺激。
【図4】 MS05によるマウスRAW 264.7細胞への[125I]−NDP−MS
Hの結合の阻害。
【図5】 α−MSHおよびMS05によるマウスRAW 264.7細胞におけるcA
MP−形成の刺激。
【図6】 α−MSH、MS05およびMS09によるマウスRAW 264.7細胞に
おける酸化窒素生産の阻害。
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月27日(2000.12.27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【化4】 式中、部分Aは任意に水素、ヒドロキシル、アルキル、アミノ酸、アミノ酸アナ
ログ、ポリペプチド、または官能基に置き換えられ、 式中部分Bは任意に水素、ヒドロキシル、アルキル、アミノ酸、アミノ酸アナロ
グ、ポリペプチド、または官能基に置き換えられ 中部分Dは任意にアミノ酸またはアミノ酸アナログに置き換えられ、 および式中部分Eは任意にアミノ酸またはアミノ酸アナログに置き換えられる請
求項1記載の化合物。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項11
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項12
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】 好ましくは、R20は−CH2X、Xはフェニルである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
【化8】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】 [式中R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R1
1およびR12はそれぞれ独立してHおよびメチルから選択され、Hが好ましく
、 また式中R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立してHおよび
アルキル、とりわけメチル、エチル、プロピル、イソプロピルから選択されるア
ルキルから選択され、式中R13の1つの水素およびR14の1つの水素は、任
意にR13とR14間の結合に置き換えられ、式中R15の1つの水素およびR
16の1つの水素が、任意にR15とR16間の結合に置き換えられ、式中L1
とL2は独立して単結合、メチル、エチルからなる群より選択され、好ましくは
単結合であるリンカーであり、 また式中R19、R20およびR21はそれぞれ独立して、Hおよび−CH2
Xから選択され、ここでXはH、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置
換へテロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヘテロアルケニル、置換へテ
ロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ヘテロアルキニル、置換へテロア
ルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロへテロアルキル、置換
シクロへテロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロへテ
ロアルケニル、置換シクロへテロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロ
アリール、置換へテロアリール官能基であり、 また式中NTはH、ヒドロキシ、アルキル、アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポ
リペプチドまたは官能基より選択され、CTは水素、ヒドロキシル、アルキル、
アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポリペプチド、官能基から選択され、式中それぞ
れの不斉中心(*)はRまたはS配置であり、 ここで、部分Aは任意に水素、ヒドロキシル、アルキル、アミノ酸、アミノ酸
アナログ、ポリペプチド、または官能基に置き換えられ、 ここで、部分Bは任意に水素、ヒドロキシル、アルキル、アミノ酸、アミノ酸
アナログ、ポリペプチド、または官能基に置き換えられ こに、部分Dは任意に、アミノ酸またはアミノ酸アナログに置き換えられ、 および、ここで、部分Eは任意に、アミノ酸またはアミノ酸アナログに置き換
えられる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】 典型的にはMC1−受容体を活性化させる能力を示す本発明による化合物は、
式(1)、(2)または(4)に適合する化合物によって表され(それに限定さ
れず)、ここで、R20は−CH2X、Xはアリール、置換アリール、ヘテロア
リール、置換ヘテロアリール、フェニルまたは置換フェニルである。典型的には
MC1−受容体を遮断する能力を示す本発明の化合物は、式(1)、(2)また
は(4)に適合する化合物によって表され(それに限定されず)、ここで、R2
0は−CH2X、Xはアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロア
リール、ナフタレンまたは置換ナフタレンである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/02 A61P 43/00 111 37/08 C07K 14/685 43/00 19/00 111 C12N 15/00 ZNAA C07K 14/685 A61K 37/02 19/00 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ミューチュレ、イルゼ スウェーデン王国、エスエー−754 26 ウプサラ、ベルマンスガタン 36 (72)発明者 ミューチュリス、フェリクス スウェーデン王国、エスエー−754 26 ウプサラ、ベルマンスガタン 36 (72)発明者 ヴィクベルイ、ヤール スウェーデン王国、エスエー−193 35 シグチュナ、ストラ マルムガタン 8 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA80 CA05 CA07 DA02 EA04 GA11 4C084 AA02 AA07 BA01 BA08 BA18 NA14 ZA332 ZA342 ZA362 ZA452 ZA512 ZA662 ZA672 ZA682 ZA752 ZA892 ZA962 ZB072 ZB112 ZB132 ZB152 ZC022 ZC202 4H045 AA10 AA30 BA10 BA16 BA41 EA20 EA50 FA34 FA74 【要約の続き】 式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R 8、R9、R10、R11、およびR12はHまたはメ チルであり、R13、R14、R15およびR16はH またはアルキルであり、L1およびL2は単結合、メチ ル、エチルから選択されるリンカーであり、R19、R 20およびR21はHまたは−CH2Xであり、NTは H、ヒドロキシ、アルキル、アミノ酸、アミノ酸アナロ グ、ポリペプチドおよび官能基から選択され、CTは水 素、ヒドロキシ、アルキル、アミノ酸、アミノ酸アナロ グ、ポリペプチドおよび官能基から選択される化合物 は、MC1−受容体発現細胞でのcAMP形成の効果的 な刺激または阻害の組み合わせで、MC1−受容体に対 する高い選択性および高い親和性を示し、しかし、MC −受容体の他のサブタイプに対しては低い親和性を示 し、また広い範囲の炎症状態を処置するのに使用してよ い。また、開示物は、この化合物をコードしているDN A分子および相当するベクター、そのコピーを含む融合 タンパク質、該融合タンパク質をコードしているDNA を含むベクター、およびこの化合物からなる医薬組成物 である。

Claims (64)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)の化合物であり、 【化1】 式中R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R1
    1およびR12はそれぞれ独立してHおよびメチルから選択され、Hが好ましく
    、 また式中R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立してHおよび
    アルキル、とりわけメチル、エチル、プロピル、イソプロピルから選択されるア
    ルキルから選択され、式中R13中の1つの水素とR14中の1つの水素は、任
    意にR13とR14間の結合に置き換えられ、式中R15中の1つの水素とR1
    6中の1つの水素は、任意にR15とR16間の結合に置き換えられ、式中L1
    とL2は独立して単結合、メチル、エチルからなる群より選択され、好ましくは
    単結合であるリンカーであり、 また式中R19、R20およびR21はそれぞれ独立して、Hおよび−CH2
    Xから選択され、ここでXはH、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置
    換へテロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヘテロアルケニル、置換へテ
    ロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ヘテロアルキニル、置換へテロア
    ルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロへテロアルキル、置換
    シクロへテロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロへテ
    ロアルケニル、置換シクロへテロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロ
    アリール、置換へテロアリール官能基であり、 また式中NTはH、ヒドロキシ、アルキル、アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポ
    リペプチドおよび官能基より選択され、CTは水素、ヒドロキシル、アルキル、
    アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポリペプチドおよび官能基から選択され、式中そ
    れぞれの不斉中心(*)はRまたはS配置である化合物で、 以下の特性 a)MC1受容体に対して高い親和性を示すこと、および/または b)MC1受容体に対して高い選択性を示すこと、および/または c)二次メッセンジャーcAMPを刺激する高い能力を示すこと、および/また
    は d)NO産出の効果的な阻害剤であること の1つまたはいくつかを任意に有する化合物。
  2. 【請求項2】 R20がフェニルである請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 ペプチド骨格の1つまたはいくつかの窒素が、水素で置換さ
    れた炭素と置き換えられ、および/またはペプチド骨格のカルボニル基の1つま
    たはいくつかの酸素が2つの水素と置き換えられた請求項1または2記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】 一般式(2)で与えられる立体的配置を有する請求項1、2
    または3記載の化合物。 【化2】
  5. 【請求項5】 式(3)(配列番号:1)の請求項1記載の化合物。 【化3】
  6. 【請求項6】 一般式(4)の化合物であり、 【化4】 式中、部分Aは任意に水素、ヒドロキシル、アルキル、アミノ酸、アミノ酸アナ
    ログ、ポリペプチド、または官能基に置き換えられ、 式中部分Bは任意に水素、ヒドロキシル、アルキル、アミノ酸、アミノ酸アナロ
    グ、ポリペプチド、または官能基に置き換えられ、 式中部分Cは任意にアミノ酸またはアミノ酸アナログに置き換えられ、 式中部分Dは任意にアミノ酸またはアミノ酸アナログに置き換えられ、 および式中部分Eは任意にアミノ酸またはアミノ酸アナログに置き換えられる請
    求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】 R1、R2、R3,R4、R5、R6、R7、R8、R9、
    R10、R11およびR12のなかの1つまたはいくつかがメチルであるように
    選択され、一方残りが水素であるように選択される化合物であって、この選択は
    、プロテアーゼおよび/またはペプチダーゼによる分解を防ぎまたは減速させる
    ようになされる請求項1、2、3、4または6記載の化合物。
  8. 【請求項8】 R1、R2、R3,R4、R5、R6、R7、R8、R9、
    R10、R11およびR12のうちの6未満、好ましくは5未満、さらに好まし
    くは4未満、好ましくは2未満がメチルであるか、最も好ましくは1つもメチル
    でない請求項1、2、3、4または6記載の化合物。
  9. 【請求項9】 配列Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−P
    he−Arg−Trp−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(配列番号:
    1)からなる化合物で、該アミノ酸がすべてL−アミノ酸である化合物。
  10. 【請求項10】 以下の配列 Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−dPhe−Arg−Trp
    −Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−09)(配列番号:2) Tyr−Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−
    Trp−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−30)(配列番号:
    3) Tyr−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp−
    Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−31)(配列番号:4) Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp−
    Gly−Lys−Pro−Val−Tyr−NH2(MS−32)(配列番号:
    5) Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp−Gly−
    Lys−Pro−Val−NH2(MS−33)(配列番号:6) Thr−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp−
    Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−34)(配列番号:7) Ser−Thr−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp−
    Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−35)(配列番号:8) Ser−Ser−Val−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp−
    Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−36)(配列番号:9) Ser−Ser−Ile−Val−Ser−His−Phe−Arg−Trp−
    Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−37)(配列番号:10) Ac−Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−T
    rp−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−38)(配列番号:1
    1) dSer−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp
    −Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−39)(配列番号:12)
    NMeSer−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−T
    rp−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−40)(配列番号:1
    3) Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−Phe−Arg−Trp−
    Gly−Lys−Pro−NMeVal−NH2(MS−41)(配列番号:1
    4) Ser−Ser−Ile−Ile−Ser−His−NMedPhe−Arg−
    Trp−Gly−Lys−Pro−Val−NH2(MS−42)(配列番号:
    15) の1つからなる化合物。
  11. 【請求項11】 R20がアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換
    へテロアリール、フェニル、または置換フェニルである請求項1、2、3、4、
    6、7または8記載の化合物、または化合物がMC1−受容体を遮断することが
    できる、請求項5、9または10記載の化合物。
  12. 【請求項12】 R20がアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換
    へテロアリール、ナフタレン、または置換ナフタレンである請求項1、2、3、
    4、6、7または8記載の化合物、または化合物がMC1−受容体を遮断するこ
    とができる、請求項5,9または10記載の化合物。
  13. 【請求項13】 NO(酸化窒素)産出または亜硝酸塩の形成を阻害する請
    求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載の化合物
  14. 【請求項14】 免疫調節剤である請求項1、2、3、4、5、6、7、8
    、9、10、11または12記載の化合物。
  15. 【請求項15】 接触過敏症を改善、予防または阻害する請求項1、2、3
    、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載の化合物。
  16. 【請求項16】 ハプテンによる感作を阻害し、好ましいハプテンが2,4
    −ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)である請求項1、2、3、4、5、6
    、7、8、9、10、11または12記載の化合物。
  17. 【請求項17】 ハプテン寛容の誘導に効果を有し、好ましいハプテンが2
    ,4−ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)である請求項1、2、3、4、5
    、6、7、8、9、10、11または12記載の化合物。
  18. 【請求項18】 浮腫、とくにアレルギー反応または炎症に関連した浮腫の
    形成を改善し、予防し、または阻害する請求項1、2、3、4、5、6、7、8
    、9、10、11または12記載の化合物。
  19. 【請求項19】 血管の炎症または脈管炎を改善し、予防し、または阻害す
    る請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載の化
    合物。
  20. 【請求項20】 化合物の投与前の血液細胞数が正常から逸脱している該血
    液細胞数を正常化する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11
    または12記載の化合物。
  21. 【請求項21】 化合物が、酸化窒素の生産を減少させるため、および/ま
    たは酸化窒素シンターゼ(NOS)の活性をダウンレギュレートするために、イ
    ンターロイキン1(IL−1)、インターロイキン6(IL−6)および/また
    は腫瘍壊死因子α(TNF−α)の形成を減少させることができる請求項1、2
    、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、
    17、18、19または20記載の化合物。
  22. 【請求項22】 化合物がインターロイキン8(IL−8)および/または
    インターロイキン10(IL−10)の生産を刺激することができる請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
    、17、18、19、20または21記載の化合物。
  23. 【請求項23】 プロテアーゼおよび/またはペプチダーゼによる分解を防
    止または遅延させるために、炭素、窒素および酸素原子を他の原子、好ましくは
    それぞれ酸素、炭素および水素と交換することにより修飾した請求項1、2、3
    、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17
    、18、19、20、21または22記載の化合物。
  24. 【請求項24】 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11
    、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または
    23記載の化合物の酸性塩。
  25. 【請求項25】 請求項1、2、4、5、9または10記載の化合物をコー
    ドするDNA分子。
  26. 【請求項26】 請求項1、2、4、5、9または10記載の化合物をコー
    ドするDNA分子を含むベクター。
  27. 【請求項27】 請求項1、2、4、5、9または10記載の化合物の配列
    の1つまたはいくつかのコピーを含有する融合タンパク質。
  28. 【請求項28】 請求項27記載の融合タンパク質をコードするDNA分子
    を含有するベクター。
  29. 【請求項29】 動物またはヒトへの投与の際、請求項1、2、3、4、5
    、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、
    19、20、21、22、23または24記載の化合物の形成にまたは請求項2
    7記載の融合タンパク質に変換される、または導くプロドラッグ。
  30. 【請求項30】 薬学的に許容可能な担体と共に請求項1、2、3、4、5
    、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、
    19、20、21、22、23もしくは24記載の化合物、または請求項25記
    載のDNA、または請求項26もしくは28記載のベクター、または請求項27
    記載の融合タンパク質、または請求項29記載のプロドラッグを含む医薬組成物
  31. 【請求項31】 NO(酸化窒素)の形成の阻害のための、および/または
    亜硝酸塩の形成の阻害のための、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、
    10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、
    22、23もしくは24記載の化合物、請求項29記載のプロドラッグ、または
    請求項30記載の医薬の使用。
  32. 【請求項32】 免疫変調のための請求項1、2、3、4、5、6、7、8
    、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、
    21、22、23もしくは24記載の化合物、または請求項29記載のプロドラ
    ッグ、または請求項30記載の医薬の使用。
  33. 【請求項33】 接触過敏症の改善、予防および/または阻害のための請求
    項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15
    、16、17、18、19、20、21、22、23もしくは24記載の化合物
    、または請求項29記載のプロドラッグ、または請求項30記載の医薬の使用。
  34. 【請求項34】 ハプテンによる感作の阻害および/または予防のための、
    請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、
    15、16、17、18、19、20、21、22、23もしくは24記載の化
    合物、または請求項29記載のプロドラッグ、または請求項30記載の医薬の使
    用であり、好ましいハプテンが2,4−ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)
    である使用。
  35. 【請求項35】 好ましいハプテンが2,4−ジニトロフルオロベンゼン(
    DNFB)である、ハプテン寛容の誘導を起こすための、請求項1、2、3、4
    、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、1
    8、19、20、21、22、23もしくは24記載の化合物、または請求項2
    9記載のプロドラッグ、または請求項30記載の医薬の使用。
  36. 【請求項36】 浮腫、とくにアレルギー反応または炎症に関連する浮腫の
    形成の改善、予防および/または阻害のための、請求項1、2、3、4、5、6
    、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19
    、20、21、22、23もしくは24記載の化合物、または請求項29記載の
    プロドラッグ、または請求項30記載の医薬の使用。
  37. 【請求項37】 血管の炎症または脈管炎の改善、予防および/または阻害
    のための、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、1
    3、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23もしくは2
    4記載の化合物、または請求項29記載のプロドラッグ、または請求項30記載
    の医薬の使用。
  38. 【請求項38】 化合物の投与前の血液細胞数が正常から逸脱している該白
    血球細胞数正常化のための、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
    、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22
    、23もしくは24記載の化合物、または請求項29記載のプロドラッグ、また
    は請求項30記載の医薬の使用。
  39. 【請求項39】 cAMPの刺激のための請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、
    20、21、22、23もしくは24記載の化合物、または請求項29記載のプ
    ロドラッグ、または請求項30記載の医薬の使用。
  40. 【請求項40】 患者または健常個体への請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、
    20、21、22、23または24記載の化合物の薬理学的に効果のある量の投
    与を含む、炎症または炎症様疾患を含む疾病を治療する方法。
  41. 【請求項41】 以下の、アレルギー、過敏症、細菌感染、ウイルス感染、
    毒性剤によって引き起こされる炎症、発熱、自己免疫疾患、UV−放射、X線放
    射、γ−放射、α−もしくはβ−粒子を含む任意の原因による、放射障害、日焼
    け、温度上昇、機械的負傷および低酸素症の1つもしくはそれ以上に引き起こさ
    れるまたは関連する疾病または状態を治療する方法であり、患者または健常個体
    に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14
    、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24記載の化
    合物の薬理学的に効果のある量を投与することを含む方法。
  42. 【請求項42】 炎症成分を有する皮膚疾患、とくに皮膚の接触皮膚炎、皮
    膚の日焼け、任意の原因のやけど、化学剤による皮膚の炎症、乾癬、脈管炎、壊
    疽膿皮症、円板状紅斑性狼瘡、湿疹、掌蹠膿疱症状および尋常性フェンフィガス
    の任意の原因の(真皮および表皮を含む)皮膚の炎症疾病を治療する方法であり
    、患者または健常個体に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
    1、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2
    3または24記載の化合物の薬理学的に効果のある量を投与することを含む方法
  43. 【請求項43】 未知の原因のものを含む胃炎、悪性胃炎(萎縮性胃炎)、
    潰瘍性大腸炎(大腸炎潰瘍)、クローン病、全身性硬化症、十二指腸潰瘍、小児
    脂肪便症、食道炎および胃潰瘍などの炎症成分を有する腹部疾病を含む、腹部の
    炎症疾病を治療する方法であり、患者または健常個体に請求項1、2、3、4、
    5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18
    、19、20、21、22、23または24記載の化合物の薬理学的に効果のあ
    る量を投与することを含む方法。
  44. 【請求項44】 免疫変調治療が必要である疾病もしくは状態、または先天
    性自己免疫、および他の全身性先天性炎症疾病、とくに慢性関節リウマチ、乾癬
    性関節炎、全身性硬化症、リウマチ性多発性筋痛、ヴェーゲナー肉芽腫症、サル
    コイドーシス,好酸球性筋膜炎、反応性関節炎、ベクテリエフ病、全身性紅斑性
    狼瘡、側頭動脈炎、ベーチェット病、バーガー病、グッドパスチャー症候群、好
    酸球性肉芽腫、筋繊維痛、筋炎および複合化結合組織疾病のような全身または全
    身性および/もしくは局所の免疫学的疾病または状態を治療する方法であり、患
    者または健常個体に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、
    12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23ま
    たは24に記載の化合物の薬理学的に効果のある量を投与することを含む方法。
  45. 【請求項45】 脳脈管炎、多発性硬化症、自己免疫性眼動脈炎および多発
    性神経障害などの、炎症に関連した末梢および中枢神経系の疾病または状態を治
    療する方法であり、患者または健常個体に請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20
    、21、22、23または24記載の化合物の薬理学的に効果のある量を投与す
    ることを含む方法。
  46. 【請求項46】 前および後ブドウ膜炎、網膜脈管炎、視神経炎、ヴェーゲ
    ナー肉芽腫症、シェーグレン症候群、上強膜炎、強膜炎、眼の疾患のサルコイド
    ーシスおよび眼の疾患の多発性軟骨炎のような炎症に関連した眼および涙腺の疾
    病または状態を治療する方法であり、患者または健常個体に請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、
    18、19、20、21、22、23または24記載の化合物の薬理学的に効果
    のある量を投与することを含む方法。
  47. 【請求項47】 耳の疾患の多発性軟骨炎および外耳炎などの炎症に関連し
    た耳の疾病または状態を治療する方法であり、患者または健常個体に請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
    、17、18、19、20、21、22、23または24記載の化合物の薬理学
    的に効果のある量を投与することを含む方法。
  48. 【請求項48】 鼻のサルコイドーシス、多発性軟骨炎および正中線肉芽腫
    などの炎症に関連した鼻の疾病または状態を治療する方法であり、患者または健
    常個体に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13
    、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24記
    載の化合物の薬理学的に効果のある量を投与することを含む方法。
  49. 【請求項49】 口、咽頭および唾液腺の領域でのヴェーゲナー肉芽腫症、
    正中線肉芽腫、シェーグレン症候群および多発性軟骨炎などの口、咽頭および唾
    液腺の炎症に関連した疾病または状態を治療する方法であり、患者または健常個
    体に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、1
    4、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24記載の
    化合物の薬理学的に効果のある量を投与することを含む方法。
  50. 【請求項50】 突発性肺胞炎、原発性肺高血圧、気管支炎、慢性気管支炎
    、サルコイドーシス、炎症全身性疾病での肺胞炎、炎症全身性疾病の肺高血圧、
    ヴェーゲナー肉芽腫症、グッドパスチャー症候群などの肺での炎症に関連した疾
    病または状態を治療する方法であり、患者または健常個体に請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、
    18、19、20、21、22、23または24記載の化合物の薬理学的に効果
    のある量を投与することを含む方法。
  51. 【請求項51】 心外膜炎、突発性心外膜炎、心筋炎、高安動脈炎、川崎病
    、冠状動脈脈管炎、炎症全身性疾病での心外膜炎、炎症全身性疾病での心筋炎、
    心内膜炎および炎症全身性疾病での心内膜炎などの、心臓の炎症に関連した疾病
    または状態を治療する方法であり、患者または健常個体に請求項1、2、3、4
    、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、1
    8、19、20、21、22、23または24記載の化合物の薬理学的に効果の
    ある量を投与することを含む方法。
  52. 【請求項52】 肝炎、慢性活性肝炎、胆汁性肝硬変、毒剤による肝障害、
    インターフェロン誘導肝炎、ウイルス感染によって誘導された肝炎、無酸素症に
    よって誘導された肝障害、機械的外傷によって引き起こされた肝障害のような、
    肝臓の炎症に関連した疾病または状態を治療する方法であり、患者または健常個
    体に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、1
    4、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24記載の
    化合物の薬理学的に効果のある量を投与することを含む方法。
  53. 【請求項53】 その予防および遅延合併症を含んだ糖尿病、急性膵炎およ
    び慢性膵炎などの内分泌性または外分泌性膵臓の炎症に関連した疾病または状態
    を治療するための方法であり、患者または健常個体に請求項1、2、3、4、5
    、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、
    19、20、21、22、23または24記載の化合物の薬理学的に効果のある
    量を投与することを含む方法。
  54. 【請求項54】 甲状腺炎、自己免疫性甲状腺炎、橋本甲状腺炎などの甲状
    腺の炎症に関連した疾病または状態を治療する方法であり、患者または健常個体
    に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14
    、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24記載の化
    合物の薬理学的に効果のある量を投与することを含む方法。
  55. 【請求項55】 糸球体腎炎、全身性紅斑性狼瘡での糸球体腎炎、結節性動
    脈周囲炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、グッドパスチャー症候群、HLAb27関連
    疾病、IgA腎炎(IgA=免疫グロブリンA)、腎盂腎炎、慢性腎盂腎炎およ
    び間質性神経炎などの腎臓の炎症に関連した疾病または状態を治療する方法であ
    り、患者または健常個体に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、
    11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、
    23または24記載の化合物の薬理学的に効果のある量を投与することを含む方
    法。
  56. 【請求項56】 ベクテリエフ病、乾癬性関節炎、慢性関節リウマチ、大腸
    炎潰瘍での関節炎、クローン病での関節炎、全身性紅斑性狼瘡での関節障害、全
    身性硬化症、複合化結合組織疾病、反応性関節炎、ライター症候群、任意の関節
    の関節症、とくに指関節、膝および腰の関節症などの関節の炎症に関連した疾病
    または状態を治療する方法であり、患者または健常個体に請求項1、2、3、4
    、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、1
    8、19、20、21、22、23または24記載の化合物の薬理学的に効果の
    ある量を投与することを含む方法。
  57. 【請求項57】 側頭筋動脈炎、結節性動脈周囲炎、動脈硬化症、高安動脈
    炎および川崎病のような血管の炎症に関連した疾病または状態を治療する方法で
    あり、患者または健常個体に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
    、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22
    、23または24記載の化合物の薬理学的に効果のある量を投与することを含む
    方法。
  58. 【請求項58】 動脈硬化症に対する防御および予防を行うための方法であ
    り、患者または健常個体に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、
    11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、
    23または24記載の化合物の薬理学的に効果のある量を投与することを含む方
    法。
  59. 【請求項59】 血液細胞および造血器官(たとえば骨髄およびリンパ組織
    )の疾患である(薬物過敏症を含む)薬物誘導過敏症、とくに貧血、顆粒球減少
    、血小板減少、白血球減少、再生不能性貧血、自己免疫溶血性貧血、自己免疫血
    小板減少、自己免疫顆粒球減少のような血液およびリンパ系の薬物誘導障害を治
    療する方法であり、患者または健常個体に請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20
    、21、22、23または24記載の化合物の薬理学的に効果のある量を投与す
    ることを含む方法。
  60. 【請求項60】 アナフィラキシー反応、アナフィラキシー様反応、喘息、
    アレルギー型の喘息、未知の原因による喘息、鼻炎、枯草熱および花粉アレルギ
    ーのような即時性アレルギー障害(I型アレルギー)に関連した疾病または状態
    を治療する方法であり、患者または健常個体に請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、
    20、21、22、23または24記載の化合物の薬理学的に効果のある量を投
    与することを含む方法。
  61. 【請求項61】 任意の原因の感染に関連した疾病または状態を治療する方
    法であり、好ましくはウイルス、細菌、蠕虫および原虫によって引き起こされる
    感染に対する二次的な炎症の治療であり、患者または健常個体に請求項1、2、
    3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、1
    7、18、19、20、21、22、23または24記載の化合物の薬理学的に
    効果のある量を投与することを含む方法。
  62. 【請求項62】 任意の原因による外傷および組織障害に関連した疾病また
    は状態を治療する方法であり、患者または健常個体に請求項1、2、3、4、5
    、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、
    19、20、21、22、23または24記載の化合物の薬理学的に効果のある
    量を投与することを含む方法。
  63. 【請求項63】 美容的理由のための、白斑または皮膚の色の暗色化が望ま
    しい任意の他の状態の治療のための皮膚日焼けのような、表皮細胞での色素形成
    を刺激する方法であり、患者または健常個体に請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、
    20、21、22、23または24記載の化合物の薬理学的に効果のある量を投
    与することを含む方法。
  64. 【請求項64】 皮膚の細胞での色素形成を阻害する方法であり、患者また
    は健常個体に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
    13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または2
    4記載の記載した化合物の薬理学的に効果のある量を投与することを含む方法。
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