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JP2002506482A - ポリ塩化ビニル、その製造方法、およびそれを含有する組成物 - Google Patents

ポリ塩化ビニル、その製造方法、およびそれを含有する組成物

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Publication number
JP2002506482A
JP2002506482A JP55381099A JP55381099A JP2002506482A JP 2002506482 A JP2002506482 A JP 2002506482A JP 55381099 A JP55381099 A JP 55381099A JP 55381099 A JP55381099 A JP 55381099A JP 2002506482 A JP2002506482 A JP 2002506482A
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JP
Japan
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vinyl chloride
emulsifier
branched
branched alkyl
polymerization
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Pending
Application number
JP55381099A
Other languages
English (en)
Inventor
フォーコリン、ステファノ
エヴァンス、レイモンド
Original Assignee
イーヴィーシー・テクノロジー・アクチエン・ゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by イーヴィーシー・テクノロジー・アクチエン・ゲゼルシャフト filed Critical イーヴィーシー・テクノロジー・アクチエン・ゲゼルシャフト
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F14/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
    • C08F14/02Monomers containing chlorine
    • C08F14/04Monomers containing two carbon atoms
    • C08F14/06Vinyl chloride

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 良好な気泡形成性と低い粘度を持つポリ塩化ビニルペーストおよびプラスチゾルが少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%が分岐しているアルキル硫酸塩もしくはアルキル硫酸塩混合物の存在下で塩化ビニルを(共)重合させることによって製造される樹脂から作られる。別法として、分岐アルキル硫酸塩もしくは混合物を重合後ポリマーと配合することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリ塩化ビニル、その製造方法、およびそれを含有する組成物 発明の分野 本発明はポリ塩化ビニル(以下「PVC」)、その製造方法、およびそれを含有す る組成物に関する。特に、本発明は改善された特性を有するPVC含有ペースト またはプラスチゾルの製造に関する。 従来の技術 ペーストまたはプラスチゾルは床および壁の被覆材、人工皮革または革布、軟 質の成形品、および保護手袋の如き浸漬品を含む、幅広い製品の製造に用いられ ている。該ペーストまたはプラスチゾルは、噴霧乾燥後に微粉砕されて粉末とな り、そして可塑剤と混合されてペーストとなるPVCホモポリマーラテックスか ら通常製造される。該PVCラテックス自体は通常エマルジョン重合法、マイク ロサスペンション重合法またはミニエマルジョン重合法によって製造される。ペ ーストおよびプラスチゾルは、塩化ビニルを共重合性モノマーと重合させること によって製造されるPVCコポリマーから製造することもできる。後者の例とし ては、ビニルエステル、アクリル酸エステル、塩化ビニリデンおよびアクリロニ トリルが挙げられる。該コモノマーは塩化ビニルおよびコモノマーの合計に基づ いて40重量%までの量で、好適には10%から30%の量で含有されていても よい。特に有用なコポリマーは酢酸ビニルを20重量%までの量で含有する。 乳化重合は、なかでも、適当な乳化剤の存在下で実行される。この乳化剤には 二つの役目があり、その一つは(i)該乳化剤がポリマー粒子の安定化には不可 欠な存在であるため工業的に許容可能な加工法に必要とされることであり、もう 一つは(ii)PVCの場合のように、ポリマーが乾燥によって単離される場合 、該乳化剤が最終製造物に残存してしまうので、後に製造されるプラスチゾルの 特性に影響を与えてしまうということである。 文献には非イオン性とアニオン性の両方の乳化剤の類が数多く記載されている 。アニオン性乳化剤として、カルボン酸アルキル類、硫酸アルキル類、アルキル スルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、およびスルホコハク酸の塩があ る。これらのすべての分子が乳化剤としての効果を持つためには特定の構造を有 するべきであり、つまり(通常カルボキシル基またはスルフェート基である)親 水性の先端部と(該分子の有機部分である)疎水性の終端部を持たなければなら ない。そのような分子は水に対して限定された溶解性を有しているが、該分子の 濃度がある限界値(限界ミセル濃度)を超えると、該分子は凝集してミセルと呼 ばれる凝集体を形成する傾向があり、その際、該親水性の先端部は該ミセルの外 部に位置しそして該疎水性の終端部はその内部終端部に位置している(例えば、 1953年にニューヨーク州イタキ市(Ithaca)で発行されたコーネル大 学誌(Cornel University Press)の204ページに記 載されたピー.エフ.フロリー(P.F.Flory)氏による「ポリマー化学 の原理(Principles of Polymer Chemistry)」 、および1955年にニューヨーク州で発行されたインターサイエンスパブリッ シャーズ(Interscience Publishers)の141ページ 以降に記載されたエフ.ボヴェイ(F.Bovey)氏、アイ.エム.コルトフ (I.M.Kolthoff)氏、エー.アイ.メダリア(A.I.Medal ia)氏、イー.ジェイ.ミーハン(E.J.Meehan)氏らによる「エマ ルジョン重合(Emulsion Polymerization)」を参照)。 アルキル硫酸塩類は長い間乳化剤として認知され且つ利用されてきたが、直鎖 状のアルコール類から得られる乳化剤の類にのみに限定されていた。 アルキル硫酸塩類は、一般にSO3を用いた脂肪酸の硫酸化によって製造する ことができる(1987年にハーロウ(Harlow)社から発行された「ロン グマン−科学と技術(Longman Scientific & Techn ical)」第7版の157ページ以降に記載されたエー.エス.ダヴィッドソ ン(A.S.Davidsohn)氏とビー.ミルウィズスキー(B.Milw idsky)氏らによる「合成洗剤(Synthetic Detergent s)」を参照)。原則として、基質として用いることのできるアルコールの種類は 限定されない。反応は以下の通りである。 R−CH2−OH+SO3→R−CH2−O−SO3H このようにして得られたアルキル硫酸は不安定であり、かなり急速に加水分解 されてしまうので、工業的に実行される場合、例えばエマルジョン重合において 乳化剤として用いることのできるアルキル硫酸ナトリウム(化学構造式:R−C H2−O−SO3 -Na+)である最終製造物を得るために、(通常苛性アルカリを 用いて)即座に中和することが必要である。この反応においてアルキル基Rはそ の構造があらゆる変化を受けないこと、つまり実質的に変化しないままであるこ とに注意することが重要である。これは、該アルコールの化学構造がそれに由来 する乳化剤の化学構造を決定することを意味している。 特許出願EP−A−90142、EP−A−108884およびEP−A−1 44614には、一分子当たりの炭素数が10から20であるアルキルスルホン 酸、アルキルアリールスルホン酸またはスルホコハク酸のアルカリ塩またはアン モニウム塩の使用が開示されており、またそれらの例として工業銘柄のアルカン 混合物の硫酸化によって調整されるデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスル ホン酸ナトリウム、ミリスチルスルホン酸ナトリウムおよびこれらの混合物が示 されている。開示されている技術は、前述の「ミニエマルジョン」と同様の方法 における長鎖アルコールの使用を言及している。特許出願GB−A−12772 89には、PVC樹脂の透明性を改善させるためのアルキルスルホン酸カリウム とアルキルスルホン酸リチウムの使用が開示されている。 特許出願GB−A−1168920には、カルボキシル基に対してα−位で分 岐していて且つ一分子当たり少なくとも8つの炭素原子を有する脂肪族または芳 香脂肪族飽和モノカルボン酸類の水溶性塩の乳化剤としての使用が記載されてお り、該水溶性塩はPVCエマルジョンの望ましくない凝固を避ける一方で、熱的 に非常に安定であるかまたは容易に熱的に安定化され得るポリマーの製造を促す と述べられている。 ロシア特許出願第181286号には、ナフテン系炭化水素類とパラフィン系 分岐鎖との混合物をスルホン化することによってポリマーの熱安定性を改善する ことが提案されている。 PVCエマルジョン技術における大きな問題点の一つとして、得られる樹脂を 適当な可塑剤と混合することによって生成するペーストの粘度が低いことが挙げ られる。得られるペーストの粘度は、幾つかの要素、なかでもポリマーの分子量 、ポリマー粒子の粒径分布、乾燥条件、および存在する乳化剤および他の添加剤 の種類や量に影響される。 PVCペーストは化学発泡製品の製造に利用されることが多く、該ペーストは 、他の添加剤に加えて、高温で分解する適当な発泡剤を含有している。このよう にして得られるペーストの構造に影響を与える幾つかの要素の中には、繰り返す が、ポリマーの分子量、ポリマー粒子の粒径分布、および存在する乳化剤および 他の添加剤の種類や量がある。 一般に、低いペースト粘度と良好な発泡性とを一致させることは不可能ではな いが困難である。粘度の非常に低いペーストを生成するポリマーは一般に粗悪な 気泡構造を与えるのに対し、非常に良好で細かい気泡構造を与える樹脂は中ぐら いから高い値の粘度を示すペーストを通常生成する。乳化剤の化学的性質に関す る限り、一般にアルキルアリールスルホネートやスルホコハク酸塩の如き乳化剤 は低い粘度で粗悪な気泡構造を与えるのに対し、アルキル硫酸類は、粘度が特別 低いわけではないが発泡性が良好である樹脂を製造するのに利用される。JP− A−49−111990には、例えば、塩化ビニルの乳化(共)重合におけるア ルキル硫酸類の塩とエトキシル化アルキル硫酸類の塩の使用が説明されており、 特にメチル分岐された化合物が述べられている。しかしながら、そのような(共 )重合体から生成される泡の特性は一般に非常に良好であるのに対し、樹脂ペー ストの粘度は許容範囲を超えてしまう程高い。 発明の開示 本発明の目的は、低い粘度を保持しながら、良好で細かい気泡構造を有する製 造物を製造するのに利用することのできるペーストまたはプラスチゾルに配合す ることのできるPVCを提供することである。 本発明によれば、共重合性モノマーと共にあるいは共重合性モノマーなしに、 乳化剤の存在下で塩化ビニルモノマーを重合させることからなり、その際分岐ア ルキル硫酸が乳化剤として用いられるかまたは生成された重合体に添加されるこ とを特徴とする、乳化重合、マイクロサスペンション重合またはミニエマルジョ ン重合による塩化ビニルの重合法が提供される。 このように、本発明の第一の側面によれば、塩化ビニルモノマーを、共重合性 モノマーと共にあるいは共重合性モノマーなしに、乳化剤の存在下で重合させる ことからなる塩化ビニルの重合法は、(i)該乳化剤が少なくともその30%( モル基準)で分岐されているアルキル硫酸塩類の混合物を含有するかあるいは( ii)該アルキル硫酸塩類の混合物が生成されたポリマーに添加され、そして分 岐アルキル硫酸塩類が下記式[I]: ここで、RおよびR1のそれぞれは炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐された アルキル基であり、そしてMは塩形成性元素もしくは基である、 で表され、そしてこの分岐アルキル硫酸塩類は7〜20の炭素原子を含有する、 ことを特徴とする。 本発明の第二の側面によれば、塩化ビニルモノマーを、共重合性モノマーと共 にあるいは共重合性モノマーなしに、乳化剤の存在下で重合させることからなる 塩化ビニルの重合法は、(i)該乳化剤が少なくともその30%(モル基準)が 分岐しているアルキル硫酸塩の一種もしくは二種以上を含有するかあるいは(i i)該一種もしくは二種以上のアルキル硫酸塩が生成されたポリマーに添加され 、 そして上記それぞれの分岐アルキル硫酸塩が下記式[I]: ここで、RおよびR1のそれぞれは炭素数2〜15の直鎖状もしくは分岐された アルキル基であり、そしてMは塩形成性元素もしくは基である、 で表され、そしてこの上記それぞれの分岐アルキル硫酸塩は7〜20の炭素原子 を含有する、ことを特徴とする。 本発明は、塩化ビニルモノマーの重合または共重合に用いられた場合に上記の 一般式[I]で表される分岐アルキル硫酸塩を同様に提供する。 さらに本発明は、生成されたポリマーに対して分岐アルキル硫酸塩を乳化剤ま たは添加剤として用いて製造したPVCから製造され且つ可塑剤を含有するPV Cペーストまたはプラスチゾルを提供する。 発明の詳細な説明 該塩形成性元素または基Mはアンモニウムまたはアルカリ金属であるのが好ま しく、ナトリウムが適当であり、そして該分岐アルキル硫酸塩の炭素数が7から 18、最も好適には9から16であるのが適当である。アルキル基RとR1の例 は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル 、およびヘキシルである。 本発明の方法において用いられる分岐アルキル硫酸塩類は下記式[II]: ここで、RおよびR1は上記定義の通りである、 で表されるアルコールの硫酸化によって製造されることができる。 一般式[II]のアルコール類を、以下の一連の反応に従って、アルデヒドに 対してオレフィンを触媒的にヒドロホルミル化し、次いで水素添加を行うことに よって製造することもできる。 R−CH=CH−R1+CO+H2 →R−CH2−CH(CHO)−R1 →R−CH2−CH(CH2OH)−R1 ここでRおよびR1は上記のとおりである。 一般に、異なる異性体同士の混合物はこのようにして得られる。これらの混合 物は対応する直鎖状の異性体を可変量で含有していてもよく、該直鎖状異性体は 当該技術分野において公知の物理的方法によって分離することが可能である。 上記式[II]と同様の構造を有するアルコール類を、短鎖状のアルコールの 二量化からなる他の方法、いわゆるゲルベ法(Guerbet process) 、を介して得ることもできる(例えば、1952年にバーゼル(Basel)で 発行されたダブリュー.テイルハイマー(W.Teilheimer)氏の「有 機化学の合成法(Synthetic Methods of Organic Chemistry)」の6巻,736(270ページ)を参照)。この場合、 純粋な生成物が得られる。基質が例えばヘキサノールである場合、得られるアル コールはRがペンチルでありそしてR1がブチルである構造[II]に相当する 。該基質が短鎖状のアルコール類の混合物からなる場合、式[II]の分岐され たアルコール類の混合物が得られる。 次に式[II]のアルコールは硫酸化の段階に移され、式[I]のアルキル硫 酸塩類を製造する。 好ましい方法において、該アルキル硫酸塩はアルキル硫酸塩類の混合物である 。 本発明において用いられるアルキル硫酸塩類は完全に分岐していてもよいし、 あるいは直鎖状の生成物と分岐された生成物の混合物を含有していてもよい。該 アルキル硫酸塩が100%分岐していることが理想的であるが、少なくとも30 %(モル基準)、好ましくは少なくとも50%(モル基準)、最も好ましくは少なく とも75%(モル基準)が分岐していれば本発明の目的は達成される。つまり、 使用する直鎖状の乳化剤は異なるが同じ方法で調整された樹脂類と比べてペース ト粘度の減少が顕著である樹脂類を得ることが可能である。さらに、この種の乳 化剤を含有するPVCペーストを用いて得られる気泡構造は非常に良好であり、 且つ直鎖状の乳化剤を含有するPVCペーストと比較して著しく悪化することは ない。 分岐アルキル硫酸塩類は、(シード化された(seeded)バリアントおよ びシード化されていない(unseeded)バリアントにおいて)「古典的乳 化(classical emulsion)」重合技術、(塩化ビニルの水中予 備分散液が高速せん断機械式ホモジェナイザーによって得られる、という)いわ ゆる「マイクロサスペンション」、および(塩化ビニルの水中分散液が、界面張力 を減少させる役割と拡散に対してモノマー粒子を安定化させる役割を有する特定 の成分、つまり脂肪族アルコール類によって得られる、という)いわゆる「ミニ エマルジョン」によるPVCの製造において用いられる。これらの三つの重合技 術を以下に簡潔に述べるが、これらの技術を変更したものの多くは当業者にとっ て既知であり且つ実行可能であることが理解されるであろう。 乳化剤 該重合開始剤は、(随意に)酸化種(例えばペルオキシニ硫酸カリウム)、遷移 金属(例えば、CuSO4)、および還元種(例えば二亜硫酸ナトリウム)からな るレドックス系である。 まず初めに、開始成分を幾つか反応器に投入する。これらには、 ・ 初期分量の水 ・ 随意に、シードラテックス ・ 過硫酸カリウム ・ 硫酸銅 ・ 随意に、数量の乳化剤 ・ 緩衝液等の他の成分 が包含される。 反応器内を真空にして酸素を除去してから、塩化ビニルモノマーVCMを(任 意のコモノマーと一緒に)添加する。その後、温度を反応値に設定し、重亜硫酸 塩を注入する。添加する重亜硫酸塩の量は反応速度によって決定される。開始か らある時間(0から1時間まで)が過ぎてから、分岐アルキル硫酸塩類からなる 乳化剤の溶液を該反応器に連続して添加し、成長過程にあるポリマー粒子の表面 を安定化させる。転化率がおおよそ70%になった時点で、該反応はトロムスド ルフ効果として知られる反応の加速を経て、転化率が90%から92%に達する まで急激に進行する。この時点で残留モノマーは排気され、随意の安定剤が添加 され、そしてラテックスが排出されて次の段階で利用される。 この方法に対するバリアントには、 ・ 開始剤成分の添加順序を逆転すること、すなわち、重亜硫酸塩の如き還元剤 を反応器に投入してから過硫酸塩の如き酸化剤を注入すること; ・ 始めにモノマーの一部(通常全排出量の20%から25%)だけを投入し、 後に残りのモノマーを反応中に連続してまたは何回かに分けて注入することから なるモノマー注入技術を採用すること; ・ 乳化剤の混合物を適用すること、すなわち、分岐された乳化剤を他の乳化剤 と添加混合すること; ・ 注入溶液に異なる乳化剤を適用し、その後「随意の安定剤」として分岐アル キル硫酸塩類を重合が終了した時点で、または乾燥前の任意の段階で添加するこ と、 が包含される。 マイクロサスペンション 混合容器(MV)と重合反応器の二つの反応器が用いられる。開始剤系は油溶 性酸化剤(通常、有機過酸化物、過酸エステル、過酸等)と、遷移金属錯体(例 えばCuSO4)に伴われる、特にアスコルビン酸や重亜硫酸塩の如き還元剤か らなる随意の水溶性活性系とで構成される。 VCM(と任意のコモノマー)の任意の一部分を、ある量の水、および任意の 量(少量)の分岐アルキル硫酸塩の乳化剤と油溶性開始剤(LPO)と一緒に該 MVに添加する。該MVを数分間攪拌する。その間に、残余のモノマー、残余の 水、およびCuSO4触媒を反応器に投入する。次に該MVの中身を高圧ポンプ (ホモジェナイザー)を用いて該反応器へと移すが、このポンプにより該MV内 の乳化剤の断片化を起して非常に小さい粒子とする。この移動が終了した時点で 、該混合物を重合温度まで加熱し、それから活性剤(アスコルビン酸)の注入が 開始される。注入速度は反応速度自体に対して最適なプロフィルが得られるよう に調節される。開始から数分後、分岐アルキル硫酸塩の乳化剤の溶液は該重合混 合物に連続して添加され、成長過程にあるポリマーの表面を安定化させる。転化 率がおおよそ70%になった時点で、該反応はトロムスドルフ効果として知られ る反応の加速を経て、転化率が90%から92%に達するまで急激に進行する。 この時点で残留モノマーは排気され、随意の安定剤が添加され、そしてラテック スが排出されて次の段階で利用される。 可能なバリアントには、 ・ 上記で説明されたモノマー注入技術 ・ 活性剤を全く使用せずに、混合物内においてさえも、油溶性開始剤のみを使 用すること ・ 全部のモノマーをMVに投入し、例えば完全な均一化とすること ・ MV内で複数の異なる乳化剤を使用すること ・ 注入溶液に異なる乳化剤を適用し、その後「随意の安定剤」として分岐アル キル硫酸塩類を重合が終了した時点で、または乾燥前の任意の段階で添加するこ と、 が包含される。 別のマイクロサスペンション法では、第三成分、通常ヘキサデカン、をモノマ ーが全く存在しない状態で均一化し、その後モノマーを添加する。このモノマー は拡散機構によって該粒子を膨潤させる。開始剤はレドックス系であり、その成 分のすべては水溶性である。 ミニエマルジョン この方法では、長鎖脂肪族アルコール類の混合物を分岐された乳化剤と混合し 、随意に緩衝剤の如き重合添加剤の存在下で、幾分希釈された(4%〜5%)水 溶液を生成する。次にこの混合物を(例えば70℃で2時間)加熱して液晶構造 を形成する。その後、このように形成された「乳化剤水」を重合容器に移し、硫 酸銅と過酸化水素を添加し、該反応器内を真空にし、それからVCMと任意のコ モノマーを添加する。得られた混合物を反応温度まで加熱してから活性剤(アス コルビン酸だけでなく、他の水溶性還元剤でもよい)を注入する。注入速度は反 応それ自体の速度に対して最適なプロフィルが得られるように調節される。 転化率がおおよそ70%になった時点で、該反応はトロムスドルフ効果を経て 、転化率が90%から92%に達するまで急激に進行する。この時点で残留モノ マーは排気され、随意の安定剤が添加され、そしてラテックスが排出されて次の 段階で利用される。 バリアントには、 ・ 上記で説明されたモノマー注入技術 ・ 適当な還元剤によって活性化される、水溶性有機過酸化物または他の水溶性 無機酸化性種の開始剤としての使用 ・ 一般面では活性化されない、油溶性開始剤の使用 ・ 長鎖脂肪族アルコール類に代わる長鎖アルカン類の使用 が包含される。 前述のすべての方法のバリアントとして連続重合法を挙げることができる。該 重合法では重合の成分(水、乳化剤、モノマー、開始剤、他の添加剤)が反応容 器に連続して投入され、該反応容器は連続攪拌タンク反応器(CSTR)でも管 状反応器のどちらでもよい。CSTRでの塩化ビニルの連続乳化重合法は工業的 に利用されていることが知られている。マイクロサスペンション法およびミニエ マルジョン法のためのこのバリアントの実用性は、アイズプルアら(Aizpu rua et.al.)によって自明のこととされている(Macromol.S ymp.,111,(1996)、ページ121)。 分岐アルキル硫酸塩の乳化剤は、塩化ビニルモノマーの重量に基づいて3重量 %までの量で重合反応において利用されるのが適当である。VCMに基づいて1 重量%までの量が特に効果的である。分岐アルキル硫酸塩類が重合中ではなく生 成後のポリマーに添加される場合、該ポリマーに基づいて3重量%までの量、と りわけ1重量%までの量で添加されることが適当である。 実施例 以下の実施例は本発明を説明する目的のために記載される。 以下の表に乳化剤A、B、CおよびIとしてまとめられている、鎖長分布の異 なる4つの分岐アルキル硫酸塩乳化剤が検討された。 テスト用に、MSP(マイクロサスペンション)法とME(ミニエマルジョン )法のそれぞれに別々の配合表を使用し、該シード化された乳化法のための二つ の異なる配合表は一種類以上の分岐アルキル硫酸塩類と一種類以上の基準サンプ ルとを比較し、そしてもう一つの異なる点はマイクロサスペンションを経由して 得られたラテックスが異なるラテックスと乾燥前にブレンドされたことである。 参考として、三種類のアルキル硫酸塩乳化剤を使用し、そのうちの一つ(乳化剤 D)は我々の評価において約20%の分岐された分子を含有する商品であり、残 りの二つは直鎖状の生成物であり、その一方(乳化剤E)は、その大部分が12 〜16の炭素原子である長さが10〜16の鎖からなり、そしてもう一方(乳化 剤F)は非常に純粋な直鎖状の生成物であり、その鎖の99%が12の炭素原子 であった。 乳化剤A、B、CおよびIは上記式[II]のアルコール類の硫酸化によって製 造され、該アルコール類は、対応するオレフィンを触媒的にヒドロホルミル化し た後に、生成されたアルデヒド類の混合物に水素を添加することによって生成さ れた。 結果は以下の通りである。* 複合配合物は以下の成分(重量部)からなる。 PVC 80 PVC充填剤 20 TiO2 5 CaCO3 25 可塑剤 55 安定剤 1.5 発泡剤 3.5 そして、異なる配合表を用いた場合、 PVCペーストの粘度は使用された乳化剤の分岐の度合いに依存し、そして分 岐度の高い分子によって得られるPVCは直鎖状の乳化剤を用いて得られるPV Cよりも低い粘度を有することが容易に分かる。 僅かに異なる条件下で行われた別の一組の実験では、式:C49[CH−CH2 OSO3Na]C613で表される純粋なアルキル硫酸塩(G)を、塩化ビニル のマイクロサスペンション重合において乳化剤として用いた。さらに、アルキル 硫酸塩(G)の代わりに以下の式: R2[CH−CH2OSO3Na]R3 ここでR2がCH3のときR3はC919であり、R2がC25のときR3はC817 であり、R2がC37のときR3はC715であり、R2がC49のときR3はC613 であり、そしてR2がC511のときR3はC511である、 で表されるアルキル硫酸塩類(H)の混合物を用いて実験を繰り返した。 生成されたポリマーから、前述のものと同じ複合調合物を用いて、プラスチゾ ル調合物を調合し、そして該調合物の粘度を20RPMで測定した。結果を以下 の表に示す。 これらの結果は、本発明の分岐アルキル硫酸塩類が、実質的に直鎖状のアルキ ル硫酸塩類を用いて得られるPVCペーストの粘度よりも低い粘度を有するPV Cを生成できることを証明している。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.塩化ビニルモノマーを、共重合性モノマーと共にあるいは共重合性モノマー なしに、乳化剤の存在下で重合させることからなる塩化ビニルの重合法であって 、乳化剤は少なくともその30%(モル基準)が分岐されたアルキル硫酸塩類の 混合物を含有するかあるいは該アルキル硫酸塩類の混合物が生成されたポリマー に添加され、そして分岐されたアルキル硫酸類が下記式[I]: ここで、RおよびR1のそれぞれは炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状アル キル基であり、そしてMは塩形成性元素もしくは基である、 で表され、そしてこの分岐されたアルキル硫酸塩類は7〜20の炭素原子を含有 する、ことを特徴とする、塩化ビニルの重合法。 2.塩化ビニルモノマーを、共重合性モノマーと共にあるいは共重合性モノマー なしに、乳化剤の存在下で重合させることからなる塩化ビニルの重合法であって 、乳化剤は少なくともその30%(モル基準)が分岐されたアルキル硫酸塩の一 種もしくは二種以上を含有するかあるいは該一種もしくは二種以上のアルキル硫 酸塩が生成されたポリマーに添加され、そして上記それぞれの分岐されたアルキ ル硫酸塩が下記式[I]: ここで、RおよびR1のそれぞれは炭素数2〜15の直鎖状もしくは分岐状アル キル基であり、そしてMは塩形成性元素もしくは基である、 で表され、そしてこの上記それぞれの分岐されたアルキル硫酸塩は7〜20の炭 素原子を含有する、ことを特徴とする、塩化ビニルの重合法。 3.アルキル硫酸塩(類)が少なくとも50%(モル基準)分岐されている請求 項1または2に記載の方法。 4.Mがアルカリ金属もしくはアンモニウムである請求項1〜3のいずれかに記 載の方法。 5.分岐されたアルキル硫酸塩が9〜16の炭素原子を含有する請求項1〜4の いずれかに記載の方法。 6.分岐されたアルキル硫酸塩(類)が塩化ビニルモノマーの重量基準で3重量 %までの量で存在する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 7.塩化ビニルモノマーの重合もしくは共重合のための乳化剤として用いられる 際の、請求項1または2に記載の式[I]の分岐されたアルキル硫酸塩。 8.塩化ビニルポリマーもしくはコポリマーに添加された際の、請求項1または 2に記載の式[I]の分岐されたアルキル硫酸塩。 9.請求項1〜6のいずれかの方法によって製造された塩化ビニルポリマーもし くはコポリマー。 10.請求項9に記載された塩化ビニルポリマーもしくはコポリマーおよび少な くとも一種の可塑剤を含有するポリ塩化ビニルペースト。
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