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JP2002501032A - 急性間欠性ポルフィリン症(aip)及び他のポルフィリン症の治療方法 - Google Patents

急性間欠性ポルフィリン症(aip)及び他のポルフィリン症の治療方法

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JP2002501032A
JP2002501032A JP2000528305A JP2000528305A JP2002501032A JP 2002501032 A JP2002501032 A JP 2002501032A JP 2000528305 A JP2000528305 A JP 2000528305A JP 2000528305 A JP2000528305 A JP 2000528305A JP 2002501032 A JP2002501032 A JP 2002501032A
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pbgd
porphyria
enzyme
aip
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フォッ,イエンス
ゲラフォース,パー
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ヘム−バイオテック エイ/エス
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Abstract

(57)【要約】 ヘム生合成経路に属する酵素の欠乏によって患者に引き起こされる疾患を治療又は予防する方法であって、該酵素、又は酵素学的に等価な部分もしくはその類似体である触媒の有効量を患者に投与することからなる方法。疾患は、急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、ALA欠乏性ポルフィリン症(ADP)、晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)、遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)、ハーダーポルフィリン症(HDP)、異型ポルフィリン症(VP)、先天性造血性ポルフィリン症(CEP)、造血性プロトポルフィリン症(EPP)及び肝造血性ポルフィリン症(HEP)からなる群から選択される。触媒は、ポルフォビリノーゲンデアミナーゼ(PBGD)、ALAデヒドラターゼ、ウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ、コプロポルフィリノーゲンオキシダーゼ、コプロポルフィリノーゲンオキシダイズ、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ、ウロポルフィリノーゲンIIIシンセターゼ、フェロキラターゼ及びウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ、又はそれらの酵素学的に等価な部分もしくは類似体からなる群から選択される酵素である。さらに、本発明は、PBGDの使用及び遺伝子治療の方法に関している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、ヘム生合成経路に属する酵素活性の不在又は欠乏によって引き起こ
される疾患の治療及び予防の新規な方法に関する。さらに詳細には、本発明は、
遺伝子治療を含む、ある種のポルフィリン症状、特に急性間欠性ポルフィリン症
を緩和する方法に関する。
【0002】 発明の背景ヘム生合成経路 ヘムは、全ての生きている高等動物種における終身の生体分子である。ヘムは
、酸素輸送(ヘモグロビン)、薬剤の解毒(シトクロム P450)及びミトコンドリア での酸化的リン酸化反応中の化学エネルギー(ATP)の発生用電子転移体のような 重要なプロセスに関与している。 ヘムは、グリシンとスクシニル-CoAを原料とする8つの連続的な酵素工程で合 成される。Sassa S. 1996, Blood Review, 10, 53-58は、最初の酵素工程(ALA- シンセターゼ)と最後の三工程(コプロポルフィリノーゲンオキシダーゼ、プロト
ポルフィリノーゲンオキシダーゼ及びフェロキラターゼ)はミトコンドリアに局 在しているが、残りはサイトゾル酵素であることを示すヘム生合成経路の概略図
を明らかにしている。 ヘム生合成経路の重要な調節は、代謝経路の最終生成物、つまりヘム生合成経
路の最初の律速段階の酵素工程(ALA-シンセターゼによって行われる)で負の阻害
をするヘムによって果たされる [Strandら、Proc.Natl.Acad.Sci.1970, 67, 131
5-1320]。 ヘム生合成酵素の欠乏は、集約的にポルフィリン症と呼ばれる疾患群を導くこ
とが報告されている。 第三の酵素工程の欠落は、急性間欠性ポルフィリン症AIPを導く。
【0003】急性間欠性ポルフィリン症 急性間欠性ポルフィリン症(AIP)は、ヘム生合成経路の第三酵素、ポルフォビ リノーゲンデアミナーゼ(ポルフォビリノーゲンアンモニアリアーゼ(重合化)と しても公知)、E.C.4.3.1.8.の欠失(活性の50%低下)によって引き起こされるヒ トにおける常染色体の優性疾患である [Waldenstrom J. Acta.Med.Scand. 1937
補稿82]。以下では、この酵素を「PBGD」と呼称する。AIPの臨床上の発現 PBGDの酵素活性の低下により、この酵素がヘム生合成経路で律速段階となり、
共動して尿ならびに血清中でのデルタ-アミノレブリン酸(ALA)とポルフォビリノ
ーゲン(PBG)のレベルが増加する。 AIPの臨床上の発現は、腹痛及び種々の神経精神医学的な循環機能障害を含む 。酵素ブロックの結果、ポルフォビリノーゲン(PBG)及びデルタ-アミノレブリン
酸(ALA)のようなヘム前駆体は、過剰量で尿と便に排出される。急性発作では、 高レベルのPBGとALAも血清に認められる。これらの前駆体は、通常健康な個体の
血清には認められない。
【0004】 これらの患者に認められる神経精神医学障害は、前駆体の神経系への干渉によ
るか、又はヘムの欠失によるものと考えられている。例えば、ALAは抑制性の神 経伝達物質4-アミノブチル酸(GABA)に極めて類似しており、神経毒であることが
示唆されている[Jeans J.ら、American J.of Medical Genetics 1996, 65, 269-
273]。 腹痛は、AIP患者にもっともよくみられる症状で、急性発作のあいだに90%以 上発生する。これは、その後近位の筋肉の脆弱化、ちくちくする痛みや感覚異常
の喪失とともに末梢ニューロパシーをすぐに起こす。頻拍、便秘又は下痢もある
かもしれない。急性発作中に、挙動変化、錯乱、痙攣、呼吸麻痺、昏睡及び幻覚
もあるかもしれない。 高血圧もAIPに関連しており、患者の40%が発作間に高血圧を維持している。 慢性腎疾患 [Yeung L.ら、1983, Q.J.Med 52, 92-98]とAIPならびに肝細胞癌 [L
ithner F.ら、1984, Acta.Med.Scand. 215, 271-274]との関連性も報告されてい
る。 AIPは終生の疾患で、通常、思春期に発現する。
【0005】急性発作促進因子 多くの促進因子(precipitating factors)は、経路の最終生成物であるヘムを 介してヘム生合成経路の最初の律速段階の酵素との結合を示す。ヘム濃度が低下
すればするほど、ALA-シンセターゼの割合はすぐに上昇する。次に、ALAの過剰 生産により、部分的に欠乏しているPBGD酵素(活性50%)が、ヘム前駆体ALA及びP
BGの蓄積を伴って、今や律速段階となる。シトクロムP450を誘導する薬剤、例え
ばバルビツレート、エストロゲン、スルホンアミド、プロゲステロン、カルバミ
アゼピン及びフェニトインは、全て急性発作を促進することができる [Wetterbe
rg L. 1976, In Doss M. Nowrocki P.編集、Porphyrias in Human Disease. Rep
orts of the discussion. Matgurg an der Lahn, 191-202]。 臨床発現は、女性、特に月経期の女性に非常に一般的である。合成エストロゲ
ン及びプロゲステロンのような内分泌因子は、公知の促進因子である。十分なカ
ロリー摂取量の不足も有意な因子である。このため、急性発作中のカロリー補給
は、臨床的な症状を減じる[Welland F.H.ら、1964, Metabolism, 13, 232]。 最後に、疾患、感染、手術及び過剰なアルコールを含む種々の形態のストレス
は、急性発作を促進することが分かっている。また、促進因子が見出されない急
性発作の場合もある。
【0006】AIPの罹患率 0.21%の罹患率は、スエーデン北部の地理的に隔離された集団1500当たりの罹
患率1 [Wetterberg L. 1967, Svenska bokforlaget Nordstedt, Stockholm]と同
じくらい高いことが報告されている[Tishler P.V.:ら、1985, Am.J. Psychiatry
142, 1430-1436]。住民10,000人当たり200までの罹患率が、スエーデン北部の アルジェポン(Arjepong)から報告されている[Andersson, Christer, Thesis, 19
97, ISBN 91/7191/280/0, pp.22-23]。
【0007】AIPの現在の治療 AIPならびに他のタイプのポルフィリン症、例えば異型性、遺伝性のコプロポ ルフィリン症、ハーダーポルフィリン症(harderoporphylia)、及びアミノレブリ
ン酸デヒドラターゼ欠乏症の治療は、基本的に同じである。現存するAIPの治療 は、すべて、最初の律速段階酵素ALA-シンセターゼを阻害することによって循環
しているPBGとALAを減少さすことを目的としている。ALA-シンセターゼのこの阻
害は、循環しているヘムを増加させてなされる。というのは、ヘムはALA-シンセ
ターゼの負のフィードバック調節体であるためである。ヘマチン処理、高度なカ
ロリー摂取又はSn-メソポルフィリン投与によるヘム崩壊の阻害が、今日現存し ている治療である。これらの治療は、効果が限られていることが分かっている。 急性発作間の治療は、十分なカロリー摂取と薬剤の回避ならびに迅速な感染治
療を伴う。 急性発作を経験している患者は、静脈内の炭水化物、通常デキストロース(300
g/日)と静脈内のヘマチン(3〜8mg/(kg日))を用いて治療する。 長く作用する、LHRHのアゴニスト類似体での治療は、AIP患者の排卵を阻害す ることによって月経前の発作の発生を減じることが分かっている。最終的に、ヘ
ムの崩壊を阻害する、ヘム類似体Sn-メソポルフィリンに関する治療も、試みら れている。
【0008】AIPに必要な医薬 AIPに対する有効な治療がないことは、十分に認識されている。入院を要するA
IP患者における合衆国の死亡率研究(mortality study)では、死亡割合が匹敵す る一般の人口と比較して3.2倍高いことを結論づけた。 自殺者も死亡の主要な原因で、一般の人口で予想される割合の370倍で発生し ている[Jeans J.ら、1996, Am.J.of Medical Genetics 65, 269-273]。 ヘマチンの治療は、通常、高いカロリー摂取が急性発作を和らげるのに十分で
ない際に開始される。ヘマチンを用いる研究は行われているが、これらの研究は
、一般に、患者が高度な炭水化物の治療に応じなかった後に研究の対照として患
者を用いた[Mustajokiら、1989, Sem.Hematol. 26, 1-9]。 報告されているヘマチン治療での制御研究は、患者数があまりに少数であるた
めに統計的有意性に達していない [Herrick A.L.ら、1989, Lancet 1,1295-1297
]。 この結果、これらの疾患を目的とする新規な治療/予防方法の提示が明らかに 必要である。
【0009】 発明の開示 症候性AIPの患者の尿中にみられるALAとPBGのレベルは、それぞれ1〜203mg/日
及び4〜782mg/日の範囲である。通常のALAとPBGの排出は、非常に少量である(0 〜4mg/日)。これらの患者も上昇レベルのALAとPBGを血清中に有しているとの知 見は、重要である。AIP患者は、急性発作と関連して著しく上昇したレベルのALA
(96μg%)とPBG(334μg%)を血清中に有していること、及び発作の激しさが、高
レベルのALAとPBGに相関していることが、研究で示された。このため、臨床的な
症状を除いてヘムプールを正常化するために、循環しているALAとPBGのレベルを
減じることが重要である。 本発明者らは、PBGを、反応の通常の生成物であるヒドロキシメチルビラン(HM
B)に(酵素転化で)代謝することによって血清に循環している高レベルのPBGを低 下さすために、PBGD、好ましくは組換えPBGD(rPBGD)を用いることを根本とする 、AIPの治療における新規な治療原理を提示する。この代替治療は、血清中のPBG
の正常化を導くのみならず、ヘムプールの正常化も導くであろう。また、それは
、ヘム前駆体は互いに平衡であるので、血清中のALAの正常化を導くであろう。 血清ALAが少量になるほど、PBGは共動して症状を軽減するものと推測される。反
応生成物(HMB)は、細胞に広まって正常なヘム生合成経路に入り、その後ヘムに 代謝されるであろう。
【0010】 このため、注射で投与されるPBGDは、通常、機能している血清中(細胞外、細 胞内ではない)でPBGをHMBに変えることで通常の触媒機能を実行する。新規な治 療の構想は、ALA、PBG及びHMBは細胞膜を透過する、又はこれらは細胞膜を横切 って特異的に輸送されるとの仮説に基づいている。この代わりに、細胞外分画か
ら細胞に入るのを容易にするための、製剤化の結果か、又はPBGDの修飾の結果と
して細胞内で作用できるPBGDの形態の投与がある。 AIP患者が血清中にこれらのヘム前駆体を大量に有しているという知見は、PBG
は細胞内に蓄積しないが、PBGD酵素ブロックのために細胞内濃度が上昇すると細
胞から血清に放出されるとの考えを支持している。 AIPに対する基本的な新規な治療概念は、全てのポルフィリン症にあてはまり 、そのために本発明は、一般に、ポルフィリン症を特徴づける、減じられている
か又はなくなりつつある酵素活性を置換することによって、これらの疾患を治療
することを目的とする。 したがって、もっとも広い態様において、本発明は、ヘム生合成経路に属する
酵素の欠乏によって患者に引き起こされる疾患を治療又は予防する方法であって
、該酵素又は酵素学的に等価な部分もしくはその類似体である触媒の有効量を患
者に投与することからなる方法に関している。
【0011】 また、ポルフィリン症を治療する研究は遺伝子治療も示唆しており、これは、
遺伝物質を関係する細胞に導入し、次いで興味ある酵素の生産をインビボで引き
継ぐことを目的としている。 このため、用語「触媒」によれば、そのまま置換される関連酵素又はそれらの
酵素学的に等価な部分もしくは類似体のいずれかがここで意味される。酵素の酵
素学的に等価な部分の一例は、酵素の全長と同じ酵素活性を実質的に発揮できる
ドメイン、又は酵素の全長と同じ酵素活性を実質的に発揮でき、必要な触媒部位
を含む酵素のサブシークエンス、又は触媒をコードする遺伝子である。 酵素の酵素学的に等価な類似体の例は、機能形態の酵素の触媒部位を含む融合
タンパク質であってもよいが、これは、別種由来の酵素の同種変異体であっても
よい。また、関連酵素の特異的な酵素活性を模倣する完全な合成分子は、「酵素
学的に等価な類似体」も構成する。 本質において、発明の概念は、欠損している酵素を「援助」する触媒を単に投
与することによって被験体中で減じられた酵素活性を代替する新規な構想に基づ
いている。しかし、触媒の正確な性質は全く重要ではない。重要なのは、触媒が
酵素の酵素活性をインビボで模倣できることのみである。
【0012】 用語「ヘム生合成経路」は、グリシンとスクシニル-CoAをヘムに導く周知の酵
素工程[例えば、Sassa S. 1996, Blood Review, 10, 53-58参照]を意味し、この
生合成経路に属する酵素は、ポルフォビリノーゲンデアミナーゼ(PBGD)、ALAデ ヒドラターゼ、ウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ、コプロポルフィリ
ノーゲンオキシダーゼ、コプロポルフィリノーゲンオキシダイズ、プロトポルフ
ィリノーゲンオキシダーゼ、ウロポルフィリノーゲンIIIシンセターゼ、フェロ キラターゼ及びウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼである。したがって
、上記によれば、本発明で用いられる触媒は、このような酵素又はそれらの酵素
学的に等価な部分もしくは類似体である。上記の酵素全てがシークエンスされて
おり、これらの組換え体や合成物とすることができることに留意すべきである。 これらの酵素の減少活性に関する疾患は、急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、A
LA欠乏性ポルフィリン症(ADP)、晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)、遺伝性コプロ
ポルフィリン症(HCP)、ハーダーポルフィリン症(HDP)、異型ポルフィリン症(VP)
、先天性造血性ポルフィリン症(CEP)、造血性プロトポルフィリン症(EPP)及び肝
造血性ポルフィリン症(HEP)である。
【0013】 用語「有効量」によって、上記酵素の1つの活性の低下によって引き起こされ
るポルフィリン症の患者における酵素活性の欠失又は欠乏を補足する触媒の用量
がここで意味される。有効量を構成する正確な用量は、触媒の血清半減期、触媒
の比活性などのような幾つかの因子によるが、当業者は、標準的な手法(例えば 、血液濃度と酵素活性の相関関係を決定するための、トランスジェニック動物の
ような適当な動物モデルで実験を開始する方法)によって所定の場合に正確な用 量を決定できるであろう。 本発明の方法に好ましい対象である疾患はAIPであり、それ故、触媒はPBGD又 はそれらの酵素学的に等価な部分もしくは類似体である。触媒は、ヘム生合成経
路に属する酵素又はそれらの酵素学的に等価な部分もしくは類似体の組換え型で
あることが、もっとも好ましい。なぜなら、組換え体は、この方法に利用できる
とともに、大量に生産することができる。これは、酵素を天然源から精製する場
合には、あり得ることではない。 触媒の好ましい製剤及び用量は、以下で詳細に記載するPBGDが挙げられるが、
限定されない。これらの製剤も、請求項から明らかである。これらの製剤と服用
形態は、本発明で用いられる全ての触媒に適用可能であることが好ましい。
【0014】 本発明の方法の1つの重要な具体例は、投与によって、触媒が、細胞内分画で
酵素活性の少なくとも一部を発揮するものである。これは、例えば触媒が酵素の
酵素学的に等価な部分又は類似体である場合に、酵素のこのような変異体が、細
胞膜を透過するようにつくられているために、成し遂げられる。したがって、触
媒が、ポルフォビリノーゲンをヒドロキシメチルビランに重合できる小さい人工
酵素か有機性触媒である場合には、当業者は、細胞内分画へ入るのを容易にする
関連側鎖を導入することができる。また、触媒は酵素であるが、患者への投与に
よってその酵素活性の少なくとも一部を細胞内で発揮するようにつくられている
。これは、特異的な肝臓での取り込みのため、特異的な炭水化物又は他の肝細胞
に特異的な構造物で酵素を標識(tagging)してなされる。つまり、酵素(又は類似
体)は、例えば肝細胞への活性な輸送を容易にするように修飾される。 上記の例は興味あるものであるが、本発明の通常の実際的な例は、血流中で細
胞外に、その酵素活性の全てを実質的に発揮する触媒の使用に関すると考えられ
る。これは、関与しているヘム前駆体の酵素転換の代謝産物が細胞内分画へ自由
に浸透し、そこで残りのヘム生合成経路の転換が生じると信じられているためで
ある。また、代謝産物は、少なくともある程度までは尿及び/又は便を介して患 者から排出されてもよい。
【0015】 上記のとおり、触媒は、組換えて、つまり、 a) 触媒をエンコードする核酸配列を含む核酸フラグメントを適当なベクターに
導入し; b) ベクターに適合性の宿主細胞を形質転換し; c) 核酸配列の発現を容易にする条件下で、形質転換した宿主細胞を培養し;か
つ d) 培養物から発現産物を回収し、 任意に発現産物を翻訳後プロセシング、例えばインビトロでのタンパク質の再生
(refolding)、融合パートナーの酵素的な除去、アミノ酸残基のアルキル化及び 脱グリコシル化に付し、触媒を得ること からなる方法によって製造することが好ましい。 比較的小さい触媒(例えば酵素の活性部位から主に構成される触媒)については
、触媒は、液相又は固相のペプチド合成によっても製造することができる。
【0016】 モデル酵素PBGDの組換え生産に関するより詳細な説明は詳述する以下の記載に
示すが、上記のとおり本発明の全ての他のペプチド触媒について同じ考察が当て
はまる。組換え手段又は合成手段によって触媒を製造することの主な利点の1つ は、ヒト以外の細胞で製造されれば、触媒はヒト由来の他のいかなる生体物質も
なく、このためにウイルスなどのような公知又は未知の病原体に関する問題を減
じるという点にある。 用量の管理は、通常、少なくとも1日当たり1回の触媒の服用(好ましくは静脈 経路による)からなる。普通は、一日当たり2、3、4又は5回の服用が必要である が、放出持続性組成物が用いられている場合は、服用は一日当たり1回未満であ
ると推測される。 一日当たりの用量は、当業者によってケースごとに決定すべきであるが、概し
て、一日当たりの用量は触媒0.01〜1.0mg/体重kg/日である。より多くの場合に は、用量は0.05〜0.5mg/体重kg/日である。しかし、正確な用量は投与形態と触 媒活性ならびに関連酵素の欠乏の程度及び個々の治療に依存しており、用量は患
者の血清と尿前駆体のレベルを正常化するように調整することを忘れるべきでは
ない。
【0017】 正確な用量を決定するもっとも正確な方法は、患者の特異的な前駆体レベルを
基本にすることである。前駆体は、酵素反応生成物である。 PBGDについては、一日当たりの用量は約0.08〜0.2mg/体重kg/日であり、より 多くの場合には0.1mg/体重kg/日が選択的な用量である。他の全長の酵素につい ては、同等の用量が当てはまると考えられる。 最後に、上記の記載から認識されるように、本発明は、活性を欠いている酵素
を代替する新規な構想に基づいている。発明者らの知識の及ぶ限りでは、このよ
うな効果を有する触媒の治療上の使用はこれまで示唆されておらず、それ故に、
本発明は、医薬として用いるための、ここに定義するような触媒にも関している
。さらに、上記疾患の治療用医薬組成物を製造するためのこのような触媒の使用
も、本発明の一部である。
【0018】 図面の説明: 図1: pBluescript SK PBGD クローン # 1.1 の環状地図 図2: 発現プラスミドpExp0の環状地図 図3: 発現プラスミドpPBGD 1.1の環状地図 図4: 発現プラスミド pKK223-3の環状地図 図5: 発現プラスミド pExp1の環状地図 図6: 発現プラスミド pPBGD 1.1 Traの環状地図 図7: 発現プラスミド pExp1-M2の環状地図 図8: 発現プラスミド pExp1-M2-Puc-BBの環状地図 図9a〜9x: pBluescript SK PBGD クローン # 1.1 - 配列
【0019】 発明の詳細な説明 最初の具体例において、本発明は、ヘム生合成経路に属する酵素の欠乏によっ
て患者に引き起こされる疾患を治療又は予防する方法であって、該酵素又はそれ
らの酵素学的に等価な部分もしくは類似体である触媒の有効量を患者に投与する
ことからなる方法に関している。疾患は、ポルフィリン症の群から選択すること
ができ、触媒は、ポルフォビリノーゲンデアミナーゼ(PBGD)、ALAデヒドラター ゼ、ウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ、コプロポルフィリノーゲンオ
キシダーゼ、コプロポルフィリノーゲンオキシダイズ、プロトポルフィリノーゲ
ンオキシダーゼ、ウロポルフィリノーゲンIIIシンセターゼ、フェロキラターゼ 及びウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ、又はそれらの酵素学的に等価
な部分もしくは類似体からなる群から選択される酵素であってもよい。 好ましい例において、疾患はAIPであり、酵素はPBGD又はそれらの酵素学的に 等価な部分もしくは類似体である。さらなる例において、触媒は、ヘム生合成経
路に属する酵素又はそれらの酵素学的に等価な部分もしくは類似体の組換え型で
ある。
【0020】 触媒は、静脈経路、関節内経路、皮内経路、皮下経路、口腔経路、頬経路、筋 肉内経路、肛門経路、経皮経路、内皮経路及び鞘内経路からなる群から選択され
る経路で投与することができる。 触媒は、NaCl 0.9%及びpH 7.0 +/- 0.5、pH 8.0までのリン酸ナトリウム10〜
50 mM又はリン酸ナトリウム、グリシン、マンニトール又は相当するカリウム塩 のような等張液中でつくることが好ましい。触媒は凍結乾燥、滅菌ろ過していて
もよく、さらなる例では、ホスファチジルコリン又はホスファチジルエタノール
アミンもしくはそれらの組み合わせからなる脂質性の小胞として製剤化してもよ
い。さらに別の例では、触媒は赤血球ゴーストに組み込まれる。 また、生物分解性ミクロスフェア、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸又はこ
れらの混合物からなるミクロスフェアを含む放出持続性製剤が、行われてもよい
。 本発明の別の方法では、触媒は、前方の分画に触媒があり、後方の分画に再構
成用の水がある2分画のカートリッジで凍結乾燥される。2分画のカートリッジは
、針又は針のない(高圧)装置のいずれかによって触媒を投与するための注入装置
と組み合わさっていてもよい。
【0021】 また、経鼻投与用のエンハンサーを含む生理緩衝液の製剤で触媒を投与するの
が非常に便利である。 触媒の他の製剤は、脂質性小胞、例えばホスファチジルコリン、ホスファチジ
ルエタノールアミン又はスフィンゴミエリン又はデキストランミクロスフェアか
らなる小胞を含有する経口製剤を含む。 製剤は、患者の血流中で触媒の半減期を増強できるものが好ましい。これは、
触媒がポリエチレングリコールコーティングを有している製剤の使用によるもの
であってもよい。 触媒は、重金属と複合されていてもよい。 別の態様において、触媒は、酵素の酵素学的に等価な部分もしくは類似体であ
り、患者への投与によって細胞内で酵素活性の少なくとも一部を発揮する。これ
は、触媒がポルフォビリノーゲンをヒドロキシメチルビランに重合できる小さな
人工酵素又は有機触媒である際に、なすことができる。
【0022】 さらに、触媒は、患者への投与によって細胞内でその酵素活性の少なくとも一
部を発揮するように製剤化された酵素であってもよい。 加えて、触媒は、特異的な肝臓での取り込みのため、特異的な炭水化物又は他
の肝細胞に特異的な構造物で標識されていてもよい。 別の態様において、触媒は、血流中で細胞外に酵素活性の全てを実質的に発揮
する。 さらに別の態様において、関連するヘム前駆体に対する触媒の酵素活性により
、1)代謝産物が細胞内分画へ移動して、残りのヘム生合成経路の工程を介してさ
らに転換されるか、又は2)代謝産物が尿及び/又は便を介して患者から排出され る。
【0023】 本発明の別の例は、触媒が a) 触媒をエンコードする核酸配列を含む核酸フラグメントを適当なベクターに
導入し; b) ベクターに適合性の宿主細胞を形質転換し; c) 核酸配列の発現を容易にする条件下で、形質転換した宿主細胞を培養し;か
つ d) 培養物から発現産物を回収し、 任意に発現産物を翻訳後プロセシング、例えばインビトロでのタンパク質の再生
、融合パートナーの酵素的な除去、アミノ酸残基のアルキル化及び脱グリコシル
化に付し、触媒を得ること からなる方法によって製造される方法に関する。 触媒は、液相又は固相のペプチド合成によって製造でき、ヒト由来のいかなる
他の生体物質もないことが好ましい。
【0024】 上記のとおり、触媒は、患者に対して概説される特別な治療管理(各患者ごと の前駆体レベルは特定用量の評価治療前及び/又はその間に測定する)にしたがっ
て、少なくとも一日に1回、例えば一日当たり2、3、4及び5回投与することができ
る。 したがって、一日当たりの用量は、0.01〜1.0mg/体重kg/日、例えば0.05〜0.5
mg/体重kg/日の範囲であってもよい。また、本発明は、医薬組成物を製造するた
めの触媒の使用にも関している。 用量は、しばしば約0.1mg/体重kg/日であるものと考えられる。 したがって、本発明は、薬物として用いるための、ヘム生合成経路の酵素又は
その酵素学的に等価な部分もしくは類似体である触媒にも関する。そこで、さら
なる実施態様において、発明は、当該酵素の欠乏によって引き起こされる疾患の
治療または予防用医薬組成物を製造するための、ヘム生合成経路の酵素又はその
酵素学的に等価な部分もしくは類似体である触媒に関する。
【0025】 当然、この触媒は酵素の組換え型であってもよい。一例は、Seq.ID NO.1(ク ローンPBGD1.1)およびSeq.ID NO.12(非エリトロ(non-erythro)PBGD1.1.1) のいずれかに基づく組換えヒトPBGDである。 好ましい実施態様においておよび下記の詳細で開示されるように、本発明は、
酵素の欠乏を引き起こすPBGD遺伝子の突然変異を有する患者を治療する方法に関
し、この方法は、PBGDが発現される組織によって非赤血球造血型あるいは赤血球
造血型のいずれかのヒトPBGD cDNA配列を使用し、患者へ関連 cDNAをトランスフ
ェクションすることからなる。好ましくは、酵素の欠乏は、急性間欠性ポルフィ
リン症(AIP)、ALA欠乏性ポルフィリン症(ADP)、晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)
、遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)、ハーダーポルフィリン症(HDP)、異型ポル
フィリン症(VP)、先天性造血性ポルフィリン症(CEP)、造血性プロトポルフィリ ン症(EPP)及び肝造血性ポルフィリン症(HEP)から選択される疾患を生じる酵素欠
乏から選択される。 好ましい実施態様において、ヒトPBGD cDNA配列は、Seq.ID NO.1(クローンPB
GD1.1)およびSeq.ID NO.12(非エリトロPBGD1.1.1)から選択される。
【0026】 トランスフェクションは、アデノウィルス、レトロウィルスおよび伴生(assoc
iated)アデノウイルスから選択されるベクターの使用によってもよい。ヒト細胞
へのPBGD遺伝子転移ベクター(赤血球造血性及び/又は非赤血球造血性)は、正
常なPBGD活性または患者に疾患の症状がなくなる活性を生ずるのが好ましい。 本発明による急性間欠性ポルフィリン症(AIP)患者のさらなる遺伝子治療法 は、キメラ形成(chimeraplastic)遺伝子修復を利用してAIPを生じると確認さ れた特定の点突然変異の1つを修正することによる。これは、特別にデザインさ れたオリゴヌクレオチドと、修復すべき突然変異および突然変異の両側の配列に
ついての詳細な知識とを必要とする。 キメラ形成遺伝子修復の具体例は、カチオン性リン脂質類、リン脂質類、中性
脂質類の混じったリン脂質類、リクトシレート(lictosylate)されたPEI、リポソ
ーム類、天然リン脂質類と中性脂質類の混合物を含むリポソーム類から選択され
る1つまたはそれ以上の成分を含む賦形製剤に調製した非ウィルス性ベクターの
使用によるトランスフェクション用デリバリーシステムの使用による。 突然変異は、表Aに示す突然変異から選択することができる。 発明の好ましい実施態様についての下記の記載は、PBGDの組換え産生およびそ
の製剤と使用に焦点を当てている。しかしながら、このポリペプチドに関するす
べての開示は、他の上記の酵素にも適用されることが理解されるであろう。従っ
て、PBGDの産生および使用は発明を例示するだけであって、ヘム生合成経路の他
の酵素はすべて、下記の実施態様においてPBGDに換えることができる。
【0027】組換えPBGDの産生 上記のように、ヘム生合成経路の様々な酵素の組換え型を投与するのが好まし
い。下記においては、これらの酵素の1つ、即ちPBGDの組換え産生を説明する。 赤血球造血性PBGDの遺伝子は、ヒトゲノムにおいて染色体領域11q24に位置し 、10kbのDNAにわたる15のエキソンからなり、Grandchamp B.ら1996. J. of Gast
roenerology and Hepatology 11, 1046-1052に示されている。 赤血球造血性PBGD酵素をコードする遺伝子(344アミノ酸)(Raich N. ら、198
6, Nucleic. Acid. Res, 14, 5955-5968)は、ヒトの赤血球造血組織から逆転写 酵素またはPBGDコード領域のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)による増幅によって クローン化される。 遺伝子は、プラスミドに挿入され、適切な宿主細胞(大腸菌又は枯草菌のよう
な細菌、サッカロマイセスのような真菌類、またはCHO細胞のような哺乳動物の 細胞系)に形質転換される。PBGD遺伝子の発現は、選択した宿主細胞に適合性の
プロモータによって調節される。
【0028】 細菌の産生について: 内在性ATG配列は、翻訳の開始と細胞質発現のためにrPBGD構造遺伝子のNH2− 末端に位置される。あるいは、PBGDコーディング領域の前に細菌のシグナル配列
、例えば大腸菌のペリプラズム酵素シグナルペプチドまたは大腸菌中の分泌され
たエンテロトキシンもしくはエンドトキシン由来のシグナルペプチドを挿入し、
大腸菌中で分泌させる。 大腸菌中でのrPBGDの産生に用いられるプラスミドは、次のようにして構築し た。
【0029】rPBGD産生プラスミドの構築 イントロダクション: 赤血球造血性発現型のポルフォビリノーゲンデアミナーゼ(PBGD) (Raich N,
ら、Molecular cloning and complete primary sequence of erythrocyte porph
obilinogen deaminase. Nucleic Acids Research 1986 14(15): 5955-67)をクロ
ーンし、配列を決定した。2つの型のPBGDが公知である。赤血球造血型は赤血球
始原細胞に特異的に発現され、構成型はすべての細胞に発現される(Grandchamp
B,ら、Tissue-specific expression of porphobilinogen deaminase. Two isoe
nzymes from a single gene. Eur J Biochem. 1987 Jan; 162(1):105-10. mp et
. al. 1987.)。この2つは同じ遺伝子から発現され、選択的なエキソンの使用に
よる構成型アミノ末端での17アミノ酸の追加を除いて同じである。赤血球造血型
をクローンし発現させることを決定した。ジーンバンクにはPBGDの3つの配列、
上記の2つのイソ型とゲノム配列がある(Yoo HW, ら、Hydroxymethylbilane syn
thase: complete genomic sequence and amplifiable polymorphisms in the hu
man gene. Genomics 1993 Jan; 15(1):21-9)。これらすべては、アミノ酸変化 への翻訳に際し、ヌクレオチド差異を有する。従って、ヒトの治療用に発現させ
る特定の配列を選択する前に、野生型対立遺伝子が何かを決定することが必要で
あった。このために、PBGD cDNAクローンを幾つかの源から単離して配列決定し 、最も一般的なアミノ酸使用を決定した。オリゴヌクレオチドプライマーは、ポ
リメラーゼ連鎖反応(PCR)によってcDNAからコーディング領域を増幅するよう にデザインした(Saiki RK,ら、Enzymatic amplification of beta-globin geno
mic sequences and restriction site analysis for diagnosis of sickle cell
anemia. Science 1985, Dec 20; 230(4732):1350-4)。これらは5つのmRNA源か
らcDNAを単離するのに用い、次いでプラスミドベクターにクローンした。これら
のクローンのうち8つの配列が決定され、公表された配列に加えて個体群の中で 最も普通のアミノ酸配列であるべき野生型対立遺伝子を定義した。この野生型対
立遺伝子をタンパク質発現のために用いる。
【0030】 ストラテジ: ネスト型(nested)PCRストラテジが、PBGDをクローンするために考案された。 第1のプライマーセット(表1参照)Ico379とIco382は、コーディング領域の外側 の配列に結合する20マーである。Ico379は、赤血球造血型PBGDのmRNA(cDNA) の5'未翻訳領域に特異的である。結合部位は、酵素の構造型では発現されないエ
キソン領域にある。Ico382は、両方の型のPBGDの3'未翻訳領域に結合する。これ
らの内部に、PBGDコーディング領域の遠端にデザインされた、PCRの第2ラウンド
に用いられるオリゴヌクレオチドプライマー第2セット、Ico375とIco376がある 。Ico375は、赤血球造血型PBGDのコーディング領域の5'末端に相同の22塩基配列
を有し、ATG開始コドンに続いてPCR産物のクローニングのためのEcoRIエンドヌ クレアーゼ切断部位と効率的な制限を確実にする4塩基の配列とをもつ。Ico376 は、PBGDコーディング領域の3'末端に相同の33塩基配列を有し、サイレント突然
変異によってMunl/Mfelエンドヌクレアーゼ切断部位を導入するよう内部で変化 した3塩基を持ちTAA停止コドンで終わる。この制限部位は、His−Tagをエンコー
ドする配列をオリゴヌクレオチドアダプタ−を持つDNAに導入しやすくするか、 または他の3'修飾を可能にするのに用いられる。停止コドンに続いて、翻訳の終
了を確実にするために第2の停止コドン、PCR産物のクローニングのためのHindII
Iエンドヌクレアーゼ切断部位があり、これに効率的な制限を確実にするための4
つの塩基が続く。PBGD PCR産物の端に導入されたEcoRIおよびHindIIIエンドヌク
レアーゼ切断部位は、配列決定のための高コピー数pBluescriptII SK-(Stratage
ne) ベクター中のそれぞれのユニークな制限部位中に連結し、次いで、組換えヒ
トポルフォビリノーゲンデアミナーゼrh-PBGDの産生のための大腸菌発現ベクタ ーにPBGD DNAを移動させるのに用いられる。
【0031】 PCR: 6つのcDNAをPCR源として用いた;それぞれ異なるプールのヒトのドナーからの
脾臓、骨髄、リンパ節、肺、全脳及び脂肪組織(脂肪を1人のドナー由来のClont
ech 全RNA 5μgから調製した以外は、製造者の指示によって、反応量20μl中Clo
ntech ポリ-A RNA 500ngとBRL Superscript IIを用いるDonald Raoにより製造)
。使用した装置および用品のリスト(下記のリスト参照)。各cDNA 1μl(約25ng)
を、Advantage cDNAポリメラーゼミックス(Clontech)を用いて、50μl反応 量中0.2mM dNTP(PE/ABI)および各0.3μM のIco379とIco382を用いて増幅した。
2サイクルのPCRを用いて、初期熱変性工程を94℃で1分40秒、次いで、96℃で16 秒および68℃で2分の28サイクル。74℃で6分の最終拡張によって、拡張産物をい
っぱいにした。反応物の1/5を、0.5xTBE緩衝液中で6xローディングダイ2μlを用
いて1.2%アガロースゲル上に流した(Maniatis T., E.F. Fritsch, J. Sambroo
k. Molecular Cloning (A laboratory Manual) Cold Spring Harbor Laboratory
1982)。1.1kbの予期されたバンドが、肺組織cDNA以外のすべての源で臭化エチ
ジウム染色によって観察された。これらのバンドを切り出し、Microcon-30を用 いて、製造者の指示に従ってマイクロピュアインサート(Amicon/Millipore)とdH
2Oで交換した緩衝液を用いてDNAを単離した。回収したDNAの1/10を、Advantage
cDNAポリメラーゼミックス(Clontech)を用いて、50μl反応量中0.2mM dNTP(PE
/ABI)および内ネスト型オリゴヌクレオチド(Ico375とIco376)各0.3μMを用い て増幅した。2サイクルPCRを再び用いて、初期熱変性工程を94℃で1分40秒、次 いで96℃で16秒および68℃で2分の2サイクル、96℃で16秒および72℃で2分の13 サイクル、74℃で6分の最終拡張をした。50μl反応物の10μlを、6xローディン グダイ2μlを用いて1.2%アガロースゲル上に流した。その結果生じたバンドは 予期された大きさ、1.05kbであった。PCR反応物の残りを製造者の指示に従ってC
hromaspin-400カラム(Clontech)に通し、反応成分を除去し、緩衝液をTE (10m
M Tris-HCl pH8.0/1mM EDTA)と交換した。DNA含有溶出液をdH2Oで洗浄し、製造 者の指示に従ってMicrocon-100 スピンフィルター (Amicon/Millipore)で濃縮し
た。
【0032】 クローニング: 精製したPBGD DNAを、37℃で50μlの反応物にEcoRI"U"緩衝液(New England B
iolabs (NEB))中のEcoRIおよびHidIII各40ユニットを用いて6時間消化した。酵
素は68℃20分で加熱により死なせ、反応物はMicrocon 100 スピンフィルターに かけてDNA末端小片を除去し、dH2Oで洗浄し、濃縮した。得られたDNAの1/5を、E
coRIおよびHindIIIで消化し2度ゲル精製したpBluescriptII SK- (Stratagene) 約50ngおよびT4 DNA リガーゼ(NEB 付着末端ユニット)200ユニットを用いて16℃
で15時間連結させた。リガーゼは、75℃10分間で熱により死なせた。反応物は次
いでdH2Oと緩衝液交換をし、Microcon-100 スピンフィルター中で濃縮し、dH2O で5μlの量まで取った。各1μlを、BioRadエレクトロポレーターを用いて0.1cm キュベット中の25μl DH10B Electromax 細胞 (Gibco/BRL)に2.5Kv/200Ohms/25 μFでエレクトロポレーションさせた。SOC培地(Gibco/BRL) 1mlを加え、細胞を3
7℃、250rpmで1時間成長させた。細胞は、150μg/mlのアンピシリンを有するLB プレート(Maniatis T., E.F. Fritsch, J. Sambrook. Molecular Cloning (A la boratory Manual) Cold Spring Harbor Laboratory. 1982)上に延ばした。5つす
べての効率は、バックグランド(インサートなしで連結させたベクター)の約2倍 であった。コロニーPCRを用いて、各エレクトロポレーションの18個の形質転換 についてPBGDの有無を分析した。内部PBGD特異性プライマー(Ico381)をpBlues
cript特異性プライマー(Ico385)と用いて、ベクター中での同一性と適切な方向 づけを確かめた。25μlの反応物を氷上に設置し、プライマー濃度0.4μM、0.125
U Taq ポリメラーゼ (Fisher)および0.2mM dNTP(PE/ABI)でプロテアーゼを失活 させた。2サイクルPCRを用いて、初期熱変性工程を94℃で1分40秒、さらに変性
工程を96℃で20秒、次いで96℃で16秒および68℃で1分の30サイクル、74℃で4 分の最終拡張をした。5μlの6xローディングダイを添加し、各12.5μlを1.2%ア
ガロースゲル上に流した。結果は下記の通りである:脾臓については、12/18が 陽性コロニー;骨髄については10/18;リンパ節については8/18;脳については9
/18;脂肪組織については10/18。最初の3つについてはそれぞれ2つの陽性コロ ニー、後の2つについてはそれぞれ1 つを、150μg/mlのアンピシリン含有25ml液
体LB倍地で37℃250rpmで一晩成長させた。プラスミドDNAを、Qiagen's Tip-100
DNA 精製キットで製造者の指示に従って培地から精製した。260nmのUV吸収を用 いてプラスミド収量を測定したところ、純度の高いDNAは131〜169μgであった。
【0033】 配列決定: ビッグダイターミネーターサイクル配列決定を用いた2本鎖プラスミドDNAの配
列決定反応を、9700 サーモサイクラー(Perkin Elmer/Applied Biosystems)中
で行った。2つのベクタープライマー(Ico383およびIco385)と2つのPBGD特異性
内部プライマー(Ico380およびIco381)を、8つのプラスミド(配列参照)すべて に用いた。さらに第5のベクタープライマー(Ico285)を、脳および脂肪由来の クローンに用いた。反応条件は、下記のように製造者のプロトコールに従った:
500ngプラスミドDNAおよび4pmolオリゴヌクレオチドプライマーと20μl量中の8 μl混合物を96℃で12秒および60℃で4分の30サイクル。拡張産生物は、イソプロ
パノール沈殿で精製した。各反応物に、20μlのdH2Oと60μlのイソプロパノール
を加えた。これらを反転させて混合し、15分間室温で放置し、次いでGH3ロータ ーとMicroplateとキャリアを備えたBeckman GS-6KR遠心機で3250rpmで40分回転 した。反応物を反転して1680rpmで1分回転し、ペレット化DNAから液体を除去し た。DNA配列分析は、ワシントン大学生化学部シーケンシング研究室(the Univer
sity of Washington Biochemistry Department sequencing Laboratory)でAppli
ed Biosystems 377 シークエンサーを用いて行った。
【0034】 分析: 8つのクローンすべてのインサートは、完全な2本鎖配列分析(配列1〜8参照
)によってPBGDと確認された。それぞれ、公表された配列と多少の違いがある。
違いにはユニークなものもあれば、他のクローンと共通のものもあった(表2お
よび表3参照)。1つのクローンにのみ見出された差異については、追加サンプ リングなしにPCR即ちクローニング人工体と実際の対立的変異とを見分けること が困難である。しかしながら、複数の配列に同じ塩基差が認められる時、それが
クローニングエラーで生じたとは考えにくい。11のPBGD配列すべての並びから、
一連の共通の塩基、共通または野生型対立遺伝子配列が現れた。8つのクローン のうち5つ(1.1、1.3、2.1、3.3および 5.3.)は、野生型アミノ酸配列を有する
。野生型アミノ酸配列を有するこの組には、核酸レベルでたった1つの相違があ
る。555位置で、5つの配列のうち4つがdGTPを有するが、1つは公表の赤血球造 血性ゲノムPBGDと共にdTTPを有する。これらは2つの共通の対立遺伝子と思われ
るが、アミノ酸差は生じない。クローン番号1.1と公表された赤血球造血性PBGD の間には、2つの塩基変化がある。塩基513(Leu 171)でのアデニンからグアニ ンへの変化はサイレント突然変異で、11の配列のうち9つに存在した。第二の相 違は、塩基995(Thr 332)でのシトシンからアデニンへの置換である。これはサ
イレントな変化ではなく、トレオニンからアスパラギンへの非保守的突然変異を
伴う。しかしながら、他の10個の配列はすべてこの位置にアデニンを有するため
、この差は公表された赤血球造血性PBGD配列での誤りと考えられる。これらの天
然の変異に加えて、さらなる操作用のMun-I部位を作り出すために位置1017、101
8および1020においてクローニング中導入された別の3つのサイレント突然変異が
ある。PBGD遺伝子はpBluescript SKプラスミドに連結してpSK-PBGD 3988 bpプラ
スミドとし、これを配列決定した(図1、図9a〜9x、配列9参照)。
【0035】 結論: 治療用組換えタンパク質のいずれについても、免疫原性の可能性を減少させる
ために野生型対立遺伝子を用いることが大切である。文献の調査および異なる個
体由来のPBGD配列の分析から、我々は、クローン番号1.1がアミノ酸配列に関し て個体群の中で最も有力な「野生型」対立遺伝子を示すものと確信している。ク
ローン番号1.1は共通の野生型アミノ酸配列を含み、ただ1つのアミノ酸によって
公表の赤血球造血性PBGDとは異なっている。この相違は、赤血球造血性PBGD配列
以外の他のすべてのPBGDクローンに見られることから、公表の赤血球造血性PBGD
よりむしろ、有力な野生型配列であると思われる。このことから、クローン番号
1.1によってエンコードされたPBGDを、組換えヒトポルフォビリノーゲンデアミ ナーゼ(rh-PBGD)の産生のために選択した。
【0036】
【表1】 オリゴヌクレオチドプライマー: Ico375-pbgds(32 マー) 5'末端にEcoRI センス部位を持つコーディン グ領域 5' CGT GGA ATT CAT GAG AGT GAT TCG CGT GGG TA 3' Ico376-pbgda(47 マー) 3'末端にHindIII アンチセンス部位を持つコ ーディング領域 5' GGA GAA GCT TAT TAA TGG GCA TCG TTC AAT TGC CGT GCA ACA TCC AG 3' Ico378-csnonc(20 マー) 構成型非コーディングセンス 5' TCC AAG CGG AGC CAT GTC TG 3' Ico379-esnonc(20 マー) 赤血球造血型非コーディングセンス 5' TCG CCT CCC TCT AGT CTC TG 3' Ico380-sinter(21 マー) 内部コーディングセンス 5' CAG CAG GAG TTC AGT GCC ATC 3' Ico381-ainter(21 マー) 内部コーディングアンチセンス 5' GAT GGC ACT GAA CTC CTG CTG 3' Ico382-anonc(20 マー) 非コーディングセンス 5' CAG CAA CCC AGG CAT CTG TG 3' Ico383-pSKT7(22 マー) pBluescript T7 プロモーター 5' GTA ATA CGA CTC ACT ATA GGG C 3' Ico384- pSKpjrev(22 マー) pBluescript リバース1 5' CTA AAG GGA ACA AAA GCT GGA G 3' Ico385- pSKrev(21 マー) pBluescript リバース2 5' CAG CTA TGA CCA TGA TTA CGC 3'
【0037】
【表1A】
【0038】
【表1B】
【0039】
【表1C】
【0040】
【表2】
【0041】 表2: 我々が配列決定したPBGDクローンと構成性およびゲノムPBGDについてのジーン
バンク登録からのクローンのアミノ酸配列における公表赤血球造血性PBGD配列と
の差異の数のまとめ。対応するアミノ酸変化を生じないDNA塩基変化を持つサイ レント突然変異の全数、アミノ酸差異を生じるDNA変化を持つ非サイレント突然 変異の数及びこの2種類の突然変異の合計を、異なる欄に示す。この図には、内 部Mun-Iエンドヌクレアーゼ切断部位を生じるようにクローンに導入された3つの
サイレント突然変異は含まれていない。組換えヒトポルフォビリノーゲンデアミ
ナーゼ(rh-PBGD)の産生のために用いられるクローン番号1.1は各タイプの差異
を1つだけ有し、全差異の数が最も少ないことに注意のこと。
【0042】
【表3】
【0043】 表3: 対立遺伝子配列の並びからの、我々が配列決定したPBGDクローンおよび構成性
およびゲノムPBGDについてのジーンバンク登録と公表赤血球造血性PBGD配列との
遺伝子的差異のまとめ。アミノ酸、ATG開始コドンからの塩基数、実際の遺伝子 的差異と、もし対応するアミノ酸変化があればその変化及びXで示す差異を有す るクローンのリストを、異なる欄に示す。最後の欄は、その突然変異を有するク
ローン数を示す。最後の4つの突然変異は、Mun-Iエンドヌクレアーゼ切断部位を
生じるようにPCR増幅中にIco376を用いて導入される。rh-PBGDの産生のために用
いられるクローン番号1.1は、いくつかのクローンによって表される差異を有す るのみであることに注意のこと。
【0044】 発現プラスミド 発現プラスミドpExp0(図2参照)は、pPBGD1.1(図3参照)からPBGDコーディ
ング配列(nt1-1043)をEcoR IおよびHind IIIを用いて切り出し、これを同じ酵
素で切断したベクターpKK223-3(図4参照)(Pharmacia Cat # 27-4935, Lot #
8054935011)に挿入することによって、誘導性tacプロモーターに機能的に結合
させて構築した。別のプラスミドpExp1(図5参照)もまた、翻訳効率の向上( 翻訳強化)を意図してコーディング配列の5'非翻訳領域および開始部分に変更を
加えて構築した。変更は下記に示すもので、下線のように示す第2のリボソーム 結合部位 の挿入、ATGに先立つATリッチな配列および3つのサイレントな塩基置換
を含む。
【0045】
【化1】
【0046】 プラスミドpExp1(図5)は、二段階工程で作られた。オリゴヌクレオチドICO3
86 (5' AAT TCT AAC ATA AGT TAA GGA GGA AAA AAA AAT GAG AGT TAT TCG TGT
CGG TAC 3')およびICO387(5' CGA CAC GAA TAA CTC TCA TTT TTT TTT CCT CCT
TAA CTT ATG TTA G 3')は、アニールで5' EcoR I接着端と3' Kpn I粘着端を生
じるようにデザインした。オリゴヌクレオチドICO386およびICO387はアニールし
、pPBGD1.1由来のKpn I-Hind III PBGD断片を用いてEcoR I−Hind IIIで線状に されたpBluescript II SK- (Stratagene Cat # 212206)に連結し、プラスミドpP
BGD1.1Tra (図6)とした。第二段階で、pPBGD1.1TraからのEcoR I−Hind III 断片を、同じ酵素で切断したpKK223-3中に連結し、プラスミドpExp1(図5)を得
た。
【0047】 宿主株および成長条件 これまでに行った研究には、2つの大腸菌 K12株が用いられた。これらの株は 双方ともlacIqリプレッサーを有し、DH12S (Life Technologies cat # 1832-017
)およびJM105 (Parmacia Cat # 27-1550-01)であった。用いた培地は、主として
アンピシリン100μg/mlを含有するLBブロス(Difco Laboratories Cat # 0446-0
7-5)であった。培養物は37℃で成長させ、4mMのIPTGを用いて3時間誘導した。 最終株の選択は、幾分は使用される誘導ストラテジ次第であろう(下記参照)。
lacItsの使用は、lacIqリプレッサーを持たない株の使用を余儀なくする。さら にLa、Clp、rpoH locus のようなプロテアーゼ欠乏株は、熱誘導が用いられる際
に有利である可能性がある。 最終産生株において、hemC遺伝子は欠失されている。この目的のための道具と
して用いられるプラスミドは、すでに構築されている。
【0048】 テトラサイクリン耐性遺伝子の復元 プラスミドpExp1-M2(図7)は、機能的テトラサイクリン耐性遺伝子を有する
pExp1から構築した。これは、「翻訳強化」PBGD配列を自然の配列またはブラン クプラスミド用のポリリンカーに変える能力を保持できるのと同様に、計画によ
って必要とされる他の調節要素または遺伝子を導入できるようにデザインした。 次のストラテジが用いられた。プラスミドpExp1をSal IおよびBamH I を用い て切断し、テトラサイクリンコーディング配列の一部を含む5348塩基対断片と大
多数のプラスミドとを単離した。この中に、コーディング配列の残りを含むpBR3
22(New England BioLabs Cat # 303-3S, Lot # 50)からのSal I-Hind III断片
とオリゴヌクレオチドICO424(5' GATCACTCAT GTTTGACAGC TTATCATCGA TT 3') およびICO425(5. AGCTAATCGA TGATAAGCTG TCAAACATGA GT 3')をアニールして 形成されるアダプターを連結した。アダプターは、テトラサイクリンプロモータ
の一部を含み、連結用にHind IIIおよびBamH Iを突出させているが、Hind III およびBamH I制限部位は破壊する。
【0049】誘導 : tacプロモーターは、IPTGで誘導されると強力なプロモーターとなり、他のグ ループは、温度感受性のlacレプレッサーが用いられると、tacプロモーター又は
別の殆ど同一なtrcプロモーターとが42℃で非常によく誘導されることを示した 。pExp1-M2-Puc-BBを用いて、発酵体中でグラム量の産生物に翻訳できる高レベ ルの発現を構成する。研究データおよび文献からのデータに基づけば、熱的誘導
の効率がよい。 ストラテジ1: プラスミドpExp1(図5参照)は、LBブロス中のlacIq株中で完全に誘導された 培養物の約1/5である基本的なレベルの発現をする。許容できる発現レベルで安 定して、所定の発酵培地で誘導することなく使用することができる。プラスミド
pExp1-M2(図7参照)において、rom遺伝子がプラスミド上で欠失し、pBR223 レ
プリコンがpUC系レプリコンに置換されている。これらのプラスミドは、温度の 上昇(30℃以上)と共にコピー数を増し、擬似誘導システムとして役立つ。 ストラテジ2: プラスミドpExp1-M2中に、熱不安定性のlacIリプレッサーをSca 1 部位かBsaA
1部位のいずれかに導入した。このレプレッサーは、プラスミドpTYB1 (New Eng
land BioLabs Cat # 6701, Lot # 3)からPCRによって導かれたもので、Gly187
Serに変えられている。熱誘導が働いて高度な基本レベルの発現が不安定性を生 じた場合、pExp0中のような自然のPBGD配列(強化なし)が置換される。プラスミ ドpExp0での非誘導レベルの発現は、用いられる検査システムにおいてアッセイ レベルに達しない。変形としてプラスミドやゲノムにlacIqtsを使用することが あるだろう。
【0050】 rPBGDのための産生プラスミドの構築についての詳細な記載 多段階工程で、rPBGDのための産生プラスミドpExp1-M2-Puc-BB(図8参照)を 構築した。使用した個々の段階と中間プラスミドのすべての概要を下記に示す。 まず、リボソーム結合部位、ATGに先立つATリッチな領域及び3つのサイレント
塩基変化を伴うPBGDヒト赤血球造血性酵素の最初の6つのコドンとを含むように デザインした短いアダプターによって、PBGDコーディング配列がベクターpKK223
-3 (Pharmacia Cat # 27-4935, Lot # 8054935011)のtacプロモーターと機能的 に結合している発現プラスミドpExp1を構築した。アダプターの配列を下記に示 すが、これは、太字のゆらぎ位置に塩基変化を導入している。
【0051】
【化2】
【0052】 オリゴヌクレオチドICO386(5' AAT TCT AAC ATA AGT TAA GGA GGA AAA AAA A
AT GAG AGT TAT TCG TGT CGG TAC 3')およびICO387(5' CGA CAC GAA TAA CTC
TCA TTT TTT TTT CCT CCT TAA CTT ATG TTA G 3'は、アニールで5' EcoR I接着 端と3' Kpn I粘着端を生じるようにデザインした。オリゴヌクレオチドICO386お
よびICO387はアニールし、pPBGD1.1からのKpn I-Hind III PBGD断片を用いてEco
R I−Hind IIIで線状にされたpBluescript II SK- (Stratagene Cat # 212206) に連結し、プラスミドpPBGD1.1Traとした。第二段階で、pPBGD1.1TraからのEcoR
I−Hind III断片を、同じ酵素で切断したpKK223-3に連結し、プラスミドpExp1 を得た。 次に、テトラサイクリン耐性遺伝子を次のストラテジを用いて再生させた。
【0053】 プラスミドpExp1をSal IおよびBamH Iで切断し、テトラサイクリンコーディン
グ配列の一部を含む5348塩基対断片と多くのプラスミドを単離した。この中に、
コーディング配列の残りとオリゴヌクレオチドICO424(5' GATCACTCAT GTTTGACA
GC TTATCATCGA TT 3')とICO425(5. AGCTAATCGA TGATAAGCTG TCAAACATGA GT 3'
)をアニールして形成したアダプターを含むpBR322 (New England BioLabs Cat
# 303-3S, Lot # 50)からのSal I-Hind III断片を連結した。アダプターはテト ラサイクリンプロモータの一部を含み、連結用のHind IIIおよびBamH Iを突出さ
せるがHind IIIおよびBamH I制限部位は破壊する。得られたプラスミドを、pExp
1-M2と命名した。 プラスミドをpExp1-M2をPvu IおよびAfl IIIで消化し、2つの断片のうち4745 塩基対の大きさに相当する大きい方を単離した。これを、複製起点とアンピシリ
ン耐性遺伝子の一部を含むpUC19 由来の1257塩基対長のPvu I-AflIII断片に連結
し、プラスミドpExp1-M2-Pucを得た。これをJM110に通してBsaA1およびBsaB1で 切断し、この2つの部位の間に含まれる平滑末端のrom遺伝子を取り出し、最終発
現プラスミドpExp1-M2-Puc-BBを得た。pExp1-M2-Puc-BB プラスミドは、完全に 配列決定された(配列11参照)。
【0054】 rPBGDの大腸菌中での発現 発現プラスミドpExp1-M2-Puc-BBを含む大腸菌 K12宿主株JM105遺伝子型endA t
hi rpsL sbcB15 hsdR4Δ(lac-proAB)[F'traD36 proAB lacIqΔ(lacZ)M15]を、10
0μg/mlのアンピシリンを含むLBブロス中で中期対数期まで30℃で1〜40希釈の一
晩培養物から成長させた。培養物は3つに分け、それぞれ30℃、37℃及び42℃で さらに4時間培養した。細胞は、1mlのサンプルからスピンダウンし、-20℃で冷 凍した。解凍した細胞ペレットを200〜300μlのB-PER試薬PIERCE Cat. # 78243 に再懸濁し、室温で10分間インキュベートし、16,000で10分間回転し、上清中の
PBGD活性を測定した。全タンパク質を、BioRad試薬Cat # 500-0006とウシ血清ア
ルブミンを基準として用いるBradford法で評価した。3つの成育温度で得られた 粗溶解物中での比活性を、下記に表で表す。結果は、30〜40℃の範囲での温度上
昇に伴うPBGD単位/mgの増加を明らかに示している。 温度 PBGD単位/mg 30℃ 363 37℃ 573 42℃ 1080
【0055】 その他のrPBGD産生システム 酵母の生産には、PBGDコーディング配列を、例えば酵母中での高度な発現用の
2uの環状DNA(Ori)起点を含むYEP型プラスミドベクターに挿入することができる 。YEPプラスミドは、trp1‐、ura3‐酵母株中に選択性を維持するためのマーカ ーとしてTRP1およびURA3を含有する。 また、PBGD遺伝子は、マウス細胞系C‐127での高度な発現用のウシ乳頭腫ウイ
ルスベクターBPV(Stephens P. E.ら、Biochem J. 248, 1-11, 1987)又はCHO細
胞またはCOS細胞での発現に適合性のベクターに挿入することができる。 PBGDの発現は、 細胞内で行うことができる。 サッカロミセスの分泌シグナル、例えばα‐交配因子プレシークエンスは、rP
BGD構造遺伝子の前に加えて酵母中で効果的に分泌させることができる。 同様に、rPBGD分泌のために、哺乳類シグナルペプチドをエンコードする配列 を培養培地に加え、例えばCHO細胞またはCOS細胞中で発現させることができる。
【0056】 大腸菌などの原核生物に効果的に転写するために、例えばトリプトファン(trp
)プロモーター、lacプロモーターあるいはアルカリホスファターゼプロモーター
のような細菌プロモーターを、PBGDコーディング領域の前に挿入すべきである。 サッカロミセス・セレビジエまたはサッカロミセス・ポンベなどの酵母で効果
的に転写するためには、例えば3‐ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)、ケラチン
(chelatin)あるいはα-交配因子のような酵母プロモーターを、PBGDコーディン グ領域の前に挿入すべきである。 CHO細胞又はCOS細胞などの哺乳類細胞系に効果的に転写するためには、例えば
メタロチオニン‐1(MT‐1)またはアスパラギン酸トランスカルバミラーゼあるい
はジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)などの哺乳類プロモーターを、PBGDコ
ーディング領域の前に挿入すべきである。
【0057】 PBGDコーディング領域の前に酵母プロモーター、シグナル及び/又はATGコドン
(メチオニン)を含有する酵母プラスミド(Y-G&F-PBGD)、及びURA3またはTRP1な どの選択可能なマーカーを含む酵母ベクターとを、例えばサッカロミセス・セレ
ビジエまたはサッカロミセス・ポンベのような酵母宿主細胞に形質転換して、rP
BGDを生産する。 哺乳類プラスミド(M-G&F‐PBGD)は、PBGDコーディング領域の前にメタロチオ
ニン‐1またはジヒドロフォレートレダクターゼなどの哺乳類プロモーターおよ び哺乳類シグナル配列またはATGコドンを含有する。ベクターpATまたはpSV2。プ
ラスミド(M-G&F‐PBGD)を、rPBGDを生産するためにCHO細胞などの哺乳類細胞系
に形質転換する。
【0058】 プラスミド(pExp1またはpExp1-M2 Puc-BB)を含む大腸菌細胞を、カゼイン加水
分解物、または酵母エキストラクト、グルコース、ビタミンおよび塩を含有する
培地で定常期まで24〜48時間発酵させる。発酵の間、pH酸素を電極で監視する。
発酵中の温度は、37+/−2℃に維持する。 プラスミド(Y-G&F-PBGD)を、含む酵母細胞を酵母エキストラクト、グルコー ス、塩およびビタミンを含有する培地で後期の対数期まで20〜40時間発酵させる
。発酵中、pHおよび温度は特定の電極で監視する。発酵中の温度は、30+/−2℃
に維持する。 プラスミド(M-G&F-PBGD)を含む哺乳類細胞系を、ウシ胎児血清(または血清 なし)、ビタミン、グルコース、抗生物質、成長因子を含む培地で発酵させる。
発酵中、pHおよび温度は特定の電極で連続的に監視する。
【0059】 発酵および精製 発酵後、リビプレス(ribipress)、超音波処理、浸透圧ショックまたはツイン8
0、トリトンX−100またはブリッジ(Brij)などの界面活性剤による全可溶化を伴 う抽出法により、rPBGDが大腸菌から回収される。酵母中で生産した後の発酵培 地、またはトリトンX−100、ツイン80またはブリッジなどの界面活性剤を用いた
全細胞抽出物から、rPBGDが回収される。哺乳類培養培地、またはイオン交換ク ロマトグラフィあるいはアフィニティクロマトグラフィによる全細胞抽出物から
、rPBGDが回収される。 rPBGDは、大腸菌抽出物、酵母培地または全細胞抽出物、あるいは哺乳類培養 培地または全哺乳類細胞抽出物から、DEAE-セファロースまたはMonoQ-セファロ ースなどのイオン交換カラムに結合させることにより精製され、NaClおよびリン
酸ナトリウム緩衝液pH7〜8または相当するカリウム塩などで溶出される。 または、rPBGDは、抗-PBGDアフィニティカラムなどのアフィニティクロマトグ
ラフィカラムに結合させることによって抽出物から回収される。rPBGDはpHを4〜
2に下げるか、またはチオール特異性アフィニティカラムによって溶出される。 チオールアフィニティカラム工程を使用する場合には、rPBGDをチオール残基で 標識する。チオールは、確実なrPBGDを生成するために特定の酵素的切断工程に よって除去される。
【0060】 イオン交換精製またはアフィニティ精製されたrPBGDは、例えばTSK フェニル
5 PW カラムまたはオクチル-セファロースカラム、あるいはフェニル-セファロ ースカラムを用いた疎水性相互クロマトグラフィでさらに精製する。 rPBGDの結合は、例えば10〜50 mMのトリス-HCl pH 7〜8、1MのNaClまたは10〜
15 mMのリン酸ナトリウムpH 7〜8、0.5 MのMgSO4 中でイオン強度が高く、例え ば10〜50 mMのトリス-HCl pH 7〜8または10〜50 mMのリン酸ナトリウムpH 7〜8 でイオン強度を下げることによって溶出される。 3回の疎水性相互作用工程が、連続的に行われる。 rPBGDは、C12又はC18マトリクスなどの分取(preparative)RP-HPLCでさらに精 製する。rPBGDは、10〜50 mMのリン酸ナトリウムおよび1〜10%アセトニトリル 緩衝液の勾配によってカラムから溶出される。 rPBGDの製剤化は、酵素をG-100セファデックスカラムに流し、これを例えば0.
9%NaClおよび10〜50mMのリン酸ナトリウムpH7.0 +/- 0.5またはリン酸ナトリウ
ム、グリシン、マンニトールまたは相当するカリウム塩などの等張性溶液中で溶
出することによって行う。 rPBGDの製剤溶液を滅菌ろ過し、無菌状態でガラスバイアルに充填して凍結乾 燥する。 または、滅菌ろ過したrPBGD溶液は、例えばホスファチジルコリンまたはホス ファチジルエタノールアミンあるいはこれらの組み合わせからなる脂質性小胞に
製剤化するか、あるいは赤血球ゴーストに組み込まれる。
【0061】 凍結乾燥rPBGDの復元は、注射用に水中で行う。 または、rPBGDは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸またはこれらの混合物などの 生物分解性ミクロスフェアを含む放出持続性製剤に製剤化される。 または、rPBGDは、rPBGDを前の分画に、再構成用の水を後の分画に入れた2分 画のカートリッジで凍結乾燥される。この2分画カートリッジは、針または針の ない(高圧による)装置のいずれかでrPBGDを投与する注入装置と組み合わされる 。 または、rPBGDは、経鼻投与用のエンハンサーを含有する生理緩衝液に製剤化 される。 または、rPBGDは、例えば脂質性小胞(ホスファチジルコリン、ホスファチジル
エタノールアミン、スフィンゴミエリン)またはデキストランミクロスフェアを 含む経口製剤に製剤化される。
【0062】 PBGDの組換え産物はAIP治療に好ましいが、これをヒトの赤血球細胞から生産 することもできる。 組換えPBGDの生産及び製造は、以下のようにして行う。 組換えPBGD生産工程;概要 A: 発酵 1. マスター細胞バンク 2. 活動細胞バンク 3. 種培養物の生産 4. 大型発酵槽(250 L より大きい)での発酵 B. 精製 1. 濾過/遠心分離による細胞濃縮 2. 細胞破壊 3. 限外濾過 4. イオン交換クロマトグラフィ、DEAE-セファロース、MonoQ-セファロース 5. 疎水性相互クロマトグラフィ (オクチル/フェニル-セファロース、TSK フ ェニル、5PW、フェニル-セファロース 6. イオン交換クロマトグラフィ(MonoQ) 7. ゲル濾過セファデックス G-100による製剤化 C. 製造 1. 滅菌ろ過 2. 無菌充填 3. 凍結乾燥
【0063】 その他のポルフィリン症治療 (組換え)PBGDを用いたAIP患者の新しい治療方法と同様に、ALA欠乏性ポルフィ
リン症(ADP)、晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)、遺伝性コプロポルフィリン症(H
CP)および異型ポルフィリン症(VP)などの肝ポルフィリン症は、それぞれrALAデ ヒドラターゼ、rウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ、rコプロポルフィ
リノーゲンオキシダーゼおよびrプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼによる 代替治療が有益である。 先天性造血性ポルフィリン症(CEP)または造血性プロトポルフィリン症(EPP)な
どの造血性ポルフィリン症患者は、それぞれrウロポルフィリノーゲンIIIシンセ
ターゼおよびrフェロキラターゼを用いる代替治療が有益である。 肝造血性ポルフィリン症、例えば肝造血性ポルフィリン症(HEP)は、rウロポル
フィリノーゲンデカルボキシラーゼを用いて治療することができる。 全てのポルフィリン症は、上記のヘム生合成経路中8つの工程のいずれかにお いて欠乏または減少している(通常は50%)酵素活性を投与することによって治療
することができる。 酵素活性の代替は、欠失している酵素活性を生ずる相当する組換え酵素または
他の分子を加えることによって、なすことができる。
【0064】 急性間欠性ポルフィリン症(AIP)患者のための代替治療法の可能性としての遺伝 子治療 ヒト酵素ポルフォビリノーゲンデアミナーゼPBGDは、染色体11q 24に位置する
1つの遺伝子でコードされる。 この遺伝子中の変異により、急性間欠性ポルフィリン症(AIP)の疾患が引き起 こされる。この疾患は、常染色体優性型で遺伝することが分かっている。 今日では、PBGD遺伝子において100以上の変異が確認されており(Grandchamp B
. J. Ganstroenterology and Hepathology, 11, 1046-1052, 1996, 表A)、この 数は、スクリーニングプログラムに基づいた現代的な診断システムがより慣例的
に病院で適用されれば、増加すると思われる。これら変異の数を、表Aに示す。
【0065】
【表A】
【0066】
【表A(続き)】
【0067】
【表A(続き)】
【0068】 ひとつの観点において、本発明は遺伝子治療に基づいたAIP患者の治療方法に 関する。 この遺伝子治療は、以下の工程を伴ってもよい。 1. ヒトにAIPをもたらすPBGD遺伝子における突然変異の同定 2. 遺伝子治療のためのヒトPBGD cDNA配列の選択 3. PBGD遺伝子治療ベクターの構築 4. PBGD遺伝子転移ベクターの生産 5. PBGD遺伝子転移ベクターのデリバリーシステム
【0069】1. ヒトにAIPをもたらすPBGD遺伝子における突然変異の同定 593位のエクソン10で TGG>TAG点突然変異を有する患者は、W198X(停止コドン
)からのPBGD酵素のアミノ酸配列が変化している。この突然変異は、スウェーデ ンにおけるAIP患者の約50%が有するものである(Lee JS.ら. Proc. Natl. Acad.
Sci. USA, 88, 10912-10915、及び 1991)。W198X以外の突然変異を持つAIP患者
を表Aに示すが、これもまた遺伝子治療が有益であると思われる。2. 遺伝子治療のためのヒトPBGD cDNA配列の選択 ヒトPBGDには、2つのイソ酵素形態、例えば赤血球造血性および非赤血球造血 性形態があり、これらは代替的なスプライシング機序によって形成される。非赤
血球造血形態は、赤血球造血性形態のPBGDのN-末端に17のアミノ酸拡張を有する
。 非赤血球造血性PBGD形態(nPBGD):
【化3】
【0070】 赤血球造血性PBGD形態(ePBGD): Met-Arg-Val- ATG-AGA-GTG… 遺伝子治療に用いられるヒトPBGDのヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、位置
332のアミノ酸残査がThrであるよりもむしろAsn残基であるとのRaich N. ら. Nu
cl. Acid. Res. 14, 5955-5968, 1986に公表されたものとは異なる。「野生型酵 素」を生産し、抗体の形成を避けるため、PBGD配列は位置 332にAsn残基を含有し
なければならない。赤血球造血性PBGD形態に使用されるcDNA配列は、上記に示す
。 赤血球造血性PBGD酵素を欠失している患者は、赤血球造血性PBGD cDNA配列で トランスフェクト入され、非赤血球造血型を欠失している患者は非赤血球造血性
PBGD cDNA配列でトランスフェクトされる。
【0071】3. PBGD遺伝子治療ベクターの構築 アデノウイルスベクター系 ベクターはアデノウイルス型 5 (Ad5)を基礎とし、重要な調節タンパク質をエ
ンコードする、例えばE1、E2、E4などの3つの必須遺伝子座およびウイルス成長 に必須でない1つの遺伝子座E3を含む。E1AおよびE1B領域の欠失は、生体内での ウイルス複製を不完全にする。E1の機能(組換えウイルス株)の効果的な相補は、
例えばヒト293-細胞系などのE1発現細胞系において得ることができる。 ヒトPBGD cDNAは、アデノウイルスベクター系に挿入される。 PBGD導入遺伝子は、内因性PBGDプロモーターまたはサイトメガロウイルスプロ
モーター(CMV)によって駆動される。
【0072】 レトロウイルスベクター レトロウイルスベクターは、いくつかの理由から遺伝子のデリバリーに非常に
好適である: 1. 簡素性 2. 8kbpまでのDNAインサートを組込む能力 3. 安全性、ヒトに非病原性 4. 改良および操作の平易性 5. 明らかにされた遺伝子組込み部位 6. 長期にわたる発現の制御
【0073】 しかし、レトロウイルスベクターの1つの主要な欠点は、ベクターが分割細胞(
dividing cells)しか導入できないことである。 遺伝子治療において考えられる最も一般的なレトロウイルスは、レンチウイル
スおよび哺乳類C-型ウイルスである。他の型のレトロウイルスもまた考えられる
。そのような例のひとつは、モロニー-マウス白血病レトロウイルス(Mo-MLV)で ある。これは、マウスとヒトの線維芽細胞をウロポルフィリノーゲンIIIシンセ ターゼ(UROIIIS)を用いて導入するのにうまく使用されている(Moreau-Gaudry ら
. Human Gene Therapy 6, 13-20,1995)。 UROIIIS遺伝子の発現は、長末端反復(LTR)によって駆動される。UROIIIS cDNA
もまた、レトロウイルスベクターによってヒト末梢血液始原細胞にうまく導入さ
れた。 赤血球造血性PBGD cDNA配列は、レトロウイルスベクターLXSN (Miller ら、Bi
oTechniques 7, 980-990, 1989)およびpMFG ( Dranoffら、Proc. Natl. Acad.Sc
i. USA. 90,3539-3543, 1993) に挿入することができる。これにより、以下の構
造物、例えばLePSNおよびpMFG-ePBGDがそれぞれ導かれる。
【0074】
【化4】
【0075】 非赤血球造血性組織の導入には、非赤血球造血性cDNA (配列12参照)がLSXNベ クターおよびpMFGベクターに挿入され、それぞれLSnPNベクターおよびpMFG-nPBG
Dベクターとなる。
【0076】
【化5】
【0077】 LePSNベクターおよびLnPSNベクターは、例えばDanos ら. Proc. Natl. Acad.
Sci. USA. 85, 6460-6464, 1988に記載のような ( CREなどの適当な宿主細胞系 に転移することにより、対応するウイルスに転換することができる。ポリブレン
の存在下で、異所性ウイルス産生細胞から濾過した上清を両種性細胞 ( CRIPに 加える。クローンを単離して、ウイルスについて試験することができる。1.000.
000 cfu/ml以上のタイターを示すクローンを取っておく(G418耐性)。 LnPSNベクターは、パッケージ細胞系 ( CRIPにpMCl-ネオプラスミド(Pharmaci
a, Sweden)を用いて同時にトランスフェクションする。プロウイルスの組み込み
と高度なメッセージ発現レベルを示すクローンを選択する。
【0078】 ウイルス産生細胞の上清からの濾液(赤血球造血性PBGD形態)はポリブレンと混
合し、AIP患者の末梢血液始原細胞(骨髄移植組織)と数時間インキュベートする ことができる。その後、導入された始原細胞をAIP患者に再移植することができ る。 この治療の成功は、赤血球中のPBGD活性増加と尿中のALAおよびPBG排出の減少
によって測定される。臨床上の治療の成功は、自発性急性発作または薬物誘発性
発作の頻度の減少として評価することができる。これは、組換えPBGD酵素を投与
する、通常の注入法よりも簡便な方法である。この治療法の効力は、血液中のPB
GD活性および尿中のPBGおよびALA排出の減少を測定して評価することができる。
臨床的に、成功した治療は急性発作の回数を減少させるか、または好ましくは発
作が起きないようにする。
【0079】 アデノウイルス伴生ウイルス系(AAV) AAVは、全ての人の80%以上が保持している非病原性ヒトウイルス(パルボウイ
ルス)である。レトロウイルス系と比較したAAVの利点は、AAVは分割細胞および 非分割細胞のどちらも導入できることである。ウイルスゲノムは小さく、2つの 逆方向反復末端(ITR)と、REPおよびCAP機能を含む。REPおよびCAP機能は除くこ とができ、外因性cDNAを挿入できる。 赤血球造血性PBGD cDNAを含有するAAVベクターを構築することができた。この
AAV/PBGDベクターは、AIP患者の骨筋細胞をPBGD酵素生産のための「筋肉工場」と して導入するのに好適である。PBGD cDNAは、分泌用のシグナル配列をcDNAの5'-
末端に加えることによって設計される。これにより、赤血球造血性PBGD酵素が筋
細胞から血流中に分泌される。このシステムによって、患者は血流中に活性PBGD
酵素の放出を絶えず受けることとなり、PBGを代謝することによって急性発作が 回避される。
【0080】 - 非赤血球造血性 また、肝細胞を、非赤血球造血性PBGD cDNA含有AAVで導入することができる。
この構造物は、例えばPBGD酵素のN-末端にMet残基を含み、哺乳類細胞中で分泌 のためのシグナル配列を持たない翻訳PBGD酵素を細胞内に残すようにして設計さ
れる。PBGD導入遺伝子は転写されて新しいPBGD酵素に翻訳され、細胞内に残留す
る。肝臓で作られた新しいPBGD酵素レベルは、PBGD活性を100%まで正常化する 。AIP患者は、通常、突然変異及び個々の差異によるが、肝臓において減少したP
BGD活性(50〜80%)を有する。 この治療は、例えば腹痛を伴う急性発作等の臨床症状を軽減し、尿中のPBGお よびALA排出を減ずる。非赤血球造血性PBGD形態を含有するAAVもまた、軸索組織
、膵臓、脾臓などの他の細胞型、例えば非赤血球造血性組織などでの遺伝子欠陥
を同様の機構で修正するために使用することができる。 -赤血球造血性 赤血球造血性PBGD cDNAはAAVベクターに挿入することができ、赤血球造血型PB
GDに影響を及ぼす突然変異を有するAIP患者に赤血球細胞と基幹細胞を導入する ために使用することができる。
【0081】4. PBGD遺伝子転移ベクターの生産 アデノウイルスは約36 kbp の二本鎖DNAを有し、重要な調節タンパク質をエン
コードする3つの不可欠な初期遺伝子座(E1、E2およびE4)を含有する。遺伝子座E
3は、生体内でウイルス感染細胞への免疫応答をブロックする遺伝子産物をコー ドする。PBGD遺伝子転移アデノウイルスベクターは、E1およびE3遺伝子座を除く
ことによって生産することができる。PBGD遺伝子カセットは、その代わりとして
その位置に挿入される。ウイルスは、E1遺伝子座が除かれると複製を不完全にす
る。組換えウイルスベクター (PBGD)の有効なE1相補性ならびに高い収率は、ヒ トの293細胞系(Graham, F.ら、1977, Characteristics of a human cell line t
ransformed by DNA from human adenovirus 5. J. Gen. Virol. 36, 59-72)のよ
うなE1発現細胞系において得ることができる。5. PBGD遺伝子転移ベクターのデリバリーシステム ウイルスベクターのデリバリーは、生体内でヒト細胞を導入するウイルス粒子
を患者に注射することに基づく。
【0082】 AIPの原因となる点突然変異のキメラ形成遺伝子修復による修正 基本的手法は、キメラ(RNA-DNA)オリゴヌクレオチドの合成を伴う。オリゴヌ クレオチドは、突然変異部位に結合して染色体上で点突然変異を修復し、不対合
を生じる。全ての生体細胞に存在する内因性「不対合修復システム」は、突然変
異を修正する。 キメラオリゴヌクレオチドは、以下の一般的な特性を有する: a. 68マー (65〜70が許容可能な大きさである)、 b. 25塩基DNAが、遺伝子の通常配列に相同する5'-末端で伸張している、 c. 変更すべき突然変異が位置13にある場合、25塩基のDNAが、突然変異の 両側にある12bpが「野生型DNA」に相補的であるように設計されている、 d. 25マーが、染色体DNAの他の鎖に相同する25塩基配列で他のDNA鎖にオリ
ゴをループバックするように、一端に4 T塩基を含む、 e. 第2の鎖がキメラであり、2'O メチルRNA について10の相同塩基、その 後に5塩基のDNA(中心不対合、例えば不対合修復によるヒト点突然変異の修正を 含む)、その後に2'O メチルRNAに相同な別の10塩基の伸張を含む。DNA/RNAのこ の伸張には、5塩基のGCクランプと、第2のループを形成する4 T塩基、最後に他 方に相補的な5塩基のCGクランプが続く。
【0083】実施例1 :W198Xを生じる位置593でのPBGD突然変異 TGG>TAGの修正 通常の染色体配列: 5'-AG CGC ATG GGC TGG CAC AAC CGG GT-3' Gln Arg Met Gly Trp His Asn Arg Val AIPの染色体配列: 5'- AG CGC ATG GGC TAG CAC AAC CGG GT-3' 停止 キメラオリゴヌクレオチド (Heme593W/X)配列:
【0084】
【化6】
【0085】 キメラオリゴヌクレオチドの同様の成分は、表Aに示したAIPを引き起こすいか
なる突然変異も修正するように構築することができる。 キメラオリゴヌクレオチドは、上記のようにして、8つの公知のいずれかのポ ルフィリン症を引き起こす他のいかなる点突然変異も修正するように使用するこ
とができる。
【0086】非ウイルスベクターのヒトへのPBGD遺伝子転移のデリバリー キメラオリゴヌクレオチドは、アニオンまたはカチオンリン脂質あるいは中性
脂質の混じったリン脂質またはリクトシレートされたPEIを含む賦形製剤に製剤 化することができる。 あるいは非ウイルスベクターは、中性リン脂質と中性脂質の混合物を含有する
リポソームに製剤化することができる。 特異的なタンパク質配列は、リポソーム膜に組み込むことができる。この膜は
、肝臓、軸索組織または赤血球造血性組織などの特異な細胞型に非ウイルスベク
ターを特異的に標的するための細胞受容体を認識する。あるいは、特異な細胞表
面抗原を認識する特異的な抗体を、標的に使用することができる。第三に、リポ
ソーム膜上の炭水化物は、キメラオリゴヌクレオチドの肝臓への取り込みに使用
することができる。 製剤化したキメラオリゴヌクレオチド (HemeBiotech 595 W/X) は、皮下注射 または静脈注射によってAIP患者に投与する。 この治療の効力は、上記のように評価することができる。
【0087】 他のポルフィリン症疾患の代替的治療としての遺伝子治療 ここに概説した遺伝子治療のストラテジは、他のポルフィリン症疾患にも使用
することができる。一般的な原理は、疾患の原因となる特定の欠乏酵素の細胞含
量または全身含量を増加させることである。以下のポルフィリン症が、このスト
ラテジに含まれる: 1. ALA欠乏性ポルフィリン症(ADP) 2. 晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT) 3. 遺伝性コプロポルフィリン症(HCP) 4. ハーダーポルフィリン症(HDP) 5. 異型ポルフィリン症(VP) 6. 先天性造血性ポルフィリン症(CEP) 7. 造血性プロトポルフィリン症(EPP) 8. 肝造血性ポルフィリン症(HEP)
【0088】参考文献: Andersson, Christer, Thesis, 1997, ISBN 91/7191/280/0, pp. 22-23 Danos ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 85, 6460-6464, 1988 Dranoff ら、Proc. Natl. Acad.Sci. USA. 90,3539-3543, 1993 Grandchamp B, ら、Tissue-specific expression of porphobilinogen deamin
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amplifiable polymorphisms in the human gene. Genomics 1993 Jan; 15(1):2
1-9.
【0089】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 pBluescript SK PBGD クローン # 1.1 の環状地図。
【図2】 発現プラスミドpExp0の環状地図
【図3】 プラスミドpPBGD 1.1の環状地図
【図4】 発現プラスミド pKK223-3の環状地
【図5】 発現プラスミド pExp1の環状地図
【図6】 発現プラスミド pPBGD 1.1 Traの環状地図
【図7】 発現プラスミド pExp1-M2の環状地図
【図8】 発現プラスミド pExp1-M2-Puc-BBの環状地図
【図9a〜9x】 pBluescript SK PBGD クローン # 1.1 - 配列
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/88 A61K 37/48 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 Roskildevej 12 C,DK− 3400 Hillerod,DENMARK Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA07 CA04 EA02 EA04 GA11 GA13 HA17 4B050 CC03 DD11 LL01 4C076 AA19 BB01 BB11 BB22 BB29 BB31 CC15 DD15F DD15H DD26D DD38D DD51D DD63F DD63H 4C084 AA02 AA13 MA24 MA52 MA57 MA60 MA63 MA66 ZA592 ZC192

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘム生合成経路に属する酵素の欠乏によって患者に引き起こ
    される疾患を治療又は予防する方法であって、該酵素又は酵素学的に等価な部分
    もしくはその類似体である触媒の有効量を患者に投与することからなる方法。
  2. 【請求項2】 疾患が、急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、ALA欠乏性ポルフ
    ィリン症(ADP)、晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)、遺伝性コプロポルフィリン症
    (HCP)、ハーダーポルフィリン症(HDP)、異型ポルフィリン症(VP)、先天性造血性
    ポルフィリン症(CEP)、造血性プロトポルフィリン症(EPP)及び肝造血性ポルフィ
    リン症(HEP)からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 触媒が、ポルフォビリノーゲンデアミナーゼ(PBGD)、ALAデ ヒドラターゼ、ウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ、コプロポルフィリ
    ノーゲンオキシダーゼ、コプロポルフィリノーゲンオキシダイズ、プロトポルフ
    ィリノーゲンオキシダーゼ、ウロポルフィリノーゲンIIIシンセターゼ、フェロ キラターゼ及びウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ、又はそれらの酵素
    学的に等価な部分もしくは類似体からなる群から選択される酵素である請求項1
    又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 疾患がAIPであり、酵素がPBGD又はそれらの酵素学的に等価 な部分もしくは類似体である前記請求項のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 触媒が、ヘム生合成経路に属する酵素又はそれらの酵素学的
    に等価な部分もしくは類似体の組換え型である前記請求項のいずれかに記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 触媒が、静脈経路、関節内経路、皮内経路、皮下経路、口腔
    経路、頬経路、筋肉内経路、肛門経路、経皮経路、内皮経路及び鞘内経路からな
    る群から選択される経路で投与される前記請求項のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 触媒が、NaCl 0.9%及びpH 6.50〜8のリン酸ナトリウム10〜
    50 mM又はリン酸ナトリウム、グリシン、マンニトール又は相当するカリウム塩 のような等張液中で製剤化される請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 触媒が凍結乾燥されている請求項1〜7のいずれかに記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 触媒が滅菌ろ過されている請求項1〜8のいずれかに記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 触媒がホスファチジルコリン又はホスファチジルエタノー
    ルアミンもしくはそれらの組み合わせからなる脂質性の小胞として製剤化される
    請求項1〜6、8又は9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 触媒が赤血球ゴーストに組み込まれる請求項1〜6、8又
    は9のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 触媒が、生物分解性ミクロスフェア、例えばポリ乳酸、ポ
    リグリコール酸又はこれらの混合物からなるミクロスフェアを含む放出持続性製
    剤として製剤化される請求項1〜6、8又は9のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 触媒が、前方の分画に触媒があり、後方の分画に再構成用
    の水がある2分画のカートリッジで凍結乾燥される請求項1〜9のいずれかに記 載の方法。
  14. 【請求項14】 2分画のカートリッジが、針又は針のない(高圧)装置のい ずれかによって触媒を投与するための注入装置と組み合わさっている請求項13
    に記載の方法。
  15. 【請求項15】 触媒が、経鼻投与用のエンハンサーを含む生理緩衝液に製
    剤化される請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 触媒が、脂質性小胞、例えばホスファチジルコリン、ホ
    スファチジルエタノールアミン又はスフィンゴミエリン又はデキストランミクロ
    スフェアからなる小胞を含有する経口製剤として製剤化される前記請求項のいず
    れかに記載の方法。
  17. 【請求項17】 触媒が、患者の血流中でその半減期を増強するように製剤
    化されている前記請求項のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 触媒がポリエチレングリコールコーティングを有する請求
    項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 触媒が重金属と複合されている請求項17に記載の方法
  20. 【請求項20】 触媒が酵素の酵素学的に等価な部分もしくは類似体であり
    、患者への投与によって細胞内でその酵素活性の少なくとも一部を発揮する前記
    請求項のいずれかに記載の方法。
  21. 【請求項21】 触媒が、ポルフォビリノーゲンをヒドロキシメチルビラン
    に重合できる小さい人工酵素又は有機性触媒である請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 触媒が、患者への投与によって細胞内にその酵素活性の少
    なくとも一部を発揮するように構成された酵素である請求項1〜9のいずれかに
    記載の方法。
  23. 【請求項23】 触媒が、特異的な肝臓での取り込みのため、特異的な炭水
    化物又は他の肝細胞に特異的な構造物で標識されている請求項22に記載の方法
  24. 【請求項24】 触媒が、血流中で細胞外に、その酵素活性の全てを実質的
    に発揮する請求項1〜19に記載の方法。
  25. 【請求項25】 関連するヘム前駆体に対する触媒の酵素活性により、1)代
    謝産物が細胞内分画へ移動して、残りのヘム生合成経路の工程を介してさらに転
    換されるか、又は2)代謝産物が尿及び/又は便を介して患者から排出される請求 項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 触媒が、 a) 触媒をエンコードする核酸配列を含む核酸フラグメントを適当なベクターに
    導入し; b) ベクターに適合性の宿主細胞を形質転換し; c) 核酸配列の発現を容易にする条件下で、形質転換した宿主細胞を培養し;か
    つ d) 培養物から発現産物を回収し、 任意に発現産物を翻訳後プロセシング、例えばインビトロでのタンパク質の再生
    、融合パートナーの酵素的な除去、アミノ酸残基のアルキル化及び脱グリコシル
    化に付し、触媒を得ること からなる方法によって製造される前記請求項のいずれかに記載の方法。
  27. 【請求項27】 触媒が、液相又は固相のペプチド合成によって製造される
    請求項1〜25のいずれかに記載の方法。
  28. 【請求項28】 触媒が、ヒト由来の他のいかなる生体物質も有しない前記
    請求項のいずれかに記載の方法。
  29. 【請求項29】 触媒が、少なくとも一日1回、例えば一日当たり2、3、4及
    び5回投与される前記請求項のいずれかに記載の方法。
  30. 【請求項30】 一日当たりの用量が0.01〜1.0mg/体重kg/日、例えば0.05 〜0.5mg/体重kg/日の範囲である前記請求項のいずれかに記載の方法。
  31. 【請求項31】 一日当たりの用量が約0.1mg/体重kg/日である前記請求項 のいずれかに記載の方法。
  32. 【請求項32】 薬剤として用いるための、ヘム生合成経路の酵素又はその
    酵素学的に等価な部分もしくは類似体である触媒。
  33. 【請求項33】 酵素の欠乏によって引き起こされる疾患の治療又は予防用
    医薬組成物を製造するための、ヘム生合成経路の酵素又はその酵素学的に等価な
    部分もしくは類似体である触媒の使用。
  34. 【請求項34】 治療又は予防が請求項1〜31のいずれかにしたがって行
    われる請求項33に記載の使用。
  35. 【請求項35】 触媒が酵素の組換え型である請求項1〜31のいずれかに
    記載の方法。
  36. 【請求項36】 触媒がSeq.ID NO.1(クローンPBGD1.1)およびSeq.ID NO.
    12(非エリトロPBGD1.1.1)のいずれかに基づく組換えヒトPBGDである請求項1 〜31のいずれかに記載の方法。 【請求項36】 Seq.ID NO.1(クローンPBGD1.1)およびSeq.ID NO.12(非
    エリトロPBGD1.1.1)のいずれかに基づく組換えヒトPBGDである請求項32に記 載の触媒。
  37. 【請求項37】 酵素の欠乏を引き起こすPBGD遺伝子の突然変異を有する患
    者を治療する方法であって、PBGDが発現される組織によって非赤血球造血型ある
    いは赤血球造血型いずれかのヒトPBGD cDNA配列を使用し、患者へ関連cDNAをト ランスフェクションすることからなる方法。
  38. 【請求項38】 酵素欠乏症が、急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、ALA欠乏
    性ポルフィリン症(ADP)、晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)、遺伝性コプロポルフ
    ィリン症(HCP)、ハーダーポルフィリン症(HDP)、異型ポルフィリン症(VP)、先天
    性造血性ポルフィリン症(CEP)、造血性プロトポルフィリン症(EPP)及び肝造血性
    ポルフィリン症(HEP)から選択される疾患を生じる酵素の欠乏から選択される請 求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 疾患が、急性間欠性ポルフィリン症(AIP)である請求項3 9に記載の方法。
  40. 【請求項40】 ヒトPBGD cDNA配列が、Seq.ID NO.1(クローンPBGD1.1) およびSeq.ID NO.12(非エリトロPBGD1.1.1)から選択される請求項37〜39 のいずれかに記載の方法。
  41. 【請求項41】 トランスフェクションが、アデノウィルス、レトロウィル
    スおよび伴生アデノウィルスから選択されるベクターの使用による請求項37〜
    40のいずれかに記載の方法。
  42. 【請求項42】 ヒト細胞へのPBGD遺伝子転移ベクター(赤血球造血性及び
    /又は非赤血球造血性)が正常なPBGD活性を生じる請求項37〜41のいずれか
    に記載の方法。
  43. 【請求項43】 キメラ形成遺伝子修復を利用してAIPを生じると確認され た特定の点突然変異の1つを修正することによる、急性間欠性ポルフィリン症(A
    IP)患者の遺伝子治療法。
  44. 【請求項44】 トランスフェクション用デリバリーシステムが、カチオン
    性リン脂質類、リン脂質類、中性脂質類の混じったリン脂質類、リクトシレート
    されたPEI、リポソーム類、天然リン脂質類と中性脂質類の混合物を含むリポソ ーム類から選択される1以上の成分を含む賦形製剤に調製した非ウィルス性ベク
    ターの使用による請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 突然変異が表Aから選択される請求項43又は44に記載 の方法。
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