JP2002333480A - シンチレータパネルおよびそれを用いた放射線検出器 - Google Patents
シンチレータパネルおよびそれを用いた放射線検出器Info
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Abstract
で接着して形成したFOPパネルを用いたシンチレータ
パネルにおいてFOPパネルの接着部へのシンチレータ
の密着強度の低下を抑制できるシンチレータパネルおよ
びそれを用いた放射線検出器を提供する。 【解決手段】 シンチレータパネル1を構成するFOP
パネル2を作成する際に、それを構成する複数のFOP
20のうち、任意の2つのFOP201、202の隅部2
01c、202cを他のFOP202の辺部202sと接着
することにより、接着部21の幅Wを薄く確保する。
Description
に用いられるシンチレータパネルとそれを用いた放射線
検出器に関し、特に、大面積のシンチレータパネルとそ
れを用いた放射線検出器に関する。
メージを迅速かつ高精度に検出、撮像する放射線検出器
の必要性が高まっている。この必要性に応えるべく、例
えば、シンチレータにより放射線イメージを光イメージ
に変換して、撮像素子により変換した光イメージを撮像
することで放射線イメージに相当する画像を撮像する放
射線検出器が知られている。
撮像を行うことができる放射線検出器として、例えば、
国際公開WO00/36436号公報(以下、引例1と
呼ぶ)に開示されたシンチレータパネルおよび放射線検
出器がある。このシンチレータパネルは、光ファイバプ
レート(FOP)を横に並べることで大面積化し、そこ
にシンチレータを堆積させることで大面積のシンチレー
タパネルを形成するものである。
レータパネルを形成するためには、FOPを二次元に並
べて配置する手法が考えられる。しかし、本発明者らは
単に二次元に並べるだけでは、以下の問題が発生するこ
とを見出した。FOPを二次元に並べ、その側面同士を
接着剤で張り合わせた場合、作成された大面積プレート
の表面を研磨した際に、FOPと接着剤との硬度差によ
って、接着剤の方が削られて段差が大きくなってしま
う。このため、FOPの隣接する四隅の一つにでも欠け
が存在すると、接着剤部分が大きくなり、研磨の際に中
心部が薄くなって接着強度が低下してしまう。さらに、
上部に形成するシンチレータの密着強度も低下してしま
う。
てその側面を接着剤で接着して形成したFOPパネルを
用いたシンチレータパネルにおいてFOPパネルの接着
部へのシンチレータの密着強度の低下を抑制できるシン
チレータパネルおよびそれを用いた放射線検出器を提供
することを課題とする。
本発明に係るシンチレータパネルは、多数の光ファイバ
を束ねて形成された複数の光ファイバプレートを互いの
側面を接着剤によって張り合わせてそれぞれ平面状の入
出力端面を形成し、入力端面上に放射線入射によって光
ファイバを透過しうる波長の光を放射するシンチレータ
を堆積させて形成したシンチレータパネルにおいて、入
出力端面は、光ファイバの辺方向に少なくとも2個以上
の光ファイバプレートを並べて構成されており、入出力
端面の縁を除いて光ファイバプレートの隅部が他の1個
の光ファイバプレートの辺部と張り合わされていること
を特徴とする。この光ファイバプレートは矩形状である
ことが好ましい。
辺部と張り合わせ、各プレートの隅部をできるだけずら
して配置することで、隅部の周囲において接着剤層の幅
が大きくなりすぎることがなく、前述した問題を解決す
ることができる。
ることができる気相成長により形成されていることが好
ましく、柱状に形成されていればさらに好ましい。そし
て、X線入射により可視光、紫外光または赤外光を放射
するものであり、例えば、CsIを含むものが撮像素子
として既存の各種の撮像素子を用いることができ好適で
ある。
の50%以上を吸収する素材であることが好ましく、シ
ンチレータパネルの側面を構成する光ファイバプレート
側面上に形成され、シンチレータから放射された光に対
する透過率が50%未満である遮光材をさらに備えてい
ることが好ましい。このようにすると、不要な入射光の
伝搬によるノイズの発生を抑制できる。
ましく、20μm以下であればさらに好ましい。接着剤
の幅をこのように小さくすることでシンチレータの剥離
を効果的に防止できる。
いることが好ましく、例えば、ポリパラキシリレン類か
らなる耐湿保護膜が好適である。
るシンチレータパネルと、その出力端面に対向して配置
される撮像装置とを備えていることを特徴とする。シン
チレータパネルと撮像装置との間に配置され、シンチレ
ータパネルから出力された光画像を前記撮像装置へと導
く導光用光学部材をさらに備えていてもよい。
の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理
解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に
対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説
明は省略する。なお、各図面における寸法、形状は必ず
しも実際のものと同一ではなく、理解を容易にするため
誇張して描かれている部分がある。
の第1の実施形態を示す分解斜視図であり、図2はその
一部拡大断面図であり、図3は、そのFOPの隅部張り
合わせ部分の拡大図である。
P20を二次元に並べて側面を接着剤21で張り合わせ
て構成したFOPパネル2上にシンチレータ3を堆積さ
せ、シンチレータ3を保護膜4で覆った構成を採る。
20のそれぞれは矩形形状であって、短辺の長さはいず
れもaで同一であるが、長辺の長さがbであるFOP2
01と長辺の長さがそれよりcだけ長いFOP202の2
種類のFOPがある。そして、図1に示されるように、
FOP201とFOP202とを長辺方向に接続し、短辺
方向では、FOP201の隣にFOP202を、FOP2
02の隣にFOP201を交互に配置している。この結
果、長辺方向に隣接するFOP201とFOP202のそ
れぞれの隅部201c、202cとは隣接するが、これら
の隅部が短辺方向に隣接するFOP202の辺部202s
に向き合うため、これらの間に形成される接着剤21層
の幅が他の部分に比べて大きく拡大するのを防止でき
る。
の透過率を50%未満に抑えることのできる素材を用い
ることが好ましい。FOP20の端面にこれを構成する
光ファイバのコアが露出しているような場合、接着剤2
1の光透過率が大きいと、コアからの漏洩や、接着剤2
1を介してのコアへの外乱光の侵入を抑制し、得られる
光画像へのノイズの混入を抑制することができる。こう
した接着剤21としては、米国Epoxy technology社製の
商品名EPO-TEK 353ND等が好適である。接着剤21を有
色のものとすると、FOPパネル2の製作時の目視検査
が容易となり好ましい。
ているように50μm以下であることが好ましく、20
μm以下であることがさらに好ましい。さらに好適に
は、縁部における対向辺との間隔rが50μm以下であ
ることが好ましく、20μm以下であることがさらに好
ましい。このように設定すると、シンチレータ3の剥離
を防止して高い歩留りを得ることが可能である。本実施
形態においては、前述したようにFOP20の配置を工
夫しているので、間隔rを好適範囲に納めるために、幅
Wを好適限界である50μmあるいは20μmより極端
に狭く設定する必要がなくなるので、その製造が容易と
なる。
が塗布により形成されている。この遮光材22は、光の
透過率が50%未満であって、遮光材22を介して外乱
光等がFOPパネル2を構成する光ファイバのコアへの
侵入を抑制するものであり、得られる光画像へのノイズ
の混入を抑制する効果がある。
に応じて所定の光(可視光のほか、赤外光、紫外光を含
む)を放射する各種の材料を用いることができるが、発
光効率が良いTlドープのCsI等が好ましい。シンチレー
タ3を気相成長により形成すると、大面積であっても均
質なシンチレータを形成することができるので好まし
い。そして、図2に示されるように柱状構造で形成する
と、柱状構造の間に後述する保護膜4の有機膜41が入
り込み、有機膜41の密着性が向上するためさらに好ま
しい。このシンチレータ3の厚さは600μm程度とす
ることが好適である。
2の側面にまで到達する保護膜4が形成されている。こ
の保護膜4は、例えば、有機膜41、無機膜42、有機
膜43の3層構造で形成されており、X線透過性で、水
蒸気を遮断する機能を有する。有機膜41、43として
は、例えば、ポリパラキシリレン樹脂(スリーボンド社
製、商品名パリレン)、特にポリパラクロロキシリレン
(同社製、商品名パリレンC)を用いることが好まし
い。パリレンによるコーティング膜は、水蒸気及びガス
の透過が極めて少なく、撥水性、耐薬品性も高いほか、
薄膜でも優れた電気絶縁性を有し、放射線、可視光線に
対して透明であるなど保護膜4に用いるのにふさわしい
優れた特徴を有している。無機膜42としては、X線透
過性で、シンチレータ3で発せられた光を反射する性質
を有する金属薄膜、例えば、Al、Ag、Auなどの金
属薄膜を用いることが好ましい。
性を有する場合には保護膜4は必要ではないが、例えば
CsIのように潮解性を有する素材を用いる場合には、
耐湿保護膜が必須になる。保護膜4は最も簡単な構成と
しては、有機膜41のみで構成することが可能である。
本実施形態では、保護膜4を3層構造として、その密閉
性、耐湿性を向上させるとともに、光反射性の無機膜4
2を用いることで、シンチレータ3で発せられた光を有
効に出射面側へと導いて、発光効率を向上させ、明るい
画像を得る効果がある。そして、無機膜42を有機膜4
1、43で挟み込むことで、無機膜42の劣化を防止す
る効果もある。
ータ3の柱状結晶の再頂部からさらに10μm程度の高
さを確保するよう形成されており、無機膜42は0.2
5μm程度の薄膜とされ、さらに10μm程度の厚さの
有機膜43が形成されている。
まり保護膜4側から放射線画像を形成する放射線が入射
すると、入射した放射線は保護膜4を通過してシンチレ
ータ4へと導かれる。シンチレータ4は入射した放射線
量に応じて可視光を生成することにより、放射線画像を
可視光画像に変換する。変換された可視光画像はFOP
パネル2を介して反対面から出力される。ここで、保護
膜4内に光反射性の無機膜42を配することで、無機膜
42がシンチレータ4で生成され、入射面側へと逆行し
てくる可視光を反射してFOPパネル2側へと導くこと
により、明るい可視光画像が得られる。
0の配置を工夫することにより、FOP20間の接着剤
21の距離rを短く設定することが容易であるため、シ
ンチレータ3の剥離がなく、また、デッドスペースを狭
く設定することができ、大画面化が容易である。
ラ、CCD、MOS等の固体撮像素子等を配置すること
により、放射線画像に相当する可視光画像を記録するこ
とが可能である。図4(a)は、このシンチレータ1を用
いた放射線検出器9の断面構成図である。
出器9は、図1に示されるシンチレータパネル1の出力
端面に導光用のファイバ光学ブロック5の入力端面を接
続し、各ファイバ光学ブロックの出力端面に固体撮像素
子6を配置したものである。
出力端面より広いテーパー状の構成をなしているため、
入力画像を縮小して出力する機能を有する。そのため、
元の放射線画像に相当する画像イメージを生成するため
には、各固体撮像素子6で撮像した画像を図示していな
い処理装置等により拡大、再配置する画像処理を行う必
要がある。このような構成を採ることで、大画面の撮像
素子を用いることなく、大画面の放射線画像を撮像する
ことが可能となる。また、大型の固体撮像素子6を用い
ることが可能な場合には、図4(b)に示されるように、
図1に示されるシンチレータパネル1の出力端面に直
接、固体撮像素子6の受光面を張り合わせてもよい。
するFOPパネル2におけるFOP20の配置は図1に
示される配置に限られるものではない。例えば、図5に
示されるFOPパネル2aの様に幅がa1、a2、a3と
異なるFOP203、204、205を組み合わせて構成
しても良く、図6に示されるFOPパネル2bの様に、
辺の長さがb/2の正方形のFOP206の周囲に、短
辺の長さがb/2で長辺の長さがbの矩形のFOP20
7を互い違いに配置しても良い。さらにこの矩形のFO
P207を互い違いに配置して図7に示されるようなF
OPパネル2cを形成しても良い。また、図1に示され
るFOPパネル2に幅の異なるFOP208、209を接
続して図8に示されるようなさらに大画面のFOPパネ
ル2dを形成しても良い。
るためのFOPは以上に説明した矩形形状(正方形状を
含む)のFOPに限られるものではなく、図9に示され
るように平行四辺形状のFOP20aを組み合わせてF
OPパネル2eを形成したり、図10に示されるように
台形状のFOP20bを組み合わせてFOPパネル2f
を構成することも可能である。あるいはより多数の辺を
有する多角形状のFOPや形状の異なるFOPを組み合
わせる場合についても同様のことがいえる。どの場合で
あっても、2つのFOPの隅部を他のFOPの辺部と接
着することにより、接着部の幅を薄くとり、強度を確保
してシンチレータの剥離を抑制することができ、安定し
た歩留りを確保できる。
シンチレータパネルを構成するFOPパネルを作成する
際に、それを構成する複数のFOPのうち、任意の2つ
のFOPの隅部を他のFOPの辺部と接着することによ
り、接着部の幅を薄くとり、強度を確保してシンチレー
タの剥離を抑制することができ、安定した歩留りを確保
できる。
形態を示す分解斜視図である。
ある。
る放射線検出器をそれぞれ示す断面図である。
形態におけるFOP配列を示す斜視図である。
形態におけるFOP配列を示す斜視図である。
形態におけるFOP配列を示す斜視図である。
形態におけるFOP配列を示す斜視図である。
形態におけるFOP配列を示す斜視図である。
施形態におけるFOP配列を示す斜視図である。
チレータ、4…保護膜、5…ファイバ光学ブロック、6
…固体撮像素子、9…放射線検出器、20…FOP、2
1…接着剤、22…遮光材、41、43…有機膜、42
…無機膜。
Claims (14)
- 【請求項1】 多数の光ファイバを束ねて形成された複
数の光ファイバプレートを互いの側面を接着剤によって
張り合わせてそれぞれ平面状の入出力端面を形成し、入
力端面上に放射線入射によって前記光ファイバを透過し
うる波長の光を放射するシンチレータを堆積させて形成
したシンチレータパネルにおいて、 前記入出力端面は、前記光ファイバの辺方向に少なくと
も2個以上の光ファイバプレートを並べて構成されてお
り、入出力端面の縁を除いて前記光ファイバプレートの
隅部が他の1個の光ファイバプレートの辺部と張り合わ
されていることを特徴とするシンチレータパネル。 - 【請求項2】 前記光ファイバプレートは矩形状である
ことを特徴とする請求項1記載のシンチレータパネル。 - 【請求項3】 前記シンチレータは、気相成長により形
成されていることを特徴とする請求項1または2のいず
れかに記載のシンチレータパネル。 - 【請求項4】 前記シンチレータは、柱状に形成されて
いることを特徴とする請求項3記載のシンチレータパネ
ル。 - 【請求項5】 前記シンチレータは、X線入射により可
視光、紫外光または赤外光を放射することを特徴とする
請求項1〜4のいずれかに記載のシンチレータパネル。 - 【請求項6】 前記シンチレータは、CsIを含むこと
を特徴とする請求項4あるいは5記載のシンチレータパ
ネル。 - 【請求項7】 前記接着剤は、前記シンチレータから放
射された光の50%以上を吸収する素材であることを特
徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシンチレータ
パネル。 - 【請求項8】 前記シンチレータパネルの側面を構成す
る前記光ファイバプレート側面上に形成され、前記シン
チレータから放射された光に対する透過率が50%未満
である遮光材をさらに備えている請求項1〜7のいずれ
かに記載のシンチレータパネル。 - 【請求項9】 前記接着剤の幅は50μm以下であるこ
とを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のシンチ
レータパネル。 - 【請求項10】 前記接着剤の幅は20μm以下である
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のシン
チレータパネル。 - 【請求項11】 前記シンチレータを覆う保護膜をさら
に備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれ
かに記載のシンチレータパネル。 - 【請求項12】 前記保護膜は、ポリパラキシリレン類
からなる耐湿保護膜を含むことを特徴とする請求項11
記載のシンチレータパネル。 - 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載のシ
ンチレータパネルと、前記出力端面に対向して配置され
る撮像装置とを備えていることを特徴とする放射線検出
器。 - 【請求項14】 前記シンチレータパネルと前記撮像装
置との間に配置され、前記シンチレータパネルから出力
された光画像を前記撮像装置へと導く導光用光学部材を
さらに備えていることを特徴とする請求項13に記載の
放射線検出器。
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