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JP2002332323A - ノボラック樹脂、その製造方法、およびこれを用いたポジ型ホトレジスト組成物 - Google Patents

ノボラック樹脂、その製造方法、およびこれを用いたポジ型ホトレジスト組成物

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JP2002332323A
JP2002332323A JP2001139089A JP2001139089A JP2002332323A JP 2002332323 A JP2002332323 A JP 2002332323A JP 2001139089 A JP2001139089 A JP 2001139089A JP 2001139089 A JP2001139089 A JP 2001139089A JP 2002332323 A JP2002332323 A JP 2002332323A
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novolak resin
compound represented
reaction
formula
photoresist composition
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Akira Katano
彰 片野
三雄 ▲はぎ▼原
Mitsuo Hagiwara
Masaru Miyagi
賢 宮城
Toshisato Tate
俊聡 舘
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハーフミクロン以下の超微細なレジストパタ
ーンを形成する場合においても、感度、解像性、ショー
トマージン、およびパターン形状の、全ての特性を満足
するポジ型ホトレジスト組成物を提供すること。また、
前記組成物に好適なノボラック樹脂、およびその製造方
法を提供すること。 【解決手段】 (I)酸触媒の存在下、m−クレゾール
とプロピオンアルデヒドを配合し、1次反応を行い、M
wが200〜500であり、かつ分散度(Mw/Mn)
が1.7以下である重合体を合成し、(II)前記重合体
に3,4−キシレノール、およびホルムアルデヒドを配
合し、2次反応を行い、Mwが1000〜20000の
ノボラック樹脂を合成する。このノボラック樹脂と特定
の感光成分を配合し、組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感度、解像性、お
よびショートマージン(Eop−Es)に優れ、特にi
線用のポジ型ホトレジスト組成物に好適に用い得る、ノ
ボラック樹脂、その製造方法、およびこれを用いたポジ
型ホトレジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】i線(365nm)リソグラフィ用ポジ
型ホトレジスト組成物としては、アルカリ可溶性ノボラ
ック樹脂と1,2−ナフトキノンジアジド基含有化合物
とを含有する組成物が感度、解像性、耐熱性に優れる材
料であるとして、半導体の集積回路(IC)作成の分野
など広く実用に共されている。近年、半導体技術の進展
に伴ってICの高集積化はますます進み、ハーフミクロ
ン以下の超微細なレジストパターンを形状良く形成でき
る材料が望まれている。また、スループット向上の観点
から、高感度であること、さらに歩留まり向上の観点か
らショートマージン(Eop−Es)の優れた材料であ
ることが望まれている。
【0003】前記のショートマージン(Eop−Es)
とは、分離したレジストパターンを形成することができ
る最小露光時間(Es)から、マスクパターンの設定寸
法が忠実に再現されるのに要する露光時間(Eop)ま
での差であり、その値が大きいほど、露光条件によるパ
ターン寸法の変化率が小さいことを示し、歩留まりが向
上し、かつ取り扱い易い好ましい材料となる。しかし、
従来のポジ型ホトレジスト組成物では、ハーフミクロン
以下の超微細なレジストパターンを形成する場合、感
度、解像性、ショートマージン、およびパターン形状
の、全ての特性を満足する材料とすることが困難であ
り、高感度化を行うと、現像処理後に未露光部分が膜減
る傾向が強くなり、解像性、パターン形状、ショートマ
ージンが優れず、高解像性の材料では、感度が劣るなど
の問題があった。
【0004】また、前記ポジ型ホトレジスト組成物に使
用されるアルカリ可溶性ノボラック樹脂としては、2種
以上のフェノール類を原料に合成したものが一般的であ
り、中でもm−クレゾールとp−クレゾールを必須成分
として用いて合成したノボラック樹脂は、感度、解像性
のバランスに優れるとして広く利用されている。しか
し、p−クレゾールは反応性の悪いモノマーであり、仕
込みに用いたp−クレゾールの多くが未反応物や、ダイ
マーやトリマーといった低核化物として、合成後の樹脂
中に存在し、これらがレジストパターン形成時にスカム
発生の原因となるなどレジスト特性を劣化させる問題が
ある。このようなことから、反応性の悪いp−クレゾー
ルの代わりに、反応性の高い3,4−キシレノールを用
いて合成したノボラック樹脂を含有してなるレジスト組
成物が種々提案されている。
【0005】例えば、特開平4-365046号公報は、m−ク
レゾールと、p−クレゾール、キシレノールおよびトリ
メチルフェノールから選ばれる少なくとも1種とからな
るフェノール類と、ホルムアルデヒドとを縮合反応させ
て得られるノボラック樹脂、および特定の構造を有する
ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化物を含有し
てなるポジ型ホトレジスト組成物を開示している。しか
し、当該ホトレジスト組成物は、0.6μm程度のパタ
ーン形成には適するが、ハーフミクロン以下の超微細な
レジストパターンを形成する分野においては、前記の諸
特性の向上が望まれる。また、特開平5-88364号公報
は、3,4−キシレノール5〜50モル%およびm−ク
レゾール95〜50モル%からなるフェノール性混合物
を、ホルムアルデヒドと重縮合して得られるノボラック
樹脂を含有したポジ型ホトレジスト組成物を記載してい
る。しかし、当該ホトレジスト組成物は、0.6μm程
度のパターン形成には適するが、ハーフミクロン以下の
超微細なレジストパターンを形成する分野においては、
前記の諸特性の向上が望まれる。また、特開平5-204146
号公報は、アルキル置換フェノール性化合物と、ホルム
アルデヒドおよび低級アルキル基含有アルデヒド(プロ
ピオンアルデヒドなど)の混合アルデヒド類[混合比:
1/99〜99/1(モル比)]との重縮合物(ノボラ
ック樹脂)を含有したポジ型ホトレジスト組成物を記載
している。しかし、当該ホトレジスト組成物は、0.6
μm程度のパターン形成には適するが、ハーフミクロン
以下の超微細なレジストパターンを形成する分野におい
ては、前記の諸特性の向上が望まれる。また、特開平8-
234420号公報は、γ−ブチロラクトン中でm−クレゾー
ル、3,4−キシレノール、およびホルムアルデヒドを
反応させて得たMwが2000〜15000のアルカリ
可溶性ノボラック樹脂を含有したポジ型ホトレジスト組
成物を記載している。しかし、当該ホトレジスト組成物
は、0.6μm程度のパターン形成には適するが、ハー
フミクロン以下の超微細なレジストパターンを形成する
分野においては、前記の諸特性の向上が望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、ハーフミクロン以下の超微細なレジストパターン
を形成する場合においても、感度、解像性、ショートマ
ージン、およびパターン形状の、全ての特性を満足する
ポジ型ホトレジスト組成物を提供することにある。ま
た、本発明の別の目的は、当該ポジ型ホトレジスト組成
物に好適なノボラック樹脂、およびその製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、特定の構造を有するアルカリ可溶性のノボラ
ック樹脂と、特定の構造を有するフェノール化合物のナ
フトキノンジアジドスルホン酸エステル化物とを含有し
てなるポジ型ホトレジスト組成物は、ハーフミクロン以
下の超微細なレジストパターンを形成する場合において
も、感度、解像性、ショートマージン、およびパターン
形状の、全ての特性を満足する優れたレジスト組成物で
あることを見出し、本発明をなすに至った。
【0008】請求項1の発明は、分子中に、下記一般式
(I)
【0009】
【化10】
【0010】および下記一般式(II)
【0011】
【化11】
【0012】で表される構成単位と、下記一般式(II
I)
【0013】
【化12】
【0014】で表される構成単位とを有することを特徴
とするノボラック樹脂である。請求項2の発明は、分子
中に、下記一般式(I)
【0015】
【化13】
【0016】および下記一般式(II)
【0017】
【化14】
【0018】で表される構成単位を有する重合体と、
3,4−キシレノールおよびホルムアルデヒドとを反応
させて得られるMwが1000〜20000のノボラッ
ク樹脂である。請求項3の発明は、前記重合体が、m−
クレゾールとプロピオンアルデヒドとの反応により得ら
れることを特徴とする請求項2記載のノボラック樹脂で
ある。請求項4の発明は、(I)酸触媒の存在下、m−
クレゾール1モルに対し、0.1〜0.5モル倍量のプ
ロピオンアルデヒドを配合し、1次反応を行い、重合体
を合成する工程、(II)前記重合体に、m−クレゾール
1モルに対して0.1〜0.5モル倍量の3,4−キシ
レノール、およびプロピオンアルデヒド1モルに対して
1〜5モル倍量のホルムアルデヒドを配合し、2次反応
を行い、Mwが1000〜20000のノボラック樹脂
を合成する工程、を有することを特徴とするノボラック
樹脂の製造方法である。請求項5の発明は、(A)請求
項1〜3のいずれか1項に記載のノボラック樹脂、およ
び(B)下記一般式(IV)
【0019】
【化15】
【0020】(式中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原
子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭
素原子数1〜6のアルコキシ基、またはシクロアルキル
基を表し;a〜cはそれぞれ独立に1〜3の整数を表
し;mは2または3を表す)で表されるフェノール化合
物のナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化物を含
有してなるポジ型ホトレジスト組成物である。請求項6
の発明は、前記一般式(IV)で表されるフェノール化合
物が、下記式(V)で表されるリニア型4核体フェノー
ル化合物であることを特徴とする請求項5記載のポジ型
ホトレジスト組成物である。
【0021】
【化16】
【0022】請求項7の発明は、前記一般式(IV)で表
されるフェノール化合物が、下記式(VI)で表されるリ
ニア型5核体フェノール化合物であることを特徴とする
請求項5記載のポジ型ホトレジスト組成物である。
【0023】
【化17】
【0024】請求項8の発明は、前記(B)成分のナフ
トキノンジアジドスルホン酸エステル化物が、前記式
(V)で表されるリニア型4核体フェノール化合物のナ
フトキノンジアジドスルホン酸エステル化物と、前記式
(VI)で表されるリニア型5核体フェノール化合物のナ
フトキノンジアジドスルホン酸エステル化物との混合物
であることを特徴とする請求項5記載のポジ型ホトレジ
スト組成物である。請求項9の発明は、(C)成分とし
て、下記式(VII)
【0025】
【化18】
【0026】で表されるフェノール化合物を含有してな
る請求項5ないし8のいずれか1項に記載のポジ型ホト
レジスト組成物である。
【0027】
【発明の実施の形態】(A)ノボラック樹脂 本発明のノボラック樹脂は、前記一般式(I)で表され
る構成単位(m−クレゾールのオルソ位及びパラ位の内
2つがプロピオンアルデヒドとの反応により連結した構
成単位)、および前記一般式(II)で表される構成単位
(m−クレゾールのオルソ位及びパラ位の全てがプロピ
オンアルデヒドとの反応により連結した構成単位)と、
前記一般式(III)で表される構成単位(3,4−キシ
レノールのオルソ位の2つがホルムアルデヒドとの反応
により連結した構成単位)とを有するノボラック樹脂で
ある。このような構成単位を分子中に有するノボラック
樹脂を用いることにより、感度、解像性、ショートマー
ジン、およびパターン形状の、全ての特性を満足し得る
優れたポジ型ホトレジスト組成物を調製することができ
る。
【0028】当該ノボラック樹脂を合成する方法として
好ましいのは、(I)酸触媒の存在下、m−クレゾール
1モルに対し、0.1〜0.5モル倍量のプロピオンア
ルデヒドを配合し、1次反応を行い、重合体を合成し、
(II)当該重合体に、m−クレゾール1モルに対して
0.1〜0.5モル倍量の3,4−キシレノール、およ
びプロピオンアルデヒド1モルに対して1〜5モル倍量
のホルムアルデヒドを配合し、2次反応を行い、ノボラ
ック樹脂を合成する方法である。
【0029】なお、前記(I)工程において、m−クレ
ゾールの代わりに3,4−キシレノールを用い、前記
(II)工程において、3,4−キシレノールの代わりに
m−クレゾールを用いて合成したノボラック樹脂は、下
記式
【0030】
【化19】
【0031】および下記式
【0032】
【化20】
【0033】で表わされる構成単位と、下記式
【0034】
【化21】
【0035】で表わされる構成単位を有するノボラック
樹脂となり、高感度ではあるが現像後の膜減りが大き
く、高解像、ショートマージンに優れるポジ型ホトレジ
スト組成物の調製には適さない。また、m−クレゾール
および3,4−キシレノールを含有する混合フェノール
類と、ホルムアルデヒドおよびプロピオンアルデヒドを
含有する混合アルデヒド類とを、同時に反応して合成し
たノボラック樹脂は、感度、解像性に優れたポジ型ホト
レジスト組成物の調製には適さない。
【0036】本発明のノボラック樹脂は、前記一般式
(I)で表わされる構成単位と(II)で表わされる構成
単位を分子中に有するMwが200〜500であり、か
つ分散度(Mw/Mn)が1.7以下である重合体を核
として、それに3,4−キシレノールがホルムアルデヒ
ドにより縮合した構造となるノボラック樹脂であること
が好ましい。なお、本発明でいう平均分子量(Mw,M
n)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー)にて測定したポリスチレン換算の分子量を意味し
ている。
【0037】前記(I)工程において配合するプロピオ
ンアルデヒドの量は、m−クレゾール1モルに対し、
0.1〜0.5モル、特に0.2〜0.4モルであるこ
とが好ましく、この範囲より少ないと、解像性が低下す
る傾向にあり、この範囲より多いと、感度低下とパター
ン形状の劣化(垂直性が悪くなる)を生じる傾向がある
点で好ましくない。
【0038】前記(I)工程において用いる酸触媒とし
ては、通常ノボラック樹脂の合成に用いられるものが利
用できるが、特にp−トルエンスルホン酸などは、反応
速度が速い点で好ましい。当該酸触媒の配合量は、ノボ
ラック樹脂の合成に用いる全フェノール性モノマー類の
総モル数に対して、0.1ミリモル%〜100ミリモル
%、特には1ミリモル%〜10ミリモル%の範囲である
ことが好ましい。また、前記反応は、γ−ブチロラクト
ンなどの有機溶媒中で行うことが好ましい。
【0039】このようにして合成した重合体は、分散度
(Mw/Mn)が1.7以下であって、Mwが200〜
500、特には200〜300程度のものであること
が、高感度、高解像性のポジ型ホトレジスト組成物の調
製に適する点で好ましい。
【0040】前記(II)工程において配合する3,4−
キシレノールの量は、前記(I)工程で用いたm−クレ
ゾールの配合量を1モルとしたとき、0.1〜0.5モ
ル、特に0.1〜0.3モルであることが好ましく、こ
の範囲より低いと、高解像性のポジ型ホトレジスト組成
物が得られにくく、この範囲より多いと、感度低下とパ
ターン形状の垂直性が劣る傾向がある点で好ましくな
い。前記(II)工程において用いるホルムアルデヒドと
しては、前記(I)工程で用いたプロピオンアルデヒド
の配合量を1モルとしたとき、1〜5モル、特に2〜4
モルであることが好ましく、この範囲より低いと、高解
像性のポジ型ホトレジスト組成物が得られにくく、この
範囲より多いと、高感度のポジ型ホトレジスト組成物が
得られにくい点で好ましくない。
【0041】なお、前記(II)工程において、第3成分
として3,4−キシレノール以外のフェノール類を複数
併用してもよい。その場合、m−クレゾールと3,4−
キシレノールの配合比が所定の範囲内であり、かつ本発
明のポジ型ホトレジスト組成物の特性を損なわない範囲
であれば、第3成分として任意フェノール類を任意の配
合量で使用してもよい。
【0042】前記(I)工程中、m−クレゾールとプロ
ピオンアルデヒドの反応(1次反応)において、反応時
間は2時間以上であることが好ましい。2時間未満で
は、m−クレゾール+プロピオンアルデヒドから生成す
る中核体(重合体)の分子量分布が広いために、分散度
が大きく、続く(II)工程で合成したノボラック樹脂の
特性が劣り、当該樹脂を使用したレジストの解像性、シ
ョートマージン、感度、パターン形状の垂直性など、ト
ータルパフォーマンスの点で満足のいく効果が得られに
くい。なお、当該1次反応における反応時間は、工業的
生産性の都合上、4時間〜8時間程度であることが好ま
しい。
【0043】前記(II)工程では、前記(I)工程で合
成した中核体(重合体)を主成分とする溶液に、3,4
-キシレノールを加え、次いで高温でホルマリン(ホル
ムアルデヒドの水溶液)を加えることで反応(2次反
応)を開始する。当該2次反応における反応時間は、2
時間〜4時間であることが望ましく、これにより目的の
分子量まで到達したノボラック樹脂は、感度、解像性、
ショートマージン、およびレジストパターンの垂直形状
にすぐれたポジ型ホトレジスト組成物の調製に適する。
なお、当該2次反応は、4時間を超える反応時間で行な
ってもよいが、生産性の都合上、長すぎるのは好ましく
ない。当該2次反応は、前記1次反応終了後、直ちに
3,4−キシレノールを加え、さらにホルマリンを滴下
して始めてもよいが、1次反応終了後、室温程度まで反
応温度を低下させ、攪拌を停止してから、3,4−キシ
レノールを加え、さらにホルマリンを滴下して始めても
よい。例えば、1次反応終了後、溶液がまだ高温状態で
あるうちに、3,4−キシレノールを加え、次いで温度
が低下し、一旦攪拌を停止する。次いで、再び温度を上
昇させ、ホルマリンを滴下し重合(2次反応)を行うこ
とができる。また、例えば、1次反応後の溶液温度を低
下させてから3,4−キシレノールを加えて、次いで、
再び温度を上昇させ、ホルマリンを滴下し重合(2次反
応)を行うこともできる。2次反応開始時には、十分に
温度上昇した反応系に、ホルマリンを滴下することがホ
ルマリンの単独縮合を防ぐ意味で好ましい。
【0044】1次反応、2次反応とも、反応温度は、9
0〜100℃程度で行うことが好ましいが、プロピオン
アルデヒドの沸点が47℃付近であるため、1次反応時
では、まず、反応温度40〜50℃で0.5〜1時間反
応を行った後に、90〜100℃へ上昇して反応を行う
ことが、製造安全上好ましい。なお、最初から90〜1
00℃で反応を行っても、合成した樹脂特性において有
意差はない。反応溶液濃度は、γ−ブチロラクトンなど
の有機溶媒を用いて、1次反応、2次反応ともに、全モ
ノマー重量が10〜60%(重量%濃度)となるように
調整することが好ましい。10重量%未満では目標分子
量に到達するまでの反応時間が長くなり、反応溶媒の除
去などの精製工程が困難になり好ましくなく、60重量
%を超えるとサンプリングや移送で配管詰まりがおきる
ため作業が困難になるため好ましくない。なお、本発明
のノボラック樹脂は、γ−ブチロラクトンなどの有機溶
媒を用いない「バルク重合法」で合成することもできる
が、反応が均一に行われ、副生成物の発生の少ない上述
の有機溶媒中での重合法を用いることが好ましい。
【0045】このようにして合成したノボラック樹脂
は、Mwが1000〜20000の範囲、特には、20
00〜15000の範囲であることが、高解像、高感度
のポジ型ホトレジスト組成物の調製に適する点で好まし
い。
【0046】また、合成したノボラック樹脂は、所望に
応じ、公知の精製や分別等の操作を行うことにより、未
反応物や低分子量体の除去を行い、高分子量、狭分散度
のノボラック樹脂とすることが好ましい。未反応物や低
分子量体の除去方法はとくに制限されないが、例えば次
のような方法が好適である。まず、ノボラック樹脂溶液
を、メチルアミルケトン(MAK)に溶解させ、これを
水洗することにより、触媒、未反応物を除く。次いで、
これにヘキサン、ヘプタン等の貧溶媒または、ヘキサン
−MAK混合溶媒、ヘプタン−MAK混合溶媒を加え攪
拌後、静置すると、上層が貧溶媒層、下層がMAK層に
分離され、上層に低分子量体、下層に高分子量体が分離
される。よって、下層を抽出することにより、高分子量
のノボラック樹脂を得ることができる。
【0047】なお、本発明の目的を損なわない範囲にお
いて、前記以外のその他のアルカリ可溶性樹脂も併用す
ることができる。例えば、芳香族ヒドロキシ化合物とア
ルデヒド類またはケトン類との縮合反応生成物、ポリヒ
ドロキシスチレンおよびその誘導体等を挙げることがで
き、前記芳香族ヒドロキシ化合物としては、例えばフェ
ノール、p−クレゾール、o−クレゾール等のクレゾー
ル類;2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、
3,5−キシレノール等のキシレノール類;m−エチル
フェノール、p−エチルフェノール、o−エチルフェノ
ール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,5
−トリエチルフェノール、4−tert−ブチルフェノ
ール、3−tert−ブチルフェノール、2−tert
−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノール、2−tert−ブチル−5−メチルフェ
ノール等のアルキルフェノール類;p−メトキシフェノ
ール、m−メトキシフェノール、p−エトキシフェノー
ル、m−エトキシフェノール、p−プロポキシフェノー
ル、m−プロポキシフェノール等のアルコキシフェノー
ル類;o−イソプロペニルフェノール、p−イソプロペ
ニルフェノール、2−メチル−4−イソプロペニルフェ
ノール、2−エチル−4−イソプロペニルフェノール等
のイソプロペニルフェノール類;フェニルフェノール等
のアリールフェノール類;4,4’−ジヒドロキシビフ
ェニル、ビスフェノールA、レゾルシノール、ヒドロキ
ノン、ピロガロール等のポリヒドロキシフェノール類等
が挙げられ、前記アルデヒド類としては、例えばホルム
アルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ア
セトアルデヒド、ブチルアルデヒド、トリメチルアセト
アルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、シク
ロヘキサンアルデヒド、フルフラール、フリルアクロレ
イン、ベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド、フェ
ニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒ
ド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシ
ベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、
p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−メチルベンズア
ルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベ
ンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−ク
ロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、
ケイ皮酸アルデヒド等が挙げられ、前記ケトン類とし
て、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン、ジフェニルケトン等が挙げられ、これらを単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。なお、前記芳香族ヒドロキシ化合物とアルデヒド類
またはケトン類との縮合反応生成物は、酸性触媒の存在
下公知の方法で製造することができる。また、前記ポリ
ヒドロキシスチレンおよびその誘導体としては、例えば
ビニルフェノールの単独重合体、ビニルフェノールとこ
れと共重合し得るコモノマーとの共重合体等が挙げら
れ、コモノマーとしては、例えばアクリル酸誘導体、ア
クリロニトリル、メタクリル酸誘導体、メタクリロニト
リル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、o−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p
−クロロスチレン等のスチレン誘導体が挙げられる。こ
れらの、その他のアルカリ可溶性樹脂は、(A)成分の
ノボラック樹脂に対して50重量%以下、とくには30
重量%以下の範囲で用いるのがよい。
【0048】(B)ナフトキノンジアジドスルホン酸エ
ステル化物 本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、前記の(A)成
分と、特定の(B)ナフトキノンジアジドスルホン酸エ
ステル化物とを含有してなるものである。この(B)成
分としては、前記一般式(IV)で表されるフェノール化
合物のナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化物を
用いる。中でも好ましい(B)成分は、前記式(V)で
表されるリニア型4核体フェノール化合物のナフトキノ
ンジアジドスルホン酸エステル化物、あるいは前記式
(VI)で表されるリニア型5核体フェノール化合物のナ
フトキノンジアジドスルホン酸エステル化物であり、さ
らに好ましくは、前記式(V)で表されるリニア型4核
体フェノール化合物のナフトキノンジアジドスルホン酸
エステル化物と、前記式(VI)で表されるリニア型5核
体フェノール化合物のナフトキノンジアジドスルホン酸
エステル化物との混合物である。
【0049】前記のナフトキノンジアジドスルホン酸エ
ステル化物は、例えば1,2−ナフトキノンジアジドス
ルホン酸ハライドと前記したフェノール化合物とを縮合
反応させ、完全エステル化または部分エステル化するこ
とによって製造することができる。この縮合反応は、通
常例えばジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチル
アセトアミド等の有機溶媒中、トリエチルアミン、炭酸
アルカリまたは炭酸水素アルカリのような塩基性縮合剤
の存在下で行うのが有利である。この際、フェノール化
合物の水酸基の合計モル数の50%以上、好ましくは6
0%以上を1,2−ナフトキノンジアジド−4(または
5)−スルホン酸ハライドでエステル化したエステル化
物(すなわち、エステル化率が50%以上、好ましくは
60%以上のエステル化物)を用いるとより優れた高解
像性を得ることができるので好ましい。
【0050】なお、本発明の目的を損なわない範囲にお
いて、前記以外のナフトキノンジアジドスルホン酸エス
テル化物も併用することができる。例えば、ポジ型ホト
レジスト組成物において感光剤として通常用いられ得る
ものの中から任意に選ぶことができ、具体的には、2,
4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−5−ヒドロキシフェノール、2,6−ビス(3,
5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−メチル
フェノール、2,6−ビス(2,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)−4−メチルフェノール等のリニア
状3核体化合物の、ナフトキノンジアジドスルホン酸エ
ステル化物等が挙げられる。
【0051】本発明のポジ型ホトレジスト組成物におい
ては、必要に応じ、さらに(C)成分として、感度向上
剤(増感剤)を配合することができる。この(C)成分
としては前記式(VII)で表わされるフェノール化合物
が好ましい。当該(C)成分の配合により、本発明のポ
ジ型ホトレジスト組成物の高感度化を図ることができ
る。なお、本発明の目的を損なわない範囲において、前
記式(VII)で表わされるフェノール化合物以外の、公
知の感度向上剤(増感剤)を配合することができ、具体
的には、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチ
ルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、1,4
−ビス[1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)イソプロピル]ベンゼン、2,4−ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルメチル)−6−メ
チルフェノール、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメ
チルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス
(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−
ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフ
ェニルメタン、1−[1−(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼ
ン、2,6−ビス[1−(2,4−ジヒドロキシフェニ
ル)イソプロピル]−4−メチルフェノール、4,6−
ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]
レゾルシン、4,6−ビス(3,5−ジメトキシ−4−
ヒドロキシフェニルメチル)ピロガロール、4,6−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルメチ
ル)ピロガロール、2,6−ビス(3−メチル−4,6
−ジヒドロキシフェニルメチル)−4−メチルフェノー
ル、2,6−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニ
ルメチル)−4−メチルフェノール、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、6−ヒドロキ
シ−4a−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−9−
1’−スピロシクロヘキシル−1,2,3,4,4a,
9a−ヘキサヒドロキサンテン、6−ヒドロキシ−5−
メチル−4a−(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフ
ェニル)−9−1’−スピロシクロヘキシル−1,2,
3,4,4a,9a−ヘキサヒドロキサンテン等が挙げ
られる。
【0052】(C)成分としての感度向上剤(増感剤)
の配合量は(A)成分であるノボラック樹脂に対し5〜
50重量%とするのが好ましく、より好ましくは10〜
35重量%である。
【0053】本発明のポジ型ホトレジスト組成物におい
て、(B)成分の配合量は、(A)成分であるノボラッ
ク樹脂と所望に応じて添加される前記(C)成分との合
計量に対し10〜60重量%であるのが好ましく、より
好ましくは20〜50重量%である。(B)成分の配合
量が少なすぎるとパターンに忠実な画像を得るのが難し
く、転写性も低下する傾向にある。一方、(B)成分の
配合量が多すぎると、感度劣化と形成されるレジスト膜
の均質性が低下し、解像性が劣化する傾向にある。
【0054】本発明のポジ型ホトレジスト組成物におい
ては、特定の(A)成分および(B)成分、さらに必要
に応じて(C)成分を配合することにより、ハーフミク
ロン以下の超微細なレジストパターンを形成する場合に
おいても、感度、解像性、ショートマージン、およびパ
ターン形状の、全ての特性を満足するポジ型ホトレジス
ト組成物となる。
【0055】また本発明のポジ型ホトレジスト組成物に
は、解像度、露光余裕度、残膜率の向上を目的として、
p−トルエンスルホン酸クロライド(PTSC)、4,
4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1,4
−ビス〔1−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シク
ロヘキシルフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,3
−ビス〔1−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シク
ロヘキシルフェニル)イソプロピル〕ベンゼン等を、組
成物に対しそれぞれ0.01〜10重量%程度の範囲内
で添加してもよい。
【0056】また本発明のポジ型ホトレジスト組成物に
は、さらに必要に応じて、相容性のある添加物、例えば
ハレーション防止のための紫外線吸収剤、例えば4−ジ
メチルアミノ−2’,4’−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、5−アミノ−3−メチル−1−フェニル−4−(4
−ヒドロキシフェニルアゾ)ピラゾール、4−ジメチル
アミノ−4’−ヒドロキシアゾベンゼン、4−ジエチル
アミノ−4’−エトキシアゾベンゼン、4,4’−ジエ
チルアミノアゾベンゼン、クルクミン等や、またストリ
エーション防止のための界面活性剤、例えばフロラード
FC−430、FC431(商品名、住友3M(株)
製)、エフトップEF122A、EF122B、EF1
22C、EF126(商品名、トーケムプロダクツ
(株)製)等のフッ素系界面活性剤などを本発明の目的
に支障のない範囲で添加含有させることができる。
【0057】本発明のポジ型ホトレジスト組成物は、
(A)成分および(B)成分、必要に応じて添加される
(C)成分、さらに各種添加成分を、適当な溶剤に溶解
して溶液の形で用いるのが好ましい。このような溶剤の
例としては、従来のポジ型ホトレジスト組成物に用いら
れる溶剤を挙げることができ、例えばアセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケト
ン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケト
ン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテー
ト、プロピレングリコールモノアセテート、ジエチレン
グリコールモノアセテート、あるいはこれらのモノメチ
ルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテ
ル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテル等
の多価アルコール類およびその誘導体;ジオキサンのよ
うな環式エーテル類;および乳酸エチル、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン
酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロ
ピオン酸エチル等のエステル類を挙げることができる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用
いてもよい。とくにアセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタ
ノン等のケトン類;乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチ
ル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン
酸エチル等のエステル類が好ましい。
【0058】本発明の組成物の好適な使用方法について
一例を示すと、まず、シリコーンウェーハ等の支持体上
に、(A)成分および(B)成分、必要に応じて添加さ
れる(C)成分、さらに各種添加成分を前記したような
適当な溶剤に溶かした溶液をスピンナー等で塗布し、乾
燥して感光層を形成させ、次いで365nm付近の波長
の光を発光する光源、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、
超高圧水銀灯を用い、所望のマスクパターンを介して露
光する。次にPEB(露光後加熱)処理を行い、これを
現像液、例えば1〜10重量%テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド(TMAH)水溶液のようなアルカリ性
水溶液に浸漬すると、露光部が溶解除去されてマスクパ
ターンに忠実な画像を得ることができる。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定され
るものではない。 合成例1 (m−クレゾール/3,4−キシレノール=モル比8/
2の樹脂1の合成) (1次反応)メカニカルスターラー、冷却管、300m
l滴下ロート、窒素ガス導入管を備えた1リットルの4
ツ口フラスコに、m−クレゾール86.4g(0.8モ
ル)、p−トルエンスルホン酸2.0g、およびγ−ブ
チロラクトン86.4gを仕込み、反応溶液濃度が50
重量%になるように調整した。次いで、窒素ガスを流入
しながら、マグネティックスターラーで攪拌しているオ
イルバスでフラスコを加熱し、反応溶液の内部温度が1
00℃に達した時点で、滴下ロートから95重量%プロ
ピオンアルデヒド水溶液12.22g(0.2モル)を
30分間かけてゆっくりと滴下し、滴下後、4時間反応
を行った。得られた反応物をサンプリングしたところ、
Mwは250、Mw/Mnは1.65であった。 (2次反応)次に、3,4−キシレノール24.4g
(0.2モル)をγ−ブチロラクトン24.4gに溶解
した溶液を、前記1次反応後の反応溶液中に仕込み、次
いで、37重量%ホルムアルデヒド水溶液52.7g
(0.65モル)を30分間かけて、ゆっくりと滴下
し、滴下後、10時間反応を行った。反応終了後、反応
容器が十分に室温まで冷却した後、反応溶液をMAK
(メチルアミルケトン)を用い、20重量%濃度の溶液
に調整して、3リットル分液ロートで3回水洗し、エバ
ポレーターで濃縮した。次いで、MAKとメタノールを
用いて希釈して、15重量%濃度のMAK/メタノール
=4/1(重量比)の溶液に調整した。当該溶液を、3
リットル分液ロートに入れ、これにn−ヘプタンを加え
てモノマーを含む低分子量体を取り除き、目的のノボラ
ック樹脂(Mw=4000)を得た。 合成例2〜5 (各種配合割合を代えたノボラック樹脂2〜5の合成)
合成例1において、m−クレゾール、3,4−キシレノ
ール、ホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒドを下記
表1に記載の通り代えた以外は合成例1と同様にしてノ
ボラック樹脂2〜5を合成した。
【0060】
【表1】
【0061】比較合成例1 (プロピオンアルデヒドを用いない比較ノボラック樹脂
1の合成) (1次反応)メカニカルスターラー、冷却管、300m
l滴下ロート、窒素ガス導入管を備えた1リットルの4
ツ口フラスコに、m−クレゾール86.4g(0.8モ
ル)、p−トルエンスルホン酸2.0g、およびγ−ブ
チロラクトン86.4gを仕込み、反応溶液濃度が50
重量%になるように調整した。次いで、窒素ガスを流入
しながら、反応溶液をメカニカルスターラーで攪拌し、
マグネティックスターラーで攪拌しているオイルバスで
フラスコを加熱し、反応溶液の内部温度が100℃に達
した時点で、滴下ロートから37重量%ホルムアルデヒ
ド水溶液16g(0.2モル)を30分間かけてゆっく
りと滴下し、滴下後、4時間反応を行った。 (2次反応)次に、3,4−キシレノール24.4g
(0.2モル)をγ−ブチロラクトン24.4gに溶解
した溶液を、前記1次反応後の反応溶液中に仕込み、次
いで、37重量%ホルムアルデヒド水溶液52.7g
(0.65モル)を30分間かけて、ゆっくりと滴下
し、滴下後、10時間反応を行った。反応終了後、反応
容器が十分に室温まで冷却した後、反応溶液をMAK
(メチルアミルケトン)を用い、20重量%濃度の溶液
に調整して、3リットル分液ロートで3回水洗し、エバ
ポレーターで濃縮した。次いで、MAKとメタノールを
用いて希釈して、15重量%濃度のMAK/メタノール
=4/1(重量比)の溶液に調整した。当該溶液を、3
リットル分液ロートに入れ、これにn−ヘプタンを加え
てモノマーを含む低分子量体を取り除き、目的のノボラ
ック樹脂(Mw=4000)を得た。
【0062】比較合成例2 (3,4−キシレノールを用いない比較ノボラック樹脂
2の合成) (1次反応)メカニカルスターラー、冷却管、300m
l滴下ロート、窒素ガス導入管を備えた1リットルの4
ツ口フラスコに、m−クレゾール86.4g(0.8モ
ル)、p−トルエンスルホン酸2.0g、およびγ−ブ
チロラクトン86.4gを仕込み、反応溶液濃度が50
重量%になるように調整した。次いで、窒素ガスを流入
しながら、マグネティックスターラーで攪拌しているオ
イルバスでフラスコを加熱し、反応溶液の内部温度が1
00℃に達した時点で、滴下ロートから95重量%プロ
ピオンアルデヒド水溶液12.22g(0.2モル)を
30分間かけてゆっくりと滴下し、滴下後、4時間反応
を行った。 (2次反応)次に、p−クレゾール21.6g(0.2
モル)をγ−ブチロラクトン24.4gに溶解した溶液
を、前記1次反応後の反応溶液中に仕込み、次いで、3
7重量%ホルムアルデヒド水溶液52.7g(0.65
モル)を30分間かけて、ゆっくりと滴下し、滴下後、
10時間反応を行った。反応終了後、反応容器が十分に
室温まで冷却した後、反応溶液をMAK(メチルアミル
ケトン)を用い、20重量%濃度の溶液に調整して、3
リットル分液ロートで3回水洗し、エバポレーターで濃
縮した。次いで、MAKとメタノールを用いて希釈し
て、15重量%濃度のMAK/メタノール=4/1(重
量比)の溶液に調整した。当該溶液を、3リットル分液
ロートに入れ、これにn−ヘプタンを加えてモノマーを
含む低分子量体を取り除き、目的のノボラック樹脂(M
w=5000)を得た。
【0063】比較合成例3 (m−クレゾールと3,4−キシレノールを同時に仕込
んだ比較ノボラック樹脂3の合成)メカニカルスターラ
ー、冷却管、300ml滴下ロート、窒素ガス導入管を
備えた1リットルの4ツ口フラスコに、m−クレゾール
86.4g(0.8モル)、3,4−キシレノール2
4.4g(0.2モル)、p−トルエンスルホン酸2.
0g、およびγ−ブチロラクトン110.8gを仕込
み、反応溶液濃度が50重量%になるように調整した。
次いで、窒素ガスを流入しながら、反応溶液をメカニカ
ルスターラーで攪拌し、マグネティックスターラーで攪
拌しているオイルバスでフラスコを加熱し、反応溶液の
内部温度が100℃に達した時点で、滴下ロートから3
7重量%ホルムアルデヒド水溶液16g(0.2モル)
を30分間かけてゆっくりと滴下し、滴下後、4時間反
応を行った。次に、37重量%ホルムアルデヒド水溶液
52.7g(0.65モル)を30分間かけて、ゆっく
りと滴下し、滴下終了後、10時間反応を行った。反応
終了後、反応容器が十分に室温まで冷却した後、反応溶
液をMAK(メチルアミルケトン)を用い、20重量%
濃度の溶液に調整して、3リットル分液ロートで3回水
洗し、エバポレーターで濃縮した。次いで、MAKとメ
タノールを用いて希釈して、15重量%濃度のMAK/
メタノール=4/1(重量比)の溶液に調整した。当該
溶液を、3リットル分液ロートに入れ、これにn−ヘプ
タンを加えてモノマーを含む低分子量体を取り除き、目
的のノボラック樹脂(Mw=4500)を得た。
【0064】実施例1〜5および比較例1〜3 合成例1〜5、および比較合成例1〜3で合成したノボ
ラック樹脂1〜5、および比較ノボラック樹脂1〜3を
用い、以下の組成からなるポジ型ホトレジスト組成物の
塗布液1〜5、および比較塗布液1〜3を調製した。
【0065】 (A)ノボラック樹脂 100重量部 (B)ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化物(感光剤) 35重量部 [前記式(V)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド( 以下「5−NQD」との50%エステル化物)/前記式(VI)と5−NQDとの 60%エステル化物=1/3(重量比)の混合物] (C)前記式(VII)の化合物 30重量部 4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.3重量部 MAK(溶媒) 470重量部
【0066】前記実施例1〜5、および比較例1〜3で
調製した塗布液1〜5、および比較塗布液1〜3につい
て、下記の評価を行い、その結果を表2に示した。
【0067】[感度評価]試料をスピンナーを用いてシ
リコンウェーハ上に塗布し、これをホットプレート上で
90℃、90秒間乾燥して膜厚1.48μmのレジスト
膜を得た。この膜にマスクを介し、縮小投影露光装置N
SR−2005i10D(ニコン(株)製、NA=0.
57)を用いて0.1秒から0.01秒間隔で露光した
後、110℃、90秒間のPEB(露光後加熱)処理を
行い、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド(TMAH)水溶液を用いて23℃で60秒間現
像し、30秒間水洗して乾燥した。その際、マスクパタ
ーンの設定寸法(線幅0.40μm、L&S=1:1)
が忠実に再現されるのに要する露光時間(Eop)を感
度としてミリ秒(ms)単位で表した。 [解像性評価]0.40μmL&Sに対応するマスクパ
ターンを再現する露光量における限界解像度を表した。 [ショートマージン]試料をスピンナーを用いてシリコ
ンウェーハ上に塗布し、これをホットプレート上で90
℃、90秒間乾燥して膜厚1.48μmのレジスト膜を
得た。この膜にL&Sが1:1の0.40μmレジスト
パターン対応のマスク(レチクル)を介して縮小投影露
光装置NSR−2005i10D(ニコン社製、NA=
0.57)を用いて、0.1秒から0.01秒間隔で露
光したのち、110℃、90秒間のPEB(露光後加
熱)処理を行い、2.38重量%TMAH水溶液を用い
て23℃にて60秒間現像し、30秒間水洗して乾燥し
たとき、現像後に分離パターンを形成することができる
最小露光量(Es)をミリ秒(ms)単位で表し、ショ
ートマージンを(Eop−Es)として表した。 [パターン形状評価]前記Eop露光量で形成した、膜
厚1.48μm、L&Sが1:1の0.40μmレジス
トパターンの断面形状をSEM写真にて観察し、矩形の
レジストパターンが形成されていたものを○、レジスト
パターンの一部に括れ形状がみられたものを△、パター
ントップが膜減り、テーパー形状を呈したものを×とし
て評価した。
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、ハーフミクロン以下の
超微細なレジストパターンを形成する場合においても、
感度、解像性、ショートマージン、およびパターン形状
の、全ての特性を満足するポジ型ホトレジスト組成物が
提供される。また、本発明によれば、前記ホトレジスト
組成物に好適なノボラック樹脂、およびその製造方法が
提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮城 賢 神奈川県川崎市中原区中丸子150番地 東 京応化工業株式会社内 (72)発明者 舘 俊聡 神奈川県川崎市中原区中丸子150番地 東 京応化工業株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA03 AB16 AC04 AD03 BE01 CB28 CB29 CB55 CB56 FA17 4J002 CC051 EJ046 GP03 4J033 CA01 CA12 CA20 CA29 CC08 HA12 HB10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に、下記一般式(I) 【化1】 および下記一般式(II) 【化2】 で表される構成単位と、下記一般式(III) 【化3】 で表される構成単位とを有することを特徴とするノボラ
    ック樹脂。
  2. 【請求項2】 分子中に、下記一般式(I) 【化4】 および下記一般式(II) 【化5】 で表される構成単位を有する重合体と、3,4−キシレ
    ノールおよびホルムアルデヒドとを反応させて得られる
    Mwが1000〜20000のノボラック樹脂。
  3. 【請求項3】 前記重合体が、m−クレゾールとプロピ
    オンアルデヒドとの反応により得られることを特徴とす
    る請求項2記載のノボラック樹脂。
  4. 【請求項4】(I)酸触媒の存在下、m−クレゾール1
    モルに対し、0.1〜0.5モル倍量のプロピオンアル
    デヒドを配合し、1次反応を行い、重合体を合成する工
    程、(II)前記重合体に、m−クレゾール1モルに対し
    て0.1〜0.5モル倍量の3,4−キシレノール、お
    よびプロピオンアルデヒド1モルに対して1〜5モル倍
    量のホルムアルデヒドを配合し、2次反応を行い、Mw
    が1000〜20000のノボラック樹脂を合成する工
    程、を有することを特徴とするノボラック樹脂の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 (A)請求項1〜3のいずれか1項に記
    載のノボラック樹脂、および(B)下記一般式(IV) 【化6】 (式中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン
    原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜
    6のアルコキシ基、またはシクロアルキル基を表し;a
    〜cはそれぞれ独立に1〜3の整数を表し;mは2また
    は3を表す)で表されるフェノール化合物のナフトキノ
    ンジアジドスルホン酸エステル化物を含有してなるポジ
    型ホトレジスト組成物。
  6. 【請求項6】 前記一般式(IV)で表されるフェノール
    化合物が、下記式(V)で表されるリニア型4核体フェ
    ノール化合物であることを特徴とする請求項5記載のポ
    ジ型ホトレジスト組成物。 【化7】
  7. 【請求項7】 前記一般式(IV)で表されるフェノール
    化合物が、下記式(VI)で表されるリニア型5核体フェ
    ノール化合物であることを特徴とする請求項5記載のポ
    ジ型ホトレジスト組成物。 【化8】
  8. 【請求項8】 前記(B)成分のナフトキノンジアジド
    スルホン酸エステル化物が、前記式(V)で表されるリ
    ニア型4核体フェノール化合物のナフトキノンジアジド
    スルホン酸エステル化物と、前記式(VI)で表されるリ
    ニア型5核体フェノール化合物のナフトキノンジアジド
    スルホン酸エステル化物との混合物であることを特徴と
    する請求項5記載のポジ型ホトレジスト組成物。
  9. 【請求項9】 (C)成分として、下記式(VII) 【化9】 で表されるフェノール化合物を含有してなる請求項5な
    いし8のいずれか1項に記載のポジ型ホトレジスト組成
    物。
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