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JP2002319527A - 半導体製造・検査装置用セラミックヒータ - Google Patents

半導体製造・検査装置用セラミックヒータ

Info

Publication number
JP2002319527A
JP2002319527A JP2001124879A JP2001124879A JP2002319527A JP 2002319527 A JP2002319527 A JP 2002319527A JP 2001124879 A JP2001124879 A JP 2001124879A JP 2001124879 A JP2001124879 A JP 2001124879A JP 2002319527 A JP2002319527 A JP 2002319527A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic substrate
ceramic
groove
temperature
semiconductor wafer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001124879A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshikazu Amino
俊和 網野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2001124879A priority Critical patent/JP2002319527A/ja
Publication of JP2002319527A publication Critical patent/JP2002319527A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体製造・検査工程において、半導体ウエ
ハを温度のばらつきが発生せず、均一に加熱することが
でき、かつ、半導体ウエハを迅速に昇温することが可能
である半導体製造・検査装置用セラミックヒータを提供
すること。 【解決手段】 セラミック基板の表面または内部に抵抗
発熱体が形成された半導体製造・検査装置用セラミック
ヒータであって、上記セラミック基板の少なくとも加熱
面側の表面には、平面視円環形状の溝が形成されてな
り、上記溝は、円周方向に分割されてなることを特徴と
する半導体製造・検査装置用セラミックヒータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に半導体産業に
おいて、セラミックヒータ、静電チャック、ウエハプロ
ーバ用のチャックトップ板等に使用される半導体製造・
検査装置用セラミックヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】エッチング装置や、化学的気相成長装置
等を含む半導体製造、検査装置等においては、従来、ス
テンレス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を用い
たヒータが用いられてきた。
【0003】ところが、このような金属製のヒータは、
以下のような問題があった。金属製であるため、金属板
の厚みは、15mm程度と厚くしなければならない。な
ぜなら、薄い金属板では、加熱に起因する熱膨張によ
り、反り、歪み等が発生してしまい、金属板上に載置し
た半導体ウエハが破損したり傾いたりしてしまうからで
ある。しかしながら、セラミック基板の厚みを厚くする
と、嵩張ってしまうという問題があった。
【0004】さらに、発熱体に印加する電圧や電流量を
変えることにより、加熱温度を制御するのであるが、金
属板が厚いために、電圧や電流量の変化に対してセラミ
ック基板の温度が迅速に追従せず、温度制御しにくいと
いう問題もあった。また、金属製であるため、腐食性ガ
スに対する耐蝕性も悪いという問題を抱えていた。
【0005】これに対し、特開平11−40330号公
報等では、金属製のものに代えて、熱伝導率が高く、強
度も大きい窒化物セラミックや炭化物セラミックを使用
し、これらのセラミックからなるセラミック基板の表面
に、金属粒子を焼結して形成した発熱体を設けているセ
ラミックヒータが開示されている。また、特開平11−
251040号では、窒化物セラミックに発熱体を内装
したヒータが開示されている。
【0006】このようなヒータは、加熱の際に熱膨張し
ても、セラミック基板に反り、歪み等は発生しにくく、
印加電圧や電流量の変化に対する温度追従性も良好であ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構成のセラミックヒータは、半導体ウエハ等を加熱する
面(以下、加熱面という)が平面により構成されてお
り、その上に半導体ウエハを載置すると、半導体ウエハ
の全面が加熱面と接触する。従って、この状態で半導体
ウエハを加熱すると、セラミック基板表面の温度分布が
そのまま半導体ウエハに反映され、半導体ウエハ等を均
一に加熱することができず、その結果、半導体ウエハ等
が熱衝撃により、破損するという問題が発生した。
【0008】このような問題を解決するため、セラミッ
ク基板に形成された貫通孔等に挿通したリフターピン、
または、セラミック基板の表面に設けた数本の支持ピン
等を用い、半導体ウエハ等をセラミック基板表面からわ
ずかに離間して保持し、加熱する方法をとることができ
る。この方法を用いると、セラミック基板からの輻射お
よび空気の対流による熱伝導により半導体ウエハへ熱が
伝わるため、セラミック基板表面の温度分布が、直接、
半導体ウエハに反映されず、半導体ウエハのより均一な
温度分布が実現する。
【0009】しかしながら、この方法を用いると、セラ
ミック基板と半導体ウエハとの間に空間が形成され、そ
の外縁部が開放されているため、一定の方向へ向かう気
流、すなわち、セラミック基板と半導体ウエハとの間の
中心部から外縁部へ向かう気流が発生してしまい、ま
た、方向性の不安定な該気流によって、半導体ウエハの
面内に温度のばらつきが発生し、半導体ウエハの温度均
一性が低下してしまうという問題が新たに発生する。
【0010】さらに、セラミック基板と半導体ウエハと
の間に空間が形成され、その外縁部が開放されているこ
とにより、セラミック基板と半導体ウエハとの間に存在
する空気が外側に逃げやすく、温度の低い空気が入れ替
わって入ってくることになる。このため、外縁部の温度
が低下しやすく、半導体ウエハの温度均一性が充分とは
言えなかった。また、セラミック基板と半導体ウエハと
の間に存在する空気が逃げやすいことに起因して、半導
体ウエハ等を迅速に加熱することが困難になるという問
題も発生する。
【0011】なお、近年の半導体ウエハ等の大口径化等
に伴って、より直径の大きいセラミックヒータが求めら
れているが、セラミック基板の直径が大きくなるにつれ
て、セラミック基板自体の温度分布にもばらつきが発生
しやすくなり、上記した半導体ウエハの温度均一性が益
々低下することになる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
問題点に鑑み、被加熱物である半導体ウエハ等を迅速に
加熱することができ、かつ、加熱時における半導体ウエ
ハ等の温度ばらつきが小さく、半導体ウエハ等が熱衝撃
により破損することのないセラミックヒータを得ること
を目的として鋭意研究を行った結果、セラミックヒータ
を構成するセラミック基板の加熱面の外縁部に平面視略
円環形状で、少なくとも2以上に分割された溝を形成
し、該溝の深さと幅とが特定の関係を有するようにする
ことにより、迅速に昇温を行うことができ、かつ、加熱
面を均一な温度とすることができることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明の半導体製造・検査装置
用セラミックヒータは、セラミック基板の表面または内
部に抵抗発熱体が形成された半導体製造・検査装置用セ
ラミックヒータであって、上記セラミック基板の少なく
とも加熱面側の表面には、平面視円環形状の溝が形成さ
れてなり、上記溝は、円周方向に分割されてなることを
特徴とする半導体製造・検査装置用セラミックヒータで
ある。
【0014】また、上記溝の幅A(mm)と深さB(m
m)とが、下記の(1)式の関係を満たすことが望まし
い。 A=n・B・・・(1) (nは2以上の整数)
【0015】また、上記溝の幅A(mm)と深さB(m
m)との長さの比率は、B/A≦0.5であることが望
ましい。
【0016】また、上記溝の断面の形状は、コの字形状
であるか、または、略円弧形状またはU字形状であるこ
とが望ましい。
【0017】さらに、被加熱物は、上記セラミック基板
と非接触の状態で保持されてなることが望ましい。
【0018】本発明によれば、セラミック基板の加熱面
の外縁部に、平面視略円環形状で、その深さと幅とが上
記(1)式の関係を満たす溝が形成されているので、該
溝内に、溝の長さ方向であって、溝の壁面および底面に
平行な線を中心軸として回転する略真円状の定常流から
なる渦が発生し、この渦により、セラミック基板と半導
体ウエハとの間の中心部から外縁部へ向かう気流が、上
記渦によって塞き止められる。その結果、セラミック基
板上で加熱された空気等の気体を逃散させることなく、
上記溝内に滞留させることができる。従って、一定の方
向へ向かう気流、すなわち、セラミック基板と半導体ウ
エハとの間の中心部から外縁部へ向かう気流によって熱
が奪われ、これに起因して半導体ウエハの面内に温度の
ばらつきが発生するということがなく、半導体ウエハ等
を均一に加熱することができる。
【0019】また、上述したように、加熱された空気等
の気体を逃散させることなく、上記溝内に滞留させるこ
とができるため、セラミック基板と半導体ウエハとの間
に存在する空気が外側に逃げにくく、温度の低い空気が
入れ替わって入りにくくなる。このため、外縁部の温度
が低下することがなく、半導体ウエハを均一に加熱する
ことができる。また、セラミック基板と半導体ウエハと
の間に存在する加熱された空気等の気体が逃げにくいた
め、半導体ウエハ等を迅速に加熱することができる。
【0020】さらに、平面視略円環形状の溝は、複数に
分割形成されており、溝のない部分では、空気の流通が
可能であるため、内部に滞留した熱を適当に外部に排出
することができ、セラミック基板上に極度に熱が滞留す
るのを防止することができ、セラミック基板の加熱面を
より均一な温度とすることができる。
【0021】ただし、溝の幅Aが溝の深さBに対して大
きくなりすぎると渦が発生せず、逆に溝の幅Aが溝の深
さBに対して小さくなりすぎるとやはり渦が発生しな
い。具体的には、上記溝の幅A(mm)と深さB(m
m)の長さの比率は、0.1≦B/A≦0.5であるこ
とが望ましい。また、上記溝の幅A(mm)と深さB
(mm)とが、下記の(1)式の関係を満たすことが望
ましい。 A=n・B・・・(1) (nは2以上の整数) 溝の幅Aと溝の深さBとがこのような関係を満たす場
合、渦ができやすいからである。さらに、nは偶数がよ
い。回転方向がぶつかり合わない渦ができやすいからで
ある。なお、nが奇数の場合は、溝の中央部分に渦がで
きにくいが、上記気流を塞ぎ止める効果が全くない訳で
はない。nは2〜10であることが望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の半導体製造・検査装置用
セラミックヒータは、セラミック基板の表面または内部
に抵抗発熱体が形成された半導体製造・検査装置用セラ
ミックヒータであって、上記セラミック基板の少なくと
も加熱面側の表面には、平面視円環形状の溝が形成され
てなり、上記溝は、円周方向に分割されてなることを特
徴とする半導体製造・検査装置用セラミックヒータであ
る。なお、以下の説明においては、半導体製造・検査装
置用セラミックヒータを、単に、セラミックヒータとも
いうことにする。
【0023】上記(1)式の関係を満たさない溝を有す
るセラミックヒータ、または、上記構成の溝が形成され
ていないセラミックヒータの場合には、該溝内またはセ
ラミック基板の外縁部に略定常流からなる渦が発生しな
い。従って、セラミック基板と半導体ウエハとの間の中
心部から外縁部へ向かう気流が、上記溝の上部またはセ
ラミック基板の外縁部を通過して、半導体ウエハの存在
しない開放部へと向かうこととなる。その結果、セラミ
ック基板と半導体ウエハとの間に存在する空気が外側に
逃げやすく、温度の低い空気が入れ替わって入ってくる
ため、半導体ウエハの面内に温度のばらつきが発生し、
温度均一性が低下してしまうとともに、半導体ウエハ等
を迅速に加熱することができない。
【0024】本発明のセラミックヒータにおける、セラ
ミック基板の加熱面の外縁部に形成される溝の幅A(m
m)と、溝の深さB(mm)との関係を示す上記(1)
式について、例を挙げて説明する。セラミック基板の加
熱面の外縁部に形成された溝の深さB(mm)が0.1
(mm)であるセラミックヒータについて考えてみる。
なお、図10は、本発明に係るセラミックヒータに形成
された溝、セラミック基板と半導体ウエハとの間の空間
における気流、および、上記溝内に発生した渦を模式的
に示す部分拡大断面図である。図10において、半導体
ウエハは省略している。
【0025】セラミック基板の加熱面の外縁部に形成さ
れた溝の幅A(mm)が0.2(mm)である場合、こ
の幅と深さとを上記(1)式に代入すると、n=2とな
る。すなわち、nは整数であり、このセラミックヒータ
は上記(1)式を満たすことになる。その結果、断面形
状がコの字形状である溝171の内部には、nと同数で
ある2の渦が発生する。従って、気流211は、渦20
1aおよび渦201bにより塞き止められることとなる
こととなる(図10(a)参照)。なお、この場合、発
生した渦201aおよび渦201bは、互いに逆向きの
回転となる。
【0026】一方、セラミック基板の加熱面の外縁部に
形成された溝の幅A(mm)が0.05(mm)である
場合、この幅と深さとを上記(1)式に代入すると、n
=0.5となる。すなわち、nは整数ではなく、このセ
ラミックヒータは上記(1)式を満たさない。その結
果、断面形状がコの字形状である溝172の内部には、
渦が発生せず、気流212は、溝172の上部をそのま
ま通過することとなる(図10(b)参照)。
【0027】また、セラミック基板の加熱面の外縁部に
形成された溝の幅A(mm)が0.15(mm)である
場合、この幅と深さとを上記(1)式に代入すると、n
=1.5となる。すなわち、nは整数ではなく、このセ
ラミックヒータは上記(1)式を満たさない。その結
果、断面形状がコの字形状である溝173の内部には、
渦が発生せず、気流213は、溝173の上部をそのま
ま通過することとなる(図10(c)参照)。
【0028】このように、上記(1)式の関係を満たす
には、セラミック基板の加熱面の外縁部に形成される溝
の幅は、該溝の深さの整数倍である必要があり、例え
ば、セラミック基板の加熱面の外縁部に形成される溝の
深さが0.1(mm)である場合、その溝の幅は、例え
ば、0.2(mm)、0.3(mm)とする必要がある
ということになる。
【0029】このように、セラミック基板に、その幅A
(mm)とその深さB(mm)とが、上記(1)式の関
係を満たす溝が形成された際に、安定的な渦が発生する
理由については明らかでないが、溝の長さ方向であっ
て、溝の中心軸を中心に略真円を描くように回転する複
数の渦(図1および図5参照)が発生するのは、高温に
なっている溝の壁付近で上昇流が発生し、溝の壁から離
れた部分で下降流が発生するためではないかと考えられ
る。
【0030】次に、セラミック基板の加熱面の外縁部
に、上記(1)式を満たす深さと幅を有する溝が形成さ
れたセラミックヒータについて、図面を用いて説明す
る。
【0031】図1は、本発明のセラミックヒータにおけ
る表面の一部を模式的に示す部分断面図であり、図2
は、図1に示すセラミックヒータにおける加熱面の一例
を模式的に示す平面図である。また、図3は、図1に示
すセラミックヒータを模式的に示す底面図である。な
お、このセラミックヒータでは、セラミック基板の底面
に抵抗発熱体が形成されている。
【0032】セラミックヒータ10において、セラミッ
ク基板11の加熱面の外縁部には、断面の形状がコの字
形状であり、かつ、上記(1)式を満たすように、溝1
7が形成されている。さらに、セラミックヒータ10に
は、有底孔14および貫通孔15が形成されるととも
に、貫通孔15には、リフターピン16が挿通されてお
り、被加熱物である半導体ウエハ29をセラミックヒー
タ10の加熱面より一定距離離間させた状態で支持し加
熱することができるようになっている。また、リフター
ピン16ではなく、セラミックヒータの加熱面に形成さ
れた支持ピン18により、半導体ウエハ29を、セラミ
ックヒータ10の加熱面より一定距離離間させた状態で
支持し加熱することも可能である。有底孔14には、セ
ラミック基板11の温度を測定するための、リード線が
接続された測温素子(図示せず)が埋め込まれている。
【0033】また、図2に示したように、セラミック基
板11は、円板状に形成されており、セラミック基板の
加熱面の外縁部には、セラミック基板11と同心円の関
係にあり、かつ、平面視が不連続な円環形状である溝1
7が形成されている。また、溝17は、その幅が全て均
一となるように形成されている。
【0034】さらに、図3に示すように、セラミックヒ
ータ10の加熱面11aの全体の温度が均一になるよう
に加熱するため、セラミック基板11の底面に、同心円
状のパターンからなる抵抗発熱体12が形成されてい
る。
【0035】そして、抵抗発熱体12の表面には、抵抗
発熱体の酸化を防止するための金属被覆層120が形成
され、抵抗発熱体12の端部には、外部端子13がろう
付けされており、さらに外部端子13には、例えば、導
電線を有するソケット(図示せず)が取り付けられ、こ
の導電線は電源等に接続されている。
【0036】図1に示す構成のセラミックヒータ10を
機能させて発熱させると、半導体ウエハが加熱されると
ともに、セラミック基板11と半導体ウエハ29との間
の気体が加熱される。そして、その加熱された気体は、
セラミック基板11と半導体ウエハ29との外縁部が開
放されているため、温度の低い外縁部へ向かうことにな
り、セラミック基板11と半導体ウエハ29との間に
は、気流21が発生する。
【0037】また、溝17においても、加熱により気流
が発生するが、この気流21は、(1)式を満たすこと
に起因して、断面視略真円の渦となりやすく、その結
果、溝17まで流れた気流21は、渦20により塞き止
められる。このように渦20が、セラミック基板11と
半導体ウエハ29との間に発生した気流21を塞き止め
ることにより、加熱された空気を溝内に滞留させること
ができ、そのため、上述したように、セラミック基板と
半導体ウエハとの間の中心部から外縁部へ向かう気流2
1によって熱が奪われ、これに起因して半導体ウエハ2
9の面内に温度のばらつきが発生するということがな
く、半導体ウエハ等を均一に加熱することができる。
【0038】また、上述したように、加熱された空気等
の気体を逃散させることなく、上記溝内に滞留させるこ
とができるため、外縁部の温度が低下することがなく、
半導体ウエハを均一に加熱することができる。また、セ
ラミック基板と半導体ウエハとの間に存在する加熱され
た空気等の気体が逃げにくいため、半導体ウエハ等を迅
速に加熱することができる。さらに、略円環状の溝17
は、分割されており、溝17が形成されていない部分が
存在するため、その部分では、気流の流通が可能であ
り、この部分から熱を逃がすことが可能である。従っ
て、本発明のセラミックヒータでは、セラミック基板上
に極度に熱が滞留するのを防止することができ、セラミ
ック基板の加熱面をより均一な温度とすることができ
る。
【0039】図4は、本発明の他の実施形態であるセラ
ミックヒータの一部を模式的に示す部分拡大断面図であ
り、図6は、図4に示したセラミックヒータの加熱面の
一例を模式的に示す平面図であり、図7は、図4に示し
たセラミックヒータを模式的に示す底面図である。な
お、このセラミックヒータでは、セラミック基板の内部
に抵抗発熱体が形成されている。
【0040】セラミックヒータ30において、セラミッ
ク基板31の加熱面の外縁部には、断面の形状がU字形
状であり、かつ、上記(1)式を満たすU字形状の溝3
7が形成されている。また、溝37は、セラミック基板
31と同心円の関係にあり、平面視が不連続な円環形状
となるように形成されている。さらに、セラミックヒー
タ30には、有底孔34および貫通孔35が形成される
とともに、貫通孔35には、リフターピン36が挿通さ
れており、被加熱物である半導体ウエハ49をセラミッ
クヒータ30の加熱面より一定距離離間させた状態で支
持し加熱することができるようになっている。また、リ
フターピン36ではなく、セラミックヒータの加熱面に
形成された支持ピン38により、半導体ウエハ49を、
セラミックヒータ30の加熱面より一定距離離間させた
状態で支持し加熱することも可能である。有底孔34に
は、セラミック基板31の温度を測定するための、リー
ド線が接続された測温素子(図示せず)が埋め込まれて
いる。
【0041】このセラミックヒータ30では、円板状に
形成されたセラミック基板31の内部に、図7に示した
パターンと同形状の同心円状のパターンからなる抵抗発
熱体32が形成されている。そして、抵抗発熱体32の
端部の直下には、スルーホール39が形成され、さら
に、このスルーホール39を露出させる袋孔39aが底
面31bに形成され、袋孔39aには外部端子33が挿
入され、ろう材等(図示せず)で接合されている。ま
た、外部端子33には、例えば、導電線を有するソケッ
ト(図示せず)が取り付けられ、この導電線は電源等に
接続されている。
【0042】図4に示す構成のセラミックヒータ30を
機能させて発熱させると、半導体ウエハが加熱されると
ともに、セラミック基板31と半導体ウエハ49との間
の気体が加熱される。そして、その加熱された気体は、
セラミック基板31と半導体ウエハ49との外縁部が開
放されているため、温度の低い外縁部へ向かうことにな
り、セラミック基板31と半導体ウエハ49との間に
は、気流41が発生する。また、溝37においても、加
熱により気流が発生するが、この気流41は、幅Aおよ
び000深さBが(1)式を満たすことに起因して、断
面視略真円の渦となりやすく、その結果、溝37まで流
れた気流41は、渦40により塞き止められるのであ
る。この渦40が、セラミック基板31と半導体ウエハ
49との間に発生した気流41を塞き止めることによ
り、加熱された空気を溝内に滞留させることができる。
【0043】図5は、本発明のさらに他の実施形態であ
るセラミックヒータの一部を模式的に示す部分拡大断面
図である。セラミックヒータ50において、セラミック
基板51の加熱面の外縁部には、断面の形状がU字形状
であり、かつ、上記(1)式を満たすように、幅Aが深
さBの2倍の長さであるU字形状の溝57が形成されて
いる。なお、図5に示したセラミックヒータ50は、溝
の幅以外の部分の構成については、図4に示したセラミ
ックヒータ30と同様である。
【0044】図5に示したセラミックヒータ50を機能
させて発熱させると、半導体ウエハが加熱されるととも
に、セラミック基板51と半導体ウエハ49との間の気
体が加熱される。そして、その加熱された気体は、セラ
ミック基板51と半導体ウエハ49との外縁部が開放さ
れているため、温度の低い外縁部へ向かうことになり、
セラミック基板51と半導体ウエハ49との間には、気
流61が発生する。また、溝57においても、加熱によ
り気流が発生するが、この気流61は、溝57の幅Aが
深さBの2倍の長さであるため、断面視略真円からなる
2つの渦となり、その結果、溝57まで流れた気流61
は、これら互いに逆向きの回転の渦60aおよび渦60
bにより塞き止められるのである。
【0045】なお、溝57の内部に、互いに逆向きの回
転である2つの渦が発生する理由は明確ではないが、溝
57の断面は、図5に示すように、円を2つ含む形状を
なすため、断面視略真円形状の渦が2つ発生しやすく、
これらの渦は、互いに逆向きの回転であるため、溝57
内の空気の流れが安定するためではないかと考えられ
る。また、この渦60aおよび渦60bが、壁にそって
上昇して、これがカーテンとなり、セラミック基板51
と半導体ウエハ49との間に発生した気流61を塞き止
めることにより、加熱された空気を溝内に滞留させるこ
とができる。
【0046】本発明のセラミックヒータでは、セラミッ
ク基板の加熱面の外縁部に、平面視円環形状となるよう
に、少なくとも2以上に分割された溝が形成されてい
る。
【0047】上記溝は、セラミック基板の加熱面の外縁
部に形成されているため、セラミック基板の中心部から
外縁部へと向かう気流を、該溝内に発生した渦によっ
て、効果的に塞き止めることができる。従って、セラミ
ック基板と半導体ウエハとの間で加熱された空気を外部
へ逃散させることがなく、外部の温度の低い空気が入れ
替わって入ってくることがない。
【0048】上記溝は、平面視が連続した円環形状では
なく、複数に分割された不連続な円環形状である。この
ような構成のセラミックヒータでは、発生した気流の一
部が、溝の不連続部分からセラミック基板の外側方向へ
流れるため、セラミック基板上に極度に熱が滞留するこ
とがなく、セラミック基板の加熱面をより均一な温度と
することが可能となるとともに、連続した円環形状の場
合に比べ、渦が発生しやすくなる。
【0049】本発明において、セラミック基板の外縁部
とは、セラミック基板の半径の2/3よりも外側の部分
をいう。従って、上記溝の外側の壁面とセラミック基板
の側面との距離は、セラミック基板の半径の1/5以下
であることが望ましい。上記溝の外側の壁面とセラミッ
ク基板の側面との距離が、セラミック基板の半径の1/
5を超えると、溝よりも外側で発生した気流が、セラミ
ック基板の外縁部の外側へと流れるため、加熱された空
気等の気体が逃散し、温度の低い空気が入れ替わって入
ってくることにより、半導体ウエハの面内に温度のばら
つきが発生し、半導体ウエハ等を均一に加熱することが
できないからである。
【0050】また、上記溝は、断面形状がコの字形状と
なるように構成されていることが望ましい。さらに、上
記(1)式の関係を満たし、渦の発生を妨げないもので
あれば、その底面の幅が狭くなるように、壁面が傾斜し
て形成されていてもよい。この場合、溝の幅A(mm)
は、溝の上面における幅となる。
【0051】また、上記溝は、断面形状が略円弧形状ま
たはU字形状であることが望ましい。上記溝の断面形状
が、発生する渦の形状により近い形状であることから、
セラミック基板と半導体ウエハとの間に発生した気流
が、上記溝に達した際に渦が発生しやすくなるからであ
る。また、上記溝は、繰り返し熱応力の集中を防ぐ構造
であることが望ましい。なお、上記U字形状としては、
上記(1)式の関係を満たすものであれば、平行線と半
円とを組み合わせた形状だけでなく、下に向かって幅が
狭くなる2本の線と円弧とを組み合わせた形状であって
もよい。
【0052】上記溝の幅は、0.02〜10mmである
ことが望ましい。幅が0.02mm未満であると、上記
溝内に渦が発生しにくく、10mmを超えると、セラミ
ック基板の放熱性が大きくなるとともに、セラミック基
板の強度が低下するからである。
【0053】上記溝の深さは、0.01〜1mm以上で
あることが望ましい。深さが0.01mm未満である
と、上記溝内に渦が発生しにくく、1mmを超えると、
セラミック基板の放熱性が大きくなるとともに、セラミ
ック基板の強度が低下するからである。
【0054】上記溝は、その幅や深さが全て均一となる
ように形成されていることが望ましい。セラミック基板
から半導体ウエハへ熱を均一に伝導させることができ、
半導体ウエハに極度に温度が高い部分や温度が低い部分
が発生することがないからである。
【0055】また、上記溝は、全て同じ断面形状で、規
則的に、かつ、等間隔に形成されていることが望まし
い。セラミック基板から半導体ウエハへ熱を均一に伝導
させることができるからである。
【0056】なお、本発明のセラミック基板では、上記
リフターピンまたは上記支持ピンにより、被加熱物をセ
ラミック基板の加熱面から離間させる場合、5〜500
0μm離間した状態で保持することが望ましい。5μm
未満では、距離が短すぎるため、セラミック基板と半導
体ウエハとの間の空間に気流および渦が発生しにくくな
るとともに、セラミック基板の温度分布の影響をうけて
半導体ウエハの温度が不均一となる。5000μmを超
えると、半導体ウエハの温度が上昇しにくくなり、特
に、半導体ウエハの外周部分の温度が低くなってしまう
からである。被加熱物とセラミック基板の加熱面とは5
〜500μm離間することがより望ましく、20〜20
0μm離間することが更に望ましい。
【0057】本発明のセラミックヒータによれば、セラ
ミック基板の加熱面の外縁部に平面視円環形状で、少な
くとも2以上に分割された溝が、該溝の深さと幅とが特
定の関係を満たすことによって、該溝内に、略定常流か
らなる渦が発生し、セラミック基板と半導体ウエハとの
間の中心部から外縁部へ向かう不定期な気流が、上記渦
によって塞き止められるため、加熱された空気等の気体
を逃散させることなく、上記溝内に滞留させることがで
きる。さらに、対流伝熱による熱伝達量を増加させるた
め、一定の方向へ向かう気流、すなわち、セラミック基
板と半導体ウエハとの間の中心部から外縁部へ向かう気
流によって、半導体ウエハの面内に温度のばらつきが発
生するということがなく、半導体ウエハ等を均一に加熱
することが可能となるとともに、セラミック基板と半導
体ウエハとの間に存在する加熱された空気等の気体が逃
げにくいため、半導体ウエハ等を迅速に加熱することが
できる。さらに、略円環状の溝は、分割されており、溝
が形成されていない部分が存在するため、その部分で
は、気流の流通が可能であり、この部分から熱を逃がす
ことが可能である。従って、本発明のセラミックヒータ
では、セラミック基板上に極度に熱が滞留するのを防止
することができ、セラミック基板の加熱面をより均一な
温度とすることができる。
【0058】次に、本発明を構成するセラミックヒータ
等の材質や形状等について、さらに詳しく説明する。
【0059】本発明のセラミックヒータにおける、セラ
ミック基板の直径は、190mm以上が望ましい。大き
な直径を持つセラミックヒータほど、加熱時に半導体ウ
エハの温度が不均一化しやすいため、本発明の構成が有
効に機能するからである。また、このような大きな直径
を持つ基板は、大口径の半導体ウエハを載置することが
できるからである。セラミック基板の直径は、特に12
インチ(300mm)以上であることが望ましい。次世
代の半導体ウエハの主流となるからである。
【0060】また、本発明のセラミックヒータのセラミ
ック基板の厚さは、25mm以下であることが望まし
い。上記セラミック基板の厚さが25mmを超えると温
度追従性が低下するからである。また、その厚さは、
0.5mm以上であることが望ましい。0.5mmより
薄いと、セラミック基板の強度自体が低下するため破損
しやすくなる。より望ましくは、1.5を超え5mm以
下である。5mmより厚くなると、熱が伝搬しにくくな
り、加熱の効率が低下する傾向が生じ、一方、1.5m
m以下であると、セラミック基板中を伝搬する熱が充分
に拡散しないため加熱面に温度ばらつきが発生すること
があり、また、セラミック基板の強度が低下して破損す
る場合があるからである。
【0061】本発明のセラミックヒータ10において、
セラミック基板11には、被加熱物を載置する加熱面1
1aの反対側から加熱面11aに向けて有底孔14を設
けるとともに、有底孔14の底を抵抗発熱体12よりも
相対的に加熱面11aに近く形成し、この有底孔14に
熱電対等の測温素子(図示せず)を設けるとが望まし
い。
【0062】また、有底孔14の底と加熱面11aとの
距離は、0.1mm〜セラミック基板の厚さの1/2で
あることが望ましい。これにより、測温場所が抵抗発熱
体12よりも加熱面11aに近くなり、より正確な半導
体ウエハの温度の測定が可能となるからである。
【0063】有底孔14の底と加熱面11aとの距離が
0.1mm未満では、放熱してしまい、加熱面11aに
温度分布が形成され、厚さの1/2を超えると、抵抗発
熱体の温度の影響を受けやすくなり、温度制御できなく
なり、やはり加熱面11aに温度分布が形成されてしま
うからである。
【0064】有底孔14の直径は、0.3mm〜5mm
であることが望ましい。これは、大きすぎると放熱性が
大きくなり、また小さすぎると加工性が低下して加熱面
11aとの距離を均等にすることができなくなるからで
ある。
【0065】有底孔14は、図1に示したように、セラ
ミック基板11の中心に対して対称で、かつ、十字を形
成するように複数配列することが望ましい。これは、加
熱面全体の温度を測定することができるからである。
【0066】上記測温素子としては、例えば、熱電対、
白金測温抵抗体、サーミスタ等が挙げられる。また、上
記熱電対としては、例えば、JIS−C−1602(1
980)に挙げられるように、K型、R型、B型、S
型、E型、J型、T型熱電対等が挙げられるが、これら
のなかでは、K型熱電対が好ましい。
【0067】上記熱電対の接合部の大きさは、素線の径
と同じが、または、それよりも大きく、0.5mm以下
であることが望ましい。これは、接合部が大きい場合
は、熱容量が大きくなって応答性が低下してしまうから
である。なお、素線の径より小さくすると発熱し、断線
するおそれがあるからである。
【0068】上記測温素子は、金ろう、銀ろうなどを使
用して、有底孔14の底に接着してもよく、有底孔14
に挿入した後、耐熱性樹脂で封止してもよく、両者を併
用してもよい。上記耐熱性樹脂としては、例えば、熱硬
化性樹脂、特にはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビス
マレイミド−トリアジン樹脂などが挙げられる。これら
の樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。
【0069】上記金ろうとしては、37〜80.5重量
%Au−63〜19.5重量%Cu合金、81.5〜8
2.5重量%:Au−18.5〜17.5重量%:Ni
合金から選ばれる少なくとも1種が望ましい。これら
は、溶融温度が、900℃以上であり、高温領域でも溶
融しにくいためである。銀ろうとしては、例えば、Ag
−Cu系のものを使用することができる。
【0070】本発明のセラミックヒータを形成するセラ
ミックは、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックで
あることが望ましい。窒化物セラミックや炭化物セラミ
ックは、熱膨張係数が金属よりも小さく、機械的な強度
が金属に比べて格段に高いため、セラミック基板の厚さ
を薄くしても、加熱により反ったり、歪んだりしない。
そのため、セラミック基板を薄くて軽いものとすること
ができる。さらに、セラミック基板の熱伝導率が高く、
セラミック基板自体が薄いため、セラミック基板の表面
温度が、抵抗発熱体の温度変化に迅速に追従する。即
ち、電圧、電流値を変えて抵抗発熱体の温度を変化させ
ることにより、セラミック基板の表面温度を制御するこ
とができるのである。
【0071】上記窒化物セラミックとしては、例えば、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタ
ン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0072】また、炭化物セラミックとしては、例え
ば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化
タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。これら
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0073】これらのなかでは、窒化アルミニウムが最
も好ましい。絶縁機能を有し、熱伝導率が180W/m
・Kと最も高く、温度追従性に優れるからである。
【0074】なお、セラミック基板として窒化物セラミ
ックまたは炭化物セラミック等を使用する際、必要によ
り、絶縁層を形成してもよい。窒化物セラミックは酸素
固溶等により、高温で体積抵抗値が低下しやすく、また
炭化物セラミックは特に高純度化しない限り導電性を有
しており、絶縁層を形成することにより、高温時あるい
は不純物を含有していても回路間の短絡を防止して温度
制御性を確保できるからである。
【0075】上記絶縁層としては、酸化物セラミックが
望ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、ムライト、
コージェライト、ベリリア等を使用することができる。
このような絶縁層としては、アルコキシドを加水分解重
合させたゾル溶液をセラミック基板にスピンコートして
乾燥、焼成を行ったり、スパッタリング、CVD等で形
成してもよい。また、セラミック基板表面を酸化処理し
て酸化物層を設けてもよい。
【0076】上記絶縁層は、0.1〜1000μmであ
ることが望ましい。0.1μm未満では、絶縁性を確保
できず、1000μmを超えると抵抗発熱体からセラミ
ック基板への熱伝導性を阻害してしまうからである。さ
らに、上記絶縁層の体積抵抗率は、上記セラミック基板
の体積抵抗率の10倍以上(同一測定温度)であること
が望ましい。10倍未満では、回路の短絡を防止できな
いからである。
【0077】また、本発明のセラミック基板は、カーボ
ンを含有し、その含有量は、200〜5000ppmで
あることが望ましい。電極を隠蔽することができ、また
黒体輻射を利用しやすくなるからである。
【0078】なお、上記セラミック基板は、明度がJI
S Z 8721の規定に基づく値でN6以下のもので
あることが望ましい。この程度の明度を有するものが輻
射熱量、隠蔽性に優れるからである。ここで、明度のN
は、理想的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を1
0とし、これらの黒の明度と白の明度との間で、その色
の明るさの知覚が等歩度となるように各色を10分割
し、N0〜N10の記号で表示したものである。そし
て、実際の測定は、N0〜N10に対応する色票と比較
して行う。この場合の小数点1位は0または5とする。
【0079】また、本発明においては、抵抗発熱体をセ
ラミック基板の表面(底面)に形成してもよく、抵抗発
熱体をセラミック基板の内部に埋設してもよい。抵抗発
熱体をセラミック基板の内部に形成する場合は、上記抵
抗発熱体は、加熱面の反対側の面から厚さ方向に60%
以下の位置に形成されていることが望ましい。60%を
超えると、加熱面に近すぎるため、上記セラミック基板
内を伝搬する熱が充分に拡散されず、加熱面に温度ばら
つきが発生してしまうからである。
【0080】抵抗発熱体をセラミック基板の内部に形成
する場合には、抵抗発熱体形成層を複数層設けてもよ
い。この場合は、各層のパターンは、相互に補完するよ
うにどこかの層に抵抗発熱体が形成され、加熱面の上方
から見ると、どの領域にもパターンが形成されている状
態が望ましい。このような構造としては、例えば、互い
に千鳥の配置になっている構造が挙げられる。なお、抵
抗発熱体をセラミック基板の内部に設け、かつ、その抵
抗発熱体を一部露出させてもよい。
【0081】また、セラミック基板の表面に抵抗発熱体
を設ける場合は、加熱面は抵抗発熱体形成面の反対側で
あることが望ましい。セラミック基板が熱拡散の役割を
果たすため、加熱面の温度均一性を向上させることがで
きるからである。
【0082】抵抗発熱体をセラミック基板の表面に形成
する場合には、金属粒子を含む導体ペーストをセラミッ
ク基板の表面に塗布して所定パターンの導体ペースト層
を形成した後、これを焼き付け、セラミック基板の表面
で金属粒子を焼結させる方法が好ましい。なお、金属の
焼結は、金属粒子同士および金属粒子とセラミックとが
融着していれば充分である。
【0083】セラミック基板の内部に抵抗発熱体を形成
する場合には、その厚さは、1〜50μmが好ましい。
また、セラミック基板の表面に抵抗発熱体を形成する場
合には、この抵抗発熱体の厚さは、1〜30μmが好ま
しく、1〜10μmがより好ましい。
【0084】また、セラミック基板11の内部に抵抗発
熱体を形成する場合には、抵抗発熱体の幅は、5〜20
μmが好ましい。また、セラミック基板11の表面に抵
抗発熱体を形成する場合には、抵抗発熱体の幅は、0.
1〜20mmが好ましく、0.1〜5mmがより好まし
い。
【0085】抵抗発熱体は、その幅や厚さにより抵抗値
に変化を持たせることができるが、上記した範囲が最も
実用的である。抵抗値は、薄く、また、細くなる程大き
くなる。抵抗発熱体は、セラミック基板の内部に形成し
た場合の方が、厚み、幅とも大きくなるが、抵抗発熱体
を内部に設けると、加熱面と抵抗発熱体との距離が短く
なり、表面の温度の均一性が低下するため、抵抗発熱体
自体の幅を広げる必要があること、内部に抵抗発熱体を
設けるために、窒化物セラミック等との密着性を考慮す
る必要性がないため、タングステン、モリブデンなどの
高融点金属やタングステン、モリブデンなどの炭化物を
使用することができ、抵抗値を高くすることが可能とな
るため、断線等を防止する目的で厚み自体を厚くしても
よい。そのため、抵抗発熱体は、上記した厚みや幅とす
ることが望ましい。
【0086】抵抗発熱体の形成位置をこのように設定す
ることにより、抵抗発熱体から発生した熱が伝搬してい
くうちに、セラミック基板全体に拡散し、被加熱物(半
導体ウエハ)を加熱する面の温度分布が均一化され、そ
の結果、被加熱物の各部分における温度が均一化され
る。
【0087】また、本発明のセラミックヒータにおける
抵抗発熱体のパターンとしては、図3および図7に示し
た、同心円形状のパターンに限らず、例えば、渦巻き状
のパターン、偏心円状のパターン、屈曲線の繰り返しパ
ターン等も用いることができる。また、これらは併用し
てもよい。また、最外周に形成された抵抗発熱体パター
ンを、円周方向に分割されたパターンとすることで、温
度が低下しやすいセラミックヒータの最外周で細かい温
度制御を行うことが可能となり、セラミックヒータの温
度のばらつきを抑えることが可能である。さらに、円周
方向に分割された抵抗発熱体のパターンは、セラミック
基板の最外周に限らず、その内部にも形成してもよい。
【0088】抵抗発熱体は、断面が矩形であっても楕円
であってもよいが、偏平であることが望ましい。偏平の
方が加熱面に向かって放熱しやすいため、加熱面の温度
分布ができにくいからである。断面のアスペクト比(抵
抗発熱体の幅/抵抗発熱体の厚さ)は、10〜5000
であることが望ましい。この範囲に調整することによ
り、抵抗発熱体の抵抗値を大きくすることができるとと
もに、加熱面の温度の均一性を確保することができるか
らである。
【0089】抵抗発熱体の厚さを一定とした場合、アス
ペクト比が上記範囲より小さいと、セラミック基板の加
熱面方向への熱の伝搬量が小さくなり、抵抗発熱体のパ
ターンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまい、逆
にアスペクト比が大きすぎると抵抗発熱体の中央の直上
部分が高温となってしまい、結局、抵抗発熱体のパター
ンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまう。従っ
て、温度分布を考慮すると、断面のアスペクト比は、1
0〜5000であることが好ましいのである。
【0090】抵抗発熱体をセラミック基板の表面に形成
する場合は、アスペクト比を10〜200、抵抗発熱体
をセラミック基板の内部に形成する場合は、アスペクト
比を200〜5000とすることが望ましい。
【0091】抵抗発熱体は、セラミック基板の内部に形
成した場合の方が、アスペクト比が大きくなるが、これ
は、抵抗発熱体を内部に設けると、加熱面と抵抗発熱体
との距離が短くなり、表面の温度均一性が低下するた
め、抵抗発熱体自体を偏平にする必要があるからであ
る。
【0092】また、抵抗発熱体を形成する際に用いる、
導体ペーストとしては特に限定されないが、導電性を確
保するための金属粒子または導電性セラミックが含有さ
れているほか、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むものが好
ましい。
【0093】上記金属粒子としては、例えば、貴金属
(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モ
リブデン、ニッケルなどが好ましく、中でも、貴金属
(金、銀、白金、パラジウム)がより好ましい。また、
これらは、単独で用いてもよいが、2種以上を併用する
ことが望ましい。これらの金属は、比較的酸化しにく
く、発熱するに充分な抵抗値を有するからである。上記
導電性セラミックとしては、例えば、タングステン、モ
リブデンの炭化物などが挙げられる。これらは、単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0094】これら金属粒子または導電性セラミック粒
子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μ
m未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100
μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくな
るからである。
【0095】上記金属粒子の形状は、球状であっても、
リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場
合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよ
い。上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン
片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を
保持しやすくなり、抵抗発熱体と窒化物セラミック等と
の密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることが
できるため有利である。
【0096】導体ペーストに使用される樹脂としては、
例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ
る。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコ
ールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースな
どが挙げられる。
【0097】導体ペーストには、上記したように、金属
粒子に金属酸化物を添加し、抵抗発熱体を金属粒子およ
び金属酸化物を焼結させたものとすることが望ましい。
このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結させる
ことにより、セラミック基板である窒化物セラミックま
たは炭化物セラミックと金属粒子とを密着させることが
できる。
【0098】金属酸化物を混合することにより、窒化物
セラミックまたは炭化物セラミックと密着性が改善され
る理由は明確ではないが、金属粒子表面や窒化物セラミ
ック、炭化物セラミックの表面は、わずかに酸化されて
酸化膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物
を介して焼結して一体化し、金属粒子と窒化物セラミッ
クまたは炭化物セラミックとが密着するのではないかと
考えられる。
【0099】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B )、アル
ミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。
【0100】これらの酸化物は、抵抗発熱体の抵抗値を
大きくすることなく、金属粒子と窒化物セラミックまた
は炭化物セラミックとの密着性を改善することができる
からである。
【0101】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B)、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重
量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホ
ウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1
〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50で
あって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整
されていることが望ましい。これらの範囲で、これらの
酸化物の量を調整することにより、特に窒化物セラミッ
クとの密着性を改善することができる。上記金属酸化物
の金属粒子に対する添加量は、0.1重量%以上10重
量%未満が好ましい。
【0102】また、抵抗発熱体として金属箔や金属線を
使用することもできる。上記金属箔としては、ニッケル
箔、ステンレス箔をエッチング等でパターン形成して抵
抗発熱体としたものが望ましい。パターン化した金属箔
は、樹脂フィルム等ではり合わせてもよい。金属線とし
ては、例えば、タングステン線、モリブデン線等が挙げ
られる。
【0103】また、抵抗発熱体を形成した際の面積抵抗
率は、0.1mΩ〜10Ω/□が好ましい。面積抵抗率
が0.1mΩ/□未満の場合、発熱量を確保するため
に、抵抗発熱体パターンの幅を0.1〜1mm程度と非
常に細くしなければならず、このため、パターンのわず
かな欠け等で断線したり、抵抗値が変動し、また、面積
抵抗率が10Ω/□を超えると、抵抗発熱体パターンの
幅を大きくしなければ、発熱量を確保できず、その結
果、パターン設計の自由度が低下し、加熱面の温度を均
一にすることが困難となるからである。
【0104】抵抗発熱体がセラミック基板11の表面に
形成される場合には、抵抗発熱体の表面部分に、金属被
覆層(図1参照)120が形成されていることが望まし
い。内部の金属焼結体が酸化されて抵抗値が変化するの
を防止するためである。形成する金属被覆層120の厚
さは、0.1〜10μmが好ましい。
【0105】金属被覆層120を形成する際に使用され
る金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されない
が、具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、
ニッケルなどが挙げられる。これらは、単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、
ニッケルが好ましい。
【0106】抵抗発熱体12には、電源と接続するため
の端子が必要であり、この端子は、半田を介して抵抗発
熱体12に取り付けるが、ニッケルは、半田の熱拡散を
防止するからである。接続端子としては、例えば、コバ
ール製の外部端子13が挙げられる。
【0107】なお、抵抗発熱体をセラミック基板11の
内部に形成する場合には、抵抗発熱体表面が酸化される
ことがないため、被覆は不要である。抵抗発熱体をセラ
ミック基板11内部に形成する場合、抵抗発熱体の一部
が表面に露出していてもよく、抵抗発熱体を接続するた
めのスルーホールが端子部分に設けられ、このスルーホ
ールに端子が接続、固定されていてもよい。
【0108】接続端子を接続する場合、半田としては、
銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使用す
ることができる。なお、半田層の厚さは、0.1〜50
μmが好ましい。半田による接続を確保するのに充分な
範囲だからである。
【0109】また、本発明のセラミック基板の内部に静
電電極層が形成された場合には、上記セラミック基板
は、静電チャックとして機能する。この場合、この静電
チャックを構成するセラミック基板は、静電電極が形成
されていることを除いて、上記したセラミックヒータと
ほぼ同様に構成されている。
【0110】また、本発明のセラミック基板には、表面
にチャックトップ導体層を設け、内部にガード電極、グ
ランド電極等を設けることによりウエハプローバ用のチ
ャックトップ板として機能する。
【0111】次に、本発明に係るセラミックヒータの製
造方法について説明する。まず、セラミック基板11の
底面に抵抗発熱体12が形成されたセラミックヒータ
(図1〜3参照)の製造方法について、図8に基づいて
説明する。
【0112】(1)セラミック基板の作製工程 上述した窒化アルミニウムや炭化珪素などの窒化物等の
セラミックの粉末に必要に応じてイットリア(Y
)やBC等の焼結助剤、Na、Caを含む化合
物、バインダ等を配合してスラリーを調製した後、この
スラリーをスプレードライ等の方法で顆粒状にし、この
顆粒を金型に入れて加圧することにより板状などに成形
し、生成形体(グリーン)を作製する。
【0113】次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結
させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定
の形状に加工することにより、セラミック基板11を作
製するが、焼成後にそのまま使用することができる形状
としてもよい。加圧しながら加熱、焼成を行うことによ
り、気孔のないセラミック基板11を製造することが可
能となる。加熱、焼成は、焼結温度以上であればよい
が、窒化物セラミックや炭化物セラミックでは、100
0〜2500℃である。また、酸化物セラミックでは、
1500℃〜2000℃である。
【0114】得られたセラミック基板11にサンドブラ
スト等のブラスト処理を実施し、焼結体の外縁部に半導
体ウエハ29とセラミック基板11との間に発生した気
流の流れを調整するための溝17を形成する。
【0115】さらに、ドリル加工を実施し、半導体ウエ
ハ29を支持するためのリフターピン16を挿入するリ
フターピン用貫通孔15となる部分や熱電対などの測温
素子を埋め込むための有底孔14となる部分を形成す
る。(図8(a)参照)。
【0116】なお、加熱、加圧工程において、所望の形
状が得られるように凹凸を形成した金型を用いることに
より、溝17を形成することも可能である。
【0117】(2)セラミック基板に導体ペーストを印
刷する工程 導体ペーストは、一般に、金属粒子、樹脂、溶剤からな
る粘度の高い流動物である。この導体ペーストをスクリ
ーン印刷などを用い、抵抗発熱体12を設けようとする
部分に印刷を行うことにより、導体ペースト層を形成す
る。導体ペースト層は、焼成後の抵抗発熱体12の断面
が、方形で、偏平な形状となるように形成することが望
ましい。
【0118】(3)導体ペーストの焼成 セラミック基板11の底面に印刷した導体ペースト層を
加熱焼成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、金属粒
子を焼結させ、セラミック基板11の底面に焼き付け、
抵抗発熱体12を形成する(図8(b)参照)。加熱焼
成の温度は、500〜1000℃が好ましい。導体ペー
スト中に上述した酸化物を添加しておくと、金属粒子、
セラミック基板および酸化物が焼結して一体化するた
め、抵抗発熱体12とセラミック基板11との密着性が
向上する。
【0119】(4)金属被覆層の形成 次に、抵抗発熱体12表面に、金属被覆層120を形成
する(図8(c)参照)。金属被覆層120は、電解め
っき、無電解めっき、スパッタリング等により形成する
ことができるが、量産性を考慮すると、無電解めっきが
最適である。
【0120】(5)端子等の取り付け 抵抗発熱体12のパターンの端部に電源との接続のため
の端子(外部端子13)を半田で取り付ける。また、有
底孔14に銀ろう、金ろうなどで熱電対(図示せず)を
固定し、ポリイミド等の耐熱樹脂で封止し、セラミック
ヒータ10の製造を終了する(図8(d)参照)。
【0121】なお、本発明のセラミック基板は、静電電
極を設けることにより静電チャックとして使用すること
ができる。また、表面にチャックトップ導体層を設け、
内部にガード電極やグランド電極を設けることにより、
ウエハプローバに使用されるチャックトップ板として使
用することができる。
【0122】次に、セラミック基板31の底面に抵抗発
熱体32が形成されたセラミックヒータ30(図4、
6、7参照)の製造方法について、図9に基づいて説明
する。
【0123】(1)セラミック基板の作製工程 まず、窒化物セラミック等のセラミックの粉末をバイン
ダ、溶剤等と混合してペーストを調製し、これを用いて
グリーンシート70を作製する。
【0124】上述した窒化物等のセラミック粉末として
は、窒化アルミニウム等を使用することができ、必要に
応じて、イットリア等の焼結助剤、Na、Caを含む化
合物等を加えてもよい。また、バインダとしては、アク
リル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソル
ブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種
が望ましい。
【0125】さらに溶媒としては、α−テルピネオー
ル、グリコールから選ばれる少なくとも1種が望まし
い。これらを混合して得られるペーストをドクターブレ
ード法でシート状に成形してグリーンシートを作製す
る。グリーンシートの厚さは、0.1〜5mmが好まし
い。
【0126】(2)グリーンシート上に導体ペーストを
印刷する工程 グリーンシート70上に、抵抗発熱体32を形成するた
めの金属ペーストまたは導電性セラミックを含む導体ペ
ーストを印刷し、導体ペースト層320を形成し、貫通
孔にスルーホール39用の導体ペースト充填層390を
形成する。これらの導電ペースト中には、金属粒子また
は導電性セラミック粒子が含まれている。
【0127】タングステン粒子またはモリブデン粒子の
平均粒子径は、0.1〜5μmが好ましい。平均粒子が
0.1μm未満であるか、5μmを超えると、導体ペー
ストを印刷しにくいからである。このような導体ペース
トとしては、例えば、金属粒子または導電性セラミック
粒子85〜87重量部;アクリル系、エチルセルロー
ス、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ば
れる少なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部;お
よび、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少
なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部を混合した組
成物(ペースト)が挙げられる。
【0128】(3)グリーンシートの積層工程 導体ペーストを印刷していないグリーンシート70を、
導体ペーストを印刷したグリーンシート70の上下に積
層する(図9(a)参照)。このとき、導体ペーストを
印刷したグリーンシート70が積層したグリーンシート
の厚さに対して、底面から60%以下の位置になるよう
に積層する。具体的には、上側のグリーンシートの積層
数は20〜50枚が、下側のグリーンシートの積層数は
5〜20枚が好ましい。
【0129】この後、熱圧着することによりグリーンシ
ート積層体を作製するが、この熱圧着の際、上面に複数
の溝が形成されるような形状のプレス型を用いてもよ
い。ただし、この場合には、次工程のホットプレスの
際、その形状が壊れないように焼成する必要がある。通
常は、下記するように、焼結体を製造した後に加工を行
って、溝を形成することが望ましい。
【0130】(4)グリーンシート積層体の焼成工程 グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシ
ートおよび内部の導体ペーストを焼結させる。また、加
熱温度は、1000〜2000℃が好ましく、加圧の圧
力は、10〜20MPaが好ましい。加熱は、不活性ガ
ス雰囲気中で行う。不活性ガスとしては、例えば、アル
ゴン、窒素などを使用することができる。
【0131】得られた焼結体に、サンドブラスト等のブ
ラスト処理を実施し、焼結体の外縁部に半導体ウエハ4
9とセラミック基板31との間に発生した気流の流れを
調整するための溝37を形成する(図9(b)参照)。
【0132】次に、得られた焼結体に、半導体ウエハ4
9を支持するためのリフターピン36を挿入するリフタ
ーピン用貫通孔35、熱電対などの測温素子を埋め込む
ための有底孔34、抵抗発熱体32を外部端子33と接
続するためのスルーホール49等を形成する。(図9
(c)参照)
【0133】上述の貫通孔および有底孔を形成する工程
は、上記グリーンシート積層体に対して行ってもよい
が、上記焼結体に対して行うことが望ましい。焼結過程
において、変形するおそれがあるからである。
【0134】なお、貫通孔および有底孔は、表面研磨後
に、サンドブラスト等のブラスト処理を行うことにより
形成することができる。また、内部の抵抗発熱体32と
接続するためのスルーホール39に外部端子33を接続
し、加熱してリフローする。加熱温度は、200〜50
0℃が好適である。
【0135】さらに、有底孔34に測温素子としての熱
電対(図示せず)などを銀ろう、金ろうなどで取り付
け、ポリイミドなどの耐熱性樹脂で封止し、セラミック
ヒータ30の製造を終了する(図9(d)参照)。
【0136】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0137】(実施例1) セラミックヒータ(図1〜3および図8参照)の製造 (1)窒化アルミニウム粉末(平均粒径:0.6μm)
100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4
重量部、アクリルバインダ12重量部およびアルコール
からなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末
を作製した。
【0138】(2)次に、この顆粒状の粉末を金型に入
れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。
【0139】(3)次に、この生成形体を1800℃、
圧力:20MPaでホットプレスし、厚さが3mmの窒
化アルミニウム板状体を得た。次に、この板状体から直
径230mmの円板体を切り出し、セラミック製の板状
体(セラミック基板11)とした。このセラミック基板
11にドリル加工を施し、シリコンウエハのリフターピ
ン16を挿入するリフターピン用貫通孔15、熱電対を
埋め込むための有底孔14を形成した。さらに、セラミ
ック基板の上側(加熱面)にマスクを載置し、SiC粒
子等によるブラスト処理により、上側(加熱面)の外縁
部に溝17を形成した。すなわち、セラミック基板11
に、幅が1mm、深さが0.5mmで、溝17の外側の
壁面とセラミック基板11の側面との距離が10mmと
なるような断面の形状がコの字形状の溝17を形成し
た。これは、セラミック基板11に設けた溝17の幅A
(mm)と、その深さB(mm)との間に、下記の
(1)式の関係が成り立つように設定した値である。 A=n・B・・・(1) ちなみに、この場合、n=2、B/A=0.5である。
なお、溝17は、不連続な平面視円環形状とし、溝の数
は、全部で4とした。(図8(a)参照)
【0140】(4)上記(3)で得たセラミック基板1
1に、スクリーン印刷にて導体ペースト層を形成した。
印刷パターンは、同心円状のパターンとした。上記導体
ペーストとしては、Ag48重量%、Pt21重量%、
SiO1.0重量%、B2.2重量%、ZnO
4.1重量%、PbO3.4重量%、酢酸エチル3.4
重量%、ブチルカルビトール17.9重量%からなる組
成のものを使用した。この導体ペーストは、Ag−Pt
ペーストであり、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、
リン片状のものであった。また、Pt粒子は、平均粒子
径0.5μmの球状であった。
【0141】(5)さらに、発熱体パターンの導体ペー
スト層を形成した後、セラミック基板11を780℃で
加熱、焼成して、導体ペースト中のAg、Ptを焼結さ
せるとともにセラミック基板11に焼き付け、抵抗発熱
体12を形成した。(図8(b)参照)抵抗発熱体12
は、厚さが5μm、幅が2.4mm、面積抵抗率が7.
7mΩ/□であった。
【0142】(6)硫酸ニッケル80g/l、次亜リン
酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、
ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水
溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5)で作
製したセラミック基板11を浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱
体12の表面に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)
120を析出させた(図8(c)参照)。
【0143】(7)次に、電源との接続を確保するため
の外部端子13を取り付ける部分に、スクリーン印刷に
より、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属社製)を印刷し
て半田層(図示せず)を形成した。次いで、半田層の上
にコバール製の外部端子13を載置して、420℃で加
熱リフローし、外部端子13を抵抗発熱体12の表面に
取り付けた。(図8(d)参照)
【0144】(8)温度制御のための熱電対(図示せ
ず)をポリイミドで封止し、セラミックヒータ10を得
た。
【0145】(実施例2) セラミックヒータ(図4、6、7および図9参照)の製
造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
0.6μm)100重量部、アルミナ4重量部、アクリ
ル系樹脂バインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部
および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコー
ル53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレ
ード法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリー
ンシートを作製した。
【0146】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、スルーホール39となる部分を
パンチングにより設けた。
【0147】(3)平均粒径1μmのタングステンカー
バイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重
量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散
剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調整した。
平均粒径3μmのタングステン粒子100重量部、アク
リル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒
3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体
ペーストBを調整した。
【0148】この導体ペーストAをグリーンシート上に
スクリーン印刷で印刷し、抵抗発熱体用の導体ペースト
層320を形成した。印刷パターンは、図7に示すよう
な同心円状のパターンとした。さらに、外部端子33を
接続するためのスルーホール39となる部分に導体ペー
ストBを充填し、充填層390を形成した。
【0149】上記処理の終わったグリーンシートに、さ
らに、導体ペーストを印刷していないグリーンシートを
上側(加熱面)に37枚、下側に13枚積層し、130
℃、8MPaの圧力で圧着して積層体を形成した。(図
9(a)参照)
【0150】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15M
Paで10時間ホットプレスし、厚さ3mmのセラミッ
ク板状体を得た。これを230mmの円板状に切り出
し、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗発熱体32を
有するセラミック板状体とした。
【0151】(5)次に、(4)で得られたセラミック
板状体を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、レジンボン
ド砥石によるNC研削により、上側(加熱面)に溝37
を形成した。すなわち、セラミック基板31の加熱面の
外縁部に、幅が1mm、深さが0.5mmで、溝37の
外側の壁面とセラミック基板31の側面との距離が10
mmとなるような断面の形状がU字形状の溝37を形成
した。これは、セラミック基板31に設けた溝37の幅
A(mm)と、その深さB(mm)との間に、上記の
(1)式の関係が成り立つように設定した値である。ち
なみに、この場合、n=2、B/A=0.5である。な
お、溝37は、不連続な平面視円環形状であり、溝の数
は、全部で8とした(図9(b)参照)。また、底面に
は、熱電対を挿入するための有底孔34を形成した。さ
らに、半導体ウエハを運搬等するためのリフターピン3
6を挿入するためのリフターピン用貫通孔35を形成し
た。
【0152】(6)次に、スルーホール39が形成され
ている部分をえぐりとって袋孔39aとし(図9(c)
参照)、この袋孔39aにNi−Auからなる金ろうを
用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の外部端
子33を接続させた(図9(d)参照)。
【0153】(7)温度制御のための熱電対(図示せ
ず)を有底孔34に埋め込み、本発明のセラミックヒー
タ30を得た。
【0154】(実施例3)幅4mm、深さ0.5mm
で、断面の形状がコの字形状の溝17を形成した以外
は、実施例1と同様にしてセラミックヒータを製造し
た。これは、セラミック基板11に設けた溝17の幅A
(mm)と、その深さB(mm)との間に、上記の
(1)式の関係が成り立つように設定した値である。ち
なみに、この場合、n=8、B/A=0.125であ
る。
【0155】(実施例4)幅2mm、深さ0.5mm
で、断面の形状がU字形状の溝37を形成した以外は、
実施例2と同様にしてセラミックヒータを製造した。こ
れは、セラミック基板31に設けた溝37の幅A(m
m)と、その深さB(mm)との間に、上記の(1)式
の関係が成り立つように設定した値である。ちなみに、
この場合、n=4、B/A=0.25である。
【0156】(比較例1)溝17を形成しなかった以外
は、実施例1と同様にしてセラミックヒータを製造し
た。
【0157】(比較例2)幅0.5mm、深さ0.5m
mで、断面の形状がコの字形状の溝17を形成した以外
は、実施例1と同様にしてセラミックヒータを製造し
た。これは、セラミック基板11に設けた溝17の幅A
(mm)と、その深さB(mm)との間に、上記の
(1)式の関係が成り立たないように設定した値であ
る。ちなみに、この場合、n=1、B/A=1である。
【0158】(比較例3)幅0.5mm、深さ0.5m
mで、断面の形状がU字形状の溝37を形成した以外
は、実施例2と同様にしてセラミックヒータを製造し
た。これは、セラミック基板31に設けた溝37の幅A
(mm)と、その深さB(mm)との間に、上記の
(1)式の関係が成り立たないように設定した値であ
る。ちなみに、この場合、n=1、B/A=1である。
【0159】(比較例4)幅0.5mm、深さ1mm
で、断面の形状がコの字形状の溝17を形成した以外
は、実施例1と同様にしてセラミックヒータを製造し
た。これは、セラミック基板11に設けた溝17の幅A
(mm)と、その深さB(mm)との間に、上記の
(1)式の関係が成り立たないように設定した値であ
る。ちなみに、この場合、n=0.5、B/A=2であ
る。
【0160】(比較例5)幅1.5mm、深さ1mm
で、断面の形状がU字形状の溝37を形成した以外は、
実施例2と同様にしてセラミックヒータを製造した。こ
れは、セラミック基板31に設けた溝37の幅A(m
m)と、その深さB(mm)との間に、上記の(1)式
の関係が成り立たないように設定した値である。ちなみ
に、この場合、n=1.5、B/A=0.67である。
【0161】(比較例6)セラミック基板11の上側
(加熱面)に、溝17の外側の壁面とセラミック基板1
1の側面との距離が57.5mmとなるような断面の形
状がコの字形状の溝17を形成した以外は、実施例1と
同様にして、セラミックヒータを製造した。この場合、
溝17の外側の壁面とセラミック基板11の側面との距
離は、セラミック基板11の半径の1/2に相当する。
【0162】(比較例7)幅6mm、深さ0.5mm
で、断面の形状がコの字形状の溝17を形成した以外
は、実施例1と同様にしてセラミックヒータを製造し
た。ちなみに、この場合、n=12、B/A=0.08
3である。
【0163】実施例1〜4および比較例1〜7に係るセ
ラミックヒータを支持容器(図示せず)に載置した後、
シリコンウエハを載置し、通電することにより、300
℃まで昇温し、下記の方法により評価した。
【0164】評価方法 (1)加熱面内温度均一性 セラミックヒータを200℃まで昇温した後、サーモビ
ュア(日本データム社製IR−16−2012−001
2)によりシリコンウエハの最高温度と最低温度とを測
定し、その温度差を算出した。 (2)昇温時間 室温〜200℃まで昇温した時の昇温時間を測定した。
その結果を表1に示す。
【0165】
【表1】
【0166】表1に示すように、実施例1〜4に係るセ
ラミックヒータは、シリコンウエハの面内温度差は小さ
く、23秒以内にシリコンウエハを200℃まで昇温す
ることができた。また、比較例1〜7に係るセラミック
ヒータでは、シリコンウエハの面内温度差が大きく、昇
温時間も長かった。
【0167】実施例1〜4に係るセラミックヒータは、
比較例1〜7に係るセラミックヒータと比べて、シリコ
ンウエハの面内温度が均一であった。これは、実施例1
〜4に係るセラミックヒータでは、セラミック基板の加
熱面とシリコンウエハとの間の空間に発生した気流が、
セラミック基板に形成された溝内に発生した渦によって
塞き止められるため、加熱された空気等の気体を逃散さ
せることなく、滞留させることができ、シリコンウエハ
を均一に加熱することができたものと考えられる。これ
に対して、比較例1〜5に係るセラミックヒータでは、
セラミック基板に形成された溝の幅および深さが、上記
の(1)式の関係を満たさないため、セラミック基板の
加熱面の外縁部に形成された溝内に渦が発生せず、セラ
ミック基板の加熱面と半導体ウエハとの間に発生した気
流が、セラミック基板の中心部から外縁部へと流れるた
め、加熱された空気等の気体が逃散し、その結果、シリ
コンウエハの面内に温度のばらつきが発生して、温度均
一性が低下したものと考えられる。また、比較例7で
は、上記(1)式の関係を満たすが、溝の幅Aと深さB
の長さの比率が0.083と小さすぎるため、渦が発生
しにくかったものと考えられる。
【0168】また、実施例1〜4に係るセラミックヒー
タが、比較例1〜5、7に係るセラミックヒータと比べ
て、昇温時間が短いのは、実施例1〜4に係るセラミッ
クヒータでは、セラミック基板に形成された溝内に渦が
発生することにより、セラミック基板と半導体ウエハと
の間に存在する空気が外側に逃げにくく、温度の低い空
気が入れ替わって入りにくくなることによって、シリコ
ンウエハを迅速に加熱することができたものと考えられ
る。
【0169】なお、比較例6に係るセラミックヒータ
で、シリコンウエハの面内温度差が大きく、昇温時間も
長かったのは、セラミック基板に形成された溝内に渦は
発生したが、溝よりも外側で発生した気流については、
セラミック基板の外縁部の外側へと流れるため、加熱さ
れた空気等の気体が逃散し、温度の低い空気が入れ替わ
って入ってきたためであると考えられた。
【0170】
【発明の効果】以上説明したように本発明のセラミック
基板によれば、セラミック基板の加熱面の外縁部に円環
形状の複数の溝が形成され、該溝の深さと幅とは特定の
関係を満たすため、該溝内に、略定常流からなる渦が発
生し、セラミック基板と半導体ウエハとの間の中心部か
ら外縁部へ向かう気流が、上記渦によって塞き止めら
れ、加熱された空気等の気体を逃散させることなく、上
記溝内に滞留させることができる。その結果、半導体ウ
エハの面内に温度のばらつきが発生するということがな
く、半導体ウエハ等を均一に加熱することができる。
【0171】また、加熱された空気等の気体を逃散させ
ることなく、上記溝内に滞留させることができるため、
外縁部の温度が低下することがなく、半導体ウエハを均
一に加熱することができる。さらに、セラミック基板と
半導体ウエハとの間に存在する加熱された空気等の気体
が逃げにくいため、半導体ウエハ等を迅速に加熱するこ
とができる。
【0172】さらに、略円環状の溝は、分割されてお
り、溝が形成されていない部分が存在するため、その部
分では、気流の流通が可能であり、この部分から熱を逃
がすことが可能である。従って、本発明のセラミックヒ
ータでは、セラミック基板上に極度に熱が滞留するのを
防止することができ、セラミック基板の加熱面をより均
一な温度とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミックヒータの一例を模式的
に示す部分拡大断面図である。
【図2】図1に示したセラミックヒータの平面図であ
る。
【図3】図1に示したセラミックヒータの底面図であ
る。
【図4】本発明に係るセラミックヒータの別の一例を模
式的に示す部分断面図である。
【図5】本発明に係るセラミックヒータのさらに別の一
例を模式的に示す部分断面図である。
【図6】図4に示したセラミックヒータの平面図であ
る。
【図7】図4に示したセラミックヒータの底面図であ
る。
【図8】(a)〜(d)は、図1に示したセラミックヒ
ータの製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図9】(a)〜(d)は、図4に示したセラミックヒ
ータの製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図10】(a)〜(d)は、本発明に係るセラミック
ヒータに形成された溝、セラミック基板と半導体ウエハ
との間の空間における気流、および、上記溝内に発生し
た渦を模式的に示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10、30、50 セラミックヒータ 11、31、51 セラミック基板 11a、31a 加熱面 11b、31b 底面 12、32 抵抗発熱体 120、320 導体ペースト層 13、33 外部端子 14、34 有底孔 15、35 リフターピン用貫通孔 16、36 リフターピン 17、37、57 溝 20、40、60 渦 21、41、61 気流 39 スルーホール 390 充填層 39a 袋孔 120 金属被覆層 320 導体ペースト層 29、49 半導体ウエハ 70 グリーンシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA02 AA08 AA10 AA15 AA16 AA19 AA34 AA37 BA02 BA13 BA17 BB06 BB14 BC04 BC12 BC16 BC27 BC29 CA02 HA01 HA10 JA10 4M106 AA01 DH44 DH46 DH60 DJ01 DJ32

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板の表面または内部に抵抗
    発熱体が形成された半導体製造・検査装置用セラミック
    ヒータであって、前記セラミック基板の少なくとも加熱
    面側の表面には、平面視円環形状の溝が形成されてな
    り、前記溝は、円周方向に分割されてなることを特徴と
    する半導体製造・検査装置用セラミックヒータ。
  2. 【請求項2】前記溝の幅A(mm)と深さB(mm)と
    が、下記の(1)式の関係を満たす請求項1に記載の半
    導体製造・検査装置用セラミックヒータ。 A=n・B・・・(1) (nは2以上の整数)
  3. 【請求項3】 前記溝の幅A(mm)と深さB(mm)
    との長さの比率は、B/A≦0.5である請求項1また
    は2に記載の半導体製造・検査装置用セラミックヒー
    タ。
  4. 【請求項4】 前記溝の断面は、コの字形状である請求
    項1〜3のいずれか1に記載の半導体製造・検査装置用
    セラミックヒータ。
  5. 【請求項5】 前記溝の断面は、円弧形状またはU字形
    状である請求項1〜4のいずれか1に記載の半導体製造
    ・検査装置用セラミックヒータ。
  6. 【請求項6】 被加熱物は、前記セラミック基板と非接
    触の状態で保持されてなる請求項1〜5のいずれか1に
    記載の半導体製造・検査装置用セラミックヒータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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